JP2010111520A - ビスマス系ガラス粉末の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉砕時に耐失透性を低下させ難く、ビスマス系ガラスを効率良く微粉化する方法を提案し、有機ELディスプレイ等の薄型化や特性向上に寄与すること。
【解決手段】本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法は、ビスマス系ガラスを有機溶媒で湿式粉砕し、ビスマス系ガラス粉末を作製することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビスマス系ガラス粉末の製造方法に関し、具体的にはビスマス系ガラスを湿式粉砕し、ビスマス系ガラスを微粉化する方法に関する。
近年、フラットディスプレイパネルとして有機ELディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイは、直流電圧で駆動できるため駆動回路を簡略化できるとともに、液晶ディスプレイのように視野角依存性がなく、また自己発光のため明るく、更には応答速度が速い等の利点がある。現在、有機ELディスプレイは、主に携帯電話等の小型携帯機器に利用されているが、今後は超薄型テレビへの応用が期待されている。
有機ELディスプレイは、2枚のガラス基板、金属等の陰電極、有機発光層、ITO等の陽電極、接着材料等で構成される。従来、ガラス基板同士を接着するために、有機樹脂系接着剤が使用されていた。現在、有機ELディスプレイ内部の気密性、接着部分の耐水性、接着部分の耐熱性等を高めるために、有機樹脂系接着剤に替えて、ガラス粉末を含む封着材料を用いることが検討されている。
ガラス粉末には、有機発光層等の熱劣化を防止する観点から、低温で封着可能であること、つまり低融点特性が要求されるとともに、環境的観点から、ガラス組成中にPbOを含有しないことが要求される。このような要求を満たすべく、様々な低融点の無鉛ガラスが開発されるに至っている。特に特許文献1等に記載のビスマス系ガラス(ガラス組成中のBiおよびBの合量が60質量%以上のガラス、以下同様)は、熱膨張係数等の諸特性が良好であるため、有望視されている。
特開平6−24797号公報 特開2005−336018号公報
近年、ガラス粉末には、以下の観点から、微粉化技術が要求されている。(1)ガラスを微粉化すると、軟化点を低下できるため、低温でガラス基板同士を封着することができる。(2)有機ELディスプレイには、薄型化の要求があるが、ガラスを微粉化すると、封着厚みを薄くすることができ、ガラス基板間のギャップを小さくすることができる。(3)アクティブマトリクス駆動が採用される場合、ガラス基板には、無アルカリガラス(例えば、日本電気硝子株式会社製OA−10)が使用される。無アルカリガラスの熱膨張係数は、通常、40×10−7/℃以下であり、従来の封着材料を無アルカリガラスの熱膨張係数に整合させることは困難である。両者の熱膨張係数が不整合であると、封着後に封着部分や無アルカリガラスに不当な応力が残留しやすく、場合によっては、封着部分や無アルカリガラスにクラック等が発生し、有機ELディスプレイの気密信頼性が損なわれる。そこで、ガラス粉末を微粉化すると、ガラス基板間のギャップを小さくしやすくなり、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部分にクラック等が発生し難くなる。
従来、ガラスを微粉化する方法として、粗粉砕したガラス粉末を水で湿式粉砕する方法が用いられてきた。例えば、特許文献2には、アルカリホウケイ酸ガラスをイオン交換水で湿式粉砕し、ガラスを微粉化することが記載されている。なお、特許文献2によると、イオン交換水でガラスを湿式粉砕すれば、ガラス粉末に水を吸着させることができ、電極成分のコロイド化に起因したガラスの着色を防止することができる。
しかし、ビスマス系ガラスは、水で湿式粉砕すると、粉砕時にガラス組成中のB等が流出しやすくなるため、耐失透性が低下しやすくなり、結果として、ガラス基板同士を封着し難くなる。また、ビスマス系ガラス粉末を水で湿式粉砕すれば、ビスマス系ガラス粉末に水が吸着し、その後の工程、例えば焼成時または照射時にガラスが発泡しやすくなる。ビスマス系ガラス粉末に吸着した水は、湿式粉砕後の乾燥工程で揮発させ難く、完全に除去することが困難である。また、吸着水が完全に揮発するまで、乾燥温度を上昇させると、耐失透性が低下する虞がある。
一方、ビスマス系ガラスを乾式粉砕した後に、空気分級すると、耐失透性を低下させることなく、微粉化できる可能性がある。しかし、この方法は、ビスマス系ガラス粉末の製造歩留まりが低くなるため、ビスマス系ガラス粉末の製造コストが高騰してしまう。
そこで、本発明は、粉砕時に耐失透性を低下させ難く、ビスマス系ガラスを効率良く微粉化する方法を提案し、有機ELディスプレイ等の薄型化や特性向上に寄与することを技術的課題とする。
本発明者は、鋭意努力の結果、ビスマス系ガラスを有機溶媒で湿式粉砕すると、耐失透性を低下させずに、微粉化できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法は、ビスマス系ガラスを有機溶媒で湿式粉砕し、ビスマス系ガラス粉末を作製することを特徴とする。なお、「湿式粉砕」とは、分散媒である液体中でガラスを粉砕する方法である。
上記の通り、ビスマス系ガラス粉末を水で湿式粉砕すれば、ガラス組成中のB等が流出し、耐失透性が低下しやすくなる。また、ビスマス系ガラス粉末を水で湿式粉砕すれば、ビスマス系ガラス粉末に水が吸着する。ビスマス系ガラス粉末に吸着した水は、湿式粉砕後の乾燥工程で揮発させ難く、完全に除去することが困難である。そこで、ビスマス系ガラス粉末を有機溶媒で湿式粉砕すれば、粉砕時にガラス組成中のB等が流出し難くなるため、耐失透性が低下し難くなり、結果として、ガラス基板同士を適切に封着しやすくなり、有機ELディスプレイ等の気密性を確保しやすくなる。また、ビスマス系ガラス粉末に吸着した有機溶媒は、湿式粉砕後の乾燥工程で揮発させやすく、結果として、その後の工程、例えば焼成時または照射時にガラスが発泡する事態を防止することができる。
第二に、本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法は、有機溶媒がアルコール系有機溶媒であることを特徴とする。このようにすれば、粉砕効率を高めることができるとともに、湿式粉砕後の乾燥工程で乾燥温度を低下させることができる。
第三に、本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法は、ビスマス系ガラスの平均粒子径D50が3μm未満になるように、湿式粉砕することを特徴とする。ここで、「平均粒子径D50」とは、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。
