JP2019534871A - ピリジン化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、疾病、例えばがん、の治療において有用な、RETキナーゼ阻害作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。特に、下記の一般式(I)によって表される化合物又はその薬学的に許容される塩。【選択図】なし

Description

本発明は、RETキナーゼ、PDGFRキナーゼ、KITキナーゼ、NTRKキナーゼ、FLT3キナーゼ等に対して選択的な阻害活性を有し且つがんの治療に有用な化合物又はその塩に関する。
本発明は、上記化合物又はその塩を有効成分として含有する、肺がん、甲状腺がん、乳がん、大腸がん、肉腫、白血病等のための予防薬及び/又は治療薬に関する。
更に、本発明は、上記化合物又はその塩を有効成分として含有する、上記疾病の予防若しくは治療のための組成物、上記疾病の予防若しくは治療のための医薬を製造するための上記化合物の使用、又は上記化合物の薬理的な有効量を哺乳動物(好適には人間である)に投与することを含む、上記疾病の予防若しくは治療方法に関する。
RETキナーゼ、PDGFR(platelet-derived growth factor receptor:血小板由来増殖因子受容体)キナーゼ、KIT(stem cell factor receptor:幹細胞因子受容体)キナーゼ、NTRK(neurotrophic factor receptor:神経栄養因子受容体)キナーゼ、FLT3キナーゼ等は、いずれも受容体型チロシンキナーゼである。これらキナーゼは、細胞膜を貫通する構造を有し、且つ細胞外に増殖因子の結合部位及び細胞内にチロシンキナーゼ活性部位を持っている。これらの受容体型チロシンキナーゼは、細胞外からの増殖因子による刺激(=増殖因子結合部位への結合)を、細胞内へのシグナル(=下流タンパクのリン酸化)に変換し、細胞の増殖、分裂、分化、形態形成を担う。これらのキナーゼの活性化突然変異(点変異、欠失変異、挿入変異、融合変異他を含む)や発現増大は、多くのがん、肉腫、白血病等の原因と考えられており、これらのキナーゼに対する阻害剤はがん、肉腫、白血病等の治療に有効であると考えられている(非特許文献1〜5、特許文献1)。
特に、RETキナーゼは、その活性型変異が一部の肺がん患者や甲状腺がん患者などで見出されており(非特許文献6〜8)、かつ、それらの患者にはその他の変異が見られない。従って、変異RETキナーゼはこれらのがんのドライバー変異と考えられている。すなわち、RETキナーゼ変異患者を正確に検出し、その患者に、充分な阻害活性を有するRETキナーゼ阻害剤を投与すれば、そのがんを高い確率で治療できると考えられる。最近では、肺がん、甲状腺がんのみならず、一部の乳がん、大腸がんにおいても、RETキナーゼの活性変異ががんの増殖を引き起こしていることが示唆されている(非特許文献9〜11)。
RET変異がん患者に対して、これまでRETキナーゼ阻害活性を有する薬剤、例えばカボザンチニブ、ヴァンデタニブ及びレンバチニブ、の使用が試みられてきたが、その治療効果は弱く限定的である(非特許文献12)。これらの薬剤の低い治療効果は、これらの化合物のRETキナーゼ阻害活性が低いこと、ならびに、KDRキナーゼ(別名VEGFR2キナーゼ)阻害に基づく高血圧などの毒性(非特許文献13)が原因とされている(非特許文献14)。
また、上述した既存薬剤を含め、これまでに報告されているRETキナーゼ阻害化合物は、キナーゼ阻害剤に対する耐性変異として典型的なゲートキーパー変異キナーゼに対して阻害活性が弱く(非特許文献15)、このような化合物を治療に用いても、がんの耐性化が早期に起こり治療不能となると考えられる。
これまでに報告されているRET阻害剤はある(特許文献1〜2)。しかしながら、RETキナーゼ阻害活性が低い、KDRキナーゼ阻害活性が高い、RETゲートキーパー変異体をカバーできない等の問題点を抱えている。
国際公開WO2015/031613号パンフレット 国際公開WO2015/079251号パンフレット
Levitzki, A. Cytokine & Growth Factor Reviews, 2004, 15 (4),p229〜235. George, D. Advances in Experimental Medicine and Biology, 2003, 532, p141〜151. Ashman, L. K. and Griffith, R. Expert Opinionon Investigational Drugs, 2013, 22 (1), p103〜115. Wang, T. et al. Expert Opinion on Therapeutic Patents, 2009, 19 (3),p305〜319. Heinrich, M. C. Mini-Reviews in Medicinal Chemistry, 2004, 4 (3), p255〜271. Kohno, T. et al. Nature Medicine, 2012, 18(3), p375-377. Matsubara, D. et al. Journal of Thoracic Oncology, 2012, 7 (12), p1872〜1876. Agrawal, N. et al. The Journal of clinical endocrinology and metabolism, 2013, 98 (2), E364〜E369. Mulligan, L. M. Nature Reviews Cancer, 2014, 14 (3), p173〜186. Le Rolle, A. F. et al. Oncotarget, 2015, 6(30), p28929〜28937. Medico, E. et al. Nature Communications, 2015, 6, Article No. 7002. Phay, J. E. and Shah, M. H. Clinical Cancer Research, 2010, 16(24), p5936〜5941. Hayman, S. R. et al. Current Oncology Reports, 2012, 14 (4), p285〜294. Sherman, S. I. Oral Oncology, 2013, 49, p707〜710. Kodama, T. et al. Molecular Cancer Therapeutics, 2014, 13, p2910〜2918.
本発明は、キナーゼの活性化突然変異や発現増大が原因である各種がん、肉腫、白血病等のうち、RETキナーゼが原因であり、既存の阻害剤の治療効果が乏しい各種がんの治療剤、例えば、抗がん剤を提供する。
本発明者らは、その活性化突然変異や発現増大が、各種がん、肉腫、白血病等の原因となっているキナーゼのうち、RETキナーゼ等の、既存の阻害剤の治療効果が乏しいキナーゼの活性化突然変異や発現増大が原因の疾患に対し、既存薬よりもはるかに強力かつキナーゼ選択性の高い薬剤を開発・適用すれば高い治療効果を得られると考え、そうした薬剤を見出すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、本発明者等は、後記式(I)で表わされる化合物が、RET、PDGFR、KIT、NTRK、FLT3等のキナーゼに対して強力かつ選択的な阻害活性を示し、かつ、それらのゲートキーパー変異体に対しても強い阻害活性を示すことを見出した。さらに、本発明者等はまた、その阻害によって毒性が発現するとされるKDRキナーゼに対しては、阻害活性が弱く、優れたキナーゼ選択性を有することから、医薬品として有用であることを見出した。
すなわち、本発明者等は、式(I)で表わされる化合物が、RET、PDGFR、KIT、NTRK、FLT3等のキナーゼに活性化突然変異を持つ、若しくはこれらのキナーゼの発現増大を伴うがん又はがんに関連する病態若しくは疾患の予防薬/治療薬として安全でかつ有用な医薬となることを見出した。本発明者等は、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
本発明の化合物は、非常に強力かつ選択的な阻害活性を有し、特にRETキナーゼに対して非常に強力かつ選択的な阻害活性を有し、がん(特に、肺がん、甲状腺がん等)に対する治療剤として有用である。
また、本発明の化合物は、構造中に弱塩基性を示す芳香環窒素原子を有しているため、例えば、国際公開WO2015/031613号パンフレットに開示されている化合物のような中性化合物と比較して、特に酸性領域での水溶性が高い。さらに、その芳香環窒素原子を利用して水溶性の高い塩を形成することも可能であるため、高い経口吸収性が期待でき、医薬品として極めて有用である。
本発明は、下記の(1)〜(17)に関する。
本発明は、
(1)下記一般式(I)
[式中、Aは、以下の式(Ia)乃至(Id)から選択される1つを示し、
R1は、水素原子又はC1〜C3アルキル基を示し、R2は、水素原子又はC1〜C3アルキル基を示す。]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、
(2)下記構造式で表される化合物から選択される1つ又は2つ以上の化合物、
(3) 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-イル]アセトアミド、
(3−1) 下記構造式を有する化合物又はその薬学的に許容される塩、
(4) 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミド、
(4−1) 下記構造式を有する化合物又はその薬学的に許容される塩、
(5) 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド、
(5−1) 下記構造式を有する化合物又はその薬学的に許容される塩、
(6) 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[1-メチル-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド
(6−1) 下記構造式を有する化合物又はその薬学的に許容される塩、
(7)上記(2)乃至(6)のいずれか1つに記載の化合物の薬学的に許容される塩、
(8)上記(2)乃至(6)のいずれか1つに記載の化合物のメタンスルホン酸塩、
(9)上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するRETキナーゼ阻害剤、
(10)上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬、
(11)RETキナーゼの活性化突然変異若しくは発現増大を原因とする疾患、RETキナーゼの活性化突然変異と関連する疾患又は、RETキナーゼの活性化突然変異を伴う疾患の治療のための上記(10)に記載の医薬、
(12)がんの予防又は治療における使用のための、上記(10)に記載の医薬、
(12−1)がんの治療のための、上記(10)に記載の医薬、
(13)RETキナーゼの活性化突然変異又は発現増大を原因とするがんの治療における使用のための、上記(10)に記載の医薬、
(14)肺がん、甲状腺がん、乳がん又は大腸がんの治療における使用のための、上記(12)に記載の医薬、
(15)医薬組成物を製造するための、上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載された化合物又はその薬学的に許容される塩の使用、
(16)上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載された化合物又はその薬学的に許容される塩の薬理的な有効量を、温血動物に投与することを含む、がんの治療若しくは予防方法、
(17)疾患の治療若しくは予防のための方法における使用のための、上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載された化合物又はその薬学的に許容される塩である。
本発明において、「C1〜C3アルキル基」とは、炭素原子を1個乃至3個有する直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル若しくはイソプロピル基を挙げることができる。R1及びR2においては、好適にはメチル基である。P2においては、C1〜C3アルキル基は好適には、メチル基又はエチル基である。
本発明において、「ハロゲン原子」とは、弗素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子である。X1、X2、X3及びX4においては、ハロゲン原子は好適には、塩素原子又は臭素原子である。
本発明において、「1価の金属」とは、好適には、リチウム、ナトリウム又はカリウムである。
本発明において、本発明の化合物がアミノ基のような塩基性の基を有する場合にはそれは酸と反応させることにより塩に変換されることができ、又は、本発明の化合物がカルボキシル基のような酸性基を有する場合にはそれは塩基と反応させることにより塩に変換されることができる。従って、「薬学的に許容される塩」とは、そのように形成された塩を意味する。
塩基性基に基づく塩としては、好適には、弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、りんご酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、アジピン酸、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。塩基性基に基づく塩は好適には、ハロゲン化水素酸塩又は無機酸塩である。
一方、酸性基に基づく塩としては、好適には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、tert-ブチルアミン塩、t-オクチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノ−ルアミン塩、N-ベンジルフェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。更に好適な例には、マグネシウム塩、カルシウム塩、ジイソプロピルアミン塩及びtert-ブチルアミン塩をあげることができ、特に好適な例には、tert-ブチルアミン塩をあげることができる。
本発明の一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、全ての異性体(ケト−エノール異性体、立体異性体等)を包含する。
本発明の一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、その分子内に不斉炭素原子が存在する場合、種々の異性体を有する。本発明の化合物においては、これらの異性体およびこれらの異性体の混合物がすべて単一の式、即ち一般式(I)で示されている。従って、本発明はこれらの異性体およびこれらの異性体の任意の割合の混合物をもすべて含むものである。
