JP2020023058A - 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ - Google Patents

液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ Download PDF

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啓介 三澤
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Abstract

【課題】長いサテライト滴やミストの発生を抑制する。【解決手段】メイン駆動信号MWは、第1駆動パルスP1を含む第1サブ駆動信号W1を有する。第1駆動パルスP1は、放電波形要素T11、および、放電維持波形要素T12を有する第1波形要素PT1と、充電波形要素T13、および、充電維持波形要素T14を有する第2波形要素PT2と、充電波形要素T15を有する第3波形要素PT3と、を備えている。吐出ヘッドのヘルムホルツ固有振動周期をTcとし、正の整数のうち何れかの数をnとしたとき、第1波形要素PT1の開始t1から第2波形要素PT2の開始t2までの第1間隔D1は、(1/2)×n×Tcであり、第2波形要素PT2の開始t2から第3波形要素PT3の開始t12までの第2間隔D22は、(3/4)×n×Tc以上(5/4)×n×Tc以下である。【選択図】図8A

Description

本発明は、液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタに関する。
従来から、インクジェットプリンタなどに設けられ、インクなどの液体を吐出する液体吐出装置が知られている。例えば、液体吐出装置は、液体が貯留される圧力室と、圧力室の一部を区画する区画板と、区画板に連結されたアクチュエータと、圧力室に形成されたノズルと、アクチュエータに駆動信号を供給することでアクチュエータを駆動させる制御装置と、を備えている。
上記液体吐出装置を備えたインクジェットプリンタでは、制御装置がアクチュエータに駆動パルス信号(以下、駆動パルスという。)を供給すると、アクチュエータが変形する。アクチュエータの変形に伴って区画板が変形する。このことによって、圧力室の容積が増加または減少し、圧力室内のインクの圧力が変化する。この圧力の変化に伴い、ノズルからインクが吐出される。ここで、ノズルから吐出されたインクは液滴(詳しくは、インク滴)となって飛翔し、記録紙などの記録媒体に着弾する。その結果、液滴としての1つのドットが記録媒体上に形成される。そして、このようなドットが記録媒体上に複数形成されることによって、画像が形成される。
ところで、ドットのサイズ(例えば直径)を調整することができれば、記録媒体上に形成された画像の画質を調整することができる。しかしながら、上記のようなインクジェットプリンタでは、1つの駆動パルスで安定的に吐出することができる液滴の液量には限界がある。1つの駆動パルスで異なるサイズのドットを形成することは難しい。そこで、例えば特許文献1には、マルチドット方式によってドットのサイズを調整する方法が開示されている。このマルチドット方式では、記録媒体上に1つのドットを形成するための時間として予め設定された時間(以下、駆動周期という。)内に、複数の駆動パルスを含む駆動信号を生成する。そして、この駆動信号に含まれる1つまたは2つ以上の駆動パルスをアクチュエータに対して選択的に供給する。例えば相対的に大きなドットは、1駆動周期内で時系列的に2つ以上の液滴を吐出させ、これら液滴を記録媒体に着弾する前にマージ(合体)させることで形成される。
特開平10−81012号公報
ところで、上記液体吐出装置では、ノズルからインク滴(主滴)を吐出した後に、主滴からノズルのインク液面を形成するメニスカスへとつながる尾引き(サテライト)が生じることがある。このサテライトが主滴から分離すると、サテライト滴となって飛翔し、サテライト滴が記録媒体上の主滴と離れた位置に着弾することがある。また、サテライト滴の速度が遅い場合には気流や空気抵抗などの影響によって運動エネルギーが失われ、インクミスト(無秩序に浮遊する微細なインク滴)となって装置内部や記録媒体を汚すことがある。このため、スループットの向上や印刷ギャップの拡大を図るうえでは、長いサテライト滴やインクミストの発生をより良く抑制することが望まれている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、長いサテライト滴やミストの発生を抑制することが可能な液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタを提供することである。
本発明に係る液体吐出装置は、液体を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに通信可能に接続された制御装置と、を備えている。前記吐出ヘッドは、内部に液体が貯留される圧力室が形成されたケースと、前記ケースに設けられ、前記圧力室の一部を区画する振動板と、前記振動板に連結され、電気信号が供給されると変形するアクチュエータと、前記ケースに形成され、前記圧力室と連通するノズルと、を備えている。前記制御装置は、駆動周期毎に、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第1の液滴を吐出するための第1駆動パルスを含む第1サブ駆動信号を少なくとも有するメイン駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、前記駆動信号生成回路によって生成された前記メイン駆動信号の一部または全部を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給回路と、を備えている。