JP2020009938A - 画像処理装置、実装装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、実装装置、画像処理方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】マークの認識時間を短縮すると共に認識処理に対するマークの誤差の影響を減らすこと。【解決手段】サーチ画像(50)に対してテンプレートマッチングを実施して、サーチ画像に含まれるマーク(M)を認識する画像処理装置(40)であって、マークの複数箇所に対する複数のサーチ画像を取得する取得部(41)と、マークの複数箇所に対応した複数のテンプレート画像(52)を記憶する記憶部(42)と、サーチ画像からテンプレート画像のマッチング箇所を抽出する抽出部(43)と、複数のテンプレート画像のマッチング箇所からマークの重心位置(51)を算出する算出部(44)とを備える構成にした。【選択図】図4

Description

本発明は、テンプレートマッチングに使用される画像処理装置、実装装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
従来、実装装置として画像処理によって基板上のマークを認識する画像処理装置を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の画像処理装置では、テンプレートマッチングによって基板上のマークが認識される。この場合、基板上のマークに対応したテンプレート画像が用意されており、実装ヘッドに搭載された撮像装置によって基板上のマークが撮像されて、撮像画像をサーチ画像にしてテンプレート画像が探索される。そして、サーチ画像とテンプレート画像の類似度が高くなるマッチング箇所が探し出されることで基板上のマークが認識される。
特開2012−114181号公報
しかしながら、特許文献1の記載の画像処理装置では、撮像装置の画像枠サイズ以上のマークを認識することができない。また、画像枠サイズにマークが収まったとしても、サイズが大きなマークを認識するのに時間がかかっていた。さらに、マークの傾きやサイズの誤差の影響によって認識精度が低下していた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、マークの認識時間を短縮すると共に認識処理に対するマークの誤差の影響を減らすことができる画像処理装置、実装装置、画像処理方法及びプログラムを提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様の画像処理装置は、サーチ画像に対してテンプレートマッチングを実施して、サーチ画像に含まれるマークを認識する画像処理装置であって、前記マークの複数箇所に対する複数のサーチ画像を取得する取得部と、前記マークの複数箇所に対応した複数のテンプレート画像を記憶する記憶部と、前記サーチ画像から前記テンプレート画像のマッチング箇所を抽出する抽出部と、前記複数のテンプレート画像のマッチング箇所から前記マークの重心位置を算出する算出部とを備えることを特徴とする。
本発明の一態様の画像処理方法は、サーチ画像に対してテンプレートマッチングを実施して、サーチ画像に含まれるマークを認識する画像処理方法であって、前記マークの複数箇所に対する複数のサーチ画像を取得するステップと、前記マークの複数箇所に対応した複数のテンプレート画像のマッチング箇所を前記複数のサーチ画像から抽出するステップと、前記複数のテンプレート画像のマッチング箇所から前記マークの重心位置を算出するステップとを備えることを特徴とする。
これらの構成によれば、マークの一部分をサーチ画像としてテンプレートマッチングするため、サイズが大きなマークであってもマークを認識することができ、マークの重心位置を精度よく算出することができる。また、サーチ画像及びテンプレート画像の面積が小さいため、マッチング処理を高速化して短時間で認識することができる。さらに、サーチ画像内のマークとテンプレート画像のズレが小さくなるため、マッチング処理に対するマークの傾きやサイズの誤差の影響を減らすことができる。このように、認識アルゴリズムを大幅に変更することなく、マークの認識時間を短縮することができる。
