JP2019534871A - ピリジン化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)下記一般式(I)
(2)下記構造式で表される化合物から選択される1つ又は2つ以上の化合物、
(3−1) 下記構造式を有する化合物又はその薬学的に許容される塩、
(4−1) 下記構造式を有する化合物又はその薬学的に許容される塩、
(5−1) 下記構造式を有する化合物又はその薬学的に許容される塩、
(6−1) 下記構造式を有する化合物又はその薬学的に許容される塩、
(8)上記(2)乃至(6)のいずれか1つに記載の化合物のメタンスルホン酸塩、
(9)上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するRETキナーゼ阻害剤、
(10)上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬、
(11)RETキナーゼの活性化突然変異若しくは発現増大を原因とする疾患、RETキナーゼの活性化突然変異と関連する疾患又は、RETキナーゼの活性化突然変異を伴う疾患の治療のための上記(10)に記載の医薬、
(12)がんの予防又は治療における使用のための、上記(10)に記載の医薬、
(12−1)がんの治療のための、上記(10)に記載の医薬、
(13)RETキナーゼの活性化突然変異又は発現増大を原因とするがんの治療における使用のための、上記(10)に記載の医薬、
(14)肺がん、甲状腺がん、乳がん又は大腸がんの治療における使用のための、上記(12)に記載の医薬、
(15)医薬組成物を製造するための、上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載された化合物又はその薬学的に許容される塩の使用、
(16)上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載された化合物又はその薬学的に許容される塩の薬理的な有効量を、温血動物に投与することを含む、がんの治療若しくは予防方法、
(17)疾患の治療若しくは予防のための方法における使用のための、上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載された化合物又はその薬学的に許容される塩である。
<式1>
本反応で用いられるアミン化合物(1)としては、下記式化合物(1a)〜(1d)を用いることができる。アミン化合物(1a)及び(1b)については、J. Med. Chem., 2012, 55, 1082-1105に記載の方法に準じて合成されることができる。アミン化合物(1c)及び(1d)については、国際公開WO2014/141187号パンフレット、155項にある実施例42、第二工程に記載の方法に準じて合成されることができる。
(A−2−1)カルボン酸化合物(2)の製法 その1
<式2>
本反応の出発物質のひとつである2-ハロピリジン誘導体(3)は市販の化合物を使用するか又は既知の方法に準じて合成されることができる。代替的に、2-ハロピリジン誘導体(3)の替わりに、2-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ピリジン誘導体や、2-(p-トルエンスルホニルオキシ)ピリジン誘導体、2-(メタンスルホニルオキシ)ピリジン誘導体等の2-(置換スルホニルオキシ)ピリジン誘導体を用いることもできる。
キノリン-3-ボロン酸誘導体(4)は、例えば、以下の式3に記載の化合物(4a)〜(4f)が挙げられるが、これらに限定されるものでない。
<式3>
本反応においては、触媒としてパラジウム金属を含む触媒を用いることができる。本明細書において用いることができる触媒の例は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス[トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム(0)、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ[2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル]パラジウム(II)、ジクロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン]パラジウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン](3-クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド(PEPSI(登録商標)-IPr触媒)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(SPhos Pd G1)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(XPhos Pd G1)、クロロ(トリフェニルホスフィン)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)、クロロ[トリ(o-トリル)ホスフィン][2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)、クロロ[(トリシクロヘキシルホスフィン)-2-(2’-アミノ1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(PCy3 Pd G2)、クロロ[(トリt-ブチルホスフィン)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(P(tBu)3 Pd G2)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(SPhos PdG2)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd G2)、[2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル][2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナ-ト(rac-BINAP Pd G3)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナ-ト(SPhos Pd G3)、[(4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナ-ト(XantPhos Pd G3)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナ-ト(XPhos Pd G3)、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジルアセトン)ジパラジウム(0)、パラジウム炭素触媒などを含むことができる。
カルボン酸化合物(2)はまた、以下の式4に示すように、ピリジン-2-ボロン酸誘導体(6)と3-ハロキノリン(5)の鈴木カップリング反応によって合成されることができる。
<式4>
カルボン酸化合物(2)は、以下の式5に示す方法でも合成されることができる。特に、カルボン酸化合物(2)は、アミノアルデヒド誘導体(8)とアセチレン誘導体(9)との反応によってキノリン環を構築することによって合成されることができる。
<式5>
アミノアルデヒド誘導体(8)は、既知の方法に準じて、例えばニトロアルデヒド誘導体(7)等から合成されることができる。ニトロアルデヒド誘導体(7)からは、アミノアルデヒド誘導体(8)が、ニトロ基の還元に用いられる周知の方法によって合成されることができる。還元法の例は、接触水素還元、塩酸若しくは酢酸などの酸存在下で鉄粉を用いる方法、又は塩化スズ(II)を用いる方法等を含むことができる。
