JP2020011922A - イソキノリンの製造方法及びイソキノリンの分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェノール類を高度に低減した高収率のイソキノリン製造方法を提案する。【解決手段】イソキノリンと不純物とを含むイソキノリン混合物からイソキノリンを蒸留分離してイソキノリンを製造するイソキノリンの製造方法である。この製造方法では、イソキノリン混合物を減圧連続蒸留することによりイソキノリンの蒸留分離を行う。イソキノリン混合物は、コールタール由来のイソキノリンを含むものであってもよい。【選択図】図6

Description

本開示は、イソキノリンと不純物とを含む混合物からイソキノリンを蒸留分離する技術に関する。
イソキノリンは工業原料として使用される化合物であり、医薬原料、ポリイミド製造工程の硬化作用剤等に用いられる。工業用途としてイソキノリンは、高収率、高純度、低コストが望まれる。イソキノリンは、原材料や製造工程に応じた不純物を含む。例えば、不純物としてイソキノリンと同族であるキノリン、2−メチルキノリン、8−メチルキノリンなどの塩基性物質のほか、酸性物質としてフェノール類を含む場合がある。
イソキノリンを得る方法として環化合成が知られているが、コスト面から工業的にはコールタールの蒸留留分を硫酸等の鉱酸で抽出後、アルカリで中和して得られる硫酸法粗製キノリン(以下、粗製キノリン)を原料として、次の(1)〜(4)の一連の蒸留工程で製造する方法が一般的に採用されている。これらは、まずキノリンを取得し、その残液からイソキノリンを取得する工程である。
(1)粗製キノリンを回分又は連続法で脱水蒸留し、キノリンより低沸点の水分やピリジン塩基類などを除いて脱水粗製キノリンを製造する工程
(2)脱水粗製キノリンを回分又は連続法で蒸留してキノリンを製造する工程
(3)キノリン製造残液を回分蒸留してイソキノリン留分を製造する工程
(4)イソキノリン留分を回分蒸留してイソキノリンを製造する工程
蒸留によるキノリンやイソキノリンの製造は常圧でも行えるが、常圧で行う場合は塔内が高温となるため、分解、重合などで品質の悪化が生じる恐れがある。したがって、一般に(2),(3),(4)の工程は減圧で行われる。
イソキノリンの品質という観点からは、純度のみでなく、フェノール類の存在が好ましくない。なぜならば、フェノール類は、イソキノリン使用上からも性質の全く異なる異物であるためである。しかしながら、上述したコールタールに由来するイソキノリンは、不純物としてフェノール類を含む。そこで、フェノール類を高度に分離する技術が望まれている。
下記特許文献1では、フェノールを低減したイソキノリンを蒸留によって製造する方法が提案されている。この方法では、まず、粗製キノリンを減圧蒸留してキノリンを留出させる。そして、イソキノリンを含む残液を常圧回分蒸留し、フェノール類を前留として除去する。その後、再度減圧回分蒸留してイソキノリンを製造する。下記特許文献1には、イソキノリン39.53%,フェノール類1.49%を含むキノリン蒸留残液から、回収率87.4%で、純度96.47%かつフェノール類を含まない(0.00%)イソキノリンを取得する点が開示されている。
特開2004−107254号公報
しかしながら上記特許文献1の方法は、常圧蒸留の途中で減圧蒸留する必要があり工程が煩雑であること、及び、フェノール類と共にイソキノリンも留出することから、収率が低いこと、の2つの欠点を有している。
本開示の目的は、フェノール類を高度に低減した高収率のイソキノリン製造方法を提案することである。
本開示の一態様は、イソキノリンと不純物とを含むイソキノリン混合物からイソキノリンを蒸留分離してイソキノリンを製造するイソキノリンの製造方法であって、イソキノリン混合物を減圧連続蒸留することによりイソキノリンの蒸留分離を行う。
