JP7485238B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤに関する。
特許文献1には、路面に接地するキャップゴム層と該キャップゴムよりもタイヤ径方向内側に配置されるベースゴム層とを含むトレッド部を備えたタイヤが開示されている。
特開2014-162242号公報
しかしながら、前記のような複数のゴム層を有するトレッドを備えたタイヤの場合、路面に接地するキャップゴム層が走行により経時的に硬くなり、硬くなることによってウェットグリップ性能が低下するという問題がある。ここで、ゴムの硬度はゴムの厚さや表面の粗さによって大きく変化するため、キャップゴム層の硬度の経時的な変化を予測しコントロールする手法の開発が望まれる。
本発明は、摩耗後もウェットグリップ性能を維持できるタイヤを提供することを目的とする。
トレッド面を構成する第一層と、前記第一層の半径方向内側に隣接する第二層を少なくとも備えたトレッドを有するタイヤにおいて、ゴム硬度の経時的変化は、前記第一層から前記第二層へ可塑剤が拡散することにより生じること、また、可塑剤の拡散の程度は、第二層のアセトン抽出量の経時的変化によって判断できることが見出された。そこで、さらに鋭意検討を重ね、前記第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量と前記第二層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量との差を所定の範囲とし、かつ、所定の動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量の変化率を所定の範囲とすることにより、前記課題を解決できることが見出された。
すなわち、本発明は、トレッド面を構成する第一層と、前記第一層の半径方向内側に隣接する第二層を少なくとも備えたトレッドを有するタイヤであって、前記第一層および前記第二層がゴム成分および可塑剤を含有するゴム組成物により構成され、前記第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量AE1と前記第二層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量AE2との差(AE1-AE2)が6.0質量%超であり、前記第一層および前記第二層が貼り合わされた状態で、動応力0.45MPa、周波数50Hz、温度80℃の条件下で120時間動的刺激を与えたとき、前記動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量の変化率が-10%以上10%以下であるタイヤに関する。
本発明によれば、摩耗後もウェットグリップ性能を維持できるタイヤが提供される。
本発明の一実施形態に係るタイヤのトレッドの一部が示された断面図である。
本発明の一実施形態であるタイヤは、トレッド面を構成する第一層と、前記第一層の半径方向内側に隣接する第二層を少なくとも備えたトレッドを有するタイヤであって、前記第一層および前記第二層がゴム成分および可塑剤を含有するゴム組成物により構成され、前記第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量AE1と前記第二層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量AE2との差(AE1-AE2)が6.0質量%超であり、前記第一層および前記第二層が貼り合わされた状態で、動応力0.45MPa、周波数50Hz、温度80℃の条件下で120時間動的刺激を与えたとき、前記動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量の変化率が-10%以上10%以下であるタイヤである。
理論に拘束されることは意図しないが、本発明のタイヤがトレッドの経時的な硬度変化を抑制するメカニズムとしては以下が考えられる。すなわち、トレッドの第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量と第二層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量との差を所定の範囲とし、かつ、前記第一層を構成するゴム組成物に、所定の動的刺激を与えた前後のアセトン抽出量の変化率を所定の範囲とすることにより、第一層から第二層への可塑剤の拡散を適切にコントロールすることができる。このことから、タイヤの使用によるトレッド表面ゴム層の硬度変化を適切にコントロールし、かつウェットグリップ性能が長期に維持されるという特筆すべき効果が達成されると考えられる。
本発明のタイヤは、第一層を構成するゴム組成物の30℃におけるtanδが0.20未満であることが好ましく、0.15未満であることがより好ましい。
第一層を構成するゴム組成物のtanδが前記の値未満であると、走行時の発熱が小さくなり、第一層の経時的な硬化が抑制されると考えられる。
前記可塑剤は、オイルおよびエステル系可塑剤のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。
拡散速度の速いオイルおよびエステル系可塑剤のうち少なくとも1種を含有することにより、第一層の経時的な硬化が抑制できると考えられる。
前記可塑剤は、樹脂成分および液状ポリマーのうち少なくとも1種を含有することが好ましい。
拡散速度の遅い樹脂成分および液状ポリマーのうち少なくとも1種を含有することにより、第一層から第二層への可塑剤の拡散を抑制し、第一層が使用により経時的に硬くなることを抑制することができる。
前記第一層を構成するゴム組成物および前記第二層を構成するゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対する可塑剤の含有量の差は10質量部以上であることが好ましい。
前記第一層を構成するゴム組成物および前記第二層を構成するゴム組成物における可塑剤の配合量の差が10質量部以上であると、第一層の経時的な硬化が抑制できると考えられる。
前記動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物の0℃における複素弾性率(0℃E*)の変化率は-20%超20%未満であることが好ましく、0℃におけるtanδ(0℃tanδ)の変化率は-20%超20%未満であることが好ましい。
前記動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物の0℃E*および0℃tanδの変化率を-20%超20%未満とすることにより、第一層が使用により経時的に硬くなることをより抑制し、摩耗末期までウェットグリップ性能を維持することができると考えられる。
第一層を構成するゴム組成物の0℃E*は、本発明の効果の観点から、4.0MPa以上であることが好ましい。
第一層を構成するゴム組成物の0℃tanδは、本発明の効果の観点から、0.10以上であることが好ましい。
第一層を構成するゴム組成物のガラス転移温度は-40℃以上であることが好ましい。
第一層を構成するゴム組成物のガラス転移温度を-40℃以上とすると、-40℃未満の場合と比較して、Tgより高い温度領域での損失正接tanδがより高くなる傾向があり、本発明の効果をより発揮しやすくなると考えられる。
第一層を構成するゴム組成物のJIS K 6251:2017に準じて測定した破断時伸びは200%以上であることが好ましい。
第一層を構成するゴム組成物の破断時伸びを200%以上とすることで、タイヤ摩耗時の表面状態がより平滑に保たれやすくなり、実接地面積の減少が抑制され、結果としてタイヤ摩耗後のウェットグリップ性能の低下が抑制できると考えられる。
<定義>
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、JATMAであれば“標準リム”、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば“最高空気圧”、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。
「正規状態」は、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法(t1、t2等)は、前記正規状態で測定される。
「可塑剤」とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、ゴム組成物からアセトンを用いて抽出される成分である。可塑剤は、液体可塑剤(25℃で液体(液状)の可塑剤)および固体可塑剤(25℃で固体の可塑剤)を含む。
「可塑剤の拡散速度」は、一のゴム層から隣接するゴム層へ可塑剤が拡散する速さを意味する。異なる可塑剤を対比したときの拡散速度の大小は、下記の方法により、評価することができる。すなわち、ある可塑剤を含有する第一層の加硫ゴムシートと、可塑剤を含有しないこと以外は配合および製造方法が同じ第二層の加硫ゴムシートを、同じ面積および厚さで貼り合わせる。第一層から第二層の厚さ方向に向かって500gの荷重をかけながら、温度80℃の条件下で480時間静置し、その後、加硫ゴムシートをそれぞれ第一層および第二層に分離し、第二層の重量を測定する。これを複数の異なる可塑剤でそれぞれ実施し、荷重をかける前の第二層の初期重量を100として指数化する。指数が大きいほど、第一層に配合された可塑剤が第二層へ拡散する量が多いということを示し、可塑剤の拡散速度が速いことを示す。
「動的刺激」は、第一層および第二層が貼り合わされた状態で、張り合わされた面に対して垂直方向に動応力を繰り返し付加することを意味する。貼り合わされたゴム層にこのような動的刺激を加えることで、可塑剤の第一層から第二層への拡散が促進される。前記動応力の大きさは、下記のように、第一層および第二層を構成するゴム組成物が破壊されない、すなわち、動応力を繰り返し付加できるように設定される。本実施形態では、動的刺激を与えた前後の第一層を構成するゴム組成物の各種物性(アセトン抽出量、損失正接tanδ、複素弾性率E*等)が測定される。
「オイルの含有量」は、油展ゴムに含まれるオイル量も含む。
<測定方法>
「アセトン抽出量」は、JIS K 6229:2015に準拠して各加硫ゴム試験片を72時間アセトンに浸漬して可溶成分を抽出し、抽出前後の各試験片の質量を測定し、下記式により求めることができる。アセトン抽出量測定用サンプルは、長さ1mm×幅1mm×厚さ1mmの加硫ゴム組成物である。タイヤから切り出して作製する場合には、タイヤのトレッド部から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ半径方向が厚さ方向となるように切り出す。
(アセトン抽出量(質量%))={(抽出前のゴム試験片の質量-抽出後のゴム試験片の質量)/(抽出前のゴム試験片の質量)}×100
「アセトン抽出量の差」は、隣接するゴム層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量の差から求めることができる。例えば、第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量をAE1(%)、第二層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量をAE2(%)としたとき、AE1-AE2により求めることができる。
