JP2020013776A - 全固体電池組立体の短絡検査方法およびこれに用いる拘束治具と短絡検査用のキット、ならびに全固体電池の製造方法 - Google Patents

全固体電池組立体の短絡検査方法およびこれに用いる拘束治具と短絡検査用のキット、ならびに全固体電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】全固体電池組立体の短絡の有無を精度よく検査する検査方法を提供する。【解決手段】本発明により、全固体電池組立体10を用意する工程;全固体電池組立体10を厚み方向Zに挟み込む一対の拘束板22a,bと、ボルト24とボルト24にネジ止めされるナット28とを含む拘束部材23と、を備え、全固体電池組立体10の正極集電体の熱膨張係数および負極集電体の熱膨張係数のなかで最も小さい熱膨張係数をα1としたときに、ボルト24およびナット28の熱膨張係数が、いずれもα1以上である、拘束治具20を用意する工程;全固体電池組立体10を拘束する工程;全固体電池組立体10を冷却して抵抗を増加させる工程;全固体電池組立体10に電圧を印加して電流を計測する工程;計測された電流に基づいて全固体電池組立体10の短絡の有無を判定する工程;を包含する、短絡検査方法が提供される。【選択図】図3

Description

本発明は、全固体電池組立体の短絡検査方法およびこれに用いる拘束治具と短絡検査用のキット、ならびに全固体電池の製造方法に関する。
一般に、電池の製造工程では、品質の安定した電池を提供するために、構築した電池組立体に対して出荷前検査が行われている。これに関連する従来技術文献として、特許文献1,2が挙げられる。例えば特許文献1には、液系の電池組立体の短絡検査方法が開示されている。特許文献1に開示される短絡検査方法では、まず、正極とセパレータと負極とがこの順に積層された電極体を備え、かつ非水電解液を注液する前の状態の電池組立体を用意する。次に、電池組立体に対して高い電圧を印加し、このときの電流値を計測する。そして、計測された電流値に基づいて、正極と負極との間に短絡が発生しているか否か(短絡の有無)を判定するようにしている。
特開2001−110458号公報 特開2018−022564号公報
ところで近年、電池の信頼性向上や低コスト化等が求められるなか、正極と、負極と、上記正極と上記負極との間に介在する固体電解質層と、を有する全固体電池の開発が加速している。全固体電池の製造において、初期充電を行う前の状態の全固体電池組立体では、通常、正極と負極と固体電解質層とが既に一体化されている。このため、上記したような液系の電池組立体の短絡検査方法をそのまま適用することが難しい。すなわち、特許文献1に記載されているような高い電圧を全固体電池組立体に対して印加すると、充電反応が生じて、電池として機能してしまう。したがって、電圧印加時の電流値には短絡の有無の差が表れにくい。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、全固体電池組立体の短絡の有無を精度よく検査する検査方法を提供することにある。また、関連する他の目的は、全固体電池組立体の短絡を検査する際に用いられる拘束治具および短絡検査用のキットを提供することにある。また、関連する他の目的は、全固体電池の製造方法を提供することにある。
本発明者は、まず、全固体電池組立体を低温にすることによって、固体電解質層の抵抗を大きくし、液系の電池組立体と同じ状況を作ろうと考えた。すなわち、以下の工程:全固体電池組立体を拘束治具で厚み方向に拘束する拘束工程;拘束された全固体電池組立体を冷却することによって、全固体電池組立体の抵抗を増加させる抵抗増加工程;抵抗が増加した全固体電池組立体に対して電圧を印加し、電圧印加時の電流値を計測する電圧印加工程;計測された電流値に基づいて全固体電池組立体に短絡が発生しているか否かを判定する判定工程;を包含する短絡検査方法を考えた。
しかし、本発明者の検討によれば、全固体電池組立体は冷却すると縮んで、厚みが薄くなる。その結果、拘束治具の全固体電池組立体を拘束する力が弱まって、短絡検査時の検出感度が低下することがわかった。そこで、本発明者は更なる鋭意検討を重ねた末、本発明を完成させた。
本発明により、全固体電池組立体の短絡検査方法が提供される。この短絡検査方法は、以下の工程:正極集電体と上記正極集電体上に配置される正極合材層とを備える正極と、負極集電体と上記負極集電体上に配置される負極合材層とを備える負極と、厚み方向において上記正極合材層と上記負極合材層との間に介在される固体電解質層と、を備える全固体電池組立体を用意する組立体用意工程;ボルト挿通孔を有し、上記全固体電池組立体を上記厚み方向に挟み込む一対の拘束板と、上記ボルト挿通孔に挿通されるボルトと、上記ボルトにネジ止めされるナットと、を含み、上記全固体電池組立体に対して上記厚み方向から荷重を加える拘束部材と、を備える拘束治具を用意する治具用意工程、ここで、上記全固体電池組立体の上記正極集電体の熱膨張係数および上記負極集電体の熱膨張係数のなかで最も小さい熱膨張係数をα1としたときに、上記ボルトおよび上記ナットの熱膨張係数が、いずれも上記α1以上である;上記全固体電池組立体を上記拘束治具の上記一対の拘束板の間に配置し、上記拘束治具で上記全固体電池組立体を拘束する拘束工程;上記拘束工程の後、上記全固体電池組立体を冷却することによって上記全固体電池組立体の抵抗を増加させる抵抗増加工程;上記抵抗増加工程の後、上記全固体電池組立体に対して電圧を印加し、電圧印加時の電流値を計測する電圧印加工程;上記電圧印加工程の後、計測された上記電流値と予め定められた閾値とを比較して、上記全固体電池組立体に短絡が発生しているか否かを判定する判定工程;を包含する。
上記短絡検査方法では、全固体電池組立体を拘束、冷却した後、電圧を印加するといった比較的簡便な方法で、短絡の有無を検査することができる。また、上記熱膨張係数を満たす拘束治具を用いることで、冷却時の全固体電池組立体の縮みを緩衝して、全固体電池組立体を安定した力で拘束することができる。その結果、全固体電池組立体の短絡検査時の検出感度が安定して、精度よく検査を行うことができる。例えば、上記熱膨張係数を満たさない拘束治具を用いる場合に比べて、より微細な導電性異物の存在までも検出することができるようになる。
なお、本明細書において、「熱膨張係数」とは、大気圧(1atm)の環境下、0℃から100℃までの温度領域において、一般的な熱機械分析装置(Thermomechanical Analysis:TMA)で測定した平均線膨張係数をいう。すなわち、試料の初期長さに対する試料長さの変化量を温度差で割った値を指すものとする。熱膨張係数の測定は、例えば、JIS Z 2285:2003年(金属材料の線膨張係数の測定方法)に準じて行うことができる。