上記の画像処理装置において、前記複数のテンプレート画像がマーク外縁の複数箇所に対応した画像であり、前記複数のテンプレート画像の重心位置に前記マーク外縁の複数箇所と同一形状が位置する。この構成によれば、マーク外縁にマッチングした複数のテンプレート画像の重心位置からマークの重心位置を容易に算出することができる。
上記の画像処理装置において、前記マーク外縁の複数箇所が互いに点対称となる2箇所である。この構成によれば、マーク外縁にマッチングした2つのテンプレート画像の重心位置を結ぶ直線の中点をマークの重心位置として算出することができる。
上記の画像処理装置において、前記記憶部が前記マークの他の複数箇所に対応した予備のテンプレート画像を記憶しており、前記マークの複数箇所のいずれかにマッチング不能な欠陥がある場合に、前記取得部が前記マークの他の複数箇所に対する複数のサーチ画像を取得して、前記抽出部が当該サーチ画像から予備のテンプレート画像のマッチング箇所を抽出する。この構成によれば、マークの一部分が欠損や汚れ等によってマッチング不能な場合であっても、マークの他の部分をサーチ画像としてテンプレートマッチングしてマークを認識することができる。
上記の画像処理装置において、前記マークの他の複数箇所は、前記マークの複数箇所を全体的に90度回転した箇所である。この構成によれば、マークの欠損や汚れ等を回避した他の複数箇所をサーチ画像としてテンプレートマッチングすることができる。
本発明の一態様の実装装置は、上記に記載の画像処理装置と、基板上の前記マークの複数箇所を撮像した撮像画像を前記複数のサーチ画像として前記画像処理装置に入力する撮像装置とを備え、前記画像処理装置で前記サーチ画像から前記マークの重心位置を算出して、前記マークの重心位置を基準にして前記基板上に座標系を設定することを特徴とする。この構成によれば、サーチ画像に対するテンプレート画像のマッチング処理が高速化されるため、実装装置全体のスループットを向上することができる。
本発明の一態様のプログラムは、サーチ画像に対してテンプレートマッチングを実施して、サーチ画像に含まれるマークを認識する画像処理装置のプログラムであって、前記マークの複数箇所に対する複数のサーチ画像を取得するステップと、前記マークの複数箇所に対応した複数のテンプレート画像のマッチング箇所を前記複数のサーチ画像から抽出するステップと、前記複数のテンプレート画像のマッチング箇所から前記マークの重心位置を算出するステップとを、前記画像処理装置に実行させることを特徴とする。この構成によれば、画像処理装置にプログラムをインストールすることで、サーチ画像に対するテンプレート画像のマッチング処理を高速化することができる。
本発明によれば、マークの一部分をサーチ画像としてテンプレートマッチングすることで、マークの認識時間を短縮すると共に認識処理に対するマークの誤差の影響を減らすことができる。
本実施の形態の実装装置全体を示す模式図である。 本実施の形態の実装ヘッド周辺を示す模式図である。 比較例のマッチング動作の説明図である。 本実施の形態の画像処理装置のブロック図である。 本実施の形態の四角マークのテンプレートマッチングの一例である。 本実施の形態の円マークのテンプレートマッチングの一例である。 本実施の形態の画像処理方法のフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態の実装装置について説明する。図1は、本実施の形態の実装装置全体を示す模式図である。図2は、本実施の形態の実装ヘッド周辺を示す模式図である。図3は、比較例のマッチング動作の説明図である。なお、本実施の形態の実装装置は一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
図1に示すように、実装装置1は、フィーダ13によって供給された部品P(図2参照)を、実装ヘッド30によって基板Wの所定位置に実装するように構成されている。実装装置1の基台10には、X軸方向に基板Wを搬送する基板搬送部11が配設されている。基板搬送部11は、X軸方向の一端側から部品実装前の基板Wを実装ヘッド30の下方に搬入して位置決めし、部品実装後の基板WをX軸方向の他端側から装置外に搬出している。また、基板搬送部11を挟んだ両側には、複数のフィーダ13がX軸方向に横並びに配置されたフィーダバンク12が分離可能に連結されている。
