JP2012506859A - オルガノボラン化合物用ブロッキング剤 - Google Patents

オルガノボラン化合物用ブロッキング剤 Download PDF

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Abstract

オルガノボラン錯体を開示する。錯体は、2官能性ルイス塩基を含むブロッキング剤を含む。ブロッキング剤は、アミン基、および第1の官能基より低いルイス塩基性を有する第2の官能基を含む。ブロッキングは、アミノアルキルピリジンをベースにしている。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年10月23日出願の米国特許仮出願第61/107,947号の利益を主張する。上記出願の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、オルガノボラン錯体で使用されるブロッキング剤に関する。このような錯体は、ラジカル重合開始剤として、かつラジカル重合することができる部分を含む化合物と本発明のオルガノボランアミン錯体開始剤とを含む重合性組成物において有用である。オルガノボラン錯体は、オルガノボランアミン錯体とラジカル重合することができる部分を含む化合物とを含有する接着剤、シーラント(sealant)、コーティング、およびインク組成物においても有用である。
化合物が重合を受け、または接着剤が使用される多くの実際の状況において、オンデマンドで硬化することができる重合性組成物および接着剤組成物を有することは望ましい。オンデマンド硬化とは、望ましいときに重合を開始できることを意味する。オンデマンド硬化組成物の重大な問題は、組成物の安定性である。このような多くの組成物は、周囲温度もしくはその付近で硬化を開始するようになり、または周囲温度で部分硬化するようになり、粘度が上昇し、取扱い難くなり、重合性組成物もしくは接着剤組成物の機能性が低下する。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルロエチレンなどの低表面エネルギーオレフィンは、玩具、自動車部品、家具用途などでの種々の使用において魅力ある種々の特性を有する。これらのプラスチック材料は表面エネルギーが低いので、これらの材料に接合する接着剤組成物を見出すことは非常に困難である。これらのプラスチックに使用される市販の接着剤は、接着剤が表面に接合することになる前に、時間のかかるまたは徹底した表面前処理を必要とする。このような前処理としては、コロナ処理、火炎処理などが挙げられる。徹底した表面前処理の要件によって、自動車部品、玩具、家具などの設計者にはかなりの制約がかかる。徹底したまたはコストのかかる前処理を必要とすることなく、低表面エネルギー基材に接合することができ、かつ低表面エネルギー基材を他の基材に接合させることができる接着剤組成物を有することは望ましい。
オルガノボラン化合物は、低表面エネルギーオレフィンに対して良好な接着性を示す。しかし、オルガノボラン化合物は、空気中で自然発火性であり、メタクリラート接着剤系において非常に反応性が高い。オルガノボラン化合物は、ブロッキング剤を用いて錯体を形成させることによって安定化することができる。ブロッキング剤はオルガノボラン化合物の自然発火性反応を防ぎ、また周囲温度もしくはその付近において、望まれる前に組成物の硬化を低減する。
Sonnenscheinら、米国特許第6,806,330号には、アミンオルガノボラン錯体重合開始剤および重合性組成物が開示されている。アミンは、組成物を安定化させるためのブロッキング剤として働く。アミンは、アミジン構造要素を有するアミン;ヘテロ環式環中に少なくとも1個の窒素を有する脂肪族ヘテロ環、ここで、ヘテロ環式化合物は、ヘテロ環中に1個もしくは複数の窒素原子、酸素原子、硫黄原子、または二重結合も含むことができる;錯体内の分子間または分子内の相互作用のため、B−N結合の強度が増大するように、1個または複数の水素結合受容基をさらに有する第一級アミン、ここで第一級アミンと水素結合受容基の間に、少なくとも2個、好ましくは3個の炭素原子が存在する;あるいは共役イミンである。好ましい水素結合受容基としては、第二級アミン、第三級アミン、エーテル、ハロゲン、ポリエーテル基、またはポリアミン基が挙げられる。本発明の錯体は、ラジカル重合条件下で重合する部分を有する化合物を含有する重合性組成物、接着剤組成物、およびコーティング組成物で使用される。
Mottusら、米国特許第3,275,611号には、オルガノボラン化合物、過酸素化合物(peroxygen compound)、およびアミンを含む触媒を用いて、オレフィン化合物を重合するプロセスが開示されている。それには、オルガノボラン化合物およびアミンは別々にまたは予備形成された錯体として、反応混合物に添加できること、錯体が好ましいことが開示されている。錯体中にアミンが存在すると、空気中でのオルガノボランの自然発火性が低減される。開示されるアミン錯化剤のうちには、ピリジン、アニリン、トルイジン、ジメチルベンジルアミン、ニコチンがある。Mottusで開示される錯体の多くは、全てのアミンとホウ素原子との比において自然発火性である。さらに、アミン錯体の多くは、低表面エネルギー基材に塗布すると、顕著な接着特性を示さない。
Skoultchiに付与された一連の特許(米国特許第5,106,928号、第5,143,884号、第5,286,821号、第5,310,835号、および第5,376,746号)には、アクリリック接着剤組成物において有用であると報告されている2液型開始剤系が開示されている。2液型系の第1液には、安定なオルガノボラン−アミン錯体が含まれ、第2液には、有機酸もしくはアルデヒドなどの不安定化剤または活性化剤が含まれる。錯体のオルガノボラン化合物は、C1〜10アルキル基またはフェニル基から選択することができる3個のリガンドを有する。開示される有用なアミンとしては、オクチルアミン、1,6ジアミノヘキサン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレンジアミン、1,3プロピレンジアミン、および1,2プロピレンジアミンが挙げられる。接着剤組成物は、スピーカー磁石、金属−金属の接合、自動車ガラス−金属の接合、ガラス−ガラスの接合、回路基板構成要素の接合、選ばれたプラスチック−金属の接合、ガラス−木質の接合など、また電動機磁石など、構造用および半構造用接着剤用途において有用であると開示されている。
Zharovらは、一連の米国特許(米国特許第5,539,070号;米国特許第5,690,780号;および米国特許第5,691,065号)において、オルガノボランアミン錯体が硬化を開始するのに使用される、接着剤として特に有用である重合性アクリリック組成物を開示している。使用されるオルガノボランは、C1〜10アルキル基およびフェニルから選択される、ボラン原子に結合している3個のリガンドを有する。アミンは、アルカノールアミンまたはジアミンであり、第1のアミン基は第一級または第二級アミンとすることができ、第2のアミンは第一級アミンである。これらの錯体は、低表面エネルギー基材に結合する接着剤の重合を開始するのによいことが開示されている。