「動的試験」は、第一層および第二層が貼り合わされた状態で、動的粘弾装置(例えば、GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、動応力0.45MPa、周波数50Hz、温度80℃の条件下で張り合わされた面に対して垂直方向に120時間動的刺激を与えることにより行われる。タイヤから切り出して作製する場合には、タイヤのトレッド部から、第一層と第二層との界面を含み、第一層と第二層の厚さが同じとなるように、長さ30mm×幅30mm×厚さ10mmで切り出す。なお、サンプルの長辺はタイヤ周方向、サンプルの厚み方向はタイヤ半径方向とする。
「動的刺激を与えた前後のアセトン抽出量の変化率(%)」は、各加硫ゴム試験片に動的刺激を与えた前後のアセトン抽出量を測定し、下記式により求めることができる。
(動的刺激を与えた前後のアセトン抽出量の変化率(%))=
{(動的刺激を与えた後のアセトン抽出量)/(動的刺激を与える前のアセトン抽出量)×100}-100
「30℃におけるtanδ(30℃tanδ)」は、動的粘弾性測定装置(例えば、GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、温度30℃、初期歪5%、動歪1%、周波数10Hzの条件下で測定される損失正接である。損失正接測定用サンプルは、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmの加硫ゴム組成物である。タイヤから切り出して作製する場合には、タイヤのトレッド部から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ半径方向が厚さ方向となるように切り出す。
「0℃におけるtanδ(0℃tanδ)」は、動的粘弾性測定装置(例えば、GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、温度0℃、初期歪10%、動歪2.5%、周波数10Hzの条件下で測定される損失正接である。本測定用サンプルは、30℃tanδの場合と同様にして作製される。
「動的刺激を与えた前後の0℃tanδの変化率(%)」は、各加硫ゴム試験片に動的刺激を与えた前後の0℃tanδを測定し、下記式により求めることができる。
(動的刺激を与えた前後の0℃tanδの変化率(%))=
{(動的刺激を与えた後の0℃tanδ)/(動的刺激を与える前の0℃tanδ)×100}-100
「0℃における複素弾性率E*(0℃E*)」は、動的粘弾性測定装置(例えば、GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、温度0℃、初期歪10%、動歪2.5%、周波数10Hzの条件下で測定される複素弾性率である。本測定用サンプルは、30℃tanδの場合と同様にして作製される。
「動的刺激を与えた前後の0℃E*の変化率」は、各加硫ゴム試験片に動的刺激を与えた前後の0℃E*を測定し、下記式により求めることができる。
(動的刺激を与えた前後の0℃E*の変化率(%))=
{(動的刺激を与えた後の0℃E*)/(動的刺激を与える前の0℃E*)×100}-100
「ゴム組成物のガラス転移温度(Tg)」は、動的粘弾性測定装置(例えば、GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、周波数10Hz、初期歪10%、振幅±0.5%および昇温速度2℃/minの条件下で、tanδの温度分布曲線を測定し、得られた温度分布曲線における最も大きいtanδ値に対応する温度(tanδピーク温度)として決定する。本測定用サンプルは、30℃tanδの場合と同様にして作製される。
「破断時伸び(EB)」は、各試験用タイヤのトレッド部のゴム層内部からタイヤ周方向が引張方向となる様に切り出した厚さ1mmの7号ダンベル形状の試験片を作製し、JIS K 6251:2017に準じて、23℃雰囲気下にて、引張速度3.3mm/秒の条件で引張試験を実施し測定した値である。なお、サンプルの厚み方向はタイヤ半径方向とする。
「スチレン含量」は、1H-NMR測定により算出される値であり、例えば、SBR等のスチレンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「ビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、SBR、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。
「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(例えば、東ソー(株)製のGPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTIPORE HZ-M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。例えば、SBR、BR、可塑剤等に適用される。
「カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)」および「カーボンブラックのオイル吸収量(DBP吸油量(OAN))」は、JIS K 6217-2:2017に準じて測定される。「シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)」は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される。
「可塑剤のガラス転移点(Tg)」は、JIS K 7121:2012に従い、昇温速度10℃/分の条件で示差走査熱量測定(DSC)を行って測定される値である。
本発明の一実施形態であるタイヤの作製手順について、以下に詳細に説明する。但し、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。
[タイヤ]
図1は、本実施形態に係るタイヤのトレッドの一部が示された拡大断面図である。図1には、本実施形態に係るトレッドのうち、そのトレッド面に溝が形成されていない部分が、拡大して示されている。
図示される通り、本実施形態のタイヤのトレッド部は、第一層2および第二層3を備え、第一層2の外面がトレッド面1を構成し、第二層3が第一層2の半径方向内側に隣接している。第一層2は、典型的にはキャップトレッドに相当する。第二層3は、典型的にはベーストレッドまたはアンダートレッドに相当する。また、本発明の目的が達成される限り、第二層3とベルト層との間に、さらに1または2以上のゴム層(図1では第三層4)を有していてもよい。
図1において、両矢印t1は第一層2の厚み、両矢印t2は第二層3の厚みである。図1には、溝が形成されていないトレッド面上の任意の点が、記号Pとして示されている。記号Nで示される直線は、点Pを通り、この点Pにおける接平面に垂直な直線(法線)である。本明細書では、厚みt1およびt2は、図1の断面において、溝が存在しない位置におけるトレッド面上の点Pから引いた法線Nに沿って測定される。
本実施形態において、第一層2の厚みt1は特に限定されないが、ウェットグリップ性能の観点から、1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましく、2.0mm以上がさらに好ましく、3.0mm以上がさらに好ましく、4.0mm以上がさらに好ましく、5.0mm以上がさらに好ましく、6.0mm以上が特に好ましい。一方、発熱性の観点からは、第一層2の厚みt1は、10.0mm以下が好ましく、9.0mm以下がより好ましく、8.0mm以下がさらに好ましい。
本実施形態において、第二層3の厚みt2は特に限定されないが、1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましく、2.0mm以上がさらに好ましく、2.5mm以上が特に好ましい。また、第二層3の厚みt2は、10.0mm以下が好ましく、9.0mm以下がより好ましく、8.0mm以下がさらに好ましく、7.0mm以下がさらに好ましく、6.0mm以下がさらに好ましく、5.0mm以下が特に好ましい。
第一層2の厚みt1に対する第二層3の厚みt2の比(t2/t1)は、低燃費性能の観点から、0.10以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.20以上がさらに好ましい。一方、ウェットグリップ性能の観点からは、1.10以下が好ましく、0.90以下がより好ましく、0.70以下がさらに好ましく、0.50以下が特に好ましい。
≪アセトン抽出量≫
本実施形態において、第一層から第二層への可塑剤の拡散は、アセトン抽出量によって測定できる。アセトン抽出量は、前記測定方法で測定される。前記動的刺激を与える前の第一層2のアセトン抽出量は、5.0質量%以上が好ましく、8.0質量%以上がより好ましく、10.0質量%以上がさらに好ましく、15.0質量%以上がさらに好ましく、20.0質量%以上が特に好ましい。また、前記動的刺激を与える前の第一層2のアセトン抽出量は、40.0質量%以下が好ましく、35.0質量%以下がより好ましく、30.0質量%以下がさらに好ましく、28.0質量%以下がさらに好ましく、25.0質量%以下がさらに好ましく、24.0質量%以下が特に好ましい。前記動的刺激を与える前の第二層3のアセトン抽出量は、1.0質量%以上が好ましく、3.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上がさらに好ましく、7.0質量%以上がさらに好ましく、8.0質量%以上がさらに好ましく、10.0質量%以上が特に好ましい。また、前記動的刺激を与える前の第二層3のアセトン抽出量は、50.0質量%以下が好ましく、40.0質量%以下がより好ましく、30.0質量%以下がさらに好ましく、25.0質量%以下が特に好ましく、20.0質量%以上がさらに好ましく、15.0質量%以上が特に好ましい。
≪アセトン抽出量の差≫
本実施形態の第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量AE1と第二層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量AE2との差(AE1-AE2)は6.0質量%超であり、7.0質量%以上が好ましく、8.0質量%以上がより好ましく、9.0質量%以上がさらに好ましい。また、AE1-AE2の上限値は、本発明の効果の観点からは特に制限されないが、30質量%以下が好ましく、27質量%以下がより好ましく、24質量%以下がさらに好ましく、21質量%以下がさらに好ましく、18質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下が特に好ましい。なお、AE1およびAE2は、前記動的刺激を与える前のアセトン抽出量である。
≪アセトン抽出量の変化率≫
第一層および前記第二層が貼り合わされた状態で、前記動的刺激を与えたとき、前記動的刺激を与えた前後の第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量の変化率は、摩耗末期までウェットグリップ性能を維持する観点から、-10%以上10%以下である。該変化率は、-9%以上が好ましく、-8%以上が好ましい。また、該変化率は、7%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、0%未満がさらに好ましく、-1%以下がさらに好ましく、-2%以下がさらに好ましく、-3%以下が特に好ましい。
≪30℃tanδ≫
