JP2018004445A - 高速炉用燃料集合体及びそれを装荷する高速炉の炉心 - Google Patents

高速炉用燃料集合体及びそれを装荷する高速炉の炉心 Download PDF

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Abstract

【課題】
冷却材流量喪失等によるボイド発生から短時間経過後の過渡事象時において、ナトリウムプレナム領域に十分なボイドを供給し得る高速炉用燃料集合体及びそれを装荷する高速炉の炉心を提供する。
【解決手段】
高速炉用燃料集合体1は、少なくとも核分裂性物質を燃料として封入する燃料ピン6を複数本束ねてラッパ管3内に収納し、高速炉の炉心20に装荷される。高速炉用燃料集合体1は、燃料ピン6の上部にナトリウムプレナム領域5を備え、最外周に配される燃料ピン6とラッパ管3の内壁面との間に流路抵抗体8を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高速炉用燃料集合体及びそれを装荷する高速炉の炉心に係り、特に、ナトリウムプレナム領域を有する高速炉用燃料集合体及びそれを装荷する高速炉の炉心に関する。
高速炉は、原子炉容器内に炉心を配置しており、冷却材である液体ナトリウム(Na)を原子炉容器内に充填している。その炉心に装荷される燃料集合体は、プルトニウムを富化した劣化ウラン(U−238)を封入した複数の燃料ピン、この複数の燃料ピンを束ねて収容するラッパ管、これらの燃料ピンの下端部、及び燃料ピンの下方に位置する中性子遮蔽体を支持するエントランスノズル、及び燃料ピンの上方に位置する冷却材流出部を有する。
このような高速炉において、冷却材流量喪失等の過渡事象時に燃料集合体内でボイドが発生し、燃料領域までボイドが広がるとボイド反応度が正となるため、炉心出力が上昇する。この問題を解決するため、燃料領域の上部にナトリウムプレナム領域を有する燃料集合体が提案されている。例えば、特許文献1では、冷却材流量喪失等の過渡事象時に発生するボイドによる冷却材のブロックを防止し、燃料ピンの熱的余裕の低下を防止するため、ナトリウムプレナム領域を有する燃料集合体を構成するラッパ管の側壁に開口を設け、集合体周辺流とインターラッパー流よりなるバイパス流路を形成する構成が開示されている。
特開2015−166700号公報
しかしながら、特許文献1に記載される構成は、冷却材流量喪失等によりボイドが発生してから長時間経過後の過渡事象を対象としている。よって、冷却材流量喪失等によるボイド発生直後又はボイド発生から短時間経過後の過渡事象(短時間挙動)については、考慮されていない。すなわち、最外周に配される燃料ピンとラッパ管の内壁面との間を通流する未沸騰の冷却材(集合体周辺流)により、ボイドは潰され凝縮することとなり、ナトリウムプレナム領域を有効に活用することが困難となる。
本来、ナトリウムプレナム領域は、冷却材流量喪失等の過渡事象時に発生するボイドを収容するため、ラッパ管の内壁面により画定される空間であり、中性子の漏洩を促進することでボイド反応度が負となり炉心出力の上昇を抑制する。しかしながら、上述のように、特許文献1に記載される構成では、未沸騰の冷却材によりボイドは潰され、ナトリウムプレナム領域へ十分なボイドを供給することができない事態を招くことになる。
そこで本発明は、冷却材流量喪失等によるボイド発生から短時間経過後の過渡事象時において、ナトリウムプレナム領域に十分なボイドを供給し得る高速炉用燃料集合体及びそれを装荷する高速炉の炉心を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の高速炉用燃料集合体は、少なくとも核分裂性物質を燃料として封入する燃料ピンを複数本束ねてラッパ管内に収納し、高速炉の炉心に装荷される高速炉用燃料集合体であって、前記燃料ピンの上部にナトリウムプレナム領域を備え、最外周に配される燃料ピンと前記ラッパ管の内壁面との間に流路抵抗体を有することを特徴とする。
また、本発明の高速炉の炉心は、内側炉心領域、外側炉心領域及び前記外側炉心領域を囲む径方向中性子反射体領域並びに径方向中性子遮蔽体領域からなる高速炉の炉心であって、前記内側炉心領域及び外側炉心領域に、少なくとも核分裂性物質を燃料として封入する燃料ピンを複数本束ねてラッパ管内に収納する燃料集合体を複数装荷し、前記燃料集合体は、前記燃料ピンの上部にナトリウムプレナム領域を備え、最外周に配される燃料ピンと前記ラッパ管の内壁面との間に流路抵抗体を有することを特徴とする。
