JP2018536741A - 熱可塑性エラストマー及びジエンエラストマーを含むトレッドを備えたタイヤ - Google Patents

熱可塑性エラストマー及びジエンエラストマーを含むトレッドを備えたタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性エラストマー及びジエンエラストマーを含むトレッドを備えたタイヤ提供する。【解決手段】本発明は、少なくとも1種の主ジエンエラストマー及び少量の熱可塑性エラストマーに基づく組成物を有するトレッドを含むタイヤであって、前記熱可塑性エラストマーが、少なくとも1つのポリエーテルエラストマーブロック及び少なくとも1つの非スチレン熱可塑性ブロックを含むブロックコポリマーであり、前記組成物が補強フィラーを80phr未満で含み、かつ前記組成物が可塑系を含まないか又は20phr未満の可塑系を含むタイヤに関する。【選択図】なし

Description

本発明は、トレッドを備えたタイヤに関する。
通常のタイヤでは、トレッドは、エラストマーとしてジエンエラストマーを含む。このタイプのトレッドは周知であり、多くの文献に記載されている。
いくつの文献には、ジエンエラストマーと熱可塑性エラストマーの混合物を含むトレッドが記載されている。例えば、文献WO 2012/105984は、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)、ポリブタジエン(BR)及び不飽和熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)を含み、かつタイヤの耐摩耗性を改善するための補強フィラーをも含むトレッド組成物を記載している。
タイヤの転がり抵抗の改善とウェットグリップの改善との間の妥協という面に関して、本出願会社は以前に、文献WO 2012/152686において、少なくとも1種の熱可塑性エラストマーを含むトレッドを備えたタイヤであって、前記熱可塑性エラストマーが、少なくとも1つのエラストマーブロック及び少なくとも1つの熱可塑性ブロックを含むブロックコポリマーであり、熱可塑性エラストマーの総含量が65phrから100phr(100質量部のエラストマー当たりの質量部)まで変動する範囲内である、タイヤについて記載している。特に、本出願会社は、通常の組成物のトレッドに比べて、転がり抵抗の低減を可能にするように、熱可塑性エラストマーとして、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)トリブロックコポリマーを含むトレッドについて記載している。
また、本出願会社は、文献WO 2011/107446において、組成物の加工性を改善するため、高含量のフィラー(110phr)及び可塑剤(55phr)を含む組成物中に、ポリエーテルブロック及びポリアミドブロックを有する熱可塑性エラストマーと、ジエンエラストマーとを含むトレッドを備えたタイヤについて記載している。
最後に、本出願会社は、文献WO 2015/091190において、グリップ及び転がり抵抗という性能品質を改善するため、芳香族ポリエステルブロックを有する65〜110phrの熱可塑性エラストマーを含むタイヤトレッド組成物についても記載している。
タイヤ製造の進行中の目標は、特に優れた耐摩耗性及び非常に低い転がり抵抗を示すタイヤという目的で、タイヤの転がり抵抗を低減させ、さらに他の点では剛性、耐熱性、及び特に耐摩耗性という良い特性を保持することである。
本出願会社は、今や、驚くべきことに、特定の熱可塑性エラストマー及びジエンエラストマーを含むトレッドを備えたタイヤが、低含量の補強フィラー及び可塑剤の使用並びに転がり抵抗の顕著な低減を得ることを可能にすると同時に良い剛性及び良い耐摩耗性を示すことを見出した。
従って、本発明の主題は、トレッドを含むタイヤであり、このトレッドの組成物は、少なくとも1種の主ジエンエラストマー及び少量の熱可塑性エラストマーをベースとし、前記熱可塑性エラストマーは、少なくとも1つのポリエーテル型エラストマーブロック及び少なくとも1つの非スチレン型熱可塑性ブロックを含むブロックコポリマーであり、前記組成物は、補強フィラーを80phr未満の含量で含み、かつ前記組成物は、可塑系を含まないか又は20phr未満の可塑系を含む。
好ましくは、本発明は、組成物中のジエンエラストマーの含量が、55phrから95phrに及ぶ範囲内であり、熱可塑性エラストマーの含量が、5phrから45phrに及ぶ範囲内である、上記定義どおりのタイヤに関する。
再び好ましくは、本発明は、熱可塑性エラストマーの数平均分子量が30,000g/モルと500,000g/モルの間である、上記定義どおりのタイヤに関する。
好ましくは、本発明は、ブロックコポリマーのエラストマーブロック(複数可)が、25℃未満のガラス転移温度を有するポリエーテルから選択される、上記定義どおりのタイヤに関する。好ましくは、熱可塑性非スチレンブロック(複数可)は、ポリアミド、ポリエステル及びこれらの混合物から成る群、さらに好ましくはポリアミドPA6、PA11及びPA12、PET及びPBT型ポリエステル並びにこれらの混合物から成る群より選択される。好ましくは、ブロックコポリマー中の熱可塑性非スチレンブロックの割合は、5%から70%に及ぶ範囲内である。
再び好ましくは、本発明は、ポリエーテルエラストマーブロック(複数可)が、ポリテトラメチレングリコール(PTMGs)、ポリエチレングリコール(PEGs)、ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG)、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール(PO3G)、ポリ(3-アルキルテトラヒドロフラン)及びこれらの混合物から成る群、好ましくはポリテトラメチレングリコール(PTMGs)、ポリエチレングリコール(PEGs)及びこれらの混合物から成る群より選択される、上記定義どおりのタイヤに関する。
