JP2020528487A - 樹脂希釈エラストマー - Google Patents

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Abstract

本発明は、エラストマーが200000g/mol以上の数平均モル質量を有する合成ジエンエラストマーであり、樹脂が可塑化用炭化水素樹脂である、樹脂希釈エラストマーに関する。本発明はまた、そのような樹脂希釈エラストマーを得るための方法、ならびにそのような樹脂希釈エラストマーを含む組成物、タイヤ用の完成品およびタイヤに関する。

Description

本発明は、樹脂希釈(resin−extended)エラストマー、それを得るための方法、およびそれを含むゴム組成物に関する。これらのゴム組成物は、特にタイヤの製造に使用され得る。
燃料の節約および環境保護の必要性が優先事項となっているため、乾燥および湿潤路面グリップ等の他の特性に悪影響を及ぼすことなく転がり抵抗が低減されたタイヤを製造することが望ましい。
特に転がり抵抗ならびに湿潤および乾燥路面グリップの観点からのこの特性の妥協点を達成する1つの手法は、補強の点で従来のタイヤグレードカーボンブラックに匹敵し得る高分散性シリカ(HDS)等の無機補強充填剤で補強されるという特徴を有する低ヒステリシスゴム組成物において、高含量の可塑剤、特に高含量の可塑化用樹脂を使用することである。
これらの組成物は通常、その構成成分の全てをミキサー内に投入することにより調製される。
しかしながら、これらの組成物の製造中に高含量の可塑化用樹脂を投入することは、問題を引き起こす。
具体的には、このゴム組成物への高含量の可塑化用樹脂の投入は、組成物の粘着性の増加をもたらす。この増加は極めて大きいため、ゴム組成物は、ミキサーのロータまたは混合ラインの様々な他の金属部品に粘着し、ミキサーが正しく機能しなくなる。したがってこれは材料の損失をもたらす可能性があり、すなわち、ミキサー内に導入された材料の一部のみがその端部に現れる。さらに、金属部分に粘着した組成物を除去するために、ミキサーを停止させることが必要となる場合が極めて多い。手作業でそれを清掃するためのミキサーの停止は生産性の低下をもたらすため、製造業者にとって非常に不利である。したがって、高含量の可塑化用樹脂を有する組成物は、ゴム組成物を製造するための通常のツール、例えば内部ミキサーにおいては異なって加工され得る。
本発明が解決しようとする技術的問題は、高含量の樹脂を有するゴム組成物の加工性の改善の問題である。
出願人は、驚くべきことに、その研究過程において、特定の化合物の使用によってそれを含有する組成物の粘着性が低減されることを発見したため、この目的は達成される。この特定の化合物は、そのようなゴム組成物の加工性を改善する。
したがって、本発明の1つの主題は、エラストマーが200000g/mol以上の数平均モル質量を有する合成ジエンエラストマーであり、樹脂が可塑化用炭化水素ベース樹脂である、樹脂希釈エラストマーである。
好ましい実施形態によれば、合成ジエンエラストマーの数平均モル質量は、500000g/mol以下である。
好ましい実施形態によれば、合成ジエンエラストマーの数平均モル質量は、250000g/mol〜450000g/molの範囲内である。
好ましい実施形態によれば、合成ジエンエラストマーは、4〜12個の炭素原子を含む少なくとも1種の共役ジエンモノマーを含む。
好ましい実施形態によれば、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ(C1−C5アルキル)−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエンおよびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。
好ましい実施形態によれば、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、およびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。
好ましい実施形態によれば、合成ジエンエラストマーは、8〜20個の炭素原子を含む少なくとも1種のビニル芳香族モノマーも含む。
好ましい実施形態によれば、8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーは、スチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、「ビニル−トルエン」市販混合物、パラ−tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンおよびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。
好ましい実施形態によれば、8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーは、スチレンであり、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエンである。
好ましい実施形態によれば、合成ジエンエラストマーは、炭素−スズ結合を含む官能基、アミノ官能基、シラノールを含む官能基、アルコキシシランを含む官能基、カルボン酸基、ポリエーテル基、エポキシド基およびそれらの混合物で構成される群から選択される官能性で官能化されている。
好ましい実施形態によれば、合成ジエンエラストマーは、溶液重合により、好ましくは均一溶液重合により得られる。
好ましい実施形態によれば、可塑化用炭化水素ベース樹脂は、400〜2000g/molの間、好ましくは500〜1500g/molの間の数平均モル質量を有する。
好ましい実施形態によれば、可塑化用炭化水素ベース樹脂は、脂肪族樹脂、芳香族樹脂およびこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択される。
好ましい実施形態によれば、可塑化用炭化水素ベース樹脂は、シクロペンタジエンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびC9分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂の混合物、α−メチルスチレンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ならびにこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択される。
好ましい実施形態によれば、可塑化用炭化水素ベース樹脂の含量は、5〜100phr、好ましくは30〜80phrの範囲内である。
好ましい実施形態によれば、樹脂希釈エラストマーは、有機溶媒中の溶液としての合成ジエンエラストマーと、液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂とを混合することによって得られる。
本発明の別の主題は、樹脂希釈エラストマーを得るための方法であって、
(a)有機溶媒中の溶液としての少なくとも1種の合成ジエンエラストマーを、少なくとも1種の可塑化用炭化水素ベース樹脂と接触させる1つのステップであり、前記合成ジエンエラストマーが200000g/mol以上の数平均モル質量を有するステップと、
(b)合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の均一溶液を得るための1つの混合ステップと、
(c)有機溶媒が濃縮されたガス状分画、ならびに合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液を回収するための1つの蒸気ストリッピングステップと、
(d)合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液から、樹脂希釈エラストマーを回収する1つのステップと
を少なくとも含む方法である。
好ましい実施形態によれば、製造方法は、有機溶媒を除去するステップ(c)と乾燥ステップ(d)との間に、合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液を洗浄する少なくとも1つのステップ(c’)も含む。
好ましい実施形態によれば、有機溶媒が濃縮されたガス状分画は、ステップ(a)にリサイクルされる。
好ましい実施形態によれば、ステップ(a)の合成ジエンエラストマーは、有機溶媒への前記エラストマーの溶解により、または前記エラストマーの対応するモノマーの有機溶媒中での溶液重合により得られる。
好ましい実施形態によれば、ステップ(a)における接触の間、可塑化用炭化水素ベース樹脂は液体状態である。
好ましい実施形態によれば、液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂は、前記樹脂をその軟化点以上の温度に加熱することにより得られる。
好ましい実施形態によれば、液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂は、前記樹脂を、合成ジエンエラストマーが存在する有機溶媒と同一または異なる有機溶媒中に溶解することにより得られる。
好ましい実施形態によれば、合成ジエンエラストマーの数平均モル質量は、500000g/mol以下、より優先的には250000g/mol〜450000g/molの範囲内である。
好ましい実施形態によれば、前記合成ジエンエラストマーは、−60℃以下、より優先的には−110℃〜−60℃、より優先的には−95℃〜−65℃の範囲内のガラス転移温度を有する。
好ましい実施形態によれば、合成ジエンエラストマーは、4〜12個の炭素原子を含む少なくとも1種の共役ジエンモノマーを含む。
好ましい実施形態によれば、合成ジエンエラストマーは、8〜20個の炭素原子を含む少なくとも1種のビニル芳香族モノマーも含む。
好ましい実施形態によれば、合成ジエンエラストマーは、炭素−スズ結合を含む官能基、アミノ官能基、シラノールを含む官能基、アルコキシシランを含む官能基、カルボン酸基、ポリエーテル基、エポキシド基およびそれらの混合物で構成される群から選択される官能性で官能化されている。
好ましい実施形態によれば、可塑化用炭化水素ベース樹脂は、400〜2000g/molの間、好ましくは500〜1500g/molの間の数平均モル質量を有する。
好ましい実施形態によれば、可塑化用炭化水素ベース樹脂は、20℃以上、好ましくは30℃以上のガラス転移温度を有する。
本発明の別の主題は、上述の方法により得ることができる樹脂希釈エラストマーに関する。
好ましい実施形態によれば、樹脂希釈エラストマーは、40MU以上、好ましくは50〜75MUの範囲内のムーニー粘度指数を有する。
驚くべきことに、樹脂希釈エラストマーは、その高い数平均モル質量にもかかわらず、良好なムーニー粘度を有し、ゴム組成物中に使用することができる。
したがって、本発明の別の主題は、上述の少なくとも1種の樹脂希釈エラストマー、または上述の方法に従って得ることができる少なくとも1種の樹脂希釈エラストマー、および少なくとも1種の補強充填剤をベースとする組成物に関する。
好ましい実施形態によれば、組成物は、少なくとも1種の化学架橋剤も含む。
本発明による樹脂希釈エラストマーを含むゴム組成物は、高含量の可塑化用樹脂の存在にもかかわらず、同じ含量の可塑化用樹脂および樹脂希釈されていない同じ微細構造のエラストマーを含む組成物よりも低い混合ツールへの粘着性を有するという利点を有する。ゴム組成物におけるこの樹脂希釈エラストマーの使用は、混合ラインの生産性の増加を可能にし、そのような化合物を含むゴム組成物のより良好な加工性によって、清掃のためのラインの停止がより制限される。
本発明の別の主題は、上で定義された少なくとも1種の樹脂希釈エラストマー、または上述の方法に従って得ることができる少なくとも1種の樹脂希釈エラストマーを含む、タイヤ用の半完成品に関する。
本発明の別の主題は、上述の少なくとも1種の組成物を含む、タイヤ用の半完成品に関する。
本発明の別の主題は、上述の少なくとも1種の樹脂希釈エラストマー、または上述の方法に従って得ることができる少なくとも1種の樹脂希釈エラストマーを含むタイヤに関する。
本発明の別の主題は、上述の少なくとも1種の組成物を含むタイヤに関する。
1.使用される測定方法
1.1 樹脂希釈または非希釈エラストマーの数平均(Mn)および質量平均(Mw)モル質量、ならびに多分散性指数の測定
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)が使用される。SECにより、多孔質ゲル充填カラムを通して、溶液中の巨大分子をそのサイズに従って分離することができる。巨大分子は、その流体力学的体積に従って分離され、最もかさ高いものが最初に溶出される。
絶対的な方法ではないが、SECにより、エラストマーのモル質量分布を理解することができる。市販の標準から様々な数平均モル質量(Mn)および質量平均モル質量(Mw)を決定することができ、「Moore」較正法により多分散性指数(PI=Mw/Mn)を計算することができる。
試験されるエラストマー試料の調製:
分析前のエラストマー試料に対する特定の処理はない。前記試料は、単に、クロロホルム中、またはテトラヒドロフラン+1vol%のジイソプロピルアミン+1vol%のトリエチルアミン+1vol%の蒸留水(vol%=体積%)の混合物中に約1g/lの濃度まで溶解される。次いで、溶液は、注入の前に0.45μmの細孔を有するフィルタを通して濾過される。
SEC分析:
使用される装置は、Waters Allianceクロマトグラフである。溶出溶媒は、エラストマーの溶解に使用される溶媒に従い、テトラヒドロフラン+1vol%のジイソプロピルアミン+1vol%のトリエチルアミンの混合物、またはクロロホルムである。流速は0.7ml/分であり、システムの温度は35℃であり、分析時間は90分である。商品名Styragel HMW7、Styragel HMW6Eおよび2つのStyragel HT6Eを有する直列の4つのWatersカラムの組が使用される。
注入されるエラストマー試料の溶液の体積は、100μlである。検出器は、810nmの波長のWaters 2410示差屈折計である。クロマトグラフデータを処理するためのソフトウェアは、Waters Empowerシステムである。
計算された平均モル質量は、PSS Ready Cal−Kit市販ポリスチレン標準から生成された較正曲線に対するものである。
1.2 可塑化用炭化水素ベース樹脂の数平均(Mn)および質量平均(Mw)モル質量、ならびに多分散性指数の測定
可塑化用樹脂のマクロ構造(Mw、MnおよびPI)もまた、以下のプロトコルに従ってサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により決定される。
試験される可塑化用樹脂試料の調製:
分析前の可塑化用樹脂試料に対する特定の処理はない。試料は、単にテトラヒドロフラン中に約1g/lの濃度まで溶解される。次いで、溶液は、注入の前に0.45μmの細孔を有するフィルタで濾過される。
SEC分析:
