JPH11236894A - 遠心ポンプおよび水車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、遠心ポンプを水車として使用するに
際して落差が同じで流量が異なる仕様を採用する場合に
おける生産性および経済性を向上させた遠心ポンプおよ
び水車を提供することを課題とする。 【解決手段】遠心ポンプは、渦巻室１３を有するケーシ
ング１１と、このケーシング１１の渦巻室１３の内部に
設けられたインペラ２１およびケーシング１１に回転自
在に支持されインペラ２１を取付けた主軸２２と、ケー
シング１１の渦巻室１３の内部にインペラ２１の周囲を
囲んでその周方向に間隔を存して複数個配置されてケー
シング１１に着脱可能に保持され所定の断面積を有する
通路Ｚを形成するガイドベーン３２とを具備することを
特徴とし、また水車はこの遠心ポンプを用いたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は遠心ポンプおよびこ
の遠心ポンプを用いた水車に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から揚水のために使用されている遠
心ポンプに対して、この遠心ポンプを水流を利用して逆
回転させて動力回収用小型水車として使用して水力発電
などに利用することが行われている。

【０００３】従来の遠心ポンプは例えば図９に示すよう
構成されており、図９は両吸い込み型の遠心ポンプを示
している。図９において１は渦巻室２およびこの渦巻室
２に連通する左右両側の一対の通路３を有するケーシン
グ、４はこのケーシング１の渦巻室２の内部に配置され
たインペラ、５はこのインペラ３を取付けるとともにケ
ーシング１に回転自在に支持された主軸である、ケーシ
ング１の渦巻室２は図示しない一方の流通口に、一対の
通路３は図示しない他方の通路口に夫々連通されてい
る。主軸５は図示しない電動機に連結されている。

【０００４】そして、この遠心ポンプをポンプとして使
用する場合には、電動機により主軸４を回転してインペ
ラ３を回転させる。水が図示Ａ方向で示すように他方の
流通口から左右両側の一対の通路３に吸込まれて回転す
るインペラ３により加圧され、渦巻室２に送り出されて
左右両側の一方の流通口から吐出される。また、この遠
心ポンプを水車として使用する場合には、落下する水が
図示Ｂ方向に示すように一方の流通口から渦巻室２に入
りインペラ３を回転させ、次いで左右両側の一対の通路
３から他方の流通口から吐出される。

【０００５】ここで、遠心ポンプをポンプとして使用す
るに際して、図１０の線図に示すように揚程がＨで流量
がＱ1 であるポンプ仕様（Ｘ線で示す）に対して、揚程
Ｈが同じで高さで流量がＱ1 に比較して少いＱ2 である
ポンプ仕様（Ｙ線で示す）を採用する場合には、インペ
ラの外周部を切断してその外径を小径にして対応するこ
とができる。

【０００６】しかし、遠心ポンプを小型の水車として使
用するに際しては、インペラの外径を小径にしても、図
１１の線図において揚程Ｈで流量Ｑ1 であるＸ線と揚程
Ｈで流量Ｑ2 であるＹ線で示すように、揚程Ｈと流量Ｑ
との関係はほとんど変わらない。

【０００７】そこで、遠心ポンプを小型の水車として使
用するに際して、落差が同じで流量が異なる仕様を採用
する場合には、その流量に応じたインペラへの流入用通
路断面積を有する別のケーシングを製作して用意し、こ
の新規のケーシングを使用して遠心ポンプ（水車）を組
み立てるようにしている。すなわち、落差が同じであれ
ば水がケーシングに流入する速度が同じであるため、流
入流量の変化に合わせた流入面積をもった（ノズル計が
異なる）ケーシングに交換する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】前述したように従来遠
心ポンプを小型の水車として使用する場合には、その流
量に応じたインペラへの流入用通路断面積を有する別の
ケーシングを製作して遠心ポンプ（水車）を組み立てて
いる。このように新たなポンプケーシングを製作する場
合には、通常ポンプケーシングが鋳造品であるためにポ
ンプケーシングを新たに設計し、その設計に基いて木型
を製作して鋳造を行って製品を得ている。このため、新
たなポンプケーシングを製作する場合にはかなりの製作
時間と製作費用を必要としている。

