JP2019521687A - 濃縮または乾燥酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体と、関連組成物および食品とを製造する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
a)1〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6〜9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップと、
e)任意選択的に、濃縮懸濁液を乾燥するステップと
を含む、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法に関し、
−ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、濃縮懸濁液が、ステップe)の乾燥に供されるまで、または別の用途に供されるまで最大で30℃に維持され、
−濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で48時間である。
a)1〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6〜9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップと、
e)濃縮懸濁液を乾燥させるステップと
を含む、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法に関し、
−ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、濃縮懸濁液が、ステップe)の乾燥に供されるまで最大で30℃に維持され、
−ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間は、最大で48時間である。
a)1〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6〜9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮し、引き続いて、ステップd)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃縮懸濁液を食品の製造における成分として使用するステップと
を含む、食品を調製する方法に関し、
−ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、その後の濃縮懸濁液の使用まで最大30℃に維持され、
−ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で48時間である。
1)本明細書に記載されるような酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液を提供するステップと、
2)酸ゲル化可能ホエータンパク質と1つまたは複数の追加的な成分とを組み合わせるステップと、
3)任意選択的に組み合わせを処理するステップと
を含む。
a)1〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6〜9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップと、
e)任意選択的に、濃縮懸濁液を乾燥するステップと
を含む、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法に関し、
−ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、濃縮懸濁液が、ステップe)の乾燥に供されるまで、または別の用途に供されるまで最大で30℃に維持され、
−濃縮懸濁液のステップd)の濃縮とステップe)の乾燥またはその他の使用との間の持続時間は、最大で48時間である。
a)1〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6〜9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップと、
e)濃縮懸濁液を乾燥させるステップと
を含む、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法に関し、
−ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、濃縮懸濁液が、ステップe)の乾燥に供されるまで最大で30℃に維持され、
−ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間は、最大で48時間である。
a)1〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6〜9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮し、引き続いて、ステップd)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃縮懸濁液を食品の製造における成分として使用するステップと
を含む、食品を調製する方法に関し、
−ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、その後の濃縮懸濁液の使用まで最大30℃に維持され、
−ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間は、最大で48時間である。
a)1〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6〜9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮し、引き続いて、ステップd)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃縮懸濁液を食品の製造における成分として使用するステップと
を含む、食品を調製する方法に関し、
−ステップd)の濃縮懸濁液の温度は、その後の濃縮懸濁液の使用まで最大30℃に維持され、
−ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間が最大で48時間である。
●食品総重量に対して4.5〜5.0%(w/w)のタンパク質総量、
●食品総重量に対して1.0〜1.5%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、
●食品総重量に対して最大で0.2%(w/w)の脂肪、および
●食品総重量に対して5〜7%(w/w)の乳糖。
●食品総重量に対して3〜7%(w/w)のタンパク質総量、
●食品総重量に対して0.2〜2.0%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、
●食品総重量に対して最大で8%(w/w)の脂肪、および
●食品総重量に対して4〜7%(w/w)の乳糖。
●食品総重量に対して最大で18%(w/w)のタンパク質総量、
●食品総重量に対して1〜4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体、
●食品総重量に対して最大で4%(w/w)の脂肪、および
●任意選択的に、食品総重量に対して4〜8%(w/w)の乳糖。
1)本明細書に記載されるような酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液を提供するステップと、
2)酸ゲル化可能ホエータンパク質と1つまたは複数の追加的な成分とを組み合わせるステップと、
3)任意選択的に組み合わせを処理するステップと
を含む。
1)本明細書に記載されるような酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末組成物または酸ゲル化可能ホエータンパク質懸濁液を提供するステップと、
2)前記酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を乳糖、および任意選択的にさらに炭水化物、脂肪、ビタミン、およびミネラルと組み合わせ、任意選択的に混合物を均質化し、次にそれを少なくとも(least)72℃の温度で少なくとも15秒間にわたり低温殺菌し(pasteurising)、引き続いて混合物を50℃未満の温度に冷却するステップと、
3)冷却混合物を酸性化剤に接触させ、酸性化剤に混合物を最大で5.0のpHに酸性化させ、任意選択的に酸性化された混合物から得られたヨーグルト様製品を包装するステップと
を含んでもよい。
実施例1.1:酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の定量:
酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の量は、以下の手順を用いて測定する。
1.約1.00gの粉末のサンプルをリン酸緩衝液に溶解し、1000mLを得る。サンプルが液体形態である場合、約1.00gの乾物を含有する液体サンプルをリン酸緩衝液(0.02M NaH2PO4 pH7.5)で1000mLに希釈する。精密な希釈係数(典型的に1000に近い)を書き留める。ステップ2に進む前に、溶解(または希釈)サンプルを24時間静置する。
2.実施例1.4に記載されるように、溶解サンプルの総タンパク質量(純タンパク質)を測定する。溶解サンプルの総タンパク質量を「X」(溶解サンプルの総重量に対する総タンパク質%(w/w))と称する。
3.100mLの溶解サンプルを62000gで30分間遠心分離する。遠心分離は、SIGMA Laborzentrifugen GmbH製の冷却遠心分離機3−30K、および85mL管(注文番号15076)、または類似装置を使用して、約15℃で実施される。
4.生じた上清を収集し、0.22ミクロン濾紙を通してそれを濾過し、以下のHLPC分析のHPLCカラムを損傷し得る、極微量の微粒子を除去する。
5.実施例1.4で開示された手順を使用して、濾過上清の総タンパク質(純タンパク質)を測定する。濾過上清の総タンパク質量を「Y」(濾過上清の総重量に対する総タンパク質%(w/w))と称する。
6.実施例1.2に記載される手順を用いて、天然α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、およびカゼイノマクロペプチドの量(濾過上清総重量に対する%(w/w))を定量化する。
7.酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の相対量を計算する(原サンプルのタンパク質総量に対する酸ゲル化可能凝集体の%(w/w))。これは、式:
Z酸ゲル化可能凝集体の相対量=((Y−Cα−Cβ−CCMP)/X)*100%(原サンプルの総タンパク質のw/w)
