JP2020011397A - 木目調シート付き化粧板及びその製造方法 - Google Patents

木目調シート付き化粧板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自然な風合いの木目の質感を呈するとともに木目模様の自由度が高く、コスト面で有利となる、木目調シート付き化粧板を提供する。【解決手段】木目調シート付き化粧板1は、基材10と、木目調シート20とを有する。基材10は構造用合板10aからなる。木目調シート20は、基材10の少なくとも一方の主面101を被覆しているとともに、木目調シート20の意匠面21には木目模様が印刷されている。木目調シート20における木目模様の木目方向は、基材10の主面101における木目方向と一致している。基材10の主面101は、木目を呈する凹状の基材凹部11を複数有する凹凸面形状15を呈している。そして、木目調シート20は、凹凸面形状15に倣って主面101に密着し、意匠面21には、基材凹部11に木目調シート20が入り込んでなる凹状のシート凹部23が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、木目調シート付き化粧板及びその製造方法に関する。
従来、合板からなる下地材に化粧シートを貼り付けて意匠面を形成した化粧材が広く用いられている。そして、特許文献1に開示の構成では、かかる化粧材の下地材における木目や荒れが意匠面に現れないようにするために、下地材表面に塗料塗膜を形成して木目や荒れを覆うことにより下地材表面を平滑化している。これにより、下地材表面の状態にかかわらず、意匠面を平滑とすることができる。
実公平7−34102号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の構成では、木目調の化粧シートを用いた場合には、意匠面が平滑になるため、無垢材のような木目の質感を得ることができない。これに鑑みて、化粧シートにエンボス加工等を施して木目調の凹凸を設けることが考えられるが、機械加工によって形成された凹凸はパターン化されやすく、自然な風合いの木目の質感を呈するには十分でない。一方、合板に替えて無垢材を使用することも考えられるが、板厚が大きいとコストが高くなるとともに、使用する無垢材に依存した木目模様となるために木目模様の自由度が低い。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、自然な風合いの木目の質感を呈するとともに木目模様の自由度が高く、コスト面で有利となる、木目調シート付き化粧板を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、構造用合板からなる基材と、
上記基材の少なくとも一方の主面を被覆しているとともに、意匠面に木目模様が印刷された木目調シートと、を有し、
上記基材の上記主面は、木目を呈する凹状の基材凹部を複数有する凹凸面形状を呈しており、
上記木目調シートにおける木目模様の木目方向は、上記基材の上記主面における木目方向と一致しており、
上記木目調シートは、上記凹凸面形状に倣って上記主面に密着し、上記意匠面には、上記基材凹部に上記木目調シートが入り込んでなる凹状のシート凹部が形成されている、木目調シート付き化粧板にある。
本発明の他の態様は、上記請求項1〜3のいずれか一項に記載の木目調シート付き化粧板の製造方法であって、
上記基材を準備する準備工程と、
上記木目調シートを、上記木目模様の木目方向と上記基材の一方の主面における木目方向とを一致させた状態で、上記基材の一方の主面と上記基材の側面とを覆うように上記木目調シートを引き延ばしつつ上記基材の一方の主面から他方の主面に回り込ませて上記基材に被せ、減圧状態で上記凹凸面形状に倣って上記基材に密着させる被覆工程と、を含む木目調シート付き化粧板の製造方法にある。