また、本明細書において、「短絡検査」とは、正極と負極とが導通する、所謂、完全短絡を検出する検査のみならず、例えば、微短絡を検出する検査、導電性異物の混入を検知する検査、などを包含する。また、導電性異物の混入を検知する検査は、例えば、固体電解質層を貫通する導電性異物を検知する検査、固体電解質層を貫通しない導電性異物を検知する検査、固体電解質層に含まれる導電性異物を検知する検査、固体電解質層と正極合材層との間に含まれる導電性異物を検知する検査、固体電解質層と負極合材層との間に含まれる導電性異物を検知する検査、などを包含する。
一態様では、上記拘束板と上記ボルトと上記ナットとが同種の金属材料で構成されている。これにより、拘束治具の各要素間の熱膨張係数を整合することができ、ここに開示される技術の効果をより高いレベルで発揮することができる。
なお、本明細書において、「同種の金属」とは、同一組成の金属または大部分の組成が同じであって、熱膨張係数が略同等(概ね±0.5×10−6/℃以内、例えば±0.3×10−6/℃以内)であることをいう。金属は、例えば合金等であってもよい。また、金属の表面にはコーティング等の加工が施されていてもよい。この場合、加工部分を除いた母材の構成金属が他と同種であればよい。
一態様では、上記抵抗増加工程から上記電圧印加工程の間、上記拘束治具の少なくとも一部を冷媒と接触させて、上記全固体電池組立体を冷却した状態に維持する。これにより、全固体電池組立体の冷却された状態を安定的に維持して、誤差のより少ない検査を行うことができる。
一態様では、上記治具用意工程において、上記ボルトおよび上記ナットの熱膨張係数が、いずれも16.5×10−6/℃以上である上記拘束治具を用意する。上記ボルトおよび上記ナットの熱膨張係数を所定値以上とすることで、ここに開示される技術の効果をより高いレベルで発揮することができる。
また、本発明により、正極集電体と、上記正極集電体上に配置される正極合材層と、を備える正極と、負極集電体と、上記負極集電体上に配置される負極合材層と、を備える負極と、厚み方向において、上記正極合材層と上記負極合材層との間に介在される固体電解質層と、を備える全固体電池組立体を冷却させた状態で、上記全固体電池組立体に対して電圧を印加する短絡検査に用いられ、上記全固体電池組立体を上記厚み方向から拘束するように構成されている拘束治具が提供される。この拘束治具は、ボルト挿通孔を有し、上記全固体電池組立体を上記厚み方向に挟み込む一対の拘束板と、上記ボルト挿通孔に挿通されるボルトと、上記ボルトにネジ止めされるナットと、を含み、上記全固体電池組立体に対して上記厚み方向から荷重を加える拘束部材と、を備え、上記全固体電池組立体の上記正極集電体の熱膨張係数および上記負極集電体の熱膨張係数のなかで最も小さい熱膨張係数をα1としたときに、上記ボルトおよび上記ナットの熱膨張係数が、いずれも上記α1以上である。
上記拘束治具は、例えば室温から極低温まで冷却され、冷却した状態にあっても、全固体電池組立体を安定的に拘束することができる。したがって、上記拘束治具は、全固体電池組立体を冷却させた状態で行われる短絡検査の際に好適に用いることができる。
一態様では、上記拘束板と上記ボルトと上記ナットとが同種の金属材料で構成されている。これにより、拘束治具の各要素間の熱膨張係数を整合することができ、ここに開示される技術の効果をより高いレベルで発揮することができる。
一態様では、上記ボルトおよび上記ナットの熱膨張係数が、いずれも16.5×10−6/℃以上である。上記ボルトおよび上記ナットの熱膨張係数を所定値以上とすることで、ここに開示される技術の効果をより高いレベルで発揮することができる。
また、本発明により、上記拘束治具と;上記全固体電池組立体を拘束した状態の上記拘束治具を、冷媒と共に収容する容器と;を備える、短絡検査用のキットが提供される。これにより、全固体電池組立体の冷却された状態を安定的に維持して、より誤差の少ない検査を行うことができる。
また、本発明により、上記短絡検査方法を包含する、全固体電池の製造方法が提供される。これにより、品質安定性がさらに向上した(言い換えれば、性能のバラつきがより小さい)全固体電池を製造し、市場に供給することができる。
全固体電池組立体の構造を表す模式的な断面図である。 一実施形態に係る短絡検査用のキットの模式的な平面図である。 図2の拘束治具のIII-III線断面図である。 一実施形態に係る短絡検査方法のフローチャートである。 評価に使用した模擬的な導電性異物を表す斜視図である。 拘束治具の熱膨張係数と、低温環境下における厚み変化と、の関係を表すグラフである。
以下、ここに開示される技術の一実施形態を説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながらここに開示される技術を限定することを意図したものではない。本明細書において特に言及している事項以外の事柄であってここに開示される技術の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここに開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、本明細書において数値範囲をA〜B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、A以上B以下を意味するものとする。
また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面中の符号Zは、全固体電池組立体の厚み方向(積層方向)を意味するものとする。また、図面中の符号X,Yは、厚み方向Zに直交する方向を意味するものとする。ただし、これは説明の便宜上の方向であり、全固体電池組立体等の設置形態を何ら限定するものではない。
<検査対象(全固体電池組立体)>
まず、本実施形態の短絡検査方法が適用される検査対象について説明する。
図1は、一実施形態に係る全固体電池組立体10の構造を表す模式的な断面図である。全固体電池組立体10は、典型的には充放電可能な二次電池、例えばリチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等の組立体(アッセンブリ)である。本実施形態の全固体電池組立体10は、正極12と、負極14と、固体電解質層16と、を備えている。正極12と、負極14と、固体電解質層16とは、図示しない電池ケースに収容されていてもよい。電池ケースは、例えばアルミラミネート製であってもよい。図1の断面視において、固体電解質層16は、正極12と負極14との間に配置されている。正極12と固体電解質層16とは界面接合されている。負極14と固体電解質層16とは界面接合されている。このことにより、正極12と負極14と固体電解質層16とは、物理的に一体化されている。以下、各構成要素について順に説明する。