【０００９】従って、遠心ポンプを小型の水車として使
用するに際して落差が同じで流量が異なる仕様を採用す
る場合に大変生産性および経済性が悪いという問題があ
る。本発明は前記事情に基いてなされたもので、水車と
して使用するに際して落差が同じで流量が異なる仕様を
採用する場合における生産性および経済性を向上させた
遠心ポンプを提供することを課題とするものである。

【００１０】また、本発明は遠心ポンプを使用して落差
が同じで流量が異なる仕様を採用する場合における生産
性および経済性を向上させた水車を提供することを課題
とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１の遠心ポンプ
は、渦巻室を有するケーシングと、このケーシングの渦
巻室の内部に設けられたインペラおよび前記ケーシング
に回転自在に支持され前記インペラを取付けた主軸と、
前記ケーシングの渦巻室の内部に前記インペラの周囲を
囲んでその周方向に間隔を存して複数個配置されて前記
ケーシングに着脱可能に保持された所定の断面積を有す
る通路を形成するガイドベーンとを具備することを特徴
とする。

【００１２】請求項２の発明の遠心ポンプは、請求項１
の遠心ポンプにおいて、前記ガイドベーンが形成する通
路の断面積は、前記通路の断面形状寸法および傾斜角度
により規定されていることを特徴とする。請求項３の水
車は、請求項１に記載の前記遠心ポンプを用いたことを
特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
１ないし図８を参照して説明する。この実施の形態の遠
心ポンプはインペラの軸方向両側から水を吸込む両吸込
み型のものである。図１はこの実施の形態にかかわる遠
心ポンプを示す断面図、図２および図３はこの遠心ポン
プにおいて主軸に対して直角な方向に沿った断面を模式
的に示す図である。

【００１４】図１１はケーシングで、このケーシング１
１は、水平な中心軸線に基いた円形をなすと、このイン
ペラ配置室１２の外周側を円周方向に沿って囲みインペ
ラ配置室軸線を中心として描かれる渦巻き形をなしイン
ペラ配置室１２と連通する渦巻室１３と、インペラ配置
室１２および渦巻室１３に対してインペラ配置室軸線方
向左右両側に位置してインペラ配置室１２と連通する一
対の側部通路１４と、この一対の側部通路１４に対して
インペラ配置室軸線方向左右両側においてインペラ配置
室軸線上に位置する一対の主軸挿通孔１５とが夫々形成
されている。また、ケーシング１１は、図２および図３
に示すように渦巻室１３の下端と接続してインペラ配置
室軸線に対して直角な方向に沿って延びる一方の流通口
１６と、インペラ配置室軸線を挟んで一方の流通口１６
とは反対側において一対の側部通路１４の夫々の下端と
共通に接続してインペラ配置室軸線に対して直角な方向
に沿って延びる一方の流通口１７とを有している。な
お、ケーシング１１における渦巻室１３の内周部（イン
ペラ配置室１２の外周を囲む部分）には後述するガイド
ベーンユニット３１を配置するガイドベーン配置部１８
が形成されている。

【００１５】ケーシング１１は、インペラ配置室１２の
中心軸線を通る水平面を分割面（接合面）として上部と
下部とに分割された上部ケーシング１１Ａと下部ケーシ
ング１１Ｂとを組合せて構成されている。上部ケーシン
グ１１Ａは前記分割面より上部のケーシング１１部分を
構成するもので、インペラ配置室１２と渦巻室１３と一
対の側部通路１４と一対の主軸挿通孔１５とガイドベー
ン配置部１８の夫々の上部分を形作っている。下部ケー
シング１１Ｂは分割面より下部のケーシング１１部分を
構成するもので、インペラ配置室１２と渦巻室１３と一
対の側部通路１４と一対の主軸挿通孔１５とガイドベー
ン配置部１８の夫々の下部分と、一方の流通口１６と、
他方の流通口１７とを形作っている。上部ケーシング１
１Ａと下部ケーシング１１Ｂは、上部ケーシング１１Ａ
の下端接合面と下部ケーシング１１Ｂの上端接合面とを
図示しないパッキンを挟んで突合わせ図示しないボルト
を通して締め付け固定されて分解可能にケーシング１１
を構成している。