構造用合板は通常、木造建築物の壁下地材、床下地材、屋根下地材などとして使用され、化粧板の基材に用いられることはない。しかしながら、本願発明者らは、構造用合板の主面は凹状の基材凹部が複数備えられて木目を呈していることに着目し、上記一態様の木目調シート付き化粧板において、基材として、積極的に構造用合板を採用している。これにより、当該基材の主面を凹状の基材凹部により木目を呈した状態にできる。そして、木目調シートはその意匠面に印刷された木目模様の木目方向と、基材の主面の木目方向とが一致した状態で基材の主面に密着しており、木目調シートが基材凹部に入り込んで木目調シートの意匠面に凹状のシート凹部が形成されている。従って、意匠面において、木目調シートにおける木目模様の木目方向とシート凹部により感得される木目方向とが一致するため、当該木目調シート付き化粧板は自然な風合いの木目の質感を呈することとなる。さらに、木目模様は木目調シートに印刷されたものであるため、無垢材を用いた場合に比べて木目模様の自由度が高い。また、基材が構造用合板からなるため、無垢材を用いた場合に比べてコスト面で有利となる。
また、上記他の態様の木目調シート付き化粧板の製造方法においては、被覆工程において、減圧状態にして上記木目調シートを基材の主面の凹凸面形状に倣って上記基材に密着させているため、プレス等の場合に比べて、木目調シートをより確実に主面の木目を呈する基材凹部に入り込ませることができる。その結果、意匠面に木目模様の木目方向に沿ったシート凹部を確実に形成して、自然な風合いの木目の質感を呈する上記木目調シート付き化粧板を提供することができる。
以上のごとく、本発明によれば、自然な風合いの木目の質感を呈するとともに木目模様の自由度が高く、コスト面で有利となる、木目調シート付き化粧板を提供することができる。
実施形態1における、木目調シート付き化粧板の斜視図。 図1における、II-II線位置での断面一部拡大図。 実施形態1における、貼り付け前の基材及び木目調シートの斜視図。 実施形態1における、木目調シート付き化粧板の製造方法を示す概念図。 実施形態1における、被覆工程を示す第1の概念図。 実施形態1における、被覆工程を示す第2の概念図。
上記木目調シートは、上記基材の一方の主面と、上記基材の両主面をつなぐ側面とを覆うとともに、上記一方の主面から他方の主面に回り込んで該他方の主面の少なくとも一部を覆っていることとすることができる。この場合は、基材の一方の主面のみならず、側面と他方の主面の一部とが木目調シートによって被覆されることにより、側面側から観察しても、基材の側面が視認されずに木目調シートの木目模様が主面と連なった状態で視認されるため、観察者に当該木目調シート付き化粧板があたかも無垢材のような印象を与えることができる。
上記基材の一方の主面に形成された基準値以上の大きさを有する陥没部及び欠損部には、充填剤が充填されていることが好ましい。この場合は、基準値以上の大きさの陥没部及び欠損部が隠ぺいされて意匠面に陥没部及び欠損部が現れないようにするとともに、木目を呈する基材凹部を維持して、意匠面に基材の木目に沿ったシート凹部をより正確に形成することができる。その結果、一層自然な風合いの木目の質感を呈することができる。
上記基材凹部の最大深さは0.2〜3.5mmの範囲内にあることが好ましい。この場合は、意匠面において基材の木目に沿ったシート凹部が適度な深さで形成されて視認されやすくなるため、一層自然な風合いの木目の質感を呈することができる。
また、上記木目調シート付き化粧板の製造方法において、上記準備工程後、上記被覆工程の前に、上記基材の一方の主面における基準値以上の大きさを有する陥没部及び欠損部に充填剤を充填する補修工程を含むことが好ましい。この場合は、基材に木目調シートを被覆する前に、基準値以上の大きさの陥没部及び欠損部に充填剤を充填することにより、確実に陥没部及び欠損部を隠ぺいして意匠面に陥没部及び欠損部が現れないようにすることができる。
(実施形態1)
木目調シート付き化粧板の実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態の木目調シート付き化粧板1は、基材10と、木目調シート20とを有する。
図2、図3に示すように、基材10は構造用合板10aからなる。
図2に示すように、木目調シート20は、基材10の少なくとも一方の主面101を被覆しているとともに、図3に示すように、木目調シート20の意匠面21には木目模様22が印刷されている。
図3に示すように、木目調シート20における木目模様22の木目方向Pは、基材10の主面101における木目方向Qと一致している。
図2に示すように、基材10の主面101は、木目を呈する凹状の基材凹部11を複数有する凹凸面形状15を呈している。
