JP2020022322A - 温度センサの油没判定装置および電動モータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度センサについての油没判定を簡易に行うことが可能な温度センサの油没判定装置等を提供する。【解決手段】本開示の一実施の形態に係る温度センサの油没判定装置は、車両に搭載されていると共にオイルによって冷却される電動モータの温度を検出する第1の温度センサについて、その第1の温度センサがオイルに油没しているのか否かの油没判定を行う判定部を備えている。この判定部は、油没判定の際に、以下の条件(A),(B)がそれぞれ成立するのか否かを判定すると共に、条件(A),(B)の双方が成立すると判定された場合には、第1の温度センサがオイルに油没していると判定する。(A)加速度センサによって検出された車両の加速度が、第1の閾値以上であること(B)第1の温度センサによって検出された電動モータの温度と、オイルの温度を検出する第2の温度センサによって検出されたオイルの温度との温度差の絶対値が、第2の閾値以下であること【選択図】図4

Description

本開示は、車両に搭載される電動モータの温度を検出する温度センサについての油没判定を行う温度センサの油没判定装置、および、そのような油没判定装置を備えた電動モータの制御装置に関する。
近年、エンジンと電動モータとを併用することによって車両の燃料消費率(燃費)を効果的に向上させるようにした、ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)が広く実用化されている。また、電動モータのみを動力源として排気ガスを排出しないようにした、電気自動車(EV:Electric Vehicle)も実用化されている。
このようなハイブリッド自動車や電気自動車では、電動モータの過熱(ひいては、過熱による永久磁石の減磁や消磁)を防止するために、電動モータの温度を検出(監視)する温度センサが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−217303号公報
ところで、このようなハイブリッド自動車や電気自動車等の車両では、車両の走行状況などに応じて、上記した電動モータ用の温度センサが、所定のオイル内に油没してしまう場合があり得る。したがって、そのような温度センサが油没しているのか否かの判定(油没判定)を、簡易に行うことが求められる。電動モータ用の温度センサについての油没判定を簡易に行うことが可能な温度センサの油没判定装置、および、そのような油没判定装置を備えた電動モータの制御装置を提供することが望ましい。
本開示の一実施の形態に係る温度センサの油没判定装置は、車両に搭載されていると共にオイルによって冷却される電動モータの温度を検出する第1の温度センサについて、その第1の温度センサがオイルに油没しているのか否かの油没判定を行う判定部を備えたものである。この判定部は、油没判定の際に、以下の条件(A),(B)がそれぞれ成立するのか否かを判定すると共に、条件(A),(B)の双方が成立すると判定された場合には、第1の温度センサがオイルに油没していると判定する。
(A)加速度センサによって検出された車両の加速度が、第1の閾値以上であること
(B)第1の温度センサによって検出された電動モータの温度と、オイルの温度を検出する第2の温度センサによって検出されたオイルの温度との温度差の絶対値が、第2の閾値以下であること
本開示の一実施の形態に係る電動モータの制御装置は、車両に搭載されていると共にオイルによって冷却される電動モータの温度を検出する第1の温度センサについて、第1の温度センサがオイルに油没しているのか否かの油没判定を行う判定部と、この判定部によって第1の温度センサがオイルに油没していると判定された場合に、電動モータの温度を推定する温度推定部と、第1の温度センサによって検出された電動モータの温度、または、温度推定部によって推定された電動モータの温度に基づいて、電動モータの出力を制限するモータ制御部とを備えたものである。上記判定部は、油没判定の際に、以下の条件(A),(B)がそれぞれ成立するのか否かを判定すると共に、条件(A),(B)の双方が成立すると判定された場合には、第1の温度センサがオイルに油没していると判定する。
(A)加速度センサによって検出された車両の加速度が、第1の閾値以上であること
(B)第1の温度センサによって検出された電動モータの温度と、オイルの温度を検出する第2の温度センサによって検出されたオイルの温度との温度差の絶対値が、第2の閾値以下であること
本開示の一実施の形態に係る温度センサの油没判定装置および電動モータの制御装置によれば、電動モータ用の温度センサについての油没判定を、簡易に行うことが可能となる。
本開示の一実施の形態に係る温度センサの油没判定装置を備えた車両の概略構成例を表す模式図である。 図1に示した温度センサの油没について説明するための模式図である。 各種温度の時間変化について説明するための模式図である。 実施の形態に係る温度センサの油没判定方法および電動モータの出力制限方法の一例を表す流れ図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(2つの条件を用いて温度センサの油没判定を行う方法の例)
2.変形例
<1.実施の形態>
[車両の概略構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る温度センサの油没判定装置(後述するHEV−ECU50)を備えた車両(HEV1)の概略構成例を、模式的に表したものである。なお、本実施の形態では、上記した温度センサの油没判定装置を、シリーズ・パラレル・ハイブリッド自動車に適用した場合を例に挙げて説明する。また、このHEV1は、本開示における「車両」の一具体例に対応している。
HEV1は、図1に示したように、主に、エンジン10、電動モータ(モータジェネレータ)11,12、動力分割機構13、ドライブトレーン14、オイルパン30、機械式オイルポンプ32、電動オイルポンプ33、オイルクーラ40、HEV−ECU50、PCU60、バッテリ70およびECU80を備えている。このHEV1はまた、加速度センサ57、外気温センサ58、車速センサ59、クランク角センサ81、アクセルセンサ82および水温センサ83を備えている。
