JP2020008033A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description
オイルパン内のオイル溜まりのオイルを吸入するオイルポンプと、
前記オイル溜まりよりも上方に位置する回転体と、
前記回転体を収容するケース部材と、を有し、
前記回転体の回転側面に対向する前記ケース部材の内壁面には、複数の段差部が設けられている。
図2は、ケース部材1に収容される各要素の配置を示す図である。
図1に示すように、ケース部材1は、動力伝達装置を構成する要素を収容する、回転体室2、ギヤ室4およびバルブ室6を備える。
図2に示すように、ケース部材1を車両に搭載した際、バルブ室6が車両の前方側、ギヤ室4が車両の後方側に配置され、回転体室2がバルブ室6およびギヤ室4に対して車両の上方側に配置される。以下、車両の前後方向および上下方向を基準として、ケース部材1を説明する。
回転体室2は、図1に示した一側面側に開口21が設けられている。ギヤ室4およびバルブ室6は、図1に示した一側面とは反対の側面側に、開口(不図示)が設けられている。
図2において、回転体室2に収容される要素は実線で示し、ギヤ室4およびバルブ室6に収容される要素は破線で示している。
内壁面24aの側面は略垂直方向に延びる面であるが、ギヤ室4側の側面の一部には、垂直方向に対して斜めに傾いた傾斜面27、28が形成されている。
傾斜面は、隣り合うボルト穴25aと25bの間に形成された傾斜面27と、隣り合うボルト穴25bと25cに形成された傾斜面28が形成される。傾斜面28は傾斜面27よりも水平方向に対する傾斜角度が小さく、すなわち傾斜面27よりも緩やかな傾斜となっている。
図3は、図1のAの拡大図である。
図1および図3に示すように、段差部29は、傾斜面27、28の面上から突出する複数のリブ29aで構成される。複数のリブ29aは、軸線X2の周方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている。各リブ29aは、断面視で半円形状、上面視で長方形状であり、回転体室2の底壁部22側から開口21側に延びる。複数のリブ29aを形成することにより、傾斜面27、28は平坦面ではなく凹凸が付いた面となっている。
コントロールバルブボディCの上部にオイルポンプPが取り付けられ、コントロールバルブボディCの下部にオイルを濾過するストレーナSが取り付けられている。ストレーナSは、バルブ室6の下端開口部から下方に突出し、オイルパン8内に収容されている。
実線の矢印はバルブ室6から回転体室2へのオイルOLの流れを示し、破線の矢印は回転体室2からバルブ室6へのオイルOLの流れを示す。
オイルポンプPを動作させると、オイル溜まりOPのオイルOLを、ストレーナSを通過させてオイルポンプP内に吸引する。オイルポンプPは、吸引したオイルOLを加圧してコントロールバルブボディCに供給する。
一方、オイルOLの高温時に、プライマリプーリPaおよびセカンダリプーリPbの回転によって攪拌されるとオイルOLが泡立つことがある。泡立ったオイルOLにはエアが混入している。オイルOLが泡立った状態のままオイルパン8に戻り、再びオイルポンプPに吸引されるとエア吸いが発生するおそれがある。
(1)オイルパン8内のオイル溜まりOPのオイルOLを吸入するオイルポンプPと、
オイル溜まりOPよりも上方に位置するプライマリプーリPaおよびセカンダリプーリPb(回転体)と、
プライマリプーリPaおよびセカンダリプーリPbを収容するケース部材1と、を有し、
プライマリプーリPaおよびセカンダリプーリPbの回転側面RSに対向するケース部材1の内壁面24aには、複数の段差部29が設けられている。
段差部29を鋳ぬきでケース部材1と一体的に成形することができるため、段差部29の製造コストを抑えることができる。また、段差部29をリブ29aとすることによって、回転体室2の周壁部24の厚みが増すため、ケース部材1の強度を保ちやすい。
内壁面24aの隣り合う2つのボルト穴25a、25bまたは25b、25cの間は平坦な面となり、オイルOLの流れが速くなりがちなので、この位置に段差部29を設けることでオイルOLの流れを遅くすることができる。
回転側面RSに対向する内壁面24aは傾斜角の異なる複数の面を有しているが、段差部29をケース部材1の内壁面24aの中で最も傾斜角の小さい傾斜面28に設ける。もともとオイルOLの流れの最も遅い部分の距離を延ばすことになり、より泡立った油がオイル溜まりOPまでに戻る時間を長くすることができるようになり効果的である。
図5は、変形例1に係る段差部29を示す図である。
前記の実施の形態では、段差部29を、軸線X2の径方向から見て長方形状のリブ29aとしたが、段差部29はオイルOLの流れる距離を長くすることができれば良く、実施の形態の例に限られない。
くさび形状のリブ29bは、軸線X2の周方向における幅(以下、単に「周方向幅」という)が、軸線X2の軸方向左端側(底壁部22側)から軸方向右端側(開口21側)に向かって先細りし、かつ傾斜面27、28からの突出高さが軸線X2の軸方向左端側(底壁部22側)から軸線X2の軸方向右端側(開口21側)に向かって低くなっている。
