JP2019518119A - アルキルボランを使用することで表面改質を改善する方法 - Google Patents
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Abstract
固体基材の表面を改質する方法であって、表面を、(i)オルガノボランアミン錯体とポリマーとを含む溶液で処理し、続いて(ii)重合性化合物(本明細書では「モノマー」と称する)および任意で脱ブロック剤で処理することを含む方法。
Description
本発明は、固体基材の表面を改質する方法であって、表面を、
(i)オルガノボランアミン錯体とポリマーとを含む溶液で処理し、続いて
(ii)重合性化合物(本明細書では「モノマー」と称する)および任意で脱ブロック剤
で処理することを含む方法に関する。
(i)オルガノボランアミン錯体とポリマーとを含む溶液で処理し、続いて
(ii)重合性化合物(本明細書では「モノマー」と称する)および任意で脱ブロック剤
で処理することを含む方法に関する。
オルガノボランアミン錯体は、ラジカル重合の開始剤として知られている。例えば、米国特許第6248846号明細書(US6248846)には、オルガノボランアミン錯体を含む重合可能なアクリル組成物が記載されている。この混合物は、オルガノボランを遊離させて重合を開始する酸をさらに含む。
国際公開第2010/149637号(WO2010/149637)には、ラジカル硬化性化合物と、オルガノボランアミン錯体と、脱ブロック剤としての炭酸とを含む被覆組成物が開示されている。炭酸は、二酸化炭素と水とを反応させることによりその場で生成される。
低エネルギーのポリマー表面を化学的に改質する二段階の方法は、国際公開第2013/156892(WO2013/156892)から公知である。第一の工程では、表面がオルガノボランアミン錯体の溶液で処理される。第二の工程では、表面が、ラジカル重合性モノマーおよび脱ブロック剤で処理される。
低エネルギーの表面の改質には、例えば、低エネルギーの表面における被覆もしくは印刷または低エネルギーの表面、特にポリプロピレンにおける抗菌改質のような技術的プロセスが含まれる。そのような技術的プロセスについて、良好かつ均一な表面の覆いおよび表面への良好な接着が必要とされる。この点に関して、国際公開第2013/156892号(WO2013/156892)に記載の方法は、さらなる改善をなおも必要とする。
したがって、ポリマー表面を改質するための改善された方法を提供することが本発明の対象であった。
したがって、上記の方法を開発した。
固体基材の表面について
固体基材は、どのような種類の物体であってもよく、どのような形態を有していてもよく、例えば、固体基材は、フィルム、シートまたはボードであってもよい。固体基材の表面は、ポリマー表面であることが好ましい。ポリマーという用語は、ポリマーのブレンドも含む。
固体基材は、どのような種類の物体であってもよく、どのような形態を有していてもよく、例えば、固体基材は、フィルム、シートまたはボードであってもよい。固体基材の表面は、ポリマー表面であることが好ましい。ポリマーという用語は、ポリマーのブレンドも含む。
ポリマー表面は、どのポリマーから製造されてもよい。特に、ポリマー表面のポリマーは、表面エネルギーが低いポリマーである。
表面エネルギーが低いポリマーは通常、液体との弱い相互作用および低い濡れ性しか示さない。表面エネルギーが低いポリマーは通常、その接触角、すなわち、液滴の液体−気体界面が固体−液体界面と交差する角度を特徴とする。接触角が大きいことは通常、表面の濡れが望ましくないことを意味し、その結果、液体は表面との接触が最小限になり、小さな液滴を形成する。本発明において、低エネルギーのポリマー表面は、接触角が、90°〜180°の範囲、好ましくは95°〜150°の範囲、より好ましくは95°〜135°の範囲にある。
表面エネルギーが低いポリマーの例は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびポリスチレン(PS)である。
したがって、好ましいポリマー表面は、PDMS、PE、PP、PTFEおよびPSの表面であるか、それらの任意のブレンドの表面であるか、先のポリマーを少なくとも50%、特に少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも90重量%の合計量で含む任意のブレンドの表面である。
PDMS、PE、PP、PTFEおよびPSの表面が特に好ましい。PPが最も好ましい。
最も好ましい実施形態において、基材全体は、ポリマーフィルム、ポリマーシートまたはポリマーボードのようなポリマー基材である。そのような好ましい実施形態において、基材全体は、その表面とポリマーが同じである基材であり、同様に、ポリマー表面のポリマーに関する上記の実施形態が、基材全体のポリマーに適用される。
工程(i)について
本発明によると、本方法は、固体基材の表面を、オルガノボランアミン錯体とポリマーとを含む溶液で処理することを含む。
本発明によると、本方法は、固体基材の表面を、オルガノボランアミン錯体とポリマーとを含む溶液で処理することを含む。
オルガノボランアミン錯体は、単一のオルガノボランアミン錯体であっても、異なるオルガノボランアミン錯体の混合物であってもよい。
オルガノボランアミン錯体は、式(I):
