JP2019214481A - ビスマス系ガラス粉末及びこれを用いた複合粉末 - Google Patents

ビスマス系ガラス粉末及びこれを用いた複合粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】低融点特性を維持しつつ、線熱膨張係数が低いビスマス系ガラス粉末を創案する。【解決手段】本発明のビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、質量%で、Bi2O380〜88%、B2O34〜10%、ZnO 3〜12%、MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrO及びBaOの合量) 0.1〜5%、CuO+Fe2O3(CuOとFe2O3の合量) 0〜1%未満、SiO20〜1%未満を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ビスマス系ガラス粉末及びこれを用いた複合粉末に関し、特に低膨張部材の低温封着に好適なビスマス系ガラス粉末及びこれを用いた複合粉末に関する。
低膨張部材(例えば、AlN、シリコン、無アルカリガラス等)の封着には低融点ガラスからなるガラス粉末が使用されている。そして、低融点ガラスは、用途に応じて、化学耐久性、機械的強度、電気絶縁性等の特性が要求される。
これらの要求特性を満たす低融点ガラスとして、PbOを多量に含む鉛系ガラスが広く用いられてきた(特許文献1参照)。
しかし、PbOは、環境負荷が大きいという問題がある。このため、鉛系ガラスから無鉛ガラスへの置き換えが望まれており、種々の無鉛ガラスが開発されるに至っている。特に、特許文献2等に記載のビスマス系ガラスは、低融点であるため、鉛系ガラスの代替候補として有力である。
特開昭63−315536号公報 特開2000−128574号公報
しかし、ビスマス系ガラスは、線熱膨張係数が高く、低膨張部材の線熱膨張係数に整合させ難い。その結果、低膨張部材を封着した後に、不当な応力が残留して、低膨張部材との界面でクラックや剥離が生じ易かった。
ビスマス系ガラス中の低融点成分の含有割合を低下させると、線熱膨張係数が低下するため、上記問題を解消し得るが、この場合、封着温度が例えば470℃超に上昇して、低膨張部材の熱劣化を招いてしまう。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、低融点特性を維持しつつ、線熱膨張係数が低いビスマス系ガラス粉末を創案することである。
本発明者は、ビスマス系ガラスのガラス組成範囲を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明のビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、質量%で、Bi 80〜88%、B 4〜10%、ZnO 3〜12%、MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrO及びBaOの合量) 0.1〜5%、CuO+Fe(CuOとFeの合量) 0〜1%未満、SiO 0〜1%未満を含有することを特徴とする。
また、本発明のビスマス系ガラス粉末は、質量比Bi/Bが9.0〜17.5であることが好ましい。ここで、「Bi/B」は、Biの含有量をBの含有量で除した値を指す。
また、本発明のビスマス系ガラス粉末は、LiO+NaO+KOの含有量(LiO、NaO及びKOの合量)が0.5質量%未満であることが好ましい。
また、本発明のビスマス系ガラス粉末は、軟化点が405℃以下であることが好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型示差熱分析(DTA)装置で測定した値である。DTAは、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始するものとする。
本発明の複合粉末は、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラーを含む複合粉末において、ビスマス系ガラス粉末が上記のビスマス系ガラス粉末であることが好ましい。
また、本発明の複合粉末は、耐火性フィラーの含有量が1〜30質量%であることが好ましい。
また、本発明の複合粉末は、線熱膨張係数が40×10−7/℃以上、且つ80×10−7/℃以下であることが好ましい。ここで、「複合粉末の線熱膨張係数」は、緻密な焼結体を測定試料とし、30〜250℃の温度範囲において、押し棒式線熱膨張係数測定(TMA)装置で測定した値である。
また、本発明の複合粉末は、封着に用いることが好ましい。
本発明のビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、質量%で、Bi 80〜88%、B 4〜10%、ZnO 3〜12%、MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrO及びBaOの合量) 0.1〜5%、CuO+Fe(CuOとFeの合量) 0〜1%未満、SiO 0〜1%未満を含有することを特徴とする。上記のようにガラス組成を限定した理由は以下の通りである。なお、以下の含有範囲の説明において、%表示は、質量%を指す。
Biは、軟化点を低下させる主要成分であり、また耐水性、耐候性を高める成分である。Biの含有量は80〜88%であり、好ましくは81〜87%、より好ましくは82〜86%である。Biの含有量が少なくなると、軟化点が高くなり過ぎて、470℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。一方、Biの含有量が多くなると、線熱膨張係数が上昇して、低膨張部材(例えば、AlN、シリコン、無アルカリガラス等)の封着後に、残留応力が過大になり易い。また熱的安定性(耐失透性)が低下し易くなる。
