JP2020012331A - シールド掘削機 - Google Patents

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Abstract

【課題】シールド掘削機において、シール室内のシール剤の圧力を正確且つ容易に計測できるようにする。
【解決手段】セグメントの外周面と接触してスキンプレート3の内周面とセグメントの外周面との間にシール室13を形成する複数のテールブラシ3cと、スキンプレート3の軸方向に沿って設けられ、ポンプから圧送されたシール剤をシール室13に供給する複数のシール剤供給路14と、スキンプレート3の軸方向に沿って当該スキンプレート3の外壁に設けられ、スキンプレート3後方の掘削坑とセグメントとの隙間に裏込め材を供給する裏込め材供給路15と、裏込め材供給路15内に設置され、シール室13内のシール剤の圧力を計測する圧力計16と、裏込め材供給路15内に敷設され、圧力計16の計測信号を電送するケーブル16aとを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、シールド掘削機に関し、特に、シールド掘削機のスキンプレートと当該スキンプレートから進行方向後方に押し出されるセグメントとの隙間をシールするためのシール剤の供給に関するものである。
地盤を掘削してトンネルや地下鉄などの掘削に使用される装置として、シールド掘削機が知られている。
このシールド掘削機はスキンプレートの進行方向先端にカッタヘッド(掘削手段)が回転可能に設置されており、当該カッタヘッドにはビットが円周状・放射状に複数配置されている。そして、カッタヘッドを掘削面(切羽)に押し付けて回転させながら進むことにより、地盤が円形に掘削されていく。
このときシールド掘削機の機内では、筒状のセグメントがシールド掘削機の掘進に合わせてスキンプレートの後方に押し出される。
ここで、スキンプレートとセグメントとの問には隙間があり、この隙間から機内に地下水が侵入したり、シールド掘削機から地盤に圧入した裏込め材が回り込んだりしないようにするために、シールド掘削機には当該隙間をシールするための構造が設けられている。
シール構造では、スキンプレートの内周面にワイヤブラシ等を複数段設け、さらにこれら複数段のワイヤブラシ等で形成されたシール室を埋めるために、止水グリスなどのシール剤を注入している。このシール剤は粘性が高く、セグメントの外周に付着するため、シールド掘削機の前進とともに減少する。このため、掘削中はシール剤をシール室に供給し続ける必要がある。
シール剤はスキンプレート後端部の水圧や裏込め材の注入圧に常に対抗する必要があるため、ポンプ(シール剤供給手段)により圧送して供給される。このとき、シール室内に供給されるシール剤の圧力が大きすぎるとシール剤が外部に流出し続けることになり、逆に圧力が低いと機内に地下水や裏込め材が侵入することになる。
このため、特に高水圧下の掘進では、シール剤の注入圧力の管理が重要となってくる。例えば、厚生労働省は、平成29年3月に策定した“シールドトンネル工事に係る安全対策ガイドライン”において、「テールシールの止水性を保持するため、テールシール用グリスの補充を適切に行うこと。また、注入は、注入量、注入圧及び注入時期に留意して行い、その記録を残すこと。」としている。
なお、シール剤の供給圧に関しては、特許文献1(特開平09−125881号公報)、特許文献2(特開2018−003522号公報)、特許文献3(実公平02−037920号公報)などに記載の技術が知られている。
特開平09−125881号公報 特開2018−003522号公報 実公平02−037920号公報
シール剤の供給圧は、供給元であるポンプの圧力やシール剤供給路内の圧力を計測して監視しているが、粘性の高いシール剤の圧力をこのような方法で計測してもシール室内の圧力を正確に把握することはできない。
また、圧力計をシール室内に設ければシール室内の圧力を把握できるものの、細径の貫通孔を新たにスキンプレートの軸方向に形成してその中に圧力計のケーブルを設置する必要があり、極めて困難な作業となる。