アセチレン誘導体(9)は、2-ハロピリジン誘導体(3)等とモノシリル保護アセチレン間の薗頭カップリング反応を行い、そして次に該反応生成物からシリル基を除去することによって合成されることができる。
本反応は、例えば、銀(I)トリフレートとアニリン存在下で実施されることができる。本明細書において用いる試薬及びその組み合わせはこれらに限定されない。
本反応で用いる縮合試薬の例は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)及びその塩酸塩、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)、ヘキサフルオロリン酸塩O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム(HATU)、ヘキサフルオロリン酸塩O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム(HBTU)、ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP-Cl)、塩化4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウム(DMT-MM)、ヘキサフルオロリン酸{{[(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデン)アミノ]オキシ}-4-モルホリノメチレン}ジメチルアンモニウムヘキサフルオロリン酸(COMU)、無水プロピルホスホン酸(T3P)、N,N’-カルボニルジイミダゾ-ル(CDI)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)などを含むことができるが、これに限定されるものでない。縮合試薬は好適には、無水プロピルホスホン酸(T3P)である。
カルボン酸化合物(2)を酸ハロゲン化物に導いた後に、アミン(1)と縮合させて化合物(I)を合成することもできる。酸ハロゲン化物は必要に応じて単離されることができる。本明細書において用いることができる酸ハロゲン化試薬の例は、酸フルオリド、酸クロリド、酸ブロミドなどを含むことができる。
(B−1)化合物(I)は、アミン化合物(1)とカルボン酸化合物(3B)の縮合反応によってアミド結合を形成した後に、クロスカップリング反応をおこなうことによっても製造することができる。
<式8>
ここで用いる縮合反応及びクロスカップリング反応において、上記(A-2)で用いた反応条件と同様の反応条件が用いられることができる。
尚、実施例で用いる略号は、次のような意義を有する。
mg:ミリグラム,g:グラム,mL:ミリリットル,MHz:メガヘルツ。
<実施例1>
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-イル]アセトアミド
<1−1> (6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ボロン酸
窒素雰囲気下、3-ブロモ-6,7-ジメトキシキノリン(17.03 g, 63.5 mmol)、ホウ酸トリイソプロピル(19.0 mL, 82.3 mmol)のテトラヒドロフラン(170 mL)溶液を-78℃に冷却し、N-ブチルリチウム・ヘキサン溶液(1.60 mol/L, 58.0 mL, 92.8 mmol)を1時間かけて滴下した。その後、該混合液を同温度にて30分間攪拌した。その後、反応液を-30〜-40℃に昇温し、1 mol/L塩酸(170 mL)をゆっくり加え、室温に昇温した。反応液に1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(50 mL)を加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をメタノールに溶解し、減圧下濃縮した後、残留物にクロロホルム/メタノール(9:1)混合溶媒を加え、不溶物をろ去した。得られた水を含むろ液から有機層を分離後、水層を塩化ナトリウムで飽和し、クロロホルム/メタノール(9:1)混合溶媒で3回抽出した。得られた有機層をあわせ、あわせられた層が無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、次に減圧濃縮することによって標的化合物(13.74 g, 59.0 mmol, 収率72%)を橙色固体として得た。
MS m/z: 234 (M+H)+.
(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ボロン酸(4.37 g, 18.75 mmol)、2-(6-クロロピリジル-3-イル)酢酸メチル(3.47 g, 18.70 mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(895 mg, 1.88 mmol)の1,4-ジオキサン(72 mL)懸濁液に、炭酸ナトリウム(5.96 g, 56.2 mmol)の水(18 mL)溶液を加え、窒素置換した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(849 mg, 0.938 mmol)を加え、再び窒素置換した後、80℃にて3時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)を加えた後、酢酸エチルで三回抽出し、あわせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。結果物を減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン)にて精製することで標的化合物(4.04 g, 12.46 mmol, 収率67%)を黄色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 3.71 (2H, s), 3.74 (3H, s), 4.03 (3H,s), 4.06 (3H, s), 7.14 (1H, s), 7.46 (1H, s), 7.77 (1H, dd, J = 8.2, 2.1 Hz),7.84 (1H, d, J = 7.3 Hz), 8.62 (1H, d, J = 1.8Hz), 8.64 (1H, d, J = 1.8 Hz),9.31 (1H, d, J = 2.4 Hz).
MS m/z: 339 (M+H)+.
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸メチル(2.24 g, 6.91 mmol)にテトラヒドロフラン(20 mL)、メタノール(20 mL)、続いて1 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(20 mL, 20.0 mmol)を加え、次に得られた混合物を室温にて1.5時間攪拌した。その後、反応液に1 mol/L 塩酸(20 mL)を加え、該混合液を減圧下濃縮した。得られた残留物にクロロホルム/メタノール(9:1)混合溶媒を加え、ろ過した。得られたろ液を減圧下濃縮し、そして次に乾燥させることによって標的化合物の粗精製物を得た。得られた粗精製物をジエチルエーテル、続いてエタノール/ジエチルエーテル(1:1)混合溶媒で洗浄することによって標的化合物(1.57 g, 4.83 mmol, 収率70%)を無色固体として得た。
1H-NMR(DMSO-d6) : 3.69 (2H, s), 3.91 (3H, s), 3.93 (3H, s), 7.40 (1H, s), 7.45 (1H, s), 7.81 (1H, dd, J = 8.2, 2.1 Hz), 8.06 (1H, d, J= 8.5 Hz), 8.58 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.81 (1H, d, J = 1.8 Hz),9.35 (1H, d, J =1.8 Hz).
MS m/z: 325 (M+H)+.