上記のような立体異性体は、合成した本発明に係る化合物を所望により通常の光学分割法又は分離法を用いて単離することにより得ることができる。
本発明の一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、このような化合物を構成する原子の1以上に、原子同位体の非天然割合も含有し得る。原子同位体としては、例えば、重水素(2H)、トリチウム(3H)、ヨウ素−125(125I)、炭素−13(13C)又は炭素−14(14C)などが挙げられる。また、前記化合物は、例えば、トリチウム(3H)、ヨウ素−125(125I)又は炭素−14(14C)などの放射性同位体で放射性標識され得る。放射性標識された化合物は、治療又は予防剤、研究試薬、例えばアッセイ試薬、及び診断剤、例えばイン・ビボ画像診断剤、として有用である。本発明の化合物の全ての同位体変異種は、放射性であると否とを問わず、本発明の範囲に包含されるものとする。
本発明の一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、大気中に放置したり、又は、再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような水和物も本発明の塩に包含される。
本発明の一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合がある。そのような溶媒和物がまた、本発明の塩に包含される。
更に本発明は、イン・ビボで代謝されて前記一般式(I)を有するピリジン化合物又はその塩に変換される化合物もすべて含む。
次に、一般式(I)で表される化合物の代表的な製造法について、以下に説明する。本発明の化合物は種々の製造法により製造することができ、以下に示す製造法は一例であり、本発明はこれらに限定して解釈されるべきではない。なお、反応に際しては、必要に応じて置換基を適当な保護基で保護して行うことができ、保護基の種類は特に限定されない。市販の出発物質及び試薬は、特に言及していなければ、それ以上精製せずに反応に用いた。
A法:前記一般式(I)を有する化合物は、以下の式1に示すように、アミン化合物(1)のカルボン酸化合物(2)との縮合反応によって合成されることができる。
<式1>
[式中、Aは、前記と同義を示す。]
(A−1)アミン化合物(1)
本反応で用いられるアミン化合物(1)としては、下記式化合物(1a)〜(1d)を用いることができる。アミン化合物(1a)及び(1b)については、J. Med. Chem., 2012, 55, 1082-1105に記載の方法に準じて合成されることができる。アミン化合物(1c)及び(1d)については、国際公開WO2014/141187号パンフレット、155項にある実施例42、第二工程に記載の方法に準じて合成されることができる。
[式中、R1及びR2は、前記と同義を示す。]
(A−2)カルボン酸化合物(2)
(A−2−1)カルボン酸化合物(2)の製法 その1
<式2>
[式中、P1は、水素原子又はカルボン酸保護基を示し、B1は、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボロン酸ピナコラート、トリフルオロボレートカリウム塩、環状トリオールボレート又はMIDAボロネートを示し、X1は、ハロゲン原子を示す。]
カルボン酸化合物(2)は、例えば、上記式2に示すように、2-ハロピリジン酢酸誘導体(3)とキノリン-3-ボロン酸誘導体(4)とで鈴木カップリング反応を行うことによって合成されることができる。P1が、カルボン酸保護基の場合には、鈴木カップリング反応を行った後に、加水分解反応などの脱保護反応に処してカルボン酸化合物(2)に導くことができる。
カルボン酸保護基については、Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene著、Greene’s Protecting Groups in Organic Synthesis 第4版、Wiley-Interscience社、2006年などを参考に適切な保護基を選択することができ、P1は好適には、メチル基、エチル基又はt-ブチル基である。脱保護反応については、Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene著、Greene’s Protecting Groups in Organic Synthesis 第4版、Wiley-Interscience社、2006年などを参考に、用いる保護基の種類によって適切な反応条件を選ぶことができる。
(A−2−1−1)2-ハロピリジン酢酸誘導体(3)の製法
本反応の出発物質のひとつである2-ハロピリジン誘導体(3)は市販の化合物を使用するか又は既知の方法に準じて合成されることができる。代替的に、2-ハロピリジン誘導体(3)の替わりに、2-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ピリジン誘導体や、2-(p-トルエンスルホニルオキシ)ピリジン誘導体、2-(メタンスルホニルオキシ)ピリジン誘導体等の2-(置換スルホニルオキシ)ピリジン誘導体を用いることもできる。
2-ハロピリジン誘導体(3)は好適には、2-クロロピリジン-5-イル酢酸、2-クロロピリジン-5-イル酢酸メチル、2-クロロピリジン-5-イル酢酸エチル、2-クロロピリジン-5-イル酢酸t-ブチルである。
(A−2−1−2)キノリン-3-ボロン酸誘導体 (4)の製法
キノリン-3-ボロン酸誘導体(4)は、例えば、以下の式3に記載の化合物(4a)〜(4f)が挙げられるが、これらに限定されるものでない。
<式3>
[式中、P2は、C1〜C3アルキル基を示し、X2は、ハロゲン原子を示し、Mは、1価の金属を示す。]
キノリン-3-ボロン酸誘導体(4a)、(4b)及び(4c)は、上記式3に記載の3-ハロキノリン(5)から合成されることができる。既知の方法に準じて合成できる3-ハロキノリン(5)に対して、例えばn-ブチルリチウムを作用させて3-リチオキノリン誘導体とした後、トリイソプロピルボレートなどのトリアルキルボレートを作用させ、キノリン-3-ボロン酸エステル誘導体(4a)を合成することができる。さらに、キノリン-3-ボロン酸エステル誘導体(4a)に、加水分解反応をすることによりキノリン-3-ボロン酸誘導体(4c)に導くことができる。あるいは、3-ハロキノリン(5)に対して、パラジウム触媒存在下ビス(ピナコラート)ジボロンを作用させてキノリン-3-ボロン酸エステル誘導体(4b)に導くことができる。
また、キノリン-3-ボロン酸誘導体(4c)あるいはキノリン-3-ボロン酸エステル誘導体(4a)、(4b)の替わりに、トリフルオロボレートカリウム塩(4d)、環状トリオールボレート(4e)、あるいは、MIDAボロネート(4f)を用いることもできる。トリフルオロボレートカリウム塩(4d)、環状トリオールボレート(4e)、及びMIDAボロネート(4f)は、キノリン-3-ボロン酸誘導体(4c)あるいはキノリン-3-ボロン酸エステル誘導体(4a)、(4b)を原料として、既知の方法に準じて合成されることができる。
合成後に、キノリン-3-ボロン酸誘導体(4a)〜(4f)は、単離されてもよいし、又は単離精製せずに、そのまま鈴木カップリング反応に直接的に付されてもよい。
(A−2−1−3)2-ハロピリジン酢酸誘導体(3)のキノリン-3-ボロン酸誘導体(4)との鈴木カップリング反応
本反応においては、触媒としてパラジウム金属を含む触媒を用いることができる。本明細書において用いることができる触媒の例は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス[トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム(0)、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ[2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル]パラジウム(II)、ジクロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン]パラジウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン](3-クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド(PEPSI(登録商標)-IPr触媒)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(SPhos Pd G1)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(XPhos Pd G1)、クロロ(トリフェニルホスフィン)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)、クロロ[トリ(o-トリル)ホスフィン][2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)、クロロ[(トリシクロヘキシルホスフィン)-2-(2’-アミノ1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(PCy3 Pd G2)、クロロ[(トリt-ブチルホスフィン)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(P(tBu)3 Pd G2)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(SPhos PdG2)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd G2)、[2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル][2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナ-ト(rac-BINAP Pd G3)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナ-ト(SPhos Pd G3)、[(4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナ-ト(XantPhos Pd G3)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナ-ト(XPhos Pd G3)、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジルアセトン)ジパラジウム(0)、パラジウム炭素触媒などを含むことができる。
上記パラジウム触媒と共に、必要に応じてリガンドを選択し、用いることができる。該リガンドの例は、トリフェニルホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィン、トリ(t-ブチル)ホスフィン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(DPPE)、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(rac-BINAP)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(XantPhos)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(SPhos)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos)などを含むことができる。
必要に応じて、塩基が本反応において用いられてもよい。本明細書において用いることができる塩基の例は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化タリウム、リン酸カリウム、フッ化セシウム、カリウムt-ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどを含むことができが、該例はこれらに限定されるものでない。
反応の加速や、副生成物の生成を抑制する目的で、添加物が適宜加えられることができる。例えば、トリフレート体を原料として用いる際に塩化リチウム、また、副生成物の生成抑制のためにギ酸カリウム等を添加することができる。
、含水溶媒系が好適には、本反応において用いるられる。しかしながら、本発明の反応はまた、水を用いなくても実施されることができる。該溶媒の例は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどのエーテル類の他、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、トルエン、ベンゼン、アセトニトリル、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、酢酸エチルなどの溶媒又は、それらと水との混合溶媒を含むことができる。該溶媒の種類は、上記された溶媒に限定されるものでない。
反応温度については、該反応は、用いる反応基質と試薬に応じて、適切な温度で実施されることができる。該反応は、室温〜180℃の温度にて、より好適には60℃〜140℃の温度にて、実施されることができる。
反応時間については、該反応は、用いる反応基質と試薬に応じて、適切な時間で実施されることができる。該反応は好適には、30分〜6時間である。
(A−2−2)カルボン酸化合物(2)の製法 その2
カルボン酸化合物(2)はまた、以下の式4に示すように、ピリジン-2-ボロン酸誘導体(6)と3-ハロキノリン(5)の鈴木カップリング反応によって合成されることができる。
<式4>
[式中、B2は、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボロン酸ピナコラート、トリフルオロボレートカリウム塩、環状トリオールボレート又は、MIDAボロネートを示し、P3は、水素原子又はカルボン酸保護基を示し、X3は、ハロゲン原子を示す。]
本反応において、ピリジン-2-ボロン酸誘導体(6)のボロン酸部分は、上記(A−2−1)でキノリン-3-ボロン酸誘導体(4)と同様に、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボロン酸ピナコラート、トリフルオロボレートカリウム塩、環状トリオールボレート、あるいは、MIDAボロネートであってもよく、また、上記(A−2−1)と同様の反応条件を用いることができる。
これらのボロン酸誘導体は、上記(A−2−1)でキノリン-3-ボロン酸誘導体(4)について述べた方法に準じて、例えば、市販の2-ハロピリジン誘導体(3)から合成されることができる。
