JP7275460B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物及びタイヤに関する。
近年、自動車の高速化に伴い、タイヤに要求される特性は年々厳しくなっており、ウェット路面における諸性能もその一つとして挙げられる。このウェット路面での制動性能、操縦安定性などの諸性能を向上させるには、路面でのグリップ力を高めること及びタイヤトレッドパターンのブロック剛性を大きくして、コーナリング時のブロック変形を防止し、コーナリング特性を良くすると共に、タイヤトレッドに形成された溝部の変形を防止して排水をスムーズに行い、ハイドロプレーニングを防止することなどが求められる。
このような要求に対し、例えば、乾燥路面での制動性能が高く、かつ、マンホール等の、アスファルトと比して滑りやすい湿潤路面においても高い制動性能を有するトレッドゴムを製造可能なゴム組成物を提供するために、ゴム組成物を、天然ゴムを70質量%以上含むゴム成分(A)を配合してなり、ゴム成分100質量部に対して、C系樹脂、C~C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン-芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂(B)を5~50質量部、並びにシリカを含む充填剤(C)を20~120質量部配合してなり、前記充填剤(C)中のシリカ含有量が50~100質量%であるゴム組成物にすることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2015/079703号
タイヤ表面に形成された溝(パターン)を通じて排水を行う物理的な排水に対し、本発明は、溝の無いタイヤ表面(接地面)において、化学的性質により排水を行う排水性に着目した。
本発明は、ウェットグリップ性と踏面内の排水性に優れるタイヤが得られるタイヤトレッド用ゴム組成物、並びに、ウェットグリップ性と踏面内の排水性に優れるタイヤを提供することを課題とする。
<1> スチレンブタジエンゴムを10質量%以上含むゴム成分(A)と、シリカを80質量%以上含む充填剤(B)と、剛性付与剤である樹脂(C)と、前記ゴム成分100質量部に対して8~40質量部のポリブテン(D)とを含むタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<2> 前記樹脂(C)が、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体、シンジオタクティック1,2-ポリブタジエン及びポリオキシアルキレングリコール/カルボン酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つを含む<1>に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<3> 前記ポリブテン(D)は、無変性である<1>又は<2>に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<4> 前記ポリブテン(D)は、数平均分子量が1500~50000である<1>~<3>のいずれか1つに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<5> 前記ポリブテン(D)は、数平均分子量が2500~32000である<1>~<4>のいずれか1つに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<6> <1>~<5>のいずれか1つに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤである。
本発明によれば、ウェットグリップ性と踏面内の排水性に優れるタイヤが得られるタイヤトレッド用ゴム組成物、並びに、ウェットグリップ性と踏面内の排水性に優れるタイヤを提供することができる。
<タイヤトレッド用ゴム組成物>
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムを10質量%以上含むゴム成分(A)と、シリカを80質量%以上含む充填剤(B)と、剛性付与剤である樹脂(C)と、前記ゴム成分100質量部に対して8~40質量部のポリブテン(D)とを含む。
以下、「タイヤトレッド用ゴム組成物」を単に「ゴム組成物」と称することがある。
ゴム組成物が上記構成であることで、ウェットグリップ性と踏面内の排水性に優れるタイヤが得られる。かかる理由は定かではないが、以下の理由によるものと推察される。
なお、踏面内の排水性とは、溝の無いタイヤ表面(接地面)において、化学的性質により排水する特性を意味する。
湿潤路面を車両が走行時に、タイヤと路面との間に水が入り込むみ、グリップ性が低下し、ブレーキが効きにくくなる。このタイヤの排水性能を上げるために、タイヤ表面には、通常、溝が形成されてあり、溝を通じて路面の水が排水される。更に、溝の無いタイヤ表面においても排水性を高めることで、より安定したウェット性能が得られると考えられる。
グリップ性を向上するには、タイヤ(特に、トレッドゴム)を柔軟にすることが知られている。しかし、タイヤが柔軟になるほどタイヤと路面との接触面積(接地面積)は大きくなり、溝のないタイヤ表面での踏面内の排水性は低下し易い。一方、タイヤに剛性を与えて、タイヤの弾性率を上げれば、タイヤと路面との接触面積は小さくなるため、接地面での排水性は上がるが、グリップ性が低下し易いという問題があった。
既述の特許文献1に記載のゴム組成物では、トレッドゴムの弾性率が低下することがあり、踏面内の排水性が不十分であった。
これに対し、本発明のゴム組成物を加硫してなるタイヤは、スチレンブタジエンゴムを10質量%以上含むゴム成分(A)と、シリカを80質量%以上含む充填剤(B)と、剛性付与剤である樹脂(C)との作用により、タイヤの剛性が高まり、踏面内の排水性に優れると考えられる。更に、本発明のゴム組成物は、ゴム成分と相溶しにくいポリブテンを含むため、ポリブテンがタイヤ表面近傍に偏在し、ポリブテン濃度が高い状況にあると考えられる。かかる状態により、タイヤ表面においてはエネルギーロスが発生し易く、ウェットグリップ性が高まる一方で、タイヤの剛性も高く、踏面内の排水性に優れると考えられる。その結果、本発明のタイヤは、優れたウェットグリップ性と優れた踏面内の排水性とを同時に発現することができると考えられる。
