JP2019215961A - 特定添加剤を含んだ二次電池用非水系電解質及びこれを用いた二次電池 - Google Patents

特定添加剤を含んだ二次電池用非水系電解質及びこれを用いた二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 負極活物質としてのケイ素系物質表面に特異的なSEI被膜を形成させることができ、二次電池の充放電性能を向上させるととともに、FECの含有量を有意に減少させることとが可能とする二次電池用非水電解質を提供する。【解決手段】 リチウムジエチルフォスフェートと、フルオロエチレンカーボネートとを含んでなるものであり、前記負極が、負極活物質として、ケイ素系物質を含んでなるものであり、前記ケイ素系物質の表面に、固体電解質界面(Solid Electrolyte Interface;SEI)被膜を形成させるものである、負極表面固体電解質被膜形成剤によって達成される。【選択図】図1

Description

本発明は、負極表面固体電解質被膜形成剤及び非水系電解質添加剤を含有した非水系電解質、及びこの非水系電解質を備えた二次電池に関するものである。
従来、リチウム二次電池の負極活物質として、黒鉛及びハードカーボン等の炭素系物質が用いられている。近年、リチウム二次電池のエネルギー密度をさらに向上させるため、従来の黒鉛材料よりも高い理論容量を示すケイ素(Si)材料を負極活物質に用いることが提案されている。一般に、ケイ素系物質はLi吸蔵時に大きく膨張することから、二次電池の充放電サイクルにおいて可逆性に乏しいものであった。他方、ケイ素系物質の中でも、ケイ素酸化物であるSiOは比較的に可逆性が優れていることから、二次電池の負極活物質として、黒鉛材料との併用により実用化されたものがある。
しかしながら、SiOは初期充放電時のクーロン効率が低く、負極活物質への使用量が一定以上を超えると、二次電池のエネルギー密度を向上させることができない。また、負極活物質におけるSiOの含有量が増加するに伴って、充放電の繰り返しにより、負極及び二次電池の膨張率が増加するという課題も存在する。
ところで、リチウム二次電池は、リチウム金属酸化物正極および電解質からのリチウムイオンが、負極に挿入又は脱離という過程を繰り返しつつ充放電を行うものである。この際、負極はリチウム金属の基準電位に近い卑な電位になるため、電解質成分が負極(例えば、炭素電極)表面で反応して、Li2CO3、LiO、LiOH、又は溶媒の分解物から成る有機成分などを生成し、負極の表面に被膜を形成する。この被膜は固体電解質界面(Solid Electrolyte Interface;SEI)皮膜と呼ばれ、充電初期に形成されたSEI被膜は、充放電中におけるリチウムイオンと、(炭素)負極又は他の物質との反応を防ぐことができる。SEI被膜はイオントンネル効果を発揮し、リチウムイオンのみを通過させることができる。リチウムイオンは電解質中において、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の高誘電率溶媒と溶媒和しており、この溶媒和状態のリチウムイオンが負極の炭素系物質にコインターカレーションするとグラファイト構造の破壊に繋がるが、SEI皮膜が形成されることにより、脱溶媒和したリチウムイオンのみが負極に挿入できるようになる。
他方、特許文献1(2017−036273号公報)では、アルカリ金属イオン二次電池を高温度環境下に曝すと、その安定な皮膜に亀裂が生じ、或いは溶解又は分解が生じる場合があり、その結果、アルカリ金属イオン二次電池の充放電特性の低下及びインピーダンスが増加することが指摘されている。これに対して、特許文献1では、特定の化学式(1)[(H3CH2CO)2P(O)O-]:Li+で表されるリン酸ジエステル塩を電解質に対する添加剤として使用することにより、高温度環境下におけるナトリウム二次電池の保存特性を向上させ、保存後の充放電特性を高め、また、内部抵抗の上昇を抑制できることが開示されている。
また、特許文献2(2017−022108号公報)では、電解質に対する添加剤として、フルオロエチレンカーボネート「FEC」を採用することにより、リチウム二次電池において、出力密度、エネルギー密度の向上、高温時/低温時の容量劣化の抑制、サイクル寿命の向上が図られるとされている。
しかしながら、充放電を繰り返す中で電解質に添加されたFECは消費され、そして、FECが枯渇すると電池容量が急激に低下する現象が見られる。そのため、所定の充放電サイクル特性を満足するためにはFECの添加量を増加する必要があるが、この添加量を増加させると、電解質の粘度を上昇させ、二次電池の入出力特性の低下といった諸問題を引き起こすこととなる。また、FECが混合された二次電池が高温度状態に曝されるとガスが発生し、二次電池の膨張又はスウェリングを生じ、最悪の場合には、破裂等の安全性に影響を及ぼすことがある。
従って、負極活物質としてケイ素系物質を炭素系物質と併用しエネルギー密度を高める一方、電解質添加剤であるFECの添加量を減少しつつ、充放電サイクル率の向上、高い寿命性等の二次電池の性能を向上させるために、非水系電解質(液)の添加剤として添加される負極表面固体電解質被膜形成剤及び非水電解質添加剤の開発が望まれている。
特表2017−036273号公報 特表2017−022108号公報
本発明者等は、負極活物質としてのケイ素系物質(必要に応じて炭素系物質を添加)に対して、電解質添加剤として少量のFECと、負極表面固体電解質被膜形成剤(形成促進剤;以下、同じ)としてのリチウムジエチルフォスフェート(「LiDEP」)とを併用した非水系電解質(電解液)によれば、負極活物質としてのケイ素系物質表面に特異的なSEI被膜を形成させることができ、二次電池の充放電性能を向上させるととともに、FECの含有量を有意に減少させることとが可能となり、FEC含有による諸問題を高い次元において解決することができるとの知見を得た。本発明は係る知見に基づいてなされたものである。