カルボン酸保護基P3については、保護及び脱保護は、上記(A−2−1)の方法に準じて行われることができる。
ピリジン-2-ボロン酸誘導体(6)と3-ハロキノリン(5)のカップリング反応は、上記鈴木カップリング反応に限定されず、他の様々なクロスカップリング反応も用いることができる。例えば、ボロン酸誘導体の代わりに有機亜鉛化合物を用いるクロスカップリング反応(根岸反応)、又は有機スズを用いるクロスカップリング反応(Stille反応)を用いることができる。
カルボン酸保護基の脱保護反応については、上記(A−2−1)の方法に準じて行うことができる。
(A−2−3)カルボン酸化合物(2)の製法 その3
カルボン酸化合物(2)は、以下の式5に示す方法でも合成されることができる。特に、カルボン酸化合物(2)は、アミノアルデヒド誘導体(8)とアセチレン誘導体(9)との反応によってキノリン環を構築することによって合成されることができる。
<式5>
[式中、P1は、前記と同義を示す。]
カルボン酸保護基P1については、保護及び脱保護は、上記(A−2−1)の方法に準じて行うことができる。
(A−2−3−1)アミノアルデヒド誘導体(8)の合成
アミノアルデヒド誘導体(8)は、既知の方法に準じて、例えばニトロアルデヒド誘導体(7)等から合成されることができる。ニトロアルデヒド誘導体(7)からは、アミノアルデヒド誘導体(8)が、ニトロ基の還元に用いられる周知の方法によって合成されることができる。還元法の例は、接触水素還元、塩酸若しくは酢酸などの酸存在下で鉄粉を用いる方法、又は塩化スズ(II)を用いる方法等を含むことができる。
(A−2−3−2)アセチレン誘導体(9)の合成
アセチレン誘導体(9)は、2-ハロピリジン誘導体(3)等とモノシリル保護アセチレン間の薗頭カップリング反応を行い、そして次に該反応生成物からシリル基を除去することによって合成されることができる。
銅(I)塩が好適には、本反応において触媒として用いられる。銅(I)塩の例は、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)等のハロゲン化銅を含むことができるが、用いる銅触媒の種類はこれらに限定されるものでない。
本反応において、通常、パラジウム触媒が好適には用いられる。パラジウム触媒の例は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド等を含むことができるが、用いるパラジウム触媒の種類はこれらに限定されるものでない。
本反応において、塩基が好適には用いられる。塩基の例は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、tert-ブチルアミンなどの塩基を含むことができるが、用いる塩基の種類はこれらに限定されるものでない。
本反応において、溶媒が好適には、用いられる。用いる溶媒の種類は、反応に悪影響を与えない溶媒であれば特に限定されない。該溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどのエーテル類の他、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、トルエン、ベンゼン、アセトニトリル、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、酢酸エチルなど様々な溶媒を含むことができるが、用いる溶媒の種類はこれらに限定されるものでない。また、本反応はまた、溶媒を用いずに実施されることができる。
反応温度については、該反応は、用いる反応基質と試薬に応じて、適切な温度で実施されることができる。該反応は、室温〜180℃の温度にて、より好適には40℃〜120℃の温度で実施されることができる。
反応時間については、該反応は、用いる反応基質と試薬に応じて、適切な時間で実施されることができる。該反応は好適には、30分〜6時間である。
本反応に用いる2-ハロピリジン誘導体(3)は、既知の方法に準じて合成されることができる。また、2-ハロピリジン誘導体(3)の替わりに、2-(置換スルホニルオキシ)ピリジン誘導体、例えば2-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ピリジン誘導体及び2-(p-トルエンスルホニルオキシ)ピリジン誘導体、2-(メタンスルホニルオキシ)ピリジン誘導体、がまた用いられることができる。
本反応に用いるモノシリル保護アセチレンの例は、トリメチルシリルアセチレン、トリエチルシリルアセチレン、トリイソプロピルシリルアセチレン、tert-ブチルジメチルシリルアセチレン、tert-ブチルジフェニルシリルアセチレン等を含むことができるが、これらの限定されない。また、モノシリル保護アセチレンの替わりに、適切に保護されたモノ保護アセチレンがまた用いららることもできる。この場合、、薗頭反応の後で、用いるモノシリル保護アセチレンはその他の構造を損ねずに脱保護されることができ、そして次の反応に使用されることができることが必要である。
続く脱保護反応には、用いられたモノシリル保護アセチレン、あるいはその他のモノ保護アセチレンの種類に応じた周知の反応条件を用いることができ。例えば、Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene著、Greene’s Protecting Groups in Organic Synthesis 第4版、Wiley-Interscience社、2006年などに記載の方法が挙げられる。モノシリル保護アセチレンを用いた場合、例えば、フッ化テトラn-ブチルアンモニウム等を用いることができる。溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン等のエーテル類が用いられることができる。また、水又は酢酸などの添加物がまた、反応系に加えられることができる。
(A−2−3−3)アミノアルデヒド誘導体(8)とアセチレン誘導体(9)を用いるカルボン酸化合物(2)の製法
本反応は、例えば、銀(I)トリフレートとアニリン存在下で実施されることができる。本明細書において用いる試薬及びその組み合わせはこれらに限定されない。
本反応に用いる溶媒の例は、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等を含むことができるが、これらに限定されない。
反応温度については、該反応は、室温〜180℃の温度にて、より好適には60℃〜140℃の温度にて、実施されることができる。
反応時間については、該反応は、用いる反応基質と試薬に応じて、適切な時間で実施されることができる。該反応時間は好適には、30分〜6時間である。
カルボキシル保護基の脱保護反応については、上記(A−2−1)と同様の方法で実施できる。
(A−3)アミン化合物(1)とカルボン酸化合物(2)の縮合反応
本反応で用いる縮合試薬の例は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)及びその塩酸塩、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)、ヘキサフルオロリン酸塩O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム(HATU)、ヘキサフルオロリン酸塩O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム(HBTU)、ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP-Cl)、塩化4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウム(DMT-MM)、ヘキサフルオロリン酸{{[(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデン)アミノ]オキシ}-4-モルホリノメチレン}ジメチルアンモニウムヘキサフルオロリン酸(COMU)、無水プロピルホスホン酸(T3P)、N,N’-カルボニルジイミダゾ-ル(CDI)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)などを含むことができるが、これに限定されるものでない。縮合試薬は好適には、無水プロピルホスホン酸(T3P)である。
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)及びその塩酸塩などの縮合試薬を用いる場合には、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)などを添加してもよい。
また、必要に応じて、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6-ジ-tert-ブチルピリジン、2,6-ルチジン、コリジン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾールなどの塩基を加えてもよいが。しかしながら、本明細書において用いる塩基の種類はこれらに限定されるものでない。
反応溶媒の例は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、アセトニトリル、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、トルエンなどを含むことができるが、これに限定されるものでない。該反応溶媒は好適には、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、又はN-メチルピロリドンである。
反応温度については、該反応は、用いる反応基質と試薬に応じて、適切な温度で実施されることができる。該反応は、-20℃〜120℃の温度にて、より好適には-5℃〜70℃の温度にて、実施されることができる。
反応時間については、該反応は、用いる反応基質と試薬に応じて、適切な時間で実施されることができる。該反応時間は好適には、30分〜6時間である。
(A−4)カルボン酸化合物(2)を酸ハロゲン化物とした中間体を用いて化合物(I)を合成する方法
カルボン酸化合物(2)を酸ハロゲン化物に導いた後に、アミン(1)と縮合させて化合物(I)を合成することもできる。酸ハロゲン化物は必要に応じて単離されることができる。本明細書において用いることができる酸ハロゲン化試薬の例は、酸フルオリド、酸クロリド、酸ブロミドなどを含むことができる。
また、カルボン酸(2)を対称酸無水物、あるいは混合酸無水物に導いた後に、アミン(1)と縮合させて化合物(I)を合成することもできる。対称酸無水物、あるいは混合酸無水物は必要に応じて単離されることができる。そのような混合酸無水物として、カルボン酸(2)とクロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、クロロギ酸tert-ブチル、ピバル酸クロリドなどと反応させることで得られる混合酸無水物が用いられることができる。
B法
(B−1)化合物(I)は、アミン化合物(1)とカルボン酸化合物(3B)の縮合反応によってアミド結合を形成した後に、クロスカップリング反応をおこなうことによっても製造することができる。
<式8>
[式中、X4は、ハロゲン原子を示す。]
ここで用いる縮合反応及びクロスカップリング反応において、上記(A-2)で用いた反応条件と同様の反応条件が用いられることができる。
上記各式中、R1及びR2が水素原子の場合は、ピラゾール環上の窒素原子が保護された原料化合物を用いることができる。その場合、式1の縮合反応の後で当該保護基を脱保護して化合物(I)へと導くことができる。尚、保護基及びその着脱反応は、Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene著、Greene’s Protecting Groups in Organic Synthesis 第4版、Wiley-Interscience社、2006年などに準じて実施されることができる。
上記各工程の反応終了後、目的化合物は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と、酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、目的化合物を含む有機層を分離し、水等で洗浄後、無水硫酸ナトリウム等で乾燥後、溶剤を留去することによって得ることができる。さらに、反応液中に生じた不溶物のろ取、又は、反応液に水や有機溶媒を加えて生じた不溶物のろ取により得ることもできる。
得られた目的物は必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿や、通常、有機化合物の分離精製に慣用されている方法、例えば、吸着カラムクロマトグラフィー法、分配カラムクロマトグラフィー法等の合成吸着剤を使用する方法、イオン交換クロマトグラフィーを使用する方法、又は、シリカゲル若しくはアルキル化シリカゲルによる順相・逆相カラムクロマトグラフィー法を適宜組み合わせ、適切な溶離剤で溶出することによって分離、精製することができる。
さらに、必要に応じて、キラルカラムにより光学活性体の分離及び/又は精製を行なうことができる。
本発明の化合物の、RETキナーゼ活性の阻害効果、ならびに、RETキナーゼゲートキーパー変異体活性の阻害効果は、当業者が通常用いるキナーゼ活性評価法によって測定可能である。例えば、モビリティー・シフト・アッセイ法によって測定可能である。あるいは、alpha-LISAシステムやウエスタン・ブロット法、ELISA法によっても測定可能である。また、RETキナーゼ阻害効果だけでなく、他のPDGFR、KIT、NTRK、FLT3等のキナーゼに対する阻害効果や、選択性に関わるKDRキナーゼに対する阻害効果についても上記された同様の方法で測定可能である。
本発明の化合物の、その他のキナーゼに対する選択性も上記記載のモビリティー・シフト・アッセイ法等で確認することができる。例えば、各種キナーゼを集めたキナーゼパネルに対して、カルナバイオサイエンス株式会社が提供しているようなモビリティー・シフト・アッセイ法に基づく方法や、DiscoverX社が提供しているKinome Scan法によって各種キナーゼに対する化合物の阻害活性を測定し、キナーゼ選択性を確認することができる。
本発明の化合物の、細胞におけるRETキナーゼ活性阻害効果、RETキナーゼゲートキーパー変異体活性阻害効果、ならびに、KDRキナーゼ活性阻害効果は、当業者が通常用いるキナーゼ活性評価法によって測定可能である。例えば、alpha-LISAシステムやウエスタン・ブロット法、ELISA法によって測定可能である。また、RET、KDRキナーゼ阻害効果だけでなく、他のPDGFR、KIT、NTRK、FLT3等のキナーゼに対する阻害効果についても上記された同様の方法で測定可能である。
