JP2019084782A - 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ - Google Patents

液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2019084782A
JP2019084782A JP2017216221A JP2017216221A JP2019084782A JP 2019084782 A JP2019084782 A JP 2019084782A JP 2017216221 A JP2017216221 A JP 2017216221A JP 2017216221 A JP2017216221 A JP 2017216221A JP 2019084782 A JP2019084782 A JP 2019084782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drive pulse
drive
pulse
pressure chamber
drive signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017216221A
Other languages
English (en)
Inventor
啓介 三澤
Keisuke Misawa
啓介 三澤
健司 風岡
Kenji Kazaoka
健司 風岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roland DG Corp
Original Assignee
Roland DG Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Roland DG Corp filed Critical Roland DG Corp
Priority to JP2017216221A priority Critical patent/JP2019084782A/ja
Publication of JP2019084782A publication Critical patent/JP2019084782A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】所望の大きさの液滴を安定的に吐出することができる。【解決手段】駆動信号生成回路41は、第1駆動パルスP1および第2駆動パルスP2を含む第1サブ駆動信号W1と、第3駆動パルスP3を含む第2サブ駆動信号W2と、第4駆動パルスP4および第5駆動パルスP5を含む第3サブ駆動信号W3とを有するメイン駆動信号MWを生成する。駆動信号供給回路42は、圧力室33の一部を区画する区画板32に連結されたアクチュエータ36に対して、第1サブ駆動信号W1〜第3サブ駆動信号W3を供給するドット形成部42cを備えている。隣合う駆動パルスP1〜P5の開始時間の間隔は、3×Tc以下である。少なくとも駆動パルスP2、P5には、制振用波形が含まれている。【選択図】図5

Description

本発明は、液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタに関する。
従来から、インクジェットプリンタなどに設けられ、インクなどの液体を吐出する液体吐出装置が知られている。例えば、液体吐出装置は、液体が貯留される圧力室と、圧力室の一部を区画する区画板と、区画板に連結されたアクチュエータと、圧力室に形成されたノズルと、アクチュエータに駆動信号を供給することでアクチュエータを駆動させる制御装置と、を備えている。
上記液体吐出装置を備えたインクジェットプリンタでは、制御装置がアクチュエータに駆動パルス信号(以下、駆動パルスという。)を供給すると、アクチュエータが変形する。アクチュエータの変形に伴って区画板が変形する。このことによって、圧力室の容積が増加または減少し、圧力室内のインクの圧力が変化する。この圧力の変化に伴い、ノズルからインクが吐出される。ここで、ノズルから吐出されたインクは液滴(詳しくは、インク滴)となって飛翔し、記録紙などの記録媒体に着弾する。その結果、液滴としての1つのドットが記録媒体上に形成される。そして、このようなドットが記録媒体上に複数形成されることによって、画像が形成される。
ところで、ドットのサイズ(例えば直径)を調整することができれば、記録媒体上に形成された画像の画質を調整することができる。しかしながら、上記のようなインクジェットプリンタでは、1つの駆動パルスで安定的に吐出することができる液滴の液量には限界がある。1つの駆動パルスで異なるサイズのドットを形成することは難しい。そこで、例えば特許文献1には、マルチドット方式によってドットのサイズを調整する方法が開示されている。このマルチドット方式では、記録媒体上に1つのドットを形成するための時間として予め設定された時間(以下、駆動周期という。)内に、複数の駆動パルスを含む駆動信号を生成する。そして、この駆動信号に含まれる1つまたは2つ以上の駆動パルスをアクチュエータに対して選択的に供給する。例えば相対的に大きなドットは、1駆動周期内で時系列的に2つ以上の液滴を吐出させ、これら液滴を記録媒体に着弾する前にマージ(合体)させることで形成される。
特開平10−81012号公報
本発明者の検討によれば、上記構成を例えば業務用の大判プリンタに適用する場合などに、更なる改善の余地が認められた。大判プリンタでは、家庭用のプリンタと比較して、より大きなドット(例えばインクの質量が15ng以上のドット)を、より速い印刷速度で形成することが好ましい。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的速い印刷速度であっても所望の大きさの液滴を安定的に吐出することが可能な液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタを提供することである。
本発明に係る液体吐出装置は、液体を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに通信可能に接続された制御装置と、を備えている。前記吐出ヘッドは、ケースと、区画板と、アクチュエータと、ノズルとを備えている。前記ケースには、内部に液体が貯留される圧力室が形成されている。前記区画板は、前記ケースに設けられ、前記圧力室の一部を区画する。前記アクチュエータは、前記区画板に連結され、電気信号が供給されると変形する。前記ノズルは、前記ケースに形成され、前記圧力室と連通する。前記制御装置は、駆動信号生成回路と、駆動信号供給回路とを備えている。前記駆動信号生成回路は、駆動周期毎に、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第1の液滴を吐出するための第1駆動パルス、および、前記第1駆動パルスよりも後に印加され、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第2の液滴を吐出するための第2駆動パルスを含む第1サブ駆動信号と、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第3の液滴を吐出するための第3駆動パルスを含み、前記第1サブ駆動信号よりも後に印加される第2サブ駆動信号と、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第4の液滴を吐出するための第4駆動パルス、および、前記第4駆動パルスよりも後に印加され、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第5の液滴を吐出するための第5駆動パルスを含み、前記第2サブ駆動信号よりも後に印加される第3サブ駆動信号と、を有するメイン駆動信号を生成する。前記駆動信号供給回路は、前記駆動信号生成回路によって生成された前記メイン駆動信号の一部または全部を前記アクチュエータに供給する。前記駆動信号供給回路は、前記アクチュエータに対して前記第1サブ駆動信号、前記第2サブ駆動信号および前記第3サブ駆動信号を供給するドット形成部を備えている。前記吐出ヘッドのヘルムホルツ固有振動周期をTcとしたとき、前記第1駆動パルスの開始から前記第2駆動パルスの開始までの間隔、前記第2駆動パルスの開始から前記第3駆動パルスの開始までの間隔、前記第3駆動パルスの開始から前記第4駆動パルスの開始までの間隔、および、前記第4駆動パルスの開始から前記第5駆動パルスの開始までの間隔は、それぞれ3×Tc以下である。少なくとも前記第2駆動パルスおよび前記第5駆動パルスには、制振用波形が含まれている。
