JP2020021047A - 光学系、それを備える照明装置及び測距装置 - Google Patents

光学系、それを備える照明装置及び測距装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造が容易でありながら良好な光学性能を有する光学系、それを備える照明装置及び測距装置を提供すること。【解決手段】 光学系20は、光源11からの光を対象物に導く光学系であって、光源11の側から順に配置された第1及び第2の回折素子L1,L2を備え、第1及び第2の回折素子L1,L2の夫々は、回折面を含む平板で構成されており、第1及び第2の回折素子L1,L2の少なくとも一方は、光軸を含む第1の断面と光軸を含み第1の断面に垂直な第2の断面とで互いに異なるパワーを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、光源からの光を対象物に導く光学系に関し、例えば車載システムや監視システム等の測距装置に好適なものである。
対象物(被照射面)までの距離を計測する測距装置として、照明装置により対象物を照明し、対象物からの反射光を受光するまでの時間やその反射光の位相に基づいて対象物までの距離を算出するものが知られている。
特許文献1には、測距装置における照明装置に用いられる光学系として、水平断面と垂直断面とで互いに異なる屈折力を有する複数のレンズから成るものが記載されている。
特開平8−15412号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような回転非対称な形状のレンズを高い精度で形成することは難しい。よって、特許文献1に記載の光学系を測距装置に適用した場合、各レンズの組立誤差(配置誤差)などに起因して、被照射面における照明光のスポットサイズが大きくなり、測距精度が低下してしまう可能性が生じる。
本発明は、製造が容易でありながら良好な光学性能を有する光学系、それを備える照明装置及び測距装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての光学系は、光源からの光を対象物に導く光学系であって、前記光源の側から順に配置された第1及び第2の回折素子を備え、該第1及び第2の回折素子の夫々は、回折面を含む平板で構成されており、前記第1及び第2の回折素子の少なくとも一方は、光軸を含む第1の断面と前記光軸を含み前記第1の断面に垂直な第2の断面とで互いに異なるパワーを有することを特徴とする。
本発明によれば、製造が容易でありながら良好な光学性能を有する光学系、それを備える照明装置及び測距装置を提供することができる。
実施形態に係る照明装置の模式図。 実施形態に係る回折素子の模式図。 変形例に係る回折素子の模式図。 実施例1に係る光学系の要部概略図。 実施例2に係る光学系の要部概略図。 実施例3に係る光学系の要部概略図。 実施例4に係る光学系の要部概略図。 実施例5に係る光学系の要部概略図。 実施例6に係る光学系の要部概略図。 実施例7に係る光学系の要部概略図。 実施例8に係る光学系の要部概略図。 実施例9に係る光学系の要部概略図。 実施例10に係る光学系の要部概略図。 実施形態に係る測距装置の模式図。 実施形態に係る車載システムの機能ブロック図。 実施形態に係る車両の模式図。 実施形態に係る車載システムの動作例を示すフローチャート。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面は、便宜的に実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。また、各図面において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る照明装置1の光軸を含むYZ断面における要部概略図(模式図)である。本実施形態に係る照明装置1は、光源部10と光学系(照明光学系)20を備えている。図1では、光軸方向をZ方向、垂直方向(第1の方向)をY方向、水平方向(第2の方向)をX方向としている。以下の説明において、YZ断面を垂直断面(第1の断面)、ZX断面を水平断面(第2の断面)とも呼ぶ。
本実施形態に係る光源部10は、光源11、コリメータ部12、及び走査部13を備え、光学系20に向けて光(照明光)を射出している。光源11としては、例えば半導体レーザなどを採用することができる。コリメータ部12は、1枚以上のレンズ(コリメータレンズ)で構成され、光源11から射出された発散光を平行光に変換する。ただし、ここでの平行光とは、厳密な平行光に限らず、弱発散光や弱収束光等の略平行光を含むものとする。
走査部13は、コリメータ部12からの平行光を偏向することで、光学系20を介して不図示の対象物を走査する。なお、対象物は光学系20の+Z側に配置されているものとする。走査部13としては、ガルバノミラーやMEMSミラーなどの可動ミラーや、電圧の印加により屈折率が変化する結晶素子や液晶素子などの光学素子を採用することができる。特に、後者の光学素子によれば、ミラーを駆動するための機構(駆動部)を設ける必要がなくなるため、装置全体の小型化と低コスト化を実現することができる。
なお、照明装置1において、要求される照明範囲(照明画角)が確保できるのであれば、必要に応じてコリメータ部12や走査部13を備えない構成を採用してもよい。コリメータ部12は、特に照明装置1が走査部13を備えている場合に、駆動部などの各部材と光路との干渉を回避し易くすることができるという効果を奏する。
本実施形態に係る光学系20は、光源側(−Z側)から順に配置された第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2を備え、光源部10からの光を対象物に導光(照射)している。光学系20は、入射光の角度(入射角)を変換し、その入射角とは異なる角度(出射角)の出射光として射出する機能を有する。第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2の夫々は、回折面を含む平板(透過部材)で構成されている。すなわち、各回折素子は、屈折パワーを有しておらず、回折パワーのみを有している。
仮に、各回折素子をレンズなどの屈折力を有する光学素子で構成した場合、組立誤差等によって各光学素子が光軸に垂直な方向(X方向又はY方向)へ偏心すると、曲面形状の光学面(レンズ面)に対する光線の入射位置が変化してしまう。これにより、光学系20の光学性能(照明性能)が低下してしまう可能性が生じる。そこで、本実施形態のように各回折素子を平板で構成することで、各回折素子が偏心した場合の光学性能への影響を低減することができる。
なお、本実施形態に係る各回折素子は平板で構成されているため、各回折素子に含まれる光学面は、ベース面が平面形状である回折面又は平面形状である屈折面の何れかである。ただし、ここでの平面形状とは、厳密な平面に限らず、製造誤差などで生じた僅かな曲率(曲率半径3000mm以上に相当)を有する曲面等の略平面を含むものとする。このとき、より良好な回折効率を実現するためには、平面形状であるベース面又は屈折面が光軸に対して垂直になるように配置することが望ましい。言い換えると、第1の回折素子L1と第2の回折素子L2とで、各光学面が互いに平行になるように各回折素子を配置することが望ましい。
そして、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2の少なくとも一方は、光軸を含む第1の断面(YZ断面)と光軸を含み第1の断面に垂直な第2の断面(ZX断面)とで互いに異なるパワーを有している。このように、何れかの回折素子をアナモフィック光学素子とすることで、光源部10からの光の出射角を第1及び第2の断面で互いに独立に制御することができる。これにより、光学系20において第1及び第2の断面での良好な光学性能を実現することができる。
上述したように、本実施形態では、アナモフィック光学素子として平板で構成される回折素子を採用している。このような平板で構成される回折素子は、回転非対称な形状のレンズと比較して製造が容易である。よって、本実施形態に係る構成を採用すれば、レンズのみを採用する場合と比較して、容易かつ高精度にアナモフィック光学素子を製造することができる。したがって、光学系20を測距装置に適用した場合の、組立誤差に起因する測距精度の低下を抑制することが可能になる。