は、ビスマス系ガラスのガラスネットワークを形成する成分であり、必須成分である。Bの含有量は4〜10%であり、好ましくは5〜9%、より好ましくは6〜8%である。Bの含有量が少なくなると、熱的安定性が低下し易くなる。一方、Bの含有量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、470℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。
質量比Bi/Bは、好ましくは9.0〜17.5、より好ましくは10.0〜16.0、更に好ましくは12.0〜15.0である。質量比Bi/Bが小さくなると、軟化点が高くなり過ぎて、470℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。一方、質量比Bi/Bが大きくなると、熱的安定性が低下し易くなる。
ZnOは、線熱膨張係数を低下させる成分であり、その含有量は3〜12%であり、好ましくは4超〜10%、より好ましくは5〜9%である。ZnOの含有量が少なくなると、線熱膨張係数が上昇して、低膨張部材の封着後に、残留応力が過大になり易い。一方、ZnOの含有量が多くなると、熱的安定性が低下し易くなる。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、熱的安定性を高める成分である。MgO、CaO、SrO及びBaOの合量は0.1〜5%であり、好ましくは1〜4%、より好ましくは2〜3%である。MgO、CaO、SrO及びBaOの合量が少なくなると、熱的安定性が低下し易くなる。一方、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、470℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。
MgO、CaO、SrO及びBaOの内、SrOとBaOは、ビスマス系ガラスとの適合性が良好であるため、熱的安定性を高める効果が大きい。SrOとBaOの合量は、好ましくは0.1〜5%であり、より好ましくは1〜4%、更に好ましくは2〜3%である。SrOの含有量は、好ましくは0〜5%、より好ましくは0〜3%、更に好ましくは0.1〜1%である。また、BaOの含有量は、好ましくは0.1〜5%であり、より好ましくは1〜4%、更に好ましくは2〜3%である。SrOとBaOの含有量が少なくなると、熱的安定性が低下し易くなる。一方、SrOとBaOの含有量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、470℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。なお、MgOの含有量は、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%、更に好ましくは0〜0.1%未満である。CaOの含有量は、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%、更に好ましくは0〜0.1%未満である。MgOとCaOの含有量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、470℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。
質量比Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、好ましくは5.0〜14.5、より好ましくは6.0〜13である。質量比Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)が小さくなると、軟化点が高くなり過ぎて、470℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。一方、質量比Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)が大きくなると、熱的安定性が低下し易くなる。なお、「Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)」は、Biの含有量をMgO、CaO、SrO,BaO及びZnOの含有量で除した値を指す。
CuOとFeは、熱的安定性を高める成分である。しかし、CuOとFeの含有量が多くなると、封着の際に金属ビスマスが析出して、電気絶縁性が低下し易くなる。CuOとFeの合量は0〜1%未満であり、好ましくは0〜0.5%未満、より好ましくは0〜0.1%未満である。なお、CuOの含有量は、好ましくは0〜1%未満、より好ましくは0〜0.5%未満、更に好ましくは0〜0.1%未満である。Feの含有量は、好ましくは0〜0.5%未満、より好ましくは0〜0.1%未満、更に好ましくは0〜0.0.05%未満である。
SiOは、耐水性や耐候性を高める成分である。SiOの含有量は0〜1%未満であり、好ましくは0〜0.5%、より好ましくは0〜0.1%である。SiOの含有量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、470℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。
上記の成分以外にも、例えば、以下の成分を添加することができる。
LiO、NaO及びKOは、軟化点を低下させる成分であるが、失透を促進する作用を有する成分である。よって、LiO、NaO及びKOの合量及び個別含有量は、好ましくは2%以下、より好ましくは0.5%未満、更に好ましくは0.1%未満である。