そして、木目調シート20は、凹凸面形状15に倣って主面101に密着し、意匠面21には、基材凹部11に木目調シート20が入り込んでなる凹状のシート凹部23が形成されている。
なお、主面とは、板状物においては最も広い面積を有する一対の面のそれぞれを指す。本実施形態では、図4(a)に示す構造用合板10aの表側面と裏側面とが主面101、102となる。
以下、本実施形態の木目調シート付き化粧板1について、詳述する。
本実施形態の木目調シート付き化粧板1は、収納家具等の棚板、テーブル等の天板や、その他建具を構成する板材として使用することができる。
木目調シート付き化粧板1の基材10を構成する構造用合板10aは、日本農林規格(JAS)で規定された構造用合板である。構造用合板10aは、図4(a)に示すように、単板を複数枚重ねて接着剤で互いに接着した合板である。なお、図示しないが、各単板は繊維方向(すなわち、木目方向)が直交するように積層されている。構造用合板10aは、通常、表面の単板と裏面の単板とは木目方向が同方向となっているがこれに限らない。
上記JASでは、構造用合板における板面の品質をA〜Dに分類しているが、本実施形態における構造用合板10aでは板面の品質は特に限定されず、建築物に通常使用されるC−C、C−Dとすることができる。なお、C−Dなどのように表面と裏面における板面の品質が異なる場合は、品質の高い方を木目調シート20で被覆する主面101とすることが好ましい。また、上記JASでは構造用合板における接着の程度を特類と1類に分類しているが、本実施形態における構造用合板10aでは特に限定されない。また、上記JASでは構造用合板の強度を1級、2級に分類しているが、本実施形態における構造用合板10aでは、強度の等級も特に限定されず、コスト低減を図る目的で2級を採用することができる。また、より高い強度を要する場合にはより強度の高い1級を採用することができる。
図3に示すように、構造用合板10aは長板状をなしている。構造用合板10aの大きさは限定されないが、短辺の長さ×長辺の長さは、例えば、910mm×1820mm、910mm×2440mm、910mm×2730mm、910mm×3030mmなどの規格化された長さとすることができる。また、構造用合板10aの厚さも限定されないが、例えば、9mm、12mm、15mm、18mm、24mm、28mmなどの規格化された厚さとすることができる。なお、構造用合板10aは規格化サイズのものを用途に応じて適宜切り出して所望のサイズにしてもよい。本実施形態では、構造用合板10aの長辺に平行な方向を長手方向Yとし、短辺に平行な方向を幅方向Xとし、長手方向Y及び幅方向Xに直交する方向を厚さ方向Zとする。
図2に示すように、構造用合板10aからなる基材10の一方の主面101は、凹凸面形状15を呈している。凹凸面形状15は、複数の基材凹部11及び基材凸部12を有する。基材凹部11は凹状に形成されて概ね長手方向Yに延びている。基材凹部11はそれぞれ幅方向Xに並んでおり、隣り合う基材凹部11の間に凸状の基材凸部12が形成されて、主面101上に木目を形成している。なお、基材凹部11は、構造用合板10aの最外層を形成する単板の春材11aに相当する部分によって形成され、基材凸部12は夏材12aに相当する部分によって形成されている。基材凹部11の深さは特に限定されないが、基材凹部11の最大深さH0(すなわち、基材凸部12の頂点と基材凹部11の底点との厚さ方向における距離)は、0.2〜3.5mmの範囲内にあり、0.2〜2.0mの範囲内にあることが好ましい。
なお、凹凸面形状15は、基材凹部11及び基材凸部12以外の凹部又は凸部を含んでいてもよい。本実施形態では、図2に示すように基材10の主面101には、割れ14が形成されている。割れ14には充填剤30が充填されており、充填剤30の表面は基材凹部11と滑らかに連なっている。
図2に示すように、基材10の主面101には、木目調シート20が貼り付けられている。木目調シート20の材料は特に限定されないが、樹脂製とすることができる。例えば、木目調シート20の材料として、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などを採用することができ、本例では、塩化ビニル製の樹脂シートを採用している。
