JP2019517585A - スボレキサントの中間体及びその共結晶のキラル分割 - Google Patents

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Abstract

(R)−ベンジル 5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール((R)−TED)との共結晶の形成を通じて、スボレキサント又はその製薬上許容される塩を調製する方法に関する。この共結晶は、スボレキサントの中間体、特に(rac)−ベンジル 5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート又はその塩酸塩の分割を提供する。また、このような調製方法において有用な新しい共結晶にも関する。

Description

本出願は、2016年6月6日に出願された欧州特許出願公開第16382260.4号明細書の利益を主張する。
本発明は、スボレキサントの中間体である(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの分割を通じて、スボレキサント又はその塩を調製する方法に関する。また、このような調製方法における有用な新しい共結晶に関する。
スボレキサント(MK−4305)は、[(7R)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノンという国際一般名称(International Non−proprietary Name:INN)であり、そのCAS番号は、1030377−33−3である。それは現在では、Belsomraとして市販されており、不眠症の治療のための選択的デュアルオレキシン受容体拮抗薬である。
スボレキサントの構造は、以下の式(I)に対応する。
Figure 2019517585
スボレキサントは、(R)配置を備えた1つのキラル中心を有する。スボレキサントの合成は、特許文献1の対応特許及びCoxらによる非特許文献1に記載されている。特に、ラセミ1,4−ジアゼパン誘導体((rac)−(VIIIa))のキラル固定相HPLC分割に基づく合成について記載している(スキーム1参照)。
Figure 2019517585
しかし、キラルHPLCによる1,4−ジアゼパン誘導体((rac)−(VIIIa))の鏡像異性体のキラル分割は、工業プロセスに適合せず、並のスループット、大量の溶媒、高コスト、及び大量の廃棄物等のいくつかの欠点がある。
特許文献2では、2,3−ジトルオイル酒石酸、2,3−ジベンゾイル酒石酸、2,3−ジアニソイル酒石酸、及び2,3−ジベンゾイル酒石酸モノ(ジメチルアミド)等の酒石酸誘導体とのジアステレオマー塩の形成に基づいて、スボレキサントの様々な可能性のある中間体の分割が開示されている。これらの可能性のある中間体の中でも、2,3−ジベンゾイルD−酒石酸(DBTA)とのジアステレオマー塩の形成によって、(rac)−(III)の分割を実施した(スキーム2参照)。
Figure 2019517585
DBTAによる(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの分割の2つの例が記載されている(特許文献2の69〜70頁参照)。アセトン中でDBTA(1当量)により(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートを少量(1.25g)結晶化させる例では、18%の収率及び93.4%のee(鏡像異性体過剰率)で、ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート・DBTA塩が得られた。アセトン中でDBTA(0.5当量)により(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートを大量(7.26g)に結晶化させる別の例では、31%のより高い収率及び76.6%のより低いeeで、ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート・DBTA塩が得られた。エタノール中でのこの最後の化合物の再結晶により、64%の収率及び95.4%のeeで化合物が得られた。95.4%のeeで化合物を得るための全体的な収率は19.8%である。従って、両例では、低い収率(18〜19%)及び<96%のeeで、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート・DBTAが得られた。これらの例の鏡像異性体過剰率が低いままであるため、eeが98〜99%に達するように、1回以上の追加の再結晶を実施すべきであり、この分割の低い収率をより更に低下させる。
国際公開WO2008/069997号公報 国際公開WO2016/020404号公報
J.Med.Chem.2010,vol.53,pp.5320−5332
従って、改善された収率及びより高い%eeで、スボレキサントの中間体である(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートを分割する効率的な方法を提供する必要がある。
本発明者らは、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール((R)−TED)との共結晶の形成による、(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート((rac)−(III))又はその塩(塩酸塩等)の分割方法を開発した。
本発明者らの知見によれば、スボレキサント中間体の分割への共結晶の使用は、先行技術にて開示されていない。分割剤として使用するための共結晶の同定は、日常的に行わず、共結晶の形成は、理論的には予測することができない。他のキラル1,2−ジオールもまた本発明者らが試験したが成功しなかった。従って、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶の形成は、当該技術分野へ寄与すると考えられる。
従って、本発明の態様は、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶に関し、式中、Cbzは、ベンジルオキシカルボニルであり、これは、1:1の(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩:(R)−TEDのモル比を有する。
Figure 2019517585
本発明の別の態様は、a)アセトニトリル、イソプロパノール、エチルアセテート、アセトン、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、及びトルエンからなる群から選択される溶媒中において、a1a)式(rac)−(III)の(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの塩酸塩及び(R)−TEDの混合物、あるいは、a1b)式(rac)−(III)の(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート、(R)−TED、及び塩酸、のいずれかを混ぜ合わせることと、a)混合物を完全に溶解するまで加熱すること、またはあるいは、室温と還流温度との間で懸濁化すること、のいずれかと、a)必要に応じて、この混合物を冷却することと、a)こうして得られた工程a)又はa)の共結晶を単離することと、を含む方法によって、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩((R)−(III)・HCl)(式中、Cbzは、ベンジルオキシカルボニルである)と(R)−TEDとの共結晶の調製を含む分割方法に関する。
Figure 2019517585
工程a)又はa)で得られた共結晶は、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶である。
先の方法の特定の実施形態では、塩は塩酸塩である。
先の方法により、式(rac)−(III)の(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート又はその塩の分割の実施が可能になる。この方法は、工程a)の共結晶を(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート又はその塩に変換することを含み得る。
(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート又はその塩、特に、その塩酸塩の分割方法は、a)上述の開示された方法によって、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶を調製することと、任意で、こうして得られた共結晶を、再結晶によるか有機溶媒中での懸濁化によるかのいずれかで精製することと、b)こうして得られた共結晶を解離し、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの塩酸塩を生成することと、所望であれば、それを式(R)−(III)のその遊離塩基に変換することと、所望であれば、c)得られた遊離塩基を許容される酸と反応させることにより、その塩に変換することと、を含み得る。
Figure 2019517585
1回の再結晶を含む場合、先の方法では、約25〜30%の十分な収率で、非常に高い%ee(1回のみの再結晶で>99%のee)が得られる。更に、同一の溶媒を分割方法の工程のうちの2つ(例えば、結晶化による共結晶の形成及び次の再結晶)に使用できる。追加の利点は、解離工程中におけるTEDの容易な回復である。分割方法は、(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート若しくはその塩酸塩から、又はこれらの化合物のいずれかの(R)及び(S)鏡像異性体のその他の比率の混合物から実施することができる。