本発明の化合物の、非小細胞肺がん細胞株 LC-2/ad、ならびに、甲状腺がん細胞株TTに対する増殖阻害活性は、当業者が通常用いる増殖阻害試験法を用いて測定可能である。例えば、ATP-GloアッセイやMTTアッセイによって測定可能である。その他の細胞株に対する増殖阻害活性も上記された同様の方法で測定できる。
また、本発明の化合物のイン・ビボでの抗腫瘍活性は、当業者が通常用いる抗腫瘍試験法を用いて調べることができる。例えば、方法と同様に、マウス、ラット等に各種腫瘍細胞を移植し、移殖と同時に、あるいは移植細胞の生着が確認された後に、本発明の化合物を経口投与、静脈内投与等し、数日〜数週間後に、薬剤無投与群における腫瘍増殖と化合物投与群における腫瘍増殖とを比較することにより本発明の化合物のイン・ビボでの抗腫瘍活性を確認することができる。
本発明の化合物の水溶性は、例えば、化合物に調べたい媒体を加え、振とう後にしばらく静置し、ろ過後のろ液中の化合物濃度を測ることによって水溶性を測定することができる。媒体としては、種々のpHを示す緩衝液の他、満腹時や空腹時の腸液を模した媒体を使用することができる。
本発明の化合物の、脳移行性、中枢移行性、皮膚移行性等の各種組織・臓器移行性は、各種動物に化合物を投与し、一定の時間後に当該組織・臓器を摘出し、適切な処理を行った後に濃度を測定し血中濃度と比較することによって測定することができる。蛍光ラベルや放射ラベルで標識した化合物を投与することによって、より精度よく測定できる場合があるし、非侵襲的に測定できる場合もある。
本発明の前記一般式(I)を有するピリジン化合物、その薬学的に許容される塩は、それらを含有する医薬として、好ましくは抗がん剤として用いることができる。本発明の化合物を治療または予防に使用できる疾患としては、例えば、副腎皮質がん、肛門がん、胆管がん、膀胱がん、乳がん、子宮頚がん、大腸がん、子宮内膜がん、食道がん、ユーイング肉腫、胆嚢がん、下咽頭がん、喉頭がん、口唇口腔がん、肝臓がん、非小細胞肺がん、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、胃がん、睾丸がん、甲状腺がんや、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病等の白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫等のリンパ腫、等の各種がん、肉腫、白血病等が挙げられる。
本発明の前記一般式(I)を有するピリジン化合物、その薬学的に許容される塩は、種々の形態で投与される。その投与形態としては特に限定はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には経口投与される。また注射剤の場合には単独であるいはぶどう糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与される。投与方法は好適には、経口投与である。
これらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、溶解剤、矯味矯臭、コーティング剤等、医薬製剤分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
本発明の化合物又はその医薬的に許容できる塩が錠剤の形態に成形されるに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用できる。該担体の例は、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ぶどう糖、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ぶどう糖液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、澱粉等の保湿剤、澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、硼酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を含むことができる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
本発明の化合物又はその医薬的に許容できる塩が丸剤の形態に成形されるに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばぶどう糖、乳糖、澱粉、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等が例示できる。
本発明の化合物又はその医薬的に許容できる塩が坐剤の形態に成形されるに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。
本発明の化合物又はその医薬的に許容できる塩が注射剤として調製される場合には、液剤および懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好ましく、本発明の化合物又はその医薬的に許容できる塩が液剤、乳剤および懸濁剤の形態に成形されるに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものを全て使用できる。該希釈剤の例は、水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を含むことができる。なお、この場合、等張性の溶液を調製するに十分な量の食塩、ぶどう糖、あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
更に、該医薬製剤は、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有せしめてもよい。
上記医薬製剤中に含まれる有効成分化合物の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択される。通常、有効成分化合物の量は、全組成物の重量に基づいて、1〜70重量%、好ましくは1〜30重量%、含まれる量とするのが適当である。
その投与量は、症状、年令、体重、投与方法および剤型等によって異なる。通常、成人に対して1日、下限として0.001 mg/kg(好ましくは0.01 mg/kg、更に好ましくは0.1 mg/kg)であり、上限として200 mg/kg(好ましくは20 mg/kg、更に好ましくは10 mg/kg)である。本発明の化合物は、上記された投与量で、1日1回ないし数回に分けて投与することができる。
本発明の化合物は、前述の本発明が有効と考えられる疾患の種々の治療又は予防剤と併用することができる。例えば、本発明の化合物は、アルキル化剤(シクロフォスファミド、ベンダムスチン、テモゾロミド、マイトマイシンC他)や、白金製剤(シスプラチン、カルボプラチン他)、代謝拮抗薬(ペメトレキセド、5−FU、カペシタビン他)、チューブリン阻害剤(ビンクリスチン、タキソール、エリブリン他)やトポイソメラーゼ阻害剤(イリノテカン、ドキソルビシン他)、等のいわゆるがん化学療法剤や、それらの様々な形態の製剤と併用することができる。また、トラスツズマブ、ベバシズマブ、ニボルマブ等の抗体医薬品や、T-DM1等の抗体薬物複合体など、種々のいわゆるバイオ医薬品とも併用することができる。それに、キナーゼ阻害剤(イマチニブ、ニロチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、スニチニブ、ダサチニブ、イブルチニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、トラメチニブ、パルボシクリブ)、プロテアソーム阻害剤阻害剤(ボルテゾミブ他)、HDAC阻害剤(ボリノスタット他)、PARP阻害剤(オラパリブ他)等各種のいわゆる低分子分子標的薬と併用することもできる。他にも、サリドマイド等の免疫調節約薬や、インターフェロン類、ホルモン療法薬(タモキシフェン、アナストロゾール他)などとも併用することができる。さらに、これらの剤を組み合わせて、本発明の化合物が3剤以上で併用することもできる。
本発明によって、RETキナーゼ阻害活性を有する、上記式(I)で表される化合物が提供される。これらの化合物は、RETキナーゼの活性化突然変異あるいは発現増大を原因とする疾患、RETキナーゼの活性化突然変異あるいは発現増大と関連する疾患、および/またはRETキナーゼの活性化突然変異あるいは発現増大を伴う疾患の治療剤、例えば抗がん剤、として有用である。
図1は、非小細胞肺癌細胞LC-2/adを用いて樹立された異種移植モデルを用いた抗腫瘍活性試験における腫瘍退縮効果の結果を示す。 図2は、RETキナーゼ活性の指標として使用される、905位でのチロシンのRETリン酸化に対する減少効果の結果を示す。
次に実施例等をあげて本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらはいかなる意味においても限定的に解釈されない。また、本明細書において、特に記載のない試薬、溶媒および出発材料は、市販の供給源から容易に入手可能である。
プロトンNMRは、JEOL社製400 MHz、あるいは、Varian社製400 MHz NMRスペクトロメーターを用いて測定した。プロトンNMRスペクトルデータの表記は、意義のあるピークについて示しており、化学シフト(テトラメチルシランピークからの相対ppm (δ) として示した)、プロトン数、ピーク分裂の多重度(s: シングレット; d:ダブレット; t: トリプレット;q: カルテット; m: マルチプレット; br s: ブロード・シングレット; dd: ダブルド・ダブレットなどと示した)、ならびに、明示できる場合はカップリング定数をJ値(単位はHz)として示した。低分解マス・スペクトルデータは、電子スプレーイオン化法(ESI)あるいは、大気圧化学イオン化法(APCI)を用い、逆相高速液体クロマトグラフィーカラム(Agilent システム; カラム:Develosil Combi-RP-5, 2.0 x 50 mm, Cadenza CD-18, 3.0 x 75 mm、あるいはZORBAXSB-C18, 2.1 x 50 mm; 溶媒: 0.1%ギ酸含有アセトニトリル/水系、あるいは0.01%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル/水系)を通過後の最大イオン化ピーク(ほとんどの場合に最大UV吸収ピークと一致)についてデータを示した。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、市販のパック済みカラムと自動システム(例えば、Biotage SP1システム等)を用いる方法、あるいは、ガラス製カラムにメルク社製シリカゲル60, 粒子径0.063〜0.200 mmをつめる方法を用いて行い、用いた複数の溶媒種のみを記述した。用いた溶媒量や溶媒比率、その変換タイミング、及びグラジエント方法は示さないが、ここで用いた精製・分離方法は通常の化学合成の知識・技術をもってすれば容易に再現できると考えられる。
尚、実施例で用いる略号は、次のような意義を有する。
mg:ミリグラム,g:グラム,mL:ミリリットル,MHz:メガヘルツ。
<実施例>
<実施例1>
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-イル]アセトアミド
<1−1> (6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ボロン酸
窒素雰囲気下、3-ブロモ-6,7-ジメトキシキノリン(17.03 g, 63.5 mmol)、ホウ酸トリイソプロピル(19.0 mL, 82.3 mmol)のテトラヒドロフラン(170 mL)溶液を-78℃に冷却し、N-ブチルリチウム・ヘキサン溶液(1.60 mol/L, 58.0 mL, 92.8 mmol)を1時間かけて滴下した。その後、該混合液を同温度にて30分間攪拌した。その後、反応液を-30〜-40℃に昇温し、1 mol/L塩酸(170 mL)をゆっくり加え、室温に昇温した。反応液に1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(50 mL)を加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をメタノールに溶解し、減圧下濃縮した後、残留物にクロロホルム/メタノール(9:1)混合溶媒を加え、不溶物をろ去した。得られた水を含むろ液から有機層を分離後、水層を塩化ナトリウムで飽和し、クロロホルム/メタノール(9:1)混合溶媒で3回抽出した。得られた有機層をあわせ、あわせられた層が無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、次に減圧濃縮することによって標的化合物(13.74 g, 59.0 mmol, 収率72%)を橙色固体として得た。
MS m/z: 234 (M+H)+
<1−2> [6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジル-3-イル]酢酸メチル
(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ボロン酸(4.37 g, 18.75 mmol)、2-(6-クロロピリジル-3-イル)酢酸メチル(3.47 g, 18.70 mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(895 mg, 1.88 mmol)の1,4-ジオキサン(72 mL)懸濁液に、炭酸ナトリウム(5.96 g, 56.2 mmol)の水(18 mL)溶液を加え、窒素置換した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(849 mg, 0.938 mmol)を加え、再び窒素置換した後、80℃にて3時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)を加えた後、酢酸エチルで三回抽出し、あわせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。結果物を減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン)にて精製することで標的化合物(4.04 g, 12.46 mmol, 収率67%)を黄色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 3.71 (2H, s), 3.74 (3H, s), 4.03 (3H,s), 4.06 (3H, s), 7.14 (1H, s), 7.46 (1H, s), 7.77 (1H, dd, J = 8.2, 2.1 Hz),7.84 (1H, d, J = 7.3 Hz), 8.62 (1H, d, J = 1.8Hz), 8.64 (1H, d, J = 1.8 Hz),9.31 (1H, d, J = 2.4 Hz).