(A.エンジン10)
エンジン10は、どのような形式のものでもよいが、例えば、高膨張比サイクルによって圧縮比を高めることにより、熱効率の向上を図ったエンジンなどが好適に用いられる。このエンジン10は、後述するECU(エンジン・コントロールユニット)80によって制御されるようになっている。
動力分割機構13は、図1に示したように、エンジン10のクランクシャフトに接続されており、例えば、図示しないリングギヤ、ピニオンギヤ、サンギヤおよびプラネタリキャリアから構成される遊星歯車機構を有している。また、動力分割機構13には、後述する電動モータ11が接続されている。この動力分割機構13は、エンジン10から発生した駆動力を、後述するドライブトレーン14と電動モータ11とに分割して伝達するようになっている。
ドライブトレーン14は、図1に示したように、動力分割機構13に接続されており、減速機等を用いて構成されている。また、ドライブトレーン14には、後述する電動モータ12が接続されている。
(B.電動モータ11,12)
電動モータ11,12はそれぞれ、後述するオイル39によって冷却される油冷式の電動モータであり、例えば、三相交流タイプの交流同期モータとなっている。これらの電動モータ11,12では、一例として、ロータに永久磁石が用いられ、ステータにコイルが用いられている。すなわち、図1に示したように、電動モータ11ではステータとしてのコイル11aが設けられ、電動モータ12ではステータとしてのコイル12aが設けられている。
なお、逆に、電動モータ11,12におけるロータにコイルが用いられ、ステータに永久磁石が用いられるようにしてもよい。また、電動モータ11,12として、上記した交流同期モータの代わりに、例えば、交流誘導モータや直流モータ等を用いるようにしてもよい。
電動モータ11は、主に、発電機(ジェネレータ)として動作するものであり、電動モータ12は、主に、HEV1の動力源として動作するものとなっている。したがって、このHEV1では、エンジン10および電動モータ12の2つの動力源を用いて、車輪(車両)を駆動することが可能となっている。また、HEV1では、例えば走行条件に応じて、電動モータ12のみを動力源として用いた走行と、エンジン10および電動モータ12の双方を動力源として用いた走行とを、切り替えることが可能となっている。更に、HEV1では、電動モータ12を動力源として用いて走行しながら、電動モータ11を用いて発電を行うことも可能となっている。なお、これらのエンジン10および電動モータ11,12はそれぞれ、後述するHEV−ECU(ハイブリッド自動車・コントロールユニット)50によって、総合的に制御されるようになっている。
ここで、図1に示したように、電動モータ11のコイル11aには、この電動モータ11(におけるステータ)の温度T1を検出する、温度センサ21が設けられている。同様に、電動モータ12のコイル12aには、この電動モータ12(におけるステータ)の温度T2を検出する、温度センサ22が設けられている。これらの温度センサ21,22はそれぞれ、例えば、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタを用いて構成されている。なお、温度センサ21,22によって検出された温度T1,T2はそれぞれ、温度T1,T2に応じた電気信号(電圧値)として、後述するHEV−ECU50へと供給されるようになっている(図1参照)。
ここで、これらの温度センサ21,22はそれぞれ、本開示における「第1の温度センサ」の一具体例に対応している。
(C.オイルパン30)
オイルパン30の内部は、図1に示したように、オイル39が貯留されていると共に、オイルストレーナ31が収容されている。オイル39は、上記した電動モータ11,12の潤滑や冷却、ならびに、前述した動力分割機構13およびドライブトレーン14等の潤滑を行うためのオイルである。オイルストレーナ31は、このオイル39に含まれている異物を取り除くための濾過器である。
このようなオイルパン30(または、オイルストレーナ31と後述する機械式オイルポンプ32や電動オイルポンプ33とを連通する配管)には、図1に示したように、油温センサ23が設けられている。この油温センサ23は、オイルパン30に貯留されているオイル39の温度T3(油温)を検出するセンサである。このような油温センサ23は、前述した温度センサ21,22と同様に、例えば、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタを用いて構成されている。なお、油温センサ23によって検出された温度T3もまた、この温度T3に応じた電気信号(電圧値)として、後述するHEV−ECU50へと供給されるようになっている(図1参照)。
ここで、この油温センサ23は、本開示における「第2の温度センサ」の一具体例に対応している。
(D.機械式オイルポンプ32,電動オイルポンプ33)
機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33はそれぞれ、オイルパン30に貯留されているオイル39を、電動モータ11や電動モータ12などに供給するためのオイルポンプである。なお、これらの機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33同士は、図1に示したように、互いに並列配置されている。
機械式オイルポンプ(メカOP)32は、エンジン10によって駆動されるポンプであり、オイルパン30に貯留されているオイル39を、オイルストレーナ31を介して吸い上げ、昇圧して吐出するようになっている(図1参照)。また、このようにして吐出されたオイル39は、図1に示したように、オイルクーラ40に圧送されるようになっている。なお、この機械式オイルポンプ32としては、例えば、同軸式の内接ギヤ・トロコイドタイプや、チェーン駆動式のベーンタイプのものなどが、好適に用いられる。