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸(486 mg, 1.495 mmol)、5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-アミン(320 mg, 1.648 mmol, J. Med. Chem., 2012, 55, 1082-1105に掲載)、ピリジン(0.483 mL, 5.97 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(12 mL)懸濁液にプロピルホスホン酸無水物(50%酢酸エチル溶液、約1.7 mol/L, 1.80 mL, 3.06 mmol)を加え、そして得られた混合物を室温にて2時間撹拌した。水(90 mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60 mL)の混合物に反応混合物を注ぎいれ、そして次に、得られた混合物を0℃に冷却した。析出した固体をろ取後、得られた固体に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。該得られた溶液をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次に、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)で精製し、標的化合物(654 mg, 1.308 mmol, 収率87%)を無色固体として得た。
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-イル]アセトアミド メタンスルホン酸塩
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-イル]アセトアミド(632 mg, 1.261 mmol)のイソプロピルアルコール(12.6 mL)懸濁液に2.0 mol/Lメタンスルホン酸水溶液(0.821 mL, 1.642 mmol)を室温にて加え、30分間撹拌した。その後、該反応混合物を0℃に冷却し、そして次に1時間攪拌した。その後、生じた固体をろ取した。該得られた固体をイソプロピルアルコールにて洗浄し、そして次に、乾燥して標的化合物(734 mg, 1.230 mmol, 収率98%)を無色固体として得た。
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミド
実施例1−3で得られた2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸(486 mg, 1.495 mmol)、3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-アミン(320 mg, 1.648 mmol, J. Med. Chem., 2012, 55, 1082-1105に掲載)、ピリジン(0.483 mL, 5.97 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(12 mL)懸濁液にプロピルホスホン酸無水物(50%酢酸エチル溶液,約1.7 mol/L, 1.80 mL, 3.06 mmol)を室温にて加え、同温度にて2時間撹拌した。その後、水(80 mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80 mL)の混合物に反応混合物を注ぎいれ、次に、得られた混合物を0℃に冷却した。析出した固体をろ取し、その後、得られた固体にジクロロメタン、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を順次加え、有機層を分離した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次に、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)で精製し、標的化合物(683 mg, 1.366 mmol, 収率91%)を淡黄色固体として得た。
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミド メタンスルホン酸塩
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミド(680 mg, 1.360 mmol)のイソプロピルアルコール(20.4 mL)懸濁液に2.0 mol/L メタンスルホン酸水溶液(0.883 mL, 1.766 mmol)を室温にて加え、そして次に、得られた混合物を同温度にて30分間撹拌した。その後、反応混合物を0℃に冷却し、そして次に、1時間攪拌した。生じた固体をろ取した。得られた固体をイソプロピルアルコールにて洗浄し、そして次に、乾燥して標的化合物(626 mg, 1.050 mmol, 収率77%)を淡黄色固体として得た。
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド
<5−1> 5-アミノ-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾ-ル-1-カルボン酸tert-ブチル
3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-アミン(2.6 g, 13.5 mmol, 国際公開WO 2014/141187号パンフレット, 155項にある実施例42の第二工程で合成される化合物)のジクロロメタン(100 mL)溶液へ水酸化カリウム(7.0 g, 125 mmol)を水(15 mL)に溶かした溶液を室温にて加え、同温度にて激しく撹拌した。この反応液に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(3.0 g, 13.8 mmol)を室温にて加え、そしてこのようにして得られた液を同温度にて4時間撹拌した。分離した有機層を飽和食塩水で洗浄し、そして次に、硫酸ナトリウムにて乾燥した。不溶物をろ去し、そして次に、溶媒を減圧溜去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン)にて精製し、標記化合物(2.2 g, 7.5 mmol, 収率56%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.49 (6H, s), 1.64 (9H, s), 5.15 (2H, brs), 5.46-5.47 (1H, m).
MS m/z: 194 (M+H-Boc)+.
5-アミノ-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(8.10 g, 27.6 mmol)、実施例1−2で得られた2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸(8.5 g, 26.2 mmol)、ピリジン(21 mL, 261 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(80 mL)溶液に、プロピルホスホン酸無水物(50%酢酸エチル溶液, 約1.7 mol/L, 46.0 mL, 78.2 mmol)を室温にて加え、そして次に、得られた混合物を同温度で5時間撹拌した。その後、水(200 mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)の混合物に反応混合物を注ぎいれ、そして次に、得られた混合物を30分室温にて攪拌した。その後、析出した固体をろ取した。得られた固体を水、続いてヘキサンにて洗浄後、減圧乾燥した。こうして得られた粗生成物をジイソプロピルエーテル(200 mL)に懸濁して、不溶物をろ取し、標的化合物(15.21 g, 25.4mmol, 収率97%)をほぼ無色の固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.51(6H, s), 1.61 (9H, s), 3.83 (2H, s), 4.04 (3H, s), 4.07 (3H, s), 6.91 (1H, s), 7.16 (1H, s), 7.47 (1H, s), 7.83-7.90 (2H, m), 8.63 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.70 (1H, d, J = 1.8 Hz), 9.32 (1H, d, J =1.8 Hz), 10.34 (1H, s).
MS m/z: 600 (M+H)+.
5-({[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]アセチル}アミノ)-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(0.81g, 1.351 mmol)のジクロロメタン(20 mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(5.0 mL)を加え、室温に昇温し撹拌した。混合物を室温にて24時間攪拌し、そして次に、揮発成分を減圧溜去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、ジクロロメタン/酢酸エチル、続いてジクロロメタン/メタノール)にて精製した。得られた粗生成物を酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒で洗浄することにより標記化合物(0.64 g, 1.283 mmol, 収率95%)を淡黄色固体として得た。
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド メタンスルホン酸塩
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド(4.00 g, 8.02 mmol)のイソプロピルアルコール(80 mL)懸濁液に2.0 mol/L メタンスルホン酸水溶液(6.00 mL, 12.00 mmol)を室温にて加え、そして次に、該得られた混合物を、60℃にて反応液が溶液になるまで攪拌した。その後、該得られた溶液を室温にて一晩静置した。析出した固体と共に反応液を室温にて4時間攪拌し、そして、生じた固体をろ取した。得られた固体を減圧乾燥して標的化合物(4.14 g, 6.95 mmol, 収率87%)を淡黄色固体として得た。
2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[1-メチル-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド
1-メチル-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-アミン (48 mg, 0.313 mmol, 国際公開WO2014/141187,153号パンフレット, 153項にある実施例41の第二工程で合成される化合物)、実施例1〜3で得られた2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸(68 mg, 0.208 mmol)、ピリジン(0.050 mL, 0.618 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)溶液にプロピルホスホン酸無水物(50%酢酸エチル溶液, 約1.7 mol/L, 0.18 mL, 0.306 mmol)を加え、80℃にて2.5時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、終夜攪拌した。反応液にピリジン(0.017 mL, 0.210 mmol)とプロピルホスホン酸無水物(50%酢酸エチル溶液, 約1.7 mol/L, 0.061 mL, 0.104 mmol)を追加し、そして次に、得られた混合物を80℃にて2.5時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、そして次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10 mL)を加えた。混合溶液を酢酸エチルで三回抽出し、そして次に、抽出液をあわせた。あわせた抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次に、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、メタノール/ジクロロメタン)により順次精製した。得られた粗生成物をジエチルエーテル中で懸濁し、固体をろ取することにより標的化合物(48.9 mg, 0.095 mmol, 収率46%)を無色固体として得た。
[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジル-3-イル]酢酸メチル の別合成法
<8−1> 2-アミノ-4,5-ジメトキシベンズアルデヒド
4,5-ジメトキシ-2-ニトロベンズアルデヒド(5.00 g, 23.7 mmol)、0.1 mol/L塩酸(10 mL)、鉄粉150μm (5.17 g, 92.6 mmol)のエタノール(70 mL)懸濁液を80℃にて2.5時間攪拌した。その後、反応液を室温に冷却し、そして次に、セライト(関東化学、セライト545)ろ過した。ろ液を減圧下濃縮した。残留物に酢酸エチルを加え、そして次に、該混合物をシリカゲルを通してろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、そして次に、乾燥させることで標的化合物(3.96 g, 21.9 mmol, 収率92%)を赤色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 3.85 (3H,s), 3.89 (3H, s), 6.00-6.17 (3H, m), 6.88 (1H, s), 9.69(1H, s).