正極12は、正極集電体12aと、正極集電体12aの一方の表面に固着された正極合材層12bと、を備えている。ただし、正極合材層12bは正極集電体12aの両方の表面にそれぞれ固着されていてもよい。正極集電体12aは、導電性部材である。正極集電体12aは、外部接続用の正極端子12t(図2参照)に電気的に接続されている。全固体電池組立体10の電気的処理は、正極端子12tを介して行われる。
特に限定されるものではないが、正極集電体12aは、例えば、Al、Ti、Cr、Fe、Ni、Cu、Pt、Au、ステンレス鋼(SUS)等の、導電性の良好な金属製である。正極集電体12aは、Alを含む金属製、例えば、アルミニウム製や、アルミニウムを含むアルミニウム合金製であってもよい。正極集電体12aは、例えば、Fe,Cr,Ni含有オーステナイト系ステンレス鋼、Fe,Cr含有フェライト系ステンレス鋼製、Fe,Cr含有マルテンサイト系ステンレス鋼製等であってもよい。正極集電体12aの熱膨張係数は、負極集電体14aより小さくてもよく、負極集電体14aと同じであってもよく、負極集電体14aより大きくてもよい。正極集電体12aの熱膨張係数は、例えば、17.3×10−6/℃以上、23.9×10−6/℃以上であってもよい。正極集電体12aの厚みは、典型的には後述する拘束治具20(図2参照)の拘束板22a,b(図2参照)のいずれの厚みよりも薄く、概ね50μm以下、例えば5〜20μmであってもよい。
正極合材層12bは、少なくとも正極活物質を含んでいる。正極活物質は、電荷担体(例えばリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な材料である。特に限定されるものではないが、正極活物質としては、例えば、1種または2種以上の金属元素と酸素元素とを含有する金属酸化物が例示される。金属酸化物は、リチウム元素と、1種または2種以上の遷移金属元素と、酸素元素と、を含有する化合物であってもよい。金属酸化物の一好適例として、リチウムニッケル含有複合酸化物、リチウムコバルト含有複合酸化物、リチウムニッケルコバルト含有複合酸化物、リチウムマンガン含有複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。
正極合材層12bは、正極活物質に加えて、必要に応じてそれ以外の成分、例えば、固体電解質材料、バインダ、導電材、各種添加剤等を含んでもよい。固体電解質材料としては、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等の固体電解質材料が例示される。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(PVdF−HFP)等のハロゲン化ビニル樹脂や、ブタジエンゴム(SBR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のゴム類が例示される。導電材としては、例えば、気相法炭素繊維、カーボンブラック等の炭素材料が例示される。
負極14は、負極集電体14aと、負極集電体14aの一方の表面に固着された負極合材層14bと、を備えている。ただし、負極合材層14bは負極集電体14aの両方の表面にそれぞれ固着されていてもよい。負極集電体14aは、導電性部材である。負極集電体14aは、外部接続用の負極端子14t(図2参照)に電気的に接続されている。全固体電池組立体10の電気的処理は、負極端子14tを介して行われる。
特に限定されるものではないが、負極集電体14aは、例えば、Cu、Al、Ti、Cr、Fe、Ni、Pt、Au、ステンレス鋼(SUS)等の、導電性の良好な金属製である。負極集電体14aの材質は、正極集電体12aと同じであってもよく、異なっていてもよい。負極集電体14aは、Cuを含む金属製、例えば、銅製や、銅を含む銅合金製であってもよい。負極集電体14aは、例えば、Fe,Cr,Ni含有オーステナイト系ステンレス鋼、Fe,Cr含有フェライト系ステンレス鋼製、Fe,Cr含有マルテンサイト系ステンレス鋼製等であってもよい。負極集電体14aの熱膨張係数は、正極集電体12aより小さくてもよく、正極集電体12aと同じであってもよく、正極集電体12aより大きくてもよい。負極集電体14aの熱膨張係数は、例えば、16.5×10−6/℃以上、17.3×10−6/℃以上であってもよい。負極集電体14aの厚みは、典型的には後述する拘束治具20の拘束板22a,bのいずれの厚みよりも薄く、概ね50μm以下、例えば5〜20μmであってもよい。
負極合材層14bは、少なくとも負極活物質を含んでいる。負極活物質は、電荷担体(例えばリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な材料である。特に限定されるものではないが、負極活物質としては、例えば、ハードカーボン、グラファイト、ホウ素添加炭素等の炭素材料や、Al、Si、Ti、In、Sn等の金属材料、上記金属元素を含む金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物等が挙げられる。
負極合材層14bは、負極活物質に加えて、必要に応じてそれ以外の成分、例えば、固体電解質材料、バインダ、導電材、各種添加剤等を含んでもよい。これらの成分としては、正極合材層12bに含有し得るものとして例示したものの中から1種または2種以上を適宜含有してもよい。
固体電解質層16は、正極合材層12bと負極合材層14bとの間に配置され、正極12と負極14とを絶縁している。固体電解質層16は、絶縁体である。固体電解質層16は、イオン伝導性を有する。全固体電池組立体10がリチウムイオン二次電池である場合、固体電解質層16は、Liイオン伝導性を有する。厚み方向Zにおいて、固体電解質層16は、典型的には、正極合材層12bおよび負極合材層14bよりも厚みが薄い。固体電解質層16は、正極集電体12aおよび/または負極集電体14aよりも厚みが薄くてもよいし、正極集電体12aおよび/または負極集電体14aと同じ厚みでもよいし、正極集電体12aおよび/または負極集電体14aよりも厚くてもよい。固体電解質層16の厚みは、典型的には後述する拘束治具20の拘束板22a,bのいずれの厚みよりも薄く、概ね0.1〜300μm、典型的には1〜50μm、さらには30μm以下、例えば10μm以下であってもよい。固体電解質層16は、室温(25℃)で固体状である。
固体電解質層16は、少なくとも固体電解質材料を含んでいる。固体電解質材料は、ガラス質(非結晶質)であってもよく、結晶化ガラス質であってもよく、結晶質であってもよい。固体電解質材料としては、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等が挙げられる。硫化物固体電解質材料としては、例えば、LiS−P系材料、LiS−GeS系材料、LiS−GeS−P系材料、LiS−SiS系材料、LiS−B系材料、LiPO−P系材料等の硫化物材料が例示される。また、上記硫化物材料にハロゲン元素を添加したハロゲン添加硫化物材料も好適である。酸化物固体電解質材料としては、例えば、リチウムランタンジルコニウム含有複合酸化物(LLZO)、Alドープ−LLZO、リチウムランタンチタン含有複合酸化物(LLTO)、Alドープ−LLTO、リン酸リチウムオキシナイトライド(LIPON)等が例示される。