を使用して成し得る。原サンプルの酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の絶対量は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の相対量にX*希釈係数を乗じることによって計算される(1gのサンプルを1000mL(=約1000g)の溶解サンプルにすると、1000の希釈率が得られる)。式は、次のようになる:
原サンプルの酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の絶対量=Z酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の相対量*X*希釈係数
天然α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリンおよびCMP含有量を0.4mL/分でのHPLC分析によって分析する。25μlの濾過サンプルを、付属プレカラムPWxl(6mm×4cm、Tosohass,Japan)に逐次連結された、2 TSKgel3000PWxl(7.8mm 30cm、Tosohass,Japan)カラムに注入し、溶出剤(465gミリQ水、417.3gアセトニトリル、および1mLのトリフルオロ酢酸からなる)で平衡化し、UV検出器を210nmで用いる。
天然ホエータンパク質含有量、すなわち、天然α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリンおよびカゼイノマクロペプチド含有量の定量分析は、実施例1.2に記載される手順を用いて実施し、総タンパク質含量は、実施例1.4に記載される手順を用いて定量化した。
サンプルの総タンパク質含量(純タンパク質)は、以下によって測定する:
1)ISO 8968−1/2|IDF 020−1/2−Milk−Determination of nitrogen content−Part 1/2:Determination of nitrogen content using the Kjeldahl methodに従って、サンプルの全窒素を測定する。
2)ISO 8968−4|IDF 020−4−Milk−Determination of nitrogen content−Part 4:Determination of non−protein−nitrogen contentに従って、サンプルの非タンパク質窒素を測定する。
3)総量タンパク質を(m全窒素−m非タンパク質−窒素)*6.38として計算する。
酸性ゲル強度は、以下の手順によって測定する:
1.タンパク質粉末を水に溶解し、水中に3%タンパク質w/wを含有する懸濁液400mlを作製する。
2.磁気棒撹拌機を用いて、懸濁液を1時間撹拌する。
3.懸濁液を冷蔵庫内に一晩放置する。
4.冷蔵懸濁液を200バールで均質化する。
5.100mLの懸濁液を42℃で30分間保存する。
6.GDL(グルコノデルタラクトン)を添加し、0.6%(w/w)GDLの濃度を得て、磁気棒撹拌機を用いて5分間撹拌する。
7.サンプルを以下に入れる。
a)pHロガー用管および
b)レオメーター(CC27測定システムを有するAnton Paar製のMCR301)。
−振動周波数:1Hz
−温度プロファイル:
−42℃で330分間
−20分間で42から20℃への冷却
−120分間で20から5℃への冷却
−すなわち、レオメーター内の合計時間は470分間
貯蔵弾性率(Pa)は毎分自動的に測定され、サンプル(pHロガー製)のpHは5分毎に測定される。
乾燥粉末の密度は、規定条件下において特殊なStampf容量計(すなわちメスシリンダー)を使用して分析される、粉末の重量と体積との間の関係として定義される。密度は、典型的に、g/mlまたはkg/Lで表される。
■注入密度。規定のメスシリンダーに移し入れた後の粉末の体積で除した質量。
■疎性密度。この規格で指定されている条件に従って100回タップした後の粉末の体積で除した質量。
■嵩密度。この規格で指定されている条件に従って625回タップした後の粉末の体積で除した質量。
測定されるサンプルは室温で保存される。
100.0±0.1グラムの粉末を計量し、メスシリンダーに移し入れる。体積V0をml単位で読み取る。
次式に従って、g/mlで表される疎密度と嵩密度を計算する:
M/V
式中、Mは、グラム単位の秤量サンプルを指し、Vはそれぞれ、100タッピング(V100)または625タッピング(V625)後のml単位の体積を指す。
不溶性指数は、粉末が水中に溶解する能力の尺度である。
10.0グラムの粉末を量り取る。
不溶性指数を以下の式を用いて判定する:
不溶性指数=ml沈殿物
遠心管を目の高さで垂直に保持し、沈殿物の体積をml単位で読み取る。最も近い目盛りを読み取る。読み取りを容易にするために、それは強力な光源の前で実施し得て、必要に応じて拡大鏡を使用し得る。
変性ホエータンパク質組成物の1〜10ミクロンの範囲の粒径を有する不溶性ホエータンパク質粒子の量は、以下の手順を用いて測定する:
1.試験サンプルの5%(w/w水中)懸濁液を製造する。
2.得られた懸濁液を穏やかに撹拌し(かき混ぜ)ながら、1時間再水和させる。
3.懸濁液を200バールで均質化する。
4.懸濁液の第1の部分を15000gで5分間にわたり遠心分離する。
5.生じた上清を収集し、総タンパク質(純タンパク質)について分析する。上清の総タンパク質量を「A」として称する。
6.懸濁液の第2の部分(遠心分離を受けていない)を総タンパク質(純タンパク質)について分析する。懸濁液の総タンパク質量を「B」と称する。
7.懸濁液の第3の部分を静的光散乱による粒度分布分析にかけて、>10ミクロンの粒度を有する粒子の体積百分率を判定し、この百分率は「C」と称される。
