JP2022169041A - スチレン系樹脂組成物、スチレン系樹脂シート及び食品包装用容器 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物、スチレン系樹脂シート及び食品包装用容器 Download PDF

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Yuki Kishi
衛 藤平
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Abstract

【課題】優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有するスチレン系樹脂組成物を提供する。【解決手段】スチレン系樹脂と、高密度ポリエチレンを含むオレフィン系樹脂と、スチレン系熱可塑性エラストマーとを含有し、前記スチレン系樹脂の使用量が、前記スチレン系樹脂、前記オレフィン系樹脂及び前記スチレン系熱可塑性エラストマーの合計中に50~90質量%の範囲であり、前記オレフィン系樹脂の使用量が、前記スチレン系樹脂、前記オレフィン系樹脂及び前記スチレン系熱可塑性エラストマーの合計中に5~40質量%の範囲であり、前記スチレン系熱可塑性エラストマーの使用量が、前記スチレン系樹脂、前記オレフィン系樹脂及び前記スチレン系熱可塑性エラストマーの合計中に1~10質量%の範囲であり、前記スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含有量が、45質量%以上であるスチレン系樹脂組成物を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有するスチレン系樹脂組成物、前記スチレン系樹脂組成物からなるスチレン系樹脂組成物、スチレン系樹脂シートからなる食品包装用容器に関する。
近年、スチレン系熱可塑性樹脂シートは、成形加工性や寸法安定性に優れることから、食品包装容器として広く用いられている。該熱可塑性樹脂シートに対する要求特性は、食品包装容器として使用可能なレベルの耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性、加工性等が挙げられる。
従来熱可塑性樹脂シートとしては、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレンから選択される少なくとも1種類以上のスチレン系樹脂60~95質量%、オレフィン系樹脂1~30質量%、スチレン系熱可塑性エラストマー1~10質量%及び平均粒径2~20μmのタルク1~20質量%を含有する混合樹脂層を含む熱可塑性樹脂シート等が知られているが(例えば、下記特許文献1参照。)、今後ますます高まる要求特性を満足するものではなく、昨今の市場要求に対し十分なものではなかった。
そこで、より一層優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有する材料が求められていた。
特開2017-075210号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有するスチレン系樹脂組成物、前記スチレン系樹脂組成物からなるスチレン系樹脂シート、前記スチレン系樹脂シートからなる食品包装用容器を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定量のスチレン系樹脂と、特定量のオレフィン系樹脂と、特定量のスチレン系熱可塑性エラストマーを含有するスチレン系樹脂組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、スチレン系樹脂(A)と、高密度ポリエチレンを含むオレフィン系樹脂(B)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(C)とを含有するスチレン系樹脂組成物であり、前記スチレン系樹脂(A)の使用量が、前記スチレン系樹脂(A)、前記オレフィン系樹脂(B)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中に50~90質量%の範囲であり、前記オレフィン系樹脂(B)の使用量が、前記スチレン系樹脂(A)、前記オレフィン系樹脂(B)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中に5~40質量%の範囲であり、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の使用量が、前記スチレン系樹脂(A)、前記オレフィン系樹脂(B)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中に1~10質量%の範囲であり、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)中のスチレン含有量が、45質量%以上であることを特徴とするスチレン系樹脂組成物、前記スチレン系樹脂組成物からなるスチレン系樹脂シート、前記スチレン系樹脂シートからなる食品包装用容器に関するものである。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有することから、食品包装用容器に好適に用いることができる。なお、本発明において、「加工性」とは、溶融状態の樹脂からシートを作製する際の成膜性(一次加工性)、並びに、真空成型によりシートから容器を成型する際の型再現性及び深絞り性(二次加工性)を云う。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、スチレン系樹脂(A)と、オレフィン系樹脂(B)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(C)とを含有することを特徴とする。
