JP2020007050A - 画像形成装置、媒体情報決定方法および媒体情報決定プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 記録媒体に関する情報を検出する精度を高める。【解決手段】 画像形成装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送するタイミングローラー45および給紙ローラー151r〜154と、搬送経路内の記録媒体に光を射出する投光部59aと、記録媒体からの光を検出することにより検出された媒体の量に応じた信号を出力する受光部59bと、受光部59bにより出力される信号と、タイミングローラー45および給紙ローラー151r〜154の負荷とに基づいて、記録媒体に関する媒体種別を決定する媒体情報決定部と、を備える。【選択図】 図3
Description
この発明は、画像形成装置、媒体情報決定方法および媒体情報決定プログラムに関し、特に、種類の異なる記録媒体に画像を形成可能な画像形成装置、その画像形成装置で実行される媒体情報決定方法、および、その画像形成装置を制御するコンピューターにその媒体情報決定方法を実行させる媒体情報決定プログラムに関する。
MFP(Multi Function Peripheral)等の画像形成装置においては、用紙に形成される画像の画質は、その用紙の坪量に影響される。このため、MFPは、画像を形成する用紙の坪量によって、画像形成条件を異ならせる場合がある。画像形成条件は、用紙の搬送速度を含む。このために、従来のMFPは、用紙を格納する給紙カセットに、その用紙の厚さを示す媒体種別が設定されており、その給紙カセットに格納された用紙の媒体種別に対応する画像形成条件で、その用紙に画像を形成する。
例えば、特開2017−58640号公報には、媒体搬送用の駆動部の負荷を検出する検出部と、前記検出部の検出結果を用いて媒体の種類を検知する検知部と、媒体の種類を設定する設定部によって設定された媒体の種類に合わせて予め定めた搬送速度で媒体を搬送し、前記検知部によって検知された媒体の種類が前記設定部によって設定された媒体の種類と異なる場合に、前記検知部によって検知された媒体の種類に合わせた前記搬送速度に変更する変更部と、を備えた搬送装置が記載されている。
しかしながら、媒体搬送用の駆動部の負荷だけから用紙の媒体種別を判別できない場合がある。例えば、OHP(Overhead projector)シートと用紙とでは、媒体搬送用の駆動部の負荷が同じになる場合があるが、それぞれの画像形成条件が異なる場合がある。また、色紙と普通紙とでは、媒体搬送用の駆動部の負荷が同じになる場合があるが、それぞれの画像形成条件が異なる場合がある。このため、特開2017−58640号公報に記載の技術では、用紙の媒体種別に対応する画像形成条件で、画像を形成することができない場合があるといった問題がある。
特開2017−58640号公報
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、記録媒体に関する情報を検出する精度を高めた画像形成装置を提供することである。
この発明の他の目的は、記録媒体に関する情報を検出する精度を高めた媒体情報決定方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、記録媒体に関する情報を検出する精度を高めた媒体情報決定プログラムを提供することである。
上述した目的を達成するために、この発明のある局面によれば、画像形成装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、搬送経路内の記録媒体に検査用の媒体を射出する射出手段と、記録媒体からの検査用の媒体を検出することにより検出された媒体の量に応じた信号を出力する収集手段と、収集手段により出力される信号と搬送手段の負荷とに基づいて、記録媒体に関する媒体情報を決定する媒体情報決定手段と、を備える。
この局面に従えば、収集手段により出力される信号と搬送手段の負荷とに基づいて、記録媒体に関する媒体情報を決定するので、記録媒体の媒体情報を高い精度で検出することが可能になる。その結果、記録媒体に関する情報を検出する精度を高めた画像形成装置を提供することができる。
好ましくは、媒体情報決定手段は、搬送手段の負荷が、収集手段により出力される信号に対して予め定められた基準範囲内の場合、収集手段により出力される信号に基づいて記録媒体に関する媒体情報を決定する。
この局面に従えば、前記収集手段により出力される信号に基づいて決定される記録媒体に関する媒体情報と、搬送手段の負荷に基づいて決定される記録媒体に関する媒体情報とが近似する場合は、収集手段により出力される信号に基づいて決定される記録媒体の媒体情報を優先する。このため、記録媒体に関する情報を検出する精度を高めることができる。
好ましくは、射出手段により射出された検査用の媒体の量に対する収集手段により検出された検査用の媒体の量の割合の変化量に対して基準範囲が定められ、媒体情報決定手段は、射出手段により射出された検査用の媒体の量に対する収集手段により検出された検査用の媒体の量の割合の変化量に基づいて記録媒体に関する媒体情報を決定する。
この局面に従えば、射出手段により射出された検査用の媒体の量に対する収集手段により検出された検査用の媒体の量の割合の変化量に基づいて、記録媒体に関する媒体情報を決定するので、媒体情報を正確に求めることができる。
好ましくは、媒体情報決定手段は、搬送手段の負荷が基準範囲よりも小さい場合、搬送手段の負荷に基づいて記録媒体に関する媒体情報を決定する。
この局面に従えば、搬送手段の負荷が基準範囲よりも小さい場合は、収集手段により出力される信号に基づいて決定される記録媒体に関する媒体情報が誤っている可能性があるので、搬送手段の負荷に基づいて決定される記録媒体に関する媒体情報を優先する。このため、記録媒体に関する情報を検出する精度を高めることができる。
好ましくは、媒体情報決定手段は、搬送手段の負荷が基準範囲よりも大きい場合、記録媒体に関する媒体情報として予め定められた既定情報に決定する。
この局面に従えば、搬送手段の負荷が基準範囲よりも大きい場合は、収集手段により出力される信号に基づいて決定される記録媒体に関する媒体情報が誤っている可能性がるので、記録媒体に関する媒体情報として既定情報に決定する。このため、記録媒体に関する情報を検出する精度を高めることができる。
好ましくは、搬送手段の負荷が基準範囲内でない場合、ユーザーに通知する通知手段を、さらに備える。
この局面に従えば、搬送手段の負荷が基準範囲内でない場合、ユーザーに通知するので、収集手段により出力される信号に基づいて決定される記録媒体に関する媒体情報でない媒体種別の記録媒体に画像が形成されることを、ユーザーに通知することができる。
好ましくは、射出手段と収集手段とは、搬送経路を跨いで配置され、搬送経路内の記録媒体に検査用の媒体を射出するサブ射出手段を、さらに備え、射出手段とサブ射出手段とは、搬送経路を跨いで配置され、サブ射出手段が検査用の媒体を射出している間に収集手段により検出された検査用の媒体の量がサブ射出手段により射出された検査用の媒体の量に占める反射割合に基づいて、記録媒体の表面状態を検出する状態検出手段と、検出された表面状態に基づいて、収集手段により出力される信号に対して定められる基準範囲を変更する補正手段と、をさらに備える。
この局面に従えば、反射割合に基づいて、記録媒体の表面状態を検出し、表面状態に基づいて、収集手段により出力される信号に対して定められる基準範囲を変更する。同一の媒体種別の記録媒体であっても表面状態の違いにより、収集手段により出力される信号が異なるので、基準範囲を正確に定めることができる。このため、表面状態が異なる記録媒体に関する情報を検出する精度を高めることができる。
好ましくは、記録媒体に画像を形成する画像形成手段を、さらに備え、画像形成手段は、媒体情報決定手段により決定された媒体情報に対応する条件で、記録媒体に画像を形成する。
この局面に従えば、決定された媒体情報に対応する条件で、記録媒体に画像を形成するので、記録媒体に形成される画像の画質を向上させることができる。
この発明の他の局面によれば、媒体情報決定方法は、画像形成装置で実行される媒体情報決定方法であって、画像形成装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、搬送経路内の記録媒体に検査用の媒体を射出する射出手段と、記録媒体からの検査用の媒体を検出することにより検出された媒体の量に応じた信号を出力する収集手段と、を備え、収集手段により出力される信号と、搬送手段の負荷とに基づいて、記録媒体に関する媒体情報を決定する媒体情報決定ステップを含む。
この局面に従えば、記録媒体に関する情報を検出する精度を高めた媒体情報決定方法を提供することができる。
この発明の他の局面によれば、媒体情報決定プログラムは、画像形成装置を制御するコンピューターで実行される媒体情報決定プログラムであって、画像形成装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、搬送経路内の記録媒体に検査用の媒体を射出する射出手段と、記録媒体からの検査用の媒体を検出することにより検出された媒体の量に応じた信号を出力する収集手段と、を備え、収集手段により出力される信号と、搬送手段の負荷とに基づいて、記録媒体に関する媒体情報を決定する媒体情報決定ステップを、コンピューターに実行させる。
この局面に従えば、記録媒体に関する情報を検出する精度を高めた媒体情報決定プログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。また、以下の説明においては、画像形成装置の一例としてMFPを説明する。さらに、以下に説明するMFPは、画像を形成する対象となる記録媒体として、媒体種別の異なる複数種類の記録媒体のいずれにも画像を形成することが可能である。