固体電解質層16は、固体電解質材料として、イオン伝導性の高い硫化物固体電解質材料を含んでいてもよい。固体電解質層16は、固体電解質材料に加えて、必要に応じてそれ以外の成分、例えば、バインダ、各種添加剤等を含んでもよい。これらの成分としては、正極合材層12bに含有し得るものとして例示したものの中から1種または2種以上を適宜含有してもよい。
なお、正極集電体12aおよび負極集電体14aは、典型的には金属製であり、全固体電池組立体10を構成する部材、例えば、正極集電体12a、正極合材層12b、負極集電体14a、負極合材層14b、および固体電解質層16のなかでは、相対的に熱膨張係数が大きい部材でありうる。このため、全固体電池組立体10を冷却したときの収縮の程度は、正極集電体12aおよび/または負極集電体14aの熱膨張係数に相対的に大きく影響されうる。さらには、正極集電体12aおよび負極集電体14aの熱膨張係数が支配的となりうる。
<短絡検査用のキット>
次に、本実施形態の短絡検査方法で使用するキットについて説明する。
図2は、一実施形態に係る短絡検査用のキット30の模式的な平面図である。短絡検査用のキット30は、拘束治具20と、容器32と、を有している。容器32は、拘束治具20の体積よりも大きな収容空間32sを有する。短絡検査の際、収容空間32sには、全固体電池組立体10を拘束した状態の拘束治具20が収容される。また、収容空間32sには、全固体電池組立体10を冷却するための冷媒(図示せず)が充填される。このため、少なくとも収容空間32sの表面は、冷媒に対する耐久性を有することが好ましい。また、容器32は、保温性が高い断熱材製であるとよい。容器32は、例えば、スチレンフォーム(発泡スチロール)、ポリウレタンフォーム、フェノールフォーム等の発泡樹脂材料製や、グラスウール等の無機繊維製等であってもよい。
図3は、拘束治具20のIII-III線断面図である。拘束治具20は、一対の拘束板22a,bと、拘束部材23と、を備えている。拘束治具20は、ここでは拘束板22a,bと拘束部材23とで構成されている。ただし、さらに他の部材(例えば、拘束板22a,bを厚み方向Zに付勢する付勢ばね等)を備えていてもよい。拘束治具20は、拘束部材23によって、厚み方向Zから拘束板22a,bを拘束するように構成されている。拘束治具20は、全固体電池組立体10の厚み方向Zの位置を固定するように構成されている。拘束治具20は、正極12と固体電解質層16と負極14との距離が近づくように、全固体電池組立体10を厚み方向Zに押圧する。拘束治具20は、全固体電池組立体10に対して予め定められた拘束力(拘束荷重)を付与するように構成されている。
拘束板22a,bは、全固体電池組立体10を厚み方向Zに挟み込むことが可能なように構成されている。拘束板22a,bは、厚み方向Zに平行に配置されている。短絡検査の際、拘束板22a,bは、全固体電池組立体10の厚み方向Zの上側および下側にそれぞれ配置される。拘束板22a,bは、全固体電池組立体10を厚み方向に挟圧するように構成されている。平面視において、拘束板22a,bは、矩形状である。断面視において、拘束板22a,bは、平坦な表面を有する平板状である。拘束板22a,bの厚みは、それぞれにつき、概ね50mm以下、例えば5〜30mm、10〜20mmであってもよい。拘束板22a,bは、ここでは金属製である。ただし、拘束板22a,bは、樹脂等の有機材料製やセラミック等の無機材料製であってもよい。拘束板22a,bの材質は同じであってもよく、異なっていてもよい。
拘束板22a,bは、ここでは同形状である。拘束板22a,bは、それぞれ、板状部22fと、複数のボルト挿通孔22hと、を備えている。板状部22fは、全固体電池組立体10が配置される領域である。板状部22fは、平坦な表面を有する平板状である。板状部22fのXY平面は、ここでは全固体電池組立体10のXY平面よりも大きい。このことにより、全固体電池組立体10に対して厚み方向Zから均質な拘束荷重を付与することができる。板状部22fのXY平面は、ここでは矩形状である。ただし、板状部22fのXY平面は、例えば円形、正方形、三角形等であってもよい。また、板状部22fのXY平面には、全固体電池組立体10の配置位置の目安として、例えば目印等が描かれていてもよいし、溝や切り欠き等が形成されていてもよい。
ボルト挿通孔22hは、板状部22fのXY平面の外周縁部に配置されている。平面視において、ボルト挿通孔22hは、全固体電池組立体10の配置される領域の外側に配置されている。ボルト挿通孔22hは、矩形状の拘束板22a,bの4つの角部にそれぞれ設けられている。本例では、各拘束板22a,bにつき、ボルト挿通孔22hが4つである。ただし、ボルト挿通孔22hの数は、3つでもよいし、4つ以上でもよい。断面視において、ボルト挿通孔22hは拘束板22a,bを厚み方向Zに貫通している。一方の拘束板22aのボルト挿通孔22hの内壁には、ネジ溝が形成されている。拘束板22aのボルト挿通孔22hには、後述するボルト24の軸部24sが挿通され、ボルト24が螺合される。もう一方の拘束板22bのボルト挿通孔22hには、ネジ溝が形成されていない。拘束板22bのボルト挿通孔22hには、ボルト24の軸部24sが遊挿される。
拘束部材23は、一対の拘束板22a,bを架橋するように取り付けられる。拘束部材23は、ここでは、複数のボルト24と、複数のワッシャ26a,bと、複数のナット28と、を備えている。ただし、ワッシャ26a,bは必須ではなく、省略することもできる。ボルト24と、ワッシャ26a,bと、ナット28とは、それぞれ、典型的には金属製である。ただし、ボルト24と、ワッシャ26a,bと、ナット28とは、それぞれ、樹脂等の有機材料製やセラミック等の無機材料製であってもよい。ボルト24と、ワッシャ26a,bと、ナット28と、の材質は同じであってもよく、異なっていてもよい。熱膨張係数の整合する観点からは、拘束板22a,bと、拘束部材23と、が同じ材質であってもよい。例えば、拘束板22a,bと、ボルト24と、ナット28と、が同じ材質(例えば同種の金属材料)で構成されていてもよい。本実施形態では、ボルト24およびナット28の数が、各拘束板22a,bのボルト挿通孔22hの数と同じ、4つずつである。また、本実施形態では、ワッシャ26a,bの数が、ボルト挿通孔22hの合計数と同じ、8つである。