本発明によれば、冷却材流量喪失等によるボイド発生から短時間経過後の過渡事象時において、ナトリウムプレナム領域に十分なボイドを供給し得る高速炉用燃料集合体及びそれを装荷する高速炉の炉心を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る実施例1の燃料集合体の縦断面図である。 図1に示す燃料集合体のA−A断面矢視図である。 図2に示す燃料集合体のB−B断面矢視図である。 図2に示す燃料集合体の領域Raの部分拡大図である。 本発明の一実施形態に係る高速炉の炉心を有する高速炉原子力発電システムの全体構成図である。 図5に示す高速炉の炉心の平面図であって、1/2炉心の平面図である。 図3に示す燃料集合体の変形例を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2の燃料集合体の水平断面図である。 図8に示す燃料集合体のB−B断面矢視図である。 図8に示す燃料集合体の領域Rbの部分拡大図である。 本発明の他の実施例に係る実施例3の燃料集合体の水平断面図である。 図11に示す燃料集合体のB−B断面矢視図である。 図11に示す燃料集合体の領域Rcの部分拡大図である。 図11に示す燃料集合体のB−B断面矢視図であって、図12に示した燃料集合体の変形例を示す図である。 図11に示す燃料集合体の領域Rcの部分拡大図であって、図13に示した燃料集合体の変形例を示す図である。
先ず、本発明に係る燃料集合体が装荷される炉心を有する高速炉原子力発電システムについて説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る高速炉の炉心を有する高速炉原子力発電システムの全体構成図である。図5に示すように、高速炉原子力発電システム30は、原子炉容器31、原子炉容器31内に収納された核分裂性物質を含む炉心20、原子炉容器31から一次冷却系配管32aを介して順に接続された中間熱交換器33及び一次主循環ポンプ34a、中間熱交換器33より二次冷却系配管32bを介して順に接続された蒸気発生器35及び二次主循環ポンプ34bを有する。また、高速炉原子力発電システム30は、蒸気発生器35にて発生した蒸気を高圧タービン37a及び低圧タービン37bに送る主蒸気系配管36a、高圧タービン37a及び低圧タービン37bを経由した後の蒸気を凝縮して水に戻す復水器39、復水器39にて凝縮した水を蒸気発生器35に戻す給復水系配管36b、高圧タービン37a及び低圧タービン37bの軸に連結された発電機38、復水器39の下流側で給復水系配管36bに連結された給水ポンプ40及び給水加熱器41から構成される。
そして、高速炉原子力発電システム30では、炉心20にて加熱された一次系冷却材(例えば、液体ナトリウム)を中間熱交換器33に通して二次系冷却材(例えば、液体ナトリウム)を加熱し、さらに二次系冷却材を蒸気発生器35に通して主蒸気系配管36aに蒸気を発生させ、この蒸気を高圧タービン37a及び低圧タービン37bに導いて、発電機38により発電を行う。発電に使用された蒸気は、沸騰水型(BWR)又は加圧水型(PWR)軽水炉原子力発電システムと同様に、復水器39で凝縮されて水となり、その後、給水ポンプ40及び給水加熱器41を通ってそれぞれ昇圧及び加熱され、蒸気発生器35に給水される。
炉心20には、後述する複数体の燃料集合体及び制御棒が装荷されている。炉心20を収納する原子炉容器31内は一次冷却材で満たされ、一次冷却材は、炉心20の下部より炉心20内に入り燃料集合体に沿って上昇し、一次主循環ポンプ34aにより原子炉容器31の外部に設けられた中間熱交換器33へと一次冷却系配管32aを介して流入する。これによりループ型の高速炉を構成している。なお、本明細書ではループ型の高速炉を例に説明するが、これに限られず、原子炉容器31、一次主循環ポンプ34a及び中間熱交換器33を1つのタンクに収容するタンク型の高速炉にも適用できる。
次に高速炉の炉心について説明する。図6は、図5に示す高速炉の炉心20の平面図であって、1/2炉心の平面図である。高速炉の炉心20は、原子炉容器31内に配置され、内側炉心領域21、この内側炉心領域21を取り囲む外側炉心領域22を有する炉心領域、径方向中性子反射体領域23、径方向中性子遮蔽体領域24及び制御棒25を有する。炉心20の半径方向において、径方向中性子反射体領域23が炉心領域を取り囲んで炉心燃料領域と隣り合っており、径方向中性子遮蔽体領域24が径方向中性子反射体領域23を取り囲んでいる。
炉心20の炉心領域(内側炉心領域21及び外側炉心領域22を含む)には、MOX燃料を含む複数の燃料集合体1が装荷されており、また、高速炉の起動時、停止時及び出力の調節時に用いられる制御棒25が装荷されている。制御棒25は、炭化ホウ素(BC)ペレットをステンレス鋼製の被覆管に封入した複数の中性子吸収棒を有する。
仮に、冷却材流量喪失等によるボイド発生直後又はボイド発生から短時間経過後の過渡事象において、詳細後述する本発明に係る燃料集合体1によれば、発生したボイドをナトリウムプレナム領域に収容することで燃料集合体1の燃料領域に正のボイド反応度が付加されることを回避できる。短時間経過後の過渡事象内において、ナトリウムプレナム領域にボイドを収容した後、高速炉の炉心20内に制御棒25を全挿入することで、高速炉の安全性を維持しつつ冷温停止させる。
