JP2020004139A - 債権ファクタリング支援システム - Google Patents
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Abstract
Description
本明細書では、そのような金融サービスを債権ファクタリングと表記し、債権ファクタリングで対象とされる債権を売上債権と表記することとする。売上債権とは、売掛金や受取手形などを含み、企業が商品やサービスを販売することで生じる金銭債権を意味する。
以下、第一実施形態に係る債権ファクタリング支援システム(以降、支援システムと略称する場合がある)1について説明する。
図1は、第一実施形態に係る支援システム1のハードウェア構成を概念的にそれぞれ示す図である。
第一実施形態に係る支援システム1は、通信網2で通信可能に接続されている債権情報サーバ10、ファクタリングサーバ20等を有する。図1では、債権情報サーバ10とファクタリングサーバ20とが別体で形成されている例を示すが、一台のサーバ装置として形成されてもよいし、3台以上のサーバ装置として形成されていてもよい。
通信網2は、携帯電話回線網、Wi−Fi(Wireless Fidelity)回線網、インターネット通信網、専用回線網、LAN(Local Area Network)等の組合せで構成される。但し、通信網2内の通信手法や通信形態は制限されない。
CPU12又は22には、一般的なCPUに加えて、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等も含まれ得る。
メモリ14又は24は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
入出力I/F16又は26は、出力装置、入力装置(図示せず)等のユーザインタフェース装置と接続可能である。出力装置は、表示装置や印刷装置等を含み、表示装置は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、CPU等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。表示装置及び入力装置は一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
通信ユニット18又は28は、他のコンピュータとの通信網2を介した通信や、他の機器との信号のやりとり等を行う。通信ユニット18又は28には、可搬型記録媒体等も接続され得る。
債権情報サーバ10及びファクタリングサーバ20は、図1に図示されていないハードウェア要素を含んでもよく、それらのハードウェア要素の数は、図1に図示されている例のみに限定されない。債権情報サーバ10及びファクタリングサーバ20のハードウェア構成は制限されない。
買取企業端末7及び売渡企業端末9は、いわゆるコンピュータ(情報処理装置)であり、上述したような、CPU、メモリ、入出力I/F、通信ユニット等を有している(図示せず)。買取企業端末7又は売渡企業端末9は、ノートPC、スマートフォン、タブレット端末のような携帯型コンピュータとして実現されてもよいし、据置型コンピュータとして実現されてもよい。
買取企業端末7は、債権ファクタリングにより売上債権の買い取りを行う事業者(以降、買取企業と表記)により利用されるコンピュータである。
売渡企業端末9は、債権ファクタリングにより自己の売上債権を売却する事業者(以降、売渡企業と表記)により利用されるコンピュータである。
買取企業端末7及び売渡企業端末9のハードウェア構成についても何ら制限されない。
図2は、第一実施形態における債権情報サーバ10及びファクタリングサーバ20の処理構成を概念的にそれぞれ示す図である。
債権情報サーバ10は、債権情報データベース(DB)32、更新部34等を有する。
ファクタリングサーバ20は、データ参照部41、ファクタリング情報データベース(DB)42、判定部43、表示処理部44、通知部45等を有する。
図2に図示されるこれら各処理モジュールは、例えば、メモリ14又は24に格納されるプログラムがCPU12又は22にロードされ実行されることにより実現されるソフトウェア要素である。また、当該プログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから通信ユニット18又は28を介してインストールされ、メモリ14又は24に格納されてもよい。
債権情報DB32には、分割支払いで回収される売上債権を含む様々な売上債権の債権情報が格納され得る。
本実施形態では、債権情報DB32は、図3に示される債権情報テーブルを含んでいる。
図3は、債権情報テーブルの例を模式的に示す図である。
図3に例示される債権情報テーブルは、売渡企業ID、顧客ID、債権ID、債権ランク、回収方法、契約日付、支払回数、残回数、回収最終月、債務残高、元本残高、及び手数料残高の各項目をフィールドとして有し、売上債権ごとの債権情報をこれらフィールドからなるレコードとして格納する。図3の例では、残回数、債務残高、元本残高、及び手数料残高が売上債権の回収情報に相当する。