前記スチレン系樹脂(A)としては、耐衝撃性スチレン系樹脂(a1)及びポリスチレン(a2)を含むものを用いる。
耐衝撃性スチレン系樹脂(a1)としては、ゴム等の成分が含まれるポリスチレン系樹脂であれば良く、例えば、スチレン単独の重合体からなる連続相にゴム状重合体がグラフト重合して粒子分散してなる樹脂として、一般的に入手できるものをそのまま用いることができる。前記耐衝撃性スチレン系樹脂(a1)に含まれるゴム成分としては、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン-イソプレン共重合体等が挙げられる。特に、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエン共重合体として含まれていることが好ましい。
本発明で使用する耐衝撃性スチレン系樹脂(a1)の流動性としては、優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有するスチレン系樹脂組成物が得られることから、1~10g/10分の範囲が好ましい。
耐衝撃性スチレン系樹脂(a1)に含まれる前記ゴム状重合体の含有率としては、優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有するスチレン系樹脂組成物が得られることから、1.5~15.0質量%の範囲が好ましい。なお、前記耐衝撃性スチレン系樹脂(a1)としては、市販品をそのまま用いてもよいが、ゴム成分の含有率が高い樹脂に、通常のポリスチレンを混合して、ゴム成分の含有率や流動性を好適な範囲に調整して用いることもできる。
前記耐衝撃性スチレン系樹脂(a1)の含有量は、優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有するスチレン系樹脂組成物が得られることから、前記スチレン系樹脂(A)中に50質量%以上であり、55~80質量%の範囲が好ましい。
前記ポリスチレン(a2)としては、一般にスチレン単独重合体である「汎用ポリスチレン(GPPS)」と称されるものを用いることができる。また、前記ポリスチレン(a2)としては、スチレンを50質量%以上含有した共重合体や、多分岐ポリスチレンを用いることもできる。
前記スチレンを50質量%以上含有した共重合体としては、例えば、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
前記多分岐ポリスチレンとしては、例えば、分子末端に二重結合を複数有する多官能ポリエステル(メタ)アクリレート、多官能ポリエーテル(メタ)アクリレート、多官能ポリウレタン(メタ)アクリレート等の存在下でスチレンを重合することで得られるものなどが挙げられる。また、前記多分岐ポリスチレンは他の共重合可能なモノマーとの共重合体であっても良い。
これらのポリスチレン(a2)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記スチレン系樹脂(A)の使用量は、優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有するスチレン系樹脂組成物が得られることから、前記スチレン系樹脂(A)、前記オレフィン系樹脂(B)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中に50~90質量%の範囲であり、60~70質量%の範囲が好ましい。
前記オレフィン系樹脂(B)としては、高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」と称することがある。)を含むものである。
また、前記オレフィン系樹脂(B)としては、必要に応じて、HDPE以外のオレフィン系樹脂(以下、「その他のオレフィン系樹脂」と略記する。)を用いることもできる。
前記その他のオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン等の炭素原子数2~8のオレフィンの単独重合体や共重合体、前記炭素原子数2~8のオレフィンと他のモノマーとの共重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(1-ブテン)、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリビニルシクロヘキサン、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・へキセン共重合体等のα―オレフィン共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、シクロペンテン等の単環環状オレフィンモノマーやノルボルネン等の多環環状オレフィンモノマーの単独重合体あるいは他のオレフィンモノマーとの共重合体である環状ポリオレフィンなどが挙げられる。これらのオレフィン系樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記高密度ポリエチレンとしては、バイオマス由来のものを用いることもできる。なお、「バイオマス由来」とはASTM D6866に準拠した測定においてバイオベース度が80%以上のものを示す。
前記オレフィン系樹脂(B)の使用量は、優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有するスチレン系樹脂組成物が得られることから、前記スチレン系樹脂(A)、前記オレフィン系樹脂(B)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中に5~40質量%の範囲であり、15~35質量%の範囲が好ましい。