以下、本発明のゴム組成物及びタイヤの詳細について説明する。
〔ゴム成分(A)〕
本発明のゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(スチレン-ブタジエン共重合体ゴム;SBR)を10質量%以上含むゴム成分(A)を含有する。
ゴム成分(A)中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10質量%未満では、タイヤの弾性率を上げることができず、踏面内の排水性が得られない。
スチレンブタジエンゴムは、乳化重合で得られた乳化重合SBR(E-SBRと称することがある)であってもよいし、溶液重合で得られた溶液重合SBR(S-SBRと称することがある)であってもよいし、両者を混合して用いてもよい。
以上の中でも、ウェットグリップ性と踏面内の排水性の両立の観点からS-SBRを用いることが好ましく、ウェットグリップ性をより向上する観点から、S-SBRとE-SBRとを混合して用いることがより好ましい。
スチレンブタジエンゴムは、踏面内の排水性をより向上する観点から、スチレン含量が20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、35質量%以上であることが更に好ましい。スチレンブタジエンゴムのスチレン含量は、ウェットグリップ性の観点から、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。
スチレンブタジエンゴムのスチレン含量は、H-NMRの積分比により求めることができる。
また、ゴム成分は、スチレンブタジエンゴムのみを含んでいてもよいし、他のゴム成分を含んでいてもよい。
他のゴム成分としては、特に制限はなく、所望に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-非共役ジエンゴム(EPDM)、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム、及び天然ゴム(NR)が挙げられる。これらの他のゴム成分は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
以上の中でも、他のゴム成分は、ウェットグリップ性と踏面内の排水性の両立の観点から、ポリブタジエンゴム(BR)及び天然ゴム(NR)が好ましく、天然ゴム(NR)がより好ましい。
ゴム成分(A)中の、スチレンブタジエンゴムの含有量は、タイヤの剛性を上げ、踏面内の排水性をより高める観点から、20~100質量%であることが好ましく、30~100質量%であることがより好ましく、45~100質量%であることが更に好ましく、50~100質量%であることがより更に好ましく、100質量%であってもよい。
一方、タイヤの転がり抵抗を下げる観点からは、ゴム成分(A)中の、スチレンブタジエンゴムの含有量は、100質量%未満であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることが更に好ましい。
〔充填剤(B)〕
本発明のゴム組成物は、シリカを80質量%以上含む充填剤(B)を含有する。
充填剤(B)中のシリカの含有量が80質量%未満では、タイヤの弾性率を上げることができず、踏面内の排水性が得られない。
充填剤(B)中のシリカの含有量は、タイヤの補強性を向上し及び踏面内の排水性をより向上する観点から、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。また、ウェットグリップ性の観点から、充填剤(B)中のシリカの含有量は、100質量%未満であることが好ましく、98質量%以下であることがより好ましい。
充填剤(B)はシリカのみを含んでいてもよいし、他の充填剤を含んでいてもよい。
他の充填剤としては、加硫ゴムを補強する補強性充填剤が挙げられ、具体的には、水酸化アルミニウム;アルミナ、ジルコニア、チタニアの金属酸化物;カーボンブラック等が挙げられる。中でも、他の充填剤は、タイヤの耐久性を向上し及び踏面内の排水性をより向上する観点から、カーボンブラックが好ましく、充填剤(B)はシリカとカーボンブラックを含むことが好ましい。
(シリカ)
シリカの種類は、特に制限はなく、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等が挙げられる。
補強性の観点から、シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)比表面積は、40m/g以上であることが好ましく、80m/g以上であることがより好ましく、120m/g以上であることが更に好ましく、150m/g以上であることが更に好ましい。また、350m/g以下であることが好ましく、320m/g以下であることがより好ましく、300m/g以下であることが更に好ましく、250m/g以下であることがより更に好ましく、200m/g以下であることがより更に好ましい。
シリカのCTAB比表面積は、ASTM-D3765-80の方法に準拠した方法で測定することができる。
(カーボンブラック)
カーボンブラックの種類は、特に制限されず、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。
タイヤの耐久性を向上する観点から、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、25m/g以上であることが好ましく、100m/g以上であることがより好ましい。また、カーボンブラックのNSAは150m/g以下が好ましく、140m/g以下が好ましく、130m/g以下であることが更に好ましい。150m/g以下であることでゴム組成物中のカーボンブラックの分散性に優れる。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217-2:2001(比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法)のA法によって求められる。