Pociusは、一連の特許(米国特許第5,616,796号;米国特許第5,6211,43号;米国特許第5,681,910号;米国特許第5,686,544号;米国特許第5,718,977号;および米国特許第5,795,657号)において、ジ第一級アミンと第一級アミンと反応する少なくとも2つの基を有する化合物との反応生成物であるポリオキシアルキレンポリアミンやポリアミンなどの種々のアミンとのアミンオルガノボラン錯体を開示している。
Zharov、Skoultchi、およびPociusの特許に開示される錯体の多くは、周囲温度またはその付近において、オレフィン性不飽和を含む組成物中で安定ではなく、したがって錯体は経時的に周囲温度またはその付近において解離し、重合を誘発する。周囲温度またはその付近におけるこの不安定性は、望まれる前に重合を起こすおそれがあり、所望の使用には不適である組成物になるおそれがある。
したがって、自然発火性ではなく取扱いが安全であり、オンデマンド硬化ポリマー系を生成するのに使用することができ、またはオンデマンドで硬化する接着剤系中で使用することができるラジカル重合の開始剤系で使用するためのオルガノボラン錯体中で使用することができる改善されたブロッキング剤が求められている。このような改善されたブロッキング剤は、低表面エネルギー基材に接合することができる接着剤系およびこのような接合を容易にする開始剤系で使用することもできる。このような必要性に加えて、錯体は熱的に安定である必要がある。すなわち、周囲温度またはその付近において解離せず、それによって望まれる前に重合を開始しない。さらに望ましいものは、周囲温度またはその付近において熱的に安定であり、かつ使用者が望むときに重合が行われることになるポリマー組成物および接着剤系中で使用することができるオルガノボラン錯体用の改善されたブロッキング剤である。
一実施形態によれば、2官能性ルイス塩基を含むブロッキング剤を提供する。
本発明の別の適用可能領域は、以下に記載の詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい実施形態を示すものの、例示の目的にすぎず、本発明の範囲を限定するものではないと理解されたい。
様々な化合物の粘度測定値を示すグラフである。 様々な化合物のラップせん断試験結果を示すグラフである。 様々なブロッキング剤の算出された錯体エネルギーを示すグラフである。 メチルメタアクリラート (methylmethacrylate) 酸素 (oxygen) ジメチルエーテル (dimethylether) 3−メトキシプロピルアミン(プロトン化) (3-methoxypropylamine (protonated)) メタノ (methano) イミダゾール(プロトン化) (imidazole (protonated)) o−メトキシメチルアニジン (o-methoxymethylanidine) o−アニシジン (o-anisidine) トリメチルアミン (trimethylamine) トリメチルアミン (trimethylamine) メチル−3−アミノプロパノアート (methyl-3-aminopropanoate) 5−アミントリアゾール(NH2上)− (5-amine triazole (on NH2)-) イミダゾール (imidazole) 3−(メチルチオ)プロパン−1−アミン (3-(methylthio)propan-1-amine) ジメチルアムネ (dimethyllamne) 2−フェニル−イミダゾール−TMB− (2-phenyl-imidazole-TMB-) 3−アミノプロパノール (3-aminopropanol) 5−アミントリアゾール−TMB−(第3N上) (5-amine triazole-TMB-(on third N)) 2−フェニル−イミダゾール− (2-phenyl imidazole-) N−3−アミノプロピル−N−メチルアミン 直鎖 (N-3-aminopropyl-N-methylamine straight) 5−N−メチルプロピルアミン(直鎖) (5-N-methylpropylamine (straight)) n−プロピルアミン (n-propylamine) ツランエチルアミン (turanethylamine) 3−クロロプロピルアミン (3-chloropropylamine) 2−ツランメタンアミン (2-turanmethanamine) 2−メトキシエチルアミン (2-methoxyethylamine) 3−アミノプロパナール (3-aminopropanal) 2−メチルイミダゾール−TMB (2-methylimidazole-TMB) プロピルアミンシタントリオール (str) (propylamine sitanetriol (str)) 4−メトキシブチルアミン (4-methoxybutylamine) 4−メトキシブチルアミン (str) (4-methoxybutylamine (str)) 4−メトキシブチルアミン (cyc) (4-methoxybutylamine (cyc)) 3−フルオロプロピルアミン (3-fluoropropylamine) フルオロプロピルアミン (fluoropropylamine) 3−メトキシプロピルアミン(MOPA) (3-methoxypropylamine (MOPA)) 2エチル−イミダゾール−TMB (2ethyl-imidazole-TMB) N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン (N,N-dimethylpropane-1,3-diamine) 3−フェノキシプロパン−1−アミン (3-phenoxypropan-1-amine) 3−フェノロプロピルアミン (cyc) (3-phenolopropylamine (cyc)) o−メトキシベンジルアミン (o-methoxybenzylamine) 3−メチル−イミダゾール−TMB− (3-methyl-imidazole-TMB-) 2−ピリジンエタンアミン (cyc) (2-pyridineetanamine (cyc)) 2(2−アミノエチル)ピリジン (2(2-aminoethyl) pyridine) 5−アミントリアゾール− (5-amine triazole-) 3−アミノ,1−プロパナール(3-amino, 1-propanal) N−3−アミノプロピル−N−メチルアミン (N-3-aminopropyl-N-methylamine) 5−N−メチルプロピルアミン(環状) (5-N-methylpropylamine (cyclic)) イミダゾール−TMB− (imidazole-TMB-) 5−アミントリアゾール−TMB−(第2N) (5-amine triazole-TMB-(2nd N)) ジメトキシ−sec−ブチルアミン (cyc) (dimethoxy-sec-butylamine (cyc)) 3−アミノプロパン酸アニオン (3-aminopropanoic acid anion) 2−エチル−イミダゾール− (2-ethyl-imidazole-) 2−メチル−イミダゾール− (2-methyl-imidazole-) 3−アミノプロパン酸アニオン (3-aminopropanoic acid anion) 5−アミントリアゾール(第2N上) (5-amine triazole (on 2nd N)) トリアゾール− (triazole-) イミダゾール− (imidazole-) 5−アミントリアゾール(第3N)− (5-amine triazole (third N)-) 3−メチル−イミダゾール− (3-methyl-imidazole-) メトキシ− (methoxy-) ピロール− (pyrolle-) ジメチルアミン− (dimethylamine-)