〔本発明の一の態様〕
従って、本発明の一の態様は以下の通りである。
〔1〕 二次電池用非水系電解質であって、
負極表面固体電解質被膜形成剤としてのリチウムジエチルフォスフェート(LiDEP)と、
非水系電解質添加剤としてのフルオロエチレンカーボネート(FEC)とを含んでなり、
前記負極表面固体電解質被膜形成剤は、二次電池用負極における負極活物質の表面に、固体電解質界面(Solid Electrolyte Interface;SEI)被膜を形成するものである、二次電池用非水系電解質。
〔2〕 前記非水系電解質全質量に対して、
前記リチウムジエチルフォスフェートの含有量が0.01質量%以上5.0質量%以下であり、
前記フルオロエチレンカーボネートの含有量が0.1質量%以上30.0質量%以下である、〔1〕に記載の二次電池用非水系電解質。
〔3〕 二次電池であって、
正極と、負極活物質を備えた負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、二次電池用非水系電解質とを備えてなり、
前記二次電池用非水系電解質が、〔1〕又は〔2〕に記載のものである、二次電池。
〔4〕 前記負極活物質が、ケイ素系物質及び/又は炭素系物質とを含んでなる、〔3〕に記載の二次電池。
〔5〕 前記ケイ素系物質の含有量は、二次電池用負極材の全質量(100質量%)を基準にして、0質量%超過50質量%以下である、〔4〕に記載の二次電池。
〔6〕 前記ケイ素系物質は、容量密度が下限値として800mAh/g超過2000mAh/g以下である、〔3〕〜〔5〕の何れか一項に記載の二次電池。
〔7〕 前記ケイ素系物質の平均粒径(MW)が、0.1μm以上10μm以下である、〔3〕〜〔6〕の何れか一項に記載の二次電池。
〔8〕 前記ケイ素材料が一酸化ケイ素(SiO)である、〔3〕〜〔7〕の何れか一項に記載の二次電池。
〔9〕 前記負極活物質が、ケイ素系物質及び炭素系物質とを含んでなり、
前記炭素系物質とケイ素系物質との混合比率(質量比)が98:2から50:50である、〔3〕〜〔8〕の何れか一項に記載の二次電池。
本発明による、負極表面固体電解質被膜形成剤としてのリチウムジエチルフォスフェート(「LiDEP」)と、電解質添加剤として少量のFECとを用いた非水系電解質によれば、負極活物質として、炭素系物質と伴に、容量密度の高いケイ素系物質を併用することができ、二次電池のエネルギー密度を向上させることが可能となり、かつ、負極及び二次電池の膨張及びスウェリングを有意に抑制することができる。また、電解質添加剤(負極表面固体電解質被膜形成剤)として、FECと併用することにより、FECが枯渇することによる電池容量の急激な低下といった現象を抑制し、かつ、FECの含有量を減少させることにより、電解質の粘度上昇を抑制し、かつ電池の出入力特性の低下を有意に防止し、FECが高温度環境に曝されることよるガス発生を有意に防止することができる。
負極表面固体電解質被膜形成剤としてリチウムジエチルフォスフェート(「LiDEP」)を採用することにより、上記優れた特性が発揮されることから、負極表面固体電解質被膜形成剤を備えた二次電池は極めて高い容量密度を有し、優れた充放電サイクル特性の達成とその可逆性を実現することができ、サイクル寿命を向上させ、電極及び二次電池の膨張及びスウェリングを有意に抑止し、優れた保存安定性と高い安全性を二次電池に付与することができる。
図1は、実施例及び比較例について行った初期SEI被膜形成過程での電圧と、dQ/dVとの関係を示すグラフである。 図2は、実施例及び比較例について行ったサイクル試験でのサイクル数と、電池容量をとの関係を示すグラフである。
〔非水系電解質〕
本発明は、負極表面固体電解質被膜形成剤としてのリチウムジエチルフォスフェート(「LiDEP」)と、非水系電解質添加剤としてフルオロエチレンカーボネート(FEC)とを必須成分として含有してなる、非水系電解質である。
(負極表面固体電解質被膜形成剤)
本発明は、負極表面固体電解質被膜形成剤を含有してなり、必須成分として、リチウムジエチルフォスフェートを含んでなる。
〈リチウムジエチルフォスフェート:C410LiO4P:「LiDEP」〉
LiDEPは、少量のFECと併用することにより、負極活物質であるケイ素系物質を包含した負極表面に、SEI被膜を有意に形成させることができ、二次電池の充放電サイクル特性の向上を図り、かつ、ケイ素系物質由来の電極及び二次電池の膨張又はスウェリングといった諸問題を有意に解決することができる。また、LiDEPを採用することにより、FEC枯渇による二次電池の電池容量の急激な低減を抑制し、かつ、FECの含有量を低減させることにより、電解質の粘度上昇を抑制し、二次電池の入出力特性の低下を防止することができ、さらには、過剰のFEC含有による高温度環境下のガス発生を予め予防することができ、二次電池の安全性を向上させることが可能となる。
LiDEPの含有量は、非水系電解質全質量(100質量%)を基準にして、下限値が0.01質量%以上であり、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、上限値が5.0質量%以下であり、好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。LiDEPの含有量が上記下限値以上とすることにより、電解質において負極表面固体電解質被膜形成剤としての機能を十分に発現させることが可能となり、また、上記上限値以下とすることにより、非水系電解質の粘度の上昇を抑制し、二次電池の特性を有意に維持することが可能となる。
