JP2019507756A - シクロデキストリンを用いるアレルギーの眼の状態の処置 - Google Patents

シクロデキストリンを用いるアレルギーの眼の状態の処置 Download PDF

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Abstract

本開示は、シクロデキストリンを用いて眼のアレルギーおよびアレルギー性結膜炎を処置する方法を提供する。局所投与のためのシクロデキストリンの眼科用組成物も提供される。一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎を処置する方法は、処置を必要とする対象の眼に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む眼科用組成物を投与することを含む。一部の実施形態では、処置されるアレルギー性結膜炎は、季節性または通年性アレルギー性結膜炎である。一部の実施形態では、処置されるアレルギー性結膜炎は、春期またはアトピー性角結膜炎である。

Description

1.関連出願への相互参照
本出願は、2016年3月30日に出願された米国仮出願番号第62/315,488号、および2016年2月28日に出願された米国仮出願番号第62/300,907号の米国特許法第119条(e)項の下の利益を主張しており、これら仮出願のすべての内容は、これら仮出願への参照によってそれらの全体が本明細書中に援用される。
2.背景
急性アレルギー性結膜炎は、代表的には、種々の種類のアレルゲンに対する過敏症反応に起因する結膜の炎症である。これらの過敏症反応は、肥満細胞および好塩基球からのヒスタミンおよびその他のメディエーターの、アレルゲン誘導性、免疫グロブリンE(IgE)媒介性放出を含む。肥満細胞脱顆粒は、サイトカインおよびプロスタグランジンなどの炎症性メディエーターの放出ならびに炎症促進性メディエーターを生成する酵素カスケードの活性化に至る。眼では、これらの生化学的事象は、結膜粘膜の炎症に至り、これは、角膜および眼瞼にも影響を及ぼし、ひりひりと痛むこと、流涙、結膜浮腫(結膜の浮腫)、結膜充血、充血、眼瞼浮腫および粘液分泌を含む症状を伴う。
アレルギー性結膜炎障害は、季節性アレルギー性結膜炎(SAC)および通年性アレルギー性結膜炎(PAC)にグループ化され得る。SACでは、再発性アレルギー性結膜炎は、ブタクサおよび花粉などの季節性アレルゲンに対する環境曝露によって引き起こされるが、PACに関しては、患っている対象は、最も一般的には、カビ、動物の鱗屑、イエダニおよび羽毛などの屋内アレルゲンがきっかけとなる年間を通した症状を有する。両方の急性状態とも、普通、両側性関与を有するが、SACの症状は一般に、PACと関連するものよりもより重症である。
アレルギー性結膜炎を処置するために、局所抗ヒスタミン剤、非ステロイド性抗炎症薬、副腎皮質ステロイドおよび免疫応答モジュレーターを含む種々の処置が開発されている。例えば、例示的な処置の過程では、フェニラミン、アンタゾリン、レボカバスチンおよびエメダスチンなどの抗ヒスタミン剤を使用してきたが、これらの化合物は、限定された抗炎症効果および効力の持続時間しか有していない。アレルギー性結膜炎の管理のための現行治療法は、オロパタジン、ケトチフェンおよびアゼラスチンなどの抗ヒスタミン特性および肥満細胞安定化特性の両方を有する薬物である。しかし、これらの化合物は、1種よりも多い眼のアレルギー症状の軽減を提供できないことが多く、薬学的に活性な化合物を用いる公知の処置のいくつかは、疼痛、腫脹および視力変化などの望ましくない副作用をもたらすことがある。
3.要旨
本開示は、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物の投与によって、アレルギー性結膜炎として現れる眼のアレルギーを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎を処置する方法は、処置を必要とする対象の眼に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む眼科用組成物を投与することを含む。一部の実施形態では、処置されるアレルギー性結膜炎は、季節性または通年性アレルギー性結膜炎である。一部の実施形態では、処置されるアレルギー性結膜炎は、春期またはアトピー性角結膜炎である。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の症状の発生を予防または改善するための予防的処置として使用される。一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の症状の発生を予防または改善する方法は、処置を必要とする対象の眼に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物を投与することを含む。一部の実施形態では、予防的処置のために選択される対象は、アレルギー性結膜炎として現れる眼のアレルギーを有するとこれまでに診断されているか、または眼のアレルゲンにより影響されやすいもしくは眼のアレルゲンに対して感受性があるとこれまでに同定されている。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、眼のアレルゲンを阻害、結合、または隔離するために使用される。一部の実施形態では、眼のアレルゲンを阻害、結合、または隔離する方法は、処置を必要とする対象の眼に、有効量のシクロデキストリンを投与することを含む。一部の実施形態では、処置のために選択される対象は、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎を有するとこれまでに診断されているか、または眼のアレルゲンにより影響されやすいもしくは眼のアレルゲンに対して感受性があるとこれまでに同定されている。
一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物は、アレルギー性結膜炎と関連する毒性アルデヒドを結合、隔離、不活性化、または阻害するために使用され得る。一部の実施形態では、眼において毒性アルデヒド化合物を結合、隔離、不活性化、または阻害する方法は、処置を必要とする対象の眼に、有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物を局所投与することを含む。一部の実施形態では、対象は、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎を有すると決定される。
一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物は、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎と関連する眼において炎症を低減または処置するために使用され得る。一部の実施形態では、炎症を処置する方法は、処置を必要とする対象の眼に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物を投与することを含む。
前記の方法の一部の実施形態では、シクロデキストリンは、単独のものとして、または唯一の薬学的に活性な物質として投与される。一部の実施形態では、本方法において使用されるシクロデキストリンは、実質的に、薬学的に活性な物質と形成された包接錯体となっていない。一部の実施形態では、シクロデキストリンを含む眼科用組成物は、シクロデキストリンとの包接錯体を形成可能である薬学的に活性な物質を実質的に含まない。特に、シクロデキストリンまたはその眼科用組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な、眼科用の薬学的に活性な物質を実質的に含まない。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体およびそれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、カルボキシアルキルシクロデキストリン、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、アルキルシクロデキストリンおよびそれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンまたはヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリン、特に、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである。
さらなる態様では、本開示はまた、シクロデキストリン製剤、特に、シクロデキストリンの組成物、より詳しくは、本方法において使用するためのシクロデキストリンの眼科用組成物を提供する。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、シクロデキストリン製剤中の唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質である。一部の実施形態では、シクロデキストリンを含む組成物は、実質的に、薬学的に活性な物質と形成される包接錯体となっていない。一部の実施形態では、組成物は、シクロデキストリンを含む眼科用組成物であり、眼科用組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能である薬学的に活性な物質を実質的に含まない。特に、シクロデキストリンまたはその眼科用組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な眼科用の薬学的に活性な物質を実質的に含まない。一部の実施形態では、シクロデキストリンを含む眼科用組成物は、1種または複数の眼科用の薬学的に許容される賦形剤、例えば、等張化剤、防腐剤、緩衝剤、pH調整剤、可溶化剤、界面活性剤、キレート化剤、乳化剤、懸濁剤、安定化剤および抗酸化剤のうち1種または複数を含む。
一部の実施形態では、本方法において使用するための眼科用組成物は、シクロデキストリンを唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として有するが、他の実施形態では、眼科用組成物はまた、シクロデキストリンおよび薬学的に活性な物質を含み得る。一部の実施形態では、眼科用組成物は、シクロデキストリン、薬学的に活性な物質および1種または複数の眼科用の薬学的に許容される賦形剤を含む。一部の実施形態では、薬学的に活性な物質は、眼科用の薬学的に活性な物質、特に、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎を処置するための薬学的に活性な物質である。一部の実施形態では、薬学的に活性な物質は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能である。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、薬学的に活性な物質によって提供される治療利益に加えて治療利益を提供するために、有効量(例えば、濃度)の遊離の、錯体形成していないシクロデキストリンを含有するのに十分な量で存在する。特に、シクロデキストリンまたはその誘導体は、薬学的に活性な物質の溶解度および/またはバイオアベイラビリティを増強するのに必要とされる量に加えて、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の処置において治療利益を提供するために、有効量の遊離の、錯体形成していないシクロデキストリンを提供するのに十分な量で存在する。一部の実施形態では、アレルギー性結膜炎を処置するのに有用な、シクロデキストリンとともに製剤化される薬学的に活性な物質として、中でも、肥満細胞安定剤、ステロイド、抗ヒスタミン剤、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)およびアルデヒド捕捉化合物が挙げられる。一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎を処置するための薬学的に活性な物質は、詳細な説明において提供されるような構造式(I)の化合物である。
さらなる態様では、本開示は、本方法において使用するための、例えば、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の処置のための、シクロデキストリンまたはその組成物を含むキットを提供する。キットの一部の実施形態では、組成物は、シクロデキストリンを、唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として有し得る。一部の実施形態では、組成物は、シクロデキストリンおよびシクロデキストリンと包接錯体を形成可能な薬学的に活性な物質を含む薬学的に活性な物質を有し得る。一部の実施形態では、キット中の組成物は、シクロデキストリンを含む眼科用溶液であり得、溶液は、使い捨てのプラスチック製スクイズバイアル、特に、再密閉可能ではないスナップオフまたはティアオフキャップを備えたバイアルなどの単回使用バイアル中で提供される。一部の実施形態では、キット中に1種または複数の単回使用バイアルが提供される。
4.図面の簡単な説明
図1は、アルデヒド捕捉化合物NS2の安全性および効力にアクセスするための臨床試験プロトコールのフローチャートを提供する図である。
図2は、臨床試験中に患者の来院を実行するためのスケジューリングされた手順を示す表を提供する図である。
図3は、臨床試験における患者の症状およびスタッフにより評価された記録のスケジュールを提供する図である。
図4は、眼の検査に基づく眼の発赤のスコアリングを示す図である。
図5は、来院4までの眼のかゆみおよび眼の流涙のベースラインの変化を示す図である。
図6は、来院5での対象により報告された眼のかゆみ、および来院5までのベースラインからの変化を示す図である。
図7は、来院5での対象により報告された眼の流涙、および来院5までのベースラインからの変化を示す図である。
図8は、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン/NS2複合体に対する様々な通年性アレルゲンの競合結合を示す図である。
図9は、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン/NS2複合体に対する様々なイネ科草本アレルゲンの競合結合を示す図である。
図10は、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン/NS2複合体に対する様々な樹木アレルゲンの競合結合を示す図である。
図11は、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン/NS2複合体に対するオオアワガエリアレルゲンの競合的結合を示す図である。
図12は、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン:NS2の比が19:1であり、アレルゲンタンパク質:NS2の比が2:1である、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン/NS2複合体に対するアレルゲンの競合結合を示す図である。
図13は、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン:NS2の比が30:1であり、アレルゲンタンパク質:NS2の比が2:1である、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン/NS2複合体に対するアレルゲンの競合結合を示す図である。
図14は、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン:NS2の比が19:1であり、アレルゲンタンパク質:NS2の比が6:1である、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン/NS2複合体に対するアレルゲンの競合結合を示す図である。
5.詳細な説明
本開示は、特に、アレルギー性結膜炎として現れる眼のアレルギーの処置のための、眼のアレルギー反応を阻害するための、および/または眼におけるアレルギー反応と関連する毒性アルデヒド化合物のレベルを阻害もしくは低減するためのシクロデキストリンおよびその組成物の使用に関する。シクロデキストリンの、眼のアレルギーおよびアレルギー性結膜炎の処置における、薬理学的に活性な薬剤として作用する能力を考慮して、シクロデキストリンは、例えば、シクロデキストリンと包接錯体を形成し得る薬学的に活性な物質を実質的に含まない、唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として、単独で使用され得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上明確に別のものを示さない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「1種の化合物」への言及は、1種よりも多い化合物を指す。
また、「または」の使用は、特に断りのない限り「および/または」を意味する。同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含む(include)」、「含む(includes)」および「含むこと(including)」は、互換的であり、制限であるように意図されない。
種々の実施形態の記載が、用語「含むこと(comprising)」を使用する場合には、当業者ならば、いくつかの特定の例では、実施形態は、言語「から本質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」を使用して代わりに記載され得るということを理解するであろうということがさらに理解されなければならない。
図面を含む前記の一般的な説明および以下の詳細な説明は、単に例示的なものであり、説明的なものであって、本開示の制限ではない。
本明細書において使用される見出し部分は、単に構成上の目的のためであって、記載される対象を制限すると解釈されてはならない。
5.1.定義
本開示に関連して、本明細書における説明において使用される技術用語および科学用語は、別に具体的に定義されない限り、当業者によって一般に理解される意味を有する。したがって、以下の用語は、以下の意味を有するものとする:
「アレルギー性結膜炎」とは、眼瞼、結膜および/または角膜に影響を及ぼす過敏性障害を指す。診断は、主に臨床的なものであるが、細胞診断学、結膜誘発および涙メディエーター解析などの試験を実施できる。例えば、Merck Manual of Diagnosis and Therapy、第19版、Wiley(2011年))を参照のこと。症状は、通常、かゆみ、流涙、眼脂および結膜充血を含む。
「季節性アレルギー性結膜炎」または「SAC」とは、季節性アレルゲンに起因するアレルギー性結膜炎を指す。一部の実施形態では、SACにおいて疑われるアレルゲンは、疑われるアレルゲンを産生する1種または複数の原因植物またはその他の野菜の季節性生活環に対応する。
「通年性アレルギー性結膜炎」または「PAC」とは、1年を通じて生じるアレルギー性結膜炎の一形態を指す。疑われる一般的な通年性アレルゲンとして、限定ではなく例として、動物の鱗屑(例えば、毛、皮膚小片)、羽毛、イエダニ、化学物質、タバコの煙などが挙げられる。
「春期角結膜炎」または「VKC」とは、通常、結膜の両側性慢性炎症を特徴とするアレルギー性結膜炎の慢性形態を指す。VKCの重症形態は、四角い、硬い、平坦な、ぎっしりと詰まった淡いピンクから灰色を帯びた石垣状乳頭(眼瞼形態)および/または眼瞼領域における眼球結膜の赤黒い三角形のうっ血(眼球形態)を示す。例えば、Merck Manual of Diagnosis and Therapy、第19版、Wiley(2011年)を参照のこと。
「アトピー性角結膜炎」または「AKC」とは、通常、結膜の両側性慢性炎症を特徴とするアレルギー性結膜炎の慢性形態を指し、湿疹、アトピー性皮膚炎および喘息と同時に起こることが多い。この状態は、男性において、また30から50歳において、より蔓延している。また角膜も関与し得、失明につながる場合もある。例えば、Merck Manual of Diagnosis and Therapy、第19版、Wiley(2011年)を参照のこと。
「アレルゲン」とは、影響されやすい対象においてアレルギー反応を誘導し得る物質を指す。
「眼のアレルギー(Eye allergy)」または「眼のアレルギー(ocular allergy)」とは、1種または複数のアレルゲンによって引き起こされる眼、例えば、眼の表面でのアレルギー反応または障害を指す。
「シクロデキストリン」とは、互いに結合して環になっている糖分子(すなわち、環状オリゴ糖)から構成される化合物を指す。一部の実施形態では、シクロデキストリンの糖分子は、α(1,4)結合によって接続しているα−D−グルコピラノシル単位から構成される。糖単位の数は、5〜32またはそれを超える範囲であり得る。天然に存在するシクロデキストリンは、中でも、α−シクロデキストリン(6つのグルコピラノシル単位)、β−シクロデキストリン(7つのグルコピラノシル単位)およびγ−シクロデキストリン(8つのグルコピラノシル単位)を含む。別に具体的に記載されない限り、用語「シクロデキストリン」は、シクロデキストリン化合物の誘導体を含む。
薬学的に活性な物質またはその構成要素または等価物を「実質的に含まない」とは、少なくとも、薬学的に活性な物質または構成要素の治療有効レベル(例えば、濃度)未満である、薬学的に活性な物質または構成要素のレベルを指す。一部の実施形態では、5%未満、4%未満、5%未満、1%未満または0.5%未満のシクロデキストリンは、薬学的に活性な物質または構成要素との包接錯体として存在する。一部の実施形態では、薬学的に活性な物質または構成要素は、組成物中にない。
細菌汚染のレベル、発熱物質のレベルまたは内毒素のレベルなど、医薬組成物中に望ましくない構成要素を「実質的に含まない」は、医薬組成物の販売承認のために、米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)(FDA)などの政府機関によって許容可能な最大レベルである。一部の実施形態では、望ましくない構成要素は、医薬組成物中にない。
「薬学的に活性な構成要素」または「薬学的に活性な物質」とは、薬物またはその他の治療用化合物などのファルマコフォアを指す。一部の実施形態では、「薬学的に活性な構成要素」または「薬学的に活性な物質」は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能である。
疾患、障害もしくは症候群を「処置すること」または「処置」とは、本明細書において、(i)疾患、障害もしくは症候群が対象において発生することを予防すること、すなわち、疾患、障害もしくは症候群に曝され得る、またはその素因があり得るが、疾患、障害もしくは症候群の症状をまだ経験していない、もしくは示していない動物において、疾患、障害もしくは症候群の臨床症状を発生しないようにすること、(ii)疾患、障害もしくは症候群を阻害すること、すなわち、その発生を停止すること、および(iii)疾患、障害もしくは症候群を軽減すること、すなわち、疾患、障害もしくは症候群の退行を引き起こすことを含む。当技術分野で公知のように、全身送達対局所送達、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の時間、薬物相互作用および状態の重症度のための調整が、必要である場合があり、当業者によって確認することができる。
「予防的処置」とは、疾患、病態または医学的障害の発生のリスクを減少、予防、または低減する目的で、疾患の徴候もしくは症状、病態もしくは医学的障害を示さない対象または初期の疾患の徴候もしくは症状、病態もしくは医学的障害のみを示す対象に投与される処置である。予防的処置は、疾患または障害に対する予防処置として機能する。
「治療有効量」とは、このような量を受け取らなかった対応する対象と比較して、疾患もしくは障害の改善した処置、治癒、予防もしくは改善、または疾患もしくは障害の進行の速度において低減をもたらす任意の量を意味し、また、正常な生理学的機能を増強するのに有効な量も含む。
「有効量」とは、組織、系、動物またはヒトの求められている所望の生物学的または医学的反応をもたらす薬物または薬学的物質の量を指す。
「アルキル」とは、1〜10個の炭素原子、特に、1〜8個の炭素原子、より詳しくは、1〜6個の炭素原子を含有するものなどの非環式直鎖または分岐、不飽和または飽和炭化水素を指す。例示的アルキルとして、中でも、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。
「薬学的に許容される」とは、本明細書において、一般的に対象にとって毒性ではない、もしくは傷害性ではない材料または物質を指す。
医薬組成物との関連で「添加剤」とは、眼科用使用に適した、任意の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤、特に、担体、希釈剤または賦形剤を含むものとする。
「賦形剤」とは、1種または複数のバルクを提供し、満足のいく処理特徴を付与し、溶解速度の制御に役立ち、そうでなければ、組成物にさらなる望ましい特徴を与える成分または構成要素を指す。この用語内に、とりわけ、例えば、その全文が参照により本明細書に組み込まれる、Handbook of Pharmaceutical Excipients、第4版、American Pharmaceutical Association、Washington, D.C.およびPharmaceutical Press、London、England、2003年)に記載されるような当業者に周知の化合物が含まれる。特に、賦形剤は、組成物、特に、眼科用組成物が、疼痛および/または涙液の分泌を引き起こさないように選択される。
「約」または「およそ」とは、当業者によって決定されるような特定の値の許容される誤差範囲を指し、幾分かは、値が測定または決定される方法、すなわち、測定系の制限に応じて変わる。例えば、「約」は、所与の値の最大20%、好ましくは、最大10%、より好ましくは、最大5%、より好ましくは、さらに最大1%の範囲を意味し得る。
5.2.方法および組成物の詳細な説明
シクロデキストリンは、通常、互いに連結して、親水性の外部よりも内部が一般により疎水性であるドーナツ形またはコーン形状の構造を形成するα−D−グルコピラノシル単位から構成される化合物を含む。シクロデキストリンは、この独特の構造のために、親水性外部による水溶性を残しながら、シクロデキストリンの内部空洞にぴったり入るその他の疎水性化合物とともに包接錯体を形成し得る。多数の例では、シクロデキストリンは、薬物がシクロデキストリンと包接錯体を形成する場合に、水に溶けにくい薬物の水溶解度特徴を増強し得る。
シクロデキストリンは、特に、水に溶けにくい眼科用薬物の溶解度を増強するために、およびそのバイオアベイラビリティを増強するために種々の眼科用製剤において使用されてきた。眼科用適用のためにシクロデキストリンを使用する例示的製剤、中でも、抗緑内障剤アリールスルホニルウレイドベンゼンスルホンアミド(Bragagniら、2015年、Bioorg Med Chem.23巻(18号):6223〜7頁)、シクロスポリン(Johannsdottirら、2015年、Intl J Pharm.493巻(1〜2号):86〜95頁)、副腎皮質ステロイド(例えば、Loftssonら、2002年、Acta Ophthalmol Scand.80巻:144〜150頁)、デキサメタゾン(例えば、Loftssonら、2007年、J Pharm Pharmacol 59巻:629〜635頁)、シプロフロキサシン(Bozkirら、2012年、Acta Pol Pharm.69巻(4号):719〜24頁)およびオロパタジン(米国特許第8,791,154号、Torkildsonら、2015年、Clin Ophthamol.9巻:1703〜1723頁)が記載されている。シクロデキストリンは、薬学的に活性な物質を伴わず単独で、コレステロールと結合し、コレステロールを排除するために、例えば、ニーマン・ピック病のための有望な処置として使用されてきた(Pontikisら、2013年、J Inherit Metab Dis.36巻(3号):491〜8頁)。その他の研究では、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、アミロイドタンパク質(Aβ)の蓄積と関連する網膜加齢のための有望な処置と示唆されており、関連炎症反応は、眼におけるアミロイドタンパク質(Aβ)の蓄積を特徴とする、網膜加齢の補体因子H(Cfh−/−)ノックアウト動物モデルを使用する研究に基づいていた。β−シクロデキストリンはまた、オールトランスレチノールおよびリポフスチンA2Eと結合すると示されており、その後者は、加齢黄斑変性症およびシュタルガルト病に関与している(Kamら、2015年、Exp Eye Res.135巻:59〜66頁、Johnsonら、2010年、J Ocul Pharmacol Therap.26巻(3号):245〜248頁)。
