JP2019530779A - 熱可塑性エラストマーを含むタイヤトレッド - Google Patents
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Abstract
Description
走行中、タイヤトレッドは、トレッド内に初期の亀裂を発生させる作用を有する、地面との直接接触から生じる機械的応力および攻撃を受ける。これらの応力およびこれらの攻撃は、車輪が回転するたびに周期的にトレッドに加わる。この周期性の結果は、トレッド内に発生させた初期の亀裂がトレッドの表面または内部に伝播する傾向があるということである。トレッド内の亀裂伝播は、トレッドに損傷を与えることになり、したがってトレッドまたはタイヤの寿命を短くする可能性がある。
したがって、トレッドの寿命に対する初期の亀裂の影響を最小限に抑えるのに充分に高い亀裂伝播に対する抵抗をトレッドが示す利用可能なタイヤを有することが重要である。この問題を解決するために、例えば、タイヤ製造業者は、表3.7、「エラストマー特性の比較」 pp.162-163, Rubber Technology Handbook, Hofmann, Hanser Publishers (1989)に記載されているような天然ゴムの亀裂伝播に対する抵抗特性のためにトレッドに天然ゴムを使用している。
この亀裂伝播に対する抵抗を改善するために他の解決策もなされており、特に出願WO 2015/091933号においては、ジエンエラストマーマトリックスに少量のスチレン系熱可塑性エラストマーを添加することを提案している。
それにもかかわらず、転がり抵抗を不利にせず、実は改善しつつも、タイヤトレッドの亀裂伝播に対する抵抗をさらに改善することが依然として必要とされている。これらの改善は、硬化特性のような組成物の他の特性を犠牲にして行われるべきではないことが好ましい。
したがって、本発明の第1の主題は、少なくとも下記の成分をベースとする組成物を含むタイヤトレッドである:
−下記のエラストマーを含むエラストマーマトリックス:
・ 50phrと100phrの間の、少なくとも1つのスチレン剛性セグメントと、ジエン可撓性セグメントの質量に対して少なくとも20質量%の共役ジエン単位を含み、前記共役ジエン単位が全体的にまたは部分的に水素化されていてもよい、少なくとも1つのジエン可撓性セグメントとを含む、スチレン系熱可塑性エラストマー、
・ 0phrと50phrの間の、ジエンエラストマー質量に対して50質量%を超えるポリイソプレンを含む、ジエンエラストマー、
−補強用充填剤。
本発明の別の主題は、本発明に従うトレッドを含むタイヤである。
「エラストマー100質量部当たりの質量部」(またはphr)という表現は、本発明の意味の範囲内で、合せたエラストマー、熱可塑性エラストマーおよび非熱可塑性エラストマーの100質量部当たりの質量部を意味するものとして理解すべきである。本発明の意味の範囲内で、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)はエラストマーの中に含まれる。
本明細書において、他に明示的に示されていない限り、示されている全ての百分率(%)は、質量百分率(%)である。
さらに、「aとbの間」という表現によって示される値の任意の範囲はaよりも大きくからbよりも小さいまでの値の範囲を表し(すなわち、限界値aとbは除外する)、一方「aからbまで」という表現によって示される任意の範囲の値は、aからbまでの範囲を意味する(すなわち、厳格な限定値aおよびbを包含する)。本明細書において、値の範囲が「aからbまで」という表現によって示される場合、「aとbの間」という表現によって表される範囲も示されることが好ましい。
「主な」化合物に言及する場合、本発明の意味の範囲内で、この化合物が組成物中の同じ種類の化合物の中で優勢であること、すなわちそれが同じ種類の化合物の中で最も多くの量、例えば、化合物の種類の全質量に対して50質量%を超え、60質量%を超え、70質量%を超え、80質量%を超え、90質量%を超え、実に100%さえ表すものであることを意味すると理解される。したがって、例えば、主な補強用充填剤は、組成物中の補強用充填剤の全質量に対して最大の質量を表す補強用充填剤である。対照的に、「少量の」化合物は、同じ種類の化合物の中で最大の質量分率を表さない化合物である。
本発明の文脈では、本明細書に記載の炭素製品は化石由来でもバイオベース由来でもよい。後者の場合、それらは、部分的にまたは全体的に、バイオマスに由来するか、またはバイオマスに由来する再生可能な原料から得ることができる。特に、ポリマー、可塑剤、充填剤などが関係する。
II-1 エラストマーマートリックス
上記のように、上記エラストマーマトリックス(またはエラストマーマトリックス)は下記を含む:
・ 50phrと100phrの間の、少なくとも1つのスチレン剛性セグメントと、ジエン可撓性セグメントの質量に対して少なくとも20質量%の共役ジエン単位を含み、上記共役ジエン単位が全体的にまたは部分的に水素化されていてもよい、少なくとも1個のジエン可撓性セグメントとを含む、スチレン系熱可塑性エラストマー、
