JP2020006378A - 溶接設計支援用データベースの生成方法、溶接設計支援方法、及びプログラム - Google Patents

溶接設計支援用データベースの生成方法、溶接設計支援方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】溶接機に設定する稼動パラメータを、その稼動パラメータの設定値に応じた溶接結果の情報を踏まえて適正に決定でき、作業者の経験を頼ることなく高い溶接品質の溶接設計を実現できる、溶接設計支援用データベースの生成方法、溶接設計支援方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】複数種の稼動パラメータに設定可能な設定値範囲を複数の領域に分割し、分割された複数の領域の代表設定値を設定する。稼動パラメータの複数の領域と、他の稼動パラメータの複数の領域とを組み合わせた複数のパターンにおいて、各領域に設定された代表設定値をその稼動パラメータの設定値とした試験溶接条件を作成する。複数のパターンの試験溶接条件で試験溶接を行い、各試験溶接サンプルを検査する。検査結果を基準値と比較して良否判定した結果と、その試験溶接サンプルの試験溶接条件とを紐付けしてデータベースに記録する。【選択図】図2

Description

本発明は、溶接設計支援用データベースの生成方法、溶接設計支援方法、及びプログラムに関する。
アーク溶接等の溶接で高い溶接品質を得るためには、作業者の経験に依存する要素が多く、溶接条件の設定は必ずしも容易ではなかった。そこで、高い溶接品質を得るための溶接条件を簡便に設定する試みが種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
溶接機には、使用する溶加材の種類、径、母材等の溶接環境に対応する溶接電流や電圧、溶加材供給速度等の溶接条件が設定される。溶加材供給速度は、溶接電流に応じて所定の換算式を用いて設定される。しかし、溶接するワークが異なったときや、溶接速度が変化したとき等、溶接条件が初期の設定値から大きく変化する場合がある。特許文献1には、溶接条件が大きく変化した場合に試し溶接を行い、その試し溶接の結果に応じて、溶接機への溶接電流指令から溶加材供給速度の指令電圧に換算する係数を自動計算する方法が開示されている。
また、自動溶接においては、ティーチングした溶接線からトーチがずれても、トーチと開先位置とのずれを検出して、予めティーチングした溶接線を修正するティーチングプレイバック法が知られている。特許文献2には、予め溶接位置とは異なる位置で試し溶接した跡を撮像し、この撮像画像から溶接位置を検出して、実際に溶接する開先位置との相対位置ずれを求め、この相対位置ずれに応じてトーチ位置を修正する技術が開示されている。
特開平6−297146号公報 特開2004−42118号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、試し溶接時における実溶接電流に応じて、溶接電流から溶加材供給速度への換算式の係数を決定することに過ぎず、被溶接部材の形状、外観、内部品質等の溶接品質の評価までは行っていない。また、特許文献2の技術も同様に、試し溶接において溶接品質の評価を行っていない。したがって、設定された溶接条件で溶接しても、被溶接部材の溶接品質まで保証することができず、依然として溶接条件の設定には、作業者の経験に頼ることが多かった。
そこで本発明は、溶接機に設定する稼動パラメータを、その稼動パラメータの設定値に応じた溶接結果の情報を踏まえて適正に決定でき、作業者の経験を頼ることなく高い溶接品質の溶接設計を実現できる、溶接設計支援用データベースの生成方法、溶接設計支援方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明は下記の構成からなる。
(1) 溶接機の溶接条件を表す複数種の稼動パラメータにそれぞれ設定可能な設定値範囲を複数の領域に分割し、前記稼動パラメータ毎に、分割された複数の領域の代表設定値を設定する工程と、
前記稼動パラメータの複数の領域と、他の稼動パラメータの複数の領域とを組み合わせた複数のパターンにおいて、各パターンの前記領域に設定された代表設定値を当該稼動パラメータの設定値とした試験溶接条件をそれぞれ作成する工程と、
複数のパターンの前記試験溶接条件それぞれで、被溶接材にビードを形成する試験溶接を行う工程と、
前記試験溶接により得られた試験溶接サンプルを検査する工程と、
前記試験溶接サンプルの検査結果の検査値を予め定めた基準値と比較して、前記試験溶接サンプルを良否判定する工程と、
前記試験溶接サンプルの良否判定結果と、当該試験溶接サンプルの試験溶接条件とを紐付けして溶接設計支援用データベースに記録する工程と、
をこの順で含む溶接設計支援用データベースの生成方法。