以下、図面を用いて、高速炉の炉心20に装荷される燃料集合体1の構造を主として、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1の燃料集合体の縦断面図である。図1に示すように、燃料集合体1は、核分裂性物質である燃料ペレットを長軸方向に複数収容し燃料領域を成す燃料ピン6、燃料ピン6を複数本束ね、その燃料ピン束の上端部の上方に設けられたナトリウムプレナム領域5、ナトリウムプレナム領域5の上方に配置される中性子遮蔽体4、複数の燃料ピン6を束ね中性子遮蔽体4を収容する水平断面(横断面)六角形状でステンレス鋼製のラッパ管3、中性子遮蔽体4の上方に設けられ燃料交換機により高速炉の炉心20(図5、図6)への挿入又は炉心20からの引き抜きを可能とするハンドリングヘッド2、及び、冷却材(例えば、液体ナトリウム)を導入するエントランスノズル7より構成される。高速炉の通常運転時において、エントランスノズル7より導入される冷却材は、燃料集合体1内部、すなわち、複数本の燃料ピン6の間、最外周に配される燃料ピン6とラッパ管3の内壁面間を、長軸方向(燃料集合体の長手方向)上方へ通流することにより、核分裂により生じる発熱を冷却する。燃料ピン6は、上記複数の燃料ペレットをステンレス鋼製の被覆管内に封入している。
図2は、図1に示す燃料集合体1のA−A断面矢視図である。図2に示すように、水平断面(横断面)六角形状のラッパ管3内には、複数本の燃料ピン6が三角格子状に稠密配置されている。また、燃料集合体1は、ラッパ管3の内壁面から最外周に配される燃料ピン6へ向かい突出する突起部である、流路抵抗体8a及び流路抵抗体8bからなる流路抵抗体8を有する。流路抵抗体8を構成する流路抵抗体8aは、ラッパ管3の六カ所のコーナー部に配され、水平断面(横断面)が略扇形の形状を有する。また、流路抵抗体8を構成する流路抵抗体8bは、燃料集合体1の水平断面(横断面)内において、周方向に沿って相互に所定の間隔にて離間し複数配され、水平断面(横断面)が略三角形状を有する。
図3は、図2に示す燃料集合体のB−B断面矢視図である。図3に示すように、流路抵抗体8bは、長軸方向(燃料集合体1の長手方向)に沿って連続する形状を備える。図3におい矢印で示すように、エントランスノズル7より導入される冷却材は、隣接する燃料ピン6間の間隙である冷却材流路10、及び最外周に配される燃料ピン6と流路抵抗体8bとの間を長軸方向(燃料集合体1の長手方向)上方へと通流する。なお、図示しないが、流路抵抗体8aも同様に長軸方向(燃料集合体1の長手方向)に沿って連続する形状を備えている。
図4は、図2に示す燃料集合体1の領域Raの部分拡大図である。三角格子状に稠密配置される複数の燃料ピン6は、図示しないワイヤースペーサにて、隣接して配される燃料ピン6の間の間隙が保持されている。具体的には、ワイヤースペーサは、各燃料ピン6のステンレス鋼製の被覆管の外周面に螺旋状に捲回されている。そのため、周方向に沿って相互に所定の間隔にて離間し配される流路抵抗体8bは、最外周に配される燃料ピン6のワイヤースペーサに接触せぬよう(ワイヤースペーサとの干渉を回避するよう)、水平断面(横断面)形状を略三角形状とすると共に、最外周に隣接して配される燃料ピン6の間に対応する位置に配されている。また、ラッパ管3のコーナー部に配される流路抵抗体8aは、最外周であってラッパ管3のコーナー部に対向するよう配される燃料ピン6のワイヤースペーサとの干渉を回避するため、水平断面(横断面)形状を略扇形の形状としている。
ラッパ管3は、例えば、ステンレス鋼製であり、流路抵抗体8(流路抵抗体8a及び流路抵抗体8b)も例えばステンレス鋼製である。流路抵抗体8(流路抵抗体8a及び流路抵抗体8b)は、例えば、スポット溶接等の溶接により、ラッパ管3の内壁面に固定されている。なお、ラッパ管3及び流路抵抗体8(流路抵抗体8a及び流路抵抗体8b)を、ステンレス鋼製とする場合を一例して示すが、必ずしもこれに限られるものではなく、熱膨張係数又は線膨張係数を考慮して、同種の金属材料で形成しても良い。
また、水平断面(横断面)が略三角形状を有する流路抵抗体8b、及び、水平断面(横断面)が略扇形の形状を有する流路抵抗体8aは、必ずしも中実に限らず、中空で長軸方向上端部と長軸方向下端部を塞ぐよう、横断面が略三角形状又は略扇形形状の蓋体をスポット溶接等で固定するよう形成しても良い。
図4において点線で示す、最外周に配される燃料ピン6とラッパ管3の内壁面との間隙である集合体周辺部9においては、流路抵抗体8a及び流路抵抗体8bからなる流路抵抗体8が配されていることから、高速炉の通常運転時において、集合体周辺部9を通流する冷却材は、流動抵抗が増加し通過流量が低下する。減少した流量分の冷却材は複数本の燃料ピン6の間、すなわち、冷却材流路10(図3)を長軸方向(燃料集合体1の長手方向)上方へと通流するため、燃料ピン6の冷却に寄与する。
また、冷却材流量喪失等によるボイド発生直後では、エントランスノズル7より導入される冷却材は、複数本の燃料ピン6の間、すなわち、冷却材流路10、及び集合体周辺部9を長軸方向(燃料集合体1の長手方向)上方へと通流する。次にボイド発生から短時間経過後の過渡事象時では、冷却材の流量減少に伴い、複数本の燃料ピン6の回りで発生したボイドが、浮力によりナトリウムプレナム領域5(図1)へと移動する。一方、集合体周辺部9におけるボイドは、流路抵抗体8a及び流路抵抗体8bからなる流路抵抗体8により、集合体周辺部9内を通流する未沸騰の冷却材の流量が減少することから、凝縮することなくナトリウムプレナム領域5へと移動する。ナトリウムプレナム領域5においてボイドが拡大することにより、ナトリウムプレナム領域5より中性子が漏洩しボイド反応度が減少し、炉心出力が低下する。
