本開示の原理の理解を容易にするため、図示されている実施形態が参照され、また、それらを説明するために具体的な用語が使用される。しかし、本開示の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。記載される本開示の原理の装置、システム、方法、及びさらなる用途へのあらゆる変更及び改変は、本開示が関連する分野の当業者が通常考えつくであろうように、完全に考慮され、本開示に含まれる。特に、ある実施形態に関して説明した特徴、構成要素及び/又は工程は、本開示の他の実施形態に関して説明した特徴、構成要素、及び/又は工程と組み合わせられ得ることは完全に考慮される。しかしながら、簡潔さのために、このような多数の組み合わせの反復は別々に説明されない。
本明細書で使用する「柔軟な細長い部材」又は「細長い部材」は、患者の脈管構造内に挿入可能な任意の細長い柔軟な構造を少なくとも含む。本開示の「柔軟な細長い部材」の図示の実施形態は、柔軟な細長い部材の外径を定める円形断面プロファイルを有する円筒形状を有するが、他の例では、柔軟な細長い部材の全部又は一部が、他の幾何学的断面プロファイル(例えば、楕円形、長方形、正方形など)又は非幾何学的な断面プロファイルを有してもよい。柔軟な細長い部材は、例えば、ガイドワイヤ及びカテーテルを含む。カテーテルは、その長さに沿って延びる、他の器具を受け入れ及び/又はガイドするための管腔を含んでも含まなくてもよい。カテーテルが管腔を含む場合、管腔は、装置の断面プロファイルに対して中心にあってもオフセットされていてもよい。
大部分の実施形態では、本開示の柔軟な細長い部材は、1つ以上の電子部品、光学部品、電気光学部品を含む。例えば、限定するものではないが、柔軟な細長い部材は、圧力センサ、フローセンサ、温度センサ、撮像素子、光ファイバ、超音波トランスデューサ、反射器、ミラー、プリズム、アブレーション素子、RF電極、導体、及び/又はこれらの組み合わせのうちの1つ又は複数の種類の部品を含み得る。一般に、これらの部品は、柔軟な細長い部材が配置される血管又は解剖学的構造の他の部分に関連するデータを取得するように構成される。また、上記部品はしばしば、処理及び/又は表示のためにデータを外部装置に通信するように構成される。一部の態様では、本開示の実施形態は、血管の内腔内での撮像用の撮像装置(医療用途及び非医療用途の両方を含む)を含む。しかしながら、本開示の一部の実施形態は、人間の血管系との関連での使用に特に適する。血管内空間、特に人間の血管系の内壁の撮像は、超音波トモグラフィー(しばしば「IVUS」(intravascular ultrasound)及び「ICE」(intracardiac echocardiography)と呼ばれる)及び「OCT」(optical coherence tomography)を含む様々な異なる技術よって達成可能である。他の例では、赤外線、熱、又は他の撮像モダリティが利用される。
本開示の電子、光学、及び/又は電気光学部品は多くの場合、柔軟な細長い部材の遠位部内に配置される。本明細書で使用される場合、柔軟な細長い部材の「遠位部」は、中点から遠位端までの柔軟な細長い部材の任意の部分を含む。柔軟な細長い部材は中実であり得るので、本開示の一部の実施形態は、電子部品を収容するために遠位部分にハウジング部を含む。かかるハウジング部は、細長い部材の遠位部に取り付けられた管状構造であってもよい。一部の柔軟な細長い部材は、管状であり、電子部品を遠位部内に配置することを可能にする1つ以上の内腔を有する。
電子、光学、及び/又は電気光学部品並びに関連する通信線は、柔軟な細長い部材の直径を非常に小さくすることができるような大きさ及び形状を有する。例えば、本明細書に記載される1つ以上の電子、光学、及び/又は電気光学部品を含むガイドワイヤ又はカテーテルなどの細長い部材の外径は、約0.0007インチ(0.0178mm)〜約0.118インチ(3.0mm)であり、一部の具体的な実施形態では約0.014インチ(0.3556mm)、約0.018インチ(0.4572mm)、及び約0.035インチ(0.889mm)の外径を有する。したがって、本願の電子、光学、及び/又は電気光学部品を組み込んだ柔軟な細長い部材は、四肢の静脈及び動脈、腎動脈、脳の中及び周囲の血管、及び他の内腔を含め、心臓の一部又は直近の内腔に加えて、人間の患者内の様々な内腔での使用に適する。
本明細書で使用される「接続された」及びその類語は、直接接続、例えば他の要素に対して、他の要素の上に、他の要素の中に直接接着又は他の方法で固定すること、及び1つ以上の要素が接続される要素間に配置される間接接続を含む。
本明細書で使用される「固定された」及びその類語は、ある要素を他の要素に直接固定する方法、例えば他の要素に対して、他の要素の上に、他の要素の中に直接接着又は他の方法で固定すること、及び1つ以上の要素が固定される要素間に配置される、2つの要素を間接的に固定して一体化する技術を含む。
ここで図1を参照すると、血管内装置102及びステアリング装置110を含むシステム100が示されている。以下により詳細に説明するように、血管内装置102の近位部は、血管内装置102の遠位部を操作するためにステアリング装置110を利用できるよう、ステアリング装置110と係合される。これに関して、ステアリング装置110は、使い捨ての血管内装置の患者内での動作(例えば、多平面ステアリング、引き出し、前進、回転、及び/又はこれらの組み合わせ)を正確かつ厳密に制御するための人間工学的かつ直感的なコントローラをユーザに提供する。結果として、ステアリング装置110は、既存のアプローチに対して数多くの利点及び改良を提供し、非限定的な例として、全ての作動方向における片手操作/制御、簡単で直観的な機能的インターフェイス、速度及び角度変化を含む作動精度の改善、高速かつ制御された作動レスポンス、作動のために要求されるユーザの力の最小化(ユーザの快適さの代わりにモータの仕様によって作動強度が制限される)、様々なプロファイル/特性を有する多くの異なる種類の血管内装置とともに使用可能、安全ロック機能及びニュートラル・ポジション・リターン機能、最小曲げ半径、遠位端の操作時のボディ揺動の低減、トルク応答の向上、使い捨て可能、低コスト、より容易な製造可能性及び組立性、様々な特殊化装置の簡単な製造及び/又は組立てを容易にするモジュラ構成要素が挙げられる。