[式中、R1、R2およびR3は、独立して、アルキル基、シクロアルキル基もしくはヘテロ原子で置換されたそれらの誘導体、アルキルアミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、ただし、R1、R2およびR3のうち少なくとも1つが、アルキル基またはアリール基であり、
R4、R5およびR6は、独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基またはヘテロアリール基であり、ただし、R4、R5およびR6のうち2つ以下が、同時に水素であるか、またはNR4R5R6が、N、O、SおよびPから成る群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子をさらに任意で含む複素環式脂肪族アミンもしくは複素環式芳香族アミンである]
の構造を有することが好ましい。
R4、R5およびR6は、独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基またはヘテロアリール基であり、ただし、R4、R5およびR6のうち2つ以下が、同時に水素であるか、またはNR4R5R6が、N、O、SおよびPから成る群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子をさらに任意で含む複素環式脂肪族アミンもしくは複素環式芳香族アミンである]
の構造を有することが好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、オルガノボランアミン錯体は、トリアルキルボランアミン錯体であり、R1、R2およびR3はアルキル基である。アルキル基は同じであっても、異なっていてもよい。R1、R2およびR3は、独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびsec−ブチルから成る群より選択されることがさらにより好ましい。R1、R2およびR3は、同じであることが最も好ましい。
オルガノボランアミン錯体におけるアミンNR4R5R6は、少なくとも1つの第一級、第二級もしくは第三級アミノ基を有する化合物、または少なくとも1個の窒素原子を含む環系である。このような環系は、O、SおよびPから成る群より選択されるさらなるヘテロ原子を有し得る複素環式脂肪族環系または複素環式芳香族環系であってもよい。
第一級および第二級アミンが好ましく、第一級アミンがさらにより好ましい。本発明の一実施形態において、オルガノボランアミン錯体は、N、O、SおよびPから成る群より選択されるさらなるヘテロ原子を有し得る複素環式脂肪族アミンまたは複素環式芳香族アミンであるアミンNR4R5R6を含む。
本発明の別の好ましい実施形態において、オルガノボランアミン錯体は、1,2−ジアミノプロパン、3−メトキシプロピルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、プロピルアミン、モルホリンおよびピペリジンから成る群より選択されるアミンNR4R5R6を含む。
本発明との関連で使用されるように、「アルキル」という用語は、1〜24個の炭素原子を有する分枝鎖状または非分枝鎖状の飽和炭化水素基を表し、これは例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、イソアミル、sec−アミル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、ヘキシル、4−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、1,2,2−トリメチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、5−メチルヘキシル、1−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,1,2−トリメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、オクチル、6−メチルヘプチル、1−メチルヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−メチルオクチル、1−、2−、3−、4−または5−エチルヘプチル、1−、2−または3−プロピルヘキシル、デシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−および8−メチルノニル、1−、2−、3−、4−、5−または6−エチルオクチル、1−、2−、3−または4−プロピルヘプチル、ウンデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−メチルデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−エチルノニル、1−、2−、3−、4−または5−プロピルオクチル、1−、2−または3−ブチルヘプチル、1−ペンチルヘキシル、ドデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−または10−メチルウンデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−エチルデシル、1−、2−、3−、4−、5−または6−プロピルノニル、1−、2−、3−または4−ブチルオクチル、1−2−ペンチルヘプチル、ならびにイソピノカンフェイルである。アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、イソアミル、sec−アミル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、ヘキシルおよびオクチルであることが好ましい。
