JP2020002948A - 両吸込渦巻ポンプ - Google Patents

Abstract

【課題】ケーシング自体を肉厚にすることなく、ケーシングの変形を防止することができる両吸込渦巻ポンプを提供する。【解決手段】両吸込渦巻ポンプは、回転軸１と、回転軸１に固定された羽根車２と、羽根車２を収容するケーシング３と、ケーシング３に固定された脚部５を備える。ケーシング３は、吸込み口６に連通する吸込みボリュート２０を有する。ケーシング３は、互いに締結された上ケーシング３ａと下ケーシング３ｂを有し、吸込みボリュート２０を構成する下ケーシング３ｂの両側面のそれぞれには、リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃが設けられている。回転軸１の軸方向から見たときに、リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃは回転軸１の半径方向に延びている。リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃは脚部５から離れている。【選択図】図２

Description

本発明は、両吸込渦巻ポンプに関し、特に羽根車を収容するケーシングの補強構造に関するものである。

両吸込渦巻ポンプは、両吸込型の羽根車が固定される回転軸と、羽根車を収容して液体の流路を形成するケーシングとを備え、羽根車をケーシング内で回転させることにより液体をケーシング内で昇圧し、該昇圧された液体を吐出し口から外部に吐き出す。

液体の圧力がケーシングに作用すると、ケーシングの一部に高い応力が発生し、ケーシングが変形する。ケーシングが変形すると、ケーシングフランジの接合面が離れ、水漏れが生じる場合がある。そのため、ケーシングの変形を一定以下にするための剛性がケーシングには要求される。

両吸込渦巻ポンプのケーシングの形状は複雑であるため、ケーシングは、一般的に、鋳造で製作される。ケーシングの剛性を高めるために、ケーシング全体の肉厚を厚くすると、ケーシングの重量が増加してしまい、結果的に、両吸込渦巻ポンプ全体の重量が増加してしまう。

一方、ケーシングを薄くすると、ケーシングの機械的強度が低下し、両吸込渦巻ポンプは耐水圧試験に合格することができないことがある。この耐水圧試験は、両吸込渦巻ポンプからの水漏れを検査する目的で行われる。具体的には、ケーシングから羽根車や回転軸を取り外した状態で、ケーシングの吸込み口、吐出し口を含むすべての開口部を閉じて密閉空間をケーシング内に形成し、この密閉空間を、ポンプの最高吐出し圧力の１．５倍の圧力の水で満たし、そのままの状態で３分間以上放置し、水漏れおよびケーシングの変形を検査する。

特開２０１７−４４１８２号公報 特開２０１４−２０６１４０号公報

この耐水圧試験では、通常の運転時よりも高い圧力がケーシングに加わるため、ケーシングには高い応力が発生する。このため、吸込みボリュートなどの面積の広いケーシングの部位は、許容を超えて変形してしまうことがある。

そこで、本発明は、ケーシング自体を肉厚にすることなく、ケーシングの変形を抑制することができる両吸込渦巻ポンプを提供することを目的とする。

一態様では、回転軸と、前記回転軸に固定された羽根車と、前記羽根車を収容するケーシングと、前記ケーシングに固定された脚部を備え、前記ケーシングは、吸込み口に連通する吸込みボリュートを有し、前記ケーシングは、互いに締結された上ケーシングと下ケーシングを有し、前記吸込みボリュートを構成する前記下ケーシングの両側面のそれぞれには、少なくとも１つのリブが設けられており、前記回転軸の軸方向から見たときに、前記リブは、前記回転軸の半径方向に延びており、前記リブは前記脚部から離れている、両吸込渦巻ポンプが提供される。