本発明は、次式(I)
の構造を有し、アレルギー性結膜炎の処置のためにスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンとともに製剤化されたアルデヒド捕捉化合物NS2の臨床治験から得た驚くべき知見に基づいており、これでは、アルデヒド捕捉化合物を伴わずにスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンを投与された対照群(すなわち、ビヒクルのみの群)は、アレルギー性結膜炎の処置において高い奏効率および有意な効力を示した。2週間の期間にわたって1日に4回投与されたシクロデキストリンの単一滴は、アレルゲン誘発性アレルギー性結膜炎の症状の改善において有効であった。アレルギー性結膜炎の処置のためにスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンとともに製剤化された構造式(I)の化合物の有効性を調べるために実行された臨床治験プロトコールは、実施例に記載されている。
理論に捉われるものではないが、局所投与されたβ−シクロデキストリンは、眼と接触するアレルゲンと結合し、それによって、アレルゲン誘発性過敏症反応を低減または阻害し得る。あるいは、β−シクロデキストリンは、アレルギー性結膜炎において役割を担う毒性アルデヒド化合物および/またはアルデヒド反応産物との包接錯体を形成している可能性がある。示された機序は、互いに矛盾しないということおよびシクロデキストリンは、アレルゲンとの結合および毒性アルデヒド化合物との結合を含む、機序の組合せによって治療効果を有し得るということが理解されなくてはならない。臨床治験から得られたこれらの結果は、シクロデキストリンはそれ自体で薬理学的に活性であり、アレルギー性結膜炎として現れる眼のアレルギーの治療において有効であることを示す。
したがって、一態様では、眼のアレルギーを処置する方法は、それを必要とする対象に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物を投与することを含む。一部の実施形態では、アレルギー性結膜炎を処置する方法は、それを必要とする対象に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物を投与することを含む。
一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎を処置する方法は、それを必要とする対象の眼に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む眼科用組成物を局所投与することを含む。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたは眼科用組成物は、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の1種または複数の症状、例えば、眼のかゆみ、発赤、結膜浮腫および眼瞼腫脹を改善または緩和するために局所投与される。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、アレルギー性結膜炎として現れる眼のアレルギーを処置するための唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として投与される。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、実質的に、薬学的に活性な物質との包接錯体となっていない。一部の実施形態では、シクロデキストリンを含む眼科用組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能である薬学的に活性な物質を実質的に含まない。特に、シクロデキストリンまたはその眼科用組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な眼科用の薬学的に活性な物質を実質的に含まない。一部の実施形態では、眼科用組成物は、シクロデキストリンを、唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として有する。
一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎を処置する方法は、それを必要とする対象の眼に、治療有効量の、シクロデキストリンから本質的になる眼科用組成物を局所投与することを含む。一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎を処置する方法は、それを必要とする対象の眼に、治療有効量の、シクロデキストリンおよび1種または複数の眼科用の薬学的に許容される賦形剤から本質的になる眼科用組成物を局所投与することを含む。
一部の実施形態では、処置されるアレルギー性結膜炎は、季節性アレルギー性結膜炎である。
一部の実施形態では、処置されるアレルギー性結膜炎は、通年性アレルギー性結膜炎である。
一部の実施形態では、処置されるアレルギー性結膜炎は、春期角結膜炎である。
一部の実施形態では、処置されるアレルギー性結膜炎は、アトピー性角結膜炎である。
一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその眼科用組成物を用いる処置のために選択される眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎は、限定ではなく例として、花粉、例えば、樹木、イネ科草本、ブタクサに由来する花粉;香料、特に、香料中の有機化合物;化粧品、特に、化粧品中の有機化合物;揮発性有機化合物、特に、芳香族揮発性有機化合物を含む空気汚染;イエダニと関連する眼のアレルゲン;ならびに昆虫、例えば、ゴキブリと関連する眼のアレルゲンによって媒介される、または媒介されると疑われる。
一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその眼科用組成物を用いる処置のために選択される眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎は、動物の鱗屑、例えば、イヌの鱗屑、ネコの鱗屑、げっ歯類の鱗屑;昆虫アレルゲン、例えば、ゴキブリ;およびイエダニアレルゲンなどの通年性アレルゲンによって媒介される、または媒介されると疑われる。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその眼科用組成物を用いる処置のために選択される眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎は、イネ科草本アレルゲン、例えば、中でも、バヒア(Bahia)、バーミューダ(Bermuda)、ジョンソン(Johnson)、オーチャード(Orchard)、リードカナリー(Reed Canary)、ヒロハノウシノケグサ、ドクムギ、ナガハグサ、ベルベット(Velvet)およびオオアワガエリなどのイネ科草本と関連するアレルゲンによって媒介される、または媒介されると疑われる。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその眼科用組成物を用いる処置のために選択される眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎は、樹木アレルゲン、例えば、中でも、アカシア、ハンノキ(シロハンノキ、タック(Taq)、スムース(Smooth))、トリネコ(アリゾナ(Arizona)、グリーン(Green)、レッド(Red))、カバノキ(シラカバ、レッド(Red)、リバー(River)、ブラック(Black)、スイート(Sweet))、ビャクシン(ワンシード(Oneseed)、ピンチョー(Pinchot)、ユタ(Utah)、ウェスタン(Western))、ナラ(ホワイト(White)、ブラック(Black)、ブル(Bur)、スクラブScrub)およびカエデ(サトウカエデ、ハード(Hard)、ソフト(Soft)、シルバー(Silver)、レッド(Red))と関連するアレルゲンによって媒介される、または媒介されると疑われる。
別の態様では、シクロデキストリンは、眼のアレルゲンに対する生理学的反応の発生を予防または改善するための予防的処置として使用される。一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の発生を予防または改善するための予防的処置の方法は、それを必要とする対象に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物を投与することを含む。
一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の発生を予防または改善するための予防的処置の方法は、それを必要とする対象の眼に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む眼科用組成物を局所投与することを含む。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその眼科用組成物は、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の任意の症状の出現に先立って眼に局所投与される。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその眼科用組成物は、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の1種または複数の症状を予防するために、例えば、眼のかゆみ、発赤、結膜浮腫および眼瞼腫脹のうち1種または複数を予防するために局所投与される。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、アレルギー性結膜炎として現れる眼のアレルギーの発生を予防または改善するために、唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として予防的に投与される。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、実質的に、薬学的に活性な物質との包接錯体となっていない。一部の実施形態では、予防的処置において使用するためのシクロデキストリンを含む眼科用組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能である薬学的に活性な物質を実質的に含まない。特に、シクロデキストリンまたはその眼科用組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な眼科用の薬学的に活性な物質を実質的に含まない。一部の実施形態では、予防的処置のための眼科用組成物は、シクロデキストリンを唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として有する。
一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の発生を予防または改善するための予防的処置の方法は、それを必要とする対象の眼に、治療有効量の、シクロデキストリンから本質的になる眼科用組成物を局所投与することを含む。一部の実施形態では、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の発生を予防または改善するための予防的処置の方法は、それを必要とする対象の眼に、治療有効量の、シクロデキストリンおよび1種または複数の眼科用の薬学的に許容される賦形剤から本質的になる眼科用組成物を局所投与することを含む。
一部の実施形態では、シクロデキストリンを用いる予防的処置のための対象は、眼のアレルゲンを有するとこれまでに決定されている(すなわち、これまでに診断されている)、または眼のアレルゲンにより影響されやすいもしくは眼のアレルゲンに対して感受性があるとこれまでに決定されている。一部の実施形態では、シクロデキストリンを用いる予防的処置のための対象は、限定ではなく例として、花粉、例えば、樹木、イネ科草本、ブタクサに由来する花粉;香料、特に、香料中の有機化合物;化粧品、特に、化粧品中の有機化合物;揮発性有機化合物、特に、芳香族揮発性有機化合物を含む空気汚染;イエダニと関連する眼のアレルゲン;ならびに昆虫、例えば、ゴキブリと関連する眼のアレルゲンを有するとこれまでに決定されている(すなわち、これまでに診断されている)、または眼のアレルゲンにより影響されやすいもしくは眼のアレルゲンに対して感受性があるとこれまでに決定されている。
一部の実施形態では、シクロデキストリンを用いる予防的処置のための対象は、動物の鱗屑、例えば、イヌの鱗屑、ネコの鱗屑、げっ歯類の鱗屑;昆虫アレルゲン、例えば、ゴキブリ;およびイエダニアレルゲンなどの通年性アレルゲンを有するとこれまでに決定されている(すなわち、これまでに診断されている)、または通年性アレルゲンにより影響されやすいもしくは通年性アレルゲンに対して感受性があるとこれまでに決定されている。一部の実施形態では、シクロデキストリンを用いる予防的処置のための対象は、イネ科草本アレルゲン、例えば、バヒア(Bahia)、バーミューダ(Bermuda)、ジョンソン(Johnson)、オーチャード(Orchard)、リードカナリー(Reed Canary)、ヒロハノウシノケグサ、ドクムギ、ナガハグサ、ベルベット(Velvet)およびオオアワガエリなどのイネ科草本と関連するアレルゲンに対するアレルギー反応を有するとこれまでに決定されている(すなわち、これまでに診断されている)、またはアレルギー反応により影響されやすいとこれまでに決定されている。一部の実施形態では、シクロデキストリンを有する予防的処置のための対象は、樹木アレルゲン、例えば、中でも、アカシア、ハンノキ(シロハンノキ、タック(Taq)、スムース(Smooth))、トリネコ(アリゾナ(Arizona)、グリーン(Green)、レッド(Red))、カバノキ(シラカバ、レッド(Red)、リバー(River)、ブラック(Black)、スイート(Sweet))、ビャクシン(ワンシード(Oneseed)、ピンチョー(Pinchot)、ユタ(Utah)、ウェスタン(Western))、ナラ(ホワイト(White)、ブラック(Black)、ブル(Bur)、スクラブScrub)およびカエデ(サトウカエデ、ハード(Hard)、ソフト(Soft)、シルバー(Silver)、レッド(Red))と関連するアレルゲンを有するとこれまでに決定されている(すなわち、これまでに診断されている)、またはアレルゲンにより影響されやすいもしくはアレルゲンに対して感受性があるとこれまでに決定されている。
別の態様では、シクロデキストリンは、眼においてアレルゲンを結合または隔離するために、一部の実施形態では、眼のアレルゲンに対する生理学的反応を阻害または改善するために使用され得る。したがって、一部の実施形態では、眼のアレルゲンを阻害または隔離する方法は、対象の眼に、有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む眼科用組成物を局所投与することを含む。一部の実施形態では、対象は、眼のアレルゲンを有するとこれまでに決定されている(すなわち、これまでに診断されている)、またはアレルゲンにより影響されやすいもしくはアレルゲンに対して感受性があるとこれまでに決定されている。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、眼においてアレルゲンを結合または隔離する唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として投与される。一部の実施形態では、眼のアレルゲンを阻害または隔離するためのシクロデキストリン(cycodextrin)は、実質的に、薬学的に活性な物質との包接錯体となっていない。一部の実施形態では、眼のアレルゲンを阻害または隔離するためのシクロデキストリンを含む眼科用組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能である薬学的に活性な物質を実質的に含まない。特に、眼のアレルゲンを阻害または隔離するためのシクロデキストリンまたはその眼科用組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な眼科用の薬学的に活性な物質を実質的に含まない。すなわち、一部の実施形態では、眼のアレルゲンを阻害または隔離するための眼科用組成物は、シクロデキストリンを、唯一のものまたは唯一の活性薬剤として有する。
一部の実施形態では、眼のアレルゲンを阻害または隔離する方法は、対象の眼に、有効量のシクロデキストリンから本質的になる組成物を局所投与することを含む。一部の実施形態では、眼のアレルゲンを阻害または隔離する方法は、対象の眼に、有効量のシクロデキストリンおよび1種または複数の眼科用の薬学的に許容される賦形剤から本質的になる組成物を局所投与することを含む。
一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその組成物は、限定ではなく例として、花粉、例えば、樹木、イネ科草本、ブタクサに由来する花粉;香料、特に、香料中の有機化合物;化粧品、特に、化粧品中の有機化合物;揮発性有機化合物、特に、芳香族揮発性有機化合物を含む空気汚染;イエダニと関連する眼のアレルゲン;ならびに昆虫、例えば、ゴキブリと関連する眼のアレルゲンを阻害および/または隔離するための有効量で使用される。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその組成物は、脂質関連または親油性の眼のアレルゲンを阻害および/または隔離するための有効量で使用される。
一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその組成物は、動物の鱗屑、例えば、イヌの鱗屑、ネコの鱗屑、げっ歯類の鱗屑;昆虫アレルゲン、例えば、ゴキブリ;およびイエダニアレルゲンなどの通年性アレルゲンを阻害および/または隔離するための有効量で使用される。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその組成物は、イネ科草本アレルゲン、例えば、バヒア(Bahia)、バーミューダ(Bermuda)、ジョンソン(Johnson)、オーチャード(Orchard)、リードカナリー(Reed Canary)、ヒロハノウシノケグサ、ドクムギ、ナガハグサ、ベルベット(Velvet)およびオオアワガエリなどのイネ科草本と関連するアレルゲンを阻害および/または隔離するための有効量で使用される。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその組成物は、樹木アレルゲン、例えば、中でも、アカシア、ハンノキ(シロハンノキ、タック(Taq)、スムース(Smooth))、トリネコ(アリゾナ(Arizona)、グリーン(Green)、レッド(Red))、カバノキ(シラカバ、レッド(Red)、リバー(River)、ブラック(Black)、スイート(Sweet))、ビャクシン(ワンシード(Oneseed)、ピンチョー(Pinchot)、ユタ(Utah)、ウェスタン(Western))、ナラ(ホワイト(White)、ブラック(Black)、ブル(Bur)、スクラブScrub)およびカエデ(サトウカエデ、ハード(Hard)、ソフト(Soft)、シルバー(Silver)、レッド(Red))と関連するアレルゲンを阻害および/または隔離するための有効量で使用される。
別の態様では、シクロデキストリンまたはその組成物は、眼において形成される毒性アルデヒドおよび/または毒性アルデヒドの反応産物、特に、リポフスチンもしくはA2E以外の眼中の毒性アルデヒドを結合、隔離、または阻害するために使用され得る。したがって、一部の実施形態では、眼中の毒性アルデヒド化合物を結合、隔離、不活性化、または阻害する方法は、対象の眼に、有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物を局所投与することを含む。一部の実施形態では、毒性アルデヒド化合物は、アルデヒド化合物またはその反応産物を含まない。特に、毒性アルデヒドまたはその反応産物は、アレルギー性結膜炎または眼におけるアレルギー反応と関連する。
一部の実施形態では、眼中の毒性アルデヒド化合物を結合、隔離、不活性化、または阻害する方法は、対象の眼に、有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物を局所投与することを含み、対象は、眼のアレルゲンを有するとこれまでに決定されている(すなわち、これまでに診断されている)、または眼のアレルゲンにより影響されやすい、もしくは眼のアレルゲンに対して感受性があるとこれまでに決定されている。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、毒性アルデヒドを結合、隔離、不活性化、または阻害するために唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として投与される。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、実質的に、薬学的に活性な物質との包接錯体となっていない。一部の実施形態では、毒性アルデヒドの結合、隔離、不活性化または阻害において使用するためのシクロデキストリンを含む組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な薬学的に活性な物質を実質的に含まない。特に、シクロデキストリンまたはその組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な眼科用薬学的に活性な物質を実質的に含まない。一部の実施形態では、毒性アルデヒドを結合、隔離、不活性化、または阻害するための眼科用組成物は、シクロデキストリンを唯一のものまたは唯一の活性薬剤として有する。
一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物は、アレルギー性結膜炎および/または眼のアレルギーと関連する眼における炎症を低減または処置するために使用され得る。したがって、一部の実施形態では、眼において炎症を低減または処置する方法は、それを必要とする対象の眼に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む眼科用組成物を局所投与することを含み、炎症は、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎と関連する。眼のアレルギーと関連する眼の炎症の処置は、本明細書における臨床治験データによって支持される。さらに、シクロデキストリンは、炎症反応のメディエーター、すなわちアラキドン酸と包接錯体を形成すると示唆されている(Everest−Todd、M. 1998年、Proceedings of the Eighth International Symposium on Cyclodextrins、495〜498頁)。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、眼における炎症を低減または処置するために唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として投与される。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、実質的に、薬学的に活性な物質との包接錯体となっていない。一部の実施形態では、眼における炎症を低減または処置するためのシクロデキストリンを含む組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な薬学的に活性な物質を実質的に含まない。特に、シクロデキストリンまたはその組成物は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な眼科用薬学的に活性な物質を実質的に含まない。一部の実施形態では、眼のアレルギー性結膜炎または眼のアレルギーと関連する炎症を低減または処置するための眼科用組成物は、シクロデキストリンを唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として有する。
一部の実施形態では、眼において炎症を低減または処置する方法は、対象の眼に、治療有効量の、シクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物を局所投与することを含み、対象は、眼のアレルゲンを有するとこれまでに決定されている(すなわち、これまでに診断されている)、または眼のアレルゲンにより影響されやすい、もしくは眼のアレルゲンに対して感受性があるとこれまでに決定されている。
対象が、眼のアレルゲンに対する曝露の際にアレルギー反応を有する、またはアレルギー反応により影響されやすいとこれまでに同定または決定されているか否かを調べることは、当業者に入手可能な標準手順を使用できる。一般に、これは、病歴、眼におけるアレルギー性症状の低減または改善における抗ヒスタミン薬または肥満細胞安定剤の過去の有効性の再調査、眼の検診および/またはアレルギー反応の指標についての検査を含む。例えば、眼のかゆみ、腫脹した血管、水様分泌物、腫脹した眼瞼などのアレルギー反応の症状について、および/または好酸球の存在に関して結膜のサンプルを検査するために眼を調べることができる。一部の実施形態では、「皮膚スクラッチ」試験を使用して、疑われる眼のアレルゲンまたは疑われる眼のアレルゲンのパネルのサンプルに対する対象の反応を調べる(例えば、アレルギーマトリックス試験)。
一部の実施形態では、本明細書における方法および組成物において使用するためのシクロデキストリンは、環状オリゴ糖、特に、グルコピラノース単位がα−(1,4)結合によって連結して円環体様構造を形成する環状オリゴ糖であり、内部空洞の大きさは、幾分かは、グルコピラノース単位の数によって決定される。シクロデキストリン中のグルコピラノース単位の数は、例えば、6から12またはそれより大きく変わり得る。このようなシクロデキストリンの構造研究は、グルコピラノース単位の二次的ヒドロキシル基(例えば、CおよびC)は、ドーナツ形構造の広い方の縁に位置し、一次ヒドロキシル基(例えば、C)は、他方の縁上にあることを示す。無極性CおよびC水素およびまたエーテル様酸素原子も、円環体構造の内側に面している。極性および無極性基の空間分布が、シクロデキストリンが水に可溶性であることを可能にする比較的親水性の外部、および種々の疎水性ゲスト分子を収容でき、種々の疎水性ゲスト分子と包接錯体を形成できる内部疎水性マトリックスを有する分子をもたらす。内部疎水性空洞内に収容されるゲスト分子の数は、例えば、1〜3個のゲスト分子で変わり得る。いくつかの例では、複数のシクロデキストリンを組み合わせて、単一のゲスト分子を有する包接錯体を形成できる。シクロデキストリンの一般的な種類は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンを含む。α−、β−およびγ−シクロデキストリンは、それぞれ、6、7および8個のα−(1,4)連結したグリコシル単位を有する。α−、β−およびγ−シクロデキストリンは、天然に存在するシクロデキストリンである。その他の有用なシクロデキストリンとして、中でも、β−およびγ−シクロデキストリンのマルトシル(maltosyl)、グルコシルおよびマルトトリオシル(maltotriosyl)誘導体が挙げられる(例えば、米国特許第5,024,998号を参照のこと)。その他の有用なシクロデキストリン誘導体は、グリコシル単位上のヒドロキシル基の、例えば、アミノ化、エステル化またはエーテル化による修飾によって合成されている。シクロデキストリンへのこれらの修飾は、空洞容量、溶解度およびゲスト分子との差次的反応性へ変化をもたらし得る。一部の実施形態では、シクロデキストリンを含む組成物は、6,6,6,6,6,6,6,6−オクタキス−S−(2−カルボキシエチル)−6,6,6,6,6,6,6,6−オクタチオ−γ−シクロデキストリン(すなわち、スガマデクスとも呼ばれる、S−2−カルボキシエチル−オクタチオ−γ−シクロデキストリン)および/または6,6,6,6,6,6,6−ヘプタキス−S−(2−カルボキシエチル)−6,6,6,6,6,6,6−ヘプタチオ−γ−シクロデキストリン(すなわち、S−2−カルボキシエチル−ヘプタチオ−γ−シクロデキストリン)以外のシクロデキストリンである。一部の実施形態では、シクロデキストリンが、唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質である組成物では、シクロデキストリンは、2−カルボキシエチル−オクタチオ−γ−シクロデキストリンではない。一部の実施形態では、シクロデキストリンが唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質である組成物では、シクロデキストリンは、2−カルボキシエチル−ヘプタチオ−γ−シクロデキストリンではない。