上記液体吐出装置によれば、第1駆動パルスの開始から第2駆動パルスの開始までの間隔、第2駆動パルスの開始から第3駆動パルスの開始までの間隔、第3駆動パルスの開始から第4駆動パルスの開始までの間隔、および、第4駆動パルスの開始から第5駆動パルスの開始までの間隔(以下、「連続する駆動パルスの開始の間隔」という。)は、3×Tc以下であるため、第1駆動パルス〜第5駆動パルスの波形長を比較的に短くすることができる。ドット形成部において、第1駆動パルス〜第5駆動パルスによって得られる第1の液滴〜第5の液滴がマージされることによって、比較的に大きなドットを形成させることができる。よって、比較的に高い駆動周波数(例えば16kHz)であっても、第1駆動パルス〜第5駆動パルスを使用することで、大きなドットを形成させることができる。ところで、連続する駆動パルスの開始の間隔が3×Tc以下の場合、直前の駆動パルスによる振動がある程度衰退する前に、次の駆動パルスによる振動が開始されることがあり得る。その結果、振動が増幅するため、安定して液滴を吐出させることができないことがあり得る。しかしながら、上記液体吐出装置によれば、第2駆動パルスおよび第5駆動パルスには、制振用波形が含まれている。そのため、連続する駆動パルスの開始の間隔が3×Tc以下であっても、直前の駆動パルスによる振動の衰退は、制振用波形によって促進される。よって、安定して液滴を吐出させることができる。
本発明によれば、比較的速い印刷速度であっても所望の大きさの液滴を安定的に吐出することが可能な液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタを提供することができる。
第1実施形態に係るインクジェットプリンタを示す斜視図である。 インクジェットプリンタの主要部を示す正面図である。 液体吐出装置の構成を示すブロック図である。 吐出ヘッドの一部の断面図である。 メイン駆動信号の波形図である。 第2駆動パルスを示す説明図である。 図6Aの第2駆動パルスに対応する圧力室の状態を示す説明図である。 第5駆動パルスを示す説明図である。 図7Aの第5駆動パルスに対応する圧力室の状態を示す説明図である。 図5のメイン駆動信号から第2駆動パルスを省略した駆動信号の波形図である。 図8Aの駆動信号において、第1駆動パルスの開始から第3駆動パルスの開始までの間隔とインク吐出量およびインク吐出速度との関係を示すグラフである。 第1駆動パルスを示す説明図である。 図9Aの第1駆動パルスに対応する圧力室の状態を示す説明図である。 第1ドット(小ドット)を形成するときに供給される供給信号を示す波形図である。 第2ドット(中ドット)を形成するときに供給される供給信号を示す波形図である。 第3ドット(大ドット)を形成するときに供給される供給信号を示す波形図である。 第2実施形態に係るメイン駆動信号の波形図である。 他の実施形態に係る第2駆動パルスを示す説明図である。 図14Aの第2駆動パルスに対応する圧力室の状態を示す説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタの実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ10(以下、プリンタ10という。)の斜視図である。図2は、プリンタ10の主要部を示す正面図である。図1および図2において、符号Lおよび符号Rは、それぞれ左および右を示している。符号Fおよび符号Rrは、それぞれ前および後を示してしる。符号Uおよび符号Dは、それぞれ上および下を示している。また、符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは、前後方向であり、平面視において主走査方向Yと直交している。ただし、これらの方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
図1に示すように、プリンタ10は、記録媒体5を順次前方(ここでは、副走査方向Xの下流側)に移動させると共に、主走査方向Yに移動する後述の吐出ヘッド25(図2参照)からインクを吐出させることによって、記録媒体5に画像を印刷する。記録媒体5は、例えば記録紙であり、インクが吐出される対象物である。
図2に示すように、プリンタ10は、ケーシング12と、ケーシング12内に配置されたガイドレール13とを備えている。ガイドレール13は、主走査方向Yに延びている。ガイドレール13には、インクを吐出する吐出ヘッド25が設けられたキャリッジ11が係合している。キャリッジ11は、キャリッジ移動機構18によって、ガイドレール13に沿って主走査方向Yに往復移動する。キャリッジ移動機構18は、ガイドレール13の左端側および右端側に配置されたプーリ29b、29aを有している。プーリ29aにはキャリッジモータ18aが連結されている。なお、キャリッジモータ18aはプーリ29bに連結されていてもよい。プーリ29aは、キャリッジモータ18aによって駆動される。両プーリ29a、29bには、それぞれ無端状のベルト16が巻き掛けられている。キャリッジ11はベルト16に固定されている。プーリ29a、29bが回転してベルト16が走行すると、キャリッジ11が主走査方向Yに移動する。
プリンタ10は、大判のインクジェットプリンタであり、例えば家庭用の卓上型プリンタと比べて大きい。プリンタ10は、例えば業務用のプリンタである。解像度との兼ね合いもあるが、スループットを向上させる観点からは、キャリッジ11の走査速度が速めに設定されることがある。例えば走査速度は、駆動周波数が16kHz程度で、概ね1300〜1400mm/s程度に設定され得る。
記録媒体5は、紙送り機構(図示せず)によって、紙送り方向に搬送される。ここでは、紙送り方向は副走査方向X(図1参照)のことである。ケーシング12内には、記録媒体5が載置されるプラテン14が設けられている。プラテン14にはグリットローラ(図示せず)が設けられている。グリットローラの上方にはピンチローラ(図示せず)が設けられている。グリットローラはフィードモータ(図示せず)に連結されている。グリットローラはフィードモータによって駆動され、回転する。グリットローラとピンチローラとの間に記録媒体5が挟まれた状態でグリットローラが回転すると、記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。
プリンタ10は、複数のインクカートリッジ21を備えている。それら複数のインクカートリッジ21には、色の異なるインクが貯留されている。本実施形態では、プリンタ10は、それぞれシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインクを貯留する5つのインクカートリッジ21を備えている。
吐出ヘッド25は、インクカートリッジ21毎に設けられている。吐出ヘッド25とインクカートリッジ21とは、インク供給路22により接続されている。インク供給路22は、インクカートリッジ21から吐出ヘッド25へインクを供給するインク流路である。インク供給路22は、例えば可撓性を有するチューブによって構成されている。インク供給路22には、インクを供給するための送液ポンプ23が設けられている。ただし、送液ポンプ23は必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。インク供給路22の一部は、ケーブル類保護案内装置17により覆われている。
図3は、液体吐出装置20の構成を示すブロック図である。図3に示すように、プリンタ10は、液体吐出装置20を備えている。液体吐出装置20は、吐出ヘッド25と、吐出ヘッド25の動作を制御する制御装置28とを備えている。
吐出ヘッド25は、液体の一例であるインクを吐出する。吐出ヘッド25は、記録媒体5に向かってインクを吐出し、記録媒体5上にインクのドットを形成するものである。このドットが複数並べられることにより、記録媒体5上に画像などが形成される。吐出ヘッド25は、記録媒体5と対向する側の面(本実施形態では吐出ヘッド25の下面)に、インクを吐出するための複数のノズル35(図4参照)を備えている。
図4は、吐出ヘッド25の1つのノズル35近傍における部分断面図である。図4に示すように、吐出ヘッド25は、開口31aを有する中空のケース31と、開口31aを塞ぐようにケース31に取り付けられた区画板32とを備えている。ケース31には、内部にインクが貯留される圧力室33が形成されている。区画板32は圧力室33の一部を区画している。区画板32は、圧力室33の内側および外側に弾性変形可能なものである。区画板32は、圧力室33の容積を増加および減少させるように変形可能に構成されている。区画板32は、典型的には樹脂フィルムである。
ケース31の側壁には、インクが流入するインク流入口34が形成されている。なお、インク流入口34は圧力室33とつながっていれば、その位置は特に限定されない。圧力室33には、インク流入口34を通じてインクカートリッジ21(図2参照)からインクが供給され、一時的に所定量のインクが貯留される。ノズル35は、ケース31の下面31bに形成されている。ノズル35は、圧力室33と連通している。ノズル35は記録媒体5に向かって液滴(インク滴)を吐出する。ノズル35内部のインクの液面(自由表面)がメニスカス35aを形成している。
