JP2019505571A - インドール誘導体を含む医薬組成物、その調製方法及びその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、式1のE及びZ形態の混合物が、高立体純度のそれらの二塩酸塩のE形態に移すことができるこという洞察に基づく
RはH又はメチル又はC1−C4直鎖又は分枝アルキルで置換されるメチレンであり、
R1は、H、C1−C4直鎖又は分枝アルキル、メトキシ、1〜3個のフッ素、臭素、ハロゲンで置換されるメトキシからなる群から選択され;
R2は、H又はC1−C4直鎖又は分枝アルキルであり;
Xは、CH又はNであり、
Yは、CH又はNであり、及び
ここで、薬理学的に活性な化合物又は薬学的に許容可能な塩の少なくとも95重量%(w/w)は、本請求項1に記載のE異性体の形態である。
1つの態様において、R及びR1は、CH3であり、R2は、Hである。好ましくは、RはCH3であり、R1は6−CH3であり、R2はHである。より好ましくはX及びYは、Nである。
本発明の最も好ましい化合物は、化合物A、B及びCである(表1参照)。
提供する。方法は、以下のステップを含む:
i.遊離塩基として一般式1の化合物の溶液を提供するステップ、
ii. 溶液を一般式1bの化合物、すなわち、二塩酸塩を形成するのに十分な量のエタノール中の塩酸と反応させるステップであって、二塩酸塩が自発的に析出するステップ;
iii.溶媒のステップ(ii)で得られた二塩酸塩を含む沈殿物をストリッピングするステップ、
iv.任意には、薬学的に許容可能な添加剤を含む、水性溶媒中にステップ(iii)の二塩酸塩を含む沈殿物を溶解するステップ、及び
v.混合物を凍結乾燥させ、それによって凍結乾燥粉末又はケーキを得るステップ。
E異性体の量は、上記医薬組成物と同じ範囲である。
1つの態様において、水性溶媒は水である。好ましくは、滅菌水である。
水性溶媒においてステップ(v)の凍結乾燥粉末を再構成することにより、例えば、注射用水(WFI)として、医薬製剤が得られる。
前記薬理学的に活性な化合物を含む凍結乾燥粉末を再構築するための水性溶媒はまた、上記のような薬理学的に許容可能な添加剤を含み得る。
式中、一般式1bの少なくとも95重量%(w/w)の薬理学的に活性な化合物は、E異性体の形態である。
一般式1bの化合物は、式1のインドール誘導体の沈殿物であり、ここで置換R、R1、R2、X及びYは、式1について上記で定義した通りである。一般式1bの好ましい化合物を表1に列挙する。一般式1bの最も好ましい化合物は、表1の化合物A、B及びCとして置換される。
上記の沈殿物はまた、医薬組成物中で使用されることができる。
前記沈殿物のエタノール含量は、前記沈殿物の2〜15重量%の範囲である。好ましくは、前記沈殿物の4〜13重量%又は、9〜11重量%の範囲である。1つの態様において、エタノールの量は、前記沈殿物の10.4〜10.6重量%である。
式中、一般式1aの薬理学的に活性な化合物の少なくとも95重量%(w/w)は、E異性体の形態である。E異性体の量は、上記の医薬組成物について同じ範囲であり得る。
最も好ましい化合物は、上記式1及び1bについて記載されるような置換基である。
a)一般式1bの沈殿物を水性溶媒に溶解するステップ、
b)得られた溶液をろ過するステップ、
c)ステップb)の溶液を凍結乾燥させて、一般式1aの化合物を含む凍結乾燥物を得るステップ。
ステップa)の沈殿物は、式1又は1bについて記載される化合物のいずれかとして置換され得る。別の側面において、沈殿物は、記載された化合物の1つ又は組み合わせを含み得る。さらに別の態様において、本発明の異なる化合物を含む別個の沈殿物を混合し得る。
ステップb)の得られた溶液を、好ましくは、少なくとも1つの滅菌フィルターを通してろ過することができ、いくつかの態様において、ステップb)の得られた溶液を、2つの滅菌フィルターでろ過する。得られた溶液は、例えば、ステップc)の前に滅菌バルク中に回収され得る。ステップb)の溶液はまた、凍結乾燥に適したバイアルに充填され得る。