使用される装置は、Waters Alliance 2695クロマトグラフである。溶出溶媒は、酸化防止剤を含まないテトラヒドロフランである。流速は1ml/分であり、システムの温度は35℃であり、分析時間は45分である。
商品名PL Gel Mixed DおよびPL Gel Mixed Eを有する直列の4つのAgilentカラムの組が使用される。この組は、直列の2つのPL Gel Mixed Dカラムに続く直列の2つのPL Gel Mixed Eカラムで構成される。
注入される可塑化用樹脂試料の溶液の体積は、100μlである。検出器は、810nmの波長のWaters 2410示差屈折計である。クロマトグラフデータを処理するためのソフトウェアは、Waters Empowerシステムである。
計算された平均モル質量は、商品名PSS Ready Cal−Kit PSS−pskitr11を有するPSS Polymer社製の市販のポリスチレン標準、および商品名PSS−ps162を有するPSS Polymer社製の162g/molのポリスチレン標準から生成された較正曲線に対するものである。
1.3 ガラス転移温度の測定
ガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計を使用して測定される。分析は、標準ASTM D3418−08(2008)の要件に従って行われる。
1.4 1H NMR分光法によるエラストマーの微細構造の決定
エラストマー中の様々なモノマー単位の含量およびその微細構造の決定は、NMR分析により行われる。スペクトルは、5mm BBIz−grad「広帯域」プローブを備えたBruker Avance 500MHz分光計で取得される。定量的1H NMR実験は、単一30°パルスシーケンス、および各取得間の5秒の繰り返し時間を用いる。試料は、CDCl3クロロホルム中に溶解される。
1.5 樹脂希釈エラストマー試料中の可塑化用炭化水素ベース樹脂の量の決定
樹脂希釈エラストマー中の可塑化用樹脂の量の決定もまた、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)分析により行われる。
試験される樹脂希釈エラストマー試料の調製:
分析前の樹脂希釈エラストマー試料に対する特定の処理はない。試料は、単に250ppmの酸化防止剤BHTを含むテトラヒドロフラン中に約1g/lの濃度まで溶解される。次いで、溶液は、注入の前に0.45μmの細孔を有するフィルタを通して濾過される。
SEC分析:
使用される装置は、Waters Alliance 2695クロマトグラフである。溶出溶媒は、250ppmの酸化防止剤BHTを含むテトラヒドロフランである。流速は1ml/分であり、システムの温度は35℃であり、分析時間は35分である。
商品名PL Gel Mixed−DおよびPL Gel Mixed−Eを有する直列の3つのAgilentカラムの組が使用される。この組は、直列の2つのAgilent PL Gel Mixed Dカラムおよび1つのAgilent PL Gel Mixed Eカラムで構成される。
注入される樹脂希釈エラストマー試料の溶液の体積は、100μlである。検出器は、810nmの波長のWaters 2410示差屈折計であり、クロマトグラフデータを処理するためのソフトウェアは、Waters Empowerシステムである。
樹脂希釈エラストマーと同じ微細構造の非樹脂希釈エラストマーを使用した較正物質が使用される。これらの較正物質は、250ppmの酸化防止剤BHT(BHT ブチルヒドロキシトルエン)を含むテトラヒドロフラン中で調製される。較正範囲を得るために、正確に知られているg/lでの濃度の非樹脂希釈エラストマーを使用して、いくつかの較正物質が調製される。各較正物質は、クロマトグラフィーシステムに100μlで注入される。データ処理ソフトウェアを利用して、各較正物質ピークが積分される。次いで、各較正物質のピークの総面積を決定することができる。次いで、濃度の関数として較正物質のピーク面積をプロットすることにより、較正曲線が構築される。
次いで、較正曲線の生成後に樹脂希釈エラストマーが注入される。樹脂およびエラストマーの信号はSECカラムを用いて分離されるため、そのようにして定量を行うことができる。次いで、エラストマーに対して得られたピークがデータ処理ソフトウェアを使用して積分され、次いで前記ピークの面積が、予め構築された較正曲線上に報告される。次いで、油展エラストマー中のg/Lでのエラストマー濃度(Celasto)を推定することができる。溶解した樹脂希釈エラストマーの濃度は既知である(Csamp)。
したがって、次の関係により樹脂含量の定量が間接的に行われる:
樹脂含量=1−Celasto/Csamp
1.6 エラストマーに対する標準ASTM D−1646に従う100℃でのムーニー粘度ML(1+4)の決定
標準ASTM D−1646に記載の稠度計が使用される。ムーニー粘度測定は、次の原理に従って行われる:100℃に加熱した円筒チャンバー内でエラストマーを成形する。1分間予熱した後、ロータが2回転/分で試験体内で回転し、4分間回転した後のこの動きを維持するための作用トルクを測定する。ムーニー粘度(ML(1+4))は、「ムーニー単位」(MU、1MU=0.83N.m)で表される。
1.7 非加硫ゴム組成物の粘着性の決定
ゴム組成物の粘着は、接着試験とも呼ばれる粘着測定を用いて測定され、これはプローブ粘着試験としても知られる。プローブ粘着試験は、表面(プローブ)と接着剤(組成物)との間の接触の試験に対応する。試験は、ゴム組成物および表面の温度に対応する70℃の温度で行われ、組成物は加硫されていない。動きの関数としての印加される力の変動が記録される。分析は、標準ASTM D2979−01(2009)の要件に従って行われる。
結果は、ベース100で表される。試験される試料に対するベース100における値は、以下の演算に従って計算される:(接着剤/試験試料からプローブを分離するためのニュートン単位の最大力の値/接着剤/対照からプローブを分離するためのニュートン単位の最大力の値)×100)。このようにして、100未満の結果は粘度の減少を示し、これは組成物のより良好な加工性を裏付けている。
1.8 シリカのBETおよびCTAB比表面積の測定
シリカのBET比表面積は、「The Journal of the American Chemical Society」(Vol. 60, page 309, February 1938)に記載のBrunauer−Emmett−Teller法を使用したガス吸着により決定され、より具体的には、2010年6月の標準NF ISO5794−1、付属書Eから派生した方法に従って決定される[多点(5点)容積法−ガス:窒素−真空下での脱気:160℃で1時間−相対圧力範囲p/po:0.05〜0.2]。
CTAB比表面積(SCTAB)値は、2010年6月の標準NF ISO5794−1、付属書Gに従って決定された。プロセスは、シリカの「外側」表面に対するCTAB(N−ヘキサデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド)の吸着に基づいている。
2−発明の詳細な説明
本明細書において、別段に明示されない限り、示されるパーセント(%)は全て質量パーセントである。
さらに、「a〜bの間」という表現により指定されるいかなる値の範囲も、「a」超から「b」未満までの値の範囲を表し(すなわち、境界値aおよびbは除外される)、一方「a〜b」という表現により指定されるいかなる値の範囲も、「a」から「b」までの値の範囲を意味する(すなわち、厳密な境界値aおよびbを含む)。
本特許出願において、「phr」という用語は、エラストマー100質量部当たりの構成成分の質量部を意味する。
本発明に関連して、本明細書で言及される炭素ベースの生成物は、化石または生物起源であってもよい。後者の場合、それらは部分的もしくは完全にバイオマス由来であってもよく、または、バイオマス由来の再生可能出発材料から得られてもよい。ポリマー、可塑剤、充填剤等が特に該当する。
2.1−樹脂希釈エラストマー
本発明の1つの主題は、エラストマーが200000g/mol以上の数平均モル質量を有する合成ジエンエラストマーであり、樹脂が可塑化用炭化水素ベース樹脂である、樹脂希釈エラストマーである。
本発明の目的において、「樹脂希釈エラストマー」という用語は、互いに密に混合されたエラストマーおよび樹脂から形成された固体複合材型の材料を指す。
エラストマー
本発明による樹脂希釈エラストマーの第1の構成成分は、200000g/mol以上の数平均モル質量を有する合成ジエンエラストマーである。
「ジエン」エラストマー(または同等に「ゴム」、この2つの用語は同義であるとみなされる)は、知られているように、ジエンモノマー単位(共役していても、または共役していなくてもよい2つの炭素−炭素二重結合を有するモノマー)から少なくとも部分的に(すなわちホモポリマーまたはコポリマー)構成されるエラストマー(1種または複数種が理解される)を意味すると理解されるべきである。
ジエンエラストマーは、「本質的に不飽和」または「本質的に飽和」の2つのカテゴリーに分類され得る。「本質的に不飽和」という用語が一般的に意味するのは、15%(mol%)超のジエン起源(共役ジエン)の単位の含量を有する共役ジエンモノマーから少なくとも部分的に得られるジエンエラストマーであり、したがって、ブチルゴムまたはEPDM型のジエンおよびα−オレフィンのコポリマー等のジエンエラストマーは、上記の定義に含まれず、特に「本質的に飽和」したジエンエラストマーと呼ぶことができる(常に15%(mol%)未満の低い、または非常に低い含量のジエン起源の単位)。「本質的に不飽和」のジエンエラストマーのカテゴリーにおいて、「極めて不飽和」のジエンエラストマーという用語は、特に、50%(mol%)超のジエン起源(共役ジエン)の単位の含量を有するジエンエラストマーを指す。
本発明の目的において、「合成エラストマー」という用語は、生物起源または石油化学由来のモノマーから化学合成により得られたエラストマーを意味する。したがって、合成エラストマーは、天然ジエンエラストマーである天然ゴムとは異なる。
これらの定義を前提として、本発明による樹脂希釈エラストマーにおいて使用され得る「合成ジエンエラストマー」は、より具体的には、
(a)共役ジエンモノマーの任意のホモポリマー、特に4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーの重合により得られる任意のホモポリマー;
(b)1種もしくは複数種の共役ジエン同士の、またはそれと8〜20個の炭素原子を含む1種もしくは複数種のビニル芳香族化合物との共重合により得られる任意のコポリマー;
(c)エチレンおよび3〜6個の炭素原子を含むα−オレフィンと、6〜12個の炭素原子を含む非共役ジエンモノマーとの共重合により得られる三元コポリマー、例えば、エチレンおよびプロピレンと、上述の種類の非共役ジエンモノマー、例えば特に1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンとから得られるエラストマー;
(d)イソブテンおよびイソプレン(ブチルゴム)のコポリマー、ならびにこの種のコポリマーのハロゲン化型、特に塩素化または臭素化型、
(e)1種または複数種の共役ジエンとエチレン、3〜18個の炭素原子を含むアクリル脂肪族α−モノオレフィン、またはそれらの混合物との共重合により得られる任意のコポリマー、例えばWO2005/028526、WO2004/035639およびWO2007/054224に記載のものを指す。
本発明は、任意の種類の合成ジエンエラストマーに適用されるが、好ましくは本質的に不飽和のジエンエラストマーを用いて、特に上述の種類(a)または(b)の本質的に不飽和のジエンエラストマーを用いて行われることが、当業者に理解される。
優先的には、合成ジエンエラストマーは、4〜12個の炭素原子を含む少なくとも1種の共役ジエンモノマーを含む。
したがって、合成ジエンエラストマーは、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーのホモポリマー、または、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーと別の重合性モノマーとの重合から得られるコポリマーであってもよい。
優先的には、合成ジエンエラストマーの4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ(C1−C5アルキル)−1,3−ブタジエン、例えば2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、およびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。
より優先的には、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、およびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。
4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマー(第1のモノマー)と重合可能な他のモノマーは、
− 第1のモノマー以外の4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマー;
− 8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマー;
− α−オレフィンモノマー、例えばプロピレン、1−ブテン、イソブチレン、ペンテン、メチルペンテンまたは1−ヘキセン;
− エチレン;および
− これらのモノマーの混合物
であってもよい。
優先的には、他の重合性モノマーは、8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーである。したがって、本発明による樹脂希釈エラストマーにおいて使用され得る合成ジエンエラストマーはまた、8〜20個の炭素原子を含む少なくとも1種のビニル芳香族モノマーを含む。この場合、それはコポリマーである。
使用に特に好適な8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーは、スチレンモノマー、すなわちスチレンを含む任意の非置換または置換モノマーを含む。置換スチレンのうち、挙げることができる例は、メチルスチレン(例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレンもしくはp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、α−2−ジメチルスチレン、α−4−ジメチルスチレンもしくはジフェニルエチレン)、パラ−tert−ブチルスチレン、クロロスチレン(例えば、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレンもしくは2,4,6−トリクロロスチレン)、ブロモスチレン(例えば、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、2,6−ジブロモスチレンもしくは2,4,6−トリブロモスチレン)、フルオロスチレン(例えば、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、2,4−ジフルオロスチレン、2,6−ジフルオロスチレンもしくは2,4,6−トリフルオロスチレン)またはパラ−ヒドロキシスチレンを含む。
