JP2019215939A - 火災感知器の試験システム、支援治具及び試験方法 - Google Patents
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本発明は、火災感知器が接続された受信機と、受信機に接続された電話回線と、を備えた火災報知設備の火災感知器を試験する試験システムに於いて、
電話回線を介して音声信号が入力している場合に当該音声信号に対応する音声信号を送信し、
送信された音声信号を受信して、当該受信した音声信号に対応する音声を出力することを特徴とする。
火災報知設備が感知器試験モードに設定されたときに、受信機から電話回線に音声信号を出力する回線接続部と、
電話回線と通信端末との間に着脱自在に接続され、電話回線を介して音声信号が入力している場合に通信端末に送信動作を指示して、当該入力した音声信号に対応する音声信号を出力する他の通信端末と、
を備える。
本発明は、火災感知器が接続された受信機と、受信機に接続された電話回線と、を備えた火災報知設備の火災感知器を試験する試験システムに使用される支援治具であって、
治具本体と、
治具本体から引き出された信号線を介して、火災報知設備の受信機から音声信号が電話回線を介して供給される電話ジャックに接続する電話プラグと、
治具本体から引き出された他の信号線を介して通信端末のマイク入力端子に接続するマイクプラグと、
治具本体に収納され、電話プラグを介して音声信号が入力している場合に、マイクプラグを介して通信端末に送信動作を指示して音声信号を送信させる回路ユニットと、
を備えたことを特徴とする。
火災感知器を試験発報させた場合に、当該試験発報を受信した受信機から電話回線を介して点検員が所持する通信端末へ試験発報を示す音声信号を送信し、
通信端末で試験発報を示す音声信号を受信した場合に、当該受信した音声信号に対応する音声を出力し、
点検員が通信端末から出力された音声に基づいて火災感知器の試験結果を確認することを特徴とする。
本発明は、警戒区域に火災感知器及び電話機接続端子を備えた発信機を設置し、受信機から引き出された火報回線に火災感知器及び発信機を接続すると共に受信機から引き出された電話回線に発信機の電話機接続端子を接続した火災報知設備の感知器試験システムに於いて、受信機の制御部に対する感知器試験モードの設定状態で、音声信号を出力する音声出力ポートを電話回線に接続する電話回線接続部と、発信機の電話機接続端子と通信端末のマイク入力端子との間に着脱自在に接続し、電話回線を介して音声信号を入力している場合に通信端末に送信動作を指示して音声信号を無線送信させる支援治具と、感知器試験を行う点検員が携帯し、通信端末から送信された音声信号を受信して出力する他の通信端末を設けるようにしたため、点検員が試験治具を用いて感知器試験作業を行う場合、火災感知器を試験発報して火災信号が受信されると受信機から回線発報を示す音声信号が電話回線に送出され、電話回線を接続した発信機の電話ジャックに接続している支援治具を介して通信端末に送られ、通信端末から点検員が携帯している他の通信端末に送られて発報回線が音声出力され、火災感知器の試験発報による火災受信が正常に行われたことをリアルタイムで知ることができ、受信機の動作が分かることで、点検員1名であっても不安なく試験作業を進めることができ、作業の途中で受信機に戻ってプリンタ打ち出し等を確認する必要がなく、作業負担を大幅に低減可能とする。
また、通信端末は、マイクスイッチ(プッシュ・トーク(PTT)スイッチ)の操作によりマイク入力端子に流れる電流を検出した場合に送信動作に切替えてマイク入力端子から入力した音声信号を無線送信する制御部を備え、支援治具は、電話回線を介して入力した音声信号の通信端末のマイク入力端子に対する出力をオン、オフするスイッチ回路部と、音声信号の入力を検出している場合にスイッチ回路部をオンして音声信号を出力させ、音声信号の入力を検出しなくなった場合にスイッチ回路部をオフするスイッチ制御部と、スイッチ回路部の入力側に接続され、スイッチ回路部をオンした場合に通信端末のマイク入力端子にマイクスイッチの操作に相当する電流を流して通信端末を送信動作に切替えるダミー抵抗を備えるようにしたため、マイクスイッチとして機能するPTTスイッチの手