「シクロアルキル」という用語は、単環式または多環式の構造部分を含む、3〜16個の炭素原子を有する飽和炭化水素基を表す。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルまたはシクロデシルがある。シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが好ましい。
「アリール」という用語は、フェニルもしくはナフチルのような少なくとも1つの芳香族環系またはその他の芳香族環系を含む、炭素原子を6〜14個有する不飽和炭化水素基を表す。
「ヘテロアリール」という用語は、環炭素原子のうち少なくとも1個が、窒素、酸素または硫黄のようなヘテロ原子と交換されている、環原子を3〜14個有する単環式または多環式の芳香族環系を表す。例としては、ピリジル、ピラニル、チオピラニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、フェナジニル、トリアジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、インドリル、イソインドリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびトリアゾリルがある。
「アルコキシ」という用語は、脂肪族モノアルコールから誘導された−Oアルキル基を表す。「アリールオキシ」という用語は、芳香族モノアルコールから誘導された−Oアリール基を表す。「アルキルアミノ」という用語は、少なくとも1個の水素原子が−NR4R5基と交換されたアルキル基を表す。
好ましい実施形態において、オルガノボランアミン錯体は、分子量が1000g/mol未満であり、より好ましい実施形態において、オルガノボランアミン錯体は、分子量が500g/mol未満である。
溶液は溶媒を含む。溶媒は、単一の溶媒であっても、溶媒の混合物であってもよい。
適切な溶媒は、極性溶媒、例えば、水、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アルコールであっても、非極性溶媒、例えば、ヘキサン、ペンタン、ヘプタンのような炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素、ジエチルエーテルのようなエーテルであってもよい。
好ましい実施形態では、極性溶媒、例えば、水、アルコール、エーテル、ラクタム、ラクトン、アルデヒドまたはケトンを使用する。最も好ましい実施形態では、炭素原子を1〜4個有するアルカノール、例えばイソプロピルアルコール(IPA)を溶媒として使用する。
本発明の好ましい実施形態において、溶液は、オルガノボランアミン錯体を、0.5〜60重量%、より好ましくは5〜40重量%、特に10〜30重量%含む。
工程(i)の溶液は、ポリマーをさらに含む。
ポリマーは、モノマーを重合することで得られ、かつそのようなモノマーに相応する構造単位を少なくとも2つ有する化合物である。
ポリマーは、単一のポリマーであっても、ポリマーの混合物であってもよい。ポリマーは、ホモポリマーであっても、コポリマーであってもよい。コポリマーは、ランダムコポリマーであっても、ブロックコポリマーであってもよい。
ポリマーは、ラジカル重合により得られたポリマーであっても、重縮合物、例えば、ポリエステルまたはポリアミドであっても、重付加物、例えば、ポリウレタンまたはポリエーテルであってもよい。
好ましい実施形態では、溶液の溶媒に可溶なポリマーを使用する。
ポリマーは、21℃、1barで、溶媒100g中で、溶解度が、少なくとも1g、特に少なくとも5g、より好ましくは少なくとも10g、最も好ましくは少なくとも30gであることが好ましい。
特定の好ましい実施形態において、ポリマーは、21℃、1barで、イソプロピルアルコール100g中で、溶解度が、少なくとも5g、より好ましくは少なくとも10g、最も好ましくは少なくとも30gである。
好ましいポリマーは、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリビニルラクトン、ポリビニルラクタムまたはこれらの混合物である。
ポリアルキレンオキシドまたはポリアルキレングリコールは、規定したアルキレンオキシドのホモポリマーであっても、異なるアルキレンオキシドの混合物のコポリマーであってもよい。特定の好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシドまたはポリアルキレングリコールにおけるアルキレンは、C1〜C4アルキレン基またはこれらの混合物であり、特にアルキレン基は、エチレン、n−プロピレンまたはイソプロピレンである。
