JP2019217092A - 歯牙の治療方法及び歯牙の表面改質方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯科治療においては、さらに簡便かつさらに強固に補綴物を歯牙に接着したいという要望がある。歯牙の表面改質においては、改質効果をさらに高めたいという要望がある。このような要望を鑑み、治療効果をさらに高められるヒトを除く動物の歯牙の治療方法、改質効果をさらに高められる歯牙の改質方法を提供する。【解決手段】プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む噴射ガスを歯牙(但し、ヒトの歯牙を除く)に照射し、次いで、前記歯牙に補綴物を接着する。また、プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む噴射ガスを歯牙に照射し、次いで、前記歯牙に改質剤を塗布する。【選択図】図1
Description
本発明は、歯牙の治療方法、歯牙の表面改質方法に関する。
歯科治療の分野では、歯冠部の補修に、金属製の補綴物、合成樹脂製の補綴物、セラミックス製の補綴物等の補綴物を用いる。補綴物を歯牙に装着するには、いわゆるセメント(接着材)を用いる。補綴物と歯牙との密着性が低いと、補綴物が歯牙から脱落しやすい。また、補綴物と歯牙との密着性が低いと、二次的なう蝕が生じやすい。
治療後の審美性を高めるため、金属製の補綴物よりも合成樹脂製の補綴物が好まれる傾向にある。しかし、合成樹脂製の補綴物は、従来のセメント(例えば、グラスアイオノマーセメント)との接着性が弱かった。
こうした問題に対して、特定のメタクリレート又はアクリレートと有機チタネート化合物と重合開始剤とからなる接着材と、グラスアイオノマーセメントとを接着させる歯科用接着方法が提案されている(特許文献1)。特許文献1の発明は、安全性と接着性において理想的で簡便な歯科修復を図っている。
治療後の審美性を高めるため、金属製の補綴物よりも合成樹脂製の補綴物が好まれる傾向にある。しかし、合成樹脂製の補綴物は、従来のセメント(例えば、グラスアイオノマーセメント)との接着性が弱かった。
こうした問題に対して、特定のメタクリレート又はアクリレートと有機チタネート化合物と重合開始剤とからなる接着材と、グラスアイオノマーセメントとを接着させる歯科用接着方法が提案されている(特許文献1)。特許文献1の発明は、安全性と接着性において理想的で簡便な歯科修復を図っている。
また、歯牙のう蝕の防止や歯牙の表面の着色(黄ばみ)の防止等を目的として、歯牙の表面に改質処理を施すことがある。表面改質方法としては、歯牙の表面にフッ素化合物やヒドロキシアパタイト等の改質剤を塗布する方法がある。
このような表面改質方法においては、改質剤が歯牙に定着することで、改質剤の効果を得る。
このような表面改質方法においては、改質剤が歯牙に定着することで、改質剤の効果を得る。
しかしながら、歯科治療においては、さらに簡便かつさらに強固に補綴物を歯牙に接着したいという要望がある。加えて、歯牙の表面改質においては、改質効果をさらに高めたいという要望がある。
そこで、本発明は、治療効果をさらに高められる歯牙の治療方法、改質効果をさらに高められる歯牙の表面改質方法を提供する。
そこで、本発明は、治療効果をさらに高められる歯牙の治療方法、改質効果をさらに高められる歯牙の表面改質方法を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
[1]プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む噴射ガスを歯牙(但し、ヒトの歯牙を除く)に照射し、
次いで、前記歯牙に補綴物を接着する、歯牙の治療方法。
[2]プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む噴射ガスを歯牙に照射し、
次いで、前記歯牙に改質剤を塗布する、歯牙の表面改質方法。
[3]前記改質剤は、フッ素化合物である、[2]に記載の歯牙の表面改質方法。
[4]前記改質剤は、ヒドロキシアパタイトである、[2]に記載の歯牙の表面改質方法
[1]プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む噴射ガスを歯牙(但し、ヒトの歯牙を除く)に照射し、
次いで、前記歯牙に補綴物を接着する、歯牙の治療方法。
[2]プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む噴射ガスを歯牙に照射し、
次いで、前記歯牙に改質剤を塗布する、歯牙の表面改質方法。
[3]前記改質剤は、フッ素化合物である、[2]に記載の歯牙の表面改質方法。
[4]前記改質剤は、ヒドロキシアパタイトである、[2]に記載の歯牙の表面改質方法
本発明の歯牙の治療方法によれば、治療効果をさらに高められる。本発明の歯牙の表面改質方法によれば、改質効果をさらに高められる。
(処置方法)
本発明は、プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む噴射ガスを歯牙に照射し(前処理工程)、次いで、歯牙に加工を施す(加工工程)、歯牙の処置方法である。
本発明は、プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む噴射ガスを歯牙に照射し(前処理工程)、次いで、歯牙に加工を施す(加工工程)、歯牙の処置方法である。
加工工程は、例えば、歯牙に補綴物を接着する工程(補綴物接着工程)、歯牙に改質剤を塗布する工程(改質工程)等である。
加工工程が補綴物接着工程である場合、本発明の処置方法は、歯牙の治療方法である。加工工程が改質工程である場合、本発明の処置方法は、歯牙の表面改質方法である。