Sbは、熱的安定性を高める成分である。しかし、Sbの含有量が多くなると、封着の際に金属ビスマスが析出して、電気絶縁性が低下し易くなる。Sbの含有量は、好ましくは0〜1%未満、より好ましくは0〜0.1%未満である。
は、熱的安定性を高める成分であるが、その含有量が多くなると、ガラスの分相を助長する傾向がある。よって、Pの含有量は、好ましくは2%以下、より好ましくは0.5%未満、更に好ましくは0.1%未満である。
MoO、La、Y及びCeOは、熱的安定性を高める成分であるが、これらの含有量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、470℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。よって、MoO、La、Y及びCeOの合量及び個別含有量は、好ましくは2%以下、より好ましくは0.5%未満、更に好ましくは0.1%未満である。
環境上の理由から、実質的にPbOを含有しないこと、つまりPbOの含有量が0.1%未満であることが好ましい。また、ガラス組成中にPbOを添加すると、絶縁体として使用する場合、ガラス中にPb2+が拡散して、電気絶縁性が低下する場合がある。
上記成分以外にも、他の成分(Nd、La等)を5%まで添加してもよい。
本発明のビスマス系ガラス粉末は、以下の特性を有することが好ましい。
ビスマス系ガラス粉末の線熱膨張係数は、好ましくは80×10−7/℃超、且つ130×10−7/℃以下、より好ましくは90×10−7/℃以上、且つ120×10−7/℃以下である。ビスマス系ガラス粉末の線熱膨張係数が上記範囲外になると、耐火性フィラーを添加しても、複合粉末の線熱膨張係数を低下させ難くなる。ここで、「ビスマス系ガラス粉末の線熱膨張係数」は、バルク試料を測定試料とし、30〜250℃の温度範囲において、TMA装置で測定した値である。
ビスマス系ガラス粉末の軟化点は、好ましくは370〜405℃、より好ましくは380〜400℃である。ビスマス系ガラス粉末の軟化点が低過ぎると、ガラス組成中のBiの含有量が多くなる傾向があり、この場合、熱的安定性が低下し易くなる。一方、ビスマス系ガラス粉末の軟化点が高過ぎると、封着温度が不当に上昇し易くなる。
ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50は、好ましくは5μm未満、0.5〜4μm、特に1〜3μmである。ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50が小さい程、ビスマス系ガラス粉末の軟化点が低下する。ここで、「平均粒子径D50」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
本発明の複合粉末は、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラーを含む複合粉末において、ビスマス系ガラス粉末が上記のビスマス系ガラス粉末であることが好ましい。ビスマス系ガラス粉末は、封着の際に軟化変形して、低膨張部材等を気密一体化する成分である。耐火性フィラーは、骨材として作用し、複合粉末の熱膨張係数を低下させつつ、機械的強度を高める成分である。なお、複合粉末には、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー以外にも、視認性を高めるために、顔料等を含んでいてもよい。
耐火性フィラーの含有量は、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは10〜25質量%、更に好ましくは13〜20質量%である。耐火性フィラーが少なくなると、耐火性フィラーの添加効果が乏しくなり、耐火性フィラーが多くなると、複合粉末の軟化流動性が低下し易くなり、また封着の際に耐火性フィラーの一部がガラス中に溶け出し、その影響でガラスが失透し易くなる。
耐火性フィラーとして、ウイレマイト系セラミック、β−ユークリプタイト、コーディエライト、ジルコン系セラミック、酸化錫系セラミック、リン酸ジルコニウム系セラミック、ムライト、石英ガラス、アルミナ等の粉末を単独、或いは組み合わせて使用することができる。その中でも、コーディエライトは、ビスマス系ガラスとの適合性が良好であり、線熱膨張係数を低下させる効果が高いため、好適である。
複合粉末の線熱膨張係数は、好ましくは40×10−7/℃以上、且つ80×10−7/℃以下、より好ましくは45×10−7/℃以上、且つ70×10−7/℃以下である。複合粉末の線熱膨張係数が上記範囲外になると、低膨張部材(例えば、AlN、シリコン、無アルカリガラス等)の封着後に、残留応力が過大になり易い。
大気中での封着温度は、好ましくは470℃以下、より好ましくは460℃以下である。封着温度が高過ぎると、低膨張部材及びその周辺部材の熱劣化を招く虞が生じる。ここで、「封着温度」は、フローボタン試験により評価する。詳述すると、比重に相当する質量の粉末を金型により外径20mmのボタン状に乾式プレスし、次に無アルカリガラス基板上にこのボタンを載置した上で、各種焼成温度で焼成した後、焼成後のボタン(フローボタン)の直径を測定し、その直径が20mmを超えた最小温度を封着温度とする。なお、焼成は、室温から焼成温度まで10℃/分で昇温し、焼成温度で10分間保持した後、焼成温度から室温まで10℃/分で降温することで行う。
本発明の複合粉末は、ビークルを添加し、ペースト化することにより、塗布作業性等を飛躍的に高めることができる。
ビークルは、主に溶媒と樹脂バインダーとからなり、樹脂バインダーはペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。作製されたペーストは、通常、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いて基板等に塗布された後、脱バインダー工程に供される。
