JP2020001224A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高い耐アルコール性及び耐擦過性を有する印画物を作製することができると共に、高い転写性及び被転写体への密着性を有する転写層を備える熱転写シートの提供。【解決手段】本発明の熱転写シートは、基材と、着色層、及び接着層とをこの順に備える転写層と、を備え、着色層が、ポリエステル及び着色材を含み、接着層が、フェノール樹脂及びポリエステルを含み、接着層におけるポリエステルの含有量が、15質量%以上90質量%以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は熱転写シートに関する。
従来、樹脂フィルム等の基材と、着色材を含有する着色層を備える転写層と、を備える熱転写シートに対して、サーマルヘッド等を用いてエネルギーを印加し、紙やプラスチックシート等の被転写体上に、転写層を転写し、画像形成を行うことにより、印画物を作製する、熱溶融転写方式が知られている。
熱溶融転写方式により形成される画像は、高濃度で鮮鋭性に優れているため、該方式は、文字、線画等の2値画像の記録に適している。また、熱溶融転写方式によれば、宛名、顧客情報、ナンバリング、バーコード等の可変情報を、コンピューター及び熱転写プリンターを用いて、被転写体に記録できる。
例えば、印画物の耐擦過性を向上させることを目的として、熱転写シートが備える着色層へのフェノール樹脂の添加が行われている。
しかしながら、このような熱転写シートにより作製される印画物は、イソプロパノール(IPA)等のアルコールによって画像が消去されてしまうおそれがあり、その耐アルコール性には改善の余地があった。
また、このような熱転写シートが備える転写層には、通常、高い転写性及び被転写体への密着性が要求される。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その解決しようとする課題は、高い耐アルコール性及び耐擦過性を有する印画物を作製することができると共に、高い転写性及び被転写体への密着性を有する転写層を備える熱転写シートを提供することである。
本発明の熱転写シートは、基材と、着色層、及び接着層とをこの順に備える転写層と、を備え、着色層が、ポリエステル及び着色材を含み、接着層が、フェノール樹脂及びポリエステルを含み、接着層におけるポリエステルの含有量が、15質量%以上90質量%以下であることを特徴とする。
一実施形態において、フェノール樹脂の軟化点は、90℃以上である。
一実施形態において、接着層におけるフェノール樹脂の含有量は、10質量%以上85質量%以下である。
一実施形態において、接着層に含まれるポリエステルの数平均分子量は、2000以上20000以下である。
一実施形態において、接着層に含まれるポリエステルのガラス転移温度は、35℃以上85℃以下である。
一実施形態において、接着層におけるフェノール樹脂及びポリエステルの含有量の和は、90質量%以上である。
一実施形態において、着色層におけるポリエステルの含有量は、20質量%以上90質量%以下である。
一実施形態において、転写層は、着色層下に剥離層を備える。
本発明によれば、高い耐アルコール性及び耐擦過性を有する印画物を作製できると共に、高い転写性及び被転写体への密着性を有する転写層を備える熱転写シートを提供できる。
本発明の熱転写シートの一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一実施形態を示す概略断面図である。 実施例において形成したpicketバーコード画像を示す図である。
(熱転写シート)
本発明の熱転写シート10は、図1に示すように、基材11と、着色層12及び接着層13を備える転写層14と、をこの順に備える。
また、一実施形態において、転写層14は、図2に示すように、着色層12下に剥離層15をさらに備える。
また、一実施形態において、本発明の熱転写シート10は、図1及び2に示すように、基材11の転写層14が設けられた面とは反対の面に、背面層16をさらに備える。
さらに、一実施形態において、本発明の熱転写シート10は、基材上に離型層やプライマー層をさらに備えていてもよい(図示せず)。
以下、本発明による熱転写シートが備える各層について説明する。
(基材)
基材は、熱転写時に加えられる熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドによる熱)に耐え得る耐熱性を有し、基材上に設けられる着色層等を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有するものであれば、特に制限なく使用できる。
基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用できる。
上記した樹脂の中でも、耐熱性及び機械的強度という観点から、PET及びPEN等のポリエステルが好ましく、PETが特に好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタアクリル」の両方を包含することを意味する。また、「(メタ)アクリレート」とは「アクレート」と「メタアクレート」の両方を包含することを意味する。
また、上記した樹脂フィルムの積層体を基材として使用することもできる。樹脂フィルムの積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用することにより作製できる。
基材が樹脂フィルムである場合、該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムを使用することが好ましい。
基材の厚さは、2.0μm以上25.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以上10.0μm以下であることがより好ましい。これにより、基材の機械的強度及び熱転写時の熱エネルギーの伝達を良好なものとできる。