ステアリング装置110は、また、装置の機能性及び付随するユーザ体験をさらに改善するために、様々な高度制御機能を用いて実装され得る。例えば、ステアリング装置110は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る:制御された態様で位置及び/又は作動角を記憶し呼び出すためのメモリ、ニュートラル血管内装置位置として異なる位置を設定することを可能にすることを含む、ホーム(ニュートラル)位置に対する血管内装置の位置/作動角に関する正確なフィードバックをユーザに提供すること、リモートユーザによってステアリング装置を制御することを可能にすること(例えば、システムコンソール、別の部屋、及び/又は世界中にいるユーザ)、マルチレベル動作制御(例えば、粗い、細かいなど)、苦情処理及び/又はケースドキュメンテーションのための動作使用のロギング、撮像素子を有する血管内装置と併せて使用する場合において血管、心臓、又は他の構造の自動3D解剖学的マッピングを提供すること、及び装置の初回使用及び再処理後の繰り返し使用の両方についてのインライン較正(in line calibration)による一貫した装置制御を生成すること(これはユニット毎のバラツキを低減し、ステアリング装置及び/又は血管内装置の摩耗の影響を補償することを可能にする)。
血管内装置102は、遠位端に隣接する遠位部104と、近位端に隣接する近位部106とを有する柔軟な細長い部材を含む。構成要素108は、遠位端の近位であって、細長い部材の遠位部104内に配置される。一般に、構成要素108は、1つ以上の電子、光学、又は電気光学部品を表す。これに関して、構成要素108は、撮像素子、光ファイバ、超音波トランスデューサ、反射器、ミラー、プリズム、アブレーション素子、RF電極、圧力センサ、フローセンサ、温度センサ、導体、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。構成要素又は構成要素の組み合わせの具体的な種類は、血管内装置の用途に基づいて選択され得る。一部の場合では、構成要素108は、遠位先端105から10cm未満、5未満、又は3cm未満の位置にある。一部の場合では、構成要素108は、血管内装置102のハウジング内に配置される。これに関して、ハウジングは、柔軟な細長い部材に固定された別個の構成要素であってもよい。他の例では、ハウジングは、柔軟な細長い部材の一部として一体的に形成される。
一部の場合では、血管内装置102はさらに、装置の近位部106に隣接するコネクタを含む。これに関して、コネクタは、柔軟な細長い部材の近位端にあってもよく、又は柔軟な細長い部材の近位端から離れていてもよい。一般に、近位端からの距離は、柔軟な細長い部材の全長の0%〜50%であり得る。柔軟な細長い部材の全長は任意の長さとすることができるが、一部の実施形態では、全長は約1300mm〜約4000mmであり、一部の特定の実施形態は1400mm、1900mm、及び3000mmの長さを有する。したがって、場合によっては、コネクタは近位端に配置される。他の場合では、コネクタは近位端から離れている。例えば、一部の場合では、コネクタは、近位端から約0mm〜約1400mm離れている。一部の特定の実施形態では、コネクタは、近位端から0mm、300mm、及び1400mmの距離だけ離れている。一部の実施形態では、コネクタは、血管内装置102がステアリング装置110と結合されたときに、コネクタが、ステアリング装置110内の相手側コネクタと係合するように、血管内装置102の近位端に、又は近位端に隣接して配置される。他の実施形態では、コネクタは血管内装置102の近位端から離れている。この場合、血管内装置102がステアリング装置110と結合されたとき、コネクタはステアリング装置110外に位置し、これは、コネクタと、ステアリング装置110とは別個の相手側コネクタとの選択的結合を可能にすることができる。
コネクタは、血管内装置102と他の装置との間の通信を容易にするように構成される。より具体的には、一部の実施形態では、コネクタは、構成要素108によって得られたデータを、コンピュータ装置又はプロセッサなどの他のデバイスに伝送することを容易にするように構成される。したがって、一部の実施形態では、コネクタは電気コネクタである。このような場合、コネクタは、血管内装置102の長さに沿って延び、構成要素108に電気的に結合される1つ以上の導電体への電気接続を提供する。一部の実施形態では、導電体は、柔軟な細長い部材のコア内に埋め込まれる。他の実施形態では、コネクタは光学コネクタである。このような場合、コネクタは、血管内装置102の長さに沿って延び、構成要素108に光学的に結合される1つ以上の光通信経路(例えば、光ファイバケーブル)への光学的接続を提供する。同様に、一部の実施形態では、光ファイバは、柔軟な細長い部材のコア内に埋め込まれる。さらに、一部の実施形態では、コネクタは、構成要素108に結合された導電体及び光通信経路の両方への電気的及び光学的接続の両方を提供する。これに関して、構成要素108は、複数の要素から構成され得ることに留意されたい。コネクタは、直接又は間接的に他のデバイスへの物理的接続を提供するように構成され得る。また、コネクタは、血管内装置102と他の装置との間の無線通信を容易にするように構成され得る。一般に、現在の又は将来開発される任意の無線プロトコルが利用され得る。他の場合では、コネクタは、他のデバイスへの物理的及び無線的接続の両方を容易にする。