〈フルオロエチレンカーボネート:C33FO3:「FEC」〉
FECは、非水系電解質添加剤として含有され、非水系電解質に添加されることにより、出力密度、高温時/低温時の容量劣化の抑制、サイクル寿命の向上を図ることができる。よって、FECは、非水系電解質添加剤として、特に、出力密度向上剤、容量劣化抑制剤、サイクル寿命向上剤として用いられる。
FECの含有量は、非水系電解質全質量(100質量%)を基準にして、下限値が0.1質量%以上であり、好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは2.0質量%以上であり、上限値が30.0質量%以下であり、好ましくは10.0質量%以下であり、より好ましくは5.0質量%以下である。FECの含有量が上記範囲内にあることにより、二次電池のサイクル特性を向上させ、高温保存時におけるガス発生量を抑制し、電池特性を維持することが可能となる。また、LiDEPとの併用により、FECの含有量を減少させることにより、二次電池の機能を十分に発揮させることができる。
〈その他の非水系電解質溶媒成分〉
本発明にあっては、その他の非水系電解質溶媒成分として、例えば、環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートを含むことができる。環状カーボネートの例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などが挙げられる。鎖状カーボネートの例としては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びメチルプロピルカーボネート(MPC)からなる群より選択された一種又は二種以上の混合物が好ましいが、これに限定されるものではなく、γ-ブチルラクトン(γ-BL)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル及びその誘導体、並びにイオン液体からなる群より選択された一種又は二種以上の混合物などを用いてもよい。
本発明にあっては、環状カーボネート及び鎖状カーボネートは任意の割合で混合して用いられる。一般に環状カーボネートは高誘電率・高粘度で、鎖状カーボネートは低誘電率・低粘度であるため、これらを適切に混合することにより、後述のリチウム塩を良好に溶解しつつ適当な粘度を有し、高いイオン伝導度の非水系電解質を得ることができる。
その他の非水系電解質溶媒成分の含有量は、非水系電解質全質量(100質量%)を基準にして、下限値が5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、上限値が94質量%以下であり、好ましくは92質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下である。含有量が上記数値範囲内とすることにより、非水系電解質の粘度及びイオン伝導度を適切な範囲とし、二次電池の大電流充放電特性に対応し易くなる。
〈リチウム塩〉
非水系電解質は、リチウム塩を含有することができる。リチウム塩の例としては、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、クロロホウ酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムからなる群より選択される一種又は二種以上の混合物が挙げられる。
リチウム塩の含有量は、本発明の効果を損なわない限り、その含有量は特に制限されないが、電解質のイオン伝導度を良好な範囲とし、良好な二次電池特性を確保する観点から、非水系電解質全質量(100質量%)を基準にして、下限値が4質量%以上であり、好ましくは6質量%以上であり、より好ましくは8質量%以上であり、上限値が30質量%以下であり、好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。リチウム塩の含有量を上記範囲内にすることによって、適正な粘度を有する高イオン伝導度の非水系電解質を構築ことができ、良好な二次電池特性を得ることができる。
〈その他の非水電解質添加剤〉
本発明にあっては、非水電解質添加剤として、ビニレンカーボネート、ビフェニル、プロパンスルトン、及びジフェニルジスルフィドからなる群より選択された1種又は二種以上の混合物などを加えてもよい。
本願発明にあっては、リチウムイオンを伝導する非水系電解質は液体、固体のいずれであってもよく、好ましくは、液体である。固体(層形態を含む)とする場合には、例えば、PEO、PVdF、PVdF‐HFP、PMMA、PAN、又はPVAcを使用したゲル型高分子電解質;又は、PEO、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエーテルイミン(PEI)、ポリエチレンスルフィド(PES)、又はポリビニルアセテート(PVAc)を使用した固体非水系電解質として製造することができる。
〔二次電池用負極材〕
二次電池用負極材は、負極活性物質として、ケイ素系物質及び/又は炭素系物質(好ましくは両者)と、任意成分(バインダー、導電材等)とを備えてなるものである。
(ケイ素系物質・材料)
ケイ素系物質(材料)は、例えば、ケイ素粉末、ケイ素合金、ケイ素酸化物(好ましくはSiOx〔x=0.5〜4〕であり、より好ましくはSiO〔x=1〕である)、アモルファスケイ素粉末、ケイ素ナノファイバー、ケイ素ナノワイヤー;前記ケイ素系物質と、黒鉛、カーボンナノチューブ(CNT)又はグラフェンから選択される炭素系物質との複合体、又はリチウムを予めドープした前記ケイ素系物質からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物であってよい。