充填剤(B)のゴム組成物中の含有量は、ウェットグリップ性と踏面内の排水性の両立の観点から、ゴム成分100質量部に対して、60~130質量部であることが好ましく、70~120質量部であることがより好ましく、80~110質量部であることが更に好ましい。
[シランカップリング剤]
本発明のゴム組成物は、シリカの分散性を向上させるために、更に、シランカップリング剤を用いてもよい。
本発明のゴム組成物中のシランカップリング剤の含有量は、シリカの含有量に対して5~15質量%以下であることが好ましい。シランカップリング剤の含有量がシリカの含有量に対して15質量%以下であることで、ゴム成分の補強性及びシリカの分散性を改良する効果が得られ、経済性も損ないにくい。また、シランカップリング剤の含有量が、シリカの含有量に対して5質量%以上であることで、ゴム組成物中のシリカの分散性を高めることができる。
なお、シランカップリング剤としては、特に制限されず、エトキシ(3-メルカプトプロピル)ビス(3,6,9,12,15-ペンタオキサオクタコサン-1-イルオキシ)シラン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールトリスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が好適に挙げられる。
〔樹脂(C)〕
本発明のゴム組成物は、剛性付与剤である樹脂(C)を含有する。
本発明のゴム組成物は、剛性付与剤である樹脂(C)を含有しないと、タイヤの弾性率を上げることができず、踏面内の排水性が得られない。
ここで、剛性付与剤とは、ゴム組成物に含まれることで、加硫ゴムの25℃における動的弾性率(E’)を28MPa以上にすることができる樹脂を意味する。
樹脂(C)としては、例えば、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレンプロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)およびスチレン・エチレン-エチレンプロピレン・スチレンブロック共重合体(SEEPS)等のスチレン・アルキレンブロック共重合体;シンジオタクティック1,2-ポリブタジエン(SPB);ポリオキシアルキレングリコール/カルボン酸エステル等が挙げられる。
中でも、踏面内の排水性をより向上する観点から、樹脂(C)は、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、シンジオタクティック1,2-ポリブタジエン(SPB)及びポリオキシアルキレングリコール/カルボン酸エステル(PAGエステル)からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
樹脂(C)の中でも、SEBS、SPB、及びPAGエステルを用いてタイヤの剛性を上げることで、タイヤの他性能を悪化させることなく、タイヤに剛性を付与することができる。特に、ゴム組成物中の充填剤(B)の含有割合を抑制し、樹脂(C)によってタイヤの剛性を上げることで、低転がり抵抗を小さくすることができる。
(スチレン・アルキレンブロック共重合体)
スチレン・アルキレンブロック共重合体は、スチレン系モノマー由来のブロックと、アルキレンブロックとを有する共重合体である。水添共重合体であっても、未水添共重合体であってもよい。
スチレン・アルキレンブロック共重合体のスチレンブロックは、スチレン系モノマーに由来する(スチレン系モノマーを重合した)単位を有する。このようなスチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。この中でも、スチレン系モノマーとしては、スチレンが好ましい。
踏面内の排水性を向上する観点から、スチレン・アルキレンブロック共重合体の合計スチレン含量(スチレン系モノマー由来のブロックの合計含量)は、スチレン・アルキレンブロック共重合体の総質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。スチレン・アルキレンブロック共重合体の合計スチレン含量は、通常60質量%以下である。
スチレン・アルキレンブロック共重合体のスチレン含量と、後述するアルキレン単位の含量は、H-NMRの積分比により求める。
スチレン・アルキレンブロック共重合体のアルキレンブロックは、アルキレン(二価の飽和炭化水素基)単位を有する。このようなアルキレン単位としては、例えば、炭素数1~20のアルキレン基が挙げられる。アルキレン単位は、直鎖構造でもよいし、分岐構造でもよいし、これらの組み合わせでもよい。直鎖構造のアルキレン単位としては、例えば、-(CH-CH)-単位(エチレン単位)、-(CH-CH-CH-CH)-単位(ブチレン単位)などが挙げられる。分岐構造のアルキレン単位としては、例えば、-(CH-CH(C))-単位(ブチレン単位)などが挙げられる。これらのうち、アルキレン単位としては、-(CH-CH(C))-単位を有することが好ましい。
アルキレン単位の合計含量は適宜調節すればよいが、例えば、スチレン・アルキレンブロック共重合体の総質量に対して、40~70質量%である。
踏面内の排水性を向上する観点から、スチレン・アルキレンブロック共重合体のアルキレンブロックは、-(CH-CH(C))-単位(A)と-(CH-CH)-単位(B)を有し、単位(A)の合計含量が、全アルキレンブロックの総質量に対して、40質量%以上であることが好ましい。
また、同様の観点から、スチレン・アルキレンブロック共重合体のアルキレンブロックが、-(CH-CH(C))-単位(A)と-(CH-CH)-単位(B)を有し、単位(A)の合計含量が、(A)単位+(B)単位の総質量に対して、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、また、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましい。