MS m/z: 339 (M+H)+
<1−3> [6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジル-3-イル]酢酸
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸メチル(2.24 g, 6.91 mmol)にテトラヒドロフラン(20 mL)、メタノール(20 mL)、続いて1 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(20 mL, 20.0 mmol)を加え、次に得られた混合物を室温にて1.5時間攪拌した。その後、反応液に1 mol/L 塩酸(20 mL)を加え、該混合液を減圧下濃縮した。得られた残留物にクロロホルム/メタノール(9:1)混合溶媒を加え、ろ過した。得られたろ液を減圧下濃縮し、そして次に乾燥させることによって標的化合物の粗精製物を得た。得られた粗精製物をジエチルエーテル、続いてエタノール/ジエチルエーテル(1:1)混合溶媒で洗浄することによって標的化合物(1.57 g, 4.83 mmol, 収率70%)を無色固体として得た。
1H-NMR(DMSO-d6) : 3.69 (2H, s), 3.91 (3H, s), 3.93 (3H, s), 7.40 (1H, s), 7.45 (1H, s), 7.81 (1H, dd, J = 8.2, 2.1 Hz), 8.06 (1H, d, J= 8.5 Hz), 8.58 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.81 (1H, d, J = 1.8 Hz),9.35 (1H, d, J =1.8 Hz).
MS m/z: 325 (M+H)+.
<1−4> 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-イル]アセトアミド
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸(486 mg, 1.495 mmol)、5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-アミン(320 mg, 1.648 mmol, J. Med. Chem., 2012, 55, 1082-1105に掲載)、ピリジン(0.483 mL, 5.97 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(12 mL)懸濁液にプロピルホスホン酸無水物(50%酢酸エチル溶液、約1.7 mol/L, 1.80 mL, 3.06 mmol)を加え、そして得られた混合物を室温にて2時間撹拌した。水(90 mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60 mL)の混合物に反応混合物を注ぎいれ、そして次に、得られた混合物を0℃に冷却した。析出した固体をろ取後、得られた固体に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。該得られた溶液をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次に、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)で精製し、標的化合物(654 mg, 1.308 mmol, 収率87%)を無色固体として得た。
<実施例2>
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-イル]アセトアミド メタンスルホン酸塩
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-イル]アセトアミド(632 mg, 1.261 mmol)のイソプロピルアルコール(12.6 mL)懸濁液に2.0 mol/Lメタンスルホン酸水溶液(0.821 mL, 1.642 mmol)を室温にて加え、30分間撹拌した。その後、該反応混合物を0℃に冷却し、そして次に1時間攪拌した。その後、生じた固体をろ取した。該得られた固体をイソプロピルアルコールにて洗浄し、そして次に、乾燥して標的化合物(734 mg, 1.230 mmol, 収率98%)を無色固体として得た。
<実施例3>
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミド
実施例1−3で得られた2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸(486 mg, 1.495 mmol)、3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-アミン(320 mg, 1.648 mmol, J. Med. Chem., 2012, 55, 1082-1105に掲載)、ピリジン(0.483 mL, 5.97 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(12 mL)懸濁液にプロピルホスホン酸無水物(50%酢酸エチル溶液,約1.7 mol/L, 1.80 mL, 3.06 mmol)を室温にて加え、同温度にて2時間撹拌した。その後、水(80 mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80 mL)の混合物に反応混合物を注ぎいれ、次に、得られた混合物を0℃に冷却した。析出した固体をろ取し、その後、得られた固体にジクロロメタン、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を順次加え、有機層を分離した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次に、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)で精製し、標的化合物(683 mg, 1.366 mmol, 収率91%)を淡黄色固体として得た。
<実施例4>
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミド メタンスルホン酸塩
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミド(680 mg, 1.360 mmol)のイソプロピルアルコール(20.4 mL)懸濁液に2.0 mol/L メタンスルホン酸水溶液(0.883 mL, 1.766 mmol)を室温にて加え、そして次に、得られた混合物を同温度にて30分間撹拌した。その後、反応混合物を0℃に冷却し、そして次に、1時間攪拌した。生じた固体をろ取した。得られた固体をイソプロピルアルコールにて洗浄し、そして次に、乾燥して標的化合物(626 mg, 1.050 mmol, 収率77%)を淡黄色固体として得た。
<実施例5>
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド
<5−1> 5-アミノ-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾ-ル-1-カルボン酸tert-ブチル
3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-アミン(2.6 g, 13.5 mmol, 国際公開WO 2014/141187号パンフレット, 155項にある実施例42の第二工程で合成される化合物)のジクロロメタン(100 mL)溶液へ水酸化カリウム(7.0 g, 125 mmol)を水(15 mL)に溶かした溶液を室温にて加え、同温度にて激しく撹拌した。この反応液に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(3.0 g, 13.8 mmol)を室温にて加え、そしてこのようにして得られた液を同温度にて4時間撹拌した。分離した有機層を飽和食塩水で洗浄し、そして次に、硫酸ナトリウムにて乾燥した。不溶物をろ去し、そして次に、溶媒を減圧溜去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン)にて精製し、標記化合物(2.2 g, 7.5 mmol, 収率56%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.49 (6H, s), 1.64 (9H, s), 5.15 (2H, brs), 5.46-5.47 (1H, m).
MS m/z: 194 (M+H-Boc)+
<5−2> 5-({[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]アセチル}アミノ)-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾ-ル-1-カルボン酸tert-ブチル
5-アミノ-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(8.10 g, 27.6 mmol)、実施例1−2で得られた2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸(8.5 g, 26.2 mmol)、ピリジン(21 mL, 261 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(80 mL)溶液に、プロピルホスホン酸無水物(50%酢酸エチル溶液, 約1.7 mol/L, 46.0 mL, 78.2 mmol)を室温にて加え、そして次に、得られた混合物を同温度で5時間撹拌した。その後、水(200 mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)の混合物に反応混合物を注ぎいれ、そして次に、得られた混合物を30分室温にて攪拌した。その後、析出した固体をろ取した。得られた固体を水、続いてヘキサンにて洗浄後、減圧乾燥した。こうして得られた粗生成物をジイソプロピルエーテル(200 mL)に懸濁して、不溶物をろ取し、標的化合物(15.21 g, 25.4mmol, 収率97%)をほぼ無色の固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.51(6H, s), 1.61 (9H, s), 3.83 (2H, s), 4.04 (3H, s), 4.07 (3H, s), 6.91 (1H, s), 7.16 (1H, s), 7.47 (1H, s), 7.83-7.90 (2H, m), 8.63 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.70 (1H, d, J = 1.8 Hz), 9.32 (1H, d, J =1.8 Hz), 10.34 (1H, s).
MS m/z: 600 (M+H)+
<5−3> 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド
5-({[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]アセチル}アミノ)-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(0.81g, 1.351 mmol)のジクロロメタン(20 mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(5.0 mL)を加え、室温に昇温し撹拌した。混合物を室温にて24時間攪拌し、そして次に、揮発成分を減圧溜去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、ジクロロメタン/酢酸エチル、続いてジクロロメタン/メタノール)にて精製した。得られた粗生成物を酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒で洗浄することにより標記化合物(0.64 g, 1.283 mmol, 収率95%)を淡黄色固体として得た。
<実施例6>
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド メタンスルホン酸塩
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド(4.00 g, 8.02 mmol)のイソプロピルアルコール(80 mL)懸濁液に2.0 mol/L メタンスルホン酸水溶液(6.00 mL, 12.00 mmol)を室温にて加え、そして次に、該得られた混合物を、60℃にて反応液が溶液になるまで攪拌した。その後、該得られた溶液を室温にて一晩静置した。析出した固体と共に反応液を室温にて4時間攪拌し、そして、生じた固体をろ取した。得られた固体を減圧乾燥して標的化合物(4.14 g, 6.95 mmol, 収率87%)を淡黄色固体として得た。
<実施例7>
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[1-メチル-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド
1-メチル-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-アミン (48 mg, 0.313 mmol, 国際公開WO2014/141187,153号パンフレット, 153項にある実施例41の第二工程で合成される化合物)、実施例1〜3で得られた2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸(68 mg, 0.208 mmol)、ピリジン(0.050 mL, 0.618 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)溶液にプロピルホスホン酸無水物(50%酢酸エチル溶液, 約1.7 mol/L, 0.18 mL, 0.306 mmol)を加え、80℃にて2.5時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、終夜攪拌した。反応液にピリジン(0.017 mL, 0.210 mmol)とプロピルホスホン酸無水物(50%酢酸エチル溶液, 約1.7 mol/L, 0.061 mL, 0.104 mmol)を追加し、そして次に、得られた混合物を80℃にて2.5時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、そして次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10 mL)を加えた。混合溶液を酢酸エチルで三回抽出し、そして次に、抽出液をあわせた。あわせた抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次に、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、メタノール/ジクロロメタン)により順次精製した。得られた粗生成物をジエチルエーテル中で懸濁し、固体をろ取することにより標的化合物(48.9 mg, 0.095 mmol, 収率46%)を無色固体として得た。
<実施例8>
[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジル-3-イル]酢酸メチル の別合成法
<8−1> 2-アミノ-4,5-ジメトキシベンズアルデヒド
4,5-ジメトキシ-2-ニトロベンズアルデヒド(5.00 g, 23.7 mmol)、0.1 mol/L塩酸(10 mL)、鉄粉150μm (5.17 g, 92.6 mmol)のエタノール(70 mL)懸濁液を80℃にて2.5時間攪拌した。その後、反応液を室温に冷却し、そして次に、セライト(関東化学、セライト545)ろ過した。ろ液を減圧下濃縮した。残留物に酢酸エチルを加え、そして次に、該混合物をシリカゲルを通してろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、そして次に、乾燥させることで標的化合物(3.96 g, 21.9 mmol, 収率92%)を赤色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 3.85 (3H,s), 3.89 (3H, s), 6.00-6.17 (3H, m), 6.88 (1H, s), 9.69(1H, s).