媒体種別は、記録媒体に関する情報であり、坪量、画像形成の有無、および材質を含む。本実施の形態においては、媒体種別は、坪量により定まる第1媒体種別と、画像形成の有無により定まる第2媒体種別と、材質により定まる第3媒体種別とを含む。第1媒体種別は、坪量の異なる、「薄紙」、「普通紙」、または「厚紙」を含む。第2媒体種別は、画像が形成された記録媒体を示す「画像形成有」と、画像が形成されていない「画像形成無」と、を含む。第3媒体種別は、材質が紙の「用紙」と、材質がPET(Poly Ethylene Terephthalate)等のポリエチレンの「OHP」と、を含む。以下、第2媒体種別が「画像形成無」、第3媒体種別が「用紙」、第1媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、「厚紙」の記録媒体の媒体種別を、それぞれ「薄紙」、「普通紙」、「厚紙」という。また、第2媒体種別が「画像形成有」、第3媒体種別が「用紙」、第1媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、「厚紙」の記録媒体の媒体種別を、総称して、「裏紙」という。媒体種別が「裏紙」の記録媒体は、第2媒体種別が「画像形成有」、第3媒体種別が「用紙」であるが、第1媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、「厚紙」の3種類の記録媒体を含む。また、第3媒体種別が「OHP」の媒体種別を、単に、「OHP」という。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。図2は、第1の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図1および図2を参照して、MFP100は、画像形成装置の一例であり、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、画像データに基づいて記録媒体に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に記録媒体を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
図1は、第1の実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。図2は、第1の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図1および図2を参照して、MFP100は、画像形成装置の一例であり、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、画像データに基づいて記録媒体に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に記録媒体を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ127上に排出する。自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125に載置される原稿を検出する原稿検出センサーを備える。
原稿読取部130は、原稿を読み取るための矩形状の読取面を有する。読取面は、例えばプラテンガラスにより形成される。自動原稿搬送装置120は、読取面の1つの辺に平行な軸を中心に回転可能にMFP100の本体に接続され、開閉可能である。自動原稿搬送装置120の下方に、原稿読取部130が配置されており、自動原稿搬送装置120が回転して開いた開状態で、原稿読取部130の読取面が露出する。このため、ユーザーは、原稿読取部130の読取面に原稿を載置可能である。自動原稿搬送装置120は、原稿読取部130の読み取り面が露出する開状態と、読み取り面を覆う閉状態とに状態を変化可能である。自動原稿搬送装置120は、自動原稿搬送装置120の開状態を検出する状態検出センサーを備える。
原稿読取部130は、光を照射する光源と、光を受光する光電変換素子とを含み、読取面に載置された原稿に形成されている画像を走査する。読取領域に原稿が載置されている場合、光源から照射された光は原稿で反射し、反射した光が光電変換素子で結像する。光電変換素子は、原稿で反射した光を受光すると、受光した光を電気信号に変換した画像データを生成する。原稿読取部130は、画像データをメイン回路110が備えるCPU111に出力する。
給紙部150は、後述する第1〜第3の給紙カセットおよび手差しカセットに収納された記録媒体を画像形成部140に搬送する。給紙部150は、画像形成部140に搬送される記録媒体に関する情報を媒体情報として検出する。本実施の形態においては、媒体情報は、記録媒体の坪量である。給紙部150において媒体情報を検出するための構成および動作の詳細は後述する。
画像形成部140は、CPU111により制御され、周知の電子写真方式により画像を形成するものである。本実施の形態では、画像形成部140は、CPU111から入力される画像データと給紙部150において検出された媒体情報に基づくCPU111からの指令信号とに基づいて、給紙部150により搬送される記録媒体に画像を形成する。画像が形成された記録媒体は排紙トレイ159に排出される。CPU111が画像形成部140に出力する画像データは、原稿読取部130から入力される画像データの他、外部から受信されるプリントデータ等の画像データを含む。
メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置118と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
操作パネル160は、MFP100の上部に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、静電容量方式である。なお、タッチパネル165は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
タッチパネル165は、その検出面が表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル165の検出面のサイズと、表示部161の表示面のサイズとを同じにしている。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル165は、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル165が出力する座標を、表示面の座標に置き換えることができる。
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ユーザーがMFP100を操作する場合は直立した姿勢となる場合が多いので、表示部161の表示面、タッチパネル165の操作面およびハードキー部167は、上方を向いて配置される。ユーザーが表示部161の表示面を容易に視認することができ、ユーザーが指で操作部163を容易に指示することができるようにするためである。
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターまたはデータ処理装置と通信する。通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータの画像を記録媒体に形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
外部記憶装置118は、CPU111により制御され、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)118A、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置118を制御して、CD−ROM118AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行するようにしてもよい。
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図3は、第1の実施の形態におけるMFPが備える画像形成部および給紙部の一部の内部構成を示す模式的側面図である。図3を参照して、MFP100の内部には、太い点線で示される主搬送経路41が基本的に上下方向に伸びるように形成されている。主搬送経路41は、給紙部150から搬送される記録媒体を、画像形成部140を通して排紙トレイ159へ導くための経路である。本例の主搬送経路41においては、画像形成部140よりも上方に位置する上端部13の反対側の下端部30が給紙部150から記録媒体を受ける搬入口を構成する。また、主搬送経路41の上端部13が、画像形成後の記録媒体を排紙トレイ159に排出する排出口を構成する。主搬送経路41の上端部13には、排紙ローラー15が設けられている。主搬送経路41は、下端部30で、後述する給紙部150の複数の副搬送経路SP1,SP2,SP3に接続される。記録媒体の搬送方向は、給紙部150から排紙トレイ159に向かう方向である。