(2) (1)に記載の溶接設計支援用データベースの生成方法により得られた溶接設計支援用データベースを用いて、所望の溶接を実施する際の前記稼動パラメータの設定値を決定する溶接設計支援方法であって、
前記所望の溶接を実施するために必要な少なくとも1種の前記稼動パラメータを選定する工程と、
前記溶接設計支援用データベースから、前記稼動パラメータに関する前記良否判定結果が良判定であった前記代表設定値と、不良判定であった前記代表設定値とを抽出し、
抽出された前記代表設定値のそれぞれを、前記稼動パラメータのマップ上に分布させたマッピングデータを生成する工程と、
前記マッピングデータから良判定となる領域を表すウィンドウを求め、該ウィンドウ内のパラメータ値を、前記設定値に決定する工程と、
決定した前記稼動パラメータの設定値に応じて前記溶接機を駆動させ、前記所望の溶接のための溶接動作を実現する溶接手順が記録されたプログラムを生成する工程と、
をこの順で含む溶接設計支援方法。
(3) 溶接機の溶接条件を表す複数種の稼動パラメータにそれぞれ設定可能な設定値範囲を複数の領域に分割し、前記稼動パラメータ毎に、分割された複数の領域の代表設定値を設定する手順と、
前記稼動パラメータの複数の領域と、他の稼動パラメータの複数の領域とを組み合わせた複数のパターンにおいて、各パターンの前記領域に設定された代表設定値を当該稼動パラメータの設定値とした試験溶接条件をそれぞれ作成する手順と、
複数のパターンの前記試験溶接条件それぞれで、被溶接材にビードを形成する試験溶接を行わせる手順と、
前記試験溶接により得られた試験溶接サンプルを検査させる手順と、
前記試験溶接サンプルの検査結果の検査値を予め定めた基準値と比較して、前記試験溶接サンプルを良否判定する手順と、
前記試験溶接サンプルの良否判定結果と、当該試験溶接サンプルの試験溶接条件とを紐付けしてデータベースに記録する手順と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
本発明によれば、溶接機に設定する稼動パラメータを、その稼動パラメータの設定値に応じた溶接結果の情報を踏まえて適正に決定できる。これにより、作業者の経験を頼ることなく高い溶接品質の溶接設計を実現できる。
溶接システムのブロック構成図である。 データベースを作成する手順を示すフローチャートである。 複数の溶接機により、それぞれ複数のパターンで試験溶接し、各パターンで溶接した試験溶接サンプルを検査した結果をデータベースに記録する様子を示す説明図である。 データベースを用いて、所望の溶接を実施する際の稼動パラメータの設定値を決定する溶接設計支援方法の概略を示す説明図である。 マッピングデータの一例を示す説明図である。 マッピングデータを3つの稼動パラメータの軸で表した説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態においては、溶接機を用いて所望の溶接を実施するための溶接計画を作成する際に、溶接設計支援用のデータベースを用いて、溶接機に設定する各種の稼動パラメータ(溶接電流、アーク電圧、溶接速度、溶加材送給速度、トーチ角度等)の設定値を決定する。
上記の溶接設計支援方法は、以下に示す溶接システムによって実現される。
図1は溶接システムのブロック構成図である。
溶接システム100は、溶接機11と、溶接機11により溶接された被溶接物13の外形や外観等を検査する外形検査装置15と、被溶接物13から作製した試験片17を用いて試験片17の機械的特性等を検査する特性検査装置19とを備える。
溶接機11、外形検査装置15、特性検査装置19は、LAN等のネットワーク20に接続される。また、溶接システム100は、ネットワーク20に接続されるサーバ21、及び溶接設計支援用データベース(以下、データベースと略称する。)DBが記憶された記憶部23を備える。データベースDBは、サーバ21や、ネットワーク20に接続された図示しない他のコンピュータ等に内蔵される記憶部に設けられていてもよい。
溶接機11は、先端軸にアーク溶接用のトーチ31が設けられた溶接ロボット33と、トーチ31に溶加材(溶接ワイヤ)35を供給する溶加材供給部37と、電源部39と、コントローラ41とを有する。
溶接ロボット33は、例えば6軸の自由度を有する多関節ロボットであり、ロボットアームの先端軸に取り付けたトーチ31には、溶加材35が連続供給可能に支持される。トーチ31の位置や姿勢は、ロボットアームの自由度の範囲で3次元的に任意に設定可能となっている。
トーチ31は、溶加材35を保持しつつ、シールドガス雰囲気で溶加材35の先端からアークを発生させる。トーチ31は、不図示のシールドノズルを有し、シールドノズルからトーチ先端にシールドガスが供給される。アーク溶接法としては、被覆アーク溶接や炭酸ガスアーク溶接等の消耗電極式、TIG溶接やプラズマアーク溶接等の非消耗電極式のいずれであってもよく、作製する被溶接物に応じて適宜選定される。例えば、消耗電極式の場合、シールドノズルの内部にはコンタクトチップが配置され、溶融電流が給電される溶加材35がコンタクトチップに保持される。
