JP2020002277A - ポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐ドローダウン性、深絞り性が良好な熱成形用シートに用いることができるポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物を提供すること。【解決手段】 MFRが0.1〜20g/10分のポリプロピレン樹脂(A)64.5〜93.9重量%、酸化防止剤(B)1〜5重量%、金属ステアレート(C)0.1〜0.5重量%及びポリテトラフルオロエチレン(D)5〜30重量%を含有するマスターバッチ組成物。酸化防止剤としてN,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸などを用いるマスターバッチ組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物に関する。
熱成形用シートは、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、両面真空成形等の熱成形により、食品容器等の包装容器のような小型の成形品から住設部材等の構造部材のような大型の成形品まで広く用いられている。包装容器に求められる特性としては、透明性、光沢といった外観上の特性や、例えば、電子レンジで内容物を加熱調理する際には耐熱性、耐油性といった特性が求められる。一方、構造部材の特性として、剛性、強度、耐熱性等の機械的特性に優れるとともに、耐ドローダウン性、深絞り性等の成形性に優れることが求められている。
熱成形法による成形品の製造に用いられるシート用のポリプロピレン樹脂としては、成形性や製品の剛性、透明性の点から、プロピレン単独重合体やプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が用いられることが多い。しかし、耐ドローダウン性、深絞り性が十分とはいえず、改良が求められている。
耐ドローダウン性を改良するために、オレフィン系樹脂100重量部に対し、ポリテトラフルオロエチレンを0.01〜10重量部配合したオレフィン系樹脂組成物を中間層として設けたオレフィン系複合樹脂積層シートが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、耐ドローダウン性を改良するために、特定ポリプロピレン50〜90重量、特定タルク10〜50重量%の合計量100重量部に対して、特定ポリテトラフルオロエチレン含有粉体0.1〜5重量部よりなるポリプロピレン系樹脂シートが提案されている(例えば、特許文献2請求項3を参照)。
また、耐ドローダウン性を改良するために、特定ポリプロピレン50〜90重量、特定タルク10〜50重量%の合計量100重量部に対して、特定ポリテトラフルオロエチレン含有粉体0.1〜5重量部よりなるポリプロピレン系樹脂シートが提案されている(例えば、特許文献2請求項3を参照)。
背景技術の樹脂シートは薄物のシートとして見た場合には、耐ドローダウン性は改善されているものの、厚みが増すにつれて、耐ドローダウン性、深絞り性に改善の余地が見られるようになっている。
本発明の目的は、耐ドローダウン性、深絞り性が良好な熱成形用シートに用いることができるポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物を提供することにある。
本発明の目的は、耐ドローダウン性、深絞り性が良好な熱成形用シートに用いることができるポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物を提供することにある。
上記課題を解決することができるマスターバッチ組成物は、230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレートMFRが0.1〜20g/10分であるポリプロピレン樹脂(A)を64.5〜93.9重量%、酸化防止剤(B)を1〜5重量%、金属ステアレート(C)を0.1〜0.5重量%及びポリテトラフルオロエチレン(D)を5〜30重量%含有するポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物である。
前記マスターバッチ組成物において、酸化防止剤(B)は、ヒドロキシルアミン系化合物および下記(式1)で表される構造を有するフェノール系化合物を含むことが好ましい。
(式中、R6、R7、R8は、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、N、S、Oのヘテロ原子を含んでいてもよい。R6、R7、R8は、互いに異なっていてもよく、そのうちの任意の2つまたは全部が同一であってもよい。また、R6、R7、R8のうちの少なくとも1つは、フェノール構造を有する置換基である。)
本発明の他の態様は、230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレートMFRが0.1〜5g/10分であるポリプロピレン樹脂(E)を70〜95重量%及び前記のマスターバッチ組成物を5〜30重量%含有するシート成形用組成物である。
本発明の他の態様は、前記のシート成形用組成物からなる厚みが1mm以上の熱成形用シートおよび当該熱成形用シートからなる熱成形体である。
本発明の他の態様は、前記のシート成形用組成物からなる厚みが1mm以上の熱成形用シートおよび当該熱成形用シートからなる熱成形体である。
本発明のマスターバッチ組成物によれば、耐ドローダウン性、深絞り性が良好なシート成形用組成物及び熱成形用シートを得ることができる。
本発明のマスターバッチ組成物は、230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレートMFRが0.1〜20g/10分であるポリプロピレン樹脂(A)を64.5〜93.9重量%、酸化防止剤(B)を1〜5重量%、金属ステアレート(C)を0.1〜0.5重量%及びポリテトラフルオロエチレン(D)を5〜30重量%含有する。
本発明のポリプロピレン樹脂(A)は、230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレートMFRが、0.1〜20g/10分である。