顧客IDは、売上債権の債務者を識別し得る情報である。
債権IDは、売上債権を識別し得る情報である。
債権ランクは、後述する判定部43により判定される売上債権のランクである。例えば、債権ランクは、アルファベット順のAからEの5段階設けられる。但し、債権ランクの表記や段階はこのような例に制限されず、数字で示されてもよいし、段階も5段階に限定されない。
回収方法は、売上債権の回収方法を特定し得る情報である。回収方法としては、例えば、口座振替、振込み等を特定し得る情報が設定される。
契約日付は、売上債権の発生原因たる契約の締結日を示す。
支払回数は、売上債権の分割支払いの全回数を示す。
残回数は、売上債権を全て回収するまでに残された支払回数を示し、全支払回数から支払済み回数を差し引いた回数である。
回収最終月は、売上債権の最後の回収がなされる月を示す。
債務残高は、債務者が売上債権の支払いを完済させるのに残された金額を示す。
元本残高は、売上債権の元本金額(利息を生じさせる元となる金額)のうち未回収分の元本金額を示す。
手数料残高は、債務残高から元本残高を差し引いた残りの金額であり、売上債権の元本以外の金額(利息等)のうち未回収分の金額を示す。
但し、本実施形態では、少なくとも回収情報が含まれた売上債権ごとの債権情報が格納されていれば、債権情報DB32の具体的態様はこのような例のみに制限されない。
例えば、更新部34は、売上債権の回収情報を取得し、この取得された回収情報を債権回収管理テーブルに反映させた上で、債権回収管理テーブルを参照して、上述の債権情報テーブルの対象売上債権の債権情報(レコード)における残回数、債務残高、元本残高及び手数料残高を更新する。
更新部34は、このような手法で取得された回収情報で示される回収状況に応じて、売上債権ごとの債権情報を随時更新すればよく、具体的な更新手法は制限されない。
また、債権情報DB32への債権情報のエントリは、売上債権の発生時(契約時)に支援システム1の管理者により手動で行われてもよいし、契約時の売上債権の情報を取得して支援システム1により自動で行われてもよい。また、債権情報サーバ10が売渡企業端末9に債権情報をエントリするための入力画面を表示させ、売渡企業端末9のユーザによりその入力画面を介して入力されることで、債権情報DB32へ債権情報が設定されてもよい。
図4は、ファクタリング情報テーブルの例を模式的に示す図である。
図4に例示されるファクタリング情報テーブルは、売渡企業ごと及びファクタリング案件ごとにファクタリング情報をレコードとして格納する。ファクタリング情報の各レコードは、売渡企業ID、案件ID、案件名、買取実質年率、前払率、選択債権ランク、基準回収済回数、未経過残回数、顧客限度比率、後払代金精算区分、返済未開始債権買取、買取日、及び精算日の各項目をフィールドとして有する。
案件IDは、ファクタリング案件を識別し得る情報である。案件IDは、売渡企業ごとにユニークなIDであってもよいし、全ての売渡企業に亘ってユニークなIDであってもよい。
案件名は、ファクタリング案件の名称を示す。
買取実質年率は、買取企業のファクタリングに係る手数料を決めるための情報である。
前払率は、ファクタリング実行時(買取時)の売上債権の元本残高、即ち買取企業による買取対象額における、ファクタリング実行時(買取時)に売渡企業に支払われる代金の割合を示す。例えば、前払率が100%に設定された場合、ファクタリング実行時に、買取対象額(100%)から買取企業の手数料(譲渡手数料)を引いた額が売渡企業に支払われ、前払率が80%に設定された場合、ファクタリング実行時には買取対象額の80%分から買取企業の手数料(譲渡手数料)を引いた額が売渡企業に支払われ、残り20%が留保譲渡代金として後払いされる。
選択債権ランクは、上述の債権情報テーブル(図3参照)で管理される売上債権ごとの債権ランクのうち買取対象となり得る債権ランクの下限を示す。
基準回収済回数は、後述する判定部43が債権ランクを判定する上で参照するランク判定条件の一つである。詳細は後述するが、この基準回収済回数と各売上債権の実際の回収済み回数との比較により、債権ランクが決定される。
未経過残回数もランク判定条件の一つである。詳細は後述するが、この未経過残回数と各売上債権の完済までの回収残回数との比較により、債権ランクが決定される。
顧客限度比率は、一回のファクタリングにより買取がなされる売上債権群の中で、一顧客の売上債権が占める割合で許される割合を示す。
後払代金精算区分は、買取企業から売渡企業へ支払われる後払代金の精算方法を示し、最終一括精算か月次精算かが設定される。
返済未開始債権買取は、返済(回収)が未だ開始されていない、即ち初回の回収日時に到達していない売上債権をファクタリング対象とするか否かを示す情報である。
