他に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
「MLL融合タンパク質」は、パートナータンパク質と融合されるMLLのN末端フラグメントを持つタンパク質を指す。パートナータンパク質の限定されない例は、11q23、11q23.3、11q24、1p13.1、1p32(EPS15)、21q22、9p13.3、9p22(MLLT3/AF9)、ABI1、ABI2、ACACA、ACTN4、AFF1/AF4、AFF3/LAF4、AFF4/AF5、AKAP13、AP2A2、ARHGEF12、ARHGEF17、BCL9L、BTBD18、BUD13、C2CD3、CASC5、CASP8AP2、CBL、CEP164、CEP170B、CREBBP、DCP1A、DCPS、EEFSEC/SELB、ELL、EPS15、FLNA、FNBP1、FOXO3、GAS7、GMPS、KIAA1524、LAMC3、LOC100131626、MAML2、ME2、MLLT1/ENL、MLLT10/AF10、MLLT11/AF1Q、MLLT3/AF9、MLLT4/AF6、MLLT6/AF17、MYH11、MYO1F、NA、NEBL、NRIP3、PDS5A、PICALM、PRPF19、PTD、RUNDC3B、SEPT11、SEPT2、SEPT5、SEPT6、SEPT9、SMAP1、TET1、TNRC18、TOP3A、VAV1、及びXq26.3(CT45A2)を含む。MLL融合タンパク質は、MLLタンパク質をコードする遺伝子と、融合遺伝子を生成するパートナータンパク質をコードする遺伝子との結合を介して生成される場合もある。この融合遺伝子の翻訳は、元のタンパク質の各々に由来する機能特性を持つ1つ又は複数のポリペプチドを結果としてもたらす場合もある。
用語「Cx−y」又は「Cx−Cy」は、アルキル、アルキニル、又はアルケニルなどの化学部分と組み合わせて使用されると、鎖の中にxからy個の炭素を含む基を含むことを意味する。例えば、用語「Cx−yアルキル」は、鎖の中にxからy個の炭素を含む直鎖アルキル及び分枝鎖アルキル基を含む、置換又は非置換の飽和炭化水素基を指す。「Cx−yアルケニル」及び「Cx−yアルキニル」は、少なくとも1つの二重又は三重結合をそれぞれ含む、置換又は非置換の直鎖又は分枝鎖の不飽和炭化水素基を指す。本明細書において具体的に別段の定めが無い限り、Cx−yアルキル、Cx−yアルケニル、又はCx−yアルキニルは、本明細書に記載される置換基などの1以上の置換基によって随意に置換される。
「炭素環」は、環の原子が各々炭素原子である、飽和、不飽和、又は芳香族の環を指す。炭素環は3−10員単環式環、6−12員二環式環、及び6−12員架橋環を含み得る。二環式炭素環の環は各々、飽和環、不飽和環、及び芳香環から選択され得る。幾つかの実施形態において、炭素環はアリールである。幾つかの実施形態において、炭素環はシクロアルキルである。幾つかの実施形態において、炭素環はシクロアルケニルである。典型的な実施形態において、芳香環(例えばフェニル)は、飽和環又は不飽和環、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、又はシクロヘキセンに融合される場合もある。飽和二環式環、不飽和二環式環、及び芳香族二環式環の任意の組み合わせは、原子価が許容するように、炭素環式の定義に含まれる。典型的な炭素環はシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、アダマンチル、フェニル、インダニル、及びナフチルを含む。本明細書において具体的に別段の定めが無い限り、炭素環は、本明細書に記載される置換基など、1以上の置換基によって随意に置換される。
「複素環」は、1以上のヘテロ原子を含む、飽和環、不飽和環、又は芳香環を指す。典型的なヘテロ原子はN、O、Si、P、B、及びSの原子を含む。複素環は、3−10員単環式環、6−12員二環式環、及び6−12員架橋環を含み得る。二環式複素環の環は各々、飽和環、不飽和環、及び芳香環から選択され得る。複素環は、原子価が許容する、複素環の炭素原子又は窒素原子などの、複素環の任意の原子を介して分子の残部に結合される場合もある。幾つかの実施形態において、複素環はヘテロアリールである。幾つかの実施形態において、複素環はヘテロシクロアルキルである。典型的な実施形態において、複素環(例えばピリジル)は、飽和環又は不飽和環、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、又はシクロヘキセンに融合される場合もある。
「ヘテロアリール」は、ヘテロ原子がそれぞれN、OおよびSから独立して選択され得る、少なくとも1つのヘテロ原子を含む3〜12員の芳香環を指す。本明細書に使用されるように、ヘテロアリール環は、単環式又は二環式、及び融合又は架橋された環系から選択されてもよく、ここで、環系における環の少なくとも1つは芳香族であり、即ち、ヒュッケル理論に従った環式の非局在化(4n+2)π−電子系を含む。ヘテロアリール中のヘテロ原子は随意に酸化し得る。1以上の窒素原子は、存在する場合、随意に四級化される。ヘテロアリールは、原子価が許容する、ヘテロアリールの炭素原子又は窒素原子などの、ヘテロアリールの任意の原子を介して分子の残部に結合される場合もある。ヘテロアリールの例は、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2−c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、5,8−メタノ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6−ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a−オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,5−c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニル、チエノ[2,3−c]ピリジニル、及びチオフェニル(即ち、チエニル)を含む。本明細書において具体的に別段の定めが無い限り、用語「ヘテロアリール」は、本明細書に記載される置換基などの1以上の置換基によって随意に置換される、上記に定義されるようなヘテロアリールを含むことを意味する。
本開示の化合物はまた、それら化合物、同じタイプの活性を持つ前記化合物の薬学的に許容可能な塩、及び活性代謝物の結晶及び非結晶の形態を含んでおり、例えば、前記化合物の多形、擬似多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、立体多形、及び非結晶形態の他に、それらの組み合わせが含まれる。
本明細書に記載される化合物はそれらの天然同位体存在度を示し、或いは、原子の1つ以上は、同じ原子数を持つが、主に自然に見出される原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を持つ、特定の同位体において人為的に富化され得る。本開示の化合物の同位体の変形は全て、放射性であるか否かにかかわらず、本開陳の範囲内に包含される。例えば、水素には、1H(軽水素)、2H(重水素)、及び3H(トリチウム)で表される3つの自然発生の同位体がある。軽水素は、自然における水素の最も豊富な同位体である。重水素の富化は、インビボの半減期及び/又は曝露の増大といった特定の治療上の利点をもたらし、或いは、薬物排泄及び代謝のインビボの経路を調べるのに有用な化合物を提供し得る。同位体的に富化された化合物は、当業者に周知の従来技術によって調製され得る。
「異性体」は、同じ分子式を持つ異なる化合物である。「立体異性体」は、原子が空間配置される方法においてのみ異なる、異性体である。エナンチオマーは、互いに重ねることができない鏡像である立体異性体の対である。一対のエナンチオマーの1:1の混合物は、「ラセミ」混合物である。用語「(±)」は、適切な場合にラセミ混合物を表すために使用される。「ジアステレオ異性体」又は「ジアステレオマー」は、少なくとも2つの不斉原子を持つ立体異性体であるが、互いの鏡像ではない。絶対立体化学は、Cahn−Ingold−PrelogのR−Sシステムに従い指定される。化合物が純粋なエナンチオマーである時、各キラル炭素での立体化学は、R又はSの何れかによって特定され得る。絶対配置が分かっていない分解された化合物は、ナトリウムD線の波長で面偏光を回転させる方向(右旋性又は左旋性)によって、(+)又は(−)と指定され得る。本明細書に記載される特定の化合物は、1つ以上の不斉中心を含んでおり、故に、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性型を生じさせることができ、その不斉中心は、絶対立体化学に関して、(R)−又は(S)−として定義され得る。本件の化学実体、医薬組成物、及び方法は、ラセミ混合物、光学上純粋な形態、ジアステレオマーの混合物、及び中間の混合物を含む、そのような全ての起こり得る立体異性体を含むことを意味する。光学的に活性な(R)−及び(S)−異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を使用して調製され、或いは従来の技術を使用して分離され得る。化合物の光学活性は、キラルクロマトグラフィー及び偏光分析を含むがこれらに限定されない適切な方法を介して分析することができ、他の異性体に対する1つの立体異性体の優位の程度が判定され得る。
炭素炭素二重結合又は炭素窒素二重結合を持つ化学実体は、Z−形態又はE−形態(或いは、シス−形態又はトランス−形態)で存在し得る。更に、幾つか化学実体は様々な互変異性型で存在し得る。別段の定めがない限り、本明細書に記載される化学実体は、同様にZ−、E−、及び互変異性の形態を全て含むように意図される。
用語「置換した」は、構造の1つ以上の炭素又はヘテロ原子上で水素を置き換える置換基を持つ部分を指す。「置換」又は「〜で置換される」は、そのような置換が置換された原子及び置換基の許容された原子価に従うものであり、且つ、置換の結果、例えば再配列、環化、除去などによる変形を自発的に受けない、安定した化合物がもたらされるという、暗黙の条件を含んでいる。本明細書で使用されるように、用語「置換した」は、有機化合物の許容可能な置換基を全て含むと考慮される。広範囲の態様において、許容可能な置換基は、有機化合物の非環式及び環式の、分枝及び未分枝の、炭環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族の置換基を含む。許容可能な置換基は、適切な有機化合物に対して1つ以上及び同じ又は異なるものであり得る。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、及び/又は、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載される有機化合物の任意の許容可能な置換基を備え得る。置換基は、本明細書に記載される任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、又はアシル)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、又はチオホルメートなど)、アルコキシル、ホスホリル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、硫酸塩、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、炭素環、複素環、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香部分及びヘテロ芳香部分を含み得る。幾つかの実施形態において、置換基は、本明細書に記載される任意の置換基、例えば:ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO2)、イミノ(=N−H)、オキシモ(=N−OH)、ヒドラジノ(=N−NH2)、−Rb−ORa、−Rb−OC(O)−Ra、−Rb−OC(O)−ORa、−Rb−OC(O)−N(Ra)2、−Rb−N(Ra)2、−Rb−C(O)Ra、−Rb−C(O)ORa、−Rb−C(O)N(Ra)2、−Rb−O−Rc−C(O)N(Ra)2、−Rb−N(Ra)C(O)ORa、−Rb−N(Ra)C(O)Ra、−Rb−N(Ra)S(O)tRa(tは1又は2である)、−Rb−S(O)tRa(tは1又は2である)、−Rb−S(O)tORa(tは1又は2である)、及び−Rb−S(O)tN(Ra)2(tは1又は2である);及びアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルを含み、それらの何れかは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO2)、イミノ(=N−H)、オキシモ(=N−OH)、ヒドラジン(=N−NH2)、−Rb−ORa、−Rb−OC(O)−Ra、−Rb−OC(O)−ORa、−Rb−OC(O)−N(Ra)2、−Rb−N(Ra)2、−Rb−C(O)Ra、−Rb−C(O)ORa、−Rb−C(O)N(Ra)2、−Rb−O−Rc−C(O)N(Ra)2、−Rb−N(Ra)C(O)ORa、−Rb−N(Ra)C(O)Ra、−Rb−N(Ra)S(O)tRa(tは1又はである)、−Rb−S(O)tRa(tは1又は2である)、−Rb−S(O)tORa(tは1又は2である)、及び−Rb−S(O)tN(Ra)2(tは1又は2である)によって随意に置換され;ここで、Raはそれぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルから選択され、Raはそれぞれ、原子価が許容して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO2)、イミノ(=N−H)、オキシモ(=N−OH)、ヒドラジン(=N−NH2)、−Rb−ORa、−Rb−OC(O)−Ra、−Rb−OC(O)−ORa、−Rb−OC(O)−N(Ra)2、−Rb−N(Ra)2、−Rb−C(O)Ra、−Rb−C(O)ORa、−Rb−C(O)N(Ra)2、−Rb−O−Rc−C(O)N(Ra)2、−Rb−N(Ra)C(O)ORa、−Rb−N(Ra)C(O)Ra、−Rb−N(Ra)S(O)tRa(tは1又は2である)、−Rb−S(O)tRa(tは1又は2である)、−Rb−S(O)tORa(tは1又は2である)、及び−Rb−S(O)tN(Ra)2(tは1又は2である)で随意に置換され;及びここで、RBはそれぞれ独立して、直接結合、或いは直鎖又は分枝鎖のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンの鎖から選択され、RCはそれぞれ、直鎖又は分枝鎖のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンの鎖である。
適切な場合、置換基はそれ自体で置換され得ることが当業者によって理解される。「非置換の」と具体的に明記されていない限り、本明細書中の化学部分への言及は、置換された変異体を含と理解される。例えば、「ヘテロアリール」基又は部分に対する言及は、置換及び非置換の変異体の両方を暗黙に含んでいる。
置換基がそれらの従来の化学式によって特定され、左から右に書かれる場合に、これらは、右から左に構造を書くことに起因する化学的に同一の置換基を等しく包含し、例えば、−CH2O−は−OCH2−に等しい。
用語「塩」又は「薬学的に許容可能な塩」は、当該技術分野で周知の様々な有機及び無機の対イオンに由来する塩を指す。薬学的に許容可能な酸付加塩は、無機酸と有機酸で形成され得る。塩が由来し得る無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。塩が由来し得る有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。薬学的に許容可能な塩基付加塩は、無機塩基と有機塩基で形成され得る。塩が由来し得る無機塩基は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含む。塩が由来し得る有機塩基は、例えば第一級、第二級、及び第三級アミン、自然発生の置換アミンを含む置換アミン、(環状アミン、塩基イオン交換樹脂など、具体的にはイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンを含む。幾つかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウムの塩から選択される。
用語「有効な量」又は「治療上有効な量」は、限定されないが以下に定義されるような疾患の処置を含む、意図される用途に影響を及ぼすのに十分な、本明細書に記載される化合物の量を指す。治療上有効な量は、意図される処置用途(インビボ)、又は被験体及び処置される疾患の状態、例えば、被験体の体重と年齢、疾患の状態の重症度、投与方法等に依存して変動し、これらは当業者により容易に決定され得る。この用語はまた、標的細胞における特定の反応、例えば、血小板粘着及び/又は細胞移動の減少を誘発する用量に適用される。特定の用量は、選ばれた特定の化合物、従われる投薬レジメン、化合物が他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、化合物が投与される組織、及び化合物が運ばれる物理送達システムに依存して、変動する。
本明細書で使用されるように「処置(treatment)」又は「処置すること(treating)」は、限定されないが治療利益及び/又は予防利益を含む、疾患、障害、又は医学的状態に関する有益又は所望の結果を得るための方法を指す。治療利益は、処置されている根本的な障害の根絶又は寛解を意味する。また、治療利益は、被験体が未だに根本的な障害による影響を受けるかもしれないことにもかかわらず、被験体に改善が見られるような、根本的な障害に関連した生理学的症状の1以上の根絶又は寛解により達成され得る。特定の実施形態において、予防利益に関して、組成物は、疾患の診断が行われなくとも、特定の疾患を進行させるリスクのある被験体に、又は、疾患の1以上の生理学的な症状を報告する被験体に投与される。
「治療効果」は、その用語が本明細書で使用されるように、上述のような治療利益及び/又は予防利益を包含する。予防効果は、疾患又は疾病の出現を遅延又は排除すること、疾患又は疾病の症状の発症を遅延又は排除すること、疾患又は疾病の進行を遅くし、停止し、又は逆転させること、或いはそれらの任意の組み合わせを含む。
用語「共投与」、「〜と組み合わせて投与される」、及びそれらの文法上の同等物は、ヒトを含む動物への2以上の薬剤の投与を包含しており、それにより、薬剤及び/又はそれらの代謝物質が、同時に被験体に存在する。共投与は、別々の組成物における同時投与、別々の組成物における異なる時間での投与、又は両方の薬剤が中に存在する組成物における投与を含む。
用語「アンタゴニスト」及び「阻害剤」は互換的に使用され、これらは、標的タンパク質(例えば、メニン、MLL1、MLL2、及び/又はMLL融合タンパク質)の生体機能(例えば、活性、発現、結合、タンパク質間相互作用)を阻害する能力を持つ化合物を指す。従って、用語「アンタゴニスト」及び「阻害剤」は、標的タンパク質の生物学的な役割との関連において定義されている。本明細書における好ましいアンタゴニストは標的と特異的に相互作用(例えば、結合)するが、標的タンパク質が一員となる、信号伝達経路の他の員と相互作用することにより、標的タンパク質の生物活性を阻害する化合物も、この定義内に特異的に含まれている。アンタゴニストにより阻害される好ましい生物活性は、腫瘍の進行、成長、又は拡大に関連する。
用語「アゴニスト」は、本明細書で使用されるように、標的タンパク質の活性又は発現の阻害によってもそうでなくとも、標的タンパク質の生体機能を開始する又は増強する能力を持つ化合物を指す。従って、用語「アゴニスト」は、標的ポリペプチドの生物学的な役割との関連において定義されている。本明細書における好ましいアゴニストは標的と特異的に相互作用(例えば、結合)するが、標的ポリペプチドが一員となる、信号伝達経路の他の員と相互作用することにより、標的ポリペプチドの生物活性を開始又は増強する化合物も、この定義内に特異的に含まれている。
「シグナル伝達」は、細胞内反応を誘発するために、刺激シグナル又は阻害シグナルが細胞へと、及び細胞内に送信されるプロセスである。シグナル伝達経路のモジュレータは、同じ特異的なシグナル伝達経路にマッピングされた1以上の細胞タンパク質の活性を調節する化合物を指す。モジュレータは、シグナル伝達分子の活性を増大(アゴニスト)、又は抑止(アンタゴニスト)し得る。
「抗癌剤」、「抗腫瘍剤」、又は「化学療法剤」は、腫瘍疾病の処置に有用な任意の薬剤を指す。抗癌剤の一種は化学療法剤を含む。「化学療法」は、静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、膀胱内、皮下、経皮、頬側、又は吸入、或いは坐剤の形態を含む様々な方法による、癌患者への1以上の化学療法剤及び/又は他の薬剤の投与を意味する。
「被験体」は、哺乳動物、例えばヒトなどの動物を指す。本明細書に記載される方法は、ヒトへの治療及び獣医学的な適用の両方に有用であり得る。幾つかの実施形態において、被験体は哺乳動物であり、幾つかの実施形態において、被験体はヒトである。「哺乳動物」は、ヒト、並びに、実験動物及び家庭用ペットなどの家庭動物(例えばネコ、イヌ、ブタ、畜牛、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ)、及び野生生物などの非家庭動物の両方を含む。
「プロドラッグ」は、生理学的条件下で、又はソルボリシスによって、本明細書に記載される生物活性化合物(例えば、式(I)の化合物)へと変換され得る化合物を示すことを意味する。故に、用語「プロドラッグ」は、薬学的に許容可能な生物学的に活性な化合物の前駆体を指す。幾つかの態様において、プロドラッグは、被験体に投与される時は不活性であるが、例えば加水分解により、活性化合物へとインビトロで変換される。プロドラッグ化合物には頻繁に、哺乳動物生物における可溶性、組織適合性、又は遅延放出という利点がある(例えば、本明細書において参照によって各々が完全に組み込まれている、Bundgard, H. , Design of Prodrugs (1985), pp. 7 9, 21 24 (Elsevier, Amsterdam); Higuchi, T., et al., ”Pro drugs as Novel Delivery Systems,” (1987) A.C.S. Symposium Series, Vol. 14; 及びBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressを参照)。用語「プロドラッグ」はまた、そのようなプロドラッグが哺乳動物被験体に投与される時、インビボで活性化合物を放出する、任意の共有結合された担体を含むことも意味する。活性化合物のプロドラッグは、本明細書に記載されるように、慣例的な操作又はインビボの何れかで、修飾物質が親の活性化合物へと切断されるような方法で、活性化合物に存在する官能基を修飾することにより、典型的に調製される。プロドラッグは化合物を含み、ここで、ヒドロキシ、アミノ、又はメルカプト基は、活性化合物のプロドラッグが哺乳動物被験体に投与される時、遊離ヒドロキシ、遊離アミノ、又は遊離メルカプト基それぞれを形成するために切断する、任意の基に結合される。プロドラッグの例は、限定されないが、ヒドロキシ官能基の酢酸塩、ギ酸塩、及び安息香酸塩の誘導体、或いは、活性化合物におけるアミン官能基のアセトアミド、ホルムアミド、及びベンズアミドの誘導体などを含む。
用語「インビボ」は、被験体の身体に生じる事象を指す。
用語「インビトロ」は、被験体の身体の外部に生じる事象を指す。例えば、インビトロのアッセイは、被験体の外部で実行される任意のアッセイを包含する。インビトロのアッセイは、生きている又は死んでいる細胞が中で利用される、細胞ベースのアッセイを包含する。インビトロのアッセイは、無傷の細胞が利用されない無細胞アッセイも包含する。
「随意の」又は「随意に」は、後に記載される事象又は状況が生じる又は生じない場合があることを意味するとともに、この記載が、事象又は状況が生じる場合の例、及び生じない場合の例を含むことを意味する。例えば、「随意に置換したアリール」は、アリール基が置換される又は置換されない場合があることを意味するとともに、この記載は、置換されたアリール基及び置換を有さないアリール基の両方を含むことを意味する。
「薬学的に許容可能な担体、希釈剤、又は賦形剤」は、限定されないが、ヒト又は家庭動物における使用に許容可能なものとしてアメリカ食料医薬品局により承認されている、任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味料、希釈剤、防腐剤、色素、着色剤、調味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒、又は乳化剤を含む。
本開示は、メニンと、MLL1、MLL2、及びMLL融合腫瘍性タンパク質などのタンパク質との相互作用を調節するための化合物を提供する。特定の実施形態において、本開示は、MLL1、MLL2、及びMLL融合腫瘍性タンパク質を含むがこれらに限定されない、その上流又は下流のシグナル伝達分子とのメニンの相互作用を阻害するための化合物と方法を提供する。本開示の化合物は、MLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、及びメニンのうち1以上に関連した種々様々な癌及び他の疾患の処置のための方法に使用されてもよい。特定の実施形態において、本開示の化合物は、メニンと共有結合し、且つメニンとMLLとの相互作用を阻害する。特定の実施形態において、本開示の化合物は、メニンと非共有結合的に相互作用し、且つメニンとMLLとの相互作用を阻害する。
本開示の化合物は、MLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、及びメニンに関連した種々様々な疾患を処置する方法に使用されてもよい。特定の実施形態において、本開示の化合物は、メニンと非共有結合的に相互作用し、且つメニンとMLLとの相互作用を阻害する。特定の実施形態において、本開示の化合物は、メニンと共有結合し、且つメニンとMLLとの相互作用を阻害する。
幾つかの態様において、本開示は、メニンタンパク質に選択的に結合し、及び/又はメニンのMLLタンパク質(例えばMLL1、MLL2、又はMLL融合タンパク質)との相互作用を調節する、化合物又は塩を提供する。特定の実施形態において、化合物は、1以上のアミノ酸及び/又は1以上の金属イオンへの結合、又はそれらとの相互作用により、メニンタンパク質を調節する。特定の化合物は、メニンのF9及び/又はP13のポケットを占有し得る。本明細書に開示される化合物の結合は、メニン又はMLL(例えば、MLL1、MLL2、又はMLL融合タンパク質を)の下流シグナル伝達を妨害し得る。
特定の態様において、本開示は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、同位体形態、或いはプロドラッグを提供し:
式中、
Hは、C5−12炭素環及び5〜12員の複素環から選択され、その各々は1つ以上のR50で随意に置換され;
Aは、単結合、C3−12炭素環、及び3〜12員の複素環から選択され;
Bは、C3−12炭素環、及び3〜12員の複素環から選択され;
L1、L2、及びL3はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−N(R51)−、−N(R51)CH2−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−C(O)N(R51)−、−C(O)N(R51)C(O)−、−C(O)N(R51)C(O)N(R51)−、−N(R51)C(O)−、−N(R51)C(O)N(R51)−、−N(R51)C(O)O−、−OC(O)N(R51)−、−C(NR51)−、−N(R51)C(NR51)−、−C(NR51)N(R51)−、−N(R51)C(NR51)N(R51)−、−S(O)2−、−OS(O)−、−S(O)O−、−S(O)−、−OS(O)2−、−S(O)2O−、−N(R51)S(O)2−、−S(O)2N(R51)−、−N(R51)S(O)−、−S(O)N(R51)−、−N(R51)S(O)2N(R51)−、−N(R51)S(O)N(R51)−;アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、及びヘテロアルキニレンから選択され、その各々は1つ以上のR50で随意に置換され;
RA、RB、及びRCはそれぞれ独立して、R50から各発生時に選択され、或いは、同じ原子又は異なる原子に結合される2つのRA基又は2つのRB基は、一体となって随意に架橋又は環を形成することができ;
mとnはそれぞれ独立して0〜6の整数であり、
W1は1つ以上のR50で随意に置換されるC1−4アルキレンであり;
W2は、単結合;及び1つ以上のR50で随意に置換されるC1−4アルキレンから選択され;
W3は存在しないか;又は1つ以上のR50で随意に置換されるC1−4アルキレンから選択され;
R50は独立して、
ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、=O、=S、=N(R52);