MS m/z: 182 (M+H)+.
ヨウ化銅(I)(15.1 mg, 0.079 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(58.0 mg, 0.083 mmol)、2-(6-クロロピリジン-3-イル)酢酸メチル(517 mg, 2.79 mmol)、トリエチルアミン(1.20 mL, 8.61 mmol)、トリイソプロピルシリルアセチレン (1.20 mL, 5.35 mol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)懸濁液に窒素をバブリングした。その後、反応系を窒素で置換し、そして次に、懸濁液を80℃にて5.5時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、そして次に、水と飽和食塩水を加え、酢酸エチルにて抽出した。該抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次に、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製することによって標的化合物(888 mg, 2.55 mmol, 収率92%)を淡黄色油状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ:1.06-1.18 (21H, m), 3.62 (2H, s), 3.69 (3H, s), 7.40-7.45 (1H, m), 7.54-7.61 (1H, m), 8.44-8.48 (1H, m).
MS m/z: 332 (M+H)+.
窒素雰囲気下0℃において(6-{[トリ(プロパン-2-イル)シリル]エチニル}ピリジン-3-イル)酢酸メチル(3.76 g, 10.82 mmol)、酢酸(1 mL)のテトラヒドロフラン(8.5 mL)溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(1 mol/L テトラヒドロフラン溶液、17 mL)を加え、そしそして次に、得られた混合物を5分間攪拌した。反応液の温度を室温に昇温し、そして次に、該溶液を30分間攪拌した。その後、反応液を減圧下濃縮し、3 mol/L塩酸(12 mL)を加えた。水相をヘキサンで洗浄し、そして次に、5 mol/L水酸化ナトリウム(7 mL)を加え、該混合物を酢酸エチルで三回抽出した。有機層をあわせ、そしてあわせられた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして次に、減圧下濃縮した。残留物に酢酸エチルを加え、そして次に、得られた混合物をNHシリカゲルに通してろ過した。ろ液を減圧下濃縮することによって標的化合物(1.83g, 9.57 mmol, 収率88%)を褐色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 3.15(1H, s), 3.65 (2H, s), 3.72 (3H, s), 7.43-7.49 (1H, m), 7.60-7.66 (1H, m), 8.47-8.52 (1H, m).
MS m/z: 176 (M+H)+.
(6-エチニルピリジン-3-イル)酢酸メチル(103 mg, 0.539 mmol)、2-アミノ-4,5-ジメトキシベンズアルデヒド(130 mg, 0.715 mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀 (29.4mg, 0.114)のジクロロエタン(1 mL)懸濁液にアニリン(0.110 mL, 1.207 mmol)を加え、そして次に、得られた混合物を窒素雰囲気下80℃にて2時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、そして次に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製した。得られた粗精製物にクロロホルムを加え、そして次に、不溶物をろ去した。ろ液を減圧下濃縮することにより標的化合物(135 mg, 0.398 mmol, 収率74%)を緑色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 3.72 (2H, s), 3.75 (3H, s), 4.04 (3H,s), 4.07 (3H, s), 7.16 (1H, s), 7.47 (1H, s), 7.75-7.82 (1H, m), 7.82-7.89 (1H,m), 8.59-8.68 (2H, m), 9.29-9.35 (1H, m).
MS m/z: 339 (M+H)+.
3-ブロモ-6,7-ジメトキシ-キノリン (2.0 g, 7.5 mmol)、4-(エトキシカルボニルメチル)-フェニルボロン酸ピナコールエステル(2.6 g, 9.0 mmol)及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]- パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.61 g, 0.75 mmol)の1,4-ジオキサン(36 mL)溶液に、炭酸ナトリウム (2.4 g, 22 mmol) の水(4.0 mL)溶液を加え、そして該反応混合物が、3時間、100℃で撹拌された。反応混合物が、水(0.15 L)とジクロロメタン(2 x 0.15 L)とに分配された。あわせられた有機層が、水(80 ml)で、その後ブライン溶液(30 ml)で洗われた。該有機層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥され、濾過され、そして蒸発乾固された。フラッシュカラムクロマトグラフィー (ジクロロメタン/メタノール)による精製が、2-[4-(6,7-ジメトキシ-3-キノリル)フェニル]酢酸エチル (2.5g, 7.0 mmol, 収率94%)を淡い茶色固体として与えた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.29 (3H, t, J = 7.2Hz), 3.69 (2H, s), 4.04 (3H, s), 4.06 (3H, s), 4.19 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.11 (1H, s), 7.43-7.44 (3H, m), 7.66 (2H, d, J = 7.8 Hz), 8.15 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.97 (1H, d, J =2.0 Hz).