前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)としては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体やその水素添加物、スチレン-イソプレン共重合体やその水素添加物、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体等が挙げられる。
前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の使用量は、優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有するスチレン系樹脂組成物が得られることから、前記スチレン系樹脂(A)、前記オレフィン系樹脂(B)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中に1~10質量%の範囲であり、4~8質量%の範囲が好ましい。
また、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)中のスチレン含有量は、優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有するスチレン系樹脂組成物が得られることから、45質量%以上であり、60~80質量%の範囲が好ましい。
本発明のスチレン系樹脂組成物の製造方法としては、特に制限されず、どのような方法にて製造してもよい。例えば、前記スチレン系樹脂(A)と、前記オレフィン系樹脂(B)と、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)とをドラムタンブラーなどでドライブレンドした後に二軸押出機等で溶融混錬を行いペレット化する方法などが挙げられる。
本発明のスチレン系樹脂組成物としては、必要に応じて、前記スチレン系樹脂(A)、前記オレフィン系樹脂(B)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)以外のその他の成分を含有することもできる。また、前記その他の成分の含有量は、本発明のスチレン系樹脂組成物中に、10質量%以下が好ましい。
前記その他の成分としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の可塑剤、タルク、シリカ、クレイ、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機フィラー、ステアリン酸、ラウリン酸、高級脂肪酸金属塩、エチレンビス脂肪酸アマイド等の潤滑剤、カルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ジ―アルキル―ベンジリデンソルビトール等の結晶核剤、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、分散剤、木粉等の添加剤、樹脂などが挙げられる。
前記染料としては、例えば、アントラキノン系染料、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ヘテロ環系、キナクリドン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、モノアゾ系染料等が挙げられる。また、これらの染料は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記帯電防止剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、N,Nビス(2-ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。また、これらの帯電防止剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記酸化防止剤としては、例えば、p-メトキシフェノール、p-メトキシクレゾール、4-メトキシ-1-ナフトール、4,4’-ジアルコキシ-2,2’-ビ-1-ナフトール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、N’1,N’12-ビス(2-ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジヒドラジド、スチレン化フェノール、N-イソプロピル-N’-フェニルベンゼン-1,4-ジアミン、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のフェノール化合物、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、メチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニルベンゾキノン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン等のキノン化合物、メラミン、p-フェニレンジアミン、4-アミノジフェニルアミン、N.N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-i-プロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1.3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、4,4’-ジクミル-ジフェニルアミン、4,4’-ジオクチル-ジフェニルアミン、ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン)、スチレン化ジフェニルアミン、スチレン化ジフェニルアミンと2,4,4-トリメチルペンテンの反応生成物、ジフェニルアミンと2,4,4-トリメチルペンテンの反応生成物等のアミン化合物、フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート、2,2-ビス({[3-(ドデシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