8.P1−10=(((B−A)/B)*100%)−C
として、1〜10ミクロンの範囲の粒度を有する不溶性ホエータンパク質粒子の量(総タンパク質に対する%w/w)を判定する。
9.ステップ4〜5を繰り返すが、15000gの代わりに3000gで5分間遠心処理する。(粒子の最大部分のみが除去される)。ステップ9の上清の総タンパク質を「D」と称する。
10.P1=((D−A)/B)*100%
として、0.5〜1.5ミクロンの範囲の粒度を有する不溶性ホエータンパク質粒子の量(総タンパク質に対する%w/w)を判定する。
カルシウム濃度は、例えばThermo Fisher Scientific Inc.,Beverly,USA製のCombination IS、またはRadiometer Analytical SAS,Villeurbanne Cedex,France製のRadiometer Analytical ISE25Ca−9 Calcium Ion Selective Electrodeなどのカルシウムイオン選択性電極を用いて測定し得る。
1.例えば、Thermo Scientific Orion ISE meter製のイオン選択性電極計、またはRadiometer analytical PHM250イオン分析装置。
2.カルシウムイオン選択性電極(上記の通り)。
3.磁気撹拌機。
4.メスフラスコ、目盛り付きシリンダー、およびビーカー。低レベルのカルシウム分析には、プラスチック製の実験器具が必要である。
5.蒸留水または脱イオン水。
6.カルシウム電極充填液。
7.0.1MのCaCl2カルシウム較正基準。
8.カルシウムイオン強度調整剤(ISA)。ISAは、サンプルおよび標準物質に対して一定のバックグラウンドイオン強度を提供する。
脱ミネラルホエータンパク質溶液の遊離カルシウム含有量を測定する際には、直接較正技術を使用することが推奨される。
検量線を作成するために使用される標準物質の濃度は、予想されるサンプル濃度を囲む必要がある。
製造業者の指示に従って電極を準備し、電極をメーターに接続する。次に、少なくとも2つの標準物質を調製する。標準物質は、予想されるサンプル範囲を囲み、濃度が10倍異なるようにすべきである。標準物質は、特定の分析要件に合わせて任意の濃度単位で調製し得る。しかし、全ての標準がサンプルと同じ温度になるようにすることが重要である。本出願では、全ての標準物質およびサンプルは25℃で測定される。
1.100mlの低濃度標準物質と2mlのISAを150mlのビーカーに添加し、溶液を十分にかき混ぜる。
2.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、低濃度標準物質と共にビーカーに入れる。読み取りが安定するまで待って、標準の値を表示するようにメーターを調節する。
3.100mlの高濃度標準物質と2mlのISAを第2の150mlのビーカーに添加し、溶液を十分にかき混ぜる。
4.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、高濃度標準物質と共にビーカーに入れる。読み取りが安定するまで待って、第2の標準の値を表示するようにメーターを調節する。
5.得られた勾配値を記録する。標準が20〜25℃の場合、勾配は25〜30mVであるべきである。
6.清浄な150mlビーカーに100mlのサンプルと2mlのISAを添加し、溶液を完全にかき混ぜる。
7.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、サンプル中に入れる。サンプルの濃度がメーターに表示される。
注記:溶液対ISAの比率が50:1のままであれば、その他の溶液容積を使用してもよい。
1.メーターをmVモードに設定する。
2.100mlの低濃度標準物質と2mlのISAを150mlのビーカーに添加し、溶液を十分にかき混ぜる。
3.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、低濃度標準物質と共にビーカーに入れる。安定な読み取りが示されたら、mV値および対応する標準濃度を記録する。
4.100mlの高濃度標準物質と2mlのISAを第2の150mlのビーカーに添加し、溶液を十分にかき混ぜる。
5.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、高濃度標準物質と共にビーカーに入れる。安定な読み取りが示されたら、mV値および対応する標準濃度を記録する。
6.半対数グラフ用紙を使用して、ミリボルト値を直線軸に、そして標準濃度値を対数軸にプロットすることによって検量線を作成する。
7.清浄な150mlビーカーに100mlのサンプルと2mlのISAを添加し、溶液を完全にかき混ぜる。
8.蒸留水で電極を洗い流して吸い取り乾燥させ、サンプル中に入れる。安定な読み取りが示されたら、mV値を記録する。
9.ステップ6で作成した検量線を使用して、未知のサンプル濃度を測定する。
注記:溶液対ISAの比率が50:1のままであれば、その他の溶液容積を使用してもよい。
遊離マグネシウムの濃度は、カルシウムイオン選択性電極および標準の代わりにマグネシウムイオン選択性電極およびマグネシウム較正標準を使用しなければならないことを除いて、実施例1.9.1に記載の手順を用いることによって測定し得る。適切なマグネシウム選択電極の例としては、Mettler,Toledo製のDX224−Mgマグネシウム半電池がある。
食品の含水量は、ISO 5537:2004(粉乳−含水量の測定(参照法))に従って測定する。NMKLは”Nordisk Metodikkomite for Naringsmidler(北欧食品委員会)”の略語である。