一部の実施形態では、本方法および組成物において使用するためのシクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体およびそれらの組合せから選択される。特に、本方法において使用するためのシクロデキストリンは、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体およびそれらの組合せから選択される。
一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、カルボキシアルキルシクロデキストリン、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンおよびアルキルシクロデキストリンから選択される。種々の実施形態では、シクロデキストリン中のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、α−シクロデキストリンまたはその誘導体である。一部の実施形態では、α−シクロデキストリンまたはその誘導体は、カルボキシアルキル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−α−シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル−α−シクロデキストリン、アルキル−α−シクロデキストリンおよびそれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、α−シクロデキストリン誘導体中のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、β−シクロデキストリンまたはその誘導体である。一部の実施形態では、β−シクロデキストリンまたはその誘導体は、カルボキシアルキル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリン、アルキル−β−シクロデキストリンおよびそれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、β−シクロデキストリン誘導体中のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。
一部の実施形態では、β−シクロデキストリンまたはその誘導体は、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンまたはスルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンである。一部の実施形態では、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである。一部の実施形態では、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンは、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンである。一部の実施形態では、β−シクロデキストリンまたはその誘導体は、アルキル−β−シクロデキストリン、特に、メチル−β−シクロデキストリンである。メチル−β−シクロデキストリンを使用する一部の実施形態では、β−シクロデキストリンは、無作為にメチル化されたβ−シクロデキストリンである。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、γ−シクロデキストリンまたはその誘導体である。一部の実施形態では、γ−シクロデキストリンまたはその誘導体は、カルボキシアルキル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−γ−シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル−γ−シクロデキストリンおよびアルキル−γ−シクロデキストリンから選択される。一部の実施形態では、γ−シクロデキストリン誘導体中のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。一部の実施形態では、γ−シクロデキストリンまたはその誘導体は、ヒドロキシアルキル−γ−シクロデキストリンまたはスルホアルキルエーテル−γ−シクロデキストリンである。一部の実施形態では、ヒドロキシアルキル−γ−シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、例えば、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンである。一部の実施形態では、γ−シクロデキストリンまたはその誘導体は、S−2−カルボキシアルキル−チオ−γ−シクロデキストリン、例えば、S−2−カルボキシエチル−チオ−γ−シクロデキストリンである。
一部の実施形態では、本明細書における方法において、シクロデキストリンの種々の塩またはシクロデキストリン誘導体の塩が使用され得る。一部の実施形態では、塩は、薬学的に許容される塩(単数または複数)であり、哺乳動物において使用するのに安全であり、有効であり、所望の生物活性を有する化合物、すなわち、シクロデキストリンの塩を指す。薬学的に許容される塩として、シクロデキストリン中に存在する酸性基または塩基性基の塩が挙げられる。薬学的に許容される酸付加塩として、それだけには限らないが塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。適した塩基塩として、それだけには限らないが、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛およびジエタノールアミン塩が挙げられる。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、ナトリウムまたはカリウム塩の形態である。適した薬学的に許容される塩および薬物製剤へのその適用に関する手引きは、その両方が参照により本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、Easton、PA.、1985年およびBergeら、1977年、「Pharmaceutical Salts」、J Pharm Sci.66巻:1〜19頁などの種々の参考文献中に見出すことができる。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、シクロデキストリンの混合物である。このような混合物は、α−シクロデキストリンおよびβ−シクロデキストリン誘導体の組合せを含むα−シクロデキストリンおよびβ−シクロデキストリンの組合せ、α−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリン誘導体の組合せを含むα−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンの組合せ、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリン誘導体の組合せを含むβ−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンの組合せまたはα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリン誘導体の組合せを含むα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンの組合せであり得る。
本明細書における方法および組成物では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、中でも、(a)眼のアレルギーもしくはアレルギー性結膜炎を処置する、(b)眼のアレルギーもしくはアレルギー性結膜炎の1種または複数の症状を改善もしくは緩和する、(c)眼のアレルギーもしくはアレルギー性結膜炎と関連する炎症を処置する、または(d)眼のアレルギーもしくはアレルギー性結膜炎の発生を予防もしくは改善するための予防的処置のために、治療有効量を提供するように調製される。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、眼のアレルゲンを隔離、結合および/または阻害するのに有効な量を提供するように調製される。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、眼中の毒性アルデヒドまたはその反応産物、特に、眼中のアレルギー反応と関連する遊離アルデヒドを隔離、結合および/または阻害するのに有効な量を提供するように調製される。
一部の実施形態では、本明細書において記載される方法において使用するための、組成物、特に、眼科用溶液中などのシクロデキストリン(例えば、α−、β−またはγ−シクロデキストリン)は、約0.1w/v%〜約30w/v%、約0.1w/v%〜約25w/v%、約0.1w/v%〜約20w/v%、約0.2w/v%〜約15w/v%、約0.5w/v%〜約10w/v%、約0.5w/v%〜約7.5w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在する。例えば、例示的シクロデキストリンとして、約0.1w/v%〜約30w/v%、約0.1w/v%〜約25w/v%、約0.1w/v%〜約20w/v%、約0.2w/v%〜約15w/v%、約0.5w/v%〜約10w/v%、約0.5w/v%〜約7.5w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在し得るスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンがある。一部の実施形態では、例示的シクロデキストリンとして、約0.1w/v%〜約30w/v%、約0.1w/v%〜約25w/v%、約0.1w/v%〜約20w/v%、約0.2w/v%〜約15w/v%、約0.5w/v%〜約10w/v%、約0.5w/v%〜約7.5w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在し得るヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンがある。一部の実施形態では、例示的シクロデキストリンとして、約0.1w/v%〜約30w/v%、約0.1w/v%〜約25w/v%、約0.1w/v%〜約20w/v%、約0.2w/v%〜約15w/v%、約0.5w/v%〜約10w/v%、約0.5w/v%〜約7.5w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在し得るヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンがある。
シクロデキストリンの混合物、例えば、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの混合物が使用される実施形態では、シクロデキストリンの総量は、約0.1w/v%〜約30w/v%、約0.1w/v%〜約25w/v%、約0.1w/v%〜約20w/v%、約0.2w/v%〜約15w/v%、約0.5w/v%〜約10w/v%、約0.5w/v%〜約7.5w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在し得る。
一部の実施形態では、本明細書における方法において使用するための、その組成物、特に、眼科用溶液中などのシクロデキストリンは、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在する。例えば、β−シクロデキストリン、例えば、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンは、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在し得る。一部の実施形態では、β−シクロデキストリン、例えば、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在し得る。一部の実施形態では、γ−シクロデキストリン、例えば、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンは、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在し得る。
シクロデキストリンの混合物、例えば、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの混合物が使用される一部の実施形態では、シクロデキストリンの総量は、約0.1%、約0.2%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約12%、約14%、約16%、約18%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在し得る。
例示的シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンについて、投与のためのシクロデキストリンレベル(例えば、濃度)が与えられているが、その他の特定のシクロデキストリンの同等の濃度は、当業者によって容易に決定できるということが理解されなくてはならない。
本明細書において論じられるように、本方法の一部の実施形態では、シクロデキストリンは、唯一のものまたは唯一の活性薬剤として投与される。一部の実施形態では、本方法において使用するための、シクロデキストリンまたはその組成物、特に、眼科用溶液は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能である薬学的に活性な物質を実質的に含まない。一部の実施形態では、本明細書において論じられるように、薬学的に活性な物質は、治療利益を提供するのに必要であるもの未満の濃度で存在する。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む組成物、特に、眼科用溶液は、シクロデキストリンと包接錯体を形成する薬学的に活性な物質がない。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物、特に、眼科用溶液は、シクロデキストリンを、唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として有する。
しかし、一部の実施形態では、本方法において使用するための、シクロデキストリンまたはその組成物、例えば、眼科用溶液は、特に、薬学的に活性な物質が、眼のアレルギー、例えば、アレルギー性結膜炎として現れる眼のアレルギーの処置において有効である場合に、シクロデキストリンに加えて薬学的に活性な物質を有し得るということが理解されなければならない。一部の実施形態では、シクロデキストリンとともに存在する薬学的に活性な物質は、実質的なレベルのシクロデキストリンとの包接錯体を形成しない。例えば、医薬物質の溶解度または治療効力は、シクロデキストリンの存在によって影響を受けない。一部の実施形態では、薬学的に活性な物質は、シクロデキストリンとの包接錯体を形成しない。
一部の実施形態では、本方法において使用するためのシクロデキストリンまたはその組成物、例えば、眼科用溶液は、シクロデキストリンと包接錯体を形成可能である薬学的に活性な物質を含む薬学的に活性な物質を有し得る。特に、シクロデキストリンまたはその組成物は、眼科用薬学的に活性な物質が、シクロデキストリンと包接錯体を形成する場合に、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の処置のための眼科用薬学的に活性な物質を有し得る。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、薬学的に活性な物質によって提供される治療利益に加えて治療利益を提供するために、有効な量(例えば、濃度)の遊離の、錯体形成していないシクロデキストリンを提供するのに十分な量で存在する。例えば、シクロデキストリンまたはその誘導体は、薬学的に活性な物質の溶解度および/またはバイオアベイラビリティを増強するのに必要な量(または濃度)に加えて、眼中の眼のアレルゲンおよび/またはアレルギー反応と関連する毒性アルデヒドを隔離、結合および/または阻害するために有効な量(または濃度)の遊離の、錯体形成していないシクロデキストリンを提供するのに十分な量(例えば、濃度)で存在する。シクロデキストリンとともに製剤化される薬学的に活性な物質として、アレルギー性結膜炎を処置するのに有用な化合物、例えば、肥満細胞安定剤、ステロイド、抗ヒスタミン剤、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)およびアルデヒド捕捉化合物が挙げられる。例示的ステロイドとして、プレドニゾロン、デキサメタゾンおよびフルオロメトロンが挙げられる。例示的抗ヒスタミン剤として、中でも、レボカバスチン、オロパタジンおよびフマル酸ケトチフェンが挙げられる。シクロデキストリンとともに使用するためのアルデヒド捕捉化合物は、それらのすべてが参照により本明細書に組み込まれる、WO2014116836、WO2006127945、WO2011072141、WO2014100425およびWO2014116593に開示されている。一部の実施形態では、例示的アルデヒド捕捉化合物は、シクロデキストリン単独(すなわち、ビヒクルのみ)よりもシクロデキストリンとともの製剤において、臨床治験において示されるようにアレルギー性結膜炎の症状の処置および/または低減において大きな効果を有していた上記の構造(I)の化合物である。したがって、本明細書において記載されるシクロデキストリン組成物の各実施形態すべてについても、構造式(I)の化合物が、特に、アレルギー性結膜炎、眼のアレルギーおよび/または眼のアレルギーが関連する眼の炎症の処置のために治療有効量で、薬学的に活性な物質として存在する組成物の実施形態を含むものとする。一部の実施形態では、シクロデキストリンを有する局所眼科用製剤中の構造式(I)の化合物の量は、少なくとも約0.05w/v%、0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.3w/v%、約0.4w/v%、約0.5w/v%、約0.6w/v%、約0.7w/v%、約0.8w/v%、約0.9w/v%、約1w/v%、約1.5w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%または約5w/v%で存在する。一部の実施形態では、局所製剤のための構造式(I)の化合物の量は、約0.05w/v%〜約5w/v%、約0.1w/v%〜約5w/v%、約0.2w/v%〜約4w/v%、約0.3w/v%〜約3w/v%、約0.4w/v%〜約2w/v%または約0.5w/v%〜約1.5w/v%で存在する。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体およびそれらの組合せである。一部の実施形態では、β−シクロデキストリンまたはそれらの誘導体は、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンまたはスルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリン、特に、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンである。一部の実施形態では、γ−シクロデキストリンまたはその誘導体は、ヒドロキシアルキル−γ−シクロデキストリンまたはスルホアルキルエーテル−γ−シクロデキストリン、特に、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンまたはスルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリンである。式(I)の化合物とともに使用され得るシクロデキストリンの量は、上記の量である。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、例えば、上記の構造式(I)の化合物の濃度のいずれかについて、約0.1w/v%〜約30w/v%、約0.1w/v%〜約25w/v%、約0.1w/v%〜約20w/v%、約0.2w/v%〜約15w/v%、約0.5w/v%〜約10w/v%、約0.5w/v%〜約7.5w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在する。一部の実施形態では、例えば、上記の構造式(I)の化合物の濃度のいずれかについて、シクロデキストリンは、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在する。
一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、シクロデキストリンと包接錯体を形成する薬学的に活性な物質の量の少なくとも1モル(モル濃度)過剰で存在する。一部の実施形態では、薬学的に活性な薬剤の量に対してシクロデキストリンまたはその誘導体は、少なくとも約1モル(モル濃度)過剰〜約500モル(モル濃度)過剰、約1.5モル(モル濃度)過剰〜約100モル(モル濃度)過剰、約2モル(モル濃度)過剰〜約75モル(モル濃度)過剰、約5モル(モル濃度)過剰〜約50モル(モル濃度)過剰、約8モル(モル濃度)過剰〜約40モル(モル濃度)過剰または約10モル(モル濃度)過剰〜約30モル(モル濃度)過剰で存在する。
一部の実施形態では、シクロデキストリンと包接錯体を形成する薬学的に活性な物質の量に対してシクロデキストリンまたはその誘導体は、少なくとも約1.5モル(モル濃度)過剰、2モル(モル濃度)過剰、3モル(モル濃度)過剰、4モル(モル濃度)過剰、5モル(モル濃度)過剰、6モル(モル濃度)過剰、7モル(モル濃度)過剰、8モル(モル濃度)過剰、9モル(モル濃度)過剰、10モル(モル濃度)過剰、15モル(モル濃度)過剰、20モル(モル濃度)過剰、30モル(モル濃度)過剰、40モル(モル濃度)過剰、50モル(モル濃度)過剰、75モル(モル濃度)過剰、100モル(モル濃度)過剰、200モル(モル濃度)過剰、300モル(モル濃度)過剰、400モル(モル濃度)過剰または500モル(モル濃度)過剰で存在する。
一部の実施形態では、シクロデキストリンと包接錯体を形成する薬学的に活性な物質の量に対する、シクロデキストリンまたはその誘導体の量のモル(またはモル濃度)比は、少なくとも約2:1〜約500:1、約2:1〜約400:1、約2:1〜約300:1、約2:1〜約200:1、約5:1〜約150:1、約10:1〜約100:1、約15:1〜約50:1または約20:1〜約40:1である。
一部の実施形態では、シクロデキストリンと包接錯体を形成する薬学的に活性な物質の量に対する、シクロデキストリンまたはその誘導体の量のモル(またはモル濃度)比は、少なくとも約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約15:1、約20:1、約30:1、約40:1、約50:1、約100:1、約150:1、約200:1、約300:1、約400:1または約500:1である。
包接錯体を形成可能な薬学的に活性な物質が、シクロデキストリンとともに存在する一部の実施形態では、第1のシクロデキストリンは、薬学的に活性な物質の溶解度を増強するために使用され、第1のシクロデキストリンとは異なる第2のシクロデキストリンが、例えば、眼のアレルゲンおよび/または眼のアレルギーと関連する毒性アルデヒドを結合、捕捉、および/または阻害することによって、さらなる治療効果を達成するために使用され得る。例えば、アレルギー性結膜炎を処置するために使用されるオロパタジンが、溶解度を改善するためにヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン)とともに製剤化される(例えば、Torklidsenら、2015年、Clin Ophthalmol.9巻:1703〜1713頁を参照のこと)。このような例では、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンおよびアレルギー性結膜炎を処置するためのオロパタジンに加えて、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンとは異なる第2のシクロデキストリン、例えば、メチル−β−シクロデキストリンまたはスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンが存在し得る。一部の実施形態では、アレルギー性結膜炎を処置する方法は、それを必要とする対象に、第1のシクロデキストリン、アレルギー性結膜炎の処置のための眼科用の薬学的に活性な化合物、第1のシクロデキストリンとは異なる第2のシクロデキストリンを含む、治療有効量の組成物を投与することを含み、第1のシクロデキストリンは、眼科用の薬学的に活性な化合物の溶解度を増強し、第2のシクロデキストリンは、さらなる治療利益を提供する。一部の実施形態では、眼のアレルギーの関連でさらなる治療利益は、眼のアレルゲンおよび/または眼におけるアレルギー反応と関連している毒性アルデヒドを隔離、結合および/または阻害することである。
種々の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、溶液、懸濁液、軟膏、ゲルおよびその他の投与形態投与として、特に、局所投与用に調製され得る。眼科用局所投与のために、投与形態は、溶液、軟膏、ゲル(例えば、粘性または半粘性)、エマルジョン、懸濁液および固体点眼剤などを含む。特に、患者または医療従事者による製剤化および投与の容易さに基づいて、水溶液が一般に好ましい。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、凍結乾燥製剤である。
一部の実施形態では、本方法において使用するためのシクロデキストリンまたはその組成物は、1種または複数の眼科用の薬学的に許容される添加剤または賦形剤とともに製剤化される。したがって、一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体を含有する眼科用組成物は、1種または複数の眼科用薬学的に許容される添加剤または賦形剤をさらに含む。
一部の実施形態では、1種または複数の眼科用薬学的に許容される添加剤または賦形剤は、等張化剤、防腐剤、緩衝剤、湿潤剤、増粘剤、滑沢剤、キレート化剤および抗酸化剤から選択される。一部の実施形態では、選択される添加剤または賦形剤は、実質的なレベルの、シクロデキストリンまたはその誘導体との包接錯体を形成しない。