ボルト24は、軸部24sと、頭部24hと、を備えている。頭部24hは、ボルト24の軸部24sの外形よりも一回り大きな形状を有する。頭部24hは、拘束板22aのボルト挿通孔22hを貫通せず、拘束板22aの下方に突出している。軸部24sは、頭部24hから厚み方向Zに沿って上方に延びている。軸部24sは、拘束板22bのボルト挿通孔22hよりも小さい外径を有している。軸部24sの外表面には、拘束板22aのボルト挿通孔22hに螺合するネジ溝が形成されている。軸部24sには、一方の拘束板22aが螺合される。また、軸部24sには、もう一方の拘束板22bが遊挿される。軸部24sは、拘束板22bの上方に突出している。軸部24sの上方に突出した部分には、ナット28が螺合する。ナット28は軸部24sにネジ止めされる。
ワッシャ26a,bは、リング状である。ワッシャ26a,bは、厚み方向Zに貫通する貫通孔を有している。ワッシャ26a,bの貫通孔は、ボルト24の外形よりも一回り大きい。ワッシャ26a,bは、ボルト24に遊挿されている。断面視において、ワッシャ26aは、ボルト24と拘束板22aとの間に配置されている。ワッシャ26aは、拘束板22aを支持している。また、ワッシャ26bは、拘束板22bとナット28との間に配置されている。ワッシャ26bは、拘束板22bを支持している。
本実施形態では、全固体電池組立体10の正極集電体12aの熱膨張係数および負極集電体14aの熱膨張係数のうちで最も小さい熱膨張係数をα1としたときに、ボルト24の熱膨張係数α2と、ナット28の熱膨張係数α3とが、いずれも、α1以上である。すなわち、α1,α2,α3が、α1≦α2、α1≦α3の関係を満たしている。なお、ボルト24の熱膨張係数α2とナット28の熱膨張係数α3とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。このことにより、例えば全固体電池組立体10が凍結するような低温環境下においても、拘束治具20に緩みが生じ難くなる。
一例として、正極集電体12aがアルミニウム製(熱膨張係数:23.9×10−6/℃)であり、負極集電体14aが銅製(熱膨張係数:16.5×10−6/℃)である場合、α1は、16.5×10−6/℃である。この場合、α2,α3は、それぞれ、16.5×10−6/℃以上となることが必須である。α2,α3は、それぞれ、例えば、α1よりも高く、17×10−6/℃以上、20×10−6/℃以上であってもよい。α2,α3を所定値以上とすることで、ここに開示される技術の効果をより高いレベルで発揮することができる。α2,α3は、それぞれ、例えば、50×10−6/℃以下、30×10−6/℃以下、25×10−6/℃以下であってもよい。
特に限定されるものではないが、熱膨張係数が16.5×10−6/℃以上の金属材料としては、例えばAl、Cr、Ni、Cu、Zn、Ag、Sn、およびこれらの合金、ならびに、一部のステンレス鋼等が挙げられる。より具体的な材質(およびその熱膨張係数)としては、例えば、純アルミニウム(23.9×10−6/℃);ジュラルミン(27.3×10−6/℃)や、アルミニウム青銅(例えば、5Al;16.5×10−6/℃)等のアルミニウム合金;銀(19.7×10−6/℃);ニッケル鋼(例えば、20Ni;18×10−6/℃)や、クロムニッケル鋼(例えば、18Cr,8Ni;16.7×10−6/℃)等のニッケル合金;砲金(例えば、10Sn,2Zn;18×10−6/℃);銅(16.5×10−6/℃);等が例示される。また、ステンレス鋼(およびその熱膨張係数)としては、例えば、SUS301(16.9×10−6/℃)、SUS304(17.3×10−6/℃)、SUS316(16.0×10−6/℃)、SUS316L(16.0×10−6/℃)、SUS321(16.7×10−6/℃)、SUS347(16.7×10−6/℃)等の300番台のFe,Cr,Ni含有オーステナイト系ステンレス鋼が例示される。
また、他の例として、正極集電体12aおよび負極集電体14aが、いずれもステンレス鋼製(熱膨張係数:17.3×10−6/℃)である場合、α1は、17.3×10−6/℃である。この場合、α2,α3は、それぞれ、17.3×10−6/℃以上となることが必須である。α2,α3は、それぞれ、例えば、α1よりも高く、18×10−6/℃以上、20×10−6/℃以上であってもよい。α2,α3は、それぞれ、例えば、50×10−6/℃以下、30×10−6/℃以下、25×10−6/℃以下であってもよい。
なお、拘束部材23のボルト24およびナット28以外の部材、例えば拘束板22a,b、ワッシャ26a,bについては、熱膨張係数は特に限定されない。例えば拘束板22a,bの熱膨張係数α4は、ボルト24の熱膨張係数α2と同じであってもよいし、α4≧α2であってもよいし、α4≦α2であってもよい。また、α4≧α1であってもよいし、α4≦α1であってもよい。α4≦α2、および/または、α4≦α1であると、冷却時に減圧側に働く力が小さくなり、ここに開示される技術をより高いレベルで発揮することができる。また、例えばワッシャ26a,bの熱膨張係数α5は、ボルト24の熱膨張係数α2と同じであってもよいし、α5≧α2であってもよいし、α5≦α2であってもよい。また、α5≧α1であってもよいし、α5≦α1であってもよい。
<短絡検査方法>
次に、本実施形態の短絡検査方法について説明する。本実施形態の短絡検査方法では、拘束治具20を用いて、全固体電池組立体10の短絡検査を行う。
図4は、一実施形態に係る短絡検査方法のフローチャートである。本実施形態の短絡検査方法は、用意工程(ステップS1)と、拘束工程(ステップS2)と、抵抗増加工程(ステップS3)と、電圧印加工程(ステップS4)と、判定工程(ステップS5)と、を含んでいる。ただし、任意の段階でその他の工程を包含することは妨げられない。以下、各工程について順に説明する。
用意工程(ステップS1)は、組立体用意工程(ステップS1a)と、治具用意工程(ステップS1b)と、を包含する。組立体用意工程(ステップS1a)では、全固体電池組立体10を用意する。全固体電池組立体10は、市販品を購入してもよいし、従来公知の製造方法で自ら作製してもよい。また、治具用意工程(ステップS1b)では、全固体電池組立体10を拘束するための拘束治具20を用意する。拘束治具20は、組立前の状態であってもよいし、途中まで仮組みされた状態であってもよい。本工程では、拘束治具20と、容器32と、を備えた短絡検査用のキット30を用意してもよい。
拘束工程(ステップS2)では、まず、拘束治具20の拘束板22aとワッシャ26aとボルト24とを仮組みする。すなわち、拘束板22aの4つのボルト挿通孔22hに対して、それぞれ、拘束板22aの下方側から、ボルト24の軸部24sを挿通する。このとき、ボルト24の軸部24sと頭部24hとの間にワッシャ26aを挿入する。ボルト24の軸部24sは、拘束板22aのボルト挿通孔22hのネジ溝に沿って上方に移動する。ボルト24は、頭部24hによって、拘束板22aのボルト挿通孔22hの周縁部に係止される。このようにして、拘束板22aに、ワッシャ26aとボルト24とが固定され、これらが一体化される。