買取日は、対象のファクタリング案件のファクタリングが実施された日付を示す。
精算日は、対象のファクタリング案件における買取企業から売渡企業へ代金が全て支払われた日付を示す。
但し、本実施形態では、企業ごと若しくはファクタリング案件ごとに決められたランク判定条件、又は、売渡対象若しくは買取対象の売上債権となり得る条件であるファクタリング条件を含むファクタリング情報が格納されていれば、ファクタリング情報DB42の具体的態様はこのような例のみに制限されない。
例えば、判定部43は、債権情報DB32から対象売上債権の完済までの回収残回数(図3の残回数)を取得し、その回収残回数がファクタリング情報DB42に格納される未経過残回数よりも多い場合に、債権ランクをDに決定する。判定部43は、当該回収残回数が未経過残回数以下の場合には、債権情報DB32から対象売上債権の実際の回収済み回数(支払回数−残回数)を取得し、この回収済み回数とファクタリング情報DB42に格納される基準回収済回数とを比較して、次のように債権ランクを判定する。判定部43は、基準回数済回数(例えば4回)から1回減じた回数(例えば3回)よりも回収済み回数が少ない場合に、債権ランクをCに決定し、基準回数済回数よりも回収済み回数が少ない場合に、債権ランクをBに決定し、それ以外の場合に(回収済み回数が基準回数済回数以上となる場合に)、債権ランクをAに決定する。
但し、ファクタリング情報DB42に格納されるランク判定条件を用いた債権ランクの決定方法は、このような例に限定されない。
つまり、債権ランクは、売上債権の回収状況に応じて随時変わり得る情報である。
このため、判定部43は、後述の売上債権情報のリスト表示が売渡企業端末9に出力される際に、債権情報DB32に格納されている、回収状況に応じて更新された債権情報を用いて、売渡企業端末9に対応する対象企業の各売上債権についてランクをそれぞれ判定することが好ましい。
このようにすれば、売渡企業端末9に出力されるリスト表示において、最新の回収状況が反映された債権情報に基づいて判定された最新の債権ランクが表示されるため、売渡企業は、最新の情報に基づいて、売渡対象とすべき売上債権を選択することができる。
以下、表示処理部44における売渡企業端末9への出力処理及び買取企業端末7への出力処理について順に説明する。
表示処理部44は、売渡企業が売渡対象の売上債権を選択するのを支援するべく次のような表示処理を行う。
具体的な表示例として、売上債権ごとの債権ランクを含む売上債権情報のリスト表示がある。表示処理部44は、債権情報DB32に格納されている債権情報及び判定部43により判定された債権ランクに基づいて、対象企業の売上債権群の一部又は全部を対象とする、売上債権ごとのランクを含む売上債権情報のリスト表示をその対象企業の端末(売渡企業端末9)に出力する。そして、そのリスト表示は、売渡対象とする売上債権をユーザ操作により選択可能な状態で対象企業の端末(売渡企業端末9)に出力される。
図5に例示される画面は、案件表示D11、選択状況表示D12、リスト表示D13、及びファンクションキー表示(D14、D15、D16及びD17がアクティブ化されている)を含んでおり、売渡企業端末9の操作によりその売渡企業に関するファクタリング案件が選択されることで、表示される。
案件表示D11には、対象となる売渡企業に関して選択されたファクタリング案件の案件ID及び案件名が表示されている。これらファクタリング案件の情報は、上述したファクタリング情報テーブルから取得することができる。
表示処理部44は、対象となる売渡企業の売渡企業IDと関連付けられた売上債権の債権情報を債権情報DB32の債権情報テーブルの中から特定し、特定された債権情報を用いて、リスト表示D13の表示データを生成することができる。このため、リスト表示D13に表示される各売上債権の債権情報の各項目は、当該債権情報テーブルの各項目に対応する。リスト表示D13において左から3列目の項目は債権ランクを示している。
リスト表示D13における最左列「選択」は、売渡企業端末9のユーザ操作でチェックを付けたり外したりすることができるようになっている。このため、売渡企業端末9のユーザは、売渡企業端末9の入力装置を操作してこの項目「選択」にチェックを付けることにより、本画面に表示される売上債権のうち売渡対象としたい売上債権を選択することができる。
このようにすれば、売渡企業(売渡企業端末9のユーザ)は、トータル金額情報表示を確認して資金化される金額をおおよそ予想しながら、売渡対象とする売上債権を選択することができるため、債権ファクタリングを行う上での作業を容易化することができる。
但し、選択状況の変化に応じて更新されるトータル金額情報表示の内容は、図5に示される例に限定されず、他の情報を含んでもよいし、図5に示される一部の情報を除いてもよい。
即ち、表示処理部44は、対象企業のファクタリング情報に含まれるファクタリング条件(例えば選択債権ランク)に合致しないランクが付されている売上債権が売渡対象として選択されないように、売上債権ごとのランクを含む売上債権情報のリスト表示を制御することが好ましい。
