JP2019529326A - シリカエアロゲルブランケットの製造方法、及びこれにより製造されたシリカエアロゲルブランケット - Google Patents

シリカエアロゲルブランケットの製造方法、及びこれにより製造されたシリカエアロゲルブランケット Download PDF

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Abstract

本発明は、シリカエアロゲルブランケットの製造方法であって、前記超臨界乾燥工程の後に発生する超臨界廃液を回収する工程と、前記回収された超臨界廃液に酸を添加し中和させることで再生する工程と、前記再生された超臨界廃液を再使用する工程とを含むシリカエアロゲルブランケットの製造方法、及び、これによって製造されたシリカエアロゲルブランケットに関する。【選択図】なし

Description

[関連出願の相互参照]
本発明は、2017年5月12日に出願された韓国特許出願第10−2017−0059587号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
本発明は、シリカエアロゲルブランケットの製造方法、及びこれにより製造されたシリカエアロゲルブランケットに関し、シリカエアロゲルブランケットの製造方法において発生した超臨界廃液を再生して再使用する、シリカエアロゲルブランケットの製造方法、及びこれにより製造されたシリカエアロゲルブランケットに関する。
最近、産業技術の先端化に伴い、断熱特性に優れたエアロゲルに対する関心が増大している。現在まで開発されたエアロゲルには、レゾルシノール−ホルムアルデヒド又はメラミン−ホルムアルデヒドエアロゲル粒子等の有機エアロゲルと、シリカ、アルミナ、チタニア又は炭素エアロゲル等の金属酸化物を含む無機エアロゲルとがある。
この中でもシリカエアロゲルは、高多孔性物質として、高い気孔率(porosity)と比表面積、そして低い熱伝導度(thermal conductivity)を有するため、断熱材、触媒、吸音材、半導体回路の層間絶縁物質等の多様な分野での応用が期待されている。たとえ複雑な製造工程と低い機械的強度等によって商業化の速度は非常に遅いが、継続的な研究の結果により初期的な応用商品等が発売されており、断熱材を含めた応用商品等の市場が急速に拡がっている。
シリカエアロゲルは、多孔性構造によって低い機械的強度を有する。このため、シリカエアロゲルは、通常、ガラス繊維、セラミック繊維、又は高分子繊維等の基材とともに複合化することで、エアロゲルブランケット又はエアロゲルシート等のような形で製品化されている。
一例として、シリカエアロゲルを用いたシリカエアロゲルブランケットの場合、シリカゾルの製造工程、ゲル化工程、熟成工程、表面改質工程及び超臨界乾燥工程を介して製造される。前述のシリカエアロゲルブランケットは、製造工程中に過量の有機溶媒を用いるため、有機溶媒がシリカエアロゲルブランケットの製造コストの中で高い比重を占める。そして、用いられた有機溶媒、すなわち廃液の処理費用が非常に高い。
これによって、シリカエアロゲルブランケットの製造コストを節減するため、有機溶媒の使用量を減らすか、廃液を再使用することで廃液の発生量を低める方案が必要である。
本発明の目的は、シリカエアロゲルブランケットの製造方法のうち超臨界乾燥工程の後に発生した超臨界廃液を再生した後、再使用することにより、製造コストを節減できるシリカエアロゲルブランケットの製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、超臨界廃液を再生して再使用するにもかかわらず、最初使用の溶媒のみで製造されるシリカエアロゲルブランケットと同一又は類似の水準に外観と物性を具現可能なシリカエアロゲルブランケットを提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、シリカエアロゲルブランケットの製造方法であって、超臨界乾燥工程の後に発生する超臨界廃液を回収する工程と、前記回収された超臨界廃液に酸を添加し中和させることで再生する工程と、前記再生された超臨界廃液を再使用する工程とを含むシリカエアロゲルブランケットの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記シリカエアロゲルブランケットの製造方法で製造されたシリカエアロゲルブランケットを提供する。
本発明によるシリカエアロゲルブランケットの製造方法は、シリカエアロゲルブランケットの製造方法で発生した超臨界廃液を再生することにより、最初使用の溶媒の使用量が節減されるので、製造コストを節減できる。
また、本発明によるシリカエアロゲルブランケットの製造方法は、超臨界廃液だけでなく、熟成廃液及び表面改質廃液を再使用できるため、最初使用の溶媒だけでなく表面改質剤の使用量も節減されるので、製造コストをより節減できる。
