JP2020006529A - ポリ塩化ビニル系シート - Google Patents

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Abstract

【課題】透明層を有し、燃焼時の発煙量、塩化水素ガス量を低減させたポリ塩化ビニル系シートの提供。【解決手段】塩化ビニル系樹脂100重量部と、ポリエステル系可塑剤5〜50重量部とを含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物(a)からなる透明層1と、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部と、ポリエステル系可塑剤5〜100重量部と、モリブデン酸系化合物および錫酸亜鉛化合物のうち少なくとも一種の難燃剤5〜100重量部と、無機充填剤50〜300重量部とを含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物(b)からなる基材層2とを有するポリ塩化ビニル系シート。【選択図】図1

Description

本発明は透明層を有するポリ塩化ビニル系シートに関する。
ポリ塩化ビニル樹脂にフタル酸エステル等の可塑剤を添加した軟質ポリ塩化ビニルシートは、建築材料、工業用フィルム等として使用されている。また、この軟質ポリ塩化ビニルシートは柔軟性を有し、施工性や接着性に優れる等の点から、建築物、鉄道車輌、航空機等の内装材として広く用いられている。
ポリ塩化ビニル樹脂は透明度が高いことから、外観として観察される面に透明性の高い透明層を設定し、その下に印刷模様を施した意匠層を設定することで、耐久性が高く高意匠性な内装材を提供することができる。
一方、ポリ塩化ビニル樹脂は、燃焼時において多量の煙と塩化水素ガスが発生するために避難や消火活動への影響が懸念される場合がある。このためポリ塩化ビニルの低発煙化と低塩化水素ガス化に関する検討が行われ、各種難燃剤を使用する方法が提案されている。
例えば、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン化合物、亜鉛系化合物などの難燃剤を含有するポリ塩化ビニル樹脂組成物が使用されている(特許文献1および2)。
しかし、上記の難燃剤は透明層に添加すると透明性が低下し意匠層の印刷模様が目視できなくなるため使用できず、透明層の低発煙化と低塩化水素ガス化は困難であるため床材としての発煙量と塩化水素ガス量は増加してしまう。
特開平5−51504号公報 特開平8−208925号公報
本発明は透明層を有し、燃焼時の発煙量、塩化水素ガス量を低減させたポリ塩化ビニル系シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明が用いた手段は、特定の可塑剤を含有する透明層と特定の可塑剤および難燃剤を含む層とを積層した積層シートであることを要旨とする。
より具体的には、塩化ビニル系樹脂100重量部と、ポリエステル系可塑剤5〜50重量部とを含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物(a)からなる透明層(A)と、塩化ビニル系樹脂100重量部と、ポリエステル系可塑剤5〜100重量部と、モリブデン酸系化合物および錫酸亜鉛化合物のうち少なくとも一種の難燃剤5〜100重量部と、無機充填剤50〜300重量部とを含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物(b)からなる基材層(B)とを有するポリ塩化ビニル系シートとすることである。
さらに、前記難燃剤がモリブデン酸系化合物5〜95重量部と錫酸亜鉛化合物5〜95重量部とからなることである。
また、前記透明層(A)が、屈折率が1.42〜1.65である光透過性無機充填剤を1〜100重量部含有することが好ましく、透明層(A)のヘーズが70%以下が好ましく、全光線透過率は80%以上が好ましい。
本発明のポリ塩化ビニル系シートは透明層を有し、燃焼時の発煙量、塩化水素ガス量が低減されるとの効果が得られる。また、透明層を有しているためその下に印刷模様を施した意匠層を設けることもでき、耐久性が高く高意匠性なシートを提供することもできる。
本発明の実施形態に係るポリ塩化ビニル系シートの断面図である。 本発明の他の実施形態に係るポリ塩化ビニル系シートの断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。本発明のポリ塩化ビニル系シートは、少なくとも透明層と、基材層とを備える。図1に透明層1と基材層2とを有する本発明のポリ塩化ビニル系シートに係る実施形態の断面図を示した。透明層1と基材層2は積層され一体となりシートを形成している。
