JP2020007799A - 耐火断熱シート、耐火断熱シートの製造方法及び防炎耐熱材 - Google Patents
耐火断熱シート、耐火断熱シートの製造方法及び防炎耐熱材 Download PDFInfo
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Description
即ち、
本発明(1)は、
熱膨張性黒鉛と水酸化アルミニウムとを担持する繊維シートと、ケイ酸ナトリウムと、リン又はリン化合物とを含む耐火断熱シートであって、
前記耐火断熱シートの吸水率が35〜85%である、耐火断熱シートである。
前記吸水率は前記耐火断熱シートを、常温常湿の環境下に1時間静置したのち、常温の水に2分間浸漬した後の吸水量の変化率を表わし、吸水前の重量をa、吸水後の重量をbとした場合に下式1で表される。
(式1) 吸水率(%)=(b−a)/b×100
本発明(2)は、
前記繊維シートの空隙率が、30%〜90%である、前記発明(1)の耐火断熱シートである。
本発明(3)は、
前記繊維シートが、有機繊維と無機繊維とを含む繊維シートである、前記発明(1)又は(2)の耐火断熱シートである。
本発明(4)は、
前記有機繊維と前記無機繊維との質量比が、1:1〜6:1である、前記発明(3)の耐火断熱シートである。
本発明(5)は、
前記有機繊維が、パルプである、前記発明(3)又は(4)の耐火断熱シートである。
本発明(6)は、
前記リン又はリン化合物の固形分と前記ケイ酸ナトリウムとの固形分の質量比が、100:0.5〜100:20であることを特徴とする、前記発明(1)〜(5)のいずれかの耐火断熱シートである。
本発明(7)は、
少なくとも、熱膨張性黒鉛と水酸化アルミニウムとを担持する繊維シートを形成する繊維シート形成工程と、
リン又はリン化合物を含む、ケイ酸ナトリウム水溶液を調製するケイ酸ナトリウム水溶液調製工程と、
前記繊維シートに、前記ケイ酸ナトリウム水溶液を含浸する含浸工程と、
前記ケイ酸ナトリウム水溶液を含浸した繊維シートを乾燥する乾燥工程とを含む、
ことを特徴とする前記発明(1)〜(6)のいずれか一項に記載の耐火断熱シートの製造方法である。
本発明(8)は、
前記繊維シート形成工程が、繊維シートを抄造する工程を含むことを特徴とする、前記発明(7)の製造方法である。
本発明(9)は、
建材として用いられる防炎耐熱材であって、
前記防炎耐熱材は、基材と、前記(1)〜(6)のいずれかの耐火断熱シートを含み、
前記耐火断熱シートが、前記基材の少なくとも一つの表面に、直接又はその他の層を介して、1層以上積層されることを特徴とする、防炎耐熱材である。
本発明にかかる耐火断熱シートは、熱膨張性黒鉛と水酸化アルミニウムとを担持する繊維シートを含み、さらに、ケイ酸ナトリウムと、リン又はリン化合物とを含むことを特徴とする。ケイ酸ナトリウム、及び、リン又はリン化合物は、通常、繊維シートを構成する繊維間や繊維シート表面に付着、あるいは繊維シートを構成する繊維内に浸透した形で存在する。
空隙率(%)=(1−耐火断熱シートの質量/(耐火断熱シートの体積×耐火断熱シートの密度))×100
なお、空隙率は、使用する繊維の太さ、量、繊維が交絡した材料の密度、圧縮成形における圧力、熱膨張性黒鉛及び水酸化アルミニウムの含有量、ケイ酸ナトリウム水溶液(リン又はリン化合物を含む)の含浸量等によって調整することができる。
(式1) 吸水率(%)=(b−a)/b×100
なお、ここで「常温」とは20℃±15℃の範囲とし、「常湿」とは、相対湿度45〜85%の範囲とする(JIS Z8703に準拠する)。
本願発明の繊維シートの構造は、特に限定されず、公知のものとすることができる。例えば、織布、不織布(繊維を抄造したものも含む)とすることができる。後述するが、本願発明にかかる繊維シートは、不織布の繊維シートであることが好ましく、さらに湿式抄造により形成された抄造紙状の繊維シートであることがより好ましい。湿式抄造の場合には、繊維を分散させた水中に熱膨張性黒鉛及び水酸化アルミニウムを分散させることで、容易に、熱膨張性黒鉛及び水酸化アルミニウムを担持した繊維シートを作製することができる。