一態様では、前記リブの高さは、前記リブの上端からの距離とともに徐々に減少している。
一態様では、前記下ケーシングは、前記回転軸の外周面に沿って延びる半円環部を有しており、前記リブの上端は、前記半円環部に接続されている。
一態様では、前記リブの下端は、前記下ケーシングの外面に滑らかに接続されている。
一態様では、前記吸込みボリュートの両側面のそれぞれに設けられている前記リブは複数である。
一態様では、前記複数のリブのうちの少なくとも１つの断面形状は、他のリブの断面形状と異なる。
一態様では、前記複数のリブは、前記回転軸の軸方向から見たときに、前記回転軸の中心軸線を通る鉛直線を中心線に持つ扇形の領域内に位置しており、前記扇形の領域の中心角は１４０度以下である。
一態様では、前記脚部は、前記複数のリブの延長線上に位置している。
一態様では、前記複数のリブは異なる長さを有し、前記吸込み口に近いリブほど長い。
一態様では、前記両吸込渦巻ポンプは、前記上ケーシングの外面に設けられた少なくとも１つの上側リブをさらに備えている。
一態様では、前記両吸込渦巻ポンプは、前記下ケーシングの底面に設けられた少なくとも１つの底面リブをさらに備えている。

上述した本発明によれば、リブは、脚部に接続されていなく、脚部から離れている。脚部は、ケーシングを支持する機能のみならず、ポンプ運転時のケーシングの振動を抑制する機能も持つ。したがって、一般に、脚部の位置は、かかる観点から必然的に決定される。これに対し、リブの位置は、高い応力が発生するケーシングの領域の大きさおよび位置に基づいて決定される。リブは脚部から離れているので、リブの位置の自由度が増す。さらに、リブの本数も脚部に依存せずに適切に決定することができる。したがって、下ケーシングを補強するのに必要な位置にリブを適切に配置することができる。

本発明の両吸込渦巻ポンプの一実施形態を斜め上から見た斜視図である。 図１に示す両吸込渦巻ポンプを斜め下から見た斜視図である。 両吸込渦巻ポンプの側面図である。 図１に示す両吸込渦巻ポンプの縦断面図である。 図５（ａ）乃至図５（ｄ）は、リブの断面形状の例を示す断面図である。 本発明の両吸込渦巻ポンプの他の実施形態を斜め上から見た斜視図である。 図６に示す両吸込渦巻ポンプの縦断面図である。 本発明の両吸込渦巻ポンプのさらに他の実施形態を斜め下から見た斜視図である。

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図１は本発明の両吸込渦巻ポンプの一実施形態を斜め上から見た斜視図であり、図２は図１に示す両吸込渦巻ポンプを斜め下から見た斜視図であり、図３は両吸込渦巻ポンプの側面図であり、図４は図１に示す両吸込渦巻ポンプの縦断面図である。

両吸込渦巻ポンプは、回転軸１と、回転軸１に固定された羽根車２と、羽根車２を収容して液体の流路を形成するケーシング３と、ケーシング３に固定された複数の脚部５を備えている。図４に示すように、羽根車２は、２つの液体入口２ａと、１つの液体出口２ｂを具備した両吸込型羽根車である。２つの液体入口２ａは羽根車２の両側にあり、互いに反対方向を向いている。液体出口２ｂは羽根車２の外周部に位置している。

ケーシング３は渦巻き形状を有している。ケーシング３は、回転軸１の中心軸線ＡＸを通る水平面で分割された上ケーシング３ａと下ケーシング３ｂとを備えている。本実施形態では４つの脚部５が下ケーシング３ｂの底部に接続されている。下ケーシング３ｂは、液体の吸込み口６と、羽根車２によって昇圧された液体を吐き出す吐出し口７とを有している。吸込み口６および吐出し口７は互いに反対方向を向いている。

上ケーシング３ａと下ケーシング３ｂは、複数のボルト８によって互いに締結されている。より具体的には、上ケーシング３ａの下端は上側フランジ４ａから構成され、下ケーシング３ｂの上端は下側フランジ４ｂから構成されている。上側フランジ４ａは下方を向く合わせ面を有し、下側フランジ４ｂは上方を向く合わせ面を有している。上側フランジ４ａの合わせ面と下側フランジ４ｂの合わせ面との間に図示しないガスケットが挟まれた状態で、上側フランジ４ａと下側フランジ４ｂは、複数のボルト８によって締結される。