ポリビニルラクトン、ポリビニルラクタムはそれぞれ、規定したビニルラクトン、ビニルラクタムそれぞれのホモポリマーであっても、異なるビニルラクトン、ビニルラクタムをそれぞれ含むコポリマーであっても、かつ/またはビニルラクトン、ビニルラクタムそれぞれと共重合可能なその他のコモノマーであってもよい。
ポリビニルラクトンは、ビニルラクトンから誘導された重合単位を、少なくとも20重量%、特に少なくとも50重量%含むホモポリマーまたはコポリマーであることが好ましい。
ポリビニルラクタムは、ビニルラクタムから誘導された重合単位を、少なくとも20重量%、特に少なくとも50重量%含むホモポリマーまたはコポリマーであることが好ましい。
ポリビニルラクタムは、N−ビニルピロリドンから誘導された重合単位を、ビニルラクタムとして、少なくとも20重量%、特に少なくとも50重量%含むホモポリマーまたはコポリマーであることがより好ましい。
特定の好ましいポリマーは、ポリビニルラクタムまたはポリアルキレングリコール(PEG)である。
ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリエチレングリコール(PEG)が最も好ましい。
ポリマーは例えば、重量平均分子量(Mw)が、ゲル浸透クロマトグラフィーで求めて、100〜500.000、特に200〜400.000g/molであってもよい。
好ましい実施形態において、溶液は、ポリマーを、0.1〜50重量%、より好ましくは1〜40重量%、特に10〜40重量%含む。
(i)で使用される溶液の粘度は、最大10000mPas、特に最大5000mPasであることが好ましく、溶液は、粘度が、最大1000mPas、特に最大500mPasであることがより好ましい。溶液の粘度は、非常に低くてもよい。しかしながら、粘度は通常、少なくとも0.01mPas、それぞれ少なくとも0.1mPasであろう。
粘度は、25℃(大気圧、1bar)での粘度である。粘度は、ブルックフィールド粘度計により測定される。
工程(i)において、固体基材の表面をオルガノボランアミン錯体の溶液と接触させる。この接触は、例えば、改質すべき基材、例えばポリマーフィルムを溶液に浸漬するかまたは浸すことにより、あるいはキャスティングブレード、ブラシまたはスプレーガンを使用して溶液でフィルムを被覆することにより達成可能である。
接触は、好ましくは0〜60℃で、特に室温で、0.1〜60分、好ましくは1〜10分の時間にわたり生み出される。接触は、例えば、ポリマーフィルムを溶液から除去することで(浸漬した場合および浸した場合)、または溶液が完全になくなるようにフィルムを保持することで(被覆の場合)終了させる。
工程(ii)について
第二の工程において、前処理した表面を重合性化合物(先ほどモノマーと称したもの)と接触させる。この第二の工程において、モノマーを表面にグラフト化させ、重合させてポリマーを生成する。モノマーは、ラジカル重合、特に重合可能な不飽和結合、特にラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合または三重結合を介したラジカル重合を経るモノマーであることが好ましい。
第二の工程において、前処理した表面を重合性化合物(先ほどモノマーと称したもの)と接触させる。この第二の工程において、モノマーを表面にグラフト化させ、重合させてポリマーを生成する。モノマーは、ラジカル重合、特に重合可能な不飽和結合、特にラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合または三重結合を介したラジカル重合を経るモノマーであることが好ましい。
モノマーは、1種の特定のモノマーであっても、モノマーの混合物であってもよい。さらに、工程(ii)で使用されるモノマーまたは混合物は、脱ブロック剤を含んでいてもよい。
脱ブロック剤は、オルガノボランアミン錯体のオルガノボラン部分を遊離させることが必要とされ得る。オルガノボランは、グラフト化開始剤および重合開始剤として作用する。
有用な脱ブロック剤は、アミンと反応する化合物であり得る。好ましい実施形態において、オルガノボランアミン錯体のアミン部分と反応する酸を脱ブロック剤として使用する。例えばモノマー自体が脱ブロック剤として作用する場合(例えばアクリル酸の場合)または脱ブロック化が熱により達成可能である場合、脱ブロック剤は必要とされない。
モノマー、またはモノマーと任意の脱ブロック剤との混合物は、25℃(大気圧、1bar)で液体であることが好ましい。固体のモノマーを使用または併用する場合、溶媒を使用して液体混合物を得てもよい。
工程(ii)は、ポリマー、例えばポリマーフィルムを液体混合物に浸漬するかもしくは浸して、またはポリマー表面を液体混合物で被覆して、モノマーまたは複数のモノマーをグラフトおよび重合させることで同じように達成可能である。
ラジカル重合反応を経るモノマーとしては、以下の種類のモノマーが挙げられる:
重合可能なオレフィン二重結合を含む、式(2):
の構造、
またはアセチレン三重結合を含む、式(3):
の構造、
またはカルボニル基を含む、式(4):
の構造、
または炭素窒素二重結合を含む、式(5):
の構造を有する不飽和化合物、
式中、R7、R8、R9およびR10は、独立して、例えば、水素、アルキル基、シクロアルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、アルカリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリール基もしくはヘテロアリール基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基、エステル基またはニトリル基である。