また、本発明によるシリカエアロゲルブランケットは、シリカエアロゲルブランケットの製造方法で発生した廃液を再使用するにもかかわらず、最初使用の溶媒のみで製造されるシリカエアロゲルブランケットと同一又は類似の水準に外観及び物性を具現し得る。
以下、本発明に対する理解を深めるため、本発明をより詳細に説明する。
本明細書及び特許請求の範囲において用いられた用語や単語は、通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最善の方法によって説明するため、用語の概念を適宜定義することができるという原則に即し、本発明の技術的思想に適合する意味と概念に解釈されなければならない。
本発明は、シリカエアロゲルブランケットの製造方法において、超臨界乾燥工程の後に発生する超臨界廃液を回収した後、中和させて再生し再使用することで、最初使用の溶媒の使用量が節減されるので、シリカエアロゲルブランケットの製造コストを節減できる。
また、本発明によるシリカエアロゲルブランケットは、シリカエアロゲルブランケットの製造方法で発生した廃液を再使用するにもかかわらず、最初使用の溶媒のみで製造されるシリカエアロゲルブランケットと同一又は類似の水準に外観と物性を具現し得る。
具体的に、本発明の一実施形態によるシリカエアロゲルブランケットの製造方法は、シリカエアロゲルブランケットの製造方法において、超臨界乾燥工程の後に発生する超臨界廃液を回収する工程(工程1)と、前記回収された超臨界廃液に酸を添加し中和させることで再生する工程(工程2)と、前記再生された超臨界廃液を再使用する工程(工程3)とを含むシリカエアロゲルブランケットの製造方法を提供する。
以下、各工程別に詳しく説明する。
本発明の一実施形態によるシリカエアロゲルブランケットの製造方法において、工程1は、シリカエアロゲルブランケットの製造方法において、超臨界乾燥工程の後に発生する超臨界廃液を回収する工程である。
前記超臨界廃液は、一般的なシリカエアロゲルの製造方法が行われた後に発生する廃液であってよい。
前記シリカエアロゲルブランケットの製造方法は、一般的なシリカエアロゲルブランケットの製造方法であってよく、シリカゾルを製造する工程(工程1−1)と、前記シリカゾルにブランケット用基材を浸漬させた後、塩基を添加しゲル化させることで湿潤ゲル−基材複合体を準備する工程(工程1−2)と、前記湿潤ゲル−基材複合体を熟成する工程(工程1−3)と、前記熟成された湿潤ゲル−基材複合体を表面改質する工程(工程1−4)と、前記表面改質された湿潤ゲル−基材複合体を超臨界乾燥してシリカエアロゲルブランケットを製造する工程(工程1−5)とを含んでよい。
前記工程1−1において、前記シリカゾルは、シリカ前駆体、水及び極性有機溶媒を混合することで製造できる。前記シリカゾルの製造時、選択的に塩酸等の酸触媒を用いてよい。
前記シリカ前駆体は、シリコン含有アルコキシド系化合物であってよく、より具体的には、テトラアルキルシリケートであってよい。前記テトラアルキルシリケートは、テトラメトキシシラン(tetramethoxy silane;TMOS)、テトラエトキシシラン(tetraethoxy silane;TEOS)、メチルトリエチルオルトシリケート(methyl triethyl orthosilicate)、ジメチルジエチルオルトシリケート(dimethyl diethyl orthosilicate)、テトラプロピルオルトシリケート(tetrapropyl orthosilicate)、テトライソプロピルオルトシリケート(tetraisopropyl orthosilicate)、テトラブチルオルトシリケート(tetrabutyl orthosilicate)、テトラセカンダリーブチルオルトシリケート(tetra secondary butyl orthosilicate)、テトラターシャリーブチルオルトシリケート(tetra tertiary butyl orthosilicate)、テトラヘキシルオルトシリケート(tetrahexyl orthosilicate)、テトラシクロヘキシルオルトシリケート(tetracyclohexyl orthosilicate)及びテトラドデシルオルトシリケート(tetradodecyl orthosilicate)でなる群から選択される1種以上であってよく、このうち、テトラメチルオルトシリケート(TMOS)及びテトラエチルオルトシリケート(TEOS)でなる群から選択される1種以上が好ましい。
前記シリカ前駆体は、水及び極性有機溶媒によって加水分解され、その結果でシリカ(SiO2)を生成し得る。
一方、前記シリカ前駆体として、前記化合物等の前加水分解物(pre−hydrolysis)が用いられてもよい。このような前加水分解物の場合、直接製造するか市販される物質を用いてよい。直接製造する場合、一例として、TEOSとアルコールを混合した後、酸性水溶液を添加し加水分解させた前加水分解物が用いられてよい。