図４に示すように、回転軸１は、ケーシング３の両側に配置された軸受１０によって回転可能に支持されている。回転軸１とケーシング３との間の隙間は、軸シール装置１１によって封止されている。軸シール装置１１は、例えばメカニカルシールである。軸受１０および軸シール装置１１は、軸受取り付け台座１５に固定されている。この軸受取り付け台座１５は、ケーシング３の両側に形成された環状突起１６内にはめ込まれている。この環状突起１６は、回転軸１の外周面を囲んでいる。環状突起１６の上半分は、上ケーシング３ａの一部から構成された上側半円環部１６ａであり、環状突起１６の下半分は、下ケーシング３ｂの一部から構成された下側半円環部１６ｂである。環状突起１６を構成する上側半円環部１６ａおよび下側半円環部１６ｂは、回転軸１の外周面に沿って延びている。

上ケーシング３ａおよび下ケーシング３ｂは、吸込み口６に連通する吸込みボリュート２０を有している。吸込みボリュート２０は、吸込み口６から羽根車２の２つの液体入口２ａまで延びている。上ケーシング３ａおよび下ケーシング３ｂは、吐出し口７に連通する吐出しボリュート２２をさらに有している。吐出しボリュート２２は、羽根車２の液体出口２ｂから吐出し口７まで延びている。

回転軸１は図示しない原動機（電動機または内燃機関など）に接続されている。原動機によって回転軸１および羽根車２が回転すると、液体は、吸込み口６を通じてケーシング３内に吸い込まれる。液体は、吸込みボリュート２０を通って羽根車２の液体入口２ａに流入し、羽根車２の回転に伴って羽根車２の液体出口２ｂから吐出しボリュート２２に吐き出される。液体は吐出しボリュート２２を流れて吐出し口７から吐き出される。

吸込みボリュート２０を構成する下ケーシング３ｂの両側面には、下ケーシング３ｂを補強するための複数のリブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃが設けられている。これらリブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃは、下ケーシング３ｂの側面上に設けられた側面リブである。本実施形態では、３組のリブ、すなわち第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃが設けられている。これらのリブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃと下ケーシング３ｂは、鋳物からなる一体構造物を構成している。上ケーシング３ａも鋳物である。リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃは、下ケーシング３ｂの両側面内の、耐水圧試験時に高い応力が発生する領域を横切るように延びている。図１乃至図３において、耐水圧試験時に高い応力が発生する領域は、記号Ｇで示す一点鎖線で囲まれた領域である。より具体的には、この領域Ｇは、応力解析の結果に基づいて定められた領域である。

リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃは、下ケーシング３ｂの変形を防止するために（すなわち、下ケーシング３ｂを補強するために）、領域Ｇ上を延びている。図３から分かるように、領域Ｇは、回転軸１の下方に位置し、下ケーシング３ｂの下側半円環部１６ｂから底部にまで及んでいる。第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃの上端は、下側半円環部１６ｂの外面（下面）に接続されており、第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃの下端は、下ケーシング３ｂの外面に滑らかに接続されている。第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃは、互いに交差せず、回転軸１の軸方向から見たときに、回転軸１の半径方向に延びている。リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃは互いに交差しないので、鋳造時に欠陥（湯まわり不良）が生じにくい。

第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃは、脚部５に接続されていなく、脚部５から離れている。脚部５は、ケーシング３を支持する機能のみならず、ポンプ運転時のケーシング３の振動を抑制する機能も持つ。したがって、一般に、脚部５の位置は、かかる観点から必然的に決定される。これに対し、リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃの位置は、領域Ｇの大きさおよび位置に基づいて決定される。本実施形態では、リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃは脚部５から離れているので、リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃの位置の自由度が増す。よって、下ケーシング３ｂを補強するのに必要な位置にリブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃを適切に配置することができる。

