JP2019218293A - 固形粉末化粧料 - Google Patents

固形粉末化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP2019218293A
JP2019218293A JP2018116171A JP2018116171A JP2019218293A JP 2019218293 A JP2019218293 A JP 2019218293A JP 2018116171 A JP2018116171 A JP 2018116171A JP 2018116171 A JP2018116171 A JP 2018116171A JP 2019218293 A JP2019218293 A JP 2019218293A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
component
mass
solid powder
average particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018116171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7129237B2 (ja
Inventor
和博 蔵之上
Kazuhiro Kuranoue
和博 蔵之上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=69095916&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2019218293(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2018116171A priority Critical patent/JP7129237B2/ja
Publication of JP2019218293A publication Critical patent/JP2019218293A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7129237B2 publication Critical patent/JP7129237B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】表面をスポンジ等の塗布具で擦った後に凝集物が発生せず、きれいな外観が維持される固形粉末化粧料を提供する。【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):(A)体積平均粒子径1〜50μmの有機球状粉体表面が、酸化亜鉛及び酸化チタンから選ばれる1種又は2種以上の無機粉体で被覆された複合有機球状粉体 1〜30質量%、(B)窒化ホウ素 0.5〜30質量%、(C)25℃で液状の油成分 0.1〜30質量%を含有する固形粉末化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、固形粉末化粧料に関する。
化粧料においては、紫外線防御のために、酸化亜鉛や酸化チタンが用いられている。しかしながら、これらの酸化亜鉛や酸化チタンは、化粧料に単に配合して用いると、のびが悪くなるため、有機球状粉体と複合化して用いることが実用化されている。
例えば、特許文献1には、有機球状粉末の表面に酸化チタンまたは酸化亜鉛の無機粉末粒子を60%以上担持した複合粉末を配合した化粧料が、紫外線遮断効果に優れ、肌の上の伸びや広がりが良く、自然な仕上がりが得られることが記載されている。また、特許文献2には、球状酸化亜鉛又は微粒子酸化亜鉛を表面に付着させた球状粉体を含有する粉体化粧料が、肌上でののびが良く、毛穴や小じわ等を目立たなくし、化粧持ちに優れることが記載されている。さらに、特許文献3には、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー粒子の表面に酸化亜鉛を被覆した複合粉体を含有する凹凸補正用固形化粧料が、凹凸補正効果、肌の透明感、使用感触に優れることが記載されている。
特開2012−229168号公報 特開平8−217637号公報 特開2014−62075号公報
本発明者は、酸化亜鉛や酸化チタンと有機球状粉体とを配合した場合や、酸化亜鉛や酸化チタンと有機球状粉体との複合粉体を配合した場合においても、プレスして成形した固形粉末化粧料は、表面をスポンジなどで擦ると、凝集物が発生するという課題を見出した。
本発明者は、複合有機球状粉体と、窒化ホウ素を組合わせて用いれば、表面をスポンジ等の塗布具で擦った後に凝集物が発生せず、きれいな外観が維持される固形粉末化粧料が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)体積平均粒子径1〜50μmの有機球状粉体表面が、酸化亜鉛及び酸化チタンから選ばれる1種又は2種以上の無機粉体で被覆された複合有機球状粉体 1〜30質量%、
(B)窒化ホウ素 0.5〜30質量%、
(C)25℃で液状の油成分 0.1〜30質量%
を含有する固形粉末化粧料に関する。
本発明の固形粉末化粧料は、表面をスポンジ等の塗布具で擦った後に凝集物が発生せず、きれいな外観が維持される。また、のびが良く、粉っぽくなく、きめ細かい仕上がりを得ることができる。
ここで、凝集物とは、固体粉末化粧料の表面に発生する長径0.1mm以上の大きさの粒のことであり、目視で確認することができ、また、固体粉末化粧料の表面を指で触った際に、指先に明らかなざらつきを感じるものである。
本発明で用いる成分(A)の複合有機球状粉体は、有機球状粉体表面が、酸化亜鉛及び酸化チタンから選ばれる1種又は2種以上の無機粉体で被覆されたものである。