・ 0phrと50phrの間の、ジエンエラストマー質量に対して50質量%を超えるポリイソプレンを含むジエンエラストマー。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも1つのスチレン剛性セグメントと、可撓性セグメントの質量に対して少なくとも20質量%の共役ジエン単位を含み、上記共役ジエン単位が全体的にまたは部分的に水素化されていてもよい、少なくとも1個のジエン可撓性セグメントとを含む。上記剛性セグメントと可撓性セグメントは、直鎖状、星状または枝分れに配置することができる。
可撓性セグメントはエラストマー型ポリマーブロックを指し、剛性セグメントは熱可塑性型ポリマーブロックを指す。
上記可撓性ジエンは、少なくとも20質量%の共役ジエンモノマー単位(共役ジエン単位とも呼ばれる)を含む。可撓性ジエンセグメントは、共役ジエンのホモポリマー、またはいくつかの共役ジエンのブロックコポリマーもしくはランダムコポリマー、あるいは1個以上の共役ジエンと少なくとも1個の他の非ジエンモノマー、例えばスチレンモノマーとのコポリマーであり得る。
上記ジエン可撓性セグメントを形成する共役ジエン単位の含有量は、上記ジエン可撓性セグメントの質量の、好ましくは少なくとも50質量%、より好ましくは少なくとも60質量%、さらにより好ましくは少なくとも70質量%である。有利には、それは上記ジエン可撓性セグメントの質量の少なくとも80質量%である。これらの含有量は、好ましいかどうかに関わらず、本発明の実施態様のいずれにも当てはまる。
上記スチレン剛性セグメントのガラス転移温度は、80℃を超えることが有利である。好ましくは、剛性スチレンはポリスチレンである。
上記スチレン剛性セグメントは、スチレンモノマーのホモポリマー、またはいくつかのスチレンモノマーのブロックもしくはランダムコポリマー、あるいは1種以上のスチレンモノマーと別の非スチレンモノマー、例えば1,3-ジエンとのコポリマーであり得る。
スチレンモノマーは、本明細書においてスチレンまたは置換スチレンを意味すると理解されるべきである。置換スチレンの中では、例えば、メチルスチレン(例えば、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、α,2-ジメチルスチレン、α,4-ジメチルスチレンまたはジフェニルエチレン)、パラ-(tert-ブチル)スチレン、クロロスチレン(例えば、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン、2,4-ジクロロスチレン、2,6-ジクロロスチレンまたは2,4,6-トリクロロスチレン)、ブロモスチレン(例えば、o-ブロモスチレン、m-ブロモスチレン、p-ブロモスチレン、2,4-ジブロモスチレン、2,6-ジブロモスチレンまたは2,4,6-トリブロモスチレン)、フルオロスチレン(例えば、o-フルオロスチレン、m-フルオロスチレン、p-フルオロスチレン、2,4-ジフルオロスチレン、2,6-ジフルオロスチレンまたは2,4,6-トリフルオロスチレン)またはパラ-ヒドロキシスチレンも挙げることができる。
単一のジエン可撓性セグメントに結合された単一のスチレン剛性セグメントから構成されるジブロックは、スチレン/ブタジエン(SB)ブロックコポリマー、スチレン/イソプレン(SI)ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBI)ブロックコポリマーおよびこれらのコポリマーの混合物を含むかまたはこれらからなる群から選択され得る。この指示において、ジエン可撓性ブロックはランダムコポリマーまたはブロックコポリマーである。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも2つのスチレン剛性セグメントを含むスチレン系熱可塑性エラストマーを含むことが好ましいか、またはそれからなることが好ましい。好ましくはさらにまた、上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも2つのスチレン剛性セグメントを含むスチレン系熱可塑性エラストマーを主に含む。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーが少なくとも2つのスチレン剛性セグメントを含むスチレン系熱可塑性エラストマーを含む場合、一般に上記スチレン系熱可塑性エラストマーの少なくとも2つの鎖末端に各々スチレン剛性セグメントを備え、上記スチレン剛性セグメントは上記ジエン可撓性セグメント(1個または複数個)を介して結合される。好ましくは、少なくとも2個のスチレン剛性セグメントを含む上記スチレン系熱可塑性エラストマーはトリブロックである。その場合、トリブロックは2つのスチレン剛性セグメントと1つのジエン可撓性セグメントから構成される。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーがジブロックまたはトリブロックである場合、「少なくとも1つの可撓性セグメント」という指示は、上記スチレン系熱可塑性エラストマー中に存在する可撓性セグメントを意味する。上記スチレン系熱可塑性エラストマーがジブロックでもトリブロックでもない場合、「少なくとも1つの可撓性セグメント」という指示は、上記熱可塑性スチレンエラストマー中に存在する可撓性セグメントを意味する。