また、実施形態では、図4(c)に示すように、木目調シート20は、基材10の一方の主面101の全域を覆うとともに、当該主面101に繋がる側面103の全域を覆っており、基材10の他方の主面102の縁部を覆うように他方の主面102に回り込んでいる。木目調シート20において、基材10の主面101に対向する面と反対側の面が表出して意匠面21を形成している。なお、木目調シート20における主面101に対向する面には図示しない接着剤が塗布されており、主面101との密着状態が維持されている。なお、基材10と木目調シート20との間には、両者間の接着性を高めるためのプライマーが含まれていてもよい。
図3に示すように、木目調シート20の意匠面21には、木目模様22が印刷形成されている。本実施形態では、木目模様22は長手方向Yに延びるように形成されている。木目模様22の形状は特に限定されず、所望の木目模様を採用することができる。そして、木目模様22における木目方向Pは、基材10の主面101における木目方向Qと一致している。
次に、木目調シート付き化粧板1の製造方法について説明する。
本実施形態の木目調シート付き化粧板1の製造方法は、図4(a)〜図4(c)に示す準備工程S1、補修工程S2、被覆工程S3を含む。
図4(a)に示す準備工程S1において、基材10を用意する。本実施形態では、基材10を構成する構造用合板10aとして、24mm厚の針葉樹合板(杉)の特類、板面品質C−D種を採用した。なお、板面品質Cの面を木目調シート20を貼り付ける主面101とする。
次いで、図4(b)に示す修復工程S2では、基材10の主面101に基準値以上の大きさの欠損部・陥没部があるか否か検査し、基準値以上の大きさの欠損部・陥没部が見つかった場合は当該欠損部・陥没部に所定の充填剤を充填する。本実施形態では、図2に示すように、欠損部・陥没部としての割れ14の深さH1が基準値以上の大きさであるため、割れ14に所定の充填剤30を充填する。充填剤の種類は特に限定されないが、硬化後の硬度が基材10と同程度となるものが好ましい。
修復工程S2における「欠損部・陥没部の大きさ」とは、欠損部・陥没部の長手方向Yや幅方向Xの大きさとしてもよいし、厚さ方向Zの深さとしてもよい。パテの充填回数は特に限定されないが、1回充填して乾燥後の状態を観察して欠損部・陥没部の大きさがいまだ基準値以上であれば、再度充填するようにしてもよい。基材10の主面101に形成された欠損部・陥没部としては、割れ14のほかに、抜け節、生節、死節、ひび割れ、エッジの欠け、傷などが含まれる。なお、充填後の欠損部・陥没部は、基準値未満の軽度の凹みが残存する状態であることが好ましい。充填後の欠損部・陥没部を過度に平面化すると、木目調シート20で被覆して後、意匠面21において当該部分が周囲から浮いたように観察されて不自然になってしまうからである。
修復工程S2における上記基準値は、基材凹部11の最大深さH0(図2参照)よりも大きい値であって、欠損部・陥没部の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、基準値は、欠損部・陥没部が節である場合には構造用合板10aの表層を貫通して下層が表出する深さ以上としたり、欠損部・陥没部が割れである場合には割れ幅1.0mm以上としたり、欠損部・陥没部がエッジの欠けの場合には欠けの大きさがエッジに沿って3.0mm以上かつ内方に3.0mm以上としたりすることができる。なお、基準値以上の大きさの欠損部・陥没部がない場合は、充填剤30の充填をせずに後述の被覆工程S3を行う。本実施形態では、陥没部・欠損部の修復を除き、構造用合板10aの表面を平滑化することなく、構造用合板10aが実質的にそのまま基材10として用いられる。そのため、基材10の主面101、102の凹凸面形状は構造用合板10aの主面の凹凸面形状を実質的に引き継いだものとなっている。
修復工程S2の後、図4(c)に示す被覆工程S3では、木目調シート20を、図3に示すように、木目模様22の木目方向Pと基材10の一方の主面101における木目方向Qとを一致させた状態で、図4(c)に示すように基材10の一方の主面101と側面103とを覆うように、木目調シート20を引き延ばしつつ基材10の一方の主面101から他方の主面102に回り込ませて基材10に被せ、減圧状態で木目調シート20を凹凸面形状15に倣って基材10に密着させる。なお、図4(c)では、木目方向P、Qはいずれも、図4(c)における紙面前後方向となっている。