第一層2を構成するゴム組成物の30℃tanδは、走行時の発熱を小さくし、第一層が経時的の硬化することを抑制する観点から、0.22未満が好ましく、0.20未満がより好ましく、0.18未満がさらに好ましく、0.16未満がさらに好ましく、0.15未満がさらに好ましく、0.14未満が特に好ましい。また、第二層3を構成するゴム組成物の30℃tanδは、0.40未満が好ましく、0.30未満がより好ましく、0.20未満がさらに好ましく、0.15未満が特に好ましい。一方、第一層2および第二層3を構成するゴム組成物の30℃tanδは、0.05以上が好ましく、0.07以上がより好ましく、0.09以上がさらに好ましい。なお、第一層2を構成するゴム組成物の30℃tanδの値は、第二層3を構成するゴム組成物の30℃tanδの値よりも大きいことが好ましい。第一層2を構成するゴム組成物の30℃tanδと第二層3を構成するゴム組成物の30℃tanδとの差は、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましい。なお、ゴム組成物の30℃tanδは、ゴム成分、可塑剤等の種類や配合量により適宜調整することができる。
≪0℃E*の変化率≫
第一層および前記第二層が貼り合わされた状態で、前記動的刺激を与えたとき、前記動的刺激を与えた前後の第一層を構成するゴム組成物の0℃E*の変化率は、摩耗末期までウェットグリップ性能を維持する観点から、-20%超20%未満が好ましい。該変化率は、-10%超が好ましく、-5%超がより好ましく、-3%超がさらに好ましく、-1%超がさらに好ましく、1%超がさらに好ましく、3%超が特に好ましい。また、該変化率は、19%未満が好ましく、18%未満がより好ましく、17%未満がさらに好ましく、16%未満が特に好ましい。
≪0℃tanδの変化率(%)≫
第一層および前記第二層が貼り合わされた状態で、前記動的刺激を与えたとき、前記動的刺激を与えた前後の第一層を構成するゴム組成物の0℃tanδの変化率は、摩耗末期までウェットグリップ性能を維持する観点から、-20%超20%未満が好ましい。該変化率は、-14%超が好ましく、-10%超がより好ましく、-8%超がさらに好ましく、-6%超が特に好ましい。また、該変化率は、14%未満が好ましく、10%未満がより好ましく、8%未満がさらに好ましく、6%未満がさらに好ましく、4%未満がさらに好ましく、2%未満が特に好ましい。
≪0℃tanδ≫
第一層2を構成するゴム組成物の0℃tanδは、ウェットグリップ性能の観点から、0.10以上が好ましく、0.12以上がより好ましく、0.15以上がさらに好ましく、0.18以上が特に好ましい。また、第二層3を構成するゴム組成物の0℃tanδは、0.10以上が好ましく、0.12以上がより好ましく、0.14以上がさらに好ましい。一方、第一層2および第二層3を構成するゴム組成物の0℃tanδは、低燃費性能の観点から、0.80以下が好ましく、0.60以下がより好ましく、0.50以下がさらに好ましく、0.40以下がさらに好ましく、0.30以下が特に好ましい。なお、第一層2を構成するゴム組成物の0℃tanδの値は、第二層3を構成するゴム組成物の0℃tanδの値よりも大きいことが好ましい。第一層2を構成するゴム組成物の0℃tanδと第二層3を構成するゴム組成物の0℃tanδとの差は、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上がさらに好ましく、0.04以上が特に好ましい。なお、ゴム組成物の0℃tanδは、ゴム成分、可塑剤等の種類や配合量により適宜調整することができる。
≪0℃E*≫
第一層2を構成するゴム組成物の0℃E*は、ウェットグリップ性能の観点から、4.0MPa以上が好ましく、5.0MPa以上がより好ましく、6.0MPa以上がさらに好ましく、7.0MPa以上が特に好ましい。また、第二層3を構成するゴム組成物の0℃E*は、4.0MPa以上が好ましく、5.0MPa以上がより好ましく、6.0MPa以上がさらに好ましく、7.0MPa以上がさらに好ましく、8.0MPa以上が特に好ましい。一方、第一層2および第二層3を構成するゴム組成物の0℃E*は、路面追従性の観点から、100MPa以下が好ましく、70MPa以下がより好ましく、40MPa以下がさらに好ましく、30MPa以下が特に好ましい。なお、第一層2を構成するゴム組成物の0℃E*の値は、第二層3を構成するゴム組成物の0℃E*の値よりも小さいことが好ましい。第一層2を構成するゴム組成物の0℃E*と、第二層3を構成するゴム組成物の0℃E*との差は、0.5MPa以上が好ましく、1.0MPa以上がより好ましく、1.5MPa以上がさらに好ましい。0℃E*を前記の範囲とすることにより、路面追従性とアンカー摩擦のバランスが向上し、タイヤ摩耗後のウェットグリップ性能の低下が抑制できると考えられる。なお、ゴム組成物の0℃E*は、ゴム成分、可塑剤等の種類や配合量により適宜調整することができる。
≪ガラス転移温度(Tg)≫
第一層2を構成するゴム組成物のTgは、ウェットグリップ性能の観点から、-40℃以上が好ましく、-35℃以上がより好ましく、-30℃以上がさらに好ましい。Tgを-40℃以上にすると、-40℃未満の場合と比較して、Tgより高い温度領域での損失正接tanδがより高くなる傾向がある。また、第二層3を構成するゴム組成物のTgは、-60℃以上が好ましく、-55℃以上がより好ましく、-50℃以上がさらに好ましく、-45℃以上が特に好ましい。なお、第一層2、および第二層3を構成するゴム組成物のTgの上限値は特に制限されないが、20℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましく、0℃以下がさらに好ましく、-10℃以下が特に好ましい。なお、ゴム組成物のTgは、ゴム成分、可塑剤等の種類や配合量により適宜調整することができる。
≪破断時伸び(EB)≫
第一層2を構成するゴム組成物のEBは、耐摩耗性能の観点から、200%以上が好ましく、300%以上がより好ましく、400%以上がさらに好ましく、500%以上が特に好ましい。また、第二層3を構成するゴム組成物のEBは、200%以上が好ましく、300%以上がより好ましく、400%以上がさらに好ましく、450%以上が特に好ましい。EBを前記の範囲とすることで、タイヤ摩耗時の表面状態がより平滑に保たれやすくなり、実接地面積の減少が抑制され、結果としてタイヤ摩耗後のウェットグリップ性能の低下が抑制できると考えられる。なお、第一層2および第二層3を構成するゴム組成物のEBの上限値は特に制限されない。なお、ゴム組成物のEBは、ゴム成分、可塑剤等の種類や配合量により適宜調整することができる。
(AE1-AE2)/(t2/t1)は、本発明の効果の観点から、22.0以上が好ましく、24.0以上がより好ましく、27.0以上がさらに好ましく、30.0以上がさらに好ましく、33.0以上が特に好ましい。一方、(AE1-AE2)/(t2/t1)の上限値は特に制限されないが、100以下が好ましく、90.0以下がより好ましく、80.0以下がさらに好ましく、70.0以下が特に好ましい。
[トレッド用ゴム組成物]
本実施形態のトレッド部はトレッド面を構成する第一層2と、第一層2の半径方向内側に隣接する第二層3を少なくとも備え、第一層2を構成するゴム組成物のアセトン抽出量と第二層3を構成するゴム組成物のアセトン抽出量との差を所定の範囲であることを特徴とする。トレッド部の各層を構成するゴム組成物は、いずれも以下に説明する原料を用いて、要求されるアセトン抽出量等に応じて製造することができる。以下に詳細に説明する。
<ゴム成分>
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分としてジエン系ゴムが好適に用いられる。ジエン系ゴムとしては、例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらのゴム成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分100質量%中のジエン系ゴムの含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。また、ジエン系ゴムのみからなるゴム成分としてもよい。
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分としてイソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。第一層2および第二層3を構成するゴム成分は、イソプレン系ゴムを含むことが好ましく、イソプレン系ゴムおよびBRを含むことがより好ましく、イソプレン系ゴム、BR、およびSBRを含むことがさらに好ましく、イソプレン系ゴム、BR、およびSBRのみからなるゴム成分としてもよい。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)および天然ゴム等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。天然ゴムには、非改質天然ゴム(NR)の他に、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴム等も含まれる。これらのイソプレン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
NRとしては、特に限定されず、タイヤ業界において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等が挙げられる。
イソプレン系ゴムを含有する場合のゴム成分100質量%中の含有量は、ウェットグリップ性能の観点から、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、65質量%以下が特に好ましい。また、イソプレン系ゴムを含有する場合の含有量の下限値は特に制限されないが、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上が特に好ましい。
(SBR)
SBRとしては特に限定はなく、未変性の溶液重合SBR(S-SBR)や乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。なかでもS-SBRおよび変性SBRが好ましい。さらに、これらSBRの水素添加物(水素添加SBR)等も使用することができる。これらのSBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRとしては油展SBRを用いることもできるし、非油展SBRを用いることもできる。油展SBRを用いる場合、SBRの油展量、すなわち、SBRに含まれる油展オイルの含有量は、SBRのゴム固形分100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
本実施形態で使用できるS-SBRとしては、JSR(株)、住友化学(株)、宇部興産(株)、旭化成(株)、ZSエラストマー(株)等より市販されているものを使用することができる。
SBRのスチレン含量は、ウェットグリップ性能および耐摩耗性能の観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、グリップ性能の温度依存性および耐ブロー性能の観点からは、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。なお、SBRのスチレン含量は、前記測定方法により測定される。