なお、本実施例では、ラッパ管3の内壁面に流路抵抗体8(流路抵抗体8a及び流路抵抗体8b)をスポット溶接等に固定する場合を一例として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、3Dプリンタ等を用いて、ラッパ管3と流路抵抗体8(流路抵抗体8a及び流路抵抗体8b)とを一体成型しても良い。これは、流路抵抗体8は、燃料集合体1のエントランスノズル7より導入され、燃料集合体1内を長軸方向に沿って上方へと通流する冷却材に対し、抵抗体として機能すれば良く、特に、高剛性或いは強度を求められるものではないためである。
図7は、図3に示す燃料集合体1の変形例を示す図である。図7に示すように、流路抵抗体8bは、長軸方向において、所定の間隔(H1)にて離間し、ラッパ管3の内壁面に固定されている。図3に示す例では、流路抵抗体8bが、長軸方向に沿って連続する形状を有するのに対し、図7に示す例では、長軸方向に沿って、複数の流路抵抗体8bが所定の間隔(H1)にて離間する点が異なる。なお、図7では図示しないが、流路抵抗体8aも同様に、長軸方向(燃料集合体1の長手方向)において、所定の間隔(H1)にて離間し、ラッパ管3の内壁面に固定されている。図7に示す変形例においても、流路抵抗体8bは、図4に示したように、周方向に沿って相互に所定の間隔にて離間し配されると共に、最外周に配される燃料ピン6のワイヤースペーサに接触せぬよう(ワイヤースペーサとの干渉を回避するよう)、水平断面(横断面)形状が略三角形状を有する。また、流路抵抗体8aは、最外周であってラッパ管3のコーナー部に対向するよう配される燃料ピン6のワイヤースペーサとの干渉を回避するため、水平断面(横断面)形状が略扇形の形状を有する。
図7に示す変形における、水平断面(横断面)が略三角形状を有する流路抵抗体8a、及び、水平断面(横断面)が略扇形の形状を有する流路抵抗体8aは、必ずしも中実に限らず、中空で長軸方向上端部と長軸方向下端部を塞ぐよう、横断面が略三角形状又は略扇形形状の蓋体をスポット溶接等で固定するよう形成しても良い。なお、長軸方向における所定の間隔(H1)は、エントランスノズル7より導入され、集合体周辺部9を長軸方向に上方へと通流する未沸騰の冷却材に対し、流動抵抗として機能する範囲であれば、適宜設定すれば良く、所定の間隔(H1)を大きく設定するほど流路抵抗体8a及び流路抵抗体8aの材料コストの低減が図られる。
なお、本実施例では、水平断面(横断面)六角形状のラッパ管3内に、三角格子状に稠密配置される複数本の燃料ピン6を、図示しないワイヤースペーサにて間隙を保持する構成を前提として説明したが、ワイヤースペーサに代えてグリッドスペーサにて、複数本の燃料ピン6の間の間隙を保持する構成としても良い。この場合、周方向に沿って相互に所定の間隔にて離間し配される流路抵抗体8bの水平断面(横断面)形状は、図4に示した略三角形状に限られず、四角形状を含む多角形状或は半円形状等、グリッドスペーサの外壁面に干渉しなければいずれの形状を成しても良い。また、流路抵抗体8bがラッパ管3の内壁面に固定される位置は、最外周に隣接して配される燃料ピン6の間に対応する位置に限らず、最外周に隣接して配される燃料ピン6に対向する位置に配しても良い。なお、流路抵抗体8aの水平断面(横断面)形状についても、四角形状を含む多角形状等、対向配置されるグリッドスペーサの外壁面に干渉しなければいずれの形状を成しても良い。
本実施例によれば、冷却材流量喪失等によるボイド発生から短時間経過後の過渡事象時において、ナトリウムプレナム領域に十分なボイドを供給し得る高速炉用燃料集合体及びそれを装荷する高速炉の炉心を提供することが可能となる。
また、本実施例によれば、冷却材流量喪失等によるボイド発生から短時間経過後の過渡事象時において、燃料集合体内におけるボイドの発生を促進できると共に、高速炉の通常運転時においては、燃料集合体内の燃料領域を長軸方向上方へと通流する冷却材の流量を増加させることが可能となる。
図8は、本発明の他の実施例に係る実施例2の燃料集合体の水平断面図である。本実施例では、流路抵抗体を、ラッパ管の内壁面から最外周に配される燃料ピンへ向かい延在すると共にラッパ管の内壁面の周方向沿って連続するメッシュ部材で構成する点が実施例1と異なる。以下では、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、実施例1と重複する説明を省略する。
図8に示すように、本実施例の流路抵抗体8cは、燃料集合体1を構成するラッパ管3の内壁面から最外周に配される燃料ピン6へと向かい延在すると共に、ラッパ管3の内壁面の周方向沿って連続するメッシュ部材で構成される。流路抵抗体8cを構成するメッシュ部材の内周部は、最外周に配される燃料ピン6の被覆管の外周面及び、三角格子状に稠密配される複数本の燃料ピン6の間の間隙を保持するグリッドスペーサ(図示せず)の外壁面と所定の間隙をもって離間している。流路抵抗体8cを構成するメッシュ部材は、例えば、スレンレス鋼製であって、図8に示すようにラティス格子状のワイヤー等により構成される。