前記駆動信号供給回路は、前記アクチュエータに対して前記第1サブ駆動信号を供給することで、前記ノズルから第1の液量の液体を吐出させる第1ドット形成部を備えている。前記第1駆動パルスは、電位が基準電位から前記基準電位よりも小さい第1電位に下降する放電波形要素、および、電位が前記第1電位で維持される放電維持波形要素を有する第1波形要素と、電位が前記第1電位から前記第1電位より大きい第2電位に上昇する充電波形要素、および、電位が前記第2電位で維持される充電維持波形要素を有する第2波形要素と、電位が前記第2電位から前記第2電位よりも大きい第3電位に上昇する充電波形要素を有する第3波形要素と、を備えている。前記吐出ヘッドのヘルムホルツ固有振動周期をTcとし、正の整数のうちの何れかの数をnとしたとき、前記第1波形要素の開始から前記第2波形要素の開始までの第1間隔は、(1/2)×n×Tcであり、前記第2波形要素の開始から前記第3波形要素の開始までの第2間隔は、(3/4)×n×Tc以上(5/4)×n×Tc以下である。
圧力室が膨張した後に収縮したことで発生した振動が、次以降の膨張および収縮時に残り、その残った振動によって、次以降の膨張および収縮によって発生した振動が制振または加振することがあり得る。以下の説明において、上記のように制振または加振した後の振動のことを「残留振動」という。本願発明者は、サテライトを高速化し、残留振動を加振させてメニスカスに繋がる液滴の液柱を振動により分離することで、長いサテライト滴の発生を抑制することができることを見出した。上記液体吐出装置によれば、第1波形要素の開始から第2波形要素の開始までの第1間隔を(1/2)×n×Tcとし、第2波形要素の開始から第3波形要素の開始までの第2間隔を、(3/4)×Tc以上(5/4)×Tc以下とすることで、圧力室が収縮状態から膨張状態に切り替わるタイミングの近傍で、第3波形要素の充電波形要素によって電位が上昇する。そのため、上記のタイミングの近傍で圧力室の収縮側の波を発生することができるため、残留振動を加振させることができる。その結果、上記液柱を分離させることができるため、長いサテライト液の発生を抑制することができる。また、残留振動を加振させたため、サテライト滴を高速化することができる。よって、サテライト滴の速度が遅いことで発生し易いミストの発生を抑制することができる。
本発明によれば、長いサテライト滴やミストの発生を抑制することが可能な液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタを提供することができる。
一実施形態に係るインクジェットプリンタを示す斜視図である。 インクジェットプリンタの主要部を示す正面図である。 液体吐出装置の構成を示すブロック図である。 吐出ヘッドの一部の断面図である。 図4中のV−V断面に沿う断面図である。 メイン駆動信号の波形図である。 第1駆動パルスを示す説明図である。 図7Aの第1駆動パルスに対応する圧力室の状態を示す説明図である。 第1駆動パルスを示す説明図である。 図8Aの第1駆動パルスに対応する圧力室の状態を示す説明図である。 第2間隔とサテライト滴の速度との関係を示す図である。 第1サブ駆動信号の波形図である。 第1ドットを形成するときにアクチュエータに供給される供給信号を示す波形図である。 第2ドットを形成するときにアクチュエータに供給される供給信号を示す波形図である。 第3ドットを形成するときにアクチュエータに供給される供給信号を示す波形図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタの実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、プリンタという。)10の斜視図である。図2は、プリンタ10の主要部を示す正面図である。図1および図2において、符号Lおよび符号Rは、それぞれ左および右を示している。符号Fおよび符号Rrは、それぞれ前および後を示している。符号Uおよび符号Dは、それぞれ上および下を示している。また、符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは、前後方向であり、平面視において主走査方向Yと直交している。ただし、これらの方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
図1に示すように、プリンタ10は、記録媒体5を順次前方(ここでは、副走査方向Xの下流側)に移動させると共に、主走査方向Yに移動する後述の吐出ヘッド25(図2参照)からインクを吐出させることによって、記録媒体5に画像を印刷する。記録媒体5は、例えば記録紙であり、インクが吐出される対象物である。なお、記録媒体5は、記録紙などの紙類に限定されず、ポリ塩化ビニルやポリエステルなどの樹脂材料、アルミニウム、鉄、木材などの各種の材料によって形成されたものであってもよい。
図2に示すように、プリンタ10は、ケーシング12と、ケーシング12内に配置されたガイドレール13とを備えている。ガイドレール13は、主走査方向Yに延びている。ガイドレール13には、インクを吐出する吐出ヘッド25が設けられたキャリッジ11が係合している。キャリッジ11は、キャリッジ移動機構18によって、ガイドレール13に沿って主走査方向Yに往復移動する。キャリッジ移動機構18は、ガイドレール13の左端側および右端側に配置されたプーリ29b、29aを有している。右側のプーリ29aにはキャリッジモータ18aが連結されている。なお、キャリッジモータ18aは左側のプーリ29bに連結されていてもよい。プーリ29aは、キャリッジモータ18aによって駆動される。両プーリ29a、29bには、それぞれ無端状のベルト16が巻き掛けられている。キャリッジ11はベルト16に固定されている。プーリ29a、29bが回転してベルト16が走行すると、キャリッジ11が主走査方向Yに移動する。