第四に、本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法は、ビスマス系ガラスの90%粒子径D90が6μm未満になるように、湿式粉砕することを特徴とする。ここで、「90%粒子径D90」とは、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して90%である粒子径を表す。
第五に、本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法は、ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、質量%で、Bi 60〜90%、B 2〜18%、ZnO 0〜25%を含有することを特徴とする。このようにガラス組成範囲を規制すれば、ガラスを低融点化しつつ、耐失透性を高めることができる。
第六に、本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法は、ビスマス系ガラス粉末の軟化点が500℃以下であることを特徴とする。ここで、「軟化点」とは、マクロ型示差熱分析(DTA)装置で測定した値を指し、DTAは室温から測定を開始し、昇温速度は10℃/分とする。なお、マクロ型DTA装置で測定した軟化点は、図1に示す第四屈曲点の温度(Ts)を指す。このようにすれば、低温でガラスを流動させることができる。
第七に、本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法は、ビスマス系ガラス粉末の結晶化温度が600℃以上であることを特徴とする。ここで、「結晶化温度」は、マクロ型DTA装置で測定したピーク温度を指し、DTAは室温から測定を開始し、昇温速度は10℃/分とする。このようにすれば、焼成時または照射時にガラスが失透し難くなるため、ガラス基板同士を適切に封着しやすくなり、有機ELディスプレイ等の気密性を確保しやすくなる。
第八に、本発明のビスマス系ガラス粉末は、上記の方法で作製されてなることを特徴とする。
第九に、本発明のビスマス系ガラス粉末は、有機ELディスプレイまたは太陽電池に用いることを特徴とする。
第十に、本発明のビスマス系ガラス粉末は、平均粒子径D50が3μm未満であり、且つ水分量が0.8質量%未満であることを特徴とする。このようにすれば、焼成時または照射時にガラスの発泡を抑制できるとともに、耐失透性が低下する事態を防止することができ、結果として、有機ELディスプレイ等の気密性を高めることができる。ここで、「水分量」は、例えば真空ガス抽出装置(四重極型質量分析装置)等で算出することができる。また、乾燥条件を適正に設定し、他のガス成分の吸着量を減らした状態でビスマス系ガラス粉末の加熱減量を測定することで算出することもできる。
第十一に、本発明のビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、質量%で、Bi 60〜90%、B 2〜18%、ZnO 0〜25%を含有することを特徴とする。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、種々の有機溶媒が使用可能であり、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール系有機溶媒、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系有機溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶媒、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系有機溶媒等が挙げられる。なお、有機溶媒は二種以上の混合系であってもよい。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、有機溶媒はアルコール系有機溶媒、特に低級アルコール系有機溶媒、具体的には炭素数が6以下のアルコール系有機溶媒が好ましい。アルコール系有機溶媒として、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等を挙げることができる。これらの有機溶媒を用いると、粉砕効率が向上するとともに、湿式粉砕後の乾燥工程で乾燥温度を低下させることができ、結果として、ビスマス系ガラス粉末の製造効率が向上する。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、有機溶媒中の水分量は1質量%以下、特に0.5質量%以下が好ましい。有機溶媒中の水分量が1質量%より多いと、粉砕時にガラス組成中のBが流出し、耐失透性が低下する虞がある。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、湿式粉砕に際し、粉砕時間を短くすると、ビスマス系ガラス粉末の製造効率が向上する。一方、粉砕時間を短くすると、ビスマス系ガラスを微粉化し難くなる傾向がある。よって、所望の粒度が得られるように、粉砕時間を調整することが望ましい。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、湿式粉砕に際し、ビスマス系ガラス(粉末)と有機溶媒の質量比は、10:90〜90:10、特に30:70〜70:30が好ましい。ビスマス系ガラス粉末の含有量が多過ぎると、粉砕効率が低下しやすくなる。一方、有機溶媒が多過ぎると、ビスマス系ガラス粉末の製造効率が低下しやすくなる。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、湿式粉砕前に粗粉砕工程、特にボールミルを用いて、ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50を6〜10μmに粉砕する乾式の粗粉砕工程を有することが好ましい。このようにすれば、湿式粉砕に要する時間を短縮することができる。なお、湿式粉砕前に粗粉砕工程を設けなくても、湿式粉砕の時間を長くすれば、ビスマス系ガラス粉末を微粉化することができる。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、湿式粉砕後に乾燥工程を有することが好ましく、乾燥温度は250℃以下、200℃以下、特に150℃以下が好ましい。湿式粉砕後にビスマス系ガラス粉末を乾燥すれば、焼成時または照射時にガラスに発泡が生じ難くなる。また、乾燥温度が低い程、乾燥工程でビスマス系ガラス粉末が変質し難くなる。さらに、本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、乾燥工程後に解砕工程、特にボールミルを用いた解砕工程を有することが好ましい。このようにすれば、ビスマス系ガラス粉末の凝集を解消しやすくなる。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50は3μm未満、2μm未満、特に1.5μm未満になるように、湿式粉砕することが好ましい。