圧力室33は、ヘルムホルツ固有振動周期Tcを有している。ヘルムホルツ固有振動周期Tcは、圧力室33を構成する各構成要素、例えばケース31や区画板32の材質や大きさ、形状、構成部材の配置位置、ノズル35の開口面積、インクの物性(例えば粘度)などによって一義的に特定される。ヘルムホルツ固有振動周期Tcは、インク吐出時の吐出ヘッド25に固有の振動周期である。ヘルムホルツ固有振動周期Tcは、例えば数μs〜数十μs程度(例えば6μs程度)の振動周期である。インク滴を吐出した後の圧力室33には、この振動周期をもった残留振動が生じることとなる。
区画板32の圧力室33側と反対側の面には、圧電素子36が連結されている。圧電素子36の一部は、ケース31に設けられた固定部材39に固定されている。圧電素子36は、アクチュエータを構成している。圧電素子36は、フレキシブルケーブル37を介して制御装置28に接続されている。圧電素子36には、フレキシブルケーブル37を介して電気信号が供給される。本実施形態では、圧電素子36は、圧電材料層と導電層とを交互に積層した積層体である。圧電素子36は、制御装置28から電気信号を受けると膨張または収縮し、区画板32を圧力室33の外側または内側に弾性変形させるように機能する。ここでは、縦振動モードのピエゾ素子(PZT)を採用している。縦振動モードのPZTは、上記積層方向に伸縮自在であり、例えば放電すると収縮し、充電すると伸長するようになっている。ただし、圧電素子36の形式は特に限定されない。
このような構成の吐出ヘッド25では、例えば圧電素子36の電位を基準電位から下降させることによって、圧電素子36が収縮する。これに追従して区画板32が初期位置から圧力室33の外側に弾性変形し、圧力室33が膨張する。なお、圧力室33が膨張するとは、区画板32の変形により圧力室33の容積が大きくなることをいう。次いで、圧電素子36の電位を上昇させることによって、圧電素子36が積層方向に伸長する。これにより、区画板32が圧力室33の内側に弾性変形し、圧力室33が収縮する。なお、圧力室33が収縮するとは、区画板32の変形により圧力室33の容積が小さくなることをいう。このような圧力室33の膨張および収縮によって、圧力室33内の圧力が変動する。この圧力室33内の圧力変動によって、圧力室33内のインクが加圧され、インク滴となってノズル35から吐出される。その後、圧電素子36の電位を基準電位に戻すことにより、区画板32が初期位置に復帰して、圧力室33が膨張する。このとき、インク流入口34から圧力室33内にインクが流入する。
制御装置28は、キャリッジ移動機構18のキャリッジモータ18a(図2参照)と、紙送り機構のフィードモータ(図示せず)と、送液ポンプ23(図2参照)と、吐出ヘッド25とに対して、通信可能に接続されている。制御装置28は、これらの動作を制御する。制御装置28は、典型的にはコンピュータである。制御装置28は、例えば、ホストコンピュータなどの外部機器からの印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置とを備えている。
図3に示すように、制御装置28は、吐出ヘッド25を駆動するためのメイン駆動信号MWを生成する駆動信号生成回路41と、駆動信号生成回路41が生成するメイン駆動信号MWの一部または全部を吐出ヘッド25の各圧電素子36に供給する駆動信号供給回路42とを備えている。なお、以下の説明では、吐出ヘッド25の圧電素子36のことをアクチュエータ36と称する。駆動信号供給回路42がアクチュエータ36に供給する信号のことを、供給信号と称する。詳細は後述するが、供給信号は、駆動信号生成回路41が生成するメイン駆動信号MWの一部または全部からなる信号である。
駆動信号生成回路41および駆動信号供給回路42のハードウェア構成は何ら限定されない。駆動信号生成回路41および駆動信号供給回路42のハードウェア構成には、周知のもの(例えば、特開2014−162221号公報に開示されたハードウェア構成)を利用することができるので、ここではその説明は省略する。
駆動信号生成回路41が生成するメイン駆動信号MWには、複数の駆動パルスが含まれる。詳細には、メイン駆動信号MWには、第1サブ駆動信号と、第2サブ駆動信号と、第3サブ駆動信号とが含まれる。第1サブ駆動信号、第2サブ駆動信号および第3サブ駆動信号は、それぞれ少なくとも1つの駆動パルスを含む。駆動信号供給回路42は、それら第1〜第3サブ駆動信号のうち1つまたは2つ以上のサブ駆動信号を選択し、アクチュエータ36に供給する。アクチュエータ36に供給するサブ駆動信号を適宜選択することにより、1駆動周期中に吐出ヘッド25のノズル35から吐出されるインクの液量を変更することができる。これにより、記録媒体5上に形成されるインクのドットのサイズを変更することができる。本実施形態に係るプリンタ10では、サイズの異なる3種類のドットを形成することができる。以下の説明ではこれら3種類のドットのことを、サイズの小さい方から順に、第1ドット(小ドット)、第2ドット(中ドット)、第3ドット(大ドット)と称することとする。例えば、小ドットはインク質量が凡そ8ng〜凡そ10ngであり、中ドットはインク質量が凡そ12ng〜凡そ16ngであり、大ドットはインク質量が凡そ20ng〜凡そ24ngである。
図3に示すように、駆動信号供給回路42は、第1ドット形成部42aと、第2ドット形成部42bと、第3ドット形成部42cとを有している。駆動信号供給回路42は、第1ドットを形成するときに、アクチュエータ36に対してメイン駆動信号MWの一部である第1サブ駆動信号および第2サブ駆動信号を供給せず、かつ、メイン駆動信号MWの他の一部である第3サブ駆動信号を供給する第1ドット形成部42aとして機能する。駆動信号供給回路42は、第2ドットを形成するときに、アクチュエータ36に対して第1サブ駆動信号を供給せず、かつ、第2サブ駆動信号および第3サブ駆動信号を供給する第2ドット形成部42bとして機能する。駆動信号供給回路42は、第3ドットを形成するときに、アクチュエータ36に対して第1サブ駆動信号、第2サブ駆動信号および第3サブ駆動信号を供給する第3ドット形成部42cとして機能する。なお、本実施形態では、第3ドット形成部42cは、本発明のドット形成部の一例である。
図5は、駆動信号生成回路41が生成するメイン駆動信号MWの波形図である。図5では、横軸tは時間を示し、縦軸Vは電位を示している。時間txは1駆動周期を表している。駆動信号生成回路41は、図5に示すようなメイン駆動信号MWを駆動周期毎に繰り返し生成するように構成されている。
図5に示すように、メイン駆動信号MWは、第1サブ駆動信号W1と、第2サブ駆動信号W2と、第3サブ駆動信号W3とを有している。ここでは、第1サブ駆動信号W1は、メイン駆動信号MWの最前部に位置し、最も早く印加されるサブ駆動信号である。第2サブ駆動信号W2は、第1サブ駆動信号W1の後方に位置し、第1サブ駆動信号W1よりも後に印加される。第3サブ駆動信号W3は、メイン駆動信号MWの最後部に位置し、最も遅く印加されるサブ駆動信号である。第3サブ駆動信号W3は、第2サブ駆動信号W2の後方に位置し、第2サブ駆動信号W2よりも後に印加される。ここで、「〜よりも後に印加される」というのは、時系列的に後に印加されることをいい、言い換えると、「〜よりも遅れて印加される」と同じことを表しており、「〜よりも遅い時点で印加される」と同じことを表している。
第1サブ駆動信号W1は、第1駆動パルスP1および第2駆動パルスP2を含んでいる。第1駆動パルスP1は、電位がV0からV1に下降する放電波形要素T11と、電位がV1で維持される放電維持波形要素T12と、電位がV1からV0に上昇する充電波形要素T13とを有する。第2駆動パルスP2は、第1駆動パルスP1の後方に位置し、第1駆動パルスP1よりも後に印加される。第2駆動パルスP2は、電位がV0からV2に降下する放電波形要素T21と、電位がV2で維持される放電維持波形要素T22と、電位がV2からVmに上昇する充電波形要素T23と、電位がVmに維持される放電維持波形要素T24と、電位がVmからV0に上昇する充電波形要素T25とを有する。
第2サブ駆動信号W2は、第3駆動パルスP3を含んでいる。第3駆動パルスP3は、第2駆動パルスP2の後方に位置し、第2駆動パルスP2よりも後に印加される。第3駆動パルスP3は、電位がV0からV1に下降する放電波形要素T31と、電位がV1で維持される放電維持波形要素T32と、電位がV1からV0に上昇する充電波形要素T33とを有する。