このようなイソキノリンの製造方法では、フェノール類を高度に低減したイソキノリンを高収率で製造することができる。イソキノリンは、減圧蒸留により製造すると共沸によりイソキノリンと共にフェノール類が留出することが知られている。一方、常圧蒸留では、フェノール類は前留として除去し得るものの、蒸留塔内が高温となることからイソキノリンに濃い着色が発生する。しかしながら上記連続減圧蒸留の製造方法では、理由は明らかではないが、フェノール類を高度に低減しつつ、着色を抑制することができることがわかった。
本開示の一態様では、イソキノリン混合物は、コールタール由来のイソキノリンを含んでもよい。コールタール由来のイソキノリン混合物は、フェノール類を不純物として含む。上記の製造方法では、このようなイソキノリン混合物から、フェノール類を高度に低減したイソキノリンを製造することができる。
また、イソキノリン混合物は、コールタールを原料とし、少なくとも蒸留工程を経て得られるキノリン含有留分を減圧蒸留してキノリン留分を除いた蒸留残液を含んでもよい。また、イソキノリン混合物は、コールタールを原料とし、少なくとも蒸留工程を経て得られるキノリン含有留分を減圧蒸留して得たイソキノリン留分を含んでもよい。また、イソキノリン混合物は、イソキノリンを精製した後の残液であってもよい。
また本開示の一態様では、減圧連続蒸留における蒸留圧が400mmHg以下であってもよい。このようなイソキノリンの製造方法では、フェノール類を高度に抑制し、高収率で、かつ着色が抑制されたイソキノリンを製造することができる。
本開示の他の一態様は、コールタール由来のイソキノリンと不純物とを含むイソキノリン混合物からイソキノリンを蒸留分離する方法であって、イソキノリン混合物を減圧連続蒸留することによりイソキノリンの蒸留分離を行う。このようなイソキノリンの分離方法では、イソキノリン混合物から、不純物としてのフェノール類の存在を高度に低減し、かつ高収率でイソキノリンを分離することができる。
イソキノリン混合物の製造方法の一例を説明する図である。 イソキノリン混合物の製造方法の一例を説明する図である。 イソキノリン混合物の製造方法の一例を説明する図である。 イソキノリン混合物の製造方法の一例を説明する図である。 イソキノリン混合物の製造方法の一例を説明する図である。 イソキノリンの製造方法の一例を説明する図である。 イソキノリンの製造方法の一例を説明する図である。
以下に、イソキノリン混合物からイソキノリンを蒸留分離する方法を、図面と共に説明する。
<1.イソキノリン混合物>
イソキノリン混合物とは、イソキノリンと、不純物とが混合してなるものである。ここでいう不純物とは、イソキノリン以外の物質を指す。例えば、キノリンやフェノール類を不純物として含むものであってもよい。
イソキノリン混合物を製造する方法は特に限定されない。例えば、コールタール由来の、即ちコールタールを原料として生成されるイソキノリンを含む混合物を、イソキノリン混合物として使用することができる。具体的には、コールタールの蒸留留分を硫酸等の鉱酸で抽出後、アルカリで中和して得られる、コールタール由来の硫酸法粗製キノリン(以下、粗製キノリン)からキノリンを分離した残留物を、イソキノリン混合物として用いてもよい。粗製キノリンは、言い換えると、コールタールを原料として、少なくとも蒸留工程を経て得られる少なくともキノリン及びイソキノリンを含有する留分を含むものである。このようなイソキノリン混合物は、1回の蒸留操作によって得られるものに限らず、複数回の蒸留操作を経て得られるものも含む。またイソキノリン混合物は、蒸留により得られたイソキノリン含有留分と、他の物質との混合物であってもよい。粗製キノリンからキノリンを分離する方法は特に限定されない。またキノリンの分離は必ずしも行う必要はないが、キノリンを分離しておくことにより、最終的に得られるイソキノリンに不純物として存在するキノリンの量を低減することができる。
粗製キノリンから製造されたイソキノリンを含む蒸留留分や残液であれば、様々な組成、濃度、品質のものをイソキノリン混合物として使用できる。また、従来実施されている、粗製キノリンからキノリンを分離した後のイソキノリン精製時の残液もイソキノリン混合物として使用できる。