本発明の医薬組成物(すなわち、凍結乾燥物)及び沈殿物は、室温で少なくとも12ヶ月間安定である。好ましくは、医薬組成物(すなわち、凍結乾燥物)は、室温で少なくとも24ヶ月間安定である。
1つの側面において、本発明の凍結乾燥物は、例えば化合物A2、B2又はC2などの本発明の薬理学的に活性な化合物の1つだけを含み得る。別の側面において、本発明の凍結乾燥物は、本発明の化合物の組み合わせを含み得る。さらに別の側面において、本発明の前記化合物又は薬学的に許容可能な塩を含む凍結乾燥物は、癌治療で使用のための少なくとも1つの他の薬理学的に活性な化合物と組み合わせて本発明の化合物の少なくとも1つを含み得る。
上記の医薬組成物、沈殿物又は製剤は、例えば、病理学的に増殖する細胞によって特徴付けられる疾患又は障害の予防又は治療に使用され得る。
薬理学的に活性な化合物の最終濃度は、0.5〜30mg/mlの範囲であり得る。
医薬組成物又は製剤は、共治療剤をさらに含み得る。
好ましくは、本発明の医薬組成物及び製剤は、癌を治療するために使用される。
癌は、固形腫瘍、液体腫瘍及び血液腫瘍であり得る。
上記の異なる態様は、互いに組み合わせることができ、又は別々に使用されることができる。
本発明は、本明細書中で提供される以下の定義、図及び例示的開示を参照することによって最もよく理解される。
本明細書において、用語沈殿物は、例えば、図1の反応4の沈殿ステップの生成物である、沈殿によって得られる二塩酸塩エタノール共結晶化合物、又は二塩酸エタノール溶媒和物を意味する。化合物は、本発明の式1の任意の化合物の沈殿物であり得る。
本明細書において、用語「異性体」は、同じ組成及び分子量を有するが、物理的及び/又は化学的特性が異なる化合物を指す。そのような物質は、原子の同じ数と種類を有するが、構造は異なる。構造上の相違は、構成(幾何異性体)又は偏光面を回転させる能力(立体異性体)であり得る。用語「立体異性体」は、空間におけるそれらの原子の配置が異なる同一の構成の異性体をいう。
本明細書において、特に記載されない限り、用語「薬学的に活性な化合物」は、ヒト及び動物の両方を含む宿主に投与される場合、治療上有効な薬理学的応答を生じる任意の物質を包含する。
本明細書において、特に記載されない限り、用語「細胞傷害性化合物」は、細胞の増殖を停止させるか、又は死滅させる能力を有する、すなわち、高い細胞傷害活性を有する化合物を指す。
本発明の方法を使用することによって、少なくとも95重量%(HPLCによって確認、図2参照)の薬学的に活性な化合物(E異性体)を含む明確で安定な医薬組成物を得る。
第1の実験において、化合物A(遊離塩基)を、アセトン/アセチレート/アセトンニトリルで希釈し、Z異性体ではなくE異性体は、溶媒の組み合わせに溶解し、容易にろ過した。この溶媒の組み合わせを使用することによって最終的なE異性体含量は、約92%であった。記載された溶媒の組み合わせは、少量生産中にはうまくいったが、必要とされる溶媒の量が多いため、生産を拡大することはできなかった。したがって、Kgokongら、2005年によって記載される1,2,4−トリアジノ[5,6−b]インドール誘導体の合成に基づく化合物Aの合成は、本発明者らによって開発された(図1参照)。本発明者らは、溶媒としてメタノール(MeOH)、HClの担体としてエタノール中の塩酸(HCl/EtOH)(EtOHは、抗溶媒としても作用する)を使用する手順を開発した。スケールアッププロセスのその後の開発において、反応容積効率が改善された。さらに、遊離塩基(A)を最終的な塩酸沈殿物(A1)に大規模に変換するための適切な方法も開発された(図1、例1及び2参照)。遊離塩基(A)はMeOH単独では溶解しなかったが、約1当量のHCl/EtOHを添加すると、透明な溶液が得られた。