このようにすれば、決められたファクタリング条件に合致しないランクが付されている売上債権が売渡対象として選択されるのを防ぐことができるため、債権ファクタリングに係る作業の煩雑さを低減することができ、ひいては、債権ファクタリングの利用を促進することができる。
F10キー(表示D16)が操作されると、その操作時点で選択されている売上債権を売渡対象として確定するための確認画面が表示され、この確認画面での操作に応じて売渡対象が確定される。但し、ここでの売渡対象の確定は、あくまで売渡企業の意思であって、実際に買取対象とされるか否かは、後述するとおり、買取企業端末7での操作に依存することになる。なお、F12キー(表示D17)が操作されると、図5の画面の前に表示されていた画面に遷移する。
これにより、そのリスト表示における売渡対象としての選択状態が売渡企業にとって確定状態なのか未確定状態なのかが把握できるため、買取企業にとっても債権ファクタリングを実施してもよいかどうかを的確に判断することができる。
なお、対象確定操作が検出されるまでは、図6に示されるテーブルには債権情報が格納されず、そのときの選択状況は、別途、表示処理部44により保持されればよい。
売上債権は、回収がなされる度に残高が変わるため、売渡対象の確定と債権ファクタリングの実施との間に対象となる売上債権の回収が行われると、売渡企業が想定していた資金額と実際に資金化された額とに乖離が生じる場合がある。
そこで、表示処理部44は、上述の対象確定操作が売渡対象として選択されている売上債権の残高が変動し得る債権変動期間に完了しないように制御することがより好ましい。
ここでの「債権変動期間」とは、債権残高が変動し難い期間を意味する。債権変動期間は、例えば、或る月の口座振替日の後10日から次の月の口座振替日の前10日の期間に設定される。
また、「対象確定操作が債権変動期間に完了しないように制御する」ことは次のように実現することができる。例えば、表示処理部44は、債権変動期間の間は対象確定操作ができないように又は対象確定操作が受け付けられないように制御することができる。また、表示処理部44は、債権変動期間内に対象確定操作が検出された場合に、エラー表示を行って、売渡対象を確定状態としないように制御することもできる。
このようにすることで、売渡対象の確定と債権ファクタリングの実施との間に対象となる売上債権の回収が行われることを低減し、結果、売渡企業が想定していた資金額と実際に資金化された額とに乖離が生じる等といった債権ファクタリングの不具合を低減することができる。
表示処理部44は、買取企業が債権ファクタリング(買取)を実施するのを支援するべく次のような表示処理を行う。
表示処理部44は、上述のように売渡企業端末9の操作により売渡対象として選択されたその売渡企業の売上債権を対象とする、売上債権ごとのランクを含む売上債権情報のリスト表示を、買取対象とする売上債権をユーザ操作により選択可能な状態で、買取企業端末7に出力する。
ここでの「買取対象とする売上債権をユーザ操作により選択可能な状態で」とは、後述する図7の画面例のように、買取対象としない売上債権の選択をユーザ操作により可能とすることも含む。
図7に例示される画面は、案件表示D21、選択状況表示D22、リスト表示D23、及びファンクションキー表示(D24、D25、D26及びD27がアクティブ化されている)を含んでおり、買取企業端末7の操作により対象となるファクタリング案件が選択されることで、表示される。
案件表示D21には、選択されたファクタリング案件の案件ID及び案件名が表示されている。これらファクタリング案件の情報は、上述したファクタリング情報テーブルから取得することができる。
選択状況表示D22に表示される他の情報、即ち「債権件数」、「債権残高」、「未入金件数」、「未入金額」、「元本残高」、「元本残高」の下の「(内未入金額)」、「手数料残高」、及び「手数料残高」の下の「(内未入金額)」は、図5に示される選択状況表示D12における各項目と同一である。
このようにすれば、買取企業(買取企業端末7のユーザ)は、トータル金額情報表示を確認しながら、買取対象の売上債権を決めることができる。但し、選択状況の変化に応じて更新されるトータル金額情報表示の内容は、図7に示される例に限定されず、他の情報を含んでもよいし、図7に示される一部の情報を除いてもよい。
このようにすれば、決められたファクタリング条件に合致しないランクが付されている売上債権が買取対象として決定されるのを防ぐことができるため、債権ファクタリングに係る作業の煩雑さを低減することができる。
F10キー(表示D26)が操作されると、その操作時点で選択されている売上債権を買取対象として決定するための確認画面が表示される。