上述したように、一部の場合では、コネクタは、血管内装置102の構成要素108と外部装置との間の接続を提供する。したがって、一部の実施形態では、コネクタと構成要素108との間の通信を容易にするために、1つ以上の導電体、1つ以上の光路、及び/又はこれらの組み合わせが、コネクタと構成要素108との間の血管内装置102の長さに沿って延びる。一般に、任意の数の導電体、光路、及び/又はこれらの組み合わせが、コネクタと構成要素108との間の血管内装置102の長さに沿って延在し得る(コアに埋め込まれていてもいなくてもよい)。一部の場合では、近位部106にあるコネクタと遠位部104にある構成要素108との間の血管内装置102の長さに沿って、1本〜10本の導電体及び/又は光路が延びる。血管内装置102の長さに沿って延びる通信路の数並びに導電体及び光路の数は、構成要素108の所望の機能性、及びかかる機能性を提供するよう構成要素108を規定する対応する要素によって決定される。
上述したように、ステアリング装置110は、血管内装置102の近位部106とインターフェイス接続することによって血管内装置102の遠位部104の動きを制御するように構成される。これに関して、ステアリング装置110は、血管内装置102の遠位部104の1つ以上の次元における動きを制御するように構成され得る。例えば、図2〜図5は、ステアリング装置110によって制御され得る様々なタイプの動きを示す。図2を参照すると、第1の次元(例えば、ステアリング装置110に対して上下)における血管内装置102の遠位部104の動きを制御するステアリング装置110が示されている。図3を参照すると、図2に示される第1の次元に対して垂直な第2の次元(例えば、ステアリング装置110に対して左右)における血管内装置102の遠位部104の動きを制御するステアリング装置110が示されている。図2及び図3は、上記次元における血管内装置102の遠位部104の具体的かつ例示的なずれを示しているが、特定の方向におけるステアリング装置110の作動は、ユーザが与えた作動量に依存して、血管内装置102の遠位先端をその方向において0度〜180度(又はそれ以上)動かし得る。したがって、一部の実施形態では、特定の方向におけるステアリング装置110の連続的作動は、血管内装置102の遠位部104を、血管内装置102のより近位の部分に接触及び/又はループさせ得る。
図4を参照すると、図2及び図3に示される次元に対して垂直な第3の次元(例えば、ステアリング装置110に対して前後)における血管内装置102の遠位部104の動きを制御するステアリング装置110が示されている。特に、図4は、血管内装置の長軸に沿った血管内装置102の並進移動を制御するステアリング装置110を示す。一部の実施形態では、ステアリング装置110は、距離、速度、及び/又はこれらの組み合わせなどに関して、患者内の血管内装置102の前進又は後退を正確に制御するために利用され得る。これに関して、ステアリング装置110は、患者内の関心領域のある長さにわたってデータを取得するためにプルバック手順を実行するために利用され得る。
図5を参照すると、血管内装置の長軸を軸とした血管内装置102の遠位部104の回転を制御するステアリング装置110が示されている。一部の実施形態では、ステアリング装置110を利用して、血管内装置102の遠位部104の回転位置を正確に制御し、血管内装置の遠位部104を所望の態様で狙う又は位置決めすることを容易にすることができる。例えば、これは、アブレーション処置、センシング要素の再配置(例えば、圧力センサの周囲開口部が血管壁に対して配置されている場合、血管内装置の遠位部の回転により、開口部を血管の中心に向かうよう移動させ、圧力測定の精度を高めることができる)、及び/又は血管内装置102の回転方向の向きが診断及び/又は治療に影響を及ぼす可能性のある他のケースにおいて有用であり得る。
ステアリング装置110は、図2〜図5に示される態様のうちの1つ又は複数の態様で、血管内装置102の遠位部104の動きを制御するように構成され得る(一部の実施形態では、全ての態様を含む)。ステアリング装置110が制御するように構成される特定の動きは、ステアリング装置とともに使用される血管内装置の種類、ユーザの好み、及び/又は他の要因に基づいて選択され得る。さらに、様々なタイプの電気機械的、機械的、空気的、光機械的部品、及び/又はこれらの組み合わせをステアリング装置110において利用して、血管内装置102の近位部106に力を加えて、血管内装置102の遠位部104の所望の方向における動きを制御してもよい。いくつかの例示的なアプローチ及び構成要素を以下で説明するが、この記載は、上記のような動きを与えるためにステアリング装置110において利用可能なアプローチ又は構成要素のタイプを限定するものではない。