図9は、図8に示す燃料集合体のB−B断面矢視図である。図9に示すように、流路抵抗体8cは、最外周に配される燃料ピン6の上端部より所定の高さ分、長軸方向下方に配され、外周部がラッパ管3の内壁面に、例えば、スポット溶接等の溶接により固定されている。図9におい矢印で示すように、エントランスノズル7より導入される冷却材は、隣接する燃料ピン6間の間隙である冷却材流路10、及び最外周に配される燃料ピン6と流路抵抗体8cとの間及びメッシュ部材からなる流路抵抗体8cの網目を通って長軸方向(燃料集合体1の長手方向)上方へと通流する。なお、流路抵抗体8cの長軸方向における設置位置は、少なくとも最外周に配される燃料ピン6の上端部より下方であれば良く、できるだけ長軸方向下方に配することが好ましい。
図10は、図8に示す燃料集合体の領域Rbの部分拡大図である。三角格子状に稠密配置される複数の燃料ピン6は、図示しないグリッドスペーサにて、隣接して配される燃料ピン6の間の間隙が保持されている。図10に示すように、メッシュ部材からなる流路抵抗体8cの内周部は、最外周に配される燃料ピン6の被覆管の外周面及び図示しないグリッドスペーサの外壁面と僅かな間隙をもって離間している。また、メッシュ部材からなる流路抵抗体8cの内周部は、水平断面(横断面)六角形状のラッパ管3を模した六角形状を成している。図10において、エントランスノズル7より導入され長軸方向上方へと通流する冷却材は、図10の奥行方向奥側から手前側へと流れる。集合体周辺部9においては、隣接する燃料ピン6間の間隙である冷却材流路10(図9)及びグリッドスペーサ(図示せず)の外壁面とメッシュ部材からなる流路抵抗体8cの内周部との間隙を通流する冷却材に加え、メッシュ部材からなる流路抵抗体8cの網目を通る冷却材が存在する。これら冷却材のうち、流路抵抗体8cを構成するメッシュ部材に衝突する冷却材には圧損が生じ、集合体周辺部9を通流する冷却材に対し、流路抵抗体8cは流動抵抗として作用する。なお、メッシュ部材からなる流路抵抗体8cの網目のサイズは、冷却材に対し作用する流動抵抗を考慮し、適宜設定すれば良い。網目のサイズを小さくし、且つ、メッシュ部材を形成するワイヤーの径を大きくするほど流動抵抗は増加する。
従って、高速炉の通常運転時において、集合体周辺部9を通流する冷却材は、流動抵抗が増加し通過流量が低下する。減少した流量分の冷却材は複数本の燃料ピン6の間、すなわち、冷却材流路10(図9)を長軸方向(燃料集合体1の長手方向)上方へと通流するため、燃料ピン6の冷却に寄与する。
また、冷却材流量喪失等によるボイド発生直後では、エントランスノズル7より導入される冷却材は、複数本の燃料ピン6の間、すなわち、冷却材流路10、及び集合体周辺部9を長軸方向(燃料集合体1の長手方向)上方へと通流する。次にボイド発生から短時間経過後の過渡事象時では、冷却材の流量減少に伴い、複数本の燃料ピン6の回りで発生したボイドが、浮力によりナトリウムプレナム領域5(図1)へと移動する。一方、集合体周辺部9におけるボイドは、メッシュ部材からなる流路抵抗体8cにより、集合体周辺部9内を通流する未沸騰の冷却材の流量が減少することから、凝縮することなくナトリウムプレナム領域5へと移動する。ナトリウムプレナム領域5においてボイドが拡大することにより、ナトリウムプレナム領域5より中性子が漏洩しボイド反応度が減少し、炉心出力が低下する。
なお、メッシュ部材からなる流路抵抗体8cを、上述の例えばグリッドスペーサの外壁面に干渉することなく、また、相互に流路抵抗体8cを構成するメッシュ部材の網目がずれるよう、長軸方向に複数段設ける構成とすれば、更に、集合体周辺部9を通流する冷却材に対する流動抵抗を増加させることが可能となる。
また、本実施例では、流路抵抗体8cを構成するメッシュ部材として、ラティス格子状のワイヤーを一例として示したが、これに限らず、三角格子の繰り返しパターンからなるメッシュ部材を用いても良く、また、ラッパ管3及びメッシュ部材からなる流路抵抗体8cを、ステンレス鋼製とする場合を一例して示すが、必ずしもこれに限られるものではなく、熱膨張係数又は線膨張係数を考慮して、同種の金属材料で形成しても良い。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、メッシュ部材からなる流路抵抗体の外周部をラッパ管の内壁面に固定すれば良いため、実施例1と比較して作業性を向上することが可能となる。
図11は、本発明の他の実施例に係る実施例3の燃料集合体の水平断面図である。本実施例では、流路抵抗体を、ラッパ管の内壁面から最外周に配される燃料ピンへ向かい延在すると共にラッパ管の内壁面の周方向沿って連続する平板を、長軸方向に沿って所定の間隔にて離間し配する構成とした点が実施例1と異なる。以下では、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、実施例1と重複する説明を省略する。