スチレン・アルキレンブロック共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
以上の中でも、踏面内の排水性を向上する観点から、スチレン・アルキレンブロック共重合体は、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)が好ましい。スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体のエチレンブチレンブロックは、上述したエチレン単位とブチレン単位を有するブロックである。
スチレン・アルキレンブロック共重合体は、上記スチレンブロックとアルキレンブロック以外のその他の構成単位を含んでいてもよい。このようなその他の構成単位としては、例えば、-(CH-CH(CH=CH))-単位などの不飽和結合を有する構成単位などが挙げられる。
スチレン・アルキレンブロック共重合体の調製方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、スチレンなどのスチレン系モノマーと、1,3-ブタジエンなどの共役ジエン化合物またはブテンなどのオレフィンとを共重合させ、前駆共重合体を得て、この前駆共重合体を水素添加することによって、スチレン・アルキレンブロック共重合体を得ることができる。
スチレン・アルキレンブロック共重合体は、市販品を用いてもよい。このような市販品としては、例えば、JSR社のJSR DYNARON(登録商標)8903P、9901Pなどが挙げられる。
(シンジオタクティック1,2-ポリブタジエン)
ゴム組成物がシンジオタクティック1,2-ポリブタジエン(SPB)を含むことで、ゴム組成物の加硫時に、SPBがゴム成分(A)に半相溶状態となり易く、ゴム成分(A)中のネットワークとして固定化され、加硫ゴム中にダブルネットワークが形成されて、タイヤの剛性を向上し易い。ダブルネットワークとは、ゴムマトリクス中に、シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンが網目状の3次元ネットワークを形成した構造であり、シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンネットワークが、まず応力を担い、効率的なエネルギー散逸を行うことによって剛性の向上が発現すると考えられる。
シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンは、踏面内の排水性とウェットグリップ性をより向上する観点から、融点が、100~180℃であることが好ましく、110~180℃であることがより好ましく、115~180℃であることが更に好ましい。
融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置内にシンジオタクティック1,2-ポリブタジエンのサンプルを入れ、10℃/分の昇温速度で昇温した時のDSC曲線の融解ピーク温度を融点とする方法で測定する。
シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンは、1,3-ブタジエンモノマーを、脂肪族系溶媒を含む有機溶媒中で、鉄系触媒組成物、コバルト系触媒組成物等を用いて重合して得られるものであり、例えば、特開2000-119325号公報、特開2000-119326号公報、特表2004-528410号公報、特表2005-518467号公報、特表2005-527641号公報、特開2009-108330号公報、特開平7-25212号公報、特開平6-306207号公報、特開平6-199103号公報、特開平6-92108号公報、特開平6-87975号公報等に記載された重合方法により得られる。
鉄系触媒組成物としては、例えば、(a)鉄含有化合物、(b)α-アシルホスホン酸ジエステル、及び(c)有機アルミニウム化合物を混合してなる触媒組成物、(a)鉄含有化合物、(b)α-アシルホスホン酸ジエステル、(c)有機アルミニウム化合物、及び他の有機金属化合物又はルイス塩基を混合してなる触媒組成物、又は(a)鉄含有化合物と(b)ジヒドロカルビル水素ホスファイトと(c)有機アルミニウム化合物を含んで成る触媒組成物等が挙げられる。
コバルト系触媒組成物としては、可溶性コバルト、例えばコバルトオクトエート、コバルト1-ナフテート、コバルトベンゾエート等と、有機アルミニウム化合物、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム等と、二流化炭素とからなる触媒系等が挙げられる。
シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンは、踏面内の排水性とウェットグリップ性をより向上する観点から、1,2-結合含有量が、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
この1,2-結合中、シンジオタクティシティは、同様の観点から、70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、85質量%以上であることがより更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。なお、シンジオタクティシティは、1,2-結合中のシンジオタクティック構造含量を表わす。
1,2-結合中のシンジオタクティシティは、シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンのH及び13C核磁気共鳴(NMR)分析によって求めることができる。
踏面内の排水性とウェットグリップ性をより向上する観点から、シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンの重量平均分子量は10万~60万であることが好ましく、12万~60万であることがより好ましく、14万~60万であることが更に好ましく、16万~60万であることが特に好ましい。
シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンにおける1,2-結合中のシンジオタクティシティは60%以上であることが好ましく、65%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましく、80%以上が特に好ましい。1,2-結合中のシンジオタクティシティが高くなると、ダブルネットワークの形成が容易になるからである。
シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンにおける結晶化度は30~80%であることが好ましく、40~80%であることがより好ましく、45~80%であることが更に好ましい。
さらに、シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンの重量平均分子量は10万~60万の範囲内であって、1,2-結合中のシンジオタクティシティは60%以上であり、かつ結晶化度は30~80%の範囲内であれば、ダブルネットワークの形成が容易となる。これにより、タイヤの剛性を向上させることができ、シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンが異物として破壊核になりにくくなり、この点からも、優れる。
(ポリオキシアルキレングリコール/カルボン酸エステル)
ポリオキシアルキレングリコール/カルボン酸エステルは、(a)ポリオキシアルキレングリコールと(b)カルボン酸との重縮合物として得ることができる。
リオキシアルキレングリコール/カルボン酸エステルの重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、タイヤの弾性率を上げ、踏面内の排水性をより向上する観点から、400~5000であることが好ましく、500~3000であることがより好ましく、1000~2000であることが更に好ましい。
(a)ポリオキシアルキレングリコールとしては、アルキレン基の炭素数が2~3のポリオキシアルキレングリコールが好ましい。
具体的には、ポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール;エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体等が挙げられる。
(b)カルボン酸としては、酢酸、脂肪酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。中でも、踏面内の排水性をより向上する観点から、脂肪酸が好ましい。
脂肪酸としては、(b1)炭素数14~22の不飽和脂肪酸、(b2)炭素数2~24の飽和脂肪酸、(b3)炭素数2~10のジカルボン酸、(b4)ポリマー酸等が挙げられる。
(b1)炭素数14~22の不飽和脂肪酸としては、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
(b2)炭素数2~24の飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
(b3)炭素数2~10のジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
(b4)ポリマー酸としては、例えば、(b1)炭素数14~22の不飽和脂肪酸を2量体以上に多量化したものが挙げられる。
以上の中でも、(b3)炭素数2~10のジカルボン酸が好ましく、マレイン酸及びフマル酸がより好ましく、マレイン酸が更に好ましい。
ポリオキシアルキレングリコール/カルボン酸エステルの具体例としては、PEG200ジマレエート,PEG600ジマレエート等のポリオキシアルキレングリコールのジマレエート(ここでPEG200、PEG600とは、それぞれ平均分子量200又は600のポリエチレングリコールを示す)、両末端にカルボキシル基を有するポリブチレンマレエート、両末端にカルボキシル基を有するポリ(PEG200)マレエート等の両末端カルボン酸型ポリアルキレングリコール/マレイン酸ポリエステル、両末端にカルボキシル基を有するポリブチレンアジペートマレエート、PEG600ジフマレート等のポリオキシアルキレングリコールのジフマレート、両末端にカルボキシル基を有するポリブチレンフマレート、両末端にカルボキシル基を有するポリ(PEG200)フマレート等の両末端カルボン酸型ポリアルキレングリコール/フマル酸ポリエステル等が挙げられる。
踏面内の排水性をより向上する観点から、ポリオキシアルキレングリコール/カルボン酸エステルは、ポリエチレングリコールと(b3)炭素数2~10のジカルボン酸との縮重合物であることが好ましく、ポリエチレングリコールとマレイン酸との縮重合物(PEGMと称することがある)であることがより好ましい。
本発明のゴム組成物中の樹脂(C)の含有量は、特に制限されないが、踏面内の排水性とウェットグリップ性能をより向上する観点から、ゴム成分100質量部に対して、5~50質量部であることが好ましく、10~40質量部であることがより好ましく、15~35質量部であることが更に好ましい。
〔ポリブテン(D)〕
本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し、8~40質量部のポリブテン(D)を含有する。
ゴム組成物のポリブテン(D)の含有量が、ゴム成分100質量部に対し8質量部未満であると、ウェットグリップ性が得られない。ゴム組成物のポリブテン(D)の含有量が、ゴム成分100質量部に対し40質量部を超えると、タイヤの剛性が得られず、踏面内の排水性が得られない。また、ゴム組成物のポリブテン(D)の含有量が、ゴム成分100質量部に対し40質量部以下であることで、タイヤ全体のエネルギーロスを抑制することができ、低ロス性を発現し、タイヤの転がり抵抗を小さくすることができる。
ゴム組成物のポリブテン(D)の含有量は、上記の観点から、ゴム成分100質量部に対し、9質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、また、35質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。
ポリブテン(D)は、ウェットグリップ性の観点から、数平均分子量(Mn)が1500~50000であることが好ましい。