プリンタ10は、大判のインクジェットプリンタであり、例えば家庭用の卓上型プリンタと比べて大きい。プリンタ10は、例えば業務用のプリンタである。解像度との兼ね合いもあるが、スループットを向上させる観点から、キャリッジ11の走査速度は速めに設定されることがある。例えば通常の走査速度は、概ね600mm/s〜900mm/s程度に設定され、駆動周波数は14kHz程度である。例えば高速動作時には、駆動周波数が20kHz程度で、走査速度が概ね1000mm/s以上、例えば1100mm/s〜1200mm/sに設定される。ただし、上記走査速度および駆動周波数は単なる例示であり、特定の値に限定される訳ではない。
記録媒体5は、紙送り機構(図示せず)によって、紙送り方向に搬送される。ここでは、紙送り方向は副走査方向X(図1参照)のことである。ケーシング12内には、記録媒体5が載置されるプラテン14が設けられている。プラテン14にはグリットローラ(図示せず)が設けられている。グリットローラの上方にはピンチローラ(図示せず)が設けられている。グリットローラはフィードモータ(図示せず)に連結されている。グリットローラはフィードモータによって駆動され、回転する。グリットローラとピンチローラとの間に記録媒体5が挟まれた状態でグリットローラが回転すると、記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。
図2に示すように、プリンタ10には、複数のインクカートリッジ21が設けられている。それら複数のインクカートリッジ21には、色の異なるインクが貯留されている。しかしながら、複数のインクカートリッジ21の少なくとも一部には、同じ色のインクが貯留されていてもよい。本実施形態では、インクカートリッジ21には、例えばシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインクの何れかが貯留されている。上記各インクは、吐出ヘッド25から安定して吐出されるように、その性状が調整されている。例えば、25℃におけるインクの粘度は、凡そ3mPa・s〜9mPa・s程度、例えば比較的低粘度である凡そ3mPa・s〜5mPa・s程度、あるいは凡そ7mPa・s〜9mPa・s程度に調整されている。上記粘度は、25℃において、JIS Z8803(2001)に従って測定した値とする。粘度測定には、例えばコーンプレート型回転式粘度計(東機産業製 TVE−25L)を用いることができる。
吐出ヘッド25は、インクカートリッジ21毎に設けられている。ここでは、吐出ヘッド25とインクカートリッジ21とは、インク供給路22によって互いに接続されている。インク供給路22は、インクカートリッジ21から吐出ヘッド25へインクを供給するインク流路である。インク供給路22は、例えば可撓性を有するチューブによって構成されている。インク供給路22には、インクを吐出ヘッド25に供給するための送液ポンプ23が設けられている。ただし、送液ポンプ23は必ずしも必要ではなく、省略することが可能である。本実施形態では、インク供給路22の一部は、ケーブル類保護案内装置17により覆われている。
図3は、液体吐出装置20の構成を示すブロック図である。図3に示すように、プリンタ10は、液体吐出装置20を備えている。液体吐出装置20は、吐出ヘッド25と、吐出ヘッド25の動作を制御する制御装置28とを備えている。
吐出ヘッド25は、液体の一例であるインクを吐出する。吐出ヘッド25は、記録媒体5に向かってインクを吐出し、記録媒体5上にインクのドットを形成するものである。このドットが複数並べられることによって、記録媒体5上に画像などが形成される。吐出ヘッド25は、記録媒体5と対向する側の面(本実施形態では吐出ヘッド25の下面)に、インクを吐出するための複数のノズル35(図4参照)を備えている。
図4は、吐出ヘッド25の1つのノズル35近傍における部分断面図である。図5は、図4のV−V断面に沿う断面図である。図4に示すように、吐出ヘッド25は、開口31aを有する中空のケース31と、開口31aを塞ぐようにケース31に取り付けられた振動板32とを備えている。ケース31には、内部にインクが貯留される圧力室33が形成されている。図5に示すように、圧力室33には、圧力室33の一部を区画して、第1インク流路33aおよび第2インク流路33bを形成する縦壁33cが形成されている。縦壁33cは、振動板32を下から支持している。図4に示すように、振動板32は圧力室33の一部を区画している。振動板32は、圧力室33の内側および外側に弾性変形可能なものである。振動板32は、圧力室33の容積を増加および減少させるように変形可能に構成されている。振動板32は、例えば樹脂フィルムまたは金属箔である。
ケース31の内部には、インクカートリッジ21(図2参照)から供給されたインクが流れる流路38が形成されている。振動板32には、インクが圧力室33に流入するインク流入口34が形成されている。なお、インク流入口34は、圧力室33と連通していればよく、インク流入口34の位置や形成部位は特に限定されない。本実施形態では、インク流入口34は、流路38と圧力室33との間に形成されている。圧力室33には、インク流入口34を通じて流路38からインクが供給され、一時的に所定量のインクが貯留される。インク流入口34を通じて圧力室33内に流入したインクは、図5の矢印Bおよび矢印Cに示すように、第1インク流路33aおよび第2インク流路33bを通って、ノズル35へと導かれる。ノズル35は、ケース31の下面31bに形成されている。ノズル35は、圧力室33と連通している。ノズル35は記録媒体5(図2参照)に向かって液滴(インク滴)を吐出する。ノズル35内部のインクの液面(自由表面)がメニスカス35aを形成している。なお、ノズル35からインクが吐出された後には、図4の矢印Mで示すように、ノズル35から圧力室33を介してインク流入口34までの間に共振が発生する。