本発明の好ましい態様によれば、ケイ素系物質の含有量は、二次電池用負極材の全質量(100質量%)を基準にして、下限値が1.0質量%超過であり、2.0質量%以上であり、好ましくは4.0質量%以上であり、上限値が50質量%以下であってよく、より好ましくは40質量%以下であり、30質量%以下であってよい。
含有量が上記範囲内であることにより、即ち、含有量が下限値以上であれば、高容量密度の電極を得ることが可能となり、含有量が上限値以下であれば、電池の充放電における膨張・収縮を抑制し、良好なサイクル特性を得ることが可能となる。特に、本発明にあっては、負極表面固体電解質被膜形成剤LiDEPとFECとの併用によってもたらされるサイクル特性の向上の効果との調整によって、ケイ素物質の最適な含有量は決定されてもよい。
本発明にあっては、ケイ素系物質は、容量密度が下限値として800mAh/g超過であり、900mAh/g以上であり、好ましくは1000mAh/g以上であり、上限値として2000mAh/g%以下であってよく、より好ましくは、1900mAh/g以下であり、1800mAh/g以下であるものを好ましくは用いる。
ケイ素系物質の容量密度が上記範囲内にあることにより、良好な二次電池特性を得ることが可能となる。より具体的には、容量密度が下限値以上であれば、二次電池のエネルギー密度を向上させる設計が容易となり、容量密度が上限値以下であれば、充放電時にケイ素系物質の膨張・収縮を抑制し、粒子の崩壊等の二次電池性能に悪影響を及び諸問題を有効に抑制し、サイクル特性を向上させることが可能となる。
本発明にあっては、ケイ素系物質は粒子形態であってよく、この場合、ケイ素系物質の平均粒径は、0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは0.2μm以上9μm以下であり、より好ましくは0.3μm以上8μm以下である。
ケイ素系物質の平均粒径を上記数値範囲内にすることにより、即ち、ケイ素系物質は黒鉛に比べて充電による膨張率が高いため、ケイ素系物質の粒子サイズ(粒子径)を上記上限値以下において可能な限り小さくすることで、負極内で黒鉛間の空隙に配置させることが可能となり、二次電池膨張時の電極厚みを均一にすることができ、又は、ケイ素系物質の粒子サイズ(粒子径)を上記下限値以上とすることにより、比表面積の拡大を防止し、電解質との副反応を有意に抑制することができる。
本発明にあっては、平均粒径は、体積平均径(MV)であり、粒状物質について、体積基準(体積分布)を用いて測定することができ、例えば、マイクロトラック(レーザー回折・散乱法)等の方法及び装置を用いて体積分布を測定し、解析ソフトを用いて算出することができる。本発明にあっては、ケイ素系物質及び黒鉛おける平均粒径のみならず、他の物質の平均粒径もまた同様にして測定し、数値として定めるものとする。
(炭素系物質・材料)
炭素系物質としては、無定形炭素、天然および人造黒鉛、カーボンナノチューブ等の炭素原子構造物、炭素繊維、炭素粒子等が挙げられる。炭素系物質は、比表面積が小さく、初期効率が高いもので、好ましくは黒鉛粉末が好ましい。比表面積が小さい負極材粒子を採用することにより、電極密度を向上させ、電池の容量密度を高めることができる。炭素系物質は、天然黒鉛が好ましい。天然黒鉛は、一般的に、人造黒鉛及びケイ素系物質と比べて柔らかく、固練りによってケイ素系物質とよく馴染むと共に、一部の黒鉛が劈開して導電剤としての役割を担うことができる。人造黒鉛自体の膨張率は天然黒鉛よりも低いため、人造黒鉛を用いた電極は電極全体の膨張率も小さくなるとの効果を有する。
本発明の好ましい態様によれば、炭素系物質の含有量は、二次電池用負極材の全質量(100質量%)を基準にして、下限値が1.0質量%超過であり、10質量%以上であり、好ましくは20質量%以上であり、上限値が99質量%以下であってよく、より好ましくは、98質量%以下であり、97質量%以下であってよい。
前記炭素系物質の含有量が上記数値範囲内にあることにより、サイクル特性が良好でバランスの取れた二次電池用負極を構築することができる。即ち、炭素系物質の含有量が上記下限値以上であることにより、ケイ素系物質の含有量に対してある程度多い場合であっても、高容量密度の電極を得ることができ、また、電池の充放電における膨張・収縮を抑制し、良好なサイクル特性を得ることが可能となる。また、炭素系物質の含有量が上記上限値以下であることにより、任意成分(例えば、バインダー及び導電材等)の含有量を適正な範囲とすることが可能となり、負極の機械的強度及び電子伝導性を向上させることができ、良好な二次電池特性を得ることが可能となる。
本発明にあっては、炭素系物質の平均粒子径は、1μm以上80μm以下であり、好ましくは3μm以上40μm以下であり、より好ましくは5μm以上30μm以下である。炭素系物質の平均粒径を上記数値範囲内にすることにより、即ち、ケイ素系物質は黒鉛に比べて充電による膨張率が高いため、炭素系物質の粒子サイズ(粒子径)を上記上限値以下において可能な限り小さくすることで、負極内で黒鉛間の空隙にケイ素系物質を配置させることが可能となり、二次電池膨張時の電極厚みを均一にすることができ、又は、炭素系物質の粒子サイズ(粒子径)を上記下限値以上とすることにより、比表面積の拡大を防止し、電解質との副反応を有意に抑制することができる。
(ケイ素系物質:炭素系物質/混合物)
本発明にあっては、電極活物質として、炭素系物質とケイ素系物質とを混合してなるものを使用する。炭素系物質とケイ素系物質との混合比率(質量比)は、質量比として98:2以上50:50以下であり、好ましくは95:5以上60:40以下である。上記混合比率にあることにより、炭素系物質はケイ素系物質の膨張・収縮に対する緩衝(バッファー)層としても機能し、良好なサイクル特性が得ることが可能となる。