2−[(1E,Z)−1−(2−{6−メチル−5H−[1,2,4]トリアジノ[5,6−b]インドール−3−イル}ヒドラジン−1−イリデン)エチル]ピリジン(5.80kg)にエタノール性HCl(12.4kg、1.05当量)を加え、透明な溶液が得られるまで、混合物を28〜30℃で30分間撹拌した。溶液をろ過し、追加のエタノール性HCl(28.95kg、2.45当量)を撹拌下で25℃で1時間40分かけて加えた。1.05当量のHCl/EtOHの最初の添加の間に、存在するZ異性体の大部分は、E異性体に変換し、一部の一塩酸塩が形成される。二塩酸塩は、EtOH中2.45当量のHClの添加によって自然に沈殿する。0.1MのNaOHフェノロフタレイン指示薬を用いた滴定によるEtOH中のHClのモル濃度の決定は、約1.1〜1.4MのHClであると計算された。同じ温度で15分間撹拌を続け、エタノール(45.8kg)を加えた。そのように形成された懸濁液を約0〜−5℃に冷却し、1時間撹拌した。遠心分離によって単離された生成物をエタノール(0〜5℃、45kg)で洗浄し、次に1450RPMで排出した。ケーキを真空下で37℃で42時間乾燥させ、7.57kgの表題化合物(残留溶剤を含まない場合は約108%、又はモノ−EtOH、二塩酸塩に基づいて98%を、黄色〜橙色の固体として得た。
図1の反応ステップ5は、一般式1aの化合物を含む凍結乾燥組成物の形成を示す。
プロセス開発中、化合物A及び化合物A1の分析は、例えばサンプルの不安定性、溶解性不良、異性化、HPLC等による分析上の問題を引き起こした。したがって、より強固なHPLC法は、XBridge C18、3.5μm、150×4.6mmカラムに基づいて発明者らにより開発された。この問題は、希釈剤としてMeOH中の2%ギ酸を使用し、コーティングされていない標準HPLCサンプルバイアルからAgilentのコーティング(シラン処理)バイアルに切り替えることによって、さらに解決された。
Agilent 1200/1260クロマトグラフィーシステム又は同等品を使用した。
HPLC純度は、全不純物として100%と計算された。0.05%未満の全てのピーク及びマトリックス中に存在するピークは、計算から除外される。各不純物の含量は、全ピーク面積(面積%)のパーセンテージとして計算した。全不純物は、不純物の合計≧0.05%である。
各不純物の最終結果は、4つの結果の平均である。全不純物は、不純物の合計≧0.05%として報告される。
化合物A1の分析は、それが二塩酸塩エタノール共結晶組成物(沈殿物)であることを示した。化合物A1の理論的エタノール含量は10.6%であり、これは、上記のようなエタノール共結晶(沈殿物)の形成と一致する。
高いレベルのエタノールは、最終製剤(凍結乾燥物)の製造プロセスの一部であるその後の凍結乾燥の間に除去されるので、製剤原料(沈殿物)において許容されることができたと結論付けられた。
エタノール及びメタノールレベルの両方は、最終製剤でICH Q3Cガイドラインよりも十分に低く、これは、注意深くモニターされるという事実に基づいて、より高いレベルは、製剤原料(すなわち、化合物A1の沈殿物)で許容されることができたと結論付けられた。本明細書に記載される全ての他の制限は、Ph. Eur又はUSP標準の範囲内である。
サンプルの同一性は、サンプル調製物のメインピーク及び同定のためのサンプル調製物のメインピークの目視検査に基づいた。化合物A1は、クロマトグラムにおいて単一のピークによって表される(図2a参照)。
二塩酸塩エタノール共結晶沈殿物及び凍結乾燥二塩酸塩の安定性試験を、製剤原料及び生成物の国際調和会議(ICH)ガイドラインQ1A(R2)安定性試験にしたがって実施した。研究中の安定性サンプルを分析するために使用される全ての分析機器は、現行のcGMPに適合している。
安定性試験は、1つの長期間試験(5℃、24、36ヶ月)及び加速試験(25℃/60%RH、6ヶ月)の2つの部分から構成される。
化合物A1を含む本組成物は、少なくとも24k月間安定である(表2a)。この期間中、化合物A1の有意な分解は、2〜8℃又は25℃/60%RH(6ヶ月)のいずれにおいても起こらなかった。化合物A1の組成物を、2〜8℃で保存し、輸送することが推奨される。しかしながら、25℃までの温度で24時間の保存は、問題にならないはずである。