各々が独立して、ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、=O、=S、=N(R52)、C3−12炭素環、及び3〜12員の複素環から選択される1つ以上の置換基で各発生時に随意に置換される、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、及びC2−10アルキニル;及び
C3−12炭素環と3〜12員の複素環
から各発生時に選択され、
ここで、R50におけるC3−12炭素環及び3〜12員の複素環はそれぞれ独立して、ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、=O、=S、=N(R52)、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、及びC2−6アルキニルから選択される1つ以上の置換基で随意に置換され;
R51は独立して、
水素、−C(O)R52、−C(O)OR52、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54;
各々が独立して、ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、=O、=S、=N(R52)、C3−12炭素環、及び3〜12員の複素環から選択される1つ以上の置換基で各発生時に随意に置換される、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、及びC2−6アルキニル;及び
C3−12炭素環と3〜12員の複素環
から各発生時に選択され、
ここで、R51におけるC3−12炭素環及び3〜12員の複素環はそれぞれ独立して、ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、=O、=S、=N(R52)、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、及びC2−6アルキニルから選択される1つ以上の置換基で随意に置換され;
R52は独立して、水素;及びC1−20アルキル、C2−20アルケニル、C2−20アルキニル、2〜6員のヘテロアルキル、C3−12炭素環、及び3〜12員の複素環から各発生時に選択され、それらの各々は、ハロゲン、−CN、−NO2、−NH2、−NHCH3、−NHCH2CH3、=O、−OH、−OCH3、−OCH2CH3、C3−12炭素環、又は3〜6員の複素環により随意に置換され;及び
R53とR54は、それらが結合される窒素原子と一体となって、1つ以上のR50で随意に置換される複素環を形成し、
ここで、式(I)の化合物又は塩について、W3が存在しない時:
W1はC1アルキレンであり、W2は単結合であり、L3は単結合ではなく;
W1はC2−4アルキレンであり、W2は単結合であり;又は
W1とW2はそれぞれC1アルキレンであり、L3は単結合ではなく、ここでC1アルキレンはそれぞれ独立して、1つ以上のR50で随意に置換される。
幾つかの実施形態において、Hは、1つ以上のR50で随意に置換される6〜12員の二環式複素環などの、5〜12員の複素環である。幾つかの実施形態において、Hは、1、2、3、4、5、又は6つの環ヘテロ原子などの、1つ以上のヘテロ原子を含む。幾つかの実施形態において、Hは、少なくとも1、2、3、4、又は5つの環窒素原子を含む。幾つかの実施形態において、Hは、1つ以上のR50で随意に置換チエノピリミジニルである。幾つかの実施形態において、Hは、−CH2CF3などのC1−4ハロアルキルで置換される。幾つかの実施形態において、Hは、1つ以上のR50で置換される(例えば、R50への単結合によって環原子に接続された水素を置き換えることによる)。Hは、0、1、2、3、4、5、又は6つ以上のR50基で置換され得る。Hは、1又は2つのR50基で置換されたHなど、1、2、3、4、5、又は6つのR50基で置換され得る。幾つかの実施形態において、Hは、少なくとも1、2、3、4、5、又は6つのR50基で置換される。幾つかの実施形態において、Hは、最大6、5、4、3、2、又は1つのR50基で置換される。
幾つかの実施形態において、Xは
であり、ここでX1とX2はそれぞれ独立して、CR2とNから選択され;X3とX4はそれぞれ独立してCとNから選択され;Y1とY2はそれぞれ独立して、CR3、N、NR4、O、及びSから選択され;R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して、水素とR50から各発生時に選択され;及びR4はR51から選択される。幾つかの実施形態において、X3とX4はそれぞれCである。幾つかの実施形態において、X1はCR2であり、R2は、水素、ハロゲン、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、C1−3アルキル、−CH2OH、−CH2OR52、−CH2NH2、−CH2N(R52)2、C1−3アルキル−N(R52)2、C1−3ハロアルキル、C2−3アルケニル、及びC2−3アルキニルから選択される。幾つかの実施形態において、X2はNである。幾つかの実施形態において、Y2はCR3であり、R3は、水素、ハロゲン、−OH、−N(R52)2、−CN、−C(O)OR52、C1−3アルキル、及びC1−3ハロアルキルから選択される。幾つかの実施形態において、Y1はSである。幾つかの実施形態において、Y1とY2のうち少なくとも1つは、N、NR4、O、及びSから選択される。幾つかの実施形態において、R1は、−CH2CF3などのC1−3ハロアルキルである。幾つかの実施形態において、X1はCR2であり、X2はNであり、X3とX4はそれぞれCであり、Y1はSであり、Y2はCR3であり、R1はR50から選択される。幾つかの実施形態において、X1はCR2であり;X2はNであり;X3とX4はそれぞれCであり;Y1はSであり;Y2はCHであり。R1はC1−3ハロアルキルであり;及びR2は、水素、ハロゲン、−OH、−NH2、−CN、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、C2−3アルケニル、及びC2−3アルキニルから選択される。幾つかの実施形態において、Hは、
などの
である。幾つかの実施形態において、Hは
であり、R2は、水素、ハロゲン、−OH、−OR52、−NH、−N(R52)2、−CN、C1−3アルキル、−CH2OH、−CH2OR52、−CH2NH2、−CH2N(R52)2、C1−3アルキル−N(R52)2、C1−3ハロアルキル、C2−3アルケニル、及びC2−3アルキニルから選択される。
幾つかの実施形態において、Hは
であり、R1は、アルキル及びハロアルキルからなど、H、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ジアルキルホスフィンオキシド、オキソ、カルボキシル、アミド、アシル、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロアルキルから選択され;R2は、H、ハロ、ヒドロキシル、及びアミノからなど、H、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ジアルキルホスフィンオキシド、オキソ、カルボキシル、アミド、アシル、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、及びアルキルアミノから選択され;及びY1とY2の各々は、S、CR3、N、NR4、及びOから独立して選択される。特定の実施形態において、Y1とY2のうちの最大1つが、O又はSである。
幾つかの実施形態において、L1は、10未満の原子などの20未満の原子を含む。幾つかの実施形態において、L1は、20、15、10、9、8、7、6、5、4、又は3未満の原子を含む。幾つかの実施形態において、L1は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、又は20原子を含む。幾つかの実施形態において、L1は少なくとも1つのヘテロ原子を含み、例えばL1は少なくとも1つの窒素を含む。幾つかの実施形態において、L1は、1つ以上のR50で置換される。幾つかの実施形態において、L1は置換されない。幾つかの実施形態において、L1は、単結合、−O−、−S−、−N(R51)−、−N(R51)CH2−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R51)−、−N(R51)C(O)−、−N(R51)C(O)N(R51)−、−S(O)2−、−S(O)−、−N(R51)S(O)2−、−S(O)2N(R51)−、−N(R51)S(O)2N(R51)−、アルキレン、アルケニレン、ヘテロアルケニレン、及びヘテロアルケニレンから選択される。幾つかの実施形態において、L1は、単結合、−O−、−S−、−N(R51)−、−N(R51)CH2−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R51)−、−N(R51)C(O)−、−N(R51)C(O)N(R51)−、−S(O)2−、−S(O)−、−N(R51)S(O)2−、−S(O)2N(R51)−、−N(R51)S(O)2N(R51)−、C1−6アルキレン、及びC2−6アルケニレンから選択され、ここで、C1−6アルキレン及びC2−6アルケニレンはそれぞれ独立して、1つ以上のR50で随意に置換される。幾つかの実施形態において、L1は、−NH−などの−N(R51)−である。幾つかの実施形態において、L1は、−O−、−N(R51)−、−N(R51)CH2−、−C(O)−、−C(O)N(R51)−、−N(R51)C(O)−、−N(R51)S(O)2−、−S(O)2N(R51)−、C1−4アルキレン、C2−4アルケニレン、及びC1−4ヘテロアルキレンから選択される。幾つかの実施形態において、L1は−N(R51)−であり、ここでR51は水素とアルキルから選択される。
幾つかの実施形態において、Aは、5〜8員の複素環など、3〜12員の複素環である。幾つかの実施形態では、Aは6員単環式複素環である。幾つかの実施形態において、複素環は、少なくとも1つの窒素原子を含む。幾つかの実施形態において、Aは少なくとも1つの環窒素を含む。幾つかの実施形態において、Aは、
などのピペリジニレン及びピペラジニレンから選択される。幾つかの実施形態では、Aは
である。幾つかの実施形態において、Aは、芳香族、非芳香族、飽和、又は不飽和の環である。幾つかの実施形態において、Aは、アリーレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、N−ヘテロシクロアルキレン、ヘテロアリーレン、及びN−ヘテロアリーレンから選択される。幾つかの実施形態において、Aは5〜8員の複素環であり、ここで複素環は、N、O、及びSから選択される、少なくとも1、2、3、又は4つの環ヘテロ原子を含む。
幾つかの実施形態において、Aは、
から選択される。
幾つかの実施形態において、Aは、1つ以上のRAで置換される(例えば、RAへの単結合によって環原子に接続された水素を置き換えることによる)。Aは、0、1、2、3、4、5、又は6つ以上のRA基で置換され得る。Aは、1又は2つのRA基で置換されたAなど、1、2、3、4、5、又は6つのRA基で置換され得る。幾つかの実施形態において、Aは、少なくとも1、2、3、4、5、又は6つのRA基で置換される。幾つかの実施形態では、Aは置換されない。幾つかの実施形態において、Aはm個のRA基で置換され、mは0から6までの整数である。幾つかの実施形態において、mは、0、1、2、3、4、5、又は6である。幾つかの実施形態において、mは、少なくとも1、2、3、4、5、又は6である。幾つかの実施形態において、mは、最大6、5、4、3、2、又は1である。幾つかの実施形態において、mは0である。
幾つかの実施形態では、RAは、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ジアルキルホスフィンオキシド、オキソ、カルボキシル、アミド、アシル、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアルキルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキルアミノ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ ヘテロアリールアミノ、およびヘテロアリールアルキルアミノから各発生時に独立して選択される。幾つかの実施形態では、同じ原子または異なる原子に結合された2つのRA基は、一緒に環を形成することができる。
幾つかの実施形態では、L2は、10未満の原子などの20未満の原子を含む。幾つかの実施形態では、L2は、20、15、10、9、8、7、6、5、4、または3未満の原子を含む。幾つかの実施形態では、L2は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15または少なくとも20の原子を含む。幾つかの実施形態では、L2が少なくとも1つの窒素を含むなど、L2は少なくとも1つのヘテロ原子を含む。幾つかの実施形態では、L2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンなどの、C1−10アルキレンである。幾つかの実施形態では、L2は、1つ以上のR50で置換される。幾つかの実施形態では、L2は非置換である。幾つかの実施形態では、L2は、単結合、−O−、−S−、−N(R51)、−N(R51)CH2−、−C(O)、−C(O)O、−OC(O)、−C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)、−N(R51)C(O)N(R51)、−S(O)2、−S(O)、−N(R51)S(O)2、−S(O)2N(R51)、−N(R51)S(O)2N(R51)−、アルキレン、アルケニレン、ヘテロアルキレン、およびヘテロアルケニレンから選択される。幾つかの実施形態では、L2は、単結合、−O−、−S−、−N(R51)、−N(R51)CH2−、−C(O)、−C(O)O、−OC(O)、−C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)、−N(R51)C(O)N(R51)、−S(O)2、−S(O)、−N(R51)S(O)2、−S(O)2N(R51)、−N(R51)S(O)2N(R51)−、C1−6アルキレンおよびC2−6アルケニレンから選択され、ここでC1−6アルキレンおよびC2−6アルケニレンはそれぞれ、1つ以上のR50で随意に置換される。幾つかの実施形態では、L2は、−O−、−N(R51)、−N(R51)CH2−、−C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)、−N(R51)S(O)2、−S(O)2N(R51)、C1−4アルキレンおよびC1−4ヘテロアルキレンから選択される。幾つかの実施形態では、L2は、−CH2−、−N(R51)−、−N(R51)CH2−、−N(R51)C(O)−、および−N(R51)S(O)2−から選択される。幾つかの実施形態では、L2は−CH2−である。
幾つかの実施形態では、Bは、6−12員の二環式複素環などの、3−12員の複素環である。幾つかの実施形態では、複素環は、少なくとも1つの窒素原子を含む。幾つかの実施形態では、Bは6−12員の複素環であり、ここで複素環は、N、OおよびSから選択される少なくとも1つ、2つ、3つまたは4つの環ヘテロ原子を含む。幾つかの実施形態では、Bは、6,5−二環式複素環または6,6−二環式複素環である。幾つかの実施形態では、Bは、少なくとも1つの環窒素を含む。幾つかの実施形態では、Bは、1つ以上のRBで随意に置換された、
などの、インドリレンである。幾つかの実施形態では、Bは、
などの、
である。
幾つかの実施形態では、Bは、
から選択される、ここでZ1、Z2、Z3およびZ4はそれぞれ、CR7、NおよびNR9から独立して選択され;Z5は、CおよびNから選択され;Z6、Z7およびZ8はそれぞれ、CR8、N、NR9、OおよびSから独立して選択され;Z9、Z10およびZ11はそれぞれ、CR10、CR11R12、NR13、OおよびSから独立して選択され;R7、R8、R10、R11、およびR12はそれぞれ、水素およびR50から独立して選択され;およびR9およびR13はそれぞれ、R51から独立して選択され、ここでBは、(例えば、環原子に結合された水素をL2またはL3に対する単結合と置き換えることによって)環原子でL2またはL3に結合され得る。
幾つかの実施形態では、Bは、
から選択される。
幾つかの実施形態では、Bは、(例えば、環原子に結合された水素をRBに対する単結合と置き換えることによって)1つ以上のRBで置換される。Bは、0、1、2、3、4、5、6またはそれ以上のRB基で置換され得る.Bは、1つ又は2つのRB基で置換されるなど、1、2、3、4、5または6のRB基で置換され得る。幾つかの実施形態では、Bは、少なくとも1、2、3、4、5または6のRB基で置換される。幾つかの実施形態では、Bは、n RB基で置換され、ここでnは0から6の整数である。幾つかの実施形態では、nは、0、1、2、3、4、5または6である。幾つかの実施形態では、nは、少なくとも1、2、3、4、5または6である。幾つかの実施形態では、nは、最大で5、4、3、2、または1である。幾つかの実施形態では、nは1から3の整数である。
幾つかの実施形態では、RBは、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ジアルキルホスフィンオキシド、オキソ、カルボキシル、アミド、アシル、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアルキルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキルアミノ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ ヘテロアリールアミノ、およびヘテロアリールアルキルアミノから各発生時に独立して選択され;幾つかの実施形態では、RBは、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ジアルキルホスフィンオキシド、オキソ、カルボキシル、アミド、アシル、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、およびヘテロアリールアルキルから各発生時に独立して選択される。幾つかの実施形態では、同じ原子または異なる原子に結合された2つのRB基は、一緒に環を形成することができる。
幾つかの実施形態では、L3は、20未満の原子などの、30未満の原子を含む。幾つかの実施形態では、L3は、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、または3未満の原子を含む。幾つかの実施形態では、L3は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15または少なくとも20の原子を含む。幾つかの実施形態では、L3が少なくとも1つの窒素を含むなど、L3は少なくとも1つのヘテロ原子を含む。幾つかの実施形態では、L3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンなどの、C1−10アルキレンである。幾つかの実施形態では、L3は、1つ以上のR50で置換される。幾つかの実施形態では、L3は非置換である。幾つかの実施形態では、L3は、単結合、−O−、−S−、−N(R51)、−N(R51)CH2−、−C(O)、−C(O)O、−OC(O)、−C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)、−N(R51)C(O)N(R51)、−S(O)2、−S(O)、−N(R51)S(O)2、−S(O)2N(R51)、−N(R51)S(O)2N(R51)−、アルキレン、アルケニレン、ヘテロアルキレン、およびヘテロアルケニレンから選択される。幾つかの実施形態では、L3は、−CH2−、−CH2CH2−、−N(R51)−、−N(R51)CH2−、−N(R51)C(O)−、および−N(R51)S(O)2−から選択される。幾つかの実施形態では、L3は、−CH2−または−CH2CH2−である。幾つかの実施形態では、L3は−CH2CH(CH3)−である。幾つかの実施形態では、L3は、−CH3などの、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルで置換される。
幾つかの実施形態では、W1、W2およびW3はそれぞれ、C1−4アルキレンから独立して選択され、ここでC1−4アルキレンはそれぞれ、1つ以上のR50で随意に置換される。幾つかの実施形態では、W1、W2およびW3はそれぞれ、C1アルキレンである。幾つかの実施形態では、W1およびW2はそれぞれ、C1アルキレンであり、W3は存在しない。幾つかの実施形態では、W1、W2およびW3は、
から選択される環を形成し、それら各々は、1つ以上のR50で随意に置換される。幾つかの実施形態では、W1、W2およびW3は組み合わさって、
を形成する。
幾つかの実施形態では、RCは:
ハロゲン、−OR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2;
C1−10アルキル、C2−10アルケニル、およびC2−10アルキニルから選択され、これらそれぞれは、ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、=O、=S、=N(R52)、C3−12炭素環、および3−12員の複素環から選択される1つ以上の置換基で各発生時に独立して随意に置換され;
ここでRC中のC3−12炭素環および3−12員の複素環はそれぞれ、ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、=O、=S、=N(R52)、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択される1つ以上の置換基で独立して随意に置換される。
幾つかの実施形態では、RCは、−N(R52)2、−NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−C(O)R52、−C(O)OR52、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、および−C(O)NR53R54から選択される。幾つかの実施形態では、RCは、
から選択される。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、5−12員の複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;およびBは、3−12員の複素環である。幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、6−12員の二環式複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;およびBは、3−12員の複素環である。幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、6−12員の二環式複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;およびBは、6−12員の二環式複素環である。幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、5−12員の複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;およびBは、6−12員の二環式複素環である。幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、チエノピリミジニルであり;Aは、3−12員の複素環であり;およびBは、3−12員の複素環である。幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、5−12員の複素環であり;Aは、ピペリジニレンおよびピペラジニレンから選択され;およびBは、3−12員の複素環である。幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、5−12員の複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;およびBはインドリレンである。幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で置換されたチエノピリミジニルであり;Aは、ピペリジニレンおよびピペラジニレンから選択され;およびBはインドリレンである。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、5−12員の複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、3−12員の複素環であり;W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンであり;W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンであり;W3は、存在しないか;1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンから選択され;mは、0から3の整数であり;およびnは、1から3の整数である。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、6−12員の二環式複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、6−12員の二環式複素環であり;W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンであり;W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンであり;W3は、存在しないか;1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンから選択され;mは、0から3の整数であり;およびnは、1から3の整数である。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、6−12員の二環式複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、6−12員の二環式複素環であり;W1は、C1−2アルキレンであり;W2は、C1−2アルキレンであり;W3は、存在しないか、C1−2アルキレンから選択され;mは、0から3の整数であり;およびnは、1から3の整数である。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、5−12員の複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、3−12員の複素環であり;W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンであり;W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンであり;およびW3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、5−12員の複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、3−12員の複素環であり;W1はC1アルキレンであり;W2はC1アルキレンであり;およびW3はC1アルキレンである。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、5−12員の複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、3−12員の複素環であり;W1はC1アルキレンであり;W2はC1アルキレンであり;およびW3は存在しない。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、6−12員の二環式複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、6−12員の二環式複素環であり;W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンであり;W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンであり;およびW3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、6−12員の二環式複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、6−12員の二環式複素環であり;W1はC1アルキレンであり;W2はC1アルキレンであり;およびW3はC1アルキレンである。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、6−12員の二環式複素環であり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、6−12員の二環式複素環であり;W1はC1アルキレンであり;W2はC1アルキレンであり;およびW3は存在しない。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、6−12員の二環式複素環であり;Aは、ピペリジニレンおよびピペラジニレンから選択され;Bは、6−12員の二環式複素環であり;W1は、C1−2アルキレンであり;W2は、C1−2アルキレンであり;およびW3は、存在しないか、C1−2アルキレンから選択される。幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、6−12員の二環式複素環であり;Aは、ピペリジニレンおよびピペラジニレンから選択され;Bは、6−12員の二環式複素環であり;W1は、C1−2アルキレンであり;W2は、C1−2アルキレンであり;W3は、存在しないか、C1−2アルキレンから選択され;mは、0から3の整数であり;およびnは、1から3の整数である。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、チエノピリミジニルであり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、6−12員の二環式複素環であり;W1は、C1−2アルキレンであり;W2は、C1−2アルキレンであり;およびW3は、存在しないか、C1−2アルキレンから選択される。幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換されたチエノピリミジニルであり;Aは、3−12員の複素環であり;Bは、6−12員の二環式複素環であり;W1は、C1−2アルキレンであり;W2は、C1−2アルキレンであり;W3は、存在しないか、C1−2アルキレンから選択され;mは、0から3の整数であり;およびnは、1から3の整数である。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、9−10員の二環式複素環であり;Aは、5−7員の複素環であり;Bは、9員の二環式複素環であり;W1は、C1−2アルキレンであり;W2は、C1−2アルキレンであり;およびW3は、存在しないか、C1−2アルキレンから選択され、ここで前記複素環はそれぞれ、それぞれ、少なくとも1つの窒素原子を含む。幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、9−10員の二環式複素環であり;Aは、5−7員の複素環であり;Bは、9員の二環式複素環であり;W1は、C1−2アルキレンであり;W2は、C1−2アルキレンであり;W3は、存在しないか、C1−2アルキレンから選択され;mは、0から3の整数であり;およびnは1から3の整数であり、ここで前記複素環はそれぞれ、少なくとも1つの窒素原子を含む。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、9−10員の二環式複素環であり;Aは、5−7員の複素環であり;Bは、9員の二環式複素環であり;W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンであり;W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンであり;およびW3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンであり、ここで前記複素環はそれぞれ、少なくとも1つの窒素原子を含む。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された9−10員の二環式複素環であり;Aは、5−7員の複素環であり;Bは、9員の二環式複素環であり;W1はC1アルキレンであり;W2はC1アルキレンであり;およびW3はC1アルキレンであり、ここで前記複素環はそれぞれ、少なくとも1つの窒素原子を含む。