次に、仮組みした拘束板22aの板状部22fの上に、全固体電池組立体10を配置する。このとき、図2に示すように、拘束板22aのXY平面の中心と、全固体電池組立体10のXY平面の中心とが一致するように、全固体電池組立体10を配置するとよい。また、図3に示すように、断面視において、拘束板22aの中心と、全固体電池組立体10の中心とが、厚み方向Zに一直線上に並ぶように、全固体電池組立体10を配置するとよい。
次に、全固体電池組立体10の上からもう1方の拘束板22bを被せて、拘束板22bのボルト挿通孔22hにボルト24の軸部24sを挿通する。これにより、拘束板22a,bで全固体電池組立体10を厚み方向Zに挟み込む。拘束板22bの上方には、軸部24sが突出している。次に、軸部24sの拘束板22bから上方に突出している部分に、ワッシャ26bを介してナット28をねじ込む。これにより、ナット28がボルト挿通孔22hの周縁部に係止される。この状態からナット28を締めていくと、それに応じて拘束荷重が増大していく。拘束荷重は、概ね1〜100MPa、例えば2〜20MPaとしてもよい。このようにして、拘束板22a,bと拘束部材23とによって、所定の荷重で全固体電池組立体10が拘束される。言い換えれば、拘束部材23によって、全固体電池組立体10および拘束板22a,bの厚みが固定される。
抵抗増加工程(ステップS3)では、まず、後述する電圧印加工程(ステップS4)の準備として、市販の充放電装置の電圧端子の一方を、正極12の正極端子12tと電気的に接続し、他方を、負極14の負極端子14tと電気的に接続する。同様に、電流端子の一方を、正極12と電気的に接続し、他方を、負極14と電気的に接続する。
次に、拘束された全固体電池組立体10を冷却する。これにより、全固体電池組立体10の温度を低温状態として、電池として機能し難くする。すなわち、全固体電池組立体10の抵抗を増加させて、全固体電池組立体10の内部で生じる電気化学的な反応を抑える。全固体電池組立体10の冷却方法としては、例えば、容器32の収容空間32sに液体状の冷媒を満たし、この中に全固体電池組立体10を浸漬する方法が挙げられる。液体状の冷媒(およびその大気圧での沸点)としては、例えば、液体へリウム(−269℃)、液体窒素(−196℃)、液体酸素(−183℃)、寒剤(例えば、ドライアイスとアルコールの混合物(−72℃))等が例示される。これにより、全固体電池組立体10を速やかに冷却することができる。また、他の例として、全固体電池組立体10を固体状の冷媒(例えばドライアイス)と接触させる方法や、全固体電池組立体10を低温の恒温槽(チャンバー)内に配置する方法等を採用することもできる。
全固体電池組立体10の冷却温度は、例えば検査に要求される精度や、全固体電池組立体10の構成等によって適宜調整するとよい。特に限定されるものではないが、全固体電池組立体10の冷却温度は、例えば、−45℃以下、−90℃以下、−100℃以下、−120℃以下、−140℃以下、−150℃以下としてもよく、−300℃以上、−200℃以上としてもよい。冷却処理によって、全固体電池組立体10の抵抗は、電池としての機能が難しいレベルにまで増加する。より高い精度で検査を行う観点からは、全固体電池組立体10の抵抗値を、概ね1×10Ω以上、典型的には1×10Ω以上、例えば1×10Ω以上にまで増加させてもよい。なお、液系の電池組立体に対してこのような冷却処理を行うと、冷却時の体積変化が大きく、電池組立体に対して大きなダメージを与えやすい。これに対し、全固体電池組立体10では冷却時の体積変化が相対的に小さい。このため、冷却の影響は小さく抑えられる。
電圧印加工程(ステップS4)では、高抵抗の状態の全固体電池組立体10に対して、電圧を印加する。一例では、まず、充放電装置により、冷却した状態で拘束されている全固体電池組立体10に対して、電圧を印加する。次に、電圧を印加した時の電流値を計測する。一実施形態では、上記した抵抗増加工程(ステップS3)における全固体電池組立体10の冷却した状態を維持したまま、本工程を行う。例えば、全固体電池組立体10を液体状の冷媒に浸漬した状態で、本工程を行う。例えば、全固体電池組立体10の温度変化を±5℃以内、好ましくは±1℃以内に抑えた状態で、本工程を行う。これにより、全固体電池組立体10の冷却した状態を安定的に維持して、より誤差の少ない検査を行うことができる。
印加電圧は、例えば検査に要求される精度や、全固体電池組立体10の構成等によって適宜調整するとよい。特に限定されるものではないが、印加電圧は、例えば、1V以上、2V以上、100V以上、200V以上としてもよく、1000V以下、500V以下としてもよい。印加電圧を所定値以下とすることで、全固体電池組立体10へのダメージを最小限に抑えることができる。印加電圧は、後述する判定工程(ステップS5)において計測される電流値が、概ね5mA以下、例えば2mA以下となるように調整してもよい。また、印加電圧を所定値以上とすることで、計測される電流値が大きくなる。このため、ごく微小な短絡をも精度よく検出することができる。
判定工程(ステップS5)では、上記電圧印加工程で計測された電流値に基づいて、全固体電池組立体10に短絡が発生しているか否かを判定する。すなわち、全固体電池組立体10に内部短絡が発生している場合、上記電圧印加工程で計測される電流値は、全固体電池組立体10に内部短絡が発生していない場合よりも大きくなる。このため、電流値に基づいて内部短絡の有無を検出することができる。一例では、まず、電流の絶対値で閾値を設定する。例えば、印加電圧が200Vのときに、閾値となる電流値を、0.9mA以上、1mA以上としてもよい。次に、上記電圧印加工程で計測された電流値と、閾値とを比較する。そして、例えば、計測された電流値が閾値に達している場合に、全固体電池組立体10を「内部短絡あり」と判定する。すなわち、全固体電池組立体10を不合格品と判定する。一方、計測された電流値が閾値に達していない場合に、全固体電池組立体10を「内部短絡なし」あるいは「内部短絡の程度が許容範囲内である」と判定する。すなわち、全固体電池組立体10を合格品と判定する。
他の例では、まず、内部短絡の有無を判定するための基準値を設定する。基準値としては、複数の全固体電池組立体10の電流値の算術平均値、中央値(メジアン)等を採用することができる。そして、例えば計測された電流値をIAとし、基準値をIBとした場合に、IBに対するIAの比(IA/IB)が、予め定められた閾値に達している場合に、全固体電池組立体10を「内部短絡あり」と判定する。すなわち、全固体電池組立体10を不合格品と判定する。一方、計測された電流値が閾値に達していない場合に、全固体電池組立体10を「内部短絡なし」あるいは「内部短絡の程度が許容範囲内である」と判定する。すなわち、全固体電池組立体10を合格品と判定する。なお、上記比(IA/IB)の閾値としては、例えば2σ〜4σ程度(σは標準偏差を意味する。)に相当する値を設定することができる。