以下の好ましい実施形態は、例示的な性格のものにすぎず、本発明、その用途または使用を限定するよう意図されているものでは決してない。
本発明の実施形態はオルガノボラン錯体を含む。一実施形態において、オルガノボラン化合物は、2官能性ルイス塩基と共に錯体を形成する。錯体で使用されるオルガノボラン化合物は、アルキルボランとすることができる。アルキルボランはトリアルキルボランまたはアルキルシクロアルキルボランとすることができる。好ましくは、このようなボランは式1:
B−(R 式1
に対応し、式中、Bはホウ素を表し;Rは出現するたびに個別に、C1〜10アルキル、C3〜10シクロアルキルであり、またはRの2つ以上が組み合わさって、脂環式環を形成することができる。Rは、好ましくはC1〜4アルキル、さらにより好ましくはC2〜4アルキル、最も好ましくはC3〜4アルキルである。好ましいオルガノボランのうちには、トリエチルボラン(TEB)、トリイソプロピルボラン、トリn−ブチルボラン(TNBB)がある。
熱的に安定な重合性組成物を調製するには、望まれるときまで周囲温度またはその付近において解離しない熱的に安定な錯体。このような錯体の調製の鍵は、ブロッキング剤の選択である。ブロッキング剤はオルガノボランを安定化する。オルガノボラン錯体中で所与のブロッキング剤を使用することの望ましさは、ルイス酸−塩基錯体と単離されたルイス酸(オルガノボラン)と塩基のエネルギーの合計とのエネルギー差(結合エネルギーと呼ばれる)から算出することができる。結合エネルギーが高くなるほど、錯体が安定になる。
このような結合エネルギーは、Hartree Fock法および3−21G基底などの理論的アブイニシオ法を用いて算出することができる。これらの計算法は、Silicon Graphicsワークステーションを用いてSPARTANおよびGAUSSIAN 98プログラムなどの市販ソフトウェアおよびハードウェアを使用して、商業的に利用可能である。オルガノボランとの結合エネルギーが1モル当たり10キロカロリー以上のブロッキング剤が好ましく、1モル当たり15キロカロリー以上の結合エネルギーを有するブロッキング剤がより好ましい。本発明の組成物の重合が脱錯化剤の使用によって開始される実施形態において、ブロッキング剤とオルガノボランとの結合エネルギーは、好ましくは約50kcal/モル以下、最も好ましくは約30kcal/モル以下である。本発明の組成物の重合が熱の使用により開始される実施形態において、ブロッキング剤の結合エネルギーは好ましくは約100kcal/モル以下、より好ましくは約80kcal/モル以下、最も好ましくは約50kcal/モル以下である。様々なブロッキング剤の結合エネルギーを図3に示す。
一実施形態において、ブロッキング剤は2官能性ルイス塩基を含む。すなわち、ルイス塩基は、好ましくは2つの官能基を有する。1つの官能基は、好ましくはアミン基である。第2の官能基は、アミン基よりルイス塩基性が低い。さらに、これらの官能基は2から4個の原子によって分離されていることが好ましい。第2の官能基のルイス塩基性の低下は、少なくとも3つの方式で実現することができる:(1)第2の官能基は芳香族環の一部分である;(2)第2の官能基はかさ高いアルキル基を有する;(3)基は、第2の官能基が第1の官能基より低いルイス塩基性を有する、似ていない官能基を有する。
したがって、官能基は両方とも、第2の官能基が芳香族環に組み込まれているとき、または第2の官能基が窒素原子にもしくはその周囲に存在するかさ高いアルキル基による立体障害の結果としてルイス塩基性が低いとき、窒素をベースにすることができる。
2官能性ルイス酸はアミノアルキルピリジンとすることができる。一実施形態において、第1の官能基はアミンである。最も好ましくは、アミンは第一級アミンである。第一級アミンの有機置換基の間の水素結合は、第2の官能基と水素結合を形成する。第2の官能基と共に第一級アミンの有機置換基は、環化環(cyclization ring)を形成する。好ましくは、環化環は4員〜8員環である。最も好ましい実施形態において、環化環は6員環である。6員環化環は最低のエネルギー状態である。第2の官能基とアミン基は2個から4個の原子によって分離されている。
一実施形態において、第2の官能基はピリジンとすることができる。この実施形態において、基を分離している原子のうち1から2個は、芳香族環の一部分とすることができる。
第2の官能基は窒素をベースにすると述べているが、第2の官能基のヘテロ原子は、孤立電子対をもつ原子であればいずれであってもよいことを理解されたい。これらには、例えば酸素および硫黄が含まれる。
一実施形態において、ブロッキング剤は、式2に対応するアミノアルキルピリジン:
NH(CH−NC 式2
を含み、式中、bは2〜4の整数である。
式2による好ましいアミンのうちには、エチルアミンがある。したがって、オルガノボランとの使用に好ましいブロッキング剤は、式3による2(2−アミノエチル)ピリジン:
NH(CH−NC 式3
である。
好ましいブロッキング剤を組み込んでいるオルガノボラン錯体は、
Figure 2012506859
に対応する。
記載のように、内部環化はアミンとピリジンで起こる。この内部環化は、ブロッキング剤の分子構築において重要な特徴である。
上述する第2の官能基はピリジンである。窒素をベースにした追加の官能基としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、ピロール、イミダゾール、およびインドールを挙げることができる。したがって、好適なブロッキング剤としては、
Figure 2012506859
2−(キノリン−2−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(イソキノリン−1−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(ピリミジン−4−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(ピラジン−2−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(ピリダジン−3−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(1,3,5−トリアジン−2−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(1H−ピロール−2−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(1H−イミダゾール−5−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(1H−インドール−2−イル)エタンアミン;または
Figure 2012506859
2−(2H−イソインドール−1−イル)エタンアミンを挙げることができる。