図8に例示される画面は、売渡企業表示D31、案件表示D32、買取日表示D33、振込日表示D34、グラフ形式表示D35、及びファンクションキー表示(表示D36及びD37がアクティブ化されている)を含んでいる。
売渡企業表示D31には、対象となる売渡企業の売渡企業ID及び企業名が表示されている。債権情報サーバ10は、売渡企業IDと企業名とを関連付けた情報を保持しており、表示処理部44はその情報を取得することで、売渡企業表示D31を出力することができる。
案件表示D32には、買取決定を行う対象のファクタリング案件の案件ID及び案件名が表示されている。これらファクタリング案件の情報は、上述したファクタリング情報テーブルから取得することができる。
買取日表示D33には、債権ファクタリング(買取)が実行される日が表示される。
振込日表示D34には、振込日が表示される。買取日表示D33及び振込日表示D34に表示される各日付は、手入力された日付であってもよいし、F8キー(表示D36)が操作された日から予測され自動設定された日付であってもよい。
「元本残高」の表示領域は、合計元本残高に対応し、その表示領域内には、合計元本残高の金額が表示されている。
「手数料残高」の表示領域は、合計手数料残高に対応し、その表示領域内には、合計手数料残高の金額が表示されている。
「元本残高」及び「手数料残高」の各表示領域はそれぞれ「債権残高」の表示領域の右隣りに上下に並べて配置されている。このような表示領域の配置により、合計元本残高は、合計債権残高の中の元本部分であり、合計手数料残高は、合計債権残高の中の手数料部分であるという内訳が示されている。
「契約手数料」の表示領域は、買取企業が債権ファクタリングの手数料として取得する合計手数料残高に対応するため、「手数料残高」の表示領域の右隣りでその領域と上下方向に同一の長さを持つ領域として示されている。また、「契約手数料」の表示領域内には、合計手数料残高の金額が表示されている。
これにより、合計元本残高が買取対象額となり、手数料残高が契約手数料になるという内訳が示されている。
このような金額項目の内訳についても、グラフ形式表示D35において表示領域の区分けにより示されている。
「前払代金」及び「後払代金」の各表示領域はそれぞれ「買取対象額」の表示領域の右隣りに上下に並べて配置されている。これにより、前払代金は、買取対象額の中の前払率で決められる部分であり、後払代金は、買取対象額の中の前払代金を差し引いた残りの部分であるという内訳が示されている。「前払代金」の表示領域内には、前払代金の金額と共に、前払率も表示されている。
「譲渡手数料」及び「当初譲渡代金」の各表示領域はそれぞれ「前払代金」の表示領域の右隣りに上下に並べて配置されている。これにより、譲渡手数料は、前払代金から差し引かれることが示され、当初譲渡代金は、前払代金の中の譲渡手数料を差し引いた残りの部分であるという内訳が示されている。
「留保譲渡代金」は、後払代金に対応するため、「後払代金」の表示領域の右隣りでその領域と上下方向に同一の長さを持つ領域として示されている。
例えば、表示処理部44は、合計債権残高、合計手数料残高、合計元本残高、及び買取対象額を少なくとも含む複数の金額項目の内訳を表示領域の区分けで表すグラフ形式により、買取対象として選択された売上債権のトータル金額情報表示を出力するようにすればよい。
これにより、買取企業は、選択されている売上債権を対象とする債権ファクタリングの実行における金額の項目の内訳を容易に把握することができるため、債権ファクタリングに係る意思決定を効果的に支援することができる。
F8キー(表示D36)が操作されると、選択されている売上債権が買取対象として確定される。このため、図8に示される買取債権決定確認画面でのF8キーの操作は、選択された売上債権を買取対象として確定するためのユーザ操作であるいえる。
即ち、表示処理部44は、買取企業端末7に出力されたリスト表示D23において選択されている売上債権を買取対象として確定するためのユーザ操作である買取確定操作を検出可能であると換言できる。なお、F12キー(表示D37)が操作されると、図8に示される確認画面が終了する。
このようにすれば、買取企業が電話などにより売渡企業に連絡をとることなく、売渡企業は、売渡対象として選択していた売上債権のファクタリングにより資金化されることを知ることができる。
この通知には、買取確定操作が検出された際に選択されている売上債権のトータル金額情報が含まれていてもよい。これにより、売渡企業は、資金化される金額を予め知ることができる
但し、通知部45による通知手法は制限されない。例えば、通知部45は、電子メールにより通知してもよいし、売渡企業端末9に表示される画面内の情報により通知してもよいし、既存のプッシュ技術を用いて売渡企業端末9上で実行されるアプリケーションに対して通知を行ってもよい。
次に、第二実施形態に係る支援システム1について説明する。以下では、上述の第一実施形態と異なる内容を中心に説明し、同一内容については適宜説明を省略する。