給紙部150は、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154を含む。3つの給紙カセット151,152,153は、この順で上方から下方に向かって並ぶように積層配置されている。手差しカセット154は、MFP100の側壁101に設けられ、画像形成部140よりも下方に位置する。図3に太い一点鎖線で示すように、給紙部150においては、3つの給紙カセット151,152,153のうち上段に位置する給紙カセット151から主搬送経路41の下端部30へ伸びるように副搬送経路SP1が形成されている。また、手差しカセット154から主搬送経路41の下端部30へ伸びるように副搬送経路SP2が形成されている。さらに、3つの給紙カセット151,152,153のうち中段および下段に位置する給紙カセット152,153それぞれから主搬送経路41の下端部30に伸びる2つの搬送経路152a,153aが形成されている。2つの搬送経路152a,153aそれぞれの主搬送経路41の下端部30から所定の長さの部分は、2つの搬送経路152a,153aで共用される副搬送経路SP3である。
副搬送経路SP1には、給紙カセット151に収納された記録媒体を主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー151rが設けられている。副搬送経路SP2には、手差しカセット154に収納された記録媒体を主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー154rが設けられている。搬送経路152aには、給紙カセット152に収納された記録媒体を副搬送経路SP3を通して主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー152rが設けられている。さらに、搬送経路153aには、給紙カセット153に収納された記録媒体を副搬送経路SP3を通して主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー153rが設けられている。
MFP100においては、記録媒体への画像形成時に、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154のうちから画像形成されるべき記録媒体が収納されたカセットが対象カセットとして選択される。3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154のうち対象カセットとして選択されたカセットに対応する給紙ローラーが動作することにより、対象カセットとして選択されたカセットから副搬送経路SP1,SP2,SP3のいずれかを通して主搬送経路41に画像形成されるべき記録媒体が供給される。
画像形成部140は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kを備える。画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像を形成する。画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット51Yについて説明する。
画像形成ユニット51Yは、イエローの印字用データが入力される露光ヘッドと、感光体ドラム(像担持体)と、帯電チャージャと、現像器と、転写ローラー53Yとを備える。露光ヘッドは、受取った印字用データ(電気信号)に応じてレーザ光を発光する。発光されたレーザ光は露光ヘッドが備えるポリゴンミラーにより1次元走査され、感光体ドラムを露光する。感光体ドラムを1次元走査する方向は、主走査方向である。感光体ドラムは、帯電チャージャによって帯電された後、露光ヘッドが発光するレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラムに静電潜像が形成される。続いて、現像器により、静電潜像上にトナーが載せられてトナー像が形成される。感光体ドラム上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト57上に、転写ローラー53Yにより転写される。
一方、中間転写ベルト57は、駆動ローラー55とローラー55Aとにより弛まないように懸架されている。駆動ローラー55が図中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト57が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト57の回転に伴って、ローラー55Aが、反時計回りに回転する。
これにより、画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kが、順に中間転写ベルト57上にトナー像を転写する。画像形成ユニット51Y,51M,51C,51Kそれぞれが、中間転写ベルト57上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト57に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト57上に重畳される。
上記の主搬送経路41には、下端部30から上端部13にかけて、タイミングローラー45、転写ローラー47および定着ローラー49がこの順で間隔をおいて配置されている。給紙部150から主搬送経路41へ供給された記録媒体はタイミングローラー45へ送られる。
タイミングローラー45は、中間転写ベルト57に形成されたトナー像が転写ローラー47に到達するタイミングで記録媒体が転写ローラー47に到達するように、主搬送経路41における記録媒体の搬送状態を調整する。タイミングローラー45により搬送される記録媒体は、転写ローラー47により中間転写ベルト57に押し当てられ、転写ローラー47を帯電させることにより、中間転写ベルト57上に重畳して形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が記録媒体に転写される。転写ローラー47の帯電量は、記録媒体の坪量に適した値となるように、転写ローラー47に印加される電圧がCPU111によって制御される。
トナー像が転写された記録媒体は、定着ローラー49に搬送され、定着ローラー49により加熱される。これにより、トナーが溶かされて記録媒体に定着する。その後、画像形成後の記録媒体は、排紙ローラー15によって主搬送経路41の上端部13から排紙トレイ159上に排出される。定着ローラー49の温度およびローラー間隔は、記録媒体の坪量に適した値となるように、CPU111によって制御される。
給紙ローラー151r〜154rおよびタイミングローラー45それぞれは、1つのモーターMの駆動力がギアを介して伝達されるように構成されている。また、転写ローラー47、定着ローラー49および排紙ローラー15それぞれは、モーターMとは別のモーターの駆動力がギアを介して伝達されるように構成されている。モーターMとタイミングローラー45との間の動力伝達経路にクラッチが設けられており、また、モーターMと給紙ローラー151r〜154rそれぞれとの間の動力伝達経路にクラッチが設けられている。タイミングローラー45および給紙ローラー151r〜154rそれぞれは、それに対応するクラッチが切れた状態および繋がった状態に切り換えられることにより、モーターMの駆動力の伝達が切り換えられる。
本実施の形態におけるMFP100には、主搬送経路41内に検出領域を有する検出装置59が設けられている。検出装置59は、投光部59aおよび受光部59bを含み、主搬送経路41の下端部30とタイミングローラー45との間の位置で投光部59aおよび受光部59bが主搬送経路41を挟んで互いに対向するように配置されている。投光部59aは、例えば発光ダイオード等の発光素子、発光素子の駆動回路、および光学系を含み、その光軸に沿って光を出射する。投光部59aから検出領域に予め定められた光量の光が出射される。
投光部59aの光軸に沿う主搬送経路41内の領域が検出領域となる。受光部59bは、フォトダイオード等の受光素子を含み、受光素子が受ける光の受光量に対応する信号を出力する。検出装置59の検出領域は、投光部59aと受光部59bとの間の領域である。記録媒体が主搬送経路41を移動して検出領域を横切る間、移動中の記録媒体の一部に投光部59aから射出される光が照射される。このとき、記録媒体に照射された光の一部は記録媒体を透過し、記録媒体に照射された光の残りは記録媒体に吸収されるかまたは記録媒体から反射される。受光部59bは、記録媒体を透過した光を受光し、その受光量に応じた信号をCPU111に出力する。
図4は、第1の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118Aに記憶された画像形成制御プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。画像形成制御プログラムは、媒体情報決定プログラムを含む。
ここでは、給紙カセット151に、媒体種別が「普通紙」の記録媒体が格納されており、給紙カセット152に、媒体種別が「厚紙」の記録媒体が格納されており、給紙カセット153に、媒体種別が「薄紙」の記録媒体が格納されており、手差しカセット154に、記録媒体が格納されていない場合を例に説明する。
図4を参照して、CPU111は、搬送制御部61と、透過センサー制御部63と、媒体情報決定部65と、画像形成制御部67と、通知部69を含む。
搬送制御部61は、給紙カセット151〜153および手差しカセット154のいずれかに格納されている記録媒体の搬送を制御する。具体的には、搬送制御部61は、記録媒体の搬送速度および記録媒体を搬送するタイミングを制御する。搬送制御部61は、記録媒体の搬送速度に応じた回転数でモーターMを回転させる。搬送制御部61は、複数の異なる搬送速度のいずれかの搬送速度で記録媒体が搬送されるように、記録媒体の搬送速度を制御する。ここでは、複数の異なる搬送速度を最も早い高速、最も遅い低速、高速より遅く低速より早い中速の3段階としている。搬送制御部61は、モーターMに印加する電圧のデューティ比を制御することにより、3段階のいずれかの搬送速度に対応する回転数でモーターMを回転させる。