第2の官能基は窒素をベースにすると述べているが、第2の官能基のヘテロ原子は、孤立電子対をもつ原子であればいずれであってもよいことを理解されたい。これらには、例えば酸素、硫黄、およびリンが含まれる。
酸素をベースにした第2の官能基の例としては、フランが挙げられる。したがって、好適なブロッキング剤としては、
Figure 2012506859
2−(フラン−2−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(ベンゾフラン−2−イル)エタンアミン;または
Figure 2012506859
2−(イソベンゾフラン−1−イル)エタンアミンを挙げることができる。
硫黄をベースにした第2の官能基の例としては、チオフェンおよびチアゾールが挙げられる。したがって、好適なブロッキング剤としては、
Figure 2012506859
2−(チオフェン−2−イル)エタンアミン;
Figure 2012506859
2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エタンアミン;または
Figure 2012506859
2−(チアゾール−2−イル)エタンアミンを挙げることができる。
リンをベースにした第2の官能基の例としては、ホスフィニンが挙げられる。したがって、好適なブロッキング剤としては、
Figure 2012506859
2−(ホスフィニン−2−イル)エタンアミンを挙げることができる。
特定の動作理論に拘束されることなく、錯体の安定性は、第2の官能基のヘテロ原子と第1の官能基の水素との間の水素結合効果と芳香族環に沿った電子の非局在化(または分布)の結果として実現される効果との組合せの結果として増大すると考えられる。すなわち、内部環化の結果としての水素結合および芳香族環によって生ずる電子の非局在化の効果が組み合わさって、錯体の安定性が増大される。これらの効果は、錯体内の分子間または分子内の相互作用を増大し、したがってB−ブロッキング剤の結合の強度が増大する。安定性の増大によって、とりわけオルガノボランの貯蔵寿命が増大する。
錯体中のブロッキング剤とオルガノボラン化合物とのモル比は、比較的重要である。錯体の中には、ブロッキング剤とオルガノボラン化合物とのモル比が低すぎる場合、自然発火性であるものもある。好ましくは、ブロッキング剤とオルガノボラン化合物とのモル比は約1.0:1.0から約3.0:1.0である。約1.0:1.0の比を下回ると、重合、錯体の安定性、および接着剤として使用する場合には、接着性に問題がある可能性がある。約3.0:1.0を上回る比を用いる利益はないが、約3.0:1.0を上回る比を用いてもよい。ブロッキング剤が過剰に存在する場合、接着剤またはポリマー組成物の安定性に悪影響を与えるおそれがある。好ましくは、ブロッキング剤化合物とオルガノボラン化合物とのモル比は、約2.0:1.0から約1.0:1.0である。
本明細書に記載されるオルガノボラン錯体を含有することができる重合性化合物としては、ラジカル重合で重合することができるオレフィン性不飽和を含む任意のモノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらの混合物が挙げられる。このような化合物は当業者に周知である。参照により本明細書に組み込まれる、Mottusの米国特許第3,275,611号には、このような化合物の説明が第2欄46行から第4欄16行に記載されている。オレフィン性不飽和を含む化合物の好ましいクラスのうちには、アクリラートおよびメタクリラート;オレフィン性不飽和炭化水素、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、1−オクテン、1−ドデセン、1−ヘプタデセン、1−エイコセンなど;スチレン、ビニルピリジン、5−メチル−2 ビニルピリジン、ビニルナプチレン、αメチルスチレンなどのビニル化合物;ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリジエン;アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル;酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル;ビニルオキシエタノール;トリメチル酢酸ビニル;ヘキソン酸ビニル;ラウリン酸ビニル;クロロ酢酸ビニル;ステアリン酸ビニル;メチルビニルケトン;ビニルイソブチルエーテル;ビニルエチルエーテル;ブタジエン、2−クロロブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合を有するものなど、複数のエチレン性結合を有する化合物などに由来するモノマー、オリゴマー、ポリマー、およびそれらの混合物がある。好ましいアクリラートおよびメタクリラートの例は、参照により本明細書に組み込まれるSkoultchiの米国特許第5,286,821号、第3欄50行から第6欄12行、および参照により本明細書に組み込まれるPociusの米国特許第5,681,910号、第9欄28行から第12欄25行に開示される。より好ましいオレフィン化合物は、メチルアクリラート、メチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、tert−ブチルメタクリラート、2−エチルヘキシアクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート、エチルアクリラート、イソボルニルメタクリラート、イソボルニルアクリラート、ヒドロキシエチルメタクリラート、グリシジルメタクリラート、テトラヒドロフルフリルメタクリラート、アクリルアミド、n−メチルアクリルアミド、および他の同様のアクリラート含有モノマーを含む。いくつかの供給源から市販され、またヒドロキシアクリラートなどのイソシアンテ反応性アクリラートモノマー、オリゴマー、またはポリマーとイソシアナート官能性プレポリマーを反応させることによって調製される、アクリラートを先端にもつ(adrylate tipped)ポリウレタンプレポリマーのクラスも有用である。
オルガノボラン錯体が、接着剤として使用される組成物中で使用される場合、アクリラートおよび/またはメタクリラート系化合物が好ましくは使用される。最も好ましいアクリラートおよびメタクリラート化合物としては、メチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート、イソボルニルメタクリラート、テトラヒドロフルフリルメタクリラート、およびシクロヘキシルメチルメタクリラートが挙げられる。
いくつかの実施形態において、オルガノボラン錯体を含む重合性組成物は、重合を開始するためにオルガノボランを遊離させるようにブロッキング剤と反応する有効量の化合物(脱錯化剤)をさらに含んでもよい。ブロッキング剤と反応する化合物は、ブロッキング剤と反応し、それによりブロッキング剤との化学的結合からオルガノボランを取り外すことによってオルガノボランを遊離させる。望ましいアミン反応性化合物は、一般に周囲条件下で容易に使用および硬化することができる組成物を与えるように室温以下、より好ましくは約20℃から22℃の室温でブロッキング剤と反応生成物を容易に形成することができる材料である。このような化合物の一般クラスとしては、酸、アルデヒド、イソシアナート、酸塩化物、塩化スルホニル、それらの混合物などが挙げられる。好ましいアミン反応性化合物は酸である。ブレンステッド酸とルイス酸の両方を使用することができる。参照により本明細書に組み込まれるPociusの米国特許第5,718,977号には、好ましい酸化合物が第9欄1行から15行に記載されている。最も好ましい酸は、アクリル酸およびメタクリル酸である。
