JP2020020467A - 液圧ダンパ - Google Patents

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輝行 吉岡
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拓郎 西島
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Abstract

【課題】液圧ダンパの耐久性の低下を抑制する。【解決手段】液圧ダンパは、コアとブラダとを備えている。コアは、ベースと、ベースから第1方向に突出し側部から先端にかけて滑らかな第1外周面と、を有している。ブラダは、弾性部材によって構成され、第1外周面との間に気体を封入した状態で第1外周面を覆う内周面と、液圧が作用する第2外周面と、を有している。第2外周面に液圧が作用した状態で内周面の一部とは接触し、内周面の全部とは接触しないように第1外周面に凹部が設けられている。第1外周面は、曲面を含むとともに、先端を除き第1方向と直交する平面を含まない。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、液圧ダンパに関する。
従来、凹部が設けられたコアと、コアの外周面との間に気体を封入した状態で当該外周面を覆うようコアに取り付けられたブラダと、を有した液圧ダンパが知られている。この液圧ダンパでは、ブラダの外周面に液圧が作用することにより、ブラダが収縮する。
特開平9−151830号公報
この種の液圧ダンパでは、例えば、ブラダの収縮に伴い当該ブラダに応力が発生する。当該応力が大きくなると、ブラダひいては液圧ダンパの耐久性が低下する虞がある。
そこで、本発明の課題の一つは、耐久性の低下を抑制することができる液圧ダンパを得ることである。
実施形態の液圧ダンパは、ベースと、当該ベースから第1方向に突出し側部から先端にかけて滑らかな第1外周面と、を有したコアと、弾性部材によって構成され、前記第1外周面との間に気体を封入した状態で前記第1外周面を覆う内周面と、液圧が作用する第2外周面と、を有したブラダと、を備え、前記第2外周面に液圧が作用した状態で前記内周面の一部とは接触し、前記内周面の全部とは接触しないように前記第1外周面に凹部が設けられ、前記第1外周面は、曲面を含むとともに、前記先端を除き前記第1方向と直交する平面を含まない。
上記の構成によれば、例えば、第1外周面は、曲面を含むとともに、先端を除き第1方向と直交する平面を含まないので、ブラダが、第2外周面に作用する液圧によってコアの突起に近づくように弾性的に収縮し、コアに接触して弾性的に変形した場合でも、ブラダにおける応力集中を抑制することができる。よって、上記の構成によれば、ブラダに発生する応力を小さくしやすい。したがって、液圧ダンパの耐久性の低下を抑制することができる。
図1は、実施形態のブレーキ装置の例示的かつ模式的な構成図である。 図2は、実施形態の液圧ダンパの例示的かつ模式的な断面図であって、ブラダが自由状態の場合の断面図である。 図3は、実施形態の突起の外周面の第1軸を含む断面における外形線を示す図である。 図4は、実施形態の液圧ダンパの例示的かつ模式的な断面図であって、ブラダが収縮状態の場合の断面図である。 図5は、比較例の液圧ダンパの例示的かつ模式的な断面図であって、ブラダが自由状態の場合の断面図である。 図6は、実施形態および比較例の液圧と消費液量との関係を示す図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、あくまで一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果のうち少なくとも一つを得ることが可能である。なお、本明細書において、序数は、部品や部位等を区別するために用いられており、順番や優先度を示すものではない。
図1は、ブレーキ装置1の例示的かつ模式的な構成図である。ブレーキ装置1は、例えば四輪の車両に設けられる。なお、実施形態の技術は、四輪の車両以外の車両にも適用可能である。
図1に示されるように、ブレーキ装置1は、油圧回路10を備えている。ブレーキ装置1は、油圧回路10内のブレーキ液の圧力(液圧)によって、前輪である車輪2FL,2FRと、後輪である車輪2RL,2RRと、の各々に制動力(摩擦制動トルク)を付与することが可能に構成されている。ブレーキ液は、流体とも称されうる。
油圧回路10は、圧力発生部32と、ホイールシリンダ38FL,38FR,38RL,38RRと、圧力調整部34FL,34FR,34RL,34RRと、還流機構37と、を備えている。
なお、以下では、簡単化のため、車輪2FL,2FR,2RL,2RRを総称して車輪2と記載し、ホイールシリンダ38FL,38FR,38RL,38RRを総称してホイールシリンダ38と記載し、圧力調整部34FL,34FR,34RL,34RRを総称して圧力調整部34と記載する場合がある。
圧力発生部32は、車両の運転者によるブレーキペダル31の操作に応じた圧力(液圧)を発生させる機構である。ホイールシリンダ38FL,38FR,38RL,38RRは、それぞれ、摩擦制動部材を加圧することで車輪2FL,2FR,2RL,2RRに制動力を付与する機構である。
また、圧力調整部34FL,34FR,34RL,34RRは、それぞれ、ホイールシリンダ38FL,38FR,38RL,38RRに与えられる液圧を調整する機構である。還流機構37は、液圧を発生させる媒体としてのブレーキ液を上流側に、すなわちホイールシリンダ38側から圧力発生部32側に還流させる機構である。