また、前記シリカゾルの製造に用いられる極性有機溶媒は、アルコール系溶媒であってよい。前記アルコール系溶媒は、具体的に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のような一価アルコール;又はグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びソルビトール等のような多価アルコールであってよく、水及びエアロゲルとの混和性を考慮する際、前記極性有機溶媒は、一価アルコール系溶媒を用いることが好ましい。
前記工程1−2において、前記ブランケット用基材は、フィルム、シート、ネット、繊維、多孔質体、発泡体、不織布体又はこれらの2層以上の積層体であってよい。また、用途によってその表面に表面粗度が形成されるか、パターン化されたものであってもよい。より具体的には、前記ブランケット用基材は、内部にエアロゲルの挿入が容易な空間又は空隙を含むことで、断熱性能をより向上させることができる繊維であってよい。また、前記ブランケット用基材は、低い熱伝導度を有するものが好ましい。
具体的に、前記ブランケット用基材は、特に限定しないが、ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアラミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの共重合体等)、セルロース、カーボン、綿、ウール、麻、不織布、ガラス繊維及びセラミックウールでなる群から選択される1種以上を含んでよく、このうち、ガラス繊維及びポリエチレンでなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。
前記工程1−2において、前記塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基;又は、水酸化アンモニウムのような有機塩基であってよいが、無機塩基の場合、化合物内に含まれた金属イオンがSi−OH化合物に配位(coordination)される恐れがあるため、有機塩基が好ましい。
前記有機塩基は、水酸化アンモニウム(NH4OH)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、モノイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、コリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノエタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ニトリロトリエタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、1−アミノ−2−プロパノール、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン及びジブタノールアミンでなる群から選択される1種以上であってよく、このうち、水酸化アンモニウム(NH4OH)が好ましい。
前記塩基は、固体状態で投入する時に析出される恐れがあるため、前記極性有機溶媒によって希釈された溶液の状態で添加されることが好ましい。
前記工程1−3である熟成工程は、前記湿潤ゲル−基材複合体を適当な温度で放置し、化学的変化が完全になされるようにするための工程であって、湿潤ゲル−基材複合体に対する熟成工程によって、湿潤ゲル内部の網目構造を強化させることができる。また、熟成工程の間に湿潤ゲル内部の水分が極性有機溶媒で置換されてよく、その結果、後続の超臨界乾燥の工程において湿潤ゲル内部の水分の蒸発によるシリカゲルの気孔構造の変形及び減少を防止できる。
前記熟成工程は、前記湿潤ゲル−基材複合体内の化学的変化が完了するまで行われてよい。
前記熟成工程は、前記湿潤ゲル−基材複合体を50℃から80℃で1時間から6時間、又は、60℃から75℃で2時間から4時間、熟成溶液に浸漬させることで行われてよく、このうち、60℃から75℃で2時間から4時間熟成溶液に浸漬させることで行うのが好ましい。
前述の条件を満たせば、熟成反応が充分に起こり得るとともに、エネルギーの消費を最少化できる。
前記熟成溶液は極性有機溶媒であってよく、前記極性有機溶媒に対する説明は前述したとおりである。
前記熟成工程で発生した熟成廃液は、回収され再使用されてよく、詳しい説明は後述する。
前記工程1−4は、前記熟成された湿潤ゲル−基材複合体を表面改質溶液に浸漬させた後、40℃から80℃で1時間から6時間、又は、50℃から80℃で2時間から5時間行われてよく、このうち、50℃から80℃で2時間から5時間行われるのが好ましい。
前述の条件を満たせば、表面改質反応が充分に起こり得るとともに、エネルギーの消費を最少化できる。
前記表面改質溶液は、HMDS(hexamethyldisilazane)、TMSCL(trimethyl chlorosilane)、シリコンオイル(silicone oil)、アミノシラン(amino silane)、アルキルシラン(alkyl silane)、PDMS(polydimethyl siloxane)及びDDS(dimethyl dichlorosilane)でなる群から選択される1種以上と極性有機溶媒を含む溶液であってよい。前記極性有機溶媒に対する説明は、前述したとおりである。