好ましくは、本発明は、ジエンエラストマーの含量が、60phrから95phrに及ぶ範囲内であり、熱可塑性エラストマーの含量が、5phrから40phrに及ぶ範囲内であり;好ましくは、ジエンエラストマーの含量が、70phrから95に及ぶ範囲内であり、熱可塑性エラストマーの含量が、5phrから30phrに及ぶ範囲内である、上記定義どおりのタイヤに関する。
好ましくは、本発明は、トレッドの組成物が、60phr未満の含量の補強フィラーを含み;好ましくは、補強フィラーの含量が3phrから50phr、好ましくは5phrから40phrに及ぶ範囲内である、上記定義どおりのタイヤに関する。好ましくは、補強フィラーは、カーボンブラック及び/又はシリカである。好ましくは、主補強フィラーはシリカである。或いはまた好ましくは、主補強フィラーはカーボンブラックである。
好ましくは、本発明は、トレッドの組成物が可塑系を含まないか又は15phr未満の総可塑剤含量で可塑系を含む、上記定義どおりのタイヤに関する。好ましくは、トレッドの組成物は、可塑系を含まないか又は10phr未満、好ましくは5phr未満の総可塑剤含量で可塑系を含む。
好ましくは、本発明は、トレッドの組成物がさらに架橋系を含む、上記定義どおりのタイヤに関する。
本発明は、さらに詳細には、自転車等のモーターレス車両、又は下記タイプのモーター車両:乗用車、SUV(スポーツ汎用車(Sport Utility Vehicle))、二輪車(特にオートバイ)、飛行機、並びにバン、ヘビーデューティービークル、すなわち、地下鉄、バス、大型道路運送車(貨物自動車、トラクター、トレイラー)又はオフロード車両、例えば農業車両若しくは土工機械等、又は他の運送若しくは操縦車両から選択される産業車両に備え付けることを意図したタイヤに関する。
発明の詳細な説明
本説明では、特に明示的に指定しない限り、示す全ての百分率(%)は、質量百分率である。
さらに、用語「phr」は、本特許出願の意義の範囲内では、熱可塑性エラストマーと非熱可塑性エラストマーが混ざり合ったエラストマー100部当たりの質量部を意味する。本発明の意義の範囲内では、熱可塑性エラストマー(TPE)は、エラストマーに包含される。
さらに、「aとbの間」という表現で表される値のいずれの区間も、a超からb未満に及ぶ値の範囲に相当し(すなわち、限界a及びbは除外される)、一方、表現「aからb(a〜b)」は、aからbまでに及ぶ値の範囲を意味する(すなわち、厳密な限界a及びbを含める)。
最後に、「主」化合物に言及するとき、本発明の意義の範囲内では、これは、この化合物が、組成物中の同型の化合物の中で優勢である、すなわち、この化合物は、同型の化合物のうち質量で最大量を占める化合物であること意味するもの理解される。従って、例えば、主補強フィラーは、組成物中の補強フィラーの総質量に対して最大量を占める補強フィラーである。反対に、「少量の」化合物は、同型の化合物のうち質量で最大割合を占めない化合物である。
1. トレッドの組成物
本発明のタイヤのトレッドの組成物は、少なくとも1種の主ジエンエラストマー及び少量の熱可塑性エラストマーをベースとし、前記熱可塑性エラストマーは、少なくとも1つのポリエーテル型エラストマーブロック及び少なくとも1つの非スチレン型熱可塑性ブロックを含むブロックコポリマーであり、前記組成物は、80phr未満の含量で補強フィラーを含み、かつ前記組成物は可塑系を含まないか又は20phr未満の可塑系を含むという本質的特徴を有する。
1.1 ポリエーテルエラストマーブロックを有し、かつ熱可塑性非スチレンブロックを有する特定の熱可塑性エラストマー(TPE)
一般的に、熱可塑性エラストマー(「TPE」と略記)は、エラストマーと熱可塑性ポリマーとの間の構造中間体を有する。これらは、可撓性エラストマーブロックによって連結された剛性熱可塑性ブロックから成るブロックコポリマーである。
本発明の要件のため、前記特定の熱可塑性エラストマーは、少なくとも1つのポリエーテル型エラストマーブロック及び少なくとも1つの非スチレン型熱可塑性(TPNS)ブロックを含むブロックコポリマーである。このエラストマーは、本特許出願の継続出願においては、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEとも表される。以下では、ポリエーテルブロックに言及するとき、これは、上述したように、エーテル型モノマーの重合の結果として生じるポリマーで主に(すなわち、50質量%超まで、好ましくは80質量%超まで)構成されたエラストマーブロックであり、非スチレンブロックに言及するとき、これは、スチレン化合物(すなわち、スチレン並びに置換及び/又は官能化スチレン)以外のモノマーの重合の結果として生じるポリマーで主に(すなわち、50質量%超まで、好ましくは80質量%超まで)構成されたブロックである。
1.1.1. ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの構造
ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの数平均分子量(Mnと表す)は、好ましくは30,000g/モルと500,000g/モルの間、さらに好ましくは40,000g/モルと400,000g/モルの間である。従って、特にタイヤトレッド組成物におけるポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの使用には、50,000〜300,000g/モル、より良くは60,000〜150,000の範囲内の値が特に良く適していることが分かった。
ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEエラストマーの数平均分子量(Mn)は、既知の方法で、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により決定する。例えば、熱可塑性スチレンエラストマーの場合、事前にテトラヒドロフランに約1g/lの濃度でサンプルを溶かし、次に注入前にこの溶液を空隙率が0.45μmのフィルターを通して濾過する。使用装置は、Waters Allianceクロマトグラフィー系列である。溶出溶媒はテトラヒドロフランであり、流速は0.7ml/分であり、システムの温度は35℃であり、分析時間は90分である。Styragel商標名(HMW7、HMW6E及び2つのHT6E)を有する直列の4つのWatersカラムセットを使用する。ポリマーサンプルの溶液の注入体積は100μlである。検出器はWaters 2410示差屈折計であり、そのクロマトグラフデータを利用するための関連ソフトウェアはWaters Millenniumシステムである。計算される平均モル質量は、ポリスチレン標準物質で作成した較正曲線に対するものである。当業者は、条件を調整することができる。
ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの多分散指数PI(注:PI=Mw/Mn、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)の値は、好ましくは3未満、さらに好ましくは2未満、なおさらに好ましくは1.5未満である。
既知の方法において、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEは、2つのガラス転移温度ピーク(Tg、ASTM D3418に従って測定される)、すなわちポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEのポリエーテルエラストマー部分に対する最低温度と、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの熱可塑性非スチレン部分に対する最高温度とを有する。従って、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの可撓性ポリエーテルブロックは、周囲温度(25℃)未満であるTgによって定義され、一方、剛性TPNSブロックは、80℃より高いTgを有する。
本特許出願において、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEのガラス転移温度に言及するとき、それはポリエーテルエラストマーブロックに対するTgに関するものである。ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEは、好ましくは25℃以下、さらに好ましくは10℃以下のガラス転移温度(「Tg」)を有する。これらの最小値より大きいTg値は、極低温で使用するときのトレッドの性能品質を低減させる恐れがあり;このような使用のためには、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEのTgは、さらに-10℃以下であるのがさらに好ましい。再び好ましくは、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEのTgは、-100℃より高い。
第1の代替形態により、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEを直鎖形態で提供する。例えば、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEはジブロックコポリマー:ポリエーテルブロック/TPNSブロックである。ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEは、トリブロックコポリマー:ポリエーテルブロック/TPNSブロック/ポリエーテルブロック、すなわち、中心エラストマーブロックと、このエラストマーブロックの2つの各端部の2つの末端熱可塑性ブロックであってもよい。同様に、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するマルチブロックTPEは、ポリエーテルエラストマーブロック/熱可塑性非スチレンブロックの直鎖系列であり得る。
本発明の別の代替形態により、本発明の要件を満たす用途のポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEを少なくとも3つの分岐を含む星状分岐形態で提供する。従って、例えば、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEは、少なくとも3つの分岐を含む星状分岐ポリエーテルエラストマーブロックと、このポリエーテルエラストマーブロックの各分岐の端部に位置する熱可塑性TPNSブロックとで構成され得る。中心エラストマーの分岐の数は、例えば、3から12、好ましくは3から6まで変動し得る。
本発明の別の代替形態により、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEを分岐又はデンドリマー形態で提供する。ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEは、分岐又はデンドリマーポリエーテルエラストマーブロックと、このデンドリマーエラストマーブロックの分岐の各端部に位置する熱可塑性TPNSブロックで構成され得る。
1.1.2. エラストマーブロックの性質
本発明の要件を満たすポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEのエラストマーブロックは、当業者に既知のいずれのポリエーテル型エラストマーでもあり得る。
ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPE中のポリエーテルエラストマーブロックの割合は、1%から95%、好ましくは10%から92%、さらに好ましくは30%から90%に及ぶ範囲内である。
これらのポリエーテルブロックは、好ましくは、25℃未満、好ましくは10℃未満、さらに好ましくは0℃未満、非常に好ましくは-10℃未満の、ASTM規格D3418, 1999に従って測定されるTg(ガラス転移温度)を有する。やはり好ましくは、ポリエーテルブロックのTgは、-100℃より高い。20℃と-70℃の間、さらに特に0℃と-50℃の間のTgを有するポリエーテルブロックが特に適している。