なお、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2の少なくとも一方をアナモフィック光学素子とすれば上述した効果を得ることができるが、各回折素子の設計自由度を向上させるためには、両方の回折素子をアナモフィック光学素子とすることが望ましい。また、光学系20は3枚以上の回折素子を備えていてもよいが、光学系20の全系の小型化と良好な光学性能を両立するためには、本実施形態のように光学系20を2枚の回折素子で構成することがより好ましい。
ただし、光学系20は必要に応じて回折素子以外の屈折素子(レンズ)などの光学素子を備えていてもよい。例えば、光学系20の光軸上に屈折素子を配置し、全系のうちの主なパワー(屈折力)を屈折素子に持たせることで、光学系20を回折素子のみで構成する場合と比較して各回折素子のパワーを小さくすることができる。これにより、各回折素子において生じる不要光を少なくすることができる。なお、光学素子を増やした場合、各光学素子の配置誤差による光学性能の変動が生じやすくなる可能性があるため、屈折素子の有無は光学系20の仕様に応じて決定することが望ましい。
なお、光学系20にレンズを設ける場合は、第1の断面と第2の断面とで互いに同じパワーを有するレンズ(光軸に対して回転対称なレンズ)を採用することが望ましい。上述したように、アナモフィック光学素子としては、レンズよりも回折素子の方が容易に製造できるため、回転非対称な形状のレンズはできるだけ少なくすることが望ましい。ただし、本実施形態に係る光学系20のように、少なくとも2枚の回折素子を備える構成を採用すれば、光学系をレンズのみで構成する場合と比較して回転非対称な形状のレンズの枚数を少なくすることができる。よって、光学系20は必要に応じて回転非対称な形状のレンズを備えていてもよい。
また、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2のうち光源側に配置された第1の回折素子L1は、正のパワーを有することが望ましい。第1の回折素子L1が正のパワーを有することで、第2の回折素子L2に向かう光を収束させることができ、第2の回折素子L2を小型化することが可能になる。このとき、第2の回折素子L2に対する光の入射角が小さくなるため、第2の回折素子L2の回折効率を向上させることも可能になる。
ここで、第1の断面における角倍率をγ1、第2の断面における角倍率をγ2、第1の断面における入射瞳(瞳位置)から第1の回折素子L1の回折面までの距離をDp1、第2の断面における入射瞳から第1の回折素子L1の回折面までの距離をDp2とする。このとき、光学系20は以下の条件式(1)を満足することが望ましい。ただし、ここでの瞳位置とは、第1の回折素子L1の回折面に入射する各主光線を光源側に延長したときに、夫々が光軸上で交わる点の位置のことである。すなわち、光源部10が走査部13を備える場合は、瞳位置は走査部13の出射面(偏向面)に相当する。
−3≦γ2/γ1−Dp1/Dp2≦3 (1)
条件式(1)は、第1の回折素子L1から出射する各主光線の出射角に関する。条件式(1)を満足することで、第1の回折素子L1から出射する軸外の主光線と光軸とが成す角度(出射角)を小さくすることができる。これにより、軸外の主光線の第2の回折素子L2に対する入射角を小さくすることができるため、組立誤差等によって第2の回折素子L2が偏心した場合の光学性能への影響を低減し、かつ第2の回折素子L2の回折効率を向上させることが可能になる。
条件式(1)の範囲から外れた場合、第2の回折素子L2が偏心した場合の光学性能への影響を低減することや、第2の回折素子L2の回折効率を向上させることが難しくなる。さらに、以下の条件式(1a)及び(1b)を順に満足することがより好ましい。
−2.8≦γ2/γ1−Dp1/Dp2≦2.5 (1a)
−2.6≦γ2/γ1−Dp1/Dp2≦2.0 (1b)
なお、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2は、夫々の回折面が互いに対向するように配置されていることが望ましい。この構成によれば、各回折面の間の媒質が空気のみとなるため、各回折素子を構成する平板の厚みの製造誤差による光学性能への影響を低減することができる。また、必要に応じて各回折格子における入射面と出射面の両方を回折面としてもよい。ただし、各回折面を形成する際のチャッキング工程などを考慮すると、各回折素子の製造を容易にするためには、入射面と出射面の何れか一方のみを回折面とすることが望ましい。
図2は、本実施形態に係る回折素子の模式図であり、第1の断面(YZ断面)及び第2の断面(ZX断面)の夫々を示している。なお、図2において、回折素子の縮尺や回折面における回折格子の数などは、実際のものとは異なる。図2に示すように、垂直断面における光軸Aから回折格子の光軸Aに最も近い(第1輪帯の)格子頂点までの距離S1と、水平断面における光軸Aから回折格子の光軸Aに最も近い格子頂点までの距離S2とは互いに異なる。これは、各回折面のパワーが垂直断面と水平断面とで互いに異なること、すなわち各回折面がアナモフィック光学面であるということを意味している。
このような回折面を形成する場合は、リソグラフィ技術を用いることが望ましい。リソグラフィ技術を用いることで、切削や研磨又はモールド成形などの技術を用いる場合と比較して、回折面を高精度に形成することができる。リソグラフィ技術を用いる場合は、例えば図3に示すように、回折面における曲面形状を、階段状に配列された微小な矩形形状で近似したものを採用してもよい。
なお、本実施形態のように、平板における平面形状の光学面に回折面を設ける場合は、レンズなどにおける曲面形状の光学面に回折面を設ける場合とは異なり、軸上から最軸外にわたって回折面が与える位相差を変化させる必要がない。よって、各回折素子の製造を容易にするためには、各回折面の格子高さを軸上から最軸外にわたって均一にすることが望ましい。
また、光源11から出射する光のうち、ピーク強度を有する光の波長をλs[nm]とするとき、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
850≦λs≦14000 (2)
条件式(2)を満たす赤外域の波長帯域においてピーク強度を有する光を射出する光源を用いることで、リソグラフィ技術における搬送工程などにおいて生じる各回折面の汚れによる測距性能への影響を低減することができる。また、このような光源を用いることで、照明装置1を測距装置に適用した場合に、照明装置1から対象物に至る光路上における霧などの障害物による測距性能への影響も低減することができる。
条件式(2)の下限値を下回ると、各回折面の汚れや障害物による測距性能への影響を低減することが難しくなる。また、条件式(2)の上限値を上回ると、ピーク強度を有する光の波長が長くなり過ぎてしまい、それに応じて各回折面における回折格子の格子高さを大きくすることが必要になり、各回折面の製造の難易度が上がってしまう。さらに、以下の条件式(2a)及び(2b)を順に満足することがより好ましい。
875≦λs≦13000 (2a)
900≦λs≦12000 (2b)
また、各回折素子の少なくとも一つは、シリコン材料で構成されていることが望ましい。ただし、ここでのシリコン材料とは、シリコン(Si)を主成分とする材料を示し、シリコンのみから成るものに限らず、微小量のシリコン以外の物質(不純物)が含まれているものも含むものとする。光学系20を2枚の回折素子のみで構成する場合、十分な照明性能を得るためには各回折素子のパワーを大きくすることが必要になる。この場合、各回折素子における回折格子の格子高さに対して配列間隔(格子ピッチ)を小さくすることが必要になるため、各回折素子の回折効率が低下してしまう可能性が生じる。