(転写層)
本発明の熱転写シートが備える転写層は、着色層及び接着層を少なくとも備える。また、一実施形態において、転写層は、着色層下に剥離層をさらに備える。
(着色層)
本発明の熱転写シートは、ポリエステル及び着色材を含む着色層を備える。また、本発明において、ポリエステルとは、ジカルボン酸化合物とジオール化合物との共重合体を意味する。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸及びエチルマロン酸、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸及びこれらのエステル誘導体等が挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、デカヒドロナフタレンジメタノール、デカヒドロナフタレンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンエタノール、テトラシクロドデカンジメタノール、テトラシクロドデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノール、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン、シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタジオール、4−シクロペンテン−1,3−ジオール、アダマンジオール、パラキシレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS,スチレングリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール等が挙げられる。
本発明の特性を損なわない範囲において、ポリエステルは、ジカルボン酸化合物及びジオール化合物以外のモノマーを含んでいてもよいが、その含有量は、全構成単位に対し、40モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましい。
また、着色層は、ポリエステルを2種以上含むことができる。
着色層におけるポリエステルの含有量は、20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、30質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。これにより、本発明の熱転写シートを用いて作製した印画物(以下、単に印画物という)の耐アルコール性及び耐擦過性をより向上できる。
着色層に含まれる着色材は、特に限定されるものではなく、要求される色調等に応じ適宜選択することが好ましく、無機顔料、有機顔料及び染料等を使用できる。例えば、バーコード画像を形成したい場合、十分な黒色濃度を有し、光や熱等により変色又は褪色しないものが好ましい。このような着色材としては、例えば、ランプブラック等のカーボンブラック、グラファイト及びニグロシン染料等が挙げられる。
また、着色層は、着色材を2種以上含むことができる。
着色層における着色材の含有量は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、20質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。これにより、形成される画像の濃度を向上できる。
本発明の特性を損なわない範囲において、着色層は、ポリエステル以外の樹脂材料を含むことができる。樹脂材料としては、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、イミド樹脂、セルロース樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。
本発明の特性を損なわない範囲において、着色層は、充填材、可塑材、帯電防止材、紫外線吸収材、無機微粒子、有機微粒子、離型材及び分散材等の添加材を含んでいてもよい。
着色層の厚さは、0.2μm以上2μm以下であることが好ましく、0.3μm以上1.5μm以下であることがより好ましい。これにより、転写層の転写性をより向上できると共に、形成される画像の濃度を向上できる。
着色層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(接着層)
本発明の熱転写シートは、フェノール樹脂及びポリエステルを含む接着層を備える。該接着層は、転写層の最表面に設けられる層であり、転写層の被転写体に対する密着性を向上できる。
本発明において、フェノール樹脂とは、フェノール性水酸基を有する構成単位を、全構成単位に対し、50モル%以上含む樹脂を意味する。
例えば、フェノール樹脂としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン及び1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のフェノール化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド及びヒドロキシアセトフェノン等のアルデヒド化合物、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン並びに1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等の化合物との重合体が挙げられる。
上記したフェノール樹脂の中でも、転写層の被転写体への密着性向上という理由から、フェノール化合物と、アルデヒド化合物との共重合体であるノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
フェノール樹脂の軟化点は、90℃以上である。これにより、印画物の耐擦過性を顕著に向上できる。