図9は、第二実施形態における債権情報サーバ10及びファクタリングサーバ20の処理構成を概念的にそれぞれ示す図である。
ファクタリングサーバ20は、第一実施形態の構成に加えて、売渡選択部46、及び推定部47を更に有する。
図9に図示されるこれら各処理モジュールは、例えば、メモリ14又は24に格納されるプログラムがCPU12又は22にロードされ実行されることにより実現されるソフトウェア要素である。また、当該プログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから通信ユニット18又は28を介してインストールされ、メモリ14又は24に格納されてもよい。
例えば、推定部47は、債権情報DB32に格納される、対象の売渡企業の売渡企業IDと関連付けられた売上債権の債権情報及び回収計画情報を用いて、各売上債権の回収が計画通りに行われたと仮定して、各売上債権のファクタリングが将来の一以上の時期で実施された場合の資金化情報をそれぞれ推定することができる。
ここでの「将来の一以上の時期」は、債権情報(例えば債権残高)が現時点のものから回収状況に応じて変わり得る程度に将来(先)の時期であることが好ましく、例えば、一月以上先の時期である。当該「将来の一以上の時期」は、一つの日付であってもよいし、複数の日付であってもよい。当該複数の所定の時期としては、例えば、推定処理が実行された月の所定日、次の月の所定日、次々月の所定日などがあり得る。このため、推定部47は、回収計画通りに回収が行われたと仮定して各月の所定日における各売上債権の債権残高をそれぞれ推定することができ、この推定された債権残高を用いることで資金化情報を推定することができる。但し、当該複数の所定の時期は、将来の時期であれば、月ごとでなくてもよく、2ヵ月ごとや、ユーザにより指定された時期とされてもよい。
また、推定する資金化情報は、買取企業から売渡企業へと支払うことが予想される金額を含む情報であればよく、上述した当初譲渡代金のみであってもよいし、当初譲渡代金と留保譲渡代金であってもよいし、譲渡手数料のように買取企業の手数料金額を含んでもいてもよい。
但し、仮売渡対象とする売上債権の決定手法は、ファクタリング条件に含まれる債権ランクを満たす売上債権に決定することだけに制限されない。例えば、売渡企業端末9のユーザに債権ファクタリングにより資金化を希望する金額(希望金額)を入力させ、当該ファクタリング条件に加えて又はそれと置き換えて、この希望金額に最も近い金額が資金化され得ることを条件に、仮売渡対象とする売上債権が決定されてもよい。
この資金化推定表示によれば、売渡企業(売渡企業端末9のユーザ)は、当該将来の一以上の時期のそれぞれにおいて資金化される金額を把握することができるため、資金が必要となる時期や金額に応じて、売渡対象とする売上債権を選択する時期又は売渡対象を確定させる時期を決めることができる。結果、売渡企業にとって債権ファクタリングを活用し易くなり、債権ファクタリングの活用を促進することができる。
図10に例示される画面は、案件表示D41、推定表示D42、及びファンクションキー表示(表示D43及びD44がアクティブ化されている)を含んでおり、売渡企業端末9の操作により対象となるファクタリング案件が選択されることで、表示される。この画面は、図5に示される売渡債権選択入力画面での特定のファンクションキーが操作されることで表示されてもよい。
推定表示D42は、上述の資金化推定表示の一具体例である。図10の例では、当該将来の一以上の時期として、「今月(6月)」と「7月」と「8月」との3か月(3つの時期)が示されており、各月における、仮売渡対象として決められた売上債権の件数、並びに、仮売渡対象の売上債権を対象に推定された合計債権残高、合計元本残高、合計手数料残高、前資金化金額(前払代金)、後資金化金額(後払代金)、及び譲渡手数料が示されている。但し、資金化推定表示は、図10に例示される推定表示D42の例に限定されず、推定表示D42で示される一部の情報を示してもよいし、他の情報を加えてもよい。
ファンクションキー表示では、ファンクションキー表示D43及びD44がアクティブ化されている。或る月を選んでF9(表示D43)が操作されると、その選ばれた月の仮売渡対象として決定された売上債権の債権情報のリスト表示が出力される。なお、F12キー(表示D44)が操作されると、図10の画面の前に表示されていた画面に遷移する。
表示処理部44は、上述の資金化推定表示(図10に例示されるファクタリング実施推定画面)を見ながら、当該売渡条件を設定可能とするために、資金化推定表示と並べて当該売渡条件設定表示を出力するようにしてもよい。