そこで、各回折素子の材料として屈折率の高いシリコン材料を用いることで、各回折素子のパワーを十分に大きくしつつ格子高さを低減させることができるため、回折効率の低下を抑制することが可能になる。上述した効果をより多く得るためには、全ての回折素子をシリコン材料で構成することがより好ましいが、必要に応じてシリコン材料とは異なる材料で構成される回折素子を採用してもよい。
上述したように、光学系20にレンズを設ける場合は、第1の断面と第2の断面とで互いに同じパワーを有するレンズを採用することが好ましい。このとき、そのレンズの焦点距離をLf、レンズに最も近い回折素子の第1及び第2の断面における焦点距離を各々Df1及びDf2とするとき、以下の条件式(3)及び(4)の少なくとも一方を満足することが望ましい。
1.0<|Df1|/|Lf| (3)
1.0<|Df2|/|Lf| (4)
条件式(3)及び(4)の少なくとも一方を満たすことで、光学系20における主なパワーをレンズに持たせることができるため、各回折素子のパワーを小さくすることができ、各回折素子で生じる不要光を低減することができる。さらに、以下の条件式(3a)及び(4a)の少なくとも一方を満足することが好ましく、条件式(3b)及び(4b)の少なくとも一方を満足することがより好ましい。
1.5<|Df1|/|Lf| (3a)
1.5<|Df2|/|Lf| (4a)
2.0<|Df1|/|Lf| (3b)
2.0<|Df2|/|Lf| (4b)
また、光学系20にレンズを設けた場合、そのレンズに最も近い回折素子は、第1の断面と第2の断面とで互いに異なる符号のパワーを有することが望ましい。ここでは、パワーが0(焦点距離が∞)である場合は、その符号が正及び負とは異なるとみなす。上述したように、光学系20にレンズを設けた場合は回折素子のパワーを小さくすることができるため、回折素子に第1の断面と第2の断面とで互いに異なる符号のパワーを持たせることが容易になり、光学系20の設計の自由度を向上させることが可能になる。
ここで、第1の回折素子L1の焦点距離をf1とするとき、本実施形態に係る光学系20は、第1の断面及び第2の断面の少なくとも一方において以下の条件式(5)を満足することが望ましい。ただし、ここでの瞳位置とは、第1の回折素子L1の回折面に入射する各主光線を光源側に延長したときに、夫々が光軸上で交わる点の位置のことである。すなわち、光源部10が走査部13を備える場合は、瞳位置は走査部13の出射面(偏向面)に相当する。
0.30≦f1/Dp1≦3.00 (5)
条件式(5)は、第1の回折素子L1から出射する各主光線の出射角に関する。条件式(5)を満足することで、第1の回折素子L1から出射する軸外主光線と光軸とが成す角度(出射角)を小さくすることができる。これにより、軸外主光線の第2の回折素子L2に対する入射角を小さくすることができるため、組立誤差等によって第2の回折素子L2が偏心した場合の光学性能への影響を低減しつつ、第2の回折素子L2の回折効率を向上させることが可能になる。
条件式(5)の範囲から外れた場合、第2の回折素子L2が偏心した場合の光学性能への影響を低減しつつ、第2の回折素子L2の回折効率を向上させることが困難になる。このとき、第1及び第2の断面の両方において上述した効果を得るためには、第1及び第2の断面の両方において条件式(5)を満足することが望ましい。さらに、以下の条件式(5a)及び(5b)を順に満足することがより好ましい。
0.32≦f1/Dp1≦2.80 (5a)
0.35≦f1/Dp1≦2.50 (5b)
また、光軸から第1及び第2の回折素子の第1輪帯の格子頂点までの距離を各々SL1[μm]及びSL2[μm]、第1及び第2の回折素子の回折面の間の距離をDd[mm]とする。なお、第1輪帯の格子頂点とは、各回折素子において光軸に最も近い輪帯に含まれる回折格子の頂点のことを指す。このとき、本実施形態に係る光学系20は、第1及び第2の断面の少なくとも一方において以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
0.85≦(SL1±SL2)/(2λs×Dd)≦1.15 (6)
ただし、条件式(6)における「±」は、第2の回折素子L2が正のパワー(焦点距離)を有する場合は「+」、第2の回折素子L2が負のパワー(焦点距離)を有する場合は「−」となる。条件式(6)を満足することで、各回折素子のパワーのバランスを適切に設定することができる。これにより、各回折素子の製造を容易にしつつ、光学系20からの出射光を平行光に近づけることができ、より遠くの対象物まで照明することが可能になる。
条件式(6)の範囲から外れた場合、各回折素子のパワーのバランスを良好に保つことが難しくなる。そのため、各回折素子の製造を容易にすることや、光学系20からの出射光を平行光に近づけることが難しくなる。このとき、第1及び第2の断面の両方において上述した効果を得るためには、第1及び第2の断面の両方において条件式(6)を満足することが望ましい。さらに、以下の条件式(6a)及び(6b)を順に満足することがより好ましい。
0.87≦(SL1±SL2)/(2λs×Dd)≦1.13 (6a)
0.90≦(SL1±SL2)/(2λs×Dd)≦1.10 (6b)
また、本実施形態に係る光学系20は、光学系20の(全系の)焦点距離をfとするとき、第1の断面及び第2の断面の少なくとも一方において以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
−0.050≦f1/f≦0.050 (7)
条件式(7)を満足することで、第1の回折素子L1のパワーを適度に設定することができる。これにより、光学系20を小型化しつつ、光学系20のパワー小さくすることができるため、光学系20を測距装置に適用する際に生じる組立誤差による光学性能への影響をより低減することが可能になる。条件式(7)の範囲から外れた場合、光学系20を小型化しつつ組立誤差による光学性能への影響をより低減することが難しくなる。このとき、第1及び第2の断面の両方において上述した効果を得るためには、第1及び第2の断面の両方において条件式(7)を満足することが望ましい。さらに、以下の条件式(7a)及び(7b)を順に満足することがより好ましい。
−0.045≦f1/f≦0.045 (7a)
−0.040≦f1/f≦0.040 (7b)
また、第2の回折素子L2の焦点距離をf2とするとき、第1及び第2の断面の少なくとも一方において以下の条件式(8)又は(9)の何れかを満足することが望ましい。なお、条件式(8)又は(9)の何れを満足するかについては、光学系20が拡大系又は縮小系の何れであるかに応じて決定すればよい。
1.2≦|f1/f2|≦10.0 (8)
1.2≦|f2/f1|≦10.0 (9)
条件式(8)及び(9)は、光学系20の角倍率に関する条件式である。条件式(8)又は(9)の下限値を下回ると、光学系20の角倍率が1に近づき過ぎてしまう。この場合、光学系20に入射する軸外主光線の入射角に対する、光学系20から出射する軸外主光線の出射角の変化率が小さくなり、十分な照明範囲(測距範囲)を確保することが難しくなる。また、条件式(8)又は(9)の上限値を上回ると、光学系20の角倍率が大きくなり過ぎてしまい、全系を小型化しつつ収差を良好に補正することが難しくなる。
このとき、第1及び第2の断面の両方において上述した効果を得るためには、第1及び第2の断面の両方において条件式(8)又は(9)を満足することが望ましい。さらに、以下の条件式(8a)及び(8b)を順に満足するか、あるいは以下の条件式(9a)及び(9b)を順に満足することがより好ましい。
1.5≦|f1/f2|≦8.0 (8a)
1.8≦|f1/f2|≦5.0 (8b)
1.5≦|f2/f1|≦8.0 (9a)
1.8≦|f2/f1|≦5.0 (9b)
また、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2は、光学系20を構成する光学素子の中で、最もパワーの絶対値が大きい上位二つであることが望ましい。言い換えると、光学系20を構成する光学素子の中で、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2の何れか一方のパワーの絶対値が最も大きく、他方のパワーの絶対値が二番目に大きいことが望ましい。これにより、上述した条件式(5)〜(9)による更に大きな効果を得ることができる。なお、各回折素子の何れのパワーの絶対値を最も大きくするかについては、光学系20の仕様(拡大系か縮小系かなど)に応じて決定すればよい。あるいは、必要に応じて各回折素子に絶対値の同じパワーを持たせてもよい。