食品の灰分は、NMKL 173:2005”Ash,gravimetric determination in foods”に従って測定する。
カルシウムの総量およびマグネシウムの総量は、最初にサンプルを電子レンジ分解を用いて分解し、次にミネラルの総量をICP装置を用いて決定する手順を用いて測定し得る。
電子レンジはAnton Paar製であり、ICPはPerkinElmer Inc.製のOptima 2000DVである。
1M HNO3
2%HNO3中のイットリウム
カルシウム標準物質:1000マイクログラム/mLの5%HNO3
マグネシウム標準物質:100マイクログラム/mLの5%HNO3
一定量の粉末を量り取り、粉末を電子レンジ分解管に移し入れる。5mLの1M HNO3を添加する。電子レンジの取扱説明書に従って、電子レンジでサンプルを分解する。分解された管を煙霧乾燥器に入れ、蓋を外して揮発性煙霧を蒸発させる。
既知量のミリQ水を使用して、前処理サンプルをdigitubeに移し入れる。2%のHNO3中のイットリウム溶液をdigitubeに添加し(50mLの希釈サンプルあたり約0.25mL)、ミリQ水を使用して既知容量に希釈する。製造業者によって記載される手順を用いて、ICP上でサンプルを分析する。
乳糖の総量は、ISO 5765−2:2002(IDF79−2:2002)”Dried milk,dried ice−mixes and processed cheese−Determination of lactose content−Part 2:Enzymatic method utilizing the galactose moiety of the lactose”に従って測定する。
液体製品の粘度をボブ/カップ装置付きレオメーター(Haake rheostress)上で測定した。
1.サンプル調製
処理中に各サンプルを瓶に充填し、実験室クーラー(5℃)に1日入れて温和に(temperate)する。
2.セットアップ
Haake rheostress上での製品の測定のためのプログラムを準備する;設定方法を参照されたい。ボブ/カップ装置を取り付ける。温度調節しなかった場合、HAAKE rheostressの水浴温度が1℃に設定されていることをチェックする。
3.測定
分析するサンプルのみを冷蔵から取り出し、貯蔵中に相分離があれば、サンプルボトルを穏やかに3回転倒させてサンプルを均質化する。40mlのサンプルをカップに入れて、データサンプリングプログラムを開始する。二重反復試験を実施する。
4.洗浄
分析が完了したら、ボブ/カップ装置を取りはずし、それを水と石鹸、その後冷水で清浄化し、続く測定前にシステムを温和に(temperate)する。ボブ/カップ装置を拭って、それを次のサンプルのために再度取り付ける。
粘度は、センチポアズ(cP)単位で提示される。90秒後に読み取られたcP値(t(seq))に基づいて、二重反復試験の平均を計算する。測定されたcP値が高いほど、粘度はより高い。
この手順のためには、以下が必要である:
−Haake rheostress1レオメーター
−ボブ:Z34 DIN 53019シリーズ
−カップ:Z34 DIN53018シリーズプローブ
−水浴Haake K20/Haake DC50
プログラムのパラメータは、次のとおりであった:
ステップ1:測定位置
ステップ2:5.00℃で30秒間にわたる1.00Paの制御応力。1.000Hzの振動数。2つのデータ点を収集する
ステップ3:5.00℃で120秒間にわたる50.00I/sの制御速度。30のデータ点を収集する
ステップ4:分離昇降
液体生成物の粘度は、同軸二重ギャップ(DG26.7)測定装置付きのレオメーター(Anton Paar MCR 301)で測定した。
1.サンプル調製
処理中に各サンプルをボトルに充填し、レオメーターに移し入れ、測定前に5分間温度を平衡化する。
2.セットアップ
Anton Paar Physica MCR 301上で生成物測定用のプログラムを設定する、方法セットアップを参照されたい。DG26.7二重ギャップ装置を取り付ける。温度調節しなかった場合、レオメーターの水浴温度が5℃に設定されていることをチェックする。
3.測定
ピペットを用いて、3.8mLのサンプルをボトルからカップに移す。データサンプリングプログラムを開始する。
4.洗浄
分析が完了したら、測定装置を取りはずし、それを水と石鹸、その後冷水で清浄化し、続く測定前にシステムを温和に(temperate)する。測定装置を拭って、それを次のサンプルのために再度取り付ける。
粘度は、センチポアズ(cP)単位で提示される。cP値に基づいて300s−1で読み取る。測定されたcP値が高いほど、粘度はより高い。
この手順のためには、以下が必要である:
−Anton Paar Physica MCR301レオメーター
−DG26.7二重ギャップ装置
−Julaba F12恒温水浴
プログラムのパラメータは、次のとおりであった:
ステップ1:測定位置(0.5mm)に移動する
ステップ2:0.2〜300s−1(60ポイント)までの線形剪断掃引
ステップ3:分離昇降
酸ゲル化可能ホエータンパク質粉末の2つのサンプルを製造し、酸ゲル化可能ホエータンパク質を全く含まないか、またはほとんど含まない標準サンプルと比較した。