圧力発生部32は、マスタシリンダ32aと、リザーバタンク32bと、を有している。マスタシリンダ32aは、運転者によるブレーキペダル31の操作(踏み込み操作)に応じて発生する圧力に基づいて、リザーバタンク32bから補充されるブレーキ液を2つの吐出ポートに吐出する。
マスタシリンダ32aの2つの吐出ポートは、それぞれ、開状態と閉状態とが電気的に切り替わる電磁弁33を介して、フロント側の圧力調整部34(34FRおよび34FL)と、リヤ側の圧力調整部34(34RRおよび34RL)と、に接続される。電磁弁33は、制御部(不図示)などから与えられる電気信号に基づいて開閉する。
圧力調整部34は、開状態と閉状態とが電気的に切り替わる電磁弁35,36を有している。電磁弁35,36は、電磁弁33と、還流機構37のリザーバ41と、の間に設けられている。電磁弁35は、電磁弁33側に設けられ、電磁弁36は、リザーバ41側に設けられている。
電磁弁35と電磁弁36との間には、ホイールシリンダ38が接続されている。これにより、電磁弁35,36は、制御部などから与えられる電気信号に基づいて開閉することで、ホイールシリンダ38の液圧を増圧したり、保持したり、減圧したりすることが可能である。
より具体的に、電磁弁35は、通常時において開状態に設定されたいわゆるNO(ノーマルオープン)弁である。したがって、電気信号を受け付けていないオフ状態(通常時)の電磁弁35は、ホイールシリンダ38にブレーキ液を流入させてホイールシリンダ38の液圧を増加させることが可能な増圧弁として機能し、電気信号を受け付けたオン状態(作動時)の電磁弁35は、ホイールシリンダ38へのブレーキ液の流入を阻止してホイールシリンダ38の液圧を保持することが可能な保持弁として機能する。
一方、電磁弁36は、通常時において閉状態に設定されたいわゆるNC(ノーマルクローズ)弁である。したがって、電気信号を受け付けていないオフ状態(通常時)の電磁弁36は、ホイールシリンダ38からのブレーキ液の流出を阻止してホイールシリンダ38の液圧を保持することが可能な保持弁として機能し、電気信号を受け付けたオン状態(作動時)の電磁弁36は、ホイールシリンダ38からブレーキ液を流出させてホイールシリンダ38の液圧を減圧することが可能な減圧弁として機能する。
還流機構37は、リザーバ41と、ポンプ39と、モータ40と、液圧ダンパ100と、を有している。なお、図1の例では、リザーバ41、ポンプ39、および液圧ダンパ100は、フロント側の圧力調整部34(34FRおよび34FL)と、リヤ側の圧力調整部34(34RRおよび34RL)と、に対してそれぞれ1つずつ設けられている。
リザーバ41は、ホイールシリンダ38から流出するブレーキ液を一時的に貯蔵する。
ポンプ39は、モータ40に駆動されることで、ブレーキ液をホイールシリンダ38側からマスタシリンダ32a側に汲み上げる。ポンプ39は、例えばピストンポンプ等の容積型ポンプである。ポンプ39は、ピストンポンプ以外の形式のポンプであってもよい。例えば、ポンプは、ギヤポンプ等であってもよい。また、ポンプ39は、吐出脈動を生じる。ポンプ39は、加圧源の一例である。なお、加圧源は、ポンプ39以外であってもよい。
二つのポンプ39は、一つのモータ40によって駆動される。言い換えると、一つのモータ40が、二つのポンプ39の駆動について共用されている。モータ40は、制御部の制御によってポンプ39を駆動する。
また、各ポンプ39の吐出側から延びる吐出油路42には、ポンプ39への逆流を防止する逆止弁29と絞り30とが並列に設けられている。絞り30は、例えばオリフィスである。吐出油路42は、ポンプ39と、電磁弁33および電磁弁35の間と、を接続している。吐出油路42は、油圧回路10の油路の一例である。
液圧ダンパ100は、吐出油路42において、ポンプ39と、逆止弁29および絞り30と、の間に設けられている。よって、液圧ダンパ100には、ポンプ39から吐出されたブレーキ液の液圧が作用する。液圧ダンパ100は、ポンプ39の吐出脈動を低減するように構成されている。液圧ダンパ100の詳細は、後述する。
制御部は、例えば、プロセッサやメモリなどといったコンピュータ資源を備えたECU(electronic control unit)等によって構成されている。制御部は、車両の各種状態量を検出するセンサ(不図示)の検出結果等に基づいて、油圧回路10を制御する。車両の各種状態量を検出するセンサは、例えば、ブレーキペダル31のストローク量を検出するセンサ、マスタシリンダ32a内の圧力を検出するセンサ、車輪2の回転速度(回転数)を検出するセンサ、車両の加速度(減速度)を検出するセンサ等である。
制御部は、アンチロックブレーキ制御等の各種のブレーキ制御を行う。アンチロック制御は、例えば急な制動時や、路面抵抗が比較的低い路面上での制動時などにおいて発生しうる車輪2のロック(車輪速と実際の車速との乖離、スリップ)を抑制するための制御である。アンチロック制御は、例えば、モータ40を作動させ、ホイールシリンダ38側からマスタシリンダ32a側へのブレーキ液の還流を断続的に行うように電磁弁35,36を制御し、ホイールシリンダ38の圧力の減圧、保持、および増圧を適宜切り替えながら実施することで、車輪速と実際の車速との乖離を小さくする。
図2は、液圧ダンパ100の例示的かつ模式的な断面図であって、ブラダ103が自由状態の場合の断面図である。図2に示されるように、液圧ダンパ100は、ハウジング101に取り付けられている。ハウジング101は、取付部材や支持部材とも称されうる。