図6A〜図14Bを参照して、ステアリング装置110のさらなる詳細を説明する。最初に図6Aを参照すると、ステアリング装置110は、近位部114及び遠位部116を有するハウジング112を含む。ハウジング112は、ユーザが片手で把持できるような大きさ及び形状を有する。ハウジング112は、本開示に示されるもの以外の手持ち使用に適した多くの異なる幾何学的形状を有することができることが理解される。ステアリング装置110はまた、ハウジング112に結合されたステアリングコントローラ118を含む。ステアリングコントローラ118は、非限定的な例として、ジョイスティック(図示)、ダイヤル、トラックパッド、スクロールホイール、タッチスクリーン、及び/又はこれらの組み合わせを含む任意の適切なタイプのコントローラとすることができる。要するに、ステアリングコントローラ118は、血管内装置102の遠位部104の所望の動きを示すユーザ入力を受け取ることができなければならない。ステアリングコントローラ118は、場合によっては複数の制御を含み得る。例えば、ステアリングコントローラ118は、各次元毎に別個の制御を、又は次元の組み合わせ(例えば、x−y運動のための制御)のために別個の制御を含み得る。
単一の親指ジョイスティックは、血管内装置102の遠位部の全方向における操作を制御するのに特に適している可能性がある。これに関して、ジョイスティック回路は、デジタルボタンピンプレス機能を備えた二軸ポテンショメータ設計を含み得る。ジョイスティック回路は、マイクロコントローラに接続され得る。ソフトウェア及び/又はファームウェアのコーディングにより、単一のジョイスティックを使用してさまざまな機能が制御され得る。例えば、単一のクリック、ダブルクリック、一定時間の押下などを使用して、ジョイスティックを異なる機能/制御間で切り替えることができる。しかし、ユーザのための利便性及び使いやすさのために、ジョイスティックに加えて、特定のハンドル機能を制御する追加のボタン(例えば、オン/オフスイッチ、ロックボタンなど)が設けられてもよい。
図6B、図6C、図13B、及び図14Bに示されるように、ステアリングコントローラ118は、マウント120に結合される。マウント120は、ハウジング112に結合される。マウント120は、ステアリングコントローラ118がマウント120上に配置されたときに、ステアリングコントローラ118がハウジング112に対して所望の向きに配置されるような大きさ及び形状を有する。これに関して、マウント120の構造は、ハウジング112に対するステアリングコントローラ118の所望の位置合わせを容易にするよう、ステアリングコントローラ118及び/又はハウジングの構造的側面に基づいて選択され得る。図示の実施形態では、マウント120はハウジング112に結合される。具体的には、マウント120は、複数のキー付きインターフェイス(センタリングのためのマウント120の下の円形キー付きインターフェイス、及び垂直アライメント及び回転防止のための側壁を有する水平キー付きインターフェイス)の補助を得て、下側ハウジング部分112bに結合される。
図6B、図6C、図7、図13B、及び図14Bに示されるように、ステアリング装置110は、プルワイヤホイール122及び124、プルワイヤ123及び125(図6C)、モータ126及び128、取付構造130及び132、並びにガイドピン134及び136を含む。これに関して、モータ126はプルワイヤホイール122に結合され、血管内装置102の第1の次元(例えば、上下)の動きを制御する一方、モータ128はプルワイヤホイール124に結合され、血管内装置102の第2の次元(例えば、左右)の動きを制御する。モータ126及び128は、ハウジング112に結合された取付構造130及び132上に取り付けられる。マウント構造130及び132は、モータ126及び128が取付構造130及び132上に配置されたときに、モータ126及び128にそれぞれ取り付けられたプルワイヤホイール122及び124が、ガイドピン134及び136に対して所望の位置に配置されるようなサイズ及び形状を有する。これに関して、ガイドピン134及び136は、血管内装置102の近位部106と接するプルワイヤ123及び125に張力をかけるために利用され得る。
より具体的には、プルワイヤ123及び125は、血管内装置102がステアリング装置110内に収容されたとき、プルワイヤ123及び125が血管内装置102の近位部と接するよう、プルワイヤホイール122及び124を出て、ガイドピン134及び136のまわりに通される。プルワイヤ123及び125をプルワイヤホイール122及び124に誘導するための安全かつ制御された経路を提供するために、ガイドピン134及び136はハウジング112内にスロットされてもよい。ガイドピン134及び136は、プルワイヤ123及び125の角度及び経路を制御するために、様々な幾何学的形状を有し得る。ステアリング装置110は、ガイドピン134及び136に加えて又は代えて、溝、スロット、突起、テーパ、及び/又はプルワイヤ123及び125を安全に誘導するためにハウジング112の一部として一体的に形成された他の構造を含み得る。
ステアリングコントローラ118へのユーザ入力に応じてモータ126及び128を選択的に作動させることにより、プルワイヤ123及び125に特定の方向(ユーザ入力に対応するモータ及び関連するプルワイヤホイールの回転方向)に張力が加えられ、血管内装置102の近位部106が対応する態様で動かされ、血管内装置102の遠位部104が動がされる。図示の実施形態では、血管内装置の長軸に対して垂直な平面内の全方向における血管内装置のステアリングを助けるために、2つの異なるモータ126及び128に取り付けられた2つのプルワイヤホイール122及び124が、単一のステアリングコントローラ118(図示の実施形態では二軸ポテンショメータを備えたジョイスティック)によって制御される。