ポリプロピレン樹脂(A)のMFRは、好ましくは0.2〜9.5g/10分、より好ましくは0.3〜6g/10分である。なお、MFRは、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定される値である。ポリプロピレン樹脂は一種のみが用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリプロピレン樹脂(A)のMFRは、好ましくは0.2〜9.5g/10分、より好ましくは0.3〜6g/10分である。なお、MFRは、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定される値である。ポリプロピレン樹脂は一種のみが用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリプロピレン樹脂(A)は、プロピレンを単段重合又は二段以上の多段重合で単独重合して得られるプロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンとを単段重合又は二段以上の多段重合で共重合して得られるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレンを単段重合又は二段以上の多段重合で単独重合してプロピレン単独重合体を得る重合工程とプロピレンとα−オレフィンとを単段重合又は二段以上の多段重合で共重合してプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を得る共重合工程とを含む重合で得られるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体のいずれであってもよい。
ポリプロピレン樹脂(A)は、直鎖状のポリプロピレン樹脂、分岐状のポリプロピレン樹脂のいずれであってもよい。
ポリプロピレン樹脂(A)は、直鎖状のポリプロピレン樹脂、分岐状のポリプロピレン樹脂のいずれであってもよい。
α−オレフィンは、好ましくはエチレンまたは炭素数4〜18のα−オレフィンである。具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等が挙げられる。また、α−オレフィンとしては、一種又は二種以上の組み合わせでもよい。
ポリプロピレン樹脂(A)は、チーグラーナッタ触媒、メタロセン触媒等により重合されるものであることが好ましい。
ポリプロピレン樹脂(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)から求められる分子量分布Mw/Mnは、好ましくは3.5〜10、より好ましくは3.7〜8、さらに好ましくは4〜6である。
本発明の酸化防止剤(B)の種類は、ポリプロピレン用の酸化防止剤を任意に用いることができる。好ましくは、ヒドロキシルアミン系化合物および下記(式1)で表される構造を有するフェノール系化合物を含む。
(式中、R6、R7、R8は、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、N、S、Oのヘテロ原子を含んでいてもよい。R6、R7、R8は、互いに異なっていてもよく、そのうちの任意の2つまたは全部が同一であってもよい。また、R6、R7、R8のうちの少なくとも1つは、フェノール構造を有する置換基である。)
好ましい酸化防止剤の一つは、ヒドロキシルアミン系化合物である。ヒドロキシルアミン系化合物としては、一般式R1R2NOH(式中、R1及びR2は各々独立してアルキル基を表す。)で示されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンが挙げられる。式中、R1、R2は、互いに異なっていても同一であってもよく、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヘプタデシル基が好ましい。より好ましいN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンは、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミンおよびこれらの混合物である。市販品として、イルガスタブFS042(BASF社製)、イルガスタブFS301(リン系酸化防止剤とFS042の1:1(重量比)のブレンド品、BASF社製)等が挙げられる。ヒドロキシルアミン系化合物は一種のみが用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
好ましい酸化防止剤の一つは、フェノール系化合物である。フェノール系化合物としては、下記(式1)で表される構造を有するフェノール系化合物が挙げられる。
(式中、R6、R7、R8は、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、N、S、Oのヘテロ原子を含んでいてもよい。R6、R7、R8は、互いに異なっていてもよく、そのうちの任意の2つまたは全部が同一であってもよい。また、R6、R7、R8のうちの少なくとも1つは、フェノール構造を有する置換基である。)
R6、R7、R8のうちの少なくとも1つはフェノール構造を有する置換基である。
R6、R7、R8がフェノール構造を有する置換基のとき、フェノール構造のフェノール性水酸基の位置は、特に限定はないが、m位にあるのが好ましい。
フェノール構造の芳香環上のフェノール性水酸基以外の置換基としては、特に限定がないが、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基が好ましい。
フェノール性水酸基以外の置換基が脂肪族炭化水素基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等の分岐のない鎖状アルキル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の分岐のある鎖状アルキル基、cyc−ペンチル基、cyc−ヘキシル基等の環状のアルキル基等が挙げられる。
フェノール性水酸基以外の置換基が芳香族炭化水素基である場合の具体例としては、フェニル基、トルイル基、ジメチルフェニル基、t−ブチルフェニル基等が挙げられる。