重合可能なオレフィン二重結合を含む、式(2):
またはアセチレン三重結合を含む、式(3):
またはカルボニル基を含む、式(4):
または炭素窒素二重結合を含む、式(5):
式中、R7、R8、R9およびR10は、独立して、例えば、水素、アルキル基、シクロアルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、アルカリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリール基もしくはヘテロアリール基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基、エステル基またはニトリル基である。
「置換アルキル」という用語は、少なくとも1個の水素原子が、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のようなハロゲン原子と交換されているか、ヘテロ原子、例えば、ホウ素、ケイ素、窒素、リン、酸素、硫黄と交換されているか、アルコキシ、アミノ、アンモニウム、エステル、アミド、ニトリル、カルボニル、カルボキシルなどのような保護されたまたは保護されていない官能基と交換されているアルキル基を表す。
「アラルキル」という用語は、アリール置換されたアルキル基を表し、これには、例えば、ベンジル基、1−または2−フェニルエチル基、1−、2−または3−フェニルプロピル基、メシチル基および2−、3−または4−メチルベンジル基が含まれる。
「アルカリール」という用語は、アルキル置換されたアリール基を表し、これには、例えば、2−、3−または4−メチルフェニル基、2−、3−または4−エチルフェニル基および2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−メチル−1−ナフチル基が含まれる。
好ましいモノマーは、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有する。そのような好ましいモノマーは、アクリル基またはメタクリル基を有するモノマーから選択され、一般的に、(メタ)アクリル、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルラクタム、例えばN−ビニルピロリドン、ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニルもしくはフッ化ビニル、または1つまたは2つの炭素−炭素二重結合を有するオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブタジエンもしくはイソプレンを指す。本発明の好ましい実施形態において、モノマーの混合物におけるモノマーの少なくとも50重量%、特に少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90重量%は、前述の好ましいモノマーから選択される。
本発明のより好ましい実施形態において、モノマーは、アクリル基またはメタクリル基を有するモノマーであるか、アクリル基またはメタクリル基を有するモノマーを少なくとも50重量%、特に少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%含むモノマーの混合物である。
アクリル基またはメタクリル基を有する好ましいモノマーは、(メタ)アクリルエステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルおよびグリシジル(メタ)アクリレートである。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、モノマーの混合物におけるモノマーの少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10重量%は、親水性モノマーである。親水性モノマーは特に、21℃、大気圧で、水100重量部中で、水への溶解度が、少なくとも50重量部であるものとする。親水性モノマーとしては、以下のものを挙げることができる:アクリル酸およびメタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、グリシジルメタクリレート(GMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のようなヒドロキシル基を有する(メタ)アクリルエステル、1−ビニル−2−ピロリジノン(NVP)、または[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(QAEMA)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMA)およびN−ドデシル(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(QAEMA−C12)のような塩の群を有するモノマー、またはこれらの混合物。