溶加材35は、あらゆる市販の溶接ワイヤが使用可能である。例えば、軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用のマグ溶接及びミグ溶接ソリッドワイヤ(JIS Z 3312)、軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用アーク溶接フラックス入りワイヤ(JIS Z 3313)等で規定される溶接ワイヤを用いることができる。
溶加材35は、溶接ロボット33のロボットアーム等に取り付けた不図示の繰り出し機構により、溶加材供給部37からトーチ31に送給される。そして、トーチ31は、コントローラ41からの指令によりロボットアームが駆動されることで、所望の溶接ラインに沿って移動する。また、連続送給される溶加材35は、トーチ31の先端で発生するアークによってシールドガス雰囲気で溶融され、凝固する。これにより、溶加材35の溶融凝固体であるビードが被溶接物13に形成される。
このように、溶接機11は、溶加材35の溶融金属をベース43上に積層する積層造形装置として機能する。ベース43上には、多層状にビードが積層され、積層造形物(被溶接物13)が造形される。図示例では、溶接対象を積層造形物として示しているが、溶接機11は、これ以外にも開先溶接等、他の用途にも用いられる。
溶加材35を溶融させる熱源としては、上記したアークに限らない。例えば、アークとレーザとを併用した加熱方式、プラズマを用いる加熱方式、電子ビームやレーザを用いる加熱方式等、他の方式による熱源を採用してもよい。アークを用いる場合は、シールド性を確保しつつ、素材、構造によらずに簡単にビードを形成できる。電子ビームやレーザにより加熱する場合は、加熱量を更に細かく制御でき、溶着ビードの状態をより適正に維持して、被溶接物13の更なる品質向上に寄与できる。
コントローラ41は、サーバ21から入力されるプログラムによって、溶接ロボット33や電源部39等の各部を駆動する。
サーバ21は、溶接計画作成部45と、プログラム生成部47と、検査結果評価部49と、データベース作成部51と、を有し、溶接機11によって被溶接物13を所望の形状に加工するための各種データを生成する。
溶接計画作成部45は、入力された3次元形状データを用いてビード形成用のモデルを生成し、トーチ31の移動軌跡や溶接条件等の溶接計画を作成する。プログラム生成部47は、作成した溶接計画に応じて、溶接ロボット33や電源部39等の溶接機11の各部を駆動させるためのプログラムを作成する。このプログラムは、溶接機11の各部への動作指令コードや、各種溶接条件の設定値を指示する設定値指示コードが時系列順に纏められたものである。
検査結果評価部49は、外形検査装置15,特性検査装置19からの検査結果情報を、予め設定した基準値情報とを比較して、被溶接物13の溶接品質を良否判定する。被溶接物13の良否判定結果は、データベース作成部51に送られて、データベースDB作成に資する情報となる。
サーバ21は、被溶接物13を溶接するにあたり、予めデータベースDBを作成する。また、サーバ21は、データベースDBを用いて、作製する被溶接物13の溶接条件を設定し、この溶接条件に基づいて溶接機11を駆動するプログラムを生成する。
サーバ21や溶接機11のコントローラ41は、CPU、メモリ、I/Oインターフェース等を備えるコンピュータ装置である。コントローラ41は、記憶部に記憶されたデータやプログラムを読み込み、データの処理や動作プログラムを実行する機能、及び溶接機11の各部を駆動制御する機能を有する。
溶接計画作成部45、プログラム生成部47、検査結果評価部49、データベース作成部51等の各演算部は、サーバ21に設けられるが、これに限らない。例えば、上記した各演算部の一部又は全てが、溶接機11のコントローラ41に設けられていてもよく、図示はしないが、通信により接続される他のコンピュータ装置に設けられていてもよい。
次に、上記した溶接システム100により、データベースDBを作成する手順を説明する。
図2はデータベースDBを作成する手順を示すフローチャートである。
まず、溶接計画作成部45に、溶接機の溶接条件を表す複数種の稼動パラメータについて、それぞれ設定可能な設定値範囲を入力する(S1)。
ここで、稼動パラメータとは、溶接電流、アーク電圧、電圧波形、電流波形、溶加材種類、シールドガス種類等の溶接機の設定値(又は指定物)や、トーチ移動速度、トーチ姿勢、溶加材供給速度等の動作設定値を含む。例えば、溶接電流では0〜200A、トーチ移動速度では0〜100mm/s等の設定値範囲が溶接計画作成部45に入力される。