第3サブ駆動信号W3は、第4駆動パルスP4および第5駆動パルスP5を含んでいる。第4駆動パルスP4は、第3駆動パルスP3の後方に位置し、第3駆動パルスP3よりも後に印加される。第4駆動パルスP4は、電位がV0からV3に下降する放電波形要素T41と、電位がV3で維持される放電維持波形要素T42と、電位がV3からV0に上昇する充電波形要素T43とを有する。第5駆動パルスP5は、第4駆動パルスP4の後方に位置し、第4駆動パルスP4よりも後に印加される。第5駆動パルスP5は、電位がV0からV1に下降する放電波形要素T51と、電位がV1で維持される放電維持波形要素T52と、電位がV1からV4に上昇する充電波形要素T53と、電位がV4で維持される放電維持波形要素T54と、電位がV4からV0に下降する放電波形要素T55とを有する。なお、本実施形態では、V4>V0>Vm>V3>V1>V2が成り立つ。しかしながら、Vm、V1、V2、V3およびV4の相互の大小関係は特に限定されない。
このように、本実施形態では、メイン駆動信号MWは、第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5の5つの駆動パルスによって構成されている。本実施形態では、第1駆動パルスP1の要素T11〜T13、第2駆動パルスP2の要素T21〜T23、第3駆動パルスP3の要素T31〜T33、第4駆動パルスP4の要素T41〜T43、および、第5駆動パルスP5の要素T51〜T53が含まれる波形を、それぞれ「台形波形」という。第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5の各台形波形では、圧力室33の容積を一度増加させてから減少させている。換言すると、第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5の各台形波形では、圧力室33を一度膨張させてから収縮させる。さらに換言すると、第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5の各台形波形では、圧力室33を一度減圧させてから加圧させる。第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5は、それぞれ、台形波形によって第1の液滴〜第5の液滴を吐出させる駆動パルスである。
本実施形態では、第2駆動パルスP2の要素T24およびT25、ならびに、第5駆動パルスP5の要素T54およびT55は、「制振用波形」と呼ばれる波形である。制振用波形は、振動を減衰させる波形である。制振用波形は、台形波形の後方に位置するものであり、台形波形よりも後に印加される波形である。図6Aは、第2駆動パルスP2を示す説明図である。図6Bは、図6Aの第2駆動パルスP2に対応する圧力室33の状態を示す説明図である。例えば、図6Aおよび図6Bに示すように、第2駆動パルスP2において、圧力室33が収縮状態から膨張状態に切り替わるタイミングt11で、充電波形要素T25によって電圧値が上昇して、図6BのST1のように収縮側の波が起こるため、ST2のように振動が減衰することとなる。図7Aは、第5駆動パルスP5を示す説明図である。図7Bは、図7Aの第5駆動パルスP5に対応する圧力室33の状態を示す説明図である。例えば、図7Aおよび図7Bに示すように、第5駆動パルスP5において、圧力室33が膨張状態から収縮状態に切り替わるタイミングt12で、放電波形要素T55によって電圧値が下降して、図7BのST3のように膨張側の波が起こるため、ST4のように振動が減衰することとなる。
本実施形態では、図5に示すように、メイン駆動信号MWの駆動パルスP1〜P5のうち、連続する3つの駆動パルスのうちの少なくとも1つの駆動パルスには、制振用波形が含まれている。図5のメイン駆動信号MWでは、少なくとも第2駆動パルスP2および第5駆動パルスP5には、制振用波形が含まれている。詳しくは、連続する3つの第1駆動パルスP1〜第3駆動パルスP3、および、連続する3つの第2駆動パルスP2〜第4駆動パルスP4のうち、第2駆動パルスP2には、要素T24およびT25が含まれた制振用波形が含まれている。そして、連続する3つの第3駆動パルスP3〜第5駆動パルスP5のうち第5駆動パルスP5には、要素T54およびT55が含まれた制振用波形が含まれている。
本実施形態では、各駆動パルスP2〜P5の駆動の開始タイミングについて、1つ前の駆動パルスP1〜P4の駆動の開始からの間隔が3×Tc以下である。以下、n×Tcを適宜nTcと記載する。詳しくは、第1駆動パルスP1の開始から第2駆動パルスP2の開始までの間隔ΔT1、第2駆動パルスP2の開始から第3駆動パルスP3の開始までの間隔ΔT2、第3駆動パルスP3の開始から第4駆動パルスP4の開始までの間隔ΔT3、および、第4駆動パルスP4の開始から第5駆動パルスP5の開始までの間隔ΔT4は、3×Tc以下である。なお、本明細書において「3×Tc」とは、理論上の3×Tcに厳密に一致する場合に限らず、Tcの揺らぎや誤差などを許容し得るものである。
本実施形態では、第3駆動パルスP3の駆動の開始から第4駆動パルスP4の駆動の開始までの間隔ΔT3は、2×Tcよりも大きく、かつ、3×Tc以下である。また、第4駆動パルスP4の駆動の開始から第5駆動パルスP5の駆動の開始までの間隔ΔT4は、2×Tcまたは3×Tcである。例えば、間隔ΔT4は、2×Tcであるとよい。詳しい説明は省略するが、本発明者が間隔ΔT3および間隔ΔT4の下限値を検討した結果、間隔ΔT3および間隔ΔT4を上記範囲にすることで、吐出量および吐出速度のばらつきを抑えることができることを見出した。ここでは、ヘルムホルツ固有振動周期Tcで振動している圧力室33が膨張し始めるタイミングで、第5駆動パルスP5の駆動を開始する。このことによって、ヘルムホルツ固有振動周期Tcで膨張している圧力室33の振動を打ち消す(キャンセルする)動作が防止され、吐出安定性を向上させることができる。その結果、記録媒体5上の所定の位置に安定した大きさのドットを形成することができる。
次に、連続する2つの駆動パルスP1〜P5の開始の間隔ΔT1〜ΔT4を、3×Tc以下にすると共に、制振用波形が含まれる駆動パルスを生成する理由について説明する。図8Aは、図5のメイン駆動信号MWから第2駆動パルスP2を省略したメイン駆動信号MW’の波形図である。図8Bは、図8Aのメイン駆動信号MW’において、第1駆動パルスP1の開始から第3駆動パルスP3の開始までの間隔ΔT31と、第3駆動パルスP3によるインク吐出量およびインク吐出速度との関係を示すグラフである。例えば、図8Aに示すように、図5のメイン駆動信号Wから第2駆動パルスP2を省略したメイン駆動信号MW’において、第1駆動パルスP1の駆動の開始から第3駆動パルスP3の駆動の開始までの間隔ΔT31を変化させると、図8Bに示すように、吐出ヘッド25のノズル35からの吐出量と吐出速度は、1Tc<ΔT31≦2Tc、2Tc<ΔT31≦3Tc、および、3Tc<ΔT31≦4Tcにおいて、周期的に変化する。ここで、3Tc<ΔT31では、変動が他に比べて収まっている。これは、間隔ΔT31が3Tcよりも大きくなると、第1駆動パルスP1による振動によって、駆動パルスP3〜P5によるインクの吐出が影響しないことを意味する。すなわち、間隔ΔT31が3Tcよりも大きくなると、第3駆動パルスP3の駆動の開始時には、第1駆動パルスP1による振動はほぼ衰退していることを意味する。間隔ΔT31をTcの整数倍にすると、吐出量が極大値をとるが、安定吐出の電圧マージンを確保することが困難になる。一方、1Tc<ΔT31<2Tc、または、2Tc<ΔT31<3Tcの場合には、吐出量が減少するリスクが考えられる。そのため、吐出量と吐出マージンを確実に確保するためには、間隔ΔT31は3×Tcよりも大きくすることが好ましい。
本実施形態では、図8Aのメイン駆動信号MW’において、第3ドット(大ドット)におけるインクの吐出量を増やすため、図5に示すように、第1駆動パルスP1と第3駆動パルスP3との間に、第2駆動パルスP2を挿入することを考える。ここで、例えば、第2駆動パルスP2に、制振用波形が含まれず、台形波形のみが含まれている場合、駆動周波数を16kHzに収めるためには、第1駆動パルスP1の駆動の開始から第2駆動パルスP2の駆動の開始までの間隔ΔT1は、3×Tc以下となる。このように、間隔ΔT1が3×Tc以下の場合、第1駆動パルスP1による振動が減衰する前に、第2駆動パルスP2〜第4駆動パルスP4による振動が加わる。そして、第5駆動パルスP5の駆動の開始まで、ほぼ減衰せずに振動が増幅し続けるため、十分なマージンを確保することができない可能性が高くなる。よって、第2駆動パルスP2には、振動を減衰させるための制振用波形が含まれているとよい。本実施形態では、振動を減衰させるために、少なくとも第2駆動パルスP2および第5駆動パルスP5には、制振用波形が含まれている。また、本実施形態では、波形長を短くするという観点から、間隔ΔT1〜間隔ΔT4は、3×Tc以下にしている。