ハウジング101は、例えば、アルミニウム等の金属材料によって構成されている。ハウジング101には、吐出油路42を構成する有底の孔101aが設けられている。孔101aは、ハウジング101の外面101bからハウジング101の内方に向かう第1方向D1に延びている。孔101aは、外周面に段差が設けられ第1軸Axを中心とした円柱状に形成され、ハウジング101の外面101bに開口している。第1軸Axは、第1方向D1に沿う。また、以下では、特に断らない限り、第1軸Axの軸方向および周方向を、単に軸方向および周方向と称する場合がある。第1軸Axは、中心軸とも称されうる。また、第1方向D1の反対方向を第2方向D2と称する。また、第1軸Axと直交し第1軸Axに向かう方向を第1直交方向D3と称し、第1軸Axと直交し第1軸Axから離れる方向を第2直交方向D4と称する。
また、ハウジング101には、孔101aの上流側の吐出油路42を構成する上流側孔101cと、孔101aの下流側の吐出油路42を構成する二つの下流側孔101dとが設けられている。上流側孔101cは、孔101aの外周面に開口し孔101aと繋がっている。上流側孔101cは、軸方向と交差する方向に延びている。上流側孔101cは、ポンプ39と繋がっている。二つの下流側孔101dは、孔101aの底面に開口し孔101aと繋がっている。下流側孔101dは、軸方向に沿って延びている。二つの下流側孔101dの一方は、逆止弁29と繋がり、二つの下流側孔101dの他方は、絞り30と繋がっている。上流側孔101cおよび下流側孔101dは、油路とも称され得る。
また、ハウジング101には、孔101aを形成する凹状面101eが設けられている。すなわち、凹状面101eは、孔101aを囲んだ状態で孔101aと面している。凹状面101eは、内周面101e1と、底面101e2と、を有している。内周面101e1は、第1軸Axを中心とした段付きの円筒状に形成されている。底面101e2は、内周面101e1の第1方向D1の端部と接続され、第1軸Axと直交する方向に広がっている。
また、ハウジング101は、複数の構成部材、具体的には第1構成部材105Aおよび第2構成部材105B、の組み合わせによって構成されている。第1構成部材105Aには、孔101aと、上流側孔101cと、内周面101e1と、底面101e2の一部とが設けられている。第2構成部材105Bには、二つの下流側孔101dと、底面101e2の他部と、が設けられている。なお、ハウジング101は、第1構成部材105Aおよび第2構成部材105B以外の他の構成部材を更に有していてもよいし、一つの構成部材によって構成されていてもよい。
液圧ダンパ100は、ハウジング101に取り付けられたコア102と、コア102に取り付けられ外周面103aに液圧が作用するブラダ103と、を備えている。
コア102は、ベース102aと、ベース102aから突出した突起102bと、を有している。コア102は、硬質材料で構成される部材である。硬質材料は、弾性体に対して十分に剛性が高い物質であり、例えばアルミニウム等の金属材料やプラスチック等である。
ベース102aは、孔101aの第1方向D1の開口端部を閉塞している。ベース102aは、プラグ部102cと、支持部102dと、を有している。プラグ部102cは、孔101aに嵌められて当該孔101aを閉塞している。支持部102dは、プラグ部102cの第1方向D1の端面102eに設けられている。支持部102dは、第1軸Axと中心とした円板状に形成され、端面102eから第1方向D1に突出している。支持部102dの外径は、端面102eの外径よりも小さい。
突起102bは、ベース102aの支持部102dから第1方向D1に突出している。突起102bは、第1軸Ax回りの回転体である。突起102bは、支持部102dに接続された基端102fと、基端102fの軸方向の反対側の先端102gと、基端102fから先端102gに向かって延びた外周面102hと、有している。基端102fは、ベース102aに一体化されている。
外周面102hには、第1〜第3凹部102i1,102i2,102i3が設けられている。第1〜第3凹部102i1,102i2,102i3は、第1直交方向D3に凹んでいる。第1〜第3凹部102i1,102i2,102i3は、第1軸Ax回りに環状に形成されている。第1凹部102i1は、基端102fに隣接され、第2凹部102i2は、第1凹部102i1の第1方向D1に位置され、第3凹部102i3は、第2凹部102i2の第1方向D1に位置されている。外周面102hのうち第1〜第3凹部102i1,102i2,102i3の底部を形成する部分は、それぞれ、小径部とも称されうる。
また、外周面102hは、第1〜第3頂部102j1,102j2,102j3を有している。第1〜第3頂部102j1,102j2,102j3は、第1軸Ax回りに環状に形成されている。第1頂部102j1は、第1凹部102i1と第2凹部102i2との間に位置され、第2頂部102j2は、第2凹部102i2と第3凹部102i3との間に位置され、第3頂部102j3は、第2頂部102j2と先端102gとの間に位置されている。第1頂部102j1は、第1〜第3頂部102j1,102j2,102j3のうちで最も外径が大きい。すなわち、第2頂部102j2および第3頂部102j3は、第1頂部102j1よりも外径が小さい。また、第3頂部102j3は、第2頂部102j2よりも外径が小さい。第1〜第3頂部102j1,102j2,102j3は、大径部とも称されうる。
また、突起102bは、支持部102kと、延部102mと、を有している。支持部102kは、ブラダ103を支持している。支持部102kは、ブラダ103に液圧が作用していない状態で、突起102bにおけるブラダ103と接触している部分によって構成されている。支持部102kは、基端102fおよび第1頂部102j1を含み、支持部102kには、第1凹部102i1が設けられている。延部102mは、支持部102kから第1方向D1に延びている。延部102mは、ブラダ103に液圧が作用していない状態で、突起102bにおけるブラダ103と離間している部分によって構成されている。延部102mは、第2頂部102j2、第3頂部102j3、および先端102gを含み、延部102mには、第2凹部102i2および第3凹部102i3が設けられている。