加工工程が補綴物接着工程である場合、本発明の処置方法は、歯牙の治療方法である。加工工程が改質工程である場合、本発明の処置方法は、歯牙の表面改質方法である。
<前処理工程>
前処理工程は、噴射ガスを歯牙に照射する。噴射ガスは、プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む。
前処理工程は、噴射ガスを歯牙に照射する。噴射ガスは、プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む。
前処理工程は、例えば、プラズマジェット照射装置、活性ガス照射装置等のガス噴射装置を用いて、噴射ガスを歯牙(被照射物ということがある)に照射する。
プラズマジェット照射装置は、プラズマを発生させる。プラズマジェット照射装置は、発生したプラズマと活性種とを被照射物に直接照射する。活性種は、プラズマ中の気体又はプラズマ周辺の気体とプラズマとが反応して生成される。活性種としては、活性酸素種、活性窒素種等を例示できる。活性酸素種としては、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、オゾン、過酸化水素、スーパーオキシドアニオンラジカル等を例示できる。活性窒素種としては、一酸化窒素、二酸化窒素、ペルオキシナイトライト、過酸化亜硝酸、三酸化二窒素等を例示できる。
活性ガス照射装置は、プラズマを発生させる。活性ガス照射装置は、活性種を含む活性ガスを被照射物に照射する。活性種は、プラズマ中の気体又はプラズマ周辺の気体とプラズマとが反応して生成される。
プラズマジェット照射装置において、噴射ガスはプラズマと活性種とを含む。
活性ガス照射装置において、噴射ガスは活性ガスである。
活性ガス照射装置は、プラズマを発生させる。活性ガス照射装置は、活性種を含む活性ガスを被照射物に照射する。活性種は、プラズマ中の気体又はプラズマ周辺の気体とプラズマとが反応して生成される。
プラズマジェット照射装置において、噴射ガスはプラズマと活性種とを含む。
活性ガス照射装置において、噴射ガスは活性ガスである。
ガス噴射装置の一例について、図面を参照して説明する。図1のガス噴射装置は、活性ガス照射装置である。
図1に示すように、活性ガス照射装置100は、照射器具10(インスツルメント)と、供給ユニット20と、ガス管路30と、電気配線40とを備える。
照射器具10は、照射器具10内で発生した活性ガスを吐出する。供給ユニット20は、照射器具10に電気及びプラズマ発生用ガスを供給する。ガス管路30は、照射器具10と供給ユニット20とを接続している。電気配線40は、照射器具10と供給ユニット20とを接続している。本実施形態において、ガス管路30と電気配線40とは、各々独立しているが、ガス管路30と電気配線40とは一体でもよい。
供給ユニット20は、プラズマ発生ガスの供給源(不図示)と接続されている。また、供給ユニット20は、プラズマ発生ガスの供給源を内蔵してもよい。プラズマ発生ガスの供給源は、例えば、ガスボンベ等である。
供給ユニット20は、例えば、100Vの家庭用電源等の電源(図示略)と接続されている。
図1に示すように、活性ガス照射装置100は、照射器具10(インスツルメント)と、供給ユニット20と、ガス管路30と、電気配線40とを備える。
照射器具10は、照射器具10内で発生した活性ガスを吐出する。供給ユニット20は、照射器具10に電気及びプラズマ発生用ガスを供給する。ガス管路30は、照射器具10と供給ユニット20とを接続している。電気配線40は、照射器具10と供給ユニット20とを接続している。本実施形態において、ガス管路30と電気配線40とは、各々独立しているが、ガス管路30と電気配線40とは一体でもよい。
供給ユニット20は、プラズマ発生ガスの供給源(不図示)と接続されている。また、供給ユニット20は、プラズマ発生ガスの供給源を内蔵してもよい。プラズマ発生ガスの供給源は、例えば、ガスボンベ等である。
供給ユニット20は、例えば、100Vの家庭用電源等の電源(図示略)と接続されている。
図2は、照射器具10における軸線に沿う断面を示す部分断面図である。図3は、図2の照射器具のx−x断面図である。
照射器具10は、長尺状のカウリング2と、カウリング2の先端から突出するノズル1と、カウリング2内に位置するプラズマ発生部12と、カウリング2の外周面に設けられた操作スイッチ9(操作部)とを備える。
照射器具10は、長尺状のカウリング2と、カウリング2の先端から突出するノズル1と、カウリング2内に位置するプラズマ発生部12と、カウリング2の外周面に設けられた操作スイッチ9(操作部)とを備える。
カウリング2は、胴体部2bと、胴体部2bの先端を塞ぐヘッド部2aとを備える。
胴体部2bは、管軸O1方向に延びる円筒状の部材である。胴体部2bは、円筒形に限らず、四角筒、六角筒、八角筒等の多角筒形でもよい。
胴体部2bは、管軸O1方向に延びる円筒状の部材である。胴体部2bは、円筒形に限らず、四角筒、六角筒、八角筒等の多角筒形でもよい。
胴体部2bの材料としては、絶縁性を有する材料が好ましい。胴体部2bは、電気絶縁性の材料のみで形成されてもよいし、電気絶縁性の材料とその表面に金属材料の層を有する多層構造でもよい。
絶縁性の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を例示できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)等を例示できる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等を例示できる。
金属材料としては、ステンレス、チタン、アルミニウム等が挙げられる。