本実施形態では、被覆工程S3は、図5(a)〜図6(b)に示す真空成型機5を用いて、以下のように行う。図5(a)に示すように、真空成型機5は上側チャンバーボックス51と下側チャンバーボックス52とに上下に分割されたチャンバーボックス50を有する。まず、下側チャンバーボックス52の内側に設けられた台53に基材10を載置すると共に、上側チャンバーボックス51と下側チャンバーボックス52との間に、外周部全周を枠体54に保持された木目調シート20を配置する。これにより、上下に分かれたチャンバーボックス50の境目に木目調シート20が位置してチャンバーボックス50内が上下2つの空間に分割される。そして、上下2つの空間それぞれを密封状態とする。その後、上下2つの密封空間内を両方とも真空状態にし、また、木目調シート20を変形可能に加熱し、上記真空状態を維持したまま基材10を載置した台53を上昇させて、基材10の主面101によって木目調シート20を押し上げる。これにより、一枚物の木目調シート20は初期の状態からほぼ全面が引き延ばされた状態となる。その後、下側チャンバーボックス52内の空間を真空状態に維持しつつ、上側チャンバーボックス51内の空間を大気圧に戻す。これにより、その圧力差を利用して、木目調シート20をさらに引き延ばして基材10の側面103の全面及び他方の主面102の一部を、引き延ばした状態で覆うように回り込ませる。そして、図示しないが、下側チャンバーボックス52内の空間を大気圧に戻した後、基材10の他方の主面102の縁部の内側で余分な木目調シート20を切りとって、被覆工程S3を完了する。
以上のように、各工程S1〜S3を行うことにより、木目調シート付き化粧板1が完成する。なお、被覆工程S3の後に、基材10の他方の主面102に、図示しない木目調シートを貼り付けて主面102が露出しないようにしてもよい。
次に、本実施形態の木目調シート付き化粧板1における作用効果について、詳述する。
本実施形態の木目調シート付き化粧板1においては、従来は木造建築物の壁下地材、床下地材、屋根下地材などとして使用されて化粧板の基材として用いられることのなかった構造用合板10aを基材10として積極的に採用している。構造用合板10aの主面101は凹状の基材凹部11が複数備えられて木目を呈していることから、構造用合板10aを基材10として採用することにより、基材10の主面101を凹状の基材凹部11により木目を呈した状態にできる。そして、木目調シート20はその意匠面21に印刷された木目模様22の木目方向Pと、基材10の主面101の木目方向Qとが一致した状態で基材10の主面101に密着しており、木目調シート20が基材凹部11に入り込んで木目調シート20の意匠面22に凹状のシート凹部23が形成されている。従って、意匠面21において、木目調シート20における木目模様22の木目方向Pとシート凹部23により感得される木目方向Qとが一致するため、木目調シート付き化粧板1は自然な風合いの木目の質感を呈することとなる。さらに、木目模様22は木目調シート20に印刷形成されたものであるため、無垢材を用いた場合に比べて、木目模様22の自由度が高い。また、基材10が構造用合板10aからなるため、無垢材を用いた場合に比べてコスト面で有利となる。
また、本実施形態では、木目調シート20は、基材10の一方の主面101と、基材10の両主面101、102をつなぐ側面103とを覆うとともに、一方の主面101から他方の主面102に回り込んで他方の主面102の少なくとも一部を覆っている。これにより、基材10の一方の主面101のみならず、側面103と他方の主面102の一部とが木目調シート20によって被覆されることにより、側面側から観察しても、基材10の側面103が視認されずに木目調シート20の木目模様22が主面101と連なった状態で視認されるため、観察者に木目調シート付き化粧板1があたかも無垢材のような印象を与えることができる。
また、本実施形態では、基材10の一方の主面101に形成された基準値以上の大きさを有する陥没部及び欠損部としての割れ14には、充填剤が充填されている。これにより、基準値以上の大きさの割れ14が隠ぺいされて意匠面21に割れ14が現れないようにするとともに、木目を呈する基材凹部11を維持して、意匠面21に基材10の木目に沿ったシート凹部23をより正確に形成することができる。その結果、一層自然な風合いの木目の質感を呈することができる。