幾つかの実施形態では、Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、9−10員の二環式複素環であり;Aは、5−7員の複素環であり;Bは、9員の二環式複素環であり;W1はC1アルキレンであり;W2はC1アルキレンであり;およびW3は存在せず、ここで前記複素環はそれぞれ、少なくとも1つの窒素原子を含む。
幾つかの実施形態では、L1は10未満の原子を含み、L2は10未満の原子を含み、およびL3は20未満の原子を含む。幾つかの実施形態では、L1、L2およびL3はそれぞれ、10未満の原子を含む。幾つかの実施形態では、L1、L2およびL3はそれぞれ、単結合、−O−、−S−、−N(R51)、−N(R51)CH2−、−C(O)、−C(O)O、−OC(O)、−C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)、−N(R51)C(O)N(R51)、−S(O)2、−S(O)、−N(R51)S(O)2、−S(O)2N(R51)、−N(R51)S(O)2N(R51)−、アルキレン、アルケニレン、ヘテロアルキレンおよびヘテロアルケニレンから独立して選択される。幾つかの実施形態では、L1、L2およびL3はそれぞれ、−CH2−、−CH2CH2−、−N(R51)−、−N(R51)CH2−、−N(R51)C(O)−、および−N(R51)S(O)2−から独立して選択される。幾つかの実施形態では、L1は、−O−、S−、−N(R51)、−N(R51)CH2−、−C(O)、−C(O)O、−OC(O)、−C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)、−N(R51)C(O)N(R51)、−S(O)2、−S(O)、−N(R51)S(O)2、−S(O)2N(R51)、−N(R51)S(O)2N(R51)−、アルキレン、アルケニレン、ヘテロアルキレン、およびヘテロアルケニレンから選択され;およびL2およびL3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンから独立して選択される。幾つかの実施形態では、L1、L2およびL3はそれぞれ、−O−、−S−、−N(R51);C1−4アルキレンおよび1−4員のヘテロアルキレンから独立して選択され、これらそれぞれは、1つ以上のR50で随意に置換される。幾つかの実施形態では、L1は−NHであり、L2は−CH2−であり、およびL3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。
特定の態様では、式(I)の化合物に関して:
Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、5−12員の二環式複素環であり;
Aは、3−12員の複素環であり;
Bは、3−12員の複素環であり;
L1、L2およびL3はそれぞれ、単結合、−O−、−S、−N(R51)、−N(R51)CH2−、−C(O)、−C(O)O、−OC(O)、−OC(O)O、−C(O)N(R51)、−C(O)N(R51)C(O)−、−C(O)N(R51)C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)、−N(R51)C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)O、−OC(O)N(R51)、−C(NR51)、−N(R51)C(NR51)、−C(NR51)N(R51)、−N(R51)C(NR51)N(R51)、−S(O)2、−OS(O)、−S(O)O−、−S(O)、−OS(O)2、−S(O)2O、−N(R51)S(O)2、−S(O)2N(R51)、−N(R51)S(O)、−S(O)N(R51)、−N(R51)S(O)2N(R51)−、−N(R51)S(O)N(R51);
アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、およびヘテロアルキニレンから独立して選択され、これらそれぞれは、1つ以上のR50で随意に置換され;
RA、RBおよびRCはそれぞれ、R50から各発生時に独立して選択されるか、あるいは同じ原子または異なる原子に結合された2つのRA基または2つのRB基は一緒に、架橋または環を随意に形成することができ;
mは、0から3の整数であり;
nは、1から3の整数であり;
W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンであり;
W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンであり;
W3は、存在しないか;1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンから選択され;
R50は、
ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、=O、=S、=N(R52);
各々が、ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、 −NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、 −NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、 =O、=S、=N(R52)、C3−12炭素環、および3−12員の複素環から選択される1つ以上の置換基で各発生時に独立して随意に置換される、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、およびC2−10アルキニル;および
C3−12炭素環および3−12員の複素環から各発生時に独立して選択され;
ここでR50中のC3−12炭素環および3−12員の複素環はそれぞれ、ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−、NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、=O、=S、=N(R52)、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択される1つ以上の置換基で独立して随意に置換され;
R51は、
水素、−C(O)R52、−C(O)OR52、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54;
各々が、ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、 −NR52S(=O)2R52、−NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、 −NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、 =O、=S、=N(R52)、C3−12炭素環および3−12員の複素環から選択される1つ以上の置換基で各発生時に独立して随意に置換される、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニル;および
C3−12炭素環および3−12員の複素環から各発生時に独立して選択され;
ここでR51中のC3−12炭素環および3−12員の複素環はそれぞれ、ハロゲン、−NO2、−CN、−OR52、−SR52、−N(R52)2、−NR53R54、−S(=O)R52、−S(=O)2R52、−S(=O)2N(R52)2、−S(=O)2NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−、NR52S(=O)2N(R52)2、−NR52S(=O)2NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−OC(O)OR52、−OC(O)N(R52)2、−OC(O)NR53R54、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、−P(O)(OR52)2、−P(O)(R52)2、=O、=S、=N(R52)、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択される1つ以上の置換基で独立して随意に置換され;
R52は、水素;およびC1−20アルキル、C2−20アルケニル、C2−20アルキニル、2−6員のヘテロアルキル、C3−12炭素環、および3−12員の複素環から各発生時に独立して選択され、これらそれぞれは、ハロゲン、−CN、−NO2、−NH2、−NHCH3、−NHCH2CH3、=O、−OH、−OCH3、−OCH2CH3、C3−12炭素環、または3−6員の複素環によって随意に置換され;および
R53およびR54は、それらが結合される窒素原子と一体となって、1つ以上のR50で随意に置換された、複素環を形成し、ここで式(I)の化合物または塩に関して、W3が存在しないとき、W1およびW2はそれぞれ、C1アルキレンであり、L3は単結合ではなく、ここでC1アルキレンはそれぞれ、1つ以上のR50で独立して随意に置換される。
特定の態様では、式(I)の化合物に関して:
Hは、1つ以上のR50で随意に置換された、チエノピリミジニルであり;
Aは、ピペリジニレンおよびピペラジニレンから選択され;
Bはインドリレンであり;
L1およびL2はそれぞれ、−O−、−S−、−NH−、および−CH2−から独立して選択され;
L3は、単結合、−O−、−S、−N(R51)、−N(R51)CH2−、−C(O)、−C(O)O、−OC(O)、−OC(O)O、−C(O)N(R51)、−C(O)N(R51)C(O)−、−C(O)N(R51)C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)、−N(R51)C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)O、−OC(O)N(R51)、−C(NR51)、−N(R51)C(NR51)、−C(NR51)N(R51)、−N(R51)C(NR51)N(R51)、−S(O)2、−OS(O)、−S(O)O−、−S(O)、−OS(O)2、−S(O)2O、−N(R51)S(O)2、−S(O)2N(R51)、−N(R51)S(O)、−S(O)N(R51)、−N(R51)S(O)2N(R51)−、−N(R51)S(O)N(R51);
アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、およびヘテロアルキニレンから選択され、これらそれぞれは、1つ以上のR50で随意に置換され;
RA、RBおよびRCはそれぞれ、R50から各発生時に独立して選択されるか、あるいは同じ原子または異なる原子に結合された2つのRA基または2つのRB基は一緒に、架橋または環を随意に形成することができ;
mは、0から3の整数であり;
nは、1から3の整数であり;
W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンであり;
W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンであり;および
W3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。
特定の態様では、式(I)の化合物は、
などの、
によって表わされ得る。幾つかの実施形態では、R1はR50から選択される。幾つかの実施形態では、R1は、−CH2CF3などの、C1−3ハロアルキルである。幾つかの実施形態では、R2はR50から選択される。幾つかの実施形態では、R2は、水素、ハロゲン、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、C1−3アルキル、C1−3アルキルOR52、C1−3アルキル−N(R52)2、C1−3ハロアルキル、C2−3アルケニル、およびC2−3アルキニルから選択される。幾つかの実施形態では、R2が、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、およびC1−2アルキルから選択されるなど、R2は、ハロゲン、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、C1−3アルキル、−CH2OH、−CH2OR52、−CH2NH2、−CH2N(R52)2、C1−3アルキル−N(R52)2、C1−3ハロアルキル、C2−3アルケニル、およびC2−3アルキニルから選択される。随意に、R2は、−NH2、−CH3、−OCH3、−CH2OH、および−NHCH3から選択される。幾つかの実施形態では、R3は、水素、ハロゲン、−OH、−N(R52)2、−CN、−C(O)OR52、C1−3アルキル、およびC1−3ハロアルキルから選択される。幾つかの実施形態では、R51が水素であるなど、R51は、水素およびアルキルから選択される。幾つかの実施形態では、RAは、ハロゲン、−CN、−OR52、−N(R52)2、−NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−NR52C(O)R52、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、=O、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、随意に置換されたC1−10アルキル、随意に置換されたC2−10アルケニル、および随意に置換されたC2−10アルキニルから選択される。幾つかの実施形態では、mは0から3の整数である。幾つかの実施形態では、mは0である。幾つかの実施形態では、L2は、−O−、−N(R51)、−N(R51)CH2−、−C(O)N(R51)、−N(R51)C(O)、−N(R51)S(O)2、−S(O)2N(R51)、C1−4アルキレンおよびC1−4ヘテロアルキレンから選択される。幾つかの実施形態では、L2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。幾つかの実施形態では、L2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、L2は、−CH2−、−N(R51)−、−N(R51)CH2−、−N(R51)C(O)−、および−N(R51)S(O)2−から選択される。幾つかの実施形態では、L2は−CH2−である。幾つかの実施形態では、RBは、インドールの位置2、3、4、または6などの、インドールの1つ以上の位置に存在する。幾つかの実施形態では、RBは、ハロゲン、−CN、−OR52、−N(R52)2、−NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−NR52C(O)R52、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、=O、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、随意に置換されたC1−10アルキル、随意に置換されたC2−10アルケニル、および随意に置換されたC2−10アルキニルから選択される。幾つかの実施形態では、RBが、ハロゲン、−CN、−OR52、−N(R52)2、−NR53R54、およびC1−2アルキルから選択されるなど、RBは、ハロゲン、−CN、−OR52、−N(R52)2、−NR53R54、C1−3アルキル、および随意に置換されたC1−3アルキルから選択される。幾つかの実施形態では、nは、2から3の整数などの、1から4の整数である。幾つかの実施形態では、nは2である。幾つかの実施形態では、L3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。幾つかの実施形態では、L3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、L3は−CH2−である。幾つかの実施形態では、W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。幾つかの実施形態では、W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、W1は、C1アルキレンまたは−CH2−などの、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。幾つかの実施形態では、W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、W2は、C1アルキレンまたは−CH2−などの、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、W3は存在しない。幾つかの実施形態では、W3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。幾つかの実施形態では、W3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、W3は、C1アルキレンまたは−CH2−などの、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、RCは、−N(R52)2、−NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−C(O)R52、−C(O)OR52、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、および−C(O)NR53R54から選択される。幾つかの実施形態では、RCは、
から選択される。
特定の態様では、式(I)の化合物は、
などの、
によって表わされ得る。幾つかの実施形態では、R2はR50から選択される。幾つかの実施形態では、R2は、水素、ハロゲン、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、C1−3アルキル、C1−3アルキルOR52、C1−3アルキル−N(R52)2、C1−3ハロアルキル、C2−3アルケニル、およびC2−3アルキニルから選択される。幾つかの実施形態では、R2が、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、およびC1−2アルキルから選択されるなど、R2は、ハロゲン、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、C1−3アルキル、−CH2OH、−CH2OR52、−CH2NH2、−CH2N(R52)2、C1−3アルキル−N(R52)2、C1−3ハロアルキル、C2−3アルケニル、およびC2−3アルキニルから選択される。随意に、R2は、−NH2、−CH3、−OCH3、−CH2OH、および−NHCH3から選択される。幾つかの実施形態では、RBは、ハロゲン、−CN、−OR52、−N(R52)2、−NR53R54、−C(O)R52、−C(O)OR52、−OC(O)R52、−NR52C(O)R52、−C(O)N(R52)2、−C(O)NR53R54、=O、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、 随意に置換されたC1−10アルキル、随意に置換されたC2−10アルケニル、および随意に置換されたC2−10アルキニルから選択される。幾つかの実施形態では、RBが、ハロゲン、−CN、−OR52、−N(R52)2、−NR53R54、およびC1−2アルキルから選択されるなど、RBは、ハロゲン、−CN、−OR52、−N(R52)2、−NR53R54、C1−3アルキル、および随意に置換されたC1−3アルキルから選択される。幾つかの実施形態では、L3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。幾つかの実施形態では、L3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、L3は−CH2−である。幾つかの実施形態では、W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。幾つかの実施形態では、W1は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、W1は、C1アルキレンまたは−CH2−などの、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。幾つかの実施形態では、W2は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、W2は、C1アルキレンまたは−CH2−などの、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、W3は存在しない。幾つかの実施形態では、W3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−4アルキレンである。幾つかの実施形態では、W3は、1つ以上のR50で随意に置換された、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、W3は、C1アルキレンまたは−CH2−などの、C1−2アルキレンである。幾つかの実施形態では、RCは、−N(R52)2、−NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−C(O)R52、−C(O)OR52、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、および−C(O)NR53R54から選択される。幾つかの実施形態では、RCは、
から選択される。
特定の態様では、式(I)の化合物は、
によって表わされ得る。幾つかの実施形態では、R2はR50から選択される。幾つかの実施形態では、R2は、水素、ハロゲン、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、C1−3アルキル、C1−3アルキルOR52、C1−3アルキル−N(R52)2、C1−3ハロアルキル、C2−3アルケニル、およびC2−3アルキニルから選択される。幾つかの実施形態では、R2が、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、およびC1−2アルキルから選択されるなど、R2は、ハロゲン、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、C1−3アルキル、−CH2OH、−CH2OR52、−CH2NH2、−CH2N(R52)2、C1−3アルキル−N(R52)2、C1−3ハロアルキル、C2−3アルケニル、およびC2−3アルキニルから選択される。随意に、R2は、−NH2、−CH3、−OCH3、−CH2OH、および−NHCH3から選択される。幾つかの実施形態では、RCは、−N(R52)2、−NR53R54、−NR52S(=O)2R52、−C(O)R52、−C(O)OR52、−NR52C(O)R52、−NR52C(O)OR52、−NR52C(O)N(R52)2、−NR52C(O)NR53R54、−C(O)N(R52)2、および−C(O)NR53R54から選択される。幾つかの実施形態では、RCは、
から選択される。
特定の態様では、式(I)の化合物は、
よって表わされ得る。幾つかの実施形態では、R2が、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、およびC1−2アルキルから選択されるなど、R2は、水素、ハロゲン、−OH、−OR52、−NH2、−N(R52)2、−CN、C1−3アルキル、−CH2OH、−CH2OR52、−CH2NH2、−CH2N(R52)2、C1−3アルキル−N(R52)2、C1−3ハロアルキル、C2−3アルケニル、およびC2−3アルキニルから選択される。幾つかの実施形態では、R2は、メチルまたは−NHCH3である。幾つかの実施形態では、R2はHである。
特定の態様では、本開示の化合物は、メニンに共有結合し、メニンのMLLとの相互作用を阻害する。そのような結合は、メニンに対する化合物の親和性の増加につながり得、これは、治療および診断上の使用を含む、多くの用途において利点となる特性である。幾つかの実施形態では、本開示の化合物は、メニンタンパク質に存在する求核基と反応することができる求電子基を含む。適切な求電子基は、本出願の全体にわたって記載されており、一方で適切な求核基は、例えば、メニンタンパク質の結合ドメインに存在するシステイン部分を含む。理論に縛られることなく、メニンの結合ドメインにおけるシステイン残基は、本開示の化合物の求電子基と反応し得、これは、複合体生成物(conjugate product)の形成につながる。幾つかの実施形態では、本開示の化合物は、メニンのアイソフォーム2(SEQ ID NO:2)の位置329でシステイン残基に、またはメニンのアイソフォーム1(SEQ ID NO:1)におけるシステイン334に共有結合することができる。幾つかの実施形態では、本開示は、メニンタンパク質を有する本開示の化合物の複合体を提供する。例えば、本開示は、メニンのアイソフォーム2(SEQ ID NO:2)のシステイン残基329で、またはメニンのアイソフォーム1(SEQ ID NO:1)におけるシステイン334で結合された、メニンを有する本開示の化合物の複合体を提供する。