本発明によれば、上記ジエン可撓性セグメントのジエン単位の一部は水素化され得る。あるいは、上記ジエン可撓性セグメントのジエン単位の全てが水素化され得る。上記ジエン可撓性セグメントのジエン単位の一部の二重結合が水素化以外の方法によって単結合に還元されているスチレン系熱可塑性エラストマーを同等に使用し得ることは当業者には理解されるであろう。ジエン単位の二重結合を単結合に還元することを可能にする方法の中で、例えば、水素化アルミニウムまたはジイミンによる還元を挙げることができる。
上記熱可塑性エラストマーのジエン可撓性セグメントのジエン単位の全てが水素化されるとき、2つのスチレン剛性セグメントと1つのジエン可撓性セグメントとからなるトリブロックは、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEEPS)ブロックコポリマーおよびこれらのコポリマーの混合物を含むかまたはそれらからなる群から選択され得る。この指示において、可撓性水素化ジエンブロックはランダムコポリマーまたはブロックコポリマーである。
有利には、上記スチレン剛性セグメントの質量含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマーの5質量%と40質量%の間である。示された最小値より低いと、スチレン系熱可塑性エラストマーの熱可塑性は大幅に低下するリスクがあり、一方推奨される最大値より高いと、上記組成物の弾性は影響を受ける可能性がある。これらの理由から、上記スチレン系熱可塑性エラストマー中のスチレン剛性セグメントの質量含有量は、上記熱可塑性スチレン系エラストマーの質量の好ましくは10%〜35%、より好ましくは10%〜20%の範囲内である。これらの含有量は、好ましいかどうかに関わらず、非常に詳しくはポリスチレンが上記熱可塑性スチレンエラストマーのスチレン剛性セグメントを形成するときには、本発明の実施態様のいずれにも当てはまる。
モル質量は、知られているとおり、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により決定される。試料をあらかじめ約1g/lの濃度でテトラヒドロフランに溶解し、次いで、注入前にその溶液を0.45μmの多孔性フィルターで濾過する。使用される装置は、Waters Allianceクロマトグラフィー系である。溶出溶媒はテトラヒドロフラン、流速は0.7ml/分、システムの温度は35℃、分析時間は90分である。商品名STYRAGEL(HMW7、HMW6E、および2本のHT6E)による一組の直列の4本のWATERSカラムが使用される。ポリマー試料の溶液の注入量は100μlである。検出器はWaters 2410示差屈折計であり、クロマトグラフィーデータを利用するためのそれに関連するソフトウェアはWaters Millenniumシステムである。計算された数平均モル質量は、ポリスチレン標準によって作られた検量線に関連している。
当然のことながら、上記熱可塑性スチレンエラストマーが本発明に従うスチレン系熱可塑性エラストマーの混合物であるとき、示された含有量は混合物に適用され、上記熱可塑性スチレンエラストマーの各々には適用されない。
本発明によれば、上記スチレン系熱可塑性エラストマーのガラス転移温度は、−20℃未満である。このガラス転移温度(Tg)は、一般に、上記スチレン系熱可塑性エラストマーのジエン可撓性セグメントのガラス温度に起因する。ガラス転移温度は、規格ASTM D3418(1999)に従う示差走査熱量計によって測定される。好ましくは、上記スチレン系熱可塑性エラストマーのTgは、好ましくは−30℃未満、より好ましくは−40℃未満、さらにより好ましくは−50℃未満である。
本発明に従うトレッドの組成物は、少なくとも1種のポリイソプレンを主に含む0phrと50phrの間のジエンエラストマーを含む。したがって、本発明に従う組成物は、ジエンエラストマーとして、単一のポリイソプレン、またはポリイソプレンと1種以上の他のジエンエラストマーとの混合物を含有することができ、上記ジエンエラストマーは主にポリイソプレンから構成される。
「ジエン」型のエラストマー(または「ゴム」、2つの用語は同義と見なされる)が、知られているとおり、少なくとも一部(すなわち、ホモポリマーまたはコポリマー)がジエンモノマー(2つの共役または非共役炭素−炭素二重結合を有するモノマー)から得られる1種のエラストマー(1種以上のエラストマーと理解される)を意味すると理解すべきであることがここで想起される。
これらのジエンエラストマーは、「本質的に不飽和」または「本質的に飽和」の2つのカテゴリーに分類することができる。「本質的に不飽和」は、一般に、少なくとも部分的に15%(mol%)を超えるジエン由来単位(共役ジエン)の含有量を有する共役ジエンモノマーから得られるジエンモノマーを意味すると理解される;したがって、ブチルゴムのようなジエンエラストマーまたはEPDM型のジエンとα-オレフィンとのコポリマーは上記の定義の範囲内に入らず、特に「本質的に飽和」のジエンエラストマー(低いまたは非常に低い含有率、常に15%未満のジエン由来単位)として記載することができる。「本質的に不飽和」のジエンエラストマーのカテゴリーでは、「高度不飽和」のジエンエラストマーは、特にジエン由来単位の含有率(共役ジエン)が50%を超えるジエンエラストマーを意味すると理解される。