圧力室33は、ヘルムホルツ固有振動周期Tcを有している。ヘルムホルツ固有振動周期Tcは、圧力室33を構成する各構成要素、例えばケース31や振動板32の材質や大きさ、形状、構成部材の配置位置、ノズル35の開口面積、インクの物性(例えば粘度)などによって一義的に特定される。ヘルムホルツ固有振動周期Tcは、インク吐出時の吐出ヘッド25に固有の振動周期である。ヘルムホルツ固有振動周期Tcは、例えば数μs〜数十μs程度(例えば6μs程度)の振動周期である。インク滴を吐出した後の圧力室33には、この振動周期をもった残留振動が生じることとなる。
振動板32における圧力室33側と反対側の面には、圧電素子36が連結されている。なお、ここでいう「連結」には、振動板32と圧電素子36とが直接的に接続されている場合と、他の部材を介して間接的に接続されている場合との両方が含まれる。圧電素子36は振動板32と接触していてもよいし、接触していなくてもよい。本実施形態では、振動板32と圧電素子36との間には、弾性を有するフィルム32aが介在している。ここでは、フィルム32aの下方には、縦壁33c(図5参照)は配置されていない。圧電素子36の一部は、ケース31に設けられた固定部材39に固定されている。圧電素子36は、アクチュエータを構成している。圧電素子36は、フレキシブルケーブル37を介して制御装置28に接続されている。
圧電素子36には、フレキシブルケーブル37を介して電気信号が供給される。本実施形態では、圧電素子36は、圧電材料層と導電層とが交互に積層された積層体である。圧電素子36は、制御装置28から電気信号を受けると膨張または収縮し、振動板32を圧力室33の外側または内側に弾性変形させるように機能する。ここでは、縦振動モードのピエゾ素子(PZT)を採用している。縦振動モードのPZTは、上記積層方向に伸縮自在であり、例えば放電すると収縮し、充電すると伸長するようになっている。ただし、圧電素子36の構成は特に限定されない。
このような構成の吐出ヘッド25では、例えば圧電素子36の電位を基準電位から下降させることによって、圧電素子36が収縮する。これに追従して振動板32が初期位置から圧力室33の外側に弾性変形し、圧力室33が膨張する。なお、圧力室33が膨張するとは、振動板32の変形により圧力室33の容積が大きくなることをいう。次いで、圧電素子36の電位を上昇させることによって、圧電素子36が積層方向に伸長する。これにより、振動板32が圧力室33の内側に弾性変形し、圧力室33が収縮する。なお、圧力室33が収縮するとは、振動板32の変形により圧力室33の容積が小さくなることをいう。このような圧力室33の膨張および収縮によって、圧力室33内の圧力が変動する。この圧力室33内の圧力変動によって、圧力室33内のインクが加圧され、インク滴となってノズル35から吐出される。その後、圧電素子36の電位を基準電位に戻すことにより、振動板32が初期位置に復帰して、圧力室33が膨張する。このとき、インク流入口34から圧力室33内にインクが流入する。
制御装置28は、キャリッジ移動機構18のキャリッジモータ18a(図2参照)と、紙送り機構のフィードモータ(図示せず)と、送液ポンプ23(図2参照)と、吐出ヘッド25と、圧電素子36に対して、通信可能に接続されている。制御装置28は、これらの動作を制御する。制御装置28は、典型的にはコンピュータである。制御装置28は、例えば、ホストコンピュータなどの外部機器からの印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置とを備えている。
図3に示すように、制御装置28は、吐出ヘッド25を駆動するためのメイン駆動信号MWを生成する駆動信号生成回路41と、駆動信号生成回路41が生成するメイン駆動信号MWの一部または全部を吐出ヘッド25の各圧電素子36に供給する駆動信号供給回路42とを備えている。なお、以下の説明では、吐出ヘッド25の圧電素子36のことをアクチュエータ36と称する。駆動信号供給回路42がアクチュエータ36に供給する信号のことを、供給信号と称する。詳細は後述するが、供給信号は、駆動信号生成回路41が生成するメイン駆動信号MWの一部または全部からなる信号である。
駆動信号生成回路41および駆動信号供給回路42のハードウェア構成は特に限定されない。駆動信号生成回路41および駆動信号供給回路42のハードウェア構成は、周知のもの(例えば、特開2014−162221号公報に開示されたハードウェア構成)を利用することができるため、ここではその説明を省略する。
駆動信号生成回路41が生成するメイン駆動信号MWには、複数の駆動パルスが含まれる。詳細には、メイン駆動信号MWには、第1サブ駆動信号と、第2サブ駆動信号と、第3サブ駆動信号とが含まれる。第1サブ駆動信号、第2サブ駆動信号および第3サブ駆動信号は、それぞれ1つまたは2つ以上の駆動パルスを含む。駆動信号供給回路42は、それら第1〜第3サブ駆動信号のうち1つまたは2つ以上のサブ駆動信号を選択し、選択したサブ駆動信号をアクチュエータ36に供給する。アクチュエータ36に供給するサブ駆動信号を適宜選択することにより、1駆動周期中に吐出ヘッド25のノズル35から吐出されるインクの液量を変更することができる。このことによって、記録媒体5上に形成されるインクのドットのサイズを変更することができる。本実施形態に係るプリンタ10では、サイズの異なる3種類のドットを形成することができる。以下の説明では、これら3種類のドットのことを、サイズの小さい方から順に、第1ドット(小ドット)、第2ドット(中ドット)、第3ドット(大ドット)と称することとする。例えば、小ドットはインク質量が凡そ8ng〜10ngであり、中ドットはインク質量が凡そ12ng〜16ngであり、大ドットはインク質量が凡そ20ng〜24ngである。