空隙率(%)=(1−繊維シートの質量/(繊維シートの体積×繊維シートの密度))×100
なお、空隙率は、使用する繊維の太さ、量、繊維が交絡した材料の密度、圧縮成形における圧力等によって調整することができる。
本発明にかかる熱膨張性黒鉛は、膨張開始温度を超えて加熱された場合に、膨張する膨張材料であり、断熱材として、例えば、後述する方法によって繊維シートに担持される。
本発明にかかる水酸化アルミニウムは、繊維シートの防火性を向上させるために、後述する方法によって繊維シートに担持される。
本発明にかかる耐火断熱シートは、ケイ酸ナトリウムと、リン又はリン化合物とを含む。本発明にかかる耐火断熱シートは、例えば、ケイ酸ナトリウムと、リン又はリン化合物とを含むケイ酸ナトリウム水溶液を調製し、前記繊維シートに塗布や含浸などさせた後に、乾燥させることで耐火断熱シートとすることができる。
本発明にかかる耐火断熱シートは、ケイ酸ナトリウムを含む。ケイ酸ナトリウムは、Na2O・nSiO2・mH2Oの分子式で表される。係数nはSiO2・Na2Oのモル比であり、SiO2及びNa2O成分の重量比とモル比の関係は次の式2で示される。
(式2)モル比=(c/d)×1.032
ここで、cはSiO2の質量、dはNa2Oの質量であり、定数である1.032は、SiO2の分子量とNa2Oの分子量の比である。一般に、製造されているケイ酸ナトリウムのモル比(n値)は、0.5〜5.0である。
本発明にかかるリン又はリン化合物は、耐火断熱シートの強度の増加や防火性能を向上させるために用いられる。リン又はリン化合物としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類などのポリリン酸塩;等が挙げられる。これらのうち一つ、又は、複数を組み合せて用いることができる。難燃性や耐火断熱シートの強度の向上、安全性、コスト等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
本発明にかかる耐火断熱シートは、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の成分として耐火断熱シートで使用される公知の成分等を含有可能である。また、後述する繊維シート形成工程やケイ酸ナトリウム水溶液調製工程等で使用された成分等を含む場合がある。
以下に、耐熱シートの性質を示す評価方法について詳述する。
耐火断熱シートのこわさは、繊維シートに一定の荷重を付加して、押し曲げた際の、たわみ量であり、その抵抗能力を示すものである。いわゆる、紙における「こし」を意味する。耐火断熱シートのこわさは、耐火断熱シート表面に表層シートを貼りつけて使用する場合の表層シートをサポートする能力の指標である。こわさが大きいと表面強度が高くなり、施工作業の効率を高くすることができる。
耐火断熱シートの表面強度は、公知の方法で測定することができ、例えば、JIS L0849:2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」に記載されている摩擦試験機II形(学振形)法に準拠して測定することができる。
耐火断熱シートの総発熱量測定(不燃性・断熱性評価)は、公知の方法で測定できる。例えば、建築基準法の不燃材料等の評価に用いられるコーンカロリーメーターによる発熱性試験(不燃性評価)により、測定することができる。この測定値が低いほど不燃性が高いことを示し、熱を伝え難い(断熱性が高い)ことを示す。本評価において20分間燃焼せず、総発熱量が8MJ/m2未満である場合には、建築基準法によって不燃材料として認められる。
3−1.繊維シート形成工程
繊維シート形成工程は、公知の方法で行うことができ、特に限定されない。例えば、織布とする場合には、シャットル織機、レピア織機、グリッパー織機等の織機を用いて繊維シートとすることができる。また不織布とするには、カーディング方式、エアレイド方式等の乾式法、紙のように漉いて形成する湿式抄造法、スパンボンド法、メルトブロー法等のフリース形成法;サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流絡合法)、ステッチボンド法、スチームジェット法等のフリース結合法が挙げられる。