本発明の別の態様は、上記のような、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶の、(R)−スボレキサント又はその製薬上許容される塩の調製のための中間体としての使用に関する。
また、本発明の一部は、式(I)のスボレキサント又はその製薬上許容される塩を調製する方法であり、この方法は、a)上述の分割方法を実施することと、こうして得られた化合物を、詳細が以下に開示されている現況技術に開示された方法により、スボレキサント又はその製薬上許容される塩に変換することと、を含む。これらの方法は、スボレキサントを調製する既知の方法よりも工業適用性及び実用性に優れており、既存の方法の欠点を克服する。
Figure 2019517585
(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート・HClと(R)−TEDとの共結晶(形態Aと呼ばれる)のXRPDを示す。 形態AのH NMRを示す。 形態AのDSCを示す。 形態AのTGAを示す。
理解するために、下記の定義が、本明細書、特許請求の範囲、及び図面全体に適用されることが含まれ、並びに予期される。
特に指示しない限り、本発明の文脈において、用語「スボレキサント」は(R)−スボレキサントに関する。両用語は同じ意味で用いられる。
用語「共結晶」は、本明細書では、室温(20〜25℃)にて単位格子を構成し、弱い相互作用により相互作用する、少なくとも2つの異なる構成成分を有する結晶体を指す。従って、共結晶では、ターゲット分子は1つ以上の中性成分で結晶化する。共結晶は、1以上の溶媒分子を結晶格子中に含んでもよい。
用語「弱い相互作用」は、本明細書では、イオン性でも共有結合性でもない相互作用を指し、例えば、水素結合、ファンデルワールス相互作用、およびπ−πスタッキングが挙げられる。
本発明の共結晶の構成成分の比率が特定される場合、共結晶を形成する2つの構成成分間のモル比を指す。用語「モル比」は、共結晶の各構成成分の理論量をモルで表すために使用される。
X線回析図の特徴的なピークの値が与えられる場合、それは「近似」値であると言われる。値は、Cu−Kα放射線(λ=1.5406Å)によりX線回折計で測定された対応するリスト又は表に示される値±0.3度である2θであると理解すべきである。
本明細書にて開示する用語「室温」は、加熱又は冷却していない環境の温度を指し、一般に20〜25℃で構成される。
本発明の目的のために、所与の任意の範囲は、範囲の下端点及び上端点の両方を含む。温度、時間等の所与の範囲は、具体的に指示しない限り、おおよそと考えるべきである。
鏡像異性体過剰率(Enantiomeric excess:ee)は、キラル物質に使用される純度の測定値である。サンプルが一方の鏡像異性体を他方の鏡像異性体よりも大量に含有する度合いを反映する。用語「鏡像異性体純度」(又は光学純度)は、1つの鏡像異性体のもう一方の鏡像異性体と比較した過剰画分と定義される。
表現「によって得られる共結晶」は、共結晶を得るための方法によって、本発明の各特定の共結晶を定義するために本明細書で使用され、本明細書にて開示された対応する方法のいずれかによって得られる生成物を指す。本発明の目的のために、表現「得られる」、「得られた」、および同等の表現は、同じ意味で用いられ、いずれの場合も、表現「得られる」は、表現「得られた」を包含する。
用語「湿式粉砕」及び「液体補助粉砕」は、同等であり、いくらかの溶媒滴を添加して、生成物又は混合物を摩砕又は粉砕することからなる技術を指す。水なし粉砕及び液体補助粉砕は、共結晶を生成するために用いることができる技術である。水なし(乾式)粉砕では、乳棒及び乳鉢を使用して、ボールミルを使用して、又は振動ミルを使用して、共結晶形成剤を手動で一緒に粉砕する。液体補助粉砕又は混練中に、少量の液体(溶媒)、例えば、いくらかの液体滴を粉砕混合物に添加する。
前述のように、本発明の一部は、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール((R)−TED)との共結晶の供給であり、これは、1:1の(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩:(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールのモル比を有する。
Figure 2019517585
式(II)中、Cbzはベンジルオキシカルボニル基を表す。
好ましい実施形態では、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶は、形態Aと呼ばれる結晶形である。この共結晶形態Aは、扱いが簡単で、室温で結晶安定性を示す。
本発明の共結晶の特定の結晶形は、X線粉末回折(XRPD)、プロトン核磁気共鳴分析(H NMR)、示差走査熱量計(DSC)、及び熱重量分析(TGA)によって特定できる。
回折測定は、45kV及び40mAで動作する、Cu K−α放射線及びピクセル検出器を装備した、反射θ−θ配置のPANalyticalX’Pert PRO回折計上で周囲条件にて実施される。各粉末をゼロバックグラウンドシリコンホルダー上に取り付け、データ収集中に0.25回転/秒で回転できるようにした。測定角範囲は、0.013°のステップサイズで3.0〜40.0°(2θ)であった。スキャン速度は0.32826°/秒であった。
プロトン及び炭素核磁気共鳴分析を、5mmの広帯域プローブATB1H/19F/Xを装備したVarian Mercury 400分光計にて、重水素化クロロホルム中で記録した。0.6mLの重水素化溶媒中に5〜10mgのサンプルを溶解して、スペクトルを取得した。
DSC分析をMettler DSC2で記録した。2.4900mgのサンプルをピンホール蓋付きの40μLアルミニウムるつぼ内に量り取り、窒素下(50mL/分)にて、25〜300℃まで10℃/分で加熱した。
熱重量分析(TGA)をMettler TGA/SDTA851e熱重量分析器で記録した。4.3400mgのサンプルを100μLアルミニウムるつぼ内に量り取り、蓋で密閉した。サンプルを窒素下(50mL/分)にて、25〜550℃まで10℃/分で加熱した。
好ましい実施形態では、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶の形態Aは、Cu−Kα放射線(λ=1.5406Å)で約5.3、10.6、及び15.8度の2θに特徴的なピークを含むX線回析図を有することを特徴とする。より好ましい実施形態では、この共結晶は、X線粉末回折図において、Cu−Kα放射線(λ=1.5406Å)で約9.8、12.9、及び19.7度の2θに特徴的なピークを更に含むことを特徴とする。更により好ましい実施形態では、この共結晶は、X線粉末回折図において、Cu−Kα放射線(λ=1.5406Å)で約6.5、15.3、15.8、19.4、及び22.4度の2θに特徴的なピークを更に含むことを特徴とする。
より具体的には、この新しい共結晶形態Aは、X線粉末回折図において、表1に示す、2θ単位が度(2θ(°))で表されるピークのパターンを示すことを特徴とする。
表1:選択されたピークの一覧(相対強度が1%超又は1%に等しいピークのみを示す):
Figure 2019517585
この共結晶形態Aは、図1のようなX線回析図によって更に特徴づけることができる。
この共結晶形態Aはまた、次のH NMRスペクトルによって更に特徴づけることができる:H NMR(CDCl、400Mhz)δ=9.78(s br,2H),7.73〜7.67(m,2H芳香族),7.43〜7.27(m,8H芳香族),7.21〜7.03(m,10H芳香族),5.66〜5.62(m,1H),5.19〜5.09(m,2H,Ph−CH2−CO),4.06〜3.89(m,1H),3.79〜3.49(m,3H),3.46〜3.25(m,2H),3.16(s,1H,−OH)3.12〜2.90(m,1H),2.52(d,1H,−OH),2.33〜2.18(m,1H),2.15〜1.97(m,1H),1.57〜1.51(m,3H,−CH)。この共結晶形態Aは、図2のようなH NMRスペクトルによって更に特徴づけることができる。
共結晶形態Aはまた、DSC分析で測定された、約152℃(融解エンタルピー−107.89J/g)で開始する融点に対応する吸熱の鋭いピークによって更に特徴づけることができる。この共結晶形態Aは、図3のようなDSC分析によって更に特徴づけることができる。
共結晶中の(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート・HCl:(R)−TED比率は、H NMR、滴定、又は元素分析によって判定できる。
上記のような、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶の調製に使用された予備方法は、アセトニトリル、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、ジクロロメタン、及びトルエンからなる群から選択される溶媒中において、a)式(rac)−(III)の(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの塩酸塩及び(R)−TEDの混合物、又は選択的に、b)(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート、(R)−TED、及び塩酸の混合物、のいずれかを、湿式粉砕することを含む。特定の実施形態では、使用された溶媒はアセトニトリルである。