重合性組成物または接着剤中の重合性化合物の量は、全組成物の重量に基づいて好ましくは約20重量パーセント以上、より好ましくは約30重量パーセント以上、最も好ましくは約40重量パーセント以上である。重合性化合物の量は、好ましくは約95重量パーセント以下、好ましくは約90重量パーセント以下、最も好ましくは約85重量パーセント以下である。組成物中で使用される錯体の量は、錯体が解離すると所望の重合速さで重合を開始するのに十分な任意の量とすることができる。オルガノボランの濃度が高いと、重合速度が高くなる。オルガノボラン錯体の量は、全組成物の重量に基づいて好ましくは約0.2重量パーセント以上、好ましくは約1.0重量パーセント以上、最も好ましくは約2重量パーセント以上である。
好ましくは、存在するオルガノボラン錯体の量は、組成物の全重量に基づいて約8.5重量パーセント以下である。脱錯化剤が使用される実施形態において、脱錯化剤(開始剤)の量は、オルガノボラン錯体の解離を開始し、それによってオルガノボランがオレフィン性不飽和化合物の重合を開始するのに十分な量である。脱錯化剤の量は、全組成物の重量に基づいて好ましくは約1重量パーセント以上、より好ましくは約1.5重量パーセント以上、最も好ましくは約2重量パーセント以上である。脱錯化剤の量は、全組成物の重量に基づいて好ましくは約8重量パーセント以下、より好ましくは約6重量パーセント以下、最も好ましくは約4重量パーセント以下である。
オルガノボラン錯体は、公知の技法を用いて容易に調製することができる。典型的には、ブロッキング剤とオルガノボランを不活性雰囲気中でゆっくり撹拌しながら混合する。発熱がしばしば観察され、したがって混合物の冷却が推奨される。材料の蒸気圧が高い場合、反応温度を約70℃未満から80℃に維持することが望ましい。材料をよく混合すると、錯体を室温に冷却させる。錯体は、蓋付き容器中に不活性雰囲気下、冷暗所で保存されることが好ましいが、特別な保存条件は必要とされていない。溶媒中で調製することが所望であれば、そうすることができるが、有機溶媒が存在していれば後で除去しなければならないので、本発明の錯体は有機溶媒の非存在下で調製できることが有利である。錯体の調製で使用される溶媒は、好ましくはブロッキング剤を配位結合させないものであるべきであり、好ましい溶媒は、例えばテトラヒドロフランもしくはジエチルエーテル、またはヘキサンもしくはヘプタンなどの低分子量アルカンである。
オルガノボラン錯体は大気下安定性を示す。「大気下安定性」は、錯体を蓋付き容器中に室温(約20℃から22℃)および他の点では周囲条件下で(すなわち、真空下ではなく、不活性雰囲気中でなく)貯蔵すると、錯体はこれらの条件下で何か月も容易に貯蔵することができるが、錯体は重合開始剤として少なくとも約2週間有用なままであることを意味する。
「大気下安定性」は、錯体が自然発火性ではないことも意味する(周囲条件下で、紙タオルに錯体を数滴置くと、紙タオルは発火することも、焦げることも、煙を出すこともない)。
オルガノボラン錯体は、重合を開始するのに使用される機構に応じて、1液型または2液型組成物とすることができる重合性組成物中で使用することができる。一実施形態において、組成物は2液型組成物であり、一方の液は本明細書に記載されるブロッキング剤を有する錯体を含有し、他方の液は脱錯化剤(開始剤)を含有する。重合は、組成物の2液を接触させることによって開始することができる。このプロセスの利点は、周囲温度またはそれをはるかに下回る温度で重合を開始できることである。この実施形態において、重合性組成物に熱を加えて、開始または重合の速度を増すことができる。別の実施形態において、重合組成物は、組成物を加熱することによって開始することができる。この実施形態において、脱錯化剤(活性化剤)は必要とされない。加熱によって、重合が活性化されるとき、組成物は1液型または2液型組成物とすることができる。2液型組成物を使用する主な理由は、互いの存在下で不安定であり得る組成物の成分を離しておくことである。送達機器が複雑でなく、コストもかからず、成分を正しく比率で表す必要がないので、この実施形態において、一般に1液型組成物が好ましい。
熱を使用して、組成物の硬化を活性化する実施形態において、組成物を熱源に曝露させ、組成物中で使用される錯体が分解して、オルガノボランを放出し、次いでラジカル重合を開始する温度以上の温度に組成物を加熱する。一般には、生成されたポリマーが分解を受ける温度未満である温度に、組成物を加熱する。錯体が解離を受ける温度は、錯体の結合エネルギーと関係付けられる。錯体の結合エネルギーが高いと、重合を開始するのに必要な温度が高くなる。オルガノボランが熱によって活性化される実施形態において、重合を開始させるために組成物を加熱する温度は、錯体の結合エネルギーによって指示される。一般には、錯体を脱錯化することによって重合を開始するのに使用される温度は、約30℃以上、好ましくは約50℃以上である。熱により活性化された重合が開始される温度は、好ましくは約120℃以下、より好ましくは約100℃以下である。組成物を所望の温度に加熱する熱源であればいずれでも使用することができる。ただし、熱源が組成物の成分またはその機能に悪影響を与えないことを条件とする。この方式では、組成物を熱に曝露する前または後に、組成物を基材と接触させることができる。基材と接触させる前に、組成物を加熱する場合、組成物が基材にもはや接合できなくなる時点まで重合する前に、組成物と基材を接触させるべきである。これは、通常、以下に定義するオープン時間の上限である。熱によって開始された反応において、ラジカル形成に好適な状態を生じるのに十分ではあるが、重合を阻害するほどではない酸素が存在するように、酸素含有量を制御することが必要である場合がある。
オルガノボラン錯体は、2液型接着剤用の通常の市販分注機器を用いて使用するのに独特に適している2液型重合性組成物または接着剤組成物で使用することができる。有用な可使時間(またはオープン時間)は、モノマーミックス、錯体の量、および接合を行うことができる温度に応じて短い可能性があるので、2液を混合すると、組成物を直ちに使用すべきである。接着剤組成物を基材の一方または両方に塗布し、次いで圧力を加えて基材を合わせて、過剰の組成物をボンドラインから押し出す。これには、大気に曝露され、かつ反応し始めた可能性がある組成物を除去する利点もある。一般に、組成物を塗布したすぐ後、好ましくは約10分以内にボンドを作製すべきである。典型的なボンドライン厚みは、約0.005インチ(0.13mm)から約0.03インチ(0.76mm)である。接合プロセスは室温で容易に実施することができるが、重合度を改善するには、温度を約40℃未満、好ましくは約30℃未満、最も好ましくは約25℃未満に維持することが望ましい。