本発明の一実施形態において、ラジカル重合性モノマー化合物は、溶液において用いられる。適切な溶媒は、例えば、極性モノマーについては、水、アルコール、テトラヒドロフランであり、非極性モノマーについては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエンおよびベンゼンのような炭化水素、またはジエチルエーテルおよびメチル−tert−ブチルエーテルのようなエーテルである。本発明の好ましい実施形態において、ラジカル重合性モノマー化合物は、溶液において、1〜75%(v/v)の範囲、より好ましくは2〜50%(v/v)の範囲にある濃度で用いられる。
本発明の別の実施形態において、ラジカル重合性モノマー化合物は、原液として用いられる。
本発明によると、脱ブロック剤が任意で用いられる。脱ブロック剤は、オルガノボランアミン錯体を分裂させてオルガノボランを遊離させることができる化合物である。適切な脱ブロック剤は、例えば、三塩化アルミニウムおよびトリフルオロボランのようなルイス酸、無機酸または有機酸のようなブレンステッド酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸またはクエン酸、二酸化炭素、アルデヒド、ケトンなどである。好ましい脱ブロック剤は、アクリル酸およびメタクリル酸である。
本発明の別の実施形態において、比較的高い温度で十分に解離してラジカル重合を開始させるオルガノボランアミン錯体が用いられ、結果として、反応混合物を単純に加熱することでオルガノボランの遊離を達成することができる。そのような場合、さらなる脱ブロック剤はもはや用いられない。
モノマーによる、または任意で脱ブロック剤を含むモノマーの混合物による表面処理は通常、0〜80℃の温度、好ましくは室温で、1〜100分、好ましくは10〜60分の時間にわたり実施される。
本発明による処理の後に、ポリマーの一部の表面にグラフト化されていない余分な重合材料を、例えば、流水のもときれいなブラシで表面を磨くことで、または余分な重合材料を適切な溶媒に溶解させることで除去することができる。
本発明の方法を用いると、ポリマーによる低エネルギーの表面、例えばポリプロピレンの改質が著しく改善される。ポリマーによる表面の完全かつ均質な覆いが達成される。グラフト化がより良好であるため、表面へのポリマーの接着が改善される。改質表面の目視での外観は、均一かつ均質である。
改質表面によって、工業的用途、例えば、被覆プロセスもしくは印刷プロセス、または抗菌性ポリマーによるポリマー表面の抗菌性改質における適合性が改善された。
実施例
A)使用する材料:
ポリマーフィルム:
イソタクチックポリプロピレン(PP)、厚さ0.05mm
使用するボランアミン錯体:
トリ−sec−ブチルボラン−ジアミノプロパン(TsBB−DAP)、式:
および
トリ−n−ブチルボラン−1−メトキシプロピルアミン−3(TnBB−MOPA)
および
トリエチルボラン−ジアミノプロパン(TEB−DAP)
使用するポリマー:
以下のポリビニルピロリドン(PVP)の市販品を使用した:
重量平均分子量を1.400.000g有するBASFのLuvitec(登録商標)K90
重量平均分子量を360.000g有するSigma−AldrichのPVP k360
重量平均分子量を50.000g有するBASFのLuvitec(登録商標)K30。
A)使用する材料:
ポリマーフィルム:
イソタクチックポリプロピレン(PP)、厚さ0.05mm
使用するボランアミン錯体:
トリ−sec−ブチルボラン−ジアミノプロパン(TsBB−DAP)、式:
トリ−n−ブチルボラン−1−メトキシプロピルアミン−3(TnBB−MOPA)
および
トリエチルボラン−ジアミノプロパン(TEB−DAP)
使用するポリマー:
以下のポリビニルピロリドン(PVP)の市販品を使用した:
重量平均分子量を1.400.000g有するBASFのLuvitec(登録商標)K90
重量平均分子量を360.000g有するSigma−AldrichのPVP k360
重量平均分子量を50.000g有するBASFのLuvitec(登録商標)K30。
ビニルピロリドンコポリマーとしては、ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールコポリマー(Mw70.000)であるSokalan(登録商標)HP56を使用した。
ポリエチレングリコールとしては、Mwを20.000有するSigma−AldrichのPEG k20を使用した。
ポリアルキレンコポリマーとしては、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのトリブロックコポリマーPEG−PPG−PEGであるPlurionic(登録商標)F127を使用した。
ボランアミン錯体とポリマーとの溶液
ボランアミン錯体およびポリマーを溶媒に添加することで溶液を調製した。溶媒は、表1に記載されているように、イソプロピルアルコール(IPA)、水またはジオキソランであった。
ボランアミン錯体およびポリマーを溶媒に添加することで溶液を調製した。溶媒は、表1に記載されているように、イソプロピルアルコール(IPA)、水またはジオキソランであった。
モノマーおよびモノマー溶液
以下のモノマーを使用した:
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(QAEMA)