MS m/z: 182 (M+H)+
<8−2> (6-{[トリ(プロパン-2-イル)シリル]エチニル}ピリジン-3-イル)酢酸メチル
ヨウ化銅(I)(15.1 mg, 0.079 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(58.0 mg, 0.083 mmol)、2-(6-クロロピリジン-3-イル)酢酸メチル(517 mg, 2.79 mmol)、トリエチルアミン(1.20 mL, 8.61 mmol)、トリイソプロピルシリルアセチレン (1.20 mL, 5.35 mol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)懸濁液に窒素をバブリングした。その後、反応系を窒素で置換し、そして次に、懸濁液を80℃にて5.5時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、そして次に、水と飽和食塩水を加え、酢酸エチルにて抽出した。該抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次に、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製することによって標的化合物(888 mg, 2.55 mmol, 収率92%)を淡黄色油状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ:1.06-1.18 (21H, m), 3.62 (2H, s), 3.69 (3H, s), 7.40-7.45 (1H, m), 7.54-7.61 (1H, m), 8.44-8.48 (1H, m).
MS m/z: 332 (M+H)+
<8−3> (6-エチニルピリジン-3-イル)酢酸メチル
窒素雰囲気下0℃において(6-{[トリ(プロパン-2-イル)シリル]エチニル}ピリジン-3-イル)酢酸メチル(3.76 g, 10.82 mmol)、酢酸(1 mL)のテトラヒドロフラン(8.5 mL)溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(1 mol/L テトラヒドロフラン溶液、17 mL)を加え、そしそして次に、得られた混合物を5分間攪拌した。反応液の温度を室温に昇温し、そして次に、該溶液を30分間攪拌した。その後、反応液を減圧下濃縮し、3 mol/L塩酸(12 mL)を加えた。水相をヘキサンで洗浄し、そして次に、5 mol/L水酸化ナトリウム(7 mL)を加え、該混合物を酢酸エチルで三回抽出した。有機層をあわせ、そしてあわせられた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次に、減圧下濃縮した。残留物に酢酸エチルを加え、そして次に、得られた混合物をNHシリカゲルに通してろ過した。ろ液を減圧下濃縮することによって標的化合物(1.83g, 9.57 mmol, 収率88%)を褐色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 3.15(1H, s), 3.65 (2H, s), 3.72 (3H, s), 7.43-7.49 (1H, m), 7.60-7.66 (1H, m), 8.47-8.52 (1H, m).
MS m/z: 176 (M+H)+
<8−4> [6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジル-3-イル]酢酸メチル
(6-エチニルピリジン-3-イル)酢酸メチル(103 mg, 0.539 mmol)、2-アミノ-4,5-ジメトキシベンズアルデヒド(130 mg, 0.715 mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀 (29.4mg, 0.114)のジクロロエタン(1 mL)懸濁液にアニリン(0.110 mL, 1.207 mmol)を加え、そして次に、得られた混合物を窒素雰囲気下80℃にて2時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、そして次に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製した。得られた粗精製物にクロロホルムを加え、そして次に、不溶物をろ去した。ろ液を減圧下濃縮することにより標的化合物(135 mg, 0.398 mmol, 収率74%)を緑色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 3.72 (2H, s), 3.75 (3H, s), 4.04 (3H,s), 4.07 (3H, s), 7.16 (1H, s), 7.47 (1H, s), 7.75-7.82 (1H, m), 7.82-7.89 (1H,m), 8.59-8.68 (2H, m), 9.29-9.35 (1H, m).
MS m/z: 339 (M+H)+
以下、実施例1〜7に記載の化合物の物理化学データ及び対応するフリー体化合物の化学構造を示す。
<参考例1>
<工程1> [4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]酢酸エチル
3-ブロモ-6,7-ジメトキシ-キノリン (2.0 g, 7.5 mmol)、4-(エトキシカルボニルメチル)-フェニルボロン酸ピナコールエステル(2.6 g, 9.0 mmol)及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]- パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.61 g, 0.75 mmol)の1,4-ジオキサン(36 mL)溶液に、炭酸ナトリウム (2.4 g, 22 mmol) の水(4.0 mL)溶液を加え、そして該反応混合物が、3時間、100℃で撹拌された。反応混合物が、水(0.15 L)とジクロロメタン(2 x 0.15 L)とに分配された。あわせられた有機層が、水(80 ml)で、その後ブライン溶液(30 ml)で洗われた。該有機層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥され、濾過され、そして蒸発乾固された。フラッシュカラムクロマトグラフィー (ジクロロメタン/メタノール)による精製が、2-[4-(6,7-ジメトキシ-3-キノリル)フェニル]酢酸エチル (2.5g, 7.0 mmol, 収率94%)を淡い茶色固体として与えた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.29 (3H, t, J = 7.2Hz), 3.69 (2H, s), 4.04 (3H, s), 4.06 (3H, s), 4.19 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.11 (1H, s), 7.43-7.44 (3H, m), 7.66 (2H, d, J = 7.8 Hz), 8.15 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.97 (1H, d, J =2.0 Hz).
MS m/z: 352 (M+H)+.
<工程2> [4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]酢酸
[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]酢酸が、<実施例1-3>において用いられた[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸メチルの代わりに[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)- フェニル]酢酸エチルを用いて、<実施例1-3>に記載された手順と類似した手順を用いて黄色固体として調製された。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 3.65 (2H, s), 3.93 (3H, s), 3.95 (3H,s), 7.41-7.42 (4H, m), 7.77 (2H, d, J = 8.3 Hz), 8.44 (1H, d, J = 2.0 Hz), 9.01 (1H, d, J = 2.0 Hz), 12.38 (1H, s).
MS m/z: 324(M+H)+.
<工程3> 2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]- アセトアミド
2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]- アセトアミドが、<実施例3>において用いられた[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)- ピリジン-3-イル]酢酸の代わりに[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]酢酸を用いて、<実施例3>に記載された手順と類似した手順を用いて黄色固体として得られた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.54 (6H, s), 3.86 (2H, s), 4.05 (3H, s), 4.07 (3H, s), 6.49 (1H, s), 7.12 (1H, s), 7.44-7.46 (3H, m), 7.72-7.74 (2H, m), 8.11 (1H, s), 8.17 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.95 (1H, d, J = 2.4 Hz).
MS m/z: 500 (M+H)+.
<工程4> 2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]- アセトアミド メシラート
2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]- アセトアミド メシラートが、<実施例4>において用いられた2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2- メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミドの代わりに2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミドを用いて、<実施例4>に記載された手順と類似した手順を用いて調製された。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.49 (6H, s), 3.05 (3H, s), 3.88 (2H,s), 4.11 (3H, s), 4.16 (3H, s), 6.41 (1H, s), 7.35 (1H, s), 7.49 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.55 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.90 (1H, s), 8.71 (1H, s),8.92 (1H, s),9.78 (1H, s).
MS m/z: 500 (M+H-96)+.
<参考例2>
<工程1> 5-({[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]アセチル}アミノ)-3-(1,1,1-トリフルオロ- 2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチル
5-({[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]アセチル}アミノ)-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン- 2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチルが、<実施例5-2>において用いられた[6-(6,7-ジメトキシ- キノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸の代わりに[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]酢酸を用いて、<実施例5-2>に記載された手順と類似した手順を用いて無色固体として得られた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.51 (6H, s), 1.59 (9H, s), 3.83 (2H, s), 4.05 (3H, s), 4.07 (3H, s), 6.92 (1H, s), 7.11 (1H, s), 7.46-7.49 (3H, m), 7.70-7.72 (2H, m), 8.16 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.97 (1H, d, J= 2.4 Hz), 10.23 (1H, s).
MS m/z: 599 (M+H)+.
<工程2> 2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]- アセトアミド
2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]- アセトアミドが、<実施例5-3>において用いられた5-({[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]アセチル}アミノ)-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチルの代わりに5-({[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]アセチル}アミノ)-3-(1,1,1- トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチルを用いて、<実施例5-3>に記載された手順と類似した手順を用いて無色固体として得られた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.53 (6H, s), 3.81 (2H, s), 4.05 (3H, s), 4.06 (3H, s), 6.47 (1H, br s), 7.12 (1H, s), 7.25-7.29 (1H, m), 7.43-7.46 (3H, m), 7.69 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.93 (1H, s), 8.15 (1H, s), 8.94 (1H, s).
MS m/z: 499 (M+H)+.
<参考例3>
<工程1> (4-ブロモ-2-フルオロフェニル)酢酸メチル
4-ブロモ-2-フルオロフェニル酢酸 (2.5 g, 11 mmol)及び炭酸カリウム (4.5 g, 32 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド (30 mL)撹拌溶液に、ヨードメタン (0.80 mL, 13 mmol)を0℃で加え、そして該反応混合物が、1時間、室温にて撹拌された。反応混合物が一晩おかれた。室温での撹拌がさらに1時間再び始められた。反応混合物がNaHCO3 (150 mL)の水性飽和溶液と酢酸エチル(2 x 100 mL)とに分配された。あわせられた酢酸エチル層が、水(60 ml)で、その後、ブライン溶液 (30 ml)で洗われた。該有機層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥され、濾過され、そして蒸発乾固されて、無色の液体として(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)酢酸メチル(2.5 g, 10 mmol, 収率96 %)を与えた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.63 (2H, s), 3.71 (3H, s), 7.14-7.15 (1H, m), 7.24-7.25 (1H, m), 7.27-7.27 (1H, m).
