JP2020006678A - 積層体およびそれを用いてなる回路基板 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の積層体は、ポリアリーレンスルフィド系樹脂を主成分とする層(A層)と金属を主成分とする層(M層)を少なくとも1層以上含み、かつA層とM層が接してなることを特徴とする。ここで主成分とは、当該層を構成する原料の80質量%以上を占めることをいう。上記する構成とすることで、導体であるM層と絶縁層であるA層が接し、伝送経路である導体表面をA層が接するため伝送損失が小さく、かつ温度や湿度による経時変化が小さいため伝送特性保持に優れた特性を発現することができる。
本発明の積層体に用いるポリアリーレンスルフィド系樹脂の繰り返し単位としては、上記の式(1)で表されるp−アリーレンスルフィド単位が好ましく、これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトンなどが挙げられ、特に好ましいp−アリーレンスルフィド単位としては、フィルム物性と経済性の観点から、p−フェニレンスルフィド単位が好ましく例示される。
(i)配向パラメーターI=I1080/I740
I1080:フィルム面に平行な偏光配置での1080cm−1ラマンバンドの強度
I740:フィルム面に平行な偏光配置での745cm−1ラマンバンドの強度
上記レーザーラマン分光による測定方法は特に限定されないが、例えば、レーザーラマン装置(PDP320(フォトンデザイン社製))を用い、マイクロプロ−ブ対物レンズ100倍、対物レンズは、近赤外域(1064〜1300nm)に透過性を有し、NA0.95、色収差補正されているものを使用することができる。クロススリット1mm、スポット径1μm、光源Nd−YAG(波長1064nm、出力:1W)、回折格子 Spectrograph300g/mm、スリット:100μm、検出器InGaAs(Roper Scientific 512)が好ましく用いられる。測定に用いる積層体は、サンプリングしてエポキシ樹脂に包埋後、ミクロト−ムで積層体断面を作製した。各試料の中央点を測定点として5個の試料を測定して平均値を算出した。測定は、入射光の偏光方向に平行な偏光方向に配置した偏光子を通して検出し、試料を回転させ、レーザー光の偏光方向に対して、フィルム面に平行な偏光方向でスペクトルを得た。
なお、熱可塑性樹脂(α)としては、例えばポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン等の各種ポリマーおよびこれらのポリマーの少なくとも一種類を含むブレンド物を用いることができる。屈曲耐久性の観点から熱可塑性樹脂(α)として、より好ましくはポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドから選ばれる樹脂であり、さらに好ましくはポリフェニルスルホンであることが好ましい。
本発明の積層体のB層(II)は、ポリアリーレンスルフィド系樹脂に熱可塑性樹脂(α)が分散相として存在する層であることが好ましい。ここでいう分散相とは、ポリアリーレンスルフィド系樹脂と熱可塑性樹脂(α)が構成する海島構造の島成分のことを指す。また、その形状として、熱可塑性樹脂(α)が円形、楕円形、紡錘形、不定形などの状態として本発明のポリアリーレンスルフィドフィルム中に存在することを指し、該フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)観察や走査電子顕微鏡(SEM)観察などによりその形態を確認することができる。
本発明において、熱ラミネート温度は、A層の融点をTmAとした場合に、TmA−20℃以上TmA+50℃以下であることが好ましい。上記の温度範囲で熱ラミネートすることでM層との密着性が高まるため積層体としての柔軟性が向上する。熱ラミネート温度がTmA下回る場合、密着性が低くなる場合があり回路加工時にM層の剥離し加工性が低下する場合がある。また、熱ラミネート温度がTmA+50℃を超えると温度により樹脂が分解や架橋が起こるため、A層が脆化し、柔軟性が低下する場合がある。熱ラミネート温度はより好ましくは、TmA以上TmA+30℃以下であり、さらに好ましくはTmA+5℃以上TmA+20℃以下である。
本発明の積層体は、特に回路基板のベース基材として最適である。本発明の回路基板は、上記の積層体を回路加工することによって、少なくとも片面に電気回路が形成されたものである。電気回路とは、導電体をパターン化した電気の通路で、その導電体としては、銅、アルミニウム、鉄、銅、銀などの金属またはカーボンなどを含有する導電性塗料などが通常用いられる。また、電気回路に電気部品や電子部品が実装されていてもよい。また、該回路基板が2層以上積層されてあってもよい。かかる回路基板にはドリル、レーザー、溶融貫通法などで穴加工が容易である。回路の形成方法は、積層体に感光性樹脂を塗布し、回路形状を光で焼き付けた後未露光部分の樹脂を除去し、銅箔の場合には塩化第二鉄水溶液でエッチングする方法が例として挙げられる。
(1)積層体の耐折試験
積層体に回路パターン(図1)を形成する。その際、最外層の一方の面のみにM層がある場合は該当層にパターンを形成する。最外層の両面がM層である場合は一方の面にパターンを形成させ、もう一方の最外層は全面をエッチングによってM層を除去する。続いて、MIT耐屈曲試験機を用いてJIS C6471に準拠し、曲率半径0.38mm、荷重4.9N、折り曲げ角度135°、曲げ頻度175回/分において試料の導通を測定したものとする。また、各試料5回の測定を行い、これらの平均値をフィルムの耐折れ回数として採用する。