電動オイルポンプ33は、例えば、エンジン10が停止されているときに、電動モータ(不図示)により駆動されるポンプである。この電動オイルポンプ33もまた、上記した機械式オイルポンプ32と同様に、オイルパン30に貯留されているオイル39を、オイルストレーナ31を介して吸い上げ、昇圧して吐出するようになっている(図1参照)。また、このようにして吐出されたオイル39も同様に、図1に示したように、オイルクーラ40に圧送されるようになっている。なお、この電動オイルポンプ33の動作は、後述するHEV−ECU50によって制御されるようになっている。
(E.オイルクーラ40)
オイルクーラ40は、上記した機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33の下流側に設けられており、これらのオイルポンプから吐出されたオイル39と冷却媒体との間で熱交換を行うことで、オイル39を冷却するようになっている。図1に示した例では、オイルクーラ40は、オイル39と外気(冷却媒体)との間で熱交換を行う、空冷式のオイルクーラとなっている。なお、このような空冷式のオイルクーラの代わりに、オイルクーラ40として、例えば、オイル39とエンジン冷却水等の冷却水(冷却媒体)との間で熱交換を行う、水冷式のオイルクーラを用いるようにしてもよい。
(F.HEV−ECU50)
HEV−ECU50は、各種情報に基づいて、エンジン10および電動モータ11,12の動作を総合的に制御するものである。このHEV−ECU50は、演算を行うマイクロプロセッサ、このマイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、演算結果などの各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)、その記憶内容が保持されるバックアップRAM、および、入出力I/F(Interface)等を含んで構成されている。
ここで、HEV−ECU50は、CAN(Controller Area Network)100を介して、後述するECU80や、図示しないビークルダイナミック・コントロールユニット(VDCU)等との間で、相互に通信可能に接続されている。HEV−ECU50は、このCAN100を介してECU80やVDCUから、各種情報(例えば、エンジン回転数、冷却水温度およびアクセルペダル開度等)を受信するようになっている。そしてHEV−ECU50は、取得したこれらの各種情報に基づいて、上記したように、エンジン10および電動モータ11,12の動作を総合的に制御するようになっている。
このようなHEV−ECU50は、図1に示したように、油没判定部51、ポンプ吐出量取得部52、動作状態取得部53、油温推定部54、モータ温度推定部55およびモータ制御部56を有している。また、HEV−ECU50には、例えば図1に示したように、加速度センサ57、外気温センサ58および車速センサ59等の、各種センサが接続されている。
加速度センサ57は、HEV1の加速度aを検出するセンサである。外気温センサ58は、HEV1の外気の温度(外気温)を検出するセンサである。車速センサ59は、HEV1の速度(車速)を検出するセンサである。
なお、このようなHEV−ECU50は、本開示における「温度センサの油没判定装置」および「電動モータの制御装置」の一具体例に対応している。
(F−1.油没判定部51)
油没判定部51は、詳細は後述するが(図2)、前述した温度センサ21,22について、それらの温度センサ21,22がオイル39に油没しているのか否かの判定(油没判定)を行うものである。具体的には、油没判定部51は、このような油没判定の際に、以下の条件(A),(B)がそれぞれ成立するのか否かを判定することによって、温度センサ21,22がオイル39に油没しているのか否かを判定する。
(A)加速度センサ57によって検出されたHEV1の加速度aが、閾値加速度ath以上(a≧ath)であること
(B)温度センサ21によって検出された電動モータ11の温度T1(または、温度センサ22によって検出された電動モータ12の温度T2)と、油温センサ23によって検出されたオイル39の温度T3との温度差の絶対値(|T1−T3|または|T2−T3|)が、閾値温度差ΔTth以下(|T1−T3|≦ΔTth、または、|T2−T3|≦ΔTth)であること
なお、上記した条件(B)における、(|T1−T3|≦ΔTth、または、|T2−T3|≦ΔTth)は、以下では便宜上、(|(T1,T2)−T3|≦ΔTth)として示すこととする(後述する図4等参照)。
ここで、上記した条件(A),(B)の双方が成立すると判定された場合には、油没判定部51は、温度センサ21,22がオイル39に油没していると判定する。一方、上記した条件(A),(B)の少なくとも一方が成立しないと判定された場合には、油没判定部51は、温度センサ21,22がオイル39に油没していないと判定するようになっている。なお、このような油没判定(油没判定処理)の詳細については、後述する(図2〜図4)。
なお、このような油没判定部51は、本開示における「判定部」の一具体例に対応している。また、上記した閾値加速度ath(例えば、0.7(G))は、本開示における「第1の閾値」の一具体例に対応する。更に、上記した閾値温度差ΔTth(例えば、油温センサ23によって検出された温度の3%程度)は、本開示における「第2の閾値」の一具体例に対応している。
(F−2.ポンプ吐出量取得部52)
ポンプ吐出量取得部52は、前述した機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33におけるオイル吐出量を、それぞれ求めるものである。
具体的には、ポンプ吐出量取得部52は、まず、機械式オイルポンプ32におけるエンジン回転数およびギヤ比に基づいて、この機械式オイルポンプ32の回転数(ポンプ回転数)を求める。そして、ポンプ吐出量取得部52は、このようにして求められたポンプ回転数に基づいて、機械式オイルポンプ32におけるオイル吐出量を求めるようになっている。なお、上記したエンジン回転数の代わりに、例えばHEV1の速度に基づいて、機械式オイルポンプ32における吐出量を求めるようにしてもよい。
また、ポンプ吐出量取得部52は、電動オイルポンプ33に印加される電圧のデューティに基づいて、この電動オイルポンプ33における吐出量を求めるようになっている。