胴体部2bの大きさは、特に制限はなく、手指で把持しやすい大きさとすることができる。
絶縁性の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を例示できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)等を例示できる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等を例示できる。
金属材料としては、ステンレス、チタン、アルミニウム等が挙げられる。
胴体部2bの大きさは、特に制限はなく、手指で把持しやすい大きさとすることができる。
ヘッド部2aは、先端に向かい漸次窄んでいる。即ち、ヘッド部2aは、円錐形である。ヘッド部2aは、円錐形に限らず、四角錘、六角錘、八角錘等の多角錘形でもよい。
ヘッド部2aは、先端に嵌合孔2cを有している。嵌合孔2cは、ノズル1を受け入れる孔である。ノズル1は、ヘッド部2aに着脱可能になっている。ヘッド部2aは、管軸O1方向に延びる第一の活性ガス流路7を内部に有している。管軸O1は、胴体部2bの管軸である。
ヘッド部2aは、先端に嵌合孔2cを有している。嵌合孔2cは、ノズル1を受け入れる孔である。ノズル1は、ヘッド部2aに着脱可能になっている。ヘッド部2aは、管軸O1方向に延びる第一の活性ガス流路7を内部に有している。管軸O1は、胴体部2bの管軸である。
ヘッド部2aの材料は、特に制限はなく、絶縁性を有してもよいし、絶縁性を有しなくてもよい。ヘッド部2aの材料としては、耐摩耗性、耐腐食性に優れる材料が好ましい。耐摩耗性、耐腐食性に優れる材料としては、ステンレス鋼等の金属を例示できる。ヘッド部2aと胴体部2bとの材料は、同じでもよく、異なってもよい。
ヘッド部2aの大きさは、活性ガス照射装置100の用途等を勘案して決定できる。例えば、活性ガス照射装置100が口腔内用治療器具である場合、ヘッド部2aの大きさは、口腔内に挿入できる大きさが好ましい。
ヘッド部2aの大きさは、活性ガス照射装置100の用途等を勘案して決定できる。例えば、活性ガス照射装置100が口腔内用治療器具である場合、ヘッド部2aの大きさは、口腔内に挿入できる大きさが好ましい。
ノズル1は、嵌合孔2cに嵌合する台座部1bと、台座部1bから突出する照射管1cとを備える。台座部1bと照射管1cとは一体になっている。ノズル1は、その内部に、第二の活性ガス流路8を有している。ノズル1は、先端に照射口1aを有している。第二の活性ガス流路8と第一の活性ガス流路7とは、連通している。
ノズル1の材料は、特に制限はなく、絶縁性を有してもよいし、導電性を有してもよい。ノズル1の材料としては、耐摩耗性、耐腐食性に優れる材料が好ましい。耐摩耗性、耐腐食性に優れる材料としては、ステンレス鋼等の金属を例示できる。
ノズル1における照射管1c内の流路の長さ(即ち、距離L2)は、活性ガス照射装置100の用途等を勘案して、適宜決定できる。
照射口1aの開口径は、例えば、0.5〜5mmが好ましい。開口径が上記下限値以上であると、活性ガスの圧力損失を抑制できる。開口径が上記上限値以下であると、照射する活性ガスの流速を高めて、患部の治癒等を促進できる。
照射管1cは、管軸O1に対して屈曲している。
照射管1cの管軸O2と管軸O1とのなす角度θは、活性ガス照射装置100の用途等を勘案して決定できる。
照射口1aの開口径は、例えば、0.5〜5mmが好ましい。開口径が上記下限値以上であると、活性ガスの圧力損失を抑制できる。開口径が上記上限値以下であると、照射する活性ガスの流速を高めて、患部の治癒等を促進できる。
照射管1cは、管軸O1に対して屈曲している。
照射管1cの管軸O2と管軸O1とのなす角度θは、活性ガス照射装置100の用途等を勘案して決定できる。
プラズマ発生部12は、管状誘電体3と、内部電極4と、外部電極5とを備える。
管状誘電体3と内部電極4と外部電極5とは、管軸O1を中心として同心円状に位置している。
内部電極4の外周面と外部電極5の内周面とは、管状誘電体3を挟んで互いに対向している。
管状誘電体3と内部電極4と外部電極5とは、管軸O1を中心として同心円状に位置している。
内部電極4の外周面と外部電極5の内周面とは、管状誘電体3を挟んで互いに対向している。
管状誘電体3は、管軸O1方向に延びる円筒状の部材である。管状誘電体3は、管軸O1方向に延びるガス流路6を内部に有している。第一の活性ガス流路7とガス流路6とは連通している。なお、管軸O1は、管状誘電体3の管軸と同じである。
管状誘電体3の材料としては、公知のプラズマ装置に使用する誘電体材料を適用できる。管状誘電体3の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、合成樹脂等を例示できる。管状誘電体3の誘電率は低いほど好ましい。
管状誘電体3の内径Rは、内部電極4の外径dを勘案して適宜決定できる。内径Rは、後述する距離sを所望の範囲とするように決定する。
内部電極4は、管軸O1方向に延びる略円柱状の部材である。内部電極4は、管状誘電体3の内部に位置し、管状誘電体3の内面と離間している。
内部電極4は、管軸O1方向に延びる軸部と、軸部の外周面のねじ山とを備える。軸部は、中実でもよいし、中空でもよい。軸部は中実が好ましい。軸部が中実であれば、加工が容易であり、かつ機械的な耐久性を高められる。内部電極4のねじ山は、軸部の周方向に周回する螺旋状のねじ山である。内部電極4の形態は、雄ねじと同様の形態である。
内部電極4は、外周面にねじ山を有することで、ねじ山先端部の電界が局所的に強くなり、放電開始電圧が低くなる。このため、低電力でプラズマを生成し、維持できる。
なお、内部電極4は、外周面にねじ山等の凹凸を有しなくてもよい。即ち、内部電極4は、外周面に凹凸を有しない円柱の部材でもよい。