前述のように、本発明の一部は、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶を調製する方法であり、このプロセスは、a)アセトニトリル、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、及びトルエンからなる群から選択される溶媒中において、a1a)式(rac)−(III)の(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの塩酸塩及び(R)−TEDの混合物、又は選択的に、a1b)式(rac)−(III)の(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート、(R)−TED、及び塩酸、のいずれかを混ぜ合わせることと、a)混合物を完全に溶解するまで加熱すること、又は室温と還流温度との間で懸濁化すること、のいずれかと、a)必要に応じて、この混合物を冷却することと、a)こうして得られた工程a)又はa)の共結晶を単離することと、を含む。
塩酸は塩酸水溶液でもよいため、溶媒系は前述の溶媒(アセトニトリル、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、及びトルエン)のいずれかと水、好ましくはACNと水との混合物であってもよい。特に、溶媒/水の混合物中における水の量は、最大10体積/体積%で含まれてもよい。特定の実施形態では、水の量は、5〜10体積/体積%で含まれる。
特定の実施形態では、使用された溶媒はアセトニトリルである。別の特定の実施形態では、共結晶はアセトニトリル中で懸濁化することにより得られる。別の特定の実施形態では、共結晶はアセトニトリルからの結晶化により得られる。従って、好ましくは還流温度で熱溶液をゆっくりと冷却し、共結晶を結晶化させる。溶液をシーディングし、結晶化を促進することができる。
(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート((rac)−(III))は、CoxらによるJ.Med.Chem.2010、第53巻、5320〜5332頁又は国際公開第2008069997(A1)号(この特許出願のスキームE参照)に記載されている方法を使用して調製可能である。こうして得られた(rac)−(III)を、例えば、適切な溶媒中で塩酸と反応させること等の既知の方法により、その塩酸塩に転換することができる。(R)−TEDは市販されており(CAS番号95061−46−4)、また、安価な原材料であるマンデル酸から、当該技術分野において既知方法により、容易に且つ経済的に得ることができる。
本発明の共結晶は再結晶により精製できる。従って、その調製後、共結晶を更なる再結晶に供することができる。好ましい実施形態では、分割方法は1回の再結晶工程を更に含む。特定の実施形態では、本発明の共結晶は形態Aである。
また、これらを懸濁化プロセスに供することもできる。両方の場合(再結晶又は懸濁化)において、溶媒は、アセトニトリル、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、及びトルエンからなる群から選択される。特定の実施形態では、使用された溶媒はアセトニトリルである。同一の溶媒を、調製工程及び再結晶工程又は懸濁化工程に使用できる。
好ましい実施形態では、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶の形態Aは、溶媒としてアセトニトリルを使用して調製される。
本発明の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶はまた、その調製方法によって定義されてもよい。従って、本発明のこの態様は、上述の方法によって得られる、上記の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶として配合されることができ、任意で、本方法の任意の好ましい又は特定の実施形態、及び上述のいくつかの方法要素の可能性のある組み合わせを含むことができる。
式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶の、(R)−スボレキサント又はその製薬上許容される塩の調製のための中間体としての使用もまた、本発明の一部である。スボレキサントは≧99%のeeで得ることができる。本発明の共結晶は、スボレキサントの調製において重要な中間体の分割を可能にする。
従って、(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート又はその塩酸塩の分割方法はまた、本発明の一部であり、a)上述のプロセスによって、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TED)との共結晶を調製することと、任意で、こうして得られた共結晶を、再結晶又は懸濁化することのいずれかと、b)こうして得られた共結晶を解離して、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの塩酸塩を生成することと、所望であれば、塩をその式(R)−(III)の遊離塩基に変換することと、所望であれば、得られた遊離塩基を適切な酸と反応させることにより、その塩に変換することと、を含む。
Figure 2019517585
好ましい実施形態では、分割方法は、出発物質としてのラセミのベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート遊離塩基から実施される。別の好ましい実施形態では、分割方法は、出発物質としてのラセミのベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの塩酸塩から実施される。
分割方法の特定の実施形態では、解離工程は、(1)室温にて水中で、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶を懸濁化することと、(2)媒体から(R)−TEDを分離することと、(3)水相を塩基性化することと、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートを適切な有機溶媒で抽出することと、を含む。こうして得られた溶液を次の工程に直接使用することができる。あるいは、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート遊離塩基を溶液から単離することができる。一例として、混ぜ合わされた有機相を濃縮し、真空下で室温にて乾燥して、無色の油として、(R)−(III)遊離塩基を得ることができる。所望であれば、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート遊離塩基の塩は、遊離塩基を適切な酸と反応させることにより調製できる。
(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの塩酸塩を含有する水相を、例えば1Mの水酸化ナトリウム(pH12)で塩基性化することができ、例えばジクロロメタンで、好ましくは2回抽出することができる。
別の特定の実施形態では、解離工程は、(1)室温にて水中で、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶を懸濁化することと、(2)媒体から(R)−TEDを分離することと、(3)水相を濃縮し、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの塩酸塩を単離することと、を含む。
(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート・HClと(R)−TEDとの共結晶(形態A)が室温にて水中で懸濁化することにより解離される場合、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩は、水中に溶解したままであり、水に不溶性の(R)−TEDは、結晶化する。結晶性(R)−TEDは、例えば、ろ過により、又は有機溶媒中における抽出により反応媒体から回収され得る。
(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−l−カルボキシレート遊離塩基の鏡像異性体過剰率は、実施例の項にて説明されるように判定できる。結果は、本発明の方法(例えば、実施例4、5、及び8参照)は、優れた鏡像異性体過剰率(96%のeeの代わりに>99%のee)で、国際公開第2016020404(A1)号に記載されている分割方法よりも高い全体収率(20%の代わりに最大30%)をもたらすことができると示している。
他の鏡像異性体(S)−(III)又はその塩酸塩は、TEDの他の鏡像異性体、即ち(S)−TEDを使用して同一の方法で分割できる。それは、その鏡像異性体と同一のX線、DSC、及びTGAを有する。
各化合物のキラリティは、実施例9に示されるとおり判定できる。
上記のように、本発明の方法により得られた(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート(R)−(III)又はその塩は、当該技術分野において既知の方法により、スボレキサント又はその製薬上許容される塩に容易に変換できる。この変換には2つの異なるアプローチがあり得る。
1つのアプローチは、a)式(IV)(式中、Xは、OH、又はClである)の安息香酸誘導体を用いて、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート(R)−(III)又はその塩をN−アシル化することと、b)N−脱保護し、化合物(VI)を提供することと、c)ベンゾキサゾール誘導体化合物(VII)とカップリングすることと、を含む。このアプローチは、例えば、国際公開第20080699997号、またはJ.Med.Chem.2010、第53巻、5320〜5332頁に適用される。