より優先的には、8〜20個の原子を含むビニル芳香族モノマーは、スチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、「ビニル−トルエン」市販混合物、パラ−tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンおよびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。
さらにより優先的には、8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーは、スチレンである。
要約すると、本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、優先的には、ポリブタジエン(BRと略される)、合成ポリイソプレン(IRと略される)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物で構成される群から選択される。そのようなコポリマーは、より優先的には、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBRと略される)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIRと略される)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIRと略される)およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIRと略される)で構成される群から選択される。
優先的には、本発明による樹脂希釈エラストマーにおいて使用され得る合成ジエンエラストマーは、ブタジエン/スチレンコポリマーである。
(b)の種類のコポリマーの場合、それらは、20質量%〜99質量%のジエン単位および1質量%〜80質量%のビニル芳香族単位を含んでもよい。
優先的には、本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーが、8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマー(特にこのモノマーがスチレンである)を含む場合、このモノマーの含量は、エラストマーの総質量に対して3質量%〜20質量%、より優先的にはエラストマーの総質量に対して5質量%〜16質量%の範囲内である。
優先的には、本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーが、8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマー(特にこのモノマーがスチレンである)、および1,3−ブタジエンモノマーを含む場合、1,2−ビニルブタジエン単位の含量は、ポリブタジエン部分の総質量に対して4質量%〜30質量%、より優先的にはポリブタジエン部分の総質量に対して5質量%〜25質量%の範囲内である。
本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、使用される重合条件に依存する、特に修飾剤および/またはランダム化剤(randomizing agent)の有無に依存し、また用いられる修飾剤および/またはランダム化剤の量に依存する、任意の微細構造を有し得る。
本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、逐次または微細逐次エラストマー(microsequential elastomer)であってもよく、また溶液中で合成され、それらは、カップリング剤および/もしくは星形分岐剤または官能化剤でカップリングおよび/もしくは星形分岐またはさらには官能化されてもよい。優先的には、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマー(特に1,3−ブタジエン)、および8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマー(特にスチレン)をベースとするコポリマーの場合、これらの2つのモノマーは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布する。
本発明の一実施形態において、本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、炭素−スズ結合を含む官能基、アミノ官能基、シラノールを含む官能基、アルコキシシランを含む官能基、カルボン酸基、ポリエーテル基、エポキシド基およびそれらの混合で構成される群から選択される官能性で官能化された合成ジエンエラストマーであってもよい。
カーボンブラックへのカップリングには、例えば、C−Sn結合を含む官能基、またはアミノ官能基、例えばアミノベンゾフェノン等を挙げることができる。補強無機充填剤、例えばシリカへのカップリングには、例えば、シラノールもしくはシラノール末端を有するポリシロキサン官能基(例えば、FR2740778もしくはUS6013718およびWO2008/141702に記載の通り)、アルコキシシラン基(例えば、FR2765882もしくはUS5977238に記載の通り)、カルボキシル基(例えば、WO01/92402もしくはUS6815473、WO2004/096865もしくはUS2006/0089445に記載の通り)、またはポリエーテル基(例えば、EP1127909もしくはUS6503973、WO2009/000750およびWO2009/000752に記載の通り)を挙げることができる。さらに挙げることができる官能性エラストマーは、官能性開始剤、特にアミンまたはスズ官能性を有する官能性開始剤を使用して調製されたものを含む(例えば、WO2010/072761を参照されたい)。また、官能化エラストマーの他の例として、エポキシ化型のエラストマー(例えば、SBR、BRまたは合成IR)を挙げることができる。
この官能性は、優先的には、炭素−スズ結合を含む官能基、アミノ官能基、シラノールを含む官能基、およびアルコキシシランを含む官能基で構成される群から選択される。
さらにより優先的には、この官能性は、シラノールを含む官能基およびアルコキシシランを含む官能基で構成される群から選択される。
官能性を有する官能基は、鎖末端、すなわち直線エラストマー主鎖の一方の端部に位置してもよい。この場合、ジエンエラストマーが「鎖末端」で官能化されると言える。これは一般に、リビングエラストマーと官能化剤との反応により得られるエラストマー、すなわち任意の少なくとも単官能性の分子であり、官能性は、リビング鎖末端と反応することが当業者によって知られている任意の種類の化学基である。
この化学基は、直線エラストマー主鎖内に位置してもよい。この場合、ジエンエラストマーが「鎖末端」の位置とは対照的に「鎖の中間」でカップリングまたは官能化されると言えるが、基は、エラストマー鎖の厳密に中間に位置するわけではない。これは一般に、リビングエラストマーの2つの鎖とカップリング剤との反応により得られるエラストマー、すなわち任意の少なくとも二官能性の分子であり、官能性は、リビング鎖末端と反応することが当業者に知られている任意の種類の化学基である。
この基は、n個のエラストマー鎖(n>2)が結合する中心となって星形分岐構造のエラストマーを形成してもよい。したがって、ジエンエラストマーが星形分岐していると言える。これは一般に、リビングエラストマーのn個の鎖と星形分岐剤との反応により得られるエラストマー、すなわち任意の多官能性の分子であり、官能性は、リビング鎖末端と反応することが当業者に知られている任意の種類の化学基である。
当業者には、リビングエラストマーに対して反応性である2つ以上の官能性を含む薬剤との官能化反応が、鎖端部および鎖の中間で官能化して官能化ジエンエラストマーの直鎖を構成する種、ならびに該当する場合には星形分岐種の混合物をもたらすことが理解される。操作条件、主にリビング鎖に対する官能化剤のモル比に依存して、ある特定の種が混合物中で支配的となる。
優先的には、本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、鎖の中間または鎖端部に、より優先的には鎖端部に官能基を有する。
本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、高い数平均モル質量Mn、すなわち200000g/mol以上のMnを有する。当業者には、そのようなMn値を得るためにどのようにして合成ジエンエラストマーの合成条件を適合させるかが分かる。Mnは、1.1項に記載の方法に従って測定される。
優先的には、本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、500000g/mol以下、より優先的には250000g/mol〜450000g/molの範囲内のMnを有する。
優先的には、本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、低Tgエラストマーである。「低Tg」という用語は、−60℃以下のTgを意味する。当業者には、そのようなTg値を得るためにどのようにして合成ジエンエラストマーの微細構造を適合させるかが分かる。樹脂希釈エラストマーの配合物中に含まれる合成ジエンエラストマーのTgは、それを可塑化用炭化水素ベース樹脂と混合する前の合成ジエンエラストマーに対して測定されることが理解される。Tgは、1.3項に記載の方法に従って測定される。
優先的には、本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、−110℃〜−60℃、より優先的には−95℃〜−65℃の範囲内のTgを有する。
本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、溶液重合、好ましくは均一溶液重合により得られる。当業者に周知の任意の種類の溶液重合、例えばアニオン重合または配位重合が使用され得る。
溶液重合は当業者に周知であり、使用されるモノマーおよび合成されているエラストマーが重合溶媒中に可溶であるという点で乳化重合(または分散媒体中での重合)とは異なる。重合反応の終わりに、形成されたエラストマーもまた重合溶媒に可溶であり、前記溶媒の蒸発または濾過により回収される。この種の重合では、重合溶媒は炭化水素ベース溶媒であることが非常に多い。対照的に、乳化重合では、重合溶媒は水または水溶液であり、重合性モノマーはこの重合溶媒に不溶である。次いで、重合反応が生じるミセルが形成される。乳化重合(または分散媒体中での重合)の終わりに、ラテックス形態のエラストマー、すなわち水溶液中のエラストマー粒子の安定なエマルジョンが得られる。したがって、溶液中で合成された本発明に関連して使用され得る合成ジエンエラストマーは、ラテックス形態ではない。
可塑化用炭化水素ベース樹脂
本発明による樹脂希釈エラストマーの第2の構成成分は、可塑化用炭化水素ベース樹脂である。
当業者に知られているように、本特許出願において、「樹脂」という用語は、定義により、油等の室温で液体である可塑化剤とは対照的に、室温(23℃)で固体である化合物に対するものである。
可塑化用樹脂は、当業者に周知のポリマーである。これらは、本質的に炭素および水素をベースとする炭化水素ベース樹脂であるが、他の種類の原子を含んでもよく、ポリマーマトリックス中に特に可塑化剤または粘着剤として使用されてもよい。それらは本来、それらが真の希釈剤として作用するように意図されるジエンエラストマーの組成物とともに使用される含量で混和性(すなわち相溶性)である。それらは、例えばR.Mildenberg、M.ZanderおよびG.Collin著の「Hydrocarbon Resins」というタイトルの本(New York, VCH, 1997, ISBN 3-527-28617-9)に記載されており、その第5章は、特にタイヤゴムの分野における応用に特化している(5.5.「Rubber Tires and Mechanical Goods」)。それらは、脂肪族、脂環式、芳香族、水素化芳香族、または脂肪族/芳香族型であってもよく、すなわち脂肪族および/または芳香族モノマーをベースとしてもよい。それらは、天然または合成であってもよく、また石油ベースであってもよく、または石油ベースでなくてもよい(石油ベースである場合、それらはまた石油樹脂という名でも知られる)。それらは、優先的には炭化水素ベースのみであり、すなわち炭素および水素原子のみを含む。それらのTgは、好ましくは0℃以上、好ましくは20℃以上(通常は30℃〜95℃の範囲内)である。本特許出願において、「可塑化用樹脂」、「炭化水素ベース樹脂」および「可塑化用炭化水素ベース樹脂」という用語は、交換可能である。
知られているように、これらの可塑化用炭化水素ベース樹脂はまた、加熱すると軟化し、したがって成形可能であるという点で、熱可塑性樹脂と呼ぶこともできる。それらはまた、軟化点または温度により定義され得る。可塑化用炭化水素ベース樹脂の軟化点は、一般にそのTg値より約50℃〜60℃高い。軟化点は、2012年の標準ISO4625(環球法)に従って測定される。
優先的には、本発明に関連して使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、0℃以上、好ましくは20℃以上、好ましくは30℃以上(特に30℃〜95℃の間)のTgを有する。本発明による樹脂希釈エラストマーの配合物に含まれる可塑化用炭化水素ベース樹脂のTgは、それを合成ジエンエラストマーと混合する前の可塑化用炭化水素ベース樹脂に対して測定されることが理解される。可塑化用炭化水素ベース樹脂のTgは、1.3項に記載の方法に従って測定される。
優先的には、本発明に関連して使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、2012年の標準ISO4625(環球法)に従って測定される50℃以上(特に50℃〜150℃の間)の軟化点を有する。
優先的には、本発明に関連して使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、400〜2000g/molの間、優先的には500〜1500g/molの間の数平均モル質量(Mn)を有する。可塑化用炭化水素ベース樹脂のMnは、1.2項に記載の方法に従って測定される。
優先的には、本発明に関連して使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、3未満の多分散性指数(PDI)を有する(注:PDI=Mw/Mn、Mwは質量平均モル質量)。