なお、このようにしてポンプ吐出量取得部52により求められた、機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33における各吐出量は、後述する油温推定部54へと出力されるようになっている。
(F−3.動作状態取得部53)
動作状態取得部53は、電動モータ11,12の各々における動作状態(例えば、出力トルクやモータ回転数等)を取得するものである。なお、このようにして動作状態取得部53により取得された動作状態の情報は、後述するモータ温度推定部55へと出力されるようになっている。
(F−4.油温推定部54)
油温推定部54は、上記した油没判定部51によって、温度センサ21,22がオイル39に油没していると判定された場合に、オイル39の温度(オイルクーラ40を通過した後のオイル39の温度)を推定するものである。
具体的には、油温推定部54は、まず、上記したポンプ吐出量取得部52から出力された、機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33における各吐出量に基づいて、オイルクーラ40における通油量を求める。なお、このオイルクーラ40における通油量は、回路の圧損比率を考慮して求めることが好ましい。次に、油温推定部54は、オイルパン30に貯留されているオイル39の温度と、上記したオイルクーラ40における通油量と、オイルクーラ40における前述した冷却媒体の温度(例えば、外気温センサ58によって検出された外気温)と、車速センサ59によって検出されたHEV1の速度(車速)とに基づいて、オイルクーラ40を通過した後のオイル39の温度を推定する。すなわち、油温推定部54は、電動モータ11,12へと供給されるオイル39の温度を推定する。このようにして油温推定部54により推定されたオイル39の温度は、後述するモータ温度推定部55へと出力されるようになっている。
なお、上記では、オイルクーラ40が空冷式のものである場合の例について説明したが、オイルクーラ40が水冷式のものである場合には、以下のようになる。すなわち、油温推定部54は、オイルパン30に貯留されているオイル39の温度と、上記した機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33における各吐出量と、オイルクーラ40における前述した冷却媒体の温度(冷却水の温度)とに基づいて、オイルクーラ40を通過した後のオイル39の温度を推定する。
(F−5.モータ温度推定部55)
モータ温度推定部55は、上記した油没判定部51によって、温度センサ21,22がオイル39に油没していると判定された場合に、電動モータ11,12の温度(温度T1,T2)を推定するものである。
具体的には、モータ温度推定部55は、上記した動作状態取得部53から出力された、電動モータ11,12の各々における動作状態(出力トルクやモータ回転数等)と、上記した油温推定部54から出力されたオイル39の温度(推定された温度)と、電動モータ11,12の各々におけるオイル39の流量(オイル流量)とに基づいて、電動モータ11,12の温度T1,T2を推定する。なお、このようにしてモータ温度推定部55により推定された電動モータ11,12の温度T1,T2は、後述するモータ制御部56へと出力されるようになっている。
ここで、このようなモータ温度推定部55は、本開示における「温度推定部」の一具体例に対応している。
(F−6.モータ制御部56)
モータ制御部56は、各種情報に基づいて、例えば電動モータ11,12の各々におけるトルク指令値等を設定することで、電動モータ11,12の出力をそれぞれ制限する(モータ出力制限処理を行う)ものである。
具体的には、モータ制御部56は、例えば、後述するアクセルセンサ82によって検出されたアクセルペダル開度(HEV1の運転者の要求)、HEV1の運転状態、および、後述するバッテリ70の充電状態(SOC:State Of Charge)等の各種情報に基づいて、そのようなモータ出力制限処理を行う。
その際に、モータ制御部56は、検出または推定された電動モータ11,12の温度(温度T1,T2)に応じて、電動モータ11,12におけるモータ出力制限処理を行う。具体的には、モータ制御部56は、温度センサ21,22によって検出された電動モータ11,12の温度T1,T2、または、上記したモータ温度推定部55によって推定された電動モータ11,12の温度T1,T2に基づいて、電動モータ11,12の出力を制限する。より具体的には、モータ制御部56は、このようにして検出または推定された電動モータ11,12の温度T1,T2が、閾値温度Tth以上である場合((T1,T2)≧Tth)には、電動モータ11,12の出力上限値が相対的に低くなるように、電動モータ11,12の出力(例えばトルク指令値等)を制限する。なお、このようなモータ出力制限処理の詳細については、後述する(図4)。
ここで、上記した閾値温度Tthは、本開示における「第3の閾値」の一具体例に対応している。
(G.PCU60,バッテリ70)
バッテリ70は、直流電力を蓄電するバッテリである。このバッテリ70には、図1に示したように、PCU(パワー・コントロールユニット)60が接続されている。
PCU60は、電動モータ11,12をそれぞれ駆動するものであり、図1に示したように、インバータ61およびDC−DCコンバータ62を有している。このPCU60は、具体的には、上記したHEV−ECU50から出力された(モータ制御部56において設定された)トルク指令値等に基づいて、インバータ61を介して、電動モータ11,12をそれぞれ駆動するようになっている。
インバータ61は、バッテリ70に蓄電されている直流電力を三相交流の電力(交流電力)に変換し、その交流電力を電動モータ11,12へとそれぞれ供給するものである。このインバータ61はまた、電動モータ11,12において発電された交流電力を直流電力に変換し、その直流電力をバッテリ70に充電するようになっている。
DC−DCコンバータ62は、バッテリ70に蓄電されている直流電圧(直流高電圧)を降圧し、直流低電圧として出力するものである。このようにして生成された直流低電圧は、例えば、図示しない補機類や、HEV−ECU50および後述するECU80等へと供給されるようになっている。