延部102mおよび支持部102kは、それぞれ、第1方向D1に沿った第1軸Ax回りの外周面102h1,102h2を有している。外周面102h1,102h2は、それぞれ、第1方向D1に沿った第1軸Ax回りの回転面である。二つの外周面102h1,102h2は、連続している。当該二つの外周面102h1,102h2は、それぞれ、突起102bの外周面102hに含まれる。外周面102h1は、第1外周面の一例である。
延部102mの外周面102h1は、側部102n1と先端102gとを含む。側部102n1には、第2頂部102j2および第3頂部102j3を含み、側部102n1には、第2凹部102i2、第3凹部102i3が設けられている。
図3は、突起102bの外周面102h1,102h2の第1軸Axを含む断面における外形線L1,L3を示す図である。図3に示されるように、突起102bの外周面102h1は、曲面によって構成されている。換言すると、外周面102h1aは、曲面を含む。また、外周面102h1は、先端102gを除き第1方向D1と直交する平面を含まない。具体的には、外周面102h1は、側部102n1から先端102gにかけて滑らかであり、側部102n1から先端102gにかけて外径が滑らかに変化する。すなわち、外周面102h1は、第1方向D1において外径が滑らかに変化する。ここで、「滑らか」とは、外周面102h1の第1軸Axを含む任意の断面における外形線L1を関数y=f(x)(x:第1軸Axの軸方向、y:第1軸Axと直交する方向)で表したときに、外形線L1の所定区間内の任意の位置、すなわち各位置で、当該関数を微分可能であることを言う。また、外形線L1のうち先端102gを除いた部分の各位置での接線L2と前記第1軸Axとのなす角度α1は、90度と異なる。また、外形線L1は、全域が曲線で構成されていている。すなわち、外周面102h1は、第1方向D1において外径が連続的に変化する。なお、外形線L1には、部分的に直線が設けられていてもよい。このような外周面102h1の形状は、以下のように別の言い方をすることができる。すなわち、外周面102h1の第1方向D1と沿う任意の断面における外形線L1が、先端102gを除き、接線L2が第1方向D1と斜めに交差するか若しくは第1方向D1と平行である曲線を含むとともに第1方向D1と直交する線分を含まない。
また、本実施形態では、突起102bの外形線L1における変曲点P1での角度α1は、例えば、25度〜70度の範囲内に設定されている。なお、変曲点P1での角度α1は、25度〜70度の範囲外であってもよい。
また、図2に示されるように、延部102mでは、当該延部102mの第2方向D2の端102m1、第2頂部102j2、第3頂部102j3の順で、外形が小さい。また、外周面102h1のうち、先端102gに最も近い第3凹部102i3よりも第1方向D1に位置された領域102rは、先端102gに近づくにつれて径が小さくなるように形成されている。領域102rは、第1領域の一例である。
図2に示されるように、支持部102kの外周面102h2は、側部102n2と、基端102fと、を含む。側部102n2は、第1頂部102j1を含み、側部102n2には、第1凹部102i1が設けられている。図3に示されるように、支持部102kの外周面102h2は、第1方向D1において外径が滑らかに変化する。また、外周面102h2の第1軸Axを含む断面における外形線L3の各位置での接線L4と第1軸Axとのなす角度α2は、90度と異なる。また、外形線L3は、全域が曲線で構成されている。すなわち、外周面102h2は、第1方向D1において外径が連続的に変化する。なお、外周面102h2は、外径が滑らかに変化していなくてもよい。また、外形線L3のある位置での接線L4と第1軸Axとのなす角度α2が、90度であってもよい。また、外形線L3には、部分的に直線が設けられていてもよい。
図2に示されるように、ブラダ103は、コア102における延部102mの外周面102h1との間に気体を封入した状態で外周面102h1を覆うようコア102に取り付けられている。気体は、例えば、窒素ガス等である。ブラダ103は、弾性部材によって構成されており、弾性変形可能である。弾性部材とは、エチレンプロピレンゴム等のエラストマである。
詳細には、ブラダ103は、有底の円筒状に形成されて、外周面103aと、内周面103bと、を有している。外周面103aは、ハウジング101の凹状面101eに面し、凹状面101eとの間に油路101a1を形成する。すなわち、外周面103aは油路101a1に面しており、当該外周面103aには、油路101a1中のブレーキ液の液圧が作用する。油路101a1は、孔101aの一部によって構成され、上流側孔101cおよび下流側孔101dと繋がっている。すなわち、油路101a1は、吐出油路42を構成する。内周面103bは、コア102における延部102mの外周面102h1との間に気体を封入した状態で外周面102h1を覆っている。内周面103bは、突起102bに面している。内周面103bは、コア102における延部102mの外周面102h1との間に気体室111を形成している。気体室111には、気体が収容されている。外周面103aは、第2外周面の一例である。