内部電極4は、管軸O1方向に延びる軸部と、軸部の外周面のねじ山とを備える。軸部は、中実でもよいし、中空でもよい。軸部は中実が好ましい。軸部が中実であれば、加工が容易であり、かつ機械的な耐久性を高められる。内部電極4のねじ山は、軸部の周方向に周回する螺旋状のねじ山である。内部電極4の形態は、雄ねじと同様の形態である。
内部電極4は、外周面にねじ山を有することで、ねじ山先端部の電界が局所的に強くなり、放電開始電圧が低くなる。このため、低電力でプラズマを生成し、維持できる。
なお、内部電極4は、外周面にねじ山等の凹凸を有しなくてもよい。即ち、内部電極4は、外周面に凹凸を有しない円柱の部材でもよい。
内部電極4の外径dは、活性ガス照射装置100の用途(即ち、照射器具10の大きさ)等を勘案して、適宜決定できる。活性ガス照射装置100が口腔内用治療器具である場合、外径dは、0.5〜20mmが好ましく、1〜10mmがより好ましい。外径dが上記下限値以上であると、内部電極4を容易に製造できる。加えて、外径dが上記下限値以上であると、内部電極4の表面積が大きくなり、プラズマをより効率的に発生して、治癒等をより促進できる。外径dが上記上限値以下であると、照射器具10を過度に大きくすることなく、プラズマをより効率的に発生し、治癒等をより促進できる。
内部電極4のねじ山の高さhは、内部電極4の外径dを勘案して適宜決定できる。
内部電極4のねじ山のピッチpは、内部電極4の長さや外径d等を勘案して適宜決定できる。ピッチpは、0.2〜3.0mmが好ましく、0.2〜2.5mmがより好ましく、0.2〜2.0mmがさらに好ましい。
内部電極4のねじ山のピッチpは、内部電極4の長さや外径d等を勘案して適宜決定できる。ピッチpは、0.2〜3.0mmが好ましく、0.2〜2.5mmがより好ましく、0.2〜2.0mmがさらに好ましい。
内部電極4の材料は、導電材であれば特に制限はなく、公知のプラズマ装置の電極に使用する金属を適用できる。内部電極4の材料としては、ステンレス鋼、銅、タングステン等の金属、カーボン等を例示できる。
内部電極4としては、JIS B 0205:2001のメートルねじの規格品(M2、M2.2、M2.5、M3、M3.5等)、JIS B 2016:1987のメートル台形ねじの規格品(Tr8×1.5、Tr9×2、Tr9×1.5等)、JIS B 0206:1973のユニファイ並目ねじの規格品(No.1−64UNC、No.2−56UNC、No.3−48UNC等)等と同等の仕様が好ましい。これらの規格品と同等の仕様であれば、コスト面で優位である。
内部電極4の外面と管状誘電体3の内面との距離sは、0.05〜5mmが好ましく、0.1〜1mmがより好ましい。距離sが上記下限値以上であると、所望量のプラズマ発生用ガスを容易に通流できる。距離sが上記上限値以下であると、プラズマをさらに効率的に発生し、活性ガスの温度を低くできる。
外部電極5は、管状誘電体3の外周面に沿って周回する環状の電極である。外部電極5は、管状誘電体3の外周面の一部に存在する。
外部電極5の材料は、導電材であれば特に制限はなく、公知のプラズマ装置の電極に使用する金属を適用できる。外部電極5の材料としては、ステンレス鋼、銅、タングステン等の金属、カーボン等を例示できる。
外部電極5の先端中心Q1からヘッド部2aの先端Q2までの距離L1と、先端Q2から照射口1aまでの距離L2との合計(即ち、内部電極4から照射口1aまでの道のり)は、活性ガス照射装置100に求める大きさや、照射した活性ガスが当たる面(被照射面)における温度等を勘案して適宜決定する。距離L1と距離L2の合計が長ければ、被照射面の温度を低くできる。距離L1と距離L2の合計が短ければ、活性ガスのラジカル密度がさらに高くなり、被照射面における清浄化、賦活化、治癒等の効果がさらに高くなる。なお、先端Q2は、管軸O1と管軸O2との交点である。
操作スイッチ9は、使用者が操作することによって、ノズル1からの活性ガスの吐出を開始するための電気信号を発信する。
操作スイッチ9は、例えば、押釦である。操作スイッチ9が押釦である場合、操作スイッチ9は、使用者が押釦を1回押したときに電気信号を1回だけ発信する構成を有してもよく、使用者が押釦を押し続けている間、電気信号を発信し続ける構成を有してもよい。
操作スイッチ9は、例えば、押釦である。操作スイッチ9が押釦である場合、操作スイッチ9は、使用者が押釦を1回押したときに電気信号を1回だけ発信する構成を有してもよく、使用者が押釦を押し続けている間、電気信号を発信し続ける構成を有してもよい。
ガス管路30は、供給ユニット20から照射器具10にプラズマ発生用ガスを供給する経路である。ガス管路30は、照射器具10の管状誘電体3の後端部に接続している。ガス管路30の材料は特に制限はなく、公知のガス管に用いる材料を適用できる。ガス管路30の材料としては、例えば、樹脂製の配管、ゴム製のチューブ等を例示でき、可撓性を有する材料が好ましい。
電気配線40は、供給ユニット20の給電部50から照射器具10のプラズマ発生部12に電気を供給する配線、及び照射器具10の操作スイッチ9と供給ユニット20とを電気的に接続する配線を備える。
電気配線40は、照射器具10の内部電極4、外部電極5及び操作スイッチ9に接続している。電気配線40の材料は特に制限はなく、公知の電気配線に用いる材料を適用できる。電気配線40の材料としては、絶縁材料で被覆した金属導線等を例示できる。
電気配線40は、照射器具10の内部電極4、外部電極5及び操作スイッチ9に接続している。電気配線40の材料は特に制限はなく、公知の電気配線に用いる材料を適用できる。電気配線40の材料としては、絶縁材料で被覆した金属導線等を例示できる。
次に、活性ガス照射装置100を用いた前処理工程について、説明する。