従って、本発明の一部はまた、式(I)のスボレキサント又はその製薬上許容される塩を調製する方法であって、この方法は、a)上記の分割方法を実施することと、b)式(IV)(式中、Xは、OH、又はClである)の安息香酸誘導体を用いて、こうして得られた式(R)−(III)の化合物をN−アシル化して、式(V)の化合物を生成することと、c)こうして得られた式(V)の化合物のアミノ基を脱保護して、式(VI)の化合物を提供することと、d)工程c)で得られた化合物と式(VII)(式中、Yは、H、Cl、又はBrである)のベンゾキサゾール誘導体とをカップリングして、スボレキサント(I)又はその製薬上許容される塩を生成することと、e)所望であれば、得られたスボレキサント遊離塩基を許容される酸と反応させることにより、その製薬上許容される塩に変換することと、を含む。
先の方法の工程b)は、特に、出発物質が(R)−(III)の塩酸塩である場合、塩基の存在下で実施してもよい。適切な塩基の例は、三級アミン(例えば、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン)又は無機塩基(例えば、炭酸カリウム等のアルカリ金属カーボネート)である。
式(IV)の化合物において、XがOHである場合、カップリングは、当業者に周知のカップリング剤により実施され得る。
YがH、Cl、又はBrであるカップリングを実施するための例示的な手順は、それぞれ国際公開第2015008218号、国際公開第2008069997号、及び国際公開第2013169610号に見出すことができる。
このアプローチは、以下のスキームに図示されている。
Figure 2019517585
式(R)−(III)及び(V)において、Cbzはベンジルオキシカルボニルを意味する。
別のアプローチは、オルソゴナル(orthogonal)保護基PGを用いて、上記の化合物(R)−(III)をN−保護すること、それに続くN−Cbz開裂を包含する。次いで、スボレキサントは、a)式(VII)のベンゾキサゾール誘導体とカップリングすることと、b)N−脱保護し、化合物(XI)を提供することと、c)安息香酸誘導体(IV)とカップリングすることと、を含む方法によって得ることができる。このアプローチの態様は、例えば、国際公開第2016020404(A1)号、国際公開第2015008218(A2)号、及び国際公開第2012148553(A1)号に適用され、ここで、X及びYは、上記のとおり定義される。
従って、本発明の一部はまた、式(I)のスボレキサント又はその製薬上許容される塩を調製する方法であって、この方法は、a)上述の分割プロセスを実施することと、b)オルソゴナル保護基PG(即ち、Cbzの存在下で選択的に除去することができる保護基)を用いて、こうして得られた式(R)−(III)の化合物をN−保護し、式(VIII)の化合物を生成することと、c)Cbz保護基を開裂して、式(IX)の化合物を生成することと、d)こうして得られた化合物と式(VII)(式中、Yは、H、Cl、又はBrである)のベンゾキサゾール誘導体とをカップリングして、式(X)の化合物を生成することと、e)式(X)の化合物をN−脱保護して、式(XI)の化合物を生成することと、f)式(XI)の化合物と式(IV)(式中、Xは、OH、又はClである)の安息香酸誘導体とをカップリングし(X=OHであるカップリングは、当業者に周知のカップリング剤を用いて実施され得る)、スボレキサント又はその製薬上許容される塩を生成することと、所望であれば、g)得られたスボレキサント遊離塩基を製薬上許容される酸と反応させることにより、その製薬上許容される塩に変換することと、を含む。
先の方法の工程b)は、特に、出発物質が(R)−(III)の塩酸塩である場合、塩基の存在下で実施してもよい。適切な塩基の例は、三級アミン(例えば、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン)又は無機塩基(例えば、炭酸カリウム等のアルカリ金属カーボネート)である。
このアプローチは、以下のスキームに図示されている。
Figure 2019517585
上述のスボレキサントの調製方法の特定の実施形態では、化合物(IV)におけるXは、塩素である。スボレキサントの調製方法の別の特定の実施形態では、化合物(VII)におけるYは、臭素又は塩素である。
Cbz基の脱保護は、例えば、H、Pd(OH)、EtOAcを用いた水素化分解によって実施することができる。このアミノ保護基は、当該技術分野において既知の他の手順によって導入及び除去することができる(T.W.GreeneおよびG.M.WutsのProtective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley、N.Y.、1999、531〜535頁参照)。
PG基は、好適なオルソゴナルアミノ保護基である。本発明で使用する場合、用語「好適なオルソゴナルアミノ保護基」は、選択されたCbz開裂条件(例えば、水素化分解)に対して安定であり、式(R)−(III)の化合物の他のアミノ基を保護するのに使用される保護基Cbz以外の任意のアミノ保護基を包含することを意味する。アミノ基のための代表的な保護基は、当業者に周知であり、例えば、T.W.Greene及びG.M.WutsのProtective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley、N.Y.、1999(第7章参照)に記載されている。PGのための好ましい保護基としては、Boc(tert−ブチルオキシカルボニル)、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)、メチル及びエチルカルバメート等のカルバメート形成基、トシル等のスルホンアミド形成基、並びにホルミル、(非)置換アセチル、及びベンゾイル等のアミド形成基が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、PGはBocである。
例えば、トリエチルアミン等の塩基及びジクロロメタン等の適切な溶媒の存在下にて、化合物(IX)と化合物(VII、Y=Cl又はBr)とのカップリング、及び式(XI)の化合物と式(IV、X=Cl)の安息香酸誘導体とのカップリングを実施することができる。
例えば、国際公開第2015008218(A2)号により、酢酸及びアセトニトリル中でCu(OAc)の存在下にて、化合物(IX)と化合物(VII、Y=H)とのカップリングを実施することができる。
当業者に既知のアミド形成カップリング試薬の存在下にて、化合物(XI)と式(IV,X=OH)の安息香酸誘導体とのカップリングを実施することができる。
用語「製薬上許容される塩」は、無機酸又は有機酸を含む製薬上許容される無害の酸から、当該技術分野において既知の方法で調製された塩を指す。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、又はp−トルエンスルホン酸が挙げられる。
明細書及び特許請求の範囲を通して、語「含む(comprise)」及びその語の変化形は、他の技術的特徴、添加物、構成成分、又は工程を除外することを意図するものではない。更に、語「含む(comprise)」は、「からなる(consisting of)」の場合を包含する。本発明の更に別の目的、利点、及び特徴は、本明細書を検討することによって当業者には明白となるか、又は本発明の実施によって知ることができよう。下記の実施例及び図面が実例として提供され、これらは本発明の限定であることを意図しない。更に、本発明は、本明細書に記載された特定の及び好ましい実施形態の全ての可能性のある組み合わせを含む。
実施例1:(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶(形態A)、及び(S)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(S)−(−)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶の検出
使用される出発物質は、(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート・HCl及び(R)−TED(1:1)又は(S)−TED(1:1)である。
(S)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(S)−(−)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶は、懸濁化すること、及びアセトニトリル(ACN)中で湿式粉砕することの両方により得られた。
(S)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(S)−(−)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶はまた、溶媒としてイソプロパノール、エチルアセテート、アセトン、及びトルエンを用いて懸濁化することにより、また、イソプロパノール、エチルアセテート、アセトン、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、ジクロロメタン、及びトルエンを用いて湿式粉砕することにより得られた。
(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶(形態A)は、(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート・HClと(R)−TED(1:1)とを、懸濁化すること、及びACN中で粉砕することにより得てもよい。
(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶(形態A)はまた、溶媒としてイソプロパノール、エチルアセテート、アセトン、及びトルエンを用いて懸濁化することにより、また、イソプロパノール、エチルアセテート、アセトン、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、ジクロロメタン、及びトルエンを用いて湿式粉砕することにより得てもよい。
