JP6619808B2 - 熱可塑性エラストマーとジエンエラストマーを含むトレッドを備えたタイヤ - Google Patents

熱可塑性エラストマーとジエンエラストマーを含むトレッドを備えたタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、トレッドを備えたタイヤに関する。
通常のタイヤにおいては、トレッドは、エラストマーとして、ジエンエラストマーを含む。このタイプのトレッドは、周知であって、多くの文献に記載されている。
ジエンエラストマーと熱可塑性エラストマーの混合物を含むトレッドは、幾つかの文献に記載されている。例えば、文献WO 2012/105984号は、スチレン/ブタジエン(SBR)コポリマー、ポリブタジエン(BR)および不飽和熱可塑性スチレン(TPS),さらにまた、タイヤの耐摩耗性を改良するための補強用充填剤を含むトレッド組成物を記載している。
タイヤの転がり抵抗性の改良と湿潤グリップ性の改良との間の妥協点の関連において、本出願人は、以前に、文献WO 2012/152686号において、少なくとも1種の熱可塑性エラストマーを含むトレッドを備えたタイヤを開示している;上記熱可塑性エラストマーは、少なくとも1個のエラストマーブロックと少なくとも1個の熱可塑性ブロックを含むブロックコポリマーであり、熱可塑性エラストマーの総含有量は、65〜100phr (エラストマーの100質量部当りの質量部)の範囲内である。特に、本出願人は、熱可塑性エラストマーとして、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)トリブロックコポリマーを含むトレッドを開示しており、このトレッドは、通常の組成物のトレッドと比較して、転がり抵抗性を低下させることを可能にしている。
タイヤ製造業者の絶えることのない目的は、タイヤの転がり抵抗性を低下させることである。
今回、本出願人は、驚くべきことに、特定の熱可塑性エラストマーとジエンエラストマーを含むトレッドを備えたタイヤが転がり抵抗性の極めて大きな低下を得ることを可能にすることを見出した。
従って、本発明の主題は、トレッド、クラウン補強材を有するクラウン、2枚の側壁、2本のビード、これら2本のビードに固定され且つ一方の側壁から他方の側壁へ延びているカーカス補強材を含み;上記トレッドが、35phr (エラストマーの100質量部当りの質量部)と99phrの間の含有量の少なくとも1種のジエンエラストマー、1phrと65phrの間の含有量の熱可塑性エラストマーをベースとする組成物を含み;上記熱可塑性エラストマーが、必要に応じて水素化されたブタジエン/スチレンランダムコポリマータイプの少なくとも1個のエラストマーブロックとスチレンタイプの少なくとも1個の熱可塑性ブロックとを含むブロックコポリマーであることを特徴とするタイヤである。
好ましくは、本発明は、上記熱可塑性エラストマーの数平均分子量が30 000g/モルと500 000g/モルの間である、上記で定義したようなタイヤに関する。
同様に好ましくは、本発明は、上記ブロックコポリマーの上記エラストマーブロック(1個以上)が、25℃よりも低いガラス転移温度を有するエラストマーから選ばれる、上記で定義したようなタイヤに関する。
さらに好ましくは、本発明は、SBRエラストマーブロック(1個以上)が10%〜60%の範囲内のスチレン含有量を有する、上記で定義したようなタイヤに関する。好ましくは、上記SBRエラストマーブロック(1個以上)は、4モル%〜75モル%の範囲内のブタジエン成分1,2−結合含有量および20モル%〜96モル%範囲内の1,4−結合含有量を有する。同様に好ましくは、上記SBRエラストマーブロック(1個以上)は、上記ブタジエン部分中の二重結合の25モル%〜100モル%の割合が水素化されているように水素化され、さらに好ましくは、上記ブタジエン部分中の二重結合の50モル%〜100モル%、好ましくは80モル%〜100モル%の割合が水素化されている。
好ましくは、本発明は、上記ブロックコポリマーの熱可塑性スチレンブロック(1個以上)が、80℃よりも高いガラス転移温度を、また、半結晶性熱可塑性ブロックの場合は、80℃よりも高い融点を有するポリマーから選ばれる、上記で定義したようなタイヤに関する。好ましくは、上記ブロックコポリマー中の熱可塑性スチレンブロックの画分は、5%〜70%の範囲内である。好ましくは、上記ブロックコポリマーの熱可塑性ブロックブロック(1個以上)は、ポリスチレン類から、好ましくは非置換スチレン、置換スチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるスチレンモノマーから得られるポリスチレン類から、さらに好ましくは非置換スチレン、メチルスチレン、パラ−tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、パラ−ヒドロキシスチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるスチレンモノマーから得られたポリスチレン類から選ばれる。極めて好ましくは、上記ブロックコポリマーの熱可塑性ブロックブロック(1個以上)は、非置換スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、アルファ,2−ジメチルスチレン、アルファ,4−ジメチルスチレン、ジフェニルエチレン、パラ−tert−ブチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、2,6−ジブロモスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、2,4−ジフルオロスチレン、2,6−ジフルオロスチレン、2,4,6−トリフルオロスチレン、パラ−ヒドロキシスチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるスチレンモノマーから得られるポリスチレン類から選ばれる。さらに好ましくは、上記ブロックコポリマーの熱可塑性ブロックブロック(1個以上)は、非置換ポリスチレンから得られる。
本発明は、好ましくは、上記ジエンエラストマー(1種以上)が、本質的に不飽和のジエンエラストマー類およびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、上記で定義したようなタイヤに関する。上記ジエンエラストマーは、好ましくは、4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーを重合させることによって得られるホモポリマー、1種以上の共役ジエンを他のジエンまたは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られるコポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる。上記ジエンエラストマーは、さらに好ましくは、ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、天然ゴム、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれる。上記ジエンエラストマーは、極めて好ましくは、ブタジエンとスチレンのコポリマー類からなる群から選ばれる。
本発明は、好ましくは、ジエンエラストマーの含有量が40〜90phrの範囲内であり、熱可塑性エラストマーの含有量が10〜60phrの範囲内である、上記で定義したようなタイヤに関する。好ましくは。ジエンエラストマーの上記含有量は50〜80phrの範囲内であり、熱可塑性エラストマーの上記含有量は20〜50phrの範囲内である。さらに好ましくは、上記ジエンエラストマーの含有量は55〜70phrの範囲内であり、熱可塑性エラストマーの含有量は30〜45phrの範囲内である。