また、リブの数も必要に応じて変えてもよい。具体的には、リブの数は、高い応力が発生する領域Ｇの大きさによって適宜決定される。領域Ｇの大きさおよび位置は、ポンプの種類によって変わりうる。領域Ｇが小さい場合は、１つのリブが設けられてもよいし、領域Ｇが大きい場合は、４本以上のリブが設けられてもよい。

図２に示すように、本実施形態の両吸込渦巻ポンプは、２組の脚部５の間を延びる２つの底面リブ３０Ａ，３０Ｂを備えている。これら底面リブ３０Ａ，３０Ｂは、下ケーシング３ｂの底面に設けられている。より具体的には、一方の組の脚部５は吸込みボリュート２０に接続され、底面リブ３０Ａは吸込みボリュート２０の底面に設けられている。底面リブ３０Ａの両端は、吸込みボリュート２０上の２つの脚部５にそれぞれ接続されている。他方の組の脚部５は吐出しボリュート２２に接続され、底面リブ３０Ｂは吐出しボリュート２２の底面に設けられている。底面リブ３０Ｂの両端は、吐出しボリュート２２上の２つの脚部５にそれぞれ接続されている。これら２つの底面リブ３０Ａ，３０Ｂは、回転軸１の中心軸線ＡＸと平行に延びている。吸込み側の底面リブ３０Ａは、吸込みボリュート２０の底面を補強し、吐出し側の底面リブ３０Ｂは、吐出しボリュート２２の底面を補強する機能を有する。

図３に示すように、本実施形態では、回転軸１の軸方向から見たときに、第２リブ２８Ｂは、回転軸１の中心軸線ＡＸから下方に延びる鉛直線ＣＬ上にあり、第１リブ２８Ａおよび第３リブ２８Ｃは第２リブ２８Ｂの両側に配置されている。本実施形態では、第１リブ２８Ａおよび第３リブ２８Ｃの延長線上に脚部５があるが、第１リブ２８Ａおよび第３リブ２８Ｃの延びる方向は本実施形態に限られない。一般に、高い応力が発生する領域Ｇは、回転軸１の軸方向から見たときに、回転軸１の中心軸線ＡＸを通る鉛直線ＣＬを中心線に持つ扇形の領域内に位置している。扇形の領域の中心角θは１４０度以下である。第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃは、上記扇形の領域内に位置している。

第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃの高さは、それらリブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃの上端からの距離に従って徐々に減少している。これは、ケーシング３に内側から水圧を加えたときに下ケーシング３ｂに発生する応力を解析した結果に基づく。応力解析によれば、下ケーシング３ｂに発生する応力は、吸込みボリュート２０の中央で最も高く、下側半円環部１６ｂから離れるに従って徐々に低下する。第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃの高さは、下ケーシング３ｂに発生する応力の勾配に沿って徐々に減少している。第１リブ２８Ａおよび第３リブ２８Ｃも同様の構成を有している。

本実施形態によれば、応力勾配に沿ってリブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃの高さが変化しているので、リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃの全体の体積を最小としつつ、リブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃは下ケーシング３ｂに必要とされる機械的強度を確保することができる。結果として、ポンプ全体が軽量化され、かつ低コストが実現される。さらに、第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃの下端は下ケーシング３ｂの外面に滑らかに接続されているので、鋳造時にリブ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃの下端で欠陥（湯まわり不良）が生じにくい。

図３に示すように、第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃは異なる長さを有しており、吸込み口６に近いリブほど長い。すなわち、吸込み口６に最も近い第１リブ２８Ａは、第２リブ２８Ｂよりも長く、第２リブ２８Ｂは、吸込み口６から最も遠い第３リブ２８Ｃよりも長い。第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃの長さは、領域Ｇの半径方向の幅に依存して決定される。すなわち、第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃの長さは、領域Ｇの半径方向の幅と同じか、またはそれよりも長い。第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃは、領域Ｇの全体を十分に補強するのに必要な最小限の長さを有している。したがって、リブ全体の体積が最小となり、結果として、ポンプ全体が軽量化され、かつ低コストが実現される。