一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、組成物の張力を、例えば、天然の涙液の張力に調整するために使用され得る1種または複数の等張化剤を有し得る。適した等張化剤として、限定ではなく例として、デキストラン(例えば、デキストラン40または70)、デキストロース、グリセリン、塩化カリウム、プロピレングリコールおよび塩化ナトリウムが挙げられる。例えば、カリウム、アンモニウムなどのカチオン、および塩素イオン、クエン酸、アスコルビン酸、ホウ酸、リン酸、重炭酸、硫酸、チオ硫酸、重硫酸などのアニオンで構成されている1種または複数の塩、塩重硫酸ナトリウムおよび硫酸アンモニウムの当量も使用され得る。等張化剤の量は、添加されるべき特定の薬剤に応じて変わる。しかし、一般に、組成物は、最終組成物に眼科的に許容される浸透圧を有させるのに十分な量の等張化剤を有し得る。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、約200〜約1000mOsm/Lまたは約200〜約500mOsm/Lまたは前記範囲内の任意の特定の値(例えば、200mOsm/L、210mOsm/L、220mOsm/L、230mOsm/L、240mOsm/L、250mOsm/L、260mOsm/L、270mOsm/L、280mOsm/L、290mOsm/L、300mOsm/L、310mOsm/L、320mOsm/L、330mOsm/L、340mOsm/L、350mOsm/L、360mOsm/L、370mOsm/L、380mOsm/L、390mOsm/Lまたは400mOsm/L)の浸透圧を有する。特定の実施形態では、眼科用製剤は、等張化剤を用いて、約250〜約450mOsm/Lまたは約250〜約350mOsm/Lの範囲の浸透圧に調整される。
一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、例えば、有効期間を延長するために、または貯蔵の間ならびに眼の上に治療投与された場合に溶液中の細菌成長を制限するために1種または複数の防腐剤を有し得る。使用され得る防腐剤として、中でも、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンゾドデシニウムブロミド、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、チメロサール(thimerosol)、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、メチル/プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸および過ホウ酸ナトリウムが挙げられる。溶液中の防腐剤の量は、眼組織に対して最小の毒性しか有さずに、有効期間を増強し、細菌成長を制限するか、そうでなければ、眼用溶液を保存するレベルであり得る(例えば、The United States Pharmacopeia、改訂22版およびThe National Formulary、第17版 Rockville、MDを参照のこと)。眼用製剤において使用するのに適した防腐剤のレベルは、当業者によって決定できる。一部の実施形態では、防腐剤は、約0.001w/v%〜約1.0w/v%の量で使用され得る。例えば、防腐剤は、約0.005w/v%〜約0.05w/v%、0.005w/v%〜約0.04w/v%、0.01w/v%〜約0.03w/v%、0.01w/v%〜約0.02w/v%または約0.01w/v%〜約0.015w/v%で存在する。一部の実施形態では、防腐剤の量は、約0.005w/v%、約0.01w/v%、約0.012w/v%、約0.014w/v%、約0.016w/v%、約0.018w/v%、約0.02w/v%、約0.03w/v%、約0.04w/v%または約0.05w/v%であり得る。一部の実施形態では、組成物中に防腐剤は使用されない。
一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、指定のpH範囲で眼の溶液pHを調整および/または維持するために1種または複数の緩衝剤を有し得る。一般に、緩衝能は、生成物のpHを、適度に長い有効期間の間、維持するように十分に大きくなくてはならないが、また、投与の際に生理学的pHへの生成物の迅速な再調整を可能にするように十分に小さくなくてはならない。一般に、眼科用溶液には、特に、十分な緩衝能を提供し、眼に対する有害作用、例えば、刺激作用を最小にする濃度で、約0.01〜0.1の緩衝能が使用され得る。例示的緩衝剤として、限定ではなく例として、必要に応じて、中でも、酢酸、ホウ酸、リン酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、四ホウ酸、重リン酸、トロメタミン、ヒドロキシエチルモルホリンおよびTHAM(トリスヒドロキシメチルアミノ−メタン)を含む薬剤の種々の塩(例えば、ナトリウム、カリウムなど)、酸または塩基が挙げられる。一部の実施形態では、緩衝剤は、約0.01mM〜約100mM、約0.05mM〜約100mM、約0.5mM〜約100mM、約1mM〜約50mM、約1mM〜約40mM、約1mM〜約30mM、約1mM〜約20mMまたは約1mM〜約10mMで存在し得る。一部の実施形態では、緩衝剤は、約0.01mM、約0.05mM、約0.1mM、約0.2mM、約0.5mM、約1mM、約5mM、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mMまたは約100mMで存在し得る。
一部の実施形態では、例示的緩衝剤は、リン酸、特にリン酸ナトリウムであり、これは、標準手順によって、例えば、適当な量の1種または複数の一塩基性リン酸、二塩基性リン酸などを混合することによって調製され得る。特に、有用なリン酸バッファーは、アルカリおよび/またはアルカリ土類金属のリン酸塩、例えば、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸カリウムおよび二塩基性リン酸カリウムを含むリン酸ナトリウムまたはカリウムから調製される。一部の実施形態では、リン酸バッファーは、約0.5mM〜約100mM、約1mM〜約50mM、約1mM〜約40mM、約1mM〜約30mM、約1mM〜約20mMまたは約1mM〜約10mMで存在し得る。一部の実施形態では、リン酸バッファーは、約0.5mM、約1mM、約5mM、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mMまたは約100mMで存在し得る。
一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、1種または複数の湿潤剤を有し得る。一般に、湿潤剤は、水和させ、眼の乾燥を制限し得る。湿潤剤は、一般に、親水性ポリマーであり、限定ではなく例として、ポリソルベート20および80、ポロキサマー282およびチロキサポールが挙げられる。一部の実施形態では、湿潤剤として、中でも、セルロースベースのポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドンならびにポリビニルアルコールが挙げられる。一部の実施形態では、HPMCなどの湿潤剤の濃度は、約0.1w/v%〜約2w/v%、約0.5w/v%〜約1w/v%の範囲または範囲内の特定の値である。一部の実施形態では、HPMCなどの湿潤剤の濃度は、約0.1w/v%〜約1.0w/v%の範囲または前記範囲内の任意の特定の値(例えば、0.1〜0.2%、0.2〜0.3%、0.3〜0.4%、0.4〜0.5%、0.5〜0.6%、0.6〜0.7%、0.7〜0.8%、0.8〜0.9%、0.9〜1.0%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、約0.25%、約0.26%、約0.27%、約0.28%、約0.29%、約0.30%、約0.70%、約0.71%、約0.72%、約0.73%、約0.74%、約0.75%、約0.76%、約0.77%、約0.78%、約0.79%、約0.80%、約0.81%、約0.82%、約0.83%、約0.84%、約0.85%、約0.86%、約0.87%、約0.88%、約0.89%または約0.90%)である。
一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、1種または複数の増粘剤を有し得る。増粘剤は、通常、眼の上での溶液の保持時間を増大するために、いくつかの場合には、眼表面に保護層を提供するために、眼用溶液の粘度を増強する。増粘剤として、中でも、種々の分子量の、種々の適合する組合せの、カーボポールゲル、デキストラン40(40,000ダルトンの分子量)、デキストラン70(70,000ダルトンの分子量)、ゼラチン、グリセリン、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、HPMC、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポロキサマー407、ポリソルベート80、プロピレングリコール、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン(ポビドン)が挙げられる。一部の実施形態では、シクロデキストリンを含有する眼科用組成物は、約10〜約150センチポアズ(cpi)、約15〜約120cpi、約20〜約90cpiの範囲(または前記範囲内の任意の特定の値)である粘度を有する。一部の実施形態では、シクロデキストリンを含有する眼科用組成物は、約15cpi〜約30cpiの範囲である粘度または範囲内の任意の特定の値(すなわち、約15cpi、約16cpi、約17cpi、約18cpi、約19cpi、約20cpi、約20cpi、約22cpi、約23cpi、約24cpi、約25cpi、約26cpi、約27cpi、約28cpi、約29cpi、約30cpi)を有する。一部の実施形態では、シクロデキストリンを含有する眼科用組成物は、約70cpi〜約90cpiの範囲である粘度または前記範囲内の任意の特定の値(すなわち、約70cpi、約71cpi、約72cpi、約73cpi、約74cpi、約75cpi、約76cpi、約77cpi、約78cpi、約79cpi、約80cpi、約81cpi、約82cpi、約83cpi、約84cpi、約85cpi、約86cpi、約87cpi、約88cpi、約89cpiまたは約90cpi)を有する。特に、眼科用溶液には、約25〜約50cpsの粘度が適している。
一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、1種または複数の滑沢剤を有し得る。眼用滑沢剤は、内因性涙液の整合性を近似し、天然の涙液の蓄積を補助し得る。滑沢剤は、非リン脂質およびリン脂質ベースの薬剤を含み得る、非リン脂質ベースの眼用滑沢剤として、それだけには限らないが、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、例えば、デキストラン70、水溶性タンパク質、例えば、ゼラチン、ビニルポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、ワセリン、鉱油およびカルボマー、例えば、カルボマー934P、カルボマー941、カルボマー940およびカルボマー974Pが挙げられる。非リン脂質滑沢剤はまた、前述の薬剤のいずれかの適合する混合物を含み得る。
一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、1種または複数の抗酸化剤を含み得る。適した抗酸化剤として、限定ではなく例として、EDTA(例えば、EDTA二ナトリウム)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素およびアルファ−トコフェロールが挙げられる。
種々の実施形態では、シクロデキストリン組成物のpHは、生理学的pH、特に、眼の外環境における生理学的pHから1.0〜1.5pH単位内であり得る。ヒト涙液のpHは、およそpH7.4である。したがって、眼科用溶液のpHは、pH7.4を上回ってまたは下回って約1.0〜1.5pH単位であり得る。一部の実施形態では、眼科用溶液のpHは、約pH6.0〜約pH8.5である。一部の実施形態では、眼科用溶液のpHは、約pH6.0〜約pH8.0である。一部の実施形態では、眼科用溶液のpHは、約pH6.5〜約pH8.0である。一部の実施形態では、眼科用溶液のpHは、約pH7.0〜約pH8.0である。一部の実施形態では、眼科用溶液のpHは、約pH7.0〜約pH7.5である。一部の実施形態では、眼科用溶液のpHは、約6.5、約7、約7.5、約8または約8.5である。当業者ならば、シクロデキストリン組成物の安定性および天然条件からのpHの相違に対する眼の忍容性のバランスをとるpHを選択できる。当技術分野で周知のように、溶液のpHは、適当な緩衝剤の使用によって、および/または適当な塩基(例えば、水酸化ナトリウム)または酸(例えば、塩酸)を用いて調整され得る。
本方法の種々の実施形態では、治療されるべき対象は、哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマまたはウサギである。一部の実施形態では、対象は、非ヒト霊長類、例えば、サル、チンパンジーまたはゴリラである。一部の実施形態では、対象は、ヒトであり、時には、本明細書において、患者と呼ばれる。
種々の実施形態において、シクロデキストリンまたはその組成物は、意図される用途、例えば、アレルギー性結膜炎の処置に;アレルギー性結膜炎の徴候および症状を緩和するために;眼のアレルゲンを隔離、結合、および/または阻害するのに;眼におけるアレルギー反応と関連する毒性アルデヒドを隔離、結合、および/もしくは阻害するのに;ならびに/または眼のアレルギーもしくはアレルギー性結膜炎と関連する炎症状態の処置に有効である量で投与される。特定の投与量もまた、対象の年齢、性別、種および状態を含むいくつかの因子に基づいて選択される。有効量はまた、本明細書において開示されるものなどの試験系から、または動物モデルまたは臨床治験から導かれた用量反応曲線から外挿され得る。
治療有効量または有効量とは、アレルギー性結膜炎として現れるものなどの眼のアレルギーの症状を排除または低減するのに;眼のアレルゲンを隔離、結合、低減および/もしくは阻害するのに;毒性アルデヒドもしくは眼のアレルギー反応と関連するその反応産物を隔離、結合、低減、および/もしくは阻害するのに;ならびに/または眼のアレルギーもしくはアレルギー性結膜炎と関連する炎症状態を処置するのに十分であるシクロデキストリンの量を指す。一部の実施形態では、有効量は、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎を処置または予防するのに十分な治療有効量である。これに関連して「処置」とは、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の1種または複数の症状を低減すること、改善することまたは緩和することを指す。これに関連して「予防」または「予防的処置」とは、組成物を受け取っていない対象に対する、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎と関連する症状の発生における頻度の低減または発生の遅延を指す。組成物中の、有効量のシクロデキストリンまたはその誘導体および任意選択で、その他の活性な薬剤は、シクロデキストリンの吸収、不活性化および貯留/排泄速度ならびにシクロデキストリンの標的組織または器官(例えば、眼)への送達速度に応じて変わる。
特定の投与量はまた、軽減されるべき状態の重症度に応じて変わり得る。特定の投与レジメンは、任意の特定の対象のために、対象の要求およびシクロデキストリン組成物の投与を投与しているまたは監督している人物の専門家の判断に従って経時的に調整され得ることがさらに理解されなければならない。一般に、投薬レジメンは、当業者に公知の技術を使用して決定される。
一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、必要に応じて、例えば、当技術分野における熟練した医療専門家からの手引きに基づいて、および/または患者による評価に応じて投与される。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、少なくとも週に1回投与される。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、少なくとも2日に1回投与される。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、少なくとも1日に1回投与される。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、少なくとも1日に2回、少なくとも1日3回、少なくとも1日4回、少なくとも1日5回または少なくとも1日6回投与される。
局所眼科用投与のために、各投与は、1つまたは複数の組成物のアリコート(例えば、眼科用溶液)を含む。各アリコートは、既定の容量、例えば、約10μL〜約100μL、約20μL〜約80μLまたは約30μL〜約60μLであり得る。一部の実施形態では、各アリコートは、約10μL、約20μL、約30μL、約40μL、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μLまたは約100μLである。一部の実施形態では、アリコートは、推定容量、例えば、ドロッパーまたはスクイズバイアルを使用して適用された液滴として投与される。一部の実施形態では、1または複数の液滴、少なくとも2滴、少なくとも3滴、少なくとも4滴、少なくとも5滴または少なくとも6滴が、各投与で片眼にまたは両眼の各々に局所投与される。一部の実施形態では、各投与は、逐次投与、例えば、1または複数のアリコート(例えば、1または複数の液滴)の第1の投与、組成物の吸収を可能にする第1の期間、続いて、1または複数のアリコート(例えば、1または複数の液滴)の第2の投与を含む。
一般に、局所投与のために、シクロデキストリン溶液は、治療有効期間、眼と接触したままにされる。一部の実施形態では、組成物は、例えば、当技術分野における熟練した医療専門家によって決定されるような、少なくとも約0.1分、0.2分、0.25分、0.3分、0.5分、1分、1.5分、2分またはそれより長く、5分またはそれより長く、10分またはそれより長く、眼と接触したままにされる。
一部の実施形態では、処置期間は、眼のアレルギーまたはアレルギー性結膜炎の症状のうち1種または複数の低減、改善または緩和をもたらす時間である。一部の実施形態では、評価されるべき症状として、眼の白色部分または内側眼瞼における発赤、涙液の量、かゆみのレベル、視力の改善および眼瞼の腫脹のうち1種または複数が挙げられる。一部の実施形態では、処置期間は、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも5日、少なくとも7日(すなわち、1週間)、少なくとも10日、少なくとも14日(すなわち、2週間)、少なくとも17日、少なくとも21日(すなわち、3週間)または少なくとも28日(すなわち、4週間)またはそれより長くである。一部の実施形態では、処置期間は、1カ月もしくはそれより長く、2カ月もしくはそれより長く、3カ月もしくはそれより長くまたは4カ月もしくはそれより長くである。
一部の実施形態では、処置期間は、約2日〜約4カ月、約7日(すなわち、1週間)〜約3カ月、約14日(すなわち、2週間)〜約2カ月または約21日(すなわち、3週間)〜約6週間(すなわち、1.5カ月)である。
一部の実施形態では、上記で論じられるように、シクロデキストリン組成物は、これまでに診断されているが、アレルギー性結膜炎の症状を示していない対象に予防的に投与され得る。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、眼のアレルギーを有すると同定もしくは決定された、または眼のアレルギーを有すると疑われる対象に予防的に投与され得る。予防的処置は、上記のアレルギー性結膜炎の処置に使用された投与量および投与スケジュールに従うことができる。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、環境中の予測される花粉量に基づいて、季節性アレルギー性結膜炎を有すると同定もしくは決定された対象に、予防的に投与され得る。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、対象が遭遇するはずである環境の性質およびアレルゲンの種類に基づいて、通年性アレルギー性結膜炎を有すると同定もしくは決定された対象に予防的に投与され得る。
別の態様では、シクロデキストリン化合物の組成物が本明細書において提供される。したがって、組成物は、本明細書における方法において使用するために記載された組成物の各々をどの1つも包含する。一部の実施形態では、組成物は、シクロデキストリンを含む眼科用溶液を対象とする。一部の実施形態では、眼科用溶液は、シクロデキストリンおよび1種または複数の眼科用の薬学的に許容される添加剤または賦形剤を含み、溶液は、シクロデキストリンと複合体を形成可能な薬学的に活性な物質を実質的に含まない。一部の実施形態では、眼科用溶液は、シクロデキストリンおよび1種または複数の眼科用の薬学的に許容される添加剤または賦形剤から本質的になる。一部の実施形態では、眼科用組成物(例えば、溶液)は、シクロデキストリンを、唯一のものまたは唯一の薬学的に活性な物質として有する。
一部の実施形態では、眼科用溶液は、シクロデキストリン、薬学的に活性な物質および1種または複数の眼科用の薬学的に許容される賦形剤を含む。特に、薬学的に活性な物質は、アレルギー性結膜炎として現れるものなどの眼のアレルギーの処置に適した薬剤である。一部の実施形態では、薬学的に活性な物質は、肥満細胞安定剤、ステロイド、抗ヒスタミン剤、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)およびアルデヒド捕捉化合物から選択される。一部の実施形態では、薬学的に活性な物質は、構造式(I)の化合物である。上記で論じられるように、眼科用溶液中の構造式(I)の化合物は、少なくとも約0.05w/v%、0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.3w/v%、約0.4w/v%、約0.5w/v%、約0.6w/v%、約0.7w/v%、約0.8w/v%、約0.9w/v%、約1w/v%、約1.5w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%または約5w/v%で存在する。一部の実施形態では、眼科用溶液中の構造式(I)の化合物の治療量は、約0.05w/v%〜約5w/v%、約0.1w/v%〜約5w/v%、約0.2w/v%〜約4w/v%、約0.3w/v%〜約3w/v%、約0.4w/v%〜約2w/v%または約0.5w/v%〜約1.5w/v%で存在する。
シクロデキストリンおよび薬学的に活性な物質を含む眼科用溶液の一部の実施形態では、シクロデキストリンは、薬学的に活性な物質を超えて存在する。本明細書において記載されるように、一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、シクロデキストリンと包接錯体を形成する薬学的に活性な物質の量の少なくとも1モル(モル濃度)過剰で存在する。一部の実施形態では、薬学的に活性な物質の量に対して、シクロデキストリンまたはその誘導体の量は、少なくとも約1モル(モル濃度)過剰〜約500モル(モル濃度)過剰、約1.5モル(モル濃度)過剰〜約100モル(モル濃度)過剰、約2モル(モル濃度)過剰〜約75モル(モル濃度)過剰、約5モル(モル濃度)過剰〜約50モル(モル濃度)過剰、約8モル(モル濃度)過剰〜約40モル(モル濃度)過剰または約10モル(モル濃度)過剰〜約30モル(モル濃度)過剰で存在する。
一部の実施形態では、シクロデキストリンと包接錯体を形成する薬学的に活性な物質の治療量に対してシクロデキストリンまたはその誘導体は、組成物中に存在する薬学的に活性な物質の量の少なくとも約1.5モル(モル濃度)過剰、2モル(モル濃度)過剰、3モル(モル濃度)過剰、4モル(モル濃度)過剰、5モル(モル濃度)過剰、6モル(モル濃度)過剰、7モル(モル濃度)過剰、8モル(モル濃度)過剰、9モル(モル濃度)過剰、10モル(モル濃度)過剰、15モル(モル濃度)過剰、20モル(モル濃度)過剰、30モル(モル濃度)過剰、40モル(モル濃度)過剰、50モル(モル濃度)過剰、75モル(モル濃度)過剰、100モル(モル濃度)過剰または500モル(モル濃度)過剰で存在する。
眼科用溶液の一部の実施形態では、シクロデキストリンと包接錯体を形成する薬学的に活性な物質の量に対する、シクロデキストリンまたはその誘導体の量のモル(またはモル濃度)比は、少なくとも約2:1〜約500:1、約2:1〜約200:1、約5:1〜約150:1、約10:1〜約100:1、約15:1〜約50:1または約20:1〜約40:1である。
一部の実施形態では、シクロデキストリンと包接錯体を形成する薬学的に活性な物質の量に対する、シクロデキストリンまたはその誘導体のモル(またはモル濃度)比は、少なくとも約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約15:1、約20:1、約30:1、約40:1、約50:1、約100:1、約150:1、約200:1または約500:1である。
眼科用溶液の一部の実施形態では、上記のシクロデキストリンの実施形態の各々はどの1つであっても使用し得る。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体およびそれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、カルボキシアルキルシクロデキストリン、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、アルキルシクロデキストリンおよびそれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、α−シクロデキストリン誘導体中のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、α−シクロデキストリンまたはその誘導体を含む。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、カルボキシアルキル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−α−シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル−α−シクロデキストリンおよびアルキル−α−シクロデキストリンから選択される。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、β−シクロデキストリンまたはその誘導体を含む。一部の実施形態では、β−シクロデキストリンまたはその誘導体は、カルボキシアルキル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンおよびアルキル−β−シクロデキストリンから選択される。一部の実施形態では、β−シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンまたはヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンである。一部の実施形態では、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンは、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンである。一部の実施形態では、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである。
一部の実施形態では、シクロデキストリンは、γ−シクロデキストリンまたはその誘導体を含む。一部の実施形態では、γ−シクロデキストリンまたはその誘導体は、カルボキシアルキル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−γ−シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル−γ−シクロデキストリンおよびアルキル−γ−シクロデキストリンから選択される。一部の実施形態では、γ−シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテル−γ−シクロデキストリンまたはヒドロキシアルキル−γ−シクロデキストリンである。一部の実施形態では、スルホアルキルエーテル−γ−シクロデキストリンは、スルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリンである。一部の実施形態では、ヒドロキシアルキル−γ−シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンである。