図3に示すように、駆動信号供給回路42は、第1ドット形成部42aと、第2ドット形成部42bと、第3ドット形成部42cとを有している。駆動信号供給回路42は、第1ドットを形成するときに、アクチュエータ36に対してメイン駆動信号の一部である第1サブ駆動信号を供給し、かつ、メイン駆動信号の他の一部である第2サブ駆動信号、および、第3サブ駆動信号を供給しない第1ドット形成部42aとして機能する。第1ドット形成部42aは、ノズル35から第1の液量のインクを吐出させる。駆動信号供給回路42は、第2ドットを形成するときに、アクチュエータ36に対して第2サブ駆動信号を供給し、かつ、第1サブ駆動信号および第3サブ駆動信号を供給しない第2ドット形成部42bとして機能する。第2ドット形成部42bは、ノズル35から第2の液量のインクを吐出させる。第2の液量は、第1の液量よりも多い。駆動信号供給回路42は、第3ドットを形成するときに、アクチュエータ36に対して第1サブ駆動信号、第2サブ駆動信号および第3サブ駆動信号を供給する第3ドット形成部42cとして機能する。第3ドット形成部42cは、ノズル35から第3の液量のインクを吐出させる。第3の液量は、第1の液量よりも多く、第2の液量よりも多い。
図6は、駆動信号生成回路41が生成するメイン駆動信号MWの波形図である。図6では、横軸tは時間を示し、縦軸Vは電位を示している。時間txは1駆動周期を示している。駆動信号生成回路41は、図6に示すようなメイン駆動信号MWを駆動周期毎に繰り返し生成するように構成されている。
図6に示すように、メイン駆動信号MWは、第1サブ駆動信号W1と、第2サブ駆動信号W2と、第3サブ駆動信号W3とを有している。ここでは、第2サブ駆動信号W2は、第1サブ駆動信号W1より後ろに位置し、第1サブ駆動信号W1よりも後に印加される。本実施形態では、第2サブ駆動信号W2は、メイン駆動信号MWの最後部に位置し、最も遅く印加されるサブ駆動信号である。第3サブ駆動信号W3は、第1サブ駆動信号W1よりも前に位置し、第1サブ駆動信号W1よりも前に印加される。本実施形態では、第3サブ駆動信号W3は、メイン駆動信号MWの最前部に位置し、最も早く印加されるサブ駆動信号である。ここで、「〜よりも後(または前)に印加される」というのは、時系列的に後(または前)に印加されることをいい、言い換えると、「〜よりも遅れて(または早く)印加される」と同じことを表しており、「〜よりも遅い(または早い)時点で印加される」と同じことを表している。
第1サブ駆動信号W1は、第1駆動パルスP1を含んでいる。第1駆動パルスP1は、電位が基準電位V0からV5に下降する放電波形要素T11と、電位がV5で維持される放電維持波形要素T12と、電位がV5からV6に上昇する充電波形要素T13と、電位がV6で維持される充電維持波形要素T14と、電位がV6からV7に上昇する充電波形要素T15と、電位がV7で維持される充電維持波形要素T16と、電位がV7からV0に下降する放電波形要素T17と、を有する。
図6に示すように、第2サブ駆動信号W2は、第2駆動パルスP2および第3駆動パルスP3を含んでいる。第2駆動パルスP2は、第1駆動パルスP1の後ろに位置し、第1駆動パルスP1よりも後に印加される。第2駆動パルスP2は、電位がV0からV4に下降する放電波形要素T21と、電位がV4で維持される放電維持波形要素T22と、電位がV4からV0に上昇する充電波形要素T23とを有している。第3駆動パルスP3は、第2駆動パルスP2よりも後ろに位置し、第2駆動パルスP2よりも後に印加される。第3駆動パルスP3は、電位がV0からV2に下降する放電波形要素T31と、電位がV2で維持される放電維持波形要素T32と、電位がV2からV8に上昇する充電波形要素T33と、電位がV8で維持される充電維持波形要素T34と、電位がV8からV0に下降する放電波形要素T35とを有している。
なお、本実施形態では、時系列で第2駆動パルスP2の後であって、第3駆動パルスP3の前には、微振動パルスP5が含まれていていもよい。微振動パルスP5は、第2駆動パルスP2の後ろに位置し、第2駆動パルスP2よりも後に印加される。微振動パルスP5は、第3駆動パルスP3の前に位置し、第3駆動パルスP3よりも前に印加される。ここでは、微振動パルスP5は、電位がV0からV1に下降する放電波形要素T51と、電位がV1で維持される放電維持波形要素T52と、電位がV1からV0に上昇する充電波形要素T53とを有している。微振動パルスP5は、微振動させるためのパルスであり、インク滴の非吐出用のパルスである。微振動パルスP5は、インク滴の吐出時には印加されない。例えばインク滴の非吐出時には、微振動パルスP5により、メニスカス35a(図4参照)を微小振動させて、圧力室33(図4参照)内のインクを攪拌することができる。したがって、ノズル35(図4参照)近傍のインクの乾燥や増粘を抑制することができ、ノズル35の詰まりなどの不具合を抑制することができる。
図6に示すように、第3サブ駆動信号W3は、第1サブ駆動信号W1よりも前に位置し、第1サブ駆動信号W1よりも前に印加される。ここでは、第3サブ駆動信号W3は、第4駆動パルスP4を含んでいる。第4駆動パルスP4は、第1駆動パルスP1よりも前に位置し、第1駆動パルスP1よりも前に印加される。第4駆動パルスP4は、電位がV0からV3に下降する放電波形要素T41と、電位がV3で維持される放電維持波形要素T42と、電位がV3からV0に上昇する充電波形要素T43とを有している。なお、本実施形態では、V8>V7>V6>V0>V1>V2>V3>V4>V5が成り立つ。しかしながら、V8、V7、V6の相互の大小関係、および、V1、V2、V3、V4、V5の相互の大小関係は特に限定されない。
本実施形態では、メイン駆動信号MWは、駆動パルスとして、第1駆動パルスP1〜第4駆動パルスP4の4つのパルスを有している。ここでは、第1駆動パルスP1の要素T11〜T13、第2駆動パルスP2の要素T21〜T23、第3駆動パルスP3の要素T31〜T33、および、第4駆動パルスP4の要素T41〜T43が含まれる波形を、それぞれ「台形波形」という。第1駆動パルスP1〜第4駆動パルスP4の各台形波形では、圧力室33の容積を一度増加させてから減少させている。換言すると、第1駆動パルスP1〜第4駆動パルスP4の各台形波形では、圧力室33を一度膨張させてから収縮させる。さらに換言すると、第1駆動パルスP1〜第4駆動パルスP4の各台形波形では、圧力室33を一度減圧させてから加圧させる。第1駆動パルスP1〜第4駆動パルスP4は、それぞれ、台形波形によって第1の液滴〜第4の液滴を吐出させる駆動パルスである。