また、上記した各条件の分解能の情報も溶接計画作成部45に入力する。分解能としては、例えば、電源部の出力パルスの分解能[cycle/min]、ロボットの往復動作能力[cycle/min]や最小動作寸法[mm]等が挙げられる。
次に、入力された各設定値範囲を複数の領域に分割する(S2)。例えば、溶接機に設定可能な分解能に対応させて分割してもよく、設定値範囲を所定数(例えば10〜1000)で等分してもよい。この分割は、分割数が多いほど高い精度で溶接設計が行えるが、演算量も増加するので目的に応じて適宜設定する。
そして、複数種の稼動パラメータについて、分割された複数の領域の代表設定値をそれぞれ設定する(S3)。例えば、分割した領域における設定条件値の最小値、最大値、又は平均値を、その領域の代表設定値に設定する。
次に、任意の稼動パラメータの複数の分割した領域と、他の稼動パラメータの複数の分割した領域とを組み合わせた複数のパターンにおいて、各パターンの分割した領域に設定された代表設定値を、その稼動パラメータの設定値とした試験溶接条件をそれぞれ作成する(S4)。つまり、各パターンにおける稼動パラメータ毎の分割領域に設定された代表設定値を、その稼動パラメータの設定値に設定する。これにより、各稼動パラメータが有する分割領域数同士の全組み合わせ数分の試験溶接条件を作成する。
例えば、溶接電流の任意の1つの分割領域の代表設定値が120A、トーチ移動速度の任意の1つの分割領域の代表設定値が10mm/sであった場合、溶接電流を120A、トーチ移動速度10mm/sとしたパターンの試験溶接条件を作成する。同様に、他の分割領域同士の組み合わせで、複数のパターンの試験溶接条件を作成する。なお、分割領域の組み合わせは、必ずしも全ての組み合わせではなく、その一部の組み合わせとしてもよい。
これら作成された複数のパターンの試験溶接条件で、それぞれ被溶接材にビードを形成する試験溶接を行う(S5)。これにより、試験溶接のパターンの数分の試験溶接サンプルが、それぞれの試験溶接条件の下で溶接されて出来上がる。
次に、上記の試験溶接により得られた各試験溶接サンプルを検査する(S6)。この試験溶接サンプルの検査は、外形検査装置15により、形状や外観を検査する非破壊検査と、特性検査装置19により、内部損傷検査や機械的特性の検査等を行う非破壊、破壊検査を含む。
外形検査装置15は、出来上がった試験溶接サンプルの外表面の平坦度、スパッタ付着量等の外観検査と、ビード高さ、ビード幅等の外形検査との少なくともいずれかを行う装置である。外形検査装置15による検査は、例えば、レーザービームを試験溶接サンプルのビード等に向けて走査して、レーザービームの反射光から表面形状を認識する検査や、カメラで撮像した撮像画像の画像処理による表面性状の検査等の非接触式の検査であってもよい。また、回転自在に支持された円盤を試験溶接サンプルの表面上で転がして表面凹凸をピックアップする等の接触式の検査であってもよい。また、これらを組み合わせた検査であってもよく、種々の公知の検査方法を採用できる。
特性検査装置19は、超音波探傷検査、渦電流探傷検査、浸透探傷検査、磁粉探傷検査、放射線検査等の非破壊検査、又は、JIS Z2201(金属材料引張試験方法),Z2202(金属材料のシャルピー衝撃試験方法),Z2204(金属材料曲げ試験片)等の機械強度試験に準拠した破壊検査の少なくともいずれかを行う装置である。各検査によって、例えば、内部損傷の傷サイズ、引張強度、降伏点強度、疲労強度、硬さ、破断伸び等の各種の特性情報が得られる。
外形検査装置15と特性検査装置19により、試験溶接サンプルを検査した検査結果は、検査結果評価部49に送信される。検査結果評価部49は、入力された検査結果を、予め定めた基準値と比較して良否判定する(S7)。
次に、データベース作成部51は、検査結果評価部49で判定された良否判定結果と、その検査結果の試験溶接サンプルの溶接条件とを、紐付けしてデータベースDBに記録する(S8)。
以上の工程S1〜S8によって、一例として表1に示すようなデータベースDBが得られる。
Figure 2020006378
表1に示すデータベースDBには、図1に示す溶接機11(溶接機Aとして示す)を用いた場合では、複数のパターンの試験溶接条件(A1,A2,A3,・・・)における、稼動パラメータと、溶接結果の情報が記録されている。また、他の溶接機(溶接機B,C,・・・)を用いた場合についても、複数のパターンの試験溶接条件(B1,C1,・・・)による各情報も記録されている。
つまり、図3に示すように、溶接機A、B,Cにより、それぞれ複数のパターンで試験溶接し、各パターンで溶接した試験溶接サンプルを検査して、評価・判定した結果をデータベースDBに記録する。したがって、データベースDBには、溶接機の種類も入力条件の一つに設定されている。
次に、上記したデータベースDBを用いて、所望の溶接を実施する際の稼動パラメータの設定値を決定する溶接設計支援方法について説明する。