また、搬送制御部61は、記録媒体を搬送するタイミングを調整するために、給紙ローラー151r〜154rおよびタイミングローラー45それぞれに対応するクラッチの状態を切り換える。クラッチの状態の切り換えは、クラッチを切った状態と、繋いだ状態との切り換えである。
給紙ローラー151r〜154rおよびタイミングローラー45それぞれが記録媒体を搬送している間と、搬送していない間とで、モーターMの負荷が異なる。このため、搬送制御部61は、記録媒体の搬送速度を一定にするために、モーターMの回転数が一定となるように、モーターMに印加する電圧のデューティ比を制御する。搬送制御部61は、例えば、モーターMに接続されたエンコーダーの出力値に基づいてモーターMの回転数を検出し、デューティ比を決定する。
また、搬送制御部61は、モーターMに流れる電流値を検出することにより、給紙ローラー151r〜154rおよびタイミングローラー45の負荷を検出する。モーターMの負荷は、給紙ローラー151r〜154rおよびタイミングローラー45の負荷に比例するので、搬送制御部61は、モーターMに流れる電流を検出することにより、給紙ローラー151r〜154rおよびタイミングローラー45の負荷を検出する。
ここで、記録媒体が搬送されている間におけるモーターMに流れる電流について説明する。図5は、主搬送経路および複数の副搬送経路の構成を示す側面図である。図5では、主搬送経路41および複数の副搬送経路SP1,SP2,SP3の形状ならびにそれらの位置関係の理解を容易にするために、副搬送経路SP1,SP2に互いに異なる2種類のハッチングが付されるとともに、主搬送経路41および副搬送経路SP3に互いに異なる2種類のドットパターンが付されている。
検出装置59は、主搬送経路41内に検出領域DAを有するように配置される。検出装置59の検出領域DAは、記録媒体paの進行方向に交差するとともに主搬送経路41を移動する記録媒体paに交差する方向に延びている。検出領域DAは、投光部59aと受光部59bとの間の領域である。検出領域DAの伸びる方向は、投光部59aの中心と受光部59bの中心とを結んだ線と平行である。
主搬送経路41の少なくとも一方の側面は、所定の曲率を有する。主搬送経路41の下端部30と複数の副搬送経路SP1〜SP3との接続部近傍には、副搬送経路SP1と副搬送経路SP3とを仕切る経路形成部材B1が設けられている。また、副搬送経路SP3と副搬送経路SP2とを仕切る経路形成部材B2が設けられている。また、経路形成部材B1の下方には、給紙カセット152からの搬送経路152aと給紙カセット153からの搬送経路153aを仕切る経路形成部材B3が設けられている。
記録媒体paが給紙ローラー151rにより搬送されて副搬送経路SP1を通して主搬送経路41に搬送される場合、副搬送経路SP1から主搬送経路41に進入する記録媒体paが検出領域DAに導かれる。さらに、記録媒体paは、給紙ローラー151rにより搬送されてタイミングローラー45に当接する。この段階で、タイミングローラー45とモーターMとの間の駆動経路に配置されるクラッチが切れており、タイミングローラー45は停止している。このため、記録媒体paの下流側の先端がタイミングローラー45に当接して移動しなくなるが、記録媒体paの上流側の部分が給紙ローラー151rにより押し出されるので、記録媒体paが撓む。記録媒体paが撓んだ状態で、記録媒体paの下流側の先端の辺がタイミングローラー45と平行になるため、記録媒体paの方向が、タイミングローラー45に対して所定の方向となるように調整される。このため、クラッチが繋がれてタイミングローラー45が回転する時点で、タイミングローラー45は、記録媒体paをタイミングローラー45に対して予め定められた方向で搬送することができる。
同様に、記録媒体paが給紙ローラー152rまたは給紙ローラー153rにより搬送されて副搬送経路SP3を通して主搬送経路41に搬送される場合、副搬送経路SP3から主搬送経路41に進入する記録媒体paが検出領域DAに導かれる。さらに、記録媒体paは、給紙ローラー152rまたは給紙ローラー153rにより搬送されてタイミングローラー45に当接する。このため、記録媒体paの下流側の先端がタイミングローラー45に当接して移動しなくなるが、記録媒体paの上流側の部分が給紙ローラー152rまたは給紙ローラー153rにより押し出されるので、記録媒体paが撓む。記録媒体paが給紙ローラー154rにより搬送されて副搬送経路SP2を通して主搬送経路41に搬送される場合、副搬送経路SP2から主搬送経路41に進入する記録媒体paが検出領域DAに導かれる。さらに、記録媒体paは、給紙ローラー154rにより搬送されてタイミングローラー45に当接する。このため、記録媒体paの下流側の先端がタイミングローラー45に当接して移動しなくなるが、記録媒体paの上流側の部分が給紙ローラー154rにより押し出されるので、記録媒体paが撓む。
図6は、モーターに流れる電流の一例を示す図である。図6を参照して、横軸に時間を示し、縦軸にモーターMに流れる電流を示している。ここでは、給紙カセット151に格納されている媒体種別が「普通紙」の記録媒体を搬送する場合のモーターMに流れる電流を点線で示す。また、給紙カセット152に格納された媒体種別が「厚紙」の記録媒体を搬送する場合のモーターMに流れる電流を実線で示す。媒体種別が「厚紙」の記録媒体は、媒体種別が「普通紙」の記録媒体よりも坪量が大きい。また、媒体種別が「厚紙」の記録媒体と、媒体種別が「普通紙」の記録媒体とを搬送する場合のモーターMの負荷を比較するために、搬送速度を同一としている。
時刻t1は、給紙カセット151または給紙カセット152から搬送される記録媒体paの先端が給紙ローラー151rに到達する時刻を示す。時刻t2は、記録媒体paの先端がタイミングローラー45に到達する時刻を示す。時刻t3は、タイミングローラー45が回転を開始する時刻を示す。時刻t4は、記録媒体paの後端が給紙ローラー151rを通過する時刻を示す。時刻t5は、記録媒体paの後端がタイミングローラー45を通過する時刻を示す。
媒体種別が「普通紙」の記録媒体を搬送する場合、記録媒体paの搬送を開始してから時刻t3までの間は、給紙ローラー151rが回転するが、タイミングローラー45は回転しない。時刻t3以降は、給紙ローラー151rおよびタイミングローラー45が回転する。
同様に、媒体種別が「厚紙」の記録媒体paを搬送する場合、記録媒体paの搬送を開始してから時刻t3までの間は、給紙ローラー152rが回転するが、タイミングローラー45は回転しない。時刻t3以降は、給紙ローラー152rおよびタイミングローラー45が回転する。
図6において点線で示すように、媒体種別が「普通紙」の記録媒体の搬送を開始してから時刻t1までは、給紙ローラー151rに記録媒体paが到達していない。モーターMに流れる電流は、一定となる。記録媒体paが給紙ローラー151rに到達する時刻t1以降、給紙ローラー151rが記録媒体paの搬送を開始するために、給紙ローラー151rの負荷が増大する。モーターMに流れる電流は、時刻t1から増大した後、一定となる。
記録媒体paの先端がタイミングローラー45に到達する時刻t2において、タイミングローラー45は停止しているため、記録媒体paは、その先端がタイミングローラー45に当接して移動しなくなる一方、給紙ローラー151rにより搬送される。このため、時刻t2以降、記録媒体paを撓ませる力が給紙ローラー151rに加わるので、給紙ローラー151rの負荷が増大する。モーターMに流れる電流は、時刻t2からタイミングローラー45が回転を開始する時刻t3まで増大する。ここで、時刻t3の時点の電流値をImax1という。
時刻t3から記録媒体paの後端が給紙ローラー151rを通過する時刻t4までの期間は、記録媒体paは、タイミングローラー45および給紙ローラー151rにより搬送される。時刻t3においてタイミングローラー45が回転を開始すると、給紙ローラー151rの負荷が減少した後、タイミングローラー45および給紙ローラー151rの負荷が一定になる。このため、モーターMに流れる電流がIcon1まで減少する。Imax1とImin1との差を、変化量ΔI1とする。
時刻t4から記録媒体paの後端がタイミングローラー45を通過する時刻t5までの期間は、記録媒体paは、タイミングローラー45により搬送される。このため、モーターMに流れる電流値は、時刻t4から減少した後、一定になる。
さらに、時刻t5以降、記録媒体paはタイミングローラー45を通過するため、タイミングローラー45の負荷が低減する。このため、モーターMに流れる電流値は、時刻t5から減少した後、一定になる。
同様に、図6において実線で示すように、媒体種別が「普通紙」の記録媒体の搬送を開始してから時刻t1までは、給紙ローラー152rに記録媒体paが到達していない。モーターMに流れる電流は、一定となる。記録媒体paが給紙ローラー152rに到達する時刻t1以降、給紙ローラー152rが記録媒体paの搬送を開始するために、給紙ローラー152rの負荷が増大する。モーターMに流れる電流は、時刻t1から増大した後、一定となる。
記録媒体paの先端がタイミングローラー45に到達する時刻t2において、タイミングローラー45は停止しているため、記録媒体paは、その先端がタイミングローラー45に当接して移動しなくなる一方、給紙ローラー152rにより搬送される。このため、時刻t2以降、記録媒体paを撓ませる力が給紙ローラー152rに加わるので、給紙ローラー152rの負荷が増大する。モーターMに流れる電流は、時刻t2からタイミングローラー45が回転を開始する時刻t3まで増大する。ここで、時刻t3の時点の電流値をImax2という。媒体種別が厚紙のほうが普通紙よりも記録媒体paを撓ませるために必要な力は大きい。このため、Imax2は、Imax1よりも大きな値となる。