例えば、売渡選択部46は、実施希望月に基づいてファクタリング希望日付を決定し、債権情報DB32に格納される各売上債権の回収計画情報を用いて、回収計画通りに回収が行われたと仮定してそのファクタリング希望日における債権残高など各売上債権の債権情報を推定する。売渡選択部46は、推定された各売上債権の債権情報に基づいて判定部43に債権ランクの推定を実行させ、ファクタリング希望日における各売上債権のランクを含む債権情報に基づいて仮売渡対象の売上債権を特定する。売渡選択部46は、特定した仮売渡対象の売上債権に基づいて資金化される金額(当初譲渡代金等)を推定し、その推定される金額が希望金額を満たすように、仮売渡対象に基づいて売渡対象を自動選択する。
このようにすれば、売渡企業は、売渡対象とする売上債権を選択する作業なく、少なくとも実施希望月と希望金額を指定することで、債権ファクタリングにより希望にかなった資金化を実現することができる。
上述の各実施形態は、支援システム1の一例である。支援システム1は、上述の構成のみに限定されるわけではなく、上述の少なくとも一部の構成を有していれば、部分的に適宜変形されてもよい。
例えば、支援システム1は、更新部34と、判定部43と、表示処理部44とを少なくとも有していればよい。支援システム1は、一台のコンピュータで実現されてもよいし、複数台のコンピュータで実現されてもよい。
また、債権情報DB32は、支援システム1を形成するコンピュータ(上述の実施形態では債権情報サーバ10)上に実現されてもよいし、支援システム1外のコンピュータ上に実現されてもよい。
また、上述の実施形態では、ユーザ操作により選択されている売上債権を売渡対象として確定するためのユーザ操作である対象確定操作(上述の例ではF10キーの操作及び確認画面での確認操作)を検出する例が示されたが、このような対象確定操作がサポートされていなくてもよい。この場合には、売渡対象の未確定状態は存在せず、例えば、リスト表示D13における選択状態がそのまま売渡対象の確定状態とされてもよい。
この場合、債権情報サーバ10又はファクタリングサーバ20は、売渡企業への貸付金額情報を含む貸付情報データベース(DB)(図示せず)を更に有しており、貸付処理部がこの貸付情報DBにおける貸付金額情報を更新する。
更に、貸付処理部は、売渡選択部46により売渡対象として選択された売上債権のファクタリングにより資金化される金額が当該希望金額を満たさない場合に、不足分の金額を貸付金額情報に加算するようにする。即ち、売渡選択部46により自動選択された売渡対象の売上債権に基づく債権ファクタリングにおいて資金化された金額が売渡企業の希望金額を満たさない場合に、その売渡企業へ不足分を買取企業が貸付を行い、その貸付の情報を貸付処理部が管理するようにすればよい。
このようにすれば、売渡企業にとっては、希望のタイミングで債権ファクタリングを伴って希望金額を得ることができ、買取企業にとっては、貸付を増やすことができるため、双方にとってメリットのある取引を支援することができる。
更に言えば、推定部47は、複数種のファクタリング条件パターンを保持しておき、ファクタリング条件パターンごとにその条件に合致する売上債権を仮売渡対象としてそれぞれ決め、ファクタリング条件パターンごとに資金化情報を推定してもよい。この場合、表示処理部44は、ファクタリング条件パターンごとに、当該将来の一以上の時期のそれぞれにおける推定された資金化情報を示し資金化推定表示を買取企業端末7に出力することができる。
このようにすれば、買取企業は、債権ファクタリングを未だ実施していない売渡企業に対して、債権ファクタリングによる資金化見積を提示することができるなど、債権ファクタリングの営業を効果的に支援することができる。
Claims (12)
- 債権情報データベースに格納された、回収情報を含む売上債権ごとの債権情報を、各売上債権の回収状況に応じて随時更新する更新手段と、
前記債権情報データベースに格納されている債権情報を用いて、各売上債権のランクをそれぞれ判定する判定手段と、
前記債権情報データベースに格納されている債権情報及び前記判定手段により判定された前記ランクに基づいて、対象企業の売上債権群の一部又は全部を対象とする、売上債権ごとの前記ランクを含む売上債権情報のリスト表示を対象企業端末に出力する表示処理手段と、
を備え、
前記リスト表示は、売渡対象とする売上債権をユーザ操作により選択可能な状態で前記対象企業端末に出力される、
債権ファクタリング支援システム。 - 企業ごと又はファクタリング案件ごとにファクタリング情報が格納されるファクタリング情報データベースを参照するデータ参照手段、
を更に備え、
前記ファクタリング情報は、企業ごと又はファクタリング案件ごとに決められたランク判定条件を含み、
前記判定手段は、前記ファクタリング情報データベースに格納されている前記対象企業の前記ファクタリング情報に含まれる前記ランク判定条件を用いて、前記対象企業の各売上債権についてそれぞれランクを判定する、
請求項1に記載の債権ファクタリング支援システム。 - 前記ファクタリング情報は、売渡対象の売上債権となり得る条件であるファクタリング条件を含み、
前記表示処理手段は、前記対象企業の前記ファクタリング情報に含まれる前記ファクタリング条件に合致しない前記ランクが付されている売上債権が売渡対象として選択されないように、前記リスト表示を制御する、