フィーダ13にはテープリール14が着脱自在に装着され、テープリール14には多数の部品Pをパッケージングしたキャリアテープが巻回されている。フィーダ13は、装置内のスプロケットホイールの回転によって、実装ヘッド30にピックアップされる供給位置に向けて順番に部品Pを送り出している。実装ヘッド30の供給位置では、キャリアテープから表面のカバーテープが剥離され、キャリアテープのポケット内の部品Pが外部に露出される。なお、本実施の形態では、フィーダ13としてテープフィーダを例示したが、他のフィーダを備えていてもよい。
基台10上には、一対の実装ヘッド30をX軸方向及びY軸方向に水平移動させる移動機構20が設けられている。移動機構20は、Y軸方向に延びる一対のY軸駆動部21と、X軸方向に延びるX軸駆動部22とを有している。一対のY軸駆動部21は基台10の四隅に立設した支持部(不図示)に支持されており、X軸駆動部22は一対のY軸駆動部21にY軸方向に移動可能に設置されている。また、X軸駆動部22上には実装ヘッド30がX軸方向に移動可能に設置され、X軸駆動部22とY軸駆動部21とによって実装ヘッド30が水平移動されてフィーダ13からピックアップした部品Pが基板Wの所望の位置に実装される。
図2に示すように、実装ヘッド30は、X軸駆動部22(図1参照)に支持されたヘッド本体31に複数の吸着ノズル32(本実施の形態では1つのみ図示)を設けて構成されている。各吸着ノズル32は、ノズル駆動部33を介してヘッド本体31に支持されており、ノズル駆動部33によってZ軸方向に上下動すると共にZ軸回りに回転する。各吸着ノズル32は吸引源(不図示)に接続されており、吸引源からの吸引力によって部品Pを保持する。吸着ノズル32にはコイルバネが設けられており、コイルバネを収縮させながら吸着ノズル32に吸着された部品Pを基板Wに搭載している。
ヘッド本体31には、基板Wからの高さを検出する高さ測定センサ34(図1参照)や、部品形状の認識や吸着ミスの検知を実施する部品認識部35が設けられている。高さ測定センサ34では、検査光の反射によって基板Wから吸着ノズル32までの距離が検出され、検出結果に基づいて吸着ノズル32の上下方向の移動量が制御される。部品認識部35では、発光部36と受光部37とが水平方向で対向され、発光部36からの光が部品Pで遮光された遮光状態から部品形状や吸着ミス等が検査される。なお、部品認識部35は、発光部から受光部に向かってLED光が発光されてもよいし、発光部から受光部に向かってLED光が発光されてもよい。
ヘッド本体31には、基板W上のマークMを真上から撮像する基板撮像部38(撮像装置、図1参照)と、吸着ノズル32による部品Pの搭載動作を斜め上方から撮像する部品撮像部39とが設けられている。基板撮像部38では、マークMの撮像画像に基づいて基板Wに座標系が設定されると共に、基板Wの位置や反り等が認識される。部品撮像部39では、フィーダ13に対する部品Pの吸着前後が撮像される他、基板Wに対する部品Pの搭載前後が撮像される。これら撮像画像によって、吸着ノズル32による部品Pの吸着有無、基板Wにおける部品Pの搭載有無が検査される。
また、実装装置1には、テンプレートマッチングによって基板撮像部38の撮像画像から基板WのマークM(図1参照)を認識する画像処理装置40が設けられている。画像処理装置40に基板W上のマークMが認識されると、マークMの重心位置を基準とした座標系が設定され、座標系の実装位置まで実装ヘッド30が動かされて基板Wに対して部品Pが実装される。このような基板W上のマークMとして、低解像度の基板撮像部38にも対応するようにサイズを大きくしたものが知られている。マークMのサイズを大きくすることで、低解像度の撮像画像であってもマークMの重心位置を精度よく求めることが可能になっている。
しかしながら、図3Aの比較例に示すように、一般的なマッチング処理ではマークM全体を含むサーチ画像60に対してテンプレート画像62を走査しながら類似度が計算される。このため、サーチ画像60及びテンプレート画像62の面積に応じて類似度の計算量が急激に増加する。ここでは、テンプレート画像62がマークM全体に対応して形成されているため、マッチング処理の負担が増加してマークMの認識時間が長くなる。また、マークMのサイズが基板撮像部38(図1参照)の画像枠サイズ以上だと、テンプレートマッチングによってマークMを認識することができない場合がある。