本実施形態では、第5駆動パルスP5によって吐出される第5の液滴が第4駆動パルスP4によって吐出される第4の液滴以上の速さになるように設定されている。すなわち、図5に示すように、第5駆動パルスP5の充電波形要素T53における電位の変化量(V4−V1)は、第4駆動パルスP4の充電波形要素T43における電位の変化量(V0−V3)よりも大きく設定されている。このことによって、第4の液滴と第5の液滴とを記録媒体5上に着弾する前に、的確にマージさせることができる。また、長いサテライト滴やミストの発生をより良く抑制することができる。
本実施形態では、第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2、第3駆動パルスP3、第4駆動パルスP4および第5駆動パルスP5のそれぞれの放電時間(ここでは、放電と放電維持の合計時間)は、それぞれ吐出ヘッド25のヘルムホルツ固有振動周期Tcの1/2に設定されている。ここでは、図5に示すように、放電波形要素T11の開始時間をt0とし、放電維持波形要素T12の終了時間をt2としたときに、t1とt2とは、次式(1):t2−t1=(1/2)×Tc;を満たすように設定されている。放電波形要素T21の開始時間をt3とし、放電維持波形要素T22の終了時間をt4としたときに、t3とt4とは、次式(2):t4−t3=(1/2)×Tc;を満たすように設定されている。放電波形要素T31の開始時間をt5とし、放電維持波形要素T32の終了時間をt6としたときに、t5とt6とは、次式(3):t6−t5=(1/2)×Tc;を満たすように設定されている。放電波形要素T41の開始時間をt7とし、放電維持波形要素T42の終了時間をt8としたときに、t7とt8とは、次式(4):t8−t7=(1/2)×Tc;を満たすように設定されている。また、放電波形要素T51の開始時間をt9とし、放電維持波形要素T52の終了時間をt10としたときに、t9とt10とは、次式(5):t10−t9=(1/2)×Tc;を満たすように設定されている。このように、第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5は、圧力室33の膨張している状態が(1/2)×Tcの時間維持されるように構成されている。
図9Aは、第1駆動パルスP1を示す説明図である。図9Bは、図9Aの第1駆動パルスP1に対応する圧力室33の状態を示す説明図である。アクチュエータ36は、放電によって電圧値が下降すると収縮し、充電によって電圧値が上昇すると伸長する。図9Aに示すように、圧力室33は、アクチュエータ36が収縮すると膨張し、アクチュエータ36が伸長すると収縮する。このため、上記式(1)におけるt2−t1、上記式(2)におけるt4−t3、上記式(3)におけるt6−t5、上記式(4)におけるt8−t7、および、上記式(5)におけるt10−t9は、圧力室33の膨張状態を維持する時間を示している。アクチュエータ36の収縮によって、圧力室33には、図9Bの破線で示すようなヘルムホルツ固有振動周期Tcのヘルムホルツ固有振動が生じる。ここで、上記式(1)〜上記式(5)を満たすようなタイミングでアクチュエータ36を収縮状態から伸長状態へと切り替えることによって、図9Bの実線で示すように、圧力室33のヘルムホルツ固有振動の振幅を増大させることができる。このように、圧力室33の膨張および収縮をヘルムホルツ固有振動に同期させることで、インクの吐出を安定化させると共に、より小さい駆動電圧で相対的に大きなインク滴を吐出することができる。その結果、記録媒体5上に大きなドットを精度よく形成することができる。
図10は、第1ドット(小ドット)を形成するときにアクチュエータ36に供給される供給信号を示す波形図である。図10に示すように、アクチュエータ36に第4駆動パルスP4が供給されると、圧力室33の容積は一度増加してから減少し、ノズル35から第4の液滴を吐出する動作が1回行われる。続いてアクチュエータ36に第5駆動パルスP5が供給されると、圧力室33の容積は、再び増加してから減少し、ノズル35から第5の液滴を吐出する動作が1回行われる。ここでは、アクチュエータ36に第4駆動パルスP4および第5駆動パルスP5が供給されると、ノズル35から第4の液滴および第5の液滴を吐出する動作が行われる。本実施形態では、第4の液滴と第5の液滴とは、記録媒体5上に着弾する前にマージされ、第1ドットが記録媒体5上に形成される。
図11は、第2ドット(中ドット)を形成するときにアクチュエータ36に供給される供給信号を示す波形図である。図11に示すように、アクチュエータ36に第3駆動パルスP3が供給されると、圧力室33の容積は一度増加してから減少し、ノズル35から第3の液滴を吐出する動作が1回行われる。続いてアクチュエータ36に第4駆動パルスP4および第5駆動パルスP5が供給されると、圧力室33の容積は、再び増加して減少し、ノズル35から第4の液滴および第5の液滴を吐出する動作がそれぞれ1回行われる。ここでは、アクチュエータ36に第3駆動パルスP3〜第5駆動パルスP5が供給されると、ノズル35から第3の液滴〜第5の液滴を吐出する動作が行われる。本実施形態では、第3の液滴〜第5の液滴は、記録媒体5上に着弾する前にマージされ、第2ドットが記録媒体5上に形成される。
図12は、第3ドット(大ドット)を形成するときにアクチュエータ36に供給される供給信号を示す波形図である。図12に示すように、アクチュエータ36に第1駆動パルスP1が供給されると、圧力室33の容積は一度増加してから減少し、ノズル35から第1の液滴を吐出する動作が1回行われる。続いてアクチュエータ36に第2駆動パルスP2が供給されると、圧力室33の容積は、再び増加してから減少し、ノズル35から第2の液滴を吐出する動作が1回行われる。さらに、アクチュエータ36に第3駆動パルスP3、第4駆動パルスP4および第5駆動パルスP5が供給されると、圧力室33の容積は、再び増加して減少し、ノズル35から第3の液滴、第4の液滴および第5の液滴を吐出する動作がそれぞれ1回行われる。ここでは、アクチュエータ36に第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5が供給されると、ノズル35から第1の液滴〜第5の液滴を吐出する動作が行われる。本実施形態では、第1の液滴〜第5の液滴は、記録媒体5上に着弾する前にマージされ、第3ドットが記録媒体5上に形成される。
以上のように、本実施形態では、図5に示すように、第1駆動パルスP1の開始から第2駆動パルスP2の開始までの間隔ΔT1、第2駆動パルスP2の開始から第3駆動パルスP3の開始までの間隔ΔT2、第3駆動パルスP3の開始から第4駆動パルスP4の開始までの間隔ΔT3、および、第4駆動パルスP4の開始から第5駆動パルスP5の開始までの間隔ΔT4は、3×Tc以下であるため、第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5の波形長を比較的に短くすることができる。第3ドット形成部42c(図3参照)において、第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5によって得られる第1の液滴〜第5の液滴がマージされることによって、比較的に大きな第3ドット(大ドット)を形成させることができる。よって、比較的に高い駆動周波数(例えば16kHz)であっても、第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5を使用することで、大きなドットを形成させることができる。
ところで、連続する駆動パルスP1〜P5の開始の間隔ΔT1〜ΔT4が3×Tc以下の場合、直前の駆動パルスによる振動がある程度衰退する前に、次の駆動パルスによる振動が開始されることがあり得る。その結果、振動が増幅するため、安定して液滴を吐出させることができないことがあり得る。しかしながら、本実施形態では、第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5のうち、連続する3つの駆動パルスのうちの1つの駆動パルスには、制振用波形が含まれている。ここでは、第2駆動パルスP2および第5駆動パルスP5に、制振用波形が含まれている。そのため、連続する駆動パルスP1〜P5の開始の間隔ΔT1〜ΔT4が3×Tc以下であっても、直前の駆動パルスによる振動の衰退は、制振用波形によって促進される。よって、安定して液滴を吐出させることができる。
本実施形態では、第2駆動パルスP2の制振用波形は、電位がVmに維持される放電維持波形要素T24と、電位がVmからV0に上昇する充電波形要素T25とを有する。このことによって、図6Bに示すように、圧力室33が収縮状態から膨張状態に切り替わるタイミングt11で、充電波形要素T25によって電圧値が上昇して、図6BのST1のように収縮側の波が起こるため、ST2のように振動を減衰させることができる。