フェノール性水酸基以外の置換基としては、より好ましいのは、メチル基、t−ブチル基である。
(式1)のトリアジントリオン骨格のNとR6、R7、R8の少なくとも1つのフェノール構造の芳香環は、直接結合していてもよく、アルキレン基を介して結合していてもよい。アルキレン基の具体例としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,4−ブチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
R6、R7、R8がフェノール構造を有する置換基のとき、フェノール構造のフェノール性水酸基の位置は、特に限定はないが、m位にあるのが好ましい。
フェノール構造の芳香環上のフェノール性水酸基以外の置換基としては、特に限定がないが、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基が好ましい。
フェノール性水酸基以外の置換基が脂肪族炭化水素基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等の分岐のない鎖状アルキル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の分岐のある鎖状アルキル基、cyc−ペンチル基、cyc−ヘキシル基等の環状のアルキル基等が挙げられる。
フェノール性水酸基以外の置換基が芳香族炭化水素基である場合の具体例としては、フェニル基、トルイル基、ジメチルフェニル基、t−ブチルフェニル基等が挙げられる。
フェノール性水酸基以外の置換基としては、より好ましいのは、メチル基、t−ブチル基である。
(式1)のトリアジントリオン骨格のNとR6、R7、R8の少なくとも1つのフェノール構造の芳香環は、直接結合していてもよく、アルキレン基を介して結合していてもよい。アルキレン基の具体例としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,4−ブチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
R6、R7、R8がフェノール構造を有する置換基でないとき、R6、R7、R8は、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、N、S、O等のヘテロ原子を含んでいてもよい(ただし、フェノール構造を有する置換基を除く)。具体例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等の分岐のない鎖状アルキル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の分岐のある鎖状アルキル基、cyc−ペンチル基、cyc−ヘキシル基等の環状のアルキル基、フェニル基、トルイル基、ジメチルフェニル基、t−ブチルフェニル基等のアリール基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル基、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル基等のアミノアルキル基等が挙げられる。
(式1)で表される構造を有するフェノール系化合物の具体的な例としては、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート(商品名:Irganox3114、アデカスタブAO−20)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート(商品名:スミライザーBP−179、Cyanox1790)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−イソシアヌレート(商品名:ケミノックス314)等が挙げられる。より好ましいのは、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレートである。(式1)で表される構造を有するフェノール系化合物は一種のみが用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明の金属ステアレート(C)としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。これらは一種のみが用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明のポリテトラフルオロエチレン(D)は、テトラフルオロエチレンの単独重合体又はテトラフルオロエチレンを主成分とする共重合体である。テトラフルオロエチレンと共重合するコモノマーとしては、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィン、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレート等を用いることができる。コモノマーの含有量は、原料であるテトラフルオロエチレンに対して10重量%以下であることが好ましい。
ポリテトラフルオロエチレンは、入手や取り扱いの容易さ及び使用量を正確に把握可能であることや夾雑物を排除する等が可能であることなどから、粒子状のものを用いるのが好ましい。ポリテトラフルオロエチレン粒子は市販のものを使用してもよいし、ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液を得たのち、後述の方法により乾燥させて使用してもよい。
ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液の市販原料としては、代表例として旭硝子社製のフルオンAD−1、AD−936、ダイキン工業社製のポリフロンD−1、D−2、三井デュポンフロロケミカル社製のテフロン30J(テフロンは登録商標)等が挙げられる。
ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液は、含フッ素界面活性剤を用いる乳化重合法によって、テトラフルオロエチレンモノマーと、要すれば適宜のコモノマーを重合することにより得られる。ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液の粒子径は0.05〜1.0μmが好ましい。