(a)4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られる任意のホモポリマー;
(b)1種以上の共役ジエンを互いにまたは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合することによって得られる任意のコポリマー;
(c)エチレンと3〜6個の炭素原子を有するα-オレフィンと、6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる三元コポリマー、例えば、エチレンとプロピレンと、前述の種類の非共役ジエンモノマー、特に1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンとから得られるエラストマー;
(d)イソブテンとイソプレンとのコポリマー(ブチルゴム)、さらにこの種類のコポリマーのハロゲン化の変形、特に塩素化または臭素化の変形。
ジエンエラストマーは任意の種類のジエンエラストマーにあてはまるが、タイヤの当業者は、本発明が、特に上記(a)または(b)の種類の本質的に不飽和のジエンエラストマーと用いられることが好ましいことを理解するであろう。
特に共役ジエンとして、下記のものが適切である:1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンまたは2,4-ヘキサジエン。ビニル芳香族化合物として、例えば、下記のものが適切である:スチレン、オルト-、メタ-またはパラ-メチルスチレン、市販の「ビニルトルエン」混合物、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼンまたはビニルナフタレン。
本発明によれば、上記ジエンエラストマーは主に少なくとも1種のポリイソプレンを含む。言い換えれば、上記ジエンエラストマーは、ジエンエラストマー質量に対して50質量%を超えるポリイソプレンを含む。好ましくは、上記ジエンエラストマーは、ジエンエラストマー質量に対して60質量%〜100質量%、好ましくは70質量%〜100質量%、実際にはそれ以上のポリイソプレンを含む。
「ポリイソプレン」は、知られているとおり、イソプレンホモポリマーまたはコポリマー、言い換えれば可塑化または解膠することができる天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、異なるイソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選択されるジエンエラストマーを意味すると理解される。イソプレンコポリマーの中では、特にイソブテン/イソプレン(ブチルゴムIIR)、イソプレン/スチレン(SIR)、イソプレン/ブタジエン(BIR)またはイソプレン/ブタジエン/スチレン(SBIR)のコポリマーが挙げられる。
より好ましくは、上記ポリイソプレンは天然ゴム、合成ポリイソプレンまたはそれらの混合物である。より好ましくは、上記ポリイソプレンは天然ゴムである。
ジエンエラストマー含有量は0phrと50phrの間である。有利には、本発明に従うトレッド組成物中のジエンエラストマー含有量は、0phrと45phrの間、好ましくは5phrと40phrの間、より好ましくは10phrと35phrの間である。
単一のイソプレンエラストマー、または少なくとも1種のポリイソプレンと1種以上のジエンエラストマーとの混合物を含有するかどうかに関わらず、本発明の組成物はジエンエラストマー以外の任意のタイプの合成エラストマー、実にエラストマー以外のポリマー、例えば熱可塑性ポリマーとさえも組合せて使用することができ、エラストマーマトリックス(ジエンエラストマーおよび合成エラストマー、ならびに上述のポリマーが含まれる)は主にポリイソプレンを含むことが理解される。しかしながら、有利には、上記スチレン系熱可塑性エラストマーと上記ジエンエラストマーのみが上記エラストマーマトリックスを構成し、これは上記エラストマーマトリックスが最初のジエンエラストマーとスチレン系熱可塑性エラストマー以外の他のエラストマーを含有しないことを意味する。
本発明に従うタイヤの組成物は、タイヤの製造に使用することができるゴム組成物を補強するその能力について知られている補強用充填剤を含むことが有利である。
上記補強用充填剤は、カーボンブラック、カーボンブラック以外の有機充填剤、無機充填剤、またはこれらの充填剤の少なくとも2つの混合物を含み得る。好ましくは、上記補強用充填剤はカーボンブラック、補強用無機充填剤またはそれらの混合物の1つを含む。さらにより好ましくは、上記補強充填剤は主にカーボンブラックを含み、わずかに無機充填剤を含む。特に有利には、上記補強用充填剤は、50質量%〜100質量%、好ましくは55質量%〜90質量%、好ましくは60質量%〜80質量%のカーボンブラックを含む。