図12A〜図12Cは、プルワイヤホイール122及び124の追加の側面を示す。プルワイヤホイール122及び124は、反復可能な態様でステアリング精度を容易にするような大きさ及び形状を有する。プルワイヤ123及び125に接触する全ての表面は、とがった箇所がプルワイヤ材料に食い込むのを防ぐために、丸められ又は湾曲を付されている。プルワイヤホイール122及び124は、モータ126及び128とインターフェイス接続するように構成される。これに関して、プルワイヤホイール122及び124は、モータ126及び128の対応するノッチ付き又はキー付きホイールと係合するノッチ付き又はキー付き開口部200を含む。
プルワイヤホイール122及び124はまた、部分的に包囲されるプルワイヤトラック206と連結するアンカー構造202及び204を含む。これに関して、内部プルワイヤトラック206は、血管内装置102が様々な方向に操作され、プルワイヤが緩和状態及び張った状態を繰り返す際のプルワイヤ123及び125のずれを防止する。内部プルワイヤトラック206はまた、複数の動作を通して、張った状態のプルワイヤのホイール自体に対する位置が一貫していることを保証し、血管内装置102の近位端に対するホイールのより柔軟な配置を可能にする。プルワイヤ123及び125は、プルワイヤホイール122及び124の内部プルワイヤトラックを通り、アンカー構造202及び204の周囲に固定され、終端する。
プルワイヤホイール122及び124は、プルワイヤ123及び125が血管内装置102の近位端とインターフェイス接続するためにガイドピン134及び136まで延びるために通る開口部208を含む。これに関して、開口208の角度は、ステアリング装置110の作動を最大にするように最適化され得る(例えば、特定の方向に操作するときに生成される最大の正味の力を達成するように)。最適な角度は、プルワイヤホイール122及び124へのプルワイヤ123及び125の経路、血管内装置102の近位端に対するプルワイヤホイール122及び124の相対位置、及び使用されるモータのレンジなどの要素に依存する。
モータ126及び128は、ステッパモータ、サーボモータ、及び/又は他の適切なモータを含み得る。モータは、ハウジングに取り付けられた若しくはハウジングと一体的に形成された固定ブラケット、又は着脱可能ブラケットに取り付けられ、例えば、ハウジング112に着脱可能に結合された(例えば、キー付きインターフェイス又はインターロックインターフェイスを介して)取付構造130及び132に取り付けられ得る。着脱可能ブラケットの使用は、ステアリング装置110のためのモータ選択及び作動設計においてより大きな柔軟性を与えることができる。例えば、様々な異なるモータ及び/又は同じハウジング112内で使用される他の作動機構とともに使用するために、いくつかの異なる取付構造を設けることができる。
さらに、一部の例では、アクチュエータシステムの一部の又は全ての構成要素(例えば、モータ126及び128、取付構造130及び132、及び/又はガイドピン134及び136)は、ハウジング112の長さに沿って延びるレール又はトラックに取り付けられてもよい。これに関して、アクチュエータシステムは、ハウジング112の長さに沿って動かされ、単独で又は他の方向の運動と組み合わせて、血管内装置の並進運動を容易にすることができる。アクチュエータシステムの移動は、モータに結合されたギア及びチェーン機構又は他の適切な並進機構を使用して達成され得る。ステアリング装置110によって並進作動が提供される場合、ステアリング装置110は、ステアリングコントローラ118から所望の並進運動に関する入力を受け取り得る。一部の例では、z方向ステアリング入力(すなわち、前後)とxyステアリング入力(すなわち、上下、左右)を区別するために、ステアリングコントローラ118の動作モードが選択/変更される。あるいは、ステアリング装置は、所望の並進動作に関する入力を受信するための別個のコントローラを含み得る。例えば、図15Aは、血管内装置102の並進運動を制御するための別個のコントローラ210を有するステアリング装置110を示す。図示の実施形態では、コントローラ210はスクロールホイールであるが、ジョイスティック、ダイヤル、トラックパッド、タッチスクリーンなどの他のコントローラを利用することもできる。
ステアリング装置110によって回転作動が提供される場合、ステアリング装置110は、ステアリングコントローラ118から所望の回転運動に関する入力を受け取り得る。一部の例では、回転方向ステアリング入力(すなわち、血管内装置の長軸を軸として時計回り又は反時計回り)とxyz次元ステアリング入力(すなわち、前後、上下、左右)を区別するために、ステアリングコントローラ118の動作モードが選択/変更される。あるいは、ステアリング装置は、所望の回転動作に関する入力を受信するための別個のコントローラを含み得る。例えば、図15Bは、血管内装置102の回転運動を制御するための別個のコントローラ212を有するステアリング装置110を示す。図示の実施形態では、コントローラ212はスクロールホイールであるが、ジョイスティック、ダイヤル、トラックパッド、タッチスクリーンなどの他のコントローラを利用することもできる。さらに、図15Cは、血管内装置102の並進運動及び回転運動をそれぞれ制御するための別個のコントローラ210及び212を有するステアリング装置110を示す。
スクロールホイールによって付与される回転の範囲は、血管内装置のオーバートルクを防止するために制限され得る。これに関して、回転範囲は、機械的及び/又は電子的に制限され得る。例えば、スクロールホイールは、血管内装置の回転がスクロールホイールの動作範囲に直接比例するよう、血管内装置への機械的インターフェイスを提供し得る。このような場合、スクロールホイールは、スクロールホイールの動きの範囲を所望の範囲(例えば、90度、180度、270度、360度、450度、540度、又は他の適切な範囲)に制限するストッパーを含み、これにより、血管内装置の回転範囲を制限する。