本発明にかかる繊維シートの製造方法は、例えば公知の抄紙方法により製造することができる。例えば、一つ又は複数の繊維、必要に応じて他の成分を水に分散させて原料スラリーを調製し、得られた原料スラリーを湿式抄紙して繊維シートを得る。
ケイ酸ナトリウム水溶液調製工程は、公知の方法で行うことができ、特に限定されない。例えば、容器内の水に、所定量のケイ酸ナトリウムを溶解させケイ酸ナトリウム水溶液を調製し、その後、所定量のリン又はリン化合物と、必要に応じてその他の成分とを、ケイ酸ナトリウム水溶液に溶解又は分散させることができる。なお、リン又はリン化合物を含むリン含有液状組成物を調製した後に、ケイ酸ナトリウムやその他の成分を溶解又は分散させ、ケイ酸ナトリウム水溶液としてもよいし、ケイ酸ナトリウム水溶液とリン含有液状組成物とを別々に調製した上で混合し、ケイ酸ナトリウム水溶液としてもよい。
本発明にかかる耐火断熱シートの製造工程におけるケイ酸ナトリウム、及び、リン又はリン化合物の付与は、公知の方法により行うことができ、特に限定されない。例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液を用いて、前記繊維シートにケイ酸ナトリウム、及び、リン又はリン化合物を付与する方法が挙げられる。
本発明にかかる乾燥工程は、ケイ酸ナトリウム水溶液を乾燥するために行われる。乾燥方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、自然乾燥、減圧乾燥、対流型熱乾燥(例えば、自然対流型熱乾燥、強制対流型熱乾燥)、輻射型乾燥(例えば、近赤外線乾燥、遠赤外線乾燥)、紫外線硬化乾燥、電子線硬化乾燥、ベーポキュア等が挙げられる。また、これら複数を組み合わせてもよい。
本発明にかかる耐火断熱シートは、耐火断熱材として用いられる用途であれば、特に限定されない。例えば、防火シャッタースクリーン装置のスクリーン材、建物の梁・柱などの建築材料を火災時の熱から保護するシート、防炎耐熱材のような壁耐火用途、鉄骨耐火用途等に用いられる。本発明の耐火断熱シートは、厚さが薄くても効果を有するので、建材として用いられる防炎耐熱材としての用途が好適である。
本発明にかかる防炎耐熱材は、本発明の耐火断熱シートと、基材として合板、中密度繊維板(MDF)、木毛セメント板等の建材とを含む防炎耐熱材である。主に建材として、建築物の防炎性・耐熱性を高めるために用いられる。
本発明にかかる防炎耐熱材の構造は特に限定されないが、例えば、前記建材等の少なくとも一つの表面に、直接又はその他の層を介して、本発明の耐火断熱シートを、積層した構造である。また、各層間には、接着剤層を設けることができ、さらに表層シート等を積層させることができる。また、耐火断熱シートは、1層のみ積層された構造{例えば、図2(a)に示された構造}であってもよいし、2層以上積層された構造{例えば、図2(b)に示された構造}であってもよい。
本発明の防炎耐熱材は、優れた防炎性・耐熱性を有する。前記防炎性・耐熱性の評価は前述した耐火断熱シートの総発熱量測定(不燃性評価)と同じ方法で評価することができる。
本発明の防炎耐熱材の製造方法を説明する。本発明の防炎耐熱材は、基材の少なくとも一つの表面に、本発明の耐火断熱シートを積層させ、固定することで製造することができる。
<繊維シートの形成>
・実施例1〜8及び比較例1
平均粒径150μm以下の(JIS Z8801−1の公称目開き150μmのメッシュを通過させた)の熱膨張性黒鉛を30質量%;平均粒径が10μm以下の(JIS Z8801−1の公称目開き10μmのメッシュを通過させた)水酸化アルミニウム粉体を40質量%;繊維長2.0mm、繊維径10μmの木質パルプ20質量%;繊維長3.0mm、繊維径7μmガラス繊維を10質量%;を水中で離解・分散し、スラリーを調製した。
前記スラリーのスラリー濃度を調整して湿式抄造を実施し、全ての実施例及び比較例の繊維シートとした。作製した繊維シートの厚さは、0.49mmであり、空隙率は71.9%であった。得られた繊維シートは、実施例1〜6及び比較例1の耐火断熱シートの繊維シートとして用いた。