以上、本実施形態に係る光学系20によれば、製造の容易化と良好な光学性能とを両立することができる。これにより、測距装置における照明装置に光学系20を適用した場合に、組立誤差などに起因する測距精度の低下を抑制することが可能になる。
[実施例1]
以下、本発明の実施例1に係る光学系20について説明する。本実施例に係る光学系20において、上述した実施形態に係る光学系20と同等の構成については説明を省略する。
図4は、本実施例に係る光学系20の要部概略図であり、垂直断面(YZ断面)及び水平断面(ZX断面)の夫々を示している。本実施例に係る光学系20は、−Z側から順に配置された、正のパワーを有する第1の回折素子L1と負のパワーを有する第2の回折素子L2とで構成されている。第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2は、何れも垂直断面と水平断面とで互いに異なるパワーを有している。
垂直断面及び水平断面の夫々において、瞳位置P1及びP2から出射した平行光は、第1の回折素子L1で集光された後、第2の回折素子L2で再び平行光に変換される。これにより、光学系20に入射する光の角度(入射角)が、それとは異なる角度(出射角)に変換(変倍)されることになる。なお、本実施例における瞳位置P1及びP2は、互いに一致している。
光源部10からの光の第1の回折素子L1に対する入射角の最大値は、垂直断面において±3°、水平断面において±15°となっている。そして、光学系20の垂直断面における角倍率γ1は3倍、水平断面における角倍率γ2は1.5倍であるため、第2の回折素子L2から出射する光の出射角の最大値は、垂直断面において±9°、水平断面において±22.5°となる。このように、光学系20によって入射光の角度を拡大したい場合は、第1の回折素子L1のパワーの符号を正、第2の回折素子L2のパワーの符号を負とすることが望ましい。
本実施例に係る各回折素子はシリコン材料で構成されており、夫々の回折面は基準波長λ0を1550nmとして設計されている。なお、波長λsは基準波長λ0と同じ値をとっている。また、光学系20の瞳の直径(瞳径)は、垂直断面及び水平断面において共に1mmである。
これらの構成により、光学系20から射出された平行光が、光学系20から200m離れた位置にある被照射面に到達したときのスポットサイズを、87mm以下と十分に小さくすることができる。また、仮に各回折素子が100μm程度偏心したとしても、スポットサイズを88mm以下に抑えることができる。
[実施例2]
以下、本発明の実施例2に係る光学系20について説明する。本実施例に係る光学系20において、上述した実施例1に係る光学系20と同等の構成については説明を省略する。
図5は、本実施例に係る光学系20の要部概略図である。本実施例に係る光学系20は、実施例1に係る光学系20とは異なり、瞳位置P1及びP2が互いに一致しない構成を採っている。
光源部10からの光の第1の回折素子L1に対する入射角の最大値は、垂直断面において±5°、水平断面において±10°となっている。そして、光学系20の垂直断面における角倍率γ1は3倍、水平断面における角倍率γ2は2倍であるため、第2の回折素子L2から出射する光の出射角の最大値は、垂直断面において±15°、水平断面において±20°となる。
本実施例に係る各回折素子は石英材料で構成されており、夫々の回折面は基準波長λ0を1550nmとして設計されている。不図示の光源から出射するピーク強度を有する光の波長λsの値は、基準波長λ0と同様に1550nmである。また、光学系20の瞳径は、垂直断面において1mm、水平断面において2.5mmである。
これらの構成により、光学系20から射出された平行光が、光学系20から200m離れた位置にある被照射面に到達したときのスポットサイズを、51mm以下と十分に小さくすることができる。また、仮に各回折素子が100μm程度偏心したとしても、スポットサイズを52mm以下に抑えることができる。
[実施例3]
以下、本発明の実施例3に係る光学系20について説明する。本実施例に係る光学系20において、上述した実施例1に係る光学系20と同等の構成については説明を省略する。
図6は、本実施例に係る光学系20の要部概略図である。本実施例に係る光学系20は、実施例1に係る光学系20とは異なり、瞳位置P1及びP2が互いに一致しない構成を採っている。
光源部10からの光の第1の回折素子L1に対する入射角の最大値は、垂直断面において±2.5°、水平断面において±10°となっている。そして、光学系20の垂直断面における角倍率γ1は4倍、水平断面における角倍率γ2は2倍であるため、第2の回折素子L2から出射する光の出射角の最大値は、垂直断面において±10°、水平断面において±20°となる。
本実施例に係る各回折素子は石英材料で構成されており、夫々の回折面は基準波長λ0を905nmとして設計されている。波長λsの値は、基準波長λ0と同様に905nmである。また、光学系20の瞳径は、垂直断面及び水平断面において共に1mmである。
これらの構成により、光学系20から射出された平行光が、光学系20から200m離れた位置にある被照射面に到達したときのスポットサイズを、122mm以下と十分に小さくすることができる。また、仮に各回折素子が100μm程度偏心したとしても、スポットサイズを124mm以下に抑えることができる。
[実施例4]
以下、本発明の実施例4に係る光学系20について説明する。本実施例に係る光学系20において、上述した実施例1に係る光学系20と同等の構成については説明を省略する。
図7は、本実施例に係る光学系20の要部概略図である。本実施例に係る光学系20は、実施例1に係る光学系20とは異なり、−Z側から順に配置された、正のパワーを有する第1の回折素子L1と正のパワーを有する第2の回折素子L2とで構成されている。第1の回折素子L1は瞳位置P1及びP2からの平行光を集光して中間像を形成し、第2の回折素子L2は中間像からの光を再び平行光に変換している。また、第1の回折素子L1は垂直断面と水平断面とで互いに異なるパワーを有しているが、第2の回折素子L2は垂直断面と水平断面とで同じパワーを有している。
光源部10からの光の第1の回折素子L1に対する入射角の最大値は、垂直断面及び水平断面において共に±30°となっている。そして、光学系20の垂直断面における角倍率γ1は0.28倍、水平断面における角倍率γ2は0.32倍であるため、第2の回折素子L2から出射する光の出射角の最大値は、垂直断面において±8.5°、水平断面において±9.5°となる。このように、光学系20によって入射光の角度を縮小したい場合は、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2のパワーの符号を共に正とすることが望ましい。
本実施例に係る各回折素子はシリコン材料で構成されており、夫々の回折面は基準波長λ0を1550nmとして設計されている。波長λsの値は、基準波長λ0と同様に1550nmである。また、光学系20の瞳径は、垂直断面及び水平断面において共に1mmである。
これらの構成により、光学系20から射出された平行光が、光学系20から200m離れた位置にある被照射面に到達したときのスポットサイズを、123mm以下と十分に小さくすることができる。また、仮に各回折素子が100μm程度偏心したとしても、スポットサイズを124mm以下に抑えることができる。
[実施例5]
以下、本発明の実施例5に係る光学系20について説明する。本実施例に係る光学系20において、上述した実施例1に係る光学系20と同等の構成については説明を省略する。