そのような補強用充填剤は、典型的には、(質量)平均サイズが1マイクロメートル未満、一般に500nm未満、最も頻繁には20nmと200nmの間、特により好ましくは20nmと150nmの間である粒子からなる。
本発明によれば、補強用充填剤、好ましくはカーボンブラックを主に含む補強用充填剤の含有量は、10〜160phr、好ましくは25〜100phr、好ましくは35〜85phr、好ましくは45〜65phrの範囲内であり得る。
カーボンブラック類以外の有機充填剤の例としては、出願WO 2006/069792号、WO 2006/069793号、WO 2008/003434号およびWO 2008/003435号に記載されているような官能化ポリビニル有機充填剤を挙げることができる。
シリカ質タイプ、好ましくはシリカ(SiO2)の鉱質充填剤は、補強用無機充填剤として特に適している。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/g、特に60m2/gと300m2/gの間であるBET表面積とCTAB比表面積を示す任意の沈降シリカまたはヒュームドシリカであり得る。高分散性沈降シリカ(「HDS」)としては、例えば、DegussaからのUltrasil 7000およびUltrasil 7005シリカ類、RhodiaからのZeosil 1165MP、1135MPおよび1115MPシリカ類、PPGからのHi−Sil EZ150Gシリカ、HuberからのZeopol 8715、8745および8755シリカ類、または、出願WO 03/16387号に記載されているような高比表面積を有するシリカ類が挙げられる。
また、アルミナ型の鉱物充填剤、特にアルミナ(Al2O3)もしくは水酸化(酸化)アルミニウム、または、例えばUS 6 610 261号およびUS 6 747 087号に記載されている補強用酸化チタンも補強用無機充填剤として適している。
上記補強用無機充填剤が備える物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒、ビーズまたは他の適切な緻密化形態のいずれであっても重要でない。当然のことながら、「強化用無機充填剤」という用語もまた、異なる補強用無機充填剤の混合物、特に上述のような高分散性シリカ質および/またはアルミナ質充填剤も意味すると理解される。
上記補強用無機充填剤を上記ジエンエラストマーにカップリングするために、よく知られているとおり、上記無機充填剤(その粒子の表面)と上記ジエンエラストマーの間の充分な化学的および/または物理的結合を与えることを意図した少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)が使用される。特に、少なくとも二官能性のオルガノシランまたはポリオルガノシロキサンが使用される。
当業者は、カップリング剤の例を下記の文献に見出すことができる:WO 02/083782号、WO 02/30939号、WO 02/31041号、WO 2007/061550号、WO 2006/125532号、WO 2006/125533号、WO 2006/125534号、US 6 849 754号、WO 99/09036号、WO 2006/023815号、WO 2007/098080号、WO 2010/072685号およびWO 2008/055986号。
本発明に従うゴム組成物は、上記カップリング剤に加えて、カップリング活性剤、無機充填剤被覆剤、またはより一般的には、知られているとおり、ゴムマトリックス中への充填剤の分散の改善および組成物の粘度の低下によって、それらの未硬化状態での加工の容易さを改善することのできる加工助剤を含むことができ、これらの加工助剤は、例えば、加水分解性シラン、例えばアルキルアルコキシシラン(特にアルキルトリエトキシシラン)、ポリオール、ポリエーテル(例えばポリエチレングリコール)、一級、二級または三級アミン(例えば、トリアルカノールアミン)、ヒドロキシル化または加水分解性POS、例えばα,ω-ジヒドロキシポリオルガノシロキサン(特にα,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン)、または脂肪酸、例えば、ステアリン酸である。
本発明に従うトレッド組成物は、また、エラストマー組成物に通例使用される通常の添加剤の全部または一部、例えば、可塑剤、顔料、保護剤、例えば抗オゾンワックス、オゾン劣化防止剤もしくは酸化防止剤、抗疲労剤、架橋系、加硫促進剤もしくは遅延剤、加硫活性剤を含むことができる。本発明によれば、上記架橋系はイオウをベースとすることが好ましいが、それはイオウ供与体、過酸化物、ビスマレイミドまたはそれらの混合物をベースとすることもできる。
本発明は、任意のタイプのタイヤに適用することができる。本発明に従うタイヤは、乗用車タイプの自動車、SUV(「スポーツ用多目的車」)、二輪車(特にオートバイ)、航空機、またはバン類、「大型」車両、すなわち地下鉄列車、バス、重量道路輸送車(トラック、トラクター、トレーラー)、道路外車両、例えば農業用車両もしくは土木用車両などから選ばれる産業用車両に装着することを意図する。