また、図3Bの比較例に示すように、マークMの傾きやサイズの誤差によってテンプレート画像62とマークMに相対的なズレが発生する。この相対的なズレ量はテンプレート画像62とマークMの面積が大きくなるにつれて増加し、ズレ量が規定量を超えることでマッチング処理にエラーが生じてマークMを認識できない場合がある。マークMを認識できたとしても、テンプレート画像62を回転させたり、伸縮させたりしてサーチ画像60に対してマッチング処理を繰り返さなければならず、マッチング処理の負担がさらに増加してマークMの認識時間が長くなる。
本実施の形態では、マークM全体を一度にマッチング処理するのに比べて、マークMの複数箇所を数回に分けてマッチング処理する方が認識時間を短縮できる点に着目し、マークMの複数箇所に対してテンプレートマッチングしている(図5参照)。マークMに対して部分的にサーチ箇所が設けられているため、マッチング処理の負担が減少すると共に、マッチング処理に対するマークMの傾きやサイズの誤差の影響が抑えられている。マッチング処理の負担やマークMの誤差の影響が低減されるため、マークMの認識時間を短縮させることが可能になっている。
以下、図4から図6を参照して、画像処理装置の制御構成について説明する。図4は、本実施の形態の画像処理装置のブロック図である。図5は、本実施の形態の四角マークのテンプレートマッチングの一例である。図6は、本実施の形態の円マークのテンプレートマッチングの一例である。なお、図4のブロック図には、画像処理装置が簡略化して記載されているが、画像処理装置が通常備える構成については備えているものとする。
図4に示すように、画像処理装置40には基板撮像部38が接続され、基板撮像部38で基板W上のマークMを撮像してサーチ画像50とし、画像処理装置40でサーチ画像50に対してテンプレートマッチングを実施してサーチ画像50に含まれるマークMを認識している。マークMの複数箇所がサーチ画像50としてテンプレートマッチングされ、複数のマッチング箇所からマークMの重心位置51が求められることで、マークMの重心位置51に基準にした座標系が基板W上に設定される。画像処理装置40には、取得部41、記憶部42、抽出部43、算出部44が設けられている。
基板撮像部38は、基板W上のBOCマーク等のマークMの上方に位置付けられ、基板W上のマークMの複数箇所の撮像画像を複数のサーチ画像50として画像処理装置40に入力している。基板撮像部38は、マークMの複数箇所を個別に撮像して、複数の撮像画像をサーチ画像50として画像処理装置40に出力してもよいし、マークM全体を一度に撮像して、マークM全体の撮像画像の複数箇所をサーチ画像50として画像処理装置40に出力してもよい。なお、基板撮像部38としては、認識力が高いOCC照明を採用したOCCカメラが使用されてもよい。
取得部41では、基板撮像部38からマークMの複数箇所に対する複数のサーチ画像50が取得される。記憶部42には、マークMの複数箇所に対応した複数のテンプレート画像52が記憶されている。例えば、複数のテンプレート画像52は、マーク外縁の複数箇所に対応した画像であり、複数のテンプレート画像52の重心位置53(図5及び図6参照)にマーク外縁の複数箇所と同一形状が位置している。これにより、サーチ画像50のマーク外縁にテンプレート画像52がマッチングしたときに、マーク外縁に対してテンプレート画像52の重心位置53が位置付けられる。
抽出部43では、複数のサーチ画像50から複数のテンプレート画像52のマッチング箇所が抽出される。この場合、各サーチ画像50に対して各テンプレート画像52が走査されながら、サーチ画像50とテンプレート画像52が重なった箇所の画像の類似度が計算される。そして、類似度が最も高い位置、すなわちサーチ画像50とテンプレート画像52の差分が0、又は最も小さな位置がマッチング箇所として抽出される。なお、類似度計算としては、例えば、SSD(Sum of Squared Difference)法や、SAD(Sum of Absolute Difference)法が用いられる。
算出部44では、複数のサーチ画像50に対するテンプレート画像52のマッチング箇所からマークMの重心位置51が算出される。上記したように複数のテンプレート画像52がマーク外縁の複数箇所に対応している場合には、テンプレートマッチングによってマーク外縁にテンプレート画像52の重心位置53が位置付けられて、テンプレート画像52の重心位置53からマークMの重心位置51が算出される(図5B参照)。特に、マーク外縁の複数箇所が互いに点対称の2箇所である場合には、マーク外縁にマッチングした2つのテンプレート画像52の重心位置53を結ぶ直線の中点がマークMの重心位置51として算出される。