【００１６】２１はインペラで、これはケーシング１１
のインペラ配置室１２の内部にインペラ配置室中心軸線
上に位置して配置されている。このインペラ２１は、軸
方向中心を挟んでその両側部に夫々周方向に並ぶ同じ複
数の羽根を有し、両側部に夫々側面部と外周部とを結ぶ
複数の通路が円周方向に並べて形成されている。２２は
主軸で、これはインペラ配置室中心軸線上に位置してイ
ンペラ配置室１２を貫通してケーシング１１の一対の主
軸挿通孔１５に回転自在に挿通されている。一対の主軸
挿通孔１５には夫々封止部材１６が設けられて主軸挿通
孔１５と主軸２２との間を封止している。ケーシング１
１における中心軸線方向両側部には夫々軸受箱２４が夫
々取付けられ、各軸受箱２４に夫々設けられた軸受２５
は主軸挿通孔１５から外部へ突出した主軸２２の端部を
回転自在に支承されている。なお、主軸２２の一端部は
電動機Ｍに連結されている。

【００１７】図中３１はガイドベーンユニットで、この
ガイドベーンユニット３１は複数のガイドベーン３２を
インペラ２１の外周周囲を囲む同一円周上に並べて配置
して一体にまとめ、インペラ２１と渦巻室１３とを結ぶ
複数の傾斜した通路を同一円周上に並べた円形をなすも
のである。ガイドベーンユニット３１はケーシング１１
に形成したガイドベーン配置部１８に着脱可能に保持さ
れ、取り外して異なる形状寸法（通路面積）のものと交
換できるようになっている。すなわち、小型の水車はケ
ーシング１１とインペラ２１とガイドベーンユニット３
１（複数のガイドベーン３２）とにより構成されるが、
ここではケーシング１１とインペラ２１は交換せずに共
通構成部品として使用し、水車の仕様である流量に応じ
た通路面積を有するガイドベーン３２を設けたガイドベ
ーンユニット３１をケーシング１１に組み込んで水車を
構成している。つまり、ガイドベーン３２の通路面積が
異なる複数のガイドベーンユニット３１を用意してお
き、水車の仕様に応じて適切な通路面積を有するガイド
ベーン３２を設けたガイドベーンユニット３１を選択し
てケーシング１１に組み込んで水車を構成する。

【００１８】ガイドベーンユニット３１の具体的な構成
について説明する。図１ないし図３に加えて図４でも示
すようにガイドベーンユニット３１は、中央部に円形の
孔を有する一対の円板形をなす側板３３と、この一対の
側板３３の間に円周方向に間隔を存して傾斜して配置さ
れた複数のベーン３４が一体になって形成されている。
一対の側板３３の外径は渦巻室１３の内周部より小さ
く、中央部の孔の直径はインペラ２１を囲む大きさであ
り、一対の側板３３の間隔はインペラ２１の幅に対応し
ている。このガイドベーンユニット３１では、ベーン３
４とこのベーン３４を挟む両側の一対の側板３３の壁部
をもってガイドベーン３２を形成し、このガイドベーン
３２で渦巻室１３とインペラ２１とを連通する溝形の通
路Ｚを形作っている。ガイドベーンユニット３１はこの
ガイドベーン３２が円周方向に複数並んで構成されてい
る。なお、一対の側板３３の夫々の外面には、同一直径
線上の外周部に位置して一対の回り止めピン３５が突設
されている。また、ケーシング１１の下部ケーシング１
１Ｂの接合面には、ガイドベーン保持部１８の両側部に
位置して夫々一対のピン受け凹部１９が形成されてい
る。