この溶接設計支援方法の概略を図4に示す。まず、所望の溶接を行うための溶接条件を検索キーとして入力し、データベースDBを検索する。すると、各種の稼動パラメータの設定値の推奨範囲や候補値が出力される。作業者は、出力された設定値の推奨範囲や候補値の中から、所望の値を稼動パラメータの設定値として選定する。この溶接設計支援方法によれば、作業者が経験を要することなく、高い溶接品質が得られる溶接条件を簡単に設定できる。
この溶接設計支援方法は、具体的には次の各工程を含む。
例えば、図4に示すように、ビード高さをXmm、ビード幅をYmm、被溶接物の許容される傷サイズがZmm以内となる溶接を実施することを考える。
その場合、まず、上記した溶接を実施する際に特に支配的となる少なくとも1種の稼動パラメータを選定する。ここでの選定は、例えば、ビード高さ、ビード幅等の項目毎に、予め対応する稼動パラメータをテーブルに用意しておき、このテーブルから対応する稼動パラメータを、自動的又は作業者の判断によって選定すればよい。「ビード高さ」の場合を例示すれば、溶接電流やトーチ移動速度等の稼動パラメータが選定される。そして、選定された各稼動パラメータに関して、データベースDBを参照して、上記した条件を満足する被溶接物が、高い溶接品質で得られる溶接条件を求める。
さらに具体的には、選定された各稼動パラメータに関して、データベースDBを参照して、良否判定結果が良判定であった代表設定値と、不良判定であった代表設定値とを抽出する。そして、抽出した代表設定値のそれぞれを、稼動パラメータのマップ上に分布させたマッピングデータを生成する。
図5はマッピングデータの一例を示す説明図である。
ここでは、稼動パラメータとして溶加材供給速度とトーチ送り速度を例示している。図示例では、横軸を溶加材供給速度、縦軸をトーチ送り速度とし、それぞれ分割した領域毎に良否判定結果を示している。即ち、それぞれの良判定であった代表設定値には○印、不良判定であった代表設定値には×印をプロットしている。
図中の○印の外縁を結ぶ線Lを境界として、線Lの内側が、良判定となる領域を表すウィンドウWとなる。ウィンドウWの内側の領域では、溶接結果が良好となることが試験溶接によって実証されている。そのため、溶加材供給速度とトーチ送り速度の設定値を、ウィンドウWの内側の値に選定する溶接計画を行うことで、溶接結果が良好となる溶接条件を決定できる。
図5においては、2種類の稼動パラメータを軸に表示した場合のウィンドウWを示しているが、1種類の稼動パラメータで表示した場合のウィンドウWは、直線上の一部の範囲となる。また、3種類の稼動パラメータで表示した場合のウィンドウWは、図6に示すように3つの稼動パラメータの軸で表される空間領域となる。ウィンドウWの表示形態としては、図5,図6等に例示するもの以外にも、目的に応じて任意に設定できる。特に微調整が必要となる稼動パラメータが存在する場合には、その稼動パラメータを軸に選定することで、所望の溶接が行える溶接条件を詳細に設定できる。
この溶接条件の設定作業は、ウィンドウWの範囲を視覚的に把握しやすい表示形態で行えるため、作業者の負担が軽減され、効率よく高品位な溶接品質が得られる溶接条件を選定できる。また、試験溶接の検査結果が、良否判定した「○」か「×」かのいずれかで表現されるため、検査結果を数値等で表現する場合と比較して、溶接条件の選定(設定値の決定)に増減調整等の煩雑な作業が不要となり、選定判断を大幅に簡単化できる。
稼動パラメータの設定値の選定は、マッピングデータにおけるウィンドウW内のパラメータ値のうち、ウィンドウWの中心位置、即ち、ウィンドウWの外縁となる線Lから均等に離れた位置になるパラメータ値に決定してもよい。その場合、ウィンドウWの外縁までの変動代が得られ、稼動パラメータに変動が生じても、良否判定で不良であった領域に至りにくくなる。その結果、溶接結果に影響が及びにくくなる。
また、溶接条件の選定は、段階的にパラメータ値を絞り込んで設定してもよい。例えば、ウィンドウW内のパラメータ値を、良否判定で良判定であった試験溶接サンプルの検査値と、予め定めた基準値との差の大きさ応じて段階的に分類する。そして、分類された各段階のパラメータ値を、分類毎に稼動パラメータの設定値の候補値として設定する。例えば、基準値との差が小さいものをA群、差が大きいものをB群、その中間をC群等と設定する。そして、作業者は、設定されたA群、B群、C群等の候補値の中から、いずれかの候補値を選択的に稼動パラメータの設定値に決定する。
各種の稼動パラメータには、例えば、溶接電流の増減に伴って、溶加材供給速度も増減する等の関係性を有する稼動パラメータが存在する。このように、連動する関係の稼動パラメータでは、いずれか一方の稼動パラメータを選択可能な範囲内で最適値からずらすと、他方の稼動パラメータの選択可能範囲が大きく広がる場合がある。その場合に、上記したA群から選定せずに、敢えてB群、C群の候補値から設定値を選定するとよい。これにより、複数種の稼動パラメータ全体として、選択可能な範囲が増加して、溶接設計の自由度を向上できる。