本実施形態の透明層は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、ポリエステル系可塑剤を5〜50重量部含有する樹脂組成物からなり、可視光線を透過可能であり、全光線透過率をおおむね70%以上とすることで目的とする透明性が得られる。この透明層をポリ塩化ビニル系シートの最表面に設けることにより、その下に意匠性を有する層を設けることが可能となる。すなわち透明層の上から意匠層が視認できる。透明層の全光線透過率は80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。また透明層の曇り度によっても視認性が変わり、曇り度が高いと視認性が低下するためぼんやりとした意匠となり、曇り度が低いほど元の意匠層に近い意匠がそのまま発現される。透明層の曇り度の指標であるヘーズは70%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。ヘーズが70%を超える場合でも全光線透過率が70%以上であれば、透明層として使用できる。
本実施形態の基材層は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、ポリエステル系可塑剤5〜100重量部と、モリブデン酸系化合物および錫酸亜鉛化合物のうち少なくとも一種の難燃剤5〜100重量部と、無機充填剤50〜300重量部とを含有する樹脂組成物からなる。これにより適度な柔軟性と下地との接着性や施工性に優れた基材層が得られる。
また、透明層(A)と基材層(B)の他に樹脂層を設けることもできる。樹脂層は透明層(A)と基材層(B)の間に積層されてもよく、基材層(B)に積層されてもよい。すなわち透明層(A)がポリ塩化ビニル系シートの最表面となればよく、複数の樹脂層が積層されてもよい。樹脂層は、塩化ビニル系樹脂100重量部と、ポリエステル系可塑剤5〜80重量部と、モリブデン酸系化合物および錫酸亜鉛化合物のうち少なくとも一種の難燃剤5〜100重量部と、無機充填剤10〜100重量部とを含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物(c)からなることが好ましい。図2に透明層1と基材層2の間に設けた樹脂層である中間層3を有する本発明のポリ塩化ビニル系シートに係る実施形態の断面図を示した。
塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル単独重合樹脂、ポリ塩素化塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル共重合樹脂(例えば、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等)、塩化ビニルグラフト共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体、ポリウレタン−塩化ビニルグラフト共重合体等)等が挙げられ、これらを単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
可塑剤としては、ポリエステル系可塑剤の脂肪族二塩基酸およびジオールの重縮合体を用いることができる。ポリエステル系可塑剤を採用することにより燃焼時の発煙量を抑えることができる。
脂肪族二塩基酸としては、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタミン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などが挙げられる。また、ジオールとしては、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,12−オクタデカンジオールなどが挙げられる。
なかでも、アジピン酸系ポリエステル可塑剤が好適に用いられる。可塑化効率に優れ、発煙量が少ないとの効果を有するからである。
これらポリエステル系可塑剤の添加量は塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、透明層においては5〜50重量部、好ましくは15〜45重量部、さらに好ましくは20〜40重量部である。また、基材層においては5〜100重量部、好ましくは40〜80重量部、さらに好ましくは50〜75重量部である。
また、上記ポリエステル系可塑剤以外の可塑剤についても、本発明のポリ塩化ビニル系シートの性能に影響がない範囲で添加することは可能である。例えばフタル酸エステル系可塑剤、スルホン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤などである。
ポリ塩化ビニル系シートの基材層にはモリブデン酸系化合物または錫酸亜鉛化合物のうち少なくとも一種の難燃剤が添加されている。
錫酸亜鉛化合物としては錫酸亜鉛、ヒドロシキ錫酸亜鉛等が挙げられる。