有機球状粉体としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、球状ポリメタクリル酸メチル、球状シリコーン、球状ポリエチレン、球状ポリスチレン、球状セルロース、球状ナイロン等が挙げられる。これらのうち、伸びを向上させる観点から、球状ポリメタクリル酸メチル、球状シリコーン、球状ナイロンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、球状ポリメタクリル酸メチル、球状ナイロンから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
これらの有機球状粉体は、のびを向上させ、粉っぽさを抑制させる観点から、体積平均粒子径が1〜50μmであり、2〜40μmが好ましく、3〜30μmがより好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。
ここで、体積平均粒子径は、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器(セイシン企業社製、LMS−350)で測定された値である。なお、体積平均粒子径は、体積基準の平均粒子径であり、50%メジアン径とする。
このような有機球状粉体表面を被覆するための無機粉体である酸化亜鉛及び酸化チタンとしては、紫外線防御効果を向上させる観点から、微粒子酸化亜鉛及び微粒子酸化チタンから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
微粒子酸化亜鉛及び微粒子酸化チタンとしては、数平均粒子径が5〜100nmであるのが好ましく、8〜50nmがより好ましく、10〜40nmがさらに好ましい。また、比表面積は、15〜100m2 /gであるのが好ましく、18〜95m2 /gがより好ましい。
酸化亜鉛としては、市販の微粒子酸化亜鉛、特開平1−175921号又は特開平1−230431号記載の微粒子酸化亜鉛等を用いることができる。市販の微粒子酸化亜鉛としては、例えば、FINEX25(数平均粒子径60nm)、FINEX50(数平均粒子径20nm)、FINEX75(数平均粒子径10nm)(以上、堺化学社製)、ZnO−510(数平均粒子径35nm)、ZnO−610(数平均粒子径38nm)、ZnO−650(数平均粒子径25nm)(以上、住友大阪セメント社製)、MZ−150(数平均粒子径80nm)、MZ−300(数平均粒子径35nm)、MZ−500(数平均粒子径25nm)(以上、テイカ社製)等が挙げられる。
また、酸化チタンとしては、市販の微粒子酸化チタンを用いることができ、例えば、MT−500B(数平均粒子径35nm)、MT−600B(数平均粒子径50nm)、MT−700B(数平均粒子径80nm)(以上、テイカ社製)等が挙げられる。
無機粉体としては、化粧持続性を向上させる観点から、酸化亜鉛を含むことが好ましい。
酸化亜鉛、酸化チタンの数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて観察して所定数(例えば、200個、あるいは100個)を選び出し、これら酸化亜鉛又は酸化チタン各々の最長の直線部分(最大長径)を測定し、これらの測定値を加重平均して求める。なお、酸化亜鉛同士又は酸化チタン同士が凝集している場合には、この凝集体の凝集粒子径を測定するのではなく、凝集体を構成している酸化亜鉛又は酸化チタンの粒子(一次粒子)を所定数測定し、数平均粒子径とする。
これらの酸化亜鉛、酸化チタンは、伸びを向上させる観点から、疎水化処理したものを用いることが好ましい。
疎水化処理としては、シリコーン処理、フッ素処理、脂肪酸処理、N−アシルアミノ酸処理等が挙げられる。シリコーン処理としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理等が挙げられ、アルキルアルコキシシラン処理としては、トリエトキシカプリリルシラン処理が挙げられ、フッ素処理としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル処理、パーフルオロアルキルアルコキシシラン処理等が挙げられ、脂肪酸処理としては、ステアリン酸処理、ミリスチン酸処理等が挙げられ、N−アシルアミノ酸処理としては、ラウロイルリジン処理、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa処理、ステアロイルグルタミン酸2Na処理、ラウロイルアスパラギン酸Na処理等が挙げられる。
疎水化処理としては、伸びを向上させる観点から、シリコーン処理が好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理がより好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、トリエトキシカプリリルシラン処理がさらに好ましい。
無機粉体(酸化亜鉛又は酸化チタン)に対する有機球状粉体の質量割合(有機球状粉体/無機粉体)は、伸びを向上させ、無機粉体を有機球状粉体の表面へ均一に複合化させる観点から、0.9〜3が好ましく、1〜2.3がより好ましく、1.2〜2がさらに好ましい。
成分(A)の複合有機球状粉体は、例えば、有機球状粉体と無機粉体を、上記のような割合で混合し、高速気流中衝撃法を用いて複合化することにより、製造することができる。高速気流中衝撃法においては、例えば、奈良機械製作所社製のハイブリダイゼーションシステム(NHS−3−2L)等を用いることができる。
また、成分(A)の複合有機球状粉体は、以下の方法で製造することもできる。まず、有機球状粉体と無機粉体を、上記のような割合で、周速40m/秒以上、遠心効果1000G以下で混合し、発生する荷電現象を利用して、静電気力で、有機球状粉体の表面に無機粉体を付着させた処理物を得る。次いで、その処理物に周速度70m/秒以上、遠心効果2000G以上の物理的エネルギーを継続的に与えることにより、両粉体間にせん断力や衝撃力による相互作用で、有機球状粉体の表面が一部軟化し、この表面に無機粉体が撃込まれて強固に結合し、目的とする複合有機球状粉体を得ることができる。