本発明は、同様に好ましくは、上記トレッド組成物が、補強用充填剤も、80phr未満、好ましくは60phr未満の含有量で含む、上記で定義したようなタイヤに関する。補強用充填剤の上記含有量は、3〜50phr、好ましくは5〜40phrである。好ましくは、上記補強用充填剤は、カーボンブラックおよび/またはシリカである。好ましい実施態様によれば、主要補強用充填剤は、シリカである。互換的に、また、同様に好ましくは、上記主要補強用充填剤は、カーボンブラックである。
本発明は、好ましくは、上記トレッド組成物が、可塑化用系を含有しないか、或いは可塑化用系を20phr未満、好ましくは15phr未満の総可塑剤含有量でもって含む、上記で定義したようなタイヤに関する。上記トレッド組成物は、可塑化用系を含まないか、或いは可塑化用系を10phr未満、好ましくは5phr未満の総可塑剤含有量でもって含む。
本発明は、好ましくは、上記トレッド組成物が架橋系も含む、上記で定義したようなタイヤに関する。
本発明は、さらに詳細には、自転車のような無動力車両;或いは、以下のタイプの自動車:乗用車;SUV (スポーツ用多目的車);二輪車(特に、オートバイ);航空機;並びに、バン類、大型車(即ち、地下鉄列車、バス、大型道路輸送車(トラック、トラクター、トレーラー)、または農業用車両または土木工事用機械のような道路外車両)、或いは他の輸送用または操作用車両に装着することを意図するタイヤに関する。
発明の詳細な説明
本説明においては、特に明確に断らない限り、示す全てのパーセント(%)は、質量パーセントである。
さらにまた、用語“phr”は、本特許出願の意義の範囲内において、一緒に混合したエラストマー、熱可塑性エラストマーおよび非熱可塑性エラストマーの100質量部当りの質量部を意味する。本発明の意義の範囲内において、熱可塑性エラストマー(TPE)は、エラストマーのうちに包含される。
さらにまた、“aとbの間”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aよりも大きくからbよりも小さいまでに至る値の範囲を示し(即ち、限界値aとbは除外する)、一方、“a〜b”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aからbまでに至る値の範囲を意味する(即ち、厳格な限定値aおよびbを包含する)。
最後に、本発明の関連において、“主要”化合物に言及する場合、この用語は、この化合物が上記組成物において同じタイプの化合物のうちで主要であること、即ち、この化合物が同じタイプの化合物のうちで質量による最大量を示す化合物であることを意味する。従って、例えば、主要補強用充填剤は、上記組成物における補強用充填剤の総質量%に対して最大質量を示す補強用充填剤である。一方、“小量”化合物は、同じタイプの化合物のうちで最大質量%を示さない化合物である。
1. トレッドの組成物
本発明に従うタイヤの本質的な特徴は、このタイヤが、トレッド、クラウン補強材を有するクラウン、2枚の側壁、2本のビード、これら2本のビードに固定され且つ一方の側壁から他方の側壁へ延びているカーカス補強材を含み;上記トレッドが、35phr (エラストマーの100質量部当りの質量部)と99phrの間の含有量の少なくとも1種のジエンエラストマー、1phrと65phrの間の含有量を有する熱可塑性エラストマーをベースとする組成物を含み;上記熱可塑性エラストマーが、必要に応じて水素化されたブタジエン/スチレンランダムコポリマータイプの少なくとも1個のエラストマーブロックとスチレンタイプの少なくとも1個の熱可塑性ブロックとを含むブロックコポリマーであることである。
1. 1. SBRブロックとPSブロックを含む特定の熱可塑性エラストマー(TPE)
一般に、熱可塑性エラストマー(“TPE”と略記する)は、エラストマーと熱可塑性ポリマーの中間の構造を有する。これらの熱可塑性エラストマーは、可撓質エラストマーブロックによって連結された硬質熱可塑性ブロックからなる。
本発明の前提条件において、上記特定の熱可塑性エラストマーは、少なくとも1個の必要に応じて水素化されたブタジエン/スチレンランダムコポリマータイプ(SBR)のエラストマーブロックと少なくとも1個のスチレンコポリマータイプ(PS)の熱可塑性ブロックを含むブロックコポリマーである。従って、以下の説明においては、SBRブロックに言及する場合、このブロックは、ブタジエン/スチレンランダムコポリマーから主として(即ち、50質量%よりも多く、好ましくは80質量%よりも多くまで)なるエラストマーブロックであり、このコポリマーは、水素化されていてもまたはされてなくてもよく;そして、スチレンブロックに言及する場合は、このブロックは、ポリスチレンのようなスチレンポリマーから主として(即ち、50質量%よりも多く、好ましくは80質量%よりも多くまで)なるブロックである。
1. 1. 1. SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEの構造
SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEの分子量(Mnで示す)は、好ましくは30 000g/モルと500 000g/モルの間、より好ましくは40 000g/モルと400 000g/モルの間である。上記の最低値よりも低いと、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEのSBRエラストマー鎖間の凝集力が、特にその希釈可能性(増量剤オイルの存在において)のために、影響を受けるリスクが存在する;さらにまた、“高温”性能の低下の結果によって、機械的性質、特に、破断点諸性質に影響を与える加工温度上昇のリスクが存在する。さらにまた、過度に高い分子量Mnは、加工にとって有害であり得る。従って、50 000〜300 000g/モル、さらにより良好には60 000〜150 000g/モルの範囲内にある値は、特にタイヤトレッド組成物におけるSBRブロックとPSブロックを含むTPEの使用にとって特に良好に適していることが観察されている。
SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEの数平均分子量(Mn)は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、既知の方法で測定する。例えば、熱可塑性スチレンエラストマーの場合、サンプルを、前以って、約1g/lの濃度でテトラヒドロフラン中に溶解し、その後、溶液を、0.45μmの有孔度を有するフィルター上で、注入前に濾過する。使用する装置は、Waters Allianceクロマトグラフ系である。溶出溶媒はテトラヒドロフランであり、流量は0.7ml/分であり、系の温度は35℃であり、分析時間は90分である。商品名Styragel (HMW7、HMW6Eおよび2本のHT6E)を有する直列の4本のWatersカラムセットを使用する。ポリマーサンプル溶液の注入容量は、100μlである。検出器は、Waters 2410示差屈折計であり、クロマトグラフデータを処理するその関連ソフトウェアは、Waters Millenniumシステムである。算出した平均モル質量を、ポリスチレン標準によって得られた較正曲線と対比する。条件は、当業者であれば、調整し得ることである。
SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEの多分散性指数Ip (注:Ip = Mw/Mn、Mw:質量平均分子量、Mn:数平均分子量)は、好ましくは3よりも低く、より好ましくは2よりも低く、さらにより好ましくは1.5よりも低い。
知られている通り、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、2つのガラス転移温度(Tg、ASTM D3418従って測定)を有し、最低温度はSBRブロックとPSブロックを含む上記TPEのSBRエラストマー成分に関連し、最高温度はSBRブロックとPSブロックを含む上記TPEの熱可塑性PS成分に関連する。即ち、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEの可撓質SBRブロックは、周囲温度(25℃)よりも低いTgに特徴を有し、一方、硬質PSブロックは、80℃よりも高いTgを有する。
本出願においては、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEのガラス転移温度に言及する場合、そのガラス転移温度は、SBRエラストマーブロックに関するTgである。SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、好ましくは、好ましくは25℃以下、より好ましくは10℃以下のガラス転移温度(“Tg”)を有する。これらの最低値よりも高いTg値は、極めて低温において使用するときのトレッドの性能を低下し得る;そのような使用においては、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEのTgは、さらにより好ましくは、−10℃以下である。同様に好ましくは、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEのTgは、−100℃よりも高い。
SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、少数のブロック(5個未満、典型的には2個または3個)を有するコポリマーであり得、その場合、これらのブロックは、好ましくは、15 000g/モルよりも高い高分子量を有する。SBRブロックとPSブロックを含むこれらのTPEは、例えば、1個の熱可塑性ブロックと1個のエラストマーブロックを含むジブロックコポリマーであり得る。また、これらのTPEは、多くの場合、1個の可撓質セグメントによって連結された2個の硬質セグメントを有するトリブロックエラストマーでもある。硬質および可撓質の各セグメントは、線状に、または星型もしくは枝分れ形状に配置し得る。典型的には、これらのセグメントまたはブロックの各々は、多くの場合、少なくとも、5個よりも多い、一般的には10個よりも多い基本単位(例えば、スチレン/SBR/スチレンブロックコポリマーにおけるスチレン単位およびブタジエン/スチレン単位)を含有する。
また、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、多数のより細かいブロック(30個よりも多い、典型的には50〜500個)を含み得、この場合、これらのブロックは、好ましくは、例えば500〜5000g/モルの比較的低い分子量を有する;従って、SBRブロックとPSブロックを含むこれらのTPEは、SBRブロックとPSブロックを含むマルチブロックTPEと称し、エラストマーブロック/熱可塑性ブロック連続物である。
第1の変形によれば、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、線状形である。例えば、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、ジブロックコポリマーである:PSブロック/SBRブロック。また、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、トリブロックコポリマーでもあり得る:PSブロック/SBRブロック/PSブロック、即ち、1個の中央エラストマーブロックとこのエラストマーブロックの2つの末端の各々における2個の末端熱可塑性ブロック。同様に、SBRブロックとPSブロックを含むマルチブロックTPEは、SBRエラストマーブロック/熱可塑性PSブロックの線状連続物であり得る。
本発明のもう1つの変形によれば、本発明の前提条件において使用するSBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、少なくとも3本の分岐を含む星型枝分れ形である。例えば、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、その場合、少なくとも3本の分岐を含む星型枝分れSBRエラストマーブロックと、このSBRエラストマーブロックの各分岐末端に位置する熱可塑性PSブロックとからなり得る。中央エラストマーの分岐数は、例えば、3〜12本、好ましくは3〜6本の範囲であり得る。
本発明のもう1つの変形によれば、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、枝分れまたはデンドリマー形で供給される。SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、枝分れまたはデンドリマーSBRエラストマーブロックとデンドリマーエラストマーブロックの分岐末端に位置する熱可塑性PSブロックとからなり得る。
1, 1. 2. エラストマーブロックの性質
本発明の前提条件において、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEのエラストマーブロックは、全て、当業者にとって既知のブタジエン/スチレンランダムコポリマータイプ(SBR)のエラストマーであり得る。
SBRブロックとPSブロックを含む上記TPE中のSBRエラストマーブロックの画分は、30%〜95%、好ましくは40%〜92%、より好ましくは50%〜90%の範囲内である。
これらのSBRブロックは、好ましくは、25℃よりも低い、好ましくは10℃よりも低い、より好ましくは0℃よりも低い、極めて好ましくは−10℃よりも低い、1999年の規格ASTM D3418に従うDSCによって測定したTg (ガラス転移温度)を有する。同様に好ましくは、上記SBRブロックのTgは、−100℃よりも高い。20℃と−70℃の間、より好ましくは0℃と−50℃の間のTgを有するSBRブロックは、特に適している。
周知の通り、SBRブロックは、スチレン成分、ブタジエン成分1,2−結合成分およびブタジエン成分1,4−結合成分を含み、上記1,4−結合成分は、ブタジエン成分が水素化されていない場合、トランス−1,4−結合成分およびシス−1,4−結合成分からなる。
好ましくは、例えば10質量%〜60質量%、好ましくは20質量%〜50質量%の範囲内のスチレン含有量を、そして、ブタジエンについては、4%〜75%(モル%)の範囲内の1,2−結合含有量および20%〜96%(モル%)の1,4−結合含有量を有するSBRを特に使用する。
SBRブロックの水素化の度合に応じて、SBRブロックのブタジエン成分中の二重結合の含有量は、完全水素化SBRブロックにおける0モル%の含有量まで低下し得る。好ましくは、本発明の前提条件において使用するSBRブロックとPSブロックを含む上記TPEにおいては、上記SBRエラストマーブロックを、ブタジエン成分中の二重結合の25モル%〜100モル%の範囲の割合が水素化されているように水素化する。さらに好ましくは、ブタジエン成分中の二重結合の50モル%〜100モル%、極めて好ましくは80モル%〜100モル%を水素化する。