樹脂バインダーとしては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。
溶媒としては、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−ターピネオールは、高粘性であり、樹脂バインダー等の溶解性も良好であるため、好まし
い。
本発明の複合粉末は、所定形状の焼結させた焼結体に加工されることが好ましい。このようにすれば、封着すべき部分に安定して、配置することができる。
焼結体は、複合粉末にビークルを添加して、スプレードライヤー等より顆粒化した後、得られた顆粒を金型に投入、プレス成型して、プレス体を作製し、更にそのプレス体を焼結することで作製することができる。
本発明の複合粉末は、線熱膨張係数が低く、軟化流動性に優れるため、低膨張部材(例えば、AlN、シリコン、無アルカリガラス等)の封着に用いることが好ましい。なお、本発明の複合粉末は、封着用途以外にも、低膨張部材の絶縁被覆に用いることも好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜4)および比較例(試料No.5、6)を示している。なお、表中で「CDR」は、コーディエライトを意味している。
次のようにして表1の各試料を調製した。まず、表中に示すガラス組成となるように、各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて900〜1000℃で2時間溶融した。次に、溶融ガラスの一部を線熱膨張係数の測定試料としてステンレス製の金型に流し出し、その他の溶融ガラスを水冷ローラーによりフィルム状に成形した。最後に、フィルム状のガラスをボールミルまたはライカイ機にて粉砕した後、空気分級して、平均粒子径D50約3.0μmのビスマス系ガラス粉末を得た。
以上の試料を用いて、軟化点、線熱膨張係数を評価した。その結果を表1に示す。
ビスマス系ガラス粉末の線熱膨張係数は、緻密な焼結体を測定試料とし、30〜250℃の温度範囲において、TMA装置で測定したものである。
ビスマス系ガラス粉末の軟化点は、マクロ型DTA装置で測定したものである。測定は、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始した。
続いて、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラーを表中の質量割合で混合して、複合粉末を作製した。なお、耐火性フィラーの平均粒子径D50を2.0μm、99%粒径D99を5.0μmとした。
複合粉末の線熱膨張係数は、緻密な焼結体を測定試料とし、30〜250℃の温度範囲において、TMA装置で測定したものである。
封着温度は、フローボタン試験により評価したものである。詳述すると、比重に相当する質量の複合粉末を金型により外径20mmのボタン状に乾式プレスし、次に無アルカリガラス基板(日本電気硝子社製OA−10G)上にこのボタンを載置した上で、各種焼成温度で焼成した後、焼成後のボタン(フローボタン)の直径を測定し、その直径が20mmを超えた最小温度を封着温度とした。なお、封着温度の測定に際し、室温から焼成温度まで10℃/分で昇温し、焼成温度で10分間保持した後、焼成温度から室温まで10℃/分で降温した。
封着後の表面状態は、上記封着温度における焼成後のボタンを観察して、結晶の析出が観察されなかったものを「○」、結晶の析出が観察されたものを「×」として評価した。
表から明らかなように、試料No.1〜4は、ガラス組成が所定範囲に規制されているため、線熱膨張係数が69×10−7/℃以下であり、且つ封着温度が465℃以下であった。更に封着後の表面状態の評価が良好であった。一方、試料No.5は、ビスマス系ガラス粉末中のBiの含有量が多いため、ビスマス系ガラス粉末の線熱膨張係数が高く、しかも封着後の表面状態の評価が不良であった。また、試料No.6は、ビスマス系ガラス粉末中のBiの含有量が少ないため、封着温度が高かった。

Claims (8)

  1. ガラス組成として、質量%で、Bi 80〜88%、B 4〜10%、ZnO 3〜12%、MgO+CaO+SrO+BaO 0.1〜5%、CuO+Fe 0〜1%未満、SiO 0〜1%未満を含有することを特徴とするビスマス系ガラス粉末。
  2. 質量比Bi/Bが9.0〜17.5であることを特徴とする請求項1に記載のビスマス系ガラス粉末。
  3. LiO+NaO+KOの含有量が0.5質量%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビスマス系ガラス粉末。
  4. 軟化点が405℃以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のビスマス系ガラス粉末。
  5. ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラーを含む複合粉末において、
    ビスマス系ガラス粉末が請求項1〜4の何れかに記載のビスマス系ガラス粉末であることを特徴とする複合粉末。
  6. 耐火性フィラーの含有量が1〜30質量%であることを特徴とする請求項5に記載の複合粉末。
  7. 線熱膨張係数が40×10−7/℃以上、且つ80×10−7/℃以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載の複合粉末。
  8. 封着に用いることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の複合粉末。
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