本実施形態では、第1駆動パルスP1の要素T14およびT15、ならびに、第3駆動パルスP3の要素T33およびT34は、「制振用波形」と呼ばれる波形である。制振用波形は、台形波形によって圧力室33が収縮した状態が維持された時間に応じて、振動を減衰または増振させる波形である。この制振用波形は、台形波形の後ろに位置するものである。
ところで、吐出ヘッド25からインクを吐出する際、ノズル35からインク滴(主滴)を吐出した後に、主滴からノズル35のインク液面を形成するメニスカスへとつながる尾引き(サテライト)が生じることがある。このサテライトが主滴から分離すると、サテライト滴となって飛翔し、記録媒体5上の主滴と離れた位置に着弾することがある。また、サテライト滴の速度が遅い場合には気流や空気抵抗などの影響によって運動エネルギーが失われ、インクミスト(無秩序に浮遊する微細なインク滴)となって装置内部や記録媒体5を汚すことがある。このため、スループットの向上や印刷ギャップの拡大を図るうえでは、長いサテライト滴やインクミストの発生をより良く抑制することが望まれている。そこで、本実施形態では、長いサテライト滴およびインクミストの発生を抑制するために、サテライトを高速化し、残留振動を加振させてメニスカスに繋がる液滴の液柱を振動により分離する。
図7Aおよび図8Aは、第1駆動パルスP1の波形図である。図7Bは、図7Aの第1駆動パルスP1に対応する圧力室33の状態を示す説明図であり、図8Bは、図8Aの第1駆動パルスP1に対応する圧力室33の状態を示す説明図である。本実施形態では、図7Aに示すように、第1駆動パルスP1のうち、放電波形要素T11および放電維持波形要素T12を含めて、第1波形要素PT1と称する。第1駆動パルスP1のうち、充電波形要素T13および充電維持波形要素T14を含めて、第2波形要素PT2と称する。また、第1駆動パルスP1のうち、充電波形要素T15を第3波形要素PT3と称する。ここで、第1波形要素PT1の開始t1から第2波形要素PT2の開始t2までの間隔を第1間隔D1とし、第2波形要素PT2の開始t2から第3波形要素PT3の開始t11(図7A参照)、t12(図8A参照)までの間隔を第2間隔D21(図7A参照)、D22(図8A参照)とする。本実施形態では、圧力室33が膨張した後に収縮したことで発生した振動が、次以降の膨張および収縮時に残り、その残った振動によって、次以降の膨張および収縮によって発生した振動が制振または加振することがあり得る。以下の説明において、上記のように制振または加振した後の振動のことを「残留振動」という。
図7Aでは、第1間隔D1は、吐出ヘッド25のヘルムホルツ固有振動周期Tcの1/2(すなわち、(1/2)×Tc)であり、第2間隔D21は、ヘルムホルツ固有振動周期Tcの1/2(すなわち、(1/2)×Tc)である。この場合、圧力室33が収縮状態から膨張状態に切り替わるタイミングt11で、充電波形要素T15によって電位が上昇する。そのため、図7BのSt1のように収縮側の波が起こるため、St2のように残留振動が制振される。一方、図8Aでは、第1間隔D1は、(1/2)×Tcであり、第2間隔D22は、ヘルムホルツ固有振動周期Tcである。この場合、圧力室33が膨張状態から収縮状態に切り駆るタイミングt12で、充電波形要素T15によって電位が上昇する。そのため、図8BのSt3のように収縮側の波が起こるため、St4のように残留振動が加振される。このように、第2間隔D22をTcの近傍の値に設定することで、残留振動を加振させることができる。
図9は、第2間隔D22とサテライト滴の速度の関係を示す図である。図9において、横軸は第2間隔D22、すなわち第1駆動パルスP1の最初の収縮時間であり、縦軸がサテライト滴の速度である。図9に示すように、第2間隔D22が(1/2)×Tc(すなわち、0.5Tc)のとき、サテライト滴の速度は相対的に遅く、第2間隔D2がTc(すなわち、1.00Tc)のとき、サテライト滴の速度は相対的に速い。この図9から、ある程度のサテライト滴の速度(例えば、4m/s程度以上)を確保するためには、第2間隔D22は、(3/4)×Tc以上(5/4)×Tc以下であるとよい。以上のことから、残留振動を加振させ、かつ、サテライト滴の速度を速くさせるという観点から、第2間隔D22は、(3/4)×Tc以上(5/4)×Tc以下である。
図10は、第1サブ駆動信号W1の波形図である。図10に示すように、第1サブ駆動信号W1の波形図において、基準電位V0のラインLmおよび第1サブ駆動信号W1の波形のうち基準電位V0よりも小さい部分W1Aに囲まれた部分の面積を下面積S1Aとする。また、基準電位V0のラインLmおよび第1サブ駆動信号W1の波形のうち基準電位V0よりも大きい部分W1Bに囲まれた部分の面積を上面積S1Bとする。このとき、下面積S1Aに対する上面積S1Bの比である面積比(S1B/S1A)が0.9以上1.1以下に設定されている。
以上、メイン駆動信号MWについて説明した。次に、第1ドット、第2ドットおよび第3ドットを形成する際の供給信号について説明する。図11は、第1ドット(小ドット)を形成するときにアクチュエータ36に供給される供給信号を示す波形図である。図11に示すように、アクチュエータ36に第1駆動パルスP1が供給されると、圧力室33の容積は一度増加してから減少し、ノズル35から第1の液滴を吐出する動作が1回行われる。ここでは、アクチュエータ36に第1駆動パルスP1が供給されると、ノズル35から第1の液滴を吐出する動作が行われる。ここでは、第1の液滴によって第1ドットが形成され、第1ドットが記録媒体5上に形成される。