本発明の意義の範囲内において、上記SBRブロックのスチレン成分は、スチレンモノマーから選ばれる、特に、非置換スチレン、置換スチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるスチレンモノマーからなり得る。置換スチレンのうちでは、好ましくは、メチルスチレン(好ましくは、o−メチルスチレン、m−メチルスチレンおよびp−メチルスチレン;アルファ−メチルスチレン、アルファ,2−ジメチルスチレン、アルフ,4−ジメチルスチレンおよびジフェニルエチレン)、パラ−tert−ブチルスチレン、クロロスチレン(好ましくは、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン)、ブロモスチレン(好ましくは、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、2,6−ジブロモスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン)、フルオロスチレン(好ましくは、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジフルオロスチレン、2,4,6−トリフルオロスチレン)、パラ−ヒドロキシスチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる置換スチレンを選択する。
本発明の好ましい実施態様によれば、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEのエラストマーブロックは、全体で、25 000g/モル〜350 000g/モル、好ましくは35 000g/モル〜250 000g/モルの範囲の数平均分子量(“Mn”)を有して、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEに、タイヤトレッドとしての使用に適応し得る良好な弾力特性と十分な機械的性質を付与する。
また、上記エラストマーブロックは、上記で定義したような複数種のエラストマーブロックからもなり得る。
1. 1. 3. 熱可塑性ブロックの性質
熱可塑性ブロックの定義に関しては、上記硬質熱可塑性ブロックのガラス転移温度(Tg)特性を使用する。この特性は、当業者にとって周知である。この特性は、特に、工業的加工(変換)温度の選定を可能にする。非晶質ポリマー(またはポリマーブロック)の場合、加工温度は、上記Tgよりも実質的に高くあるように選定する。半結晶性ポリマー(またはポリマーブロック)の特定の場合、その場合ガラス転移温度よりも高い融点が観察され得る。この場合は、むしろ、該当するポリマー(またはポリマーブロック)の加工温度の選定を可能にするのは、融点(M.p.)である。従って、この後は、“Tg (または必要に応じてM.p.)に言及する場合、これが加工温度を選定するのに使用する温度であることを考慮する必要がある。
本発明の前提条件において、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEは、好ましくは80℃以上のTg (または必要に応じてのM.p.)を有し且つ重合スチレン(PS)モノマーからなる1個以上の熱可塑性ブロックを含む。好ましくは、この熱可塑性ブロックは、80℃〜250℃の範囲内のTg (または必要に応じてのM.p.)を有する。好ましくはこの熱可塑性ブロックのTg (または必要に応じてのM.p.)は、好ましくは80℃〜200℃、より好ましくは80℃〜180℃である。
SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEにおけるPS熱可塑性ブロックの画分は、5%〜70%、好ましくは8%〜60%、より好ましくは10%〜50%の範囲内である。
SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEの熱可塑性ブロックは、ポリスチレンブロックである。好ましいポリスチレンは、非置換スチレン、置換スチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるスチレンモノマーから得られる。置換スチレンのうちでは、好ましくは、メチルスチレン(好ましくは、o−メチルスチレン、m−メチルスチレンおよびp−メチルスチレン;アルファ−メチルスチレン、アルファ,2−ジメチルスチレン、アルファ,4−ジメチルスチレンおよびジフェニルエチレン)、パラ−tert−ブチルスチレン、クロロスチレン(好ましくは、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン)、ブロモスチレン(好ましくは、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、2,6−ジブロモスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン)、フルオロスチレン(好ましくは、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジフルオロスチレン、2,4,6−トリフルオロスチレン)、パラ−ヒドロキシスチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる置換スチレンを選択する。
極めて好ましくは、SBRブロックを含む上記TPEの熱可塑性ブロックは、非置換ポリスチレンから得られるブロックである。
本発明の1つの変形によれば、上記で定義したようなポリスチレンブロックは、少なくとも1種の他のモノマーと共重合させて、上記で定義したようなTg (または必要に応じてのM.p.)を有する熱可塑性ブロックを形成し得る。
例えば、上記重合モノマーと共重合させ得るこの他のモノマーは、ジエンモノマー、特に、4〜14個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーおよび8〜20個の炭素原子を有するビニル芳香族タイプのモノマーから選択し得る。
本発明によれば、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEの熱可塑性ブロックは、全体的に、5 000g/モル〜150 000g/モルの範囲の数平均分子量(“Mn”)を有して、SBRブロックとPSブロックを含む上記TPEに、タイヤトレッドとしての使用に適合し得る良好な弾力特性および十分な機械的強度を付与する。
また、上記熱可塑性ブロックは、上記で定義したような複数種の熱可塑性ブロックからなり得る。
1. 1. 4. SBRブロックとPSブロックを含むTPEの例
商業的に入手可能なSBRブロックとPSブロックを含むTPEの例としては、Asahi Kasei社から品名SOE S1611、SOE L605またはSOE L606として販売されているSOEタイプのエラストマーを挙げることができる。
1. 1. 5. SBRブロックとPSブロックを含むTPEの量
本発明のタイヤトレッド組成物においては、SBRブロックとPSブロックを含むTPEエラストマー(1種以上)は、上記エラストマー組成物中に存在するエラストマー全体の1質量%と65質量%の間の量、好ましくは10〜60質量%、さらに好ましくは20〜50質量%、極めて好ましくは30〜45質量%を示す。