こうして得られたポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液は、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固した後に乾燥するか、スプレードライにより粉体化することができる。
ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液は、含フッ素界面活性剤を用いる乳化重合法によって、テトラフルオロエチレンモノマーと、要すれば適宜のコモノマーを重合することにより得られる。ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液の粒子径は0.05〜1.0μmが好ましい。
こうして得られたポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液は、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固した後に乾燥するか、スプレードライにより粉体化することができる。
場合によっては、ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液中で重合性ビニル化合物を重合することによって、ポリテトラフルオロエチレンを変性することができる。この際に得られる変性ポリテトラフルオロエチレンは、ポリテトラフルオロエチレンとビニル化合物の重合体との均一な混合物を形成しており、ポリプロピレンとの混合性が向上する場合がある。
重合性ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、無水マレイン酸等のα、β−不飽和カルボン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド単量体、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル単量体、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン単量体、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン単量体等が挙げられる。なかでも極性基を有する(メタ)アクリルモノマーが好ましい。これらの単量体は、一種又は二種以上を併用して用いることができる。変性ポリテトラフルオロエチレン中のポリテトラフルオロエチレンの含有量は、通常1〜90重量%の範囲から選択される。
ポリテトラフルオロエチレンは、アクリルモノマーで変性したポリテトラフルオロエチレンが好ましい。アクリルモノマーで変性された変性ポリテトラフルオロエチレンの市販品としては、三菱レイヨン社製の熱可塑性樹脂用改質剤(メタブレンA−3000)等が挙げられる。ポリテトラフルオロエチレンは一種のみが用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物の組成割合は、ポリプロピレン樹脂(A)64.5〜93.9重量%、酸化防止剤(B)1〜5重量%、金属ステアレート(C)0.1〜0.5重量%及びポリテトラフルオロエチレン(D)5〜30重量%である。ここで、ポリプロピレン樹脂(A)、酸化防止剤(B)、金属ステアレート(C)及びポリテトラフルオロエチレン(D)の四成分の合計量は100重量%である。ポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物の組成割合は、好ましくはポリプロピレン樹脂(A)70.6〜91.4重量%、酸化防止剤(B)1.5〜4重量%、金属ステアレート(C)0.1〜0.4重量%及びポリテトラフルオロエチレン(D)7〜25重量%である。
酸化防止剤(B)のうち、ヒドロキシルアミン系化合物および前記(式1)で表される構造を有するフェノール系化合物の合計量は、酸化防止剤の合計量100重量%のうち、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは50〜90重量%である。
ヒドロキシルアミン系化合物と前記(式1)で表される構造を有するフェノール系化合物との重量割合は、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは30:70〜70:30である。
ヒドロキシルアミン系化合物の量は、(A)〜(D)の合計量100重量%のうち、好ましくは0.5〜2重量%である。
前記(式1)で表される構造を有するフェノール系化合物の量は、(A)〜(D)の合計量100重量%のうち、好ましくは0.5〜2重量%である。
前記(式1)で表される構造を有するフェノール系化合物の量は、(A)〜(D)の合計量100重量%のうち、好ましくは0.5〜2重量%である。
本発明のマスターバッチ組成物には、上記の(A)〜(D)以外の成分が任意成分として含まれていてもよい。任意成分としては、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、安定剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、核剤、過酸化物、充填剤、抗菌防黴剤、蛍光増白剤等の各種添加剤等が挙げられる。
本発明のマスターバッチ組成物は、上記の(A)〜(D)、及び必要に応じて任意成分を配合し、各種の方法で製造することができる。例えば、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、単軸押出機、二軸押出機、ブスコニーダー、ヘンシェルミキサー、ロールニーダー等を用いてポリプロピレン樹脂(A)の融点以上、例えば150〜250℃で溶融混練して調製できる。マスターバッチ組成物は、好ましくは造粒して、平均粒子径2〜7mm程度のペレットにして用いることができる。
本発明の成形用組成物は、230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレートMFRが0.1〜5g/10分であるポリプロピレン樹脂(E)を70〜95重量%及び上記のマスターバッチ組成物を5〜30重量%含有する。