主に2−[(1E)−1−(2−{6−メチル−5H−[1,2,4]トリアジノ[5,6−b]インドール−3−イル}ヒドラジン−1−イリデン)エチル]−ピリジン二塩酸塩(A1)(160mgの遊離塩基に対応する、A)のエタノール共結晶沈殿物の225.6mgの倍数は、注射用水(Ph.Eur.、10ml)中のマンニトール(500mg)の溶液に溶解させ、溶液を2つの0.2μmフィルターを通してろ過することによって滅菌し、対応する数の滅菌バイアルに充填し、次に凍結乾燥させた(化合物A2の塩を得る)。
最大負圧及び比較的高い温度を有し、表3のように温度をアニーリングすることにより、凍結乾燥ステップは、19時間に短縮された。
金属表面との接触は避けられた。存在するエタノール及び少量のメタノールは、凍結乾燥プロセスによって除去された。
グルコース及びマンニトールを、単独で及びNaClと組み合わせて、添加剤として評価した。溶解度、凍結乾燥ケーキのテクスチャー及び不純物形成の抑制に関する最良の結果は、添加剤として5%(w/v)マンニトールを用いて得られた。凍結乾燥ケーキのより高い程度の崩壊が、充填剤としてグルコースで観察された。NaClによって生成されるpHの上昇は、化合物A2の溶解度を減少させたので、NaClの添加は、溶解度の問題を引き起こした。
再構成及び注射のための凍結乾燥粉末(化合物Aの160mgの遊離塩基に相当)を加速条件25℃/60%EHで保存した(表4b参照)。外観は、全試験期間中、及び目に見える粒子なく黄色〜橙色の溶液の再構築後、黄色〜橙色の凍結乾燥ケーキであった。25℃/60%RHでのX線粉末回折結果のために行われた分析は、結晶化度の予想外の低いレベルを有した。結晶化度のレベルは、製剤原料の品質又は安定性に直接影響を与えないが、開発作業の一部として管理される。再構成時間は、最大3分であった。細菌の増殖は検出されず、製品の無菌性は、室温で24ヶ月間影響を受けなかった。驚くべきことに、凍結乾燥物は、室温で少なくとも24ヶ月安定であることを示した。得られた安定性データを、以下の表4bに要約する。
化合物A2は、1mg/mlで24時間までの副生成物の形成を抑制するために水性媒体中で処方されることができたことが見出された。また、pHは、1〜4付近の最良の安定性を有する水性媒体中の化合物A2の安定性にとって重要であることが理解され、物質のより高い濃度は、より低いpHをもたらした。1mg/mlの前記水溶液は、pH2〜3を有する。
得られた化合物A2は、滅菌凍結乾燥粉末として処方され、注射又は点滴用の溶液を、注射用水などの水性溶媒中で上記の凍結乾燥粉末を溶解することによって調製した。各バイアルは、225.5mgの製剤原料、及び5%のマンニトール(w/v)の溶液から調製された160mgの遊離塩基(A)に相当する薬理学的に活性な化合物の量を含む。
化合物B;2−[(1E)−1−(2{6−メチル−5H−[1,2,4]トリアジノ[5,6−b]インドール−3−イル}ヒドラジン−1−イリデン)プロピル]ピリジンの合成
1−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン(35mg、0.26mmol)を水−酢酸混合物(20:1、10mL)に溶解し、次に、3−ヒドラジニル−6−メチル−5H−[1,2,4]トリアジノ[5,6−b]インドール(50mg、0.23mmol)を添加した。反応混合物を2時間、50℃で撹拌した。溶媒を蒸発させた後、暗緑色固体を得た(70mg)。LCは、95:5の異性体比を有する純粋な生成物を示す。
化合物C;2−(3,3−ジメチル−N−{6−メチル−5H−[1,2,4]トリアジノ[5,6−b]インドール−3−イル}ブタンヒドラゾノイル)ピリジンの合成