本発明の意義の範囲内では、ポリエーテルブロックは、アルコール又は環状エーテル、好ましくは脂肪族アルコール又は脂肪族環状エーテル、例えば、エタノール又はテトラヒドロフラン等から選択されるモノマーで構成され得る。この選択は、ポリテトラメチレングリコール(PTMGs)、ポリエチレングリコール(PEGs)、ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG)、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール(PO3G)、ポリ(3-アルキルテトラヒドロフラン)及びそれらの混合物から成る群より選択される当該ポリエーテルの間で行なうのが好ましい。ポリエーテルは、ポリテトラメチレングリコール(PTMGs)、ポリエチレングリコール(PEGs)及びそれらの混合物から成る群より選択されるのが非常に好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEのエラストマーブロックは、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEに良いエラストマー特性及びタイヤトレッドとしての使用に十分かつ適合性の機械的強度を与えるように、全体で、25,000g/モル〜350,000g/モル、好ましくは35,000g/モル〜250,000g/モルの範囲の数平均分子量(Mn)を示す。
エラストマーブロックは、上記定義どおりのいくつかのエラストマーブロックから成ることもある。
1.1.3. 熱可塑性ブロックの性質
熱可塑性ブロックの定義には、剛性熱可塑性ブロックのガラス転移温度(Tg)の特徴を利用することになる。この特徴は、当業者に周知である。この特徴は、特に生産加工(変換)温度を選択できるようにする。非晶質ポリマー(又はポリマーブロック)の場合、加工温度は、Tgより実質的に高くなるように選択される。半結晶性ポリマー(又はポリマーブロック)という特定の場合、融点が観察されることがあり、これはガラス転移温度より高い。この場合、考察中のポリマー(又はポリマーブロック)に合わせて加工温度を選択できるようにするのは、Tgの代わりに融点(M.p.)である。従って、以降、「Tg(又は適切な場合はM.p.)」に言及するとき、これは加工温度の選択に用いる温度であると考える必要がある。
本発明の要件のため、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEエラストマーは、好ましくは80℃以下のTg(又は適切な場合はM.p.)を有し、かつ重合された非スチレンモノマー(TPNS)から形成された1つ以上の熱可塑性非スチレンブロックを含む。好ましくは、この熱可塑性ブロックは、80℃から250℃まで変動する範囲内のTg(又は適切な場合はM.p.)を有する。好ましくは、この熱可塑性ブロックのTg(又は適切な場合はM.p.)は、好ましくは80℃〜200℃、さらに好ましくは80℃〜180℃である。
ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPE中のTPNSブロックの割合は、5%から70%、好ましくは8%から60%、さらに好ましくは10%から50%に及ぶ範囲内である。
ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの熱可塑性ブロックは非スチレンブロック、すなわち、好ましくは任意の適切なモノマーの重合の結果として生じ、かつスチレンモノマーを含まないか又は5%未満含む熱可塑性ブロックである。
好ましくは、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの熱可塑性ブロックは、ポリアミドブロック、ポリエステルブロック及びそれらの混合物から選択されるブロックである。非常に好ましくは、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの熱可塑性ブロックは、ポリアミドブロック及び/又はポリエステルブロックである。非常に好ましくは、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの熱可塑性ブロックは、PA6、PA11及びPA12型ポリアミド、PET及びPBT型ポリエステル並びにこれらの混合物から成る群より選択される。
熱可塑性非スチレンブロックがポリアミドである、ポリエーテル及びTPNSブロックを有する特定のTPEは、通常はTPE-A又はTPA(熱可塑性コポリアミド)或いはPEBA(コポリエーテル-ブロック-アミド)と表され、それらは本発明の要件を満たすのに特に好ましい。
熱可塑性非スチレンブロックがポリエステルである、ポリエーテル及びTPNSブロックを有する特定のTPEは、通常はTPE-E又はTPC(熱可塑性コポリエステル)或いはCOPE(エーテル-エステルブロックコポリマー)と表され、それらも本発明の要件を満たすのに特に好ましい。
本発明によれば、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの熱可塑性ブロックは、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEに良いエラストマー特性及びタイヤトレッドとしての使用に十分かつ適合性の機械的強度を与えるように、全体で、5,000g/モル〜150,000g/モルの範囲の数平均分子量(「Mn」)を示す。
熱可塑性ブロックは、上記定義どおりのいくつかの熱可塑性ブロックブロックから成ることもある。
1.1.4. ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの例
ポリエーテル及びTPNSブロックを有する市販のTPEエラストマーの例として、例えば名称Pebax 4033又はPebax 6333でArkemaにより販売されているPebax型PEBAエラストマー、或いは例えば名称Pelprene P40BでToyoboにより販売されているPelprene P型COPEエラストマーを挙げることができる。