従って、SBRブロックとPSブロックを含むTPEエラストマーの量は、1phrと65phrの間の量、好ましくは10〜60phr、さらに良好には20〜50phr、特に30〜45phrで変動する範囲内である。事実、1phr未満のSBRブロックとPSブロックを含むTPEエラストマーの量によれば、転がり抵抗性の低下に関する効果は殆ど注目に値せず、一方、65phrを越えるSBRブロックとPSブロックを含むTPEエラストマーによれば、その組成物は、熱可塑性を帯び、結果として温度による諸性質の大きな変化をもたらす。
1. 2. ジエンエラストマー
本発明に従うトレッドの組成物は、少なくとも1種(即ち、1種以上)のジエンエラストマーを含む。ジエンエラストマーの総含有量は、35phrと99phrの間、好ましくは40〜90phr、好ましくは50〜80phr、さらに好ましくは55〜70phrで変動する範囲内である。
用語“ジエン”エラストマーまたはゴムは、知られている通り、ジエンモノマー(2個の共役型または非共役型炭素・炭素二重結合を担持するモノマー)に少なくとも部分的に由来する1種以上のエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解すべきである。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー、即ち、“本質的に不飽和”または“本質的に飽和”に分類し得る。
“本質的に不飽和”とは、一般に、15%(モル%)よりも多いジエン由来の単位(共役ジエン)含有量を有する共役ジエンモノマーに少なくとも部分的に由来するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、“高不飽和”ジエンエラストマーは、特に、50%よりも多いジエン由来の単位(共役ジエン)含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
従って、ある種のブチルゴムまたはEPDMタイプのジエンとα‐オレフィンとのコポリマーのようなジエンエラストマーは、上記の定義に属さず、特に、“本質的に飽和”のジエンエラストマー(低いまたは極めて低い、常に15%よりも低いジエン由来の単位含有量)として説明し得る。
これらの定義を考慮すれば、本発明に従う組成物において使用することのできるジエンエラストマーは、上記のカテゴリーにかかわらず、さらに詳細には、下記を意味するものと理解されたい:
(a) 4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーを重合させることによって得られる任意のホモポリマー;
(b) 1種以上の共役ジエンを他のジエンまたは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られる任意のコポリマー;
(c) エチレンおよび3〜6個の炭素原子を含有するα‐オレフィンを、6〜12個の炭素原子を含有する非共役ジエンモノマーと共重合させることによって得られる3成分コポリマー、例えば、上記タイプの非共役ジエンモノマー、例えば、特に1,4‐ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンと一緒のエチレンおよびプロピレンから得られるエラストマーのような;
(d) イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、さらにまた、このタイプのコポリマーのハロゲン化形、特に、塩素化または臭素化形。
任意のタイプのジエンエラストマーを、本発明においては使用し得る。上記組成物が加硫系を含有する場合、好ましくは、特に上記タイプ(a)または(b)の本質的に不飽和のジエンエラストマーを、本発明に従うタイヤのトレッドの製造において使用する。
以下は、特に、共役ジエンとして適している:1,3−ブタジエン;2−メチル−1,3−ブタジエン;例えば、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−,3−ブタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエンまたは2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエンのような2,3−ジ(C1〜C5アルキル)−1,3−ブタジエン;アリール−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンまたは2,4−ヘキサジエン。以下は、例えば、ビニル芳香族化合物として適している:スチレン;オルソ−、メタ−およびパラ−メチルスチレン;“ビニルトルエン”市販混合物;パラ−(tert−ブチル)スチレン;メトキシスチレン;クロロスチレン;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンまたはビニルナフタレン。
上記コポリマーは、99質量%と20質量%の間の量のジエン単位と1質量%と80質量%の間の量のビニル芳香族単位を含有し得る。これらのエラストマーは、使用する重合条件、特に、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在並びに使用する変性剤および/またはランダム化剤の量に依存する任意のミクロ構造を有し得る。これらのエラストマーは、分散液中または溶液中で調製し得る;これらのエラストマーは、カップリング剤および/または星型枝分れ化剤或いは官能化剤によってカップリングしおよび/または星型枝分れ化し或いは官能化し得る。カーボンブラックにカップリングさせるには、例えば、C−Sn結合を含む官能基または例えばベンゾフェノンのようなアミノ化官能基を挙げることができる;シリカのような補強用無機充填剤とカップリングさせるには、例えば、シラノール官能基またはシラノール末端を有するポリシロキサン官能基(例えば、FR 2 740 778号またはUS 6 013 718号に記載されているような)、アルコキシシラン基(例えば、FR 2 765 882号またはUS 5 977 238号に記載されているような)、カルボキシル基(例えば、WO 01/92402号またはUS 6 815 473号、WO 2004/096865号またはUS 2006/0089445号に記載されているような)或いはポリエーテル基(例えば、EP 1 127 909号またはUS 6 503 973号に記載されているような)を挙げることができる。また、官能化エラストマーの他の例としては、エポキシ化タイプのエラストマー(SBR、BR、NRまたはIRのような)を挙げることができる。
1. 3. ナノメートル即ち補強用充填剤
上記で説明した熱可塑性エラストマー(1種以上)は、それ自体で、本発明に従うトレッドが有用であるために十分である。好ましくは、本発明に従う組成物は、補強用充填剤も含み得る。
補強用充填剤を使用する場合、タイヤの製造において通常使用する任意のタイプの充填剤、例えば、カーボンブラックのような有機充填剤、シリカのような無機充填剤、またはこれら2つのタイプの充填剤のブレンド、特に、カーボンブラックとシリカとのブレンドを使用し得る。好ましくは、本発明においては、主要補強用充填剤は、シリカまたは互換的にカーボンブラックであり得る。
タイヤにおいて通常使用する全てのカーボンブラック類(“タイヤ級”ブラック類)が、カーボンブラックとして適している。さらに詳細には、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347またはN375ブラック類のような100、200または300シリーズの補強用カーボンブラック類(ASTM級)、或いは、目標とする用途次第では、より高級シリーズのブラック類(例えば、N660、N683またはN772)が、実際にはN990さえもが挙げられる。