(H.ECU80)
ECU80には、例えば図1に示したように、クランク角センサ81、アクセルセンサ82および水温センサ83等の、各種センサが接続されている。
クランク角センサ81は、エンジン10におけるクランクシャフト(不図示)の回転位置(エンジン回転数)を検出するセンサである。アクセルセンサ82は、前述したアクセルペダル開度(HEV1の運転者によるアクセルペダルの踏み込み量)を検出するセンサである。水温センサ83は、エンジン10における冷却水の温度(冷却水温度)を検出するセンサである。
ECU80は、これらの各種センサにおいて検出された各種情報と、前述したHEV−ECU50からの制御情報とに基づいて、例えば、燃料噴射量や点火時期、および、電子制御式スロットルバルブ等の各種デバイスを制御することによって、エンジン10を制御するようになっている。また、ECU80は、CAN100を介して、上記した各種情報(エンジン回転数やアクセルペダル開度、冷却水温度など)を、HEV−ECU50へと供給するようになっている。
[動作および作用・効果]
続いて、本実施の形態のHEV1における動作および作用・効果について説明する。
(A.温度センサ21,22の油没について)
最初に、図2,図3を参照して、電動モータ11,12の温度T1,T2をそれぞれ検出する温度センサ21,22の油没について、説明する。図2は、これらの温度センサ21,22の油没について、模式的に表したものである。また、図3は、各種温度(前述した温度T1,T2,T3等)の時間変化について、模式的に表したものである。なお、この図3中に示した実温度T0は、電動モータ11,12の実温度(温度センサ21,22によって検出された温度T1,T2の値ではなく、実際の温度値)を表している。
まず、図2に示した模式構造(トランスミッション90における部分的な模式構造)においては、例えばHEV1が平坦路を走行しているとき(平坦路走行時)などには、オイル39の油面Lo1(静止油面)が、水平方向に沿った油面となっている。この平坦路走行時等の油面Lo1では、図2に示したように、電動モータ11,12に設けられた温度センサ21,22がそれぞれ、この油面Lo1の上方に位置するように設定されており、オイル39に油没しないようになっている。
ところが、HEV1における登坂時や加速時などでは、例えば図2中の矢印P1で示したように、オイル39の油面Lo2が、過渡的に、水平方向(油面Lo1)から傾いた状態となる(図2中の油没角度θ参照)。そして、オイル39においてこのような過渡的な油面変化が生じると、例えば図2に示したように、油面Lo2の油没角度θによっては、電動モータ11,12に設けられた温度センサ21,22がそれぞれ、オイル39に油没してしまうおそれがある。
ここで、このようにして温度センサ21,22がオイル39に油没してしまった場合、例えば図3に示したようにして、電動モータ11,12に対する保護制御を適切に実行することができなくなり、電動モータ11,12に破損等が生じるおそれがある。
具体的には、まず、例えば図3中のタイミングt0〜t1の期間(上記した平坦路走行時など)では、上記したように、温度センサ21,22がオイル39に油没していない。したがって、これらの温度センサ21,22により検出される温度T1,T2はそれぞれ、電動モータ11,12の実温度T0と略一致している(図3参照)。すなわち、このタイミングt0〜t1の期間では、温度センサ21,22において、電動モータ11,12の温度T1,T2を正しく検出できていることになる。
一方、例えば、図3中のタイミングt1以降の期間(上記した登坂時や加速時など)では、上記したようなオイル39の過渡的な油面変化に起因して、温度センサ21,22がオイル39に油没してしまうと、以下のようになる。すなわち、例えば図3中の矢印P2で示したように、温度センサ21,22により検出される温度T1,T2がそれぞれ、電動モータ11,12の実温度T0から解離してしまい、オイル39の温度T3に略一致してしまう。換言すると、この場合、温度センサ21,22において、電動モータ11,12の温度T1,T2を正しく検出できていない(実際にはオイル39の温度T3を検出してしまっている)ことになる。
すると、例えば図3中のタイミングt2以降の期間では、電動モータ11,12の実温度T0が、所定の閾値温度Tth(電動モータ11,12に対する保護制御を実行する際の閾値)を越えているにも関わらず、そのような保護制御が実行されなくなってしまう。つまり、電動モータ11,12によって検出された温度T1,T2(オイル39の温度T3)は、閾値温度Tthを越えていないため(図3参照)、電動モータ11,12に対する保護制御を実行することができず、電動モータ11,12に破損等が生じるおそれがある。
なお、このような問題に対する解決策として、例えば、以下のようなものが考えられる。すなわち、まず、温度センサ21,22の配置位置を、オイル39の過渡的な油面変化によっても、油没しない位置に変更する手法が挙げられる。また、現状の温度センサ21,22に加え、オイル39の過渡的な油面変化によっても油没しない位置に、新たな温度センサ等の部品を、別途追加する手法が挙げられる。ただし、このようにして、温度センサ21,22の配置位置の変更や、新たな部品(別の温度センサなど)の追加等を行うと、部品レイアウトの制約や部品追加に起因して、コストが増大してしまうおそれがある。
(B.本実施の形態の油没判定方法等)
そこで本実施の形態では、以下詳述する手法を用いて、HEV−ECU50における油没判定部51において、温度センサ21,22についての油没判定を行うようにしている。併せて、HEV−ECU50におけるモータ制御部56は、以下詳述する手法を用いて、電動モータ11,12における出力制限を行うようにしている。
以下、図1〜図3に加えて図4を参照して、本実施の形態に係る温度センサ21,22の油没判定方法および電動モータ11,12の出力制限方法の一例について、詳細に説明する。図4は、そのような油没判定方法(油没判定処理)および出力制限方法(モータ出力制限処理)の一例を、流れ図で表したものである。なお、この図4に示した一連の各処理は、主としてHEV−ECU50において、所定のタイミングで繰り返して実行されるようになっている。