動操作による音声送信の切替え機能を、支援治具のスイッチ制御回路、スイッチ回路及びダミー抵抗により自動的に行い、これによりPTTスイッチ付きマイクを接続可能なマイク入力端子を備えた市販のトランシーバ等の通信端末を使用することで、受信機からの音声信号を支援治具から通信端末に送って無線送信し、検査員の携帯する通信端末から受信機の回線発報を音声出力可能とする。
また、支援治具は、更に、電話回線の接続極性を無極性化して入力接続する無極性化回路部と、無極性化回路部の出力を入力し、電話回線から加わる過電圧を抑圧する保護回路部と、保護回路部の出力を入力し、電話回線に重畳しているハムノイズ成分を除去して所定の音声帯域の信号を通過させるフィルタ回路部と、フィルタ回路部の出力を入力し、電話回線から得られた音声信号を通信端末のマイク入力に適合した信号レベルに調整してスイッチ回路部に出力するゲイン調整回路部を設け、フィルタ回路部の出力をスイッチ制御部に入力するようにしたため、直流電圧を重畳している電話回線と支援治具の接続に接続極性を考慮する必要はなく、また、電話回線側から支援治具に過大なサージ電圧等が加わっても回路部が破損されず、また、電話回線に重畳しているハムノイズ等を除去することでノイズによるスイッチ回路部の誤動作を防止し、更に、通信端末のマイク入力レベルに適合した音声信号を出力することで、歪のない適正音量となる音声信号の送信を可能とする。
また、支援治具は、更に、電話回線に重畳した直流電圧を保護回路部から入力して所定の電源電圧を生成し、当該電源電圧をスイッチ回路部、スイッチ制御部、フィルタ回路部及びゲイン調整回路部に供給する定電圧回路部を設けるようにしたため、例えばスイッチ制御部に集積回路を設けたり、フィルタ回路部をオペアンプを備えたアクティブフィルタとした場合に、例えば電話回線から入力する直流24ボルトから5ボルトの定電圧を生成して各回路部に供給することで、安定した回路動作を実現可能とする。
また、通信端末は、マイク入力端子に接続したマイクからの音声信号を入力を検出した場合に送信動作に切替えて音声信号を無線送信する制御部を備え、支援治具は、電話回線の接続極性を無極性化して入力接続する無極性化回路部と、無極性化回路部の出力を入力し、電話回線から加わる過電圧を抑圧する保護回路部と、保護回路部の出力を入力し、電話回線に重畳しているハムノイズ成分を除去して所定の音声帯域の信号を通過させるフィルタ回路部と、フィルタ回路部の出力を入力し、電話回線から得られた音声信号を通信端末のマイク入力に適合した信号レベルに調整して通信端末のマイク入力端子に出力するゲイン調整回路部とを備えるようにしたため、電話回線から入力した音声信号のノイズを除去し、適正なマイク入力レベルに調整することで、通信端末に設けた声信号の入力を検出した場合に送信動作に切替えて音声信号を無線送信するVOX機能を有効に活用して、電話回線から入力した音声信号を通信端末のVOX機能を利用して無線送信し、検査員が携帯している通信端末からの発報回線の音声出力を可能とする。
この場合も支援治具は、更に、電話回線に重畳した直流電圧を保護回路部から入力して所定の電源電圧を生成し、当該電源電圧をフィルタ回路部及びゲイン調整回路部に供給する定電圧回路部を設けるようにしたため、フィルタ回路をオペアンプを用いたたアクティブフィルタとし、またゲイン調整回路部にオペアンプを設けた場合に、例えば電話回線から入力する直流24ボルトから5ボルトの定電圧を生成して各回路部に供給することで、安定した回路動作を実現可能とする。
また、支援治具は、治具本体と、治具本体を発信機の電話ジャックに信号線ケーブルを介して着脱自在に接続する電話プラグと、治具本体を通信端末のマイク端子に信号線ケーブルを介して着脱自在に接続するマイクプラグとを備えており、治具本体は手のひらに乗る程度の小さなユニットで済み、その両側に必要な長さの信号ケーブルを介して電話プラグとマイクプラグを接続した取扱が容易なサイズと軽さであり、電話ジャックおよび通信端末の接続はプラグを使用することから、簡単且つ容易に着脱でき、感知器試験に伴う支援治具の取扱いを便利にしている。