眼科用溶液の一部の実施形態では、シクロデキストリンは、約0.1w/v%〜約30w/v%、約0.1w/v%〜約25w/v% 、約0.1w/v%〜約20w/v%、約0.2w/v%〜約15w/v%、約0.5w/v%〜約10w/v%、約0.5w/v%〜約7.5w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在する。例えば、例示的シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンは、約0.1w/v%〜約30w/v%、約0.1w/v%〜約25w/v%、約0.1w/v%〜約20w/v%、約0.2w/v%〜約15w/v%、約0.5w/v%〜約10w/v%、約0.5w/v%〜約7.5w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在し得る。別の例示的シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、約0.1w/v%〜約30w/v%、約0.1w/v%〜約25w/v%、約0.1w/v%〜約20w/v%、約0.2w/v%〜約15w/v%、約0.5w/v%〜約10w/v%、約0.5w/v%〜約7.5w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在し得る。シクロデキストリンの混合物、例えば、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの混合物が使用される例では、シクロデキストリンの総量は、約0.1w/v%〜約30w/v%、約0.1w/v%〜約25w/v%、約0.1w/v%〜約20w/v%、約0.2w/v%〜約15w/v%、約0.5w/v%〜約10w/v%、約0.5w/v%〜約7.5w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在し得る。
眼科用溶液の一部の実施形態では、シクロデキストリンは、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在する。例えば、例示的シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンは、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在し得る。別の例示的シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在し得る。シクロデキストリンの混合物、例えば、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの混合物が使用される例では、シクロデキストリンの総量は、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在し得る。
一部の実施形態では、眼科用溶液は、上記のような、1種または複数の眼科用の薬学的に許容される添加剤または賦形剤を含む。一部の実施形態では、1種または複数の眼科用の薬学的に許容される添加剤または賦形剤は、等張化剤、防腐剤、緩衝剤、湿潤剤、増粘剤、滑沢剤、キレート化剤および抗酸化剤から選択される。したがって、上記のような、添加剤または賦形剤の各実施形態すべてが、本明細書における眼科用溶液の範囲内にあるものとする。
一部の実施形態では、眼科用溶液は、滅菌溶液として調製される。一部の実施形態では、眼科用溶液は、発熱物質および/または内毒素を実質的に含まない。
5.3.キット
別の態様では、本明細書において記載されるシクロデキストリン組成物、特に、眼科用溶液のいずれも、例えば、単回使用バイアルなどの単回用量製品または複数使用バイアルなどの複数用量製品のいずれかとしてパッケージングされたキット中で提供され得る。一部の実施形態では、単回用量製品は、無菌であり、パッケージ中の組成物のすべては、患者の片眼または両眼への単回適用で消費されるものとする。
一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、パッケージングの時点で同様に無菌である、複数用量製品である。複数容量製品については、組成物は、組成物が容器の開封および取り扱いの反復から汚染されないことを確実にするために、防腐剤および/または抗菌剤を含有し得る。抗菌活性のレベルの標準は、米国薬局方(United States Pharmacopoeia)(「USP」)およびその他の国における対応する刊行物などの参考刊行物中に明示されている。
単回用量製品としてのシクロデキストリン組成物のパッケージングは、組成物における抗菌防腐剤の必要性を低減または排除し得、防腐剤は、特に、既存の眼の刺激作用に苦しんでいる患者において、眼の刺激作用を引き起こし得る。単回用量製品は、小容量プラスチック製バイアル、特に、使い捨ての単回使用プラスチック製スクイズバイアルとして提供され得、単回使用バイアルは、再密閉可能ではないスナップオフまたはティアオフキャップを有する。
シクロデキストリン組成物は、好ましくは、すぐに使用できる水溶液、すなわち、使用前に希釈または調製を全く必要としない溶液として製剤化されるが、代替的な製剤化も使用され得る。例えば、任意選択で、1種または複数の眼科用の薬学的に許容される添加剤および/または賦形剤とともに調製されたシクロデキストリンまたはその誘導体は、凍結乾燥されてもよく、そうでなければ、滅菌水(例えば、脱イオン化されたまたは蒸留された)などの溶媒を用いてすぐに復元できる乾燥粉末または固体形態として提供されてもよい。一部の実施形態では、シクロデキストリン組成物は、適当な政府機関による販売承認のために必要なように発熱物質および/または内毒素を含まない。種々の実施形態では、滅菌シクロデキストリン組成物は、当技術分野で公知の適当な滅菌法手順によって調製され得る。一部の実施形態では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、滅菌条件下で製造され、混合およびパッケージングは、滅菌条件下で実施される。一部の実施形態では、組成物は、フィルター滅菌され、滅菌単位用量製剤を提供する単位用量バイアルを含むバイアル中に充填され得る。一部の実施形態では、組成物および/または組成物の薬剤は、蒸気、γ線によって、または適当な化学的滅菌法手順によって滅菌される。
本開示は、液体または凍結乾燥シクロデキストリン製剤(例えば、シクロデキストリンを単独で、または本明細書において記載されるような薬学的に活性な物質と組み合わせて含む製剤)が充填された、1つまたは複数の容器を含む医薬パックまたはキットをさらに提供する。一部の実施形態では、製剤は、シクロデキストリンの水性製剤である。一部の実施形態では、シクロデキストリン製剤は、凍結乾燥される。
一部の実施形態では、キットは、アレルギー性結膜炎の処置において使用するための説明書ならびに特に、適当な政府機関によって必要とされるような、副作用および1種または複数の投与経路の投与量情報をさらに含む。説明書の材料は、通常、書面のまたは印刷された材料を含むが、このような説明書を保管し、それらをエンドユーザーに伝えることが可能な任意の媒体が企図される。このような媒体として、それだけには限らないが、電子記憶媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD ROM)などが挙げられる。このような媒体は、このような説明材料を提供するインターネットサイトへのアドレスを含み得る。
5.4.実施例
(実施例1)
結膜アレルゲン誘発試験(Conjunctival Allergen Provocation Test)(CAPT)を使用したアレルギー性結膜炎の対象におけるNS2眼科用溶液の活性を評価するための無作為化された、並行した、単一施設での、二重盲検の、ビヒクル対照の第II相研究
研究目的。研究の第一の目的は、結膜アレルゲン誘発試験(CAPT)モデルを使用して、約2週間の処置後、草本、ブタクサまたは樹木アレルゲンに対してアレルギー性である対象における中程度から重度のアレルギー性結膜炎の処置における、ビヒクルと比較した、NS2、すなわち構造式(I)の化合物の安全性および活性を評価することである。
研究の理論的根拠。直接点眼の眼のモデルは、実験的および臨床的な眼科学試験においてアレルギー反応を誘発するために十分に確立されている(Abelsonら、1990年、Arch Ophthalmol.108巻(1号):84〜88頁;Abelsonら、2003年、Curr Allergy Asthma Rep.3巻(4号):363〜368頁)。結膜アレルゲン誘発試験(CAPT)は、眼科用抗アレルギー医薬の活性を評価するために使用される(Abelsonら、1998年、Am J Ophthalmol.125巻(6号):797〜804頁)。結膜嚢に液状の濃縮アレルゲンの直接点眼を必要とする(Leonardiら、1990年、Eye(Lond)、4巻(第5部):760〜764頁)。CAPTは、眼のアレルギー反応を評価するための好ましい方法であり、眼のアレルギー反応を誘導するために対象に特定量のアレルゲンを必要とする。
中程度に重度の眼のアレルギー反応を誘発するアレルゲンの濃度を決定するために、対象は、漸進的により濃縮されたアレルゲン溶液が、陽性のアレルギー反応が生じるまで結膜嚢に点眼される、アレルゲン濃度の用量を見出す来院(滴定CAPT)と、滴定CAPTにおける陽性反応を誘発した濃度が、それが正しいかどうかを確認するために再度、点眼されるアレルゲン濃度の確認来院(確認CAPT)との両方を通過する。臨床研究の評価項目は、次のとおりである。
臨床研究の評価項目−安全性評価項目:(1)局所反応および全身反応の数および重症度、ならびに他の有害反応;(2)バイタルサイン;(3)スリットランプ検査;(4)視力;(5)非接触眼圧測定;(6)眼底検査。
臨床研究の評価項目−活動性評価項目:(1)処置間の眼のかゆみのスコアにおけるMCFB差;(2)処置間の結膜の発赤スコアにおけるMCFB差;(3)処置間の眼瞼腫脹スコアにおけるMCFB差;(4)処置間の眼の流涙におけるMCFB差。
臨床研究の評価項目−探索的評価項目:処置間のサイトカイン発現におけるMCFB差。
研究設計。この二重盲検、ビヒクル対照、無作為化された、並行群の研究は、CAPTモデルにおいて、草本、樹木またはブタクサ誘発性アレルギー性結膜炎を有する対象におけるNS2対ビヒクルの試験を可能にする。この研究は、約9週間にわたって、病院(医療スクリーニング来院、滴定CAPT来院、1回または2回の確認CAPT来院、CAPT作用発現来院、および2週後の3回の投薬CAPT来院)への7回または8回の来院からなる。
スクリーニング来院(来院1)で、対象は、インフォームドコンセントを受け、医療/眼科/併用医薬の履歴を提供する。懐妊の可能性がある女性に対して尿妊娠検査が行われる。対象は、眼科検査(スネレン視力(VA)、スリットランプ検査(SLE)、非接触IOP眼圧測定(NCT)、および非拡張型眼底検査)に参加し、それらが初期適格基準を満たすことを確実にする。バイタルサインおよび一集団の試験アレルゲンのための皮膚プリックテストが実行される;結果は、来院2に進むために、少なくとも1つの試験アレルゲンについて陽性(陰性対照よりも3mm大きい膨疹)でなければならない。調査員は、その後のすべての誘発試験に使用されるべきであるアレルゲンおよび研究において継続する対象の能力を評価するために、皮膚プリックテスト中のアレルギー反応、病歴および干渉する任意の環境アレルゲンを考慮する。
来院2では、VAおよびSLEが行われ、眼の前部が健康であることを確実にする。眼科評価が実行され、電子患者データ取得タブレット(ePDAT(商標))を使用した自覚的な眼の症状の対象による採点、ならびに任意の滴定CAPT手順前の結膜の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによって評価された評点が挙げられる。対象は、参加するために、各眼において眼のかゆみスコアが0であり、結膜の発赤スコアが≦1でなければならない。もしそうでなければ、対象は、別の日に再スケジューリングされる場合がある。滴定CAPTは、陽性反応が誘発されるまでまたは最大用量に達するまで、経時的に増加する濃度で、標準化された標的アレルゲン抽出物を、眼に点眼することを含む。両眼の結膜嚢への最低濃度のアレルゲンの投与を時間0とみなし、対象によって評価される症状およびスタッフによって評価される徴候について、2.5分(+1分−かゆみのみ)、5分(+2分)および10分(+2分)でアレルギー反応が評価される。研究への参加は、以下の反応を誘発するようにCAPTを要求する:必ずしも同じ時間点ではないが、任意の1つの時間点での少なくとも1つの領域(鼻または側頭部)の各眼においてスコアが≧2である眼のかゆみ、およびスコアが>2である結膜の発赤。初期CAPTが陽性反応を誘発しない場合、CAPTは、陽性反応が誘発されるかまたは最大用量に達するまで、最後の点眼から15分(+2分)ごとに高濃度のアレルゲンで繰り返される。最高濃度のアレルゲンを用いた場合でさえ陽性反応が到達されない場合、対象は研究から除外される。
来院3では、施設スタッフは、併用医薬を更新し、該当する場合はAEを回収する。眼科用評価が実行される(VA、SLE、眼の症状の対象による採点、ならびに結膜の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点)。対象は、参加するために、各眼の各領域(鼻および側頭部)の各眼において眼のかゆみスコアが0であり、各眼において結膜の発赤スコアが≦1でなければならない。もしそうでなければ、対象は、別の日に再スケジューリングされる場合がある。サイトカイン分析のためにCAPT前に両眼から約10μLの基礎涙液を回収する。CAPTは、来院2で陽性反応を誘発した同じアレルゲン滴定を使用して行われる。確認CAPTに対する陽性反応は、必ずしも同じ時間点ではないが、任意の1つの時間点での各眼の少なくとも1つの領域(鼻または側頭部)の各眼において症状スコアが≧2である眼のかゆみ、およびスコア≧2である結膜の発赤として定義され、研究の継続的な適格性を確立する。陽性反応が2.5分(+1分−かゆみのみ)、5分、10分、15分(+2分)の最初の3〜4個の時間点で達成されない場合、対象は、来院3Bの次の高濃度のために1週間で施設に戻るように求められる。対象が陽性反応に達した場合、対象の症状および徴候は、30分、60分、90分、120分、150分および180分(すべて+5分)に記録され、基礎涙液回収は、CAPT点眼後の35分(+15分)で開始される。再度、両眼から約10μLの基礎涙液が回収される。次に、対象は、来院4のために2週間で戻るよう求められる。
来院3B(該当する場合)では、施設スタッフは、併用医薬を更新し、該当する場合はAEを回収する。眼科用評価が実行される(VA、SLE、眼の症状の対象による採点、ならびに結膜の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点)。対象は、参加するために、各眼の各領域(鼻および側頭部)の各眼において眼のかゆみスコアが0であり、各眼において結膜の発赤スコアが≦1でなければならない。もしそうでなければ、対象は、別の日に再スケジューリングされる場合がある。CAPTは、来院3で使用されたものの次に高い濃度の滴定を使用して行われる。確認CAPTに対する陽性反応は、必ずしも同じ時間点ではないが、任意の1つの時間点での各眼の少なくとも1つの領域(鼻または側頭部)の各眼において症状スコアが≧2である眼のかゆみ、およびスコア≧2である結膜の発赤として定義され、研究の継続的な適格性を確立する。陽性反応が2.5分(+1分−かゆみのみ)、5分、10分、15分(+2分)の最初の3〜4個の時間点で達成されない場合、対象は除外される。対象が陽性反応に達した場合、対象の症状および徴候は、30、60、90、120、150および180分(すべて+5分)に記録され、基礎涙液回収は、CAPT点眼後の35分(+15分)で開始される。再度、両眼から約10μLの基礎涙液が回収される。次に、対象は、来院4のために1週間で戻るよう求められる。
来院4では、施設スタッフは、併用医薬を更新し、該当する場合はAEを回収する。眼科用評価が実行される(VA、SLE、眼の症状の対象による採点、ならびに結膜の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点)。対象は、参加するために、各眼の各領域(鼻および側頭部)の各眼において眼のかゆみスコアが0であり、各眼において結膜の発赤スコアが≦1でなければならない。もしそうでなければ、対象は、別の日に再スケジューリングされる場合がある。CAPT手順の30分前に、病院スタッフは、各眼に無作為化された処置剤を1滴点眼する。次に、CAPTは、来院3または3Bで陽性反応に達したものより濃度滴定を使用して行われる。CAPTアレルゲンが一度点眼されると、対象が評価した症状およびスタッフが評価した徴候は、2.5(+1分−かゆみのみ)、5、10、15分(+2分)、30、60、90、120、150、180(+5分)で回収される。来院の終了時に、対象は2週間の自宅での1日あたり4回の投薬についてのそれらの無作為化された処置、ならびにそれらの投薬、AE、および併用医薬についての日記カードについて指示され、調剤される。対象は、2週間で来院5のために戻るようにスケジューリングされる。
来院5では、施設スタッフは、併用医薬を更新し、該当する場合はAEを回収する。眼科用評価が実行される(VA、SLE、眼の症状の対象による採点、ならびに結膜の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点)。サイトカイン分析のために薬物点眼およびCAPT前に両眼から約10μLの基礎涙液を回収する。CAPT手順の30分前に、病院スタッフは各眼に無作為化された処置剤を1滴点眼する。次に、CAPTは、来院3または3Bで陽性反応に達したものより濃度滴定を使用して行われる。CAPTアレルゲンが一度点眼されると、対象が評価した症状およびスタッフが評価した徴候は、2.5(+1分−かゆみのみ)、5、10、15分(+2分)、30、60、90、120、150、180分(+5分)で回収される。CAPT点眼後、涙液回収は、35分(+15分)の時点で開始され、約10μLの基礎涙液が両眼から回収される。
来院6では、施設スタッフは、併用医薬を更新し、該当する場合はAEを回収する。眼科用評価が実行される(VA、SLE、眼の症状の対象による採点、ならびに結膜の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点)。CAPT手順の30分前に、病院スタッフは、各眼に無作為化された処置剤を1滴点眼する。次に、CAPTは、来院3または3Bで陽性反応に達したものより濃度滴定を使用して行われる。CAPTアレルゲンが一度点眼されると、対象が評価した症状およびスタッフが評価した徴候は、2.5(+1分−かゆみのみ)、5、10、15分(+2分)、30、60、90、120、150、180分(+5分)で回収される。
来院7では、施設スタッフは、併用医薬を更新し、該当する場合はAEを回収する。眼科用評価が実行される(VA、SLE、眼の症状の対象による採点、ならびに結膜の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点)。CAPT手順の30分前に、病院スタッフは、各眼に無作為化された処置剤を1滴点眼する。次に、CAPTは、来院3または3Bで陽性反応に達したものより濃度滴定を使用して行われる。CAPTアレルゲンが一度点眼されると、対象が評価した症状およびスタッフが評価した徴候は、2.5(+1分−かゆみのみ)、5、10、15分(+2分)、30、60、90、120、150、180分(+5分)で回収される。懐妊可能性がある女性に対して尿妊娠検査が行われる。Snellen VA、SLE、NCT、非拡張型眼底検査、およびバイタルサインは、研究から離れる前に安全性を確実にするために行われる。
対照群の治験設計および選択。この研究は、単一の施設において、2つの並行群(すなわち、NS2対NS2のビヒクル)を用いた、二重盲検のビヒクル対照の無作為化された治験として行われる。治験医薬の無作為化と二重盲検の両方は、臨床試験(ICH−E8 1997年7月)において、処置群間の不均衡を最小化し、および/または交絡バイアスを低減するための方法として認められている。アレルギー研究は、一般的に有意なビヒクル効果を示すため、参照群としてのビヒクル群の包含は、研究薬物の活性用量の処置効果の不偏推定を可能にするように研究設計に組み込まれる。さらに、個々の臨床反応の変動性および症状評価の主観的性質のため、無作為化された−ビヒクル制御された二重盲検研究は、特に免疫療法のための、アレルギー医薬の活性を決定するために臨床試験の診療ガイドラインにおけるゴールドスタンダードとして採択されている。Canonicaら、2009年、Allergy.64巻(補遺91号):1〜59頁;Bousquetら、2011年、Allergy66巻(6号):765〜774頁;Brozekら、2009年、Allergy、64巻(8号):1109〜1116頁;およびCanonica ら、2007年、Allergy62巻(3号):317〜324頁を参照されたい。
CAPTは、アレルギー反応を誘発し、アレルギー性結膜炎を処置するための眼科用製剤を試験するための検証済みで再現性がある一貫したモデルであると考えられる。CAPT研究では、各対象は、以下の標準的な来院を通過しなければならない:医療スクリーニング、滴定CAPT来院、1〜2回の確認CAPT来院、ならびに作用発現、作用持続時間、および予防的効果来院を含み得るCAPT処置来院。CAPT研究は、それらの手短であり、単純であり、効率的な設計で公知である。
医療スクリーニング来院は、対象の眼球および身体の健康を確実にし、すべての試験対象患者基準/排除基準が満たされることを確実にするために設計される。滴定CAPT来院には、中程度に重度のアレルギー反応が得られるまで、増加する濃度のアレルゲンを眼に点眼することを伴う。これは、所望の反応を誘発するアレルゲン濃度が対象に特異的であるため、アレルゲン用量発見段階である。確認CAPT来院は、以前に検出された陽性反応が、投与された様々な用量の累積効果によるものでないことを確実にするために、滴定CAPT来院において陽性反応を誘発したアレルゲン濃度を再試験するように設計される。単一の確認CAPTアレルゲン点眼陽性反応を誘発しない場合、対象は、別の確認CAPT来院のために戻り、次のアレルゲン濃度に移ることができる。この濃度が陽性反応を誘発しない場合、対象は除外される。CAPT来院は、典型的には、少なくとも1週間間をあける。この研究における確認CAPT来院はまた、処置後の比較を行うことができるようにベースライン来院として働くように設計される。
最適なアレルゲン濃度が各対象について判明すると、研究の処置段階を開始することができる。調査の製品(複数可)の作用発現、作用持続時間、および予防的作用は、様々なCAPT研究来院設計を通じて検査することができる。
この研究は、CAPTアレルゲン点眼の30分前に無作為化された処置を対象に投薬することにより、来院4で作用発現(OOA)を検査するために設計される。次に、対象の症状および徴候情報は、アレルゲン点眼後の設定された時間点で捕捉され、薬物が有効になるのに必要とされる時間の長さを測定する。
この研究はまた、対象が、最終のCAPT来院のために病院に戻る前に1日あたり4回(qid)、約2週間、処置を自己投与しているため、来院5、6および7で無作為化された処置の予防的作用を検査するために設計された。
この研究において使用されたすべての測定値は、活動性および安全性の標準指標であり、典型的には、活動性および安全性の評価に使用され、信頼性が高く、正確であり、関連する。
対象集団。最大120人の対象が、この研究において、1:1の等しい割り振り比(すなわち、各処置群について最大60人の対象)で無作為化される。
試験対象患者基準。以下のすべての基準を満たす対象を治験に含めることができる:(a)任意の研究関連手順前に書面によるインフォームドコンセントを提供する;(b)18歳またはそれを超えている、および書面によるコンセントを提供することができる;(c)指示に従うことを望んでおり、かつ従うことができ、研究期間中に必要な研究来院に出席することができる;(d)CAPT後のいずれか1つの時間点(必ずしも同じ時間点ではない)で各眼における少なくとも1つの領域(鼻または側頭部)における結膜の発赤のスタッフによる評点が来院2で>2であり、来院3および3B(必要であれば)で≧2である;来院3および3Bについて、このスコアは、CAPT後の15分の時間点までに到達されなければならない;(e)CAPT後のいずれか1つの時間点で対象による評点の眼のかゆみについてのスコアは、来院2、3および3B(必要であれば)で≧2である;来院3および3Bについて、このスコアはCAPT後の15分の時間点までに到達されなければならない;(f)必要に応じて補正レンズを使用して、スネレンBCVAが各眼において少なくとも20/50であり、片眼が弱視である場合は調査員の裁量による;(g)WOCBPのスクリーニング時に陰性の尿妊娠検査により妊娠が確認されなかった;(h)中程度から重度のアレルギー性結膜炎の病歴が少なくとも2年ある;(i)スクリーニング来院(来院1)の1年以内にブタクサ、草本および/または樹木の花粉に対する陽性の皮膚プリックテストを有する;(j)点眼薬を自己投与する能力;ならびに(k)全研究期間中に局所または全身的眼科医薬を回避する能力。
排除基準。以下の基準の1つまたは複数を満たすいずれの対象も、治験に含まれない:(a)対象は、来院2〜4で任意の領域(鼻または側頭部)でいずれかの眼において、CAPT前に>0である眼のかゆみスコアおよび>1である結膜の発赤スコアを有してはならない;もしそうなると、対象は、研究を続けるために後日に再スケジューリングされ得る;しかしながら、対象が、任意の領域(鼻または側頭部)でいずれかの眼において眼のかゆみスコアが>0であり、いずれかの眼において結膜の発赤スコアが>1で、再スケジューリングされた日に戻る場合、対象は排除される;(b)研究開始/無作為化前の30日以内に調査の局所もしくは全身的新規薬物もしくはデバイスの任意の研究への登録、または研究開始/無作為化前の30日以内に調査薬物もしくはデバイスを使用していた;(c)スクリーニング来院時に緑内障の病歴、もしくは25mmHgを超えるIOP、または過去1年以内にIOP上昇の病歴を有する;(d)来院1の過去12カ月以内に、レーザー治療を含む眼科手術を受けた;(e)来院1前の14日以内にコンタクトレンズを装着していたかまたは研究期間中に装着を中止することを望まない;(f)アルコールおよび/または薬物乱用の既知の病歴を有する;(g)有効な避妊手段を使用していない、または妊娠中もしくは授乳中であるWOCBP;(h)スクリーニング来院の1カ月以内に、以下の局所眼科用医薬の使用:緑内障医薬、抗生物質、抗ウイルス薬、または局所シクロスポリン;(i)ドライアイ症候群または眼瞼炎の病歴を有する;(j)単純ヘルペス性角膜炎または帯状疱疹角膜炎の病歴;(k)過去3年間でブドウ膜炎の病歴を有する;(l)研究の開始(来院1)前の14日以内に任意の眼球感染(細菌性、ウイルス性もしくは真菌性)または活動性眼炎症(例えば、濾胞性結膜炎、アレルギー性結膜炎)の存在を有する;(m)調査員の意見では、研究の過程全体で悪化する可能性がある慢性的な眼変性状態または眼炎症の存在;(n)調査員の意見では、研究測定値または対象コンプライアンスを妨げる可能性がある全身性疾患または制御されない医学的状態を有する;これには、限定されないが、癌、アルコール依存症、薬物依存症もしくは乱用、または精神疾患が含まれる;(o)感染の全身徴候(例えば、抗生物質による発熱または現行の処置)を有する;(p)中程度から重度の喘息(GINA 1より大きいスコア)またはCAPTにおいて使用されるアレルゲンに対してアレルギー誘発性喘息の病歴を有する、(q)この研究の管理、統治、またはサポートに直接関与する施設の従業員であるか、またはその肉親である;(r)研究中の任意の処方薬または市販の局所眼科用医薬の要求される使用(無作為化された研究医薬以外);(s)スクリーニング前の6カ月以内および研究期間中の抗IgE(Xolair)処置;(t)スクリーニング(来院1)の30日以内および研究期間中の経口副腎皮質ステロイドの使用;スクリーニング(来院1)の14日以内および研究期間中の鼻腔内または吸入副腎皮質ステロイドの使用;(u)スクリーニング(来院1)前の14日以内および研究期間中の、三環系抗うつ薬、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト/シンターゼ阻害剤、MAO阻害剤、またはクロモン(経口または鼻)の使用;(v)スクリーニング(来院1)前の7日以内および研究期間中の抗ヒスタミン剤(眼、鼻、局所または経口)の使用。非薬用人工涙液は、スクリーニング(来院1)の最大72時間前および研究期間中に許容される;(w)スクリーニング(来院1)前の7日以内および研究期間中の抗コリン作用薬またはベータ遮断薬の使用;(x)調査員の裁量によりアレルギー皮膚試験または結膜アレルギー誘発試験を損なう、以前に特定されていない任意の医薬の使用;(y)このプロトコールの禁止された/併用医薬セクションにリストされている任意の他の医薬の使用;(z)研究薬物製剤の任意の物質に対する任意の公知の禁忌または過敏性;(aa)1カ月未満の期間、適所への慢性全身性医薬、または来院1の前の1カ月以内のこの医薬の投与量の変化;抗アレルギー注射を受けた対象は、それらの投与量がスクリーニング前の3カ月間安定していて、研究期間中に変更が計画されていない場合に登録され得る;ならびに(bb)中程度から重度の瞼裂斑もしくは翼状片(特に慢性紅斑を生じる場合)、スティーブンスジョンソン症候群、眼の瘢痕性類天疱瘡、粘膜類天疱瘡、重大な結膜瘢痕、化学的熱傷、ヘルペス性または神経栄養性角膜炎、CAPS(クリオピリン関連周期性症候群)、または円錐角膜と診断されている。