また、印画物の耐擦過性という観点からは、フェノール樹脂の軟化点は、95℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。また、フェノール樹脂の軟化点は、125℃以下であることが好ましい。
なお、本発明において、樹脂の軟化点は、JIS K 7234に準拠して、測定する。
また、接着層は、フェノール樹脂を2種以上含むことができる。
接着層におけるフェノール樹脂の含有量は、10質量%以上85質量%以下であることが好ましく、15質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。これにより、転写層の転写性及び被転写体への密着性をより向上できる。
また、接着層に含まれるポリエステルとしては、着色層に含まれるポリエステルと同様のものを使用することができる。また、接着層と、着色層との密着性という観点からは、接着層に含まれるポリエステルと着色層に含まれるポリエステルとは同一であることが好ましい。
なお、接着層は、ポリエステルを2種以上含むことができる。
ポリエステルの数平均分子量(Mn)は、2000以上20000以下であることが好ましく、2500以上18000以下であることがより好ましい。これにより、印画物の耐アルコール性をより向上できると共に、転写層の転写性をより向上できる。
なお、本発明において、Mnは、JIS K 7252−1(2008年)に準拠して、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算にて得られた値である。
ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は、35℃以上85℃以下であることが好ましく、38℃以上83℃以下であることがより好ましい。これにより、印画物の耐アルコール性をより向上できると共に、転写層の転写性及び被転写体への密着性をより向上できる。
なお、本発明において、Tgは、JIS K 7121に準拠して、示査走査熱量測定(DSC)により求める値である。
また、接着層は、ポリエステルを2種以上含むことができる。
接着層におけるポリエステルの含有量は、15質量%以上90質量%以下である。これにより、印画物の耐アルコール性を顕著に向上できると共に、転写層の被転写体への密着性を顕著に向上できる。
また、印画物の耐アルコール性及び転写層の被転写体への密着性という観点からは、ポリエステルの含有量は、20質量%以上87質量%以下であることが好ましく、23質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
本発明の特性を損なわない範囲において、着色層は、フェノール樹脂及びポリエステル以外の上記樹脂材料や上記添加材を含むことができる。
接着層の厚さは、0.1μm以上0.6μm以下であることが好ましく、0.2μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。これにより、転写層の転写性及び被転写体への密着性をより向上できる。
接着層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、着色層等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(剥離層)
一実施形態において、本発明の熱転写シートが備える転写層は、着色層下に剥離層を備える。これにより、転写層の転写性をより向上できる。
一実施形態において、剥離層は、ワックスを主構成成分として含む。ワックスとしては、例えば、蜜蝋、鯨蝋、木蝋、米ぬか蝋、カルナバワックス、キャンデリラワックス及びモンタンワックス等の天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス及びポリエチレンワックス等の合成ワックス、マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン酸及びベヘニン酸等の高級飽和脂肪酸、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール等の高級飽和一価アルコール、ソルビタンの脂肪酸エステル等の高級エステル、ステアリン酸アミド並びにオレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が挙げられる。これらの中でも、転写層の転写性という観点からは、カルナバワックスが好ましい。
なお、剥離層は、ワックスを2種以上含むことができる。
剥離層におけるワックスの含有量は、70質量%以上99質量%以下であることが好ましく、80質量%以上98質量%以下であることがより好ましい。これにより、転写層の転写性をより向上できる。
また、一実施形態において、剥離層は、樹脂材料を主構成成分として含む。剥離層が主構成成分として樹脂材料を含むことにより、印画物の耐擦過性をより向上できる。樹脂材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂等が挙げられる。
剥離層における樹脂材料の含有量は、70質量%以上99質量%以下であることが好ましく、80質量%以上98質量%以下であることがより好ましい。これにより、転写層の転写性を維持しつつ、印画物の耐擦過性をより向上できる。
剥離層の厚さは、0.1μm以上3.0μm以下であることが好ましく、0.2μm以上2.0μm以下であることがより好ましい。これにより、転写層の転写性をより向上できる。
剥離層の形成は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(背面層)
一実施形態において、本発明の熱転写シートは、転写層が設けられていない基材の面に、背面層を備える。これにより、熱転写時の加熱によるスティッキングやシワの発生を防止できる。