図4は、液圧ダンパ100の例示的かつ模式的な断面図であって、ブラダ103が収縮状態の場合の断面図である。図4に示されるように、コア102の突起102bにおける延部102mの外周面102h1に第2凹部102i2および第3凹部102i3が設けられているため、ブラダ103の外周面103aに液圧が作用した状態では、ブラダ103の内周面103bは、部分的にコア102の外周面102h1と当接する。すなわち、ブラダ103の外周面103aに液圧が作用した状態で、コア102の外周面102h1が、ブラダ103の内周面103bの一部とは接触し内周面103bの全部とは接触しないように、当該外周面102h1に第2凹部102i2および第3凹部102i3が設けられている。
また、図2に示されるように、ブラダ103は、円筒部103cと、壁部103dと、を有している。円筒部103cは、第1軸Axを中心とした円筒状である。よって、円筒部103cの内周面103bは、第1軸Axと中心とした円筒状である。円筒部103cは、ブラダ103の第2方向D2の端部103eを含む。壁部103dは、円筒部103cの第2方向D2の開口部を閉塞している。
また、ブラダ103には、ブラダ103の端部103eから第2方向D2に凹んだ凹部103fが設けられている。凹部103fは、内周面103bに囲まれている。すなわち、内周面103bは、凹部103fを形成している。凹部103fの一部によって、気体室111が構成されている。
また、円筒部103cの内周面103bは、抜き勾配を有した形状に形成されている。すなわち、ブラダ103の内周面103bは、第1方向D1に進むにつれて径が小さくなる。
また、ブラダ103、コア102に取り付けられた取付部103gと、取付部103gから第1方向D1に延びた延部103hと、を有している。
取付部103gは、ブラダ103の端部103eに設けられている。取付部103gは、第1軸Axを中心とした環状に形成されている。取付部103gは、第1部分103iと、内向きフランジ103jと、を有している。第1部分103iは、突起102bとハウジング101の内周面101e1との間に圧入されて、第1軸Axと直交する方向に圧縮した状態となっている。詳細には、第1部分103iは、突起102bの少なくとも第1頂部102j1を含む部分とハウジング101の内周面101e1との間に圧入されている。
内向きフランジ103jは、ブラダ103の端部103eに設けられている。内向きフランジ103jは、第1部分103iの第2方向D2に位置されている。内向きフランジ103jは、第1部分103iから第1直交方向D3に突出している。別の言い方をすると、内向きフランジ103jは、ブラダ103の端部103eに含まれた端縁103e1から第1方向D1と交差して内向きに張り出している。すなわち、内向きフランジ103jは、ブラダ103の端縁103e1から第1直交方向D3に張り出している。端縁103e1は、ブラダ103の第2方向D2の端面における内周側の環状の端縁である。内向きフランジ103jは、第1軸Axを中心とした円環状に形成されている。内向きフランジ103jは、コア102の突起102bの第1凹部102i1内に入れられてコア102に引っ掛けられている。
ここで、内向きフランジ103jの第1方向D1には、コア102の凸部102pが位置されている。凸部102pは、コア102において、内向きフランジ103jの第1直交方向D3の端部103j1よりも第2直交方向D4に突出した部分であり、第1頂部102j1を含む。この凸部102pの外周面は、凸曲面102p1によって構成されている。凸曲面102p1は、内向きフランジ103jに対して先端102gに近い側に隣接し、ブラダ103の外周面103aに液圧が作用していない状態でブラダ103の内周面103bと当接している。ここで、本実施形態では、コア102の外周面102h1は、凸曲面102p1よりも第1方向D1に位置され、凸曲面102p1から第1方向D1に延びている。当該外周面102h1の最大径は、内向きフランジ103jの内径よりも小さい。
また、延部103hは、ハウジング101およびコア102と離間している。延部103hの外周面103aは、ハウジング101の凹状面101eとの間に、油路101a1を形成している。
延部103hの内周面103bは、突起102bにおける延部102mの外周面102h1との間に気体室111を形成している。気体室111は、第2凹部102i2および第3凹部102i3を含む。すなわち、延部103hは、少なくとも第2凹部102i2および第3凹部102i3を含む気体室111を形成する。
また、上記の構成においては、コア102における外周面102h1の領域102rにおいては、ブラダ103の内周面103bとの間の隙間が、先端102gに近づくにつれて狭くなる。すなわち、コア102における外周面102h1の領域102rと、ブラダ103の内周面103bとの間の隙間は、先端102gと内周面103bとの間が最も狭い。また、コア102の第2頂部102j2とブラダ103の内周面103bとの間の第1軸Axと直交する方向の隙間は、コア102の第3頂部102j3とブラダ103の内周面103bとの間の第1軸Axと直交する方向の隙間よりも小さい。