1.1.5. ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEの量
本発明のタイヤトレッドの組成物では、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEエラストマー(すなわち、TPEエラストマー(複数可))は少量成分であり;好ましくはそれは、5phrから45phr、さらに好ましくは5phrから40phrに及ぶ範囲内の含量を占める。なおさらに好ましくは、組成物は5〜30phrの範囲のエラストマー含量を有する。これは、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEエラストマーの量が5phr未満の場合、転がり抵抗の低減に及ぼす効果はそれほど注目すべきものではないが、一方で、ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEエラストマーが45phrを超えると、組成物は、温度に伴う特性の強変化の結果として、より熱可塑性の性質を呈するためである。
1.2. ジエンエラストマー
本発明のトレッドの組成物は、少なくとも1種(すなわち、1種以上)のジエンゴムを含む。ジエンエラストマー(複数可)は、組成物中で優勢である。好ましくは、ジエンエラストマーの総含量は、55phrと95phrの間であり、好ましくは60phrから95phrまで、好ましくは70phrから95phrまで変動する範囲内である。
「ジエン」エラストマー又はゴムは、既知の観点で、ジエンモノマー(2つの共役又は非共役炭素-炭素二重結合を有するモノマー)から少なくとも一部は生じる1種(1種以上と理解する)のエラストマー(すなわち、ホモポリマー又はコポリマー)を意味するものと理解すべきである。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー、すなわち、「本質的に不飽和」又は本質的に飽和」に分類することができる。
「本質的に不飽和」は、一般的に、15%(モル%)より大きいジエン起源(共役ジエン)単位含量を有する共役ジエンモノマーから少なくとも一部は生じるジエンエラストマーを意味すると理解される。「本質的に不飽和」のジエンエラストマーのカテゴリーでは、「高度に不飽和」のジエンエラストマーは、特に、50%より多いジエン起源(共役ジエン)単位含量を有するジエンエラストマーを意味すると理解される。
従って、「本質的に飽和」のジエンエラストマー(低又は極低含量のジエン起源単位、常に15%未満)と記載できるのは、一部のブチルゴム又はジエンとEPDM型α-オレフィンとのコポリマーのようなジエンエラストマーである。
これらの定義を考慮すると、上記カテゴリーが何であれ、本発明に従う組成物に使用できるジエンエラストマーは、さらに特に下記を意味することが分かる:
(a)−4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られるいずれものホモポリマー;
(b)−1種以上の共役ジエン相互の共重合又は1種以上のジエンと8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られるいずれものコポリマー;
(c)−エチレン及び3〜6個の炭素原子を有するα-オレフィンと、6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる三元コポリマー、例えば、エチレン及びプロピレンと、上記タイプの非共役ジエンモノマー、特に、1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン又はジシクロペンタジエン等とから得られるエラストマー等;
(d)−イソブテンとイソプレン(ジエンブチルゴム)のコポリマー及びこのタイプのコポリマーのハロゲン化バージョン、特に塩素化又は臭素化バージョン。
いずれのタイプのジエンエラストマーも本発明に使用可能である。組成物が加硫系を含有するとき、本発明のタイヤのトレッドの製造には、特に上記(a)及び(b)タイプの本質的に不飽和のエラストマーを利用するのが好ましい。
以下のものが共役ジエンとして特に適している:1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン又は2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン等、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン又は2,4-ヘキサジエン。例えば、以下のものがビニル芳香族化合物として適している:スチレン、オルト-、メタ-又はパラ-メチルスチレン、「ビニルトルエン」市販混合物、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン又はビニルナフタレン。
コポリマーは、99質量%と20質量%の間のジエン単位及び1質量%と80質量%の間のビニル芳香族単位を含有し得る。エラストマーは、いずれの微細構造を有することもあり、使用する重合条件、特に調整剤及び/又はランダム化剤の存否並びに利用する調整剤及び/又はランダム化剤の量によって決まる。例えば、分散系中又は溶液中でエラストマーを調整することができ;カップリング剤及び/又は星状分岐化剤若しくは官能化剤でエラストマーをカップリング及び/又は星状分岐化若しくは官能化することができる。カーボンブラックとのカップリングのためには、例えば、C-Sn結合を含む官能基又はアミノ化官能基、例えばベンゾフェノン等を挙げることができ;補強無機フィラー、例えばシリカとのカップリングのためには、例えば、シラノール官能基又はシラノール末端を有するポリシロキサン官能基(例えば、FR 2 740 778又はUS 6 013 718に記載されているような)、アルコキシシラン基(例えば、FR 2 765 882又はUS 5 977 238に記載されているような)、カルボキシル基(例えば、WO 01/92402又はUS 6 815 473、WO 2004/096865又はUS 2006/0089445に記載されているような)或いはポリエーテル基(例えば、EP 1 127 909又はUS 6 503 973に記載されているような)を挙げることができる。官能化エラストマーの他の例として、エポキシ化型エラストマー(例えばSBR、BR、NR又はIR)を挙げることもできる。