前記表面改質工程で発生した表面改質廃液は、回収され再使用されてよく、詳しい説明は後述する。
前記工程1−5は、超臨界二酸化炭素を用いた超臨界乾燥工程であってよい。
二酸化炭素(CO2)は、常温及び常圧では気体状態であるが、臨界点(supercritical point)と呼ばれる一定の温度及び高圧の限界を超えると蒸発過程が起こらないため、気体と液体の区別ができない臨界状態となり、この臨界状態にある二酸化炭素を超臨界二酸化炭素と称する。超臨界二酸化炭素は、分子の密度は液体に近いが、粘度は低いため気体に近い性質を有し、拡散が早く熱伝導性が高いため乾燥効率が高く、乾燥工程の時間を短縮させることができる。
一方、前記超臨界乾燥の工程は、超臨界乾燥反応器内に表面改質された湿潤ゲル−基材複合体を入れた後、液体状態のCO2を満たしてシリカエアロゲル内部の溶媒をCO2で置換する溶媒置換の工程を行ってよい。
前記超臨界乾燥の工程では、超臨界乾燥の開始から終了時まで充分に高い温度及び圧力を維持することにより湿潤ゲルの内部までCO2の浸透率を高めることで、湿潤ゲルの内部に存在する有機溶媒を充分に除去できる。
したがって、超臨界乾燥の工程が行われる反応器を一定の昇温速度、具体的には0.1から10℃/minの速度で、40℃から90℃に昇温させた後、二酸化炭素が超臨界状態になる圧力以上の圧力、具体的には100から200barの圧力を維持することで、二酸化炭素の超臨界状態で一定の時間、具体的には20分から10時間維持できる。
前述の条件を満たせば、短い時間内に、ゲル内部の気孔が破壊されていない優れた物性のエアロゲルブランケットが得られる。
前記のような超臨界乾燥工程の結果として、ナノサイズの気孔を有する多孔性シリカエアロゲルを含むブランケットが製造され得る。前記シリカエアロゲルは、高い疎水化度とともに優れた物性的特性、特に高い気孔率を有し、これを含むシリカエアロゲルブランケットは、低い熱伝導度とともに優れた機械的柔軟性を有し得る。
前記工程1では、前記超臨界廃液を、前記超臨界乾燥の工程を行いつつ、又は、超臨界乾燥の工程が完了した後に回収する。
前記超臨界廃液は、湿潤ゲル内に存在していた溶液がCO2によって置換されることで発生する溶液と、表面改質された湿潤ゲル−基材複合体に残留する表面改質廃液とを含む溶液であってよい。前記湿潤ゲル内に存在していた溶液と表面改質廃液は、超臨界乾燥の工程を経る過程で、前記湿潤ゲルの表面に存在する表面改質剤の反応副産物であるアンモニアがCO2と反応することで炭酸アンモニウムを生成することができる。前記炭酸アンモニウムは、超臨界装備内のフィルターで一部は除去され得るが、超臨界廃液にも残留して廃液のpHを高める役割ができる。
本発明の一実施形態によるシリカエアロゲルブランケットの製造方法において、工程2は、前記回収された超臨界廃液に酸を添加し中和させることで再生する工程である。
前記回収された超臨界廃液は、中和によって後述するシリカゾルの製造に再使用されてよい。前記中和により、前記回収された超臨界廃液で製造されたシリカゾルは、最初使用の極性有機溶媒のみで製造されたシリカゾルと同等又は類似の水準の保存安定性を具現できる。これにより、前記回収された超臨界廃液で製造されたシリカゾルが量産に適用された時、工程効率が低下しなくなり得る。また、前記回収された超臨界廃液で製造されたシリカゾルは、塩基を用いて所望の時点及び所望の時間の間にゲル化が進められてよく、これによって均一な物性を有するシリカエアロゲルブランケットを製造できる。
もし前記回収された超臨界廃液を中和しないのであれば、中和されていない超臨界廃液で製造されたシリカゾルは、触媒がなくともゲル化が進められ得るので、ゲル化工程の制御が難しくて優れた品質のシリカエアロゲルブランケットを製造できない。
前記酸は、酢酸又は塩酸であってよく、前記回収された超臨界廃液100重量部に対し、0.2から1.5重量部で添加されてよい。
具体的に、前記酸が酢酸の場合、0.5から1.3重量部、具体的には0.6から1.1重量部で添加されてよい。
前記酸が塩酸の場合、具体的には0.2から0.7重量部、より具体的には0.3から0.6重量部で添加されてよい。
前述の範囲を満たせば、前記回収された超臨界廃液の物性を低下させることなく中和させることができる。そして、前記再生された超臨界廃液の過度な酸性化を防止でき、残留する酸がゲル化触媒と反応して不要な塩が発生することを防止できる。
前記酸は、水及び極性有機溶媒を含む酸性溶液状態で添加されてよい。
前記酸性溶液内の酸と極性有機溶媒と水の重量比は、1:(50〜200):(5〜20)、具体的には1:(100〜150):(10〜15)であってよい。
前述の範囲を満たせば、超臨界廃液の中和過程で発生するガスを最少化できる。
前記極性有機溶媒に対する説明は、前述したとおりである。
前記再生された超臨界廃液のpHは、2以上7.5未満であってよい。