酸性ゲル強度の結果は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体をほとんど含まないサンプル(サンプルC)が、非常に低い、すなわちほぼ皆無の酸性ゲル強度を有することを明らかにする。結果はまた、タンパク質の総含量に対して50%の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含むサンプルBが、タンパク質の総含量に対して38%の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含むサンプルA(128Pa)よりも、はるかに高い酸性ゲル強度(403Pa)を示すことを明らかにする。したがって、サンプル中の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の含有量が高いほど、より高い酸性ゲル強度が得られ得ると結論付けられる。
サンプル1の調製
9%の乾物(そのうち70%が変性可能タンパク質である7%のタンパク質、0.4%の乳糖、0.6%の脂肪、0.03%の全カルシウム(実施例1.11.2に概説されるように分析された)を含有する、チーズ製造からのホエータンパク質濃縮物を10℃で弱酸カチオン交換体(IMAC HP336)によって脱ミネラルした。次に脱ミネラル水を使用して、脱ミネラルホエータンパク質濃縮物を6%のタンパク質(そのうち70%が変性可能タンパク質であり、実施例1.2に概説されるように分析された)に希釈し、pH7に調節した。次に、原材料をプレート熱交換器内で90℃で10分間加熱処理し、その後50℃に維持した。
サンプル1で使用したものと同等のpHおよび組成を有する脱ミネラルホエータンパク質濃縮物を90℃で10分間加熱処理し、その後10℃に維持した。10℃で限外濾過(KOCH HFK−328)により、加熱処理残余分をサンプル1とほぼ同じ濃度の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体に濃縮した。10℃に維持したUF残余分を噴霧乾燥工程のための供給物として使用した。濃縮物の粘度は、10℃で2時間の貯蔵中にサンプル1の場合よりも低い程度で増加した。2時間後、貯蔵濃縮物は依然として液体であり、乾燥に適していた。
結果は、50℃における濃縮が、所与の条件下で製造された酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の加工には適していないことを示す。しかし、10℃における濃縮および貯蔵は、驚くべきことに適切であることが分かった。
脱ミネラルホエータンパク質濃縮物(7%の乾物、そのうち64%が変性可能な6%のタンパク質、0.4%のラクトース、0.5%の脂肪、pH7)をプレート熱交換器内において82℃で21分間加熱処理し、その後10℃に維持した。実施例1.1に概説したように分析したところ、加熱処理残余分の62%のタンパク質は、酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体であった。加熱処理残余分を10℃でUFによって、様々な含有量の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体に濃縮し、サンプル1〜5を得た。サンプルを20℃で貯蔵し、実施例1.14に概説した方法を用いて、UF濃縮の0時間、2時間および21時間後に粘度を測定した。結果は、下の表2に示される。
結果は、最大で30℃の温度を用いて、濃縮酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体製品を製造することが可能であることを明確に実証する。
Claims (25)
- a)1〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6〜9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮するステップと、
e)前記濃縮懸濁液を乾燥させるステップと
を含む酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物を調製する方法において、
−ステップd)の濃縮懸濁液の温度が、前記濃縮懸濁液がステップe)の乾燥に供されるまで最大で30℃に維持され、
−ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間が最大で48時間であることを特徴とする、方法。 - 請求項1に記載の方法において、ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥との間の持続時間が最大で36時間であることを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至2の何れか一項に記載の方法において、前記脱ミネラル溶液が、3〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含むことを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法において、前記脱ミネラル溶液が、6〜8の範囲のpHを有することを特徴とすることを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法において、前記懸濁液が、少なくとも6%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度が得られるまで濃縮されることを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法において、ステップd)で得られた濃縮懸濁液が、前記懸濁液を限外濾過、ナノ濾過および/または逆浸透法に供することによって製造されることを