3,3−ジメチル−1−(ピリジン−2−イル)ブタン−1−オン(46mg、0.26mmol)を水−酢酸混合物(20:1、10mL)中で測定し、次に3−ヒドラジニル−6−メチル−5H−[1,2,4]トリアジノ[5,6−b]インドール(48mg、0.23mmol)を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させた後、緑がかった黄色の固体が得られた(78mg)。LCは、92:8の異性体比を有する純粋な生成物を示した。
化合物B1のその二塩酸塩(B2)への変換を、以下の手順によって調製した:
2−[(1E)−1−(2−{6−メチル−5H−[1,2,4]トリアジノ[5,6−b]インドール−3−イル}ヒドラジン−1−イリデン)プロピル]ピリジン(30mg、0.09mmol)をメタノール(0.6mL)中に懸濁し、次にエタノール中HCl(1.04当量、1.25M、75μL)を滴下した。すべての固体を溶解後、エタノール中のより多くのHCl(2.08当量、1.25M、150μL)及びエタノール(0.6mL)を添加した。明褐色の沈殿物が現われた。懸濁液を−10℃で3時間維持し、次に固体をろ過し、冷エタノールで洗浄し、乾燥させた。生成物は明るい黄色固体(10mg)であった。LCは、1つの異性体のみを示し、少量の異性体は、生成物をそのHCl塩に変換後、検出されない。
化合物C1のその二塩酸塩C2への変換を、以下の手順によって調製した:2−[(1E)−1−(2−{6−メチル−5H−[1,2,4]トリアジノ[5,6−b]インドール−3−イル}ヒドラジン−1−イリデン)プロピル]−ピリジン(30mg、0.09mmol)を、メタノール(0.6mL)に懸濁し、次にエタノール中HCl(1.04当量、1.25M、75μL)を滴下した。全ての固体を溶解後、エタノール中より多くのHCl(2.08当量、1.25M、150μL)及びエタノール(0.6mL)を添加した。懸濁液を−10℃で3時間保持した後のみ、生成物は、直ちに沈殿しなかった。固体をろ過し、冷エタノールで洗浄し、乾燥させた。生成物は、明るい黄色固体(20mg)であった。LCは1つの異性体(E)のみを示し、生成物をそのHCl塩に変換した後、少ない異性体(Z)は検出されない。
単結晶X線は、E異性体は、固体状態で支配的であることを示した。
単結晶X線を、スウェーデンのSARomics Biostructures ABで実施した。約100×30μmを測定する化合物A1の結晶を、タンパク質結晶に通常使用される種類の標準的な低温ループで取り出し、パラフィン油に浸漬し、液体窒素中でフラッシュ冷却した。データは、225mm mar CCD検出器を備えたMAX−lab(λ=0.9198A)のステーションI1911−3で100Kで集めた。ビームサイズは、50×50μmであった。X線結果は、化合物A1がE−ヒドラジン異性体であることを確認する。予測される構造は、図2bに示され、Nは窒素原子、Hは水素原子、CLは塩素原子、H2Oは水分子である。
全ての試験は、参照標準を使用して実施し、全ての分析は、提案された構造と一致する。
生成物化合物A2は、容易に、水性溶媒中で加水分解するにもかかわらず、化合物Aの出発材料で4〜7%の含水量が許容された。
母液中に異性体の痕跡がなく、適用された沈殿条件がZ異性体を標的異性体に変換することを示す。好ましくは、生成物は、酸感受性であるので、塩形成は、数時間以内に実施されるべきである。
化合物Aによる、生存指数(IC50)として表される細胞傷害活性は、様々な細胞株で示され(図3)、ヒト腫瘍の初代培養に示される(表5)。Fluorometric Microculture Cytotoxicity Assay (FMCA), (Lindhagenら、2008年)を、様々な細胞株及びヒト腫瘍の初代培養において化合物の細胞毒性効果の測定のために使用した。ピペット操作ロボットPrecision 2000(Bio−Tek Instruments Inc., Winooski, VT)を使用して、薬物調製384ウェルプレートに細胞を播種した。