図12は、第2ドット(中ドット)を形成するときにアクチュエータ36に供給される供給信号を示す波形図である。図12に示すように、アクチュエータ36に第2駆動パルスP2が供給されると、圧力室33の容積は一度増加してから減少し、ノズル35から第2の液滴を吐出する動作が1回行われる。続いてアクチュエータ36に第3駆動パルスP3が供給されると、圧力室33の容積は、再び増加して減少し、ノズル35から第3の液滴を吐出する動作が1回行われる。ここでは、アクチュエータ36に第2駆動パルスP2および第3駆動パルスP3が供給されると、ノズル35から第2の液滴および第3の液滴を吐出する動作が行われる。本実施形態では、第2の液滴および第3の液滴は、記録媒体5上に着弾する前にマージされ、第2ドットが記録媒体5上に形成される。
図13は、第3ドット(大ドット)を形成するときにアクチュエータ36に供給される供給信号を示す波形図である。図13に示すように、アクチュエータ36に第4駆動パルスP4が供給されると、圧力室33の容積は一度増加してから減少し、ノズル35から第4の液滴を吐出する動作が1回行われる。続いてアクチュエータ36に第1駆動パルスP1が供給されると、圧力室33の容積は、再び増加してから減少し、ノズル35から第1の液滴を吐出する動作が1回行われる。さらに、アクチュエータ36に第2駆動パルスP2および第3駆動パルスP3が供給されると、圧力室33の容積は、再び増加して減少し、ノズル35から第2の液滴および第3の液滴を吐出する動作がそれぞれ1回行われる。ここでは、アクチュエータ36に第1駆動パルスP1〜第4駆動パルスP4が供給されると、ノズル35から第1の液滴〜第4の液滴を吐出する動作が行われる。本実施形態では、第1の液滴〜第4の液滴は、記録媒体5上に着弾する前にマージされ、第3ドットが記録媒体5上に形成される。
以上、本実施形態では、図8Aに示すように、第1波形要素PT1の開始t1から第2波形要素PT2の開始t2までの第1間隔D1を(1/2)×n×Tcとし、第2波形要素PT2の開始t2から第3波形要素PT3の開始t12までの第2間隔D22を、(3/4)×Tc以上(5/4)×Tc以下とすることで、圧力室33が収縮状態から膨張状態に切り替わるタイミングの近傍で、第3波形要素PT3の充電波形要素T15によって電位が上昇する。そのため、圧力室33の収縮側の波を発生することができるため、残留振動を加振させることができる。その結果、上記液柱を分離させることができるため、長いサテライト液の発生を抑制することができる。また、残留振動を加振させたため、サテライト滴を高速化することができる。よって、サテライト滴の速度が遅いことで発生し易いインクミストの発生を抑制することができる。本実施形態では、インクの粘度が相対的に高粘度となる低温環境用波形に適している。
本実施形態では、図10の第1サブ駆動信号W1の波形図において、下面積S1Aに対する上面積S1Bの比である面積比が0.9以上1.1以下に設定されている。これにより、第1サブ駆動信号W1の波形の平均値を、基準電位V0と同じ値もしくは基準電位V0に非常に近い値にすることができる。すなわち、第1サブ駆動信号W1の波形のDC成分を、基準電位V0と同じ値もしくは基準電位V0に非常に近い値にすることができる。この結果、第1サブ駆動信号W1の周波数のうち、共振を励振する力を発生させる周波数成分を小さくすることができる。これにより、共振の発生を抑制することができる、すなわち残留振動を抑制することができ、ノズル35のメニスカス35a(図4参照)を安定させることができる。このようにメニスカス35aを安定させることによって、ノズル35から吐出されたインクを正確な位置に着弾させることができる。
本実施形態では、図6に示すように、1つのメイン駆動信号によって、少なくとも3つの大きさが異なるドット(ここでは、小ドット、中ドット、大ドット)を吐出させることができる。本実施形態では、第2サブ駆動信号W2は、第1サブ駆動信号W1より後ろに位置している。このことによって、ノズルから吐出される液量が多いほど液滴の速度が速くなる傾向にあるため、第1サブ駆動信号W1が供給されることによって吐出される液滴に、第2サブ駆動信号W2が供給されることによって吐出される液滴がより確実にマージすることができる。
本実施形態では、第3サブ駆動信号W3は、第2サブ駆動信号W2より前に位置している。このことによって、中ドットおよび大ドットを形成する際に供給される駆動信号のうち最後部に位置する第2サブ駆動信号W2が共通となるため、中ドットおよび大ドットを形成する際にノズル35毎の特性のバラツキを低減することができる。
本実施形態の液体吐出装置20では、第1サブ駆動信号W1は、第1駆動パルスP1を含み、第2サブ駆動信号W2は、第2駆動パルスP2と第3駆動パルスP3と、を含み、第3サブ駆動信号W3は、第4駆動パルスP4を含む。これにより、各ノズル35から所望の大きさの液滴を安定的に吐出することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
上記した実施形態では、アクチュエータ36は縦振動モードの圧電素子であったが、これには限定されない。アクチュエータ36は横振動モードの圧電素子であってもよい。また、アクチュエータ36は、圧電素子に限らず、例えば磁歪素子等であってもよい。
上記した実施形態では、吐出ヘッドがインクジェットプリンタ10に搭載される吐出ヘッド25であったが、これには限定されない。吐出ヘッドは、例えばインクジェット方式を採用する種々の製造装置や、マイクロピペットなどの計測器具などに搭載することができ、各種用途で使用可能である。
上記した実施形態では、第1波形要素PT1の開始t1から第2波形要素PT2の開始t2までの第1間隔D1は、(1/2)×Tcであり、第2波形要素PT2の開始t2から第3波形要素PT3の開始t12までの第2間隔D22(図8A参照)は、(3/4)×Tc以上(5/4)×Tc以下であった。しかしながら、第1間隔D1は(1/2)×n×Tcであり、第2間隔D22は(3/4)×n×Tc以上(5/4)×n×Tc以下であってもよい。この場合、nは正の整数のうちの何れかの数であり、n=1、2、3、・・・である。なお、n=1のときが上記した実施形態である。