また、いずれかの稼動パラメータの設定値を決定することで、他の稼動パラメータで良判定となる領域が存在しなくなる場合には、推奨する設定値がない旨を報知することが好ましい。このような報知機能を有することで、不適切であった稼動パラメータの設定値を設定し直すことが促され、円滑に溶接計画を完了できる。
上記のようにして、各種の稼動パラメータの設定値を決定し、溶接設計を完了する。プログラム生成部47(図1参照)は、作成した溶接設計に基づいて、溶接機11を駆動させ、所望の溶接のための溶接動作を実現するプログラムを生成する。
生成したプログラムは、溶接機11のコントローラ41に送信される。これにより、溶接機11は、上記したプログラムに従って溶接を実施することで、所望の被溶接物を製造する。
本実施形態の溶接システムによれば、作業者の経験に頼ることが多い溶接条件の設定作業を、試験溶接した試験溶接サンプルの良否判定結果を含むデータベースDBを用いることで、高い溶接品質が確保できる溶接条件に簡単に設定できる。
つまり、所望の形状を得ることのみならず、必要とされる外観、内部損傷の有無や傷サイズ、機械的強度等の各種特性までを加味した溶接設計が行える。
さらに、データベースDBには、複数の溶接機で実施した試験溶接の良否判定結果が記録されるため、所望の被溶接物を得るために、どの溶接機を使用すべきかの情報までを提示させることができる。
ここでの溶接設計は、被溶接物として任意の対象物とすることができる。例えば、溶加材を溶融及び凝固させたビードを互いに隣接させてビード層を形成し、この形成されたビード層に次層のビード層を繰り返し積層して造形する積層造形物の製造のための溶接設計であってもよい。その場合、高品位な積層造形物の溶接計画を簡単に行え、設計工数を大幅に削減できる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 溶接機の溶接条件を表す複数種の稼動パラメータにそれぞれ設定可能な設定値範囲を複数の領域に分割し、前記稼動パラメータ毎に、分割された複数の領域の代表設定値を設定する工程と、
前記稼動パラメータの複数の領域と、他の稼動パラメータの複数の領域とを組み合わせた複数のパターンにおいて、各パターンの前記領域に設定された代表設定値を当該稼動パラメータの設定値とした試験溶接条件をそれぞれ作成する工程と、
複数のパターンの前記試験溶接条件それぞれで、被溶接材にビードを形成する試験溶接を行う工程と、
前記試験溶接により得られた試験溶接サンプルを検査する工程と、
前記試験溶接サンプルの検査結果の検査値を予め定めた基準値と比較して、前記試験溶接サンプルを良否判定する工程と、
前記試験溶接サンプルの良否判定結果と、当該試験溶接サンプルの試験溶接条件とを紐付けして溶接設計支援用データベースに記録する工程と、
をこの順で含む溶接設計支援用データベースの生成方法。
この溶接設計支援用データベースの生成方法によれば、溶接機に設定される稼動パラメータを、その稼動パラメータの設定値に応じた試験溶接の評価結果が紐付けされた溶接設計支援用データベースを生成できる。
(2) 前記試験溶接サンプルの検査は、形状と外観の少なくともいずれかの検査を含む(1)に記載の溶接設計支援用データベースの生成方法。
この溶接設計支援用データベースの生成方法によれば、試験溶接サンプルの外表面の平坦度、スパッタ付着量等の外観検査、ビード高さ、ビード幅等の外形検査により、所望の形状や外観が得られるかの検査結果を溶接設計支援用データベースに反映できる。
(3) 前記試験溶接サンプルの検査は、内部損傷と機械的特性の少なくともいずれかの検査を含む(1)又は(2)に記載の溶接設計支援用データベースの生成方法。
この溶接設計支援用データベースの生成方法によれば、試験溶接サンプルの内部損傷や所望の機械強度の有無等、各種の検査結果をデータベースに反映できる。
(4) 前記稼動パラメータは、溶接電流、アーク電圧、溶接トーチ移動速度、溶加材供給速度、から選定される複数種のパラメータである(1)〜(3)のいずれか一つに記載の溶接設計支援用データベースの生成方法。
この溶接設計支援用データベースの生成方法によれば、各種の稼動パラメータを適切な設定条件に設定することに資せるデータベースが得られる。
(5) 前記複数の領域は、前記稼動パラメータの設定可能な設定値範囲を、前記溶接機に設定可能な分解能に対応させて分割した領域である(1)〜(4)のいずれか一つに記載の溶接設計支援用データベースの生成方法。
この溶接設計支援用データベースの生成方法によれば、分解能毎に細かく設定値範囲を分割することで、きめ細かく溶接条件を設定できる。