このようにして得られる成分(A)の複合有機球状粉体は、体積平均粒子径が1〜50μmであり、2〜40μmが好ましく、3〜30μmがより好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。体積平均粒子径は、成分(A)の有機球状粉体を測定する方法と同様にして測定される。
成分(A)は、1種又は2種以上用いることができ、含有量は、固形粉末化粧料の表面をスポンジ等の塗布具で擦った後の凝集物の発生、粉っぽさを抑制し、伸び、きめ細かい仕上がりを向上させる観点から、全組成中に1〜30質量%であり、3〜27質量%が好ましく、8〜22質量%がより好ましく、13〜17質量%がさらに好ましい。
本発明で用いる成分(B)の窒化ホウ素は、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されずに使用することができる。窒化ホウ素の形態としては、六方晶、ウルツ鉱型構造、立方晶、菱面体晶、乱層構造などのいずれでも良く、伸び、きめ細かい仕上がりを向上させる観点から、六方晶のものが好ましい。
窒化ホウ素は、伸びを向上させる観点から、体積平均粒子径が2〜20μmのものが好ましく、4〜15μmのものがより好ましく、5〜12μmのものがより好ましい。形状は、板状であるのが好ましい。
体積平均粒子径は、成分(A)の有機球状粉体を測定する方法と同様にして測定される。
成分(B)としては、SHP−6(体積平均粒子径9.6μm)、SHP−3(体積平均粒子径5.3μm)(以上、水島合金鉄社製)、PUHP−1109J(体積平均粒子径12μm)、PUHP−3008J(体積平均粒子径8μm)(以上、サンゴバン社製)等の市販品を用いることができる。
成分(B)の窒化ホウ素は、そのまま用いることができるほか、疎水化処理したものを用いることもできる。
疎水化処理としては、成分(A)の酸化亜鉛、酸化チタンの疎水化処理と同様のものが挙げられる。
疎水化処理としては、化粧持続の観点から、シリコーン処理が好ましく、ジメチルポリシロキサン処理がより好ましい。
なお、疎水化処理した窒化ホウ素を用いる場合、成分(B)の含有量は、疎水化処理した剤を含めての質量を意味する。
成分(B)の窒化ホウ素は、1種又は2種以上用いることができ、含有量は、固形粉末化粧料の表面をスポンジ等の塗布具で擦った後の凝集物の発生、粉っぽさを抑制し、伸び、きめ細かい仕上がりを向上させる観点から、全組成中に0.5〜30質量%であり、1.2〜25質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。
本発明において、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、固形粉末化粧料の表面をスポンジ等の塗布具で擦った後の凝集物の発生、粉っぽさを抑制し、伸び、きめ細かい仕上がりを向上させる観点から、0.1〜27が好ましく、0.5〜20がより好ましく、1〜12がさらに好ましく、2〜6.2がよりさらに好ましい。
成分(C)の25℃で液状の油成分としては、エステル油、高級アルコール、炭化水素油及びシリコーン油等から選ばれるものが挙げられる。ここで、25℃で液状とは、流動性を有するもので、ペースト状のものも含まれる。
かかる油成分としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良い。
25℃で液状のエステル油としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸オレイル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソステアリル、リシノレイン酸オクチルドデシル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、メトキシケイ皮酸オクチル、酢酸トコフェロール、炭酸プロピレン、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸プロパンジオール、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジ(カプリン酸/カプリル酸)プロパンジオール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、イソステアリン酸ポリグリセリル−2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2、オクタカプリル酸ポリグリセリル−6、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパンオリゴエステル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、イソステアリン酸トレハロースエステルズ、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、フィトステロール脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等のエステル油、アボガド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、パーム油、ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油、ヒマワリ油、ツバキ油、トウモロコシ油等の植物油、液状ラノリン等の動物油が挙げられる。
これらのうち、ミリスチン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、メトキシケイ皮酸オクチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、炭酸プロピレンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、メトキシケイ皮酸オクチル、トリエチルヘキサノインから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