SBRのビニル含量は、シリカとの反応性の担保、ウェットグリップ性能、ゴム強度、および耐摩耗性能の観点から、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましい。また、SBRのビニル含量は、温度依存性の増大防止、破断伸び、および耐摩耗性能の観点から、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、65モル%以下がさらに好ましい。なお、SBRのビニル含量は、前記測定方法により測定される。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、ウェットグリップ性能の観点から、20万以上が好ましく、25万以上がより好ましく、30万以上がさらに好ましい。また、SBRのMwは、架橋均一性の観点から、200万以下が好ましく、180万以下がより好ましく、150万以下がさらに好ましい。なお、SBRのMwは、前記測定方法により測定される。
SBRを含有する場合のゴム成分100質量%中の含有量は、ウェットグリップ性能の観点から、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上が特に好ましい。また、SBRのゴム成分中の含有量は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
(BR)
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス含量が50モル%未満のBR(ローシスBR)、シス含量が90モル%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。変性BRとしては、上記SBRで説明したのと同様の官能基等で変性されたBRが挙げられる。これらのBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)、宇部興産(株)、JSR(株)等より市販されているものを使用することができる。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性能を向上させることができる。ハイシスBRのシス含量は、好ましくは95モル%以上、より好ましくは96モル%以上、さらに好ましくは97モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。
希土類系BRとしては、希土類元素系触媒を用いて合成され、ビニル含量が、好ましくは1.8モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下、さらに好ましくは0.8%モル以下であり、シス含量が、好ましくは95モル%以上、より好ましくは96モル%以上、さらに好ましくは97モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。希土類系BRとしては、例えば、ランクセス(株)等より市販されているものを使用することができる。なお、BRのビニル含量およびシス含量は、前記測定方法により測定される。
SPB含有BRは、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、単にBR中に結晶を分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、宇部興産(株)等より市販されているものを使用することができる。
変性BRとしては、末端および/または主鎖がケイ素、窒素および酸素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む官能基によって変性された変性ブタジエンゴム(変性BR)が好適に用いられる。
その他の変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3-ブタジエンの重合を行ったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ-炭素結合で結合されているもの(スズ変性BR)等が挙げられる。また、変性BRは、水素添加されていないもの、水素添加されているもののいずれであってもよい。
前記で列挙されたBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性能の観点から、30万以上が好ましく、35万以上がより好ましく、40万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性の観点からは、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。なお、BRのMwは、前記測定方法により測定される。
BRを含有する場合のゴム成分100質量%中の含有量は、ウェットグリップ性能の観点から、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下が特に好ましい。また、BRを含有する場合の含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましい。
(その他のゴム成分)
ゴム成分は、本発明の効果に影響を与えない範囲で、ジエン系ゴム以外の他のゴム成分を含有してもよい。ジエン系ゴム以外の他のゴム成分としては、タイヤ工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、例えば、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等が挙げられる。これら他のゴム成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記のゴム成分の他に、公知の熱可塑性エラストマーを含有してもよく、含有しなくてもよい。
<可塑剤>
本実施形態に係るゴム組成物は、可塑剤を含有する。可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、液体可塑剤(常温(25℃)で液体(液状)の可塑剤)および固体可塑剤(常温(25℃)で固体の可塑剤)を含む概念である。具体的には、ゴム組成物からアセトンを用いて抽出されるような成分である。可塑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る可塑剤は、前記および下記参考例の可塑剤の拡散速度の評価方法により、第一層から第二層へ可塑剤が拡散する速さによって、可塑剤A、可塑剤B、可塑剤C、およびその他の可塑剤に分類される。拡散速度が速い可塑剤Aは、ガラス転移点が-40℃以下、かつ/または、重量平均分子量(Mw)が1000未満であることが好ましい。拡散速度が中程度の可塑剤Bは、ガラス転移点が30℃以上であることが好ましい。拡散速度が遅い可塑剤Cは、ガラス転移点が-70℃超30℃未満、かつ/または、重量平均分子量(Mw)が1000以上であることが好ましい。
可塑剤Aは、オイルおよびエステル系可塑剤のうち少なくとも1種であることが好ましい。可塑剤Bは樹脂成分であることが好ましい。可塑剤Cは液状ポリマーであることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物は、可塑剤Aと可塑剤Bおよび/または可塑剤Cを含有することが好ましく、可塑剤A、可塑剤B、および可塑剤Cを含有することがより好ましい。
樹脂成分としては、特に限定されないが、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられ、テルペン系樹脂が好適に用いられる。樹脂成分としては、例えば、ガラス転移点が30℃以上のものが適宜選択される。これらの樹脂成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
石油樹脂としては、C5系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、C5C9系石油樹脂等が挙げられる。
本明細書において「C5系石油樹脂」とは、C5留分を重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C5留分としては、例えば、シクロペンタジエン、ペンテン、ペンタジエン、イソプレン等の炭素数4~5個相当の石油留分が挙げられる。C5系石油樹脂しては、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)が好適に用いられる。
本明細書において「芳香族系石油樹脂」とは、C9留分を重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C9留分としては、例えば、ビニルトルエン、アルキルスチレン、インデン、メチルインデン等の炭素数8~10個相当の石油留分が挙げられる。芳香族系石油樹脂の具体例としては、例えば、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、および芳香族ビニル系樹脂が好適に用いられる。芳香族ビニル系樹脂としては、経済的で、加工しやすく、発熱性に優れているという理由から、α-メチルスチレンもしくはスチレンの単独重合体またはα-メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましく、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。芳香族ビニル系樹脂としては、例えば、クレイトン社、イーストマンケミカル社等より市販されているものを使用することができる。
本明細書において「C5C9系石油樹脂」とは、前記C5留分と前記C9留分を共重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C5留分およびC9留分としては、前記の石油留分が挙げられる。C5C9系石油樹脂としては、例えば、東ソー(株)、LUHUA社等より市販されているものを使用することができる。
テルペン系樹脂としては、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ジペンテン等のテルペン化合物から選ばれる少なくとも1種からなるポリテルペン樹脂;前記テルペン化合物と芳香族化合物とを原料とする芳香族変性テルペン樹脂;テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料とするテルペンフェノール樹脂;並びにこれらのテルペン系樹脂に水素添加処理を行ったもの(水素添加されたテルペン系樹脂)が挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂の原料となる芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン等が挙げられる。テルペンフェノール樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば天然樹脂ロジン、それを水素添加、不均化、二量化、エステル化等で変性したロジン変性樹脂等が挙げられる。
フェノール系樹脂としては、特に限定されないが、フェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールアセチレン樹脂、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
樹脂成分のガラス転移点(Tg)は、30℃以上が好ましく、40℃以下がより好ましく、50℃以上がさらに好ましく、60℃以上が特に好ましい。また、樹脂成分のTgは、140℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましく、80℃以下が特に好ましい。