実施例2:アセトニトリル(ACN)中で懸濁化することによる、(S)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(S)−(−)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶、及び(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶(形態A)の調製
エッペンドルフ内で、ラセミのベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩(19.8mg,0.07mmols)及び(S)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール(20.1mg,0.07mmols)をアセトニトリル(0.2mL)中で懸濁させた。得られた懸濁液を室温にて15時間(一晩)撹拌した。次いで、固体を遠心分離器によって回収し、高真空下で室温にて乾燥した。
(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールと(形態A)は、(S)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールの代わりに(R)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールから出発する同一の方法により得てもよい。
実施例3:ACN中で湿式粉砕することによる、(S)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(S)−(−)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶、及び(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶(形態A)の調製
エッペンドルフ内で、(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩(20.3mg,0.07mmols)、(S)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール(20.2mg,0.07mmols)、2滴のアセトニトリル、及び3個の鉄球を混ぜ合わせた。3回10分間30MHzで、得られた混合物を粉砕乳鉢で摩砕し、固体を高真空下で室温にて乾燥した。
(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールと(形態A)は、(S)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールの代わりに(R)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールから出発する同一の方法により得てもよい。
実施例4:ACNから結晶化することによる、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶(形態A)の調製
10mL丸底フラスコ内で、(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩(1g,3.52mmol)及び(R)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール(1.027g,3.53mmol,1.0当量)をアセトニトリル(6.0mL)中で懸濁させた。得られた混合物を加熱還流させた。得られた透明溶液を10分間還流状態にて撹拌した後、室温までゆっくり冷却した。冷却中に、混合物を形態Aによって各10℃でシーディングし、白色固体が60℃にて結晶化し始めた。室温になったら、得られた懸濁液を3時間室温にて、及び1時間0〜5℃にて、氷浴しながら撹拌した後、固体を単離した。白色固体を焼結漏斗(番号3)でろ過し、冷アセトニトリル(2×1.0mL)で2回洗浄し、高真空下で室温にて乾燥し、白色固体として形態A(835mg,41%収率,88%ee)を得た。
実施例5:ACNからの、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶(形態A)の再結晶
磁気撹拌を装備した10mL丸底フラスコ内で、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールの共結晶(形態A)(801.4mg,1.39mmol,88%ee)をアセトニトリル(4.8mL)中で懸濁させた。得られた混合物を加熱還流させた。得られた透明溶液を10分間還流状態にて撹拌した後、室温までゆっくり冷却した。冷却中に、混合物を形態Aによって各10℃でシーディングし、白色固体が60℃にて結晶化し始めた。室温になったら、得られた懸濁液を3時間室温にて、及び1時間0〜5℃にて、氷浴しながら撹拌した後、固体を単離した。白色固体を焼結漏斗(番号3)でろ過し、冷アセトニトリル(2×0.8mL)で2回洗浄し、高真空下で室温にて乾燥し、白色固体として形態A(639mg,80%収率,>99%ee)を得た。
シーディング結晶は、上述の方法のいずれかによって得てもよい。これらは更に、出発物質として式(R)−(III)の(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートを使用する以外は、上述の湿式粉砕方法から得ることができる。
実施例6:ACNからの、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶(形態A)、および(S)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(S)−(−)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶の結晶化
表1に示す条件にて、7体積のACN中で共結晶を結晶化するいくつかのアッセイを実施した。
Figure 2019517585
実施例7:ACNからの、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶(形態A)、及び(S)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(S)−(−)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶の再結晶
表2に示す条件にて、6体積のACN中で共結晶を再結晶化するいくつかのアッセイを実施した。
Figure 2019517585
実施例8:(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールとの共結晶(形態A)の解離による、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート遊離塩基の調製
磁気撹拌を装備した10mL丸底フラスコ内で、形態A(94mg,0.164mmols,>99%ee)を冷水(2.0mL)中で懸濁させ、1時間0〜4℃にて、氷浴中で撹拌した。焼結漏斗(番号3)を使用して(R)−TEDをろ過し、冷水(2×0.5mL)で2回洗浄し、高真空下で室温にて乾燥し、白色結晶性固体として(R)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール(44mg,92%回収率)を得た。
混ぜ合わせた水性母液をTBME(2×1mL)で洗浄した後、ジクロロメタン(3mL)及び1Mの炭酸ナトリウム溶液をpH10になるまで添加した。激しく撹拌した後、相を分離し、水相をジクロロメタン(2×3mL)で2回抽出した。混ぜ合わせた有機相を水(3mL)及び食塩水(3mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を室温にて真空下で蒸留し、淡黄色油として(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート遊離塩基(40mg,84%収率,99%ee)を得た。
実施例9:(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−l−カルボキシレート遊離塩基のキラル配置の判定
(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−l−カルボキシレート遊離塩基のキラル配置を、
a)Sandoz特許(国際公開第2016020404(A1)号、例えば、17頁以降及び70頁以降参照)に記載されているDBTAを用いた(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの分割を再現すること、によって判定し、キラルHPLC分析により、(R)−III保持時間と形態A保持時間との比較を可能にし、(R)−TEDが(R)−III・HClとの共結晶を形成することを確認した。
分析的なHPLC分析をChiralpak IAカラム(5μm,4.6mm×250mm)で、溶出液としてヘプタン/EtOH(0.2%DEA)が90:10の混合物を用いて、1mL/分の流量にて実施した((R)−IIIは、最初に溶出する鏡像異性体であり、Tr(R)−IIIは12.0分及び(S)−III)は14.0分である)。
b)(R)−III遊離塩基の第2アミンをBoc基で保護することと、比旋光度([α]−24.0(c1.10,クロロホルム))を測定することと、それを文献値([α]−24.3(c1.0,クロロホルム),CoxらによるJ.Med.Chem.2010、第53巻、5320〜5332頁参照)と比較すること。
引用文献のリスト
特許文献
−WO2008069997A1
−WO2016020404A1
−WO2015008218A1
−WO2012148553A1
非特許文献
−J.Med.Chem.2010,vol.53,pp.5320−5332