25℃で液状の高級アルコールとしては、分岐構造を有する炭素数16〜24の高級アルコールから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、例えば、デシルテトラデカノール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オレイルアルコール等が挙げられる。これらのうち、オクチルドデカノールが好ましい。
25℃で液状の炭化水素油としては、揮発性、不揮発性のいずれでもよく、不揮発性のものが好ましい。また、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油が挙げられ、流動パラフィンが好ましい。
25℃で液状のシリコーン油としては、揮発性、不揮発性のいずれでもよく、不揮発性のものが好ましい。また、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等が挙げられ、ジメチルポリシロキサンが好ましい。
成分(C)としては、固形粉末化粧料の表面をスポンジ等の塗布具で擦った後の凝集物の発生を抑制する観点から、エステル油、高級アルコール、シリコーン油から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、エステル油、高級アルコールから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、エステル油がよりさらに好ましい。
成分(C)の25℃で液状の油成分は、1種又は2種以上用いることができ、含有量は、固形粉末化粧料の表面をスポンジ等の塗布具で擦った後の凝集物の発生、粉っぽさを抑制し、伸び、きめ細かい仕上がりを向上させる観点から、全組成中に0.1〜30質量%であり、0.1〜20質量%が好ましく、1〜16質量%がより好ましく、4〜12質量%がよりさらに好ましい。
本発明において、成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)は、固形粉末化粧料の表面をスポンジ等の塗布具で擦った後の凝集物の発生、粉っぽさを抑制し、伸び、きめ細かい仕上がりを向上させる観点から、0.1〜10が好ましく、0.2〜4がより好ましく、0.4〜3がさらに好ましく、0.7〜2がよりさらに好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、さらに、(D)疎水化処理された着色顔料を含有することができ、肌をきれいなメイクアップ効果で仕上げることができる。
なお、成分(D)には、成分(A)の有機複合粉体中に含まれる疎水化処理された酸化チタン、酸化亜鉛は含まれない。
着色顔料としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物、マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体、更にカーボンブラック等の無機顔料;タール系色素、レーキ顔料等の有機顔料、カルミン等の天然色素などが挙げられる。
着色顔料としては、肌をきれいなメイクアップ効果で仕上げる観点から、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましく、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがさらに好ましい。
これらの着色顔料の疎水化処理としては、成分(A)の酸化亜鉛、酸化チタンの疎水化処理と同様のものが挙げられる。
疎水化処理としては、化粧持続を向上させる観点から、シリコーン処理、フッ素処理が好ましく、シリコーン処理がより好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理がさらに好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理がよりさらに好ましい。なお、成分(D)の含有量は、疎水化処理した剤を含めての質量を意味する。
成分(D)は、1種又は2種以上を用いることができ、肌をきれいなメイクアップ効果で仕上げることができ、固形粉末化粧料の表面をスポンジ等の塗布具で擦った後の凝集物の発生、粉っぽさを抑制し、伸び、きめ細かい仕上がりを向上させる観点から、含有量は、全組成中に0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%がよりさらに好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、更に、前記成分(A)、(B)及び(D)以外の粉体を含有することができる。かかる粉体としては、通常の化粧料に用いられる体質顔料、着色顔料であれば制限されず、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、セリサイト、タルク、マイカ、カオリン、クレー、ベントナイト、雲母チタン、酸化チタン被覆ホウケイ酸、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン及びカーボンブラック、これらの複合体等の無機粉体;ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、長鎖アルキルリン酸金属塩、N−モノ長鎖アルキルアシル塩基性アミノ酸、これらの複合体等の有機粉体;さらに、上記無機粉体と有機粉体との複合粉体などが挙げられる。
これらの粉体は、そのまま用いることができるほか、必要に応じて、成分(A)の酸化亜鉛、酸化チタンと同様の疎水化処理を行ったものを用いることができる。
本発明の固形粉末化粧料は、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、成分(C)以外の油成分、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などを含有することができる。