本実施形態では、図5に示すように、第5駆動パルスP5の制振用波形は、電位がV4で維持される放電維持波形要素T54と、電位がV4からV0に下降する放電波形要素T55とを有する。このことによって、図7Bに示すように、第5駆動パルスP5において、圧力室33が膨張状態から収縮状態に切り替わるタイミングt12で、放電波形要素T55によって電圧値が下降する。このとき、図7BのST3のように膨張側の波が起こるため、ST4のように振動を減衰させることができる。
本実施形態では、図5に示すように、第3駆動パルスP3の開始から第4駆動パルスP4の開始までの間隔ΔT3は、2×Tcより大きく、かつ、3×Tc以下である。ここで、間隔ΔT3が2×Tcより短い場合では、第3駆動パルスP3に基づいて第3の液滴が吐出されたときに発生した振動が十分に減衰していないため、ノズル35から吐出される液滴の吐出量や吐出速度の変動が比較的大きい。よって、間隔ΔT3を2×Tcより大きく、かつ、3×Tc以下にすることで、所望の大きさの液滴(例えば、第2ドットおよび第3ドット)を安定的に吐出させることができる。
また、第2ドットを形成する場合に加え、第3ドットを形成する場合にも安定吐出の電圧マージンを十分に確保することができる。例えば、第2ドットを形成する際には、第4駆動パルスP4の前に第3駆動パルスP3があるため、間隔ΔT3=p×Tc(pは1以上の整数)のとき、第4の液滴は第3駆動パルスP3によって加速し、第4の液滴は第1ドットを形成するとき以上に加速する。ここで、pの値が小さいほど第4の液滴および第5の液滴の加速が大きくなる。このため、吐出速度や吐出量が増大し、吐出曲りなどの不具合を誘発し得るメニスカス溢れが生じやすくなり、電圧マージンも狭くなる。上記不具合の発生を抑制するためには、間隔ΔT3をできるだけ大きくすることが好ましく、波形長を考慮すると第3駆動パルスP3の振動が適度に減衰した2Tcより遅いタイミングがより好ましい。さらに、吐出量が増えるほど(すなわち、第3駆動パルスP3の前に位置する、言い換えると、第3駆動パルスP3よりも前に印加される駆動パルスが増えるほど)メニスカス溢れの発生が起きやすくなる。このため、第2ドットを形成するときの安定吐出を実現するためにより広い電圧マージンを確保することによって、第3ドットを形成するときの吐出不安定の発生をより抑制することができる。
本実施形態では、第4駆動パルスP4の開始から第5駆動パルスP5の開始までの間隔ΔT4は、2×Tcおよび3×Tcの何れかである。このことによって、第4の液滴吐出後のメニスカス35a(図4参照)の引き込み量が適度に低減され、液量の多い大きな第5の液滴を安定的に吐出することができる。さらに、液体吐出装置20では、第5の液滴が第4の液滴以上の速さで吐出される。このため、第4の液滴と第5の液滴とが的確にマージされる。また、第5の液滴の吐出速度が速められることで、サテライト滴やミストの発生を高度に抑制することができる。
本実施形態では、図5に示すように、第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2、第3駆動パルスP3、第4駆動パルスP4、および、第5駆動パルスP5は、圧力室33の膨張している状態が(1/2)×Tcの時間持続されるように構成されている。このことによって、第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5が、圧力室33のヘルムホルツ固有振動周期Tcを増幅させるように作用する。その結果、液滴の吐出安定性を高めると共に、圧力室33の膨張収縮量が増して、より大きな第1の液滴〜第5の液滴を吐出することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかしながら、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る液体吐出装置について説明する。以下の説明では、既に説明した構成と同様の構成には同じ符合を適宜使用し、その説明は適宜省略する。上記実施形態では、図5に示すように、メイン駆動信号MWは、第1駆動パルスP1〜第5駆動パルスP5の5つの駆動パルスを有していた。しかしながら、図13に示すように、本実施形態に係るメイン駆動信号MW2は、6つの駆動パルスP6、P1、P2A、P3〜P5を有している。
本実施形態では、例えば駆動周波数は、14kHz程度である。本実施形態に係るメイン駆動信号MW2は、第1サブ駆動信号W1と、第2サブ駆動信号W2と、第3サブ駆動信号W3とを有している。第1サブ駆動信号W1は、第6駆動パルスP6、第1駆動パルスP1および第2駆動パルスP2Aを含んでいる。
第6駆動パルスP6は、第6の液滴を吐出させる駆動パルスである。第6駆動パルスP6は、第1駆動パルスP1の前方に位置し、第1駆動パルスP1よりも前に印加される。第6駆動パルスP6は、電位がV0からV5に下降する放電波形要素T61と、電位がV5で維持される放電維持波形要素T62と、電位がV5からV0に上昇する充電波形要素T63とを有する。第6駆動パルスP6は、要素T61〜T63を含む台形波形を有する。しかしながら、第6駆動パルスP6は、いわゆる制振用波形は有していない。第1駆動パルスP1は、第1の液滴を吐出させる駆動パルスであり、第6駆動パルスP6の後方に位置し、第6駆動パルスP6よりも後に印加される。第1駆動パルスP1は、電位がV0からV1に下降する放電波形要素T11と、電位がV1で維持される放電維持波形要素T12と、電位がV1からV0に上昇する充電波形要素T13とを有する。
第2駆動パルスP2Aは、第2の液滴を吐出させる駆動パルスである。第2駆動パルスP2Aは、電位がV0からV5に下降する放電波形要素T21Aと、電位がV5で維持される放電維持波形要素T22Aと、電位がV5からV4に上昇する充電波形要素T23Aと、電位がV4で維持される放電維持波形要素T24Aと、電位がV4からV0に下降する放電波形要素T25Aとを有する。本実施形態では、第2駆動パルスP2Aの要素T24AおよびT25Aは、制振用波形である。なお、ここでは、第2サブ駆動信号W2は、第3駆動パルスP3を有している。第3サブ駆動信号W3は、第4駆動パルスP4と、第5駆動パルスP5とを有している。本実施形態では、V4>V0>V3>V1>V5が成り立つ。しかしながら、V0、V1、V3、V4、V5の相互の大小関係は特に限定されない。
本実施形態に係るメイン駆動信号MW2の駆動パルスP1〜P6のうち連続する3つの駆動パルスのうちの少なくとも1つの駆動パルスには、制振用波形が含まれている。例えば、連続する3つの第6駆動パルスP6、第1駆動パルスP1および第2駆動パルスP2Aのうち、第2駆動パルスP2Aには、要素T24AおよびT25Aが含まれた制振用波形が含まれている。連続する3つの第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2Aおよび第3駆動パルスP3のうち、第2駆動パルスP2Aには、制振用波形が含まれている。また、連続する3つの第2駆動パルスP2A、第3駆動パルスP3および第4駆動パルスP4のうち、第2駆動パルスP2Aには、制振用波形が含まれている。
本実施形態では、第6駆動パルスP6の駆動の開始から第1駆動パルスP1の駆動の開始までの間隔ΔT5は、3×Tc以下である。また、第1駆動パルスP1の駆動の開始から第2駆動パルスP2Aの駆動の開始までの間隔ΔT6、および、第2駆動パルスP2Aの駆動の開始から第3駆動パルスP3の駆動の開始までの間隔ΔT7は、それぞれ3×Tc以下である。
本実施形態では、第6駆動パルスP6、第1駆動パルスP1および第2駆動パルスP2Aのそれぞれの放電時間(すなわち、放電と放電維持の合計時間)は、それぞれ吐出ヘッド25のヘルムホルツ固有振動周期Tcの1/2に設定されている。ここでは、放電波形要素T61の開始時間t21と、放電維持波形要素T62の終了時間t22との差は、(1/2)×Tcである。また、放電波形要素T21Aの開始時間t23と、放電維持波形要素T22Aの終了時間t24との差は、(1/2)×Tcである。
本実施形態では、第3ドット(大ドット)を形成する際には、アクチュエータ36に第6駆動パルスP6が供給されると、圧力室33の容積は一度増加してから減少し、ノズル35から第6の液滴を吐出する動作が1回行われる。続いてアクチュエータ36に第1駆動パルスP1が供給されると、圧力室33の容積は、再び増加してから減少し、ノズル35から第1の液滴を吐出する動作が1回行われる。続いてアクチュエータ36に第2駆動パルスP2Aが供給されると、圧力室33の容積は、再び増加してから減少し、ノズル35から第2の液滴を吐出する動作が1回行われる。さらに、アクチュエータ36に第3駆動パルスP3、第4駆動パルスP4および第5駆動パルスP5が供給されると、圧力室33の容積は、再び増加して減少し、ノズル35から第3の液滴、第4の液滴および第5の液滴を吐出する動作がそれぞれ1回行われる。ここでは、アクチュエータ36に第6駆動パルスP6、第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2A、第3駆動パルスP3〜第5駆動パルスP5が供給されると、ノズル35から第1の液滴〜第6の液滴を吐出する動作が行われる。本実施形態では、第1の液滴〜第6の液滴は、記録媒体5上に着弾する前にマージされ、第3ドットが記録媒体5上に形成される。