酢酸で中和され再生された超臨界廃液のpHは、6以上7.5未満、具体的には6から6.5であってよい。
塩酸で中和され再生された超臨界廃液のpHは、2から3、具体的には2から2.5であってよい。
前述の範囲を満たせば、再生された超臨界廃液を用いてシリカゾルを製造する時、最初使用の極性有機溶媒で製造されたシリカゾルと同等又は類似の水準の保存安定性を具現でき、湿潤ゲル−基材複合体のゲル化の時間を塩基を介して調節できる。また、シリカゾルのゲル化が塩基なしには進められないため、工程効率が増大され、ゲル化の時間を調節できるので、最終生産品であるシリカエアロゲルブランケットの物性が均一に維持できる。
一方、前記再生された超臨界廃液内にはアンモニウムイオンが存在してよい。
本発明の一実施形態によるシリカエアロゲルブランケットの製造方法において、工程3は、前記再生された超臨界廃液を再使用する工程である。
具体的に、前記再生された超臨界廃液は、シリカエアロゲルブランケットの製造方法のうち、シリカゾルを製造する工程で再使用されてよい。
以下、回収及び再生された超臨界廃液を用いてシリカエアロゲルブランケットを製造する方法は、工程3−1から工程3−5で具体的に説明する。
前記シリカゾルを製造する工程(工程3−1)は、シリカ前駆体、水、前記再生された超臨界廃液、及び極性有機溶媒を混合することを除き、工程1−1と同一である。
前記工程3−1で用いられる極性有機溶媒は最初使用の極性有機溶媒を意味し、極性有機溶媒に対する説明は前述したとおりである。
前記再生された超臨界廃液は、前記シリカゾルの製造工程で用いられる極性有機溶媒の全体、すなわち、前記再生された超臨界廃液と最初使用の極性有機溶媒の総重量に対し、80重量%未満、具体的には10から75重量%、より具体的には50から75重量%で用いてよい。
前述の範囲を満たせば、最初使用の極性有機溶媒のみで製造されたシリカエアロゲルブランケットと比べ、同等又は類似の水準の外観及び物性を有するシリカエアロゲルブランケットを製造できる。また、製造コスト及び廃液処理費用等を節減できる。
次いで、前記再生された超臨界廃液を用いて製造されたシリカゾルにブランケット用基材を浸漬させた後、塩基を添加しゲル化させることで湿潤ゲル−基材複合体を準備する工程(工程3−2)を行ってよい。前記工程3−2は、前記再生された超臨界廃液を用いたことを除き、前述の工程1−2と同一である。
前記工程3−2を行った後、前記工程1で記載した安定化工程と予備熟成工程のうち何れか一つ以上の工程をさらに行ってよい。
次いで、前記湿潤ゲル−基材複合体を熟成する工程(工程3−3)を行ってよい。前記工程3−3では、最初使用の熟成溶液のみを用いるか、前記工程1−3で発生した熟成廃液を再使用してよい。
前記工程3−3で最初使用の熟成溶液のみ用いる場合、前記工程3−3と前記工程1−3は同一であってよい。
前記工程1−3で発生した熟成廃液を再使用する場合、前記熟成廃液、最初使用の熟成溶液、及び超臨界廃液でなる群から選択される1種以上を混合して用いてよい。この時、前記超臨界廃液は、前記工程1−5で発生した超臨界廃液であってよい。
一方、前記最初使用の熟成溶媒に対する説明は、前記工程1−3で前述したとおりである。
前記熟成廃液は、前記工程3−3で用いられる熟成溶液の全体、すなわち、前記熟成廃液、最初使用の熟成溶液、及び超臨界廃液でなる群から選択される1種以上の総重量に対し、具体的には90重量%以上、より具体的には95重量%以上で用いてよい。
前述の範囲を満たせば、最初使用の熟成溶液のみで製造されたシリカエアロゲルブランケットと比べ、同等又は類似の水準の外観及び物性を有するシリカエアロゲルブランケットを製造できる。また、製造コスト及び廃液処理費用等を節減できる。
前記熟成廃液の再使用の回数は特に限定せず、前記熟成廃液を再使用しても、最初使用の熟成溶液のみで製造されたシリカエアロゲルブランケットと比べ、同等又は類似の水準の外観及び物性を有するシリカエアロゲルブランケットを製造できる。
前記熟成廃液は別に加工することなく再使用されてよいところ、その理由は、前記熟成工程で熟成溶液に別途の添加物が追加されず、前記湿潤ゲル−基材複合体の内部は少量の水を含有したアルコール溶媒で満たされているので、熟成溶液の含水率も一定の水準以上に高くならないためである。したがって、熟成廃液の組成は殆ど一定の値に維持され、これにより、熟成廃液であっても熟成工程で影響を及ぼす不純物が多く含まれないことがある。
次いで、前記熟成された湿潤ゲル−基材複合体を表面改質する工程(工程3−4)を行ってよい。
前記工程3−4では、最初使用の表面改質溶液のみを用いるか、前記工程1−4で発生した表面改質廃液を再使用してよい。
前記工程3−4で最初使用の表面改質溶液のみ用いる場合、前記工程3−4と前記工程1−4は同一であってよい。
前記工程1−4で発生した表面改質廃液を再使用する場合、前記表面改質廃液、最初使用の熟成溶液、及び超臨界廃液でなる群から選択される1種以上を混合して用いてよい。この時、前記超臨界廃液は、前記工程1−5で発生した超臨界廃液であってよい。