したがって、本発明の別の主題は、本発明に従うトレッドを含むタイヤである。
タイヤは、特にトレッドを含み、それの走行面は、材料の縁部さらに空隙を生成するように、レリーフ(ブロック、リブ)における要素の範囲を定める複数の溝によって形成されたパターンを備える。これらの溝は、上記トレッドの総容積(レリーフの要素の容積およびすべての溝の容積の両方が含まれる)に対して本明細書において「空隙容積比」を示す百分率によって表される空隙容積を表す。ゼロの空隙容積比は、溝または空隙のないトレッドを示す。
本発明は、土木用車両および大型車両、より詳しくはそれのタイヤが特定の応力をかなり受ける土木用車両を意図したタイヤに特によく適している。したがって、有利には、本発明に従うタイヤは、土木用車両または大型車両、好ましくは土木用車両のためのタイヤである。
本発明に従うトレッドは、1つ以上の溝を有することができ、それの平均深さは15〜120mm、好ましくは65〜120mmの範囲である。
本発明に従うタイヤは、20〜63インチ(51〜160cm)、好ましくは35〜63インチ(89〜160cm)の直径を有することができる。
さらに、本発明に従うトレッド全体に対する平均空隙容積率は、5%〜40%、好ましくは5%〜25%の範囲であり得る。
本発明のタイヤに使用される組成物は、適切なミキサー内で、当業者に周知の一般手順に従う2つの連続する調製段階を使用して製造し得る:80℃と140℃の間、好ましくは100℃と125℃の間の最高温度までの高温において熱機械的加工または混練する第1段階(しばしば「非生産」段階と記載される)、その後の、典型的には100℃よりも低い、例えば60℃と100℃の間の低めの温度に下げて機械的に加工する第2段階(しばしば「生産」段階と記載される)、この仕上げ段階において化学架橋系、特に架橋系を混入する。
一例として、上記第1(非生産)段階は、1回の熱機械的段階において実施し、その間に、架橋系を除いて、全ての必須構成成分および他の各種添加剤を通常の密閉ミキサーのような適切なミキサー内に導入する。この非生産段階における混練の全持続時間は、2分と10分の間が好ましい。上記第1非生産段階においてこのようにして得られた混合物を冷却した後に、架橋系を低温で、一般に、オープンミルのような外部ミキサーに混入する;次いで全体を数分間、例えば5分と15分の間混合する(生産段階)。
そのようにして得られた最終組成物は、引続き、例えば、特に試験室特性決定用のシートまたはプレートの形にカレンダー加工するか、あるいは、例えば、トレッドとして使用することができるゴム形状要素の形に押出加工する。
本発明は、未硬化状態(すなわち、硬化前)および硬化状態(すなわち、架橋または加硫後)の両方で前述したタイヤおよびタイヤトレッドに関する。
本発明の前述の特徴、さらに他の特徴は、例示として限定ではなく示される、本発明のいくつかの典型的実施態様の下記の説明を読むことでよりよく理解されるであろう。
III-1 使用した測定と試験
流動測定:
測定は、規格DIN 53529−パート3(1983年6月)に従い、振動ディスクレオメーターによって150℃で実施する。時間の関数としてのレオメトリートルクの変化、Δトルクは、加硫反応の結果としての上記組成物の剛性化の変化を記載する。測定は、規格DIN 53529−パート2(1983年3月)に従って処理される:T0は、誘導時間(分で表わされる)、すなわち、加硫反応の開始に必要な時間である;Tα(例えばT99)は、α%の変換、すなわち最小トルクと最大トルクの間の差のα%(例えば99%)に達するのに必要な時間である。加硫の速度論を評価することを可能にする、30%と80%の間の変換で計算された、一次のK(min-1で表される)を示す変換速度定数もまた測定される。結果は、ベース100で表される。
下記に説明するように、MTSからの381タイプのサイクル疲労デバイス(Elastomer Test System)を使用してゴム組成物の試験標本について亀裂速度を測定した。
亀裂抵抗性は、最初に収容され(最初の引張サイクルの後)、次いでノッチを付けた試験標本に対して引張反復動作を使用して測定する。引張試験標本は、例えば厚さが1mmと2mmの間、長さが130mmと170mmの間、幅が10mmと15mmの間の平行六面体形状のゴムプレートから構成され、2つの横方向の端部が各々引張試験デバイスのジョーに固定できるように、長さ方向に円筒状ゴムストリップ(直径5mm)で覆われている。このようにして作製した試験標本を新しい状態で試験する。試験は、空気中20℃、60℃または80℃の温度で行われた。収容後、剃刀の刃を使用して長さが15mmと20mmの間の3つの非常に細いノッチを、幅中央で作成し、試験標本の長さの方向に各端に1つと中央に1つ一列に合せた後、試験を開始する。引張サイクルごとに、試験標本の歪みの度合いは、エネルギー復元レベル(亀裂の進行中に放出されるエネルギー量)を約500J/m2以下の値に一定に保つように自動的に調整される。亀裂伝播速度は、1サイクルごとにナノメートルで測定される。
亀裂伝播に対する抵抗は、対照の伝播速度を混合物の伝播速度で割ることによって相対単位(r.u.)で表され、速度は同じエネルギー復元レベルで測定される。