ボンドは合理的なグリーン強度(green strength)に硬化して、接合させた成分の取扱いが約2から3時間以内に可能になる。全強度(full strength)には、周囲条件下、約24時間で到達するであろう。望むなら、熱を用いた後硬化(post-curing with heat)(典型的には、約80℃)を行ってもよい。
フッ素プラスチックを接合するとき、オルガノボランアミン錯体を添加する前に、2液型組成物の一部分を含有する開始剤を約0℃から約5℃に冷却することは有利である。ボンドは、組成物が塗布された後できるだけすぐに作製すべきである。接合操作をほぼ室温未満で行うことも有用である。
オプションの種々の添加剤をさらに含む組成物で、オルガノボラン錯体を使用することもできる。1つの特に有用な添加剤は、中間分子量から高分子量(約10,000から約1,000,000)のポリメチルメタクリラートなどの増粘剤であり、組成物の全重量に基づいて約10から約60重量パーセントの量で組み込むことができる。増粘剤を使用して、組成物の粘度を増大させて、組成物の塗布を容易にすることができる。
別の特に有用な添加剤は、エラストマー材料である。この材料は、これを用いて作製した組成物の破壊靭性を改善することができ、例えば金属基材などの接合剛性(bonding stiff)高降伏強さ材料が、エネルギーを可撓性ポリマー基材などの他の材料ほど機械的には吸収しないときに有益であり得る。このような添加剤は、組成物の全重量に基づいて約5%から約35重量パーセントの量で組み込むことができる。有用なエラストマー改質剤としては、HYPALON 20 (E. I. Dupont de Nemours & Co., Wilmington, Del.から市販)などの塩素化またはクロロスルホン化ポリエチレン、およびスチレンと共役ジエンとのブロックコポリマー(Dexco Polymersから商標VECTORで市販、およびFirestoneから商標STEREONで市販)が挙げられる。比較的硬質のシェルで囲まれているゴムもしくはゴム様コアまたは網状物を含む粒子などいくつかのグラフトコポリマー樹脂も有用であり、はるかにより好ましく、これらの材料はしばしば、「コア−シェル」ポリマーと呼ばれる。Rohm and Haasから入手可能なアクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフトコポリマーが最も好ましい。組成物の破壊靭性を改善することに加えて、コア−シェルポリマーは、未硬化の組成物に改善された延展性および流れ性(spreading and flow properties)を付与することができる。これらの改善された特性は、シリンジ型アプリケーターによる分注時に望ましくない「ひも」を残し、または垂直面に塗布した後垂れ下がりもしくはスランプする(slump)という組成物の傾向が低減することによって明らかになり得る。耐垂れ下がり−スランプ性の改善を実現するには、約20%超のコア−シェルポリマー添加剤を使用することが望ましい。一般に、強化用ポリマーの使用量は、調製されたポリマーまたは接着剤に所望の靭性を与える量である。
別の有用なアジュバントは架橋剤である。いくつかの組成物は、外部から添加される架橋剤が存在しない場合でさえ良好な耐溶媒性を有するが、架橋剤を使用して、接着剤ボンドまたはポリマー組成物の耐溶媒性を改善することができる。典型的には、組成物の全重量に基づいて約0.2から約10重量パーセントの量で使用され、有用な架橋剤としては、利用可能なアクリリック改質用モノマーとして上記に記載される様々なジアクリラートならびに他の材料が挙げられる。好適な架橋剤の具体例としては、エチレングリコールジメタクリラート、エチレングリコールジアクリラート、トリエチレングリコールジメタクリラート、ジエチレングリコールビスメタクリルオキシカーボナート、ポリエチレングリコールジアクリラート、テトラエチレングリコールジメタクリラート、ジグリセロールジアクリラート、ジエチレングリコールジメタクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリス(2−メチル−1−アジリジンプロピオナート、トリメチロールプロパントリメタクリラート、アクリラートを先端にもつポリウレタン含有プレポリマー、ポリエーテルジアクリラート、およびジメタクリラートが挙げられる。
例えば、組成物の重合する速さを調整し、または重合を完結させるために、過酸化物を(典型的には、組成物の全重量に基づいて約2重量パーセント以下の量で)場合によっては含めてもよい。
ヒドロキノンなどの抑制剤を少量使用して、例えば貯蔵中にオレフィンモノマーの分解を防止または低減してもよい。抑制剤は、重合速度を実質的に低下させることも、またはそれを用いて作製された接着剤もしくは他の組成物の最終的特性を実質的に低減させることもしない量、典型的には重合性モノマーの重量に基づいて約10から約10,000ppmの量で添加してもよい。
他の利用可能な添加剤としては、非反応性着色剤、充填剤(例えば、カーボンブラック)などが挙げられる。様々なオプションの添加剤は、重合プロセス、またはそれを用いて作製された組成物の所望の特性に著しく悪影響を与えることのない量で使用される。
オルガノボラン錯体は、シーラント、コーティング、ポリマーの表面を改質するためのプライマー、および射出成形樹脂を含めて、多種多様な方式で使用することができる重合性組成物でも使用することができる。このような組成物を使用して、とりわけ車両のフロントエンドシステム、およびパイプを含めて、多くの品目を形成することができる。これらは、樹脂トランスファー成形操作などにおいて、ガラスおよび金属繊維マットと一緒にマトリックス樹脂として使用することもできる。これらは、電気部品、プリント回路基板などの製造などにおいて封止剤(encapsulant)およびポッティング(potting)化合物としてさらに使用することができる。非常に望ましいことには、これらが、ポリマー、木質、セラミック、コンクリート、ガラス、およびプライマー処理した金属を含めて、多様な種々の基材を接合することができる重合性接着剤組成物を提供する。別の望ましい関連用途は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリテトラフルオロエチレン、およびそれらのコポリマーなどの低表面エネルギー基材への塗料の接着を促進する際の使用である。この実施形態において、組成物を基材の表面に被覆して、基材表面への最終コーティングの接着が改善されるように表面を改質する。
オルガノボラン錯体は、コーティング用途で使用することができる組成物中で使用することができる。このような用途において、組成物は、水または溶媒などの担体をさらに含んでもよい。コーティングは、コーティングを着色するための顔料、抑制剤、および紫外線安定剤などの使用コーティング用の当業者に周知である添加剤をさらに含有することができる。組成物を粉体コーティングとして塗布してもよく、粉体コーティングで使用するための、当業者に周知である添加剤を含有してもよい。
オルガノボラン錯体は、ポリマー成形部品、押出フィルム、または形状に合わせた物体(contoured object)の表面を改質するために使用することもできる組成物で使用することができる。本発明の組成物を使用して、未改質のプラスチック基材にポリマー鎖を表面グラフトすることによってポリマー粒子の機能性を変更することもできる。