医師等の使用者は、照射器具10を持って移動させ、ノズル1を被照射物に向ける。この状態で操作スイッチ9を押し、供給ユニット20からガス管路30を介して照射器具10のプラズマ発生部12にプラズマ発生用ガスを供給する。また、供給ユニット20から照射器具10のプラズマ発生部12に電気を供給する。
プラズマ発生部12に供給したプラズマ発生用ガスは、管状誘電体3の後端部から管状誘電体3の内空部に流入する。プラズマ発生用ガスは、電圧を印加した内部電極4と外部電極5とが対向する位置において電離し、プラズマになる。
医師等の使用者は、照射器具10を持って移動させ、ノズル1を被照射物に向ける。この状態で操作スイッチ9を押し、供給ユニット20からガス管路30を介して照射器具10のプラズマ発生部12にプラズマ発生用ガスを供給する。また、供給ユニット20から照射器具10のプラズマ発生部12に電気を供給する。
プラズマ発生部12に供給したプラズマ発生用ガスは、管状誘電体3の後端部から管状誘電体3の内空部に流入する。プラズマ発生用ガスは、電圧を印加した内部電極4と外部電極5とが対向する位置において電離し、プラズマになる。
本実施形態においては、内部電極4と外部電極5とが、プラズマ発生用ガスの流れる方向と直交する向きに対向している。内部電極4の外周面と外部電極5の内周面とが対向する位置で発生したプラズマは、ガス流路6と、第一の活性ガス流路7と、第二の活性ガス流路8とをこの順に通流する。この間、プラズマは、ガス組成を変化しつつ通流し、ラジカル等の活性種を含む活性ガスとなる。
生じた活性ガスはノズル1の照射口1aから吐出される。吐出された活性ガスは、照射口1a近傍の気体の一部をさらに活性化して活性種を生成する。これらの活性種を含む活性ガス(噴射ガス)を被照射面に照射する。
照射対象となる動物は、例えば、ヒト、犬、猫、豚等の哺乳類等である。また、被照射物は、動物の口腔内にある歯牙でもよいし、動物から抜けた歯牙でもよい。
歯牙は、前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯のいずれでもよい。
被照射面は、治療対象又は改質処理対象を含む領域である。被照射面は、各歯牙の舌側の面、各歯牙の頬側の面、臼歯の噛み合わせ部のいずれでもよい。また、被照射面は、う蝕の治療で切削した箇所、物理的衝撃等で一部が欠損した箇所でもよい。
歯牙は、前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯のいずれでもよい。
被照射面は、治療対象又は改質処理対象を含む領域である。被照射面は、各歯牙の舌側の面、各歯牙の頬側の面、臼歯の噛み合わせ部のいずれでもよい。また、被照射面は、う蝕の治療で切削した箇所、物理的衝撃等で一部が欠損した箇所でもよい。
プラズマ発生用ガスとしては、例えば、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン等)、窒素等を例示できる。これらのガスは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
プラズマ発生用ガスは、窒素を主成分とすることが好ましい。ここで、窒素を主成分とするとは、プラズマ発生用ガスにおける窒素の含有量が50体積%超であることをいう。
即ち、プラズマ発生用ガスにおける窒素の含有量は、50体積%超が好ましく、70体積%以上がより好ましく、80〜100体積%がさらに好ましく、90〜100体積%が特に好ましい。プラズマ発生用ガス中の窒素以外のガス成分としては、例えば、空気、酸素、希ガス等を例示できる。
プラズマ発生ガスは、窒素を主成分とすることで、プラズマ発生ガス中の酸素を低減して、活性ガス中のオゾンを低減できる。口腔内における治療、改質処理の場合、活性ガス中のオゾンを低減することが好ましい。
従来のプラズマ発生部では、窒素を含むプラズマ発生ガスを用いると、プラズマを発生しにくかった。本実施形態においては、外周面にらせん状の凸条(ねじ山)を備える(即ち、らせん状の溝を備える)内部電極を用いるため、容易にプラズマを発生できる。
プラズマ発生用ガスは、窒素を主成分とすることが好ましい。ここで、窒素を主成分とするとは、プラズマ発生用ガスにおける窒素の含有量が50体積%超であることをいう。
即ち、プラズマ発生用ガスにおける窒素の含有量は、50体積%超が好ましく、70体積%以上がより好ましく、80〜100体積%がさらに好ましく、90〜100体積%が特に好ましい。プラズマ発生用ガス中の窒素以外のガス成分としては、例えば、空気、酸素、希ガス等を例示できる。
プラズマ発生ガスは、窒素を主成分とすることで、プラズマ発生ガス中の酸素を低減して、活性ガス中のオゾンを低減できる。口腔内における治療、改質処理の場合、活性ガス中のオゾンを低減することが好ましい。
従来のプラズマ発生部では、窒素を含むプラズマ発生ガスを用いると、プラズマを発生しにくかった。本実施形態においては、外周面にらせん状の凸条(ねじ山)を備える(即ち、らせん状の溝を備える)内部電極を用いるため、容易にプラズマを発生できる。
前処理工程を口腔内で行う場合、管状誘電体3に導入するプラズマ発生用ガスの酸素濃度は、1体積%以下が好ましく、0体積%がより好ましい。酸素濃度が上限値以下であると、オゾンの発生をさらに低減できる。
管状誘電体3に導入するプラズマ発生用ガスの流量は、1〜10L/minが好ましい。管状誘電体3に導入するプラズマ発生用ガスの流量が上記下限値以上であると、被照射物における被照射面の温度の上昇を抑制しやすい。プラズマ発生用ガスの流量が上記上限値以下であると、活性ガス中のラジカル濃度又は一重項酸素濃度を高めやすい。