より優先的には、本発明に関連して使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、20℃以上、好ましくは30℃以上のTg、および400〜2000g/molの間、優先的には500〜1500g/molの間のMnを有する。
より優先的には、本発明に関連して使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、上記の優先的特徴の全てを有し得る。
優先的には、本発明に関連して使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、脂肪族樹脂、芳香族樹脂およびこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択される。
本発明に関連して使用され得るそのような可塑化用炭化水素ベース樹脂の例としては、シクロペンタジエン(CPDと略される)ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPDと略される)ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびC9分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂の混合物、α−メチルスチレンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ならびにこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択されるものを挙げることができる。
上記のコポリマー可塑化用炭化水素ベース樹脂のうち、より具体的には、CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、DCPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、CPD/テルペンコポリマー樹脂、DCPD/テルペンコポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、CPD/C5分画コポリマー樹脂、DCPD/C5分画コポリマー樹脂、CPD/C9分画コポリマー樹脂、DCPD/C9分画コポリマー樹脂、C5分画およびC9分画樹脂の混合物、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5分画/ビニル芳香族コポリマー樹脂、ならびにこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択されるものを挙げることができる。
本明細書において、「テルペン」という用語は、知られているように、α−ピネン、β−ピネンおよびリモネンモノマーをまとめたものであり、好ましくはリモネンモノマーが使用されるが、この化合物は、知られているように、L−リモネン(左旋性鏡像異性体)、D−リモネン(右旋性鏡像異性体)、または右旋性および左旋性鏡像異性体のラセミ体であるジペンテンの3つの可能な異性体の形態で存在する。
使用に好適なビニル芳香族モノマーは、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、ビニルトルエン、パラ(tert−ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、またはC9分画から(もしくはより一般的にはC8〜C10分画から)得られる任意のビニル芳香族モノマーを含む。
さらにより優先的には、本発明に関連して使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、C5分画/C9分画コポリマーの樹脂またはこれらの樹脂の混合物である。
上記の可塑化用炭化水素ベース樹脂は全て当業者に周知であり、また市販されており、例えば、ポリリモネン樹脂に関してはDRT社によりDercolyteという名称で、C5分画/スチレン樹脂もしくはC5分画/C9分画樹脂に関してはNeville Chemical Company社によりSuper Nevtacの名称で、Kolon社によりHikorezの名称で、もしくはExxonMobil社によりEscorezの名称で、またはStruktol社により40MSもしくは40NS(芳香族および/もしくは脂肪族樹脂の混合物)の名称で販売されている。
樹脂希釈エラストマー
上述の合成ジエンエラストマー(その好ましい実施形態を含む)および上述の可塑化用炭化水素ベース樹脂(その好ましい実施形態を含む)の密な混合により、新材料である樹脂希釈エラストマーを得ることができる。この材料の2つの構成成分が互いに密に混合されると仮定すると、樹脂希釈エラストマーに対してTgを測定した場合、このパラメータの単一のTg値が得られる。この樹脂希釈エラストマーのTgは、混合される前に測定された合成ジエンエラストマーのTgおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂のTgとは異なる。驚くべきことに、この樹脂希釈エラストマーは良好なムーニー粘度を有し、良好な加工性が推定される。本発明による樹脂希釈エラストマーは、特にタイヤの製造に意図されるゴム組成物の製造に使用され得るという利点を有する。樹脂希釈エラストマーをこの種の組成物に使用することにより、様々な混合ツールにおける組成物のより良好な加工性が達成される。樹脂希釈エラストマーは、同じ微細構造を有するが樹脂希釈されていないエラストマー、および同じ含量の炭化水素ベース樹脂を含むゴム組成物と比較して、それを含むゴム組成物の粘着を制限する。したがって、本発明による樹脂希釈エラストマーを含むゴム組成物は、より良好な加工性を有し、混合ツールをほとんど、または全く損傷しない。
好ましくは、本発明による樹脂希釈エラストマーは、40MU(MU=ムーニー単位、1MU=0.83N.m)以上、より優先的には50〜75MUの範囲内のムーニー粘度(1.6項に記載の方法に従って測定される)を有する。
優先的には、樹脂希釈エラストマー中の可塑化用炭化水素ベース樹脂の含量は、5〜100phr、好ましくは30〜80phrの範囲内である。
優先的には、本発明による樹脂希釈エラストマーは、有機溶媒中の溶液としての合成ジエンエラストマーと、液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂とを混合することによって得ることができる。
本発明の目的において、「溶液としての合成ジエンエラストマー」という用語は、合成ジエンエラストマーの均一溶液を意味し、すなわち、有機溶媒および前記エラストマーは、肉眼で視認され得るただ1つの相を形成することを意味する。溶液中に前記エラストマーの粒子の沈殿または懸濁はない。
有機溶媒は、合成ジエンエラストマーのモノマー、合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂と相溶性の任意の溶媒であってもよい。好ましくは、有機溶媒は、脂肪族または脂環式である。挙げることができる例は、n−ペンタン、イソペンタン、イソアミレン(2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−ブテンおよび3−メチル−1−ブテン)、2,2−ジメチルブタン、2,2−ジメチルプロパン(ネオペンタン)、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、メチルシクロペンタンおよびメチルシクロヘキサン、ならびにこれらの化合物の混合物を含む。同じく挙げることができる有機溶媒は、芳香族炭化水素、例えばベンゼンまたはトルエンを含む。
本発明の目的において、「液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂」という用語は、室温で固体状態であり、液体状態に移行するプロセスに供された可塑化用炭化水素ベース樹脂を意味する。例えば、可塑化用炭化水素ベース樹脂は、当業者に周知の任意の技術によって、その軟化点を超える温度まで加熱されてもよい。液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂を得るための別の例は、それと相溶性である有機溶媒中に前記炭化水素ベース樹脂を溶解することにある。この技術もまた、当業者に周知である。この有機溶媒は、合成ジエンエラストマーが溶液として存在する溶媒と同一であっても、またはそれとは異なってもよい。可塑化用炭化水素ベース樹脂を溶解するために使用された有機溶媒が、合成ジエンエラストマーが存在する有機溶媒とは異なる場合、樹脂を溶解するための溶媒は、エラストマーが存在する溶媒と相溶性でなければならない。「相溶性」という用語は、これらの2つの溶媒が、肉眼で視認され得るただ1つの相を形成することを意味する。
2.2.樹脂希釈エラストマーを得るための方法
本発明はまた、樹脂希釈エラストマーを得るための方法であって、
(a)有機溶媒中の溶液としての少なくとも1種の合成ジエンエラストマーを、少なくとも1種の可塑化用炭化水素ベース樹脂と接触させるステップであり、前記合成ジエンエラストマーが200000g/mol以上の数平均モル質量を有するステップと、
(b)合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の均一溶液を得るための1つの混合ステップと、
(c)有機溶媒が濃縮されたガス状分画、ならびに合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液を回収するための1つの蒸気ストリッピングステップと、
(d)合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液から、樹脂希釈エラストマーを回収する1つのステップと
を少なくとも含む方法に関する。
樹脂希釈エラストマーを得るためのこの方法は、バッチ式または連続的方法であってもよい。
方法の第1のステップは、有機溶媒中の溶液としての少なくとも1種の合成ジエンエラストマーを、少なくとも1種の可塑化用炭化水素ベース樹脂と接触させることに関係し、前記合成ジエンエラストマーは、200000g/mol以上の数平均モル質量を有する。この接触は、当業者に周知の任意の反応器内で行われてもよい。
合成ジエンエラストマーが存在する溶媒は、好ましくは脂肪族または脂環式である任意の不活性炭化水素ベース溶媒であってもよい。挙げることができる例は、n−ペンタン、イソペンタン、イソアミレン(2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−ブテンおよび3−メチル−1−ブテン)、2,2−ジメチルブタン、2,2−ジメチルプロパン(ネオペンタン)、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、メチルシクロペンタンおよびメチルシクロヘキサン、ならびにこれらの化合物の混合物を含む。同じく挙げることができる有機溶媒は、芳香族炭化水素、例えばベンゼンまたはトルエンを含む。
本発明による方法において、有機溶媒中の溶液としての合成ジエンエラストマーは、前記有機溶媒への前記エラストマーの溶解により、または前記エラストマーの対応するモノマーの前記有機溶媒中での溶液重合により得ることができる。
合成ジエンエラストマーの溶解は、当業者に周知の任意の方法で行われ、例えば、溶媒中に溶解した合成ジエンエラストマーを得るために、有機溶媒を充填した反応器内に前記エラストマーのビーズを浸漬して反応媒体を撹拌しながら、また任意選択でそれを加熱することによって行われる。
本発明による方法の1つの変形例において、溶液としての合成ジエンエラストマーは、前記エラストマーの対応するモノマーの前記有機溶媒中での溶液重合により得られる。換言すれば、本発明の方法は、ステップ(a)の前に、合成ジエンエラストマーが、対応するモノマーから溶液中、好ましくは均一溶液中(すなわち上述の有機溶媒中)で重合されるステップ(a’)を含んでもよい。このステップ(a’)において、好ましくは、4〜12個の炭素原子を含む少なくとも1種の共役ジエンモノマーが重合される。4〜12個の炭素原子を含むこの共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ(C1−C5アルキル)−1,3−ブタジエン、例えば2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンまたは2,4−ヘキサジエン、およびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択され得る。より優先的には、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、およびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。本発明の方法の実施形態によれば、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマー(第1のモノマー)はまた、少なくとも1種の他の重合性モノマーと共重合されてもよく、この重合性モノマーは、特に、
− 第1のモノマー以外の4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマー;
− 8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマー;
− α−オレフィンモノマー、例えばプロピレン、1−ブテン、イソブチレン、ペンテン、メチルペンテンまたは1−ヘキセン;
− エチレン
であってもよい。
優先的には、他の重合性モノマーは、8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーである。使用に特に好適であるビニル芳香族化合物は、スチレンモノマー、すなわちスチレンを含む任意の非置換または置換モノマーを含む。置換スチレンのうち、挙げることができる例は、メチルスチレン(例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレンもしくはp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、α−2−ジメチルスチレン、α−4−ジメチルスチレンもしくはジフェニルエチレン)、パラ−tert−ブチルスチレン、クロロスチレン(例えば、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレンもしくは2,4,6−トリクロロスチレン)、ブロモスチレン(例えば、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモ−スチレン、2,4−ジブロモスチレン、2,6−ジブロモスチレンもしくは2,4,6−トリブロモスチレン)、フルオロスチレン(例えば、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、2,4−ジフルオロスチレン、2,6−ジフルオロスチレンもしくは2,4,6−トリフルオロスチレン)またはパラ−ヒドロキシスチレンを含む。優先的には、本発明による方法において使用され得る合成エラストマーの8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーは、スチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、「ビニル−トルエン」市販混合物、パラ−tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、およびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。さらにより優先的には、8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーは、スチレンである。したがって、本発明の方法の一実施形態において、方法のステップ(a’)は、4〜12個の炭素原子を含む少なくとも1種の共役ジエンモノマー(好ましくはこのモノマーは1,3−ブタジエンまたは2−メチル−1,3−ブタジエンである)および8〜20個の炭素原子を含む少なくとも1種のビニル芳香族モノマー(好ましくはスチレン)から出発して、ジエンエラストマーが溶液中で、好ましくは均一溶液中で重合されるステップである。