“補強用無機充填剤”とは、本出願においては、定義によれば、カーボンブラックと対比して、“白色充填剤”、“透明充填剤”としても、または“非黒色充填剤”としてさえも知られており、それ自体で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得る、換言すれば、その補強役割において、通常のタイヤ級カーボンブラックと置換り得る、その色合およびその由来(天然または合成)の如何にかかわらない任意の無機または鉱質充填剤を意味するものと理解すべきである;そのような充填剤は、一般に、知られている通り、その表面でのヒドロキシル(−OH)基の存在に特徴を有する。
補強用無機充填剤を供給する物理的状態は、粉末、微細真珠様物、顆粒、ビーズまたは任意の他の適切な高密度化形のいずれの形状であれ重要ではない。勿論、用語“補強用無機充填剤”は、種々の補強用無機充填剤、特に、下記で説明するような高分散性シリカ質および/またはアルミナ質充填剤の混合物を意味することも理解されたい。
シリカ質タイプの鉱質充填剤、特にシリカ(SiO2)、またはアルミナ質タイプの鉱質充填剤、特にアルミナ(Al2O3)は、補強用無機充填剤として特に適している。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gであるBET表面積とCTAB比表面積を示す任意の沈降またはヒュームドシリカであり得る。高分散性沈降シリカ(“HDS”)としては、例えば、Degussa社からのUltrasil 7000およびUltrasil 7005シリカ類;Rhodia 社からのZeosil 1165MP、1135MPおよび1115MPシリカ類;PPG社からのHi‐Sil EZ150Gシリカ;Huber社からのZeopol 8715、8745または8755シリカ類;または、出願 WO 03/16837号に記載されているような高比表面積を有するシリカ類が挙げられる。
補強用無機充填剤を上記エラストマーにカップリングさせるためには、例えば、知られている通り、上記無機充填剤(その粒子表面)と上記エラストマー間に化学的および/または物理的性質の満足し得る結合をもたらすことを意図する少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)、特に、二官能性オルガノシランまたはポリオルガノシロキサン類を使用する。
上記組成物中の任意構成成分としての補強用充填剤(カーボンブラックおよび/またはシリカのような補強用無機充填剤)の容量による含有量は、無可塑剤組成物における0〜50phrに相当する0%〜20%の範囲内である。好ましくは、上記組成物は、80phr未満(特に、1phrと80phrの間)、好ましくは60phr未満(特に、1phrと60phrの間)の、さらに好ましくは3〜50phr、さらに良好には5〜40phrの範囲内の含有量の補強用充填剤を含む。
1. 4. 可塑剤
上記のエラストマー(1種以上)は、本発明に従うトレッドが有用であるためには単独で十分である。
従って、本発明の好ましい実施態様によれば、上記エラストマー組成物は、オイルまたは熱可塑性樹脂タイプの可塑剤を含まないか、或いは、上記エラストマー組成物は、可塑剤を含む場合、20phr未満(特に、0.5phrと20phrの間)、好ましくは15 phr未満(特に、0.5phrと15phrの間)、より好ましくは10 phr未満(特に、0.5phrと10phrの間)、さらに良好には5 phr未満(特に、0.5phrと5phrの間)の可塑剤を含む。同様に好ましくは、上記組成物は、可塑剤を含まない。当業者とっては知られている通り、可塑剤とは可塑化用オイル(即ち可塑化用オイルまたは増量剤オイル)を称し、その機能は、トレッドの加工、特に、そのタイヤへの一体化をそのモジュラスを低め且つ粘着付与力を増大させることによって容易にすることである。
好ましくは弱極性を有し、エラストマー、特に、熱可塑性エラストマーを増量しまたは可塑化することのできる任意のオイルを使用し得る。周囲温度(23℃)において、これらのオイルは、多かれ少なかれ粘稠であって、特に本来固体である樹脂またはゴムとは対照的に、液体(即ち、注釈すれば、最終的にはその容器形状をとる能力を有する物質)である。また、当業者にとって既知の任意のタイプの可塑化用樹脂も使用し得る。
当業者であれば、以下の説明および典型的な実施態様に照らせば、可塑剤の量を、使用するSBRブロックとPSブロックを有するTPEエラストマー(上記で説明したような)および上記トレッドを備えたタイヤの特定の使用条件の関数として、特に、上記TPEを使用することを意図する空気式物品の関数として如何にして調整するかは承知しているであろう。
1, 5. 各種添加剤
上記で説明した熱可塑性エラストマー(1種以上)は、それ自体で、本発明に従うトレッドが有用であるためには十分である。
にもかかわらず、本発明の1つの好ましい実施態様によれば、上記で説明したエラストマー組成物は、オイル(即ち、可塑化用または増量剤オイル)または可塑化用樹脂のような可塑剤も含み得る。1種以上の添加剤を、酸化防止剤またはオゾン劣化防止剤のような保護剤UV安定剤、各種加工助剤または安定化剤、或いは空気式物体の構造体の残余部への接着を促進させることのできる促進剤から選択する。
同様に、また、必要に応じて、本発明のトレッドの組成物は、イオウまたはイオウ供与剤と必要に応じての1種以上の加硫活性化剤および/または促進剤とを含む加硫系のような、当業者にとって既知の架橋性を含み得る。
2. 製造
本発明に従うタイヤ用のトレッド組成物は、適切なミキサー内で、当業者にとって周知の一般的な手順に従う2つの連続する製造段階、即ち、110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度までの高温で熱機械的に加工または混練する第1段階(“非生産”段階とも称する)、および、その後の、典型的には110℃よりも低い、例えば、60℃と100℃の間の低めの温度において機械加工する第2の段階(“生産”段階とも称する)を使用して製造し、この仕上げ段階において、架橋または加硫系を混入する;そのような各段階は、例えば、出願EP−A−0501227号、EP−A−0735088号、EP−A−0810258号、WO 00/05300号またはWO 00/05301号に記載されている。SBRブロックとPSブロックを含むTPEエラストマーは、その商業的に入手可能な形状、例えば、ビーズまたは顆粒の形で直接上記第1段階において導入する。
本発明に従うタイヤ用のトレッドは、その後、通常の方法で押出加工して、形状要素を製造する。その後、トレッドパターンをタイヤ硬化用のモールド内で取付ける。
このトレッドは、タイヤ上に、通常の方法で取付け得る;このタイヤは、本発明に従うトレッド以外に、クラウン、2枚の側壁と2本のビード、上記2本のビードに固定されたカーカス補強材、およびクラウン補強材を含む。
本発明の典型的な実施態様
本発明に従うタイヤ用のトレッド組成物を上記で示したようにして製造した。
上記組成物について実験室で実施した試験
・動的特性
動的特性G*およびtan(δ)maxは、規格ASTM D 5992−96に従い、粘度アナライザー(Metravib VA4000)において測定する。単純な交互正弦波剪断応力に、10Hzの周波数で、規格ASTM D 1349−99に従う標準温度条件(23℃)下に供した加硫組成物のサンプル(厚さ2mmおよび400mm2の断面積を有する円筒状試験標本)の応答を記録する。頂点間歪み振幅掃引を0.1%から50%まで(外向きサイクル)、次いで、50%から0.1%まで(戻りサイクル)で実施する。使用する結果は、複素動的剪断モジュラス(G*)および損失係数(tanδ)である。観察されたtanδの最高値(tan(δ)max)および0.1%と50%歪み間での複素モジュラスの差(ΔG*) (パイネ効果)は、戻りサイクルにおいて示される。