図11に示すように、本実施例の流路抵抗体8dは、燃料集合体1を構成するラッパ管3の内壁面から最外周に配される燃料ピン6へと向かい延在すると共に、ラッパ管3の内壁面の周方向沿って連続する平板にて構成される。流路抵抗体8dを構成する平板の内周面は、最外周に配される燃料ピン6の被覆管の外周面及び、三角格子状に稠密配される複数本の燃料ピン6の間の間隙を保持するグリッドスペーサ(図示せず)の外壁面と所定の間隙をもって離間している。また、流路抵抗体8dを構成する平板の内周面は、水平断面(横断面)六角形状のラッパ管3を模した六角形状を成している。換言すれば、流路抵抗体8dは、上面視六角形状の開口部を有し、その外郭が六角形状をなす平板にて構成される。なお、流路抵抗体8dを構成する平板は、ラッパ管3と同様に、例えばステンレス鋼製である。
図12は、図11に示す燃料集合体1のB−B断面矢視図である。図11に示すように、流路抵抗体8dを構成する平板は、長軸方向において、所定の間隔(H2)にて離間し、ラッパ管3の内壁面に複数段、例えば、スポット溶接等の溶接により固定されている。長軸方向において最上部に配される流路抵抗体8dを構成する平板の上面は、最外周に配される燃料ピン6の上端部と同等の位置、又は最外周に配される燃料ピン6の上端部よりも下方に配することが望ましい。図12において矢印で示すように、エントランスノズル7より導入される冷却材は、隣接する燃料ピン6間の間隙である冷却材流路10、及び最外周に配される燃料ピン6と流路抵抗体8dを構成する平板の内周面との間を通って長軸方向(燃料集合体1の長手方向)上方へと通流する。
ここで、集合体周辺部9を通流する冷却材は、長軸方向において最下部に配される流路抵抗体8dを構成する平板の下面に衝突することにより圧損が生じ、流動抵抗として作用する。更に、流路抵抗体8dを構成する平板の下面に衝突し長軸方向下方へと流れの方向が折り返される冷却材流と、最外周に配される燃料ピン6と流路抵抗体8dを構成する平板の内周面との間を長軸方向上方へと通流する冷却材流との間で、相互に干渉しあい乱流又は渦流が発生する。そのため、最下部に配される流路抵抗体8dを構成する平板の内周面と最外周に配される燃料ピン6との間を、長軸方向上方へと通流する際、冷却材流は層流状態を維持できずに層流から拡散流へと変化する。拡散流に変化した冷却材流の一部が、最下部に配される流路抵抗体8dを構成する平板よりも1段上方に配される流路抵抗体8dを構成する平板の下面と衝突することとなり、圧損が生じると共に、上述のように乱流又は渦流が発生する。このような現象が、長軸方向に所定の間隔(H2)にて離間しラッパ管3の内壁面に固定される流路抵抗体8dを構成する平板の段数分、繰り返し生じることとなり、集合体周辺部9を通流する冷却材に対する流動抵抗が、実施例1と比較し更に増加する。
図13は、図11に示す燃料集合体1の領域Rcの部分拡大図である。三角格子状に稠密配置される複数の燃料ピン6は、図示しないグリッドスペーサにて、隣接して配される燃料ピン6の間の間隙が保持されている。図13に示すように、流路抵抗体8dを構成する平板の内周面は、最外周に配される燃料ピン6の被覆管の外周面及び図示しないグリッドスペーサの外壁面と所定の間隔にて離間している。図13において、エントランスノズル7より導入され長軸方向上方へと通流する冷却材は、図13の奥行方向奥側から手前側へと流れる。集合体周辺部9においては、隣接する燃料ピン6間の間隙である冷却材流路10(図12)及びグリッドスペーサ(図示せず)の外壁面と流路抵抗体8dを構成する平板の内周面との間を通流する。これら冷却材のうち、グリッドスペーサ(図示せず)の外壁面と流路抵抗体8dを構成する平板の内周面との間を通流する冷却材に対しては、上述の図12にて説明したように、流動抵抗が増加する。
従って、高速炉の通常運転時において、集合体周辺部9を通流する冷却材は、流動抵抗が増加し、実施例1と比較し更に通過流量が低下する。減少した流量分の冷却材は複数本の燃料ピン6の間、すなわち、冷却材流路10(図12)を長軸方向(燃料集合体1の長手方向)上方へと通流するため、燃料ピン6の冷却に寄与する。
また、冷却材流量喪失等によるボイド発生直後では、エントランスノズル7より導入される冷却材は、複数本の燃料ピン6の間、すなわち、冷却材流路10、及び集合体周辺部9を長軸方向(燃料集合体1の長手方向)上方へと通流する。次にボイド発生から短時間経過後の過渡事象時では、冷却材の流量減少に伴い、複数本の燃料ピン6の回りで発生したボイドが、浮力によりナトリウムプレナム領域5(図1)へと移動する。一方、集合体周辺部9におけるボイドは、流路抵抗体8dにより、集合体周辺部9内を通流する未沸騰の冷却材の流量が減少することから、凝縮することなくナトリウムプレナム領域5へと移動する。ナトリウムプレナム領域5においてボイドが拡大することにより、ナトリウムプレナム領域5より中性子が漏洩しボイド反応度が減少し、炉心出力が低下する。