前記表面改質廃液は、前記工程3−4で用いられる表面改質溶液の全体、すなわち、前記表面改質廃液、最初使用の表面改質溶液、及び超臨界廃液でなる群から選択される1種以上の総重量に対し、80重量%以上、具体的には90重量%以上、より具体的には95重量%以上で用いてよい。
前述の範囲を満たせば、最初使用の表面改質溶液のみで製造されたシリカエアロゲルブランケットと比べ、同等又は類似の水準の外観及び物性を有するシリカエアロゲルブランケットを製造できる。また、製造コスト及び廃液処理費用等を節減できる。
前記工程3−4で用いられる最初使用の表面改質溶液内の表面改質剤の含量は、前記工程1−4で用いられる最初使用の表面改質溶液内の表面改質剤の含量に対し60から100重量%、具体的には80から100重量%、より具体的には80から90重量%で含まれてよい。
前述の範囲を満たせば、表面改質廃液の再使用の回数が増加しても、表面改質廃液内の表面改質剤及び表面改質剤由来の副産物の含量は一定に維持され得る。
前記表面改質廃液の再使用の回数は特に限定せず、前記表面改質廃液を再使用しても、最初使用の表面改質溶液のみで製造されたシリカエアロゲルブランケットと比べ、同等又は類似の水準の外観及び物性を有するシリカエアロゲルブランケットを製造できる。
前記表面改質廃液も別に加工することなく再使用されてよいところ、その理由は、前記熟成された湿潤ゲル−基材複合体の内部は少量の水を含有したアルコール溶媒で満たされているので、表面改質溶液の含水率も一定の水準以上に高くならないためである。また、表面改質剤が湿潤ゲルの表面を改質しつつ副産物を生成する反応は、溶液内の含水率等に影響を受ける可逆反応であるため、表面改質剤が添加されるとして、湿潤ゲルの表面改質の後に残った反応副産物の濃度が無限に高くなるのではなく、一定の水準で平衡を保つことになる。したがって、表面改質廃液の組成は殆ど一定の値に維持されるので、表面改質廃液であっても表面改質の工程で影響を及ぼす不純物が多く含まれないことがある。
必要に応じて、熟成廃液及び表面改質廃液内に残留するシリカ等の固体不純物を除去するためにろ過する工程をさらに含んでよい。
次いで、前記表面改質された湿潤ゲル−基材複合体を超臨界乾燥してシリカエアロゲルブランケットを製造する工程(工程3−5)を行ってよい。
前記工程3−5で発生した超臨界廃液は別途の分離器を用いて回収されてよく、前記超臨界廃液は、湿潤ゲル内に存在していた溶液がCO2によって置換されることで発生する溶液と、表面改質された湿潤ゲル−基材複合体に残留する表面改質廃液とを含む溶液であってよい。前記湿潤ゲル内に存在していた溶液と表面改質廃液は、超臨界乾燥の工程を経る過程で、前記湿潤ゲルの表面に存在する表面改質剤の反応副産物であるアンモニアがCO2と反応することで炭酸アンモニウムを生成することができる。前記炭酸アンモニウムは、超臨界装備内のフィルターで一部は除去され得るが、超臨界廃液にも残留して廃液のpHを高める役割ができる。
一方、前記CO2によって置換されることで発生する溶液は、熟成廃液、表面改質廃液及び超臨界廃液でなる群から選択される溶液から由来された溶液を含んでよい。
本発明の一実施形態によるシリカエアロゲルブランケットの製造方法に再使用されてよい。
本発明の他の一実施形態によるシリカエアロゲルブランケットは、本発明の一実施形態によるシリカエアロゲルブランケットの製造方法で製造されたものである。
本発明の他の一実施形態によるシリカエアロゲルブランケットは、熱伝導度が16から21mW/mKであってよく、炭素の含量は、シリカエアロゲルの総重量に対し8から12重量%であってよい。前述の範囲を満たせば、最初使用の溶媒のみで製造されたシリカエアロゲルブランケットと同等又は類似の水準の物性を有し得る。
一方、炭素含量の基準であるシリカエアロゲルの総重量は、シリカエアロゲルブランケットの総重量からブランケット用基材の重量を除外させたものを意味する。
[発明を実施するための形態]
以下、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるよう、本発明の実施例に対して詳しく説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態に具現されてよく、ここで説明する実施例に限定されない。
<製造例1から製造例8及び比較製造例1>
テトラエチルオルトシリケート(TEOS)とエタノールを3:1の重量比で混合して製造した混合溶液に、水に希釈した塩酸溶液(濃度:0.15重量%)を前記混合溶液のpHが1になるように添加した後、混合してシリカゾル(シリカゾル内のシリカの含量=4重量%)を製造した。次に、前記シリカゾルにアンモニア触媒を100:0.5(シリカゾル:アンモニア触媒)の体積比で添加し、ガラス繊維を沈積させた後、ゲル化させて湿潤ゲル−基材複合体を製造した。
その後、湿潤ゲル−基材複合体をエタノールに浸漬させた後、70℃のオーブンで2時間熟成した。熟成時に発生した熟成廃液を回収した。