幾つかの実施形態では、RA、RBおよびRCの1つ以上は、存在するときに、メニン上の1つ以上の残基と共有結合的に反応する官能基を含む。幾つかの実施形態では、官能基は、メニン上の1つ以上のシステイン残基と共有結合的に反応する。幾つかの実施形態では、官能基は、最適に整列されたときにSEQ ID NO:2に対する位置329で、または最適に整列されたときにSEQ ID NO:1に対する位置334で、メニン上のシステインと共有結合的に反応する。幾つかの実施形態では、官能基は、最適に整列されたときにSEQ ID NO:2に対するメニン上のシステイン329、システイン241、及び/又はシステイン230から選択されるメニン上の1つ以上の残基と共有結合的に反応する。幾つかの実施形態では、官能基は、最適に整列されたときにSEQ ID NO:2に対するシステイン329と共有結合的に反応する。
幾つかの実施形態では、RA、RBおよびRCの1つ以上は、存在するときに、メニン上の1つ以上の残基と共有結合的に反応する部分を含む。幾つかの実施形態では、RA、RBおよびRCの1つ以上は、存在するときに、メニンの1つ以上のアイソフォーム、例えば、メニンのアイソフォーム1(SEQ ID NO:1)、アイソフォーム2(SEQ ID NO:2)、アイソフォーム3(SEQ ID NO:3)と共有結合的に反応する部分を含む。特定の実施形態では、RA、RBおよびRCの1つ以上は、存在するときに、メニンと共有結合的に反応する部分を含み、ここでメニンタンパク質は、アイソフォーム1(SEQ ID NO:1)、アイソフォーム2(SEQ ID NO:2)またはアイソフォーム3(SEQ ID NO:3)と、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の配列同一性を共有する。
幾つかの実施形態では、RA、RBおよびRCの1つ以上は、存在するときに、メニン上の残基からの求核攻撃の影響を受けやすい求電子基を含む。求核残基に結合すると当業者に知られている適切な求電子部分、例えば、システイン残基に結合すると知られている求電子部分が、本明細書で熟考される。幾つかの実施形態では、RA、RBおよびRCの1つ以上は、存在するときに、求電子以外の部分を含み、ここで該部分は、メニン上の残基に結合することができるか、またはそれと共有結合的に反応することができる。幾つかの実施形態では、式(I)の化合物または塩は、(a)メニンに共有結合する、および(b)メニンとMLLとの相互作用を阻害することができる。
幾つかの実施形態では、RCは、メニン上の1つ以上の残基と共有結合的に反応する官能基を含む。幾つかの実施形態では、官能基は、メニン上の1つ以上のシステイン残基と共有結合的に反応する。幾つかの実施形態では、官能基は、最適に整列されたときにSEQ ID NO:2に対する位置329で、または最適に整列されたときにSEQ ID NO:1に対する位置334で、メニン上のシステインと共有結合的に反応する。
幾つかの実施形態では、RCは、α,β−不飽和カルボニル;α,β−不飽和スルホニル;エポキシド;アルデヒド;フッ化スルホニル;ハロメチルカルボニル、ジハロメチルカルボニル、またはトリハロメチルカルボニル、を含む部分である。
幾つかの実施形態では、RCは、
から選択され;
式中、
L5は、単結合;およびC1−6アルキレン、C1−6ヘテロアルキレン、C2−6アルケニレン、およびC2−6アルキニレンから選択され、これらそれぞれは、1つ以上のR32で独立して随意に置換され;
R22およびR23はそれぞれ、
水素、ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−N(R20)C(O)R20、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、−S(O)2N(R20)2、−N(R20)S(O)2R20、−NO2、=O、=S、=N(R20)、−P(O)(OR20)2、−P(O)(R20)2、−OP(O)(OR20)2、および−CN;
各々が、ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−N(R20)C(O)R20、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、−S(O)2N(R20)2、−N(R20)S(O)2R20、−NO2、=O、=S、=N(R20)、−P(O)(OR20)2、−P(O)(R20)2、−OP(O)(OR20)2、−CN、C3−10炭素環、および3−10員の複素環から選択される1つ以上の置換基で各発生時に独立して随意に置換される、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニル;および
C3−10炭素環および3−10員の複素環から独立して選択され;
ここでR22およびR23のC3−10炭素環および3−10員の複素環はそれぞれ、ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−N(R20)C(O)R20、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、−S(O)2N(R20)2、−N(R20)S(O)2R20、−NO2、=O、=S、=N(R20)、−P(O)(OR20)2、P(O)(R20)2、−OP(O)(OR20)2、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択される1つ以上の置換基で独立して随意に置換され;またはR22およびR23は、それらが結合される炭素原子と一体となって、炭素環を形成し;
R24は、
水素、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、および−S(O)2N(R20)2;
各々が、ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−N(R20)C(O)R20、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、−S(O)2N(R20)2、−N(R20)S(O)2R20、−NO2、=O、=S、=N(R20)、−P(O)(OR20)2、−P(O)(R20)2、−OP(O)(OR20)2、−CN、C3−10炭素環、および3−10員の複素環から選択される1つ以上の置換基で各発生時に独立して随意に置換される、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニル;および
C3−10炭素環および3−10員の複素環から選択され;
ここでR24のC3−10炭素環および3−10員の複素環はそれぞれ、ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−N(R20)C(O)R20、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、−S(O)2N(R20)2、−N(R20)S(O)2R20、−NO2、=O、=S、=N(R20)、−P(O)(OR20)2、P(O)(R20)2、−OP(O)(OR20)2、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択される1つ以上の置換基で独立して随意に置換され;
R20は、R52から各発生時に独立して選択され;および
R32は、R50から各発生時に独立して選択される。
幾つかの実施形態では、L5は単結合である。幾つかの実施形態では、L5は、随意に置換されたC1−6アルキレンである。幾つかの実施形態では、L5は、メチレン、エチレンまたはプロピレンから選択される。幾つかの実施形態では、L5は、ハロゲン、−NO2、=O、=S、−OR20、−SR20、および−N(R20)2から選択される1つ以上の置換基で置換される。
幾つかの実施形態では、R23は、
水素;
各々が、ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−N(R20)C(O)R20、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、−S(O)2N(R20)2、−N(R20)S(O)2R20、−NO2、=O、=S、=N(R20)、−P(O)(OR20)2、−P(O)(R20)2、−OP(O)(OR20)2、−CN、C3−10炭素環、および3−10員の複素環から選択される1つ以上の置換基で各発生時に独立して随意に置換される、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニル;および
C3−10炭素環、および3−10員の複素環から選択され;
ここでC3−10炭素環および3−10員の複素環はそれぞれ、ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−N(R20)C(O)R20、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、−S(O)2N(R20)2、−N(R20)S(O)2R20、−NO2、=O、=S、=N(R20)、−P(O)(OR20)2、−P(O)(R20)2、−OP(O)(OR20)2、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択される1つ以上の置換基で独立して随意に置換される。
幾つかの実施形態では、R23は、
水素;
ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、=O、=S、=N(R20)、および−CNから選択される1つ以上の置換基で随意に置換される、C1−6アルキル;および
ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−N(R20)C(O)R20、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、−S(O)2N(R20)2、−N(R20)S(O)2R20、−NO2、=O、=S、=N(R20)、−P(O)(OR20)2、−P(O)(R20)2、−OP(O)(OR20)2、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択される1つ以上の置換基で随意に置換された、C3−および3−10員の複素環、から選択される。
幾つかの実施形態では、R23は、水素、およびハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、=O、=S、=N(R20)、および−CNから選択される1つ以上の置換基で随意に置換された、C1−6アルキルから選択される。
幾つかの実施形態では、R22は、
水素および−CN;
各々が、ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−N(R20)C(O)R20、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、−S(O)2N(R20)2、−N(R20)S(O)2R20、−NO2、=O、=S、=N(R20)、−P(O)(OR20)2、−P(O)(R20)2、−OP(O)(OR20)2、−CN、C3−10炭素環、および3−10員の複素環から選択される1つ以上の置換基で各発生時に独立して随意に置換される、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニル;および
C3−10炭素環および3−10員の複素環から選択され;
ここでC3−10炭素環および3−10員の複素環はそれぞれ、ハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−N(R20)C(O)R20、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−OC(O)R20、−S(O)2R20、−S(O)2N(R20)2、−N(R20)S(O)2R20、−NO2、=O、=S、=N(R20)、−P(O)(OR20)2、P(O)(R20)2、−OP(O)(OR20)2、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択される1つ以上の置換基で独立して随意に置換される。
幾つかの実施形態では、R22は、水素、−CN;およびハロゲン、−OR20、−SR20、および−N(R20)2から選択される1つ以上の置換基で随意に置換される、C1−6アルキルから選択される。
幾つかの実施形態では、R22およびR23は、それらが結合される炭素原子と一体となって、5、6、または7員の炭素環を形成する。
幾つかの実施形態では、R24は、水素、およびハロゲン、−OR20、−SR20、−N(R20)2、−NO2、=O、および−CNから選択される1つ以上の置換基で随意に置換された、C1−6アルキルから選択される。
幾つかの実施形態では、R21は、
から選択される。
様々な変形のための上述の基の組み合わせが、本明細書で熟考される。本明細書の全体にわたって、基およびそれらの置換基は、安定した部分および化合物を提供するために選ばれ得る。
本明細書に記載される化学物質は、本明細書の1つ以上の例示的なスキーム及び/又は当該技術分野に既知の技術に従って合成することができる。本明細書で使用される物質は、市販で入手可能であるか、あるいは一般に当該技術分野で知られる合成法によって調製される。これらのスキームは、実施例にリストされる化合物に又はいかなる特定の置換基によっても限定されず、これらは例示目的で利用される。様々な工程が、スキーム1および実施例1−6に記載され、描写されているが、幾つかの場合における工程は、スキーム1および実施例1−6に示される順序とは異なる順序で実行され得る。これらの合成反応スキームに対する様々な修正がなされ得、本出願に含まれうる本開示を参照する当業者に示唆される。各スキームにおける参照符号またはR基は、必ずしも請求項または本明細書の他のスキームまたは表に参照符号またはR基に対応していない。
反対に指定されない限り、本明細書に記載される反応は、一般に−10℃から200℃の温度範囲内において、大気圧で生じる。さらに、他に指定されない限り、反応時間および条件は、およその反応時間および条件になるように意図され、例えば、反応は、約1時間から約24時間にわたって約−10℃から約110℃の温度範囲内においておよその大気圧で生じ;残された反応は、一晩平均で約16時間実行される。
一般に、本開示の化合物は、以下の反応スキームによって調製され得る:
幾つかの実施形態では、式1−6の化合物は、スキーム1に従って調製され得る。例えば、塩化メタンスルホニルが、アルコール1−1およびトリエチルアミンの溶液に加えられ、メシル酸塩1−2を得ることができる。Cs2CO3およびアミン1−3の溶液にメシル酸塩1−2を加えることによって、式1−4の化合物を提供することができる。アミン1−5へのアルデヒド1−4のカップリングは、NaBH(OAc)3などの適切な還元剤の存在下において進められ、式1−6の化合物を得ることができる。
幾つかの実施形態では、本開示の化合物、例えば、表1に与えられた式の化合物は、スキーム1、実施例1−6に概説される一般経路のうちの1つに従って、または一般に当該技術分野に既知の方法によって、合成される。幾つかの実施形態では、典型的な化合物は、限定されないが、表1から選択される化合物またはその塩を含み得る。
医薬組成物
本開示の組成物と方法はそれを必要としている個体を処置するために利用されてもよい。ある実施形態では、個体はヒトあるいはヒト以外の哺乳動物などの哺乳動物である。ヒトなどの動物に投与すると、組成物または化合物は好ましくは、例えば、式(I)の化合物または塩と、薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物として投与される。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は経口投与のために製剤される。他の実施形態では、医薬組成物は注入向けに製剤される。さらにより多くの実施形態では、医薬組成物は本明細書に開示されるような化合物と追加の治療薬(例えば抗癌剤)を含む。そのような治療薬の非限定的な例は本明細書で以下に記載されている。
適切な投与経路は、経口投与、静脈内投与、直腸投与、エアロゾル投与、非経口投与、経眼投与、経肺投与、経粘膜投与、経皮投与、膣内投与、経耳投与、経鼻投与、および、局所投与を含むが、これらに限定されない。さらに、ほんの一例ではあるが、非経口送達は、くも膜下腔内、直接脳室内、腹腔内、リンパ内、および、鼻腔内の注入だけでなく、筋肉内、皮下、静脈内、髄内の注入も含む。
特定の実施形態において、式(I)の化合物または塩の組成物は、しばしばデポ製剤または持続放出性製剤として、例えば、器官への直接的な化合物の注入を介して、全身よりもむしろ局所に投与される。具体的な実施形態において、長期間作用型製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内に)または筋肉内注射により投与される。さらに、他の実施形態において、式(I)の化合物または塩は、標的とする薬物送達系において、例えば、臓器特異的抗体(organ−specific antibody)でコーティングされたリポソームにおいて送達される。このような実施形態において、リポソームは、臓器を標的とし、臓器によって選択的に取り込まれる。さらに他の実施形態において、組成物は、急速放出製剤の形態、徐放製剤の形態、または、中間放出製剤の形態で提供される。さらに他の実施形態では、組成物は局所的に投与される。
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、広範な投与量範囲にわたって効果的であってもよい。例えば、成人のヒトの処置において、1日当たり0.01〜1000mg、1日当たり0.5〜100mg、1日当たり1〜50mg、および1日当たり5〜40mgの投与量は、いくつかの実施形態で使用されることもある投与量の例である。正確な投与量は投与経路、化合物が投与される形態、処置される被験体、処置される被験体の体重、および主治医の選択と経験に依存する。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩は一回量で投与される。典型的には、そのような投与は薬剤を迅速に導入するために注射(例えば静脈内注射)による。しかしながら、必要に応じて他の経路が使用される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩の1回量は、急性の疾病の処置に使用される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩は複数回投与量で投与される。いくつかの実施形態において、投薬は1日当たり約1回、2回、3回、4回、5回、6回、あるいは6回以上である。他の実施形態では、投薬はおよそ月に一度、週に一度、2週間に一度、あるいは一日おきに一度である。別の実施形態では、式(I)の化合物または塩と別の薬剤はともに、1日当たり約1回〜1日当たり約6回投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物または塩と別の薬剤の投与は、約7日未満間継続する。さらに別の実施形態では、投与は、約6日以上、約10日以上、約14日以上、約28日以上、約2か月以上、約6か月以上、あるいは1年以上継続する。場合によっては、必要に応じて、連続的な投薬は達成および維持される。
必要に応じて、式(I)の化合物または塩の投与は継続することがある。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、6日以上、7日以上、14日以上、あるいは28日以上にわたって投与される。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、28日以下、14日以下、7日以下、6日以下、5日以下、4日以下、3日以下、2日以下、あるいは1日以下、あるいはその一部にわたって投与される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩は、(例えば、慢性的な効果の処置のために)継続して慢性的に投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩は様々な投与量で投与される。化合物の薬物動態学における患者間の可変性により、投薬レジメンの個別化が最適な治療に必要であることは当該技術分野で知られている。式(I)の化合物または塩のための投薬は、本開示に照らしてルーチンの実験作業によって見つかることがある。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩は医薬組成物へ製剤される。特定の実施形態において、医薬組成物は、薬学的に使用可能な調製物への活性化合物の処理を促進する賦形剤と助剤を含む、1つ以上の生理学的に許容可能な担体を使用して、従来のやり方で製剤されてもよい。適切な製剤は、選択される投与の経路に依存する。薬学的に許容可能なあらゆる技術、担体、および、賦形剤は、本明細書に記載の医薬組成物を製剤するのに適したものとして使用される(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995); Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975; Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980; and Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed. (Lippincott Williams & Wilkins1999)。
式(I)の化合物または塩と薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、または担体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物または塩は、併用療法の際のように式(I)の化合物または塩を他の活性成分と混合した医薬組成物として投与される。以下の併用療法のセクションや本明細書のいたるところで説明される活性成分の全ての組み合わせが本明細書で包含される。特定の実施形態では、医薬組成物は、式(I)あるいはその薬学的に許容可能な塩の1つ以上の化合物を含んでいる。
医薬組成物は、本明細書で使用されるように、式(I)の化合物または塩と、担体、安定化剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、および/または賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。特定の実施形態において、医薬組成物は、生命体への化合物の投与を容易にする。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される処置方法または使用方法を行う際に、治療上有効な量の式(I)の化合物または塩は、処置される疾患、障害、または、医学的な疾病を抱える哺乳動物に医薬組成物として投与される。具体的な実施形態において、哺乳動物はヒトである。特定の実施形態において、治療上有効な量は、疾患の重症度、被験体の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の力価、および、他の因子に依存して変化する。式(I)の化合物または塩は、単独で、あるいは、混合物の成分として1つ以上の治療薬と組み合わせて使用されてもよい。
1つの実施形態では、式(I)の化合物または塩は水溶液の中で製剤される。特定の実施形態において、その水溶液は、ほんの一例であるが、ハンクス溶液、リンガー溶液、または、生理的食塩水などといった生理的に適合する緩衝液から選択される。他の実施形態では、式(I)の化合物または塩は経粘膜投与のために製剤される。特定の実施形態において、経粘膜製剤は、浸透すべきバリアにとって適切な浸透剤を含む。式(I)の化合物または塩が他の非経口的注入のために製剤されるさらに別の実施形態では、適切な製剤は水溶液または非水溶液を含んでいる。特定の実施形態において、そのような溶液は、生理学的に適合する緩衝液および/または賦形剤を含む。
別の実施形態では、式(I)の化合物または塩は経口投与のために製剤される。式(I)の化合物または塩は、活性化合物を、例えば、薬学的に許容可能な担体または賦形剤と組み合わせることにより製剤されてもよい。様々な実施形態では、式(I)の化合物または塩は、ほんの一例として、錠剤、粉末、丸剤、ドラジェ、カプセル剤、液体、ゲル、シロップ、エリキシル、スラリー、懸濁液などを含む経口剤形で製剤される。
特定の実施形態において、経口使用のための医薬調製物は、1またはそれ以上の固体の賦形剤を、式(I)の化合物または塩と混合することによって、随意に、結果として得られた混合物を粉砕し、必要に応じて、錠剤または糖衣錠コア(dragee cores)を得るために適切な助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理することによって混合される。適切な賦形剤は、特に、ラクトーゼ、ショ糖、マンニトール、または、ソルビトールを含む砂糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物;あるいは、ポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)またはリン酸カルシウムなどの他のものを含む。具体的な実施形態において、崩壊剤は任意に加えられる。崩壊剤は、ほんの一例ではあるが、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸あるいはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩を含む。
1つの実施形態では、ドラジェコアや錠剤などの剤形には1つ以上の適切なコーティングが施される。具体的な実施形態において、濃縮した糖液は、剤形をコーティングするために用いられる。糖液は、ほんの一例ではあるが、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または、二酸化チタン、ラッカー溶液、および、適切な有機溶媒、または、混合溶媒などのさらなる成分を任意に含む。染料および/または色素は同様に、同定目的のため、コーティングに任意に加えられる。さらに、染料および/または色素は、活性化合物の投与量の様々な組み合わせを特徴づけるために随意に利用される。
ある実施形態では、治療上有効な量の式(I)の化合物または塩は、他の経口剤形へ製剤される。経口剤形は、ゼラチン製の押し出しカプセル剤と、ゼラチン製の密封された軟カプセル剤、および、グリセロールやソルビトールなどの可塑剤を含む。特定の実施形態では、押し込み型のカプセル剤は1つ以上の充填材を混合して有効成分を含んでいる。充填剤は、ほんの一例として、ラクトース、デンプンなどの結合剤、および/または滑石またはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および、随意に安定剤を含んでいる。他の実施形態では、ソフトカプセル剤は適切な液体に溶かされるか懸濁される1つ以上の活性化合物を含んでいる。適切な液体は、ほんの一例ではあるが、1以上の脂肪油、流動パラフィン、または、液体ポリエチレングリコールを含む。加えて、安定剤が任意に加えられる。
他の実施形態では、治療上有効な量の式(I)の化合物または塩は、頬側投与または舌下投与のために製剤される。口腔投与または舌下投与に適した製剤は、ほんの一例ではあるが、錠剤、ロゼンジ剤、または、ゲル剤を含む。さらに別の実施形態では、式(I)の化合物または塩は、ボーラス注入または持続注入に適している製剤を含む非経口注入のために製剤される。具体的な実施形態において、注入用製剤は、単位剤形で(例えばアンプルで)、または複数回用量容器で提供される。保存剤は任意に注入製剤に加えられる。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、油性または水性のビヒクル中の無菌の懸濁液、溶液、またはエマルジョンとして非経口注入に適した形態で製剤される。非経口注入製剤は、懸濁剤、安定剤、および/または、分散剤などの処方剤(formulatory agent)を任意に含む。特定の実施形態において、医薬製剤は、水溶性の形態の活性化合物の水溶液を含んでいる。追加の実施形態では、式(I)の化合物または塩の懸濁液は適切な油性注射懸濁液として調製されている。本明細書に記載された医薬組成物で使用される適切な脂肪親和性の強い溶剤あるいはビヒクルは、ほんの一例として、ごま油などの脂肪油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドまたはリポソームなどの合成の脂肪酸エステルを含んでいる。ある特定の実施形態において、水性の注射懸濁液は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの懸濁液の粘度を増加させる物質を含む。随意に、懸濁液は、高濃度の溶液の調製を可能にするために化合物の溶解度を増加させる適切な安定剤または薬剤も含む。特定の実施形態では、活性な薬剤は、使用前の適切なビヒクル(例えば無菌の発熱性物質を含まない水)とともに構成される粉末形態である。