図５（ａ）は、第１リブ２８Ａの断面を示す図である。本実施形態では、第１リブ２８Ａの断面は台形である。第２リブ２８Ｂおよび第３リブ２８Ｃの断面も同様に台形である。一実施形態では、第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃの断面は、図５（ｂ）に示すように三角形であってもよく、または図５（ｃ）に示すように、半円形であってもよく、または図５（ｄ）に示すように、半楕円形であってもよい。図５（ａ）乃至図５（ｄ）に示すように、第１リブ２８Ａの断面の幅Ｗが下ケーシング３ｂの外面から離れるに従って徐々に減少しているので、鋳造時に欠陥（湯まわり不良）が生じにくい。ただし、第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃの断面は、図５（ａ）乃至図５（ｄ）に示す例に限定されず、鋳造時に欠陥（湯まわり不良）が生じにくい形状であれば、他の形状であってもよい。

一実施形態では、第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃのうちの少なくとも１つの断面形状は、他のリブの断面形状と異なってもよい。例えば、第１リブ２８Ａ、第２リブ２８Ｂ、および第３リブ２８Ｃのすべては、異なる断面形状を有してもよい。

図６は、本発明の両吸込渦巻ポンプの他の実施形態を斜め上から見た斜視図であり、図７は、図６に示す両吸込渦巻ポンプの縦断面図である。本実施形態の特に説明しない構成は、図１乃至図５を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。

図６および図７に示すように、両吸込渦巻ポンプは、上ケーシング３ａの外面に設けられた上側リブ３３をさらに備えている。上側リブ３３は、上ケーシング３ａの頂部に位置しており、回転軸１の中心軸線ＡＸと平行に延びている。より具体的には、上側リブ３３は、吐出しボリュート２２の外面上に設けられており、吐出しボリュート２２を横切るように延びている。一実施形態では、上側リブ３３は、吐出しボリュート２２および吸込みボリュート２０の両方を横切るように延びていてもよい。上側リブ３３は、上ケーシング３ａの外面であれば、上ケーシング３ａの頂部よりも吸込み口６側に位置してもよく、または上ケーシング３ａの頂部よりも吐出し口７側に位置してもよい。さらに、複数の上側リブを上ケーシング３ａの外面に設けてもよい。

両吸込渦巻ポンプの運転中、吐出しボリュート２２は、最も高い液体の圧力を受ける。上ケーシング３ａの外面上に設けられた上側リブ３３は、吐出しボリュート２２を含む上ケーシング３ａを補強し、上ケーシング３ａ（特に吐出しボリュート２２）の変形を防止することができる。さらに、吐出しボリュート２２を薄くすることが可能であり、結果的に両吸込渦巻ポンプを軽量化することができる。

図８は、本発明の両吸込渦巻ポンプのさらに他の実施形態を斜め下から見た斜視図である。本実施形態の特に説明しない構成は、図１乃至図５を参照して説明した実施形態と同じでるので、その重複する説明を省略する。以下の説明では、吸込みボリュート２０の底面に設けられた底面リブ３０Ａを、第１底面リブ３０Ａと称する。