)-1,3-プロパンジイル=ビス[3-(ドデシルチオ)プロピオナート]、ジトリデカン-1-イル=3,3’-スルファンジイルジプロパノアート等のチオエーテル化合物、N-ニトロソジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルナフチルアミン、p-ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p-ニトロソジフェニルアミン、α-ニトロソ-β-ナフトール等、N、N-ジメチルp-ニトロソアニリン、p-ニトロソジフェニルアミン、p-ニトロンジメチルアミン、p-ニトロン-N、N-ジエチルアミン、N-ニトロソエタノールアミン、N-ニトロソジ-n-ブチルアミン、N-ニトロソ-N-n-ブチル-4-ブタノールアミン、N-ニトロソ-ジイソプロパノールアミン、N-ニトロソ-N-エチル-4-ブタノールアミン、5-ニトロソ-8-ヒドロキシキノリン、N-ニトロソモルホリン、N-二トロソーN-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、二トロソベンゼン、N-ニトロソ-N-メチル-p-トルエンスルホンアミド、N-ニトロソ-N-エチルウレタン、N-ニトロソ-N-n-プロピルウレタン、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、1-ニトロソ-2-ナフトール-3,6-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-1-ナフトール-4-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩等のニトロソ化合物、リン酸とオクタデカン-1-オールのエステル、トリフェニルホスファイト、3,9-ジオクタデカン-1-イル-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリスノニルフェニルホスフィト、亜リン酸-(1-メチルエチリデン)-ジ-4,1-フェニレンテトラ-C12-15-アルキルエステル、2-エチルヘキシル=ジフェニル=ホスフィット、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリイソデシル=ホスフィット、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等のホスファイト化合物、ビス(ジメチルジチオカルバマト-κ(2)S,S’)亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛等の亜鉛化合物、ビス(N,N-ジブチルカルバモジチオアト-S,S’)ニッケル等のニッケル化合物、1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-チオン、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、2-メチル-4,6-ビス[(オクタン-1-イルスルファニル)メチル]フェノール、ジラウリルチオジプロピオン酸エステル、3,3’-チオジプロピオン酸ジステアリル等の硫黄化合物などが挙げられる。これらの重合禁止剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記難燃剤としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム、リン酸アミド等の無機リン化合物;リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(2,5―ジヒドロオキシフェニル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(2,7-ジヒドロオキシナフチル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等の有機リン化合物;トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等の窒素系難燃剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等のシリコーン系難燃剤;金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等の無機難燃剤などが挙げられる。これらの難燃剤は、単独でも用いることも2種以上を併用することもできる。
前記分散剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルモノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、高級アルコール脂肪酸エステル、特殊脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩等が挙げられる。また、これらの分散剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記木粉としては、例えば、ヒノキ、トドマツ、カラマツ、スギ等の間伐材からなるものが挙げられる。また、これらの木粉は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記樹脂としては、例えば、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、酢酸セルロース、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、ヘミセルロース、リグニン、デンプン系ポリマー等が挙げられる。また、これらの樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