本発明の固形粉末化粧料は、通常の方法に従って製造することができる。例えば、成分(A)及び(B)を含むすべての粉体成分を混合・粉砕した後、成分(C)を含む油成分を加えて混合し、得られた混合物をさらに粉砕機で粉砕し、粉砕物を、容器に充填して、成型圧1000〜2000kgfで成型することにより、固形粉末化粧料を得ることができる。
本発明の固形粉末化粧料は、例えば、パウダーファンデーション、ほほ紅、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料などとして好適である。
製造例1
数平均粒子径35nmのトリエトキシカプリリルシラン4質量%処理酸化亜鉛(テイカ社製:MZX−304OTS(MZ−300(数平均粒子径35nm)に4質量%トリエトキシカプリリルシラン処理したもの))40部と、体積平均粒子径8.6μmのポリメタクリル酸メチル(アイカ工業社製:GANZPEARL GMP−0820)60部を高速ヘンシェルミキサーに投入する。周速40m/秒で3分間混合し、次いで、周速83m/秒、遠心効果5000Gの高速回転で、処理を継続し、複合有機球状粉体を得た(体積平均粒子径:8.6μm、(有機球状粉体/無機粉体)=60/40=1.5)。
製造例2
数平均粒子径25nmのメチルハイドロジェンポリシロキサン3質量%処理酸化亜鉛(住友大阪セメント社製:ZnO−650に3質量%メチルハイドロジェンポリシロキサン処理したもの)40部と、体積平均粒子径7.5μmのナイロンパウダー(住友エンバイロメンタルサイエンス社製:ナイロン HK−5000)60部を粗混合した後、ハイブリダイゼーションシステム NHS−3−2L(奈良機械製作所社製)を用い、周速80m/秒で複合化を行い、複合有機球状粉体を得た(体積平均粒子径:8.0μm、(有機球状粉体/無機粉体)=60/40=1.5)。
製造例3
数平均粒子径50nmのメチルハイドロジェンポリシロキサン2質量%処理酸化チタン(テイカ社製:MT−600Bに2質量%メチルハイドロジェンポリシロキサン処理したもの)40部と、体積平均粒子径5μmのナイロンパウダー(東レ社製:SP−500)60部を粗混合した後、ハイブリダイゼーションシステム NHS−3−2L(奈良機械製作所社製)を用い、周速80m/秒で複合化を行い、複合有機球状粉体を得た(体積平均粒子径:5μm、(有機球状粉体/無機粉体)=60/40=1.5)。
実施例1〜9、比較例1〜2
表1に示す組成の固形粉末化粧料(パウダーファンデーション)を製造し、固形粉末化粧料の表面を擦った後の状態、塗布中の伸ばしやすさ、塗布後の肌の粉っぽくない仕上がり及び塗布後の肌のきめ細かい仕上がりを評価した。結果を表1に併せて示す。
(製造方法)
成分(A)、(B)及び(D)を含むすべての粉体成分を混合・粉砕した後、成分(C)を加えて混合し、得られた混合物をさらに粉砕機で粉砕した。ここで得られた粉砕物を、容器に充填し、充填量10.0g、成型圧1500kgfで成型して、固形粉末化粧料(パウダーファンデーション)を得た。
(評価方法)
(1)固形粉末化粧料の表面を擦った後の状態:
専門評価者5人が、各固形粉末化粧料の表面をスポンジ(ソフィーナ プリマヴィスタ きれいな素肌質感パウダーファンデーションに付属のスポンジ、花王社製)で30回擦った後、表面の状態を、目視により、以下の4段階で評価した。結果は、専門評価者5人の合計点で示した。
4:凝集物が全く見られない。
3:凝集物がほとんど見られない。
2:凝集物がやや見られる。
1:凝集物がかなり見られる。
(2)塗布中の伸ばしやすさ:
専門評価者5人が、各固形粉末化粧料をスポンジにつけて肌に伸ばしたときの伸ばしやすさを、以下の4段階で評価した。結果は、専門評価者5人の合計点で示した。
4:伸びがとても良い。
3:伸びが良い。
2:伸びがやや良くない。
1:伸びがあきらかに良くない。
(3)塗布後の肌の粉っぽくない仕上がり:
専門評価者5人が、各固形粉末化粧料をスポンジにつけて肌に塗布した後、肌の粉っぽくない仕上がりについて、以下の4段階で評価した。結果は、専門評価者5人の合計点で示した。
4:粉っぽさが全く見られない。
3:粉っぽさがほとんど見られない。
2:粉っぽさがやや見られる。
1:粉っぽさがあきらかに見られる。
(4)塗布後の肌のきめ細かい仕上がり:
専門評価者5人が、各固形粉末化粧料をスポンジにつけて肌に塗布した後、肌のきめ細かい仕上がりについて、以下の4段階で評価した。結果は、専門評価者5人の合計点で示した。
4:肌がとてもきめ細かい。
3:肌がきめ細かい。
2:肌がややきめ細かくない。
1:肌があきらかにきめ細かくない。
Figure 2019218293

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)体積平均粒子径1〜50μmの有機球状粉体表面が、酸化亜鉛及び酸化チタンから選ばれる1種又は2種以上の無機粉体で被覆された複合有機球状粉体 1〜30質量%、
    (B)窒化ホウ素 0.5〜30質量%、
    (C)25℃で液状の油成分 0.1〜30質量%
    を含有する固形粉末化粧料。
  2. 成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.1〜27である請求項1記載の固形粉末化粧料。
  3. 成分(A)において、有機球状粉体が、球状ポリメタクリル酸メチル、球状シリコーン及び球状ナイロンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の固形粉末化粧料。
  4. 成分(A)において、無機粉体が酸化亜鉛を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の固形粉末化粧料。
  5. 成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)が、0.1〜10である請求項1〜4のいずれか1項記載の固形粉末化粧料。