第一層2を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量は、ウェットグリップ性能の観点から、1.0質量部以上が好ましく、3.0質量部以上がより好ましく、5.0質量部以上がさらに好ましく、7.0質量部以上がさらに好ましく、8.0質量部以上がさらに好ましく、10質量部以上がさらに好ましく、12質量部以上が特に好ましい。また、発熱性抑制の観点からは、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下がさらに好ましく、25質量部以下が特に好ましい。なお、第二層3を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量は特に制限されない。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂等が挙げられる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル(ミネラルオイル)、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル等が挙げられる。プロセスオイルの具体例としては、例えば、MES(Mild Extract Solvated)、DAE(Distillate Aromatic Extract)、TDAE(Treated Distillate Aromatic Extract)、TRAE(Treated Residual Aromatic Extract)、RAE(Residual Aromatic Extract)等が挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound:PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルを使用することもできる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、MES、TDAE、重ナフテン系オイル等が挙げられる。また、ライフサイクルアセスメントの観点から、ゴム混合機やエンジンに用いられた後の廃油や、調理店で使用された廃食用油を精製したものを用いてもよい。
オイルのガラス転移点(Tg)は、-40℃以下が好ましく、-50℃以下がより好ましい。また、オイルのTgは、-100℃以上が好ましく、-80℃以上がより好ましい。
オイルの重量平均分子量(Mw)は、1000未満が好ましく、800未満が好ましく、700未満がさらに好ましく、600未満が特に好ましい。また、オイルのMwは、100超が好ましく、200超がより好ましく、300超がさらに好ましい。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1.0質量部以上が好ましく、3.0質量部以上がより好ましく、5.0質量部以上がさらに好ましく、7.0質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、120質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましく、60質量部以下がさらに好ましく、50質量部以下がさらに好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下がさらに好ましく、25質量部以下が特に好ましい。
液状ポリマーは、常温(25℃)で液体状態のポリマーであれば特に限定されないが、例えば、液状ブタジエンゴム(液状BR)、液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR)、液状イソプレンゴム(液状IR)、液状スチレンイソプレンゴム(液状SIR)、液状ファルネセンゴム等が挙げられ、液状BRおよび/または液状SBRが好適に用いられる。これらの液状ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ポリマーのガラス転移点(Tg)は、-70℃超が好ましく、-50℃超がより好ましく、-30℃超がさらに好ましい。また、液状ポリマーのTgは、30℃未満が好ましく、20℃未満がより好ましく、10℃未満がさらに好ましく、0℃未満が特に好ましい。
液状ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、1000以上が好ましく、2000以上よりが好ましく、3000以上がさらに好ましく、3500以上がさらに好ましく、4000以上が特に好ましい。また、液状ポリマーのMwは、30000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、8000以下がさらに好ましく、6000以下が特に好ましい。
第一層2を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する液状ポリマーの含有量は、1.0質量部以上が好ましく、3.0質量部以上がより好ましく、5.0質量部以上がさらに好ましく、7.0質量部以上が特に好ましい。また、液状ポリマーの含有量は、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下が特に好ましい。なお、第二層3を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する液状ポリマーの含有量は特に制限されない。
エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2-エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等が挙げられる。これらのエステル系可塑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エステル系可塑剤のガラス転移点(Tg)は、-40℃以下が好ましく、-50℃以下がより好ましい。また、エステル系可塑剤のTgは、-100℃以上が好ましく、-80℃以上がより好ましい。
エステル系可塑剤の重量平均分子量(Mw)は、1000未満が好ましく、800未満が好ましく、700未満がさらに好ましく、600未満が特に好ましい。また、エステル系可塑剤のMwは、100超が好ましく、200超がより好ましく、300超がさらに好ましい。
第一層2を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するエステル系可塑剤の含有量は、1.0質量部以上が好ましく、3.0質量部以上がより好ましく、5.0質量部以上がさらに好ましく、7.0質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、120質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましく、60質量部以下がさらに好ましく、50質量部以下がさらに好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下がさらに好ましく、25質量部以下が特に好ましい。なお、第二層3を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するエステル系可塑剤の含有量は特に制限されない。
第一層2を構成するゴム組成物に含まれる可塑剤中のオイルに対する液状ポリマーの含有量の比は、0.10超が好ましく、0.15超が好ましく、0.20超がさらに好ましく、0.25超がさらに好ましく、0.30超が特に好ましい。また、該含有比は、10未満が好ましく、5.0未満がより好ましく、3.0未満がさらに好ましく、2.5未満がさらに好ましく、2.0未満がさらに好ましく、1.6未満がさらに好ましく、1.2未満が特に好ましい。
第一層2を構成するゴム組成物に含まれる可塑剤中のオイルに対する樹脂成分の含有量の比は、0.10超が好ましく、0.15超が好ましく、0.20超がさらに好ましく、0.25超がさらに好ましく、0.30超が特に好ましい。また、該含有比は、10未満が好ましく、5.0未満がより好ましく、3.0未満がさらに好ましく、2.5未満がさらに好ましく、2.0未満がさらに好ましく、1.6未満が特に好ましい。
第一層2および第二層3を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する可塑剤Aの含有量(複数の可塑剤を併用する場合は全ての合計量)は、3.0質量部以上が好ましく、5.0質量部以上がより好ましく、7.0質量部以上がさらに好ましく、8.0質量部以上がさらに好ましく、10質量部以上がさらに好ましく、12質量部以上が特に好ましい。また、第一層2および第二層3を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する可塑剤Aの含有量は、120質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましく、60質量部以下がさらに好ましく、50質量部以下がさらに好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下がさらに好ましく、25質量部以下が特に好ましい。
第一層2を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する可塑剤Bの含有量(複数の可塑剤を併用する場合は全ての合計量)は、1.0質量部以上が好ましく、3.0質量部以上がより好ましく、5.0質量部以上がさらに好ましく、7.0質量部以上がさらに好ましく、8.0質量部以上がさらに好ましく、10質量部以上がさらに好ましく、12質量部以上が特に好ましい。また、第一層2を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する可塑剤Bの含有量は、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下がさらに好ましく、25質量部以下が特に好ましい。なお、第二層3を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する可塑剤Bの含有量は特に制限されない。
第一層2を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する可塑剤Cの含有量(複数の可塑剤を併用する場合は全ての合計量)は、1.0質量部以上が好ましく、3.0質量部以上がより好ましく、5.0質量部以上がさらに好ましく、7.0質量部以上が特に好ましい。また、第一層2を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する可塑剤Cの含有量は、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下が特に好ましい。なお、第二層3を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対する可塑剤Cの含有量は特に制限されない。
第一層2および第二層3を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するその他の可塑剤の含有量(複数の可塑剤を併用する場合は全ての合計量)は、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましく、1質量部以下が特に好ましく、その他の可塑剤を含有しなくてもよい。