MS m/z: 352 (M+H)+.
[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]酢酸が、<実施例1-3>において用いられた[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸メチルの代わりに[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)- フェニル]酢酸エチルを用いて、<実施例1-3>に記載された手順と類似した手順を用いて黄色固体として調製された。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 3.65 (2H, s), 3.93 (3H, s), 3.95 (3H,s), 7.41-7.42 (4H, m), 7.77 (2H, d, J = 8.3 Hz), 8.44 (1H, d, J = 2.0 Hz), 9.01 (1H, d, J = 2.0 Hz), 12.38 (1H, s).
MS m/z: 324(M+H)+.
2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]- アセトアミドが、<実施例3>において用いられた[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)- ピリジン-3-イル]酢酸の代わりに[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]酢酸を用いて、<実施例3>に記載された手順と類似した手順を用いて黄色固体として得られた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.54 (6H, s), 3.86 (2H, s), 4.05 (3H, s), 4.07 (3H, s), 6.49 (1H, s), 7.12 (1H, s), 7.44-7.46 (3H, m), 7.72-7.74 (2H, m), 8.11 (1H, s), 8.17 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.95 (1H, d, J = 2.4 Hz).
MS m/z: 500 (M+H)+.
2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]- アセトアミド メシラートが、<実施例4>において用いられた2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2- メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミドの代わりに2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミドを用いて、<実施例4>に記載された手順と類似した手順を用いて調製された。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.49 (6H, s), 3.05 (3H, s), 3.88 (2H,s), 4.11 (3H, s), 4.16 (3H, s), 6.41 (1H, s), 7.35 (1H, s), 7.49 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.55 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.90 (1H, s), 8.71 (1H, s),8.92 (1H, s),9.78 (1H, s).
MS m/z: 500 (M+H-96)+.
5-({[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]アセチル}アミノ)-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン- 2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチルが、<実施例5-2>において用いられた[6-(6,7-ジメトキシ- キノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸の代わりに[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]酢酸を用いて、<実施例5-2>に記載された手順と類似した手順を用いて無色固体として得られた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.51 (6H, s), 1.59 (9H, s), 3.83 (2H, s), 4.05 (3H, s), 4.07 (3H, s), 6.92 (1H, s), 7.11 (1H, s), 7.46-7.49 (3H, m), 7.70-7.72 (2H, m), 8.16 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.97 (1H, d, J= 2.4 Hz), 10.23 (1H, s).
MS m/z: 599 (M+H)+.
2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]- アセトアミドが、<実施例5-3>において用いられた5-({[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]アセチル}アミノ)-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチルの代わりに5-({[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)フェニル]アセチル}アミノ)-3-(1,1,1- トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチルを用いて、<実施例5-3>に記載された手順と類似した手順を用いて無色固体として得られた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.53 (6H, s), 3.81 (2H, s), 4.05 (3H, s), 4.06 (3H, s), 6.47 (1H, br s), 7.12 (1H, s), 7.25-7.29 (1H, m), 7.43-7.46 (3H, m), 7.69 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.93 (1H, s), 8.15 (1H, s), 8.94 (1H, s).
MS m/z: 499 (M+H)+.
4-ブロモ-2-フルオロフェニル酢酸 (2.5 g, 11 mmol)及び炭酸カリウム (4.5 g, 32 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド (30 mL)撹拌溶液に、ヨードメタン (0.80 mL, 13 mmol)を0℃で加え、そして該反応混合物が、1時間、室温にて撹拌された。反応混合物が一晩おかれた。室温での撹拌がさらに1時間再び始められた。反応混合物がNaHCO3 (150 mL)の水性飽和溶液と酢酸エチル(2 x 100 mL)とに分配された。あわせられた酢酸エチル層が、水(60 ml)で、その後、ブライン溶液 (30 ml)で洗われた。該有機層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥され、濾過され、そして蒸発乾固されて、無色の液体として(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)酢酸メチル(2.5 g, 10 mmol, 収率96 %)を与えた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.63 (2H, s), 3.71 (3H, s), 7.14-7.15 (1H, m), 7.24-7.25 (1H, m), 7.27-7.27 (1H, m).
2-(4-ブロモ-2-フルオロ-フェニル)酢酸メチル(0.58 g,2.3 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボラン(0.65 g, 2.6 mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.19 g, 0.23 mmol)及び酢酸カリウム(0.69 g, 7.0 mmol)の1,4-ジオキサン(8.0 mL)溶液が、1時間、100℃で加熱された。この結果として生じた混合物が、水 (2.0 mL)に溶解された3-ブロモ-6,7-ジメトキシ-キノリン (0.50 g, 1.9 mmol)及び炭酸ナトリウム (0.74 g, 7.0 mmol)が加えられ、そして100℃での撹拌が3時間続けられた。反応混合物が、水(70 mL)とジクロロメタン (2 x 70 mL) とに分配された。あわせられた有機層が、水(40 mL)で、その後ブライン溶液(20 mL)で洗われた。該有機層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥され、濾過され、そして蒸発乾固された。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール) による精製が、2-[4-(6,7-ジメトキシ-3-キノリル)-2-フルオロ-フェニル]酢酸メチル (0.64 g, 1.8 mmol)を淡い茶色固体として与えた。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.74-3.76 (5H, m), 4.05 (3H, s), 4.06 (3H, s), 7.11 (1H, s), 7.40-7.44 (4H, m), 8.14 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.95 (1H, d, J = 2.0 Hz).
MS m/z: 356 (M+H)+.