1.3. ナノメートル又は補強フィラー
本発明のトレッドの組成物は、補強フィラーを80phr未満の含量で含む。
タイヤ製造に一般的に用いられるいずれのタイプのフィラーをも、例えばカーボンブラック等の有機フィラー、シリカ等の無機フィラー、或いはこれら2タイプのフィラーのブレンド、特にカーボンブラックとシリカのブレンドを利用することができる。好ましくは、本発明の要件のため、主補強フィラーはシリカ或いはカーボンブラックであり得る。
タイヤに通常用いられる全てのカーボンブラック(「タイヤグレード」ブラック)がカーボンブラックとして適している。さらに特に、例えば、100、200又は300系列(ASTMグレード)の補強カーボンブラック、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347又はN375ブラック等を挙げることができ、或いは、目標とする用途によっては、さらに高グレード系列のブラック(例えばN660、N683又はN772)、実にN990さえに言及することができる。
本特許出願においては、「補強無機フィラー」は、定義により、それ単独で、中間カップリング剤以外の手段なしで、タイヤ製造を意図したゴム組成物を補強できる、すなわち換言すれば、その補強役割において、通常のタイヤグレードのカーボンブラックに取って代わることができる、カーボンブラックとは対照的に、「ホワイトフィラー」、「クリアフィラー」、又は実に「非ブラックフィラー」としてさえも知られるいずれの無機又は鉱物フィラー(その色が何であれ、またその起源が天然又は合成であれ)をも意味するものと理解すべきであり;このようなフィラーは、既知の方法で、一般的にその表面にヒドロキシル(-OH)基が存在することによって特徴づけられる。
補強無機フィラーが提供される物理的状態は、粉末、ミクロビーズ、顆粒、ビーズの形態又はいずれの他の適切な高密度化形態であれ、重要でない。当然に、補強無機フィラーは、異なる補強無機フィラー、特に後述するような高分散性のケイ素を含むフィラー及び/又はアルミニウムを含むフィラーの混合物を意味することも分かる。
ケイ素を含むタイプのフィラー、特にシリカ(SiO2)、又はアルミニウムを含むタイプのフィラー、特にアルミナ(Al2O3)は、特に補強無機フィラーとして適している。使用シリカは、当業者に既知のいずれの補強用シリカ、特に両方とも450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gのBET比表面積及びCTAB比表面積を示すいずれの沈降シリカ又はヒュームドシリカであってもよい。高分散性沈降シリカ(「HDS」)として、例えば、DegussaからのUltrasil 7000及びUltrasil 7005シリカ、RhodiaからのZeosil 1165MP、1135MP及び1115MPシリカ、PPGからのHi-Sil EZ150Gシリカ、HuberからのZeopol 8715、8745及び8755シリカ又は出願WO 03/16837に記載の高比表面積を有するシリカを挙げることができる。
補強無機フィラーをエラストマーとカップリングさせるために、例えば、既知の方法で、無機フィラー(その粒子の表面)とエラストマーとの間の化学的及び/又は物理的性質の十分な結合をもたらすことを意図した少なくとも二官能性カップリング剤(又は結合剤)、特に二官能性オルガノシラン又はポリオルガノシロキサンを使用することができる。
組成物中の任意の補強フィラー(カーボンブラック及び/又はシリカ等の補強無機フィラー)の体積による含量は0%〜20%の範囲内であり、これは可塑剤を含まない組成物では0〜50phrに相当する。好ましくは、組成物は60phr未満(特に1phrと60phrの間)、さらに好ましくは3phrから50phr、さらに良くは5phrから40phrに及ぶ範囲内の含量を有する。
1.4. 可塑剤
上記エラストマー(複数可)は、それらのみで本発明のトレッド用に十分使用可能である。
従って、上記本発明のエラストマー組成物は、オイル又は熱可塑性樹脂タイプの可塑剤を含まず、該可塑剤を含む場合、エラストマー組成物は、20phr未満(特に0.5phrと20phrの間)、好ましくは15phr未満(特に0.5phrと15phrの間)、さらに好ましくは10phr未満(特に0.5phrと10phrの間)、より良くは5phr未満(特に0.5phrと5hrの間)の外可塑剤を含む。やはり好ましくは、組成物は可塑剤を含まない。当業者に既知の方法においては、可塑剤は、オイル(又は可塑化用オイル若しくは伸長(extending)オイル)又は可塑化用樹脂を指し、その役割は、モジュラスの低減及び粘着力の増加によって、トレッドの加工、特にそのタイヤへの組み入れを容易にすることである。
好ましくは弱い極性を有し、エラストマー、特に熱可塑性エラストマーを伸長又は可塑化できるいずれのオイルをも利用することができる。周囲温度(23℃)では、多かれ少なかれ粘性であるこれらのオイルは、特に元来固体である樹脂又はゴムとは対照的に、液体(すなわち、注として、最終的にそれらの容器の形状をとる能力を有する物質)である。当業者に既知のいずれのタイプの可塑化用樹脂を利用してもよい。
当業者は、以下の説明及び例示実施形態に照らして、ポリエーテル及びTPNSブロックを有する(上述したように)使用TPEエラストマーの関数として及びトレッドを備えたタイヤの特定の使用条件の関数として、特に使用しようとするタイヤの関数として可塑剤の量をどのように調整するかを知ることになる。
1.5. 種々の添加剤
上記熱可塑性エラストマー(複数可)は、それらのみで本発明のトレッド用に十分使用可能である。
しかしながら、本発明の好ましい実施形態によれば、従基エラストマー組成物は、当業者に既知のトレッド中に通常存在する種々の添加剤を含むこともできる。例えば、酸化防止剤又はオゾン割れ防止剤等の保護剤、UV安定剤、種々の加工助剤又は他の安定剤、或いはタイヤ構造の残部への接着を増強できるプロモーターから選択される1種以上の添加剤を選ぶことになる。