本発明にあっては、炭素系物質とケイ素系物質の混合物の容量密度が下限値として400mAh/g超過であり、440mAh/g以上であり、好ましくは480mAh/g以上であり、上限値として1000mAh/g以下であってよく、より好ましくは、900mAh/g以下であり、800mAh/g以下であるものを好ましくは用いる。
また、好ましい態様によれば、炭素系物質(特に、黒鉛)とケイ素系物質との平均粒径の比(黒鉛/ケイ素系物質)は少なくとも2倍以上、好ましくは、3倍以上であることが好ましい。ケイ素系物質は黒鉛に比べて充電による膨張率が高いため、黒鉛とケイ素系物質との平均粒径の比が上記数値とすることにより、即ち、ケイ素系物質の粒子サイズ(粒子径)を炭素系物質(特に、黒鉛)の粒子サイズ(粒子径)よりも可能な限り小さくすることで、ケイ素系物質を負極内で炭素系物質(特に、黒鉛)間の空隙に配置させることが可能となり、二次電池膨張時の電極厚みを均一にすることができる。
よって、ケイ素系物質の平均粒径、炭素系物質の平均粒径、炭素系物質とケイ素系物質の平均粒径の比(炭素系物質/ケイ素系物質)が上記数値範囲内であることにより、部分的な膨張による負極からの活物質の脱落、負極内のクラックの形成を有意に抑制することができ、充放電を繰り返しても、負極活物質の利用率が低下せずに、二次電池の容量劣化を高い次元において抑制することが可能となる。
(負極用バインダー)
本発明による負極は、任意成分として、バインダーを含んでなる。バインダーは、負極活物質、導電剤を接着させ、或いは、電極集電体に対する結合を促進させる成分である。バインダーとしては、水系又は溶剤系のものが挙げられ、水系のものとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン‐トリクロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン‐クロロトリフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、アクリロニトリル‐スチレン‐ブタジエン共重合体、アルキル変性カルボキシル基含有共重合体、ビニルエステルとエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合体からなる群より選択される一種又は二種以上の混合物が好ましくは挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、バインダーの含有量は、二次電池用負極材の全質量に対して、0.2質量%超過であり、5.0質量%以下であり、好ましくは0.4質量%以上であり、4.5質量%以下であってよく、より好ましくは、0.6質量%以上であり、4.0質量%以下であってよい。バインダーの含有量が上記下限値以上とすることにより、負極の機械的強度を好ましいものとすることができ、バインダーの含有量が上記上限値以下とすることにより、負極活物質の含有量を相対的に減少させることがないので、電極容量を有効なものとし、また、電気的に絶縁性を兼ねるバインダーの場合にあっては、電極の抵抗を低くすることができ、二次電池の高電流充放電での負荷特性を向上させることが可能となる。
(負極用増粘剤)
負極は、任意成分として、増粘剤を含んでもよい。増粘剤は、負極活物質、導電剤の分散性を維持し、並びに、電極集電体に対する結合を促進させる成分として有用である。特に、負極スラリー組成物を適正な粘度に調整し、固形分の沈降を予防する役割を担う。増粘剤の例には、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース化合物、上記セルロース化合物のアンモニウム塩およびアルカリ金属塩、ポリ(メタ)アクリル酸および改質ポリ(メタ)アクリル酸等のポリカルボン酸、上記ポリカルボン酸のアルカリ金属塩、ポリビニルアルコール、改質ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコールコポリマー等のポリビニルアルコールベースの(コ)ポリマー、(メタ)アクリル酸、マレイン酸またはフマル酸等の不飽和カルボン酸とビニルエステルとのコポリマーの鹸化生成物等の水溶性ポリマー、並びにアニオン性(メタ)アクリルポリマー増粘剤からなる群より選択される一種又は二種以上の混合物が好ましくは挙げられる。
増粘剤の含有量は、負極の全質量を基準にして、0質量%超過5質量%以下であってよい。
(負極用導電剤)
本発明による負極は、任意成分として、導電剤を含んでなる。導電剤は、ケイ素系物質を用いる負極活物質において、炭素系物質と同等の電池特性を付与することが可能となる。導電剤は、二次電池に化学的変化を誘発しないものが好ましく、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維;フロロカーボン、アルミニウム、ニッケル等の金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー、酸化チタン等の導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体等の導電性素材等からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が挙げられ、好ましくは、導電性繊維である。導電性繊維は、ケイ素原子を含む粒子を負極活物質として用いた場合、充放電による膨張収縮によっても負極活物質間又は負極活物質と集電体との間における導電パスを維持し、負極活物質から脱落し難い構造を備えていることから、特に好ましい。