(B−1.油没判定処理:S101〜S104)
この図4に示した一連の各処理では、まず、HEV−ECU50における油没判定部51において、以下詳述する油没判定処理を行う(図4のステップS101〜S104)。
具体的には、油没判定部51は、まず、前述した条件(A)が成立するのか否か(a≧athを満たすのか否か)を、判定する(ステップS101)。なお、この条件(A)は、図2において前述したオイル39の油面の傾き状態(油没角度θ)を推定する判定処理に対応している。
ここで、この条件(A)が成立する(a≧athを満たす)と判定された場合には(ステップS101:Y)、油没判定部51は、油没角度θ(油面の傾き状態)が許容範囲外であると推定し、次に、後述するステップS102へと進む。
一方、この条件(A)が成立しない(a≧athを満たさない)と判定された場合には(ステップS101:N)、油没判定部51は、油没角度θ(油面の傾き状態)が許容範囲内であると推定し、温度センサ21,22がオイル39に油没していないと判定する(ステップS103)。なお、その後は、後述するステップS105へと進むことになる。
ここで、上記したステップS102では、油没判定部51は、前述した条件(B)が更に成立するのか否か(|(T1,T2)−T3|≦Tthを満たすのか否か)を、判定する。なお、この条件(B)は、図2において前述したように、温度センサ21,22において、電動モータ11,12の温度T1,T2を正しく検出できていない(実際にはオイル39の温度T3を検出してしまっている)おそれが有るのか否かについて、推定する判定処理に対応している。
ここで、この条件(B)が成立しない(|(T1,T2)−T3|≦Tthを満たさない)と判定された場合には(ステップS102:N)、以下のようになる。すなわち、油没判定部51は、温度T1,T2を正しく検出できていないおそれは無いと推定し、温度センサ21,22がオイル39に油没していないと判定する(ステップS103)。なお、その後は、後述するステップS105へと進むことになる。
一方、この条件(B)が成立する(|(T1,T2)−T3|≦Tthを満たす)と判定された場合には(ステップS102:Y)、条件(A),(B)の双方が成立することになるため、以下のようになる。すなわち、油没判定部51は、温度T1,T2を正しく検出できていないおそれが有ると推定し、温度センサ21,22がオイル39に油没していると判定する(ステップS104)。なお、その後は、後述するステップS106へと進むことになる。
(B−2.電動モータ11,12の温度の推定処理等:S105〜S107)
続いて、前述したステップS105では、温度センサ21,22によって検出された温度T1,T2に応じて、電動モータ11,12におけるベース温度Tmbが設定される。なお、その後は、後述するステップS107へと進むことになる。
一方、前述したステップS106では、HEV−ECU50(モータ温度推定部55等)は、以下説明する各種演算を行うことで、電動モータ11,12の温度T1,T2の推定処理を行う。なお、その後は、以下説明するステップS107へと進むことになる。
そして、このステップS107では、HEV−ECU50におけるモータ制御部56は、このようにして検出または推定された電動モータ11,12の温度T1,T2が、前述した閾値温度Tth以上であるのか否か((T1,T2)≧Tthを満たすのか否か)を、判定する。すなわち、モータ制御部56は、温度センサ21,22によって検出された温度T1,T2、または、上記したステップS106において推定された温度T1,T2に基づいて、そのような判定を行う。
ここで、(T1,T2)≧Tthを満たさないと判定された場合には(ステップS107:N)、後述するステップS108へと進むことになる。一方、(T1,T2)≧Tthを満たすと判定された場合には(ステップS107:Y)、後述するステップS109へと進むことになる。
ここで、上記した電動モータ11,12の温度T1,T2の推定処理(ステップS106)は、以下のようになる。
すなわち、この温度T1,T2の推定処理では、まず、油温推定部54が、前述したようにしてポンプ吐出量取得部52から出力される、機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33における各吐出量等に基づいて、オイルクーラ40を通過した後のオイル39の温度(電動モータ11,12へと供給されるオイル39の温度)を推定する。そして、モータ温度推定部55が、前述したようにして動作状態取得部53から出力される、電動モータ11,12の各々における動作状態(出力トルクやモータ回転数等)と、上記した油温推定部54において推定されたオイル39の温度と、電動モータ11,12の各々におけるオイル39の流量(オイル流量)とに基づいて、電動モータ11,12の温度T1,T2を推定する。
(B−3.モータ出力制限処理:S108〜S110)
続いて、モータ制御部56は、以下のようにして、電動モータ11,12の出力をそれぞれ制限する処理(モータ出力制限処理)を行う(ステップS108〜S110)。
まず、前述したようにして(T1,T2)≧Tthを満たさないと判定された場合(ステップS107:N)、次にモータ制御部56は、電動モータ11,12の出力上限値Pmax1を設定する(ステップS108)。一方、(T1,T2)≧Tthを満たすと判定された場合(ステップS107:Y)、次にモータ制御部56は、電動モータ11,12の出力上限値Pmax2を設定する(ステップS109)。
ここで、出力上限値Pmax2は、出力上限値Pmax1よりも相対的に低い値となっている(Pmax2<Pmax1)。すなわち、電動モータ11,12の温度T1,T2が、閾値温度Tth以上である場合には、電動モータ11,12の出力上限値が相対的に低くなるように設定される。
続いて、モータ制御部56は、このようにして設定された出力上限値Pmax1,Pmax2を考慮して、以下のようにして、電動モータ11,12における目標回転数、目標トルクおよびトルク指令値をそれぞれ設定する(ステップS110)。