本発明のポリプロピレン樹脂(E)は、230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレートMFRが、0.1〜5g/10分である。
ポリプロピレン樹脂(E)のMFRは、好ましくは0.2〜3.5g/10分、より好ましくは0.3〜2g/10分である。なお、MFRは、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定される値である。ポリプロピレン樹脂は一種のみが用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリプロピレン樹脂(E)のMFRは、好ましくは0.2〜3.5g/10分、より好ましくは0.3〜2g/10分である。なお、MFRは、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定される値である。ポリプロピレン樹脂は一種のみが用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリプロピレン樹脂(E)は、プロピレンを単段重合又は二段以上の多段重合で単独重合して得られるプロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンとを単段重合又は二段以上の多段重合で共重合して得られるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレンを単段重合又は二段以上の多段重合で単独重合してプロピレン単独重合体を得る重合工程とプロピレンとα−オレフィンとを単段重合又は二段以上の多段重合で共重合してプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を得る共重合工程とを含む重合で得られるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体のいずれであってもよい。
ポリプロピレン樹脂(E)は、直鎖状のポリプロピレン樹脂、分岐状のポリプロピレン樹脂のいずれであってもよい。
ポリプロピレン樹脂(E)は、直鎖状のポリプロピレン樹脂、分岐状のポリプロピレン樹脂のいずれであってもよい。
α−オレフィンは、好ましくはエチレンまたは炭素数4〜18のα−オレフィンである。具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等が挙げられる。また、α−オレフィンとしては、一種又は二種以上の組み合わせでもよい。
ポリプロピレン樹脂(E)は、チーグラーナッタ触媒、メタロセン触媒等により重合されるものであることが好ましい。
ポリプロピレン樹脂(E)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)から求められる分子量分布Mw/Mnは、好ましくは3.5〜10、より好ましくは3.7〜8、さらに好ましくは4〜6である。
成形用組成物の組成割合は、好ましくは、ポリプロピレン樹脂(E)70〜95重量%及び前記のマスターバッチ組成物5〜30重量%である。ここで、ポリプロピレン樹脂(E)及びマスターバッチ組成物の二成分の合計量は100重量%である。成形用組成物の組成割合は、より好ましくはポリプロピレン樹脂(E)75〜92重量%及びマスターバッチ組成物8〜25重量%である。
本発明の成形用組成物には、上記の二成分以外の成分が任意成分として含まれていてもよい。任意成分としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、安定剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、核剤、過酸化物、充填剤、抗菌防黴剤、蛍光増白剤等の添加剤、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、エラストマー等の樹脂成分等が挙げられる。これらは、一種類のみを用いてもよく、二種類以上を併用して用いてもよい。
充填剤としては、無機充填剤、有機充填剤等が挙げられる。充填剤の形態は、粒子状、板状、棒状、ウィスカー状、繊維状のいずれでもよい。
無機充填剤としては、シリカ、ケイ藻土、バリウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルン等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、モンモリロナイト、ベントナイト等のケイ酸塩、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中空球等の炭素類、硫化モリブデン、ボロン繊維、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、塩基性硫酸マグネシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維、各種金属繊維等が挙げられる。
有機充填剤としては、芳香族ポリアミド繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等の各種有機繊維、熱硬化性樹脂粉末、セロハン片、モミ殻等の殻繊維、木粉、木綿、ジュート、紙細片等が挙げられる。
充填剤の形態は、粒子状、板状、棒状、ウィスカー状、繊維状のいずれでもよい。
充填剤は、一種類のみを用いてもよく、二種類以上を併用して用いてもよい。
充填剤は、一種類のみを用いてもよく、二種類以上を併用して用いてもよい。
樹脂成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、エラストマー等が挙げられる。これらを一種又は二種以上を併用して用いることができる。
ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等が挙げられる。これらを一種又は二種以上を併用して用いることができる。
エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等が挙げられる。これらを一種又は二種以上を併用して用いることができる。