ところで、マークMの欠損や汚れがある場合には、サーチ画像50とテンプレート画像52の類似度が極端に低くなって、マッチング箇所を抽出することができない場合がある。このため、画像処理装置40では、マークMに対するサーチ箇所を変更して、マークMの欠陥箇所を避けた他の複数箇所でテンプレートマッチングをリトライしてもよい。マークMの他の複数箇所としては、例えば、マークMの複数箇所を全体的に90度回転した箇所が選択される。より詳細には、マークMの複数箇所の中間位置を中心にして、マークMの複数箇所を90度回転させた箇所が他の複数箇所になっている。
この場合、記憶部42には、マークMの他の複数箇所に対応した予備のテンプレート画像52が記憶されている。そして、取得部41でマークMの他の複数箇所に対する複数のサーチ画像50が基板撮像部38から取得され、抽出部43で複数のサーチ画像50から複数の予備のテンプレート画像52のマッチング箇所が抽出される。このように、マークMの一部分が欠損や汚れ等によってマッチング不能な場合であっても、欠陥を避けたマークMの他の部分がサーチ画像50としてテンプレートマッチングされて、基板W上のマークMの重心位置51が精度よく算出される。
また、画像処理装置40の各部は、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成されている。なお、本実施の形態では、画像処理装置40が実装装置1(図1参照)の内部に組み込まれているが、画像処理装置40が実装装置1とは別体に設置されていてもよい。また、画像処理装置40によって実行される画像処理方法のプログラムは、実装装置1のメモリに記憶されてもよいし、画像処理装置40のメモリに記憶されてもよい。
図5Aに示すように、四角マークM1のテンプレートマッチングでは、四角マークM1の対角に対応したテンプレート画像52a、52bが用意されている。テンプレート画像52a、52bには四角マークM1の角部に対応した角形状が含まれており、角形状の頂点に対応する位置がテンプレート画像52a、52bの重心位置53a、53bになっている。四角マークM1の対角部分の複数のサーチ画像50a、50bに対してテンプレート画像52a、52bが走査され、サーチ画像50a、50b内でテンプレート画像52a、52bに対して最も類似度が高い箇所が抽出される。
図5Bに示すように、テンプレート画像52aによって四角マークM1の右上の角部がマッチング箇所として抽出され、テンプレート画像52bによって四角マークM1の左下の角部がマッチング箇所として抽出される。テンプレート画像52a、52bのマッチング箇所では、テンプレート画像52a、52bの重心位置53a、53bが四角マークM1の角部の頂点に一致している。このため、テンプレート画像52a、52bの重心位置53a、53bを結ぶ直線の中点から四角マークM1の重心位置51abが算出され、この重心位置51abを基準にした座標系が基板W上に設定される。
このとき、サーチ画像50a、50b及びテンプレート画像52a、52bの面積が小さいため、マッチング処理に要する類似度の計算量が低減されている。また、図5Cに示すように、四角マークM1の傾きに誤差があっても、四角マークM1とテンプレート画像52a、52bのズレ量が大きくなることがなく、四角マークM1の傾きが類似度の算出結果に大きな影響を与えることがない。このため、テンプレート画像52a、52bの回転や伸縮させてテンプレートマッチングを繰り返す必要がない。このように、認識アルゴリズムを大幅に変更することなく、四角マークM1を短時間で認識することが可能になっている。
図6Aに示すように、円マークM2のテンプレートマッチングでは、円中心を挟んだマーク外縁の対向部に対応してテンプレート画像52c−52fが用意されている。テンプレート画像52c−52fはマーク外縁の右上部、左下部、左上部、右下部にそれぞれ対応している。テンプレート画像52c、52dは通常時に用いられ、テンプレート画像52e、52fは予備として用いられる。マーク外縁の右上部及び左下部で通常のテンプレート画像52c、52dでテンプレートマッチングが失敗したときに、マーク外縁の左上部及び右下部で予備のテンプレート画像52e、52fでテンプレートマッチングが実施される。