ポリブテン(D)の数平均分子量(Mn)が1500以上であることで、ポリブテン(D)の相溶性が最適化され、ウェットグリップ性を維持し易い。また、ポリブテン(D)の数平均分子量(Mn)が50000以下であることで、ゴム成分(A)に対する非相溶性が過度にならず、ウェットグリップ性を維持し易い。
ポリブテン(D)の数平均分子量(Mn)は、2500~32000であることがより好ましく、2500~25000であることが更に好ましく、2500~13000であることがより更に好ましく、2500~8000であることがより更に好ましく、2500~5000であることがより更に好ましい。
平均分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンを標準物質として求めることができる。
ポリブテン(D)は、無変性ポリブテン又は変性ポリブテンを、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリブテン(D)は、ウェットグリップ性の観点から、無変性であることが好ましい。
(各種成分)
本発明のゴム組成物には、既述のゴム成分(A)、充填剤(B)、樹脂(C)及びポリブテン(D)以外に、例えば、加硫剤、加硫促進剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤等のゴム業界で通常使用される各種成分を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら各種成分としては、市販品を好適に使用することができる。また、上記ゴム組成物は、ゴム成分(A)、充填剤(B)、樹脂(C)、ポリブテン(D)及び適宜選択した各種成分を配合して、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、インテンシブミキサーなどの密閉型混練り装置、ロールなどの非密閉型混練り装置等を用いて混練り後、熱入れ、押出等することにより調製することができる。
<タイヤトレッド、タイヤ>
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を加硫した加硫ゴムであり、ウェットグリップ性と踏面内の排水性に優れる。本発明のタイヤは、特に、ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤである。
本発明のゴム組成物を成形加工した後、加硫を行うことで、タイヤトレッドを製造することができる。タイヤトレッドは、特にトレッド接地部として好適に用いられる。
また、本発明のゴム組成物をトレッドに用いて通常のタイヤの製造方法によってタイヤが製造される。すなわち、前記のように各種成分を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階でタイヤトレッドに加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ゴム組成物の調製>
表1及び2に示す成分及び配合処方にて、ゴム組成物を常法に従って調製した。
〔表1~2中の各成分の詳細〕
表1~2中の各成分の詳細は次のとおりである。
ゴム成分(A)
SBR1:S-SBR、製造例1で合成した溶液重合スチレンブタジエンゴム
SBR2:E-SBR、製造例2で合成した乳化重合スチレンブタジエンゴム、50質量部のSBR2中にオイル分18.75質量部を含む、重量平均分子量(Mw)=85.2×10、分子量200×10以上500×10以下の割合=4.6%、収縮因子(g’)=0.57、ガラス転移温度(Tg)=-24℃
NR:RSS#3
充填剤(B)
カーボンブラック:旭カーボン社製の商品名「#80」
シリカ:東ソー・シリカ社製の商品名「NipSil(登録商標) AQ」
CTAB比表面積=165m/g
樹脂(C)
樹脂1:水添スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)(合計スチレン含量53質量%):JSR社製の商品名「DYNARON(登録商標)9901P」
樹脂2:製造例3で合成したシンジオタクティック1,2-ポリブタジエン(SPB)
樹脂3:花王社製、両末端カルボン酸型の平均重合度4.5のポリエチレングリコール/マレイン酸ポリエステル(ポリエステル部分の重合度5)
比較用樹脂
樹脂4:C5系樹脂、三井石油化学工業社製、商品名「HI-REZ G-100X」
ポリブテン(D)
ポリブテン:無変性ポリブテン、JXTGエネルギー社製、商品名「日石ポリブテンHV-1900」(数平均分子量(Mn)=2900)
各種成分
シランカップリング剤:エトキシ(3-メルカプトプロピル)ビス(3,6,9,12,15-ペンタオキサオクタコサン-1-イルオキシ)シラン、エボニック・デグサ社製の商品名Si363
オイル:石油系炭化水素プロセスオイル、出光興産社製、商品名「DAIHANA PROCESS OIL NS-28」
ワックス:マイクロクリスタリンワックス、日本精蝋株式会社製、商品名「オゾエース-0701」
老化防止剤6PPD:N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック6C」
老化防止剤TMQ:2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック 224(224-S)」
亜鉛華:ハクスイテック社製、商品名「3号亜鉛華」
加硫促進剤DPG:1,3-ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラー D」
加硫促進剤MBTS:ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラー DM」
加硫促進剤CBS:Nz-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業社製、商品名「サンセラーCM-G」
硫黄:鶴見化学社製、商品名「粉末硫黄」
〔製造例1:SBR1(S-SBR)の製造〕