あるいは、水または有機溶媒を含めて、酸非含有環境(non acid containing environment)をもたらす種々の溶媒に本発明の錯体を溶解し、プライマーとして使用することができる。この方式において、接着、表面改質、または重合のために使用する対象である表面に、錯体含有溶液を塗布し、溶媒を乾燥させる。次いで、重合性モノマーを表面上の錯体と接触させ、接着または表面改質を促進させる目的で、またはラジカル重合を開始させるために反応させる。
オルガノボラン錯体は、接合させることがこれまで非常に困難であった低表面エネルギープラスチックまたはポリマー基材を、複雑な表面調製技法、プライマー処理などを用いることなく接着剤で接合させるのに特に有用である重合性組成物中で使用することができる。低表面エネルギー基材は、約45mJ/m以下、より好ましくは約40mJ/m以下、最も好ましくは約35mJ/m以下の表面エネルギーを有する材料を意味する。このような材料のうちには、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリアミド、シンジオタクチックポリスチレン、オレフィン含有ブロックコポリマー、および約20mJ/m未満の表面エネルギーを有するポリテトラフルオロエトレン(TEFLON)などのフッ素化ポリマーが含まれる(「表面エネルギー」という表現は、他者によって「臨界濡れ張力」と同義でしばしば使用される)。本発明の組成物と有用に接合することができるやや高い表面エネルギーを有する他のポリマーとしては、ポリカーボナート、ポリメトルメタクリラート、およびポリビニルクロリドが挙げられる。
オルガノボラン錯体は、2液型接着剤として容易に使用することができる重合性組成物中で使用することができる。重合性組成物の成分は、このような材料を取り扱うとき普通なら行われるようにブレンドされる。脱錯化剤は、通常オルガノボラン錯体とは分離するようにこのブレンドに含められ、したがって2液型組成物の一方の液となる。重合開始剤系のオルガノボラン錯体は、組成物の第2液を形成し、組成物を使用することが望まれる直前に第1液に添加される。錯体は、第1液に直接添加してもよく、またはメタクリル酸メチルなどの適切な担体に前溶解してもよい。
錯体をモノマー、オリゴマー、またはポリマーと隔てて貯蔵して、モノマー、オリゴマー、またはポリマーの早期重合を抑制することが望ましいことがある。オルガノボラン錯体は、モノマーの存在下および酸など、脱錯化剤の非存在下で安定性を大幅に向上させ、したがって組成物の重合性成分と共に貯蔵することができる。錯体を形成するアミン窒素原子とホウ素原子との比が1:1を超える錯体は、十分に安定となることができ、したがって有用な割合で重合性成分とブレンドすることができる。しかし、このような状況では、追加の非重合反応物質(例えば、オルガノボラン遊離促進物質(organoborane liberator))の存在によって、他の望ましくない影響がもたらされるおそれがある。
2液型接着剤が商業および工業の環境で最も容易に使用されるには、2液が組み合わされている比は、簡便な整数であるべきである。これによって、従来の市販のディスペンサーを用いて接着剤を塗布することが容易になる。このようなディスペンサーは、米国特許第4,538,920号および第5,082,147号(参照により本明細書に組み込まれる〜)において明らかにされており、Conprotec, Inc.(Salem N.J.)から商標名MIXPACで入手可能である。典型的には、これらのディスペンサーでは、並んだ配置された一対のチューブ状入れ物が使用され、各チューブは、接着剤の2液のうちの1つを受容するよう意図されている。各チューブについて1つずつ、2つのプランジャーを(例えば、手動で、または手動で作動されるラチェッティング機構によって)同時に前に進めて、チューブの内容物を共通の中空で細長い混合チャンバに汲み入れる。このチャンバには、2液をブレンドするのが容易になるようにスタティックミキサーを入れることもできる。ブレンドされた接着剤を、混合チャンバから基材上に押し出す。チューブが空になると、新しいチューブで置き換え、塗布プロセスを続けることができる。
接着剤の2液を組み合わせる比は、チューブの直径で制御する(各プランジャーは、一定の直径のチューブ内に収容されるような大きさに作製され、プランジャーをチューブに向かって同じ速さで前に進める)。シングルディスペンサーは、種々の異なる2液型接着剤を用いて使用するためのものである場合が多く、プランジャーは、接着剤の2液を簡便な混合比で送達するような大きさに作製される。一般的な混合比としては、1:1、2:1、4:1、および10:1がある。
オルガノボラン錯体を含有する接着剤または重合性組成物の一部分は、室温以上において熱安定性を示すことが好ましい。本明細書では、熱安定性とは、オルガノボラン錯体が解離せず、組成物中に存在するオレフィン性不飽和化合物の重合を開始しないことを意味する。熱安定性は、組成物の粘度が増大し始める温度を決定することによって測定することができる。組成物の粘度が増大する温度が、好ましくは約40℃超、より好ましくは約60℃超、最も好ましくは約80℃超である。粘度の増大は、オルガノボラン錯体が解離し、重合が開始されたことを示す。接着剤として使用される組成物中でオルガノボラン錯体が使用される実施形態において、接着剤は、以下の試験手順に従って、好ましくは約750p.s.i.以上、より好ましくは約1250p.s.i.以上、より好ましくは約1500p.s.i.以上のラップせん断強度を示す。
接着剤成分を混合し、一方または両方の基材(1インチ×4インチ×1/8インチ(25.4mm×101.6mm×3.2mm)のポリプロピレン試験片)に塗布する。直径0.005〜0.030インチ(0.13mm〜0.76mm)のガラスビーズを数重量パーセント添加することによって、接着剤厚さを制御する。試験片を合わせて、ラップせん断試験構成(lap-shear testing configuration)における0.5平方インチ(161mm)から1.0平方インチ(645mm)の基材オーバーラップ(substrate overlap)をもたらす。一定の力をもたらし、接着剤中の気泡をなくすことを容易にする金属製バインダークリップを用いて、試料を適切な位置に保持する。接合させた試料は、試料オーブンを備えた引張試験装置に載せる前に、通常少なくとも約24時間硬化した。試料は、室温および110℃の試験条件についてそれぞれ、1分当たり0.05インチ(0.13mm)および0.5インチ(12.7mm)のクロスヘッド速度で評価する。破断する最大荷重(ポンド)を記録し、この荷重をオーバーラップ面積(平方インチ)で割ることによって最大応力(psi)を算出する。
接着剤のオープン時間は、好ましくは約3分間以上、より好ましくは約5分間以上、最も好ましくは約8分間以上である。接着剤のオープン時間は、好ましくは約30分間以下、より好ましくは約25分間以下、最も好ましくは約20分間以下である。本明細書では、オープン時間は、重合の開始から接着剤を接着剤としてもはや塗布および使用することができなくなる時までの時間である。オープン時間が長すぎる場合、接合強度の低下が認められる。オープン時間が短すぎる場合、組成物は、基材との連結を実現することができる前に重合する。