請求項2に記載の債権ファクタリング支援システム。 - 前記判定手段は、前記リスト表示が前記対象企業端末に出力される際に、前記債権情報データベースに格納されている、回収状況に応じて更新された債権情報を用いて、前記対象企業の各売上債権についてランクをそれぞれ判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の債権ファクタリング支援システム。 - 前記表示処理手段は、前記リスト表示と共に、前記リスト表示において売渡対象として選択された売上債権のトータル金額情報表示を対象企業端末に出力し、前記リスト表示における売渡対象の選択状況の変化に応じて、該トータル金額情報表示を随時更新する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の債権ファクタリング支援システム。 - 前記表示処理手段は、前記対象企業端末に出力された前記リスト表示においてユーザ操作により選択されている売上債権を売渡対象として確定するためのユーザ操作である対象確定操作を検出可能であり、該対象確定操作が売渡対象として選択されている売上債権の残高が変動し得る債権変動期間に完了しないように制御する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の債権ファクタリング支援システム。 - 前記債権情報データベースに格納される債権情報に基づいて、前記対象企業の売上債権群の一部又は全部を仮売渡対象とし、該仮売渡対象の売上債権のファクタリングが将来の一以上の時期で実施された場合の資金化情報をそれぞれ推定する推定手段、
を更に備え、
前記表示処理手段は、前記推定された資金化情報を前記将来の一以上の時期のそれぞれについて示す資金化推定表示を前記対象企業端末に出力する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の債権ファクタリング支援システム。 - 前記対象企業の売上債権群の中から売渡対象とする売上債権を選択する売渡選択手段、
を更に備え、
前記表示処理手段は、実施希望月及び希望金額を少なくとも含む売渡条件を設定可能な売渡条件設定表示を前記対象企業端末に出力し、
前記売渡選択手段は、前記売渡条件設定表示で設定された前記売渡条件に基づいて、前記実施希望月の所定タイミングで、前記希望金額に対応する売上債権を売渡対象として選択する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の債権ファクタリング支援システム。 - 前記表示処理手段は、
前記対象企業端末に出力された前記リスト表示で売渡対象として選択された前記対象企業の売上債権を対象とする、売上債権ごとの前記ランクを含む売上債権情報のリスト表示を、買取対象とする売上債権をユーザ操作により選択可能な状態で、買取企業端末に出力し、
前記買取企業端末に出力された前記リスト表示において買取対象として選択されている売上債権のトータル金額情報表示を前記買取企業端末に出力し、
前記トータル金額情報表示は、合計債権残高、合計手数料残高、合計元本残高、及び買取対象額を少なくとも含む複数の金額項目の内訳を表示領域の区分けで表すグラフ形式で出力させる、
請求項1から8のいずれか一項に記載の債権ファクタリング支援システム。 - 企業ごと又はファクタリング案件ごとにファクタリング情報が格納されるファクタリング情報データベースを参照するデータ参照手段、
を更に備え、
前記ファクタリング情報は、買取対象の売上債権となり得る条件であるファクタリング条件を含み、
前記表示処理手段は、前記買取企業端末に出力された前記リスト表示において、前記ファクタリング情報に含まれる前記ファクタリング条件に合致しない前記ランクが付されている売上債権が買取対象として選択されないように、該リスト表示を制御する、
請求項9に記載の債権ファクタリング支援システム。 - ファクタリングが実施されることを前記対象企業端末に通知する通知手段
を更に備え、
前記表示処理手段は、前記買取企業端末に出力された前記リスト表示において選択されている売上債権を買取対象として確定するためのユーザ操作である買取確定操作を検出可能であり、
前記通知手段は、前記買取確定操作が検出された場合に、前記通知を行う、
請求項9又は10に記載の債権ファクタリング支援システム。 - 前記対象企業への貸付金額情報を含む貸付情報データベースにおける該貸付金額情報を更新する貸付更新手段、
を更に備え、
前記貸付更新手段は、前記売渡選択手段により売渡対象として選択された売上債権のファクタリングにより資金化される金額が前記希望金額を満たさない場合に、不足分の金額を前記貸付金額情報に加算する、
請求項8に記載の債権ファクタリング支援システム。
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