導電材の含有量は、二次電池用負極材の全質量に対して、0.2質量%超過であり、10質量%以下であり、好ましくは0.4質量%以上であり、8.0質量%以下であってよく、より好ましくは、0.6質量%以上であり、6.0質量%以下であってよい。導電材の含有量が上記下限値以上であることにより、負極の電子導電性を十分なものとし、また、導電材の含有量が上記上限値以下であることにより、負極活物質の含有量が相対的に減少することなく、電極容量の向上を図ることが可能となる。
(負極用添加剤)
負極用添加剤は、負極活物質(ケイ素系物質及び黒鉛)と、導電剤とを含んでなる負極に含有されるものである。本発明にあっては、電解質(液)がフルオロエチレンカーボネート(FEC)を含んでなる二次電池において、負極用添加剤として好ましくは使用されるものである。
前記負極用添加剤は、負極構成成分に親水性を付与し、負極構成成分を分散させ、及び、負極に対する電解質(特に、FECを含有した電解液)の含浸(促進)性(濡れ性)及び保液性を向上させることが可能となる。即ち、負極用添加剤は、負極成分に親水性を付与し、負極成分を分散させ、又は負極に対する電解質の含浸(促進)性(濡れ性)及び保液性という機能又は作用を付与するものである。
よって、負極用添加剤は、より具体的には、二次電池負極に対して、親水性付与剤、負極成分(構成材)に対する分散性付与剤、及び負極に対する電解質の含浸性(促進)付与剤又は保液性付与剤である。即ち、負極用添加剤は、負極に対して付与される、親水剤、分散剤、及び電解質含浸(促進)剤又は電解質保液剤である
(ポリビニルピロリドン:「PVP」)
負極用添加剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)であり、又は、主成分としてポリビニルピロリドン(PVP)を含んでなるものである。PVPは、物質(材料)の表面を親水化する効果があり、また、樹脂等との相溶性が高いため、電池構成成分に対する分散剤として使用される。また、PVPは、粘度が高い電解液に対する負極の濡れ性、負極材料中のケイ素系物質、導電剤、バインダーの分散性を高めることが可能となる。また、PVPは、非イオン性の水溶性ポリマーであり、低級溶剤溶解性、吸湿性、成膜性、及び耐塩性が高いものである。更に、PVPは、その水溶性及び溶剤溶解性により、水系バインダー及び溶剤系バインダーを用いる場合にも使用することが可能である。しかしながら、本発明にあっては、PVPは上記機能・作用を付与する負極用添加剤として使用するものであって、バインダー用途で使用されるものではなく、この意味において、バインダー用途とは峻別される。
負極用添加剤(PVP)の含有量は、負極の全質量(100質量%)を基準にして、0質量%超過5.0質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上であり、3.0質量%以下であってよく、より好ましくは0.3質量%以上であり、2.0質量%以下であってよい。
負極用添加剤(PVP)の含有量が上記数値範囲にあることにより、即ち、上限値以下とすることにより、電池内の負極活物質量の割合が十分となり、所望の設計電池容量を実現することが可能となり、また、負極用添加剤(PVP)は不導体ではあるが、電池の内部抵抗を低く維持することが可能である。また、負極用添加剤(PVP)の含有量が下限値超過であることにより、ケイ素系物質が十分に分散し、電極内で偏析し難くなり、かつ、電解質に対する濡れ性又は保液性も十分に発揮させることが可能となる。
よって、負極用添加剤(PVP)の含有量が上記数値範囲にあることにより、電池容量、電池間容量偏差、寿命特性、電極膨張率に対して最も優れた効果を発揮させることが可能となる。
(負極用充填剤)
負極は、任意成分として、充填剤を含んでもよい。充填剤は、負極の膨脹を抑制する成分であり、選択的に使用され、二次電池に化学的変化を誘発せず、繊維状の材料が好ましくは使用される。充填剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状物質からなる群より選択される一種又は二種以上の混合物が好ましくは挙げられる。
(負極の製造方法)
本発明によるリチウム二次電池用負極材は、
炭素系物質と、ケイ素系物質と、バインダーと、導電材とを少なくとも用意し、
これらを水溶媒中で混錬し、加熱乾燥によって水を除去し、
リチウム二次電池用負極材を得ることを含んでなるものである。
「混錬」は、一般的な混合機又は剪断性を有する混合機を用いておこなうことが可能である。
〔二次電池用負極〕
本発明にあっては、負極は、負極集電体に、上記した負極構成成分(負極組成物)を付与して、構成することができる。
(負極集電体)
負極集電体は、二次電池に化学的変化を誘発せず、高い導電性を持つものであればよい。例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼結炭素、アルミニウムやステンレススチールの表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀からなる群より選択される一種又は二種以上の混合物などで表面処理したもの等が用いられる。負極集電体は、表面に微細な凹凸を形成して負極材料の接着力を高めることができ、フィルム、シート、ホイール、ネット、多孔質体、発泡体、及び不織布体からなる群より選択される一種又は二種以上の混合体等の多様な形態が可能である。負極集電体の厚さは3μm以上50μm以下程度でよい。
(負極の製造方法)
負極は、一般に、負極集電体に、負極構成成分を形成し、又は、本発明による負極用組成物を塗布し乾燥させて得ることができる。
〔二次電池〕
本発明の別の態様によれば、本発明にあっては、二次電池、好ましくはリチウム二次電池を提案することができ、
正極と、負極と、電解質と、セパレータとを備えてなり、
前記電解質が本発明によるものである。
(電解質/負極)
電解質及び負極は、既に前記したものを使用する。