上記の構成では、図2においてポンプ39から吐出されたブレーキ液は、上流側孔101c、油路101a1、および下流側孔101dを、この順に流れる。ブレーキ液が油路101a1を流れる際に、液圧ダンパ100におけるブラダ103の外周面103aに液圧が作用する。図4に示されるように、ブラダ103は、作用する液圧によって、コア102の突起102bに近づくように弾性的に収縮し、突起102bの先端102g、第2頂部102j2、および第3頂部102j3に接触する。このとき、例えば、ブラダ103は、先端102gおよび第2頂部102j2に接触した後に、第3頂部102j3に接触する。ブラダ103と、先端102gおよび第2頂部102j2との接触は、先端102gおよび第2頂部102j2のうちいずれか一方が先であってもいし、それらの両方と略同時であってもよい。この状態では、ブラダ103によって、第2凹部102i2および第3凹部102i3が閉じられる。すなわち、気体室111が、第2凹部102i2と第3凹部102i3との2箇所に形成される。このときの気体室111の合計の容積は、ブラダ103が自由状態(図2)の場合の気体室111の容積に比べて小さい。すなわち、気体室111内の気体が圧縮されている。以後、ブラダ103が自由状態の場合の気体室111の容積を初期容積とも称する。
次に、ポンプ39の吐出脈動により、ポンプ39からブレーキ液が吐出されなくなった場合には、液圧ダンパ100におけるブラダ103の外周面103aに作用する液圧が小さくなるかゼロになる。これにより、ブラダ103が自由状態に近づくまたは自由状態となる。この場合、気体室111の容積が、初期容積に近づくか初期容積に戻る。このようなブラダ103の気体室111の容積を変化させる動作によって、ポンプ39の吐出脈動(圧力変動)が低減される。
本実施形態の液圧ダンパ100の性能を、比較例と比較によって説明する。図5は、比較例の液圧ダンパ200の例示的かつ模式的な断面図であって、ブラダ203が自由状態の場合の断面図である。
図5に示されるように、比較例の液圧ダンパ200は、本実施形態の液圧ダンパ100に対して、コア202に第2凹部102i2および第3凹部102i3が設けられていない。すなわち、コア202の第1外周面202n1の第1軸Axを含む断面における外形線が直線である。
図6は、実施形態および比較例の液圧と消費液量との関係を示す図である。図6の横軸は、ブラダ103,203に作用する液圧を示し、図6の縦軸は、消費液量を示す。消費液量とは、加圧前の状態でのブラダ103,203の外周面103a,203aと加圧された状態でのブラダ103,203の外周面103a,203aとの間の容積である。また、図6中の実線が本実施形態のブラダ103を示し、図6中の破線が比較例のブラダ203を示している。図6から分かるように、液圧が所定の液圧N1以上になると、本実施形態のブラダ103の方が、比較例のブラダ203に比べて、消費液量の増大が緩やかになる。この液圧N1は、ブラダ103が第2頂部102j2に接触し、ブラダ103によって第2凹部102i2が閉じられたときの液圧である。
また、図4に示されるように、液圧ダンパ100では、外周面103aに液圧が作用した状態において、内周面103bと外周面102h1との間に、容積が異なる複数の気体室111a,111b(111)が形成される。図4の例では、第2凹部102i2に形成される気体室111aの容積が、第3凹部101j3に形成される気体室111bの容積よりも大きいが、逆でもよい。また、内周面103bと外周面102h1との間に、容積が異なる三つ以上の気体室111が形成されてもよい。
このような容積の差は、例えば、図3に示される突起102bの断面において、第2凹部102i2の外形線L1における凹部Lc2と接線Laとによって囲まれた図中ドットパターンが付与された領域の面積Aaと、第3凹部102i3の外形線L1における凹部Lc3と接線Lbとによって囲まれた図中ドットパターンが付与された領域の面積Abと、が異なる場合に、得られる。ここに、接線Laは、第2凹部102i2と隣接する第1頂部102j1の外形線L1における頂部Lp1と、第2凹部102i2と隣接する第2頂部102j2の外形線L1における頂部Lp2と、の双方の接線(外接線)であって、外形線L1の凹部Lc2を跨ぐような接線である。また、接線Lbは、第3凹部102i3と隣接する第2頂部102j2の外形線L1における頂部Lp2と、第3凹部102i3と隣接する第3頂部102j3の外形線L1における頂部Lp3と、の双方の接線(外接線)であって、外形線L1の凹部Lc3を跨ぐような接線である。気体室111が三つ以上形成される場合にあっても、同様に、上記領域の差に基づいて、気体室111の容積をそれぞれ異ならせることができる。
また、図2に示されるように、ブラダ103の第1軸Ax回りの筒状壁103mの厚さtmは、ブラダ103の第1方向D1の端壁103nの厚さtnよりも薄く設定されている。ここに、筒状壁103mの厚さtmは、例えば、筒状壁103mの、ブラダ103の円筒外面103a1または内周面103bと直交する方向の厚さであり、端壁103nの厚さtnは、端壁103nの、端面103a2と直交する方向の厚さである。厚さtmは、第1厚さの一例であり、厚さtnは、第2厚さの一例である。なお、円筒外面103a1は、外周面とも称され、外周面103aは、外面とも称されうる。
また、図2に示されるように、端面103a2は、第1軸Ax(第1方向D1)と直交する平面を有している。なお、図2の例では、端面103a2は全体的に平面であるが、これには限定されず、ブラダ103は、少なくとも、組付状態において、突起102bのうち内向きフランジ103jが挿入される第1凹部102i1から第1頂部102j1までの部位と第1方向D1に重なる環状領域Arにおいて、平面状の端面103a2を有していればよい。これにより、作業者またはロボットに端面103a2が第2方向D2に押圧されてブラダ103が突起102bに組み付けられる際に、ブラダ103の内向きフランジ103jは、弾性変形しながら、第1頂部102j1をより容易にあるいはより確実に乗り越えることができる。環状領域Arは、ブラダ103が、コア102の突起102bに組み付けられる際に、第1方向D2に乗り越える第1頂部102j1と方向D1に重なる領域である。また、この場合、当該環状領域Arを除く領域には、第2方向D2に凹む凹部が設けられてもよい。