以上のようなステップS1〜S5を包含する検査方法によれば、全固体電池組立体10を拘束、冷却した状態で電圧を印加し、電流値を測定するといった比較的簡便な方法で、短絡検査を行うことができる。特に、ここに開示される拘束治具20を用いることで、全固体電池組立体10が凍結するような低温環境下においても、全固体電池組立体10への拘束力が安定的に維持される。このことにより、高い感度で全固体電池組立体10の短絡検査を行うことができる。
<全固体電池の製造方法>
本実施形態の製造方法は、上記した全固体電池組立体10の短絡検査方法を包含する。すなわち、製造プロセスにおいて、短絡検査で「内部短絡有り」と判定された電池を取り除く。あるいは、合格品と判定されたもののみを次の工程に送る。このことにより、品質安定性がさらに向上した全固体電池を製造し、市場に供給することができる。
<組電池の製造方法>
本実施形態の製造方法では、複数の全固体電池を直列または並列に組合せた組電池を製造する。組電池は、特に高エネルギー密度や高出力密度が要求される用途で好適に用いられる。組電池では、全固体電池のばらつきが大きいと、性能が十分に発揮されないことがある。そのため、例えば車両に搭載されるモーター用の動力源(駆動用電源)として使用される全固体電池の製造時には、ここに開示される製造方法を適用することが好ましい。
本実施形態の製造方法は、上記した全固体電池組立体10の短絡検査方法を包含する。かかる製造方法は、例えば、全固体電池組立体10を検査する検査工程と、上記検査工程で合格品と判定された全固体電池組立体10を用いて組電池を構築する構築工程と、を包含する。検査工程では、「内部短絡有り」と判定された電池を適切に取り除くことができる。さらには、複数の全固体電池組立体10の中から、均質な電池を選りすぐることもできる。その結果、本実施形態の製造方法で製造された組電池は、従来よりも優れた特性、例えば高エネルギー密度やサイクル特性(耐久性)を発揮することができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実験例>
[正極の作製]
まず、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、固体電解質材料としての硫化物材料(LiS:P=70:30(質量比)の混合物)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、を含む正極スラリーを調製した。次に、この正極スラリーを、正極集電体としてのアルミニウム箔(熱膨張係数:23.9×10−6/℃)の表面に塗布して、乾燥させた。これにより、正極集電体の上に正極合材層を有する正極を得た。
[負極の作製]
まず、負極活物質としてのグラファイトと、固体電解質材料としての硫化物材料(LiS:P=70:30(質量比)の混合物)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、を含む負極スラリーを調製した。次に、この負極スラリーを、負極集電体としての銅箔(熱膨張係数:16.5×10−6/℃)の表面に塗布して、乾燥させた。これにより、負極集電体の上に負極合材層を有する負極を得た。
[固体電解質層の作製]
固体電解質材料としての硫化物材料(LiS:P=70:30(質量比)の混合物)と、バインダとしてのブタジエンゴム(BR)と、を含む電解質スラリーを調製した。次に、この電解質スラリーを、基材(剥離シート)の表面に塗布して、乾燥させた。これにより、剥離シート上に固体電解質層(平均厚み30μm)を有する転写シートを得た。
[全固体電池組立体の作製]
まず、上記負極と上記転写シートとを、負極合材層の側の表面と固体電解質層の側の表面とが接触するように積層し、積層方向から100MPaの圧力を印加した。これにより、負極の表面に固体電解質層を転写した。そして、上記転写シートの剥離シートを剥離した。次に、上記正極を、固体電解質層と正極合材層とが接触するように積層し、積層方向から600MPaの圧力を印加した。これにより、正極と固体電解質層と負極とがこの順に積層された電極体を得た。この電極体を、アルミラミネート製の電池ケースに収容して、全固体電池組立体(異物なし)を複数作製した。
図5は、模擬的な導電性異物を表す斜視図である。この導電性異物は、外形がL字形状であり、材質がSUS304製である。この導電性異物を、固体電解質層と正極合材層との間に挿入した(意図的に含有させた)こと以外は上記異物なしの場合と同様にして、全固体電池組立体(異物あり)を複数作製した。
[拘束工程]
次に、上記全固体電池組立体(異物なし/異物あり)を、それぞれ、図2,3に示すような拘束治具で拘束した。具体的には、まず、拘束治具の一対の拘束板の間に全固体電池組立体を配置した。このとき、拘束治具としての拘束板、ボルト、ワッシャおよびナットの材質は、表1に示すもので統一した。すなわち、例1ではアルミニウム製、例2では銅製、例3ではSUS304製、例4では鉄製の拘束治具をそれぞれ使用した。また、拘束板の板厚は、20mmとした。そして、拘束板と全固体電池組立体とを拘束部材で厚み方向に拘束した。なお、全ての例で、拘束荷重は10MPaとした。また、全ての例で、α1は負極集電体の熱膨張係数(16.5×10−6/℃)である。
[抵抗増加工程]
次に、拘束状態の全固体電池組立体の表面に熱電対を貼りつけた後、拘束治具と全固体電池組立体とを発泡スチロール製の容器の中に静置した。次に、この容器の中に液体窒素を注入し、全固体電池組立体を完全に浸潰させた。なお、液体窒素が減った場合、適宜追加で注入した。これにより、全固体電池組立体の温度を−150℃以下にまで低下させ、全固体電池組立体を冷却させた。
[電圧印加工程]
次に、拘束・冷却した全固体電池組立体の正極端子と負極端子とに充放電装置を接続し、200Vの電圧を印加した。そして、このときの電流値を測定した。結果を、表1に示す。
Figure 2020013776
表1に示すように、例4では、Ie/Inの値(すなわち、異物のあり・なしでの電流値の差)が小さく、短絡(その原因となる欠陥を含む)有無を精度良く検出することができなかった。これに対して、例1〜3では、短絡の有無を精度良く検出することができた。この理由として、本発明者は、拘束治具の材質が、以下の条件:ボルトの熱膨張係数α2およびナットの熱膨張係数α3が、いずれも、正極集電体の熱膨張係数および負極集電体の熱膨張係数のなかで最も小さい熱膨張係数α1(ここでは、負極集電体(銅)の熱膨張係数)以上である;を満たしていたことで、全固体電池組立体が凍結するような低温環境下においても、全固体電池組立体を安定して拘束することができ、その結果、検出感度が向上したと考えている。かかる結果は、ここに開示される技術の意義を示している。