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液およびスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3-ブタジエン67.5gおよびスチレン7.5gになるように加え、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn-ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N-ビス(トリメチルシリル)-3-[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピルアミンを0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥してSBR1(S-SBR)を得た。得られた変性SBRのミクロ構造を測定した結果、結合スチレン量が10質量%、ブタジエン部分のビニル結合量が40%、ピーク分子量が200,000であった。
〔製造例2:SBR2(E-SBR)の製造〕
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、撹拌機付槽型反応器である撹拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を重合反応器とした。予め水分除去した、1,3-ブタジエンを17.9g/分、スチレンを9.8g/分、n-ヘキサンを145.3g/分の条件で混合した。この混合溶液を反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn-ブチルリチウムを0.117mmol/分で添加、混合した後、反応基の底部に連続的に供給した。更に、極性物質として2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパンを0.0194g/分の速度で、重合開始剤としてn-ブチルリチウムを0.242mmol/分の速度で、撹拌機で激しく混合する重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させた。反応器頂部出口における重合溶液の温度が75℃となるように温度を制御した。重合が十分に安定したところで、反応器頂部出口より、カップリング剤添加前の重合体溶液を少量抜出し、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去し、110℃のムーニー粘度及び各種の分子量を測定した。
次に、反応器の出口より流出した重合体溶液に、カップリング剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミンを0.0302mmol/分(水分5.2ppm含有n-ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加し、カップリング剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合されカップリング反応した。このとき、反応器の出口より流出した重合溶液にカップリング剤が添加されるまでの時間は4.8分、温度は68℃であり、重合工程における温度と、変性剤を添加するまでの温度との差は7℃であった。カップリング反応した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n-ヘキサン溶液)で連続的に添加し、カップリング反応を終了した。酸化防止剤と同時に、重合体100gに対してオイル(JX日鉱日石エネルギー社製 JOMOプロセスNC140)が37.5gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。スチームストリッピングにより溶媒を除去して、SBR2(E-SBR)を得た。
〔製造例3:樹脂2(SPB)の製造〕
オーブンで乾燥した1Lのガラスボトル(B)に、セルフシールのゴムライナーと穴開き金属キャップとで栓をした。ボトル(B)を乾燥窒素ガス流で完全にパージした後、ボトル(B)にヘキサン類 94gと、1,3-ブタジエンを21.8質量%含む1,3-ブタジエン/ヘキサン類混合物206gとを加えた。次に、ボトル(B)に次の順番で以下の触媒成分を加えた:
(1)2-エチルヘキサン酸鉄(III) 0.045ミリモル、
(2)2-オキソ-2H)-5-ブチル-5-エチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン0.18ミリモル、及び
(3)トリイソブチルアルミニウム0.59ミリモル。
ボトル(B)を80℃に保持した水浴中に設置し、ボトル(B)内の成分を3時間攪拌した。生成した重合反応混合物は、流動性のある若干濁った溶液であった。室温に冷却するとすぐに、シンジオタクチック1,2-ポリブタジエンの析出に伴い、溶液の流動性は無くなった。重合反応混合物を、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールを酸化防止剤として含有するイソプロパノール3リットルで凝集させた。生成した固形物を濾過で単離し、60℃で減圧乾燥して一定重量にした。得られたSPB-1(シンジオタクチック1,2-ポリブタジエン-1)の収量は41.1g(収率91%)であり、融点は150℃であった。このポリマーをHおよび13C核磁気共鳴(NMR)で分析した結果、1,2-結合含有量は94%、1,2-結合中のシンジオタクティシティは80%であった。
シンジオタクティック1,2-ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は40万、結晶化度は54%であった。
<タイヤ及び加硫ゴムシートの製造と評価>
(比較例1、比較例4、及び実施例1)
比較例1、比較例4、及び実施例1のゴム組成物をトレッドゴムに適用し、245/40R/18サイズの試作タイヤを常法に従って製造した。
また、比較例1、比較例4、及び実施例1のゴム組成物を加硫して、加硫ゴムシートを作成した。
(比較例2、3、5~7及び実施例2~6)
比較例2、3、5~7及び実施例2~6のゴム組成物をトレッドゴムに適用し、245/40R/18サイズの試作タイヤを常法に従って製造する。