プレートを72時間インキュベートし、次に、自動FCMAのために、CO2インキュベーター(Cytomat 2C, Kendro, Sollentuna, Sweden)、ディスペンサーモジュール(Multidrop 384, Titertek, Huntsville, AL)、ウォッシャーモジュール(ELx 405, Bio−Tek Instruments Inc)、デリッデイングステーション、プレートホテル、バーコードリーダー(Beckman Coulter)、液体ハンドラー(Biomek 2000, Beckman Coulter)及び多目的リーダー(FLUOstar Optima, BMG Labtech GmbH, Offenburg, Germany)を有するORCAロボット(Beckman Coulter)からなる統合されたHTS SAGIAN Core Systemに移した。
本発明者らはまた、異なる起源の癌を表す細胞系における化合物A、B及びCの活性を特徴付けることを始めた。使用された特異的アッセイ及び機構的評価からの結論は、以前に詳細に記載されている(Zhangら、2014年)。化合物A、B及びC(図4参照)を、細胞ベースの蛍光ミクロカルチャー細胞毒性アッセイ(FMCA)を使用して、以前に詳細に記載されているように(Lindhagenら、2008年)、6つのヒト腫瘍細胞株における生存指数(SI)として表される細胞傷害性につい評価した。この方法は、原形質膜を有する生存細胞によるFDAの加水分解から生成された蛍光フルオレセインの測定に基づく。蛍光は、無傷の生存細胞の数に比例する。
細胞培養
細胞株は、プロバイダーによって推奨されたそれぞれの細胞培地で培養した。培地に10%熱不活性ウシ胎児血清、2mmol/LのL−グルタミン、100μg/mLのストレプトマイシン及び100U/mLのペニシリン(全てSigma−Aldrich製)を補充した。この細胞株を、5%CO2を含む加湿雰囲気中、37℃で培養した。
簡潔にFMCA分析、ウェル当たり2500細胞を384ウェルマイクロプレートに播種し、化合物で処理する前に一晩インキュベートした。化合物を音響液体移送(Echo 550、LabCyte)を使用して添加した。プレートを37℃で72時間インキュベートし、次に洗浄し、FDAを37℃で50分のインキュベーションによってウェルに添加した。各ウェルの生存細胞の数に比例する蛍光を、Fluoroskan装置(Labsystems,GMI,Ramsey、MIN)で485/520nmで測定した。細胞生存率は、対照ウェルの値のパーセンテージとして分析された化合物処理ウェルで蛍光値として定義され、ブランク値を引いたものとして定義される生存指数(SI)として示される。品質基準は、対象及びブランクウェル<30%におけるシグナル/ブランク比>10及び変動係数(CV)を含んだ。Graph Pad Prism (San Diego, California, USA)。全ての実験を2回行い、各濃度を、各実験において4回繰り返して評価した。化合物(A、B及びC)を、DMSO、5mMに希釈した。
試験化合物(A、B及びC)は、癌細胞株の広範な範囲に強い活性を示した(表6及び図4参照)。細胞株は、血液学的及び固体腫瘍の両方を表す、広範囲の癌タイプをカバーするように選択された(表6)。これらの結果から、化合物A、B及びCは、結腸癌、子宮頚部腺癌、急性リンパ芽球性白血病及び急性単球性白血病を含むいくつかの異なる腫瘍細胞に対して有効であることが、明らかに示される。
本明細書に提示される結果から、化合物A、B及びCは、結腸癌、子宮頚部腺癌、肝細胞癌、急性リンパ芽球性白血病及び急性単球性白血病を含むいくつかの異なる腫瘍細胞株に対して有効であることが明らかに示される。
Eshba et al. Synthesis of some substituted-1,2,4-triazino[5,6-b]indole derivatives as potential antiviral and anticancer agents. PharmazieVol. 42, No. 10, 1987; 664-666.