内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧は、5kVpp以上20kVpp以下が好ましい。ここで、交流電圧を表す単位「Vpp(Volt peak to peak)」は、交流電圧波形の最高値と最低値との電位差である。
なお、内部電極4が外周面に凹凸を有しない円柱の部材である場合、内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧は、10kVpp以上が好ましい。外周面に凹凸を有さない内部電極4を用いる場合、外周面に凹凸を有する内部電極4を用いる場合に比べて、内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧を高める必要がある。
印加する交流電圧が上記上限値以下であると、発生するプラズマの温度を低く抑えられる。印加する交流電圧が上記下限値以上であると、さらに効率的にプラズマを発生できる。
なお、内部電極4が外周面に凹凸を有しない円柱の部材である場合、内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧は、10kVpp以上が好ましい。外周面に凹凸を有さない内部電極4を用いる場合、外周面に凹凸を有する内部電極4を用いる場合に比べて、内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧を高める必要がある。
印加する交流電圧が上記上限値以下であると、発生するプラズマの温度を低く抑えられる。印加する交流電圧が上記下限値以上であると、さらに効率的にプラズマを発生できる。
内部電極4と外部電極5との間に印加する交流の周波数は、0.5kHz以上20kHz未満が好ましく、1kHz以上15kHz未満がより好ましく、2kHz以上10kHz未満がさらに好ましく、3kHz以上9kHz未満が特に好ましく、4kHz以上8kHz未満が最も好ましい。交流の周波数が上記上限値以下であると、発生するプラズマの温度を低く抑えられる。交流の周波数が上記下限値以上であると、さらに効率的にプラズマを発生できる。
ノズル1の照射口1aから照射する活性ガスの温度は、50℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましく、40℃以下がさらに好ましい。ノズル1の照射口1aから照射する活性ガスの温度が上記上限値以下であると、被照射面の温度を40℃以下にしやすい。被照射面の温度を40℃以下にすることで、被照射面への刺激を低減できる。ノズル1の照射口1aから照射する活性ガスの温度の下限値は、特に制限はなく、例えば、10℃である。活性ガスの温度は、照射口1aにおける活性ガスの温度を熱電対で測定した値である。
照射口1aから被照射面までの距離(照射距離)は、例えば、0.01〜10mmが好ましい。照射距離が上記下限値以上であると、被照射面の温度を低くし、被照射面への刺激をさらに緩和できる。照射距離が上記上限値以下であると、前処理工程の効果をさらに高められる。
照射口1aから1mm以上10mm以下の距離で離れた位置の被照射面における活性ガスの温度は、40℃以下が好ましい。被照射面における活性ガスの温度が40℃以下であると、被照射面への刺激を低減できる。被照射面における活性ガスの温度の下限値は特に制限はないが、例えば10℃である。
被照射面の温度は、内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧、照射する活性ガスの吐出量、外部電極5の先端中心Q1から照射口1aまでの道のり等の組み合わせで調節できる。被照射面の温度は、熱電対等を用いて測定できる。
被照射面の温度は、内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧、照射する活性ガスの吐出量、外部電極5の先端中心Q1から照射口1aまでの道のり等の組み合わせで調節できる。被照射面の温度は、熱電対等を用いて測定できる。
活性ガスに含まれる活性種としては、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、オゾン、過酸化水素、スーパーオキシドアニオンラジカル、一酸化窒素、二酸化窒素、ペルオキシナイトライト、過酸化亜硝酸、三酸化二窒素等を例示できる。活性ガスに含まれる活性種の種類は、例えば、プラズマ発生用ガスの種類等によって調節できる。
活性ガス中におけるヒドロキシルラジカルの密度(ラジカル密度)は、0.1〜300μmol/Lが好ましく、0.1〜100μmol/Lがより好ましく、0.1〜50μmol/Lがさらに好ましい。ラジカル密度が上記下限値以上であると、前処理工程の効果をさらに高められる。ラジカル密度が上記上限値以下であると、被照射面への刺激を低減できる。
ラジカル密度は、例えば、以下の方法で測定できる。
DMPO(5,5−ジメチル−1−ピロリン−N−オキシド)0.2mol/L溶液0.2mLに対して、活性ガスを30秒間照射する。この際、照射口1aから液面までの距離を5.0mmとする。活性ガスを照射した溶液について、電子スピン共鳴(ESR)法を利用してヒドロキシルラジカル濃度を測定し、これをラジカル密度とする。
DMPO(5,5−ジメチル−1−ピロリン−N−オキシド)0.2mol/L溶液0.2mLに対して、活性ガスを30秒間照射する。この際、照射口1aから液面までの距離を5.0mmとする。活性ガスを照射した溶液について、電子スピン共鳴(ESR)法を利用してヒドロキシルラジカル濃度を測定し、これをラジカル密度とする。
活性ガス中における一重項酸素の密度(一重項酸素密度)は、0.1〜300μmol/Lが好ましく、0.1〜100μmol/Lがより好ましく、0.1〜50μmol/Lがさらに好ましい。一重項酸素密度が上記下限値以上であると、前処理工程の効果をさらに高められる。上記上限値以下であると、被照射面への刺激を低減できる。