重合は、(配位−挿入機構に従う)触媒によるアニオン重合または連鎖重合であってもよい。これらの種類の重合は、当業者に周知であり、文献で十分に説明されている。
簡潔に説明すると、アニオン重合に関連して、重合は、例えば任意の既知の単官能性または多官能性アニオン性開始剤であってもよい重合開始剤を用いて開始される。しかしながら、優先的には、リチウム等のアルカリ金属、またはバリウム等のアルカリ土類金属を含む開始剤が使用される。使用に好適な有機リチウム開始剤は、特に、n−ブチルリチウム(n−BuLi)またはリチウムアミド等の1つまたは複数の炭素−リチウム結合を含むものを含む。
簡潔に説明すると、配位触媒による連鎖重合に関連して、希土類金属またはチタンをベースとする触媒系が使用される。そのような系は、特に、WO02/38636、WO03/097708およびWO2007/045417に記載されている。
本発明の方法の一実施形態において、前記方法はまた、ステップ(a’)において得られた合成ジエンエラストマーが修飾されるステップ(a”)を含んでもよい。このステップは、合成されているポリマーの鎖中に、または鎖端部に化学官能性を導入することにある。そのような方法は、特に、特許出願WO2009/133068およびWO2011/042507に記載されている。
優先的には、本発明による方法において、合成ジエンエラストマーは、炭素−スズ結合を含む官能基、アミノ官能基、シラノールを含む官能基、アルコキシシランを含む官能基、カルボン酸基、ポリエーテル基、エポキシド基、およびそれらの混合で構成される群から選択される官能性で官能化され得る。
より優先的には、本発明による方法において、合成ジエンエラストマーは、炭素−スズ結合を含む官能基、アミノ官能基、シラノールを含む官能基、アルコキシシランを含む官能基、およびそれらの混合で構成される群から選択される官能性で官能化され得る。
優先的には、本発明による方法において、有機溶媒中に溶解した、またはステップ(a’)および/もしくは(a”)の終わりで得られた合成ジエンエラストマーは、500000g/mol以下の数平均モル質量を有する。好ましくは、前記合成ジエンエラストマーは、250000g/mol〜450000g/molの範囲内の数平均モル質量を有する。Mnは、1.1項に記載の方法に従って測定される。
優先的には、本発明による方法において、有機溶媒中に溶解した、またはステップ(a’)および/もしくは(a”)の終わりに得られた合成ジエンエラストマーは、−60℃以下のガラス転移温度を有する。好ましくは、前記合成ジエンエラストマーは、−110℃〜−60℃、好ましくは−95℃〜−65℃の範囲内のガラス転移温度を有する。Tgは、1.3項に記載の方法に従って測定される。
本発明の方法においてステップ(a)の間に使用される樹脂は、可塑化用炭化水素ベース樹脂である。以前に示されたように、この可塑化用炭化水素ベース樹脂は、室温(23℃)で固体状態である。これらの可塑化用炭化水素ベース樹脂はまた、加熱すると軟化し、したがって成形可能であるという点で、熱可塑性樹脂と呼ぶこともできる。それらはまた、軟化点または温度により定義され得る。可塑化用樹脂の軟化点は、一般にそのTg値より約50〜60℃高い。軟化点は、2012年の標準ISO4625(環球法)に従って測定される。
優先的には、本発明の方法において使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、0℃以上、好ましくは20℃以上、好ましくは30℃以上(特に30℃〜95℃の間)のTgを有する。Tgは、1.3項に記載の方法に従って測定される。
優先的には、本発明の方法において使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、2012年の標準ISO4625(環球法)に従って測定される50℃以上(特に50℃〜150℃の間)の軟化点を有する。
優先的には、本発明の方法において使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、400〜2000g/molの間、優先的には500〜1500g/molの間の数平均モル質量(Mn)を有する。Mnは、1.2項に記載の方法に従って測定される。
優先的には、本発明の方法において使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、3未満の多分散性指数(PDI)を有する(注:PDI=Mw/Mn、Mwは質量平均モル質量)。より優先的には、本発明の方法における可塑化用炭化水素ベース樹脂は、20℃以上、好ましくは30℃以上のTg、および400〜2000g/molの間、優先的には500〜1500g/molの間のMnを有する。
より優先的には、本発明の方法において使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、上記の優先的特徴の全てを有し得る。
優先的には、本発明の方法において使用され得る可塑化用炭化水素ベース樹脂は、脂肪族樹脂、芳香族樹脂およびこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択される。
本発明に関連して使用され得るそのような可塑化用炭化水素ベース樹脂の例としては、シクロペンタジエン(CPDと略される)ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPDと略される)ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびC9分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂の混合物、α−メチルスチレンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ならびにこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択されるものを挙げることができる。
優先的には、ステップ(a)における接触の間、可塑化用炭化水素ベース樹脂は液体状態である。したがって、換言すれば、液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂は、優先的には、当業者に知られている任意の好適な手段により、合成ジエンエラストマーを含む溶媒の溶液中に注入され得る。
本発明の方法の一実施形態によれば、液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂は、前記樹脂をその軟化点以上の温度に加熱することにより得ることができる。この加熱ステップは、当業者に周知の任意の手段により、例えば加熱および撹拌手段を備える反応器を使用して行われる。当業者には、その粘度がステップ(a)において使用されるようにポンピング可能とするような粘度である液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂を得るために、使用される可塑化用炭化水素ベース樹脂に応じて、どのようにして加熱が行われる温度および加熱時間を決定するかが分かる。加熱が行われる温度は、前記樹脂の軟化点以上である。例として、可塑化用炭化水素ベース樹脂は、10分〜2時間の範囲内の期間、50℃〜200℃の範囲内の温度に加熱され得る。
本発明の方法の別の実施形態によれば、液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂は、前記樹脂を、合成ジエンエラストマーが存在する有機溶媒と同一または異なる有機溶媒中に溶解することにより得ることができる。当業者には、使用される可塑化用炭化水素ベース樹脂に応じてどのようにして適切な溶媒を選択するかが分かる。優先的には、この有機溶媒は、好ましくは脂肪族または脂環式である任意の不活性炭化水素ベース溶媒であってもよい。挙げることができる例は、n−ペンタン、イソペンタン、イソアミレン(2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−ブテンおよび3−メチル−1−ブテン)、2,2−ジメチルブタン、2,2−ジメチルプロパン(ネオペンタン)、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、メチルシクロペンタンおよびメチルシクロヘキサン、ならびにこれらの化合物の混合物を含む。同じく挙げることができる有機溶媒は、芳香族炭化水素、例えばベンゼンまたはトルエンを含む。優先的には、可塑化用炭化水素ベース樹脂が溶解される有機溶媒は、合成ジエンエラストマーが存在するものと同一である。可塑化用炭化水素ベース樹脂の溶解は、室温で、または可塑化用炭化水素ベース樹脂/有機溶媒混合物を加熱することにより行われてもよい。この混合物が加熱される場合、加熱温度は、有機溶媒が蒸発しないように、有機溶媒の沸点より高くなるべきではない。
本発明による方法の混合ステップ(ステップ(b))は、当業者に周知の任意の手段により、例えば反応媒体の撹拌および任意選択の加熱により行われる。このステップにより、合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の均一溶液を得ることができる。撹拌は、例えば、反応器内で移動相を撹拌することにより行うことができる。本発明の目的において、「合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の均一溶液」という用語は、合成ジエンエラストマーの溶液および液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂が、混合後に肉眼で見て単一の液相を形成することを意味する。反応媒体中に沈殿物および懸濁した粒子はない。
次いで、本発明によるプロセスは、蒸気ストリッピングのステップを含む。蒸気ストリッピングステップは、当業者に周知であり、有機溶媒が濃縮されたガス状分画、ならびに合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液を回収することを可能にする。これは、ストリッピングカラム内で行われる。当業者には、有機溶媒の量、および任意選択でストリッピングカラムの入口に存在する未変換モノマーの量に応じて、合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液の形態でエラストマーを回収するために供給される蒸気の量をどのようにして適合させるかが分かる。
合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂はともに疎水性であるため、ストリッピングカラム内に存在する蒸気および水と接触すると、それらは自発的に合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の形態で凝固する。この凝固により、合成ジエンエラストマー中に炭化水素ベース樹脂を捕捉して樹脂希釈エラストマーを形成させることができる。有機溶媒は、揮発性であるため蒸気とともに取り込まれ、有機溶媒が濃縮されたガス状分画が得られる。
優先的には、有機溶媒が濃縮されたこのガス状分画は、処理後にステップ(a)にリサイクルされてもよい。したがって、リサイクルされた有機溶媒は、重合溶媒として、または可塑化用炭化水素ベース樹脂もしくは合成ジエンエラストマーを溶解させるための溶媒として機能し得る。
合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液から樹脂希釈エラストマーを回収するステップは、当業者に周知であり、固体および液体を分離するための任意の従来の手段、例えばデカンテーション、遠心分離(排液)、濾過または乾燥により行うことができる。好ましくは、樹脂希釈エラストマーの回収は、合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液を乾燥させることにより、例えば前記分散液を温度制御炉内に置くことにより、またはこの懸濁液をロールミル内に送り込むことにより行われる。ステップ(d)の目的は、本発明による樹脂希釈エラストマーを乾燥固体の形態で回収するために水溶液を除去することである。
優先的には、本発明による方法は、回収ステップ(d)の前に、合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液を洗浄する少なくとも1つのステップ(c’)を含んでもよい。この任意選択のステップにより、例えば蒸気ストリッピングステップ中に除去されなかった残留不純物を除去することができる。
次いで、樹脂希釈エラストマーは回収され、それ自体公知の様式で、例えばボールの形態で包装され得る。
驚くべきことに、上で定義された樹脂希釈エラストマー(その好ましい実施形態を含む)または上で定義された方法(その好ましい実施形態を含む)に従って得ることができる樹脂希釈エラストマーは、本発明によれば、構成成分として使用されたエラストマーの高い数平均モル質量および可塑化用樹脂の存在にもかかわらず、十分なムーニー粘度を有する。この十分なムーニー粘度は、この材料の低い粘着性の良い指標である。本発明によるこの樹脂希釈エラストマーは、タイヤ、補強ゴム組成物における用途に有利に使用され得、混合ミルでの加工性が改善される。このゴム組成物もまた、本発明の主題を構成する。
2.3 ゴム組成物
したがって、以前に説明されたように、本発明の別の主題は、上で定義された少なくとも1種の樹脂希釈エラストマー、または上述の方法に従って得ることができる少なくとも1種の樹脂希釈エラストマー、および少なくとも1種の補強充填剤をベースとするゴム組成物に関する。ゴム組成物は、本発明によるこれらの樹脂希釈エラストマーの1種または複数種を含み得ることが理解されるべきである。
本発明の目的において、「〜をベースとする組成物」という用語は、使用される様々な構成成分の混合物および/または反応生成物を含む組成物を意味し、これらのベース構成成分の一部は、組成物の製造の様々な段階中に、特にその押出または混合段階中に少なくとも部分的に互いに反応することができる、または反応することが意図される。