オレフィン系エラストマーとしては、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー、エチレン・ブテン共重合体エラストマー、エチレン・ヘキセン共重合体エラストマー、エチレン・オクテン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体エラストマー、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー等が挙げられる。これらは一種類のみを用いてもよく、二種類以上を併用して用いてもよい。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体エラストマー、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体エラストマー、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体エラストマー、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体エラストマー、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー、水添スチレン・ブタジエンエラストマー、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー、部分水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体エラストマー、部分水添スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体エラストマー等が挙げられる。これらは一種類のみを用いてもよく、二種類以上を併用して用いてもよい。
本発明の成形用組成物は、上記の二成分及び必要に応じて任意成分を配合し、各種の方法で製造することができる。例えば、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、単軸押出機、二軸押出機、ブスコニーダー、ヘンシェルミキサー、ロールニーダー等を用いてポリプロピレン樹脂(E)の融点以上、例えば150〜250℃で溶融混練して調製できる。成形用組成物は、好ましくは造粒して、平均粒子径2〜7mm程度のペレットにして用いることができる。
本発明の成形用組成物は、圧縮成形、真空成形、射出成形、トランスファ成形、シート成形、押出成形、カレンダ成形等に供することができる。本発明の成形用組成物は、シート成形用組成物として好適である。成形用組成物をシート成形して、熱成形用シートとすることができる。
本発明の熱成形用シートは、成形用組成物からなる厚みが好ましくは1mm以上、より好ましくは1.3mm以上、さらに好ましくは1.6mm以上、よりさらに好ましくは1.9mm以上のシートである。また、本発明の熱成形用シートは、厚みが好ましくは100mm以下、より好ましくは50mm未満、さらに好ましくは10mm未満のシートである。厚みを1mm以上にすることにより、熱成形体の偏肉をより小さくすることができる。
熱成形用シートは、成形用組成物からなる層を含む限り、単層シート及び多層シートのいずれでもよい。単層シートは、成形用組成物を含む層のみからなるシートである。多層シートは、成形用組成物を含む層を一層又は二層以上と、ガスバリア樹脂層、接着樹脂層、再生樹脂層、加飾樹脂層等から選ばれる少なくとも一つの層を重ねた積層シートである。
本発明の熱成形用シートは、成形用組成物を単軸押出機又は二軸押出機に通して、例えばコートハンダーダイ等から押出したシートを、例えば(内部で冷却水や油が循環している)金属ロール表面に、エアーナイフ、エアーチャンバー、硬質ゴムロール、スチールベルト、金属ロール等を用いて押さえつけ冷却固化することにより得ることができる。また、シートの両面をスチールベルトで挟んで冷却固化することにより得ることもできる。このようなシートの冷却方法の中では、シート両面を金属ロール及び/又はスチールベルトを使用して冷却する方法が、表面凹凸の少ないシートを得られることから、好ましい方法である。
また、本発明の熱成形用シートは、複数のダイを備えた押出機を用いて、フィードブロックやマルチマニホールドを用いて、多層シートとすることができる。
本発明の熱成形用シートは、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、両面真空成形等の熱成形に供することができる。本発明の熱成形用シートを、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、両面真空成形等の熱成形に供することにより、熱成形体にすることができる。
本発明の熱成形体は、上記熱成形用シートを、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プラグアシスト真空圧空成形、両面真空成形等の熱成形法により、成形して製造することができる。本発明の熱成形体の製造方法は、好ましくは熱成形用シートを真空成形、圧空成形、真空圧空成形又は両面真空成形して熱成形体を製造する工程を含むことができる。このような熱成形における加熱方法としては、間接加熱、熱板加熱、熱ロール加熱等が挙げられる。得られた熱成形体は、耐熱性、耐薬品性が優れるとともに、偏肉が小さく、優れる。さらに剛性、耐衝撃性の物性バランスが向上する。
熱成形体の用途としては、ドアトリム、インストルメントパネルやルーフキャリア等の自動車部材、建材内装パネル、洗面台パネル、大型の搬送トレー、家電部材等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.評価方法
(1)メルトフローレート(MFR)
ポリプロピレン樹脂のMFRはJIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定した。単位はg/10分である。
(1)メルトフローレート(MFR)
ポリプロピレン樹脂のMFRはJIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定した。単位はg/10分である。
(2)耐ドローダウン性