以下に、イソキノリンの蒸留分離に用いるイソキノリン混合物の製造例を示す。
(i)製造例1
図1に示すように、脱水粗製キノリンを減圧下で回分蒸留してキノリン留分を除くことにより取得された蒸留残液を、イソキノリン混合物として使用できる。脱水粗製キノリンとは、硫酸法粗製キノリンを回分又は連続法で脱水蒸留し、キノリンより低沸点の水分やピリジン塩基類などを除いたものである。この脱水粗製キノリンが、コールタールを蒸留して得られるイソキノリン含有留分に相当する。蒸留残液は低濃度のキノリンとイソキノリン、2−メチルキノリン、8−メチルキノリンや高沸点のメチルキノリン類を多く含んでいる。なお図1において、符号10は蒸留塔、符号11は凝縮器、符号12は加熱器である。以下の図面においても同様である。図中、減圧設備の記載を省略する。以下の図でも同様である。
(ii)製造例2
図2に示すように、脱水粗製キノリンを減圧下で連続蒸留してキノリン留分を除くことにより取得された蒸留残液を、イソキノリン混合物として使用できる。蒸留残液は低濃度のキノリンとイソキノリン、2−メチルキノリン、8−メチルキノリンや高沸点のメチルキノリン類を多く含んでいる。
(iii)製造例3
図3は、減圧連続蒸留によりイソキノリン混合物を製造する例を示す。1段目の第1塔10aの蒸留でキノリンを分離し、2段目の第2塔10bで残液中のキノリンをイソキノリンと共に除去し、キノリン分が極めて少ない蒸留残液を得ることができる。この残留溶液が、イソキノリン混合物の一例である。
(iv)製造例4
図4は、減圧回分蒸留によりイソキノリン混合物を取得する例を示す。脱水粗製キノリンを蒸留してキノリンを取得した後、更に蒸留を続けて、不純物としてキノリン、2−メチルキノリンなどの他、フェノール類を含む60〜85%濃度の粗製イソキノリン留分を取得する。この粗製イソキノリン留分が、イソキノリン混合物の一例である。
(v)製造例5
図5は、減圧連続蒸留によりイソキノリン混合物を取得する例を示す。この例では、製品のキノリンと共に粗製イソキノリンを留分として取得する。この粗製イソキノリン留分が、イソキノリン混合物の一例である。蒸留条件によっても異なるが、ここで得られる粗製イソキノリン留分は60−85%濃度で、不純物としてキノリン、2−メチルキノリンなどのほか、フェノール類を含んでいる。
(vi)その他
粗製イソキノリンの減圧連続蒸留の応用として半連続操作、例えば、粗製イソキノリンを蒸留塔に間歇挿入しても良く、また、残液を間歇抜き出ししても良い。
また、粗製イソキノリン留分からイソキノリンを精製した後の残液をイソキノリン混合物としてもよい。
ところで、図4及び図5から得られるイソキノリン混合物(粗製イソキノリン留分)は、図1から図3の蒸留残液よりもイソキノリンが濃縮されているため、回分蒸留によるイソキノリン精製によっても高純度の製品イソキノリンを得ることができる。例えば、従来法であっても、図4,図5の粗製イソキノリン留分を更に減圧回分蒸留に付して純度95%内外の製品イソキノリンを得ることができる。
しかし、本開示のイソキノリン製造方法では、図4,5のイソキノリン混合物のみでなく、図1から図3の比較的低濃度の粗製イソキノリンを原料とした場合でも、減圧連続蒸留によってフェノール類をほとんど含まない高純度の製品イソキノリンを取得することができる。
<2.イソキノリン混合物の減圧連続蒸留によるイソキノリンの製造>
図6は、原料であるイソキノリン混合物中のキノリン濃度が比較的低い場合に好適な製造例を示す図である。このようなイソキノリン混合物として、例えば、図3で得られた蒸留残液が該当しうる。もちろん、キノリン濃度が高いイソキノリン混合物を用いても分離操作は可能である。図6の場合、減圧連続蒸留塔20の塔頂から高純度イソキノリンを取得できる。
減圧連続蒸留条件は、蒸留塔の性能や粗製キノリン品質によって任意に設定することができる。なお、例えば、理論段数30段以上の蒸留塔を用いて、400mmHg(53.33kPa)以下、還流比5から60程度としてもよい。