本発明によるゴム組成物は、架橋した状態または非架橋状態、換言すれば架橋可能な状態であってもよい。
その好ましい実施形態を含む本発明による樹脂希釈エラストマーは、異なる変形例によれば、組成物中で単独で、または少なくとも1種の他の従来のジエンエラストマーとのブレンドとして使用され得る。優先的には、この他の従来のジエンエラストマーは、ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、天然ゴム、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物で構成される群から選択される。そのようなコポリマーは、より優先的には、ブタジエン/スチレンコポリマー、イソプレン/ブタジエンコポリマー、イソプレン/スチレンコポリマーおよびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマーで構成される群から選択される。また、ジエンエラストマー以外の任意の合成エラストマーとのブレンド、またはさらにはエラストマー以外の任意のポリマー、例えば熱可塑性ポリマーとのブレンドも想定され得る。
優先的には、本発明によるゴム組成物は、樹脂希釈エラストマーとして、以下の特徴の少なくともいずれか1つを満たす樹脂希釈エラストマーを含む。
− 合成ジエンエラストマーの数平均モル質量は、500000g/mol以下である。
− 合成ジエンエラストマーの数平均モル質量は、250000g/mol〜450000g/molの範囲内である。
− 合成ジエンエラストマーは、4〜12個の炭素原子を含む少なくとも1種の共役ジエンモノマーを含む。
− 4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ(C1−C5アルキル)−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエンおよびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。
− 4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、およびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。
− 合成ジエンエラストマーはまた、8〜20個の炭素原子を含む少なくとも1種のビニル芳香族モノマーを含む。
− 8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーは、スチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、「ビニル−トルエン」市販混合物、パラ−tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンおよびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される。
− 8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーは、スチレンであり、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエンである。
− 合成ジエンエラストマーは、炭素−スズ結合を含む官能基、アミノ官能基、シラノールを含む官能基、アルコキシシランを含む官能基、カルボン酸基、ポリエーテル基、エポキシド基およびそれらの混合で構成される群から選択される官能性で官能化される。
− 合成ジエンエラストマーは、溶液重合により、好ましくは均一溶液重合により得られる。
− 可塑化用炭化水素ベース樹脂は、400〜2000g/molの間、好ましくは500〜1500g/molの間の数平均モル質量を有する。
− 可塑化用炭化水素ベース樹脂は、脂肪族樹脂、芳香族樹脂およびこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択される。
− 可塑化用炭化水素ベース樹脂は、シクロペンタジエンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびC9分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂の混合物、α−メチルスチレンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ならびにこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択される。
− 可塑化用炭化水素ベース樹脂の含量は、5〜100phr、好ましくは30〜80phrの範囲内である。
− 樹脂希釈エラストマーは、有機溶媒中の溶液としての合成ジエンエラストマーと、液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂とを混合することによって得られる。
本発明のゴム組成物は、少なくとも1種の補強充填剤を含む。
タイヤの製造において使用され得るゴム組成物を補強する能力が知られている任意の種類の補強充填剤、例えば有機充填剤、補強無機充填剤、またはこれらの2種類の充填剤のブレンドを使用することができる。
特に挙げることができる有機充填剤は、カーボンブラック、ならびに特許出願WO2006/069792、WO2006/069793、WO2008/003434およびWO2008/003435に記載のような官能化ポリビニル有機充填剤を含む。
タイヤに従来使用される全てのカーボンブラック、特にHAF、ISAFまたはSAF型のブラック(「タイヤグレード」ブラック)が、カーボンブラックとしての使用に好適である。より具体的には、後者のうち、100、200または300シリーズ(ASTMグレード)の補強カーボンブラック、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347もしくはN375ブラック、または目的の用途に応じてより高グレードのシリーズ(例えば、N660、N683もしくはN772)のブラックが挙げられる。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形態で、エラストマー、特にイソプレンエラストマーにすでに投入されていてもよい(例えば、特許出願WO97/36724およびWO99/16600を参照されたい)。
本特許出願において、「補強無機充填剤」という用語は、定義により、中間的カップリング剤以外の手段を用いずにそれ自体単独でタイヤの製造に意図されたゴム組成物を補強することができる、換言すればその補強的役割において従来のタイヤグレードカーボンブラックに置き換わることができる、カーボンブラックとは反対の、「白色充填剤」、「透明充填剤」またはさらには「非ブラック充填剤」としても知られる任意の無機または鉱物充填剤(その色およびその起源、天然かまたは合成かにかかわらない)を意味すると理解されるべきであり、そのような充填剤は一般に、知られているように、その表面上のヒドロキシル(−OH)基の存在により特徴付けられる。
補強無機充填剤が提供される物理的状態は重要ではなく、粉末形態、マイクロパール形態、顆粒形態、ビーズ形態または任意の他の適切な高密度化形態にかかわらない。
言うまでもなく、「補強無機充填剤」という用語はまた、異なる補強無機充填剤の混合物、特に後述のような高分散性シリカおよび/またはアルミナ充填剤の混合物を指す。
シリカ型、特にシリカ(SiO2)、またはアルミナ型、特にアルミナ(Al23)の鉱物充填剤は、補強無機充填剤としての使用に特に好適である。使用されるシリカは、当業者に知られている任意の補強シリカ、特に、BET比表面積およびCTAB比表面積がともに450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gである沈降またはフュームドシリカであってもよく、BET比表面積およびCTAB比表面積は、上述のように測定される。特に高分散性シリカ(「HDS」)と呼ばれるもの、例えばEvonik社製のUltrasil7000シリカ、Solvay社製のZeosil(登録商標)1165MPおよびZeosil(商標)1115MPシリカ、Solvay社製のZeosil(登録商標)Premium 200MPシリカ、PPG社製のHi−Sil EZ150Gシリカ、Huber社製のZeopol8715、8745もしくは8755シリカ、または特許出願WO03/016215およびWO03/016387に記載のシリカが使用され得る。
言うまでもなく、「補強無機充填剤」という用語はまた、異なる補強充填剤の混合物、特に上述のような高分散性シリカ充填剤の混合物を指す。
優先的には、全補強充填剤(カーボンブラックおよび/または他の補強充填剤、例えばシリカ)の含量は、10〜200phr、より優先的には30〜180phr、さらにより優先的には50〜160phrの範囲内であり、最適な値は、知られているように、目的の具体的用途によって異なる。
本発明の1つの変形例によれば、補強充填剤は、主にカーボンブラック以外であり、すなわち、補強充填剤は、補強充填剤の総質量に対して50質量%超のカーボンブラック以外の1種もしくは複数種の補強充填剤、特にシリカ等の補強無機充填剤を含み、またはさらにそのような充填剤のみからなる。
この変形例によれば、ブラックもまた存在する場合、ブラックは、20phr未満、より優先的には10phr未満の含量で使用され得る。例えば、この変形例において、カーボンブラックの含量は、0.5〜20phrの範囲内、好ましくは1〜10phrの範囲内であってもよい。
本発明の別の変形例によれば、カーボンブラックを主に含み、任意選択でシリカまたは別の無機補強充填剤を含む補強充填剤が使用される。
補強充填剤が、補強充填剤とエラストマーとの間の結合を確立するためにカップリング剤の使用を必要とする充填剤を含む場合、本発明によるゴム組成物はまた、従来的に、この結合を効果的に提供し得るカップリング剤を含む。例えば、無機補強充填剤としてシリカが組成物中に存在する場合、使用され得るカップリング剤は、有機シラン、特にアルコキシシランポリスルフィドもしくはメルカプトシラン、または少なくとも二官能性のポリオルガノシロキサンを含む。例えば、充填剤をエラストマーとカップリングさせるための薬剤は、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPTと略される)であってもよい。
そのようなカップリング剤は、樹脂希釈エラストマーを形成するためのベース構成成分として使用される合成ジエンエラストマーの合成に使用されるカップリング剤と混同されるべきではない。
本発明による組成物において、カップリング剤の含量は、有利には20phr未満であり、カップリング剤は可能な限り少量で使用されるのが一般に望ましいことが理解される。その含量は、優先的には、0.5〜12phrの範囲内である。カップリング剤の存在は、補強無機充填剤の存在に依存する。無機補強充填剤をエラストマーとカップリングさせるための薬剤の含量は、この充填剤の含量に従って当業者により容易に調節され、これは典型的には、カーボンブラック以外の補強無機充填剤の質量に対して0.5質量%〜15質量%のオーダーである。
本発明によるゴム組成物はまた、硫黄もしくは硫黄供与体および/または過酸化物および/またはビスマレイミドをベースとする少なくとも1種の架橋系、加硫促進剤、ならびに加硫活性剤を含んでもよい。
架橋系は、好ましくは加硫系であり、すなわち硫黄(または硫黄供与剤)および一次加硫促進剤をベースとする系であることが好ましい。様々な既知の二次加硫促進剤または加硫活性剤、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸もしくは同等の化合物、またはグアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)、あるいは既知の加硫抑制剤が、このベース加硫系に添加され、後述のように第1の非製造段階中および/または製造段階中に投入されてもよい。
硫黄が使用される場合、硫黄は、0.5〜12phr、特に1〜10phrの範囲内の優先的含量で使用される。一次加硫促進剤は、0.5〜10phrの範囲内、より優先的には0.5〜5.0phrの範囲内の優先的含量で使用され得る。
(一次または二次)促進剤として、硫黄の存在下でジエンエラストマーの加硫の促進剤として作用し得る任意の化合物、特にチアゾール型およびその誘導体の促進剤、またはチウラムもしくはジチオカルバミン酸亜鉛型の促進剤が使用され得る。これらの促進剤は、例えば、2−メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(「MBTS」と略される)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(「TBZTD」)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(「CBS」)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(「DCBS」)、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(「TBBS」)、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(「TBSI」)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(「ZBEC」)およびこれらの化合物の混合物で構成される群から選択される。
前述の本発明によるゴム組成物は、それ自体、引き起こされた技術的問題を解決することを可能にし、特にそれらは混合ミルにほとんど接着しない。
しかしながら、本発明によるゴム組成物はまた、無機補強充填剤をエラストマーとカップリングさせるための薬剤に加えて、カップリング活性剤、充填剤を変換するための薬剤、またはより一般的には、知られているように、組成物中の充填剤の分散の改善、および組成物の粘度の低下により、未処理状態で加工されるその能力を改善することができる加工助剤を含んでもよく、これらの薬剤は、例えば、加水分解性シラン、例えばアルキルアルコキシシラン、ポリオール、ポリエーテル、一級、二級もしくは三級アミン、またはヒドロキシル化もしくは加水分解性ポリオルガノシロキサンである。
優先的には、本発明によるゴム組成物は、樹脂希釈エラストマー中にすでに存在する可塑化用炭化水素ベース樹脂に加えて、エラストマー中に存在するものと同一または異なる別の可塑化用炭化水素ベース樹脂(追加の樹脂)を含んでもよい。
優先的には、本発明によるゴム組成物中の可塑化用樹脂(樹脂希釈エラストマー中に存在する樹脂および任意選択で追加の樹脂)の全含量は、5〜100phr、好ましくは30〜90phrの範囲内である。当業者には、ゴム組成物中の可塑化用樹脂のこの全含量をどのように達成するかが分かる。