第一層2を構成するゴム組成物および第二層3を構成するゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対する可塑剤の含有量の差は10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましく、25質量部以上が特に好ましい。第一層2を構成するゴム組成物および第二層3を構成するゴム組成物における可塑剤の配合量の差を前記の範囲とすることにより、第一層2の経時的な硬化が抑制できると考えられる。なお、第一層2を構成するゴム組成物および第二層3を構成するゴム組成物における可塑剤の配合量の差の上限値は、本発明の効果の観点からは特に制限されないが、例えば、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下とすることができる。
<フィラー>
本実施形態に係るゴム組成物は、カーボンブラックおよび/またはシリカを含むフィラーが好適に使用される。第一層2および第二層3を構成するゴム組成物は、フィラーとしてシリカを含むことがより好ましく、カーボンブラックおよびシリカを含むことがより好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては、タイヤ工業において一般的なものを適宜利用することができる、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。これらのカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、補強性の観点から、10m2/g以上が好ましく、20m2/g以上がより好ましく、35m2/g以上がさらに好ましく、50m2/g以上が特に好ましい。また、低燃費性能および加工性の観点からは、200m2/g以下が好ましく、160m2/g以下がより好ましく、140m2/g以下がさらに好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、前記測定方法により測定される。
カーボンブラックのオイル吸収量(DBP吸油量(OAN))は、補強性の観点から、80mL/100g以上が好ましく、90mL/100g以上がより好ましく、100mL/100g以上がさらに好ましい。また、該OANは、加工性の観点から、250mL/100g以下が好ましく、200mL/100g以下がより好ましく、160mL/100g以下がさらに好ましい。なお、カーボンブラックのOANは、前記測定方法により測定される。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、耐摩耗性能およびウェットグリップ性能の観点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましく、20質量部以上が特に好ましい。また、低燃費性能の観点からは、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましく、50質量部以下がさらに好ましく、40質量部以下が特に好ましい。
(シリカ)
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。これらのシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、低燃費性能および耐摩耗性能の観点から、100m2/g以上が好ましく、120m2/g以上がより好ましく、140m2/g以上がさらに好ましく、160m2/g以上が特に好ましい。また、低燃費性能および加工性の観点からは、350m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましく、250m2/g以下がさらに好ましい。なお、シリカのN2SAは、前記測定方法により測定される。
シリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ウェットグリップ性能の観点から、20質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、40質量部以上がさらに好ましく、50質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、130質量部以下が好ましく、110質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましく、90質量部以下が特に好ましい。
シリカとカーボンブラックのゴム成分100質量部に対する合計含有量は、耐摩耗性能の観点から、25質量部以上が好ましく、40質量部以上がより好ましく、55質量部以上がさらに好ましく、70質量部以上が特に好ましい。また、低燃費性能および破断時伸びの観点からは、160質量部以下が好ましく、140質量部以下がより好ましく、120質量部以下がさらに好ましい。
第一層2および第二層3を構成するゴム組成物は、低燃費性能、ウェットグリップ性能、および耐摩耗性能のバランスの観点から、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量がカーボンブラックの含有量よりも多いことが好ましい。第一層2および第二層3におけるシリカとカーボンブラックの合計含有量に対するシリカの割合は、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、65質量%以上が特に好ましい。
(シランカップリング剤)
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができるが、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤;ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-ヘキサノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤;等が挙げられる。なかでも、スルフィド系シランカップリング剤および/またはメルカプト系シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、モメンティブ社等より市販されているものを使用することができる。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましく、3.0質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の低下を防止する観点からは、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、12質量部以下がさらに好ましく、9.0質量部以下が特に好ましい。
シランカップリング剤のシリカ100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、1.0質量部以上が好ましく、3.0質量部以上がより好ましく、5.0質量部以上がさらに好ましい。また、コストおよび加工性の観点からは、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、12質量部以下がさらに好ましい。
フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ以外に、さらにその他のフィラーを用いてもよい。そのようなフィラーとしては、特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、タルク、クレー等この分野で一般的に使用されるフィラーをいずれも用いることができる。これらその他のフィラーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他の配合剤>
本実施形態に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、ワックス、加工助剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐候性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化防止の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
加工助剤としては、例えば、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、アミドエステル、シリカ表面活性剤、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩とアミドエステルとの混合物、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物等が挙げられる。これらの加工助剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加工助剤としては、例えば、Schill+Seilacher社、パフォーマンスアディティブス社等より市販されているものを使用することができる。
加工助剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の改善効果を発揮させる観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性および破壊強度の観点からは、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤が挙げられ、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系老化防止剤、および2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤が好ましい。これらの老化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐オゾンクラック性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性能やウェットグリップ性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、加硫速度の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保する観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。また、劣化防止の観点からは、5.0質量部以下が好ましく、4.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下がさらに好ましい。なお、加硫剤として、オイル含有硫黄を使用する場合の加硫剤の含有量は、オイル含有硫黄に含まれる純硫黄分の合計含有量とする。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等が挙げられる。これらの硫黄以外の加硫剤は、田岡化学工業(株)、ランクセス(株)、フレクシス社等より市販されているものを使用することができる。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系若しくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系、およびチアゾール系加硫促進剤からなる群から選ばれる1以上の加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤がより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)が好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)が好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。なかでも、2-メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量(複数の加硫促進剤を併用する場合は全ての合計量)は、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、6質量部以下がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