前記熟成された湿潤ゲル−基材複合体を、エタノールとHMDSの混合物(エタノール:HMDSの体積比:1:19)である表面改質溶液を用いて70℃で5時間表面改質した。表面改質時に発生した表面改質廃液を回収した。
以後、超臨界装備内の抽出器に前記表面改質された湿潤ゲル−基材複合体を入れ、超臨界CO2を用いて超臨界乾燥を実施し、150℃及び常圧条件で1時間乾燥して、シリカエアロゲルブランケットを製造した。
回収された超臨界廃液100gに対し、下記表1に記載された量で酸を添加することで、下記表1に記載されたpHを有する再生された超臨界廃液を製造した。
前記再生された超臨界廃液、エタノール、水及びTEOSを混合することで、再生シリカゾル(再生シリカゾル内の前記再生された超臨界廃液、エタノール、水、SiO2の重量比:11:4.5:0.8:1)を製造した。ここで、エタノールは、最初使用のエタノールであり、比較製造例1のpHは、回収された超臨界廃液のpHを意味する。
Figure 2019529326
<比較製造例2>
最初使用のエタノール、水及びTEOSを混合することで、シリカゾル(シリカゾル内のエタノール:水:SiO2の重量比=15.5:0.8:1)を製造した。
[実験例1]
再生シリカゾルの保存安定性を評価するため、常温で再生シリカゾルのゲル化が塩基なしに開始された時間を下記表2に記載した。一方、製造例7、製造例8及び比較製造例2の再生シリカゾルの場合、36時間までのみ測定したので、ゲル化の開始時間を36時間超過と記載した。
Figure 2019529326
表2に示す通り、製造例1から製造例8の再生シリカゾルの場合、製造後6時間以上が経過した後にゲル化が開始されたので、保存安定性に優れることを確認できた。特に、製造例6から製造例8の再生シリカゾルの場合、製造後24時間以上経過した後にゲル化が開始されたので、比較製造例2のシリカゾルと類似の水準のゲル化開始時間を有することを確認できた。
また、回収された超臨界廃液を再生していない比較製造例1のシリカゾルの場合、ゲル化の開始時間が1時間なので、量産工程に導入されれば、シリカゾルが通過するライン内でゲル化が進められてラインが詰まるか、ライン内のシリカゾルの流速が低下する問題が起こり、工程効率が低下し得る。
<実施例1>
製造例8の再生シリカゾルにアンモニア触媒を100:0.5(シリカゾル:アンモニア触媒)の体積比で添加し、ガラス繊維を沈積させた後、ゲル化させて湿潤ゲル−基材複合体を製造した。その後、湿潤ゲル−基材複合体を最初使用のエタノールに浸漬させた後、70℃のオーブンで2時間熟成した。前記熟成された湿潤ゲル−基材複合体を、最初使用のエタノールとHMDSの混合物(エタノール:HMDSの体積比:1:19)である表面改質溶液を用いて70℃で5時間表面改質した。以後、超臨界装備内の抽出器に前記表面改質された湿潤ゲル−基材複合体を入れ、超臨界CO2を用いて超臨界乾燥を実施し、150℃及び常圧条件で1時間乾燥することで、シリカエアロゲルブランケットを製造した。
<実施例2>
製造例6の再生シリカゾルを用いたことを除き、実施例1と同様の方法でシリカエアロゲルブランケットを製造した。
<実施例3>
製造例6の再生シリカゾルを用い、熟成工程において、製造例6で回収された熟成廃液と製造例6で回収された超臨界廃液(酸未処理)とを95:5の重量比で混合した溶液を用い、表面改質工程において、製造例6で回収された表面改質廃液と製造例6で回収された超臨界廃液(酸未処理)とを95:5の重量比で混合した溶液を用いたことを除き、製造例6と同様の方法でシリカエアロゲルブランケットを製造した。
<実施例4>
実施例3で回収した超臨界廃液を再生した超臨界廃液(回収された超臨界廃液と酢酸の重量比:100:0.8)、最初使用のエタノール、水、SiO2を11:4.5:0.8:1の重量比で混合してシリカゾルを製造し、熟成工程において、実施例3で回収された熟成廃液と実施例3で回収された超臨界廃液(酸未処理)とを95:5の重量比で混合した溶液を用い、表面改質工程において、実施例3で回収された表面改質廃液と実施例3で回収された超臨界廃液(酸未処理)とを95:5の重量比で混合した溶液を用いたことを除き、実施例3と同様の方法でシリカエアロゲルブランケットを製造した。
<実施例5>
実施例4で回収した超臨界廃液を再生した超臨界廃液(回収された超臨界廃液と酢酸の重量比:100:0.8)、最初使用のエタノール、水、SiO2を11:4.5:0.8:1の重量比で混合してシリカゾルを製造し、熟成工程において、実施例4で回収された熟成廃液と実施例4で回収された超臨界廃液(酸未処理)とを95:5の重量比で混合した溶液を用い、表面改質工程において、実施例4で回収された表面改質廃液と実施例4で回収された超臨界廃液(酸未処理)とを95:5の重量比で混合した溶液を用いたことを除き、実施例3と同様の方法でシリカエアロゲルブランケットを製造した。
<比較例1>
比較製造例1の再生シリカゾルを用い、超臨界廃液を再生してシリカゾルを製造する工程を行っていないことを除き、比較製造例1に記載された方法でシリカエアロゲルブランケットの製造を試みたが、シリカゾルのゲル化があまりにも早く開始されたため、シリカエアロゲルブランケットを製造できなかった。