本発明によるゴム組成物はまた、タイヤの製造に意図されるエラストマー組成物において慣例的に使用される通常の添加剤、例えば、顔料、非補強充填剤、保護剤、例えば耐オゾンワックス、化学オゾン化防止剤、酸化防止剤、抗疲労薬剤、可塑剤、例えば特許出願WO02/10269に記載のメチレン受容体もしくはメチレン供与体(例えばHMTもしくはH3M)、または架橋系の全てまたは一部を含んでもよい。
組成物を得るための方法
本発明によるゴム組成物は、次のような当業者に周知の一般的手順に従う2つの連続した調製段階を用いて、適切なミキサー内で製造され得る:110℃〜190℃の間、好ましくは130℃〜180℃の間の最高温度までの高温での熱機械的処理または混錬の第1の段階(「非製造」段階と呼ばれることもある)、続いて典型的には110℃未満、例えば40℃〜100℃の間のより低温での機械的処理の第2の段階(「製造」段階と呼ばれることもある)。この仕上段階中、架橋系(好ましくは加硫系)が投入される。
したがって、本明細書は、本発明による組成物を調製するための方法であって、
(i)130℃〜180℃の間の最高温度で、架橋系を除く上で定義された少なくとも1種の補強充填剤および少なくとも1種の樹脂希釈エラストマーを含む組成物の構成成分の熱機械的処理の第1の段階を実行することと;
(ii)前記第1の段階の前記最高温度未満の温度で、前記架橋系が投入される機械的処理の第2の段階を実行することと
を含む方法を記載する。
この方法はまた、上述のステップ(i)および(ii)を行う前に、上述の方法に従って前記樹脂希釈エラストマーを得るための方法ステップを含んでもよい。
より正確には、第1の段階(非製造段階、ステップ(i))は、優先的にはいくつかの熱機械的ステップで行われる。第1のステップ中、加硫系を除く樹脂希釈エラストマー、補強充填剤、任意選択で可塑剤(追加の可塑化用樹脂および任意選択でカップリング剤および/または他の成分の追加を含む)が、適切なミキサー、例えば通常の内部ミキサー内に、20℃〜100℃の間、好ましくは25℃〜100℃の間の温度で導入される。数分後、優先的には0.5〜2分後、および90℃〜100℃への温度上昇後に、20秒から数分にわたる混合中、加硫系を除く他の成分(すなわち、最初に全てが投入されていない場合には残りのもの)が一度に、またはいくつかに分けて添加される。この非製造段階における全混錬期間は、180℃以下、優先的には170℃以下の温度で、好ましくは2〜10分の間である。
このようにして得られた混合物を冷却した後、次いで一般には外部ミキサー、例えばオープンミル内で、架橋系(好ましくは加硫系)が低温(典型的には100℃未満)で投入され、組み合わされた混合物は、次いで数分間、例えば5〜15分の間の期間混合される(製造段階、ステップ(ii))。
このようにして得られた最終組成物は、その後、特に実験室での特性決定のために、例えばシートもしくはスラブの形態でカレンダ処理されるか、または、トレッド等の製品を得るために、例えば半完成品の製造に使用されるゴムプロファイルを形成するように押し出される。次いで、これらの製品は、当業者に知られている技術に従って、すなわちタイヤを硬化させる前に半完成品の層を互いに重ね合わせることにより、タイヤの製造に使用され得る。
架橋(または硬化または加硫)は、知られているように、一般に130℃〜200℃の間の温度で、加圧下で十分な期間行われ、この期間は、特に、硬化温度、適用される加硫系、考慮される組成物の加硫の反応速度、またはタイヤのサイズに応じて、例えば5〜90分の間の範囲となり得る。
2.4 半完成品およびタイヤ
本発明の主題はまた、その好ましい実施形態を含む上述の少なくとも1種の樹脂希釈エラストマー、またはその好ましい実施形態を含む上述の方法に従って得ることができる少なくとも1種の樹脂希釈エラストマーを含む、タイヤ用の半完成品である。
本発明の主題はまた、その好ましい実施形態を含む上述の少なくとも1種のゴム組成物を含む、タイヤ用の半完成品である。
樹脂希釈エラストマーを含むゴム組成物の良好な加工性に有利である樹脂希釈エラストマーの粘度のために、これらの組成物は、当業者に周知のタイヤ用の任意の半完成品、例えばトレッドに使用され得ることが留意される。
本発明の主題はまた、その好ましい実施形態を含む上述の少なくとも1種の樹脂希釈エラストマー、またはその好ましい実施形態を含む上述の方法に従って得ることができる少なくとも1種の樹脂希釈エラストマーを含むタイヤである。
本発明の主題はまた、上述の少なくとも1種の組成物を含むタイヤである。
本発明のタイヤは、特に、車両への装備が意図され得る。これらの車両は、乗用車型の自動車、SUV(「スポーツ多目的車両」)車、二輪車(特にオートバイ)もしくは航空機、およびバン、重作業用車両、すなわち地下鉄、バス、重路面運搬車両(ローリー、トラクター、トレーラー)もしくはオフロード車両、例えば農業用車両もしくは建設プラント車両から選択される産業用車両、または他の輸送もしくは荷役車両であってもよい。
3−例
以下の例は、本発明を例示するが、それを制限するものではない。
3.1−試験1:
この試験の目的は、対照希釈エラストマーおよび非希釈エラストマーに対する、樹脂希釈エラストマーの加工性の点での改善された特性を実証することである。
3.1.1−調査するエラストマーの合成
2種の非樹脂希釈エラストマーおよび2種の樹脂希釈エラストマーを、後述のプロトコルに従って合成する。出発生成物として機能するエラストマーのガラス転移温度、出発生成物として機能する可塑化用樹脂のガラス転移温度および樹脂希釈エラストマーのガラス転移温度は、1.3項に記載の方法に従って測定される。エラストマーおよび可塑化用樹脂の数平均モル質量は、それぞれ1.1項および1.2項に記載の方法に従って測定される。粘度は、1.6項に記載の方法に従って測定された。樹脂希釈エラストマー中の可塑化用樹脂の含量は、1.5項に記載の方法に従って測定された。
エラストマーA(本発明外)
48.4kgのメチルシクロヘキサンを含む2バールの窒素圧力下に維持された85リットルの反応器内に、5.5gのブタジエンおよび1.7kgのスチレンを525ppm(678ml)のテトラヒドロフラン(THF)とともに注入する。n−ブチルリチウムの添加により重合される溶液中の不純物を中和した後、1.162リットルの0.014mol/lのn−ブチルリチウムを添加する。すると、反応媒体は黄色を呈する。50℃で重合を行う。45分後、モノマーの変換度は68%に達する。この変換度は、200mmHgの減圧下で140℃で乾燥させた抽出物を秤量することにより決定される。
次いで、リチウム鎖末端に対して0.4モル等量の割合までヘキサメチルシクロトリシロキサンを反応器に添加することによりポリマー鎖を官能化する。官能化は、60℃で30分間行う。
エラストマー100部当たり0.9部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−ジ(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、ポリマー鎖を中和する。中和ステップの終わりに、有機溶媒中の官能化スチレン/ブタジエンコポリマーの均一溶液が得られる。
蒸気ストリッピング操作により、官能化エラストマーをその溶液から分離し、水溶液中のエラストマー粒子の分散液を回収する。この分散液を、ロールミルで100℃で15分間乾燥させる。
乾燥ステップの最後に、エラストマーAを回収し、その特性を表Iに示す。
エラストマーB(本発明外)
48.4kgのメチルシクロヘキサンを含む2バールの窒素圧力下に維持された85リットルの反応器内に、5.5gのブタジエンおよび1.7kgのスチレンを525ppm(678ml)のTHFとともに注入する。n−ブチルリチウムの添加により重合される溶液中の不純物を中和した後、1.162リットルの0.014mol/lのn−ブチルリチウムを添加する。すると、反応媒体は黄色を呈する。50℃で重合を行う。45分後、モノマーの変換度は68%に達する。この変換度は、200mmHgの減圧下で140℃で乾燥させた抽出物を秤量することにより決定される。
次いで、リチウム鎖末端に対して0.4モル等量の割合までヘキサメチルシクロトリシロキサンを反応器に添加することによりポリマー鎖を官能化する。官能化は、60℃で30分間行う。
エラストマー100部当たり0.9部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−ジ(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、ポリマー鎖を中和する。中和ステップの終わりに、有機溶媒中の官能化スチレン/ブタジエンコポリマーの均一溶液が得られる。
次いで、メチルシクロヘキサン中のコポリマーの溶液を、450リットルの反応器に移し、15分間撹拌する。次いで、4リットルのメチルシクロヘキサンに溶解した2.34kgのEscorez2173樹脂の溶液を、コポリマー溶液に添加する。コポリマーおよび樹脂の溶液を、0.4バールの窒素圧力下、室温で2時間、400rpmの撹拌速度で撹拌する。このようにして、溶媒中の官能化スチレン/ブタジエンコポリマーおよび樹脂の均一溶液が得られる。
次いで、水溶液中のエラストマー/樹脂粒子の分散液を回収するために、官能化スチレン/ブタジエンコポリマーおよび樹脂の均一溶液を、蒸気ストリッピング操作に供する。この分散液を、ロールミルで100℃で15分間乾燥させる。
乾燥ステップの最後に、樹脂希釈エラストマーBを回収し、その特性を表Iに示す。
可塑化用炭化水素ベース樹脂は、ExxonMobilからEscorez2173の呼称で市販されている。その特性は以下の通りである:
− 約770g/molの数平均モル質量、
− C5−C9炭化水素ベース分画から得られた可塑化用樹脂、
− 約39.7℃のガラス転移温度(ΔT:13℃)、
− 約94℃の軟化点。
エラストマーC(本発明外)
48.963kgのメチルシクロヘキサンを含む2バールの窒素圧力下に維持された85リットルの反応器内に、5.23kgのブタジエンおよび1.65kgのスチレンを525ppm(682ml)のTHFとともに注入する。n−ブチルリチウムの添加により重合される溶液中の不純物を中和した後、796mlの0.014mol/lのn−ブチルリチウムを添加する。すると、反応媒体は黄色を呈する。50℃で重合を行う。60分後、モノマーの変換度は66.5%に達する。変換度は、200mmHgの減圧下で140℃で乾燥させた抽出物を秤量することにより決定される。
次いで、リチウム鎖末端に対して0.4モル等量の割合までヘキサメチルシクロテトラシロキサンを反応器に添加することによりポリマー鎖を官能化する。官能化は、60℃で30分間行う。
エラストマー100部当たり0.9部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−ジ(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、ポリマー鎖を中和する。メチルシクロヘキサン中の官能化スチレン/ブタジエンコポリマーの均一溶液が得られる。
水溶液中のエラストマー粒子の分散液を回収するために、蒸気ストリッピング操作によりエラストマーをその溶液から分離する。この分散液を、ロールミルで100℃で15分間乾燥させる。
乾燥ステップの最後に、エラストマーCを回収し、その特性を表Iに示す。
エラストマーD(本発明による)
48.963kgのメチルシクロヘキサンを含む2バールの窒素圧力下に維持された85リットルの反応器内に、5.23kgのブタジエンおよび1.65kgのスチレンを525ppm(682ml)のTHFとともに注入する。n−ブチルリチウムの添加により重合される溶液中の不純物を中和した後、796mlの0.014mol/lのn−ブチルリチウムを添加する。すると、反応媒体は黄色を呈する。50℃で重合を行う。60分後、モノマーの変換度は66.5%に達する。変換度は、200mmHgの減圧下で140℃で乾燥させた抽出物を秤量することにより決定される。
次いで、リチウム鎖末端に対して0.4モル等量の割合までヘキサメチルシクロトリシロキサンを反応器に添加することによりポリマー鎖を官能化する。官能化は、60℃で30分間行う。
エラストマー100部当たり0.9部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−ジ(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、ポリマー鎖を中和する。メチルシクロヘキサン中の官能化スチレン/ブタジエンコポリマーの均一溶液が得られる。
次いで、メチルシクロヘキサン中のコポリマーの溶液を、450リットルの反応器に移し、15分間撹拌する。次いで、4リットルのメチルシクロヘキサンに溶解した2.17kgのEscorez2173樹脂の溶液を、コポリマー溶液に添加する。コポリマーおよび樹脂の溶液を、0.4バールの窒素圧力下、室温で2時間、400rpmの撹拌速度で撹拌する。このようにして、溶媒中の官能化スチレン/ブタジエンコポリマーおよび樹脂の均一溶液が得られる。
次いで、水溶液中のエラストマー/樹脂粒子の分散液を回収するために、官能化スチレン/ブタジエンコポリマーおよび樹脂の均一溶液を、蒸気ストリッピング操作に供する。この分散液を、ロールミルで100℃で15分間乾燥させる。
乾燥ステップの最後に、エラストマーDを回収し、その特性を表Iに示す。
様々なエラストマーの特性
Figure 2020528487
3.1.2−結果
これらのエラストマーの加工性を、1.6項に記載の方法に従ってムーニー粘度を測定することにより評価し、結果を表IIに示す。ムーニー粘度は、当業者に周知のパラメータである。一般に、エラストマーのムーニー粘度が低いほど、特に混合物中でこのエラストマーを使用することがより困難であることが認識されている。さらに、100MUを超えるエラストマーのムーニー粘度もまた、ゴム組成物製造者には求められていない。
Figure 2020528487

エラストマーA(本発明外)は、特にタイヤ製造用のゴム組成物中に従来使用されるエラストマーの典型である。これは粘着しにくいため、エラストマーの良好な加工性の典型である40MUのムーニー粘度を有する。
可塑化用樹脂をこのエラストマーAと混合して樹脂希釈エラストマーB(本発明外の樹脂希釈エラストマー)を形成させると、23MUへのムーニー粘度の低下が観察される。この粘度の低下は、ゴム組成物中のこの化合物の使用に不適合である。この化合物は非常に粘着性であるため、加工が困難である。
エラストマーC(本発明外のエラストマー)を得るためにエラストマーAの数平均モル質量を増加させると、その粘度の増加もまた観察され、このエラストマーの加工性の大きな困難が推定される。
驚くべきことに、可塑化用樹脂をエラストマーCと混合すると、70MUに等しいムーニー粘度を有する樹脂希釈エラストマーDが得られる(本発明による樹脂希釈エラストマー)。樹脂希釈エラストマーDのムーニー粘度は、エラストマーAのムーニー粘度より大きく、良好な加工性が推定される。
3.2−試験2:
この試験の目的は、本発明による樹脂希釈エラストマーを含む本発明による組成物(C1)の、同じ微細構造を有するが樹脂希釈されていないエラストマーを含む対照組成物(T1)に比べて改善された加工特性を示すことである。