Claims (15)

  1. 式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩(式中、Cbzは、ベンジルオキシカルボニルである)と(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール((R)−TED)との共結晶であって、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩:(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオールのモル比が1:1である、共結晶。
    Figure 2019517585
  2. 形態Aと呼ばれる結晶形であり、Cu−Kα放射線(λ=1.5406Å)で約5.3、10.6、及び15.8度の2θに特徴的なピークを含むX線回析図を有することを特徴とする、請求項1に記載の共結晶。
  3. 前記X線粉末回折図において、Cu−Kα放射線(λ=1.5406Å)で約9.8、12.9、及び19.7度の2θに特徴的なピークを更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の共結晶。
  4. 融点に対応する吸熱の鋭いピークは、約152℃で開始することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の共結晶。
  5. 式(rac)−(III)の(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート又はその塩の分割方法であって、
    a)請求項1の式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶を調製する方法であって、
    )アセトニトリル、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、及びトルエンからなる群から選択される溶媒中において、a1a)式(rac)−(III)の(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの塩酸塩及び(R)−(+)−1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール((R)−TED)の混合物、あるいは選択的に、a1b)式(rac)−(III)の(rac)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート、(R)−TED、及び塩酸、のいずれかを混ぜ合わせる工程と、
    Figure 2019517585