以上のように、本実施形態では、図13に示すように、間隔ΔT3〜ΔT7は、3×Tc以下であるため、第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2A、第3駆動パルスP3〜第6駆動パルスP6の波形長を比較的に短くすることができる。第3ドット形成部42c(図3参照)において、第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2A、第3駆動パルスP3〜第6駆動パルスP6によって得られる第1の液滴〜第6の液滴がマージされることによって、比較的に大きな第3ドット(大ドット)を形成させることができる。よって、駆動周波数が14kHz程度であっても、第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2A、第3駆動パルスP3〜第6駆動パルスP6を使用することで、大きなドットを形成させることができる。
本実施形態では、第6駆動パルスP6、第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2A、第3駆動パルスP3〜第5駆動パルスP5のうち、連続する3つの駆動パルスのうちの1つの駆動パルスには、制振用波形が含まれている。ここでは、第2駆動パルスP2Aおよび第5駆動パルスP5に、制振用波形が含まれている。そのため、連続する駆動パルスP6、P1、P2A、P3〜P5の開始の間隔ΔT3〜ΔT7が3×Tc以下であっても、直前の駆動パルスによる振動の衰退は、制振用波形によって促進される。よって、安定して液滴を吐出させることができる。
本実施形態では、第6駆動パルスP6は、圧力室33の膨張している状態が(1/2)×Tcの時間持続されるように構成されている。このことによって、第6駆動パルスP6が、圧力室33のヘルムホルツ固有振動周期Tcを増幅させるように作用する。その結果、液滴の吐出安定性を高めると共に、圧力室33の膨張収縮量が増して、より大きな第6の液滴を吐出することができる。
<他の実施形態>
上記各実施形態では、例えば、図6Aに示すように、第2駆動パルスP2において、制振用波形として要素T24およびT25を有する波形が使用され、図7Aに示すように、第5駆動パルスP5において、制振用波形として要素T54およびT55を有する波形が使用されていた。しかしながら、図14Aに示すように、例えば、他の実施形態に係る第2駆動パルスP2Bは、電位がV0からVn1に下降する放電波形要素T21Bと、電位がVn1で維持される放電維持波形要素T22Bと、電位がVn1からV0に上昇する充電波形要素T23Bと、電位がV0で維持される放電維持波形要素T24Bと、電位がV0からVn2に上昇する充電波形要素T25Bと、電位がVn2で維持される放電維持波形要素T26Bと、電位がVn2からV0に下降する放電波形要素T27Bとを有していてもよい。ここでは、要素T24B〜T27Bを含む波形が制振用波形となる。図14Bに示すように、第2駆動パルスP2Bにおいて、圧力室33が収縮状態から膨張状態に切り替わるタイミングt13で、図14Aに示すように、充電波形要素T25Bによって電圧値が上昇して、図14BのST5のように収縮側の波が起こるため、ST6のように振動が衰退する。続いて、膨張状態から収縮状態に切り替わるタイミングt14で、図14Aに示すように、放電波形要素T27Bによって電圧値が下降して、図14BのST7のように膨張側の波が起こるため、ST8のように振動をさらに衰退させることができる。
なお、第1および第2実施形態における第2駆動パルスP2、P2Aは、図7Aに示すように、第5駆動パルスP5のような制振用波形を有していてもよい。また、第5駆動パルスP5は、第1実施形態における第2駆動パルスP2のような制振用波形(図6A参照)を有していてもよいし、第2実施形態における第2駆動パルスP2Aのような制振用波形(図13参照)を有していてもよい。また、第5駆動パルスP5は、図14Aに示すように、他の実施形態における第2駆動パルスP2Bのような制振用波形を有していてもよい。
上記各実施形態では、制振用波形を有する駆動パルスは、図5では、第2駆動パルスP2および第5駆動パルスP5のみであり、図13では、第2駆動パルスP2Aおよび第5駆動パルスP5のみであった。しかしながら、制振用波形は、第2駆動パルスP2、P2Aおよび第5駆動パルスP5に加えて、さらに、第2駆動パルスP2、P2Aおよび第5駆動パルスP5以外の駆動パルス(具体的には、駆動パルスP1、P3、P4、P6の何れか)にも含まれてもよい。ただし、波形長の観点から、制振用波形は、最低限の数(ここでは、第2駆動パルスP2、P2A、第5駆動パルスP5の2つ)であることが好ましい。
なお、上記各実施形態では、第1サブ駆動信号W1が2つまたは3つの駆動パルスを有し、第2サブ駆動信号W2が1つの駆動パルスを有し、第3サブ駆動信号W3が2つの駆動パルスを有していたがこれに限定されない。第1サブ駆動信号W1は1つまたは4つ以上の駆動パルスを含んでいてもよい。第2サブ駆動信号W2は2つ以上の駆動パルスを含んでいてもよい。第3サブ駆動信号W3は1つまたは3つ以上の駆動パルスを含んでいてもよい。
上記各実施形態では、メイン駆動信号MW、MW2は、第1サブ駆動信号W1、第2サブ駆動信号W2および第3サブ駆動信号W3を有していたが、これに限定されない。メイン駆動信号MW、MW2は、2つのサブ駆動信号を有していてもよいし、4以上のサブ駆動信号を有していてもよい。
上記各実施形態では、アクチュエータ36は縦振動モードの圧電素子であったが、これには限定されない。アクチュエータ36は横振動モードの圧電素子であってもよい。また、アクチュエータ36は、圧電素子に限らず、例えば磁歪素子などであってもよい。
上記各実施形態では、液体がインクであったが、これには限定されない。液体吐出装置20が吐出する液体は、例えば樹脂材料や、溶質と溶媒とを含む各種液状組成物(例えば洗浄液)などであってもよい。
上記各実施形態では、吐出ヘッドがプリンタ10に搭載される吐出ヘッド25であったが、これには限定されない。吐出ヘッドは、例えばインクジェット方式を採用する種々の製造装置や、マイクロピペットなどの計測器具などに搭載することができ、各種用途で使用可能である。
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
20 液体吐出装置
25 吐出ヘッド
28 制御装置
32 区画板
33 圧力室
35 ノズル
36 圧電素子(アクチュエータ)
41 駆動信号生成回路
42 駆動信号供給回路
42c 第3ドット形成部(ドット形成部)

Claims (10)

  1. 液体を吐出する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドに通信可能に接続された制御装置と、
    を備え、
    前記吐出ヘッドは、
    内部に液体が貯留される圧力室が形成されたケースと、
    前記ケースに設けられ、前記圧力室の一部を区画する区画板と、
    前記区画板に連結され、電気信号が供給されると変形するアクチュエータと、
    前記ケースに形成され、前記圧力室と連通するノズルと、
    を備え、
    前記制御装置は、
    駆動周期毎に、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第1の液滴を吐出するための第1駆動パルス、および、前記第1駆動パルスよりも後に印加され、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第2の液滴を吐出するための第2駆動パルスを含む第1サブ駆動信号と、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第3の液滴を吐出するための第3駆動パルスを含み、前記第1サブ駆動信号よりも後に印加される第2サブ駆動信号と、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第4の液滴を吐出するための第4駆動パルス、および、前記第4駆動パルスよりも後に印加され、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第5の液滴を吐出するための第5駆動パルスを含み、前記第2サブ駆動信号よりも後に印加される第3サブ駆動信号と、を有するメイン駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、