具体的には、まず、モータ制御部56は、例えばアクセルペダル開度に応じて、電動モータ11,12における要求回転数および要求トルクをそれぞれ設定する。次に、モータ制御部56は、このようにして設定された要求回転数および要求トルクに応じて、電動モータ11,12における目標回転数および目標トルクをそれぞれ設定する。そして、モータ制御部56は、このようにして設定された目標回転数および目標トルクに応じて、電動モータ11,12におけるトルク指令値を設定する。
続いて、モータ制御部56は、このようにして設定されたトルク指令値が、ステップS108において設定された出力上限値Pmax1、または、ステップS109において設定された出力上限値Pmax2を満足するように演算を行うことで、仮モータトルクを算出する。次いで、モータ制御部56は、このようにして算出された仮モータトルクに応じて、最終的なトルク指令値を設定する。
なお、このようにして設定された、電動モータ11,12における目標回転数、目標トルクおよびトルク指令値はそれぞれ、HEV−ECU50(モータ制御部56)からPCU60へと、出力される。そして、このPCU60は、これらの目標回転数、目標トルクおよびトルク指令値に基づいて、電動モータ11,12をそれぞれ駆動することになる。以上により、図4に示した一連の各処理の説明が、終了となる。
(C.作用・効果)
このようにして本実施の形態では、HEV−ECU50(油没判定部51)が、電動モータ11,12の温度を検出する温度センサ21,22についての油没判定の際に、以下のようにして判定を行う。すなわち、HEV−ECU50は、前述した条件(A),(B)の双方が成立すると判定された場合に、温度センサ21,22がオイル39に油没していると判定する。
これにより本実施の形態では、例えば前述したような、温度センサ21,22の配置位置の変更や、新たな部品(別の温度センサなど)の追加等を行うことなく、温度センサ21,22の油没判定が実現される。すなわち、既存のHEVにおける構造をそのまま採用しつつ、HEV−ECU50内での処理を変更するだけで、そのような油没判定を行うことができるようになる。よって本実施の形態では、電動モータ11,12用の温度センサ21,22についての油没判定を、簡易に行うことが可能となる。また、温度センサ21,22の配置位置の変更や新たな部品の追加等が不要であることから、低コスト化を図ることも可能となる。
また、HEV−ECU50(油没判定部51)は、前述した条件(A),(B)の少なくとも一方が成立しないと判定された場合には、温度センサ21,22がオイル39に油没していないと判定するようにしたので、以下のようになる。すなわち、温度センサ21,22が油没していないことについても、既存のHEVにおける構造をそのまま採用しつつ、簡易に判定することが可能となる。
更に、HEV−ECU50には、前述したモータ温度推定部55およびモータ制御部56等が設けられているようにしたので、以下のようになる。すなわち、油没判定部51によって、温度センサ21,22がオイル39に油没していると判定された場合であっても、電動モータ11,12の動作(駆動力出力動作,発電動作等)を維持する(フォールトトレランスを採用する)ことができ、電動モータ11,12を保護することが可能となる。
加えて、HEV−ECU50(モータ制御部56)は、前述したようにして検出または推定された電動モータ11,12の温度T1,T2が閾値温度Tth以上である場合には、電動モータ11,12の出力上限値が相対的に低くなるように、電動モータ11,12の出力を制限するようにしたので、以下のようになる。すなわち、検出または推定された温度T1,T2の高低に応じたモータ出力制限処理が実現されることから、電動モータ11,12を、より適切に保護することが可能となる。
また、本実施の形態では、前述した電動モータ11,12の温度T1,T2の推定処理(図4のステップS106)の際に、HEV−ECU50において以下のような各種演算が行われるようにしたので、例えば以下のような各種効果を得ることも可能となる。
すなわち、まず、機械式オイルポンプ32におけるエンジン回転数に基づいて、この機械式オイルポンプ32における回転数(ポンプ回転数)が求められ、このポンプ回転数に基づいて、機械式オイルポンプ32におけるオイル吐出量が求められる。これにより、機械式オイルポンプ32におけるオイル吐出量を、的確に求めることが可能となる。
また、電動オイルポンプ33における吐出量が考慮されて、オイルクーラ40を通過した後のオイル39の温度が推定される。これにより、例えば図1に示したように、機械式オイルポンプ32に加えて電動オイルポンプ33が設けられている場合においても、双方のオイルポンプでの総吐出量を求めることができ、オイルクーラ40を通過した後のオイル39の温度を、的確に推定することが可能となる。
更に、オイルパン30に貯留されているオイル39の温度と、機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33における各吐出量と、前述した外気温およびHEV1の速度(車速)とに基づいて、オイルクーラ40を通過した後のオイル39の温度が推定される。これにより、例えば空冷式のオイルクーラ40を用いた場合において、このオイルクーラ40を通過した後のオイル39の温度を、精度よく推定することが可能となる。
<2.変形例>
以上、実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示はこの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、HEV1における各部材の構成(形式、形状、配置、個数等)については、上記実施の形態で説明したものには限られない。すなわち、これらの各部材における構成については、他の形式や形状、配置、個数等であってもよい。また、上記実施の形態で説明した各種パラメータの値や範囲、大小関係等についても、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の値や範囲、大小関係等であってもよい。