3.2.1−組成物の配合:
組成物T1およびC1の配合を、表IIIに示す。様々な構成成分の含量は、phrで表される。未処理(すなわち非加硫)組成物に対して測定された粘着特性の結果を、表IVに示す。
本発明による組成物C1は、エラストマーの性質において組成物T1とは異なり、樹脂希釈エラストマーを含む。組成物C1およびT1は、同じ全含量(76phr)の可塑化用樹脂を有する。
Figure 2020528487

この試験において、エラストマーCのムーニー粘度は高すぎるため、ゴム組成物中にエラストマーCを使用することはできなかった。したがってその加工は困難である。
(1)3.1.1a)項に記載の方法に従って得られたエラストマーAおよびその特性は、表Iに報告される。
(2)3.1.1d)項に記載の方法に従って得られたエラストマーDおよびその特性は、表Iに報告される。
(3)Cabot Corporationにより販売されているN234グレードカーボンブラック。
(4)シリカ:Solvayにより販売されているZeosil(登録商標)1115MPシリカ。
(5)カップリング剤:EvonikによりSi69の呼称で販売されているビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドシラン(TESPT)。
(6)TDAE油:Klaus Dahleke社により3VIVATEC500の呼称で販売されているTDAE油。
(7)可塑化用樹脂:ExxonMobilによりEscorez1102の呼称で販売されている樹脂。
(8)可塑化用樹脂:ExxonMobilによりEscorez2173の呼称で販売されている樹脂。
(9)酸化防止剤:FlexsysによりSantoflex6−PPDの呼称で販売されているN−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン。
(10)促進剤:FlexsysによりSantocure CBSの呼称で販売されているN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド。
(11)DPG:FlexsysによりPerkacitの呼称で販売されているジフェニルグアニジン。
3.2.2−組成物の製造:
以下のプロトコルに従って組成物を調製する。
樹脂希釈または非希釈エラストマー、補強充填剤(シリカ)、カーボンブラック、カップリング剤、次いで1〜2分間の混錬後に加硫系を除く様々な他の成分を内部ミキサー内に導入するが、内部ミキサーは70%充填され、約50℃の初期槽温度を有する。次いで、約165℃の最大「落下」温度に達するまで熱機械的処理(非製造段階)を1ステップで行う(全混錬時間は約5分に等しい)。
このようにして得られた混合物を回収および冷却し、次いで加硫系(硫黄および促進剤)を外部ミキサー(ホモジナイザ)で70℃で添加し、全体を約5〜6分間混合する(製造段階)。
続いて、このようにして得られた組成物を、その硬化前の物理的または機械的特性を測定するために、スラブ(2〜3mmの厚さ)の形態でカレンダ処理する。
3.2.3−結果:
組成物T1およびC1の粘着特性を1.7項に記載の方法に従って測定し、以下の表IVに示す。
Figure 2020528487
表IVは、本発明による樹脂希釈エラストマーを含む組成物C1が、タイヤ製造用に意図されるゴム組成物の典型である組成物T1よりも大幅に低い粘着特性を有することを示している。組成物C1およびT1は、同じ全含量、すなわち76phrの可塑化用樹脂を有するため、この結果はなおさら驚異的である。

Claims (38)

  1. 樹脂希釈エラストマーであって、エラストマーが200000g/mol以上の数平均モル質量を有する合成ジエンエラストマーであり、樹脂が可塑化用炭化水素ベース樹脂である、樹脂希釈エラストマー。
  2. 合成ジエンエラストマーの数平均モル質量が、500000g/mol以下である、請求項1に記載の樹脂希釈エラストマー。
  3. 合成ジエンエラストマーの数平均モル質量が、250000g/mol〜450000g/molの範囲内である、請求項1または2に記載の樹脂希釈エラストマー。
  4. 合成ジエンエラストマーが、4〜12個の炭素原子を含む少なくとも1種の共役ジエンモノマーを含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマー。
  5. 4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーが、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ(C1−C5アルキル)−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエンおよびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される、請求項4に記載の樹脂希釈エラストマー。
  6. 4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーが、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、およびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される、請求項5に記載の樹脂希釈エラストマー。
  7. 合成ジエンエラストマーが、8〜20個の炭素原子を含む少なくとも1種のビニル芳香族モノマーも含む、請求項4から5までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマー。
  8. 8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーが、スチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、「ビニル−トルエン」市販混合物、パラ−tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンおよびこれらのモノマーの混合物で構成される群から選択される、請求項7に記載の樹脂希釈エラストマー。
  9. 8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族モノマーが、スチレンであり、4〜12個の炭素原子を含む共役ジエンモノマーが、1,3−ブタジエンである、請求項8に記載の樹脂希釈エラストマー。
  10. 合成ジエンエラストマーが、炭素−スズ結合を含む官能基、アミノ官能基、シラノールを含む官能基、アルコキシシランを含む官能基、カルボキシル基、ポリエーテル基、エポキシド基およびそれらの混合物で構成される群から選択される官能性で官能化されている、請求項1から9までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマー。
  11. 合成ジエンエラストマーが、溶液重合により、好ましくは均一溶液重合により得られる、請求項1から10までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマー。
  12. 可塑化用炭化水素ベース樹脂が、400〜2000g/molの間、好ましくは500〜1500g/molの間の数平均モル質量を有する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマー。
  13. 可塑化用炭化水素ベース樹脂が、脂肪族樹脂、芳香族樹脂およびこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択される、請求項1から12までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマー。
  14. 可塑化用炭化水素ベース樹脂が、シクロペンタジエンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびC9分画ホモポリマーまたはコポリマー樹脂の混合物、α−メチルスチレンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ならびにこれらの樹脂の混合物で構成される群から選択される、請求項13に記載の樹脂希釈エラストマー。
  15. 可塑化用炭化水素ベース樹脂の含量が、5〜100phr、好ましくは30〜80phrの範囲内である、請求項1から14までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマー。
  16. 有機溶媒中の溶液状態の合成ジエンエラストマーと、液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂とを混合することによって得られる、請求項1から15までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマー。
  17. 樹脂希釈エラストマーを得るための方法であって、
    (a)有機溶媒中の溶液状態の少なくとも1種の合成ジエンエラストマーを、少なくとも1種の可塑化用炭化水素ベース樹脂と接触させる1つのステップであり、前記合成ジエンエラストマーが200000g/mol以上の数平均モル質量を有するステップと、
    (b)合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の均一溶液を得るための1つの混合ステップと、
    (c)有機溶媒が濃縮されたガス状分画、ならびに合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液を回収するための1つの蒸気ストリッピングステップと、
    (d)合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液から、樹脂希釈エラストマーを回収する1つのステップと
    を少なくとも含む方法。
  18. 有機溶媒を除去するステップ(c)と乾燥ステップ(d)との間に、合成ジエンエラストマーおよび可塑化用炭化水素ベース樹脂の粒子の水性分散液を洗浄する少なくとも1つのステップ(c’)も含む、請求項17に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  19. 有機溶媒が濃縮されたガス状分画が、ステップ(a)にリサイクルされる、請求項17または18に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  20. ステップ(a)の合成ジエンエラストマーが、有機溶媒への前記エラストマーの溶解により、または前記エラストマーの対応するモノマーの有機溶媒中での溶液重合により得られる、請求項17から19までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  21. ステップ(a)における接触の間、可塑化用炭化水素ベース樹脂が液体状態である、請求項17から20までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  22. 液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂が、前記樹脂をその軟化点以上の温度に加熱することにより得られる、請求項21に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  23. 液体状態の可塑化用炭化水素ベース樹脂が、前記樹脂を、合成ジエンエラストマーが存在する有機溶媒と同一または異なる有機溶媒中に溶解することにより得られる、請求項21に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  24. 合成ジエンエラストマーの数平均モル質量が、500000g/mol以下、好ましくは250000g/mol〜450000g/molの範囲内である、請求項17から23までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  25. 前記合成ジエンエラストマーが、−60℃以下、好ましくは−110℃〜−60℃、より優先的には−95℃〜−65℃の範囲内のガラス転移温度を有する、請求項17〜24までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  26. 合成ジエンエラストマーが、4〜12個の炭素原子を含む少なくとも1種の共役ジエンモノマーを含む、請求項17から25までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  27. 合成ジエンエラストマーが、8〜20個の炭素原子を含む少なくとも1種のビニル芳香族モノマーも含む、請求項17から26までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  28. 合成ジエンエラストマーが、炭素−スズ結合を含む官能基、アミノ官能基、シラノールを含む官能基、アルコキシシランを含む官能基、カルボキシル基、ポリエーテル基、エポキシド基およびそれらの混合物で構成される群から選択される官能性で官能化されている、請求項17から27までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  29. 可塑化用炭化水素ベース樹脂が、400〜2000g/molの間、好ましくは500〜1500g/molの間の数平均モル質量を有する、請求項17から28までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  30. 可塑化用炭化水素ベース樹脂が、20℃以上、好ましくは30℃以上のガラス転移温度を有する、請求項17から29までのいずれか1項に記載の樹脂希釈エラストマーを得るための方法。
  31. 請求項17から30までのいずれか1項に記載の方法により得ることができる樹脂希釈エラストマー。
  32. 40MU以上、好ましくは50〜75MUの範囲内のムーニー粘度指数を有する、請求項31に記載の樹脂希釈エラストマー。
  33. 請求項1から16までのいずれか1項または請求項31もしくは32に記載の少なくとも1種の樹脂希釈エラストマー、および少なくとも1種の補強充填剤をベースとする組成物。
  34. 少なくとも1種の化学架橋系も含む、請求項33に記載の組成物。
  35. 請求項1から16までのいずれか1項または請求項31もしくは32に記載の少なくとも1種の樹脂希釈エラストマーを含む、タイヤ用の半完成品。
  36. 請求項33または34に記載の少なくとも1種の組成物を含む、タイヤ用の半完成品。
  37. 請求項1から16までのいずれか1項または請求項31もしくは32に記載の少なくとも1種の樹脂希釈エラストマーを含むタイヤ。
  38. 請求項33または34に記載の少なくとも1種の組成物を含むタイヤ。
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