<比較例2>
比較製造例2のシリカゾルと最初使用の熟成溶液、表面改質溶液、超臨界溶液のみを用いたことを除き、実施例1と同様の方法でシリカエアロゲルブランケットを製造した。
[実験例2]
実施例1から実施例5及び比較例2のシリカエアロゲルブランケットの製造工程のうち表面改質工程で回収された表面改質廃液に対してGC分析(GC/MS(EQC−0248))を行い、その結果を下記表3に記載した。
Figure 2019529326
表3に示す通り、表面改質廃液の再使用の回数の増加に伴い、表面改質廃液内の表面改質剤であるHMDS由来の副産物であるトリメチルシラノール、ヘキサメチルジシロキサン及びトリメチルエトキシシランの含量が増加することを確認できた。
[実験例3]
実施例1から実施例5及び比較例2のシリカエアロゲルブランケットの厚さ、断熱性及び疎水性を評価し、その結果を下記表4に記載した。
1)厚さ、断熱性の評価方法:NETZSCH社のHFM436 Lambda装備を用いて測定した。
2)疎水性の評価方法:ELTRA社のCS−800装備を用いて測定した。
Figure 2019529326
表4に示す通り、実施例1から実施例5のシリカエアロゲルブランケットは、最初使用の溶媒のみ用いた比較例2のシリカエアロゲルブランケットと比べ、類似の水準の厚さと断熱性及び疎水性を具現することを確認できた。この結果から、本発明によれば、最終の生産品であるシリカエアロゲルブランケットの外観を変化させるか物性を低下させることなく、製造コストを節減できることを確認することができた。

Claims (14)

  1. シリカエアロゲルブランケットの製造方法であって、
    超臨界乾燥工程の後に発生する超臨界廃液を回収する工程と、
    前記回収された超臨界廃液に酸を添加し中和させることで再生する工程と、
    前記再生された超臨界廃液を再使用する工程と
    を含むシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  2. 前記回収された超臨界廃液100重量部に対し、前記酸が0.2から1.5重量部で添加される、請求項1に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  3. 前記酸は、酢酸又は塩酸である、請求項1に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  4. 前記酸は、水及び極性有機溶媒を含む酸性溶液の状態で添加される、請求項1に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  5. 前記再生された超臨界廃液のpHは、2以上7.5未満である、請求項1に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  6. 前記再生された超臨界廃液はシリカゾルの製造工程で再使用される、請求項1に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  7. 前記再生された超臨界廃液は、シリカゾルの製造工程で用いる極性有機溶媒の全体に対し80重量%未満で再使用される、請求項6に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  8. 前記製造方法は、熟成廃液及び表面改質廃液からなる群から選択される1つ以上を再使用する工程をさらに含む、請求項1に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  9. 前記熟成廃液は、熟成工程で再使用される、請求項8に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  10. 前記表面改質廃液は、表面改質工程で再使用される、請求項8に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  11. 前記回収された超臨界廃液は、熟成工程及び表面改質工程からなる群から選択される1以上の工程で再使用される、請求項1に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法。
  12. 請求項1から請求項11の何れか一項に記載のシリカエアロゲルブランケットの製造方法で製造されたシリカエアロゲルブランケット。
  13. 前記シリカエアロゲルブランケットの熱伝導度は、16から21mW/mKである、請求項12に記載のシリカエアロゲルブランケット。
  14. 前記シリカエアロゲルブランケットの炭素の含量は、シリカエアロゲルの総重量に対し8から12重量%である、請求項12に記載のシリカエアロゲルブランケット。
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