さらに別の実施形態では、式(I)の化合物または塩は局所的に投与される。式(I)の化合物または塩は、溶液、懸濁液、ローション剤、ゲル剤、ペースト、薬用スティック、鎮静薬、クリーム剤、または軟膏剤などの様々な局所的に投与可能な組成物へ製剤されてもよい。そのような医薬組成物は、可溶化剤、安定剤、等張増強剤、緩衝剤、および、保存剤を任意に含む。
さらに他の実施形態では、式(I)の化合物または塩は経皮的な投与のために製剤される。経皮製剤は、経皮送達装置および経皮送達パッチを利用し、ポリマーまたは粘着剤の中で溶解および/または分散した親油性エマルションまたは緩衝水溶液であってもよい。様々な実施形態において、このようなパッチは、医薬品の連続送達、パルス送達、または、オンデマンド送達に合わせて構築される。追加の実施形態では、式(I)の化合物または塩の経皮送達は、イオン泳動パッチなどによって達成される。ある実施形態では、経皮パッチは、式(I)の化合物または塩の制御された送達をもたらす。特定の実施形態において、吸収速度は、律速膜を使用することにより、あるいはポリマーマトリクスまたはゲル内で化合物を捕捉することにより、遅くなる。代替的な実施形態では、吸収促進剤は吸収度を増加させるために使用される。吸収促進剤または担体は、皮膚を介する通過を補助する、薬学的に許容可能な吸収性溶媒を含む。例えば、1つの実施形態では、経皮的な装置は、裏打ち部材と、随意に担体ととともに式(I)の化合物または塩を含んでいるリザーバと、随意に、長時間にわたって制御されたあらかじめ決められた速度で宿主の皮膚に化合物を送達するための速度制御バリアと、皮膚に装置を固定する手段とを含む包帯の形態である。
他の実施形態では、式(I)の化合物または塩は吸入による投与のために製剤される。吸入による投与に適した様々な形態は、エアロゾル、ミスト、または粉末を含むが、これら限定されない。式(I)の化合物または塩の医薬組成物は、適切な噴霧剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、他の適切なガス)を用いて、加圧されたパックまたは噴霧器からエアロゾルスプレー表示の形態で都合よく送達される。具体的な実施形態において、加圧されたエアロゾルの用量単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定される。特定の実施形態において、ほんの一例として吸入器あるいは注入器で使用されるゼラチンなどのカプセル剤およびカートリッジは、式(I)の化合物または塩とラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基材との粉末混合物を含んで製剤される。
さらに他の実施形態において、式(I)の化合物または塩は、ココアバターまたは他のグリセリドや、ポリビニルピロリドン(PEG)などの合成ポリマーなどの従来の坐剤基剤を含む、浣腸剤、直腸ゲル剤、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤、または、停留浣腸剤などの直腸の組成物で製剤化されてもよい。組成物の坐薬形態において、限定されないが、脂肪酸グリセリドの混合物などの低融点ワックスは、随意にココアバターと組み合わされて最初に融解する。
特定の実施形態において、医薬組成物は、薬学的に使用可能な調製物への活性化合物の処理を促進する賦形剤と助剤を含む、1つ以上の生理学的に許容可能な担体を使用して、従来のやり方で製剤されてもよい。適切な製剤は、選択される投与の経路に依存する。任意の薬学的に許容可能な技術、担体、および賦形剤も随意に適切に使用されてもよい。式(I)の化合物または塩を含む医薬組成物は、ほんの一例として、従来の混合、溶解、粒状化、ドラジェ製造、ゲル状化、乳化、カプセル化、封入化、捕捉、または圧縮のプロセスといった従来の手法で製造される。
医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤、および、しばしば本明細書で活性な薬剤または有効成分と呼ばれる式(I)の化合物または塩を含んでいる。有効成分は、遊離酸または遊離塩基形態であるか、あるいは薬学的に許容可能な塩形態であってもよい。さらに、式(I)の化合物または塩は、水やエタノールなどの薬学的に許容可能な溶剤とともに、非溶媒和形態あるいは溶媒和形態であってもよい。加えて、医薬組成物は随意に、他の薬剤または医薬品、担体、保存剤、安定剤、湿潤剤または乳化剤などのアジュバント、溶液促進剤、浸透圧を調節するための塩、緩衝液、および/または他の薬学的に価値のある物質を含んでいる。
式(I)の化合物または塩を含む組成物の調製のための方法は、固体、半固体、あるいは液体を形成するために1つ以上の不活性の薬学的に許容可能な賦形剤あるいは担体を有する化合物を製剤する工程を含んでいる。固形組成物は、粉剤、錠剤、分散性顆粒、カプセル剤、カシェ剤、および坐薬を含むが、これらに限定されない。液体組成物は、化合物が溶ける溶液、化合物を含むエマルジョン、あるいは、式(I)の化合物または塩を含む、リポソーム、ミセル、あるいはナノ粒子を含む溶液を含んでいる。半固形組成物は、ゲル剤、懸濁剤、およびクリームを含むが、これらに限定されない。式(I)の化合物または塩の医薬組成物の形態は、液溶体または懸濁液、使用前の液体中の溶液または懸濁液に適した、あるいはエマルジョンとしての固体形態を含んでいる。これらの組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤などの微量の非毒性補助物質を任意に含む。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩を含む医薬組成物は、薬剤が溶液、懸濁液、またはその両方に存在している液体の形態をとる。一般的に組成物が溶液または懸濁液として投与されると、薬剤の第一の部分は溶液中に存在し、薬剤の第二の部分は液体マトリックス中の懸濁液中に粒子形態で存在する。いくつかの実施形態において、液体組成物はゲル製剤を含む。他の実施形態において、液体組成物は水性である。
ある実施形態では、水性懸濁液は懸濁化剤として1つ以上のポリマーを含んでいる。ポリマーは、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性ポリマーと、架橋カルボキシル含有ポリマーなどの非水溶性ポリマーを含む。本明細書に記載される特定の医薬組成物は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルコポリマー、アルギン酸ナトリウム、およびデキストランから選択される粘膜付着性ポリマーを含む。
医薬組成物はさらに随意に、本明細書に記載された化合物の溶解性に役立つための可溶化剤を含んでいる。「可溶化剤」という用語は、一般的に、薬剤のミセル溶液または真性溶液をもたらす薬剤を含む。特定の許容可能な非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80は可溶化剤として役立ち、眼科用として許容可能なグリコール、ポリグリコール、例えばポリエチレングリコール400、およびグリコールエーテルも役立つ。
医薬組成物は随意に、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、および塩酸のような酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、およびトリスヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基;ならびに、クエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリウム、および塩化アンモニウムなどの緩衝剤、を含む1つ以上のpH調節剤または緩衝剤を含む。このような酸、塩基、および緩衝液は、組成物のpHを許容可能な範囲で維持することに必要とされる量で含まれる。
加えて、有用な組成物は随意に、組成物の重量モル浸透圧濃度を許容可能な範囲へするのに必要な量で1つ以上の塩も含んでいる。こうした塩は、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムのカチオン、ならびに塩化物、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、または重亜硫酸塩のアニオンを含み、適切な塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、および、硫酸アンモニウムを含む。
医薬組成物は随意に、微生物活性を阻害するために1つ以上の保存剤を含む。適切な保存剤は、メルフェン(merfen)とチオメルサールのような水銀を含有する物質;安定した2酸化塩素;ならびに、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、および塩化セチルピリジウムのような第四アンモニウム化合物を含む。
医薬組成物は、物理安定度を増強するために、あるいは他の目的のために、1つ以上の界面活性剤を含んでもよい。適切な非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油(例えばポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油);および、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40などが挙げられる。
医薬組成物は、必要に応じて、化学的安定性を増強するために1つ以上の抗酸化剤を含んでもよい。適切な抗酸化剤は、ほんの一例ではあるが、アスコルビン酸および二亜硫酸ナトリウムを含む。
特定の実施形態において、水性懸濁組成物は、単回投与用の再密閉できない容器に包装される。代替的に、複数回投与用の再密閉できる容器が使用され、この場合、組成物中に保存剤を含むことが典型的である。
ある実施形態では、疎水性の医薬品化合物の送達システムが使用される。リポソームおよびエマルションは、本明細書中で有用な送達用ビヒクルまたは担体の例である。特定の実施形態において、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒も利用される。追加の実施形態では、式(I)の化合物または塩は、治療薬を含む固体の疎水性ポリマーの半透性のマトリックスなどの持続放出システムを用いて送達される。様々な持続放出物質が本明細書で使用されてもよい。いくつかの実施形態において、持続放出カプセルは数週間から最大で100日以上まで化合物を放出する。治療用の試薬の化学的性質と生物学的安定性に依存して、タンパク質安定化用の追加の戦略が採用される。
ある実施形態では、本明細書に記載された製剤は、1つ以上の抗酸化剤、金属キレート剤、チオール含有化合物、および/または他の一般的な安定化剤を含む。そのような安定化剤の例としては、限定されないが、以下が挙げられる:(a)約0.5%−約2%w/vのグリセロール、(b)約0.1%−約1%w/vのメチオニン、(c)約0.1%−約2%w/vのモノチオグリセロール、(d)約1mM−約10mMのEDTA、(e)約0.01%−約2%w/vのアスコルビン酸、(f)0.003%−約0.02%w/vのポリソルベート80、(g)0.001%−約0.05%w/vのポリソルベート20、(h)アルギニン、(i)ヘパリン、(j)硫酸デキストラン、(k)シクロデキストリン、(l)ペントサンポリサルフェートおよび他のヘパリン類似物質、(m)マグネシウムと亜鉛などの2価カチオン;または(n)これらの組み合わせ。
いくつかの実施形態において、医薬組成物で提供される式(I)の化合物または塩の濃度は、約100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、あるいは0.0001%w/w、w/v、またはv/v未満である。
いくつかの実施形態において、医薬組成物で提供される式(I)の化合物または塩の濃度は、約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25% 9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、1.25%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、あるいは0.0001%w/w、w/v、あるいはv/vよりも大きい。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物あるいは塩の濃度は、およそ0.0001%からおよそ50%、およそ0.001%〜およそ40%、およそ0.01%〜およそ30%、およそ0.02%〜およそ29%、およそ0.03%〜およそ28%、およそ0.04%〜およそ27%、およそ0.05%〜およそ26%、およそ0.06%〜およそ25%、およそ0.07%〜およそ24%、およそ0.08%〜およそ23%、およそ0.09%〜およそ22%、およそ0.1%〜およそ21%、およそ0.2%〜およそ20%、およそ0.3%〜およそ19%、およそ0.4%〜およそ18%、およそ0.5%〜およそ17%、およそ0.6%〜およそ16%、およそ0.7%〜およそ15%、およそ0.8%〜およそ14%、およそ0.9%〜およそ12%、およそ1%〜およそ10%w/w、w/v、あるいはv/vの範囲である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物あるいは塩の濃度は、およそ0.001%〜およそ10%、およそ0.01%〜およそ5%、およそ0.02%〜およそ4.5%、およそ0.03%〜およそ4%、およそ0.04%〜およそ3.5%、およそ0.05%〜およそ3%、およそ0.06%〜およそ2.5%、およそ0.07%〜およそ2%、およそ0.08%〜およそ1.5%、およそ0.09%〜およそ1%、およそ0.1%〜およそ0.9%w/w、w/v、あるいはv/vまでの範囲である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩の量は、約10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g、または0.0001g以下である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩の量は、約0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g、または10gよりも大きい。
いくつかの実施形態において、本開示の1つ以上の化合物の量は、0.0001−10g、0.0005−9g、0.001−8g、0.005−7g、0.01−6g、0.05−5g、0.1−4g、0.5−4g、あるいは1−3gの範囲である。
本明細書に記載される治療用途での使用に関して、キットと製品も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、そのようなキットは、バイアル、チューブなどの1つ以上の容器を受け取るために仕切られる担体、包装、あるいは容器を含み、容器の各々は本明細書に記載される方法で使用される別々の要素の1つを含む。適切な容器は、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管を含む。容器はガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成される。
本明細書で提供される製品は包装材料を含む。医薬品をパッケージ化する際に使用される包装材料は、例えば、米国特許第5,323,907号、第5,052,558号、および、第5,033,252号で見られるものを含む。医薬包装材料の例としては、ブリスターパック、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、注射器、瓶、および選択された製剤および意図された様式による投与や処置に適切な任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、包装容器は、随意に組成物中に、あるいは本明細書に開示されるような別の薬剤と組み合わせて、式(I)の化合物または塩を含む。容器は随意に無菌のアクセスポートを有する(例えば、容器は、静脈注射用溶液バッグまたは皮下注射針によって貫通可能な栓を有するバイアルである)。このようなキットは、本明細書中に記載される方法におけるその使用に関する、識別用の記載またはラベル、あるいは説明書を有する化合物を任意に含む。
例えば、キットは典型的には、1以上の追加の容器を含み、それぞれの容器は、本明細書に記載される化合物の使用に関して、商業上の観点およびユーザーの観点から望ましい1以上の様々な材料(随意に濃縮された形態の試薬、および/または装置など)を含む。こうした材料の非限定的な例としては、限定されないが、緩衝液、賦形剤、フィルタ、針、シリンジ;担体、包装、容器、バイアルおよび/または、内容物および/または使用の説明書を列挙したチューブラベルが挙げられる。1セットの説明書も典型的に含まれる。ラベルは随意に容器上にあるか、容器に関連付けられる。例えば、ラベルを形成する文字、数、あるいは他の特徴が容器自体に取り付けられるか、成型されるか、またはエッチングされるとき、ラベルは容器上にあり、ラベルが例えば添付文書として容器を保持するレセプタクルまたは担体内に存在する場合、ラベルは容器に関連付けられる。加えて、ラベルは、内容物が特定の治療用途に用いられるべきものであるということを示すために用いられる。加えて、ラベルは、本明細書に記載される方法のように、内容物の使用説明書を示す。ある実施形態では、医薬組成物は、本明細書で提供された化合物を含む1以上の単位剤形を含むパックまたはディスペンサ装置で提示される。実施形態において、パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチックホイルを含む。あるいは、パックまたはディスペンサ装置には投与のための説明書が添えられる。あるいは、パックまたはディスペンサ装置には、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器に関連づけられる通知が添えられ、当該通知は、ヒトまたは動物の投与に関する薬物の形態の政府機関による承認を反映している。実施形態において、このような通知書は、例えば、処方薬または承認された生成物の挿入に関して、米国食品医薬品局により承認されたラベルである。いくつかの実施形態において、適合性の製薬担体で製剤される本明細書で提供される化合物を含む組成物が調製され、適切な容器に入れられ、示された疾病の処置のためにラベル付けされる。
方法
本開示は、メニンと1つ以上のタンパク質(例えば、MLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、あるいはMLLの部分的なタンデム複製)の相互作用を阻害する方法を提供し、該方法は、細胞を有効な量の式(I)の化合物または塩に接触させる工程を含む。メニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、あるいはMLLの部分的なタンデム複製)の相互作用の阻害は、当該技術分野で知られている非常に広範な方法によって評価および実証可能である。非限定的な例は、(a)1つ以上のタンパク質あるいはタンパク質フラグメント(例えば、MLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、MLLの部分的なタンデム複製、あるいはそのペプチドフラグメント)に対するメニン結合の減少;(b)細胞増殖および/または細胞の生存率の減少;(c)細胞分化の増大;(d) MLL1、MLL2、MLL融合タンパク質および/またはMLLの部分的なタンデム複製(例えば、Hoxa9、DLX2、およびMeis1)の下流の標的のレベルの減少;ならびに、(e)腫瘍容積および/または腫瘍容積成長速度の減少の提示を含む。キットと市販のアッセイは上記のものの1つ以上を決定するために利用することができる。
本開示は、限定されないが、メニン、MLL、MLL1、MLL2、および/または、MLL融合タンパク質(例えば癌)により結び付けられる疾病を含む疾患状態を処置するために、本開示の化合物または医薬組成物を使用する方法も提供する。
いくつかの実施形態において、癌の処置のための方法が提供され、該方法は、必要としている被験体に式(I)の化合物または塩を含む有効な量の前述の医薬組成物のいずれかを投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、癌はMLL融合タンパク質によって媒介する。他の実施形態では、癌は、白血病、乳癌、前立腺癌、膵癌、肺癌、肝臓癌、皮膚癌、あるいは脳腫瘍である。特定の実施形態では、癌は白血病である。いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、必要としている被験体における障害を処置する方法を提供し、該方法は、被験体がMLL融合タンパク質を有しているかどうかを判定する工程と、被験体がMLL融合タンパク質を有していると判定されるときに、治療上有効な量の式(I)の化合物または塩を被験体に投与する工程とを含む。
MLL融合タンパク質も、血液悪性腫瘍(例えば、血液、骨髄、および/またはリンパ節に影響を与える癌)中で同定された。これに応じて、ある実施形態は、血液悪性腫瘍の処置を必要とする患者に対する式(I)の化合物または塩の投与を対象とする。こうした悪性腫瘍としては、限定されないが、白血病やリンパ腫が挙げられる。例えば、本開示された化合物は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性単球性白血病(AMoL)、ヘアリーセル白血病、および/または他の白血病などの疾患の処置に使用することができる。他の実施形態では、化合物は、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫のすべてのサブタイプなどのリンパ腫の処置に使用することができる。
腫瘍または癌がMLL融合タンパク質を含むかどうかを判定することは、MLL融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を評価することにより、MLL融合タンパク質のアミノ酸配列を評価することにより、あるいは推定上のMLL融合タンパク質の特性を評価することにより行うことができる。
MLL融合タンパク質ヌクレオチド配列を検出する方法は当業者に知られている。こうした方法としては、限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応制限断片長多型(PCR−RFLP)アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応一本鎖高次構造多型(PCR−SSCP)アッセイ、リアルタイムPCRアッセイ、PCR配列決定、変異遺伝子特異的PCR増幅(MASA)アッセイ、直接配列決定、プライマー伸長反応、電気泳動、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ、ハイブリダイゼーションアッセイ、TaqManアッセイ、SNP遺伝子型判定アッセイ、高分解能融解アッセイ、およびマイクロアレイ分析。いくつかの実施形態において、MLL融合タンパク質は、例えば、MLLまたは融合パートナー遺伝子中の特定の領域(例えば、エキソン2および/またはエキソン3)の直接配列決定法を使用して同定される。この技術は、配列決定された領域中のあらゆる突然変異を同定する。
MLL融合タンパク質を検出する方法は当業者に知られている。これらの方法としては、限定されないが、融合タンパク質に特異的な結合剤(例えば抗体)を用いるMLL融合タンパク質の検出、タンパク質電気泳動とウェスタンブロッティング、および直接ペプチド配列決定が挙げられる。
腫瘍または癌がMLL融合タンパク質を含むかどうかを判定する方法は、様々なサンプルを使用することができる。いくつかの実施形態において、サンプルは腫瘍または癌を抱える被験体から得られる。いくつかの実施形態において、サンプルは癌または腫瘍を抱える被験体から得られる。いくつかの実施形態では、サンプルは新鮮な腫瘍/癌サンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは凍結した腫瘍/癌サンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルはホルマリン固定パラフィンに埋め込まれたサンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは細胞可溶化物に処理される。いくつかの実施形態において、サンプルはDNAまたはRNAに処理される。
本開示はさらに、治療上有効な量の式(I)の化合物または塩を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物の過剰増殖性疾患を処置する方法に関する。いくつかの実施形態において、該方法は、急性骨髄性白血病、青年期の癌、小児副腎皮質癌、エイズ関連の癌(例えば、リンパ腫とカポジ肉腫)、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、非定型奇形腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、非定型奇形腫、胚芽腫、胚細胞性腫瘍、原発性リンパ腫、子宮頚部癌、小児癌、脊索腫、心臓腫瘍、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性の骨髄増殖性疾患、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、肝外胆管上皮内癌(DCIS)、胚芽腫、CNS癌、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、感覚神経芽腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、目癌、骨の線維性組織球腫、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質性腫瘍(GIST)、胚細胞性腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、ヘアリーセル白血病、頭頚部癌、心臓癌、肝臓癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼球内黒色腫、膵島腫瘍、膵内分泌腫瘍、腎癌、喉頭癌、口唇癌および口腔癌、肝臓癌、非浸潤性小葉癌(LCIS)、肺癌、リンパ腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮癌、中線管癌、口腔癌多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/脊髄増殖性の新生物、多発性骨髄腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、骨の悪性線維性組織球腫と骨肉腫、鼻腔癌および副鼻腔癌、上咽頭癌、神経芽腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、口腔癌、口唇癌および口腔癌、口腔咽頭癌、卵巣癌、膵癌、乳頭腫、傍神経節腫、副鼻腔癌および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、胸膜肺芽腫、原発性の中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、移行細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、胃(stomach,gastric)癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、T細胞性リンパ腫、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫と胸腺癌、甲状腺癌、腎盂および尿管の移行細胞癌、絨毛性腫瘍、小児期の異常な癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、あるいはウイルス誘発性の癌などの癌の処置に関する。いくつかの実施形態において、該方法は、皮膚の良性の過形成(例えば、乾癬)、再狭窄、あるいは前立腺(例えば、良性前立腺肥大(BPH))などの非癌性の過剰増殖性疾患の処置に関する。場合によっては、該方法は、白血病、血液系悪性腫瘍、固形腫瘍癌、前立腺癌(例えば、去勢抵抗性前立腺癌)、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、原発性の骨肉腫、T細胞前リンパ球白血病、神経膠腫、神経膠芽腫、肝臓癌(例えば肝細胞癌)、あるいは糖尿病の処置に関する。場合によっては、白血病は、AML、ALL、混合型白血病、あるいはMLLの部分的なタンデム複製を伴う白血病を含んでいる。
ある特定の実施形態では、本開示は、肺癌の処置のための方法に関し、該方法は、必要としている被験体に、有効な量の上記の化合物(あるいは同じものを含む医薬組成物)のいずれかを投与する工程を含む。ある実施形態では、肺癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、例えば、腺癌、扁平上皮細胞肺癌、または大細胞肺癌である。他の実施形態では、肺癌は小細胞肺癌である。開示された化合物で処置可能な他の肺癌としては、限定されないが、腺腫瘍、カルチノイド腫瘍、および未分化癌が挙げられる。