[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)-2-フルオロフェニル]酢酸が、<実施例1-3>において用いられた[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル] 酢酸メチルの代わりに[4-(6,7-ジメトキシキノリン- 3-イル)-2-フルオロフェニル] 酢酸メチルを用いて、<実施例1-3>に記載された手順と類似した手順を用いて黄色固体として得られた。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 3.70 (2H, s), 3.93 (3H, s), 3.96 (3H, s), 7.40-7.41 (2H, m), 7.49 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.64-7.65 (1H, m), 7.68-7.70 (1H, m), 8.51 (1H, s), 9.04 (1H, d, J = 2.0 Hz), 12.52 (1H, s).
MS m/z: 342 (M+H)+.
2-[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)-2-フルオロフェニル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミドが、<実施例3>において用いられた[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]酢酸の代わりに[4-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)-2-フルオロフェニル]酢酸を用いて、<実施例3>に記載された手順と類似した手順を用いて黄色固体として調製された。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.54 (6H, s), 3.87 (2H, s), 4.05 (3H, s), 4.07 (3H, s), 6.49 (1H, s), 7.12 (1H, s), 7.46-7.47 (3H, m), 7.51-7.52 (1H, m), 8.15 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.34 (1H, s), 8.93 (1H, d, J =2.4 Hz).
MS m/z: 518 (M+H)+.
<試験例1> RETキナーゼ阻害活性評価(無細胞系)
反応緩衝液(100 mM HEPES (pH 7.4)、10mMMgCl2、0.003% Brij-35、0.004% Tween-20、1mMDTT)、RET recombinant protein (RET-野生型(wild type); Invitrogen #PV3819、最終濃度 80pg/μl、もしくは、RET-Gatekeeper mutation (V804L); Invitrogen #PV4397、最終濃度 80 pg/μl)を混合して、RETキナーゼ溶液を調製した。被験化合物は、DMSOで最終濃度4000 nMとなるように調製し、さらに被験化合物サンプルは√10の希釈倍率で12濃度分を作製した。384ウェルプレートのA〜P列にRETキナーゼ溶液を19μL添加し、その後C〜N列に各濃度の被験化合物を、A, B, O, P列にジメチルスルホキシド(以下、DMSO)を1μL添加した。その後、得られた混合物をそれぞれ、室温にて20分間プレインキュベーションした。さらに反応緩衝液およびFL-Peptide 22 (PerkinElmer, #760366、最終濃度1.5μM)に、ATP(最終濃度1 mM)を含む基質溶液A、またはATPを含まない基質溶液Bを作製した。B〜O列に基質溶液Aを、A, P列に基質溶液Bを5 μL添加した。得られた混合物はそれぞれ、28℃にて45分間インキュベーションされた。40 μlの反応停止液(100 mM HEPES (pH 7.4)、0.015% Briji-35、40 mM EDTA、0.1% Coating Reagent 3)を該反応混合物に加えて、反応を停止させた。
EZ Reader II (Perkin Elmer)を用いて、基質ペプチドが反応液中のリン酸化ペプチドから分離され、基質ペプチドのピーク(S)とリン酸化ペプチドのピーク(P)から計算される生成物比(P/(P+S))が評価の為に用いられた。被験化合物の各濃度の阻害率(Inhibition)は、次の式により求めた(EZ Reader IIシステムのソフトウェアによる自動に算出)。
Inhibition (%)=100 ×(1-Ci/Co)(a)
Ci:被験化合物と基質溶液Aの反応の変換率−DMSOと基質溶液Bの反応の変換率
Co:DMSOと基質溶液Aの反応の変換率−DMSOと基質溶液Bの反応の変換率
(a)式で得られた被験化合物12濃度におけるInhibitionより、4パラメーターロジスティック回帰曲線を描かせた。このときの、4パラメーターロジスティック回帰式は次の式で表せる。
Inhibition (%)=Bottom+(Top-Bottom)/(1+(X/IC50)^Slope)(b)
Top:上方漸近線
Slope:スロープパラメータ
IC50:(Top + Bottom)/2のX値
Bottom:下方漸近線
X:被験化合物の濃度
最初に、Top、Slope、IC50、Bottomに任意の初期値(Top = 100、Slope = -1、IC50=およそのIC50、Bottom = 0)を入力し、回帰曲線を描かせ、次に、実測値と(b)式から求めた予測値の差の二乗和についての最小二乗法を実行して4パラメーターロジスティック回帰式の係数を算出し、IC50を算出した。
HUVEC細胞を1ウェルあたり1500細胞となるように播種し、一晩培養した。被検化合物(10 μM, 2,5 μM, 625 nM, 156 nM, 50 nM, 10 nM, 2.5 nM, 0.6 nM)を添加して、2時間培養した。その後、VEGF165 (Peprotech, #100-20)を最終濃度50 ng/mlになるように添加し、そして次に、該得られた混合物が37℃で5分間反応された。その後、結果として生じた細胞をAlphaLISA SureFire Ultra (Perkin Elmer, #ALSU-PVGFR-A500)に含まれている溶解バッファ(Lysis buffer)50μLにて溶解させ、そのうちの10 μlを用いて、当該assaykitの添付文書に従いAcceptor beadとDonorbeadを加えた。このように得られた混合物を室温にて一晩反応させ、そしてその後、Envision (Perkin Elmer)でKDRキナーゼ阻害活性率を測定した。
すべての値から、溶解バッファのみを加えたウェルの値をバックグラウンドとして引いた。その後、VEGFR添加され且つ被検化合物が添加されていないウェルの値をKDRキナーゼ活性100%として、得られた値を補正した。マイクロソフトエクセル 2010のGrowth関数を用いて、各被検化合物の50%阻害の値を予測させ、IC50の値として用いた。