ビスマス系ガラスの平均粒子径D50が3μm以上であると、ビスマス系ガラス粉末の低融点化、封着厚みの低下、有機ELディスプレイ等の薄型化等を図り難くなる。なお、ビスマス系ガラス粉末の製造効率を考慮すると、ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50は0.05μm以上、特に0.1μm以上が好ましい。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、ビスマス系ガラス粉末の90%粒子径D90は6μm未満、4μm未満、特に3μm未満になるように、湿式粉砕することが好ましい。ビスマス系ガラスの90%粒子径D90が6μm以上であると、ビスマス系ガラス粉末の低融点化、封着厚みの低下、有機ELディスプレイ等の薄型化等を図り難くなるとともに、グレーズ後の封着層に突起物が発生しやすくなり、ガラス基板同士のギャップを均一化し難くなる。なお、ビスマス系ガラス粉末の製造効率を考慮すると、ビスマス系ガラス粉末の90%粒子径D90は0.3μm以上、特に1μm以上が好ましい。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、ビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、質量%で、Bi 60〜90%、B 2〜18%、ZnO 0〜25%を含有することが好ましい。以下、ガラス組成範囲を上記のように限定した理由を説明する。
Biは、軟化点を下げるための主要成分であり、その含有量は60〜90%、好ましくは67〜87%、より好ましくは70〜85%、更に好ましくは72〜83%である。Biの含有量が60%より少ないと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが流動し難くなる。一方、Biの含有量が90%より多いと、ガラスが熱的に不安定になり、ガラスが失透しやすくなる。
は、ビスマス系ガラスのガラスネットワークを形成する成分であり、その含有量は2〜18%、好ましくは2〜12%、より好ましくは3〜10%、更に好ましくは4〜10%、特に好ましくは5〜9%である。Bの含有量が2%より少ないと、ガラスが熱的に不安定になり、ガラスが失透しやすくなる。一方、Bの含有量が18%より多いと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが流動し難くなる。
ZnOは、ガラスの失透を抑制し、熱膨張係数を低下させる成分であり、その含有量は0〜25%、好ましくは1〜20%、より好ましくは2〜15%、更に好ましくは3〜11%、特に好ましくは3〜9%である。ZnOの含有量が1%より少ないと、ガラスの失透を抑制する効果が得られ難くなる。ZnOの含有量が25%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。
本発明に係るビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、例えば、以下の成分を合量で30%、好ましくは20%まで含有することができる。
レーザー光等の照射光を照射し、封着材料を局所加熱すると、有機発光層等の熱的損傷を防止した上で、ガラス基板同士を封着することができる。CuO+Fe(CuOとFeの合量)は、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分である。また、CuO+Feは、ガラスの失透を抑制する成分である。CuO+Feの含有量は0〜15%、好ましくは1〜10%、より好ましくは2〜10%、更に好ましくは3〜10%、特に好ましくは3〜8%である。CuO+Feの含有量が15%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、流動性が損なわれやすくなる。なお、CuO+Feの含有量が0.5%より少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
CuOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であるとともに、ガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜15%、好ましくは1〜15%、より好ましくは2〜10%、更に好ましくは3〜8%である。CuOの含有量が15%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、流動性が損なわれやすくなる。なお、CuOの含有量を1%以上にすれば、光吸収特性が向上し、照射時にガラスが軟化しやすくなる。
Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であるとともに、ガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0.05〜7%、より好ましくは0.1〜4%、更に好ましくは0.2〜2%である。Feの含有量が7%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、流動性が損なわれやすくなる。なお、Feの含有量を0.05%以上にすれば、光吸収特性が向上し、照射時にガラスが軟化しやすくなる。
SiOは、ガラスの耐水性を向上させる成分である。その含有量は0〜10%、好ましくは0〜3%である。SiOの含有量が10%より多いと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが流動し難くなる。
Alは、ガラスの耐水性を向上させる成分である。その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。Alの含有量が5%より多いと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが流動し難くなる。
MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量)は、ガラスの失透を抑制する成分であり、これらの成分の含有量は合量で0〜15%、好ましくは0〜10%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が15%より多いと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが流動し難くなる。