時刻t3から記録媒体paの後端が給紙ローラー152rを通過する時刻t4までの期間は、記録媒体paは、タイミングローラー45および給紙ローラー151rにより搬送される。時刻t3においてタイミングローラー45が回転を開始すると、給紙ローラー152rの負荷が減少した後、タイミングローラー45および給紙ローラー151rの負荷が一定になる。このため、モーターMに流れる電流がIcon2まで減少する。Icon2は、Icon1より大きい。Imax2とImin2との差を、変化量ΔI2とする。変化量ΔI2は変化量ΔI1よりも大きい。
時刻t4から記録媒体paの後端がタイミングローラー45を通過する時刻t5までの期間は、記録媒体paは、タイミングローラー45により搬送される。このため、モーターMに流れる電流値は、時刻t4から減少した後、一定になる。
さらに、時刻t5以降、記録媒体paはタイミングローラー45を通過するため、タイミングローラー45の負荷が低減する。このため、モーターMに流れる電流値は、時刻t5から減少した後、一定になる。
図4に戻って、搬送制御部61は、モーターMに流れる電流の変化量ΔIを、媒体情報決定部65に出力する。具体的には、搬送制御部61は、モーターMの回転数を低速に設定した状態で、記録媒体の搬送を開始し、図6に示した、時刻t3にモーターMに流れる電流値Imaxと、時刻t3から時刻t4までの間でモーターMに流れる電流が一定となる値Iconとを計測することに応じて、それらの差分である変化量ΔIを算出し、媒体情報決定部65に出力する。
透過センサー制御部63は、検出装置59を制御して、給紙部150から主搬送経路41に供給された記録媒体が検出装置59の検出領域DAを移動するときに、記録媒体の透過率TRを決定する。具体的には、透過センサー制御部63は、検出装置59の受光部59bの出力信号を取得し、出力信号から受光量を算出し、投光部59aが出射した光の光量に対する受光部59bが受光した光の光量の割合を透過率TRとして算出する。透過センサー制御部63は、算出された透過率TRを媒体情報決定部65に出力する。
媒体情報決定部65は、透過センサー制御部63から透過率TRが入力され、搬送制御部61から変化量ΔIが入力される。媒体情報決定部65は、透過率TRと変化量ΔIとに基づいて、記録媒体の媒体種別を決定する。媒体情報決定部65は、第1変換情報を用いて透過率TRに対する坪量を決定する。第1変換情報は、坪量と透過率との対応を定める情報である。第1変換情報は、予め実験等することにより生成され、HDD115に記憶されている。また、媒体情報決定部65は、透過率TRに基づき決定された坪量に対する第1媒体種別を決定する。複数の第1媒体種別それぞれは、その第1媒体種別の記録媒体の坪量が所定の範囲内となることが分かっている。このため、第1媒体種別と、その第1媒体種別の記録媒体の坪量の範囲との対応テーブルを予めHDD115に記憶しておくようにすればよい。
図7は、第1変換情報の一例を示す図である。図7を参照して、横軸に透過率を示し、縦軸に坪量を示している。記録媒体の媒体種別が、「薄紙」、「普通紙」、「厚紙」、「OHP」、および「裏紙」それぞれについての実験で求めたデータをプロットしている。媒体種別が「裏紙」の記録媒体は、第2媒体種別が「画像形成有」である。換言すれば、媒体種別が「裏紙」の記録媒体は、第2媒体種別が「画像形成」で、第1媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、または「厚紙」の記録媒体の一方の面に画像を形成した記録媒体である。媒体種別が、「薄紙」、「普通紙」、または「厚紙」の記録媒体に対応する実験データは、実線200に近似できる。実線200で示されるように、媒体種別が、「薄紙」、「普通紙」、または「厚紙」の記録媒体は、透過率が低ければ坪量が大きく、透過率が高ければ坪量が小さくなる。換言すれば、媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、または「厚紙」の記録媒体は、透過率は坪量に反比例する。第1変換情報は、この実線200に基づき生成され、テーブルであってもよいし、変換式であってもよい。
また、媒体種別が「OHP」の記録媒体の実験データは、領域201に位置する。媒体種別が「OHP」の記録媒体は、透過率が坪量に関係なく高い。さらに、媒体種別が「裏紙」の記録媒体の実験データは、領域202に位置する。画像が形成された分部の透過率が画像の形成されていない部分の透過率よりもが低くなる。このため、媒体種別が「裏紙」の記録媒体は、第1媒体種別が同じで第2媒体種別が異なる記録媒体に比較して透過率が低くなる場合がある。換言すれば、媒体種別が「裏紙」の記録媒体は、媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、または「厚紙」の記録媒体と同じ坪量であっても、透過率が低くなる場合がある。
図4に戻って、媒体情報決定部65は、変化量ΔIが、透過率TRに対して予め定められた基準範囲内の場合、透過率TRに基づいて媒体種別を決定する。具体的には、媒体情報決定部65は、記録媒体paの媒体種別として、透過率TRに基づき決定される第1媒体種別で、第2媒体種別が「画像形成無」で、第3媒体種別が「紙」の媒体種別に決定する。
透過率TRに対して予め定められた基準範囲は、透過率TRに基づき決定される第1媒体種別で、第2媒体種別が「画像形成無」、第3媒体種別が「紙」の記録媒体に対して検出される変化量ΔIの範囲を少なくとも含む。上述したように、変化量ΔIは坪量に比例する。また、第1媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、および「厚紙」の記録媒体においては、透過率TRは坪量に反比例する。媒体種別が「OHP」の記録媒体においては、透過率TRは坪量に比例しない。媒体種別が「裏紙」の記録媒体においては、透過率TRは坪量に比例するとは限らない。このため、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別で、第2媒体種別が「画像形成無」、第3媒体種別が「紙」の記録媒体に対して検出され得る変化量ΔIの範囲が、その透過率TRに対する基準範囲となる。例えば、透過率TRに基づき第1媒体種別が「普通紙」に決定される場合、媒体種別が普通紙の記録媒体に対して変化量ΔIが検出され得るが範囲を、その透過率TRに対する基準範囲とする。また、透過率TRに基づき第1媒体種別が「厚紙」に決定される場合、媒体種別が厚紙の記録媒体に対して変化量ΔIが検出され得る範囲を、その透過率TRに対する基準範囲とする。同様に、透過率TRに基づき第1媒体種別が「薄紙」に決定される場合、媒体種別が薄紙の記録媒体に対して変化量ΔIが検出され得る範囲を、その透過率TRに対する基準範囲とする。
透過率TRに対して予め定められた基準範囲は、媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、「厚紙」それぞれの記録媒体に対して、変化量ΔIを求める実験をすることにより基準範囲を求める。なお、透過率TRに対して予め定められた基準範囲は、シミュレーションすることによって媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、および「厚紙」それぞれに対する基準範囲を求めるようにしてもよいし、演算により求めるようにしてもよい。
図8は、第1媒体種別に対する基準範囲の一例を示す図である。ここでは、第1媒体種別を「薄紙」、「普通紙」、「厚紙1」、「厚紙2」、「厚紙3」および「厚紙4」の6種類とする場合における基準範囲について説明する。坪量は、第1媒体種別が薄紙、普通紙、厚紙1、厚紙2、厚紙3および厚紙4それぞれの記録媒体の順に大きい。基準範囲は、第3媒体種別が「紙」で、第2媒体種別が「画像形成無」であって、第1媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、「厚紙1」、「厚紙2」、「厚紙3」および「厚紙4」それぞれの記録媒体について、変化量ΔIを求める実験をすることにより求められる。
図8を参照して、媒体種別が「薄紙」の記録媒体に対して、変化量ΔIが検出され得る範囲として第1基準範囲が定められる。媒体種別が「普通紙」の記録媒体に対して、変化量ΔIが検出され得る範囲として第1基準範囲が定められる。媒体種別が「厚紙1」および「厚紙2」それぞれに対して、変化量ΔIが検出され得る範囲として第2基準範囲が定められる。媒体種別が「厚紙3」および「厚紙4」それぞれに対して、変化量ΔIが検出され得る範囲として第3基準範囲が定められることを示している。第1基準範囲、第2基準範囲および第3基準範囲の順に、変化量ΔIが取り得る値が大きい。透過率TRに基づいて第1媒体種別を決定する精度が、変化量ΔIに基づいて第1媒体種別を決定する精度よりも高い。
図4に戻って、媒体情報決定部65は、変化量ΔIが、透過率TRに対して予め定められた基準範囲よりも小さい場合、変化量ΔIに基づいて媒体種別を決定する。媒体情報決定部65は、第2変換情報を用いて変化量ΔIに対する坪量を決定する。第2変換情報は、坪量と変化量ΔIとの対応を定める情報である。第2変換情報は、予め実験等することにより生成され、HDD115に記憶されている。また、媒体情報決定部65は、HDD115に記憶された対応テーブルを参照して、変化量ΔIに基づき決定された坪量に対する第1媒体種別を決定し、第2媒体種別を「画像形成有」に決定し、第3媒体種別を「紙」に決定する。