以上のように、本実施形態の液圧ダンパ100では、突起102bの外周面102h1は、曲面を含むとともに、先端102gを除き第1方向D1と直交する平面を含まない。よって、本実施形態によれば、例えば、ブラダ103が、当該ブラダ103の外周面103aに作用する液圧によってコア102の突起102bに近づくように弾性的に収縮し、コア102に接触して弾性的に変形した場合でも、ブラダ103における応力集中を抑制することができる。よって、本実施形態によれば、ブラダ103に発生する応力を小さくしやすい。したがって、液圧ダンパ100の耐久性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、突起102bに第2凹部102i2および第3凹部102i3が設けられているので、ブラダ103が突起102bの第2頂部102j2および第3頂部102j3に接触した後も、第2凹部102i2および第3凹部102i3内に向かって変形可能である。よって、ポンプ39の吐出脈動の低減を、比較例に比べて、高い液圧で発揮することができる。
また、本実施形態では、ブラダ103の外周面103a(第2外周面)に液圧が作用した状態で、ブラダ103の内周面103bと突起102bの外周面102h1(第1外周面)との間に、容積が異なる複数の気体室111a,111b(111)が形成される。気体室111の容積の大きさに応じて、気体室111を形成する部位における空気ばねのばね定数が変化し、ひいては抑制される脈動の周波数が変化する。したがって、液圧ダンパ100に容積が異なる複数の気体室111が設けられることにより、例えば、周波数の異なる脈動について当該脈動を低減することができたり、脈動を低減可能な周波数帯域をより拡大することができたり、といったメリットが得られる。
また、本実施形態では、外周面103a(第2外周面)に液圧が作用した状態で、筒状壁103mの第1変形量が、端壁102nの第2変形量よりも大きい。このような変形量の差を実現するため、本実施形態では、一例として、ブラダ103の筒状壁103mの厚さtm(第1厚さ)は、ブラダ103の端壁103nの厚さtn(第2厚さ)よりも薄い。このような構成によれば、例えば、筒状壁103mの厚さtmが端壁102nの厚さtnよりも厚い場合に比べて、筒状壁103mがより弾性変形しやすい。したがって、例えば、筒状壁103mの弾性変形を伴う気体室111の体積変化に応じた脈動低減効果が、より確実に得られる。また、仮に、端壁102nが筒状壁103mよりも薄いと、例えば、ブラダ103の外周面103aに液圧が作用した際に筒状壁103mよりも端壁102nが先に弾性変形し、当該端壁102nの中心ひいては筒状壁103mの中心が第1軸Axからオフセットするなど、ブラダ103の所期の弾性変形状態が得られ難くなる虞がある。この点、本実施形態によれば、端壁102nの厚さtnが筒状壁103mの厚さtmよりも厚く、端壁102nが筒状壁103mよりも弾性変形し難いため、ブラダ103の外周面103aに液圧が作用した際において、ブラダ103の形状がより維持されやすい。よって、例えば、ブラダ103の所期の弾性変形状態が得られやすくなるため、所期の脈動低減効果が得られやすい。なお、筒状壁103mと端壁102nとの弾性変形量の差は、それらの厚さの差以外によっても得られる。例えば、端壁102nを構成する材料として、筒状壁103mを構成する材料よりも硬い材料を用いたり、端壁102nが凸条やリブのような補強構造を有したりしてもよい。
また、本実施形態では、ブラダは103、第1方向D1と直交する平面を含む第1方向D1の端面103a2を有する。このような構成によれば、例えば、作業者あるいはロボットは、端面103a2に設けられた当該平面を、第1方向D1の反対方向である第2方向D2に向けて、より容易にあるいはより確実に押圧することができるため、ブラダ103のコア102への組み付け作業を、より容易に、より迅速に、あるいはより確実に実行しうる。
また、本実施形態の液圧ダンパ100では、例えば、外周面102h1は、ブラダ103の外周面103aに液圧が作用していない状態で、先端102gを含み当該先端102gに近付くにつれてブラダ103の内周面103bとの間の隙間が狭くなる領域102r(第1領域)を含む。よって、本実施形態によれば、例えば、ブラダ103が、外周面103aに作用する液圧によってコア102の突起102bに近づくように弾性的に収縮した場合に、当該ブラダ103は、コア102の領域102rにおいては先端102gと最初に接触する。よって、本実施形態によれば、ブラダ103の第1方向D1の座屈を抑制することができる。
また、本実施形態の液圧ダンパ100では、例えば、ブラダ103は、先端102gとは第1方向の反対側の環状の端縁103e1と、端縁103e1から第1方向D1と交差して内向きに張り出した内向きフランジ103jと、を有している。よって、本実施形態によれば、例えば、ブラダ103をコア102に引っ掛けるためのフランジが端縁103e1から第1方向と交差して外向きに張り出した構成に比べ、ブラダ103の小型化をすることができる。
また、本実施形態の液圧ダンパ100では、例えば、コア102は、内向きフランジ103jに対して先端102gに近い側に隣接し、ブラダ103の外周面103aに液圧が作用していない状態でブラダ103の内周面103bと当接した凸曲面102p1を有している。コア102の外周面102h1は、凸曲面102p1よりも第1方向D1に位置されている。外周面102h1の最大径は、内向きフランジ103jの内径よりも小さい。よって、本実施形態によれば、例えば、ブラダ103をコア102の突起102bに対して第2方向D2に移動させてコア102に取り付ける場合に、ブラダ103の外周面102h1が内向きフランジ103jの内周部に接触するのを抑制することができる。よって、本実施形態によれば、コア102に対するブラダ103の取り付けがしやすい。