図14は、図11に示す燃料集合体1のB−B断面矢視図であって、図12に示した燃料集合体1の変形例を示す図である。図14に示すように、流路抵抗体8d’を構成する平板は、所定の間隔にて離間し形成される複数の孔11を備える。当該孔11は平板を長軸方向に貫通する貫通孔であって、孔11を介して冷却材が流路抵抗体8d’を長軸方向上方へと通流する。また、流路抵抗体8d’を構成する平板の内周面は、最外周に配される燃料ピン6の被覆管の外周面と接触し支持する。この場合において、最外周に配される燃料ピン6よりも内側に三角格子状に稠密配置される燃料ピン6については、上述のワイヤースペーサにて燃料ピン間の間隙を保持する構成とすれば良い。このような構成とすることで、流路抵抗体8d’にスペーサとしての機能を付加することができる。換言すれば、流路抵抗体8d’は、燃料集合体1のエントランスノズル7から流入し燃料集合体内を軸方向上方へと通流する冷却材に対し流動抵抗として作用すると共に、最外周に配される複数の燃料ピン6を支持し束ねるスペーサとして兼用することが可能となる。
ここで、集合体周辺部9を通流する冷却材は、長軸方向において最下部に配される流路抵抗体8d’を構成する平板の下面に衝突することにより圧損が生じ、流動抵抗として作用する。更に、流路抵抗体8d’を構成する平板に所定の間隔にて離間し形成された複数の孔11を冷却材が通流する際、冷却材流は孔11の口径により一端絞られる。続いて、孔11の出口と最下部に配される流路抵抗体8d’を構成する平板よりも1段上方に配される流路抵抗体8d’を構成する平板との間の拡大流路へ、冷却材が孔11の出口から流出することになるため、冷却材流は拡散流となる。拡散流となった冷却材流の一部は、最下部に配される流路抵抗体8d’を構成する平板よりも1段上方に配される流路抵抗体8d’を構成する平板の下面に衝突し長軸方向下方へと流れの方向が折り返される。この折り返された冷却材流と、上記1段上方に配される流路抵抗体8d’を構成する平板に形成された孔11を通流しようとする冷却材流の間で、相互に干渉しあい乱流又は渦流が発生する。そのため、孔11を通流しようとする冷却材流に対する流動抵抗が増加する。このような現象が、長軸方向に所定の間隔(H2)にて離間しラッパ管3の内壁面に固定される流路抵抗体8d’を構成する平板の段数分、繰り返し生じることとなり、集合体周辺部9を通流する冷却材に対する流動抵抗が、実施例1と比較し更に増加する。
図15は、図11に示す燃料集合体1の領域Rcの部分拡大図であって、図13に示した燃料集合体の変形例を示す図である。図15に示すように、三角格子状に稠密配置される複数の燃料ピン6の被覆管の外周面は、流路抵抗体8d’を構成する平板の内周面により支持されている。また、流路抵抗体8d’を構成する平板には、複数の孔11が所定の間隔にて2列設けられている。なお、流路抵抗体8d’を構成する平板に設けられる孔11の数は、図15に示す数に限定されるものではない。例えば、図15に示す孔11の口径よりも小さい口径を有する複数の孔を周方向に並列に3列以上設けても良い。また、図15では、周方向に並列に2列設けられる複数の孔11が、燃料集合体11の水平断面(横断面)において、径方向に整列させて設ける例を示すが、これに限られず、径方向に相互にオフセットするよう複数の孔11を設けても良い。
また、図14に示した、長軸方向において所定の間隔(H2)にて離間し複数段設けられる流路抵抗体8d’の平板間において、孔11の位置が長軸方向において重ならぬよう形成しても良い。このような構成とすることで、各段の流路抵抗体8d’の平板に設けられた孔11を通流する冷却材流に対し、更に流動抵抗を増加させることが可能となる。
本実施例では、ラッパ管3及び流路抵抗体8d’の平板を、ステンレス鋼製とする場合を一例して示すが、必ずしもこれに限られるものではなく、熱膨張係数又は線膨張係数を考慮して、同種の金属材料で形成しても良い。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、水平断面(横断面)六角形状の開口部を有する平板を備える流路抵抗体の外周部をラッパ管の内壁面に固定すれば良いため、実施例1と比較して作業性を向上することが可能となる。
また、本実施例によれば、集合体周辺部を通流する冷却材に対する流動抵抗を、実施例1と比較し更に増加することが可能となり、冷却材流量喪失等によるボイド発生から短時間経過後の過渡事象時におけるボイドの発生をより効果的に促進することができると共に、高速炉の通常運転時における燃料集合体内の燃料領域を長軸方向上方へと通流する冷却材の流量を、実施例1と比較し更に増加させることが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1・・・燃料集合体
2・・・ハンドリングヘッド
3・・・ラッパ管
4・・・中性子遮蔽体
5・・・ナトリウムプレナム領域
6・・・燃料ピン
7・・・エントランスノズル
8,8a,8b,8c,8d,8d’・・・流路抵抗体
9・・・集合体周辺部
10・・・冷却材流路
11・・・孔
20・・・炉心
21・・・内側炉心領域
22・・・外側炉心領域
23・・・径方向中性子反射体領域
24・・・径方向中性子遮蔽体領域
25・・・制御棒
30・・・高速炉原子力発電システム
31・・・原子炉容器
32a・・・一次冷却系配管
32b・・・二次冷却系配管
33・・・中間熱交換器
34a・・・一次主循環ポンプ
34b・・・二次主循環ポンプ
35・・・蒸気発生器
36a・・・主蒸気系配管