比較例2、3、5~7及び実施例2~6のゴム組成物を加硫して、加硫ゴムシートを作成する。
1.ウェットグリップ性(WET性能)の評価
(比較例1~7、実施例1~6)
試作タイヤのトレッドゴムから加硫ゴム試験片を切り出し、室温でブリティッシュ・ポータブル・スキッド・テスター(BPST)にて、湿潤コンクリート路面上を各試験片でこすって測定した際の抵抗値を測定する。比較例1の抵抗値を100として指数表示した。指数値が大きい程、抵抗値が大きく、ウェットグリップ性能に優れることを示す。許容範囲は106以上である。
2.剛性(E’)の評価
(比較例1、比較例4、実施例1)
比較例1、比較例4、及び実施例1の加硫ゴムシートから加硫ゴム試験片を打ち抜き、貯蔵弾性率(E’)を測定した。
貯蔵弾性率(E’)は、上島製作所社製スペクトロメーターを用いて、温度25℃、初期歪み2%、動歪み1%、周波数52Hzの条件で測定した。比較例1の貯蔵弾性率(E’)を100として指数表示した。指数値が大きい程、貯蔵弾性率(E’)が大きく、タイヤが剛性に優れることを意味する。許容範囲は110以上である。
(比較例2、3、5~7及び実施例2~6)
比較例2、3、5~7及び実施例2~6の加硫ゴムシートから加硫ゴム試験片を打ち抜き、貯蔵弾性率(E’)を測定する。
貯蔵弾性率(E’)は、上島製作所社製スペクトロメーターを用いて、温度25℃、初期歪み2%、動歪み1%、周波数52Hzの条件で測定する。比較例1の貯蔵弾性率(E’)を100として指数表示する。指数値が大きい程、貯蔵弾性率(E’)が大きく、タイヤが剛性に優れることを意味する。許容範囲は110以上である。
3.踏面内の排水性の評価
(比較例1、比較例4、実施例1)
BPST(ブリティッシュ・ポータブル・スキッド・テスター)を用いて、比較例1、比較例4、及び実施例1の試作タイヤのトレッドゴムからゴムブロックを切り出した。ゴムブロックをアクリル板上へ通過させたときのゴムブロック踏面内の排水されている面積をアクリル板下より撮影した。撮影した画像を二値化することにより、排水性を定量的に評価した。比較例1の踏面内の排水されている面積を100として指数表示した。指数値が大きいほど排水性が大きく、タイヤの接地面における排水性が優れることを意味する。許容範囲は110以上である。
(比較例2、3、5~7及び実施例2~6)
BPST(ブリティッシュ・ポータブル・スキッド・テスター)を用いて、比較例2、3、5~7及び実施例2~6の試作タイヤのトレッドゴムからゴムブロックを切り出す。ゴムブロックをアクリル板上へ通過させたときのゴムブロック踏面内の排水されている面積をアクリル板下より撮影する。撮影した画像を二値化することにより、排水性を定量的に評価する。比較例1の踏面内の排水されている面積を100として指数表示する。指数値が大きいほど排水性が大きく、タイヤの接地面における排水性が優れることを意味する。許容範囲は110以上である。
4.転がり抵抗の評価
(比較例1~7、実施例1~6)
比較例1~7及び実施例1~6の試作タイヤを用い、JIS D 4234:2009に基づき、転がり抵抗を測定する。得られた転がり抵抗値から、次式により指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗が小さい。すなわち、指数が大きいほど低燃費性に優れることを示す。許容範囲は95以上である。
転がり抵抗指数=[(比較例1のタイヤの転がり抵抗値)/(試作タイヤの転がり抵抗値)]×100
Figure 0007275460000001
Figure 0007275460000002
表2から明らかなように、本発明における樹脂(C)である樹脂1~3を含まない比較例1と比較例2は、タイヤの剛性が得られず、踏面内の排水性が不十分である。同様に樹脂(C)を含まない比較例7は、充填剤を多く用いることでタイヤの剛性を上げているが、ポリブテン(D)を含まない比較例3及びポリブテン(D)の量が少ない比較例4では、ウェットグリップ性が不十分である。一方、ポリブテン(D)の量が多すぎる比較例5では、比較例3及び4に比べウェットグリップ性を向上しているものの、タイヤの剛性が低下し、踏面内の排水性に優れない。ゴム成分にSBRを含まない比較例6も、タイヤの剛性が低下し、踏面内の排水性に優れない。
これに対し、実施例のタイヤは、いずれもウェットグリップ性と踏面内の排水性に優れる。
本発明のゴム組成物を用いたタイヤは、ウェットグリップ性と踏面内の排水性に優れることができるため、乗用車用、軽乗用車用、及び軽トラック用等の各種タイヤのトレッド部材等に用いることができる。

Claims (6)

  1. スチレンブタジエンゴムと天然ゴムとを含有し、スチレンブタジエンゴムの含有量が10質量%以上50質量%以下であるゴム成分(A)と、
    シリカを80質量%以上含む充填剤(B)と、
    剛性付与剤である樹脂(C)と、
    前記ゴム成分100質量部に対して8~40質量部のポリブテン(D)と
    を含むタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記樹脂(C)が、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体、シンジオタクティック1,2-ポリブタジエン及びポリオキシアルキレングリコール/カルボン酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記ポリブテン(D)は、無変性である請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 前記ポリブテン(D)は、数平均分子量が1500~50000である請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. 前記ポリブテン(D)は、数平均分子量が2500~32000である請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ。
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