動的特性G*(50%)とtan(δ)maxは、規格ASTM D 5992-96に従って、粘度分析計(Metravib V A4000)により測定する。規格ASTM D 1349-99に従って、60℃で、10Hzの周波数にて、単純な交互正弦波剪断応力に供した、加硫組成物のサンプル(厚さが4mmと断面が400mm2の円筒状試験標本)の応答を記録する。ピーク間歪み振幅掃引を0.1%から50%まで(外向きサイクル)、次いで50%から1%まで(戻りサイクル)で実施する。使用された結果は複素動的剪断弾性率(G*)と損失係数tan(δ)である。戻りサイクルについて、観察されたtan(δ)の最大値(tan(δ)max)、さらに60℃で50%歪みでの複素動的剪断弾性率G*が示される。60℃で50%戻りのG*の値は材料の剛性を表すことを思い起こすべきである:60℃で50%戻りのG*が大きいほど、材料は硬い。さらに、60℃でのtan(δ)maxの値が低いほど、上記組成物のヒステリシスが低くなり、したがってその転がり抵抗が改善される。結果はベース100で表される。
下記の試験を次のように実施する:内部ミキサー(最終充填率:約70容量%)に上記ジエンエラストマー、上記スチレン系熱可塑性エラストマー、上記補強用充填剤および上記加硫系を除く他の各種成分を導入し、その初期容器温度は約60℃である。次いで、熱機械的作業(非生産的段階)を1段階で実施し、それは165℃の最高「降下」温度に達するまで、合計で約3〜4分続く。
このようにして得られた混合物を回収し、冷却し、次いでイオウおよびスルフェンアミド型促進剤を30℃のミキサー(ホモフィニシャー)に混入し、全体(生産相)を適当な時間混合する(例えば5分と12分の間に)。
このようにして得られた組成物は、次にそれらの物理的または機械的性質を測定するためにゴムのプレート(厚さ2〜3mm)または薄いシートのいずれかの形にカレンダー加工するか、または形状要素の形に押出加工する。
上記組成物IおよびCの配合は表Iに記載されている。これらの組成物は上記項目III-2に記載された方法に従って製造した。
組成物Iは、上記エラストマーマトリックスが天然ゴムおよび50phrを超える熱可塑性スチレンエラストマーを含むという点で本発明に従う。
対照組成物Cは正確に50phrのスチレン系熱可塑性エラストマーを含み、これはスチレン系熱可塑性エラストマー含有量に対して請求されている値の範囲外であるので本発明に従わない。
これらの組成物の亀裂伝播抵抗、剛性および転がり抵抗は、上記項目III-1に記載されたプロトコールに従って測定した。
結果は、対照組成物Cに対してベース100で示される。誘導時間TOおよび変換速度定数Kに関して、対照よりも大きい値は、それぞれ、配合物の早期加硫に関してより良好な安全性およびより良好な硬化速度を示す。亀裂伝播抵抗およびG* 60℃での50%歪みに関して、対照よりも大きい値は改善された結果、すなわちそれぞれ亀裂伝播に対する優れた抵抗性およびより高い剛性を示す。60℃でのtan(δ)maxの値が低いほど、組成物のヒステリシスが低くなり、従ってその転がり抵抗が改善される。合せた結果は表IIに記録されている。
(1)天然ゴム
(2)Kratonが販売しているSIS,D1161
(3)Evonikが販売しているUltrasil VN3
(4)N115
(5)Sasol Mariからの6000〜20 000g/molのMnを有するポリエチレングリコール
(6)Flexsysが販売しているN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、Santocure CBS
Claims (26)
- 少なくとも下記の成分をベースとする組成物を含むタイヤトレッド:
−下記のエラストマーを含むエラストマーマトリックス:
・ 50phrと100phrの間の、少なくとも1つのスチレン剛性セグメントと、ジエン可撓性セグメントの質量に対して少なくとも20質量%の共役ジエン単位を含み、前記共役ジエン単位が全体的にまたは部分的に水素化されていてもよい、少なくとも1つのジエン可撓性セグメントとを含む、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、
・ 0phrと50phrの間の、ジエンエラストマー質量に対して50質量%を超えるポリイソプレンを含む、ジエンエラストマー、
−補強用充填剤。 - 前記ジエンエラストマーが、ジエンエラストマー質量に対して60質量%〜100質量%、好ましくは70質量%〜100質量%のポリイソプレンを含む、請求項1記載のトレッド。
- 前記ポリイソプレンが、前記ポリイソプレンの少なくとも90質量%のシス-1,4-単位の質量含有量を含む、請求項1または2記載のトレッド。
- 前記ポリイソプレンが、天然ゴム、合成ポリイソプレンまたはそれらの混合物の1つである、請求項3記載のトレッド。
- 前記TPSのジエン可撓性セグメントが、前記TPSのジエン可撓性セグメントの質量に対して少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも60質量%の共役ジエン単位を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載のトレッド。