図9は、第2変換情報の一例を示す図である。図9を参照して、横軸に坪量を示し、縦軸に電流の変化量を示している。図9は、第3媒体種別が「紙で」、第2媒体種別が「画像形成無」で、第1媒体種別が異なる複数の記録媒体について変化量ΔIを計測する実験を予め実施することにより、その記録媒体の坪量とモーターMの電流の変化量ΔIとの関係を求めたものである。図9に示されるように、電流の変化量ΔIは坪量に比例する。第2変換情報は、図9に示したデータに基づき生成され、テーブルであってもよいし、変換式であってもよい。
図4に戻って、媒体情報決定部65は、変化量ΔIが、透過率TRに対して予め定められた基準範囲よりも大きい場合、媒体情報を予め定められたOHPに決定する。媒体情報が「OHP」は、第1媒体情報が「OHP」であり、第2媒体情報が「画像形成無」であり、第3媒体情報が「OHPシート」である。
画像形成制御部67は、画像形成部140を制御して、媒体情報決定部65から入力される媒体情報および印字用データに基づいて画像を形成させる。具体的には、画像形成制御部67は、中間転写ベルト57上に形成されたトナー像を画像形成の対象となる記録媒体に転写されるのに適した電位に転写ローラー47が帯電するように画像形成部140を制御する。また、画像形成制御部67は、媒体情報に基づいて、画像形成の対象となる記録媒体に適した温度でトナーが定着されるように、定着ローラー49の温度およびローラー間隔を調整する。また、画像形成制御部67は、媒体情報に基づいて、画像形成の対象となる記録媒体に適した搬送速度で記録媒体が搬送されるように、給紙ローラー151r〜154rのうち対象カセットに対応する給紙ローラー、タイミングローラー45、転写ローラー47、定着ローラー49および排紙ローラー15の動作を制御する。
さらに、画像形成制御部67は、媒体情報決定部65から入力される媒体情報に基づいて、設定することができない画像形成条件の有無を検出し、設定することができない画像形成条件として禁則条件が存在する場合、その設定を禁止し、ユーザーに通知する。
また、両面印刷処理に対する禁則条件として、両面印刷の可否が設定される。具体的には、媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、「厚紙1」〜「厚紙3」の記録媒体に対して両面印刷が禁止されない。媒体種別が「厚紙4」の記録媒体に対して両面印刷が禁止される。媒体種別が「OHP」の記録媒体に対して両面印刷が禁止される。媒体種別が「裏紙」の記録媒体に対して両面印刷が禁止される。
なお、画像形成制御部67は、1枚目の記録媒体がタイミングローラー45により搬送を開始した後に、その記録媒体の媒体種別が決定されるので、1枚目の記録媒体については、搬送速度が低速で搬送される。このため、転写ローラー47に印加する電圧および定着ローラー49の温度およびローラー間隔を、その媒体種別の記録媒体と低速の搬送速度に対応して予め定められた値に設定する。そして、画像形成制御部67は、2枚目以降の記録媒体に対しては、記録媒体の搬送速度を媒体種別に対して予め定められた搬送速度で搬送し、転写ローラー47に印加する電圧および定着ローラー49の温度およびローラー間隔を、その媒体種別の記録媒体および媒体種別に対して定められた搬送速度に対応して予め定められた値に設定する。
通知部69は、媒体情報決定部65によって、変化量ΔIが、透過率TRに対して予め定められた基準範囲外にあると決定される場合、ユーザーに通知する。具体的には、媒体種別が薄紙、普通紙、厚紙1〜4と異なる媒体種別の記録媒体、ここでは、媒体種別が「OHP」の記録媒体、または媒体種別が裏紙の記録媒体に画像が形成されることを通知するためのメッセージである。例えば、媒体種別が裏紙の場合は「裏紙の用紙に画像が形成されます。」のメッセージを表示し、媒体種別がOHPの場合は「OHPシートに画像が形成されます。」のメッセージを表示する。
図10は、禁則条件テーブルの一例を示す図である。図10を参照して、ステープル処理に対する禁則条件において、ステープルの可否およびステープル可能な枚数として上限値が設定される。具体的には、媒体種別が「薄紙」および「普通紙」の記録媒体に対して、ステープルが可能に設定されており、媒体種別が「厚紙1」および「厚紙2」の記録媒体に対して、上限値として30枚が設定されており、媒体種別が「厚紙3」および「厚紙4」の記録媒体に対して、上限値として20枚が設定されている。また、媒体種別が「OHP」の記録媒体に対して、ステープルが禁止されている。また、媒体種別が「裏紙」の記録媒体に対して、第1媒体種別に対して禁止されている内容と同じ内容が設定される。
図11は、第1の実施の形態における画像形成制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像形成制御処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118Aに記憶された画像形成制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。画像形成制御プログラムは、媒体情報決定プログラムを含む。図11を参照して、CPU111は、ジョブの実行指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。ジョブの実行指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、ジョブの実行指示を受け付けたならば処理をステップS10に進める。具体的には、ユーザーが操作部163を操作する場合、ユーザーにより操作部163に入力されるプリントジョブまたはコピージョブの実行指示を受け付ける。また、通信I/F部112が外部のコンピューターからプリントジョブを受信すると、プリントジョブの実行指示を受け付ける。また、スマートフォン等の携帯装置によってMFP100が遠隔操作される場合、通信I/F部112が携帯装置と通信する。通信I/F部112が携帯装置から受信する遠隔操作により入力されるプリントジョブまたはコピージョブの実行指示を受け付ける。
ステップS02においては、対象カセットを決定する。対象カセットは、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154のうちで、画像形成の対象となる記録媒体を格納するカセットである。3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154のうち実行指示で特定されるカセットを対象カセットに決定する。
ステップS03においては、対象カセットに格納されている記録媒体を、低速の搬送速度で搬送を開始し、処理をステップS02に進める。ステップS04においては、透過率TRを検出し、処理をステップS05に進める。ステップS05においては、モーターMの電流の変化量ΔIを検出し、処理をステップS06に進める。
ステップS06においては、透過率TRに対する基準範囲を決定し、処理をステップS07に進める。ステップS07においては、変化量ΔIが基準範囲内か否かを判断する。変化量ΔIが基準範囲内ならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。ステップS08においては、透過率TRに基づいて媒体種別を決定し、処理をステップS13に進める。具体的には、第1媒体種別を透過率TRに対応する坪量の記録媒体の第1媒体種別に決定し、第2媒体種別を「画像形成無」に決定し、第3媒体種別を「紙」に決定する。
ステップS09においては、変化量ΔIが基準範囲より小さいか否かを判断する。変化量ΔIが基準範囲より小さいならば処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に進める。ステップS10においては、変化量ΔIに基づいて媒体種別を決定し、処理をステップS12に進める。具体的には、第1媒体種別を変化量ΔIに対応する坪量の記録媒体の第1媒体種別に決定し、第2媒体種別を「画像形成有」に決定し、第3媒体種別を「紙」に決定する。ステップS11においては、媒体種別を「OHP」に決定し、処理をステップS12に進める。
ステップS12においては、媒体種別が「薄紙」、「普通紙」、「厚紙1」〜「厚紙4」と異なる媒体種別の記録媒体に画像が形成されることをユーザーに通知し、処理をステップS13に進める。例えば、処理がステップS10から進む場合には、媒体種別が「裏紙」の記録媒体に画像が形成されることを通知するためのメッセージを表示部161に表示する。また、処理がステップS11から進む場合には、媒体種別が「OHP」の記録媒体に画像が形成されることを通知するためのメッセージを表示部161に表示する。
ステップS13においては、関連テーブルを更新し、処理をステップS14に進める。関連テーブルは、3つの給紙カセット151,152,153および手差しカセット154と、それらに格納される記録媒体の媒体種別とを関連付けたテーブルであり、HDD115に記憶される。
ステップS14においては、画像形成条件を決定し、処理をステップS15に進める。ステップS08、ステップS10およびステップS11のいずれかで決定された媒体種別に基づいて、媒体種別の記録媒体に適した画像形成条件を決定する。具体的には、媒体種別に対応する、転写ローラー47に印加する電圧、定着ローラー49の温度およびローラー間隔、および搬送速度を決定する。なお、媒体種別に基づいて、設定することができない画像形成条件の有無を検出し、設定することができない画像形成条件として禁則条件が存在する場合、その設定を禁止し、ユーザーに通知する。