23℃における(tan(δ)max)の値に関しては、値が低いほど、上記組成物のヒステリシスは弱く、ひいては、転がり抵抗性も低い。より高い可読性のために、結果は、基本点100の性能に照らして示す。値100は、対照に対して与える。100よりも低い結果は、転がり抵抗性能の低下(23℃におけるtan(δ)max値の上昇)を示し;逆に、100よりも高い結果は、転がり抵抗性能の上昇(23℃におけるtan(δ)max値の低下)を示す。
・動的摩擦係数
動的摩擦係数の測定は、L. Busse, A. Le GalおよびM. Kuppelによって開示されている方法 (Modelling of Dry and Wet Friction of Silica Filled Elastomers on Self-Affine Road Surfaces, Elastomere Friction, 2010, 51, p. 8)と同一の方法に従って実施した。試験標本は、6mmの厚さを有する正方形試験標本(50mm×50mm)を成形し、次いで、加硫することによって作成した。モールドを閉鎖した後、後者を、150℃の加熱プレートによるプレス内に16バールの圧力で50分間置く。これらの測定を実施するのに使用する地面は、VTAC (very thin asphalt concrete (極めて薄いアスファルトコンクリート))タイプのアスファルトコンクリート(規格NF P 98−137)製の実際の道路表面から取出した中心部である。試験標本を、地面に平行な移動での滑り運動に供する。滑り速度SVは、0.03m/秒に設定する。加えた垂直応力snは、100kPaである。これらの状態は、以下、“湿潤地面状態”として説明する。地面上の試験標本の運動と反対の接線応力stを、連続して測定する。接線応力stと垂直応力snとの比は、動的摩擦係数μを示す。下記の表に示した値は、接線応力stの足立の安定化後の定常状態において得られた動的摩擦係数値である。より高い可読性のために、結果は、基本点100の性能に照らして示す。値100は、対照に対して与える。100よりも低い結果は、乾燥グリップ性能の低下を示し;逆に、100よりも高い結果は、乾燥グリップ性能の上昇を示す。
タイヤにおいて実施する試験
その後、本発明に従うタイヤを、通常の方法に従い、当業者にとって既知の一般的な構成要素、即ち、クラウン、2枚の側壁および2本発明のビード、これら2本のビードに固定されたカーカス補強材、クラウン補強材およびトレッドでもって製造した;上記トレッドは、本発明の目的において説明しているトレッドである。
本発明に従うタイヤの諸性質は、下記で示すように、タイヤにおいて実施する各試験によって評価し得る。
・転がり抵抗性を測定する試験
タイヤの転がり抵抗性を、ISO 87−67 (1992年)法に従い、フライホィール上で測定した。より高い可読性のために、結果は、基本点100の性能に照らして示す。値100は、対照に対して与える。100よりも低い結果は、該当する性能の低下を示し;逆に、100よりも高い結果は、該当する性能の上昇、即ち、転がり抵抗性の低下を示す。
・耐摩耗性を測定する試験
タイヤの耐摩耗性を、いずれも7バールの圧力による1850kg/後輪タイヤおよび1150kg/前輪タイヤの理論負荷を有するIVECO 4305 FLブランドの小重量物運搬車による“サーキット上走行”試験によって測定した。試験する対照と解法間で再現可能な方法でタイヤを摩耗させるのを可能にする条件下に進行させる:各車両は一団となって移動し、これによって、タイヤを同じ条件の速度、加速、温度および地面の質に供することを担保する。上記粗プ孔サーキットは、2500kmよりも長い距離に達するまで進行させる。
上記車両の前輪右側タイヤを検討する。試験した対照タイヤおよび解法タイヤを、走行前および2500kmよりも長く走行後に秤量する。対照による重量損失を100%の摩耗性能に設定する。100よりも高い値を有する解法は、改良された結果、即ち、より低い重量損失を示す。
・グリップ性試験:ABSシステムによる乾燥地面上での制動
各タイヤを、ブランドCanter、モデル6C15の小重量物車両に取付け、各々の車軸をその最高許容重量にバラストさせ、90km/時から20km/時までに至るに必要な距離を乾燥地面(アスファルトコンクリート)上での急ブレーキ中に測定する。100よりも高い値を有する解法は、改良された結果、即ち、より短い制動距離を示す。
実施例
本発明に従うタイヤトレッド組成物(A1、A2、A3およびA4)を上記で示したようにして製造し、対照、即ち、対照タイヤトレッド組成物(A0)と比較する。これらトレッドの組成物は、下記の表1に示している。
表 1
Figure 0006619808
(1) 4%の1,2単位および93%のシス−1,4−単位を含むBR (Tg = −106℃);
(2) SSBR 溶液 (乾燥SBRとして表す含有量:41%のスチレン、24%の1,2−ブタジエン単位および51%のトランス−1,4−ブタジエン単位 (Tg = −25℃));
(3) SOE熱可塑性エラストマー、Asahi Kasei社からのSOE L606 from;
(4) カーボンブラック N234;
(5) シリカ (Rhodia社からのZeosil 1165MP);
(6) カップリング剤、TESTP (Degussa社からのSi59);
(7) MESオイル、Shell社からのCatenex SNR;
(8) C5/C9樹脂、STS社からのCrayValley Wingtack;
(9) N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン (Flexsys社からのSantoflex 6−PPD;
(10) DPG = ジフェニルグアニジン (Flexsys社からのPerkacit DPG);
(11) 酸化亜鉛 (工業級、Umicore社);
(12) Stearin (Uniqema社からのPristerene 4931);
(13) N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド (Flexsys社からのSantocure CBS)。
これらの組成物においては、補強用充填剤および可塑剤の含有量を、上記対照組成物と対比して、SBRブロックとPSブロックを含む上記トレッド組成物中のジエンエラストマーとのブレンドにおいて使用することによって低下させる可能性に留意することは可能である。
本発明の性能特性を実験室において評価し、結果を下記の表2において示している。

表 2
Figure 0006619808
表2に示す結果は、本発明に従う組成物が、性能を低下させることなく(A1)、ジエンエラストマーの1部をSBRブロックとPSブロックを含むTPEで置換えることを可能にしており、さらに、転がり抵抗性と乾燥地面上での制動性に関して期待し得る性能特性のバランスの顕著な改良を可能にしていること実証している。さらにまた、ジエンエラストマーとのブレンドにおけるSBRブロックとPSブロックを含むTPEがトレッド組成物における充填剤と可塑剤の量を著しく低減するのを可能にし、それによって手段の節約および使用の容易性を可能にしていることも、従来技術に照らして極めて驚くべきことである。
その後、本発明の性能特性を、タイヤ(225/75R16)において評価した。このため、本発明に従う組成物A4のトレッドを備えたタイヤB1を、組成物A0のトレッドを備えた対照B0と比較した。これらのタイヤは、転がり抵抗性、摩耗および乾燥地面上での制動性の各試験において評価した。結果は、下記表3に示している。