モリブデン酸系化合物としては酸化モリブデン、三酸化モリブデン、モリブデン酸、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛カルシウム、モリブデン酸アンモニウム、ジモリブデン酸アンモニウム、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、オクタモリブデン酸アンモニウム、デカモリブデン酸アンモニウム、二硫化モリブデン、リンモリブデン酸、リンモリブデン酸カリウム、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸亜鉛、β モリブデン酸メラミン等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で、あるいは適宜の組み合わせによる2種以上を混合して使用することができる。
上記難燃剤の基材層中の添加量としては、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し5〜100重量部であり、好ましくは8〜80重量部であり、より好ましくは10〜60重量部である。5重量部未満であると燃焼時の発煙および塩化水素などの有毒ガスの発生の抑制効果が十分でなく、100重量部を超えて添加しても発煙及び有毒ガスの発生抑制効果はあまり変わらずにコストの増加や加工性および物性の悪化が見られる。
また、モリブデン酸系化合物および錫酸亜鉛化合物はそれぞれ単独で用いてもよいが、併用することにより特に、塩化水素ガスの抑制効果が向上するため好ましい。これらを併用する場合には、モリブデン酸系化合物の添加量が5〜95重量部であり、なおかつ錫酸亜鉛化合物の添加量が5〜95重量部であることが好ましく、モリブデン酸系化合物の添加量が5〜50重量部であり、なおかつ錫酸亜鉛化合物の添加量が5〜50重量部であることがより好ましい。
また、上記モリブデン系化合物および錫酸亜鉛化合物以外の難燃剤についても、本発明のポリ塩化ビニル系シートの性能に影響がない範囲で添加することが可能である。このような難燃剤には有機系と無機系があり、有機系としては臭素系などのハロゲン系やリン酸エステルなどのリン系などが挙げられ、無機系としては及び炭酸アンモンや窒化ホウ素などの窒素系や水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなど金属水酸化物や酸化アンチモンなどのアンチモン系などが挙げられる。
ポリ塩化ビニル系シートの基材層には、上記難燃剤以外の無機充填剤を含有する。無機充填剤を基材層に含有することで、ポリ塩化ビニル系シートの寸法安定性や耐熱性、難燃性などが向上するとともに、コスト低減の効果がある。
基材層に添加される無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩の他、クレー、タルク、マイカなどの層状ケイ酸塩、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、ガラスバルーンなどの中空バルーンなどが挙げられる。
上記充填剤の基材層中の添加量としては、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し50〜300重量部が好ましく、75〜275重量部がより好ましく、100〜250重量部がさらに好ましい。50重量部未満であると寸法安定性や耐熱性、難燃性といった物性の向上効果が十分に得られず、コスト低減効果も小さい。300重量部を超えるとシートの強度が低下する恐れがある。
透明層には、屈折率が1.42〜1.65である光透過性無機充填剤を添加することができる。このような光透過性無機充填剤としては、例えば、シリカ、酸化珪素、珪砂、石英、霞石閃長岩、雲母、長石、準長石、ハイドロタルサイト、ガラスビーズ、ガラス繊維などを使用する事ができる。一般的な無機充填剤をポリ塩化ビニル系樹脂シートに添加すると、シートが濁り透明性が低下するが、上記のような光透過性無機充填剤は、透明層の透明性をあまり低下させることなく添加でき、燃焼時の発煙性および有毒ガスの低減効果が得られるものである。
上記の光透過性無機充填剤の中でも霞石閃長岩は透明層に添加した際にシートが濁りにくく、透明性も維持できるため好ましい。また光透過性無機充填剤の粒径は細かい方が透明層に添加した際に濁りにくい傾向があり好ましい。具体的には平均粒径が10μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以下であり、3μm以下がさらに好ましい。
透明層への上記光透過性無機充填剤の添加量はポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、1〜100重量部が好ましく、3〜80重量部がより好ましく、5〜50重量部がさらに好ましい。1重量部未満では燃焼時の発煙性および有毒ガスの低減効果が十分に得られず、100重量部を超えると透明層中の無機粒子の充填量が増大して透明性の維持が困難となる。
また光透過性無機充填剤は、本発明のポリ塩化ビニル系シートの性能に影響がない範囲であれば、透明層以外の各層にも添加することは可能である。