好ましくは、ポリマー組成物は、塗布を可能にするのに好適な粘度を有する。組成物は、好ましくは約100センチポアズ以上、より好ましくは約1,000センチポアズ以上、最も好ましくは約15,000センチポアズ以上の粘度を有する。接着剤組成物は、好ましくは約100,000センチポアズ以下、より好ましくは約50,000センチポアズ以下、最も好ましくは約30,000センチポアズ以下の粘度を有する。
特定の実施形態
以下の実施例は例示の目的で記載されているにすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。
3種類の接着剤混合物を、以下の通り調製した。
2成分(液)接着剤を、以下に記載するように生成する。一方の成分には、オルガノボラン錯体(硬化剤)をアクリリック樹脂と混合させたものが含まれる。他方の成分は、他方の成分に混ぜ込まれるとオルガノボラン錯体を脱錯化する脱錯化材料、例えばメタクリル酸を有するアクリリック樹脂である。異なるブロッキング剤を使用して、別個の3種類の接着剤を作製した。試料1では、本発明によるブロッキング剤を使用する。試料2および3は異なるブロッキング剤を使用するものであり、比較の目的で準備される。
Figure 2012506859
Figure 2012506859
全ての試料において、ボランのモル数は0.03188で一定に保った。使用するMMAは、Rohm and Haas Companyから供給されるメタクリラートモノマー(50ppm MEHQを含む)である。PARALOID(商標)BTA 753は、Rohm and Haas Companyから供給されるメタクリラート−ブタジエン−スチレンコポリマーである。H ALPALON(商標)20は、DuPontから供給されるクロロスルホン化ポリエチレンである。メタクリル酸およびメトキシードロキノンは、Aldrich Chemical Company, Inc.から供給されたものである。
硬化剤を作製する手順は以下の通りであった。FlackTeck Inc.作製の100 Long Jarに、MMAを添加した。PARALOID(商標)BTA 753をMMAに添加した。ジャーを封止し、Hauschild EngineeringによるFlackTek SpeedMixer(商標)DAC 400 FVZに入れた。材料を2600RPMで4分間混合した。温度が45℃に到達するのが認められた。この材料を、錯体を添加する前に30℃未満に放冷した。材料を30℃未満に放冷すると、錯体を添加した。錯体の添加量を、各試料が同じモル数のボランを含有するように制御した。次いで、材料を1800RPMで1分間混合した。
Hauschild Engineeringによる二重非対称遠心分離FlackTek SpeedMixer(商標)DAC 400 FVZを用いた、樹脂の作製手順は以下の通りであった。ローラーミルを使用して、まずHYPALON(商標)20とメタクリル酸メチル(MMA)を、40%HYPALON(商標)20と60%MMAの比のプレブレンドに混合した。次いで、スピードミキシングカップ(speed mixing cup)に、HYPALON(商標)20/MMAプレブレンドと、続いてメタクリル酸メチルおよびメトキシードロキノン(4−メトキシフェノール(MEHQ))を添加した。次いで、PARALOID(商標)BTA−753をスピードミキシングカップに添加し、直ちに、舌圧子を使用して手で他の材料と混合した。スピードミキシングカップをスピードミキサーに入れ、1800rpmの速さで1分間、3回連続して混合した。赤外線温度プローブを使用して、混合後に各試料の温度を毎回チェックし、均質性を目視評価した。目視で試料が均質でなかった場合、均質性が実現するまで1800rpmでさらに1分間混合するサイクルを利用した。追加の混合の間は、試料を室温で放置することによって、各試料の温度を130°F未満に維持した。各試料を室温に冷却した後、メタクリル酸をスピードミキシングカップに加え、直ちに、舌圧子を使用して手で混合した。次いで、スピードミキシングカップをスピードミキサーに入れ、1800 rpmで1分間、2回混合した。
接着剤組成物の2成分を、硬化剤:開始剤の比が1:1、1:4、または1:10、好ましくは1:1の混合物が可能になるように調合する。所望の比の接着剤を、大気中、バッグ中で、または加圧ガンによって混合することができる。幅1インチ(25.4mm)、オーバーラップ1/2インチ(12.7mm)のポリプロピレン試験片に、接着剤を塗布し、前述のように接着強度を試験する。ラップせん断試験結果を図2に示す。さらに、試料の粘度を測定した。初期粘度と室温で21日経過後の粘度とを測定した。測定の結果を図1に示す。図1および2から容易にわかるように、好ましいブロッキング剤は、ラップせん断強度の増大、および21日の期間にわたってより低い粘度を有することによって明らかなように改善された貯蔵寿命を示した。
最後に、好ましいブロッキング剤および比較試料のブロッキング剤を含めて、いくつかのブロッキング剤の錯体エネルギーの計算値を図3に示す。
本発明の説明は、単なる例示的な性格のものであり、したがって本発明の要旨から逸脱しない変形は、本発明の範囲内にあるものとする。このような変形は、本発明の趣旨および範囲から逸脱するものとみなされるべきではない。

Claims (14)

  1. オルガノボラン化合物、および
    2官能性ルイス塩基を含むブロッキング剤
    を含むオルガノボラン錯体。
  2. 前記2官能性ルイス塩基が、アミノ基、およびアミノ基より低いルイス塩基性を有する第2の官能基を含む、請求項1に記載のオルガノボラン錯体。
  3. 第2の官能基とアミン基が2個から4個の原子によって分離されている、請求項2に記載のオルガノボラン錯体。
  4. 第2の官能基が窒素をベースにしている、請求項2に記載のオルガノボラン錯体。
  5. 第2の官能基が、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、ピロール、イミダゾール、およびインドールを含む群から選択される、請求項4に記載のオルガノボラン錯体。
  6. ブロッキング剤が、式NH(CH−NC[式中、bは2〜4の整数である]に対応する、請求項5に記載のオルガノボラン錯体。
  7. bが2である、請求項6に記載のオルガノボラン錯体。
  8. 次式に対応する請求項7に記載のオルガノボラン錯体
    Figure 2012506859
    [式中、
    Bはホウ素であり、
    は出現するたびに個別に、C1〜10アルキル、C3〜10シクロアルキルであり、またはRの2つ以上が組み合わさって、脂環式環構造を形成することができる]。
  9. 第2の官能基が酸素をベースにしている、請求項2に記載のオルガノボラン錯体。
  10. 前記第2の官能基がフランを含む、請求項9に記載のオルガノボラン錯体。
  11. 第2の官能基が硫黄をベースにしている、請求項2に記載のオルガノボラン錯体。
  12. 第2の官能基がチオフェンおよびチアゾールからなる群から選択される、請求項11に記載のオルガノボラン錯体。
  13. 第2の官能基がリンをベースにしている、請求項2に記載のオルガノボラン錯体。
  14. 第2の官能基がホスフィニンを含む、請求項13に記載のオルガノボラン錯体。
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