【００１９】ガイドベーンユニット３１をケーシング１
１に組み込む場合には、ケーシング１１の上部ケーシン
グ１１Ａを下部ケーシング１１Ｂから取り外して、下部
ケーシング１１Ｂのガイドベーン保持部１８にガイドベ
ーンユニット３１の下半部を挿入するとともに、ガイド
ベーンユニット３１の側板３３夫々突設した一対の回り
止めピン３５を下部ケーシング１１Ｂに接合面に形成し
た一対のピン受け凹部１９に係合する。その後、上部ケ
ーシング１１Ａを下部ケーシング１１Ｂに組合せて固定
する。これによりガイドベーンユニット３１はケーシン
グ１１の内部にに着脱可能に保持される。

【００２０】ガイドベーン３２における通路Ｚの面積に
ついて図５ないし図６を参照して説明する。ガイドベー
ン３２の通路Ｚの面積は、通路Ｚの横断面形状寸法（通
路Ｚの長さ方向に対して直角な方向に沿う断面）、具体
的には一対の側板３３の内面形状寸法と、ベーン３４の
傾斜角度とによって規定される。ガイドベーン３２の通
路Ｚの横断面は、図５（ａ）および図６（ａ）に示すよ
うに通路Ｚにおける一対の側板３３の内面形状寸法によ
って形作られ、一対の側板３３の内面をケーシング１１
の渦巻室１３からインペラ２に向けて互いに順次接近す
るように傾斜させて、通路Ｚのガイドベーンユニット軸
方向に沿う幅寸法がケーシング１１の渦巻室１３からイ
ンペラ２に接近するに従い順次狭くなるように形成して
いる。そして、一対の側板３３の内面の間隔およびこの
内面におけるケーシング１１の渦巻室１３からインペラ
２に向けた傾斜の角度の大きさによって通路Ｚの横断面
形状寸法が規定される。すなわち、図５（ａ）および図
６（ａ）はガイドベーン３２の通路Ｚの横断面を示して
おり、図６（ａ）に示す通路Ｚの横断面は図５（ａ）に
示す通路Ｚの横断面に比較して一対の側板３３の内面の
幅寸法Ｃが狭くなっている。図５（ｂ）および図６
（ｂ）はガイドベーンユニット３１を設けない従来の場
合を示しており、ガイドベーン３２の通路Ｚの横断面と
同じ大きさの通路面積を有するケーシング１を用いてい
る。このように本発明ではケーシング１１を変えずにガ
イドベーンユニット３１のみを交換して通路Ｚの横断面
（通路面積）を変えることができることがわかる。

【００２１】図７（ａ）、（ｂ）はガイドベーン３２の
縦断面（通路Ｚの長さ方向に沿う断面）を示すもので、
ガイドベーン３２におけるベーン３４の傾斜角度を変え
ることにより、ガイドベーン３２におけるガイドベーン
ユニット半径方向に沿う幅Ｄ（ベーン３４の間隔）が変
化することを示している。すなわち、図７（ａ）に示す
ベーン３４の傾斜角度は４５度、図７（ｂ）に示すベー
ン３４の傾斜角度は３０度であり、図７（ｂ）に示すガ
イドベーン３２におけるガイドベーンユニット半径方向
に沿う幅Ｄ（ベーン３４の間隔）は図７（ａ）に示すも
のに比較して狭くなっている。