・実施例7
実施例7の耐火断熱シートの繊維シートは、木質パルプとガラス繊維の配合量をそれぞれ15質量%とした以外は実施例1〜6及び比較例1の繊維シートと同一の条件として繊維シートを作製した。作製した繊維シートの厚さは、0.52mmであり、空隙率は74.2%であった。
・実施例8
実施例8の耐火断熱シートの繊維シートは、木質パルプとガラス繊維の配合量をそれぞれ25.7質量%及び4.3質量%とした以外は実施例1〜6及び比較例1の繊維シートと同一の条件として繊維シートを作製した。作製した繊維シートの厚さは、0.47mmであり、空隙率は69.9%であった。
容器に、水とポリリン酸アンモニウム入れ、ポリリン酸アンモニウム濃度が28質量%の水溶液を調製した。さらに、前記ポリリン酸アンモニウムの配合量を100質量部とし、ケイ酸ナトリウムを10質量部溶解させた。これを実施例1のケイ酸ナトリウム水溶液とした。実施例1のケイ酸ナトリウム水溶液のポリリン酸アンモニウムとケイ酸ナトリウムの配合比は変えずに、水の添加量を増加させ、濃度を、1.5倍、2倍、3倍、4倍、6倍に希釈したものを、それぞれ実施例2〜6のケイ酸ナトリウム水溶液とした。実施例7及び8は実施例3のケイ酸ナトリウム水溶液を用いた。
前記各繊維シートを、常温・常圧の環境下に2時間静置したのち、実施例1〜8のケイ酸ナトリウム水溶液を常温として2分間浸漬し、含浸した。
比較例1は、繊維シートに含浸を行わず、繊維シートのまま用いた。
続いて、各実施例及び比較例の繊維シートを、乾燥炉を用いて、80℃で2時間乾燥させ、各実施例及び比較例の耐火断熱シートとした。含浸前後の質量を測定し、含浸量(g/m3)とした。
99mm×99mm×9mm厚さの杉板を、防炎剤(株式会社川端社製:MOE9−k2)に含浸させた準不燃杉合板の一方の表面に実施例1の耐火断熱シートを貼り合わせたものを実施例Aの防炎断熱シートとした。防炎性粘着剤として株式会社オーシカ社製:PWP−65Kに株式会社川端社製のリン酸塩不燃剤Aを適宜調合したものを用いた。
また、前記準不燃杉合板に耐火断熱シートを貼り合わせないものを比較例Aとした。結果を表2に示した。
以下に、各実施例1〜8及び比較例1の評価方法を示し、その結果を表1及び表2に示した。
<吸水率測定>
実施例1〜8及び比較例の耐火断熱シートを、100mm×100mmに加工し、常温常湿の環境下に1時間静置したのち、常温の水に2分間浸漬した後の吸水量の変化率を表わし、吸水前の重量をa、吸水後の重量をbとして下式1に従って算出した。
(式1) 吸水率(%)=(b−a)/b×100
実施例1〜8及び比較例1の耐火断熱シートの空隙率は、得られた耐火断熱シートの質量及び密度を測定し、下式により算出した。
空隙率(%)=(1−耐火断熱シートの質量/(耐火断熱シートの体積×耐火断熱シートの密度))×100
実施例1〜8及び比較例1の耐火断熱シートを、JAPAN TAPPI No.40の荷重曲げによるこわさ試験方法(ガーレー法)にて実施した。
実施例1〜8及び比較例1の耐火断熱シートを、安田精機製作所製:学振式摩擦試験機II(No.428)を用い、JIS L0849:2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」に記載されている摩擦試験機II形(学振形)法に準拠して測定した。評価水準を下記とした。
A:特に変化が見られない
B:小さな表面傷が観察された
C:表面層に若干の破れが、観察された
D:表面層に明確に破れが、観察された
実施例1〜8及び比較例1の耐火断熱シートを、99mm×99mmに加工し、測定を行った。また、実施例A及び比較例Aにかかる防炎断熱シートについても同様の測定を行った。測定は、コーンカロリーメーター(株式会社東洋精機製作所社製コーンカロリーメーターC3)を用いて行った。図1に実施例A及び比較例Aの総発熱量測定結果を示した。
測定条件を下記に示す。
サンプル方向 :垂直
輻射量 :50.0kW/m2
排気流量 :0.024m3/sec.