積層体の全体の厚みを測定する際は、ダイヤルゲージを用いて、積層体から切り出した試料の任意の場所5箇所の厚みを測定子、平均値を求めた。また、各層の厚みを測定する際は積層体断面をミクロトームで切り出し、該断面をライカマイクロシステムズ(株)製金属顕微鏡LeicaDMLMを用いて、フィルムの断面を倍率100倍の条件で透過光を写真撮影し、積層フィルムの各層の層厚みについて、各層ごとに任意の5ヶ所を測定し、その平均値を各層の層厚みとした。
(2)で作製した断面サンプルを走査型電子顕微鏡で倍率5000倍観察し、ボイドの有無を観察画像より確認し、下記基準で評価した。
A:ボイド有
B:ボイド無
(4)分散相の確認
フィルムを長手方向に平行かつフィルムに垂直な方向に切断し、凍結超薄切片法で断面試料を作成した。なお、長手方向が判断できない場合は、いずれかの方向を0°とし、フィルム面内に―90℃から90℃まで10°毎に方向を変えて測定し、最もヤング率の高い方向を長手方向とする。分散相のコントラストを明確にするために、オスミウム酸やルテニウム酸、リンタングステン酸などで染色しても良い。切断面を透過型電子顕微鏡(日立製HT7700)を用いて、加速電圧100kVの条件下で観察し、2000倍で写真を撮影し分散相の形状を確認した。得られた写真をイメージアナライザー(Leica MICROSYSTEMS社製Leica Application Suite LAS ver4.6)に画像として取り込み、任意の20個の分散相を選択し、各分散相の外接円をとりその直径の平均値を分散相の大きさとした。また、分散相の長径と短径を読み取りその比を算出した。
積層体からマイクロプレーンを用いて、測定を行いたい任意の層について(2)で確認した厚みを超えない範囲で削り取りサンプリングを行う。サンプリングを行う際に、M層は必要に応じてエッチングによって除去してもよい。削り取ったサンプルについてJIS K7121−1987に従って示差走査熱量計として、セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、上記のサンプル5mgをアルミニウム製受皿上、室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温する(1st Run)。同試料を取り出し急冷したのち、室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温する(2nd Run)。
積層体をエポキシ樹脂に包埋後、ミクロト−ムで積層体断面を作製した。作製した積層体断面において、レーザーラマン装置(PDP320(フォトンデザイン社製))を用い、下記条件にて配向パラメーターを求めた。
マイクロプロ−ブ対物レンズ:100倍
クロススリット:1mm
スポット径:1μm
光源:Nd−YAG(波長1064nm、出力:1W)
回折格子:Spectrograph300g/mm
スリット:100μm
検出器:InGaAs(Roper Scientific 512)
測定は、入射光の偏光方向に平行な偏光方向に配置した偏光子を通して検出し、試料を回転させ、レーザー光の偏光方向に対して、フィルム面に平行な偏光方向でスペクトルを得た。得られたスペクトルにつき下記式(i)に各試料の中央点を測定点として5個の試料を測定して平均値を算出した。
(i)配向パラメーターI=I1080/I740
I1080:フィルム面に平行な偏光配置での1080cm−1ラマンバンドの強度
I740:フィルム面に平行な偏光配置での745cm−1ラマンバンドの強度
(7)積層体の高周波伝送損失の保持率
積層体の伝送特性を評価するために、マイクロストリップ構造にて、線路長100mm、特性インピーダンスが50Ωとなるように回路を形成した。形成した回路を、温度85℃、湿度80%、2000時間処理を行い、処理前後でネットワークアナライザ(Agilent E8363B,N4420B)を用いてSパラメータ法によって得られる20GHzの伝送損失から下記式によって伝統特性の保持率を算出した。評価Bが不合格である。
処理前の伝送損失をE0、耐湿熱性試験後の伝送損失をE1とし、下記式により伝送特性の保持率を算出する。伝送損失の保持率を以下の基準で判定をした。
接着強度保持率=E1/E0×100
A:伝送損失の保持率が80%以上。
B:伝送損失の保持率が80%未満。
積層体の回路加工性をモデル的に評価するために、UV−YAGレーザー(ESI MODEL5335)を用いてレーザー波長355nmにて貫通孔を形成した。形成した貫通孔の中心を通るように積層体を切断し、電子顕微鏡を用いて観察を行い下記判定基準に従って評価する。評価Cが不合格である。
A:バリ、M層界面剥離が無い。
B:バリがあるもののM層界面剥離が無く使用できる。
C:バリが発生しM層界面で剥離が発生し、導通不良で使用不可
(9)積層体の回路加工性(II)
積層体から150mm×150mmの試料を切り出し表面にドライフィルム(日立化成製フォテックRD−2015)を温度105℃でラミネート後、パターンが形成されたマスクを解して露光し、現像液(炭酸ナトリウム水溶液)を用いて現像した。これを、塩化第2鉄溶液でエッチングして幅0.2mm、長さ100mmのパターンを10本形成した。最外層の一方の面にM層がある場合は該当層にパターンを形成する。最外層の両面がM層である場合は一方の面にパターンを形成させ、もう一方の最外層はエッチングによってM層を除去する。回路の形成状況について下記の基準に従って評価する。評価Cが不合格である。