これもまた任意に、本発明のトレッドの組成物は、当業者に既知の架橋系、例えば硫黄又は硫黄供与体、並びに場合により1種以上の加硫促進剤及び/又は活性化剤を含む加硫系を含有することができる。
2. 調製
本発明のタイヤ用トレッド組成物は、適切なミキサー内で、当業者に周知の2つの連続した調製段階、すなわち、110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度までの高温で熱機械的に加工又は混練する第1の段階(「非生産」段階と記載することもある)後の、より低い温度、典型的に110℃未満、例えば60℃と100℃の間の温度で機械的に加工する第2の段階(「生産」段階と記載することもある)を用いて製造され、この仕上げ段階中に架橋系又は加硫系が組み込まれる。該段階については、例えば、出願EP-A-0 501 227、EP-A-0 735 088、EP-A-0 810 258、WO00/05300又はWO00/05301に記載されている。ポリエーテル及びTPNSブロックを有するTPEエラストマーは、第1の段階中にそれらの市販形態のまま、例えばビーズ又は顆粒の形態で導入される。
その後、本発明のタイヤ用トレッドが通常の方法で押し出されて、輪郭を描く要素が作り出される。このトレッドが引き続きタイヤ硬化用モールド内でパターン形成される。
このトレッドは、通常の方法でタイヤに適合され得る。前記タイヤは、本発明のトレッドに加えて、クラウン、2つのサイドウォール及び2つのビード、これら2つのビードに固定されたカーカス補強材、並びにクラウン補強材を含む。
本発明の例示実施形態
本発明のタイヤ用トレッド組成物を上述したように調製した。
組成物について実験室で行なった試験
−動的特性
ASTM規格D 5992-96に従い、粘度分析機(Metravib V A4000)で動的特性G*及びtan(δ)maxを測定する。ASTM規格D 1349 99に従って40℃で、10Hzの周波数にて、単純な交互正弦剪断応力にさらした加硫組成物のサンプル(厚さ4mm及び断面積400mm2を有する円筒試験片)の応答を記録する。頂点間歪み振幅掃引を0.1%から100%まで(外向きサイクル)、次に100%から1%まで(戻りサイクル)、10Hzで行なう。利用する結果は、複素動的剪断モジュラス(G*)及び損失係数(tanδ)である。観察されたtanδの最大値(tan(δ)max)及び0.1%歪みと100%歪みでの値間の複素モジュラスの差(ΔG*)(Payne効果)を戻りサイクルについて示す。
剛性は、G*50%戻りモジュラスによってMPaで表される。値が低いほど、組成物の剛性が低いことになる。より読みやすくするため、結果をベース100で性能に応じて示し、値100をコントロールに割り当てる。100未満の結果は剛性の低減を示し、逆に、100より大きい結果は、剛性の増加を示すことになる。
ヒステリシスは、tan(δ)max戻りによって表される。値が低いほど、組成物のヒステリシスが低く、ひいては転がり抵抗が低いことになる。より読みやすくするため、結果をベース100で性能に応じて示し、値100をコントロールに割り当てる。100未満の結果は、転がり抵抗性能の低下(40℃でのtan(δ)max値の上昇)を示し、逆に、100超の値は、転がり抵抗性能の上昇(40℃でのtan(δ)max値の低下)を示すことになる。
−耐摩耗性
摩耗試験は、例えば、当業者に既知の装置であるLAT100摩耗試験機で実施可能であり、その結果は、1km当たりの質量の損失である。円筒試験片は常とう手段に従う。円軌道に対して、固定荷重、例えば75Nを試験片にかける。この円筒試験片を16°又は13°又は9°滑らせるが、円筒試験片には5.5°の滑りが好ましい。研磨ディスクの回転速度は、40又は25km/時間であるが、円筒試験片には12km/時間という値が好ましい。
より読みやすくするため、結果をベース100で性能に応じて示し、値100をコントロールに割り当てる。100未満の結果は、耐摩耗性の低減を示し、逆に、100より大きい結果は、耐摩耗性の増加を示すことになる。
−耐熱性
耐熱性は、上記実験と同様の動的特性の測定の実験に従って温度掃引にながら、粘度分析機(Metravib VA4000)で当業者に既知の剪断において動的測定試験片により得られるG*=f(T)曲線について得られる190℃及び40℃でのモジュラスの比によって表される。
より読みやすくするため、結果をベース100で性能に応じて示し、値100をコントロールに割り当てる。100未満の結果は、耐熱性の低減を示し、逆に、100より大きい結果は、耐熱性の増加を示すことになる。
実施例
本発明のタイヤトレッド組成物(I1、I2及びI3)を上述したように調製し、2つのコントロール、すなわちコントロールタイヤ用トレッドの通常の組成物(A0)及び本発明と異なるTPEを用いた組成物と比較した。これらのトレッドの組成物を下表1に提示する。
表1
Figure 2018536741
(1)4%の1,2-単位及び93%のcis-1,4-単位を有するBR(Tg=-106℃);
(2)溶液S-SBR(乾燥SBRとして表される含量:26%のスチレン、24%の1,2-ポリブタジエン単位及び50%のtrans-1,4-ポリブタジエン単位(Tg=-25℃));
(3)TPE 1:SOE、Asahi KaseiからのSOE L606;
(4)TPE 2:PEBA、ArkemaからのPebax 4033;
(5)TPE 3:PEBA、ArkemaからのPebax 6333;
(6)TPE 4:COPE、Toyoboによって販売されているPelprene P40B;
(7)カーボンブラック N234;
(8)シリカ、Solvay-RhodiaからのZeosil 1165MP;
(9)TESTPカップリング剤、Evonik-DegussaからのSi69;
(10)MESオイル、ShellからのCatenex SNR;
(11)C5/C9樹脂、STSからのCray Valley Wingtack;