また、本実施形態では、基材凹部11の最大深さH0が0.2〜3.5mmの範囲内にあるようにしている。これにより、意匠面21において基材10の木目に沿ったシート凹部23が適度な深さで形成されて視認されやすくなるため、一層自然な風合いの木目の質感を呈することができる。
本実施形態の木目調シート付き化粧板1の製造方法においては、被覆工程S3において、木目調シート20を引き延ばしつつ基材10の主面101及び側面103を覆って他方の主面102に回り込ませて、減圧状態で木目調シート20を基材10の主面101の凹凸面形状15に倣って基材10に密着させている。そのため、プレス等の場合に比べて、木目調シート20をより確実に主面101の木目を呈する基材凹部11に入り込ませることができる。その結果、意匠面21に木目模様22の木目方向Pに沿ったシート凹部23を確実に形成して、自然な風合いの木目の質感を呈する木目調シート付き化粧板1を提供することができる。
また、本実施形態では、木目調シート付き化粧板1の製造方法は、準備工程S1後、被覆工程S3の前に、基材10の一方の主面101における基準値以上の大きさを有する陥没部及び欠損部に充填剤を充填する補修工程S2を含んでいる。これにより、基材10に木目調シート20を被覆する前に、基準値以上の大きさの陥没部及び欠損部に充填剤を充填することにより、確実に陥没部及び欠損部を隠ぺいして意匠面21に陥没部及び欠損部が現れないようにすることができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、自然な風合いの木目の質感を呈するとともに木目模様22の自由度が高く、コスト面で有利となる、木目調シート付き化粧板1を提供することができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 木目調シート付き化粧板
10 基材
10a 構造用合板
11 基材凹部
20 木目調シート
21 意匠面
22 木目模様
23 シート凹部
P、Q 木目方向

Claims (6)

  1. 構造用合板からなる基材と、
    上記基材の少なくとも一方の主面を被覆しているとともに、意匠面に木目模様が印刷された木目調シートと、を有し、
    上記基材の上記主面は、木目を呈する凹状の基材凹部を複数有する凹凸面形状を呈しており、
    上記木目調シートにおける木目模様の木目方向は、上記基材の上記主面における木目方向と一致しており、
    上記木目調シートは、上記凹凸面形状に倣って上記主面に密着し、上記意匠面には、上記基材凹部に上記木目調シートが入り込んでなる凹状のシート凹部が形成されている、木目調シート付き化粧板。
  2. 上記木目調シートは、上記基材の一方の主面と上記基材の両主面をつなぐ側面とを覆うとともに、上記一方の主面から他方の主面に回り込んで該他方の主面の少なくとも一部を覆っている、請求項1に記載の木目調シート付き化粧板。
  3. 上記一方の主面に形成された基準値以上の大きさを有する陥没部及び欠損部には、充填剤が充填されている、請求項1又は2に記載の木目調シート付き化粧板。
  4. 上記基材凹部の最大深さが、0.2〜3.5mmの範囲内にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の木目調シート付き化粧板。
  5. 上記請求項1〜4のいずれか一項に記載の木目調シート付き化粧板の製造方法であって、
    上記基材を準備する準備工程と、
    上記木目調シートを、上記木目模様の木目方向と上記基材の一方の主面における木目方向とを一致させた状態で上記基材の一方の主面と上記基材の側面とを覆うように、上記木目調シートを引き延ばしつつ上記基材の一方の主面から他方の主面に回り込ませて上記基材に被せ、減圧状態で上記木目調シートを上記凹凸面形状に倣って上記基材に密着させる被覆工程と、を含む木目調シート付き化粧板の製造方法。
  6. 上記準備工程後、上記被覆工程前に、上記基材の一方の主面における基準値以上の大きさを有する陥没部及び欠損部に充填剤を充填する補修工程を含む、請求項5に記載の木目調シート付き化粧板の製造方法。
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