AA:剥離、カールが無い。
A:パターンの剥離は無く、積層体が少しカールするが使用できる。
B:パターンが一部剥離およびまたは積層体がカールするが導通しており使用できる。
C:パターンの剥離および/または積層体が大きくカールし導通不良で使用不可。
回路基板として曲げや折り加工によって機器への挿入をモデル的に評価するために、引張試験機を使用し、積層体をある特定の伸び量で引っ張った後、微分干渉顕微鏡にて表面状態を観察する。条件は下記のとおりとする。
(引張試験機)
・測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”
・試料サイズ:支持体幅方向5mm×支持体長手方向100mm、
・引張り速度:10%/分
・引張り伸度:0.5%〜5%の範囲で0.5%刻みで10点測定
・測定環境:温度23℃、湿度65%RH
(微分干渉顕微鏡)
・測定装置:ライカDMLB HC ライカマイクロシステムズ(株)製
・観察倍率:1,000倍
各伸度で引っ張ったサンプルを10個作製し、各々のサンプルについて無作為に10視野を観察し、割れが合計8カ所以上観察される場合を割れ有りとする。そして、次の基準でフレキシブル性を評価する。Cを不合格とする。
AA:伸度3%でM層表面に割れが発生しない場合
A:伸度2%以上3%未満でM層表面に割れが発生した場合
B:伸度1%以上2%未満でM層表面に割れが発生した場合
C:伸度1%未満でM層表面に割れが発生した場合
(11)屈曲耐久性
200℃に設定したADVANTEK社製のオーブン(DRV420DA)中に、上述した耐折試験用に回路パターン(図1)を形成した積層体を1000hr静置し、熱処理された積層体を(1)と同様の方法で測定した。耐久試験前の耐折回数と耐久試験後の耐折回数から下記式により保持率を算出しその値を屈曲耐久性とした。屈曲耐久性を以下の基準に従って判定をした。
耐折回数保持率=耐久試験後の耐折回数/耐久試験後の耐折回数×100
AA:耐折回数保持率が80%以上
A:耐折回数保持率が70%以上80%未満
B:耐折回数保持率が60%未満
オートクレ−ブに100モルの硫化ナトリウム9水塩、45モルの酢酸ナトリウムおよび25リットルのN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略称する。)を仕込み、撹拌しながら徐々に220℃の温度まで昇温して、含有されている水分を蒸留により除去した。脱水の終了した系内に、主成分モノマとして90モルのp−ジクロロベンゼン、副成分モノマとして10モルのm−ジクロロベンゼンを5リットルのNMPとともに添加し、170℃の温度で窒素を3kg/cm2で加圧封入後、昇温し、260℃の温度にて4時間重合した。重合終了後冷却し、蒸留水中にポリマーを沈殿させ、150メッシュ目開きを有する金網によって、小塊状ポリマーを採取した。このようにして得られた小塊状ポリマーを90℃の蒸留水により2回洗浄した後、酢酸ナトリウム水溶液で3回洗浄した後、蒸留水により1回洗浄し、減圧下120℃の温度にて乾燥して融点が255℃の共重合PPS樹脂の顆粒を得た。得られた顆粒を300℃に加熱されたベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数150回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングして共重合PPS(I)のチップを作製した。
オートクレ−ブに100モルの硫化ナトリウム9水塩、45モルの酢酸ナトリウムおよび25リットルのN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略称する。)を仕込み、撹拌しながら徐々に220℃の温度まで昇温して、含有されている水分を蒸留により除去した。脱水の終了した系内に、主成分モノマとして100モルのp−ジクロロベンゼンを5リットルのNMPとともに添加し、170℃の温度で窒素を3kg/cm2で加圧封入後、昇温し、260℃の温度にて4時間重合した。重合終了後冷却し、蒸留水中にポリマーを沈殿させ、150メッシュ目開きを有する金網によって、小塊状ポリマーを採取した。このようにして得られた小塊状ポリマーを90℃の蒸留水により2回洗浄した後、酢酸ナトリウム水溶液で3回洗浄した後、蒸留水により1回洗浄し、減圧下120℃の温度にて乾燥して融点が280℃のPPS樹脂の顆粒を得た。
参考例2で得られたPPS樹脂の顆粒を330℃に加熱されたベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数150回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてPPS(I)のチップを作製した。
参考例1で得られた共重合PPS樹脂(I)のチップ90質量%と参考例3で得られたPPS樹脂(I)のチップ10質量%をブレンダー((株)川田製作所製)で15分間、攪拌後取出し共重合PPS(II)のチップとした。