図7は、原料であるイソキノリン混合物中のキノリン濃度が比較的高い場合に好適な製造例を示す図である。このようなイソキノリン混合物として、例えば、図1,2,4,5で得られたイソキノリン混合物が該当しうる。図7の場合、減圧連続蒸留塔21の塔頂からキノリンとイソキノリンを留出させ、蒸留塔の中段付近からイソキノリンを取得する。
減圧連続蒸留条件は、蒸留塔の性能や粗製キノリン品質によって任意に設定することができる。なお、例えば、理論段数60段以上の蒸留塔を用いて、400mmHg(53.33kPa)以下、還流比5から200程度としてもよい。この場合、還流比はキノリンの含有量によって大きく左右される。
[実施例1]
図6の減圧蒸留装置を用いて以下の蒸留条件により減圧連続蒸留し、フェノール類を低減したイソキノリンを製造した。結果を表1に示す。
蒸留条件
蒸留塔:理論段数80段
原料挿入段:上から40段
塔頂圧:100mmHg(13.33kPa)
還流比:35
[実施例2]
塔頂圧を400mmHgとした以外は実施例1と同じ条件で減圧連続蒸留し、フェノール類を低減したイソキノリンを製造した。
なお、蒸留条件は、塔頂圧を400mmHgとした以外は、用いたイソキノリン混合物を含め実施例1と同じである。減圧連続蒸留した結果を表2に示す。
[参考例1]
塔頂圧を常圧とした以外は実施例1と同じ方法で常圧連続蒸留した。結果を表3に示す。
[参考例2]
実施例1と同じ原料を用いて減圧下で回分蒸留した。以下の蒸留条件により減圧回分蒸留した結果を表4に示す。
蒸留条件
蒸留塔:直径1,000mm、理論段数80段
原料挿入:20,000kg
塔頂圧:100mmHg(13.33kPa)
還流比:35
<評価>
表1,2に示されるように、実施例1,2にて製造されたイソキノリンには、フェノール類は含まれておらず、ほぼ完全に分離できていた。また、より高度な減圧下で蒸留を行った実施例1は無色透明なイソキノリンを取得することができた。また、実施例1よりは程度の低い減圧下で蒸留を行った実施例2では、淡黄色透明なイソキノリンを取得することができた。
以上のように、フェノール類などの不純物を含むイソキノリン混合物を減圧連続蒸留によって処理することによって、フェノールの含有量を高度に低減し、かつ、着色が抑制されたイソキノリンを、96%を超える高い回収率で製造することができた。
一方、表3,4に示されるように、参考例1,2にて製造されたイソキノリンには、いずれの場合においてもフェノール類の残存が見られた。また、塔頂圧を常圧とした参考例1では、イソキノリンの色が褐色となった。また、回分で蒸留を行った参考例2では、減圧下であるため塔内温度が低い結果、無色透明ではあったが、フェノール類が残存すると共に、イソキノリンの回収率が低くなった。
<3.効果>
(3a)本実施形態のイソキノリン製造方法、即ち、減圧連続蒸留によりイソキノリン混合物からイソキノリンを分離する方法であれば、フェノールを高度に低減しつつ、高収率で、かつ着色が抑制されたイソキノリンを製造することができる。
従来、イソキノリンは、減圧蒸留により製造するとフェノール類が残り、常圧蒸留では色がつく(というのが、一般的な認識であった)。イソキノリンがフェノール類を含む原因は、減圧蒸留の条件下ではフェノール類がイソキノリンと共沸するためと考えられてきた。したがって、減圧蒸留の場合イソキノリンにフェノール類が混入することは避けられないと思われてきた。一方、粗製キノリンを常圧回分蒸留すれば、フェノール類を前留分として分離できるので、フェノール類を含まないイソキノリンを得ることが出来るが、塔内を高温とする必要があるため、分解、重合などで品質悪化となり、例えば着色しやすいという問題があった。
しかしながら、本開示の製造方法では、その理由は必ずしも明らかではないが、フェノール類の高度な分離と着色の抑制を両立することができる。
(3b)コールタールを原材料とするイソキノリンの製造は、コスト面で環化合成などの他の製造方法より有利であるが、フェノールが残り易いという問題があった。本実施形態の製造方法では、フェノールを高度に低減できるため、コールタール由来のイソキノリンを高品質なものとすることができる。