    )こうして得られた前記混合物を完全に溶解するまで加熱する工程、又は選択的に、室温と還流温度との間で懸濁化する工程、のいずれかと、
    )必要に応じて、この混合物を冷却する工程と、
    )工程a)又はa)で得られた式(II)の前記共結晶を単離する工程と、を含む方法によって、前記共結晶を調製することと、
    b)工程a)で得られた前記共結晶を(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート又はその塩に変換することと、
    を含む、分割方法。
  6. アセトニトリル、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、及びトルエンからなる群から選択される溶媒中における、請求項5の工程a)で得られた前記共結晶の再結晶工程を更に含む、請求項5に記載の分割方法。
  7. 前記調製工程の前記溶媒はアセトニトリルである、請求項5〜6のいずれかに記載の分割方法。
  8. 前記再結晶工程の前記溶媒はアセトニトリルである、請求項5〜7のいずれかに記載の分割方法。
  9. 工程b)は、前記共結晶を解離して、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートの塩酸塩を生成することと、所望であれば、前記塩をその式(R)−(III)の遊離塩基に変換することと、所望であれば、こうして得られた化合物を適切な酸と反応させることにより、その塩に変換することと、を含む、請求項5〜8のいずれかに記載の分割方法。
    Figure 2019517585
  10. 前記解離工程は、
    (1)0℃〜室温の水中で、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの前記共結晶を懸濁化することと、
    (2)媒体から前記(R)−TEDを分離することと、
    (3)水相を塩基性化することと、式(R)−(III)の前記(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートを適切な有機溶媒で抽出することと、任意で式(R)−(III)の前記(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートを遊離塩基として単離することと、所望であれば、前記対応する酸を添加することにより、前記遊離塩基をその塩に変換することと、を含む、請求項9に記載の分割方法。
  11. 前記解離工程は、
    (1)0℃〜室温の水中で、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの前記共結晶を懸濁化することと、
    (2)媒体から前記(R)−TEDを分離することと、
    (3)水相から式(R)−(III)・HClの前記(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩を単離することと、を含む、請求項9に記載の分割方法。
  12. 請求項1〜4のいずれかに記載の、式(II)の、(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート塩酸塩と(R)−TEDとの共結晶の、(R)−スボレキサント又はその製薬上許容される塩の調製のための中間体としての使用。
  13. 式(I)のスボレキサント又はその製薬上許容される塩を調製する方法であって、
    Figure 2019517585