くさび形状のリブ29bがある場合、一部のオイルOLは実施の形態と同様にくさび形状のリブ29bを乗り越えるように流れるが、また一部のオイルOLはくさび形状のリブ29bが形成する傾斜面30を底壁部22側から開口21部側に向かって斜め方向に流れ、突出高さの低い開口21側でリブ29bを乗り越えて下方に向かって流れやすくなる。
(5)複数の段差部29は、上方から段差部29に流れてくるオイルOLを軸線X2の周方向に対して斜め方向(斜め方向)に流す傾斜面30を有する。
ケース部材1の内壁面24aにおいてオイルOLを斜め方向に流すことで、直線的にオイルOLが流れるよりも距離を長くすることができ泡立ちをより低減することができる。
オイルOLが流れる傾斜面30の傾きを、ケース部材1の内壁面24aの傾きよりも緩やかにすることにより、斜め方向に流れるオイルOLの流速を遅くすることができ、オイルOLがオイル溜まりOPに戻るまでの時間を長くすることができる。
段差部29を、ケース部材1の内壁面24aを削って溝をつくる場合や、事後的に内壁面24aにリブ29bを接合するのであればどのような形状でも作製することが可能であるが、このような場合は工数やコストが増加する。段差部29を、ケース部材1の開口21側に向って徐々に周方向幅が狭くなるくさび形状とすれば、ケース部材1を鋳抜きで作製するにあたり、段差部29も同時に作製が可能である。これによって、製造工数および製造コストを低減することができる。また、段差部29の高さを高くしようとする場合に溝を深くする場合は強度に影響が出る可能性があるが、リブ29bを高くするならば強度への影響を低減することができるので好ましい。
図6は、変形例2に係る段差部29を示す図である。
図6に示すように、変形例2では、複数の段差部29が、第1形状と第2形状の2種類のリブ29c、29dが混在した構成となっている。
第1形状と第2形状のリブ29c、29dは、実施の形態と同様に、上面視で長方形状であり、断面視で半円状である。
第2形状のリブ29dは、セカンダリプーリPbの回転側面RSから視た場合において、軸線X2の軸方向右端側(開口21側)から軸方向中央に向かって下方に傾斜するように配置されている。
第1形状と第2形状のリブ29c、29dは、傾斜面27、28の上端側から下端側に向かって交互に隙間を空けて配置されている。第1形状のリブ29cの右端部と第2形状のリブ29dの左端部は、上下方向(軸線X2の周方向)において重なるように配置されている。
(8)複数の段差部29は、上方から段差部29に流れてくるオイルOLを軸線X2の周方向に対して斜め方向(斜め方向)に流す傾斜面31、32を有する。
ケース部材1の内壁面24aにおいてオイルOLを斜め方向に流すことで、直線的にオイルOLが流れるよりも距離を長くすることができ泡立ちをより低減することができる。
オイルOLが流れる傾斜面31、32の傾きを、ケース部材1の内壁面24aの傾きよりも緩やかにすることにより、斜め方向に流れるオイルOLの流速を遅くすることができ、オイルOLがオイル溜まりOPに戻るまでの時間を長くすることができる。
2 回転体室
4 ギヤ室
6 バルブ室
8 オイルパン
21 開口
22 底壁部
23a、23b 貫通部
24 周壁部
24a 内壁面
25、25a、25b、25c ボルト穴
26 連通孔
27、28 傾斜面
29 段差部
29a リブ
29b くさび形状のリブ
29c 第1形状のリブ
29d 第2形状のリブ
30、31、32 傾斜面
Pa プライマリプーリ
Pb セカンダリプーリ
V ベルト
RS 回転側面
F ファイナルギヤ
C コントロールバルブボディ
P オイルポンプ
S ストレーナ
OL オイル
OP オイル溜まり
X1、X2、X3 軸線
Claims (6)
- オイルパン内のオイル溜まりのオイルを吸入するオイルポンプと、
前記オイル溜まりよりも上方に位置する回転体と、
前記回転体を収容するケース部材と、を有し、
前記回転体の回転側面に対向する前記ケース部材の内壁面には、複数の段差部が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1において、
前記複数の段差部は、上方から前記段差部に流れてくるオイルを斜め方向に流す傾斜面を有することを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項2において、
前記傾斜面の傾きは、前記ケース部材の内壁面の傾きよりも緩やかに設定されていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項2又は請求項3において、
前記複数の段差部は、くさび形状のリブであることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記複数の段差部は、前記回転体の回転側面に対向する前記ケース部材の前記内壁面の中で最も傾斜角の小さい傾斜面に設けられていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
前記複数の段差部は、前記複数の段差部を前記回転側面から視た場合において、左側から中央に向って傾斜する第1形状と、右側から中央に向って傾斜する第2形状と、が混在して構成されており、前記第1形状と前記第2形状とは中央において上下に互いに重なる部分を有することを特徴とする動力伝達装置。
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