図1は本発明による火災報知設備の感知器試験支援システムの概略を示した説明図であり、回線単位に火災を監視するP型として知られた受信機を使用した火災報知設備の感知試験支援システムを例にとっている。
ている。発信機16に設けた電話ジャック18に試験員が携帯した非常電話機のプラグを差し込むことで、受信機10側の電話ジャックに差し込んでいる非常電話機との間の通話接続が可能となる。
図2は、図1における受信機の構成を発信機に支援治具により接続したトランシーバ及び試験員が携帯するトランシーバと共に示した説明図である。
ポート48からの音声信号をアンプ46aで増幅してスピーカ46bに出力することで、回線発報を示す警報音や音声メッセージ及び操作案内を示す音声メッセージ等を出力可能としている。
図3は支援治具の外観を示した説明図、図4はPTTスイッチ機能付きのトランシーバの接続に使用する支援治具の回路構成の概略を示したブロック図である。
図3に示すように、支援治具26はプラスチックケースで構成して内部に回路ユニットを収納した治具本体32の一方から電話ケーブル33を引き出して電話プラグ34を接続し、また、治具本体32の他方からマイクケーブル35を引き出してマイクプラグ37を
接続している。マイクプラグ37は、マイクピン37aとイヤホンピン37bを設けた2ピンプラグを使用しており、この2ピンプラグはイヤホンマイクセットのトランシーバ接続に一般的に使用されるプラグであることから、本実施形態の支援治具26もイヤホンマイクセットと同じ2ピンプラグを使用している。但し、イヤホンピン37bは使用しないことから、トランシーバに対しプラグを案内固定するガイドピンとして機能することになる。また、2ピンプラグに代えてマイクピンのみを備えたシングルピンのプラグとしても良い。
図4に示すように、支援治具26の治具本体32には、電話回線12bから音声信号を入力する電話プラグ34側からトランシーバ28に接続するマイクプラグ37側に向けて、無極性化回路部56、保護回路部58、定電圧回路部60、フィルタ回路部62、ゲイン調整回路部64、スイッチ制御部66、ダミー抵抗68及びスイッチ回路部70を設けている。
図2に示した受信機10の制御部36は、感知器試験を行う場合には、操作部42による感知器試験モードの設定操作を検知したときに、通常監視状態における火災監視モードを解除して感知器試験モードの設定に切替える制御を行う。制御部36による感知器試験モードは、地区音響警報を禁止すると共に、主音響警報及び回線発報の音声メッセージを火災信号が受信されている間、出力するモードとする。更に、感知器試験モードの設定に伴い制御部36は電話回線接続部54をオンし、音声出力ポート48をアンプ46aを介して電話回線12b側に接続する制御を行う。
図5はVOX機能付きのトランシーバの接続に使用する支援治具の回路構成の概略を示したブロック図である。
本実施形態の感知器試験支援システムで使用可能なトランシーバとして、所謂VOX機能付きのトランシーバがある。トランシーバのVOX機能(Voice Operated Rely)とは、PTTスイッチを使用することなく、マイクから入力された音声を検出して自動的に送受信を切替える機能であり、音声を検出すると送信に切り替え、音声を検出しなくなると受信に切替える。
図5はVOX機能付きのトランシーバの接続に使用する支援治具の回路構成の概略を示したブロック図である。
(R型火災報知設備)
上記の実施形態はP型の火災報知設備の感知器試験を例とっているが、R型として知られた受信機から引き出された伝送回線にアドレスを設定したアナログ火災感知器を接続して感知器単位に火災を監視して警報する防災監視設備についても同様に適用することができる。