対象の離脱。対象は、対象のその後の医療に何らの不利な結果をもたらすことなく、いかなる理由であれいつでも研究を離れることができる。調査員は、緊急の医療上の理由のために研究から対象を離脱するように決定することができる。対象は、以下の理由のいずれかにより、研究を早期に中止し得る:(a)プロトコール要件に対する対象のコンプライアンスの欠如;(b)コンセントの撤回;(c)処置医師による、研究にさらに参加することの判断が、医学的に望ましくないまたは正当化されない;ならびに(d)フォローアップの消失。研究を早期に中止する対象の早期終了来院を行うためにあらゆる努力がなされるべきである。
研究製品および無作為化。研究目的のために、NS2 0.5%およびNS2 0.0%は両方とも研究薬物と呼ばれる。NS2は、局所眼用の点眼剤に配合される。薬物製品は、0.5%(w/v)のNS2濃度で単回用量の非保存型点眼剤として供給される。製剤は、二塩基性および一塩基性のリン酸ナトリウムで緩衝され、pHを7.3に調整された注射用の滅菌水中の9.5%スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE−β−CD)である。
NS2 0.0%ビヒクルは、0.0%(w/v)のNS2濃度で単回用量の非保存型点眼剤として供給される。この製剤は、二塩基性および一塩基性のリン酸ナトリウムで緩衝され、pHを7.3に調整された注射用の滅菌水中の9.5%のSBE−β−CDである。
薬物NS2 0.5%またはビヒクル対照NS2 0.0%のいずれかを含有する密封された「患者パック」は、無作為化手順に基づいて各対象に提供される。調査員、研究スタッフおよび研究対象は、パッケージの内容に関してマスクされている。グループ1のパックは、16枚のホイルパウチおよび2枚のホイルパウチを含有し、それぞれが4枚の使い捨てNS2 0.5%バイアルのカードを1枚含有している。グループ2のパックは、16枚のホイルパウチおよび2枚のホイルパウチを含有し、それぞれが4枚の使い捨てNS2 0.0%バイアルのカードを1枚含有している。対象パックは、(a)プロトコール番号、(b)出資者の氏名および住所、(c)調査の新規薬物ステートメント;(d)対象のイニシャルおよび研究ID番号;(e)使用および保存に関する指示書で標識されている。
無作為化とマスキング。書面によるインフォームドコンセントを提供した対象は、固有のスクリーニング対象番号が割り当てられる。スクリーニング対象番号は、昇順に順次割り当てられる。すべての試験対象患者基準を満たし、排除基準のいずれも満たさない対象は、2つの研究アーム:処置アームまたはビヒクル対照アーム(1:1)のうちの1つに無作為に割り当てられる。コンピュータ生成されたリストの無作為化コードリストが生成され、すべての無作為化番号が順次割り当てられる。IMP番号は、無作為化コードを使用して、該当する来院の対象に割り振られる。対象、モニター、調査員、病院スタッフ、出資者は、対象がどの研究アームに無作為化されているのかを知ることができない。無作為化チームメンバーは、マスクされたチームメンバーとは無関係に作業する。
用量投与。NS2点眼薬(0.5%)またはNS2点眼薬(0.0%)ビヒクルは、使い捨ての吹き込みバイアルとして提供される。1滴を約17日間、毎日4回各眼に点眼する。
研究製品の保存。NS2点眼薬(0.5%)およびNS2点眼薬(0.0%)ビヒクルは、立位で、冷蔵庫で2〜8℃にて保存されるべきである。
処置コンプライアンス。無作為化後の2週間の自宅投薬中、対象のIMP使用は対象によって日記用紙に毎日文書化される。対象が来院5のために施設に戻ると、個々の吹き込みバイアルが計数され、スタッフは投薬の日記カードを検討する。IMPは、来院5に再配布され、最終的な調整は来院7で行われる。IMP摂取を伴わないいずれの日もeCRFに記録される。処置コンプライアンスが80%未満である場合、対象はプロトコール違反者とみなされる。
研究製品の説明責任。IMPは、このプロトコールに記載されているように、この研究に参加している対象のみによって使用され得る。対象は、図2の表に示されるように、来院4でIMPを受ける。
手順のスケジュール。対象は、来院5、6、および7で、未使用および使用済みバイアルをすべて施設に返却するよう指示される。対象は、調査員にいずれかのバイアルの紛失を知らせ、調査員または被指名者は、eCRFにおいてこの情報を文書化しなければならず、交換のために適切な措置を取る必要がある。調査員は、説明責任のためにすべての使用済みおよび未使用のバイアルを回収するよう求められる。研究施設では、受領され、分けた研究処置の日付および量、ならびに誤ってまたは意図的に破壊されたあらゆる研究処置のアカウントを示す正確な記録を維持しなければならない。
研究が終了、一時中断、中止、または完了した場合、調査員は、出資者によって指示されるように、未使用のバイアルを返却するか薬物を破棄する。
制限および禁止された併用処置。研究が開始されると、対象は、このプロトコールに記載された研究処置および調査員によって具体的に許可された他の併用医薬のみを摂取するように指示される。これらとは別に、対象が研究中、任意の他の処置を受けた場合、調査員は、必要な情報を記録し、研究結果において潜在的な影響を有するものと判断された場合、出資者に通知し得る。
以下の医薬は、研究中にいずれのときにも投与されるべきではない:
調査員による禁止された医薬または療法の決定は、第一の考慮事項として対象の安全性とともに行わなければならない。調査員の裁量により上記に言及されていない療法が禁止される場合がある。
対象の福祉に必要であると考えられ、研究処置の評価を妨げない療法は、調査員の裁量により行われ得る。禁止された併用医薬のリストが完全ではなく、症状スコアリングを妨げるために他の医薬が許容できない場合がある。これは研究員の裁量により決定されるべきである。
研究来院。
来院1(医療スクリーニング)。以下のインフォームドコンセントおよび医療スクリーニング手順は、各対象について来院1で行われる:(a)いずれかの研究手順を実施する前に、書面によるインフォームドコンセントが得られる(コピーが対象に与えられる);(b)対象は、試験対象患者基準/排除基準に基づいて評価される;(c)合併症、併用医薬の使用、および薬物アレルギーを含む関連する病歴および眼の病歴を得、評価して、適格性を決定する;(d)層データ(年齢、性別および人種/民族性を含む)が得られる;(e)皮膚プリックテストは、ブタクサ、草本、樹木の花粉、ネコの鱗屑およびハウスダストのダニに対するアレルギーを含む季節性および通年性のアレルギーについて試験するために行われる(1年以内に行われておらず、文書化されていない場合);膨疹の測定値が記録される;(f)バイタルサイン;(g)視力(VA)、眼圧測定(非接触眼圧測定(NCT)またはゴールドマン(Goldmann))、スリットランプ検査(SLE)、および非拡張型眼底検査を含む眼科検査;(h)懐妊の可能性がある女性対象の妊娠検査のために尿を回収する;(i)調査員は、その後のすべての誘発試験に使用されるアレルゲンおよび研究において継続する対象の能力を評価するために、皮膚プリックテスト中のアレルギー反応、病歴および干渉する任意の環境アレルゲンを考慮する;ならびに(j)AE回収。適格な対象のみが来院2のためにスケジューリングされ得る。
来院2(滴定CAPT)。来院2は、来院1から30日以内に行われるべきである。以下は、各対象について来院2で行われる:(a)健康および医薬の変化が評価され、試験対象患者基準/排除基準に対してチェックされる;(b)AE回収;(c)VAおよびSLEを含む眼の評価;(d)電子患者データ取得タブレット(ePDAT(商標))を使用した眼の流涙およびかゆみの対象による採点;対象は、来院開始時に眼のかゆみスコアが0でなければならず、さもなければ別の日に再スケジューリングされなければならない;(e)眼の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点;眼の発赤は、来院の開始時に各領域(鼻または側頭部)の各眼において評点が≦1にならなければならず、さもなければ別の日に再スケジューリングされなければならない;(g)滴定CAPTは、標準的な標的アレルゲン抽出物を、陽性反応が誘発されるまで、または最大用量に達するまで、経時的に増加する濃度で眼に点眼することを伴う;両眼の結膜嚢への最低濃度のアレルゲンの投与を時間0とみなし、対象によって評価される症状およびスタッフによって評価される徴候について、2.5分(+1分−かゆみのみ)、5分(+2分)および10分(+2分)でアレルギー反応が評価される。(h)研究への参加は、以下の反応を誘発するようにCAPTを要求する:必ずしも同じ時間点ではないが、任意の1つの時間点での少なくとも1つの領域(鼻または側頭部)の各眼においてスコアが≧2である眼のかゆみ、およびスコアが>2である結膜の発赤;(i)初期CAPTが陽性反応を誘発しない場合、CAPTは、陽性反応が誘発されるかまたは最大用量に達するまで、最後の点眼から15分(+2分)ごとに高濃度のアレルゲンで繰り返される;(j)最高濃度のアレルゲンを用いた場合でさえ陽性反応が到達されない場合、対象は研究から除外される;ならびに(k)眼科評価が完了した後、結膜誘発手順によって引き起こされた任意の即時の不快感を軽減するために、臨床施設で生理食塩水で濯いでもよい。
来院3(確認CAPT)。来院3は、来院2の7日(+4日)後に行われるべきである。以下は、各対象について来院3で行われる:(a)健康および医薬の変化が評価され、試験対象患者基準/排除基準に対してチェックされる;(b)AE回収;(c)VAおよびSLEを含む眼の評価;(d)電子患者データ取得タブレット(ePDAT(商標))を使用した眼の流涙およびかゆみの対象による採点;対象は、来院開始時に眼のかゆみスコアが0でなければならず、さもなければ別の日に再スケジューリングされなければならない;(f)眼の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点;眼の発赤は、来院の開始時に各領域(鼻または側頭部)の各眼において評点が≦1にならなければならず、さもなければ別の日に再スケジューリングされなければならない;(g)サイトカイン分析のためにCAPT前に両眼から約10μLの基礎涙液を回収する;(h)確認CAPTは、来院2で陽性反応を誘発したのと同じアレルゲン濃度滴定を点眼することを伴う;(i)確認CAPTに対する陽性反応は、必ずしも同じ時間点ではないが、任意の1つの時間点での少なくとも1つの領域(鼻または側頭部)の各眼においてスコアが≧2である眼のかゆみ、およびスコアが≧2である結膜の発赤として定義され、研究の継続的な適格性を確立する;(j)陽性反応が2.5分(+1分−かゆみのみ)、5分、10分、15分(+2分)の最初の3〜4個の時間点で達成されない場合、対象は、来院3Bので次の高濃度のために、約1週間(+4日)で施設に戻るように求められる;(k)対象が陽性反応に達した場合、対象の症状および徴候は、30、60、90、120、150および180分(すべて+5分)に記録され、基礎涙液は、CAPT点眼後の35分(+15分)で開始される;両眼から約10μLの基礎涙液が回収される;(l)次に、対象は、来院4のために約2週間(+4日)で戻るよう求められる;ならびに(m)眼科評価が完了した後、結膜誘発手順によって媒介された任意の即時の不快感を軽減するために、臨床施設で生理食塩水で濯いでもよい。
来院3B(再確認CAPT)。来院3Bは、必要に応じて来院3の7日(+4日)後に行われるべきである。以下は、各対象について来院3Bで行われる:(a)健康および医薬の変化が評価され、試験対象患者基準/排除基準に対してチェックされる;(b)AE回収;(c)VAおよびSLEを含む眼の評価;(d)電子患者データ取得タブレット(ePDAT(商標))を使用した眼の流涙およびかゆみの対象による採点;対象は、来院開始時に眼のかゆみスコアが0でなければならず、さもなければ別の日に再スケジューリングされなければならない;(e)眼の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点;眼の発赤は、来院の開始時に各領域(鼻または側頭部)の各眼において評点が≦1にならなければならず、さもなければ別の日に再スケジューリングされなければならない;(f)再確認CAPTは、来院3で使用されたものの次に高いアレルゲン濃度滴定を点眼することを伴う;再確認CAPTに対する陽性反応は、必ずしも同じ時間点ではないが、任意の1つの時間点での少なくとも1つの領域(鼻または側頭部)の各眼においてスコアが≧2である眼のかゆみ、およびスコアが≧2である結膜の発赤のように定義され、研究の継続的な適格性を確立する;(g)陽性反応が2.5分(+1分−かゆみのみ)、5分、10分、15分(+2分)の最初の3〜4個の時間点で達成されない場合、対象は除外される;(h)対象が陽性反応に達した場合、対象の症状および徴候は、30、60、90、120、150および180分(すべて+5分)に記録され、基礎涙液の回収は、CAPT点眼後の35分(+15分)で開始される;両眼から約10μLの基礎涙液が回収される;(i)次に、対象は来院4のために約1週間(+4日)で戻るよう求められる;ならびに(j)眼科評価が完了した後、結膜誘発手順によって媒介された任意の即時の不快感を軽減するために、臨床施設で生理食塩水で濯いでもよい。
来院4(作用発現)。来院4は、該当する場合、来院3の14日(+8日)後または来院3Bの7日(+4日)以内に行われるべきである。以下は、各対象について来院4で行われる:(a)健康および医薬の変化が評価され、試験対象患者基準/排除基準に対してチェックされる;(b)AE回収;(c)VAおよびSLEを含む眼の評価;(d)電子患者データ取得タブレット(ePDAT(商標))を使用した眼の流涙およびかゆみの対象による採点;対象は、来院開始時に眼のかゆみスコアが0でなければならず、さもなければ別の日に再スケジューリングされなければならない;(e)眼の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点;眼の発赤は、来院の開始時に各領域(鼻または側頭部)の各眼において評点が≦1にならなければならず、さもなければ別の日に再スケジューリングされなければならない;(f)無作為化;(g)CAPT手順の30分(+5分)前に、病院スタッフは各眼に無作為化された処置剤を1滴点眼する;(h)次に、CAPTは、来院3または3Bで陽性反応に達したものより濃度滴定を使用して行われる;(i)CAPTアレルゲンが一度点眼されると、対象が評価した症状およびスタッフが評価した徴候は、2.5(+1分−かゆみのみ)、5、10、15分(+2分)、30、60、90、120、150、180分(+5分)で回収される;(j)来院の終了時に、対象は、2週間の自宅での1日あたり4回の投薬についてのそれらの無作為化された処置、ならびにそれらの投薬、AE、および併用医薬についてのそれらの日記カードについて指示され、調剤される;ならびに(k)対象は、14日(+1日)で来院5のために戻るようにスケジューリングされる。
来院5(予防)。来院5は、来院4の14日(+1日)後に行われるべきである。以下は、各対象について来院5で行われる:(a)健康および医薬の変化が評価され、試験対象患者基準/排除基準に対してチェックされる;(b)AE回収;(c)VAおよびSLEを含む眼の評価;(d)電子患者データ取得タブレット(ePDAT(商標))を使用した眼の流涙およびかゆみの対象による採点;(e)眼の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点;(f)サイトカイン分析のために薬物点眼およびCAPT前に両眼から約10μLの基礎涙液を回収する;(g)CAPT手順の30分(+5分)前に、病院スタッフは各眼に無作為化された処置剤を1滴点眼する;(h)次に、CAPTは、来院3または3Bで陽性反応に達したものより濃度滴定を使用して行われる;(i)CAPTアレルゲンが一度点眼されると、対象が評価した症状およびスタッフが評価した徴候は、2.5(+1分−かゆみのみ)、5、10、15分(+2分)、30、60、90、120、150、180分(+5分)で回収される;(j)CAPT点眼後、基礎涙液の回収は、35分(+15分)の時点で開始され、この場合、約10μLの基礎涙液が両眼から回収される;ならびに(k)対象は、自宅で1日あたり4回の投薬を継続しなければならない。
来院6(予防)。来院6は来院5の翌日に行われるべきである。以下は、各対象について来院6で行われる:(a)健康および医薬の変化が評価され、試験対象患者基準/排除基準に対してチェックされる;(b)AE回収;(c)VAおよびSLEを含む眼の評価;(d)電子患者データ取得タブレット(ePDAT(商標))を使用した眼の流涙およびかゆみの対象による採点;(e)眼の発赤および眼瞼腫脹のスタッフによる評点;(f)CAPT手順の30分(+5分)前に、病院スタッフは各眼に無作為化された処置剤を1滴点眼する;(g)次に、CAPTは、来院3または3Bで陽性反応に達したものより濃度滴定を使用して行われる;(h)CAPTアレルゲンが一度点眼されると、対象が評価した症状およびスタッフが評価した徴候は、2.5(+1分−かゆみのみ)、5、10、15分(+2分)、30、60、90、120、150、180分(+5分)で回収される;ならびに(i)対象は、自宅で1日あたり4回の投薬を継続しなければならない。
来院7(予防)。来院7は、来院6の翌日に生じさせる必要がある。来院7で各対象に対して以下が行われる:(a)健康および医薬の変化が評価される;(b)AE回収;(c)VAおよびSLEを含む眼の評価;(d)電子患者データ取得タブレット(ePDAT(商標))を使用した眼の流涙およびかゆみの対象採点;(e)眼の発赤および眼瞼腫脹のスタッフ評点;(f)CAPT手順の30分(+5分)前に、病院スタッフは無作為化された処置剤の1滴を各眼に点眼する;これは最後の投薬である;(g)次に、CAPTは、来院3または3Bで陽性反応に達したものより濃度滴定を使用して行われる;(h)CAPTアレルゲンが一度点眼されると、対象が評価した徴候およびスタッフが評価した徴候は2.5(+1分−かゆみのみ)、5、10、15分(+2分)、30、60、90、120、150、180分(+5分)で回収される;(i)最後の眼の評価の後、尿妊娠検査が懐妊している可能性がある女性に対して行われる;ならびに(j)Snellen VA、SLE、NCT、非拡張型眼底検査およびバイタルサインは、研究から離れる前に安全性を確実にするために行われる。
研究の終了。治験の終了は、研究の最後の対象の最終来院日として定義される。研究出資者、主任調査員、施設内治験倫理委員会(Institutional Ethics Committee)(IEC)/施設内治験審査委員会(Institutional Review Board)(IRB)、または管轄当局によって、治験はいかなる理由であれいつでも早期に終了され得る。治験を早期に終了する決定は、すべての治験施設のすべての調査員に結びついている。IEC/IRBおよび管轄当局には、適用可能な法律および規則に従って早期の治験終了の理由および時期について15日以内に通知される。治験の終了後、対象は、現地の標準的なプラクティスに従って処置される。
研究の評価。研究への参加または研究関連手順の開始前に、対象は、現在の施設内治験審査委員会(IRB)によって承認されたバージョンのインフォームドコンセントフォームを読み、署名し、日付を記入していなければならない。
層(Demographic)/病歴。適格性評価の一端として、来院1中に各対象から完全な病歴/手術歴が得られる。生年月日、性別、人種、民族性、インフォームドコンセントの日付などの層情報が記録される。
併用医薬の薬歴。来院1に、および来院1前の6カ月間に、または研究の経過中にわたって服用されたすべての併用医薬(処方薬および店頭)は、eCRFの併用医薬ページに記録されている。最初および最後の投薬日、投薬部位(例えば、OD、OS、OU、全身)、ならびに併用医薬が服用されている理由に関する情報は、公知である場合、eCRFに記録される。6カ月より長い期間、安定した用量で併用医薬が服用されている場合、開始日の判断が適切であると考えられる。
眼科歴および眼科の介入歴。臨床的に関連する眼科歴および眼科の介入歴は文書化されており、以前に診断されたあらゆる眼科異常、およびレーザー治療を含む眼科手術が含まれる。
活動性の評価。活動性は、眼のかゆみの対象による採点(rating)、および結膜の発赤のスタッフによる評点によって評価される。
眼のかゆみ。かゆみは、以下に示されるように、0.5刻みの0〜4スケールを使用してePDAT(商標)上で対象によって採点される。
眼の流涙。流涙は、以下に示されるように、0.5刻みの0〜3スケールを使用してePDAT(商標)上で対象によって採点される。
眼の発赤。訓練されたスタッフは、以下および図4に示される0.5刻みの0〜4からの修正されたValidated Bulbar Redness(商標)(VBR)の記述および写真スケールに基づいて、両眼で鼻および一時的な結膜の眼の発赤を別々に評価し得る。
眼瞼腫脹。眼瞼腫脹は、訓練を受けたスタッフによって各々の眼について別々に評価され、0〜4のスケールでスコアが与えられる。
涙液の回収。対象は、リクライニングチェアに座って、涙液回収器に面する一方の側に頭を傾けて、涙液試料の回収をすることができる。対象は、瞬きしてから涙液回収器を見下ろすように求められる。小さなガラス毛細管を外側の眼窩に配置させ、涙液の少ない試料(約10μL)を引き寄せる。涙液の回収のために眼ごとに最大5分を許容する。回収は、反射作用の流涙を避けるために注意深く行われ、瞼の周辺および角膜表面の回避が保証される。回収後、回収された容積を、標識されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)管に移す。次に、対象は、反対側に頭を傾けて、別のガラス毛細管を使用して同じ技法により、反対側の眼の外側の眼窩から涙液を回収する。両眼からの涙液試料を同じPCR管にプールし、ドライアイス上に置き、できるだけ早くフリーザーに−80℃±10℃にて保存する。試料の回収からフリーザーへの配置までの時間は90分を超えないようにする必要がある。
回収された涙液は、ヒト前炎症性サイトカイン分析に供される。サイトカイン分析には、限定されないが、IFN−γ、IL−1β、IL−4、IL−5、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、IL−13およびTNF−アルファが含まれる。
安全性の評価。
バイタルサイン(VS)。安静時血圧(収縮期および拡張期血)および脈拍数は、較正された電子デバイスを用いて測定される。対象の測定値のいずれかが来院1の正常範囲外である場合、調査員は、対象が研究に安全に参加できるかどうかを、病歴に基づいて決定する。
妊娠検査。尿妊娠検査は、懐妊の可能性がある女性のスクリーニングで行われる。対象が肯定的または不確定的な妊娠検査を有する場合、対象は研究に登録されない。対象が研究の過程で妊娠した場合、対象は研究から離脱され、妊娠が終了するまで追跡される。
眼科検査。眼科検査は、一般的な眼の検査において日常的に行われる標準検査を含む。
視力は、スネレン・アイ・チャートを使用して行われる。対象が、眼チャートから適切な距離に快適に設定されていることを確認し、対象は遮眼子で片眼を覆う。対象は、反対の眼を使用して、眼を細めて見ることなく可能な限り小さな文字を読むように求められる。このプロセスはもう一方の眼に対して繰り返される。視力は、2つ以下のエラーで読み取られる最小の線として記録される。視力は眼鏡なしで測定され、ならびに屈折矯正を必要とする者には眼鏡を用いて測定される。
眼内圧は、非接触眼圧測定器(NCT)を使用して測定される。対象は彼らの眼鏡を外して快適に座っていることが確認されると、対象は、台に額を載せ、最初に右眼を測定する。測定は、3つの良好な測定値を得るために繰り返される。これを左眼について繰り返す。ゴールドマン(Goldmann)の眼圧測定は、眼内圧を測定する代替の方法であり得る。スクリーニング時に非接触眼圧測定によって平均IOP>25mmHgが確認された場合、対象は除外され、眼科医または検眼専門医にフォローアップされることが推奨される。
非拡張型眼底評価には、硝子体、網膜、黄斑、血管および視神経の観察が含まれ、炎症、疾患の存在、ならびに緑内障または網膜剥離および視力喪失のリスクがスクリーニングされる。後部のすべての物質を評価すると、全体的な眼底評価の所見は正常または異常のいずれかとして評価される。スクリーニング来院1で何らかの臨床的に重大な所見が発見された場合、対象は研究から除外される。
スリットランプ検査には、疾患の存在をスクリーニングするために、眼瞼、涙液膜、結膜、強膜、角膜、虹彩、前/後房および水晶体の観察を含まれる。
眼症状の評点評価は、結膜の発赤および眼瞼腫脹を評価するために、エッシェンバッハ(Eschenbach)3.5×、10D照明拡大鏡を使用して行われる。
安全性のモニタリングおよび有害事象。
対象の安全性のモニタリング。出資者は、調査員および研究スタッフとの緊密な連絡を維持し、臨床調査が承認されたプロトコールおよび医薬品の臨床試験の実施に関する基準(Good Clinical Practice)(GCP)の研究目的に沿うことを確実にするために医療用モニターを指定する。また、適用可能な政府規制に準拠するための内部標準操作手順(SOP)が適用される。この連絡は、定期的な再検討を可能にし、ならびに研究中に生じ得るいずれの質問も明確にするために、研究の開始前および研究中に個人訪問および/または電話訪問によって文書化される。施設内来院中、出資者の研究モニターは、データの完全性を確実にするために、すべての研究の原文書にアクセスできるようにされる。
妊娠:研究参加中(研究薬物投与時から研究終了時まで)に確認された陽性の妊娠結果を有する任意の女性を研究から直ちに離脱させる。胎児/胚が親を介して研究薬物に曝露され得るという可能性のため、および患者の安全性のために、対象は、妊娠の終わり(自然終了または自発的終了を含む)まで追跡される。
対象が妊娠した場合、または研究中にもしくは研究が完了してから30日以内に妊娠した疑いがある場合、対象は出資者に通知しなければならない。妊娠の状態および進行について問い合わせるために対象に連絡をとろうとする試みは、妊娠の転帰がわかるまで適切と考えられる間隔(例えば、少なくとも3カ月ごと)で行われる。この連絡先は文書化されるべきである。
有害事象。有害事象(AE)は、薬物関連と考えられるか否かにかかわらず、ヒトにおける薬物の使用に関連する任意の不都合な医学的発生として定義される。製品の使用前にすでに存在している疾患の徴候、症状および/または検査室での異常は、対象が既存の状態から回復した後に再発しない限り、または調査員の意見によると、強度または頻度の臨床的に有意な悪化を示すというわけでない限り、処置後のAEであるとは考えられない。AEは、研究の完了まで、対象がインフォームドコンセントフォームに署名した時点から回収される。投薬前に報告されたAEを捕捉し、非処置緊急AEと考えられる。