ポリプロピレン樹脂シートから、300mm×300mmの大きさの試験片を切り出し、内寸260mm×260mmの枠に水平に固定した。三鈴エリー社製垂れ試験機を用いて、ヒーターが上下に配列してある試験機内の加熱炉に導いて雰囲気温度200℃で加熱し、加熱開始からのサンプル中央部の鉛直方向の変位の経時変化をレーザー光線により逐次測定した。
ポリプロピレン樹脂シートから、300mm×300mmの大きさの試験片を切り出し、内寸260mm×260mmの枠に水平に固定した。三鈴エリー社製垂れ試験機を用いて、ヒーターが上下に配列してある試験機内の加熱炉に導いて雰囲気温度200℃で加熱し、加熱開始からのサンプル中央部の鉛直方向の変位の経時変化をレーザー光線により逐次測定した。
加熱時間とともにシートは、一旦垂れ下がり(マイナス方向へ変位)、応力緩和により張り戻った(プラス方向へ変位)後に再び垂れ下がる。加熱開始時のシート位置(変位)をA(mm)、最大張り戻り時の位置(変位)をB(mm)、最大張り戻り時から10秒後の位置(変位)をC(mm)として、耐ドローダウン性を、以下の基準で評価した。
◎:B−A≧0mmかつC−B≧−5mm
○:B−A≧−5mmかつC−B≧−10mm(B−A≧0mmかつC−B≧−5mmの場合を除く)
△:B−A≧−5mmかつC−B<−10mm、または、B−A<−5mmかつC−B≧−10mm
×:B−A<−5mmかつC−B<−10mm
ここで、B−A≧−5mmであることは、容器成形時にシートが緊張し、皺のない美麗な外観形成が可能であることを意味し、C−B≧−10mmであることは、良好な成形体を得るための成形時間範囲が充分広いことを意味する。
◎:B−A≧0mmかつC−B≧−5mm
○:B−A≧−5mmかつC−B≧−10mm(B−A≧0mmかつC−B≧−5mmの場合を除く)
△:B−A≧−5mmかつC−B<−10mm、または、B−A<−5mmかつC−B≧−10mm
×:B−A<−5mmかつC−B<−10mm
ここで、B−A≧−5mmであることは、容器成形時にシートが緊張し、皺のない美麗な外観形成が可能であることを意味し、C−B≧−10mmであることは、良好な成形体を得るための成形時間範囲が充分広いことを意味する。
(3)深絞り性
ポリプロピレン樹脂シートから、200mm×200mmの大きさの試験片を切り出し、内寸半径80mmの円状枠に固定した。三鈴エリー社製垂れ試験機を用いて、ヒーターが上下に配列してある試験機内の加熱炉に導いて雰囲気温度200℃で加熱し、最大張り戻り時から2秒後シート上部に設置したプラグをエアシリンダー圧により0.1m/秒で降下させ、シートの深絞り成形を行った。得られた高さ200mmのコーン状の成形体について、高さ方向25mm〜175mmの間の25mmの間隔に設けた11か所の基準点における胴部の厚みをマイクロメーターにより測定し、最小の測定値を胴部の最小厚みとした。
ポリプロピレン樹脂シートから、200mm×200mmの大きさの試験片を切り出し、内寸半径80mmの円状枠に固定した。三鈴エリー社製垂れ試験機を用いて、ヒーターが上下に配列してある試験機内の加熱炉に導いて雰囲気温度200℃で加熱し、最大張り戻り時から2秒後シート上部に設置したプラグをエアシリンダー圧により0.1m/秒で降下させ、シートの深絞り成形を行った。得られた高さ200mmのコーン状の成形体について、高さ方向25mm〜175mmの間の25mmの間隔に設けた11か所の基準点における胴部の厚みをマイクロメーターにより測定し、最小の測定値を胴部の最小厚みとした。
2.原材料
ポリプロピレン樹脂:MFR=0.6g/10分、Mw/Mn=4.8のプロピレンブロック共重合体(日本ポリプロ株式会社製ノバテックEC9)を用いた。
酸化防止剤:N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン50重量%とトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト50重量%の混合物(BASFジャパン株式会社製Irgastab FS301)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−イソシアヌレート(サンケミカル株式会社製サイアノックスCY1790)及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(BASFジャパン株式会社製IRGAFOS168)を用いた。
金属ステアレート:ステアリン酸亜鉛(日油株式会社製ジンクステアレート)を用いた。
ポリテトラフルオロエチレン:三菱レイヨン株式会社製メタブレンA3000を用いた。
ポリプロピレン樹脂:MFR=0.6g/10分、Mw/Mn=4.8のプロピレンブロック共重合体(日本ポリプロ株式会社製ノバテックEC9)を用いた。
酸化防止剤:N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン50重量%とトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト50重量%の混合物(BASFジャパン株式会社製Irgastab FS301)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−イソシアヌレート(サンケミカル株式会社製サイアノックスCY1790)及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(BASFジャパン株式会社製IRGAFOS168)を用いた。
金属ステアレート:ステアリン酸亜鉛(日油株式会社製ジンクステアレート)を用いた。
ポリテトラフルオロエチレン:三菱レイヨン株式会社製メタブレンA3000を用いた。
3.マスターバッチ組成物の製造
ポリプロピレン樹脂(A)、酸化防止剤(B)、金属ステアレート(C)およびポリテトラフルオロエチレン(D)を表1に記載の割合で計量、スーパーミキサーでドライブレンドした。ブレンド物を、下記条件にて溶融混練してストランドを吐出し、ストランドカッターで切断して、マスターバッチ組成物(MB1、MB2)を得た。
<ストランド吐出条件>
押出機:東芝機械製TEM−35B押出機
押出機設定温度:ホッパ下から 50,100,200,250,250,250℃
吐出量:15kg/hr
スクリュー回転数:200rpm
冷却水槽温度:10℃