【００２２】このようにして遠心ポンプを小型の水車と
して使用する場合の流量に応じて、ガイドベーン３２の
通路Ｚの横断面形状寸法とベーン３４の傾斜角度とを組
合せて通路Ｚにおける通路面積を設定する。すなわち、
遠心ポンプを小型の水車として使用する場合の流量に応
じて、必要とする流量に応じた通路面積の通路Ｚを有す
るガイドベーン３２を備えたガイドベーンユニット３１
を採用する。なお、各ガイドベーン３２の通路Ｚの通路
面積は、横断面形状寸法とベーン傾斜角度の両方を変え
て得るようにしても良く、また横断面形状寸法を一定に
してベーン傾斜角度を変えて得るようにしても良く、さ
らにベーン傾斜角度を一定にして横断面形状寸法を変え
て得るようにしても良い。

【００２３】このように構成した遠心ポンプをポンプと
して使用する場合には、電動機Ｍにより主軸２２を回転
してインペラ２１を回転させる。水が図示Ａ方向で示す
ように他方の流通口１７から左右両側の一対の通路１４
に吸込まれて回転するインペラ２１により加圧され、ガ
イドベーンユニット３１の各ガイドベーン３２の通路Ｚ
を通過して渦巻室１３に送り出されて左右両側の一方の
流通口１６から吐出される。

【００２４】この遠心ポンプを小型の水車として使用す
るに場合には、落下する水が図示Ｂ方向に示すように一
方の流通口１６から渦巻室２に入り、さらにガイドベー
ン３１の各ガイドベーン３２の通路Ｚを流れてインペラ
３２を回転させ、次いで左右両側の一対の通路１４から
他方の流通口１７から吐出される。この場合、ガイドベ
ーンユニット３１の各ガイドベーン３２は水車として使
用する上で必要な流量に応じた通路面積を有しているの
で、水を必要な流量をもってインペラ２１へ流すことが
できる。そして、落差が同じで流量が異なる仕様を採用
する場合には、その必要な流量に応じた通路面積を有す
るガイドベーン３２を備えたガイドベーンユニット３１
を用いる。

【００２５】ここで、遠心ポンプを小型の水車として使
用する場合、ガイドベーン３２は１水車仕様に対して１
形状寸法である。ガイドベーン３２の通路Ｚの寸法形状
を変化させるのは、異なる水車仕様、すなわち流量が異
なればその流量に対応した最適な通路面積を有するガイ
ドベーン３２の構成とすることを意味している。ケーシ
ングとインペラを変えずにガイドベーンを変えるだけ
で、流量が異なる複数種の仕様の小型の水車を得ること
ができる。このようすれば遠心ポンプを小型の水車とし
て使用するに際して水車として使用するに際して落差が
同じで流量が異なる仕様を採用する場合、その都度必要
とする流量に合わせたインペラへの通路面積を有するケ
ーシングを新たに多大な時間と費用をかけて製作する必
要がなく、必要とする流量に合わせた通路面積を有する
ガイドベーン３２（ガイドベーンユニット３１）を用意
すれば良く大変生産性および経済性が高い。

【００２６】なお、各ガイドベーン３２をガイドベーン
ユニット３１として一体化することにより、各ガイドベ
ーン３２の製造と取扱が容易となっている。ケーシング
１１はある程度の幅の流量に対応させるためにやや大き
めの渦巻室を有するものを使用する。インペラ２１は最
高効率の選択設定などの条件を考慮して選択する。ケー
シング１１とインペラ２１は水車の仕様にかかわりなく
共通部品として用意しておくことができる。このように
ガイドベーン３２の通路Ｚの面積を、通路Ｚの横断面形
状寸法とベーン３４の傾斜角度とによって規定すること
により広い範囲で細く調整をすることができる。