- 前記TPSのジエン可撓性セグメントの共役ジエン単位が1,3-ブタジエン単位および/またはイソプレン単位を含有する、請求項1〜5のいずれか1項記載のトレッド。
- 前記TPSのスチレン剛性セグメントのガラス転移温度が、80℃を超える、請求項1〜6のいずれか1項記載のトレッド。
- 前記TPSのスチレン剛性セグメントが、ポリスチレンである、請求項1〜7のいずれか1項記載のトレッド。
- 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、少なくとも2つのスチレン剛性セグメントを含むスチレン系熱可塑性エラストマーを含む、請求項1〜8のいずれか1項記載のトレッド。
- 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、少なくとも2つのスチレン剛性セグメントを含むスチレン系熱可塑性エラストマーを主に含む、請求項9記載のトレッド。
- 少なくとも2つのスチレン剛性セグメントを含む前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、2つのスチレン剛性セグメントと1つのジエン可撓性セグメントとから構成されるトリブロックである、請求項9または10記載のトレッド。
- 2つのスチレン剛性セグメントと1つのジエン可撓性セグメントとから構成される前記トリブロックが、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)ブロックコポリマー、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエン/イソプレン/スチレン(SBIS)ブロックコポリマーおよびこれらのコポリマーの混合物からなる群から選択される、請求項11記載のトレッド。
- 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、ジエン可撓性セグメントに結合したスチレン剛性セグメントを含むジブロックをさらに含む、請求項9〜12のいずれか1項記載のトレッド。
- ジエン可撓性セグメントに結合したスチレン剛性セグメントを含む前記ジブロックが、スチレン/ブタジエン(SB)ブロックコポリマー、スチレン/イソプレン(SI)ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBI)ブロックコポリマーおよびこれらのコポリマーの混合物からなる群から選択される、請求項13記載のトレッド。
- 前記TPSのジエン可撓性セグメントの共役ジエン単位の一部が水素化されている、請求項1〜14のいずれか1項記載のトレッド。
- 前記TPSのジエン可撓性セグメントの共役ジエン単位の全部が水素化されている、請求項1〜14のいずれか1項記載のトレッド。
- 2つのスチレン剛性セグメントと1つのジエン可撓性セグメントとから構成される前記トリブロックが、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEEPS)ブロックコポリマーおよびこれらのコポリマーの混合物からなる群から選択される、請求項11または16記載のトレッド。
- スチレン剛性セグメントとジエン可撓性セグメントとを含む前記ジブロックが、スチレン/エチレン/ブチレン(SEB)ブロックコポリマー、スチレン/エチレン/プロピレン(SEP) ブロックコポリマー、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン(SEEP)ブロックコポリマーおよびこれらのコポリマーの混合物からなる群から選択される、請求項13または16記載のトレッド。
- 前記スチレン系熱可塑性エラストマーのガラス転移温度が、−20℃未満、好ましくは−30℃未満である、請求項1〜18のいずれか1項記載のトレッド。
- スチレン系熱可塑性エラストマー含有量が、55phrと100phrの間、好ましくは60phrと95phrの間、より好ましくは65phrと90phrの間である、請求項1〜19のいずれか1項記載のトレッド。
- 前記補強用充填剤が、カーボンブラック、補強用無機充填剤またはそれらの混合物の1つを含む、請求項1〜20のいずれか1項記載のトレッド。
- 前記補強用無機充填剤が、シリカである、請求項21記載のトレッド。
- 前記補強用充填剤が、50質量%〜100質量%、好ましくは55質量%〜90質量%、好ましくは60質量%〜80質量%のカーボンブラックを含む、請求項21または22記載のトレッド。
- 前記補強用充填剤含有量が、10phr〜160phr、好ましくは25phr〜100phrの範囲内である、請求項1〜23のいずれか1項記載のトレッド。
- 請求項1〜24のいずれか1項記載のトレッドを含むタイヤ。
- 前記タイヤが、道路外タイヤ、好ましくは土木用車両タイヤである、請求項25記載のタイヤ。
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