なお、イソキノリン及びフェノール類の合計を100wt%とした場合に、フェノール類の残量は、0.1wt%以下、特に好ましくは0.05wt%以下であることが好ましいが、本実施形態では、フェノール類の残量を0.01wt%以下にすることができる。
<4.その他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り様々な製造方法を採用することができる。
例えば、減圧連続蒸留によりイソキノリン混合物からイソキノリンを分離する方法であれば、具体的なイソキノリン混合物の組成や蒸留条件は特に限定されない。
また例えば、上記実施形態では、イソキノリン混合物はコールタールを蒸留して得られるイソキノリン含有留分を含む構成を例示したが、コールタール由来でなくともよいし、フェノール類を含まないものでもよい。
また、イソキノリン混合物は、コールタールを蒸留して得られるイソキノリン含有留分を含んでもよいが、ここでいう「コールタールを蒸留して得られる」とは、1回の蒸留操作によって得られるものに限らず、複数回の蒸留操作を経て得られるものも含む。またイソキノリン混合物は、蒸留により得られたイソキノリン含有留分と、他の物質との混合物であってもよい。
また、蒸留圧は400mmHgを超えていてもよい。但し、400mmHg以下とすることで着色を抑制することができる。また、実施例では示していないが、250mmHg以下とすることでほぼ着色の見られない透明なイソキノリン混合物が製造できる。蒸留圧を100mmHg以下とすることで、実施例で示したように、高度に透明なイソキノリン混合物が製造できる。
10…蒸留塔、10a…第1塔、10b…第2塔、11…凝縮器、12…加熱器、20…減圧連続蒸留塔、21…蒸留塔

Claims (8)

  1. イソキノリンと不純物とを含むイソキノリン混合物からイソキノリンを蒸留分離してイソキノリンを製造するイソキノリンの製造方法であって、
    前記イソキノリン混合物を減圧連続蒸留することによりイソキノリンの蒸留分離を行う、イソキノリンの製造方法。
  2. 請求項1に記載のイソキノリンの製造方法であって、
    前記イソキノリン混合物は、フェノール類を含む、イソキノリンの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のイソキノリンの製造方法であって、
    前記イソキノリン混合物は、コールタール由来のイソキノリンを含む、イソキノリンの製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のイソキノリンの製造方法であって、
    前記イソキノリン混合物は、コールタールを原料とし、少なくとも蒸留工程を経て得られるキノリン含有留分を減圧蒸留してキノリン留分を除いた蒸留残液を含む、イソキノリンの製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載のイソキノリンの製造方法であって、
    前記イソキノリン混合物は、コールタールを原料とし、少なくとも蒸留工程を経て得られるキノリン含有留分を減圧蒸留して得たイソキノリン留分を含む、イソキノリンの製造方法。
  6. 請求項1又は請求項2に記載のイソキノリンの製造方法であって、
    前記イソキノリン混合物は、イソキノリンを精製した後の残液を含む、イソキノリンの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のイソキノリンの製造方法であって、
    前記減圧連続蒸留における蒸留圧が400mmHg以下である、イソキノリンの製造方法。
  8. コールタール由来のイソキノリンと不純物とを含むイソキノリン混合物からイソキノリンを蒸留により分離する分離方法であって、
    前記イソキノリン混合物を減圧連続蒸留することによりイソキノリンの蒸留分離を行う、イソキノリンの分離方法。
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