テンプレート画像52c−52fにはマーク外縁に対応した円弧形状が含まれており、円弧形状の中点に対応する位置がテンプレート画像52c−52fの重心位置53c−53fになっている。ここでは、円マークM2の右上部が直線状に切り欠かれて欠損しており、テンプレート画像52cには欠損がない円弧形状が含まれるため、マーク外縁の右上部とテンプレート画像52cが十分に対応していない。円マークM2の右上部及び左下部のサーチ画像50c、50dに対してテンプレート画像52c、52dが走査され、サーチ画像50c、50d内でテンプレート画像52c、52dに対して最も類似度が高い箇所が抽出される。
図6Bに示すように、円マークM2の欠損箇所がサーチ画像50cに含まれるため、テンプレート画像52cによってマーク外縁の右上部がマッチング箇所として抽出されず、テンプレート画像52dによってマーク外縁の左下部だけがマッチング箇所として抽出される。このため、円マークM2の欠損箇所を避けるように、円マークM2のサーチ箇所がマーク外縁の右上部及び左下部から左上部と右下部に変更される。また、通常のテンプレート画像52c、52dから予備のテンプレート画像52e、52fに変更されてテンプレートマッチングが再実施される。
図6Cに示すように、テンプレート画像52eによって円マークM2の左上部がマッチング箇所として抽出され、テンプレート画像52fによって円マークM2の右下部がマッチング箇所として抽出される。テンプレート画像52e、52fのマッチング箇所では、テンプレート画像52e、52fの重心位置53e、53fが円マークM2の重心位置51efを挟んだ対向位置に一致している。このため、テンプレート画像52e、52fの重心位置53e、53fを結ぶ直線の中点から円マークM2の重心位置51efが算出され、この重心位置51efを基準にした座標系が基板W上に設定される。
円マークM2のテンプレートマッチングにおいても、四角マークM1のテンプレートマッチングと同様に認識アルゴリズムを大幅に変更することなく、円マークM2の認識時間を短縮することが可能になっている。また、円マークM2のサーチ箇所が右上部及び左下部から左上部及び右下部に全体的に90度回転した位置に変更されるため、円マークM2の欠損を回避した位置でテンプレートマッチングが実施される。なお、四角マークM1のテンプレートマッチングにおいても、予備のテンプレート画像を用意して、四角マークM1のサーチ箇所にマッチング不能な欠陥がある場合に、サーチ箇所を変更してテンプレートマッチングを実施してもよい。
図7を参照して、画像処理方法について説明する。図7は、本実施の形態の画像処理方法のフローチャートである。なお、図7の説明においては図1及び図4の符号を適宜使用して説明する。なお、画像処理装置の記憶部には予備のテンプレート画像も記憶されているものとする。
図7に示すように、マークMの認識処理が開始されると、実装ヘッド30が動かされて基板撮像部38によって基板W上のマークMの複数箇所が撮像される(ステップS01)。基板撮像部38で撮像された複数の撮像画像は、マークMの複数のサーチ箇所を示す複数のサーチ画像50として画像処理装置40に入力される(ステップS02)。画像処理装置40では、記憶部42からマークMの複数箇所に対応した複数のテンプレート画像52が入力され、複数のサーチ画像50に対して複数のテンプレート画像52のマッチング処理が実施される(ステップS03)。
マッチング処理ではサーチ画像50でテンプレート画像52が走査されながら類似度が計算され、各テンプレート画像52で規定量以上の類似度が得られるか否かが判定される(ステップS04)。いずれかのテンプレート画像52で類似度が規定量以上にならない場合(ステップS04でNo)、マークMの欠陥によってマッチング箇所が抽出されていないテンプレート画像52が存在すると判断される。この場合、マークMのサーチ箇所が変更され(ステップS05)、予備のテンプレート画像52を用いてステップS01からステップS04の処理が繰り返される。