(正極)
正極は、正極集電体上に、正極活性物質、導電剤、バインダー又は増粘剤、及び充填剤をさらに添加した正極組成物を形成して形成することが可能である。正極集電体、導電剤、バインダー、充填剤等は、負極で説明した材料と同様であってよい。正極集電体の厚さは3μm以上50μm以下程度である。
〈正極活性物質〉
正極活性物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物を望ましく使用でき、例えばLixCoO2(0.5<x<1.3)、LixNiO2(0.5<x<1.3)、LixMnO2(0.5<x<1.3)、LixMn24(0.5<x<1.3)、Lix(NiaCobMnc)O2(0.5<x<1.3、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LixNi1-yCoy2(0.5<x<1.3、0<y<1)、LixCo1-yMny2(0.5<x<1.3、0≦y<1)、LixNi1-yMny2(0.5<x<1.3、0≦y<1)、Lix(NiaCobMnc)O4(0.5<x<1.3、0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LixMn2-zNiz4(0.5<x<1.3、0<z<2)、LixMn2-zCoz4(0.5<x<1.3、0<z<2)、LixCoPO4(0.5<x<1.3)、及びLixFePO4(0.5<x<1.3)からなる群より選択される一種又は二種以上の混合物を使用することができる。
また、前記リチウム含有遷移金属酸化物の外に硫化物、セレン化物、及びハロゲン化物なども使用することができる。好ましくは、LixCoO2(0.5<x<1.3)とLix(NiaCobMnc)O2(0.5<x<1.3、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)との混合物を正極活性物質として使用することができる。特に、Lix(NiaCobMnc)O2(0.5<x<1.3、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)は高電圧条件で高い出力特性を発揮できるという点で望ましいが、これらに限定されるものではない。
(セパレータ)
セパレータは、正極及び負極間に介在され、高いイオン透過度及び機械的強度を持つ絶縁性の薄膜が用いられる。一般に、セパレータの気孔直径は0.01〜10μmであり、厚さは5〜300μmである。このようなセパレータとしては、例えば、耐化学性及び疎水性のポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー、ポリイミド、ガラス繊維又はポリエチレンなどで作られたシートや不織布などが用いられ、さらに、安全性を高めるため、表面にアルミナ、チタニア、シリカなどの酸化物層があってもよい。電解質としてポリマーなどの固体電解質が用いられる場合には、固体電解質がセパレータを兼ねることができる。
また、本発明にあっては、セパレータは、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン‐ブテン共重合体、エチレン‐ヘキセン共重合体及びエチレン‐メタクリレート共重合体からなる群より選択されたポリオレフィン系高分子を備えた多孔性高分子基材;ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド及びポリエチレンナフタレートからなる群より選択された高分子を備えた多孔性高分子基材;有機物粒子又は無機物粒子(好ましい)とバインダー高分子との混合物とを備えた多孔性基材;又は、前記多孔性高分子基材の少なくとも一面上に有機物粒子又は無機物粒子(好ましい)とバインダー高分子との混合物から形成された多孔性コーティング層を備えた多孔性基材層等を使用することができる。
多孔性基材(層)の場合、有機物粒子又は無機物粒子(好ましい)とバインダー高分子との混合物から形成された前記多孔性コーティング層では、有機物粒子又は無機物粒子(好ましい)粒子同士が互いに結着した状態を維持できるように、バインダー高分子がこれらを互いに付着(すなわち、バインダー高分子が有機物粒子又は無機物粒子同士の間を連結及び固定)しており、また、前記多孔性コーティング層は高分子バインダーによって前記多孔性高分子基材と結着した状態を維持する。このような多孔性コーティング層の有機物粒子又は無機物粒子は、実質的に互いに接触した状態で最密充填された構造で存在し、無機物粒子同士が接触した状態で生じるインタースティシャル・ボリューム(interstitial volume)が前記多孔性コーティング層の気孔になる。
本発明の好ましい態様によれば、リチウムイオンが外部電極にも容易に伝達されるためには、前記ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド及びポリエチレンナフタレートからなる群より選択された高分子を備えた多孔性高分子基材に該当する不織布材質のセパレータを使用することができる。
(製造方法)
本発明による二次電池は、通常の方法により正極及び負極間に多孔性のセパレータを挿入し、電解質を投入して製造することになる。本発明による二次電池は、円筒型、角型、パウチ型電池など、外形に関係なく用いられる。二次電池は、単一であっても、複数の二次電池として構成されてなるものであってよい。
本発明の内容を以下の実施例を用いて説明するが、本発明の範囲は、これら実施例に限定して解釈されるものではない。
〔電解質の調製〕
実施例1
非水溶媒として、30質量%の環状カーボネート(EC)と、50質量%の鎖状カーボネート(EMC)とを混合して攪拌した後に、LiPF6を塩濃度が1.2Mになるように添加溶解して、基本電解質とした。この基本電解質に、0.4質量%の「LiDEP」と、4質量%の「FEC」を混合し電解質を得た。