本実施形態に係るゴム組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。
混練り工程は、例えば、加硫剤および加硫促進剤以外の配合剤および添加剤を混練りするベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加して混練りするファイナル練り(F練り)工程とを含んでなるものである。さらに、前記ベース練り工程は、所望により、複数の工程に分けることもできる。
混練条件としては特に限定されるものではないが、例えば、ベース練り工程では、排出温度150~170℃で3~10分間混練りし、ファイナル練り工程では、70~110℃で1~5分間混練りする方法が挙げられる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
本実施形態に係るタイヤは、第一層2および第二層3を含むトレッドを備えるものであり、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤを問わない。また、空気入りタイヤとしては、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等が挙げられ、特に乗用車用タイヤとして好適に使用される。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
第一層2および第二層3を含むトレッドを備えたタイヤは、前記のゴム組成物を用いて、通常の方法により製造できる。すなわち、ゴム成分に対して上記各成分を必要に応じて配合した未加硫のゴム組成物を、所定の形状の口金を備えた押し出し機で第一層2および第二層3の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
SBR:下記製造例1により製造されたSBR(スチレン含量:25質量%、ビニル含量:59モル%、Mw:25万、非油展)
BR:宇部興産(株)製のUBEPOL BR(登録商標)150B(ビニル含量:1.5モル%、シス含量:97モル%、Mw:44万)
NR:TSR20
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシースト6(DBP吸油量:114mL/100g、N2SA:119m2/g)
シリカ:ソルベイ社製のZeosil 1115MP(N2SA:160m2/g)
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi75(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
可塑剤1:出光興産(株)製のPS-32(パラフィン系プロセスオイル、Tg:-86℃、Mw:300)
可塑剤2:ENEOS(株)製のプロセスX-140(アロマ系プロセスオイル、Tg:-41℃、Mw:600)
可塑剤3:ヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターT80(テルペンフェノール樹脂、Tg:62℃、Mw:1000)
可塑剤4:ヤスハラケミカル(株)製のPX1150N(水素添加されていないポリテルペン樹脂、Tg:62℃、Mw:3000)
可塑剤5:下記製造例2により製造された液状SBR(Tg:-25℃、Mw:5000)
可塑剤6:下記製造例3により製造された液状SBR(Tg:-5℃、Mw:5000)
可塑剤7:大八化学工業(株)製のTOP(トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、Tg:-74℃、Mw:435)
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(DPG、1,3-ジフェニルグアニジン)
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
(製造例1:SBRの製造)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、ヘキサン600mL、1,3-ブタジエン75g、スチレン25g、テトラヒドロフラン60mLを投入し、40℃で攪拌した。0.1mоl/Lのn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液を0.5mLずつ添加しスカベンジ処理をした後、0.1mоl/Lのn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液4mLを添加し、撹拌速度を130rpm、ジャケット温度を80℃にして攪拌した。GPCでMwが25万の重合物の生成を確認した後、重合溶液を4Lのエタノールに注ぎ、沈殿を回収した。得られた沈殿を送風乾燥した後、80℃/10Pa以下で乾燥減量が0.1%になるまで減圧乾燥を行い、SBRを得た。
(製造例2:可塑剤5(液状SBR)の製造)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、1.0mоl/Lのn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液20mL、ヘキサン200mL、テトラヒドロフラン60mLを添加した後、1,3-ブタジエン75gおよびスチレン25gをヘキサン400mLに溶解させたモノマー溶液を、反応液が90℃を超えないように添加しながら、撹拌速度を80rpm、ジャケット温度を80℃にして攪拌した。GPCでMwが5000の重合物の生成を確認した後、重合溶液を4Lのエタノールに注ぎ、沈殿を回収した。得られた沈殿を送風乾燥した後、80℃/10Pa以下で乾燥減量が0.1%になるまで減圧乾燥を行った。得られた液状物をDSCによって分析した結果、Tgは-25℃であった。
(製造例3:可塑剤6(液状SBR)の製造)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、1.0mоl/Lのn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液20mL、ヘキサン200mL、テトラヒドロフラン60mLを添加した後、1,3-ブタジエン60gおよびスチレン40gをヘキサン400mLに溶解させたモノマー溶液を、反応液が90℃を超えないように添加しながら、撹拌速度を80rpm、ジャケット温度を80℃にして攪拌した。GPCでMwが5000の重合物の生成を確認した後、重合溶液を4Lのエタノールに注ぎ、沈殿を回収した。得られた沈殿を送風乾燥した後、80℃/10Pa以下で乾燥減量が0.1%になるまで減圧乾燥を行った。得られた液状物をDSCによって分析した結果、Tgは-5℃であった。
[参考例]
(加硫ゴムシートの作成)
表1および表2に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度150~160℃になるまで1~10分間混練りし、混練物を得た。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を160℃で8分間加硫して、長さ40mm×幅40mm×厚さ2mmに切り出し、加硫ゴムシートを作成した。
(可塑剤の拡散速度の測定)
表3の組み合わせに従い、第一層および第二層の加硫ゴムシートを貼り合わせ、第一層から第二層に向かって500gの荷重をかけながら、温度80℃の条件下で480時間静置した。その後、加硫ゴムシートをそれぞれ第一層および第二層に分離し、第二層の重量を測定し、荷重をかける前の第二層の初期重量を100として指数化した。指数が大きいほど、第一層に配合された可塑剤が第二層へ拡散する量が多いということを示し、可塑剤の拡散速度が速いことを示す。表3の結果、可塑剤の拡散速度は、可塑剤1、可塑剤2、可塑剤3、可塑剤4、可塑剤5、可塑剤6の順に速いことがわかった。
Figure 0007485238000001
Figure 0007485238000002
Figure 0007485238000003
(実施例および比較例)
表4に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度150~160℃になるまで1~10分間混練りし、混練物を得た。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を用いて、トレッドの第一層および第二層の形状に合わせて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃で加硫して表5に記載の各試験用タイヤ(サイズ:205/65R15、リム:15×6JJ、内圧:230kPa)を得た。
<動的試験>
タイヤのトレッド部から、第一層と第二層との界面を含み、第一層と第二層の厚さが同じとなるように、長さ30mm×幅30mm×厚さ10mmで加硫ゴム試験片を切り出した。なお、サンプルの長辺はタイヤ周方向、サンプルの厚み方向はタイヤ半径方向とした。各加硫ゴム試験片に、動的粘弾性装置(GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、動応力0.45MPa、周波数50Hz、温度80℃の条件下で張り合わされた面に対して垂直方向に120時間動的刺激を与えた。
<アセトン抽出量(AE量)の測定>
上記動的刺激を与える前と与えた後の加硫ゴム試験片について、それぞれAE量を測定した。AE量は、各加硫ゴム試験片(長さ1mm×幅1mm×厚さ1mm)を24時間アセトンに浸漬し、可溶成分を抽出し、抽出前後の各試験片の質量を測定し、下記式により求めた。また、上記動的刺激を与えた前後の第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量の変化率(%)を下記式により求めた。
アセトン抽出量(%)={(抽出前の加硫ゴム試験片の質量-抽出後の加硫ゴム試験片の質量)/(抽出前のゴム試験片の質量)}×100
(動的刺激を与えた前後のアセトン抽出量の変化率(%))=
{(動的刺激を与えた後のアセトン抽出量)/(動的刺激を与える前のアセトン抽出量)×100}-100
<0℃tanδおよび0℃E*の測定>