一方で、各テンプレート画像52で類似度が規定量以上になる場合(ステップS04でYes)、各テンプレート画像52でマッチング箇所が抽出されていると判断される。そして、複数のテンプレート画像52のマッチング箇所からマークMの重心位置51が算出されて(ステップS06)、マークMの重心位置51を基準にして基板W上に座標系が設定される(ステップS07)。このようにして、基板W上に座標系が設定されることで、座標系に基づいて実装ヘッド30の移動位置が制御され、基板W上の所望の実装位置に部品Pが実装される。
以上のように、本実施の形態の画像処理装置40では、マークMの一部分をサーチ画像50としてテンプレートマッチングするため、サイズが大きなマークMであってもマークMを認識することができ、マークMの重心位置51を精度よく算出することができる。また、サーチ画像50及びテンプレート画像52の面積が小さいため、マッチング処理を高速化して短時間で認識することができる。さらに、サーチ画像50内のマークMとテンプレート画像52のズレが小さくなるため、マッチング処理に対するマークMの傾きやサイズの誤差の影響を減らすことができる。このように、認識アルゴリズムを大幅に変更することなく、マークMの認識時間を短縮することができる。
なお、本実施の形態において、マークの2箇所から重心位置が算出される構成にしたが、この構成に限定されない。マークの複数箇所から重心位置が算出されればよく、例えば、マークの3つ以上の箇所から重心位置が算出されてもよい。したがって、取得部によってマークの3つ以上の箇所に対する3箇所以上のサーチ画像が取得され、記憶部によってマークの3つ以上の箇所に対応した3箇所以上のテンプレート画像が記憶されてもよい。
また、本実施の形態において、マークとして四角マーク、円マークを例示して説明したが、この構成に限定されない。マークはテンプレートマッチングに使用されるものであればよく、リングマーク、クロスマーク等の点対称形状のマークでもよいし、三角マーク等の線対称形状のマークでもよい。
また、本実施の形態において、複数のテンプレート画像がマーク外縁の複数画像に対応した画像である構成について説明したが、この構成に限定されない。複数のテンプレート画像は、マークの認識可能な特定形状を含む画像であればよい。
また、本実施の形態において、複数のテンプレート画像の重心位置にマーク外縁の複数箇所と同一形状が位置する構成にしたが、この構成に限定されない。マーク外縁の複数箇所と同一形状がテンプレート画像内に存在していればよく、重心位置から外れていてもよい。
また、本実施の形態において、マークの複数箇所のいずれかにマッチング不能な欠陥がある場合に、マークのサーチ箇所を全体的に90度回転した箇所を新たなサーチ箇所としてテンプレートマッチングする構成にしたが、この構成に限定されない。マークの欠陥箇所を避けた箇所を、新たなサーチ箇所としてテンプレートマッチングすればよい。
また、本実施の形態において、基板に部品を実装する実装装置に画像処理装置を設けた構成について説明したが、この構成に限定されない。画像処理装置は、テンプレートマッチングが実施される加工装置に設けられていればよく、例えば、基板にペースト状の半田を印刷する印刷装置、半田の印刷状態を検査する検査装置、半田を溶かして部品付けするリフロー装置等に設けられてもよい。
また、本実施の形態において、基板は各種部品を実装可能なものであればよく、プリント基板に限定されず、治具基板上に載せられたフレキシブル基板であってもよい。
また、本実施の形態のプログラムは記憶媒体に記憶されてもよい。記録媒体は、特に限定されないが、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の非一過性の記録媒体であってもよい。
また、本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
さらに、上記実施形態では、サーチ画像に対してテンプレートマッチングを実施して、サーチ画像に含まれるマークを認識する画像処理装置であって、マークの複数箇所に対する複数のサーチ画像を取得する取得部と、マークの複数箇所に対応した複数のテンプレート画像を記憶する記憶部と、サーチ画像からテンプレート画像のマッチング箇所を抽出する抽出部と、複数のテンプレート画像のマッチング箇所からマークの重心位置を算出する算出部とを備えることを特徴とする。この構成によれば、マークの一部分をサーチ画像としてテンプレートマッチングするため、サイズが大きなマークであってもマークを認識することができ、マークの重心位置を精度よく算出することができる。また、サーチ画像及びテンプレート画像の面積が小さいため、マッチング処理を高速化して短時間で認識することができる。さらに、サーチ画像内のマークとテンプレート画像のズレが小さくなるため、マッチング処理に対するマークの傾きやサイズの誤差の影響を減らすことができる。このように、認識アルゴリズムを大幅に変更することなく、マークの認識時間を短縮することができる。