本開示の化合物、または本開示の方法に係る化合物の薬学的に許容可能な塩、エステル、ロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、水和物、または誘導体によって処置可能な被験体は、例えば、以下を有すると診断されている被験体を含む:急性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、若年性癌、小児副腎皮質癌、AIDS関連の癌(例えばリンパ腫とカポジ肉腫)、肛門癌、垂癌、星細胞腫、非定型奇形腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド、非定型奇形腫、胚芽腫、胚細胞腫瘍、原発性リンパ腫、子宮頸癌、小児癌、脊索腫、心臓腫瘍、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性疾患、結腸癌、大腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、肝外胆管上皮内癌(DCIS)、胚芽腫、CNS癌、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、眼癌、骨の線維性組織球腫、胆嚢癌、胃癌、胃腸カルチノイド、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、心臓腫瘍、肝臓癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼球内黒色腫、膵島腫瘍、膵内分泌腫瘍、腎臓癌、喉頭癌、口唇癌および口腔癌、肝臓癌、上皮内小葉癌(LCIS)、肺癌とリンパ腫、原発不明転移性扁平上皮性頸部癌、正中線癌(midline tract carcinoma)、口腔癌多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/脊髄増殖性腫瘍、多発性骨髄腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、鼻腔癌および副鼻腔癌、鼻咽腔癌、神経芽腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、口腔癌、口唇癌および口腔癌、口腔咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔癌および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、移行細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、胃癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、T細胞性リンパ腫、精巣癌、喉頭癌、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、腎盂と尿管の移行上皮癌、絨毛性腫瘍、小児のまれな癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ウイルスに誘発された癌、白血病、血液悪性腫瘍、固形腫瘍の癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、1次骨肉腫、T細胞前リンパ球性白血病、神経膠腫、膠芽腫、肝細胞癌、肝臓癌、または糖尿病。いくつかの実施形態では、本開示の化合物で処置される被験体は、皮膚(例えば乾癬)、再狭窄、または前立腺(例えば良性前立腺肥大(BPH))の良性の増殖などの、非癌性の過剰増殖性の障害を有すると診断されている被験体を含む。
本開示はさらに、式(I)の化合物または塩の有効量にメニンを接触させることにより、メニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を調整する方法を提供する。調整は、メニン、その1つ以上の結合相手、および/または1つ以上のメニンの下流の標的、または1つ以上のその結合相手のタンパク質活性を阻害または活性化することができる。いくつかの実施形態では、本開示は、式(I)の化合物または塩の有効量にメニンを接触させることにより、メニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、メニン、MLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、および/またはMLLの部分的なタンデム重複を発現する細胞または組織または器官への接触によって、メニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、式(I)の化合物または塩の有効量を被験体に投与することによって、被験体のタンパク質活性を阻害する方法を提供し、被験体は限定されないがげっ歯動物および哺乳動物(例えばヒト)を含む。いくつかの実施形態では、調整率は、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を超える。いくつかの実施形態では、阻害率は、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を超える。
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞内におけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害するのに十分な量の本開示の化合物に細胞を接触させることによって、細胞内におけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、組織内におけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害するのに十分な量の式(I)の化合物または塩に組織を接触させることによって、組織内におけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、生体内におけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害するのに十分な量の式(I)の化合物または塩に生体を接触させることによって、生体内におけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、動物におけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害するのに十分な量の本開示の化合物に動物を接触させることによって、動物におけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物におけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害するのに十分な量の本開示の化合物に哺乳動物を接触させることによって、哺乳動物におけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトにおけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害するのに十分な量の本開示の化合物にヒトを接触させることによって、ヒトにおけるメニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用を阻害する方法を提供する。本開示は、そのような処置を必要とする被験体において、メニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質またはMLLの部分的なタンデム重複)の相互作用によって媒介される疾患を処置する方法を提供する。
本開示はさらに、式(I)の化合物または塩の治療上有効な量に、必要としている被験体を接触させることにより、メニンと1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)との相互作用によって媒介される傷害を処置する方法を提供する。
本開示はさらに、式(I)の化合物または塩の治療上有効な量を被験体に投与することによって、必要としている被験体の染色体11q23における染色体の転位によって媒介される障害を処置する方法を提供する。
本開示はさらに、疾患または疾病に苦しむ患者に、式(I)の化合物または塩の有効量を投与することによって疾患を処置するための方法を提供する。
本開示はさらに、疾患または疾病に苦しむ患者に、式(I)の化合物または塩の有効量を投与することによって疾患を処置するための方法を提供し、ここで化合物はメニンに結合し、および1つ以上のタンパク質(例えばMLL1、MLL2、MLL融合タンパク質、またはMLLの部分的なタンデム重複)とのメニンの相互作用を阻害する。
本開示はさらに、メニンを安定させる方法を提供し、該方法は式(I)の化合物または塩にメニンを接触させる工程を含む。いくつかの実施形態では、接触工程は、メニンを安定させるのに十分な量の化合物にメニンを接触させることを含む。いくつかの実施形態では、接触工程はインビボで行なわれる。いくつかの実施形態では、接触工程はインビトロで行なわれる。いくつかの実施形態では、接触工程は、細胞で行なわれる。
本開示はさらに、併用療法のための方法を提供し、該方法において、他の経路を調整すると知られている薬剤、同じ経路の他の成分、または重複している標的酵素のセットなどが、式(I)の化合物または塩と併用される。一態様では、相乗的または付加的な治療効果を提供するために、そのような治療は限定されないが、本開示の1つ以上の化合物と、化学療法薬、治療用の抗体および放射線治療との併用を含む。
望ましい場合には、本開示の化合物または医薬組成物を、Notch阻害剤および/またはc−Myb阻害剤と組み合わせて使用することができる。望ましい場合には、本開示の化合物または医薬組成物を、MLL−WDR5阻害剤および/またはDot11阻害剤と組み合わせて使用することができる。
多くの化学療法薬が当該技術では知られており、本開示の化合物と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、化学療法薬は、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、挿入用抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答修飾物質、抗ホルモン、血管形成阻害剤、および抗アンドロゲンからなる群から選択される。
非限定的な例は、化学療法薬、細胞毒性薬、およびGleevec(登録商標)(イマチニブ・メシレート)、Velcade(登録商標))(ボルテゾミブ)、Casodex(ビカルタミド)、Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ)およびアドリアマイシンなどの非ペプチド小分子、および多数の化学療法薬である。化学療法薬の非限定的な例として以下があげられる:チオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXANTM)などのアルキル化薬;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパおよびウレドーパなどのアジリジン;アルトレートアミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミド、トリエチレンチオホスホルアミド、およびトリメチロールメラミンを含むエチレンイミンおよびメチルメラミン;クロラムブチル、クロルナファジン、クロロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミン酸化物塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニマス、トロフォスファミド(trofosfamide)、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード、;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロソウレア;アクラシノミシン(aclacinomysin)、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリチアマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルチノフィリン、CasodexTM、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、プロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキセートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)などの抗代謝産物;デノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸アナログ;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリンアナログ;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジンアナログ、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、マイトテイン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フォリン(frolinic)酸などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミド配糖体;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン;エダトラキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジコン;エルホミチン(elfomithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン(nitracrine);ペントスタチン;フェナメト(phenamet);ピラルビシン;ポドフィリン酸(podophyllinic acid);2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK.RTM.;ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシッド(“Ara−C”);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン、例えばパクリタキセ(TAXOLTM,Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)およびドセタセル(TAXOTERETM,Rhone−Poulenc Rorer,Antony,France);レチン酸;エスペラミシン;カペシタビン;および上記いずれかの薬学的に許容可能な塩、酸または誘導体。適切な化学療法の細胞調整剤としてさらに、腫瘍へのホルモン作用を調節または阻害するために作用する以下のような抗ホルモン薬があげられる:例えば、タモキシフェン(NolvadexTM)、ラロキシフェン、4(5)−イミダゾールを阻害するアロマターゼ、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン、LY 117018、オナプリストン、およびトレミフェン(フェアストン)を含む抗エストロゲン;およびフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリドおよびゴセレリンなどの抗アンドロゲン;クロラムブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンとカルボプラチンなどのプラチナ類似体;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン(navelbine);ミトキサントロン(novantrone);テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;カンプトテシン−11(CPT−11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)。望ましい場合、本開示の化合物または医薬組成物は、以下のような一般に処方される抗癌剤と組み合わせて使用することができる:Herceptin(登録商標)、Avastin(登録商標)、Erbitux(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Taxol(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Taxotere(登録商標)、ABVD、AVICINE、アバゴボマブ(Abagovomab)、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ(Adecatumumab)、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アルファラディン(Alpharadin)、アルボシジブ(Alvocidib)、3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22抗毒素、抗悪性腫瘍薬、抗腫瘍性の薬草、アパジコン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW2992、ビリコダル、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシイミン、CBV(化学療法)、カリクリン、細胞周期非特異性抗悪性腫瘍薬、ジクロロ酢酸、ディスコデルモライド、エルサミトルシン(Elsamitrucin)、エノシタビン、エポチロン、エリブリン、エベロリムス、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フォロデシン、ホスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT−101、イメキソン(Imexon)、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニキダル、ラロタキセル、レナリドミド、ルカンソン、ルートテカン、マホスファミド、ミトゾロミド、ナホキシジン、ネダプラチン、オラパリブ、オルタタキセル、PAC−1、ポポー、ピキサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スワインソニン、タラポルフィン(Talaporfin)、タリキダール、テガフール・ウラシル、テモダール(Temodar)、テセタキセル(Tesetaxel)、トリプラチン(Triplatin tetranitrate)、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン(Troxacitabine)、ウラムスチン(Uramustine)、バジメザン(Vadimezan)、ビンフルニン(Vinflunine)、ZD6126、またはゾスキダル。
本開示はさらに、哺乳動物における異常な細胞増殖を阻害するために、または過剰増殖性の障害を処置するために、放射線治療と組み合わせて式(I)の化合物または塩、または本明細書で提供される医薬組成物を使用するための方法に関する。放射線治療を施すための技術は当技術分野において既知であり、これらの技術は本明細書に記載の併用療法で使用することができる。この併用療法における本開示の化合物の投与は、本明細書に記載のように決定することができる。
放射線治療は、外照射療法、内照射療法、組織内照射、定位放射線照射、全身放射線療法、放射線療法、および永久的または一時的な組織内近接照射療法を制限なく含む、いくつかの方法の1つ、または方法の併用を通じて施すことができる。用語「近接照射療法」は本明細書において使用されるように、腫瘍または他の増殖性組織疾患部位またはその近くで体内に挿入される、空間的に制限された放射性物質によって送達される放射線治療を指す。該用語は、放射性同位体(例えば、At−211、I−131、I−125、Y−90、Re−186、Re−188、Sm−153、Bi−212、P−32、およびLuの放射性同位体)への暴露を制限なく含むように意図されている。本開示の細胞調節剤として使用される適切な放射線源には、個体と液体の両方が含まれる。非限定的な例として、放射線源は、個体の供給源としてのI−125、I−131、Yb−169、Ir−192などの放射性核種、個体の供給源としてのI−125、または光子、β粒子、ガンマ線または他の治療用の放射線を放射する他の放射性核種であり得る。放射性物質はさらに、放射性核種の溶液、例えばI−125またはI−131の溶液から作られる流体であり得、または放射性の流体は、Au−198、Y−90などの固形放射性核種の小さな粒子を含む適切な流体のスラリーを用いて産生可能である。さらに、放射性核種はゲルまたは放射性のミクロ球体内で具現することができる。
本開示の化合物または医薬組成物は、抗血管形成薬、シグナル伝達阻害剤、抗増殖薬、解糖阻害剤、またはオートファジー阻害剤から選択される一定量の1つ以上の物質と組み合わせて使用することができる。
MMP−2(マトリックス−メタロプロテアーゼ2)阻害剤、MMP−9(マトリックス−メタロプロテアーゼ9)阻害剤、およびCOX−11(シクロオキシゲナーゼ11)阻害剤などの抗血管形成薬は、本開示の化合物および本明細書に記載の医薬組成物と合わせて使用することができる。抗血管形成薬には、例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブ、およびベバシズマブが含まれる。有用なCOX−II阻害剤の例には、CELEBREX(商標)(alecoxib)、valdecoxibおよびロフェコキシブが含まれる。有用なマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤の例は、以下に記載され、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる:国際公開第96/33172(1996年10月24日公開)、国際公開第96/27583(1996年3月7日公開)、欧州特許出願第97304971.1(1997年7月8日出願)、欧州特許出願第99308617.2(1999年10月29日出願)、国際公開第98/07697(1998年2月26日公開)、国際公開第98/03516(1998年1月29日公開)、国際公開第98/34918(1998年8月13日公開)、国際公開第98/34915(1998年8月13日公開)、国際公開第98/33768(1998年8月6日公開)、国際公開第98/30566(1998年7月16日公開)、欧州特許公開第606,046(1994年7月13日公開)、欧州特許公開第931、788(1999年7月28日公開)、国際公開第90/05719(1990年5月31日公開)、国際公開第99/52910(1999年10月21日公開)、国際公開第99/52889(1999年10月21日公開)、国際公開第99/29667(1999年6月17日公開)、PCT国際出願第PCT/IB98/01113(1998年7月21日出願)、欧州特許出願第99302232.1(1999年3月25日出願)、イギリス特許出願第9912961.1(1999年6月3日出願)、米国仮特許出願第60/148,464(1999年8月12日出願)、米国特許第5,863、949(1999年1月26日付与)、米国特許第5,861、510(1999年1月19日付与)、および欧州特許公開第780,386(1997年6月25日公開)。好ましいMMP−2およびMMP−9阻害剤は、MMP−1を阻害する活性がほとんどないものである。より好ましいのは、他のマトリックス−メタロプロテアーゼに比して、MMP−2および/またはAMP−9を選択的に阻害するものである(例えばMAP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−ll、MMP−12、およびMMP−13)。本開示において有用なMMP阻害剤のいくつかの特定の例は、AG−3340、RO32−3555およびRS13−0830である。
オートファジー阻害剤は、限定されないが以下を含む:クロロキン、3−メチルアデニン、水酸化クロロキン(Plaquenil(商標))、バフィロマイシンA1、5−アミノ−4−イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、オートファジーを抑制する藻類毒素であり2A型または1型のタンパク質ホスファターゼを阻害する藻類毒素、cAMPのアナログ、およびcAMPレベルを上昇させる薬物であるアデノシン、LY204002、N6−メルカプトプリンリボシド、ビンブラスチンなどの薬物。加えて、限定されないがATG5(オートファジーに関係する)を含むタンパク質の発現を阻害するアンチセンスまたはsiRNAを、さらに使用してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物を、滑沢剤としても知られている液体または個体の組織バリアと合わせて調剤または投与してもよい。組織バリアの例には限定されないが、多糖類、ポリグリカン、セプラフィルム、インターシードおよびヒアルロン酸が含まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物と合わせて投与される薬剤は、吸入剤によって有効に送達される適切な薬物を含み、例えば以下があげられる:鎮痛剤、例えばコデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニル、またはモルヒネ;狭心症用の製剤、例えばジルチアゼム;抗アレルギー性物質、例えばクロモグリク酸、ケトチフェン、またはネドクロミル;感染症用薬、例えばセファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、またはペンタミジン;抗ヒスタミン薬、例えばメタピリレン;抗炎症剤、例えばベクロメタゾン、フルニソリド、ブデソニド、チプレダン、トリアムシノロンアセトニド、またはフルチカゾン;鎮咳剤、例えばノスカピン;気管支拡張薬、例えばエフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、サルブタモール、サルメテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、オルシプレナリン、または(−)−4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−[[[6−[2−(2−ピリジニル)エトキシ]ヘキシル]−アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;利尿薬、例えばアミロライド;抗コリン作用薬、例えばイプラトロピウム、アトロピン、またはオキシトロピウム;ホルモン、例えばコルチゾン、ヒドロコルチゾン、またはプレドニゾロン;キサンチン、例えばアミノフィリン、コリンテオフィリネート、リジンテオフィリン、またはテオフィリン;および治療用のタンパク質とペプチド、例えばインスリンまたはグルカゴン。適切であれば、薬剤の活性および/または安定性を最適化するために、塩の形状で(例えば、アルカリ金属またはアミンの塩として、または酸付加塩として)、またはエステル(例えば低級アルキル基エステル)として、または溶媒和化合物(例えば水化物)として、薬剤を使用することが、当業者には明確になるだろう。
併用療法に有用な他の典型的な治療薬は、限定されないが以下を含む:上記の薬剤、放射線治療、抗ホルモン、ホルモンおよびその放出因子、甲状および抗甲状腺薬、エストロゲンおよびプロゲスチン、アンドロゲン、副腎皮質刺激ホルモン;副腎皮質ステロイドおよびその合成アナログ;副腎皮質ホルモンの合成と作用の阻害剤、インスリン、経口血糖降下薬、および膵臓内分泌腺の薬理、石灰化および骨の代謝回転に影響する薬剤:カルシウム、リン酸塩、副甲状腺ホルモン、ビタミンD、カルシトニン、水溶性ビタミン、ビタミンB複合体、アスコルビン酸、脂溶性ビタミン、ビタミンA、K、およびEなどのビタミン、成長因子、サイトカイン、ケモキネス、ムスカリン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト;抗コリンエステラーゼ薬;神経筋接合部および/または自律神経節において作用する薬剤;カテコールアミン、交感神経興奮薬、およびアドレナリン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト;および5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT,セロトニン)受容体アゴニストおよびアンタゴニスト。