本発明のスチレン系樹脂シートとしては、本発明のスチレン系樹脂組成物のペレットを押出機で溶融押出後、T-ダイによりシート状に溶融押出した後、冷却ロール等により冷却し作製できる。冷却温度としては、70~90℃が好ましい。また、押出機での溶融押出後、延伸機で縦横ニ軸に延伸し二軸延伸シートとしたり、共押出やドライラミネート等の手法により他のスチレン系樹脂と積層し多層シートとしても良い。さらに、必要に応じてシリコンオイル等を塗布しても良い。
本発明の食品包装用容器は、前記スチレン系樹脂シートを真空成形、圧空成形等の方法により二次成形して得られるものである。
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、以下に挙げた実施例に限定されるものではない。
耐衝撃性スチレン系樹脂(a1)としては以下のものを使用した。
(a1-1):メルトマスフローレートが2.0g/10分、シャルピー衝撃強さが14kJ/m2の耐衝撃性スチレン系樹脂。
(a1-2):メルトマスフローレートが3.3g/10分、シャルピー衝撃強さが12kJ/m2の耐衝撃性スチレン系樹脂。
ポリスチレン(a2)としては以下のものを使用した。
(a2-1):メルトマスフローレートが1.5g/10分のポリスチレン。
(a2-2):メルトマスフローレートが1.2g/10分の多分岐ポリスチレン。
(a2-3):メルトマスフローレートが1.5g/10分、スチレン/アクリル酸ブチル=97/3の多分岐ポリスチレン。
(a2-4):メルトマスフローレートが2.2g/10分、スチレン/メタクリル酸=97/3のの多分岐ポリスチレン。
オレフィン系樹脂(B)としては以下のものを使用した。
(B-1):高密度ポリエチレン Braskem製グリーンPE「SGF4950」(バイオマス度96%)
(B-2):線状低密度ポリエチレン Braskem製グリーンPE「SLH218」(バイオマス度84%)
スチレン系熱可塑性エラストマー(C)としては以下のものを使用した。
(C-1):スチレン―エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合樹脂(旭化成株式会社製「タフテックH1043」、スチレン含有量67質量%)
(C-2):スチレン―エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合樹脂(株式会社クラレ製「セプトン2104」、スチレン含有量65質量%)
(C-3):スチレン―ブチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合樹脂(旭化成株式会社製「タフテックP2000」、スチレン含有量67質量%)
(C-4):スチレン―ブチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合樹脂(旭化成株式会社製「タフテックP5051」、スチレン含有量45質量%)
(C-5):スチレン―エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合樹脂(旭化成株式会社製「タフテックH1041」、スチレン含有量30質量%)
(C-6):スチレン―エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合樹脂(株式会社クラレ製「セプトン2004F」、スチレン含有量18質量%)
(実施例1:スチレン系樹脂組成物(1)の作製)
表1に示す原料をそれぞれ二軸押出機で溶融混錬することでペレット化した。得られたペレットを射出成型機によりJIS K7152-1に準拠したダンベルを作製し、必要に応じて評価項目に沿った形状に切削加工して試料を作製した。
(実施例2~23:スチレン系樹脂組成物(2)~(22)の作製)
表1に示す組成及び配合で実施例1と同様の方法にて、スチレン系樹脂組成物(2)~(22)を得た。
(比較例1~11:スチレン系樹脂組成物(R1)~(R11)の作製)
表2に示す組成及び配合で実施例1と同様の方法にて、スチレン系樹脂組成物(R1)~(R11)を得た。
上記の実施例及び比較例で得られたスチレン系樹脂組成物(1)~(22)、(R1)~(R11)を用いて、下記の評価を行った。
[耐衝撃性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られたスチレン系樹脂組成物をJIS K7111-1に沿ってシャルピー衝撃強さ(ノッチ付き)を測定し、下記の基準に従い評価した。
A:シャルピー衝撃強さが12kJ/m以上
B:シャルピー衝撃強さが10kJ/m以上12kJ/m未満
C:シャルピー衝撃強さが8kJ/m以上10kJ/m未満
D:シャルピー衝撃強さが8kJ/m未満
[剛性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られたスチレン系樹脂組成物をJIS K7171に沿って曲げ弾性率を測定し、下記の基準に従い評価した。
A:曲げ弾性率が2100MPa以上
B:曲げ弾性率が1800MPa以上2100MPa未満
C:曲げ弾性率が1400MPa以上1800MPa未満
D:曲げ弾性率が1400MPa未満
[強度の評価方法]
各実施例及び比較例で得られたスチレン系樹脂組成物をJIS K7171に沿って曲げ強度を測定し、下記の基準に従い評価した。
A:曲げ強度が53MPa以上
B:曲げ強度が48MPa以上53MPa未満
C:曲げ強度が42MPa以上48MPa未満
D:曲げ強度が42MPa未満
[耐熱性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られたスチレン系樹脂組成物をJIS K7206に沿ってビカット軟化温度を測定し、下記の基準に従い評価した。
A:ビカット軟化温度が93℃以上
B:ビカット軟化温度が87℃以上93℃未満
C:ビカット軟化温度が80℃以上87℃未満
D:ビカット軟化温度が80℃未満