Mycタグを付加させたRET遺伝子または、RET(V804L)変異遺伝子を過剰発現させたBa/F3細胞を、1ウェルあたり50万細胞となるように播種し、被検化合物(10 μM, 2,5 μM, 625 nM, 156 nM, 50 nM, 10 nM, 2.5 nM, 0.6 nM)を添加して2時間培養した。その後、MilliQ 9 mLにCell Lysis Buffer(Cell signaling technology, #9803)1 mL、Phosphatase inhibitor(Roche, #04906837001)を1錠、Protease inhibitor(Roche, #0469312400)を1錠添加して、1ウェルあたり20μLずつ加えた。このように得られた混合物を氷上に20分間置き、細胞を溶解させた。該細胞溶解物のうちの5μLを取り、64 nlのMyc抗体 (Cell signaling technology, #3946)とAlpha Screen Phosphotyrosine (P-Tyr-100) assay kit (Perkin Elmer, #6760620C)中に含まれている102nlのP-Tyr-100 Acceptor beadと同量のStreptavidinD onor beadを当該assay kitの添付文書に従って加えた。得られた混合物を室温にて一晩反応させ、そして次に、Envisionを用いてRETキナーゼ阻害活性率を測定した。
すべての値から、溶解バッファのみを加えたウェルの値をバックグラウンドとして引き、その後、被検化合物が添加されていないウェルの値をRETキナーゼ活性100%として、得られた値を補正した。マイクロソフトエクセル 2010のGrowth関数を用いて、各被検化合物の50%阻害の値を予測させ、IC50の値として用いた。
CCDC6-RET融合遺伝子を有する非小細胞肺がん細胞株LC-2/ad (RIKEN, J ThoracOncol. 2012 Dec, 7(12), 1872-6)の細胞増殖阻害活性の測定を行った。
96ウェルプレートに,LC-2/ad細胞を1ウェル当り5,000細胞となるように15% FBS及び25 mM HEPESを含むRPMI-1640とHam’s F12 Mixtureを1:1の割合で混合させた培地で播種し、37℃,5% CO2存在下で一晩培養した。その後、被検化合物を希釈し、96ウェルプレートに添加した。陰性対照としてジメチルスルホキシド(以下、DMSO)を添加した。得られた混合物を37℃,5% CO2存在下で9日間培養し、そしてその後、細胞数測定試薬CellTiter-Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assay(Promega, #G7571)を培養物に添加し、撹拌した。その後、発光測定装置Envisionを用いて、発光強度を測定した。培地のみのウェルでの測定値を生存率0%,DMSO添加ウェルでの測定値を生存率100%とした。被検化合物の各濃度におけるLC-2/ad細胞の生存率を算出した。マイクロソフトエクセル 2010のGrowth関数を用いて、各被検化合物の50%阻害の値を予測させ、IC50の値として用いた。
RET活性化突然変異(C634W)を有する甲状腺がん細胞株 TT (Biochemical and Biophysical Reasearch Communications. 1995 Feb 27 (207), 1022-1028)の細胞増殖阻害活性の測定を行った。
96ウェルプレートに、TT細胞を1ウェル当り5,000細胞となるように10% FBSを含むF-12K nutrient mixture培地で播種し、37℃、5%CO2存在下で一晩培養した。その後、該化合物を希釈し、96ウェルプレートに添加した。陰性対照としてジメチルスルホキシド(以下、DMSO)を添加した。該得られた混合物を37℃、5%CO2存在下で9日間培養し、そしてその後に、細胞数測定試薬CellTiter-Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assayを添加し、撹拌した。その後、発光測定装置Envision (Perkin Elmer)を用いて、発光強度を測定した。培地のみのウェルでの測定値を生存率0%、DMSO添加ウェルでの測定値を生存率100%とした。被検化合物の各濃度におけるTT細胞の生存率を算出した。マイクロソフトエクセル 2010のGrowth関数を用いて、各被検化合物の50%阻害の値を予測させ、IC50の値として用いた。
DPBS (Gibco, #14190)中に懸濁された非小細胞肺癌細胞株LC-2/ad (RIKEN, J Thorac Oncol. 2012 Dec, 7(12), 1872-6)の細胞が、等量のCorning Matrigel Basement Membrane Matrix (Corning, #354234)で混合され、そして次に、得られた混合物がNOGマウス内に皮下移植されて、腫瘍を形成させた (該NOGマウスは、in vivo Science Inc.から入手された後に順応され、そしてその後、該マウスが9週齢のときに、該細胞が該マウス内に移植された。飼料として、FR-2 (FunabashiFarm Co., Ltd.によって製造された)が用いられた。)。該腫瘍が、100〜200 mm3の大きさに達した後、該マウスは腫瘍直径に基づいて無作為化され、そして次に、実施例4の化合物(以下、本明細書において、化合物Aと言及される)の経口投与が開始された化合物Aを溶解する為の溶媒として、1% ヒドロキシプロピルメチルセルロースが用いられた。1日3回、マウスの体重当たり3mg/kg又は1 mg/kgの用量の化合物Aの経口投与が9日間続けられた[ここで、3 mg/kgの化合物 Aが1日3回投与されたグループが投与群a(■)として言及され、1 mg/kgの化合物Aが1日3回投与されたグループが投与群b(▲)として言及され、及び溶媒のみを投与されたグループがビヒクル群(◆)として言及される]。結果として、用量依存的な腫瘍退縮が観察された(図1)。この試験の間、ビヒクル群と比較して化合物A投与群において体重における有意な減少が観察されなかった。その上、化合物Aの最終投与後の2時間後及び6時間後に該腫瘍が集められ(ビヒクル群に投与は行われなかった)、そしてRET キナーゼ活性の指標として用いられた位置905でのチロシンのRETリン酸化(pRET(Y905), Nature Medicine, 18, 375-377(2012))がウェスタンブロッティング方法によって検出された。その結果、Y905のリン酸化の用量依存的抑制が確認された(図2)。
本発明の化合物(表7) 及び比較化合物(表8)の化合物のRET IC50値及びKDR IC50値(細胞系)が、以下に提供される。該比較化合物は、RETとKDRとで等効力であることは表8から明らかである。対照的に、表7は、本発明の化合物が、KDRよりもRETに対して選択的であることを示す。