ステップS15においては、画像形成部140を制御して、画像形成を開始し、処理をステップS16に進める。ステップS16においては、ジョブが終了するまで待機状態となり(ステップS16でNO)、ジョブが終了すると(ステップS16でYES)、処理を終了する。なお、ステップS12でユーザーに通知した後に、ユーザーが入力するジョブの中止を指示する操作を受け付ける場合、ジョブを実行することなく、処理を終了してもよい。
<第2の実施の形態>
図12は、第2の実施の形態におけるMFPが備える画像形成部および給紙部の一部の内部構成を示す模式的側面図である。図12を参照して、図3に示した第1の実施の形態におけるMFP100と異なる点は、検出装置59が検出装置59Aに変更された点である。その他の構成は第1の実施の形態におけるMFP100と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
図12は、第2の実施の形態におけるMFPが備える画像形成部および給紙部の一部の内部構成を示す模式的側面図である。図12を参照して、図3に示した第1の実施の形態におけるMFP100と異なる点は、検出装置59が検出装置59Aに変更された点である。その他の構成は第1の実施の形態におけるMFP100と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
図13は、検出装置の詳細な構成を示す模式的側面図である。図13を参照して、検出装置59Aは、投光部59aおよび受光部59bに加えて、反射用投光部59cおよび反射板59dを含む。反射用投光部59cおよび反射板59dは、主搬送経路41の下端部30とタイミングローラー45との間の位置で反射用投光部59cおよび反射板59dが主搬送経路41を挟んで互いに対向するように配置されている。また、反射用投光部59cと投光部59aとは、主搬送経路41を挟んで配置される。換言すれば、反射用投光部59cは、投光部59a主搬送経路41を移動する記録媒体paが投光部59aに向かう方向と同じ方向に配置される。反射用投光部59cは、例えば発光ダイオード等の発光素子、発光素子の駆動回路、および光学系を含み、その光軸に沿って光を射出する。反射用投光部59cは、単色の光を射出してもよいが、赤(R)、緑(G)および青(B)の3色の光を射出するのが好ましい。反射用投光部59cから検出領域に予め定められた光量の光が射出される。
記録媒体が主搬送経路41を移動して検出領域を横切る間、移動中の記録媒体の一部に反射用投光部59cから射出される光が照射される。このとき、記録媒体に照射された光の一部は記録媒体を透過し、記録媒体に照射された光の残りは記録媒体に吸収されるかまたは記録媒体から反射される。受光部59bは、記録媒体で反射した光を受光し、その受光量に応じた信号をCPU111に出力する。
投光部59aと反射用投光部59cとは、光を出射する期間が異なる。このため、投光部59aが光を出射している第1期間に受光部59bが受光して出力する信号が透過光の光量を示し、反射用投光部59cが光を出射している第2期間に受光部59bが受光して出力する信号が反射光の光量を示す。
図14は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図14に示す機能が図4に示した機能と異なる点は、反射センサー制御部71、状態検出部73が追加された点、媒体情報決定部65が媒体情報決定部65Aに変更された点である。その他の機能は、図4に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
反射センサー制御部71は、検出装置59Aを制御して、給紙部150から主搬送経路41に供給された記録媒体が検出装置59Aの検出領域DAを移動するときに、記録媒体の反射率RFを決定する。具体的には、反射センサー制御部71は、検出装置59Aの反射用投光部59cに第2期間だけ光を射出させ、受光部59bが第2期間に出力する出力信号を取得し、出力信号から受光量を算出する。反射センサー制御部71は、反射用投光部59cが出射した光の光量に対する受光部59bが受光した光の光量の割合を反射率RFとして算出する。反射センサー制御部71は、算出された反射率RFを状態検出部73に出力する。
状態検出部73は、反射センサー制御部71から反射率RFが入力され、反射率RFに基づいて、記録媒体の画像が形成される面の状態を表面状態として決定する。表面状態は、例えば、記録媒体の色を含む。また、表面状態は、顔料などが塗布されたコート紙と普通紙との別を含む。反射率RFと、表面状態との関係を、実験等により予め求めたテーブルまたは変換式を準備しておくことにより、状態検出部73は、そのテーブルまたは変換式を用いて、反射率RFから表面状態を決定する。状態検出部73は、決定された表面状態を媒体情報決定部65Aに出力する。
媒体情報決定部65Aは、補正部75を含む。補正部75は、状態検出部73から入力される表面状態に基づいて、透過率TRに対応する基準範囲を変更する。表面状態が異なることにより、透過率TRが異なる場合がある。補正部75は、表面状態と透過率TRとの関係を示すテーブルまたは変換式を予め実験等で求めておき、そのテーブルまたは変換式を用いて、基準範囲の補正量を決定し、補正量に基づいて基準範囲を変更する。
なお、補正部75は、表面状態に基づいて、第1変換情報および第2変換情報を変更するようにしてもよい。第1変換情報および第2変換情報それぞれを、複数の表面状態それぞれに対して複数を準備しておき、補正部75は、状態検出部73から入力される表面状態に対応する第1変換情報および第2変換情報を決定する。
図15は、第2の実施の形態における画像形成制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図15を参照して、図11に示した画像形成制御処理と異なる点は、ステップS04とステップS05との間に、ステップS21〜ステップS23が追加された点である。その他の処理は、図11に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
ステップS21においては、反射率RFを検出し、処理をステップS22に進める。そして、反射率RFに基づいて表面状態を決定し、処理をステップS23に進める。ステップS23においては、表面状態に基づいて、ステップS04において検出された透過率TRに対する基準範囲を変更し、処理をステップS05に進める。
<第1の変形例>
第1および第2の実施の形態において、基準範囲を、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別としてもよい。この場合、変化量ΔIに基づき決定された第1媒体種別が、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別と同じならば、変化量ΔIが、透過率TRに対応する基準範囲内と判断する。
第1および第2の実施の形態において、基準範囲を、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別としてもよい。この場合、変化量ΔIに基づき決定された第1媒体種別が、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別と同じならば、変化量ΔIが、透過率TRに対応する基準範囲内と判断する。
具体的には、媒体情報決定部65は、第1変換情報を用いて透過率TRに対する坪量を決定し、HDD115に記憶された対応テーブルを参照して、透過率TRに基づき決定された坪量に対する第1媒体種別を決定する。また、媒体情報決定部65は、第2変換情報を用いて変化量ΔIに対する坪量を決定し、HDD115に記憶された対応テーブルを参照して、変化量ΔIに基づき決定された坪量に対する第1媒体種別を決定する。
媒体情報決定部65は、変化量ΔIに基づき決定された第1媒体種別が、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別と同じならば、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別に基づいて、媒体種別を決定する。具体的には、媒体情報決定部65は、透過率TRに基づき決定される第1媒体種別で、第2媒体種別が「画像形成無」で、第3媒体種別が「紙」の媒体種別に決定する。
媒体情報決定部65は、変化量ΔIに基づき決定された第1媒体種別が、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別と異なる場合、変化量ΔIに基づき決定された第1媒体種別の用紙の坪量と、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別の用紙の坪量とを比較する。
媒体情報決定部65は、変化量ΔIに基づき決定された第1媒体種別の用紙の坪量が、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別の用紙の坪量よりも小さい場合、変化量ΔIに基づき決定された第1媒体種別に基づいて、媒体種別を決定する。具体的には、媒体情報決定部65は、変化量ΔIに基づき決定される第1媒体種別で、第2媒体種別が「画像形成有」で、第3媒体種別が「紙」の媒体種別に決定する。
媒体情報決定部65は、変化量ΔIに基づき決定された第1媒体種別の用紙の坪量が、透過率TRに基づき決定された第1媒体種別の用紙の坪量よりも大きい場合、媒体情報を予め定められた「OHP」に決定する。媒体情報が「OHP」の記録媒体は、第1媒体情報が「OHP」であり、第2媒体情報が「画像形成無」であり、第3媒体情報が「OHPシート」である。