    a)請求項5〜11のいずれかに記載の分割方法を実施して、式(R)−(III)の(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート又はその塩酸塩を生成することと、
    b)任意で塩基の存在下にて、式(IV)(式中、Xは、OH又はClである)の安息香酸誘導体を用いて、式(R)−(III)の化合物をN−アシル化して、式(V)の化合物を生成することと(式中、化合物(R)−(III)及び(V)におけるCbzは、ベンジルオキシカルボニルである)、
    Figure 2019517585

    c)こうして得られた式(V)の前記化合物のアミノ基を脱保護して、式(VI)の前記化合物を提供することと、
    Figure 2019517585

    d)工程c)で得られた前記化合物と式(VII)(式中、Yは、H、Cl、又はBrである)のベンゾキサゾール誘導体とをカップリングして、スボレキサント(I)又はその製薬上許容される塩を生成することと、
    Figure 2019517585

    e)所望であれば、得られたスボレキサント遊離塩基を製薬上許容される酸と反応させることにより、その製薬上許容される塩に変換することと、
    を含む、方法。
  14. 式(I)のスボレキサント又はその製薬上許容される塩を調製する方法であって、
    Figure 2019517585

    a)請求項5〜11のいずれかに記載の分割方法を実施して、式(R)−(III)の(R)−ベンジル5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート又はその塩酸塩を生成することと、
    b)任意で塩基の存在下にて、オルソゴナル保護基PGを用いて、式(R)−(III)の化合物マタハその塩酸塩をN−保護して、式(VIII)の化合物を生成することと、
    Figure 2019517585

    c)前記Cbz基を開裂して、式(IX)(式中、PGは、アミノ保護基である)の化合物を生成することと、
    Figure 2019517585

    d)こうして得られた前記化合物と式(VII)(式中、Yは、H、Cl、又はBrである)のベンゾキサゾール誘導体とをカップリングして、式(X)(式中、PGは、アミノ保護基である)の化合物を生成することと、
    Figure 2019517585

    e)式(X)の前記化合物をN−脱保護して、式(XI)の化合物を生成することと、
    Figure 2019517585

    f)式(XI)の前記化合物と式(IV)(式中、Xは、OH、又はClである)の安息香酸誘導体とをカップリングして、スボレキサントまたはその製薬上許容される塩を生成することと、
    Figure 2019517585

    所望であれば、
    g)得られたスボレキサント遊離塩基を製薬上許容される酸と反応させることにより、その塩に変換することと、
    を含む、方法。
  15. PGは、tert−ブトキシカルボニル保護基である、請求項14に記載の方法。
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