図8は、本実施例に係る光学系20の要部概略図である。本実施例に係る光学系20は、実施例1に係る光学系20とは異なり、3枚の回折素子で構成されている。具体的に、本実施例に係る光学系20は、−Z側から順に配置された、正のパワーを有する第1の回折素子L1と、垂直断面において負のパワー、水平断面において正のパワーを有する第3の回折素子L3と、負のパワーを有する第2の回折素子L2とから成る。各回折素子は、何れも垂直断面と水平断面とで互いに異なるパワーを有している。光学系20の光学素子の中で、最もパワーの大きい上位二つは第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2である。
光源部10からの光の第1の回折素子L1に対する入射角の最大値は、垂直断面において±3°、水平断面において±15°となっている。そして、光学系20の垂直断面における角倍率γ1は5倍、水平断面における角倍率γ2は3倍であるため、第2の回折素子L2から出射する光の出射角の最大値は、垂直断面において±15°、水平断面において±45°となる。本実施例に係る各回折素子はシリコン材料で構成されており、夫々の回折面は基準波長λ0を10000nmとして設計されている。波長λsの値は、基準波長λ0と同様に10000nmである。また、光学系20の瞳径は、垂直断面及び水平断面において共に1mmである。
これらの構成により、光学系20から射出された平行光が、光学系20から200m離れた位置にある被照射面に到達したときのスポットサイズを、48mm以下と十分に小さくすることができる。また、仮に各回折素子が100μm程度偏心したとしても、スポットサイズを83mm以下に抑えることができる。
[実施例6]
以下、本発明の実施例6に係る光学系20について説明する。本実施例に係る光学系20において、上述した実施例1に係る光学系20と同等の構成については説明を省略する。
図9は、本実施例に係る光学系20の要部概略図である。本実施例に係る光学系20は、実施例1に係る光学系20とは異なり、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2の夫々に隣接するように配置された第1及び第2のレンズL3,L4を備えている。具体的に、本実施例に係る光学系20は、−Z側から順に配置された、第1の回折素子L1と、第1のレンズL3と、第2のレンズL4と、第2の回折素子L2とから成る。
第1の回折素子L1は、垂直断面において正のパワー、水平断面において負のパワーを有するアナモフィック光学素子であり、第2の回折素子L2は、垂直断面において負のパワー、水平断面において正のパワーを有するアナモフィック光学素子である。第1のレンズL3は垂直断面及び水平断面において正のパワーを有する回転対称レンズであり、第2のレンズL4は垂直断面及び水平断面において負のパワーを有する回転対称レンズである。
本実施例において、光源部10からの光束の光学系20に対する入射角や光学系20の角倍率、光学系20の瞳径、基準波長λ0の値などは実施例1と同様である。一方、本実施例においては、実施例1とは異なり各レンズに主なパワーを持たせ、各回折素子の各断面においるパワーを小さくしているため、各断面における回折効率を向上させることができる。
これらの構成により、光学系20から射出された平行光が、光学系20から200m離れた位置にある被照射面に到達したときのスポットサイズを、69mm以下と十分に小さくすることができる。また、仮に各回折素子が100μm程度偏心したとしても、スポットサイズを71mm以下に抑えることができる。
[実施例7]
以下、本発明の実施例7に係る光学系20について説明する。本実施例に係る光学系20において、上述した実施例1に係る光学系20と同等の構成については説明を省略する。
図10は、本実施例に係る光学系20の要部概略図である。本実施例に係る光学系20は、実施例1に係る光学系20とは異なり、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2の夫々に隣接するように配置された第1及び第2のレンズL3,L4を備えている。具体的に、本実施例に係る光学系20は、−Z側から順に配置された、第1のレンズL3と、第1の回折素子L1と、第2の回折素子L2と、第2のレンズL4とから成る。
第1の回折素子L1は、垂直断面において正のパワーを有し、水平断面においてパワーを有さないアナモフィック光学素子であり、第2の回折素子L2は、垂直断面において負のパワーを有し、水平断面においてパワーを有さないアナモフィック光学素子である。第1のレンズL3は垂直断面及び水平断面において正のパワーを有する回転対称レンズであり、第2のレンズL4は垂直断面及び水平断面において負のパワーを有する回転対称レンズである。
本実施例において、光源部10からの光束の光学系20に対する入射角や光学系20の角倍率、光学系20の瞳径、基準波長λ0の値などは実施例1と同様である。一方、本実施例においては、実施例1とは異なり各レンズに主なパワーを持たせ、各回折素子には垂直断面においてのみパワーを持たせているため、水平断面における回折効率を向上させることができる。
これらの構成により、光学系20から射出された平行光が、光学系20から200m離れた位置にある被照射面に到達したときのスポットサイズを、108mm以下と十分に小さくすることができる。また、仮に各回折素子が100μm程度偏心したとしても、スポットサイズを125mm以下に抑えることができる。
[実施例8]
以下、本発明の実施例8に係る光学系20について説明する。本実施例に係る光学系20において、上述した実施例1に係る光学系20と同等の構成については説明を省略する。
図11は、本実施例に係る光学系20の要部概略図である。本実施例に係る光学系20は、実施例1に係る光学系20とは異なり、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2に隣接するように配置されたレンズL4を備えている。具体的に、本実施例に係る光学系20は、−Z側から順に配置された、第1の回折素子L1と、第2のレンズL4と、第2の回折素子L2とから成る。
第1の回折素子L1は、垂直断面及び水平断面において正のパワーを有するアナモフィック光学素子であり、第2の回折素子L2は、垂直断面及び水平断面において負のパワーを有するアナモフィック光学素子である。レンズL4は垂直断面及び水平断面において負のパワーを有する回転対称レンズである。各回折素子は、何れも垂直断面と水平断面とで互いに異なるパワーを有している。
本実施例において、光源部10からの光束の光学系20に対する入射角や光学系20の角倍率、光学系20の瞳径、基準波長λ0の値などは実施例1と同様である。一方、本実施例においては、実施例1とは異なり各レンズに主なパワーを持たせ、各回折素子の水平断面におけるパワーを約半分まで小さくしているため、水平断面における回折効率を向上させることができる。
これらの構成により、光学系20から射出された平行光が、光学系20から200m離れた位置にある被照射面に到達したときのスポットサイズを、78mm以下と十分に小さくすることができる。また、仮に各回折素子が100μm程度偏心したとしても、スポットサイズを110mm以下に抑えることができる。
[実施例9]
以下、本発明の実施例9に係る光学系20について説明する。本実施例に係る光学系20において、上述した実施例1に係る光学系20と同等の構成については説明を省略する。
図12は、本実施例に係る光学系20の要部概略図である。本実施例に係る光学系20は、実施例1に係る光学系20とは異なり、瞳位置P1及びP2が互いに一致しない構成を採っている。また、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2は、何れも垂直断面と水平断面とで互いに異なるパワーを有している。
光源部10からの光の第1の回折素子L1に対する入射角の最大値は、垂直断面において±2.5°、水平断面において±10°となっている。そして、光学系20の垂直断面における角倍率は4倍、水平断面における角倍率は2倍であるため、第2の回折素子L2から出射する光の出射角の最大値は、垂直断面において±10°、水平断面において±20°となる。