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Claims (19)
- 一般式1の薬学的に活性な化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を含む癌の治療の使用のための医薬組成物:
式中、RはH又はメチル又はC1−C4直鎖又は分枝アルキルによって置換されたメチレンであり、
R1は、H、C1−C4直鎖又は分枝アルキル、メトキシ、1〜3個のフッ素、臭素、ハロゲンで置換されたメトキシからなる群から選択され;
R2は、H又はC1−C4直鎖又は分枝アルキルであり;
Xは、CH又はNであり;
Yは、CH又はNであり、ここで薬理学的に活性な化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の少なくとも95重量%(w/w)は、E異性体の形態である。 - 薬理学的に活性な化合物が、結晶形態の塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 塩が二塩酸塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
- 0.1〜10%(w/v)の濃度の薬学的に許容可能な添加剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
- 少なくとも12ヶ月の安定性を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組成物。
- 以下のステップを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物を調製する方法:
i.遊離塩として一般式1の化合物の溶液を提供するステップ、
ii.溶液を一般式1の化合物を二塩酸塩に形成するのに十分な量のエタノール中の塩酸塩と反応させるステップであって、ここで、二塩酸塩は、自発的に沈殿するステップ、
iii.溶媒のステップ(ii)で得られる二塩酸塩を含む沈殿物をストリッピングするステップ、
iv.任意に、薬学的に許容可能な添加物を含む、水性溶媒中にステップ(iii)の二塩酸塩を溶解させるステップ、及び
v.混合物を凍結乾燥し、それによって凍結乾燥粉末又はケーキを得るステップ。 - 一般式1bの化合物を含む沈殿物:
式中、Rは、H又はメチル又はC1−C4直鎖又は分枝によって置換されたメチレンであり、
R1は、H、C1−C4直鎖又は分枝アルキル、メトキシ、1〜3個のフッ素、臭素、ハロゲンで置換されたメトキシからなる群から選択され;
R2は、H又はC1−C4直鎖又は分枝アルキルであり;
Xは、CH又はNであり;
Yは、CH又はNであり、ここで、化合物1bの少なくとも95重量%(w/w)は、E異性体の形態である。 - 請求項1のステップi)〜iii)を含む、請求項7に記載の二塩酸塩沈殿物を調製する方法。
- 残留エタノールが二塩酸塩沈殿物の2〜20重量%の範囲である、請求項7に記載の二塩酸塩沈殿物。
- 一般式1aの化合物を含む凍結乾燥物:
式中、Rは、H又はメチル又はC1−C4直鎖又は分枝アルキルによって置換されたメチレンであり、
R1は、H、C1−C4直鎖又は分枝アルキル、メトキシ、1〜3個のフッ素、臭素、ハロゲンで置換されるメトキシから選択され;
R2は、H又はC1−C4直鎖又は分枝アルキルであり;
Xは、CH又はNであり;
Yは、CH又はNであり、ここで、化合物1aの少なくとも95重量%(w/w)は、E異性体の形態である。 - 以下のステップを含む、請求項10に記載の凍結乾燥物を調製する方法:
i.任意には、薬学的に許容可能な添加物を含む、水性溶媒中のステップの二塩酸塩沈殿物を溶解するステップ、及び
ii.混合物を凍結乾燥させ、それによって凍結乾燥粉末又はケーキを得るステップ。 - 医薬組成物における使用のための請求項7又は9に記載の二塩酸塩沈殿物又は請求項10に記載の凍結乾燥物。
- 0.5〜30mg/mlの範囲の最終濃度の水性溶媒中の医薬組成物、請求項1〜5、7、9及び10のいずれに記載の薬学的に許容可能な塩を再構成することによって調製される点滴液に適した医薬製剤。
- pHが0.5〜4の範囲である、請求項13に記載の医薬製剤。
- 癌の治療に用いるための請求項1〜5、7、9、10、13及び14のいずれかに記載の医薬組成物、薬学的に許容可能な塩又は製剤。
- 癌が、固体腫瘍、液体腫瘍又は血液腫瘍である、請求項15に記載の医薬組成物、薬学的に許容可能な塩又は製剤。
- 請求項1〜5、7、9、10、13及び14のいずれかに記載の化合物、又はそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤の有効量をそのような治療を必要とする対象に投与する、対象において癌を治療する方法。
- 別の抗癌治療と組み合わされる、請求項17に記載の癌を治療するための方法。
- 有効量が、0.01〜10mg/kg体重、好ましくは0.1〜5mg/kg体重、及びより好ましくは1〜4mg/kg体重の範囲である、請求項17又は18のいずれかに記載の癌を治療するための方法。
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