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、シール室内のシール剤の供給圧を正確且つ容易に計測することのできるシールド掘削機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明のシールド掘削機は、地盤を掘削する掘削手段が進行方向先端に回転可能に設置された筒状のスキンプレートと、前記スキンプレートの進行方向後部の内周面において当該進行方向に対して間隔を開けて環状に設けられ、複数のピースで組み立てられたセグメントの外周面と接触して前記スキンプレートの内周面と前記セグメントの外周面との間にシール室を形成する複数のシール室形成部材と、前記スキンプレートの軸方向に沿って設けられ、シール剤供給手段から圧送されたシール剤を前記シール室に供給する複数のシール剤供給路と、前記スキンプレートの軸方向に沿って当該スキンプレートの外壁に設けられ、前記スキンプレート後方の掘削坑と前記セグメントとの隙間に裏込め材を供給する裏込め材供給路と、前記裏込め材供給路内に設置され、前記シール室内のシール剤の圧力を計測する圧力計と、前記裏込め材供給路内に敷設され、前記圧力計の計測信号を電送するケーブルと、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明のシールド掘削機は、上記請求項1記載の発明において、前記シール室は前記スキンプレートの軸方向に複数箇所形成され、前記圧力計は、最後部の前記シール室内のシール剤の圧力を計測する、ことを特徴とする。
請求項3に記載の本発明のシールド掘削機は、上記請求項1または2記載の発明において、一部の前記シール剤供給路は前記裏込め材供給路内に配置されている、ことを特徴とする。
請求項4に記載の本発明のシールド掘削機は、上記請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、前記裏込め材供給路は複数箇所に設けられ、前記圧力計はそれぞれの前記裏込め材供給路に設置されている、
本発明では、裏込め材供給路内にシール室内のシール剤の圧力を計測するための圧力計を設置し、さらに圧力計の計測信号を電送するケーブルを裏込め材供給路内に敷設している。これにより、細径の貫通孔をスキンプレートの軸方向に形成してその中に圧力計のケーブルを設置するという困難な作業が不要になり、シール室内のシール剤の圧力を正確且つ容易に計測することが可能になる。
本実施の形態のシールド掘削機の内部を側面から透かして見た構成図である。 図1のシールド掘削機を後方側から見た構成図である。 図2のA線に沿った後部の断面図である。 図2のB線に沿った後部の断面図である。 図3のC線に沿った断面図である。 図3のD線に沿った断面図である。 図3のE線に沿った断面図である。 第1のシール室に供給されるシール剤の第1の供給路を示す説明図である。 第2のシール室に供給されるシール剤の第2の供給路を示す説明図である。 裏込め材供給路を幅方向で一部切り取った断面図である。
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
まず、本実施の形態のシールド掘削機の構成について図1〜図4を参照して説明する。ここで、図1は本実施の形態のシールド掘削機の内部を側面から透かして見た構成図、図2は図1のシールド掘削機を後方側から見た構成図、図3は図2のA線に沿った後部の断面図、図4は図2のB線に沿った後部の断面図である。
本実施の形態のシールド掘削機1は、カッタ盤(掘削手段)2を切羽に押し当て回転させることにより地山を掘削する際に、カッタ盤2の後方のスキンプレート3内に設けられた泥水室4に送泥管5を通じて泥水を圧送し、泥水室4内の泥水圧力を切羽の土圧および地下水圧に見合う圧力にして切羽の安定を図るとともに、泥水室4内に溜められた泥水を排泥管6によってトンネルの外部に排出しながら地山にトンネルを形成する泥水式シールド掘削機である。
シールド掘削機1を構成するカッタ盤2は、地山の切羽を掘削する正面円形状の掘削部材であり、スキンプレート3の前面にスキンプレート3の周方向に沿って正逆方向に回転自在の状態で設置されている。このカッタ盤2は、例えば、スポークタイプが採用されており、その前面(切羽に対向する面)には、玉石等の破砕や地山の掘削を行う複数のビット2aおよびスクレーパツース2bが装着されている他、カッタ盤2の回転により掘削された土砂等を泥水室4内に取り込む貫通穴(図示せず)が形成されている。なお、カッタ盤2の外周面には、急曲線施工時の余掘りやシールド掘削機1の姿勢制御等を行うコピービット2cが装着されている。
カッタ盤2の後方に位置するスキンプレート3は、例えば円筒状の鋼製板により形成された前胴プレート3aおよび後胴プレート3bで構成されている。前胴プレート3aと後胴プレート3bとは、後胴プレート3bの先端側の球面軸受部が前胴プレート3aの後端側の内周面に接した状態で入り込むことで係合されている。
前胴プレート3aの前面側において、その前面からスキンプレート3の内方に後退した位置には、スキンプレート3内を切羽側と機内側とに分ける隔壁7が設置されている。このスキンプレート3の切羽側、すなわち、上記カッタ盤2と隔壁7との間に、上記泥水室4が設けられている。泥水室4は、カッタ盤2の回転により掘削された土砂等を取り込み、送泥管5を通じて供給された泥水と混合する空間(チャンバ)である。