一重項酸素密度は、例えば、以下の方法で測定できる。
TPC(2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン−3−カルボキサミド)0.1mol/L溶液0.4mLに対して、活性ガスを30秒間照射する。この際、照射口1aから液面までの距離を5.0mmとする。活性ガスを照射した溶液について、電子スピン共鳴(ESR)法を利用して一重項酸素濃度を測定し、これを一重項酸素密度とする。
TPC(2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン−3−カルボキサミド)0.1mol/L溶液0.4mLに対して、活性ガスを30秒間照射する。この際、照射口1aから液面までの距離を5.0mmとする。活性ガスを照射した溶液について、電子スピン共鳴(ESR)法を利用して一重項酸素濃度を測定し、これを一重項酸素密度とする。
照射口1aから吐出する活性ガスの流量は、1〜10L/minが好ましい。
照射口1aから吐出する活性ガスの流量が上記下限値以上であると、前処理工程の効果をさらに高められる。照射口1aから吐出する活性ガスの流量が上記上限値以下であると、活性ガスの被照射面の温度が過度に高まることを防止できる。加えて、被照射面が濡れている場合には、被照射面の急速な乾燥を防止できる。さらに、被照射面への刺激を抑制できる。活性ガス照射装置100において、照射口1aから吐出する活性ガスの流量は、管状誘電体3へのプラズマ発生用ガスの供給量で調節できる。
照射口1aから吐出する活性ガスの流量が上記下限値以上であると、前処理工程の効果をさらに高められる。照射口1aから吐出する活性ガスの流量が上記上限値以下であると、活性ガスの被照射面の温度が過度に高まることを防止できる。加えて、被照射面が濡れている場合には、被照射面の急速な乾燥を防止できる。さらに、被照射面への刺激を抑制できる。活性ガス照射装置100において、照射口1aから吐出する活性ガスの流量は、管状誘電体3へのプラズマ発生用ガスの供給量で調節できる。
前処理工程において、活性ガスを被照射面に照射する時間は、その後の加工工程の種類に応じて適宜決定できる。照射時間は、例えば、10秒間〜10分間が好ましい。
活性ガス照射装置100によって生じる活性ガスは、歯牙の表面を活性化して、治療効果又は改質効果の向上を図れる。特に、活性ガス照射装置100で照射する活性ガスは、プラズマを含まないため、歯牙に損傷を与えることなく、表面を活性化できる。また、活性ガスは、歯牙の表面を殺菌し、二次的なう蝕を防止できる。
<加工工程>
加工工程は、前処理工程を経た歯牙に対して、例えば、治療処理及び改質処理のいずれか一方又は両方を施す。
加工工程において、例えば、補綴物接着工程で治療処理を施す。また、例えば、加工工程において、改質工程で改質処理を施す。
加工工程は、前処理工程を経た歯牙に対して、例えば、治療処理及び改質処理のいずれか一方又は両方を施す。
加工工程において、例えば、補綴物接着工程で治療処理を施す。また、例えば、加工工程において、改質工程で改質処理を施す。
≪補綴物接着工程≫
補綴物接着工程は、補綴物を歯牙に接着する工程である。
補綴物は、例えば、従来公知の詰め物(インレー)、かぶせ物(クラウン)、ブリッジ等を例示できる。インレーとしては、パラジウム、金等を含む合金製インレー、樹脂製インレー、セラミックス製インレー等がある。クラウンとしては、パラジウム、金等を含む合金製クラウン、樹脂製クラウン、セラミックス製クラウン等がある。ブリッジとしては、パラジウム、金等を含む合金製ブリッジ、樹脂製ブリッジ、セラミックス製ブリッジ等がある。
補綴物接着工程は、補綴物を歯牙に接着する工程である。
補綴物は、例えば、従来公知の詰め物(インレー)、かぶせ物(クラウン)、ブリッジ等を例示できる。インレーとしては、パラジウム、金等を含む合金製インレー、樹脂製インレー、セラミックス製インレー等がある。クラウンとしては、パラジウム、金等を含む合金製クラウン、樹脂製クラウン、セラミックス製クラウン等がある。ブリッジとしては、パラジウム、金等を含む合金製ブリッジ、樹脂製ブリッジ、セラミックス製ブリッジ等がある。
歯牙への補綴物の接着方法は、従来公知の方法を例示できる。例えば、前処理工程で処理された歯牙に対して、接着材を用いて補綴物を接着する。接着材は、例えば、グラスアイオノマーセメント、カルボキシレートセメント、酸化亜鉛ユージノールセメント、リン酸亜鉛セメント、接着性レジンセメント等である。
補綴物が接着性を有する場合には、この補綴物を歯牙に取り付け、硬化することで、補綴物を歯牙へ接着する。
補綴物が接着性を有する場合には、この補綴物を歯牙に取り付け、硬化することで、補綴物を歯牙へ接着する。
≪改質工程≫
改質工程は、改質剤を歯牙に塗布する工程である。本実施形態は、前処理工程によって、歯牙の表面が活性化されているため、改質剤が歯牙に定着しやすい。このため、本実施形態は、改質効果を長期に維持できる。
改質剤としては、フッ素化合物、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2、HAPということがある)等が挙げられる。
フッ素化合物としては、リン酸酸性フッ化ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ等を例示できる。
改質工程は、改質剤を歯牙に塗布する工程である。本実施形態は、前処理工程によって、歯牙の表面が活性化されているため、改質剤が歯牙に定着しやすい。このため、本実施形態は、改質効果を長期に維持できる。
改質剤としては、フッ素化合物、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2、HAPということがある)等が挙げられる。