治療薬はさらに、以下のような痛みと炎症に対する薬剤を含み得る:ヒスタミンおよびヒスタミン拮抗薬、ブラジキニンおよびブラジキニンアンタゴニスト、5−ヒドロキシトリプタミン(セロトニン)、膜リン脂質の選択的な加水分解の生成物の生体内変化によって生成される脂質物質、エイコサノイド、プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン、アスピリン、非ステロイド性の抗炎症薬、解熱鎮痛薬、プロスタグランジンとトロンボキサンの合成を阻害する薬剤、誘導型シクロオキシゲナーゼの選択的阻害薬、誘導型シクロオキシゲナーゼ−2の選択的阻害薬、オータコイド、パラクリンホルモン、ソマトスタチン、ガストリン、体液および細胞性免疫反応に含まれる相互作用を媒介するサイトカイン、脂質由来オータコイド、エイコサノイド、β−アドレナリンアゴニスト、イプラトロピウム、グルココルチコイド、メチルキサンチン、ナトリウムチャネル遮断薬、オピオイド受容体アゴニスト、カルシウム拮抗薬、膜安定化薬およびロイコトリエン阻害剤。
本明細書において熟考される追加の治療薬は、以下を含む:利尿薬、バソプレシン、腎臓の水の保存に影響する薬剤、レンニン、アンギオテンシン、心筋虚血の処置に有用な薬剤、抗昇圧薬、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、β−アドレナリン受容体遮断薬、高コレステロール血症の処置用の薬剤、および脂質異常症の処置用の薬剤。
熟考された他の治療薬には、以下が含まれる:胃液酸度の制御に使用される薬物、消化性潰瘍の処置用の薬剤、胃食道逆流疾患の処置用の薬剤、プロカイネティック剤、鎮吐剤、過敏性腸症候群で使用される薬剤、下痢に対して使用される薬剤、便秘に対して使用される薬剤、炎症性腸疾患に対して使用される薬剤、胆道疾患に対して使用される薬剤、膵臓病に対して使用される薬剤。原虫症の処置に使用される治療薬、マラリア、アメーバ症、ジアルジア症、トリコモナス症、トリパノソーマ症、および/またはリーシュマニア症の処置に使用される薬物、および/または蠕虫病の化学療法で使用される薬物。他の治療薬には以下が含まれる:抗菌剤、スルホンアミド、トリメトプリム・スルファメトキサゾール配合剤キノロン、尿路感染症のための薬剤、ペニシリン、セファロスポリン、および他のβ−ラクタム抗生物質、アミノグリコシドを含む薬剤、タンパク合成阻害薬、結核、マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス症およびハンセン病の化学療法で使用される薬物、抗真菌薬、非レトロウイルス薬および抗レトロウイルス薬を含む抗ウイルス剤。
本開示の化合物と併用可能な治療用の抗体の例には、限定されないが以下が含まれる:抗受容体チロシンキナーゼ抗体(セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ)、抗CD20抗体(リツキシマブ、トシツモマブ)、およびアレムツズマブとベバシズマブとゲムツズマブなどの他の抗体。
さらに、免疫調整剤、免疫抑制剤、トレロゲンおよび免疫増強薬などの、免疫調節に使用される治療薬は、本明細書の方法によって熟考される。加えて、血液と造血器官に作用する治療薬、抗貧血薬、成長因子、ミネラル、およびビタミン、抗凝血薬、血栓溶解薬および抗血小板薬。
腎癌の処置のために、本開示の化合物をソラフェニブおよび/またはベバシズマブと併用してもよい。子宮内膜障害の処置のために、本開示の化合物をドキソルビシン、タキソテール(タキソール)、および/またはシスプラチン(カルボプラチン)と併用してもよい。卵巣癌の処置のために、本開示の化合物をシスプラチン(カルボプラチン)、タキソテール、ドキソルビシン、トポテカン、および/またはタモキシフェンと併用してもよい。乳癌の処置のために、本開示の化合物をタキソテール(タキソール)、ゲムシタビン(カペシタビン)、タモキシフェン、レトロゾール、タルセバ、ラパチニブ、PD0325901、ベバシズマブ、ハーセプチン、OSI−906、および/またはOSI−930と併用してもよい。肺癌の処置のために、本開示の化合物をタキソテール(タキソール)、ゲムシタビン、シスプラチン、ペメトレキセド、タルセバ、PD0325901、および/またはベバシズマブと併用してもよい。
さらに、本開示の化合物と併用可能な治療薬が、GoodmanとGilmanの“The Pharmacological Basis of Therapeutics,”Tenth Edition edited by Hardman,Limbird and Gilman、または医師用添付文書集に見いだされ、それらの両方が参照により全体として本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載される化合物は、処置されている疾病に応じて、本明細書に開示される薬剤または他の適切な薬剤と併用することができる。従っていくつかの実施形態では、本開示の1つ以上の化合物は、上記の他の薬剤と共に投与されるだろう。併用療法で使用される時、本明細書に記載される化合物は、第2の薬剤と同時にまたは別々に投与される。この併用投与は、同じ剤形の2つの薬剤の同時投与、別々の剤形の同時投与、および別々の投与を含むことができる。すなわち、本明細書に記載される化合物および上記のいずれの薬剤も、同じ剤形で一緒に調剤し、同時に投与することができる。代替的に、本開示の化合物および上記のいずれの薬剤も、同時に投与することができ、ここで両方の薬剤は別個の処方にある。別の代替手段では、本開示の化合物は、上記の薬剤の直後に投与することができ、逆もまた同じである。別個の投与のプロトコルであるいくつかの実施形態では、本開示の化合物および上記の薬剤のいずれかは、数分おいて、または数時間おいて、または数日間おいて投与される。
以下の例は、本開示の様々な実施形態を例証する目的で与えられ、いかなる様式においても本開示を制限することを意図していない。本実施例は、本明細書に記載される方法と組成物と共に、好ましい実施形態を現時点において代表するものであり、典型的なものであるが、本開示の範囲を制限する意図はない。それらにおける変更、および特許請求の範囲により定義されるような開示の趣旨内に含まれる他の用途を、当業者は思い浮かべるだろう。
<実施例1:表1の化合物13および3の合成>
工程A:化合物3−2の調製:THF(100mL)中の3−1(6g、25mmol)の溶液に、0℃でごく少量のLiAlH4(1.5g、37mol)を添加した。反応が完了したことをTLCが示すまで、反応物を撹拌した(約2時間)。反応混合物を、EtOAcを付加してクエンチし、EtOAcとH2Oの間で分割した。有機質層をブラインで洗浄し、およびNa2SO4にかざして乾燥させた。溶媒を真空下で取り除いて、黄色個体(5.2g、収率:97%)として3−2を得た。
工程B:化合物3−4の調製:CH2Cl2(10mL)中の、3−2(800mg、3.7mmol)およびEt3N(740mg、7.4mmol)の溶液に、0℃でMsCl(428mg、4.4mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌し、次にNaHCO3を加えることでクエンチし、ブラインで洗浄し、およびNa2SO4にかざして乾燥させた。溶媒を真空下で取り除いて3−3を得て、さらなる精製を行うことなくそれを次の工程で使用した。
DMF(10mL)中のCs2CO3(3.0g、9.3mmol)および5−ホルミル−4−メチル−1H−インドール−2−カルボニトリル(80m0g、4.4mmol)の混合物に、DMF中で3−3を添加した。反応混合物を100℃で10時間撹拌した。その後、反応混合物をEtOAcとH2Oの間で分割した。有機質層をブラインで洗浄し、およびNa2SO4にかざして乾燥させた。真空下で溶媒を取り除き、および残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1〜3:1)で精製して、黄色個体(600mg、収率:42%、アルコールによる)として3−4を得た。
工程C:化合物3−5の調製:CH2Cl2(50mL)中の、3−4(2.2g、5.8mmol)、6−(2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(ピペリジン−4−イル)チエノ−[2,3−d]ピリミジン−4−アミンおよびEt3N(3.5g、34mmol)の混合物を、NaBH(OAc)3(7.3g、34mmol)を反応物に加える前に、室温で1時間撹拌した。反応混合物を一晩、室温で撹拌した。その後、反応混合物をCH2Cl2とNaHCO3の間で分割した。有機質層をブラインで洗浄し、およびNa2SO4にかざして乾燥させた。溶媒を取り除き、および残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=50:1〜20:1)で精製して、黄色個体(3.9g、収率:98%)として3−5を得た。
工程D:化合物13の調製:CH2Cl2(30mL)中の溶液3−5(3.9g、5.7mmol)に、TFA(20mL)を添加した。反応混合物を室温で4時間、撹拌した。溶媒を真空下で取り除き、それをCH2Cl2で希釈し、およびNaHCO3で洗浄して残留物を得た。有機質層をブラインで洗浄し、およびNa2SO4にかざして乾燥させた。真空下で溶媒を取り除き、および残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=10:1)で精製して白色の泡(2.6g、収率:79%)として化合物13を得た。
工程E:化合物3の調製:CH2Cl2(30mL)中の、プロピオン酸(450mg、6.0mmol)とBOP(3.0g、6.9mmol)とiPr2NEt(3.0g、23mmol)の溶液に、化合物13(2.7g、4.6mmol)を添加した。NaHCO3によってクエンチし、ブラインで洗浄し、およびNa2SO4にかざして乾燥させる前に、反応混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を取り除き、および残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=10:1)で精製して、化合物3(1.8g、収率:61%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3):8.49(s,1H),7.34(d,1H),7.21(s,1H),7.11(d,1H),7.08(s,1H),5.78(s,1H),5.07(d,1H),4.45(s,2H),4.25(m,1H),3.61−3.70(m,4H),2.93(m,2H),2.57(s,3H),2.33−2.20(m,2H),2.00−2.13(m,2H),2.02(s,6H),1.90(s,3H),1.50−1.70(m,2H)。
<実施例2:表1の化合物29の合成>
工程A:化合物29−2の調製:CH2Cl2(10mL)中の、29−1(200mg、1.0mmol)およびEt3N(202mg、2.0mmol)の溶液に、0℃でMsCl(172mg、1.5mmol)を添加した。水を反応物に加える前に、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液の混合物をCH2Cl2で3回抽出した。有機質層をブラインで洗浄し、およびNa2SO4にかざして乾燥させた。溶液をろ過して濃縮し、白色個体(250mg、収率:90%)として29−2を得た。
工程B:化合物29−3の調製:DMF(6mL)中の、29−2(250mg、0.9mmol)、5−ホルミル−4−メチル−1H−インドール−2−カルボニトリル(82mg,0.45mmol)およびCs2CO3(438mg、1.35mmol)の混合物を、水(15mL)を加える前に60℃で6時間、撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。結合した有機溶液をブラインで洗浄し、Na2SO4にかざして乾燥させ、ろ過し、および濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の33%のEtOAcから石油エーテル中の50%のEtOAc)で精製して、黄色個体(110mg、収率:33%)として29−3を得た。
工程C:化合物29−4の調製:CH2Cl2(20mL)中の、29−3(110mg、0.3mmol)、6−(2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(ピペリジン−4−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン塩酸塩(116mg、0.3mmol)およびEt3N(185mg、1.8mmol)の混合物を、NaBH(OAc)3(381mg、1.8mmol)を氷浴下の反応物に加える前に、室温で1時間撹拌した。反応混合物を一晩、室温で撹拌した。溶媒を真空下で取り除き、および残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中の2.5%のMeOH)によって精製して、個体(180mg、収率:90%)として29−4を得た。
工程D:化合物29−5の調製:HCl/MeOH(10mL)中の第3級ブチルカルバマート29−4(180mg、0.27mmol)の溶液を、室温で2時間撹拌した。溶媒を取り除き、およびMeOH(10mL)中のNH3(7N)の溶液を加えた。溶媒を取り除く前に10分間、反応混合物を撹拌し、および残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中の10%のMeOH)で精製して、オイル(100mg、収率:65%)として29−5を得た。
工程E:化合物29の調製:CH2Cl2/THF(10mL、1:1)中の29−5(100mg、0.17mmol)およびEt3N(27mg、0.26mmol)の混合物に、N2下、−78℃で、アクリロイルクロライド(19mg、0.21mmol)をゆっくり添加した。混合物を室温で15分間撹拌し、次にNH3・MeOHを加えた。溶媒を取り除き、および残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中の10%のMeOH)で精製して、個体(78mg、収率:71%)として最終生成物29を得た。1H NMR(400MHz、DMSO):δ:8.32(s,1H),7.81〜7.80(d,1H),7.64(s,1H),7.55(s,1H),7.39(s,1H),7.34〜7.32(m,2H),6.16〜6.01(m,2H),5.57〜6.54(m,1H),4.33〜4.31(d,2H),4.09〜4.00(m,4H),3.68(s,3H),2.86〜2.85(m,2H),2.45〜2.41(m,1H),2.26〜2.24(m,2H),2.10(brs,2H),1.99(s,1H),1.89(brs,2H),1.75〜1.67(m,2H),1.57(brs,2H);ESI−MS m/z:622.40(M+H)。
<実施例3:表1の化合物10の合成>
工程A:化合物10−1の調製:DMF(15mL)中の3−1(300mg、1.24mmol)の溶液に、0℃でNaH(210mg、2.5mmol)を添加した。ヨードメタン(50mg、2.5mmol)を加える前に、反応混合物を同じ温度で20分間、撹拌した。水を加える前に、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。結合した有機質層を乾燥するまで濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル/EtOAc=5:1)で精製して、無色のオイル(310mg、収率:97%)として10−1を得た。
工程B:化合物10−2の調製:THF(10mL)中のメチルエステル10−1(310mg、1.21mmol)の混合物に、0℃でゆっくりとLiAlH4を添加した。水(0.2mL)、続いてEtOAcを加える前に、反応混合物を室温で1時間、撹拌した。反応混合物を濾過し、乾燥するまで濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル/EtOAc=3:1)で精製して、10−2(237mg、収率:86%)を得た。
工程C:化合物10−3の調製:CH2Cl2中の10−2(230mg、1.01mmol)の溶液に、0℃でEt3N(0.42mL、3.03mmol)を、続いてメタンスルホニル塩化物(231mg、2.02mmol)を添加した。得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。CH2Cl2を加え、混合物をNaHCO3で洗浄し、および有機質層をブラインで洗浄し、Na2SO4にかざして乾燥させた。溶媒を取り除いて、茶色のオイルとして10−3(330mg)を得た。
工程D:化合物10−4の調製:DMF(10mL)中の、天然のままの10−3(330mg)、5−ホルミル−4−メチル−1H−インドール−2−カルボニトリル(200mg、1.08mmol)およびCs2CO3(1g、3.24mmol)の混合物を、100℃で一晩、撹拌した。水を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相をNa2SO4にかざして乾燥させ、および乾燥するまで濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル/EtOAc=4:1)で精製して、10−4(177mg、収率:41%)を得た。ESI−MS m/z:394(M+H)。
工程E:化合物10−5の調製:CH2Cl2中の10−4(177mg、0.45mmol)、N−(ピペリジン−4−イル)−6−(2,2,2−トリフルオロエチル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン塩酸塩(238mg、0.68mmol)、Et3N(0.2mL(1.3mmol))およびNaBH(OAc)3の混合物を室温で一晩中撹拌した。反応混合物をCH2Cl2で希釈し、ブラインで洗浄し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(CH2Cl2/MeOH=30:1)によって精製し、10−5(210mg、収率:67%)を得た。ESI−Ms m/z:694(M+H)。
工程F:化合物10の調製:10−5(100mg、0.14mmol)の溶液、CH2Cl2(5mL)中のTFA(1mL)を室温で3時間撹拌した。その混合物を濃縮し、残留物をCH2Cl2に溶解し、NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(CH2Cl2/MeOH=30:1)によって精製し、10(50mg、収率:58%)を得た。ESI−Ms m/z:594(M+H)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ:8.48(s、1H)、7.38(d、1H)、7.22(s、1H)、71.5(s、1H)、7.13(s、1H)、5.23(brs、1H)、4.46(s、2H)、4.26−4.28(m、1H)、3.62−3.69(m、4H)、2.97(d、2H)、2.63(s、3H)、2.31−2.37(m、5H)、2.08−2.14(m、2H)、1.65−1.73(m、8H)。
実施例4:表1中の化合物11および12の合成。
工程A:化合物12−1の調製:反応が完了したことをTLCが示すまで、CH3CN(30mL)中の3−3およびBu4CN(3.5g、13mmol)の混合物を、10時間還流下で撹拌した。溶媒を取り除き、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)によって精製し、12−1を白色固体(1.0g、収率:アルコールによると86%)として得た。
工程B:化合物12−2の調製:CH2Cl2の中の12−1(460mg、2mmol)の溶液に、DIBAL−H(6mmol)液滴を−78度で加え、反応混合物を2時間同じ温度で撹拌した。反応物をNH4Clでクエンチし、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で取り除き、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1〜3:1)によって精製し、12−2を白色固体(200mg、収率:44%)として得た。
工程C:化合物12−3の調製:THF中の12−2(200mg、1mmol)の溶液に、BH3/THF(4mmol)液滴を−78度で加えた。反応物をMeOHによってクエンチする前に10時間撹拌した。溶媒を真空下で取り除き、12−3を白色固体(200mg、収率:99%)として得て、更に精製すること無く次の工程に用いた。
工程D:化合物12−5の調製:CH2Cl2(10mL)中の12−3(120mg、0.54mmol)およびEt3N(109mg、1.0mmol)の溶液に、MsCl(73mg、0.63mmol)を−0度で加えた。反応物を室温で30分間撹拌した。その反応物をNaHCO3によりクエンチし、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で取り除き、粗生成物12−4を得て、更に精製すること無く次の工程に用いた。
DMF(10mL)中のCs2CO3(400mg、1.2mmol)および5−ホルミル−4−メチル−1H−インドール−2−カルボニトリル(70mg、0.3mmol)の混合物にDMF中の12−4を加えた。反応物を100度で10時間撹拌した。反応混合物を、EtOAcおよびH2Oの間で分割した。有機質層をブラインで洗浄してNa2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で取り除き、残留物を得、この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1〜3:1)によって精製し、12−5を白色固体(100mg、収率:52% 2工程)として得た。
工程E:化合物12−6の調製:NaBH(OAc)3(130mg、0.6mmol)を加える前に、CH2Cl2(10mL)中の12−5(30mg、0.1mmol)、6−(2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(ピペリジン−4−イル)チエノ−[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(50mg、0.12mmol)およびEt3N(60mg、0.6mmol)の混合物を1時間室温で撹拌した。混合反応物を室温で一晩中撹拌した。反応物をCH2Cl2とNaHCO3の間で分割し、有機質層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で取り除き、残留物を得、この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=50:1〜20:1)によって精製し、12−6を黄色固体(40mg、収率:60%)として得た。
工程F:化合物11の調製CH2Cl2(3mL)中の12−6(130mg、0.19mmol)の溶液に、TFA(2mL)を室温で加えた。反応物を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空下で取り除き、残留物を得、この残留物をCH2Cl2で希釈しNaHCO3で洗浄した。有機質層をブラインで洗浄してNa2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で取り除き、化合物11を黄色泡(100mg、粗)として得た。
工程G:化合物12の調製CH2Cl2(10mL)中のプロピオン酸(6mg、0.07mmol)、BOP(40g、0.09mmol)およびiPr2NEt(40mg、0.3mmol)の溶液に、化合物11(35mg、0.06mmol)を加え、次いで、反応物を30分間室温で撹拌した。反応物をNaHCO3の追加によってクエンチし、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を取り除いて残留物を得、この残留物を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=10:1)によって精製し、12(10mg、収率:30%)を得た。1H NMR (400 MHz、CDCl3) 8.46(s、1H),7.51(d、1H)、7.17〜7.22 (m、3H),5.85 (s、1H)、5.79 (br、1H)、4.23〜4.32(m,3H)、3.86(s,2H)、3.66(q,2H)、3.12(m、2H)、2.58 (s、3H)、2.53〜2.40 (m、2H)、2.20〜2.14(m、6H),1.99(s、6H)、1.86〜1.90 (m、2H)、1.12(t、3H)。ESI−Ms m/z:650.25(M+H)。
実施例5:表1中の化合物20および18の合成。
工程A:化合物18−2の調製:MsCl(460mg、4mmol)をゆっくりと加える前に、CH2Cl2中の18−1およびEt3N(600mg、6mmol)の混合物を0度で撹拌した。反応混合物を0度で2時間窒素下で撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をCH2Cl2とH2Oの間で分割し、有機質層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で取り除き、結果として生じた化合物を、淡黄色油(460mg、収率:99%)として、さらに精製すること無く使用した。
工程B:化合物18−3の調製:DMF(10mL)中の粗な18−2(460mg、2mmol)、5−ホルミル−4−メチル−1H−インドール−2−カルボニトリルおよびCs2CO3(1.3g、4mmol)の混合物を、60度で4時間撹拌した。反応物を冷却し、結果としてた固体を濾過により集めた。反応混合物をEtOAcとH2Oの間で分割し、有機質層をブラインによって洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で取り除き、残留物を得、この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=10:1〜4:1)によって精製し、18−3を淡黄色固体(280mg、収率:43%)として得た。ESI−Ms m/z:323(M+H)。
工程C:工程18−4の調製:NaBH(OAc)3(570mg、4mmol)を氷浴冷却しながら加える前に、CH2Cl2(30mL中の18−3(280mg、0.87mmol)、N−(ピペリジン−4−イル)−6−(2,2,2−トリフルオロエチル)チエノ−[2,3d]ピリミジン−4−アミン塩酸塩(435mg、1.35mmol)およびEt3N(400mg、4mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を一晩、室温で撹拌した。反応物をCH2Cl2とNaHCO3の間で分割し、有機質層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で取り除き、残留物を得、この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=10:1〜1:1)によって精製し、18−4を黄色固体(300mg、収率:56%)として得た。ESI−Ms m/z:623(M+H)。
工程D:化合物20の調製水(4mL)およびTHF(10mL)中の18−4(180mg、0.3mmol)の溶液に、LiOH(24mg、0.6mmol)を加えた。反応物を室温で16時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。混合物のpHをHCl(水溶液、1N)でpH 4に調節した。反応混合物はEtOAcで希釈し、有機質層をNa2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で取り除き、化合物20を得て、これを淡黄色固体(130mg、収率:75%)として、さらに精製すること無く使用した。
工程E:化合物18の調製CH2Cl2(10mL)中の粗化合物20(40mg、0.07mmol)、メチルアミン塩酸塩(30mg、0.44mmol)、EDCI(40mg、0.28mmol)、HOBT(15mg、0.11mmol)およびEt3N(50mg、0.5mmol)の混合物を40時間室温で撹拌した。反応混合物をCH2Cl2とNaHCO3の間で分割し、有機質層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で取り除いて残留物を得、この残留物を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=10:1)によって精製し、化合物18を白色固体(15mg、収率:35%)として得た。1H NMR(400 MHz、MeOD) 8.31(s、1H)、7.54(s、1H)、7.41〜7.32(m、3H)、4.45(s、2H)、4.24〜4.17(m、1H)、3.89〜3.81(m、2H)、3.74(s、2H)、3.08〜3.05(m、2H)、2.66(s、3H)、2.60(s、3H)、2.40〜2.34 (m、2H)、2.07〜2.03 (m、2H)、1.88(s、6H)、1.76〜1.70 (m、2H)。ESI−Ms m/z:622(M+H)。
実施例6:表1中の化合物17および33の合成。
工程A:化合物33−1の調製:CH2Cl2(10mL)中の化合物13(190mg、0.33mmol)、2−(tert−ブトキシカルボニル)酢酸(79mg、0.43mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(229mg、0.5mmol)およびiPr2NEt(0.3mL、1.65mmol)の混合物を室温で30分間撹拌した。水を加えて、結果として生じた混合物をCH2Cl2で抽出した。有機質層を濃縮し、残留物をシリカゲルカラム(CH2Cl2/MeOH=20:1)によって精製して、33−1(210mg、収率:87%)固形物として得た。ESI−Ms m/z:737(M+H)。