比較例1
「LiDEP」を添加しない以外は実施例1と同様にして電解質を得た。
比較例2
実施例1の基本電解質、即ち、「LiDEP」及び「FEC」を添加しない以外は実施例1と同様にして電解質を得た。
比較例3
「FEC」を添加しない以外は実施例1と同様にして電解質を得た。
〔リチウム二次電池の調製〕
(負極の作製)
負極活物質として、炭素系物質(天然黒鉛)と、ケイ素系物質としてのSiOとをそれぞれ70%、30%混合したものを92重量部と、導電性炭素系物質を3重量部と、接着剤としてSBRとCMCを5重量部、水中に分散させ、負極スラリーを調製した。調製した負極スラリーをCu箔上に均一に塗布し、加熱真空乾燥後、プレスし所定の膜厚と合剤密度にすることにより、負極を得た。
(正極の作製)
LiNi1/3Co1/3Mn1/32を95重量部と、導電性炭素系物質(アセチレンブラック)を3重量部と、接着剤としてPVdFを2重量部とを、N−メチル−2−ピロリドン溶媒中に分散させ、正極スラリーを調整した。正極スラリーをAl箔上に均一に塗布し、加熱真空乾燥後、プレスし所定の膜厚と合剤密度にすることにより、正極を得た。
(二次電池の作製)
得られた、正極、負極、電解質と、セパレータとしてポリオレフィン製フィルムを用いて、2016型コインセルを作製した。
〔評価試験〕
実施例および比較例の電池について以下の評価を行った。
〔評価試験1:二次電池のSEI被膜の形成〕
実施例及び比較例の二次電池を用いて、
電圧(V)に対するdQ/dVをプロットしたdQ/dV解析法により、二次電池のSEI被膜の形成過程を測定した。その結果は、図1に記載した通りであった。
〔評価結果1〕
図1において、比較例1の2.75V付近のピークはFECがSEI被膜形成のために消費されていることを示している。一方、LiDEPが添加された実施例においてはこのピークが減衰しており、FECの消費が少なくなったことを示している。
〔評価試験2:サイクル特性評価試験〕
実施例と比較例のコインセル(二次電池)について、100サイクル毎に0.1C電流レート、その他のサイクルでは0.5C電流レートで400サイクル充放電を繰り返した。その結果は、下記図2に記載した通りであった。
〔評価結果2〕
図2において、LiDEPとFECを併用した実施例については明確なサイクル特性の向上が確認できる(比較例1との比較)。一方、FECを含まない電解質を用いた比較例2と比較例3では、LiDEPによるサイクル特性の向上が僅かにみられるものの、その効果は明らかに小さかった。評価試験1及び評価試験2の結果を併せて考察すると、LiDEPとFECを併用することにより電池の初期充電時にケイ素系物質の膨張・収縮に対応できる良好なSEI被膜が形成され、その後の充放電サイクル時のFECの消費も抑制されていることが明らかに認められた。
〔総合評価〕
本発明によれば、LiDEPがFECと共に負極のケイ素系物質上に特異なSEI被膜形成をする。それによって、電池の初期効率および容量が向上する。また、充放電サイクル時のFECの消費量が抑制され、サイクル寿命が向上する。所定のサイクル寿命を満足するのに必要な非水系電解質中のFEC混合量を低減させることができるため、高温での充放電や保存時に問題であったFECを原因とするガス発生の抑制も期待できる。そのため非水系電解質二次電池が用いられる電子機器等の様々な分野において好適に利用できる。

Claims (9)

  1. 二次電池用非水系電解質であって、
    負極表面固体電解質被膜形成剤としてのリチウムジエチルフォスフェート(LiDEP)と、
    非水系電解質添加剤としてのフルオロエチレンカーボネート(FEC)とを含んでなり、
    前記負極表面固体電解質被膜形成剤は、二次電池用負極における負極活物質の表面に、固体電解質界面(Solid Electrolyte Interface;SEI)被膜を形成するものである、二次電池用非水系電解質。
  2. 前記非水系電解質全質量に対して、
    前記リチウムジエチルフォスフェートの含有量が0.01質量%以上5.0質量%以下であり、
    前記フルオロエチレンカーボネートの含有量が0.1質量%以上30.0質量%以下である、請求項1に記載の二次電池用非水系電解質。
  3. 二次電池であって、
    正極と、負極活物質を備えた負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、二次電池用非水系電解質とを備えてなり、
    前記二次電池用非水系電解質が、請求項1又は2に記載のものである、二次電池。
  4. 前記負極活物質が、ケイ素系物質及び/又は炭素系物質とを含んでなる、請求項3に記載の二次電池。
  5. 前記ケイ素系物質の含有量は、二次電池用負極材の全質量(100質量%)を基準にして、1.0質量%超過50質量%以下である、請求項4に記載の二次電池。
  6. 前記ケイ素系物質は、容量密度が下限値として800mAh/g超過2000mAh/g以下である、請求項3〜5の何れか一項に記載の二次電池。
  7. 前記ケイ素系物質の平均粒径(MW)が、0.1μm以上10μm以下である、請求項3〜6の何れか一項に記載の二次電池。
  8. 前記ケイ素材料が一酸化ケイ素(SiO)である、請求項3〜7の何れか一項に記載の二次電池。
  9. 前記負極活物質が、ケイ素系物質及び炭素系物質とを含んでなり、
    前記炭素系物質とケイ素系物質との混合比率(質量比)が98:2から50:50である、請求項3〜8の何れか一項に記載の二次電池。
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