重大な有害事象(SAE)は、調査員または出資者のいずれかの観点から、以下の転帰のいずれかを生じる任意のAEとして定義される:(a)死亡;(b)生命を脅かすAE;(c)入院患者の入院または既存の入院の延長;(d)通常の生活機能を実行する能力の持続的または著しい無能性またはその能力の実質的な崩壊;ならびに(e)先天性異常/出生異常。
死に至らず、生命を脅かさず、および入院を必要とし得ない重要な医療事象は、適切な医学的判断に基づいて、有害事象が対象を脅かす可能性があり、この定義に列挙された転帰の1つを妨げるために、医学的または外科的介入を必要とする可能性がある場合は、SAEと考えられ得る。「生命を脅かす」AEは、調査員または出資者のいずれかの視点で、対象を死の差し迫ったリスクに置く任意のAEである。AEがより重症な形で発生した場合、死を引き起こしている可能性があるAEを含まない。「予期しないAE」は、調査員の冊子に列挙されていない任意のAEであるか、または観察された特異性もしくは重症度で列挙されていないAEである;あるいは、調査員の冊子が必要ないかまたは入手できない場合、一般的な調査計画または現行の薬物適用の他の箇所に記載されているリスク情報と一致しない。また、この定義に使用される「予期しない」とは、ある種の薬物で生じるかまたはその薬物の薬理学的特性から予想されるものとして、調査員の冊子に言及されているAEであるが、調査中の特定の薬物で生じるものとして具体的に言及されていないAEも指す。
有害事象の記録。対象の症例報告書フォームまたは原文書の適切なセクションにおいて、対象(重大性または研究処置との関係にかかわらず)によって観察され、質問され、促されまたは自発的に行われたすべてのAEが記録される。すべてのSAE、および早期の中止をもたらすいずれの重大でない有害事象または研究室の異常も、解決され、ベースラインに戻され、または調査員によって慢性もしくは安定性があると決定されるまで追跡される。他の重大でない有害事象は、研究終了まで追跡されるべきである。
AEのために以下の詳細が記録される:(a)事象/症状の記載;(b)事象の開始日時;(c)事象の終了日時。
最大重症度/強度は、以下のように採点される:(a)軽度−症状を意識するが、容易に忍容される;(b)中程度:−−通常の活動への支障を引き起こすのに十分な不快感;(c)重度−無力となり、作業または通常の活動を行うことができない;および(d)生命を脅かす。
研究処置で取られた行動は、以下のように記述される:(a)用量を変化しない;(b)薬物が中断する;(c)薬物を離脱する;(d)該当しない;および(e)不明。
任意の他の行動(例えば、併用医薬療法、非薬物療法、それらの両方、またはなし)が取られる。AEの転帰は、以下のように記述されている:致命的な結果;回復しない/解決されない;回復した/解決された;回復した/解決されたが、後遺症を伴う;および不明。
因果関係は、次のように記述される:(a)評価された時間点で慎重な医学的考察の後、調査員(または他の有資格の医師)が少なくとも研究薬物に可能な関係を有すると考える、それらのAEに対する明確にまたは可能性がある関連した適用;ならびに(b)評価された時間点で慎重な医学的考察の後、調査員(または他の有資格の医師)が研究薬物に対して関係がない、または関係の可能性が低いと考えるAEに対する関連している可能性が低い適用または関連していない適用。
重大な有害事象の報告:因果関係にかかわらず、任意のSAEは、発生の習得から24時間以内に出資者またはそれらの指定代理人に報告される。出資者である医療用モニターに連絡して、重大な安全性の問題を議論したり、または発見から24時間以内に研究対象の潜在的なアンマスキングについて議論する。出資者が、規制ガイドラインを満たす報告書を提出できるようにするため、事象を完全に文書化した書面による要約を3日の暦日以内に作成することとする。この事象はまた、IEC/IRBの報告要件に従ってIEC/IRBに報告される。
フォローアップ情報は、以前に報告されたSAEに対するフォローアップであることを記述し、元の報告書の日付を示す新しいSAE報告書フォームを使用して、同じ方法で伝達される。フォローアップ情報は、その事象が解決されたかまたは継続しているのかどうか、それは治療されたかおよびどのように治療されたか、および対象が研究参加を継続したかまたは離脱したかを記載する必要がある。
SAEが以前に調査員の冊子に文書化されておらず、研究薬物に関連すると考えられる場合、出資者またはそれらの被指名人は、規制当局の報告のために調査員からのさらなる情報を緊急に要求し得る。出資者は、このSAEが報告されたものと同一の薬物を用いていずれかの研究に関与するすべての調査員に知らせるために調査員通知を発行する必要があり得る。
調査員および研究担当者は、可能性がある原因因子の臨床的判断に基づいて、SAEの任意の追加調査を実施すべきである。これには、プロトコールに特定されていない臨床検査、組織病理学的検査、または専門家との協議が含まれ得る。出資者または彼らの被指名人はまた、調査員に補足的な評価を実行するように要求し得る。
調査員は、研究薬物の最終投薬から30日以内に死亡が起こり、研究薬物に理論的に関連付けられ得る場合に、対象が研究から離脱した後に起こるすべての死亡またはSAEの医薬品安全性監視(Pharmacovigilance)を通知する。
有害事象に起因した研究からの対象の除去。対象は、いつでも研究から離脱することが自由であることを知らされる。研究の過程にわたって、調査員および/または出資者は、不要なリスク、有害薬物事象、またはノンコンプライアンスの場合には、研究から任意の対象の参加を中止し得る。対象が研究から離脱すると、研究の終了時に通常必要とされるすべての安全性データが、可能であれば得られる。
有害事象に起因した研究の終了。調査員、出資者、IEC/IRBまたは管轄当局の意見において、AEの発生率および重症度が研究を継続する利益を上回る場合、研究は終了し得る。この活動指針が遂行される事象において、調査員は、完全な実行計画を策定し、転帰を評価する決定を下す前に、出資者と連絡をとるよう最大限の努力をする。
統計的方法論および分析。
統計分析計画。コード化に使用される辞書および使用されるソフトウェアを含む詳細な統計分析計画(SAP)は、無作為化されたコードを解除する前に確定される。SAPは、分析、データ表示、およびデータ導出に使用されるアルゴリズムの全詳細を提供する。
SAPには、主要なおよび主要でないプロトコールからの逸脱の定義、および分析セットに対する主要なプロトコールからの逸脱のリンクが含まれている。
主要なおよび主要でないプロトコールからの逸脱は、治験閉鎖前に医学的に訓練されたスタッフによって特定される。
標本サイズの計算。ビヒクル反応率が約20%であり、NS2反応率が50%であると仮定すると、ビヒクル対照アームの50人の対象およびNS2アームの50人の対象は、アルファが0.05である群間の差異を検出するために85%のパワーをもたらす。
分析セット。安全性セットは、少なくとも1回の研究薬物の投薬を受けた無作為化されたすべての対象からなる。無作為化処置群に従って対象を分析する。
治療意図による集団(ITT)セットは、無作為化された処置の少なくとも1回の投薬を受けた無作為化されたすべての対象であり、一次活動性評価項目についての少なくとも1つのベースライン後の測定が利用可能である対象からなる。対象は、無作為化された処置群に含まれる。
プロトコールごとの集団(PP)セットは、主要な活動性評価項目の結果に実質的に影響を与え得るプロトコール違反の者を除いて、ITT集団からのすべての対象からなる。プロトコールごとの集団から対象の除外をもたらし得る潜在的な違反には、限定されないが、以下のものが含まれる:(a)インフォームドコンセントが得られない/署名されていない;(b)無作為化中にすべての試験対象患者基準を満たさず、および排除基準がない;(c)無作為化された処置を受けていない;(d)80%未満の処置コンプライアンス;および(e)一次評価項目に影響を及ぼし得る禁じられた併用医薬の服用。
統計分析。データは、人口統計学的およびベースライン特性、効力変数および安全性変数に関して要約される。要約統計には、平均値、観測数(N)、標準偏差(SD)、中央値、連続変数および頻度の最小値と最大値、ならびにカテゴリ変数のパーセンテージが含まれる。欠損値は置換または帰属されない。すなわち、欠損値に内挿および外挿は適用されない。安全性データは、処置によって列挙されおよび要約される。
特に明記しない限り、統計的有意性はp<0.05として定義され、両側についてのものである。計画された統計分析からのいずれの偏差も、適切な場合、修正されたSAPおよび/または最終臨床研究報告書に記載され、完全に正当化される。
人口統計学およびベースライン特性。この研究に参加した対象のベースライン特性は、記述統計を使用した処置群によって要約される。
処置群間のこれらのパラメーターの分布は、記述的にのみ比較される。統計的推定は行われない。
以前の医薬および併用医薬は、世界保健機関(WHO)の薬物コードおよび解剖治療化学(ATC)クラスコードの最新の利用可能なバージョンに従ってコード化される。それらは、各処置を受けた対象の数およびパーセンテージを集計することによって要約される。
安全性分析。安全性は、以下のパラメーターによって評価される:(a)AE;(b)バイタルサイン;(c)スリットランプ検査;(d)視力;(e)非接触眼圧測定;および(f)眼底検査。
安全性データについて、記述統計学n、平均値、中央値、標準偏差、最小値および最大値は、連続変数の処置群によって要約される。カテゴリ変数については、頻度およびパーセンテージが要約される。
処置により出現したAE(TEAE)は、すべての因果AEおよび処置関連AE(研究医薬および欠損との関連した関係を有するもの)について要約される。TEAEは、身体系および処置群による好ましい用語によって要約される。MedDRAの好ましい用語に基づいて、各AEは、所与の対象に1回のみカウントされる。同一のAEが複数の機会にある対象で生じた場合、最も重症度が高く、相補的関係が最も低いと仮定される。2つまたはそれよりも多いAEが単一の事象として報告された場合、個々の用語は別個のAEとして報告される。処置により出現したAEは、研究医薬の最初の投薬後に、重症度において最初に発生し、または悪化したAEとして定義される。
重大なAEは、AEと同様の方法で提示される。中止につながるSAEおよびAEとともに、すべてのAEが列挙される。
眼内圧(IOP)を測定するために、非接触眼圧測定(NCT)評価をスクリーニング(来院1)時および研究の終了(来院7)時で行う。回収されたデータ(各々の眼についての3回の読み取りの平均)は、処置群、対象および来院によって列挙される。各々の眼についての3回の読み取りの平均の要約統計は、研究される眼、右眼および左眼について集計される。研究される眼はSAPで定義される。
各来院時にVA評価が行われる。データは、処置群、対象および来院によって列挙される。
活動性評価項目の分析:活動性評価項目の一次分析は、ITTセットで実施される。また、PP集団のすべての活動性評価項目について、支援分析が提供される。各活動性評価項目のベースラインからの変化は、各処置群について導き出される。
個々のデータリストと同様に、すべての活動性評価項目の記述統計は、治療群および/または来院によって提示される。プラセボに対するNS2の比較は、共分散としてのベースラインを有する共分散モデルの分析を使用して行われる。
利用可能なモデル仮定がチェックされ、適切な場合には、連続転帰の正常性を達成するために対数変換が適用される;さもなければ、ノンパラメトリック法(例えば、Hodges−Lehmann)が適用される。
すべての分析の詳細な説明はSAPに含まれている。研究される眼はSAPに定義されている。
ベースラインからV5、V6およびV7までの平均的な変化は、以下の評価項目について導かれる:(a)眼のかゆみ;(b)眼の発赤;(c)眼瞼腫脹;および(d)眼の流涙。
探索的評価項目の分析。サイトカイン発現のベースラインからの変化が導かれる。サイトカインとしては、限定されないが、IFN−γ、IL−1β、IL−4、IL−5、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、IL−13およびTNF−アルファが挙げられる。
研究の結果および追加説明。
CAPTモデルにおけるシクロデキストリン反応。シクロデキストリンは、結膜アレルゲン誘発試験(CAPT)を使用して、アレルギー性結膜炎の対象における研究薬物NS2(すなわち、構造式(I))眼科用溶液の活性を評価するための、無作為化された、並列した、単一施設の、二重盲検されたビヒクル対照の第II相研究におけるビヒクルとして利用された。初期スクリーニングおよび滴定CAPT来院、続く確認CAPT来院があり、この場合、再現的に眼のアレルギー反応を引き起こすアレルゲン用量が選択された。このアレルゲン用量は、活性投薬研究段階に利用された。投薬1日目、来院4(V4)に各々の眼への研究薬物の単回用量後の来院、ならびに活性投薬14日目、15日目および16日目、V5〜7の、2週後の3回の投薬CAPT来院のCAPTの作用発現。NS2およびビヒクルを16日間、毎日4回投薬した。少なくとも2年間の、草、樹木またはブタクサ花粉に対するアレルギー性結膜炎の病歴を有する100人の健康な男性および女性が登録され、50人はNS2で、および50人はシクロデキストリンを含有するビヒクルで1:1に無作為化された。
顕著な減少は、表1に示されるように、単回投薬、すなわちV4の第1日目と複数日の投薬の両方の後に、眼のかゆみ、眼の流涙および眼の発赤がビヒクルにより示された。1日目と最終の研究来院の両方でベースライン前投薬CAPT来院スコアからのビヒクルによる減少は、ACの処置に利用されている既存の療法を用いた、このCAPTモデルにおいて見られる大きさのものであった。眼のかゆみについての約1ポイントの減少は、臨床的に関連すると考えられる。
来院4での眼のかゆみの結果を図5に示す。来院5での眼のかゆみおよび眼の流涙に関する結果をそれぞれ図6および図7に示す。
アレルギー性結膜炎における局所眼科用NS2の第IIa相臨床試験の統計学的に有意な陽性結果は、アレルギー性結膜炎において臨床的に意味がある効果を示し、ヒト疾患におけるアルデヒド捕捉の臨床的効力の最初の実証を示す。これは、アルデヒド捕捉が潜在的に、一般的には炎症の新規であり、重要な処置様式であり得ることを示唆している。
臨床試験の概要。
内在的に合成された遊離アルデヒドは、眼炎症性疾患と非眼炎症性疾患の両方において、アレルギー性炎症および非アレルギー性炎症を媒介すると考えられている。したがって、アルデヒド捕捉は、広範な抗炎症アプローチを示すことができ、データはこの概念に対するさらなる支持を提供する。炎症性疾患におけるアルデヒド捕捉の効力を評価するために、アレルギー性結膜炎および非感染性前部ブドウ膜炎の2つの異なる形態の眼炎症において、2つの探索的第IIa相治験が開始されている。眼炎症は、眼が、バイオマーカーおよび臨床徴候が比較的迅速に、容易におよび非侵襲的に測定され得るアクセス可能な臓器であるため選択された。アレルギー性結膜炎治験および非感染性前部ブドウ膜炎治験において、薬物の単回用量が使用されている。各々の治験の目的は、安全性および抗炎症性の効力シグナルを示すことであり、一次効力評価項目および二次効力評価項目は存在しなかった。
アレルギー性結膜炎第IIa相治験は、アレルギー性結膜炎を有する対象におけるNS2眼科用溶液の活性を評価する、無作為化された並行群の二重盲検ビヒクル制御設計であった。この治験では、CAPTとして公知である結膜アレルゲン誘発試験を利用し、カナダのオンタリオ州の単一施設であるInflamax Researchで実行された。これはCAPTモデルでかなりの経験がある。
NS2は、一般的に、アレルギー性結膜炎集団において十分に耐容性を示し、この研究中、バイタルサイン、眼検査スコア、眼内圧、および視力を含む安全上の懸念はなかった。NS2群において刺痛および/または火照りの頻度が高かった。これらの有害事象は、一般的に、軽度であり、10%未満が中程度として報告され、それらは、一時的であり、点眼剤の適用後、平均してわずか数分、持続した。これらのタイプの有害事象は、現行治療法では珍しいことではなく、一般的にアレルギー性結膜炎を有する患者でも珍しいことではないが、その疾患の特性である過敏性を呈する。NS2群における刺痛に起因して2人の対象が離脱し、他の48人の対象は、ビヒクル患者とともに16日間の投薬期間の完了まで継続した。重大な有害事象はなかった。
これは第IIa相臨床試験であったため、一次評価項目および二次評価項目は存在しなかった。アレルギー性結膜炎の他の点眼剤の規制承認の基礎は、一般的に、CAPTモデルにおける患者により報告されるかゆみのスコアであることに留意すべきである。第IIa相治験において、眼のかゆみおよび眼の流涙の患者スコアの両方について、NS2とビヒクルの間に統計学的有意差が示された。これは、1日目のCAPT負荷においてNS2の単回用量後、および14日間の処置後に見られた。これらの統計学的有意差は、個々の時間点での比較と研究来院による曲線分析下の領域の両方により証明された。
1日目から16日目のすべての投薬来院で、CAPT負荷後のかゆみおよび流涙におけるビヒクルと比較したNS2による大きな効果に一貫したパターンがあった。さらに、NS2の臨床的な効力は、一般的に、各CAPT負荷後に研究され、3時間にわたって維持された。治験において予期されたビヒクル反応よりも大きいにもかかわらず、NS2の臨床的な効力は、一般的に、全研究を通してビヒクルの臨床的効力よりも大きかった。
臨床的意義に関して、1日目およびそれ以降の研究来院のベースラインスコアからの減少は、既存のアレルギー性結膜炎療法によるCAPTモデルにおいて見られた大きさのものであり、ピーク変化は、眼のかゆみと眼の流涙スコアの両方について1ポイントの減少を超えた。このデータは、眼炎症におけるNS2の継続的な発生を支持し、データは、前部ブドウ膜炎の結果と共に継続して評価される。アレルギー性結膜炎そのものとは別に、データは、アルデヒド捕捉が眼の内外の炎症を広範に緩和する可能性があることを示唆している。
臨床試験において報告された有害事象のタイプは、現行治療法では珍しいことではなく、一般的にアレルギー性結膜炎を有する患者でも珍しいことではないが、その疾患の特性である過敏性を呈する。薬物群の2人の患者(4%)のみが1日あたり4回、16日間の投薬中にこの研究から離脱したため、刺痛は臨床的に重要であるとは考えられない。離脱に関して、彼らはNS2群に属し、投薬の全16日間を完了した50人の対象のうち48人からは、アレルギー性結膜炎集団に懸念は得られなかった。1人の対象は、投薬1日後に離脱し、他方は、2日後に離脱した。さらに、前部ブドウ膜炎は、アレルギー性結膜炎(過敏性の特徴を持たないアレルギー性結膜炎)とは異なる種類の炎症であり、結果として生じる忍容性プロファイルはかなり異なる可能性があることが予期される。
アレルゲンが存在する場合、この性質の治験設計において、ビヒクル群の予期される性能がより良好であることに関して、水性ビヒクルの投与は治療効果を有することが予期され、その効果の大きさは変化し得る。この状況において、NS2がビヒクルと比較してこのような明確な利点を示すことは、NS2の臨床活性の大きさを示している。
発赤における任意の効果に関して、NS2とビヒクルの両方が、NS2対ビヒクルの改善のパターンがなく、発赤の減少において同様の改善を示した。この結果は、CAPTモデルにおいて典型的なものであり、発赤の変化の実証は一般的に観察されていない。
眼瞼腫脹の発生率は、このモデルにおいて低く、いずれの段階においても、腫脹を有する対象はほんの少数であり、そのため、この評価項目についての効力を評価する機会はなかった。眼瞼腫脹の頻度およびパターンは、NS2とビヒクルの間で同様に見えた。
ブドウ膜炎治験の結果がどんなものであり得るかについての任意の洞察に関して、非感染性前部ブドウ膜炎の炎症特性はアレルギーとは異なる。しかしながら、この治験の結果から、局所眼科用NS2は十分に忍容性であり、眼炎症の形態において、統計学的および臨床的に意味がある効力の変化を達成することができることを示唆する。
証券取引委員会(SEC)に提出されている2014年12月31日に終了したその年間の書式10−Kの年次報告、および2015年9月30日に終了したその四半期間の書式10−Qの四半期報告書に記載されているように、上記のいずれのものおよびAldeyra Therapeutics,Inc.の任意の関連事業の検討、ならびに、SECに提出されている他の書類、例えば、2016年に提出され、SECおよびAldeyraウェブサイト上で利用可能ないずれの書類も、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(実施例2)
シクロデキストリンによるアレルゲンの結合
これらの実験の目的は、pH7.0および25℃でリン酸緩衝液中の12種の異なるアレルゲンタンパク質の各々とインキュベートした場合、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE−β−CD)に結合したNS2が押しのけられるかどうかを調査することであった。この実験は、様々なアレルゲンタンパク質とSBE−β−CD/NS2複合体の相互作用、および各アレルゲンタンパク質がNS2を押しのけ、それを眼の液環境において部分的に不溶性にする能力を試験した。各アレルゲンにおけるNS2/SBE−β−CDの経時変化の研究を実行した。NS2の濃度は、アレルゲンタンパク質溶液と混合した後、T=0(0日)から96時間(4日)の4日間にわたって分析された。各研究は、19:1のSBE−β−CD/NS2比を使用して、臨床製剤と同等の開始濃度で実行された。タンパク質とNS2の2:1の比が標的とされた。アレルゲンのタイプおよびその供給源を表2に示す。
試料調製:各アレルゲンタンパク質の保存溶液を、各凍結乾燥物の標識において提供されるタンパク質含有量に基づいて、7mMリン酸緩衝液(pH7.2)中の約15mg/mLの濃度で調製し、遠心分離して、凍結乾燥物に由来する非タンパク質の不溶性材料をすべて除去した。
NS2(5.0mg/mL)およびSBE−β−CD(95mg/mL)の保存溶液を7mMリン酸緩衝液(pH7.2)中で調製した。これは、溶液中の約19:1のSBE−β−CD:NS2比を表す。作業溶液は、1.2gのNS2/SBE−β−CD保存溶液を0.8gのタンパク質保存溶液の各々と混合することによって調製された。これらの割合は、約3mg/gのNS2および6mg/gのタンパク質(2:1のタンパク質:NS2、w/w)を含有する混合物を提供する。試料をボルテックスにより完全に混合し、次に、25℃に保持し、光から保護した。
リン酸緩衝液を使用して対照溶液を調製し、試料を3mg/gの同NS2濃度に希釈した。この溶液を25℃に保持し、光から保護し、アレルゲンタンパク質を含有する試料と並べた。
サンプリング:指示された時間(T):0、3、24、および96hに試験試料を採取した。各試料を遠心分離し、次に、50:50のHO/アセトニトリルを使用して、HPLC法で測定可能な濃度、すなわち約0.1mg/gに希釈した。
結果およびデータ分析:すべてのタンパク質−NS2/SBE−β−CD複合体混合物は、T=0で黄色/褐色の透明な溶液であった。他のすべての時間点で、溶液は、T=0より視覚的に曇っていた。タンパク質を含有する試料についてのみ、沈殿物が遠心分離後に見えた。対照溶液は、沈殿物なしで透明なままであった。表3および図8は、通年性アレルゲンの結果を示す。
表4および図9は、イネ科草本アレルゲンの結果を示す。
表5および図10は、指示された樹木アレルゲンの結果を示す。
結論:すべてのアレルゲンを用いた研究について、3つのすべての群における対照溶液は透明のままであり、NS2の濃度は一定のままであった。したがって、タンパク質/NS2/SBE−β−CD溶液のいくつかにおいて観察されるNS2の溶解性の変化は、ある種のアレルゲンが、SBE−β−CDと複合体化したNS2の押しのけにおける影響を有することを示す。これは、通年性アレルゲンおよび樹木アレルゲンのいくつかに特に当てはまる。具体的には、イヌの鱗屑、ゴキブリおよびホワイトオークは、4日間のインキュベーション後にNS2の<90%の溶解性を有した。ほとんどのイネ科草本アレルゲンについて、タンパク質は、4日間のインキュベーション後でさえ、対照と比較してNS2溶解性にほとんどまたは全く影響を示さなかった。
(実施例3)
オオアワガエリイネ科草本アレルゲンを用いた研究
NS2とオオアワガエリイネ科草本アレルゲンの相互作用は、実施例2に記載されているのと同一のパラメーターを使用して再試験された。このタンパク質のロット番号は、先の研究において試験されたものと相違した。時間点は、T=0およびT=96hでのみ採用された。NS2化合物は、実施例2のように、7mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中に調製された。オオアワガエリアレルゲンタンパク質は、Greer(ロット番号243540)から得られた。表6および図11は、オオアワガエリアレルゲンの結果を示す。
結論:NS2溶解性の中程度の低下は、オオアワガエリタンパク質を用いて観察され、これはSBE−β−CDと複合体化されたNS2がアレルゲンによって押しのけられることを示し、実施例3の研究と一致した。
(実施例4)
NS2の複合体に対するアレルゲン結合と、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンとの比較
本研究は、3種の異なるアレルゲンタンパク質(カバノキ、ブタクサおよびオオアワガエリ)による、シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE−β−CD)およびヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン(HP−γ−CD)とのNS2の複合体からのNS2の押しのけを検査した。目標は、NS2溶解性における影響を測定することによって、アレルゲンタンパク質とシクロデキストリンの間の相互作用を研究することであった。NS2の濃度は、アレルゲンタンパク質溶液と混合した後、T0(0日)から96時間(4日)までの5日間にわたって分析された。
研究1は、19:1のSBE−β−CD/NS2比を使用して、臨床製剤と同等の開始濃度で実行された。タンパク質濃度は6mg/mLであった。タンパク質とNS2の2:1の比が標的とされた。研究2は、30:1のHP−γ−CD/NS2比を使用して、研究1と同様の開始NS2濃度で実行された。タンパク質とNS2の2:1の比を標的とした。研究3は、同じアレルゲンタンパク質濃度を使用しながら、より低いNS2濃度で実行され、効果がより低い濃度で存在するかどうかを決定した。19:1のSBE−β−CD/NS2比が依然として有効であったが、タンパクとNS2の比は、NS2濃度が低いため6:1であった。
研究1.研究1において使用された実験パラメーターは、タンパク質とNS2の2:1の比を標的とし、SBE−β−CDとNS2の比は19:1であった。
試料調製。各アレルゲンタンパク質の保存溶液を調製し、濾過して、凍結乾燥物に由来する非タンパク質性の不溶性部分をすべて除去した。各タンパク質溶液は、各凍結乾燥物中のタンパク質含量の標識クレームに基づいて、7mMリン酸緩衝液(pH7.3)中に約14mg/mLの濃度で調製された。NS2(5.0mg/mL)およびSBE−β−CD(95mg/mL)の保存溶液は、7mMリン酸緩衝液(pH7.3)中で調製された。これは、溶液中の約19:1のSBE−β−CD:NS2比を表す。
1.05mLのNS2/SBE−β−CD保存溶液を0.75mLのタンパク質保存溶液(カバノキアレルゲンについては0.5mLのNS2/SBE−β−CDおよび0.36mLのタンパク質)の各々と混合した3つの溶液を調製した。これらの割合から、約2.95mg/mLのNS2および5.8mg/mLのタンパク質(2:1のタンパク質:NS2、w/w)を含有する混合物が得られた。試料をボルテックスにより完全に混合し、次に、25℃に保持し、光から保護した。
リン酸緩衝液を使用して対照溶液を調製し、試料を2.95mg/mLの同NS2濃度に希釈した。この溶液を25℃に保持し、光から保護し、アレルゲンタンパク質を含有する試料と並べた。
サンプリング:3h、24h、および96hに試料を採取した。各試料を遠心分離し、PVDFシリンジフィルターを通して上清を濾過した。各濾液を、50:50水/アセトニトリルを使用して、HPLC法で測定可能な濃度、すなわち約0.1mg/mLに希釈した。