以上説明したように、本発明は、マークの認識時間を短縮すると共に認識処理に対するマークの誤差の影響を減らすことができるという効果を有し、特に、基板上のマークを認識する画像処理装置、実装装置、画像処理方法、プログラムに有用である。
1 :実装装置
38 :基板撮像部
40 :画像処理装置
41 :取得部
42 :記憶部
43 :抽出部
44 :算出部
50 :サーチ画像
51 :マークの重心位置
52 :テンプレート画像
53 :テンプレート画像の重心位置
M :マーク
P :部品
W :基板

Claims (8)

  1. サーチ画像に対してテンプレートマッチングを実施して、サーチ画像に含まれるマークを認識する画像処理装置であって、
    前記マークの複数箇所に対する複数のサーチ画像を取得する取得部と、
    前記マークの複数箇所に対応した複数のテンプレート画像を記憶する記憶部と、
    前記サーチ画像から前記テンプレート画像のマッチング箇所を抽出する抽出部と、
    前記複数のテンプレート画像のマッチング箇所から前記マークの重心位置を算出する算出部とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記複数のテンプレート画像がマーク外縁の複数箇所に対応した画像であり、
    前記複数のテンプレート画像の重心位置に前記マーク外縁の複数箇所と同一形状が位置することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記マーク外縁の複数箇所が互いに点対称となる2箇所であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記記憶部が前記マークの他の複数箇所に対応した予備のテンプレート画像を記憶しており、
    前記マークの複数箇所のいずれかにマッチング不能な欠陥がある場合に、前記取得部が前記マークの他の複数箇所に対する複数のサーチ画像を取得して、前記抽出部が当該サーチ画像から予備のテンプレート画像のマッチング箇所を抽出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記マークの他の複数箇所は、前記マークの複数箇所を全体的に90度回転した箇所であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像処理装置と、
    基板上の前記マークの複数箇所を撮像した撮像画像を前記複数のサーチ画像として前記画像処理装置に入力する撮像装置とを備え、
    前記画像処理装置で前記サーチ画像から前記マークの重心位置を算出して、前記マークの重心位置を基準にして前記基板上に座標系を設定することを特徴とする実装装置。
  7. サーチ画像に対してテンプレートマッチングを実施して、サーチ画像に含まれるマークを認識する画像処理方法であって、
    前記マークの複数箇所に対する複数のサーチ画像を取得するステップと、
    前記マークの複数箇所に対応した複数のテンプレート画像のマッチング箇所を前記複数のサーチ画像から抽出するステップと、
    前記複数のテンプレート画像のマッチング箇所から前記マークの重心位置を算出するステップとを備えることを特徴とする画像処理方法。
  8. サーチ画像に対してテンプレートマッチングを実施して、サーチ画像に含まれるマークを認識する画像処理装置のプログラムであって、
    前記マークの複数箇所に対する複数のサーチ画像を取得するステップと、
    前記マークの複数箇所に対応した複数のテンプレート画像のマッチング箇所を前記複数のサーチ画像から抽出するステップと、
    前記複数のテンプレート画像のマッチング箇所から前記マークの重心位置を算出するステップとを、前記画像処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。
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