本実施例に係る各回折素子は、可視域で用いられる一般的な材料であるS−BAL42(株式会社オハラ)で構成されており、夫々の回折面は基準波長λ0を1550nmとして設計されている。波長λsの値は、基準波長λ0と同様に1550nmである。また、光学系20の瞳径は、垂直断面において1mm、水平断面において2.5mmである。
これらの構成により、光学系20から射出された平行光が、光学系20から200m離れた位置にある被照射面に到達したときのスポットサイズを、340mm以下と十分に小さくすることができる。また、仮に各回折素子が50μm程度偏心したとしても、スポットサイズを750mm以下に抑えることができる。
[実施例10]
以下、本発明の実施例10に係る光学系20について説明する。本実施例に係る光学系20において、上述した実施例1に係る光学系20と同等の構成については説明を省略する。
図13は、本実施例に係る光学系20の要部概略図である。本実施例に係る光学系20は、実施例1に係る光学系20とは異なり、瞳位置P1及びP2が互いに一致しない構成を採っている。また、第1の回折素子L1及び第2の回折素子L2は、何れも垂直断面と水平断面とで互いに異なるパワーを有している。
光源部10からの光の第1の回折素子L1に対する入射角の最大値は、垂直断面において±2.5°、水平断面において±10°となっている。そして、光学系20の垂直断面における角倍率は4倍、水平断面における角倍率は2倍であるため、第2の回折素子L2から出射する光の出射角の最大値は、垂直断面において±10°、水平断面において±20°となる。
本実施例に係る各回折素子は石英材料で構成されており、夫々の回折面は基準波長λ0を905nmとして設計されている。波長λsの値は、基準波長λ0と同様に905nmである。また、光学系20の瞳径は、垂直断面において1mm、水平断面において2.5mmである。
これらの構成により、光学系20から射出された平行光が、光学系20から200m離れた位置にある被照射面に到達したときのスポットサイズを、207mm以下と十分に小さくすることができる。また、仮に各回折素子が100μm程度偏心したとしても、スポットサイズを210mm以下に抑えることができる。
[数値実施例]
以下、上述した実施例1乃至10に対応する数値実施例1乃至10を示す。各数値実施例において、面番号は、瞳位置から数えたときの瞳面を含む各光学面の順番である。ただし、瞳位置P1及びP2が互いに異なる場合は、各瞳面を互いに異なる面番号として示している。r[mm]は第i番目の光学面の曲率半径を示し、d[mm]は第i番目の光学面と第(i+1)番目の光学面の間隔を示す。また、Nは、第i番目の光学面と第(i+1)番目の光学面の間の媒質(材料)の基準波長λ0に対する屈折率を示す。なお、回折面については、面番号の横に*(アスタリスク)を付している。
また、回折面の位相関数Φは、以下の式で表わされる。ただし、Cnは位相関数係数、xは光軸からの水平方向(X方向)における距離、yは光軸からの垂直方向(Y方向)における距離である。なお、各数値実施例の位相関数データにおける「E±X」は、「10±X」を意味する。
Figure 2020021047
(数値実施例1)
面データ
面番号 r d N
1(P1,P2) ∞ 10
2 ∞ 0.73 3.479
3* ∞ 4.98
4* ∞ 0.73 3.479
5 ∞

位相関数データ
面番号 C3 C5 C3,C5以外
3 -3.232E-02 -6.654E-02 0.000E+00
4 4.779E-02 1.988E-01 0.000E+00
(数値実施例2)
面データ
面番号 r d N
1(P2) ∞ 15
2(P1) ∞ 5
3* ∞ 0.73 1.444
4 ∞ 9.99
5* ∞ 0.73 1.444
6 ∞

位相関数データ
面番号 C3 C5 C3,C5以外
4 -2.342E-02 -3.152E-02 0.000E+00
5 4.613E-02 9.366E-02 0.000E+00
(数値実施例3)
面データ
面番号 r d N
1(P1) ∞ 5
2(P2) ∞ 5
3 ∞ 0.73 1.444
4* ∞ 12.95
5 ∞ 0.73 1.444
6* ∞

位相関数データ
面番号 C3 C5 C3,C5以外
4 -1.807E-02 -2.772E-02 0.000E+00
5 3.566E-02 1.106E-01 0.000E+00
(数値実施例4)
面データ
面番号 r d N
1(P1,P2) ∞ 6
2 ∞ 1 3.479
3* ∞ 32.82
4 ∞ 1 3.479
5* ∞

位相関数データ
面番号 C3 C5 C3,C5以外
4 -6.220E-02 -7.061E-02 0.000E+00
5 -1.989E-02 -1.989E-02 0.000E+00
(数値実施例5)
面データ
面番号 r d N
1(P1,P2) ∞ 10
2 ∞ 0.73 3.416
3* ∞ 3.30
4* ∞ 0.73 3.416
5 ∞ 3.70
6* ∞ 0.73 3.416
7 ∞

位相関数データ
面番号 C3 C5 C3,C5以外
3 -4.075E-02 -5.641E-02 0.000E+00
4 -8.026E-03 3.283E-03 0.000E+00
6 1.273E-01 2.687E-01 0.000E+00
(数値実施例6)
面データ
面番号 r d N
1(P1,P2) 9
2 ∞ 0.73 3.479
3* ∞ 0.10
4 21.46 1.00 3.479
5 50.42 6.90
6 -27.60 0.5 3.479
7 33.44 1.05
8* ∞ 0.73 3.479
9 ∞

位相関数データ
面番号 C3 C5 C3,C5以外
3 8.733E-03 -8.733E-03 0.000E+00
8 -3.832E-02 3.832E-02 0.000E+00
(数値実施例7)
面データ
面番号 r d N
1(P1,P2) 9
2 -35.65 1.00 3.479
3 -20.31 0.10
4 ∞ 0.73 3.479
5* ∞ 5.38
6* ∞ 0.725 3.479
7 ∞ 0.50
8 -23.14 1.00 3.479
9 - 98.44

位相関数データ
面番号 C3 C5 C3,C5以外
5 0.000E+00 -3.268E-02 0.000E+00
6 0.000E+00 1.327E-01 0.000E+00
(数値実施例8)
面データ
面番号 r d N
1(P1,P2) 10
2 ∞ 0.73 3.479
3* ∞ 4.33
4 62.02 0.50 3.479
5 26.17 0.72
6* ∞ 0.725 3.479
7 ∞

面番号 C3 C5 C3,C5以外
3 -3.253E-02 -6.526E-02 0.000E+00
6 1.975E-02 1.625E-01 0.000E+00
(数値実施例9)
面データ
面番号 r d N
1(P2) ∞ 6
2(P1) ∞ 10
3 ∞ 1 1.565
4* ∞ 3
5* ∞ 1 1.565
6 ∞

位相関数データ
面番号 C3 C5 C10
4 -8.223E-02 -1.224E-01 2.838E-04
5 1.630E-01 4.621E-01 -1.512E-03

面番号 C12 C14 C3,C5,C10,C12,C14以外
4 6.146E-04 1.225E-03 0.000E+00
5 -4.879E-03 -3.635E-02 0.000E+00
(数値実施例10)
面データ
面番号 r d N
1(P2) ∞ 6
2(P1) ∞ 15
3 ∞ 0.73 1.444
4* ∞ 24.45
5* ∞ 0.73 1.444
6 ∞

位相関数データ
面番号 C3 C5 C3,C5以外
4 -1.000E-02 -1.549E-02 0.000E+00
5 1.971E-02 6.134E-02 0.000E+00
Figure 2020021047
表2に、上述した実施例6乃至8に係る光学系20についての条件式(3)及び(4)の値を示す。表1に示すように、各実施例に係る光学系20は条件式(3)及び(4)の少なくとも一方を満足している。
Figure 2020021047