36b・・・給復水系配管
37a・・・高圧タービン
37b・・・低圧タービン
38・・・発電機
39・・・復水器
40・・・給水ポンプ
41・・・給水加熱器

Claims (18)

  1. 少なくとも核分裂性物質を燃料として封入する燃料ピンを複数本束ねてラッパ管内に収納し、高速炉の炉心に装荷される高速炉用燃料集合体であって、
    前記燃料ピンの上部にナトリウムプレナム領域を備え、最外周に配される燃料ピンと前記ラッパ管の内壁面との間に流路抵抗体を有することを特徴とする高速炉用燃料集合体。
  2. 請求項1に記載の高速炉用燃料集合体において、
    前記流路抵抗体は、前記ラッパ管の内壁面から前記最外周に配される燃料ピンへ向かい突出する突起部を有することを特徴とする高速炉用燃料集合体。
  3. 請求項2に記載の高速炉用燃料集合体において、
    前記突起部は、燃料集合体の長軸方向に沿って連続する形状を備えることを特徴とする高速炉用燃料集合体。
  4. 請求項2に記載の高速炉用燃料集合体において、
    前記突起部は、燃料集合体の長軸方向に沿って所定の間隔にて離間し配されることを特徴とする高速炉用燃料集合体。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の高速炉用燃料集合体において、
    前記突起部は、燃料集合体の水平断面内において、周方向に所定の間隔にて離間し配されることを特徴とする高速炉用燃料集合体。
  6. 請求項1に記載の高速炉用燃料集合体において、
    前記流路抵抗体は、前記ラッパ管の内壁面から前記最外周に配される燃料ピンへ向かい延在すると共に、前記ラッパ管の内壁面の周方向沿って連続するメッシュ部材であることを特徴とする高速炉用燃料集合体。
  7. 請求項6に記載の高速炉用燃料集合体において、
    前記メッシュ部材は、相互にメッシュ部材の網目がずれるよう、燃料集合体の長軸方向に複数段設けられることを特徴とする高速炉用燃料集合体。
  8. 請求項1に記載の高速炉用燃料集合体において、
    前記流路抵抗体は、前記ラッパ管の内壁面から前記最外周に配される燃料ピンへ向かい延在すると共に前記ラッパ管の内壁面の周方向沿って連続する平板であって、燃料集合体の長軸方向に沿って所定の間隔にて離間し配されることを特徴とする高速炉用燃料集合体。
  9. 請求項8に記載の高速炉用燃料集合体において、
    前記平板は、相互に所定の間隔にて離間し配され、燃料集合体の長軸方向上方へと冷却材を通流し得る複数の貫通孔を有することを特徴とする高速炉用燃料集合体。
  10. 内側炉心領域、外側炉心領域及び前記外側炉心領域を囲む径方向中性子反射体領域並びに径方向中性子遮蔽体領域からなる高速炉の炉心であって、
    前記内側炉心領域及び外側炉心領域に、少なくとも核分裂性物質を燃料として封入する燃料ピンを複数本束ねてラッパ管内に収納する燃料集合体を複数装荷し、
    前記燃料集合体は、前記燃料ピンの上部にナトリウムプレナム領域を備え、最外周に配される燃料ピンと前記ラッパ管の内壁面との間に流路抵抗体を有することを特徴とする高速炉の炉心。
  11. 請求項10に記載の高速炉の炉心において、
    前記流路抵抗体は、前記ラッパ管の内壁面から前記最外周に配される燃料ピンへ向かい突出する突起部を有することを特徴とする高速炉の炉心。
  12. 請求項11に記載の高速炉の炉心において、
    前記突起部は、燃料集合体の長軸方向に沿って連続する形状を備えることを特徴とする高速炉の炉心。
  13. 請求項11に記載の高速炉の炉心において、
    前記突起部は、燃料集合体の長軸方向に沿って所定の間隔にて離間し配されることを特徴とする高速炉の炉心。
  14. 請求項12又は請求項13に記載の高速炉の炉心において、
    前記突起部は、燃料集合体の水平断面内において、周方向に所定の間隔にて離間し配されることを特徴とする高速炉の炉心。
  15. 請求項10に記載の高速炉の炉心において、
    前記流路抵抗体は、前記ラッパ管の内壁面から前記最外周に配される燃料ピンへ向かい延在すると共に、前記ラッパ管の内壁面の周方向沿って連続するメッシュ部材であることを特徴とする高速炉の炉心。
  16. 請求項15に記載の高速炉の炉心において、
    前記メッシュ部材は、相互にメッシュ部材の網目がずれるよう、燃料集合体の長軸方向に複数段設けられることを特徴とする高速炉の炉心。
  17. 請求項10に記載の高速炉の炉心において、
    前記流路抵抗体は、前記ラッパ管の内壁面から前記最外周に配される燃料ピンへ向かい延在すると共に前記ラッパ管の内壁面の周方向沿って連続する平板であって、燃料集合体の長軸方向に沿って所定の間隔にて離間し配されることを特徴とする高速炉の炉心。
  18. 請求項17に記載の高速炉の炉心において、
    前記平板は、相互に所定の間隔にて離間し配され、燃料集合体の長軸方向上方へと冷却材を通流し得る複数の貫通孔を有することを特徴とする高速炉の炉心。
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