研究2:研究2において使用された実験パラメーターは、研究の開始時にNS2の完全溶解性を確実にするために、タンパク質とNS2の2:1の比を標的とし、HP−γ−CDとNS2は30:1の比であった。
試料調製。各アレルゲンタンパク質の保存溶液を調製し、濾過して、凍結乾燥物に由来する非タンパク質の不溶性部分をすべて除去した。各タンパク質溶液は、各凍結乾燥物中のタンパク質含量の標識クレームに基づいて、30mMリン酸緩衝液(pH7.0)中に約14mg/mLの濃度で調製された。NS2(5.24mg/mL)およびHP−γ−CD(150mg/mL)の保存溶液を30mMリン酸緩衝液(pH7.0)中で調製した。これは、溶液中で約29:1のHP−γ−CD:NS2比を表す。
約1.3gのNS2/HP−γ−CD保存溶液を約1.0gのタンパク質保存溶液の各々と混合した3種の溶液を調製し、2.95mg/mLのNS2および6.1mg/mLのタンパク質(2:1のタンパク質:NS2、w/w)を含有する混合物を得た。試料をボルテックスにより完全に混合し、次に、25℃に保持し、光から保護した。
サンプリング:T=0(対照)、3h、24h、および96hに試料(約0.5mL)を採取した。各試料を遠心分離し、PVDFシリンジフィルターを通して上清を濾過した。各濾液を、50:50水/アセトニトリルを使用して連続希釈により、HPLC法で測定可能な濃度、すなわち約0.1mg/mLに希釈した。
研究3。研究3において使用された実験パラメーターは、NS2濃度が低いため、アレルゲンタンパク質とNS2の6:1の比を標的とし、SBE−β−CDとNS2の比は19:1であった。アッセイのための試料を5日間(0日から4日)の経過にわたって採取した。
試料調製。各アレルゲンタンパク質の保存溶液を調製し、遠心分離して、凍結乾燥物に由来する非タンパク質の不溶性部分を除去した。各タンパク質溶液は、各凍結乾燥物中のタンパク質含量の標識クレームに基づいて、7mMリン酸緩衝液(pH7.0)中に約12mg/mLの濃度で調製された。NS2(2.0mg/g)およびSBE−β−CD(38.0mg/g)の保存溶液は、7mMリン酸緩衝液(pH7.0)中で調製された。これは、溶液中の約19:1のSBE−β−CD:NS2比を表す
3種の溶液を調製して、1.0mg/gのNS2および6.0mg/gのタンパク質(6:1のタンパク質:NS2、w/w)を含有する混合物を得た。試料をボルテックスにより完全に混合し、次に、25℃に保持し、光から保護した。
リン酸緩衝液を使用して対照溶液を調製し、試料を1.0mg/mLの同NS2濃度に希釈した。この溶液を25℃に保持し、光から保護し、アレルゲンタンパク質を含有する試料と並べた。
サンプリング。T=0(対照)、3h、24h、および96hに試料を採取した。各試料を遠心分離し、上清を除去した。各試料を、50:50水/アセトニトリルを使用して、HPLC法で測定可能な濃度、すなわち約0.1mg/gに希釈した。
結果およびデータ分析。
実験観察。研究1において、以下の表10に記述されるように、アレルゲン−NS2/SBE−β−CD試料のいくつかにおいて沈殿の徴候があった。対照溶液は、研究中ずっと透明のままであった。
研究2において、3種のタンパク質NS2/HP−γ−CD複合体混合物は、T=0で黄色の透明溶液であった。T=3h、24h、および96hで、溶液は視覚的に変化しておらず、目に見える沈殿物はなく、霞んだ様子もなかった。
研究3において、3種のタンパク質NS2/SBE−β−CD複合体混合物は、T=0で黄色の透明溶液であった。T=3h、24h、および96hで、溶液はT=0より視覚的により曇っていた。タンパク質を含有する試料についてのみ、沈殿物が遠心分離後に見えた。対照溶液は、溶液全体で沈殿物はなく、透明なままであった。
HPLC分析の結果。遠心分離および沈殿物を除去するための濾過後の試料の各々をHPLCにより分析し、溶液中に残っているNS2の含有量を決定した。研究1のHPLC分析の結果を表11および図12に示す。標的希釈係数はすべての時間点で同じであった。体積のみが記録された3時間でのブタクサ試料について、希釈係数は、重量が希釈において記録された24時間の試料と同じであると仮定された。
過剰なアレルゲンタンパク質の存在下でのNS2溶解性の時間点についての研究2のHPLC分析の結果を表12および図13に示す。T=0での試料を対照として使用し、次に、回収パーセンテージをT=0対照に基づいて計算した。
2.95mg/mLの理論NS2濃度と比較すると、上記の濃度から計算された回収パーセンテージは93〜96%の範囲であった。図13は、3種のタンパク質−NS2/HP−γ−CD複合体溶液中のNS2の回収パーセンテージ対時間を図に記す。T=24hでのオオアワガエリ−NS2/HP−γ−CD複合溶液について、回収パーセンテージは46.9%であり、これは試料調製またはシステムエラーによる誤差であると考えられる。それは、同じ溶液からのその後の試料が96%回収を与えたためである。この時間点は異常値であったため、グラフにおいて使用しなかった。
タンパク質:SBE−β−CDの比およびタンパク質:NS2の比はともに、先の研究よりも高く、調査は、これらのより高い比がPVDFフィルターへの薬物の結合をもたらすことを示す。対照的に、先の研究は、NS2/SBE−β−CDがPVDFフィルター(例えば、研究1のPVDFフィルター処理された対照溶液)に結合しないこと、ならびに研究1および2におけるNS2/SBE−β−CD/アレルゲン試料またはNS2/HP−γ−CD/アレルゲン試料のPVDFフィルターへの結合についての証拠がないことを実証しており、この場合、濃度は、少なくとも初期の時間点で理論値と一致した。
したがって、新しい試料のセットを設定し、本研究の反復を実行した。これには、アレルゲンタンパク質−NS2−SBE−β−CD試料とともにインキュベートされた対照溶液(NS2/SBE−β−CD)を含んだ。これらの試料のすべてについて、高速遠心分離のみを使用して透明な溶液を単離した。結果を表13および図14に示す。
結論
研究1において、少なくともいくつかのアレルゲンタンパク質が、アニオンに荷電したSBE−β−CDシクロデキストリンからのNS2の押しのけ、およびそれに続くNS2の沈殿を引き起こしたという、NS2溶解性の分析的評価によって裏付けられた明確な視覚的徴候があった。これはオオアワガエリアレルゲンおよびブタクサアレルゲンで特に当てはまったが、一方、カバノキアレルゲンはNS2の溶解性について効果が小さかった。
HP−γ−CDを使用して実行された研究2は、96時間でさえ何らNS2溶解性の有意な低下を示さず、溶液は透明なままであった。これは、アレルゲンタンパク質の非荷電HP−γ−CDへの結合がより少ない場合があることを示す。
研究3は、低濃度のNS2およびSBE−β−CDを使用した第1の研究における組合せを繰り返し、再びいくつかのアレルゲンタンパク質とのNS2溶解性において中程度の低下を示した。オオアワガエリアレルゲンは最も急速に減少し、ブタクサアレルゲンは96時間までに同様の結果を示した。カバノキアレルゲンでは溶解性が僅かに低下した。これらの結果は、いくつかのアレルゲンタンパク質、特にオオアワガエリと、負に荷電したSBE−β−CDシクロデキストリンの間に相互作用があることを確認する。
本出願に引用されているすべての刊行物、特許、特許出願および他の文書は、個々の刊行物、特許、特許出願または他の文書がそれぞれ個別に、すべての目的のために参照により組み込まれるように指示されているかのように、同程度まですべての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (97)

  1. 眼のアレルギーを処置する方法であって、それを必要とする対象の眼に、治療有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む眼科用組成物を局所投与することを含む、方法。
  2. 前記シクロデキストリンが、実質的に、薬学的に活性な物質との包接錯体となっていない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記シクロデキストリンを含む前記組成物が、前記シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な薬学的に活性な物質を実質的に含まない、請求項1に記載の方法。
  4. 前記組成物が、シクロデキストリンを、唯一の薬学的に活性な物質として有する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記眼のアレルギーが、アレルギー性結膜炎として現れる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記アレルギー性結膜炎が、季節性アレルギー性結膜炎である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記アレルギー性結膜炎が、通年性アレルギー性結膜炎である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記アレルギー性結膜炎が、春期角結膜炎である、請求項5に記載の方法。
  9. 前記アレルギー性結膜炎が、アトピー性角結膜炎である、請求項5に記載の方法。
  10. 前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体およびそれらの組合せから選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記シクロデキストリンまたはその誘導体が、カルボキシアルキルシクロデキストリン、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、アルキルシクロデキストリンおよびそれらの組合せから選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリンまたはその誘導体を含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記β−シクロデキストリンまたはその誘導体が、カルボキシアルキル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリン、アルキル−β−シクロデキストリンおよびそれらの組合せから選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記β−シクロデキストリンが、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンまたはヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンが、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンが、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである、請求項14に記載の方法。
  17. 前記シクロデキストリンが、約0.1〜約30w/v%、約0.1〜約25w/v%、約0.1〜約20w/v%、0.5w/v%〜約10w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在する、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記シクロデキストリンが、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在する、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記組成物が、1種または複数の眼科用の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記眼科用の薬学的に許容される賦形剤が、等張化剤、防腐剤、緩衝剤、湿潤剤、増粘剤、滑沢剤、キレート化剤および抗酸化剤から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記眼科用の薬学的に許容される賦形剤が、緩衝剤を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記緩衝剤が、リン酸塩である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記リン酸塩が、リン酸ナトリウムである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記組成物のpHが、約6.5〜約8.5である、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記組成物が、必要に応じて投与される、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記組成物が、少なくとも週に1回投与される、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記組成物が、少なくとも2日に1回投与される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記組成物が、少なくとも1日に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回、1日に5回または1日に6回投与される、請求項26に記載の方法。
  29. 眼のアレルギーの症状の発生を予防または改善する方法であって、それを必要とする対象の眼に、有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む眼科用組成物を局所投与することを含む、方法。
  30. 前記シクロデキストリンが、実質的に、薬学的に活性な物質との包接錯体となっていない、請求項29に記載の方法。
  31. 前記シクロデキストリンを含む前記組成物が、前記シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な薬学的に活性な物質を実質的に含まない、請求項29に記載の方法。
  32. 前記組成物が、シクロデキストリンを、唯一の薬学的に活性な物質として有する、請求項31に記載の方法。
  33. 前記対象が、眼のアレルゲンにより影響されやすいか、または眼のアレルゲンに対して感受性があると同定されている、請求項29から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記眼のアレルギーが、アレルギー性結膜炎として現れる、請求項29から33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体およびそれらの組合せから選択される、請求項29から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記シクロデキストリンまたはその誘導体が、カルボキシアルキルシクロデキストリン、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンおよびアルキルシクロデキストリンから選択される、請求項29から34のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリンまたはその誘導体を含む、請求項35に記載の方法。
  38. 前記β−シクロデキストリンまたはその誘導体が、カルボキシアルキル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンおよびアルキル−β−シクロデキストリンから選択される、請求項37に記載の方法。
  39. 前記β−シクロデキストリンが、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンまたはヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンである、請求項38に記載の方法。
  40. 前記スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンが、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンが、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである、請求項39に記載の方法。
  42. 前記シクロデキストリンが、0.1〜約30w/v%、約0.1〜約25w/v%、約0.1〜約20w/v%、0.5w/v%〜約10w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在する、請求項29から41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記シクロデキストリンが、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在する、請求項29から41のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記眼科用組成物が、1種または複数の眼科用の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項29から43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記眼科用の薬学的に許容される賦形剤が、等張化剤、防腐剤、緩衝剤、湿潤剤、増粘剤、滑沢剤、キレート化剤および抗酸化剤から選択される、請求項44に記載の方法。
  46. 前記眼科用の薬学的に許容される賦形剤が、緩衝剤を含む、請求項45に記載の方法。
  47. 前記緩衝剤が、リン酸塩である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記リン酸塩が、リン酸ナトリウムである、請求項47に記載の方法。
  49. 前記組成物のpHが、約6.5〜約8.5である、請求項29から48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記組成物が、必要に応じて投与される、請求項29から49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記組成物が、少なくとも週に1回投与される、請求項29から49のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記組成物が、少なくとも2日に1回投与される、請求項51に記載の方法。
  53. 前記組成物が、少なくとも1日に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回、1日に5回または1日に6回投与される、請求項51に記載の方法。
  54. 眼のアレルゲンを阻害する方法であって、それを必要とする対象の眼に、有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンを含む眼科用組成物を局所投与することを含む、方法。
  55. 前記シクロデキストリンが、実質的に、薬学的に活性な物質との包接錯体となっていない、請求項54に記載の方法。
  56. 前記シクロデキストリンを含む前記組成物が、前記シクロデキストリンと包接錯体を形成可能な薬学的に活性な物質を実質的に含まない、請求項54に記載の方法。
  57. 前記組成物が、シクロデキストリンを、唯一の薬学的に活性な物質として有する、請求項56に記載の方法。
  58. 前記対象が、眼のアレルゲンにより影響されやすいか、または眼のアレルゲンに対して感受性があると同定されている、請求項54から57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記アレルゲンが、花粉、動物の鱗屑、香料、化粧品、空気汚染、タバコの煙および/またはイエダニと関連している、請求項54のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体およびそれらの組合せから選択される、請求項54から59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記シクロデキストリンまたはその誘導体が、カルボキシアルキルシクロデキストリン、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、アルキルシクロデキストリンおよびそれらの組合せから選択される、請求項54から59のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリンまたはその誘導体を含む、請求項60に記載の方法。
  63. 前記β−シクロデキストリンまたはその誘導体が、カルボキシアルキル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリン、アルキル−β−シクロデキストリンおよびそれらの組合せから選択される、請求項62に記載の方法。
  64. 前記β−シクロデキストリンが、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンまたはヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンである、請求項63に記載の方法。
  65. 前記スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンが、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンである、請求項64に記載の方法。
  66. 前記ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンが、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである、請求項64に記載の方法。
  67. 前記シクロデキストリンが、約0.1〜約30w/v%、約0.1〜約25w/v%、約0.1〜約20w/v%、0.5w/v%〜約10w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在する、請求項54から66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記シクロデキストリンが、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在する、請求項54から66のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記組成物が、1種または複数の眼科用の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項54から68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記眼科用の薬学的に許容される賦形剤が、等張化剤、防腐剤、緩衝剤、湿潤剤、増粘剤、滑沢剤、キレート化剤および抗酸化剤から選択される、請求項69に記載の方法。
  71. 前記眼科用の薬学的に許容される賦形剤が、緩衝剤を含む、請求項70に記載の方法。
  72. 前記緩衝剤が、リン酸塩である、請求項71に記載の方法。
  73. 前記リン酸塩が、リン酸ナトリウムである、請求項72に記載の方法。
  74. 前記組成物のpHが、約6.5〜約8.5である、請求項54から73のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記組成物が、必要に応じて投与される、請求項54から74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記組成物が、少なくとも週に1回投与される、請求項54から74のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記組成物が、少なくとも2日に1回投与される、請求項76に記載の方法。
  78. 前記組成物が、少なくとも1日に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回、1日に5回または1日に6回投与される、請求項76に記載の方法。
  79. シクロデキストリンを含む眼科用溶液であって、前記シクロデキストリンと錯体を形成可能な薬学的に活性な物質、および1種または複数の眼科用の薬学的に許容される賦形剤を実質的に含まない眼科用溶液。
  80. 前記シクロデキストリンが、前記溶液中の唯一の薬学的に活性な物質である、請求項79に記載の眼科用溶液。
  81. 前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらの誘導体およびそれらの組合せから選択される、請求項79または80に記載の眼科用溶液。
  82. 前記シクロデキストリンまたはその誘導体が、カルボキシアルキルシクロデキストリン、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、アルキルシクロデキストリンおよびそれらの組合せから選択される、請求項79または80に記載の眼科用溶液。
  83. 前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリンまたはその誘導体を含む、請求項81に記載の眼科用溶液。
  84. 前記β−シクロデキストリンまたはその誘導体が、カルボキシアルキル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリン、アルキル−β−シクロデキストリンおよびそれらの組合せから選択される、請求項83に記載の眼科用溶液。
  85. 前記β−シクロデキストリンが、スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンまたはヒドロキシアルキル−β−シクロデキストリンである、請求項84に記載の眼科用溶液。
  86. 前記スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンが、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンである、請求項85に記載の眼科用溶液。
  87. 前記スルホアルキルエーテル−β−シクロデキストリンが、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンである、請求項85に記載の眼科用溶液。
  88. 前記シクロデキストリンが、約0.1〜約30w/v%、約0.1〜約20w/v%、0.5w/v%〜約10w/v%または約1w/v%〜約5w/v%で存在する、請求項79から87のいずれか一項に記載の眼科用溶液。
  89. 前記シクロデキストリンが、約0.1w/v%、約0.2w/v%、約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12w/v%、約14w/v%、約16w/v%、約18w/v%、約20w/v%、約25w/v%または約30w/v%で存在する、請求項79から87のいずれか一項に記載の眼科用溶液。
  90. 前記眼科用の薬学的に許容される賦形剤が、等張化剤、防腐剤、緩衝剤、pH調整剤、可溶化剤、界面活性剤、キレート化剤、乳化剤、懸濁剤、安定化剤または抗酸化剤から選択される、請求項79から89のいずれか一項に記載の眼科用溶液。
  91. 前記眼科用の薬学的に許容される賦形剤が、緩衝剤を含む、請求項90に記載の眼科用溶液。
  92. 前記緩衝剤が、リン酸塩である、請求項91に記載の眼科用溶液。
  93. 前記リン酸塩が、リン酸ナトリウムである、請求項92に記載の眼科用溶液。
  94. 前記溶液のpHが、約6.5〜約8.5である、請求項79から93のいずれか一項に記載の眼科用溶液。
  95. 請求項79から94のいずれか一項に記載の眼科用溶液を含む単回使用または複数回用量バイアルを含む眼科用キット。
  96. 単回使用バイアルを含む、請求項95に記載のキット。
  97. 前記単回使用バイアルが、再密閉可能ではないスナップオフまたはティアオフキャップを備えた使い捨てのプラスチック製スクイズバイアルを含む、請求項96に記載のキット。
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