なお、拘束治具の熱膨張係数が大きいと拘束力が弱まるメカニズムを明らかにする必要はないが、本発明者は次のように考えている。すなわち、本検査方法において、ボルトおよびナットは、全固体電池組立体と拘束板との間の厚みを固定するものとして使用されている。例えば、全固体電池組立体の厚みが1cm、拘束板の1枚の厚みが1cmと仮定すると、拘束工程において、ワッシャ間の距離が3cm(全固体電池組立体の厚み1cm+拘束板2枚分の厚み2cm)に固定される。
ワッシャ間の距離が固定された状態で全固体電池組立体と拘束板とを低温に冷却した場合、全固体電池組立体と拘束板とがそれぞれ低温収縮し、厚みが小さくなる。このとき、熱膨張係数が大きいほど全固体電池組立体の低温収縮の程度はより大きくなる。また、全固体電池組立体の低温収縮の程度は、集電体の熱膨張係数に影響されうる。全固体電池組立体と拘束板との厚みがそれぞれ小さくなることにより、全固体電池組立体と拘束板との合計の厚みが3cm未満となる。そのため、全固体電池組立体と拘束板とが「減圧」される側に働く。
一方、拘束部材(ボルトおよびナット)を低温に冷却した場合、ボルトが低温収縮し、ワッシャ間の距離が短くなる。これにより、全固体電池組立体および拘束板の配置されるスペースの厚みが3cm未満となる。そのため、全固体電池組立体と拘束板とが「加圧」される側に働く。
表2は、本発明者が低温環境下における厚み変化を纏めたものである。なお、表2において、「加圧縮み量」は、ワッシャ間の厚み方向の変化量を表し、「減圧縮み量」は、全固体電池組立体および拘束板の厚み方向の変化量の合計を表している。
Figure 2020013776
図6は、表2の拘束治具の熱膨張係数と、低温環境下における厚み変化(加圧縮み量−減圧縮み量)と、の関係を表すグラフである。表2および図6に示すように、拘束力が弱まる方の変化量(減圧縮み量)が大きい場合、低温環境下で全体として拘束力が弱くなることがわかる。これに対して、拘束力を強くする方の変化量(加圧縮み量)が大きい場合は、低温環境下で全体として拘束力が増すことがわかる。
また、表2に示すように、板厚10mmの拘束板を用いたときの結果と、板厚20mmの拘束板を用いたときの結果との比較から、拘束板の厚みを小さくして拘束板の絶対的な縮み量を抑えたとしても、それに対応してワッシャ間の距離も短くなるため、全体的な拘束力の変化の関係性は変わらないことがわかる。つまり、拘束板の厚みを変化させたとしても、全体的に拘束力が弱くなる傾向は同じである。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 全固体電池組立体
20 拘束治具
22a,b 拘束板
23 拘束部材
24 ボルト
26a,b ワッシャ
28 ナット

Claims (9)

  1. 全固体電池組立体の短絡検査方法であって、
    正極集電体と前記正極集電体上に配置される正極合材層とを備える正極と、負極集電体と前記負極集電体上に配置される負極合材層とを備える負極と、厚み方向において前記正極合材層と前記負極合材層との間に介在される固体電解質層と、を備える全固体電池組立体を用意する組立体用意工程;
    ボルト挿通孔を有し、前記全固体電池組立体を前記厚み方向に挟み込む一対の拘束板と、前記ボルト挿通孔に挿通されるボルトと、前記ボルトにネジ止めされるナットと、を含み、前記全固体電池組立体に対して前記厚み方向から荷重を加える拘束部材と、を備える拘束治具を用意する治具用意工程、ここで、前記全固体電池組立体の前記正極集電体の熱膨張係数および前記負極集電体の熱膨張係数のなかで最も小さい熱膨張係数をα1としたときに、前記ボルトおよび前記ナットの熱膨張係数が、いずれも前記α1以上である;
    前記全固体電池組立体を前記拘束治具の前記一対の拘束板の間に配置し、前記拘束治具で前記全固体電池組立体を拘束する拘束工程;
    前記拘束工程の後、前記全固体電池組立体を冷却することによって前記全固体電池組立体の抵抗を増加させる抵抗増加工程;
    前記抵抗増加工程の後、前記全固体電池組立体に対して電圧を印加し、電圧印加時の電流値を計測する電圧印加工程;
    前記電圧印加工程の後、計測された前記電流値と予め定められた閾値とを比較して、前記全固体電池組立体に短絡が発生しているか否かを判定する判定工程;
    を包含する、全固体電池組立体の短絡検査方法。
  2. 前記拘束板と前記ボルトと前記ナットとが同種の金属材料で構成されている、
    請求項1に記載の短絡検査方法。
  3. 前記抵抗増加工程から前記電圧印加工程の間、前記拘束治具の少なくとも一部を冷媒と接触させて、前記全固体電池組立体を冷却した状態に維持する、
    請求項1または2に記載の短絡検査方法。
  4. 前記治具用意工程において、前記ボルトおよび前記ナットの熱膨張係数が、いずれも16.5×10−6/℃以上である前記拘束治具を用意する、
    請求項1〜3の何れか一つに記載の短絡検査方法。
  5. 正極集電体と前記正極集電体上に配置される正極合材層とを備える正極と、負極集電体と前記負極集電体上に配置される負極合材層とを備える負極と、厚み方向において前記正極合材層と前記負極合材層との間に介在される固体電解質層と、を備える全固体電池組立体を冷却した状態で、前記全固体電池組立体に対して電圧を印加する短絡検査に用いられ、前記全固体電池組立体を前記厚み方向から拘束するように構成されている拘束治具であって、
    ボルト挿通孔を有し、前記全固体電池組立体を前記厚み方向に挟み込む一対の拘束板と、
    前記ボルト挿通孔に挿通されるボルトと、前記ボルトにネジ止めされるナットと、を含み、前記全固体電池組立体に対して前記厚み方向から荷重を加える拘束部材と、
    を備え、
    前記全固体電池組立体の前記正極集電体の熱膨張係数および前記負極集電体の熱膨張係数のなかで最も小さい熱膨張係数をα1としたときに、前記ボルトおよび前記ナットの熱膨張係数が、いずれも前記α1以上である、拘束治具。
  6. 前記拘束板と前記ボルトと前記ナットとが同種の金属材料で構成されている、
    請求項5に記載の拘束治具。
  7. 前記ボルトおよび前記ナットの熱膨張係数が、いずれも16.5×10−6/℃以上である、
    請求項5または6に記載の拘束治具。
  8. 請求項5〜7の何れか一つに記載の拘束治具と、
    前記全固体電池組立体を拘束した状態の前記拘束治具を、冷媒と共に収容する容器と、
    を備える、短絡検査用のキット。
  9. 請求項1〜4の何れか一つに記載の短絡検査方法を包含する、全固体電池の製造方法。
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