  6. さらに、(D)疎水化処理された着色顔料を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の固形粉末化粧料。
JP2018116171A 2018-06-19 2018-06-19 固形粉末化粧料 Active JP7129237B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018116171A JP7129237B2 (ja) 2018-06-19 2018-06-19 固形粉末化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018116171A JP7129237B2 (ja) 2018-06-19 2018-06-19 固形粉末化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019218293A true JP2019218293A (ja) 2019-12-26
JP7129237B2 JP7129237B2 (ja) 2022-09-01

Family

ID=69095916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018116171A Active JP7129237B2 (ja) 2018-06-19 2018-06-19 固形粉末化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7129237B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009234953A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Kose Corp 粉体メークアップ化粧料
WO2012133018A1 (ja) * 2011-03-28 2012-10-04 株式会社オーケン 金属酸化物複合化高扁平セルロース粉体およびこれを含有する化粧料
JP2012229168A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Mamoru Ono 紫外線遮断複合粉末
JP2017197496A (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 花王株式会社 粉末化粧料

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009234953A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Kose Corp 粉体メークアップ化粧料
WO2012133018A1 (ja) * 2011-03-28 2012-10-04 株式会社オーケン 金属酸化物複合化高扁平セルロース粉体およびこれを含有する化粧料
JP2012229168A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Mamoru Ono 紫外線遮断複合粉末
JP2017197496A (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 花王株式会社 粉末化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
JP7129237B2 (ja) 2022-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4602506B2 (ja) 超分散性を有する新規被覆粉体及びこれを配合した化粧料
JP5001486B2 (ja) 超分散安定性を有する粉体の油性分散体及びこれを配合した化粧料
JP4991161B2 (ja) 化粧料組成物
JP5748733B2 (ja) 超分散性を有する新規被覆粉体及びこれを配合した化粧料
JP6853037B2 (ja) 油中水型乳化化粧料
WO2019189796A1 (ja) 油中水型乳化化粧料
JP7478522B2 (ja) 口唇化粧料
CN108366924A (zh) 包含特定填料组合和成膜聚合物以提高持久效果的化妆品组合物
JP2006199644A (ja) 粉末化粧料
WO2015072540A1 (ja) テアニンを用いた表面処理粉体及びそれを含有する化粧料
JP2002241230A (ja) 固形粉末化粧料
JP2019218293A (ja) 固形粉末化粧料
JP6775319B2 (ja) 粉末化粧料
JP2010270073A (ja) 化粧料組成物
JP2019073460A (ja) 油中水型乳化化粧料の製造方法
CN114845685A (zh) 粉末固体化妆品
JP2000103717A (ja) 固形状化粧料
CN114555047A (zh) 油包水型乳化化妆品
JP2004099458A (ja) 粉末化粧料
JP7381309B2 (ja) 粉末固形化粧料
JP2020045294A (ja) 油中水型乳化化粧料
JP2005171145A (ja) 分散組成物及びこれを配合した化粧料
JPH0971509A (ja) 化粧料
JP7391622B2 (ja) 固形粉末化粧料
JPH0840829A (ja) 粉体化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220125

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220822

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7129237

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157