サンプルまでの距離:25mm
試験時間 :1200sec.
表1の実施例1〜8と比較例1の比較により、本発明によれば、表面強度が高く、総発熱量の低い耐火断熱シートを提供することが可能である。即ち、本発明の耐火断熱シートは、施工時の作業性が高く、耐火性・断熱性に優れていることが理解できる。また図1に、実施例Aと比較例Aの結果を示した。縦軸は熱量を表わし、横軸は試験時間である。総発熱量と図示している曲線が測定結果である。この曲線と横軸で囲まれた面積が総発熱量を表わす。この結果を見ると、実施例Aでは、試験開始から試験終了の20分間にわたり、徐々に発熱量が増加するものの、かなり総発熱量が低く、断熱性が高いことがわかる。比較例Aでは、試験開始直後から発熱量が上昇し、実施例Aと比較すると大きな総発熱量を示した。以上から本発明の耐火断熱シートを用いた防炎耐熱材が優れた防炎性と断熱性を有することが理解できる。
10 合板やMDFなど
20、40 接着剤
30 耐火断熱シート
50 表層シート
Claims (9)
- 熱膨張性黒鉛と水酸化アルミニウムとを担持する繊維シートと、ケイ酸ナトリウムと、リン又はリン化合物とを含む耐火断熱シートであって、
前記耐火断熱シートの吸水率が35〜85%である、耐火断熱シート。
前記吸水率は、前記耐火断熱シートを、常温常湿の環境下に1時間静置したのち、常温の水に2分間浸漬した後の吸水量の変化率を表わし、吸水前の重量をa、吸水後の重量をbとした場合に下式1で表される。
(式1) 吸水率(%)=(b−a)/b×100 - 前記耐火断熱シートの空隙率が、30%〜90%である、請求項1記載の耐火断熱シート。
- 前記繊維シートが、有機繊維と無機繊維とを含む繊維シートである、請求項1又は2記載の耐火断熱シート。
- 前記有機繊維と前記無機繊維との質量比が、1:6〜6:1である、請求項3記載の耐火断熱シート。
- 前記有機繊維が、パルプである、請求項3又は4記載の耐火断熱シート。
- 前記リン又はリン化合物と前記ケイ酸ナトリウムとの固形分の質量比が、100:0.5〜100:20であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の耐火断熱シート。
- 少なくとも、熱膨張性黒鉛と水酸化アルミニウムとを担持する繊維シートを形成する繊維シート形成工程と、
リン又はリン化合物を含む、ケイ酸ナトリウム水溶液を調製するケイ酸ナトリウム水溶液調製工程と、
前記繊維シートに、前記ケイ酸ナトリウム水溶液を含浸する含浸工程と、
前記ケイ酸ナトリウム水溶液を含浸した繊維シートを乾燥する乾燥工程とを含む、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の耐火断熱シートの製造方法。 - 前記繊維シート形成工程が、繊維シートを抄造する工程を含むことを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
- 建材として用いられる防炎耐熱材であって、
前記防炎耐熱材は、基材と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の耐火断熱シートを含み、
前記耐火断熱シートが、前記基材の少なくとも一つの表面に、直接又はその他の層を介して、1層以上積層されることを特徴とする、防炎耐熱材。
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