上記動的刺激を与える前と与えた後の加硫ゴム試験片について、それぞれ0℃tanδおよび0℃E*測定した。0℃tanδおよび0℃E*は、各加硫ゴム試験片(長さ20mm×幅4mm×厚さ1mm)について、動的粘弾性測定装置(GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、温度0℃、初期歪10%、動歪2.5%、周波数10Hzの条件で測定した。また、上記動的刺激を与えた前後の第一層を構成するゴム組成物の0℃tanδの変化率(%)および0℃E*の変化率(%)を、それぞれ下記式により求めた。
(動的刺激を与えた前後の0℃tanδの変化率(%))=
{(動的刺激を与えた後の0℃tanδ)/(動的刺激を与える前の0℃tanδ)×100}-100
(動的刺激を与えた前後の0℃E*の変化率(%))=
{(動的刺激を与えた後の0℃E*)/(動的刺激を与える前の0℃E*)×100}-100
<30℃tanδの測定>
各試験用タイヤのトレッド部のゴム層内部から、タイヤ周方向が長辺となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出して作製した各加硫ゴム試験片について、動的粘弾性測定装置(GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、温度30℃、初期歪5%、動歪1%、周波数10Hzの条件下で損失正接tanδを測定した。なお、サンプルの厚み方向はタイヤ半径方向とした。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
各試験用タイヤのトレッド部のゴム層内部から、タイヤ周方向が長辺となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出して作製した各加硫ゴム試験片について、動的粘弾性測定装置(GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、周波数10Hz、伸長歪み2.5%の条件下で損失正接tanδの温度分布曲線を測定し、得られた温度分布曲線における最も大きいtanδ値に対応する温度(tanδピーク温度)をガラス転移温度(Tg)とした。なお、サンプルの厚み方向はタイヤ半径方向とした。
<引張試験>
各試験用タイヤのトレッド部のゴム層内部から、タイヤ周方向が引張方向となるように切り出した厚さ1mmのダンベル状7号形の試験片を作製し、JIS K 6251:2017「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張試験特性の求め方」に準じて、23℃雰囲気下にて、引張速度3.3mm/秒の条件で引張試験を実施し、破断時伸びEB(%)を測定した。なお、サンプルの厚み方向はタイヤ半径方向とした。
<摩耗後のウェットグリップ性能>
各試験用タイヤの第一層の厚さが新品時の50%となるように、トレッドラジアスに沿ってトレッド部を摩耗させ、これらのタイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して湿潤アスファルト路面において、速度100km/hでブレーキをかけた地点からの制動距離を測定した。対照タイヤ(比較例3)の制動距離を100として換算し、各試験用タイヤの制動距離の逆数を下記式により指数で表示した。指数が高いほど、摩耗後のウェットグリップ性能が維持されていることを示す。
(摩耗後のウェットグリップ性能指数)=(対照タイヤの摩耗後の制動距離)/(各試験用タイヤの摩耗後の制動距離)
Figure 0007485238000004
Figure 0007485238000005
表4および表5の結果より、本発明のタイヤは、トレッドの経時的な硬度変化が抑制され、摩耗後においても高いウェットグリップ性能を維持していることがわかる。
<実施形態>
本発明の実施形態の例を以下に示す。
〔1〕トレッド面を構成する第一層と、前記第一層の半径方向内側に隣接する第二層を少なくとも備えたトレッドを有するタイヤであって、前記第一層および前記第二層がゴム成分および可塑剤(好ましくは、オイルおよびエステル系可塑剤のうち少なくとも1種と、樹脂成分および液状ポリマーのうち少なくとも1種とを含有する可塑剤;より好ましくは、オイル、樹脂成分および液状ポリマーを含有する可塑剤)を含有するゴム組成物により構成され、前記第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量AE1と前記第二層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量AE2との差(AE1-AE2)が6.0質量%超(好ましくは7.0質量%以上、より好ましくは8.0質量%以上、さらに好ましくは9.0質量%以上)であり、前記第一層および前記第二層が貼り合わされた状態で、動応力0.45MPa、周波数50Hz、温度80℃の条件下で120時間動的刺激を与えたとき、前記動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量の変化率が-10%以上10%以下(好ましくは-10%以上3%以下、より好ましくは-10%以上-1%以下)であるタイヤ。
〔2〕前記第一層を構成するゴム組成物の30℃におけるtanδが0.20未満である、上記〔1〕記載のタイヤ。
〔3〕前記第一層を構成するゴム組成物の30℃におけるtanδが0.15未満である、上記〔1〕記載のタイヤ。
〔4〕前記可塑剤が、オイルおよびエステル系可塑剤のうち少なくとも1種を含有する、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔5〕前記可塑剤が、樹脂成分および液状ポリマーのうち少なくとも1種を含有する、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔6〕前記第一層を構成するゴム組成物および前記第二層を構成するゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対する可塑剤の含有量の差が10質量部以上(好ましくは15質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは25質量部以上)である、上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔7〕前記動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物の0℃における複素弾性率(0℃E*)の変化率が-20%超20%未満(好ましくは-5%超19%未満、より好ましくは-1%超19%未満、さらに好ましくは3%超18%未満)である、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔8〕前記動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物の0℃におけるtanδ(0℃tanδ)の変化率が-20%超20%未満(好ましくは-10%超10%未満、より好ましくは-6%超6%未満)である、上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔9〕前記第一層を構成するゴム組成物の0℃E*が4.0MPa以上(好ましくは5.0MPa以上、より好ましくは6.0MPa以上、さらに好ましくは7.0MPa以上)である、上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔10〕前記第一層を構成するゴム組成物の0℃tanδが0.10以上(好ましくは、0.12以上、より好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.18以上)である、上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔11〕前記第一層を構成するゴム組成物のガラス転移温度が-40℃以上(好ましくは-35℃以上、より好ましくは-30℃以上)である、上記〔1〕~〔10〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔12〕前記第一層を構成するゴム組成物のJIS K 6251:2017に準じて測定した破断時伸びが200%以上(好ましくは300%以上、より好ましくは400%以上、さらに好ましくは500%以上)である、上記〔1〕~〔11〕のいずれかに記載のタイヤ。
1・・・トレッド面
2・・・第一層
3・・・第二層
4・・・第三層

Claims (12)

  1. トレッド面を構成する第一層と、前記第一層の半径方向内側に隣接する第二層を少なくとも備えたトレッドを有するタイヤであって、
    前記第一層および前記第二層がゴム成分および可塑剤を含有するゴム組成物により構成され、
    前記第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量AE1と前記第二層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量AE2との差(AE1-AE2)が6.0質量%超であり、
    前記第一層および前記第二層が貼り合わされた状態で、動応力0.45MPa、周波数50Hz、温度80℃の条件下で120時間動的刺激を与えたとき、前記動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物のアセトン抽出量の変化率が-10%以上10%以下であるタイヤ。
  2. 前記第一層を構成するゴム組成物の30℃におけるtanδが0.20未満である、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記第一層を構成するゴム組成物の30℃におけるtanδが0.15未満である、請求項1記載のタイヤ。
  4. 前記可塑剤が、オイルおよびエステル系可塑剤のうち少なくとも1種を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記可塑剤が、樹脂成分および液状ポリマーのうち少なくとも1種を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記第一層を構成するゴム組成物および前記第二層を構成するゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対する可塑剤の含有量の差が10質量部以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物の0℃における複素弾性率(0℃E*)の変化率が-20%超20%未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記動的刺激を与えた前後の前記第一層を構成するゴム組成物の0℃におけるtanδ(0℃tanδ)の変化率が-20%超20%未満である、請求項1~7のいずれか一項に記載のタイヤ。
  9. 前記第一層を構成するゴム組成物の0℃E*が4.0MPa以上である、請求項1~8いずれか一項に記載のタイヤ。
  10. 前記第一層を構成するゴム組成物の0℃tanδが0.10以上である、請求項1~9のいずれか一項に記載のタイヤ。
  11. 前記第一層を構成するゴム組成物のガラス転移温度が-40℃以上である、請求項1~10のいずれか一項に記載のタイヤ。
  12. 前記第一層を構成するゴム組成物のJIS K 6251:2017に準じて測定した破断時伸びが200%以上である、請求項1~11のいずれか一項に記載のタイヤ。
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