一方、スキンプレート3の機内には、カッタ駆動体10と、複数本の中折れジャッキ11aと、複数本のシールドジャッキ11bと、エレクタ12と、送泥管5と、排泥管6とが設置されている。
カッタ駆動体10は、カッタ盤2を正逆方向に回転させる駆動源である。中折れジャッキ11aは、前胴プレート3aと後胴プレート3bとを連結するとともに、シールド掘削機1の推進方向を修正する機器である。シールドジャッキ11bは、スキンプレート3の後方のトンネルの内周に敷設されたセグメントSGに反力をとり、セグメントSGを後方に向けて押し出してスキンプレート3を含めたシールド掘削機1を前進させるための推進力を発生させる機器である。エレクタ12は、スキンプレート3内部の後端付近において複数のピースを把持して環状に組み立てることで、掘削されたトンネルの内周にセグメントSGを構築する装置である。セグメントSGは、例えば、平板状のコンクリート製セグメントまたは合成セグメント(コンクリートと鋼材との合成構造)からなり、トンネルの周方向および軸方向に沿って複数個並べられた状態で設置されている。
送泥管5は、泥水室4内に泥水を供給する配管であり、例えば、鋼材により形成されている。送泥管5の先端部(放泥口)は、隔壁7の正面内上部を貫通して泥水室4に達している。これにより、送泥管5を通じて圧送された泥水は、シールド掘削機1の正面内上部から泥水室4内に供給される。一方、送泥管5の後端部は、トンネルの抗口に向かって延び、途中で所定の間隔毎に配置された複数の送泥ポンプ(図示せず)を介してトンネルの外部の泥水層(図示せず)に接続されている。なお、泥水槽は、トンネルの外部の泥水処理装置(図示せず)に接続されている。
排泥管6は、泥水室4内の排泥水(掘削土砂と泥水との混合泥水)をトンネルの外部に排出する配管であり、例えば、鋼材により形成されている。排泥管6の先端部(吸泥口)は、隔壁7の正面内下部を貫通して泥水室4に達している。これにより、泥水室4内の排泥水は、シールド掘削機1の正面内下部から排出される。一方、排泥管6の後端部は、トンネルの抗口に向かって延び、途中で所定の間隔毎に配置された複数の排泥ポンプ(図1には図示せず)を介してトンネルの外部の上記泥水処理装置に接続されている。すなわち、泥水室4内の排泥水は、排泥管6を通じてトンネルの外部の泥水処理装置に送られ、そこで土砂と泥水とに分離され比重や粘性等が調整された後、泥水槽に送られて再び送泥管5を通じて泥水室4へ送られる。
図1において、スキンプレート3を構成する後胴プレート3bの進行方向後部の内周面には、テールブラシ3c(シール室形成部材)が設けられている。テールブラシ3cは、例えば鋼製のワイヤや発泡ウレタンなどで構成されており、当該進行方向に対して間隔を開けて環状に3本(テールブラシ3ca,3cb,3cc)設けられている。テールブラシ3cは、セグメントSGの外周面と接触するような長さで内方に延びており、このようなテールブラシ3cにより、スキンプレート3の内周面とセグメントSGの外周面との間にシール室13が形成されている。
また、本実施の形態においては、前方に位置するテールブラシ3caと中央に位置するテールブラシ3cbとで第1のシール室13−1が形成されている。また、中央に位置するテールブラシ3cbと後方に位置するテールブラシ3ccとで、第1のシール室13−1に対してスキンプレート3の進行方向後方に位置する第2のシール室13−2が形成されている。但し、シール室13は少なくとも1つ形成されていればよく、本実施の形態のように2つのシール室13に限定されるものではない。
さて、図2に示すように、本実施の形態のシールド掘削機1では、図示しないポンプ(シール剤供給手段)から圧送されたグリスなどのシール剤をシール室13に供給するためのシール剤供給路14が、スキンプレート3の軸方向に沿って複数設けられている。そして、シール剤供給路14からシール室13にシール剤が充填されることによりセグメントSGの外周面とスキンプレート3の内周面との隙間がシールされ、前述したテールブラシ3cと相俟って、掘進作業中にスキンプレート3の後部からスキンプレート3内に地下水等が入り込むことが防止される。
さらに、スキンプレート3の外壁には、セメント系の硬化材または固化材等からなる裏込め材をスキンプレート3の後方の掘削坑とセグメントSGとの隙間に供給するための裏込め材供給路15が、スキンプレート3の軸方向に沿って設けられている。なお、当該隙間に裏込め材を充填することにより、地盤沈下が防止され、さらに、セグメントSGと地山とが一体構造となってセグメントSGの継手からの漏水が防止される。