表3及び表4に、上述した実施例4,5,9,10に係る光学系20についての条件式(5)乃至(9)に関する数値を示す。表3は垂直断面における数値を示し、表4は水平断面における数値を示している。表3及び表4に示すように、各実施例に係る光学系20は、各断面において条件式(5)乃至(7)、及び条件式(8)又は(9)を満足している。
Figure 2020021047
Figure 2020021047
[測距装置]
図14は、上述した実施形態に係る照明装置1を適用した測距装置100の光軸を含むZX断面における要部概略図(模式図)である。本実施形態に係る測距装置100は、対象物からの反射光を受光するまでの時間やその反射光の位相に基づいて対象物までの距離を算出する、LiDAR(Light Detection And Ranging)という技術を用いている。なお、対象物は測距装置100の+Z側に配置されているものとする。
測距装置100は、照明装置1と、照明装置1により照明された対象物からの光(反射光又は散乱光)を受光する受光部(撮像部)2とを備える。受光部2は、対象物からの光を受光して信号を出力する受光素子21と、対象物からの光を受光素子21に導く光学系(受光光学系)22とを有する。受光素子21としては、例えばCCDセンサやCMOSセンサなどの光電変換素子(撮像素子)を採用することができる。受光光学系22としては、1枚以上のレンズなどの光学素子で構成され、対象物からの光を受光素子21の受光面に集光するものを採用することができる。
また、測距装置100は、照明装置1が射出する照明光を制御する第1制御部(照明制御部)31と、受光素子21の出力に基づいて対象物までの距離に関する情報(距離情報)を取得する第2制御部(距離算出部)32とを備えている。第1制御部31は、例えば光源を制御することで照明光をパルス光としたり、照明光の強度変調を行って信号光を生成したりすることができる。第2制御部32は、照明装置1の光源から照明光が出射した時刻から、受光素子21が対象物からの光を受光した時刻までの時間に基づいて、対象物の距離情報を取得することができる。
なお、対象物からの光を受光するまでの時間ではなく、対象物からの光の位相に基づいて距離情報を取得してもよい。具体的には、照明装置1における光源の信号の位相と受光素子21から出力される信号の位相との差分(位相差)を求め、その位相差に光速を乗じることで、対象物の距離情報を取得してもよい。また、必要に応じて第1制御部31及び第2制御部32を設けずに、測距装置100を撮像装置として構成してもよい。
このようなLiDARを用いた測距装置は、対象物としての車両や人、又は障害物等を識別し、その対象物の距離情報に応じて自車両を制御する車載システムに好適なものである。なお、LiDARを用いた測距装置としては、照明装置の光軸と受光部の光軸とが一致する同軸系か、あるいは照明装置の光軸と受光部の光軸とが一致しない非同軸系を採用することができる。本実施形態に係る照明装置1は、図14に示したような非同軸系に特に好適なものである。
[車載システム]
図15は、本実施形態に係る測距装置100及びそれを備える車載システム(運転支援装置)600の構成図である。車載システム600は、自動車(車両)等の移動可能な移動体(移動装置)により保持され、測距装置100により取得した車両の周囲の対象物(障害物)の距離情報に基づいて、車両の運転を支援するための装置である。図16は、車載システム600を含む移動装置としての車両700の模式図である。図16においては、測距装置100の測距範囲50を車両700の前方に設定した場合を示しているが、測距範囲50を車両700の後方や側方に設定してもよい。
図15に示すように、車載システム600は、測距装置100と、車両情報取得装置200と、制御装置(ECU:エレクトロニックコントロールユニット)300と、警告装置400とを備える。測距装置100は、上述した照明装置1、受光部2、第1制御部31、及び第2制御部32を備えている。本実施形態に係る第2制御部32は、距離算出部及び衝突判定部としての機能を有する。
図17は、本実施形態に係る車載システム600の動作例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、車載システム600の動作を説明する。
まず、ステップS1では、照明装置1により車両の周囲の対象物を照明し、対象物からの反射光を受光することで受光部2が出力する信号に基づいて、第2制御部32により対象物の距離情報を取得する。また、ステップS2では、車両情報取得装置200から車両の車速、ヨーレート、舵角などを含む車両情報の取得を行う。そして、ステップS3では、第2制御部32によって、ステップS1で取得された距離情報が予め設定された設定距離の範囲内に含まれるか否かの判定を行う。
これにより、車両の周囲の設定距離内に障害物が存在するか否かを判定し、車両と障害物との衝突可能性を判定することができる。なお、ステップS1及びS2は、上記の順番とは逆の順番で処理を行ってもよいし、互いに並列して処理を行ってもよい。第2制御部32は、設定距離内に障害物が存在する場合は衝突可能性ありと判定し(ステップS4)、設定距離内に障害物が存在しない場合は衝突可能性なしと判定する(ステップS5)。
次に、第2制御部32は、衝突可能性ありと判定した場合、その判定結果を制御装置300や警告装置400に対して通知する。このとき、制御装置300は、第2制御部32での判定結果に基づいて車両を制御し(ステップS6)、警告装置400は、第2制御部32での判定結果に基づいて運転者への警告を行う(ステップS7)。なお、判定結果の通知は、制御装置300及び警告装置400の少なくとも一方に行えばよい。
制御装置300は、車両に対して、例えばブレーキをかける、アクセルを戻す、各輪に制動力を発生させる制御信号を生成してエンジンやモータの出力を抑制する、などの制御を行う。また、警告装置400は、車両のユーザ(運転者)に対して、例えば警告音(警報)を発する、カーナビゲーションシステムなどの画面に警告情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与える、などの警告を行う。
以上、本実施形態に係る車載システム600によれば、上記の処理により障害物の検知を行うことができ、車両と障害物との衝突を回避することが可能になる。特に、上述した各実施例に係る光学系を車載システム600に適用することで、高い測距精度を実現することができるため、障害物の検知及び衝突判定を高精度に行うことが可能になる。
なお、本実施形態では、車載システム600を運転支援(衝突被害軽減)に適用したが、これに限らず、車載システム600をクルーズコントロール(全車速追従機能付を含む)や自動運転などに適用してもよい。また、車載システム600は、自動車等の車両に限らず、例えば船舶や航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。また、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)や監視システム等の物体認識を利用する機器に適用することができる。
また、車載システム600や移動装置700は、万が一移動装置700が障害物に衝突した場合に、その旨を車載システムの製造元(メーカー)や移動装置の販売元(ディーラー)などに通知するための通知装置(通知部)を備えていてもよい。例えば、通知装置としては、移動装置700と障害物との衝突に関する情報(衝突情報)を予め設定された外部の通知先に対して電子メールなどによって送信するもの採用することができる。
このように、通知装置によって衝突情報を自動通知する構成を採ることにより、衝突が生じた後に点検や修理などの対応を速やかに行うことができる。なお、衝突情報の通知先は、保険会社、医療機関、警察などや、ユーザーが設定した任意のものであってもよい。また、衝突情報に限らず、各部の故障情報や消耗品の消耗情報を通知先に通知するように通知装置を構成してもよい。衝突の有無の検知については、上述した受光部2からの出力に基づいて取得された距離情報を用いて行ってもよいし、他の検知部(センサ)によって行ってもよい。
[変形例]