また、本実施形態では、突起102bの外形線L1における変曲点P1での角度α1は、例えば、25度〜70度の範囲内に設定されている。ここで、変曲点P1での角度α1が小さい程すなわち外形線L1の変化が緩やかな程、気体室111の体積を確保するためには、突起102bの軸方向の長さを長くする必要がある。一方、変曲点P1での角度α1が大きい程、すなわち外形線L1の変化が急な程、ブラダ103の変形に伴って生じるブラダ103の屈曲部の曲率半径が小さくなり、ブラダ103の応力が高くなりやすい。そこで、本実施形態では、例えば、変曲点P1での角度α1の範囲を上記のとおりにすることにより、液圧ダンパ100の小型化と耐久性との両立を図っている。
また、本実施形態では、突起102bの外形線L1,L3は、全域が曲線で構成されていている。よって、外形線L1,L3に部分的に直線が設けられた場合に比べて、突起102bの軸方向の長さを短くしやすい。
なお、上記実施形態では、液体ダンパが油路内に臨む状態で取り付けられた例が示されたが、これに限定されない。例えば、液体ダンパは、容器の室内に臨む状態で設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、突起の延部の第1外周面に二つの凹部が設けられた例が示されたが、突起の延部の凹部は、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。
また、上記実施形態では、ブラダに液圧が作用していない状態では、ブラダが第1頂部および第2頂部と離間した例が示されたが、これに限られない。例えば、ブラダに液圧が作用していない状態で、ブラダが第1頂部および第2頂部と接触していていもよい。
また、上記実施形態では、液圧ダンパがブレーキ装置の油圧回路に設けられた例が示されたが、液圧ダンパは、ブレーキ装置以外の各種の油圧回路に設けられてよい。
また、上記実施形態では、突起の第1外周面が回転面によって構成された例が示されたが、これに限られない。例えば、第1外周面は、螺旋形状や楕円形状を含んだ形状であってもよい。また、第1外周面は、円錐面を含んでいてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、または変更を行うことができる。また、上述した実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…液圧ダンパ、102…コア、102a…ベース、102b…突起、102g…先端、102i2…第2凹部(凹部)、102i3…第3凹部(凹部)、102h1…外周面(第1外周面)、102p1…凸曲面、102r…領域(第1領域)、103…ブラダ、103a…外周面(第2外周面)、103a2…端面、103b…内周面、103e1…端縁、103j…内向きフランジ、103m…筒状壁、103n…端壁、111a,111b,111…気体室、D1…第1方向、tm…厚さ(第1厚さ)、tn…厚さ(第2厚さ)。

Claims (7)

  1. ベースと、当該ベースから第1方向に突出し側部から先端にかけて滑らかな第1外周面と、を有したコアと、
    弾性部材によって構成され、前記第1外周面との間に気体を封入した状態で前記第1外周面を覆う内周面と、液圧が作用する第2外周面と、を有したブラダと、
    を備え、
    前記第2外周面に液圧が作用した状態で前記内周面の一部とは接触し、前記内周面の全部とは接触しないように前記第1外周面に凹部が設けられ、
    前記第1外周面は、曲面を含むとともに、前記先端を除き前記第1方向と直交する平面を含まない、液圧ダンパ。
  2. 前記第2外周面に液圧が作用した状態で、前記内周面と前記第1外周面との間に、容積が異なる複数の気体室が形成される、請求項1に記載の液圧ダンパ。
  3. 前記ブラダは、前記内周面と前記第1外周面との間に気体室を形成する筒状壁と、前記第1方向の端壁と、を有し、
    前記第2外周面に液圧が作用した状態で、前記筒状壁の第1変形量が、前記端壁の第2変形量よりも大きい、請求項1または2に記載の液圧ダンパ。
  4. 前記ブラダは、前記第1方向と直交する平面を含む前記第1方向の端面を有した、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の液圧ダンパ。
  5. 前記第1外周面は、前記第2外周面に液圧が作用していない状態で、前記先端を含み当該先端に近付くにつれて前記内周面との間の隙間が狭くなる第1領域を含む、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の液圧ダンパ。
  6. 前記ブラダは、前記先端とは前記第1方向の反対側の環状の端縁と、当該端縁から前記第1方向と交差して内向きに張り出し前記コアと引っ掛けられた内向きフランジと、を有した、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の液圧ダンパ。
  7. 前記コアは、前記内向きフランジに対して前記先端に近い側に隣接し、前記第2外周面に液圧が作用していない状態で前記内周面と当接した凸曲面を有し、
    前記第1外周面は、前記凸曲面よりも前記第1方向に位置され、当該第1外周面の最大径は、前記内向きフランジの内径よりも小さい、請求項6に記載の液圧ダンパ。
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