同様に、回転範囲は、電気機械的インターフェイスを回転を制御するために利用して電子的に制御されてもよい。例えば、スクロールホイールへの入力が、血管内装置の回転を引き起こすためのモータ及びキー付き/ギア付きインターフェイスの対応する作動に変換される場合、モータの範囲は、所望の回転範囲内に留まるように電子的に制限され得る。場合によっては、回転範囲に制限はない。例えば、一部の実施形態では、血管内装置又はその一部(例えば、内部駆動シャフト)を繰り返し回転させることが望ましい可能性がある。このような場合、高速回転作動が望まれる場合はDCモータが使用され得る(例えば、血管内装置の遠位部分に配置された、rVUSトランスデューサ又はOCT素子などの撮像素子に結合された駆動シャフトを回転させる場合)。
図6B、図6C、図7、図10A、図10B、図11A、図11B、図13B、及び図14Bに示されるように、血管内装置102の近位部106とステアリング装置110との確実かつ着脱可能な係合を容易にするために、ステアリング装置110はアダプタ138を含む。アダプタは、血管内装置を受け入れる大きさ及び形状を有するハウジング112の遠位部の開口部内に配置される。しかし、ハウジング112の開口部は、ステアリング装置110が様々な異なる血管内装置とともに使用され得るように、様々なサイズの血管内装置を受け入れるのに十分な大きさを有してもよい。したがって、アダプタ138のサイズは、ステアリング装置110が使用される特定の血管内装置に基づいて選択され得る。これに関して、一部の例では、ステアリング装置110は、ユーザがステアリング装置内の適切なアダプタ138を選択して設置できるように、様々なサイズの複数のアダプタ138を備える。
図10A及び図10Bは、自身を貫通するボア190を有するアダプタ138の実施形態を示す。ボア190は、血管内装置の近位端がボア190を通って、ステアリング装置110のステアリングアクチュエータとインターフェイス接続することを可能にするような大きさ及び形状を有する(例えば、図6Cに示されるように)。しかし、ボア190はまた、血管内装置102とステアリング装置110との係合が維持されるよう、血管内装置102の近位部との締まり嵌めを提供することを可能にする大きさ及び形状を有する。したがって、一部の実施形態では、ボア190は、血管内装置102の近位部106の外径以下のサイズを有する。これに関して、アダプタ138は、血管内装置102をアダプタ138に対して選択的に挿入及び取り外しできるように、アダプタ138の僅かな変形(例えば、ボア190の拡張)を可能にするのに十分な可撓性を有する材料で形成され得る。
図11A及び図11Bは、自身を貫通する可変ボア192を有するアダプタ138の実施形態を示す。特に、ボア192は、セクション194及びセクション196を含む。セクション194は、図示のように、セクション196よりも大きな直径を有する。一部の実施形態では、セクション194及び196は、血管内装置の異なる部分を受け入れかつ/又は該部分と係合するように構成される。例えば、セクション194は、血管内装置の外側スリーブ又はジャケットを受け入れるような大きさ及び形状を有する一方、セクション196は、血管内装置の内側シャフトを通過させ、ステアリング装置110のステアリングアクチュエータとインターフェイス接続することを可能にするような大きさ及び形状を有し得る。一部の具体的実施形態では、セクション194は、外側スリーブ又はジャケットがアダプタ138に対して回転可能であるよう、外側スリーブ又はジャケットと緩く係合する一方、セクション196は血管内装置の内側シャフトと締まり嵌めする。このようなインターフェイスを使用することにより、血管内装置の外側スリーブ又はジャケットを、分離防止用のキー付きインターフェイスを介して、ステアリング装置110に対して適所に保持しつつ、外側スリーブ又はジャケットの回転作動を可能にすることができる。
図示の実施形態では、アダプタ138はハウジング112内に配置される。しかし、一部の実施形態では、アダプタ138は、外部ハンドルハウジングの遠位端に取り付け可能な別個の構成要素の一部である。この場合、プルワイヤホイール122及び124に関連付けられたプルワイヤ123及び125は、アダプタ138を含む別個の構成要素の対応するプルワイヤとインターフェイス接続するための係合機構を含み得る。このようにして、ステアリングワイヤを備えた汎用ハンドルを提供することができ、そして、異なる種類及びサイズの血管内装置のための適切なサイズのアダプタを備えた複数の別個のアドオン部品を提供することができる。プルワイヤ及び係合要素は、取り付けを容易にするために、取付可能アダプタの表面及びハウジングの遠位表面に沿って互いに整列して配置され得る(例えば、一度のクリック及び回転によって、全てのプルワイヤを互いに係合させ、アダプタをハウジング112に対して適所にしっかりとロックすることができる)。取付可能モジュラシャフトアダプタの概念は、製造中、再処理中、及び/又は診断/治療処置中における、様々なシャフトタイプ及び装置の迅速な交換及び即時のハンドル合体を可能にする。