<第2の変形例>
第1および第2の実施の形態においては、モーターMに流れる電流の変化量ΔIを、給紙ローラー151r〜154rのいずれかとタイミングローラー45との負荷を示す値としたが、モーターMに流れる電流の最大値を、給紙ローラー151r〜154rのいずれかとタイミングローラー45との負荷としてもよい。さらに、用紙が搬送される任意の時点におけるモーターMに流れる電流の値Iを、給紙ローラー151r〜154rのいずれかとタイミングローラー45との負荷としてもよい。
第1および第2の実施の形態においては、モーターMに流れる電流の変化量ΔIを、給紙ローラー151r〜154rのいずれかとタイミングローラー45との負荷を示す値としたが、モーターMに流れる電流の最大値を、給紙ローラー151r〜154rのいずれかとタイミングローラー45との負荷としてもよい。さらに、用紙が搬送される任意の時点におけるモーターMに流れる電流の値Iを、給紙ローラー151r〜154rのいずれかとタイミングローラー45との負荷としてもよい。
以上説明したように、第1および第2の実施の形態におけるMFP100は、主搬送経路41に沿って記録媒体paを搬送する給紙ローラー151r〜154rのいずれかとタイミングローラー45と、主搬送経路41内の記録媒体paに光を射出する投光部59aと、用紙からの光を検出することにより検出された光の量に応じた信号を出力する受光部59bと、受光部59bにより出力される信号と、給紙ローラー151r〜154rのいずれかとタイミングローラー45の負荷とに基づいて、用紙の媒体種別を決定する。このため、用紙の媒体種別を高い精度で検出することができる。
また、給紙ローラー151r〜154rのいずれかとタイミングローラー45の負荷を、給紙ローラー151r〜154rのいずれかとタイミングローラー45を駆動するモーターMに流れる電流の変化量ΔIとして検出し、変化量ΔIが、記録媒体paを透過する光の透過率TRに対して予め定められた基準範囲内の場合、透過率TRに基づいて記録媒体paの媒体種別を決定する。透過率TRに基づいて決定される媒体種別と、変化量ΔIに基づいて決定される媒体種別とが類似する場合は、透過率TRに基づいて決定される媒体種別を優先する。このため、記録媒体paの媒体種別を検出する精度を高めることができる。
また、変化量ΔIが基準範囲よりも小さい場合は、透過率TRに基づいて決定される媒体情報が誤っている可能性があるので、変化量ΔIに基づいて決定される媒体情報を優先する。このため、媒体種別を検出する精度を高めることができる。
また、変化量ΔIが基準範囲よりも大きい場合は、透過率TRに基づいて決定される媒体種別が誤っている可能性がるので、媒体種別として予め定められたOHPに決定する。このため、媒体種別を検出する精度を高めることができる。
また、変化量ΔIが基準範囲内でない場合、ユーザーに通知するので、透過率TRに基づいて決定される媒体種別でない媒体種別の用紙に画像が形成されることを、ユーザーに通知することができる。
また、MFP100は、媒体種別に対応する画像形成条件で、その媒体種別の用紙に画像を形成するので、記録媒体に形成される画像の画質を向上させることができる。
また、第2の実施の形態におけるMFP100は、反射用投光部59cが光を射出している間に受光部59bにより受光された反射光が反射用投光部59cにより射出された光量に占める割合である反射率RFに基づいて用紙の表面状態を検出し、表面状態に基づいて、透過率TRに対して定められる基準範囲を変更する。同一の媒体種別の記録媒体であっても表面状態の違いにより、透過率TRが異なるので、基準範囲を正確に定めることができる。このため、表面状態が異なる用紙の媒体種別を検出する精度を高めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 MFP、59,59A 検出装置、59a 投光部、59b 受光部、59c 反射用投光部、59d 反射板、15 排紙ローラー、41 主搬送経路、M モーター、45 タイミングローラー、47 転写ローラー、49 定着ローラー、51Y,51M,51C,51K 画像形成ユニット、55 駆動ローラー、55A ローラー、 57 中間転写ベルト、101 側壁、110 メイン回路、111 CPU、112 通信インターフェース(I/F)部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、118 外部記憶装置、118A CD−ROM、120 自動原稿搬送装置、125 原稿トレイ、127 原稿排紙トレイ、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、151,152,153 給紙カセット、154 手差しカセット、151r〜154r 給紙ローラー、152a,153a 搬送経路、159 排紙トレイ、160 操作パネル、161 表示部、163 操作部、165 タッチパネル、167 ハードキー部、61 搬送制御部、63 透過センサー制御部、65,65A 媒体情報決定部、67 画像形成制御部、69 通知部、71 反射センサー制御部、73 状態検出部、75 補正部。
Claims (10)
- 搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路内の前記記録媒体に検査用の媒体を射出する射出手段と、
前記記録媒体からの検査用の媒体を検出することにより検出された媒体の量に応じた信号を出力する収集手段と、
前記収集手段により出力される信号と前記搬送手段の負荷とに基づいて、前記記録媒体に関する媒体情報を決定する媒体情報決定手段と、を備えた画像形成装置。 - 前記媒体情報決定手段は、前記搬送手段の負荷が、前記収集手段により出力される信号に対して予め定められた基準範囲内の場合、前記収集手段により出力される信号に基づいて前記記録媒体に関する媒体情報を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記射出手段により射出された検査用の媒体の量に対する前記収集手段により検出された検査用の媒体の量の割合の変化量に対して前記基準範囲が定められ、
前記媒体情報決定手段は、前記射出手段により射出された検査用の媒体の量に対する前記収集手段により検出された検査用の媒体の量の割合の変化量に基づいて前記記録媒体に関する媒体情報を決定する、請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記媒体情報決定手段は、前記搬送手段の負荷が前記基準範囲よりも小さい場合、前記搬送手段の負荷に基づいて前記記録媒体に関する媒体情報を決定する、請求項2または3に記載の画像形成装置。
- 前記媒体情報決定手段は、前記搬送手段の負荷が前記基準範囲よりも大きい場合、前記記録媒体に関する媒体情報として予め定められた既定情報に決定する、請求項2〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記搬送手段の負荷が前記基準範囲内でない場合、ユーザーに通知する通知手段を、さらに備えた請求項2〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記射出手段と前記収集手段とは、前記搬送経路を跨いで配置され、
前記搬送経路内の前記記録媒体に検査用の媒体を射出するサブ射出手段を、さらに備え、
前記射出手段と前記サブ射出手段とは、前記搬送経路を跨いで配置され、
前記サブ射出手段が検査用の媒体を射出している間に前記収集手段により検出された検査用の媒体の量が前記サブ射出手段により射出された検査用の媒体の量に占める反射割合に基づいて、前記記録媒体の表面状態を検出する状態検出手段と、
検出された前記表面状態に基づいて、前記収集手段により出力される信号に対して定められる前記基準範囲を変更する補正手段と、をさらに備えた請求項2〜6のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記記録媒体に画像を形成する画像形成手段を、さらに備え、
前記画像形成手段は、前記媒体情報決定手段により決定された媒体情報に対応する条件で、前記記録媒体に画像を形成する、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 画像形成装置で実行される媒体情報決定方法であって、
前記画像形成装置は、
搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路内の前記記録媒体に検査用の媒体を射出する射出手段と、
前記記録媒体からの検査用の媒体を検出することにより検出された媒体の量に応じた信号を出力する収集手段と、を備え、
前記収集手段により出力される信号と前記搬送手段の負荷とに基づいて、前記記録媒体に関する媒体情報を決定する媒体情報決定ステップを含む媒体情報決定方法。 - 画像形成装置を制御するコンピューターで実行される媒体情報決定プログラムであって、
前記画像形成装置は、
搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路内の前記記録媒体に検査用の媒体を射出する射出手段と、
前記記録媒体からの検査用の媒体を検出することにより検出された媒体の量に応じた信号を出力する収集手段と、を備え、
前記収集手段により出力される信号と前記搬送手段の負荷とに基づいて、前記記録媒体に関する媒体情報を決定する媒体情報決定ステップを、前記コンピューターに実行させる媒体情報決定プログラム。
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