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法において、ステップc)の冷却懸濁液が、ステップd)で懸濁液を濃縮する前に天然ホエータンパク質と混合され、またはステップd)の濃縮懸濁液が、ステップe)で濃縮懸濁液を乾燥する前に天然ホエータンパク質と混合されることを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法において、ステップa)の脱ミネラル溶液中の合わせたカルシウムとマグネシウムの総量が最大で120mmol/kg乾燥重量であることを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法において、ステップd)の濃縮懸濁液の温度が、前記濃縮懸濁液がステップe)の乾燥どちらかに供される(either subjected to)まで、最大で20℃に維持されることを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法において、ステップd)の濃縮懸濁液が、いかなる中間貯蔵もなしにステップe)に直接送られることを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法において、ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥の間の持続時間が最大で1時間であることを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法において、ステップd)の濃縮とステップe)の乾燥の間の持続時間が最大で0.5時間であることを特徴とする、方法。
- 請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法において、酸ゲル化可能ホエータンパク質組成物が乾燥粉末であることを特徴とする、方法。
- a)1〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含み、6〜9のpH範囲を有する脱ミネラル溶液を提供するステップと、
b)ステップa)の脱ミネラル溶液を少なくとも68℃の温度で最大で2時間加熱処理し、それによって酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体を含む懸濁液を得るステップと、
c)ステップb)の懸濁液を最大で30℃の温度に冷却するステップと、
d)ステップc)で得られた懸濁液を少なくとも4%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度に濃縮し、引き続いて、ステップd)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃縮懸濁液を食品の製造における成分として使用するステップと
を含む、食品を調製する方法において、
−ステップd)の濃縮懸濁液の温度がその後の濃縮懸濁液の使用まで最大30℃に維持され、
−ステップd)の濃縮とその後の濃縮懸濁液の使用との間の持続時間が最大で48時間であることを特徴とする、方法。 - 請求項14に記載の方法において、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間が最大で36時間であることを特徴とする、方法。
- 請求項14乃至15の何れか一項に記載の方法において、前記脱ミネラル溶液が、3〜15%(w/w)の天然の変性可能ホエータンパク質を含むことを特徴とする、方法。
- 請求項14乃至16の何れか一項に記載の方法において、前記脱ミネラル溶液が、6〜8の範囲のpHを有することを特徴とすることを特徴とする、方法。
- 請求項14乃至17の何れか一項に記載の方法において、前記懸濁液が、少なくとも6%(w/w)の酸ゲル化可能ホエータンパク質凝集体の濃度が得られるまで濃縮されることを特徴とする、方法。
- 請求項14乃至18の何れか一項に記載の方法において、ステップd)で得られた濃縮懸濁液が、前記懸濁液を限外濾過、ナノ濾過および/または逆浸透法に供することによって製造されることを特徴とする、方法。
- 請求項14乃至19の何れか一項に記載の方法において、ステップc)の冷却懸濁液が、ステップd)で懸濁液を濃縮する前に天然ホエータンパク質と混合され、またはステップd)の濃縮懸濁液が、その後の濃縮懸濁液の使用前に天然ホエータンパク質と混合されることを特徴とする、方法。
- 請求項14乃至20の何れか一項に記載の方法であって、ステップa)の脱ミネラル溶液中の合わせたカルシウムとマグネシウムの総量が最大で120mmol/kg乾燥重量であることを特徴とする、方法。
- 請求項14乃至21の何れか一項に記載の方法であって、ステップd)の濃縮懸濁液の温度が、濃縮懸濁液が使用されるまで、最大で20℃に維持されることを特徴とする、方法。
- 請求項14乃至22の何れか一項に記載の方法であって、ステップd)の濃縮懸濁液がステップd)の終了直後であり、いかなる中間貯蔵もないことを特徴とする、方法。
- 請求項14乃至23の何れか一項に記載の方法であって、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間が最大で1時間であることを特徴とする、方法。
- 請求項14乃至24の何れか一項に記載の方法であって、ステップd)の濃縮とその後の使用との間の持続時間が最大で0.5時間であることを特徴とする、方法。
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