ポリ塩化ビニル系シートには必要に応じて、安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、顔料、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、発泡剤などを添加してもよい。
ポリ塩化ビニル系シートの厚みは0.5mm〜5.0mmが好ましく、0.7mm〜4.5mmがより好ましく、1.0mm〜4.0mmがさらに好ましい。
透明層(A)の厚みは0.1mm〜1.0mmが好ましい。内装用シートして使用される場合には、表面の摩耗特性等にあわせて厚みを設定できる。また、より耐摩耗性が要求される公共施設、商業施設、列車やバス、航空機、船舶などのいわゆる土足で歩行され、あるいは台車やストレッチャーが通行するような重歩行用途の床材において、透明層はより厚いことが好ましい。
基材層(B)の厚みは0.4mm〜4.0mmが好ましい。内装用シートして使用される場合には、耐久性や施工性等を考慮して、1.0mm〜3.0mmが好ましい。
透明層(A)と基材層(B)の他に樹脂層を設ける場合には、樹脂層の厚みは0.1mm〜0.5mmが好ましい。また樹脂層を中間層として設ける場合には、樹脂層そのものを顔料等で着色した着色層や、樹脂層の表面に転写印刷等を施した印刷層、透明層の上から視認可能な意匠層とすることが好ましい。
ポリ塩化ビニル系シートには補強層を設けてもよい。補強層は、織布、不織布等が用いられる。織布、不織布を構成する繊維は、天然繊維、化学繊維、合成繊維、ガラス等の無機繊維等が使用できる。補強層は基材層の下側に設けてもよいし、基材層と表層または中間層等の層間に設けてもよい。また基材層の中間に補強層を設け、例えば表層、基材層、補強層、基材層のような構造とすることもできる。
ポリ塩化ビニル系シートを構成する透明層や基材層、樹脂層等の各層は、所定の材料を混合し押出機やカレンダー等の成形機によって成形することで得られる。そして、ポリ塩化ビニル系シートはこれらの各層を熱や接着剤でラミネートすることで得ることができる。また、多層押出機を用いて各層を一度に成形するとともに積層を行うことでも得られる。さらに、補強層を積層する場合には、各層を押出機やカレンダー等で成型する際に補強層を積層したり、各層を積層する際に補強層を積層するなどの製造方法を用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳述する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
試験例および実施例の使用材料は以下の通りである。
塩化ビニル系樹脂:ポリ塩化ビニル 重合度1000
フタル酸エステル系可塑剤:DOP
ポリエステル系可塑剤:アジピン酸系ポリエステル可塑剤 粘度150mPa・s/25℃ 分子量750
安定剤:バリウム亜鉛系安定剤
光透過性無機充填剤1:霞石閃長岩 平均粒径1.5μm(レーザー回折法による累積粒度分布の50%径)
光透過性無機充填剤2:酸化珪素 平均粒径4.9μm(レーザー回折法による累積粒度分布の50%径)
無機充填剤:炭酸カルシウム 平均粒径3.5μm(レーザー回折法による累積粒度分布の50%径)
錫酸亜鉛化合物:ヒドロキシ錫酸亜鉛
モリブデン酸系化合物:モリブデン酸カルシウムおよびモリブデン酸亜鉛の混合物
試験例1
<シート製造方法>
表1の配合に基づき配合物を混練し、得られたコンパウンドを175℃の2本ロールを使用して0.5mmのシートを作製した。
<全光線透過率とヘーズの測定>
日本電色工業株式会社のHaze Meter NDH−2000により、JIS−K7361−1「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法」に準拠した試験によって全光線透過率を、JIS−K7136「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に準拠した試験によってヘーズを評価した。試験には50mm角の試験片を使用した。
Figure 2020006529
光透過性無機充填剤およびその他の無機充填剤を添加していない試験例1-1および1-2は、ヘーズが低く全光線透過率が90%近くであり透明性に優れており、本発明の透明層として使用できる。これに対し通常の無機充填剤である炭酸カルシウムを使用した試験例1-3はヘーズが高く全光線透過率も50%未満であり、外観も白濁し不透明である。一方、光透過性充填材を使用した試験例1-4〜1-8は、ヘーズは試験例1-3より抑えられており、全光線透過率は80%以上と高い値であるため本発明の透明層として使用できる。試験例1-5〜1-8を比較すると、光透過性充填材の添加量が増すにつれヘーズは上昇傾向にある一方、全光線透過率に大きな変動はみられない。
試験例2
<シート製造方法>
表2の配合に基づき配合物を混練し、得られたコンパウンドを175℃の2本ロールを使用して1.0mmのシートを作製した。
<発煙量の測定>