(12)N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、FlexsysからのSantoflex 6-PPD及びオゾン割れ防止ワックス;
(13)ジフェニルグアニジン、FlexsysからのPerkacit DPG;
(14)ステアリン、UniqemaからのPristerene;
(15)酸化亜鉛、工業グレード−Umicore;
(16)N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、FlexsysからのSantocure CBS。
本発明の性能品質を実験室で評価した。その結果を下表2に提示する。
表2
Figure 2018536741
*:測定せず
表2に提示した結果は、本発明の組成物が、ジエンエラストマーの一部を熱可塑性エラストマーと置き換えたおかげで、組成物中のフィラー含量を減らしても、タイヤに用いる組成物に期待され得る剛性、ヒステリシス、耐摩耗性及び耐熱性の間の性能品質のバランスの著しい改善(I1〜I3)を可能にすることを実証する。さらに、長年にわたる技術水準に照らして、ジエンエラストマーとのブレンドとしてTPEを使用すると、フィラーの量を顕著に減らすことを可能にし、例えばトレッド用のタイヤ組成物に可塑剤がなくてもフィラーの量を顕著に減らすことができ、結果として手段の節約及び加工の容易さを実現することは驚くべきことである。

Claims (18)

  1. トレッドを含むタイヤであって、前記トレッドの組成物が、少なくとも1種の主ジエンエラストマー及び少量の熱可塑性エラストマーをベースとし、前記熱可塑性エラストマーが、少なくとも1つのポリエーテル型エラストマーブロック及び少なくとも1つの非スチレン型熱可塑性ブロックを含むブロックコポリマーであり、前記組成物が、補強フィラーを80phr未満の含量で含み、かつ前記組成物が可塑系を含まないか又は20phr未満の可塑系を含む、前記タイヤ。
  2. 前記組成物中の前記ジエンエラストマーの含量が、55phrから95phrに及ぶ範囲内であり、前記熱可塑性エラストマーの含量が、5phrから45phrに及ぶ範囲内である、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記熱可塑性エラストマーの数平均分子量が、30,000g/モルと500,000g/モルの間である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記ブロックコポリマーの前記エラストマーブロック(複数可)が、25℃未満のガラス転移温度を有するポリエーテルから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記熱可塑性非スチレンブロック(複数可)が、ポリアミド、ポリエステル及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ。
  6. 前記熱可塑性非スチレンブロック(複数可)が、ポリアミドPA6、PA11及びPA12、PET型及びPBT型のポリエステル並びにこれらの混合物から成る群より選択される、請求項5に記載のタイヤ。
  7. 前記ブロックコポリマー中の前記熱可塑性非スチレンブロックの割合が、5%から70%に及ぶ範囲内である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤ。
  8. 前記ポリエーテルエラストマーブロック(複数可)が、ポリテトラメチレングリコール(PTMGs)、ポリエチレングリコール(PEGs)、ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG)、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール(PO3G)、ポリ(3-アルキルテトラヒドロフラン)及びこれらの混合物から成る群、好ましくはポリテトラメチレングリコール(PTMGs)、ポリエチレングリコール(PEGs)及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤ。
  9. 前記ジエンエラストマーの含量が、60phrから95phrに及ぶ範囲内であり、前記熱可塑性エラストマーの含量が、5phrから40phrに及ぶ範囲内である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のタイヤ。
  10. 前記ジエンエラストマーの含量が、70phrから95phrに及ぶ範囲内であり、前記熱可塑性エラストマーの含量が、5phrから30phrに及ぶ範囲内である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のタイヤ。
  11. 前記トレッドの組成物が、60phr未満の含量の補強フィラーを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のタイヤ。
  12. 前記補強フィラーの含量が、3〜50phr、好ましくは5〜40phrである、請求項11に記載のタイヤ。
  13. 前記補強フィラーが、カーボンブラック及び/又はシリカである、請求項1〜12のいずれか1項に記載のタイヤ。
  14. 主補強フィラーがシリカである、請求項13に記載のタイヤ。
  15. 主補強フィラーがカーボンブラックである、請求項13に記載のタイヤ。
  16. 前記トレッドの組成物が可塑系を含まないか又は15phr未満の総可塑剤含量で可塑系を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載のタイヤ。
  17. 前記トレッドの組成物が可塑系を含まないか又は10phr未満、好ましくは5phr未満の総可塑剤含量で可塑系を含む、請求項16に記載のタイヤ。
  18. 前記トレッドの組成物が、さらに架橋系を含む、請求項17に記載のタイヤ。
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