フッ素化合物としては、リン酸酸性フッ化ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ等を例示できる。
改質剤の塗布方法としては、従来公知の方法を例示できる。
フッ素化合物の塗布方法としては、歯面塗布法、トレー法、イオン導入法等が挙げられる。歯面塗布法は、フッ素化合物を含む液体組成物(含フッ素組成物)を綿棒や歯ブラシで歯牙に塗布する方法である。トレー法は、トレー(マウスピース)に含フッ素組成物を入れ、このトレーを1〜10分間咥えることで、歯牙にフッ素化合物を塗布する方法である。イオン導入法は、含フッ素組成物を入れたトレーを1〜10分間咥えつつ、トレーに微弱な電流を流して、歯牙にフッ素化合物を塗布する方法である。
含フッ素組成物中のフッ素化合物の含有量は、例えば、500〜1300000質量ppmである。
フッ素化合物の塗布方法としては、歯面塗布法、トレー法、イオン導入法等が挙げられる。歯面塗布法は、フッ素化合物を含む液体組成物(含フッ素組成物)を綿棒や歯ブラシで歯牙に塗布する方法である。トレー法は、トレー(マウスピース)に含フッ素組成物を入れ、このトレーを1〜10分間咥えることで、歯牙にフッ素化合物を塗布する方法である。イオン導入法は、含フッ素組成物を入れたトレーを1〜10分間咥えつつ、トレーに微弱な電流を流して、歯牙にフッ素化合物を塗布する方法である。
含フッ素組成物中のフッ素化合物の含有量は、例えば、500〜1300000質量ppmである。
HAPの塗布方法としては、HAPを含む液体組成物(含HAP組成物)を綿棒や歯ブラシで歯牙に塗布する方法が挙げられる。含HAP組成物中のHAPの含有量は、例えば、5〜40質量%である。
改質工程は、含フッ素組成物と含HAP組成物とを併用してもよい。例えば、歯牙に対して、含フッ素組成物を塗布(フッ素処理)した後、含HAP組成物を塗布(HAP処理)してもよい。また、例えば、HAP処理の後、フッ素処理を施してもよい。
改質工程において、フッ素処理又はHAP処理の前段に、ホワイトニング処理を施してもよい。ホワイトニング処理としては、過酸化水素を歯牙に塗布する方法を例示できる。
以上説明した通り、本実施形態の歯牙の処置方法は、前処理工程を有するため、加工工程で施した治療又は改質の効果をさらに高められる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
下記仕様とした以外は、活性ガス照射装置100と同様の活性ガス照射装置を作製した。この活性ガス照射装置を使用して、下記照射条件で噴射ガスを犬の歯牙に照射した。次いで、噴射ガスを照射した被照射面に、歯科用セメントを取り付け、歯科用セメントを硬化した。硬化した後の歯科用セメントは、歯牙に強固に接着していた。
下記仕様とした以外は、活性ガス照射装置100と同様の活性ガス照射装置を作製した。この活性ガス照射装置を使用して、下記照射条件で噴射ガスを犬の歯牙に照射した。次いで、噴射ガスを照射した被照射面に、歯科用セメントを取り付け、歯科用セメントを硬化した。硬化した後の歯科用セメントは、歯牙に強固に接着していた。
<仕様>
・管状誘電体3:ガラス製、内径R=3mm。
・内部電極4:ステンレス製。平行ねじ、一条ねじ。外径d=2mm、ピッチp=0.4mm、ねじ山高さh=0.214mm。
・外部電極5:銅板。
・角度θ:20°。
・管状誘電体3:ガラス製、内径R=3mm。
・内部電極4:ステンレス製。平行ねじ、一条ねじ。外径d=2mm、ピッチp=0.4mm、ねじ山高さh=0.214mm。
・外部電極5:銅板。
・角度θ:20°。
<照射条件>
・印加交流電圧:16kVpp。
・印加周波数:7.5kHz。
・活性ガス:窒素(純度99.9%)。
・活性ガスの流量:3L/min。
・照射時間:60秒/回。1回/日。
・印加交流電圧:16kVpp。
・印加周波数:7.5kHz。
・活性ガス:窒素(純度99.9%)。
・活性ガスの流量:3L/min。
・照射時間:60秒/回。1回/日。
本発明の歯牙の処置方法は、歯牙の治療又は改質に好適である。また、本発明の歯牙の治療方法は、ヒトのみならず、ヒトを除く動物の歯牙の治療にも有効である。また、本発明の歯牙の改質方法は、ヒトのみならず、ヒトを除く動物の歯牙の改質にも有効である。
100 活性ガス照射装置
Claims (4)
- プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む噴射ガスを歯牙(但し、ヒトの歯牙を除く)に照射し、
次いで、前記歯牙に補綴物を接着する、歯牙の治療方法。 - プラズマ及びプラズマによって発生した活性種のいずれか一方又は両方を含む噴射ガスを歯牙に照射し、
次いで、前記歯牙に改質剤を塗布する、歯牙の表面改質方法。 - 前記改質剤は、フッ素化合物である、請求項2に記載の歯牙の表面改質方法。
- 前記改質剤は、ヒドロキシアパタイトである、請求項2に記載の歯牙の表面改質方法。
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WO2010008062A1 (ja) * | 2008-07-18 | 2010-01-21 | 株式会社吉田製作所 | 歯科用診療装置及び歯科用プラズマジェット照射装置 |
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2018
- 2018-06-21 JP JP2018118051A patent/JP2019217092A/ja active Pending
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