<工程2> [4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)-2-フルオロフェニル]酢酸メチル
2-(4-ブロモ-2-フルオロ-フェニル)酢酸メチル(0.58 g,2.3 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボラン(0.65 g, 2.6 mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.19 g, 0.23 mmol)及び酢酸カリウム(0.69 g, 7.0 mmol)の1,4-ジオキサン(8.0 mL)溶液が、1時間、100℃で加熱された。この結果として生じた混合物が、水 (2.0 mL)に溶解された3-ブロモ-6,7-ジメトキシ-キノリン (0.50 g, 1.9 mmol)及び炭酸ナトリウム (0.74 g, 7.0 mmol)が加えられ、そして100℃での撹拌が3時間続けられた。反応混合物が、水(70 mL)とジクロロメタン (2 x 70 mL) とに分配された。あわせられた有機層が、水(40 mL)で、その後ブライン溶液(20 mL)で洗われた。該有機層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥され、濾過され、そして蒸発乾固された。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール) による精製が、2-[4-(6,7-ジメトキシ-3-キノリル)-2-フルオロ-フェニル]酢酸メチル (0.64 g, 1.8 mmol)を淡い茶色固体として与えた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.74-3.76 (5H, m), 4.05 (3H, s), 4.06 (3H, s), 7.11 (1H, s), 7.40-7.44 (4H, m), 8.14 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.95 (1H, d, J = 2.0 Hz).
MS m/z: 356 (M+H)+.
<工程3> [4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)-2-フルオロフェニル]酢酸
[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)-2-フルオロフェニル]酢酸が、<実施例1-3>において用いられた[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル] 酢酸メチルの代わりに[4-(6,7-ジメトキシキノリン- 3-イル)-2-フルオロフェニル] 酢酸メチルを用いて、<実施例1-3>に記載された手順と類似した手順を用いて黄色固体として得られた。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 3.70 (2H, s), 3.93 (3H, s), 3.96 (3H, s), 7.40-7.41 (2H, m), 7.49 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.64-7.65 (1H, m), 7.68-7.70 (1H, m), 8.51 (1H, s), 9.04 (1H, d, J = 2.0 Hz), 12.52 (1H, s).
MS m/z: 342 (M+H)+.
<工程4> 2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)-2-フルオロフェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミド
2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)-2-フルオロフェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミドが、<実施例3>において用いられた[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸の代わりに[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)-2-フルオロフェニル]酢酸を用いて、<実施例3>に記載された手順と類似した手順を用いて黄色固体として調製された。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.54 (6H, s), 3.87 (2H, s), 4.05 (3H, s), 4.07 (3H, s), 6.49 (1H, s), 7.12 (1H, s), 7.46-7.47 (3H, m), 7.51-7.52 (1H, m), 8.15 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.34 (1H, s), 8.93 (1H, d, J =2.4 Hz).
MS m/z: 518 (M+H)+.
<試験例>
<試験例1> RETキナーゼ阻害活性評価(無細胞系)
反応緩衝液(100 mM HEPES (pH 7.4)、10mMMgCl2、0.003% Brij-35、0.004% Tween-20、1mMDTT)、RET recombinant protein (RET-野生型(wild type); Invitrogen #PV3819、最終濃度 80pg/μl、もしくは、RET-Gatekeeper mutation (V804L); Invitrogen #PV4397、最終濃度 80 pg/μl)を混合して、RETキナーゼ溶液を調製した。被験化合物は、DMSOで最終濃度4000 nMとなるように調製し、さらに被験化合物サンプルは√10の希釈倍率で12濃度分を作製した。384ウェルプレートのA〜P列にRETキナーゼ溶液を19μL添加し、その後C〜N列に各濃度の被験化合物を、A, B, O, P列にジメチルスルホキシド(以下、DMSO)を1μL添加した。その後、得られた混合物をそれぞれ、室温にて20分間プレインキュベーションした。さらに反応緩衝液およびFL-Peptide 22 (PerkinElmer, #760366、最終濃度1.5μM)に、ATP(最終濃度1 mM)を含む基質溶液A、またはATPを含まない基質溶液Bを作製した。B〜O列に基質溶液Aを、A, P列に基質溶液Bを5 μL添加した。得られた混合物はそれぞれ、28℃にて45分間インキュベーションされた。40 μlの反応停止液(100 mM HEPES (pH 7.4)、0.015% Briji-35、40 mM EDTA、0.1% Coating Reagent 3)を該反応混合物に加えて、反応を停止させた。
EZ Reader II (Perkin Elmer)を用いて、基質ペプチドが反応液中のリン酸化ペプチドから分離され、基質ペプチドのピーク(S)とリン酸化ペプチドのピーク(P)から計算される生成物比(P/(P+S))が評価の為に用いられた。被験化合物の各濃度の阻害率(Inhibition)は、次の式により求めた(EZ Reader IIシステムのソフトウェアによる自動に算出)。
Inhibition (%)=100 ×(1-Ci/Co)(a)
Ci:被験化合物と基質溶液Aの反応の変換率−DMSOと基質溶液Bの反応の変換率
Co:DMSOと基質溶液Aの反応の変換率−DMSOと基質溶液Bの反応の変換率
(a)式で得られた被験化合物12濃度におけるInhibitionより、4パラメーターロジスティック回帰曲線を描かせた。このときの、4パラメーターロジスティック回帰式は次の式で表せる。
Inhibition (%)=Bottom+(Top-Bottom)/(1+(X/IC50)^Slope)(b)
Top:上方漸近線
Slope:スロープパラメータ
IC50:(Top + Bottom)/2のX値
Bottom:下方漸近線
X:被験化合物の濃度
最初に、Top、Slope、IC50、Bottomに任意の初期値(Top = 100、Slope = -1、IC50=およそのIC50、Bottom = 0)を入力し、回帰曲線を描かせ、次に、実測値と(b)式から求めた予測値の差の二乗和についての最小二乗法を実行して4パラメーターロジスティック回帰式の係数を算出し、IC50を算出した。
*)アレクチニブ:9-エチル-6,6-ジメチル-8-[4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル
<試験例2> KDRキナーゼ阻害活性評価(細胞系)
HUVEC細胞を1ウェルあたり1500細胞となるように播種し、一晩培養した。被検化合物(10 μM, 2,5 μM, 625 nM, 156 nM, 50 nM, 10 nM, 2.5 nM, 0.6 nM)を添加して、2時間培養した。その後、VEGF165 (Peprotech, #100-20)を最終濃度50 ng/mlになるように添加し、そして次に、該得られた混合物が37℃で5分間反応された。その後、結果として生じた細胞をAlphaLISA SureFire Ultra (Perkin Elmer, #ALSU-PVGFR-A500)に含まれている溶解バッファ(Lysis buffer)50μLにて溶解させ、そのうちの10 μlを用いて、当該assaykitの添付文書に従いAcceptor beadとDonorbeadを加えた。このように得られた混合物を室温にて一晩反応させ、そしてその後、Envision (Perkin Elmer)でKDRキナーゼ阻害活性率を測定した。
すべての値から、溶解バッファのみを加えたウェルの値をバックグラウンドとして引いた。その後、VEGFR添加され且つ被検化合物が添加されていないウェルの値をKDRキナーゼ活性100%として、得られた値を補正した。マイクロソフトエクセル 2010のGrowth関数を用いて、各被検化合物の50%阻害の値を予測させ、IC50の値として用いた。
(試験例3) RETキナーゼ阻害活性評価(細胞系)
Mycタグを付加させたRET遺伝子または、RET(V804L)変異遺伝子を過剰発現させたBa/F3細胞を、1ウェルあたり50万細胞となるように播種し、被検化合物(10 μM, 2,5 μM, 625 nM, 156 nM, 50 nM, 10 nM, 2.5 nM, 0.6 nM)を添加して2時間培養した。その後、MilliQ 9 mLにCell Lysis Buffer(Cell signaling technology, #9803)1 mL、Phosphatase inhibitor(Roche, #04906837001)を1錠、Protease inhibitor(Roche, #0469312400)を1錠添加して、1ウェルあたり20μLずつ加えた。このように得られた混合物を氷上に20分間置き、細胞を溶解させた。該細胞溶解物のうちの5μLを取り、64 nlのMyc抗体 (Cell signaling technology, #3946)とAlpha Screen Phosphotyrosine (P-Tyr-100) assay kit (Perkin Elmer, #6760620C)中に含まれている102nlのP-Tyr-100 Acceptor beadと同量のStreptavidinD onor beadを当該assay kitの添付文書に従って加えた。得られた混合物を室温にて一晩反応させ、そして次に、Envisionを用いてRETキナーゼ阻害活性率を測定した。
すべての値から、溶解バッファのみを加えたウェルの値をバックグラウンドとして引き、その後、被検化合物が添加されていないウェルの値をRETキナーゼ活性100%として、得られた値を補正した。マイクロソフトエクセル 2010のGrowth関数を用いて、各被検化合物の50%阻害の値を予測させ、IC50の値として用いた。
*)アレクチニブ:9-エチル-6,6-ジメチル-8-[4-(モルホリン-4-イル) ピペリジン-1-イル]-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b] カルバゾール-3-カルボニトリル
<試験例4> 非小細胞肺がん細胞株 LC-2/adを用いた細胞増殖阻害活性の測定
CCDC6-RET融合遺伝子を有する非小細胞肺がん細胞株LC-2/ad (RIKEN, J ThoracOncol. 2012 Dec, 7(12), 1872-6)の細胞増殖阻害活性の測定を行った。
96ウェルプレートに,LC-2/ad細胞を1ウェル当り5,000細胞となるように15% FBS及び25 mM HEPESを含むRPMI-1640とHam’s F12 Mixtureを1:1の割合で混合させた培地で播種し、37℃,5% CO2存在下で一晩培養した。その後、被検化合物を希釈し、96ウェルプレートに添加した。陰性対照としてジメチルスルホキシド(以下、DMSO)を添加した。得られた混合物を37℃,5% CO2存在下で9日間培養し、そしてその後、細胞数測定試薬CellTiter-Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assay(Promega, #G7571)を培養物に添加し、撹拌した。その後、発光測定装置Envisionを用いて、発光強度を測定した。培地のみのウェルでの測定値を生存率0%,DMSO添加ウェルでの測定値を生存率100%とした。被検化合物の各濃度におけるLC-2/ad細胞の生存率を算出した。マイクロソフトエクセル 2010のGrowth関数を用いて、各被検化合物の50%阻害の値を予測させ、IC50の値として用いた。
*)アレクチニブ:9-エチル-6,6-ジメチル-8-[4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル
<試験例5> 甲状腺がん細胞株 TTを用いた細胞増殖阻害活性の測定
RET活性化突然変異(C634W)を有する甲状腺がん細胞株 TT (Biochemical and Biophysical Reasearch Communications. 1995 Feb 27 (207), 1022-1028)の細胞増殖阻害活性の測定を行った。
96ウェルプレートに、TT細胞を1ウェル当り5,000細胞となるように10% FBSを含むF-12K nutrient mixture培地で播種し、37℃、5%CO2存在下で一晩培養した。その後、該化合物を希釈し、96ウェルプレートに添加した。陰性対照としてジメチルスルホキシド(以下、DMSO)を添加した。該得られた混合物を37℃、5%CO2存在下で9日間培養し、そしてその後に、細胞数測定試薬CellTiter-Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assayを添加し、撹拌した。その後、発光測定装置Envision (Perkin Elmer)を用いて、発光強度を測定した。培地のみのウェルでの測定値を生存率0%、DMSO添加ウェルでの測定値を生存率100%とした。被検化合物の各濃度におけるTT細胞の生存率を算出した。マイクロソフトエクセル 2010のGrowth関数を用いて、各被検化合物の50%阻害の値を予測させ、IC50の値として用いた。
*)アレクチニブ:9-エチル-6,6-ジメチル-8-[4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル
<試験例6>非小細胞肺癌細胞株LC-2/adで樹立された異種移植モデルを用いた抗腫瘍活性の評価
DPBS (Gibco, #14190)中に懸濁された非小細胞肺癌細胞株LC-2/ad (RIKEN, J Thorac Oncol. 2012 Dec, 7(12), 1872-6)の細胞が、等量のCorning Matrigel Basement Membrane Matrix (Corning, #354234)で混合され、そして次に、得られた混合物がNOGマウス内に皮下移植されて、腫瘍を形成させた (該NOGマウスは、in vivo Science Inc.から入手された後に順応され、そしてその後、該マウスが9週齢のときに、該細胞が該マウス内に移植された。飼料として、FR-2 (FunabashiFarm Co., Ltd.によって製造された)が用いられた。)。該腫瘍が、100〜200 mm3の大きさに達した後、該マウスは腫瘍直径に基づいて無作為化され、そして次に、実施例4の化合物(以下、本明細書において、化合物Aと言及される)の経口投与が開始された化合物Aを溶解する為の溶媒として、1% ヒドロキシプロピルメチルセルロースが用いられた。1日3回、マウスの体重当たり3mg/kg又は1 mg/kgの用量の化合物Aの経口投与が9日間続けられた[ここで、3 mg/kgの化合物 Aが1日3回投与されたグループが投与群a(■)として言及され、1 mg/kgの化合物Aが1日3回投与されたグループが投与群b(▲)として言及され、及び溶媒のみを投与されたグループがビヒクル群(◆)として言及される]。結果として、用量依存的な腫瘍退縮が観察された(図1)。この試験の間、ビヒクル群と比較して化合物A投与群において体重における有意な減少が観察されなかった。その上、化合物Aの最終投与後の2時間後及び6時間後に該腫瘍が集められ(ビヒクル群に投与は行われなかった)、そしてRET キナーゼ活性の指標として用いられた位置905でのチロシンのRETリン酸化(pRET(Y905), Nature Medicine, 18, 375-377(2012))がウェスタンブロッティング方法によって検出された。その結果、Y905のリン酸化の用量依存的抑制が確認された(図2)。
[比較データ1]
本発明の化合物(表7) 及び比較化合物(表8)の化合物のRET IC50値及びKDR IC50値(細胞系)が、以下に提供される。該比較化合物は、RETとKDRとで等効力であることは表8から明らかである。対照的に、表7は、本発明の化合物が、KDRよりもRETに対して選択的であることを示す。
[比較データ2] ワンショットPKPD分析
ets変異体6(ETV)-RET及びETV-RET-V804Lの融合タンパク質を発現するMurine pro-B細胞、Ba/F3、が、Daiichi Sankyo RD Novare Co., Ltd.によって構築され、そして10%(v/v)の熱不活性ウシ胎児血清(FBS, GE Healthcare)及び1.5 μg/mLのピューロマイシンを補充されたRPMI1640培地(Thermo Fisher Scientific K.K.)において、5% CO2環境下、37°Cに設定されたCO2 インキュベーター内で培養された。該細胞はDPBS中に懸濁され、そして、マウスに、マウス1匹当たり1.0 × 107 細胞で皮下接種された。該腫瘍が100〜200 mm3の大きさに達した後、該マウスは腫瘍直径に基づいて無作為化され、そして、1% (w/v)のヒドロキシプロピル メチルセルロース溶液中に溶解された被験化合物(10mg/kg, 化合物 229又は実施例3)が経口投与された。対照群には、1% (w/v)のヒドロキシプロピル メチルセルロース溶液が投与された。投与の6時間後、腫瘍が採取され、そして直ちに液体窒素で凍結された。該凍結サンプルが、溶解バッファ(Cell Signaling Technology, Inc.)並びにプロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤カクテル(cocktail)(Roche Diagnostics GmbH)を用いて、ビーズミルホモジナイザー(Biomedical ScienceCo., Ltd., and Yasui Kikai Corporation)によってホモジナイズされた。腫瘍溶解物のタンパク質濃度が比色試薬(Thermo Fisher Scientific K.K.)によって定量され、そして全てが、溶解バッファによって同じ濃度に希釈された。腫瘍溶解物が還元剤(Thermo Fisher Scientific K.K.)とともにサンプルバッファに添加され、そして熱によって変性された(70°C, 10分間)。30 μg、15 μg及び15 μgのタンパク質が、それぞれphospho-RET、RET及びActinを検出する為に用いられた。タンパク質が5%〜20%のトリスHClゲル(DRC Co., Ltd.)上で分離され、そしてニトロセルロース膜(Thermo Fisher Scientific K.K.)に移された。該膜は、抗RETウサギモノクロナール抗体(1:1000希釈, カタログ番号14698,Cell Signaling Technology, Inc.)、抗ホスホRET (Y905)ラビットポリクローナル抗体(1:250希釈, カタログ番号3221, CellSignaling Technology, Inc.)、及び抗アクチンラビットポリクローナル抗体(1:4000希釈, カタログ番号sc-1616R, Santa Cruz Biotechnology,Inc.)、一次抗体、続いて抗ウサギIgGヤギ抗体HRP結合二次抗体(1:2000希釈, カタログ番号7074,Cell Signaling Technology, Inc.)でブロットされた。HRPと基質(Pierce ECL Plus Western Blotting Substrate, カタログ番号32132, Thermo Fisher Scientific K.K.)との化学発光反応が、イメージスキャナーTyphoon 9400 (GE Healthcare)によって検出された。リン酸化RET(pRET)及びRETについての信号強度が、下記の方法で定量され且つ計算された。
RETのリン酸化比:(pRETのシグナル強度)/(RETのシグナル強度)
RETの相対的リン酸化(%):[(被験化合物で処置された試料におけるRETの平均リン酸化比)/(ビヒクルで処置された試料におけるRETの平均リン酸化比)] X100
*化合物229は、下記の構造を有し、且つそれは実施例番号229として、国際公開WO2015/031613号パンフレットにおいて記載されている。
化合物229はイン・ビトロで強い阻害効果を示したが、化合物229は、腫瘍における曝露が少ない故に、Ba/F3-RET-V804M腫瘍においてリン酸化RET(pRET)を抑制しなかった(データ入手利用可能)。不十分な曝露は、化合物229のイン・ビボでの弱い効力の主な理由でありうる。一方、実施例3の化合物は、Ba/F3-RET腫瘍においてpRETを明らかに阻害した。
<製剤例>
<製剤例1>カプセル剤
実施例4又は6の化合物 50mg
乳糖 128mg
トウモロコシデンプン 70mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
250mg
上記処方の粉末を混合し、そして次に、60メッシュのふるいを通した。その後、この粉末を250 mgのゼラチンカプセルに入れて、カプセル剤とした。
<製剤例2>錠剤
実施例4又は6の化合物 50mg
乳糖 126mg
トウモロコシデンプン 23mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
200mg
上記処方の粉末を混合し、そしてその後、該混合物はトウモロコシデンプン糊を用いて造粒し、そして次に乾燥された。打錠機を用いて、錠剤は該反抗混合物から作られた(1錠200 mgの錠剤)。これらの錠剤は、必要に応じて糖衣を施されることができる。
本発明の前記一般式(I)で表される新規なピリジン化合物又はその塩もしくはそれらの溶媒和物は、優れたRETキナーゼ阻害作用を有し、且つ医薬として有用である。

Claims (22)

  1. 下記一般式(I)

    [式中、Aは、以下の式(Ia)乃至(Id)から選択される1つを示し、
    R1は、水素原子又はC1〜C3アルキル基を示し、R2は、水素原子又はC1〜C3アルキル基を示す。]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. 下記構造式で表される化合物から選択される1つ又は2つ以上の化合物。
  3. 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-イル]アセトアミド。
  4. 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミド。
  5. 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド。
  6. 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[1-メチル-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド。
  7. 請求項2乃至6のいずれか1項に記載の化合物の薬学的に許容される塩。
  8. 請求項2乃至6のいずれか1項に記載の化合物のメタンスルホン酸塩。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するRETキナーゼ阻害剤。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  11. RETキナーゼの活性化突然変異若しくは発現増大を原因とする疾患、RETキナーゼの活性化突然変異と関連する疾患又は、RETキナーゼの活性化突然変異を伴う疾患の治療のための請求項10に記載の医薬。
  12. がんの予防又は治療における使用のための、請求項10に記載の医薬。
  13. RETキナーゼの活性化突然変異又は発現増大を原因とするがんの治療における使用のための、請求項10に記載の医薬。
  14. 肺がん、甲状腺がん、乳がん又は大腸がんの治療における使用のための、請求項10に記載の医薬。
  15. 医薬組成物を製造するための、請求項1乃至8のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  16. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩の薬理的な有効量を、温血動物に投与することを含む、がんの治療若しくは予防方法。
  17. 疾患の治療若しくは予防のための方法における使用のための、請求項1乃至8のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩。
  18. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
  19. 治療において用いるための、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩。
  20. がんの治療若しくは予防において使用するための、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩。
  21. がんの治療若しくは予防のための医薬品の製造において、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩を用いる方法。
  22. がんを治療若しくは予防することを必要とする対象においてがんを治療若しくは予防する方法であって、該対象に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩の治療的に有効な量を投与することを含む、上記方法。
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