本明細書における発煙量はASTM E662に規定される試験方法に準拠し、有炎燃焼と無炎燃焼での発煙量を測定した。具体的には、密閉したチャンバー内に試料を置き、電熱ヒーター及びガスバーナー(有炎燃焼のみ)により20分間燃焼させた。燃焼中に光電管による透過光の強さから減光係数を求め、この減光係数が最も大きい値の時の比光学密度を算出しこの値に基づいて最大発煙濃度を求めた(Ds(max))。
最大発煙濃度の数値が小さいほど発煙量が少ないことを示し、450を超える場合は好ましくない(×)、450以下の場合は好ましい(○)、300以下の場合はより好ましい(◎)と評価した。
<塩化水素ガス量の測定>
本明細書における塩化水素ガス量はASTM E662に規定される試験方法に準拠し、有炎燃焼と無炎燃焼での塩化水素ガス量を測定した。具体的には、密閉したチャンバー内に試料を置き、電熱ヒーター及びガスバーナー(有炎燃焼のみ)により20分間燃焼させた。燃焼開始から4分後、チャンバー内の空気を検知管に100cc通気させて有毒ガス(塩化水素ガス)の濃度を測定した(HCl(ppm))。
塩化水素ガスの濃度は数値が小さいほど塩化水素ガス量が少ないことを示し、500ppmを超える場合は好ましくない(×)、500ppm以下の場合は好ましい(○)、300ppm以下の場合はより好ましい(◎)と評価した。
Figure 2020006529
表2から明らかなように、フタル酸エステル系可塑剤よりポリエステル系可塑剤を使用するほうが発煙量及び塩化水素ガス量が減少し、光透過性無機充填剤を使用する事でさらに発煙量及び有毒ガス量が減少することを確認した。
試験例3
<シート製造方法>
表3の配合に基づき配合物を混練し、得られたコンパウンドを175℃の2本ロールを使用して1.0mmのシートを作製した。
試験例2と同様に有炎燃焼での発煙量および塩化水素ガス量の評価を行なった。
Figure 2020006529
表3から明らかなように、モリブデン酸系化合物及び錫酸亜鉛化合物を使用する事で発煙量及び塩化水素ガス量が減少することを確認した。また、試験例3-2と3-3を比較すると、配合中の無機化合物(無機充填剤および難燃剤)の含有率は試験例3-2より試験例3-3の方が少ないが、発煙量と有毒ガス発生量は試験例3-3の方が少ない結果となっている。このことから、難燃剤であるモリブデン酸系化合物と錫酸亜鉛化合物の添加部数の増加および併用により性能が向上しているものと考えられる。
実施例と比較例
<シート製造方法>
表4および表5の配合に基づき各層の配合物を混練し、得られたコンパウンドを175℃の2本ロールを使用してシートを作製した。そして、得られた各層のシートをプレス加工(170℃)して、表4、5に示すポリ塩化ビニル系シートを得た。
試験例2と同様に発煙量および塩化水素ガス量の評価を行なった。
Figure 2020006529
Figure 2020006529
表4及び表5から明らかなように、ポリエステル系可塑剤とモリブデン酸系化合物と錫酸亜鉛化合物を使用することで構造体でも発煙と塩化水素ガスの発生量を大幅に低減できることを確認した。
1 透明層
2 基材層
3 樹脂層(中間層)

Claims (6)

  1. 塩化ビニル系樹脂100重量部と、ポリエステル系可塑剤5〜50重量部とを含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物(a)からなる透明層(A)と、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部と、ポリエステル系可塑剤5〜100重量部と、モリブデン酸系化合物および錫酸亜鉛化合物のうち少なくとも一種の難燃剤5〜100重量部と、無機充填剤50〜300重量部とを含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物(b)からなる基材層(B)とを有するポリ塩化ビニル系シート。
  2. 前記難燃剤がモリブデン酸系化合物5〜95重量部と錫酸亜鉛化合物5〜95重量部からなる請求項1に記載のポリ塩化ビニル系シート。
  3. 前記透明層(A)が、屈折率が1.42〜1.65である光透過性無機充填剤を1〜100重量部含有する請求項1または2に記載のポリ塩化ビニル系シート。
  4. 前記透明層(A)のヘーズが70%以下であり、全光線透過率が80%以上である請求項1〜3に記載のポリ塩化ビニル系シート。
  5. ASTM E662に準拠して測定された有炎燃焼発煙試験における最大発煙濃度(Ds(max))が300以下であり、有炎燃焼有毒ガス試験における塩化水素ガス濃度が300ppm以下である請求項1〜4に記載のポリ塩化ビニル系シート。
  6. シート全層の厚みが0.5mm以上5.0mm以下であり、
    透明層(A)の厚みが0.1mm以上1.0mm以下かつ基材層(B)の厚みが0.4mm〜4.0mmである請求項1〜5に記載のポリ塩化ビニル系シート。
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