参考例2で得られたPPS樹脂の顆粒80質量%と炭酸カルシウム(CS−3NA(平均粒径1.5μm、宇部マテリアルズ(株)製))20質量%を、320℃に加熱されたベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数150回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてチップを作製し、PPS(II)のチップとした。
参考例2で得られたPPS樹脂の顆粒95質量%とポリフェニルスルホン樹脂(PPSU:ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社、レーデル R5800−NT))5質量%を、320℃に加熱されたベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数150回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてチップを作製し、PPS(III)のチップとした。
参考例2で得られたPPS樹脂の顆粒95質量%とポリエーテルスルホン樹脂(PES:ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社、ベラデル A201)5質量%を、320℃に加熱されたベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数150回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてチップを作製し、PPS(IV)のチップとした。
参考例2で得られたPPS樹脂の顆粒95質量%とポリエーテルイミド樹脂(PEI:SABICイノベーティブプラスチック社製ウルテム1010)5質量%を、320℃に加熱されたベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数150回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてチップを作製し、PPS(V)のチップとした。
参考例1で作製した共重合PPS(I)のチップを、180℃で3時間減圧乾燥した後、溶融部が300℃に加熱された押出機1(A層)に供給した。また、参考例3で作製したPPS(I)のチップを、180℃で3時間減圧乾燥した後、溶融部が320℃に加熱された押出機2(B層)に供給した。
次いで、これらの2台の押出機で溶融したポリマーを繊維焼結ステンレス金属フィルター(14μmカット)に通過させた後、310℃に設定した3層用の合流ブロックを用いて3層積層(A/B/A)とした。合流ブロックを通過させるポリマー流量は、積層比率はA:B:A=1:4.25:1となるよう各層の厚さをそれぞれのラインに設置されたギアポンプの回転数を調節し、押出量を制御することによって合わせた。このように溶融ポリマーを3層積層状態にし、温度310℃に設定したTダイの口金から溶融押出した後、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、厚み700μmの未延伸フィルムを得た。次いで、得られた未延伸フィルムを、表面温度90℃に加熱された複数の加熱ロールで予熱した後、表面温度95℃に加熱された加熱ロールと、加熱ロールの次に設けられた周速の異なる30℃の冷却ロールとの間で、長手方向(MD方向)に3.5倍延伸した。このようにして得られた1軸延伸シートを、テンターを用いて長手方向と垂直方向(TD方向)に100℃の温度で3.5倍に延伸し、続いて240℃で熱処理を行った。引き続き、240℃の弛緩処理ゾーンで4秒間横手方向(TD方向)に5%弛緩処理を行った後、室温まで冷却した後、フィルムエッジを除去し、厚み50μmの二軸延伸PPSフィルムを得た。
参考例1で作製した共重合PPS(I)のチップを180℃で3時間減圧乾燥した後、300℃に加熱された押出機に供給し、溶融状態で温度300℃に加熱した繊維焼結ステンレス金属フィルター(14μmカット)に通過させた後、温度300℃に設定したTダイの口金から溶融押出し、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、厚み700μmの未延伸フィルムを得た。次いで、実施例1と同様にして2軸延伸し、共重合PPS(I)のみで構成された50μmの共重合PPSフィルムを得た。次に、実施例1と同様にして銅箔とラミネートし、銅箔と共重合PPSで構成された積層体を得た。
参考例4で作製した共重合PPS(II)のチップをA層に用いる以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
参考例5で作製したPPS(II)のチップをB層に用いる以外は、実施例3と同様にして積層体を得た。
参考例3で作製したPPS(I)のチップを180℃で3時間減圧乾燥した後、330℃に加熱された押出機に供給し、溶融状態で温度330℃に加熱した繊維焼結ステンレス金属フィルター(14μmカット)に通過させた後、温度330℃に設定したTダイの口金から溶融押出し、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、厚み700μmの未延伸フィルムを得た。次いで、実施例1と同様にして2軸延伸し、PPS(I)のみで構成された50μmの二軸延伸PPSフィルムを得た。次に、温度を290℃とした以外は実施例1と同様にして銅箔とラミネートし、銅箔とPPSで構成された積層体を得た。