    前記駆動信号生成回路によって生成された前記メイン駆動信号の一部または全部を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給回路と、
    を備え、
    前記駆動信号供給回路は、前記アクチュエータに対して前記第1サブ駆動信号、前記第2サブ駆動信号および前記第3サブ駆動信号を供給するドット形成部を備え、
    前記吐出ヘッドのヘルムホルツ固有振動周期をTcとしたとき、前記第1駆動パルスの開始から前記第2駆動パルスの開始までの間隔、前記第2駆動パルスの開始から前記第3駆動パルスの開始までの間隔、前記第3駆動パルスの開始から前記第4駆動パルスの開始までの間隔、および、前記第4駆動パルスの開始から前記第5駆動パルスの開始までの間隔は、それぞれ3×Tc以下であり、
    少なくとも前記第2駆動パルスおよび前記第5駆動パルスには、制振用波形が含まれている、液体吐出装置。
  2. 前記第3駆動パルスの開始から前記第4駆動パルスの開始までの間隔は、2×Tcより大きく、かつ、3×Tc以下である、請求項1に記載された液体吐出装置。
  3. 前記第1駆動パルス、前記第2駆動パルス、前記第3駆動パルス、前記第4駆動パルスおよび前記第5駆動パルスは、前記圧力室の膨張している状態が(1/2)×Tcの時間持続されるように構成されている、請求項1または2に記載された液体吐出装置。
  4. 前記第4駆動パルスの開始から前記第5駆動パルスの開始までの間隔は、2×Tcおよび3×Tcの何れかである、請求項1から3までの何れか1つに記載された液体吐出装置。
  5. 前記制振用波形は、
    第1の電位を所定の時間維持する放電維持波形要素と、
    前記第1の電位から、前記第1の電位よりも値が大きい第2の電位に上昇する充電波形要素と、
    を有する、請求項1から4までの何れか1つに記載された液体吐出装置。
  6. 前記制振用波形は、
    第3の電位を所定の時間維持する放電維持波形要素と、
    前記第3の電位から、前記第3の電位よりも値が小さい第4の電位に下降する放電波形要素と、
    を有する、請求項1から4までの何れか1つに記載された液体吐出装置。
  7. 前記制振用波形は、
    第5の電位を所定の第1の時間維持する第1放電維持波形要素と、
    前記第5の電位から、前記第5の電位よりも値が大きい第6の電位に上昇する充電波形要素と、
    前記第6の電位を所定の第2の時間維持する第2放電維持波形要素と、
    前記第6の電位から前記第5の電位に下降する放電波形要素と、
    を有する、請求項1から4までの何れか1つに記載された液体吐出装置。
  8. 前記第1サブ駆動信号は、前記第1駆動パルスよりも前に印加され、前記圧力室を膨張および収縮させることにより第6の液滴を吐出するための第6駆動パルスを含み、
    前記第6駆動パルスの開始から前記第1駆動パルスの開始までの間隔は、3×Tc以下である、請求項1から7までの何れか1つに記載された液体吐出装置。
  9. 前記第6駆動パルスは、前記圧力室の膨張している状態が(1/2)×Tcの時間持続されるように構成されている、請求項8に記載された液体吐出装置。
  10. 請求項1から9までの何れか1つに記載された液体吐出装置を備え、
    前記液体はインクである、インクジェットプリンタ。

JP2017216221A 2017-11-09 2017-11-09 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ Pending JP2019084782A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017216221A JP2019084782A (ja) 2017-11-09 2017-11-09 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017216221A JP2019084782A (ja) 2017-11-09 2017-11-09 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019084782A true JP2019084782A (ja) 2019-06-06

Family

ID=66763802

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017216221A Pending JP2019084782A (ja) 2017-11-09 2017-11-09 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019084782A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115518702A (zh) * 2021-06-24 2022-12-27 北京致雨生物科技有限公司 液滴生成方法、加样管组件及系统

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115518702A (zh) * 2021-06-24 2022-12-27 北京致雨生物科技有限公司 液滴生成方法、加样管组件及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6644537B2 (ja) 液体吐出装置及びこれを備えたインクジェット式記録装置
JP4257547B2 (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法及び駆動方法
JP2012166456A (ja) 液体噴射装置およびその制御方法
JP6764237B2 (ja) 液体吐出装置の駆動信号の生成方法
JP2019059131A (ja) 液体吐出装置
JP6534412B2 (ja) 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
JP2011207080A (ja) 液体噴射装置
JP2019084782A (ja) 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
JP6644538B2 (ja) 液体吐出装置及びこれを備えたインクジェット式記録装置
JP6660234B2 (ja) 液体吐出装置及びこれを備えたインクジェット式記録装置
JP2011088346A (ja) 液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法
JP2013248750A (ja) 液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法
JP5699427B2 (ja) 液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法
JP2014188713A (ja) 液体噴射装置
JP6542274B2 (ja) 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
JP7184670B2 (ja) 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
US10449761B2 (en) Liquid ejection device and inkjet printer including the same
JP2020082433A (ja) 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
JP2020023058A (ja) 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
JP2012136010A (ja) 液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置
JP6051610B2 (ja) 液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法
JP2011207079A (ja) 液体噴射装置
JP6540302B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2018083389A (ja) 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
JP2023084234A (ja) 液滴吐出装置および液滴吐出方法