工程B:化合物17の調製CH2Cl2(5mL)およびトリフルオロ酢酸(5mL)中の33−1(230mg、0.34mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固し、残留物をNH3/MeOH(7N)に溶解した。混合物を濃縮乾固した。残留物をシリカゲルカラムによって精製して、化合物17を黄色固体(210mg、収率:83%)として得た。ESI−Ms m/z:637(M+H)。
工程C:化合物33の調製CH2Cl2(5mL)の中の化合物17(50mg、0.08mmol)、ギ酸(8mg、0.16mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(52mg、0.12mmol)およびiPr2NEt(0.07mL、0.4mmol)の混合物を室温で30分間撹拌した。水を加えて、結果として生じた反応混合物をCH2Cl2で抽出した。有機質層を濃縮し、残留物をシリカゲルカラム(CH2Cl2/MeOH=15:1)によって精製して化合物33(40mg、収率:77%)として得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ:8.30 (s、1H)、8.09(s,1H)、7.52(s、1H)、7.30−7.34 (m、3H)、4.51(s,2H)、4.20(m,1H)、3.67−3.85 (m,6H)、3.07−3.10(m、2H)、2.59(s、3H)、2.34−2.44(m、2H)、2.05−2.08(m、2H),1.96(s,6H)、1.62−1.76(m、2H)。ESI−Ms m/z:664(M+H)。
実施例7:表1の化合物82の合成
工程A:化合物82−2の調製:DCM(30mL)中の化合物3−4(1.0g、2.6mmol)および化合物82−1(1.0g、2.9mmol)の混合物に、トリエチルアミン(1.6g、15.8mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、続いてNaBH(OAc)3(3.35g、15.8mmol)をゆっくりと加えた。反応物を室温で一晩中撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を水で洗浄し、水層を50mlのDCMで抽出した。結合した有機溶液を50mlのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中2.5−5%MeOHで溶出)によって精製し、化合物82−2を白色固体(1.4g、収率:75%)として得た。ESI−Ms m/z:709.50(M+H)。
工程B:化合物82−3の調製:HCl/MeOH(20mL)中の82−2(1.4g、1.98mmol)の溶液を室温で1時間撹拌し、次いでその溶液を真空により濃縮した。MeOH溶液中のNH3を加えてpHを中性に調節した。溶媒を取り除き、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中2.5%MeOHで溶出)によって精製し、82−3を白色固体(1.0g、収率:83%)として得た。ESI−Ms m/z:609.40(M+H)。
工程C:化合物82の調製:15mLのDCM中の82−3(900mg、1.48mmol)、DIEA(573mg、4.44mmol)およびAcOH(177mg、2.96mmol)の混合物に、BOP(1.25g、2.96mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応物を水で洗浄し、水層を50mlのDCMで抽出した。結合した有機溶液を50mlのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中3−5%MeOHで溶出)によって精製し、化合物82を固体(475mg、収率:49%)として得た。ESI−Ms m/z:651.45(M+H)。
実施例8:蛍光偏光アッセイ。この実施例はMLLのメニン(menin)への結合をモニタリングするのに効果的なアッセイを例示する。蛍光偏光(FP)競合実験は、IC50値として報告されるとおり、化合物がメニン−MLL相互作用を阻害する有効性を判定するために行なわれる。参照によって本明細書に組み込まれるYokoyama et al. (Cell, 2005, 123(2): 207−218)によれば、MLLに見られる高親和性メニン結合モチーフを含む、フルオレセインで標識されたペプチドが産生される。標識されたペプチド(1.7 kDa)の多数の比較的大きいメニン(〜67kDa)への結合は、フルオロフォアの回転相関時間の有意な変化を伴い、蛍光偏光および蛍光異方性(500nmでの励起、525nmでの発光)の実質的な増加をもたらす。化合物がメニン−MLL相互作用を阻害する有効性がFP競合実験で測定され、ここにおいて、蛍光異方性の減少は相互作用の阻害と相関し、IC50測定のための読み出し(read−out)として使用される。
表2は、蛍光偏光アッセイ中で選択された化合物の生物活性を示す。化合物番号は、表1および実施例1−7で提供される番号と構造に相当する。
実施例9:均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイ。FPアッセイの結果を確認するために、均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイを第2のアッセイとして利用する。いくつかの実施形態では、HTRFアッセイは最初のアッセイであり、FPアッセイが結果を確認するために第2のアッセイとして使用される。HTRFは、時間分解検出と組み合わされた、ユーロピウムクリプテート(Eu3+−クリプテート)ドナーからアロフィコシアニン(XL665)アクセプターへの長続きする発光の非放射性エネルギー移動に基づく。Eu3+−クリプテートドナーは、マウス抗6Hisモノクローナル抗体(Hisタグ付きメニンに結合する)とコンジュゲートし、XL665−アクセプターはストレプトアビジン(ビオチン化MLLペプチドに結合する)とコンジュゲートする。これらの2つのフルオロフォアが、メニンとMLLペプチドとの相互作用によって一緒にされると、アクセプターへのエネルギー移動は、665nmでのフルオレセンス発光の増加およびHTRF比の増加をもたらす(665nmでの発光強度/620nmでの発光強度)。メニン−MLL相互作用の阻害は、ドナーをアクセプターから分離し、665nmでの発光の減少およびHTRF比の減少をもたらす。
実施例10:メニン結合アッセイ。サンプル調製:2.5μLの100μM化合物をPBS中の47.5μLの526nMメニンに加える(最終濃度5%DMSO中の5μM化合物500nMメニン)。反応物を室温で様々な時間でインキュベートし、2.5μLの4%ギ酸(FA、最終濃度0.2%)でクエンチする。方法:Thermo Finnigan Surveyor Autosampler、PDA Plus UV検出器、およびMS PumpとLTQリニアイオントラップ質量分析計を使用して、XCaliburソフトウェア制御下でサンプルデータを収集した。「no waste」モードの5μLサンプルを45℃でPhenomenex Jupiter 5u 300A C5(ガードカラム)2×4.00mmに注入した。移動相組成物:緩衝液A(95:5 水:アセトニトリル、0.1%FA)および緩衝液B(アセトニトリル、0.1%FA)。勾配溶離を85:15(緩衝液A:B)の最初の移動相および250μL/分の流量と共に使用した。注入時、85:15 A:Bを1.3分間保持し、緩衝液Bを3.2分かけて90%に増加させ、1分間保持し、次いで0.1分間で初期状態に戻し、2.4分間保持した。合計実行時間は8分である。空隙容量の塩を廃棄に向けるために用いられるポストカラム切換弁をサンプル方法の最初の2分間で使用した。緩衝液Aのブランク注入は、各サンプル注入の間に使用される。0.1%FAを含むアセトニトリル:水が1:1のニードル洗浄液を使用した。エレクトロスプレーイオン化(ESI)源は、300℃のキャピラリー温度、40単位のシースガス流、20単位の補助ガス流、3単位のスイープガス流、3.5kVのスプレー電圧、120Vのチューブレンズを使用した。データ収集:データ収集は、陽イオンフルスキャンモード550−1500Da、10ミクロン、最大イオン時間200msで実施した。データ分析:タンパク質質量スペクトルをXCaliburデータファイルとして得た。最も良いスキャンがXCalibur Qual Browserを使用して共に追加された。スペクトルは、「View/Spectrum List with Display」オプションを使用して表示され、すべてのピークを表示した。Edit/Copyセルメニューを使用してPCのクリップボードに質量スペクトルをコピーした。PCクリップボードのスペクトルをエクセルにペーストした。最初の2列(m/zおよび強度)を維持し、第3の列(相対性)が削除した。次いで、残りの2つの列を、エクセルからのfilename.txtのようにタブ区切りファイル(m/zと強度)として保存した。次いで、Masslynx Databridgeプログラムを使用して、filename.txtタブ区切りファイルをMasslynx形式に変換した。いくつかの場合では、(同様に変換された)ミオグロビンスペクトルを使用する外部較正をMasslynxに適用して、メニンタンパク質m/zデータのm/z値を補正した。MassLynxソフトウェアスイートのMaxEnt1ソフトウェアを質量スペクトルのデコンボリューションのために使用して、タンパク質の平均MWを算出した。共有結合の付加物形成のパーセンテージをデコンボリューションされたスペクトルから判定し、共有結合の反応の反応速度(k)を計算するために使用した。
実施例11:細胞増殖アッセイ。ヒト白血病、VCaP、LNCaP、22RV1、DU145、LNCaP−AR、MV4;11、KOPN−8、ML−2、MOLM−13、RS4;11、SEM、骨髄細胞(BMC)、MLL−AF9、MLL−AF4、MLL−ENL、MLL−CBP、MLL−GAS7、MLL−AF1p、MLL−AF6、HM−2、E2A−HLF、REH、U937、K562、KG−1、HL−60およびNB4細胞などの細胞の増殖を阻害する、本開示の化合物の能力を、Promega CellTiter−Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assay (Promega Technical Bulletin, 2015, “CellTiter−Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assay”: 1−15、これは本明細書に参照によってその全体に組み入れられる)などの細胞生存率アッセイを使用して試験した。細胞を適切な濃度で、例えば96ウェルプレート中1ウェルあたり約1×105〜2×105の細胞をプレートする。本開示の化合物を、約2μMまでの濃度で、各化合物に対して8回の2倍連続希釈で加える。細胞は一定の期間、例えば72時間の間、37度でインキュベートされ、次いで対照ウェル中の細胞が数えられる。生存細胞数を元の濃度まで戻すために培地を交換し、化合物を再び供給する。キットのインストラクションのとおり、Promega CellTiterGlo(登録商標)試薬を使用して、増殖を約72時間後に測定する。
実施例12:MLL融合タンパク質下流標的のRT‐PCR解析。1つ以上のMLL融合タンパク質下流標的の発現に対する本開示の化合物の影響は、RT−PCRによって評価される。VCaP、LNCaP、22RV1、DU145、LNCaP−AR、MV4;11、KOPN−8、ML−2、MOLM−13、RS4;11、SEM、骨髄細胞(BMC)、MLL−AF9、MLL−AF4、MLL−ENL、MLL−CBP、MLL−GAS7、MLL−AF1p、MLL−AF6、HM−2、E2A−HLF、REH、U937、K562、KG−1、HL−60およびNB4細胞などの細胞は、本明細書に記載の化合物の有効な濃度で、約7日以下の間処置され、次いで、製造業者のインストラクションに従い、RNeasy mini kit (QIAGEN)などの任意の利用可能なキットを使用して、全RNAを細胞から抽出する。全RNAを、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit (Applied Biosystems)を用いて逆転写し、関連する遺伝子転写産物(例えばHoxa9、DLX2およびMeis1)の相対的な定量化をリアルタイムPCRによって決定する。メニン−MLL相互作用の効果的な抑制は、Hoxa9、DLX2およびMeis1を含むMLLの下流標的のダウンレギュレーションをもたらすと予想される。
実施例13:マウスにおける薬物動態研究。メニン−MLL阻害剤の薬物動態を、15mg/kgの静脈内(iv)投与および30mg/kgの経口投与(po)後のメスのC57BL/6マウスにおいて測定した。化合物を、25%(v/v)のDMSO、25%(v/v)のPEG−400および50%(v/v)のPBSを含むビヒクルに溶解した。連続的な血液サンプル(50オL)を24時間にわたり採取し、15,000rpmで10分間遠心分離機にかけ、分析のために保存した。化合物の血漿濃度は、この研究用に開発され有効化されたLC−MS/MS方法によって判定される。LC−MS/MSの方法はAgilent 1200 HPLCシステムから成り、試験された化合物のクロマトグラフィーの分離をAgilent Zorbax Extend−C18 column (5cm x 2.1mm, 3.5μm; Waters)を使用して達成する。陽イオン多重反応モニタリング(MRM)モードでエレクトロスプレーイオン化源(ABI−Sciex、Toronto、Canada)を備えたAB Sciex QTrap 3200質量分析計を検出に使用する。薬物動態学の全パラメータを、WinNonlin(登録商標) version 3.2 (Pharsight Corporation, Mountain View, CA, USA)を用いるノンコンパートメントメソッド(noncompartmental methods)によって計算する。
実施例14:マウス異種移植片腫瘍モデルにおける有効性研究。8〜10週齢のメスのヌード(nu/nu)マウスなどの免疫不全マウスをIACUCによって承認されたガイドラインに従ってインビボでの有効性研究のために使用した。ATCCから利用可能なヒトMV4−11白血病細胞などの白血病細胞を、ニードルを介してメスのヌードマウスに皮下移植する(5×106細胞/マウス)。腫瘍がマウスにおいておよそ150〜250mm3のサイズに達する場合、腫瘍を有するマウスを、ビヒクル対照または化合物処置群(1群あたり8匹の動物)にランダムに割り当てる。動物を、過度の実験をすることなく、当業者が決定することができるような適切な量および頻度で経口胃管栄養法または腹腔内注射によって本開示の化合物で処置する。ヌードマウスの皮下の腫瘍体積およびマウスの体重を毎週2度測定する。腫瘍体積を、カリパスで2つの垂直な直径を測定することにより計算する(V=(長さ×幅2)/2)。腫瘍増殖阻害率(%TGI=1−[処置群における腫瘍体積の変化/対照群における腫瘍体積の変化]*100)を用いて抗腫瘍効果を評価する。統計的有意差を単一側(one−tailed)の2つのサンプルt検定を使用して評価した。P<0.05は統計的に有意と見なされる。
実施例15:前立腺腫瘍異種移植片モデルにおける有効性研究。4〜6週齢のオスのCB17重症複合免疫不全(SCID)マウスなどの免疫不全マウスをIACUCによって承認されたガイドラインに従ってインビボでの有効性研究のために使用した。VCaPまたはLNCaP−AR細胞などの親の前立腺癌細胞を、オスのCB.17.SCIDマウスに皮下移植する(50%マトリゲル中3−4×106細胞)。腫瘍がおよそ80mm3の触知できるサイズに達する場合、腫瘍を有するマウスを、ビヒクル対照または化合物処置群(1群あたり動物6匹以上)にランダムに割り当てる。動物を、過度の実験をすることなく、当業者が決定することができるような適切な量および頻度で腹腔内注射によって本開示の化合物で処置する。一例において、マウスは、40mg/kgの本開示の化合物を用いて腹腔内注射により2週間毎日処置し、次いでその後週に5日間処置される。皮下腫瘍体積およびマウスの体重を毎週2度測定する。腫瘍体積を、カリパスで2つの垂直な直径を測定することにより計算する(V=(長さ×幅2)/2)。
実施例16:去勢抵抗性前立腺腫瘍異種移植片モデル(VCaP)における有効性研究。4〜6週齢のオスのCB17重症複合免疫不全(SCID)マウスなどの免疫不全マウスをIACUCによって承認されたガイドラインに従ってインビボでの有効性研究のために使用した。VCaP細胞などの親の前立腺癌細胞を、オスのCB.17.SCIDマウスに皮下移植する(50%マトリゲル中3−4×106細胞)。腫瘍がおよそ200−300mm3のサイズに達する時、腫瘍を有するマウスを物理的に去勢し、腫瘍を約150mm3までの退縮および再増殖について観察した。腫瘍を有するマウスを、ビヒクル対照または化合物処置群(1群あたり動物6匹以上)にランダムに割り当てる。動物を、過度の実験をすることなく、当業者が決定することができるような適切な量および頻度で腹腔内注射によって本開示の化合物で処置する。一例では、マウスは、40mg/kgの本開示の化合物を用いて腹腔内注入により毎日処置される。皮下腫瘍体積およびマウスの体重を毎週2度測定する。腫瘍体積を、カリパスで2つの垂直な直径を測定することにより計算する(V=(長さ×幅2)/2)。
実施例17:去勢抵抗性前立腺腫瘍異種移植片モデル(LNCaP−AR)における有効性研究。4〜6週齢のオスのCB17重症複合免疫不全(SCID)マウスなどの免疫不全マウスをIACUCによって承認されたガイドラインに従ってインビボでの有効性研究のために使用した。CB.17.SCIDマウスを外科的に去勢し、LNCaP−AR細胞などの親の前立腺癌細胞(50%マトリゲル中3−4×106細胞)を皮下移植する前に2−3週間回復させた。腫瘍がおよそ80〜100mm3の触知できるサイズに達する場合、腫瘍を有するマウスを、ビヒクル対照または化合物処置群(1群あたり動物6匹以上)にランダムに割り当てる。・動物を、過度の実験をすることなく、当業者が決定することができるような適切な量および頻度で腹腔内注射によって本開示の化合物で処置する。一例では、マウスは、60mg/kgの本開示の化合物を用いて腹腔内注射により27日間毎日処置される。皮下腫瘍体積およびマウスの体重を毎週2度測定する。腫瘍体積を、カリパスで2つの垂直な直径を測定することにより計算する(V=(長さ×幅2)/2)。
実施例18:細胞サーマルシフトアッセイ(CETSA)。細胞溶解物CETSA実験のために、細胞系(例えばHEK293および骨髄サンプル)由来の培養細胞を採取し、PBSで洗浄する。キナーゼ緩衝液(KB)(25mMトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン塩酸塩(トリス−HCl、pH7.5)、5mMベータ−グリセロリン酸塩、2mMジチオスレイトール(DTT)、0.1mM酸化バナジウムナトリウム、10mM塩化マグネシウム)、または、リン酸塩緩衝食塩水(PBS)(10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)、2.7mM塩化カリウムおよび137mM塩化ナトリウム)中で細胞を希釈する。すべての緩衝液を完全なプロテアーゼ阻害剤カクテル(Complete protease inhibitor cocktail)で補充する。細胞懸濁液を液体窒素を使用して3回凍結融解する。可溶性分画(溶解物)を、20000×gで4℃で20分間の遠心分離によって細胞片から分離させる。細胞溶解物を適切な緩衝液で希釈し、2つのアリコートに分割し、一方のアリコートを薬物で処置し、他方のアリコートを阻害剤の希釈剤で処置する(対照)。室温での10−30分のインキュベーションの後、それぞれの溶解物をより小さい(50μL)アリコートに分割し、異なる温度で3分間個別に加熱し、続いて室温で3分間冷却する。適切な温度は予備CETSA実験で決定される。可溶性分画を沈殿物から分離するために、加熱した溶解物を、4℃で20分間、20000×gで遠心分離する。上清を新たなマイクロチューブに転送し、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって分析し、続いてウェスタンブロット分析を行う。
無傷細胞実験のために、上記のインビトロ実験から得られた薬物処置細胞を、先述のように加熱し、続いて、KB(30μL)を添加し、液体窒素で2回の凍結融解を用いて溶解する。可溶性分画をウェスタンブロットによって単離し分析する。
インビトロマウス実験のために、凍結した組織の溶解物を使用する。凍結した器官(例えば肝臓または腎臓)は氷上で溶かされ、PBSで簡単にすすがれる。組織粉砕機を用いて冷PBS中で器官をホモジナイズし、続いて液体窒素を用いて3サイクルの凍結融解を行う。組織溶解物は細胞片と脂質に分けられる。組織溶解物をプロテアーゼ阻害剤を含むPBSで希釈し、50μLのアリコートに分割し、様々な温度で加熱した。可溶性分画をウェスタンブロットによって単離し分析する。
本明細書に開示される1つ以上の化合物で処置されたアリコートは、対照アリコートと比較して、メニンの熱安定性が増大することが予想される。
実施例19:精製タンパク質に対するCETSA様ドットブロット実験。精製されたタンパク質(0.5μg)をPCRプレートのウェルに加え、および、実験の設定に応じて緩衝液または細胞溶解物およびリガンドの添加することにより、容量を50μLに調整する。サンプルをサーモサイクラー(thermocycler)の指定の時間および温度で加熱する。加熱後、サンプルを直ちに3000xgで15分間遠心分離し、0.65μmMultiscreen HTS 96ウェルフィルタープレートを用いて濾過する。3μLの各濾液がニトロセルロース膜上にブロットされる。主要な抗体および第2の複合体を免疫ブロット法に使用する。すべての膜をブロッキング緩衝液でブロックする;製造業者が推奨する標準的な転移およびウェスタンブロットプロトコルを使用する。すべての抗体をブロッキング緩衝液中で希釈する。ドットブロットが開発される。化学ルミネセンスが検出され画像化される。生のドットブロット画像が処理される。バックグラウンドを減算し、強度が定量される。グラフは、S字形の用量反応(可変勾配)を用いてプロットされ、適合させられる。
実施例20:細胞増殖アッセイ。細胞の増殖を阻害する本開示の化合物の能力を、MTT細胞増殖アッセイ(ATCC(登録商標)30−1010K)を使用して、MLL白血病細胞株(例えばMV4;11)で試験した。本明細書に開示される1つ以上の化合物、例えば1μM未満、好ましくは50nM以下のIC50値(実施例8に従って測定した、メニン−MLL相互作用を破壊する化合物の能力を反映する測定値)を有する、表2に提供される化合物は、MV4;11細胞の増殖を阻害する。細胞を、96ウェルプレート中に約1×10 5細胞/ウェルでプレートした。本開示の化合物は、約2μMまでの濃度で、各化合物について7回の2倍連続希釈で加えた。細胞を37度で72時間培養し、次いで、対照ウェル中の細胞を数えた。生存細胞数を元の濃度に戻すために培地を変更し、化合物を再供給した。キットのインストラクションのとおり、MTT試薬を使用して増殖を96時間後に測定した。図4の化合物Aなどの本開示の化合物のGI50値は、MTT細胞増殖アッセイによって測定されたとおり、MV4;11の細胞中では40nMだった。本明細書の実施例および図面で使用されるとおり、化合物Aは表1中の化合物3を指す。実施例で使用されるとおり、化合物のGI50値は、細胞増殖の最大阻害の50%に対する化合物の濃度である。
実施例21:マウス異種移植片腫瘍モデルにおける有効性研究。本明細書に開示される1つ以上の化合物、例えば1μM未満、好ましくは50nM以下のIC50値(実施例8に従って測定した、メニン−MLL相互作用を破壊する化合物の能力を反映する測定値)を有する、表2に提供される化合物は、マウス異種移植片モデルにおいてMV4;11(ヒト白血病)腫瘍増殖の抑制を提供する。免疫無防備状態の8〜10週齢のメスのヌード(nu/nu)マウスを、IACUCガイドラインに従ってインビボでの有効性研究のために使用した。ATCCから利用可能なヒトMV4;11白血病細胞をメスのヌードマウスに皮下移植した(5×106細胞/マウス)。腫瘍がおよそ150〜250mm3のサイズに達する場合、腫瘍を有するマウスを、ビヒクル対照または化合物処置群(1群あたり8匹のマウス)にランダムに割り当てた。処置群のマウスに、経口胃管栄養法(150mg/kg、bid)によって本開示の化合物を投与した。皮下腫瘍体積およびマウスの体重を毎週2度測定する。腫瘍体積を、カリパスで2つの垂直な直径を測定することにより計算する(V=(長さ×幅2)/2)。図4に示されるように、50nM以下のIC50値(実施例8に従って測定した、メニン−MLL相互作用を破壊する化合物の能力を反映する測定値)を有する、表2に提供される化合物は、図中の化合物Aを標識し、腫瘍の増殖を阻害し、および、用量依存的に、ビヒクル対照群と比較して、腫瘍退縮を誘導した。図5に示されるように、50nM以下のIC50値(実施例8に従って測定した、メニン−MLL相互作用を破壊する化合物の能力を反映する測定値)を有する、表2に提供される化合物は、図中の化合物Bを標識し、腫瘍の増殖を阻害し、および、用量依存的に、ビヒクル対照群と比較して、腫瘍退縮を誘導した。本明細書の実施例および図面で使用されるように、化合物Bは表1中の化合物82を指す。
実施例22:MLL白血病の異種移植マウスモデルにおける有効性研究。本明細書に開示される1つ以上の化合物、例えば1μM未満、好ましくは50nM以下のIC50値(実施例8に従って測定した、メニン−MLL相互作用を破壊する化合物の能力を反映する測定値)を有する、表2に提供される化合物は、MLL白血病の異種移植マウスモデルにおいてMV4;11腫瘍増殖の抑制を提供する。免疫無防備状態の8〜10週齢のメスのNSGマウスを、IACUCガイドラインに従ってインビボでの有効性研究のために使用する。ルシフェラーゼ発現ヒトMV4;11白血病細胞(MV4;11−luc)を、尾静脈注入(1×107細胞/動物)を介して静脈内移植する。細胞の平均ルミネセンスが約1.5×106に達する場合、腫瘍を有するマウスを、ビヒクル対照または化合物処置群(1群あたり動物5匹)にランダムに割り当てる。処置群の動物に、選択された投与量濃度での経口胃管栄養法により本開示の様々な組成物を投与する。体重を毎日測定し、一方、化合物またはビヒクルで処置を開始した6日後に平均ルミネセンスを測定する。
処理の7日目に動物を屠殺し、骨髄サンプルを採取し、遺伝子発現分析のために調製する。MLL融合タンパク質標的遺伝子HOXA9、DLX2およびMEIS1の発現レベルをqRT−PCRによって測定し、GAPDH発現に対して正規化した倍数変化として表す。
実施例23:MLL白血病の異種移植マウスモデルにおける生存研究。異種移植MV4;11異種移植片モデル(xenotransplantation MV4;11 xenograft model)における生存研究のために、6〜8週齢のメスのNSGマウスに、MLL−AF4転座を有する1×107個のルシフェラーゼ発現MV4; 11細胞を静脈注射する。移植後12日目に、本明細書に開示される化合物、例えば1μM未満、好ましくは50nM以下のIC50値(実施例8に従って測定した、メニン−MLL相互作用を破壊する化合物の能力を反映する測定値)を有する、表2に提供される化合物120mg/kgの1日2回(b.i.d.)の経口投与(p.o.)で、または、ビヒクル(5%クレモフォアを有する20%2−ヒドロキシプロピル−b−シクロデキストリン)で、処置を開始し、処置は連続22日間続いた。
異種移植MOLM13異種移植片モデル(xenotransplantation MOLM13 xenograft model)における生存研究のために、6〜8週齢のメスのNSGマウスに、MLL−AF9転座を有する0.5×106個のMOLM13細胞を静脈注射する。移植後4日目に、本明細書に開示される化合物、例えば1μM未満、好ましくは50nM以下のIC50値(実施例8に従って測定した、メニン−MLL相互作用を破壊する化合物の能力を反映する測定値)を有する、表2に提供される化合物75mg/kgの1日2回(b.i.d.)の経口投与(p.o.)で、または、ビヒクル(5%クレモフォアを有する20%2−ヒドロキシプロピル−b−シクロデキストリン)で、処置を開始し、化合物処置マウスにおいて連続16日間、または、ビヒクル処置マウスに末梢白血病が進行するまで続いた。
本開示の好ましい実施形態が本明細書で示され記載されてきたが、こうした実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないということは当業者にとって明白である。多くの変更、変化および置換が、本開示から逸脱することなく、当業者の心に思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本開示の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。