(6) 前記溶接設計支援用データベースは、溶加材を溶融及び凝固させたビードを互いに隣接させてビード層を形成し、該形成されたビード層に次層のビード層を繰り返し積層して造形する積層造形物の溶接設計に用いられる(1)〜(5)のいずれか一つに記載の溶接設計支援用データベースの生成方法。
この溶接設計支援用データベースの生成方法によれば、積層造形物を、所望の形状、及び所望の強度等の特性通りに設計できるデータベースが得られる。
(7) (1)〜(6)のいずれか一つに記載の溶接設計支援用データベースの生成方法により得られた溶接設計支援用データベースを用いて、所望の溶接を実施する際の前記稼動パラメータの設定値を決定する溶接設計支援方法であって、
前記所望の溶接を実施するために必要な少なくとも1種の前記稼動パラメータを選定する工程と、
前記溶接設計支援用データベースから、前記稼動パラメータに関する前記良否判定結果が良判定であった前記代表設定値と、不良判定であった前記代表設定値とを抽出し、
抽出された前記代表設定値のそれぞれを、前記稼動パラメータのマップ上に分布させたマッピングデータを生成する工程と、
前記マッピングデータから良判定となる領域を表すウィンドウを求め、該ウィンドウ内のパラメータ値を、前記設定値に決定する工程と、
決定した前記稼動パラメータの設定値に応じて前記溶接機を駆動させ、前記所望の溶接のための溶接動作を実現する溶接手順が記録されたプログラムを生成する工程と、
をこの順で含む溶接設計支援方法。
この溶接設計支援方法によれば、所望の溶接の条件から、必要となる稼動パラメータが選定され、その稼動パラメータの設定値が、予め用意された試験溶接による良否判定結果の情報を含めて設定される。これにより、高い溶接品質の被溶接物が得られる溶接設計を簡単に行える。
(8) 前記ウィンドウ内のパラメータ値のうち、前記マッピングデータにおける前記ウィンドウの中心位置となるパラメータ値を前記設定値に決定する(7)に記載の溶接設計支援方法。
この溶接設計支援方法によれば、稼動パラメータに変動が生じても溶接結果に影響が及びにくくなる。
(9) 前記ウィンドウ内のパラメータ値を、前記良否判定で良判定であった前記試験溶接サンプルの検査値と前記基準値との差の大きさ応じて段階的に分類し、分類された各段階の前記パラメータ値を前記設定値の候補値とし、
前記候補値のいずれかを前記設定値に決定する(7)に記載の溶接設計支援方法。
この溶接設計支援方法によれば、段階的に分類された候補値から設定値を決定することで、複数種の稼動パラメータ全体として、選択可能な範囲が増加して、溶接設計の自由度を向上できる。
(10) 前記稼動パラメータの設定値を決定することで、他の稼動パラメータで良判定となる領域が存在しなくなった場合に、推奨する設定値がない旨を報知する(7)〜(9)のいずれか一つに記載の溶接設計支援方法。
この溶接設計支援方法によれば、不適切であった稼動パラメータの設定値を設定し直すことが促され、円滑に溶接計画を完了できる。
(11) 溶接機の溶接条件を表す複数種の稼動パラメータにそれぞれ設定可能な設定値範囲を複数の領域に分割し、前記稼動パラメータ毎に、分割された複数の領域の代表設定値を設定する手順と、
前記稼動パラメータの複数の領域と、他の稼動パラメータの複数の領域とを組み合わせた複数のパターンにおいて、各パターンの前記領域に設定された代表設定値を当該稼動パラメータの設定値とした試験溶接条件をそれぞれ作成する手順と、
複数のパターンの前記試験溶接条件それぞれで、被溶接材にビードを形成する試験溶接を行わせる手順と、
前記試験溶接により得られた試験溶接サンプルを検査させる手順と、
前記試験溶接サンプルの検査結果の検査値を予め定めた基準値と比較して、前記試験溶接サンプルを良否判定する手順と、
前記試験溶接サンプルの良否判定結果と、当該試験溶接サンプルの試験溶接条件とを紐付けしてデータベースに記録する手順と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
このプログラムによれば、溶接機に設定される稼動パラメータを、その稼動パラメータの設定値に応じた試験溶接の評価結果が紐付けされたデータベースを生成できる。
11 溶接機
13 被溶接物
15 外形検査装置
19 特性検査装置
41 コントローラ
45 溶接計画作成部
47 プログラム生成部
49 検査結果評価部
51 データベース作成部
100 溶接システム
DB データベース

Claims (11)

  1. 溶接機の溶接条件を表す複数種の稼動パラメータにそれぞれ設定可能な設定値範囲を複数の領域に分割し、前記稼動パラメータ毎に、分割された複数の領域の代表設定値を設定する工程と、
    前記稼動パラメータの複数の領域と、他の稼動パラメータの複数の領域とを組み合わせた複数のパターンにおいて、各パターンの前記領域に設定された代表設定値を当該稼動パラメータの設定値とした試験溶接条件をそれぞれ作成する工程と、
    複数のパターンの前記試験溶接条件それぞれで、被溶接材にビードを形成する試験溶接を行う工程と、