参考例6で作製したPPS(III)のチップをB層に用い、製膜安定性の観点からMD方向の延伸倍率を3.0倍とした以外は、実施例3と同様にして積層体を得た。
参考例7で作製したPPS(IV)のチップをB層に用いる以外は、実施例6と同様にして積層体を得た。
参考例8で作製したPPS(V)のチップをB層に用いる以外は、実施例6と同様にして積層体を得た。 (比較例1)
実施例5と同様にして二軸延伸PPSフィルムを得た。得られたPPSフィルムの両面にエポキシ系接着剤“ ケミットT E 2 3 0 1 ” ( 東レファインケミカル製) を厚み5 μ m に調整してグラビアロールで塗布し、1 0 0 ℃3分間乾燥させ、接着剤層を有するPPSフィルムを作製した。得られた接着剤つきPPSフィルムと銅箔を表1に示す構成に重ね合わせ温度120℃、1MPa、5分でラミネートした後、150℃で2時間の熱処理を行って接着剤を硬化させて銅箔、接着剤、PPSで構成された積層体を得た。
参考例3で得たPPS(I)のチップを180℃で3時間減圧乾燥した後、330℃に加熱された押出機に供給し、溶融状態で温度330℃に加熱した繊維焼結ステンレス金属フィルター(14μmカット)に通過させた後、温度330℃に設定したTダイの口金から溶融押出し、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、厚み50μmの未延伸PPSフィルムを得た。得られた未延伸PPSフィルムを、温度を290℃とした以外は実施例1と同様にして銅箔とラミネートし、銅箔とPPSで構成された積層体を得た。
樹脂層を構成するフィルムとして液晶ポリマー(LCP)フィルム VecstarCT−Z(クラレ(株)製、50μm)を用いて、表1に示す構成に重ね合わせ、真空プレス機を用いて温度340℃、圧力1MPa、時間5分でラミネートし接合し樹脂層がLCPで構成された積層体を得た。
Claims (10)
- ポリアリーレンスルフィド系樹脂を主成分とする層(A層)と、金属を主成分とする層(M層)を少なくとも1層以上含み、かつA層とM層が接してなる積層体であって、耐屈曲試験において耐折回数が100回以上である積層体。
- 該A層の断面方向からのレーザーラマン分光で得られる配向パラメーターIAが6未満であることを特徴とする請求項1に記載の積層体
- 該積層体が、ポリアリーレンスルフィドを主成分とするA層とA層よりも配向パラメーターの高いB層を少なくとも含むことを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
- 該B層の断面方向からのレーザーラマン分光で得られる配向パラメーターIBが6以上10以下であることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
- 該B層が、空孔を有するB層(I)からなる請求項3または4に記載の積層体。
- 熱可塑性樹脂の分散径において長径および短径の比が2.0以上である、請求項6に記載の積層体。
- 該A層の融点が275℃以下である請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を用いてなる回路基板。
- ポリアリーレンスルフィド系樹脂を主成分とする層(A層)を少なくとも1層以上含み、金属を主成分とする回路を少なくとも1層以上含む回路基板であって、かつA層と回路が接してなり、耐屈曲試験において耐折回数が100回以上である回路基板。
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Cited By (1)
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KR20230169862A (ko) | 2022-06-09 | 2023-12-18 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 동박 적층판 및 그것을 이용한 회로 기판 |
Citations (2)
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JP2009123462A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Toray Ind Inc | 面状発熱体及びその製造方法 |
JP2014001363A (ja) * | 2012-05-21 | 2014-01-09 | Toray Ind Inc | 金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム |
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2019
- 2019-03-18 JP JP2019049605A patent/JP7298218B2/ja active Active
Patent Citations (2)
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KR20230169862A (ko) | 2022-06-09 | 2023-12-18 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 동박 적층판 및 그것을 이용한 회로 기판 |
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