表 3
Figure 0006619808
表3に示す結果は、本発明に従う組成物A4のトレッドが転がり抵抗性能における顕著な改良を可能にしていると同時に、耐摩耗性および乾燥地面上での制動性においても同等の性能を保持していることを実証している。

Claims (24)

  1. トレッド、クラウン補強材を有するクラウン、2枚の側壁、2本のビード、これら2本のビードに固定され且つ一方の側壁から他方の側壁へ延びているカーカス補強材を含み;前記トレッドが、35phr (エラストマーの100質量部当りの質量部)と99phrの間の含有量の少なくとも1種のジエンエラストマー、1phrと65phrの間の含有量を有する熱可塑性エラストマー及び5〜40phrの含有量の補強用充填剤をベースとする組成物を含み;前記熱可塑性エラストマーが、水素化されたブタジエン/スチレンランダムコポリマータイプ(SBR)の少なくとも1個のエラストマーブロックとスチレンタイプの少なくとも1個の熱可塑性ブロックとを含む ブロックコポリマーであり、前記SBRエラストマーブロック(1個以上)が、ブタジエン成分について4モル%〜75モル%の範囲内の1,2−結合含有量および20モル%〜96モル%の範囲内の1,4−結合含有量を有し、前記SBRエラストマーブロック(1個以上)が、前記ブタジエン部分中の二重結合の25モル%〜100モル%の割合が水素化されていることを特徴とするタイヤ。
  2. 前記熱可塑性エラストマーの数平均分子量が、30 000g/モルと500 000g/モルの間である、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記ブロックコポリマーの前記エラストマーブロック(1個以上)が、25℃よりも低いガラス転移温度を有するエラストマーから選ばれる、請求項1および2のいずれか1項記載のタイヤ。
  4. 前記SBRエラストマーブロック(1個以上)が、10%〜60%の範囲内のスチレン含有量を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のタイヤ。
  5. 前記SBRエラストマーブロック(1個以上)が、前記ブタジエン部分中の二重結合の50モル%〜100モル%の割合が水素化されている、請求項1〜4のいずれか1項記載のタイヤ。
  6. 前記ブロックコポリマーの熱可塑性スチレンブロック(1個以上)が、80℃よりも高いガラス転移温度を、また、半結晶性熱可塑性ブロックの場合は、80℃よりも高い融点を有するポリマーから選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項記載のタイヤ。
  7. 前記ブロックコポリマー中の熱可塑性スチレンブロックの画分が、5%〜70%の範囲内である、請求項1〜6のいずれか1項記載のタイヤ。
  8. 前記ブロックコポリマーの熱可塑性ブロック(1個以上)が、ポリスチレン類から選ばれる、請求項1〜7のいずれか1項記載のタイヤ。
  9. 前記ブロックコポリマーの熱可塑性ブロック(1個以上)が、非置換スチレン、置換スチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるスチレンモノマーから得られるポリスチレン類から選ばれる、請求項8記載のタイヤ。
  10. 前記ブロックコポリマーの熱可塑性ブロック(1個以上)が、非置換スチレン、メチルスチレン、パラ−tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、パラ−ヒドロキシスチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるスチレンモノマーから得られたポリスチレン類から得られる、請求項9記載のタイヤ。
  11. 前記ブロックコポリマーの熱可塑性ブロック(1個以上)が、非置換スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、アルファ,2−ジメチルスチレン、アルファ,4−ジメチルスチレン、ジフェニルエチレン、パラ−tert−ブチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、2,6−ジブロモスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、2,4−ジフルオロスチレン、2,6−ジフルオロスチレン、2,4,6−トリフルオロスチレン、パラ−ヒドロキシスチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるスチレンモノマーから得られるポリスチレン類から選ばれる、請求項9記載のタイヤ。
  12. 前記ブロックコポリマーの熱可塑性ブロック(1個以上)が、非置換ポリスチレンから得られる、請求項11記載のタイヤ。
  13. 前記ジエンエラストマーが、15モル%よりも多い共役ジエン含有量を有する共役ジエンモノマーに少なくとも部分的に由来するジエンエラストマー類およびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜12のいずれか1項記載のタイヤ。
  14. 前記ジエンエラストマーが、4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーを重合させることによって得られるホモポリマー、1種以上の共役ジエンを他のジエンまたは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られるコポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項13記載のタイヤ。
  15. 前記ジエンエラストマーが、ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、天然ゴム、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、請求項14記載のタイヤ。
  16. ジエンエラストマーの含有量が40〜90phrの範囲内であり、熱可塑性エラストマーの含有量が10〜60phrの範囲内である、請求項1〜15のいずれか1項記載のタイヤ。
  17. ジエンエラストマーの含有量が50〜80phrの範囲内であり、熱可塑性エラストマーの含有量が20〜50phrの範囲内である、請求項1〜16のいずれか1項記載のタイヤ。
  18. ジエンエラストマーの含有量が55〜70phrの範囲内であり、熱可塑性エラストマーの含有量が30〜45phrの範囲内である、請求項1〜17のいずれか1項記載のタイヤ。
  19. 前記補強用充填剤が、カーボンブラックおよび/またはシリカである、請求項1〜18のいずれか1項記載のタイヤ。
  20. 組成物において補強用充填剤の総質量に対して最大質量を示す補強用充填剤が、シリカである、請求項19記載のタイヤ。
  21. 組成物において補強用充填剤の総質量に対して最大質量を示す補強用充填剤が、カーボンブラックである、請求項19記載のタイヤ。
  22. 前記トレッド組成物が、可塑化用系を含有しないか、或いは可塑化用系を20phr未満の総可塑剤含有量でもって含む、請求項1〜21のいずれか1項記載のタイヤ。
  23. 前記トレッド組成物が、可塑化用系を含まないか、或いは可塑化用系を10phr未満の総可塑剤含有量でもって含む、請求項22項記載のタイヤ。
  24. 前記トレッド組成物が、架橋系も含む、請求項23記載のタイヤ。
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