具体的には、例えば、上記実施の形態では、HEV1内に2つの電動モータ(電動モータ11,12)が設けられている場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、HEV1内に、例えば1つだけの電動モータが設けられていたり、例えば3つ以上の複数の電動モータが設けられているようにしてもよい。また、上記実施の形態では、前述した油没判定処理やモータ出力制限処理、温度の推定処理等(図4参照)の対象が、2つの温度センサ21,22の双方である場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば場合によっては、これら2つの温度センサ21,22のうちの一方の温度センサのみが、これらの油没判定処理やモータ出力制限処理、温度の推定処理等の対象となっていてもよい。
また、上記実施の形態では、前述した油没判定処理やモータ出力制限処理、温度の推定処理等(図4参照)について、具体例を挙げて説明したが、これらの具体例には限られない。すなわち、他の手法を用いて、これらの油没判定処理やモータ出力制限処理、温度の推定処理等を行うようにしてもよい。
更に、上記実施の形態では、本開示における「温度センサの油没判定装置」および「電動モータの制御装置」をそれぞれ、シリーズ・パラレル・ハイブリッド自動車に適用した場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、本開示における「温度センサの油没判定装置」および「電動モータの制御装置」はそれぞれ、異なる形式のハイブリッド自動車(例えば、シリーズ・ハイブリッド自動車や、パラレル・ハイブリッド自動車など)にも適用することが可能である。また、本開示における「温度センサの油没判定装置」および「電動モータの制御装置」はそれぞれ、ハイブリッド自動車には限られず、例えば、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)などにも適用することが可能である。
加えて、上記実施の形態で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。
また、これまでに説明した各種の例を、任意の組み合わせで適用させるようにしてもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
1…HEV、10…エンジン、100…CAN、11,12…電動モータ、11a,12a…コイル、13…動力分割機構、14…ドライブトレーン、21,22…温度センサ、23…油温センサ、30…オイルパン、31…オイルストレーナ、32…機械式オイルポンプ、33…電動オイルポンプ、40…オイルクーラ、50…HEV−ECU、51…油没判定部、52…ポンプ吐出量取得部、53…動作状態取得部、54…油温推定部、55…モータ温度推定部、56…モータ制御部、57…加速度センサ、58…外気温センサ、59…車速センサ、60…PCU、61…インバータ、62…DC−DCコンバータ、70…バッテリ、80…ECU、81…クランク角センサ、82…アクセルセンサ、83…水温センサ、90…トランスミッション、T0…実温度、T1,T2,T3…温度、Tth…閾値温度、ΔTth…閾値温度差、Tmb…ベース温度、a…加速度、ath…閾値加速度、Lo1,Lo2…油面、θ…油没角度、t…時間、t0,t1,t2…タイミング、Pmax1,Pmax2…出力上限値。

Claims (4)

  1. 車両に搭載されていると共にオイルによって冷却される電動モータの温度を検出する第1の温度センサについて、前記第1の温度センサが前記オイルに油没しているのか否かの油没判定を行う判定部を備え、
    前記判定部は、
    前記油没判定の際に、以下の条件(A),(B)がそれぞれ成立するのか否かを判定すると共に、
    前記条件(A),(B)の双方が成立すると判定された場合には、前記第1の温度センサが前記オイルに油没していると判定する
    温度センサの油没判定装置。
    (A)加速度センサによって検出された前記車両の加速度が、第1の閾値以上であること
    (B)前記第1の温度センサによって検出された前記電動モータの温度と、前記オイルの温度を検出する第2の温度センサによって検出された前記オイルの温度と、の温度差の絶対値が、第2の閾値以下であること
  2. 前記判定部は、前記条件(A),(B)の少なくとも一方が成立しないと判定された場合には、前記第1の温度センサが前記オイルに油没していないと判定する
    請求項1に記載の温度センサの油没判定装置。
  3. 車両に搭載されていると共にオイルによって冷却される電動モータの温度を検出する第1の温度センサについて、前記第1の温度センサが前記オイルに油没しているのか否かの油没判定を行う判定部と、
    前記判定部によって前記第1の温度センサが前記オイルに油没していると判定された場合に、前記電動モータの温度を推定する温度推定部と、
    前記第1の温度センサによって検出された前記電動モータの温度、または、前記温度推定部によって推定された前記電動モータの温度に基づいて、前記電動モータの出力を制限するモータ制御部と
    を備え、
    前記判定部は、
    前記油没判定の際に、以下の条件(A),(B)がそれぞれ成立するのか否かを判定すると共に、
    前記条件(A),(B)の双方が成立すると判定された場合には、前記第1の温度センサが前記オイルに油没していると判定する
    電動モータの制御装置。
    (A)加速度センサによって検出された前記車両の加速度が、第1の閾値以上であること
    (B)前記第1の温度センサによって検出された前記電動モータの温度と、前記オイルの温度を検出する第2の温度センサによって検出された前記オイルの温度と、の温度差の絶対値が、第2の閾値以下であること
  4. 前記モータ制御部は、
    前記第1の温度センサによって検出された前記電動モータの温度、または、前記温度推定部によって推定された前記電動モータの温度が、第3の閾値以上である場合には、
    前記電動モータの出力上限値が相対的に低くなるように、前記電動モータの出力を制限する
    請求項3に記載の電動モータの制御装置。
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