【００２７】図８の線図は縦軸に落差、横軸に流量を夫
々設定したもので、この図８の線図においてガイドベー
ン（イ）、（ロ）、（ハ）は夫々通路面積が異なるもの
である。小型の水車は、ガイドベーンを可動させて各種
流量に合わせて運転を行う一般の水車とは異なり、１点
仕様で一つの要目である流量のみで連続運転される。図
８の線図は、要目である流量が異なる３台の小形の水車
（例えば、各水車の流量が１２００ｍ³ ／ｈ、１０００
ｍ³ ／ｈ、８００ｍ³ ／ｈである＝水車の設置場所が異
なる）に対して、各水車のケーシングおよびインペラは
同じものを使用し、ガイドベーン（イ）、（ロ）、
（ハ）を変えることにより有効な回収動力を得られるこ
とを意味している。換言すればケーシングとインペラを
変えずにガイドベーンを変えるだけで、流量が異なる複
数種の仕様の小型の水車を得ることができる。すなわ
ち、１種類のケーシングとインペラ（共通のケーシング
とインペラ）を用いてガイドベーンのみを交換すること
により、ある程度の流量範囲をカバーすることができる
ことを意味している。水車効率は各水車で同一のインペ
ラを使用するために最高効率の位置は殆ど変化しない。

【００２８】なお、本発明は前述した実施の形態に限定
されず、種々変形して実施することができる。例えばケ
ーシング１１に設ける全ての数のガイドベーン３２を円
形をなすガイドベーンユニット３１として一体にまとめ
てあるが、これに限定されず、各ガイドベーン３２を１
個づつ独立してインペラ２１の周囲に並べて設けても良
く、また複数個づつまとめててインペラ２１の周囲に並
べて設けても良い。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、遠
心ポンプを水車として使用するに際して落差が同じで流
量が異なる仕様を採用する場合に、ケーシングを変える
ことなく必要とする流量に合わせた通路面積を有するガ
イドベーンを交換して組込めば良く、その都度新たに多
大な時間と費用をかけてケーシングを製作する必要がな
いので生産性および経済性を向上させることができる。
また、本発明はガイドベーンを効果的に得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態にかかわる遠心ポンプを
示す断面図。

【図２】同実施の形態の遠心ポンプにおいて主軸に対し
て直角な方向に沿った断面を模式的に示す図。

【図３】同実施の形態の遠心ポンプにおいて主軸に対し
て直角な方向に沿った断面を模式的に示す図。

【図４】同実施の形態の遠心ポンプに設けるガイドベー
ンを示す斜視図。

【図５】同実施の形態の遠心ポンプに設けるガイドベー
ンおよびインペラを示す図。

【図６】同実施の形態の遠心ポンプに設けるガイドベー
ンおよびインペラを示す図。

【図７】同実施の形態の遠心ポンプに設けるガイドベー
ンを示す図。

【図８】同実施の形態の遠心ポンプを水車として用いた
時の特性を示す線図。

【図９】従来の一形態にかかわる遠心ポンプを示す断面
図。

【図１０】従来の遠心ポンプにおけるポンプ特性を示す
線図。

【図１１】従来の遠心ポンプを水車として用いた時の特
性を示す線図。

【符号の説明】

１１…ケーシング、 １１Ａ…上部ケーシング、 １１Ｂ…下部ケーシング、 １２…インペラ配置室、 １３…渦巻室、 １４…側部通路、 １６…一方の流通口、 １７…他方の流通口、 １８…ガイドベーン配置部、 ２１…インペラ、 ２２…主軸、 ３１…ガイドベーンユニット、 ３２…ガイドベーン、 ３３…側板、 ３４…ベーン、 Ｚ…通路。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 渦巻室を有するケーシングと、このケー
   シングの渦巻室の内部に設けられたインペラおよび前記
   ケーシングに回転自在に支持され前記インペラを取付け
   た主軸と、前記ケーシングの渦巻室の内部に前記インペ
   ラの周囲を囲んでその周方向に間隔を存して複数個配置
   されて前記ケーシングに着脱可能に保持され所定の断面
   積を有する通路を形成するガイドベーンとを具備するこ
   とを特徴とする遠心ポンプ。
2. 【請求項２】 前記ガイドベーンが形成する通路の断面
   積は、前記通路の断面形状寸法および傾斜角度により規
   定されていることを特徴とする請求項１に記載の遠心ポ
   ンプ。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の前記遠心ポンプを用い
   たことを特徴とする水車。