ポリプロピレン樹脂(A)、酸化防止剤(B)、金属ステアレート(C)およびポリテトラフルオロエチレン(D)を表1に記載の割合で計量、スーパーミキサーでドライブレンドした。ブレンド物を、下記条件にて溶融混練してストランドを吐出し、ストランドカッターで切断して、マスターバッチ組成物(MB1、MB2)を得た。
<ストランド吐出条件>
押出機:東芝機械製TEM−35B押出機
押出機設定温度:ホッパ下から 50,100,200,250,250,250℃
吐出量:15kg/hr
スクリュー回転数:200rpm
冷却水槽温度:10℃
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂(E)90重量%とマスターバッチ組成物MB1 10重量%とをリボンブレンダーにより均一に攪拌混合したものを、スクリュー口径40mmの押出機に投入し、樹脂温度230℃にてT型ダイスより押出し、表面温度が80℃の鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにて挟み、冷却固化させながら0.5m/minの速度で連続的に引き取り、幅500mm、厚み2mmのポリプロピレン樹脂シートを得た。
ポリプロピレン樹脂(E)90重量%とマスターバッチ組成物MB1 10重量%とをリボンブレンダーにより均一に攪拌混合したものを、スクリュー口径40mmの押出機に投入し、樹脂温度230℃にてT型ダイスより押出し、表面温度が80℃の鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにて挟み、冷却固化させながら0.5m/minの速度で連続的に引き取り、幅500mm、厚み2mmのポリプロピレン樹脂シートを得た。
このシートについて、耐ドローダウン性および深絞り性の評価を行った。このシートは、耐ドローダウン性が良好であり、深絞り性が優れ、偏肉の少ない成形体が得られることが確認された。熱成形用シートの組成および評価結果を表2にまとめた。
(実施例2)
ポリプロピレン樹脂(E)とマスターバッチ組成物MB1との割合を変更する以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂シートを得、評価を行った。このシートは、耐ドローダウン性がとても良好であり、深絞り性が優れ、偏肉の少ない成形体が得られることが確認された。熱成形用シートの組成および評価結果を表2にまとめた。
ポリプロピレン樹脂(E)とマスターバッチ組成物MB1との割合を変更する以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂シートを得、評価を行った。このシートは、耐ドローダウン性がとても良好であり、深絞り性が優れ、偏肉の少ない成形体が得られることが確認された。熱成形用シートの組成および評価結果を表2にまとめた。
(実施例3)
マスターバッチ組成物をMB1からMB2に変更する以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂シートを得、評価を行った。このシートは、耐ドローダウン性がとても良好であり、深絞り性が優れ、偏肉の少ない成形体が得られることが確認された。熱成形用シートの組成および評価結果を表2にまとめた。
マスターバッチ組成物をMB1からMB2に変更する以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂シートを得、評価を行った。このシートは、耐ドローダウン性がとても良好であり、深絞り性が優れ、偏肉の少ない成形体が得られることが確認された。熱成形用シートの組成および評価結果を表2にまとめた。
(比較例1)
マスターバッチ組成物を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂シートを得、評価を行った。熱成形用シートの評価結果を表2にまとめた。
マスターバッチ組成物を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂シートを得、評価を行った。熱成形用シートの評価結果を表2にまとめた。
Claims (5)
- 230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレートMFRが0.1〜20g/10分であるポリプロピレン樹脂(A)を64.5〜93.9重量%、酸化防止剤(B)を1〜5重量%、金属ステアレート(C)を0.1〜0.5重量%及びポリテトラフルオロエチレン(D)を5〜30重量%含有することを特徴とするポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物。
- 前記酸化防止剤(B)は、ヒドロキシルアミン系化合物および下記(式1)で表される構造を有するフェノール系化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のマスターバッチ組成物。
- 230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレートMFRが0.1〜5g/10分であるポリプロピレン樹脂(E)を70〜95重量%及び請求項1又は2に記載のマスターバッチ組成物を5〜30重量%含有することを特徴とするシート成形用組成物。
- 請求項3に記載のシート成形用組成物からなる厚みが1mm以上の熱成形用シート。
- 請求項4に記載の熱成形用シートからなる熱成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018123802A JP2020002277A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | ポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物 |
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JP2018123802A Pending JP2020002277A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | ポリテトラフルオロエチレンのマスターバッチ組成物 |
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