    前記試験溶接により得られた試験溶接サンプルを検査する工程と、
    前記試験溶接サンプルの検査結果の検査値を予め定めた基準値と比較して、前記試験溶接サンプルを良否判定する工程と、
    前記試験溶接サンプルの良否判定結果と、当該試験溶接サンプルの試験溶接条件とを紐付けして溶接設計支援用データベースに記録する工程と、
    をこの順で含む溶接設計支援用データベースの生成方法。
  2. 前記試験溶接サンプルの検査は、形状と外観の少なくともいずれかの検査を含む請求項1に記載の溶接設計支援用データベースの生成方法。
  3. 前記試験溶接サンプルの検査は、内部損傷と機械的特性の少なくともいずれかの検査を含む請求項1又は2に記載の溶接設計支援用データベースの生成方法。
  4. 前記稼動パラメータは、溶接電流、アーク電圧、溶接トーチ移動速度、溶加材供給速度、から選定される複数種のパラメータである請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶接設計支援用データベースの生成方法。
  5. 前記複数の領域は、前記稼動パラメータの設定可能な設定値範囲を、前記溶接機に設定可能な分解能に対応させて分割した領域である請求項1〜4のいずれか一項に記載の溶接設計支援用データベースの生成方法。
  6. 前記溶接設計支援用データベースは、溶加材を溶融及び凝固させたビードを互いに隣接させてビード層を形成し、該形成されたビード層に次層のビード層を繰り返し積層して造形する積層造形物の溶接設計に用いられる請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶接設計支援用データベースの生成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の溶接設計支援用データベースの生成方法により得られた溶接設計支援用データベースを用いて、所望の溶接を実施する際の前記稼動パラメータの設定値を決定する溶接設計支援方法であって、
    前記所望の溶接を実施するために必要な少なくとも1種の前記稼動パラメータを選定する工程と、
    前記溶接設計支援用データベースから、前記稼動パラメータに関する前記良否判定結果が良判定であった前記代表設定値と、不良判定であった前記代表設定値とを抽出し、
    抽出された前記代表設定値のそれぞれを、前記稼動パラメータのマップ上に分布させたマッピングデータを生成する工程と、
    前記マッピングデータから良判定となる領域を表すウィンドウを求め、該ウィンドウ内のパラメータ値を、前記設定値に決定する工程と、
    決定した前記稼動パラメータの設定値に応じて前記溶接機を駆動させ、前記所望の溶接のための溶接動作を実現する溶接手順が記録されたプログラムを生成する工程と、
    をこの順で含む溶接設計支援方法。
  8. 前記ウィンドウ内のパラメータ値のうち、前記マッピングデータにおける前記ウィンドウの中心位置となるパラメータ値を前記設定値に決定する請求項7に記載の溶接設計支援方法。
  9. 前記ウィンドウ内のパラメータ値を、前記良否判定で良判定であった前記試験溶接サンプルの検査値と前記基準値との差の大きさ応じて段階的に分類し、分類された各段階の前記パラメータ値を前記設定値の候補値とし、
    前記候補値のいずれかを前記設定値に決定する請求項7に記載の溶接設計支援方法。
  10. 前記稼動パラメータの設定値を決定することで、他の稼動パラメータで良判定となる領域が存在しなくなった場合に、推奨する設定値がない旨を報知する請求項7〜9のいずれか一項に記載の溶接設計支援方法。
  11. 溶接機の溶接条件を表す複数種の稼動パラメータにそれぞれ設定可能な設定値範囲を複数の領域に分割し、前記稼動パラメータ毎に、分割された複数の領域の代表設定値を設定する手順と、
    前記稼動パラメータの複数の領域と、他の稼動パラメータの複数の領域とを組み合わせた複数のパターンにおいて、各パターンの前記領域に設定された代表設定値を当該稼動パラメータの設定値とした試験溶接条件をそれぞれ作成する手順と、
    複数のパターンの前記試験溶接条件それぞれで、被溶接材にビードを形成する試験溶接を行わせる手順と、
    前記試験溶接により得られた試験溶接サンプルを検査させる手順と、
    前記試験溶接サンプルの検査結果の検査値を予め定めた基準値と比較して、前記試験溶接サンプルを良否判定する手順と、
    前記試験溶接サンプルの良否判定結果と、当該試験溶接サンプルの試験溶接条件とを紐付けしてデータベースに記録する手順と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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