ets変異体6(ETV)-RET及びETV-RET-V804Lの融合タンパク質を発現するMurine pro-B細胞、Ba/F3、が、Daiichi Sankyo RD Novare Co., Ltd.によって構築され、そして10%(v/v)の熱不活性ウシ胎児血清(FBS, GE Healthcare)及び1.5 μg/mLのピューロマイシンを補充されたRPMI1640培地(Thermo Fisher Scientific K.K.)において、5% CO2環境下、37°Cに設定されたCO2 インキュベーター内で培養された。該細胞はDPBS中に懸濁され、そして、マウスに、マウス1匹当たり1.0 × 107 細胞で皮下接種された。該腫瘍が100〜200 mm3の大きさに達した後、該マウスは腫瘍直径に基づいて無作為化され、そして、1% (w/v)のヒドロキシプロピル メチルセルロース溶液中に溶解された被験化合物(10mg/kg, 化合物 229又は実施例3)が経口投与された。対照群には、1% (w/v)のヒドロキシプロピル メチルセルロース溶液が投与された。投与の6時間後、腫瘍が採取され、そして直ちに液体窒素で凍結された。該凍結サンプルが、溶解バッファ(Cell Signaling Technology, Inc.)並びにプロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤カクテル(cocktail)(Roche Diagnostics GmbH)を用いて、ビーズミルホモジナイザー(Biomedical ScienceCo., Ltd., and Yasui Kikai Corporation)によってホモジナイズされた。腫瘍溶解物のタンパク質濃度が比色試薬(Thermo Fisher Scientific K.K.)によって定量され、そして全てが、溶解バッファによって同じ濃度に希釈された。腫瘍溶解物が還元剤(Thermo Fisher Scientific K.K.)とともにサンプルバッファに添加され、そして熱によって変性された(70°C, 10分間)。30 μg、15 μg及び15 μgのタンパク質が、それぞれphospho-RET、RET及びActinを検出する為に用いられた。タンパク質が5%〜20%のトリスHClゲル(DRC Co., Ltd.)上で分離され、そしてニトロセルロース膜(Thermo Fisher Scientific K.K.)に移された。該膜は、抗RETウサギモノクロナール抗体(1:1000希釈, カタログ番号14698,Cell Signaling Technology, Inc.)、抗ホスホRET (Y905)ラビットポリクローナル抗体(1:250希釈, カタログ番号3221, CellSignaling Technology, Inc.)、及び抗アクチンラビットポリクローナル抗体(1:4000希釈, カタログ番号sc-1616R, Santa Cruz Biotechnology,Inc.)、一次抗体、続いて抗ウサギIgGヤギ抗体HRP結合二次抗体(1:2000希釈, カタログ番号7074,Cell Signaling Technology, Inc.)でブロットされた。HRPと基質(Pierce ECL Plus Western Blotting Substrate, カタログ番号32132, Thermo Fisher Scientific K.K.)との化学発光反応が、イメージスキャナーTyphoon 9400 (GE Healthcare)によって検出された。リン酸化RET(pRET)及びRETについての信号強度が、下記の方法で定量され且つ計算された。
RETの相対的リン酸化(%):[(被験化合物で処置された試料におけるRETの平均リン酸化比)/(ビヒクルで処置された試料におけるRETの平均リン酸化比)] X100
<製剤例1>カプセル剤
実施例4又は6の化合物 50mg
乳糖 128mg
トウモロコシデンプン 70mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
250mg
上記処方の粉末を混合し、そして次に、60メッシュのふるいを通した。その後、この粉末を250 mgのゼラチンカプセルに入れて、カプセル剤とした。
実施例4又は6の化合物 50mg
乳糖 126mg
トウモロコシデンプン 23mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
200mg
上記処方の粉末を混合し、そしてその後、該混合物はトウモロコシデンプン糊を用いて造粒し、そして次に乾燥された。打錠機を用いて、錠剤は該反抗混合物から作られた(1錠200 mgの錠剤)。これらの錠剤は、必要に応じて糖衣を施されることができる。
Claims (22)
- 下記一般式(I)
[式中、Aは、以下の式(Ia)乃至(Id)から選択される1つを示し、
- 下記構造式で表される化合物から選択される1つ又は2つ以上の化合物。
- 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[5-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-3-イル]アセトアミド。
- 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1,2-オキサゾール-5-イル]アセトアミド。
- 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド。
- 2-[6-(6,7-ジメトキシキノリン-3-イル)ピリジン-3-イル]-N-[1-メチル-3-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトアミド。
- 請求項2乃至6のいずれか1項に記載の化合物の薬学的に許容される塩。
- 請求項2乃至6のいずれか1項に記載の化合物のメタンスルホン酸塩。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するRETキナーゼ阻害剤。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
- RETキナーゼの活性化突然変異若しくは発現増大を原因とする疾患、RETキナーゼの活性化突然変異と関連する疾患又は、RETキナーゼの活性化突然変異を伴う疾患の治療のための請求項10に記載の医薬。
- がんの予防又は治療における使用のための、請求項10に記載の医薬。
- RETキナーゼの活性化突然変異又は発現増大を原因とするがんの治療における使用のための、請求項10に記載の医薬。
- 肺がん、甲状腺がん、乳がん又は大腸がんの治療における使用のための、請求項10に記載の医薬。
- 医薬組成物を製造するための、請求項1乃至8のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩の薬理的な有効量を、温血動物に投与することを含む、がんの治療若しくは予防方法。
- 疾患の治療若しくは予防のための方法における使用のための、請求項1乃至8のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
- 治療において用いるための、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩。
- がんの治療若しくは予防において使用するための、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩。
- がんの治療若しくは予防のための医薬品の製造において、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩を用いる方法。
- がんを治療若しくは予防することを必要とする対象においてがんを治療若しくは予防する方法であって、該対象に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された化合物又はその薬学的に許容される塩の治療的に有効な量を投与することを含む、上記方法。
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