図2において、シール剤供給路14は、前方の第1のシール室13−1にシール剤を供給する第1の供給路14−1と、後方の第2のシール室13−2にシール剤を供給する第2の供給路14−2とからなり、これらがスキンプレート3の周方向の複数箇所に設けられている。また、裏込め材供給路15は、スキンプレート3の軸方向の頂部を挟んだ2箇所に設けられている。
このようにシール剤供給路14はスキンプレート3の周方向の複数箇所に設けられているのに対して、裏込め材供給路15はスキンプレート3の頂部付近にしか設けられていない。これは、シール剤は粘性が高くセグメントSGの外周に付着するためにスキンプレート3の周方向に満遍なく供給しなければならないのに対して、裏込め材は粘性が低いためにスキンプレート3の頂部付近に供給すれば自重でセグメントSGの外周下部にまで回り込むからである。
なお、シール剤供給路14および裏込め材供給路15の形成箇所や形成数は図2に示すものに限定されない。例えば、シール剤供給路14はさらに数多く設けてもよく、裏込め材供給路15はスキンプレート3の軸方向の頂部の1箇所だけに設けてもよい。
図3および図4に示すように、本実施の形態では、前方のテールブラシ3caおよび中央のテールブラシ3cbが鋼製のワイヤブラシシール、後方のテールブラシ3ccが発泡ウレタンでワイヤブラシを包み込んだウレコンシールとなっている。但し、シール室形成部材は本実施の形態のようなテールブラシ3cに限定されるものではなく、例えばゴム板や鉄板、あるいはこれらを組み合わせたものなどでもよい。
図2に示すように、裏込め材供給路15内には、複数箇所に設けられた内の一部のシール剤供給路14が配置されている。また、この裏込め材供給路15内には、圧力計16が設置されている。図4に詳しく示すように、圧力計16は後方の第2のシール室13−2に面して設置されており、当該第2のシール室13−2内に供給されるシール剤の圧力を計測するようになっている。そして、圧力計16の計測信号を電送するケーブル16aもまた、裏込め材供給路15内に敷設されている。圧力計16の計測値は当該ケーブル16aを通してシールド掘削機1の制御部に送られる。なお、本実施の形態では、裏込め材供給路15は2箇所に設けられていることから、圧力計16は各裏込め材供給路15内にそれぞれ設置されている。
なお、前述のように、裏込め材供給路15はスキンプレート3の1箇所だけに設けてもよいが、複数箇所(本実施の形態では2箇所)に設けてそれぞれに圧力計16を設置することにより、第2のシール室13−2内のシール剤の圧力をより正確に計測することができる。
ここで、スキンプレート3に設けられたシール剤供給路14の経路について、図5〜図8を用いて説明する。図5は図3のC線に沿った断面図、図6は図3のD線に沿った断面図、図7は図3のE線に沿った断面図、図8は第1のシール室に供給されるシール剤の第1の供給路を示す説明図、図9は第2のシール室に供給されるシール剤の第2の供給路を示す説明図、図10は裏込め材供給路を幅方向で一部切り取った断面図である。
裏込め材供給路15が設けられていない箇所に形成されたシール剤供給路14の経路は、図5に示すように、シール剤の供給方向でテールブラシ3caに至る前までは、第1の供給路14−1および第2の供給路14−2の何れもスキンプレート3である後胴プレート3bの厚み内に形成されている。
そして、シール剤供給路14の内で第1のシール室13−1にシール剤を供給するための第1の供給路14−1は、図6および図8に示すように、後胴プレート3bの厚み内からテールブラシ3caの結束部内を貫通しており、第1のシール室13−1に開口している。また、シール剤供給路14の内で第2のシール室13−2にシール剤を供給するための第2の供給路14−2は、後胴プレート3bの厚み内からテールブラシ3caの結束部内を貫通し、図7および図9に示すように、さらに後胴プレート3bの内壁を通ってテールブラシ3cbの結束部内を貫通して第2のシール室13−2に開口している。
一方、裏込め材供給路15が設けられた箇所に形成されたシール剤供給路14の経路は、図10に示すように、シール剤の供給方向でテールブラシ3caに至る前までは、第1の供給路14−1および第2の供給路14−2の何れも裏込め材供給路15内に形成されている。なお、テールブラシ3caに至ってからの経路は、図6〜図9に示す経路と同様になっている。
既に述べたように、圧力計16は、第2のシール室13−2内のシール剤の圧力を計測するため、第2のシール室13−2に面して裏込め材供給路15内に設置されているので、当該圧力計16が設置されている箇所の裏込め材供給路15内にはシール剤供給路14は存在しない。但し、圧力計16から延びるケーブル16aは裏込め材供給路15内に敷設されているので、シール剤の供給方向でテールブラシ3caに至る前までの裏込め材供給路15内には、ケーブル16aとシール剤供給路14とが存在することになる。