両吸込渦巻ポンプは、下ケーシング３ｂの底面に設けられた第２底面リブ３０Ｃをさらに備えている。より具体的には、第１底面リブ３０Ａおよび第２底面リブ３０Ｃは、吸込みボリュート２０の底面に設けられている。第２底面リブ３０Ｃの一端は、吸込み口６の裏側に接続され、第２底面リブ３０Ｃの他端は、吐出しボリュート２２の底面に接続されている。第１底面リブ３０Ａは回転軸１の中心軸線ＡＸと平行であり、第２底面リブ３０Ｃは、回転軸１の中心軸線ＡＸに垂直である。本実施形態では、第２底面リブ３０Ｃは、第１底面リブ３０Ａと直交している。第２底面リブ３０Ｃは、吸込み口６を通じてケーシング３に吸い込まれた液体の流れ方向に沿って延びている。このように配置された第２底面リブ３０Ｃは、液体の吸込み方向に発生する応力に起因する下ケーシング３ｂの変形を防止することができる。ただし、本発明は、本実施形態に限定されない。底面リブ３０Ａ，３０Ｃは、下ケーシング領域Ｇに発生する応力に基づいて、最適な配置、または最適な角度をとることも可能である。

上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。

１ 回転軸
２ 羽根車
２ａ 液体入口
２ｂ 液体出口
３ ケーシング
３ａ 上ケーシング
３ｂ 下ケーシング
４ａ 上側フランジ
４ｂ 下側フランジ
５ 脚部
６ 吸込み口
７ 吐出し口
８ ボルト
１０ 軸受
１１ 軸シール装置
１５ 軸受取り付け台座
１６ 環状突起
１６ａ 上側半円環部
１６ｂ 下側半円環部
２０ 吸込みボリュート
２２ 吐出しボリュート
２８Ａ 第１リブ
２８Ｂ 第２リブ
２８Ｃ 第３リブ
３０Ａ，３０Ｂ 底面リブ
３３ 上側リブ

Claims (11)

1. 回転軸と、
   前記回転軸に固定された羽根車と、
   前記羽根車を収容するケーシングと、
   前記ケーシングに固定された脚部を備え、
   前記ケーシングは、吸込み口に連通する吸込みボリュートを有し、
   前記ケーシングは、互いに締結された上ケーシングと下ケーシングを有し、
   前記吸込みボリュートを構成する前記下ケーシングの両側面のそれぞれには、少なくとも１つのリブが設けられており、
   前記回転軸の軸方向から見たときに、前記リブは、前記回転軸の半径方向に延びており、
   前記リブは前記脚部から離れている、両吸込渦巻ポンプ。
2. 前記リブの高さは、前記リブの上端からの距離とともに徐々に減少している、請求項１に記載の両吸込渦巻ポンプ。
3. 前記下ケーシングは、前記回転軸の外周面に沿って延びる半円環部を有しており、
   前記リブの上端は、前記半円環部に接続されている、請求項１または２に記載の両吸込渦巻ポンプ。
4. 前記リブの下端は、前記下ケーシングの外面に滑らかに接続されている、請求項１乃至３のいずれか一項に記載の両吸込渦巻ポンプ。
5. 前記吸込みボリュートの両側面のそれぞれに設けられている前記リブは複数である、請求項１乃至４のいずれか一項に記載の両吸込渦巻ポンプ。
6. 前記複数のリブのうちの少なくとも１つの断面形状は、他のリブの断面形状と異なる、請求項５に記載の両吸込渦巻ポンプ。
7. 前記複数のリブは、前記回転軸の軸方向から見たときに、前記回転軸の中心軸線を通る鉛直線を中心線に持つ扇形の領域内に位置しており、前記扇形の領域の中心角は１４０度以下である、請求項５または６に記載の両吸込渦巻ポンプ。
8. 前記脚部は、前記複数のリブの延長線上に位置している、請求項５乃至７のいずれか一項に記載の両吸込渦巻ポンプ。
9. 前記複数のリブは異なる長さを有し、前記吸込み口に近いリブほど長い、請求項５乃至８のいずれか一項に記載の両吸込渦巻ポンプ。
10. 前記上ケーシングの外面に設けられた少なくとも１つの上側リブをさらに備えている、請求項１乃至９のいずれか一項に記載の両吸込渦巻ポンプ。
11. 前記下ケーシングの底面に設けられた少なくとも１つの底面リブをさらに備えている、請求項１乃至１０のいずれか一項に記載の両吸込渦巻ポンプ。

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