なお、残留振動を抑制することのみに着目した場合、第2波形要素PT2の開始t2から第3波形要素PT3の開始t12までの第2間隔D22には、(1/2)×n×Tc以上(3/4)×n×Tc以下の範囲が更に含まれていてもよい。この場合もnは正の整数のうちの何れかの数である。このように、第2間隔D22を(1/2)×n×Tc以上(3/4)×n×Tc以下の範囲にした場合、インクの粘度が相対的に低粘度となる高温環境波形において、残留振動を抑制することができる。
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
20 液体吐出装置
25 吐出ヘッド
28 制御装置
32 区画板
33 圧力室
35 ノズル
36 圧電素子(アクチュエータ)
41 駆動信号生成回路
42 駆動信号供給回路

Claims (9)

  1. 液体を吐出する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドに通信可能に接続された制御装置と、
    を備え、
    前記吐出ヘッドは、
    内部に液体が貯留される圧力室が形成されたケースと、
    前記ケースに設けられ、前記圧力室の一部を区画する振動板と、
    前記振動板に連結され、電気信号が供給されると変形するアクチュエータと、
    前記ケースに形成され、前記圧力室と連通するノズルと、
    を備え、
    前記制御装置は、
    駆動周期毎に、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第1の液滴を吐出するための第1駆動パルスを含む第1サブ駆動信号を少なくとも有するメイン駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、
    前記駆動信号生成回路によって生成された前記メイン駆動信号の一部または全部を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給回路と、
    を備え、
    前記駆動信号供給回路は、前記アクチュエータに対して前記第1サブ駆動信号を供給することで、前記ノズルから第1の液量の液体を吐出させる第1ドット形成部を備え、
    前記第1駆動パルスは、
    電位が基準電位から前記基準電位よりも小さい第1電位に下降する放電波形要素、および、電位が前記第1電位で維持される放電維持波形要素を有する第1波形要素と、
    電位が前記第1電位から前記第1電位より大きい第2電位に上昇する充電波形要素、および、電位が前記第2電位で維持される充電維持波形要素を有する第2波形要素と、
    電位が前記第2電位から前記第2電位よりも大きい第3電位に上昇する充電波形要素を有する第3波形要素と、
    を備え、
    前記吐出ヘッドのヘルムホルツ固有振動周期をTcとし、正の整数のうちの何れかの数をnとしたとき、
    前記第1波形要素の開始から前記第2波形要素の開始までの第1間隔は、(1/2)×n×Tcであり、
    前記第2波形要素の開始から前記第3波形要素の開始までの第2間隔は、(3/4)×n×Tc以上(5/4)×n×Tc以下である、液体吐出装置。
  2. 前記第1間隔は、(1/2)×Tcであり、
    前記第2間隔は、(3/4)×Tc以上(5/4)×Tc以下である、請求項1に記載された液体吐出装置。
  3. 前記第1サブ駆動信号の波形図において、前記基準電位のラインおよび前記第1サブ駆動信号の波形のうち前記基準電位より小さい部分に囲まれた部分の面積を下面積とし、前記基準電位のラインおよび前記第1サブ駆動信号の波形のうち前記基準電位より大きい部分に囲まれた部分の面積を上面積としたときに、前記下面積に対する前記上面積の比は、0.9以上1.1以下に設定されている、請求項1または2に記載された液体吐出装置。
  4. 前記メイン駆動信号は、1つまたは2つ以上の駆動パルスを含む第2サブ駆動信号を有し、
    前記駆動信号供給回路は、前記アクチュエータに対して少なくとも前記第2サブ駆動信号を供給し、前記ノズルから前記第1の液量よりも多い第2の液量を吐出させる第2ドット形成部を備えた、請求項1から3までの何れか1つに記載された液体吐出装置。
  5. 前記第2サブ駆動信号は、前記第1サブ駆動信号より後ろに位置する、請求項4に記載された液体吐出装置。
  6. 前記メイン駆動信号は、1つまたは2つ以上の駆動パルスを含む第3サブ駆動信号を有し、
    前記駆動信号供給回路は、前記アクチュエータに対して前記第1サブ駆動信号、前記第2サブ駆動信号および前記第3サブ駆動信号を供給し、前記ノズルから前記第2の液量よりも多い第3の液量を吐出させる第3ドット形成部を備えた、請求項4または5に記載された液体吐出装置。
  7. 前記第3サブ駆動信号は、前記第2サブ駆動信号より前に位置し、
    前記第2サブ駆動信号は、前記第1サブ駆動信号より後ろに位置する、請求項6に記載された液体吐出装置。
  8. 前記第2サブ駆動信号は、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第2の液滴を吐出するための第2駆動パルスと、前記圧力室を膨張および圧縮させることにより第3の液滴を吐出するための第3駆動パルスと、を含み、
    前記第3サブ駆動信号は、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第4の液滴を吐出するための第4駆動パルスを含む、請求項6または7に記載された液体吐出装置。
  9. 請求項1から8までの何れか1つに記載の液体吐出装置を備え、前記液体はインクである、インクジェットプリンタ。

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