そして、本実施の形態よれば、前述のように、裏込め材を掘削坑とセグメントSGとの隙間に供給するための裏込め材供給路15内に、第2のシール室13−2内のシール剤の圧力を計測するための圧力計16を設置し、さらに、当該圧力計16の計測信号を電送するケーブル16aを裏込め材供給路15内に敷設している。
したがって、細径の貫通孔をスキンプレート3の軸方向に形成してその中に圧力計16のケーブル16aを設置するという困難な作業が不要になり、第2のシール室13−2内のシール剤の圧力を正確且つ容易に計測することが可能になる。
これにより、シール剤をシール室13に圧送するシール剤供給手段としてのポンプにおけるシール剤の供給圧と、圧力計16に計測される第2のシール室13−2内のシール剤の圧力とを併用してシール剤の注入量を監視することができる。よって、シールド掘削機1の掘進速度に応じて適切な量のシール剤を供給することが可能になるとともに、シール剤の供給圧と供給量の2つの側面からの監視が可能となり、スキンプレート3内に地下水等が入り込むことを確実に防止することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
例えば、本実施の形態において、圧力計16は、2つのシール室13の内の後方に位置する第2のシール室13−2内のシール剤の圧力を計測するようになっている。複数のシール室が形成されている場合、何れのシール室内のシール剤の圧力を計測してもよいし全てのシール室内のシール剤の圧力を計測してもよい。但し、最初に地下水等が浸入するのが最後部に位置するシール室(本実施の形態では、後方の第2のシール室13−2)なので、本実施の形態のように、当該シール室内のシール剤の圧力を計測するのが望ましい。
また、本実施の形態では、一部のシール剤供給路14が裏込め材供給路15内に配置されているが、裏込め材供給路15内にはシール剤供給路14を配置しなくてもよい。但し、裏込め材供給路15内に配置するようにすれば、シール剤供給路14を後胴プレート3bの厚み内に形成する箇所(図5参照)が少なくなり、その分だけシール剤供給路14の形成が容易になる。
以上の説明では、本発明を泥水圧式のシールド掘削機に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、泥土圧式のシールド掘削機等、他のシールド掘削機にも適用することができる。また、カッタ盤は面板型に限定されるものではなく、スポーク型にも適用することができる。
1 シールド掘削機
2 カッタ盤(掘削手段)
3 スキンプレート
3a 前胴プレート
3b 後胴プレート
3c,3ca,3cb,3cc テールブラシ(シール室形成部材)
13 シール室
13−1 第1のシール室
13−2 第2のシール室
14 シール剤供給路
14−1 第1の供給路
14−2 第2の供給路
15 裏込め材供給路
16 圧力計
16a ケーブル
SG セグメント

Claims (4)

  1. 地盤を掘削する掘削手段が進行方向先端に回転可能に設置された筒状のスキンプレートと、
    前記スキンプレートの進行方向後部の内周面において当該進行方向に対して間隔を開けて環状に設けられ、複数のピースで組み立てられたセグメントの外周面と接触して前記スキンプレートの内周面と前記セグメントの外周面との間にシール室を形成する複数のシール室形成部材と、
    前記スキンプレートの軸方向に沿って設けられ、シール剤供給手段から圧送されたシール剤を前記シール室に供給する複数のシール剤供給路と、
    前記スキンプレートの軸方向に沿って当該スキンプレートの外壁に設けられ、前記スキンプレート後方の掘削坑と前記セグメントとの隙間に裏込め材を供給する裏込め材供給路と、
    前記裏込め材供給路内に設置され、前記シール室内のシール剤の圧力を計測する圧力計と、
    前記裏込め材供給路内に敷設され、前記圧力計の計測信号を電送するケーブルと、
    を有することを特徴とするシールド掘削機。
  2. 前記シール室は前記スキンプレートの軸方向に複数箇所形成され、
    前記圧力計は、最後部の前記シール室内のシール剤の圧力を計測する、
    ことを特徴とする請求項1記載のシールド掘削機。
  3. 一部の前記シール剤供給路は前記裏込め材供給路内に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のシールド掘削機。
  4. 前記裏込め材供給路は複数箇所に設けられ、
    前記圧力計はそれぞれの前記裏込め材供給路に設置されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のシールド掘削機。
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