図6B、図6C、図7、図13B、及び図14Bに示されるように、ステアリング装置110は、マイクロコントローラ140を含む。マイクロコントローラ140は、ロジックを制御し、ステアリング装置110の作動及び/又は高度機能に必要なデータ及び/又はプログラムコードを格納するために利用され得る。これに関連して、マイクロコントローラ140は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア要素、又は本明細書に記載される機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせを使用して実装され得るプロセッサを含み得る。プロセッサはまた、コンピュータデバイスの組み合わせとして実装されてもよく、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は他のかかる構成として実装されてもよい。
マイクロコントローラ140はメモリを含み、該メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、RAM内のフラッシュメモリデバイス、光学記憶媒体、EPROM(erasable programmable read−only memory)、レジスタ、又はこれらの組み合わせ(非一時的コンピュータ可読媒体も含む)を含み得る。マイクロコントローラ140のメモリ内には、マイクロコントローラのプロセッサによって実行可能な命令又はコードが格納され得る。「命令」及び「コード」という用語は、あらゆる種類のコンピュータ可読ステートメントを含むよう広く解釈されるべきである。例えば、「命令」及び「コード」という用語は、1つ又は複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャなどを指し得る。「命令」及び「コード」は、単一のコンピュータ可読ステートメント又は多数のコンピュータ可読ステートメントを含み得る。
マイクロコントローラ140は、ステアリング装置110によって提供される全範囲のステアリング作動のために必要なモータ及び/又は他のアクチュエータに電力を供給し得る。マイクロコントローラ140は、外部装置(例えば、処理システム、コンソールなど)との有線インターフェイスを介して、又はハウジング112内の充電式電源(例えば、1つ以上のバッテリ、コンデンサなど)を介して電力を供給され得る。この目的のために、ハウジング112内でマイクロコントローラ140が載置される取付構造142は、1つ以上の電源であってもよい、かつ/又は1つ以上の電源を含んでもよい。あるいは、電源は、ハウジング112内の他の場所に配置されてもよく、かつ/又はハウジング112に取り外し可能に結合されてもよい。
図6Aに示されるように、ステアリング装置110は、表示灯144、146、及び148を含み得る。表示灯144、146、及び148は、ステアリング装置110及び/又は血管内装置102の状態に関して、ユーザに様々な指標を提供し得る。表示灯144、146、及び148は、ユーザへの他の通知、例えば関連付けられた処理システムのグラフィカルユーザインターフェイスを介する通知に加えて提供され得る。表示灯はユーザに多様な通知を提供することができ、非限定的な例としては、オン/オフ、デバイスがHOMEポジションにある、デバイスがSTOREDポジションにある、デバイスがHOMEに移動中、デバイスがSTOREDポジションに移動中、デバイスのポジションがロックされている、特定方向においてモータが最大ポジションにある、などが挙げられる。これに関して、表示灯144、146、及び148は、マイクロコントローラ140の一部であってもよく、又はマイクロコントローラ140と通信可能であってもよく、それにより、マイクロコントローラ140が表示灯144、146、及び148の作動/状態を制御してもよい。
表示灯144、146、及び148に加えて、又はその代わりに、ステアリング装置110は、聴覚及び触覚通知を含む他のインジケータを含むことができる。例えば、一部の実施形態では、ステアリング装置110は、血管内装置の遠位部にある力センサ(血管内装置の遠位部にかかる力/圧縮の量をモニタする)、及び/又は、プルワイヤ及び/又はプルワイヤホイールアンカーの張力の量をモニタする力センサに基づいて、ユーザに力に関するフィードバックを提供するよう構成される。その後、力の測定結果は、1つ又は複数の振動モータを介してユーザに伝達され、よって、触覚フィードバックが生成され得る(振動位置及び大きさは、センサが所定の閾値を超える力を検出すること及び/又は力の測定結果の大小に依存して異なり得る)。また、力の測定結果は、関連付けられた処理システムのグラフィカルユーザインターフェイスを介して、1つ又は複数の表示灯の点灯を介して、及び/又は可聴の警告/警報を介してユーザに伝達されてもよい。また、プルワイヤ張力測定結果は、オリジナルの較正/使用からの値と比較して、最大モータレンジでの最大作動力の著しい低下を特定することによって、特定のステアリング装置110を較正/修理する必要があるかどうかを識別するために使用することもできる。
緊密かつ複雑な解剖学的構造への操作が含まれる場合には、血管内装置102をステアリング装置110から分離する必要性がある可能性がある(例えば、ステアリング装置が、血管内装置の安全な回収を妨げる特定の方向及び角度で作動された状態で行き詰った場合)。したがって、ステアリング装置110は、患者から血管内装置102を安全に取り除くために、血管内装置102のステアリング装置110からの離脱を容易にする特徴を含むことができる。例えば、ステアリング装置は、電気的、ソフトウェア的、及び/又は機械的なフェイルセーフ要素を含むことができる。電気的フェイルセーフは、装置の使用中にソフトウェア/ハードウェアがハングした場合に、ソフトウェアロジック/電気的ハードウェアをリセットするためのON/OFFスイッチ又は物理的リセットボタンを含み得る。機械的フェイルセーフは、ハウジング112内の内蔵ブレードを含み、これは、ハウジング112の外面から浅い空洞を介して作動/押されると、ホイールの前のプルワイヤ123及び125を切断し、血管内装置102に作用する全ての張力を解放し、血管内装置102が取り除きのために緩んだ中立位置に戻ることを可能にする。同様に、上述の取付可能モジュラシャフトアダプタ(すなわち、アダプタ138がハウジング112に結合可能な別個の要素の一部である)が、機械的フェイルセーフとして同時に機能することができる。これに関して、血管内装置102をリラックスさせてプルワイヤの張力を解放する必要がある場合、ユーザは単純に、モジュラシャフトアダプタを、プルワイヤ係合インターフェイスとともに外して張力を解放することができる。