一実施形態において、背面層は、樹脂材料を含み、例えば、セルロース樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン変性ポリウレタン、フッ素変性ポリウレタン及び(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。
一実施形態において、背面層は、無機又は有機の粒子を含む。これにより、熱転写時の加熱によるスティッキングやシワの発生をより防止できる。
無機粒子としては、例えば、タルク及びカオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、並びに窒化ホウ素等の無機粒子が挙げられる。また、有機粒子としては、(メタ)アクリル樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、スチレン樹脂及びポリアミド等からなる有機樹脂粒子、又はこれらを架橋材と反応させた架橋樹脂粒子等が挙げられる。
背面層の厚さは、0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましい。これにより、熱転写時の熱エネルギーの伝達性を維持しつつ、スティッキングやシワの発生等を防止できる。
背面層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(離型層)
一実施形態において、本発明の熱転写シートは、基材と、転写層との間に離型層を備える。これにより、熱転写層の転写性を向上できる。
一実施形態において、離型層は、樹脂材料を含み、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン、アセタール樹脂、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリオール樹脂、セルロース樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
また、一実施形態において、離型層は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑材、フッ素系化合物、ワックス、金属石鹸、及びフィラー等の離型材を含む。
離型層の厚さは、特に限定されず、例えば、0.2μm以上2μm以下とすることができる。
離型層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(プライマー層)
一実施形態において、本発明の熱転写シートは、基材の一方の面又は両面にプライマー層を備える。これにより、基材と隣接する層との密着性を向上できる。
一実施形態において、プライマー層は、ポリエステル、ビニル樹脂、ポリウレタン、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエーテル、スチレン樹脂及びセルロース樹脂等の樹脂材料を含む。
プライマー層の厚さは、特に限定されず、例えば、0.2μm以上2μm以下とすることができる。
プライマー層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1
厚さ4.5μmのPETフィルムを準備し、PETフィルムの一方の面に、下記組成の剥離層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.5μmの剥離層を形成させた。
<剥離層形成用塗工液>
・カルナバワックス 100質量部
(中京油脂(株)製、WE−95)
・水 50質量部
・イソプロパノール(IPA) 150質量部
上記のようにして形成させた剥離層上に、下記組成の着色層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.5μmの着色層を形成させた。
<着色層形成用塗工液>
・カーボンブラック 33.4質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#25)
・ポリエステル 33.3質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200)
・ポリエステル 33.3質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)220)
・トルエン 200質量部
・メチルエチルケトン(MEK) 200質量部
上記のようにして形成させた着色層上に、下記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.3μmの接着層を形成させた。
<接着層形成用塗工液>
・フェノール樹脂 5.3質量部
(DIC(株)製、フェノライト(登録商標)TD−2090、ノボラック型、軟化点120℃)
・ポリエステル 2質量部
(ユニチカ(株)製、エリーテル(登録商標)UE−3380、Mn8000、Tg60℃)
・MEK 62.7質量部
PETフィルムの他方の面に、下記組成の背面層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.1μmの背面層を形成させ、熱転写シートを得た。
<背面層形成用塗工液>
・アクリル変性シリコーン樹脂 10質量部
(ナトコ(株)製、ポリアロイNSA−X55)
・MEK 20質量部
実施例2〜10及び比較例1〜12
着色層の構成、接着層の構成を表1及び2に示すそれぞれの組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
なお、表1及び2中の各成分の詳細は以下の通りである。
<着色層>
((メタ)アクリル樹脂)
・ダイヤナール(登録商標)BR−87:三菱ケミカル(株)製
<接着層>
(フェノール樹脂)
・フェノライト(登録商標)TD2093Y:DIC(株)製、ノボラック型、軟化点100℃
・ショウノール(登録商標)BRG556:アイカ工業(株)製、ノボラック型、軟化点80℃