メタクリル酸(AAc)
式:
以下のモノマーを使用した:
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(QAEMA)
メタクリル酸(AAc)
式:
実施例で使用したモノマー溶液は、
19体積%のHEMA
19体積%のQAEMA
2体積%のAAc、および
60体積%のH2O
から成っていた。
19体積%のHEMA
19体積%のQAEMA
2体積%のAAc、および
60体積%のH2O
から成っていた。
B)実施例についての試験手順
室温(約25℃)で手順を実施した。
室温(約25℃)で手順を実施した。
12cm×12cmのポリプロピレン(PP)フィルムをプラスチックフレーム内に固定した。汚れおよび粉塵を圧縮空気で除去した。10ミリリットル(ml)のアルキルボラン溶液(AB)をPPフィルムに注いだ。5分後、1〜30分の間隔にわたりPPフィルムを垂直に吊すことで溶液を除去した。
その後、10mlの上記のモノマー溶液をPPフィルムに施与した。30分後、モノマー溶液を除去した。被覆したPPフィルム溶液を1時間にわたり脱イオン水に漬けた。その後、被覆したPPフィルムを洗浄し、フィルムを手で物理的に磨き、表面に結合していない余分なポリマーを除去した。被覆したものを垂直に保ち、室温(空気のもと)で24時間にわたり乾燥させた。
C)結果
PPフィルムにおいて得られた被覆の品質を評価した。この目視評価の結果を表2に示す:
「なし」とは、ポリマーが表面にグラフト化されなかったこと、または少量のポリマーしか表面にグラフト化されなかったことを意味し、したがって、グラフト化されている場合には、小さな面積しかポリマーで覆われなかった。
PPフィルムにおいて得られた被覆の品質を評価した。この目視評価の結果を表2に示す:
「なし」とは、ポリマーが表面にグラフト化されなかったこと、または少量のポリマーしか表面にグラフト化されなかったことを意味し、したがって、グラフト化されている場合には、小さな面積しかポリマーで覆われなかった。
「不十分」とは、グラフトポリマーが表面を均質には覆わなかったことを意味する。
「良好」とは、グラフトポリマーが、少ししか欠陥を伴わずに、表面を均質に覆ったことを意味する。
「非常に良好」とは、グラフトポリマーが、欠陥なくまたはほぼ欠陥なく、表面を均質に覆ったことを意味する。
Claims (11)
- 固体基材の表面を改質する方法であって、前記表面を、
(i)オルガノボランアミン錯体とポリマーとを含む溶液で処理し、続いて
(ii)重合性化合物(本明細書では「モノマー」と称する)および任意で脱ブロック剤
で処理することを含む方法。 - 前記オルガノボランアミン錯体が、式(I):
R4、R5およびR6は、独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基またはヘテロアリール基であり、ただし、R4、R5およびR6のうち2つ以下が、同時に水素であるか、または
NR4R5R6が、N、O、SおよびPから成る群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子をさらに任意で含む複素環式脂肪族アミンもしくは複素環式芳香族アミンである]
の構造を有する、請求項1記載の方法。 - 前記オルガノボランアミン錯体が、トリアルキルボランアミン錯体である、請求項1または2記載の方法。
- 前記ポリマーが、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリビニルラクトン、ポリビニルラクタムまたはそれらの混合物である、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 前記ポリマーが、ポリエチレングリコールまたはポリビニルピロリドンである、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 工程i)における前記溶液が、ポリマーを0.1〜50重量%含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 前記モノマーが、アクリル基またはメタクリル基を有するモノマーであるか、アクリル基またはメタクリル基を有するモノマーを少なくとも50重量%含むモノマーの混合物である、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
- 前記脱ブロック剤が無機酸または有機酸である、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 処理すべき前記表面が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリスチレン(PS)から選択されるポリマー表面であるか、それらの任意のブレンドのポリマー表面であるか、先のポリマーを少なくとも50重量%の合計量で含む任意のブレンドのポリマー表面である、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
- 前記表面がポリプロピレン表面である、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
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