図8及び図9は、ハウジング112の追加の特徴を示す。ハウジング112は、上部112a及び底部112bを含む。上部112a及び底部112bは、互いに結合してハウジング112を画定するように構成されている。これに関して、インターロック、スナップフィット、機械的固定具、接着剤、及び/又はこれらの組み合わせを含む任意の適切な結合手段が利用され得る。上部112a及び底部112bはそれぞれ、ステアリング装置の他の構成要素とインターフェイス接続するのに適した大きさ及び形状の特徴を含む。
例えば、上部112aは、プルワイヤホイール122及び124、プルワイヤ123及び125、モータ126及び128、取付構造130及び132、並びにガイドピン134及び136を収容する部分152を有するキャビティ150を含む。上部112aのキャビティ150はまた、マイクロコントローラ140及び取付構造142を収容するのに適した大きさ及び形状の部分154を含む。上部112aの遠位セクションは、開口部158及び凹部156を含む。上部112aは、ステアリングコントローラ118が通過できる大きさの開口部160と、表示灯144、146、及び148のための開口部164、166、及び168とを含む。
底部112bは、プルワイヤホイール122及び124、プルワイヤ123及び125、モータ126及び128、取付構造130及び132、並びにガイドピン134及び136を収容する部分172を有するキャビティ170を含む。底部112bのキャビティ170はまた、マイクロコントローラ140及び取付構造142を収容するのに適した大きさ及び形状の部分154を含む。底部112bの遠位セクションは、開口部178及び凹部176を含む。合わせて、凹部156及び176は、アダプタ138が収容されるキャビティを画定する。同様に、開口部158及び178は、血管内装置102がステアリング装置110に挿入されるために通過する開口部、より具体的には、血管内装置102の近位部がアダプタ138内のボアを通って延びるために通過する開口部を画定する。同様に、キャビティ150及び170は、ステアリング装置110の他の構成要素を収容して取り付けるための空間を画定する。上述したように、ハウジング112は、ユーザが片手で把持できるような大きさ及び形状を有し、本開示に示されたもの以外のハンドヘルド使用に適した多くの異なる幾何学的形状を有し得る。
ステアリング装置110は、1つ又は複数の外部装置及び/又は処理システムと通信するように構成され得る。これに関して、外部装置及び/又は処理システムとの通信は、ステアリング装置110の動作を制御するために、ステアリング装置によって付与されたステアリング/作動に関するフィードバックを提供するために、及び/又は血管内装置102及び/又はステアリング装置110に関連付けられたセンシング要素からデータを受信するために使用され得る。物理的接続(電気的、光学的、及び/又は流体接続を含む)、無線接続、及び/又はこれらの組み合わせなど、ステアリング装置110と外部装置及び/又は処理システムとの間の任意の通信経路が利用され得ることが理解される。これに関して、接続は場合によっては無線であることが理解される。したがって、マイクロコントローラ140は、ハウジング112内に配置された無線トランシーバを含んでもよく、又は該無線トランシーバと通信可能であってもよい。場合によっては、接続は、ネットワーク(例えば、イントラネット、インターネット、電気通信ネットワーク、及び/又は他のネットワーク)を介した通信リンクを含む。これに関して、外部装置及び/又は処理システムは、ステアリング装置110が使用される場合がある処置室から離れた場所に配置されてもよいことが理解される。接続がネットワークを介する接続を含む場合、外部装置及び/又は処理システムが隣接する部屋にあるか、隣接する建物にあるか、又は異なる州/国にあるかに関係なく、ステアリング装置110と外部装置及び/又は処理システムとの間の通信を容易にすることができる。さらに、ステアリング装置110と外部装置及び/又は処理システムとの間の通信経路は、場合によってはセキュア接続であることが理解される。さらに、場合によっては、ステアリング装置110と外部装置及び/又は処理システムとの間の通信経路の1つ又は複数の部分を介して通信されるデータは暗号化されることが理解される。
当業者は、上述した装置、システム、及び方法は様々に変更され得ることを認識するであろう。したがって、当業者は、本開示が包含する実施形態は、上記の具体的な実施形態の例に限定されないことを理解するであろう。説明のための実施形態が図示及び記載されているが、上記の開示内容は様々な改変、変更、及び置換を考慮に入れるものである。このような変更は、本開示の範囲から逸脱することなく上記になされ得ることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示に従って広範に解釈されることが妥当である。