上記の実施形態は、PTT機能付きのトランシーバとVOX機能付きのトランシーバに対応した支援治具を例にとっているが、図4の支援治具の回路について、スイッチ制御部66を切離してスイッチ回路部70を常にオンとするようにスイッチ操作に基づき切替える切替え機能を設けることで、1つの支援治具によりTPP機能付きのトランシーバとVOX機能付きのトランシーバに選択的に対応できるようにしても良い。
上記の実施形態は発信機の電話ジャックに感知器試験の際に支援治具によりトランシーバを接続する場合を例にとっているが、発信機以外の機器に設けた電話ジャックに支援治具によりトランシーバを接続して感知器試験を行うことを妨げるものではない。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
12:信号回線
12a:火報回線
12b:電話回線
14:火災感知器
16:発信機
18,52:電話ジャック
20:試験治具
22:試験員
26:支援治具
28,30:トランシーバ
32:治具本体
33:電話ケーブル
34:電話プラグ
35:マイクケーブル
36:制御部
37:マイクプラグ
38:回線受信部
46:警報部
46a:アンプ
46b:スピーカ
48:音声出力ポート
50:通話回路部
54:電話回線接続部
56:無極性化回路部
58:保護回路部
60:定電圧回路部
62:フィルタ回路部
64:ゲイン調整回路部
66:スイッチ制御部
68:ダミー抵抗
70:スイッチ回路部
Claims (6)
- 火災感知器が接続された受信機と、前記受信機に接続された電話回線と、を備えた火災報知設備の前記火災感知器を試験する試験システムに於いて、
前記電話回線を介して音声信号が入力している場合に当該音声信号に対応する音声信号を送信し、
当該送信された音声信号を受信して、当該受信した音声信号に対応する音声を出力することを特徴とする試験システム。
- 請求項1記載の試験システムに於いて、
前記火災報知設備が感知器試験モードに設定されたときに、前記受信機から前記電話回線に音声信号を出力する回線接続部と、
前記電話回線と通信端末との間に着脱自在に接続され、前記電話回線を介して前記音声信号が入力している場合に前記通信端末に送信動作を指示して、当該入力した音声信号に対応する音声信号を送信させる支援治具と、
前記通信端末から送信された音声信号を受信して、当該受信した音声信号に対応する音声を出力する他の通信端末と、
を備えたことを特徴とする試験システム。
- 請求項2記載の試験システムに於いて、前記電話回線から前記支援治具へ入力される前記音声信号は、無極性化されることを特徴とする試験システム。
- 請求項1記載の試験システムに使用される支援治具であって、
治具本体と、
前記治具本体から引き出された信号線を介して、火災報知設備の受信機から音声信号が電話回線を介して供給される電話ジャックに接続する電話プラグと、
前記治具本体から引き出された他の信号線を介して通信端末のマイク入力端子に接続するマイクプラグと、
前記治具本体に収納され、前記電話プラグを介して前記音声信号が入力している場合に、前記マイクプラグを介して前記通信端末に送信動作を指示して前記音声信号を送信させる回路ユニットと、
を備えたことを特徴とする支援治具。
- 請求項4記載の支援治具において、前記電話回線の接続極性を無極性化して入力接続する無極性化回路部を備えたことを特徴とする支援治具。
- 火災感知器が接続された受信機と、前記受信機に接続された電話回線と、を備えた火災報知設備の前記火災感知器を試験する試験方法に於いて、
前記火災感知器を試験発報させた場合に、当該試験発報を受信した前記受信機から前記電話回線を介して点検員が所持する通信端末へ試験発報を示す音声信号を送信し、
前記通信端末で前記試験発報を示す音声信号を受信した場合に、当該受信した音声信号に対応する音声を出力し、
前記点検員が前記通信端末から出力された音声に基づいて前記火災感知器の試験結果を確認することを特徴とする試験方法。
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