(ポリエステル)
・バイロン(登録商標)220:東洋紡(株)製、Mn3000、Tg53℃
・バイロン(登録商標)885:東洋紡(株)製、Mn8000、Tg79℃
・エリーテル(登録商標)UE−3320:ユニチカ(株)製、Mn1800、Tg40℃
・バイロン(登録商標)290:東洋紡(株)製、Mn22000、Tg72℃
(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)
・ソルバイン(登録商標)CNL:日信化学工業(株)製、Mn12000、Tg76℃
((メタ)アクリル樹脂)
・ダイヤナール(登録商標)BR−87:三菱ケミカル(株)製
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)
・エバフレックス(登録商標)EV 205WR:三井・デュポンポリケミカル(株)製
比較例13
着色層の構成及び厚さを表2に示す様に変更すると共に、接着層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<<転写性評価>>
上記実施例及び比較例において得られた熱転写シート、並びにプリンター(Markem Imaje社製、SD3C)を使用し、被転写体であるPET−LLDPE積層フィルムのPET面上に、印字濃度140%、印字速度10m/分、圧力0.35MPaの条件で、図3に示すpicketバーコード画像を形成した。形成された画像を目視により確認し、下記評価基準に基づき評価した。評価結果を表1及び2にまとめた。
(評価基準)
A:画像にツブレ及びカスレが見られず、良好な画像が形成されていることを確認できた。
B:画像の一部にツブレ及び/又はカスレが見られたが、実用上問題のない程度であった。
NG:転写できず、画像を形成することができなかった。
<<耐アルコール性評価>>
22.5℃、湿度40%の環境下において、学振型摩擦堅牢試験器(テスター産業(株)製、AB−301)を使用し、上記のようにして形成した画像表面を、イソプロパノールを0.5mL染み込ませた綿布により、荷重200gで10往復擦過し、擦過した後の画像を目視により観察し、下記評価基準に基づき評価した。評価結果を表1及び2にまとめた。なお、比較例13については、転写不可であったため、評価できなかった。
(評価基準)
A:擦過後に、新たな画像欠陥の発生は見られなかった。
B:擦過後に新たな画像欠陥の発生が見られたが、小さく、実用上問題のない程度であった。
NG:擦過後に新たな画像欠陥が見られ、実用上問題があった。
<<耐擦過性評価>>
上記のようにして形成した画像表面を、22.5℃、湿度40%の環境下において、親指により20往復擦過した。擦過した後の画像を目視により観察し、下記評価基準に基づき評価した。評価結果を表1及び2にまとめた。なお、比較例10については、転写不可であったため、評価できなかった。
(評価基準)
A:擦過後に、新たな画像欠陥の発生は見られなかった。
B:擦過後に新たな画像欠陥の発生が見られたが、小さく、実用上問題のない程度であった。
NG:擦過後に新たな画像欠陥が見られ、実用上問題があった。
<<密着性評価>>
上記のようにして形成した画像表面に、テープ(48mm×18mm、(株)大塚商会製、TANOSEE OPPテープ薄手)を強く貼り付け、1分静置した。静置後、22.5℃、湿度40%の環境下において、剥離角180度にてテープを剥離した。剥離後の画像を下記評価基準に基づき評価した。評価結果を表1及び2にまとめた。なお、比較例13については、転写不可であったため、評価できなかった。
(評価基準)
A:剥離後に、新たな画像欠陥の発生は見られなかった。
B:剥離後に新たな画像欠陥の発生が見られたが、小さく、実用上問題のない程度であった。
NG:剥離後に新たな画像欠陥が見られ、実用上問題があった。
Figure 2020001224
Figure 2020001224
10:熱転写シート、11:基材、12:着色層、13:接着層、14:転写層、15:剥離層、16:背面層

Claims (8)

  1. 基材と、着色層、及び接着層とをこの順に備える転写層と、を備え、
    前記着色層が、ポリエステル及び着色材を含み、
    前記接着層が、フェノール樹脂及びポリエステルを含み、
    前記接着層におけるポリエステルの含有量が、15質量%以上90質量%以下である、熱転写シート。
  2. 前記フェノール樹脂の軟化点が、90℃以上である、請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記接着層におけるフェノール樹脂の含有量が、10質量%以上85質量%以下である、請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記接着層に含まれるポリエステルの数平均分子量が、2000以上20000以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  5. 前記接着層に含まれるポリエステルのガラス転移温度が、35℃以上85℃以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  6. 前記接着層におけるフェノール樹脂及びポリエステルの含有量の和が、90質量%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  7. 前記着色層におけるポリエステルの含有量が、20質量%以上90質量%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  8. 前記転写層が、着色層下に剥離層を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱転写シート。
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