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。例えば、上述した各実施例では、第1及び第2の回折素子のパワーの符号が垂直断面と水平断面とで互いに等しくなっているが、必要に応じて各回折素子のパワーの符号を垂直断面と水平断面とで互い異ならせてもよい。
また、上述した実施形態においては、第2制御部が、衝突判定部(判定部)としての機能を有する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、車載システムにおいて、第2制御部とは別体の衝突判定部を設けてもよい。すなわち、第2制御部は、少なくとも距離算出部(距離情報取得部)としての機能を有していればよい。また、必要に応じて第1の制御部及び第2の制御部を測距装置100の外部(例えば車両の内部)に設けてもよい。
11 光源
20 光学系
L1 第1の回折素子
L2 第2の回折素子

Claims (30)

  1. 光源からの光を対象物に導く光学系であって、
    前記光源の側から順に配置された第1及び第2の回折素子を備え、
    該第1及び第2の回折素子の夫々は、回折面を含む平板で構成されており、
    前記第1及び第2の回折素子の少なくとも一方は、光軸を含む第1の断面と前記光軸を含み前記第1の断面に垂直な第2の断面とで互いに異なるパワーを有することを特徴とする光学系。
  2. 前記第1の回折素子は、正のパワーを有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記第1の断面における角倍率をγ1、前記第2の断面における角倍率をγ2、前記第1の断面における入射瞳から前記第1の回折素子の回折面までの距離をDp1、前記第2の断面における入射瞳から前記第1の回折素子の回折面までの距離をDp2とするとき、
    −3≦γ2/γ1−Dp1/Dp2≦3
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
  4. 前記第1及び第2の回折素子の夫々の回折面は、互いに対向していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学系。
  5. 前記第1の回折素子は、シリコン材料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学系。
  6. 前記第2の回折素子は、シリコン材料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
  7. 前記第1及び第2の回折素子の夫々の回折面の格子高さは、軸上から最軸外にわたって均一であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学系。
  8. 前記第1及び第2の回折素子の夫々は、前記第1の断面と前記第2の断面とで互いに異なるパワーを有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学系。
  9. 前記第2の回折素子は、負のパワーを有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の光学系。
  10. 前記第1及び第2の回折素子から成ることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学系。
  11. 前記第1の断面と前記第2の断面とで互いに同じパワーを有するレンズを備えることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学系。
  12. 前記レンズの焦点距離をLf、前記レンズに最も近い回折素子の前記第1及び第2の断面における焦点距離を各々Df1及びDf2とするとき、
    1<|Df1|/|Lf|
    1<|Df2|/|Lf|
    なる条件式の少なくとも一方を満足することを特徴とする請求項11に記載の光学系。
  13. 前記レンズに最も近い回折素子は、前記第1の断面と前記第2の断面とで互いに異なる符号のパワーを有することを特徴とする請求項11又は12に記載の光学系。
  14. 前記第1の回折素子の焦点距離をf1、前記第1の断面における入射瞳から前記第1の回折素子の回折面までの距離をDp1とするとき、前記第1及び第2の断面の少なくとも一方において
    0.30≦f1/Dp1≦3.00
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の光学系。
  15. 前記第1の回折素子の焦点距離をf1、前記光学系の焦点距離をfとするとき、前記第1及び第2の断面の少なくとも一方において
    −0.050≦f1/f≦0.050
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の光学系。
  16. 前記第1の回折素子の焦点距離をf1、前記第2の回折素子の焦点距離をf2とするとき、前記第1及び第2の断面の少なくとも一方において
    1.2≦|f1/f2|≦10.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載の光学系。
  17. 前記第1の回折素子の焦点距離をf1、前記第2の回折素子の焦点距離をf2とするとき、前記第1及び第2の断面の少なくとも一方において
    1.2≦|f2/f1|≦10.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載の光学系。
  18. 前記光学系を構成する光学素子の中で、前記第1及び第2の回折素子の何れか一方のパワーの絶対値が最も大きく、他方のパワーの絶対値が二番目に大きいことを特徴とする請求項14乃至17の何れか一項に記載の光学系。
  19. 前記光源を有する光源部と、請求項1乃至18の何れか一項に記載の光学系とを有することを特徴とする照明装置。
  20. 前記光源から出射するピーク強度を有する光の波長をλs[nm]とするとき、
    850≦λs≦14000
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項19に記載の照明装置。
  21. 前記光源部は、前記光源からの光を偏向して前記対象物を走査する走査部を備えることを特徴とする請求項19又は20に記載の照明装置。
  22. 前記走査部は、電圧の印加により屈折率が変化する光学素子を含むことを特徴とする請求項21に記載の照明装置。
  23. 前記光源部は、前記光源からの光を平行光に変換するコリメータ部を備えることを特徴とする請求項19乃至22の何れか一項に記載の照明装置。
  24. 請求項19乃至23の何れか一項に記載の照明装置と、前記対象物からの光を受光する受光素子とを備えることを特徴とする測距装置。
  25. 前記受光素子の出力に基づいて前記対象物の距離情報を取得する制御部を備えることを特徴とする請求項24に記載の測距装置。
  26. 請求項24又は25に記載の測距装置と、該測距装置によって得られた前記対象物の距離情報に基づいて車両と前記対象物との衝突可能性を判定する判定部とを備えることを特徴とする車載システム。
  27. 前記車両と前記対象物との衝突可能性が有ると判定された場合に、前記車両の各輪に制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置を備えることを特徴とする請求項26に記載の車載システム。
  28. 前記車両と前記対象物との衝突可能性が有ると判定された場合に、前記車両の運転者に対して警告を行う警告装置を備えることを特徴とする請求項26または27に記載の車載システム。
  29. 前記車両と前記対象物との衝突に関する情報を外部に通知する通知装置を備えることを特徴とする請求項26乃至28の何れか一項に記載の車載システム。
  30. 請求項24又は25に記載の測距装置を備え、該測距装置を保持して移動可能であることを特徴とする移動装置。
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