[耐油性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られたスチレン系樹脂組成物のダンベルを曲率0.5%の治具に固定して応力歪をかけた状態でMCT油を塗布し、下記の基準に従い評価した。
A:変化なし
B:クラック微小
C:クラック大
D:破断
[一次加工性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られたスチレン系樹脂組成物をJIS K7210-1に沿ってMFRを測定し、MFRの値からシートの作製しやすさを下記の基準に従い評価した。MFRの測定は200℃、5kgで行った。溶融時の流動性が高いとドローダウンしやすくなり成膜性が低下する。
A:MFRが2.5g/10分未満
B:MFRが2.5g/10分以上3.5g/10分未満
C:MFRが3.5g/10分以上5.0g/10分未満
D:MFRが5.0g/10分以上
[二次加工性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られたスチレン系樹脂組成物を用いて0.5mmシートを作製し、さらに真空成形を行ってカップ容器を作製した。得られた容器を下記の基準に従い評価した。
A:成形範囲が広く、型再現性、深絞り性が良好
B:成形範囲が広く、型再現性が良好
C:成形範囲が狭いが、型再現性は良好
D:型再現性不良
実施例1~22で調製したスチレン系樹脂組成物(1)~(22)及び比較例1~11で調製したスチレン系樹脂組成物(R1)~(R11)の組成及び評価結果を表1~3に示す。
Figure 2022169041000001
Figure 2022169041000002
Figure 2022169041000003
表1及び2に示した実施例1~22は、本発明のスチレン系樹脂組成物の例である。これらのスチレン系樹脂組成物は、優れた耐衝撃性、剛性、強度、耐熱性、耐油性及び加工性を有し、種々の性能を兼備することが確認できた。
一方、比較例1及び2は、スチレン系熱可塑性エラストマー(C)を用いないスチレン系樹脂組成物の例である。このスチレン系樹脂組成物は、耐衝撃性、耐油性及び二次加工性が著しく不十分であることが確認できた。
比較例3は、オレフィン系樹脂(B)として高密度ポリエチレンを用いないスチレン系樹脂組成物の例である。このスチレン系樹脂組成物は、耐衝撃性、耐油性及び二次加工性が著しく不十分であることが確認できた。
比較例4は、オレフィン系樹脂(B)を用いないスチレン系樹脂組成物の例である。このスチレン系樹脂組成物は、耐油性が著しく不十分であることが確認できた。
比較例5~7は、スチレン系樹脂(A)、オレフィン系樹脂(B)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中におけるオレフィン系樹脂(B)の使用量が5~40質量%の範囲外の例である。このスチレン系樹脂組成物は、剛性及び強度が著しく不十分であることが確認できた。
比較例8~10は、スチレン系熱可塑性エラストマー(C)中のスチレン含有量が、45質量%未満の例である。このスチレン系樹脂組成物は、耐衝撃性が著しく不十分であることが確認できた。
比較例11は、スチレン系樹脂(A)、オレフィン系樹脂(B)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中におけるスチレン系熱可塑性エラストマー(C)の使用量が、1~10質量%の範囲外の例である。このスチレン系樹脂組成物は、剛性、強度及び耐熱性が著しく不十分であることが確認できた。

Claims (7)

  1. スチレン系樹脂(A)と、
    高密度ポリエチレンを含むオレフィン系樹脂(B)と、
    スチレン系熱可塑性エラストマー(C)とを含有するスチレン系樹脂組成物であり、
    前記スチレン系樹脂(A)の使用量が、前記スチレン系樹脂(A)、前記オレフィン系樹脂(B)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中に50~90質量%の範囲であり、
    前記オレフィン系樹脂(B)の使用量が、前記スチレン系樹脂(A)、前記オレフィン系樹脂(B)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中に5~40質量%の範囲であり、
    前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の使用量が、前記スチレン系樹脂(A)、前記オレフィン系樹脂(B)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計中に1~10質量%の範囲であり、
    前記スチレン系熱可塑性エラストマー(C)中のスチレン含有量が、45質量%以上であることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
  2. 前記スチレン系樹脂(A)が、耐衝撃性スチレン系樹脂(a1)及びポリスチレン(a2)を含むものである請求項1記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. 前記耐衝撃性スチレン系樹脂(a1)の含有量が、前記スチレン系樹脂(A)中に50質量%以上である請求項2記載のスチレン系樹脂組成物。
  4. 前記ポリスチレン(a2)が、多分岐ポリスチレンを含むものである請求項2又は3記載のスチレン系樹脂組成物。
  5. 前記高密度ポリエチレンが、バイオマス由来のものである請求項1~4の何れか1項記載のスチレン系樹脂組成物。
  6. 請求項1~5の何れか1項記載のスチレン系樹脂組成物からなることを特徴とするスチレン系樹脂シート。
  7. 請求項6記載の熱可塑性樹脂シートからなることを特徴とする食品包装用容器。
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