MgOは、ガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。MgOの含有量が5%より多いと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが流動し難くなる。CaOは、ガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。CaOの含有量が5%より多いと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが流動し難くなる。SrOは、ガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。SrOの含有量が5%より多いと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが流動し難くなる。BaOは、ガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは1〜8%である。BaOの含有量が10%より多いと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが流動し難くなる。
Sbは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。Sbは、ビスマス系ガラスのネットワーク構造を安定化させる効果があり、ビスマス系ガラスにおいて、Sbを適宜添加すれば、Biの含有量が多い場合、例えばBiの含有量が76%以上であっても、ガラスの熱的安定性が低下し難くなる。ただし、Sbの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、Sbの微量添加が好ましく、具体的には、Sbの含有量を0.05%以上とするのが好ましい。
Ndは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。Ndは、ビスマス系ガラスのネットワーク構造を安定化させる効果があり、ビスマス系ガラスにおいて、Ndを適宜添加すれば、Biの含有量が多い場合、例えばBiの含有量が76%以上であっても、ガラスの熱的安定性が低下し難くなる。ただし、Ndの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、Ndの微量添加が好ましく、具体的には、Ndの含有量を0.05%以上とするのが好ましい。
CeOは、ガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。CeOの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、CeOの微量添加が好ましく、具体的には、CeOの含有量を0.01%以上とするのが好ましい。
WOは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜2%である。WOの含有量が10%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。
In+Ga(InとGaの合量)は必須成分ではないが、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は合量で0〜5%、好ましくは0〜3%である。In+Gaの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。なお、Inの含有量は0〜1%が好ましく、Gaの含有量は0〜0.5%が好ましい。
Li、Na、KおよびCsの酸化物は、軟化点を低くする成分であるが、溶融時にガラスの失透を促進する作用を有するため合量で2%以下とするのが好ましい。
は、溶融時にガラスの失透を抑制する成分であるが、その添加量が1%より多いと、溶融時にガラスが分相しやすくなる。
La、YおよびGdは、溶融時にガラスの分相を抑制する成分であるが、これらの合量が3%より多いと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが流動し難くなる。
NiOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。NiOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、流動性が損なわれやすくなる。
は、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。Vの含有量が7%より多いと、ガラスが発泡しやすくなる。
CoOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。CoOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、流動性が損なわれやすくなる。
MoOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。MoOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、流動性が損なわれやすくなる。
TiOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。TiOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、流動性が損なわれやすくなる。また、TiOの含有量が7%より多いと、軟化点が高くなり過ぎ、低温でガラスが軟化し難くなる。
MnOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。MnOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、流動性が損なわれやすくなる。
本発明に係るビスマス系ガラスは、ガラス組成中にPbOを含有する態様を排除するものではないが、既述の通り、環境的観点から、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm以下の場合を指す。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、ビスマス系ガラス粉末の軟化点は500℃以下、450℃以下、特に430℃以下が好ましい。ガラス粉末の軟化点が500℃より高いと、低温でガラスが流動し難くなる。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、ビスマス系ガラス粉末の結晶化温度は600℃以上、630℃以上、特に650℃以上が好ましい。ビスマス系ガラス粉末の結晶化温度が600℃より低いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラス基板同士を封着し難くなる。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、ビスマス系ガラス粉末を封着材料として用いる場合、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を混合する工程を有することが好ましい。封着材料の熱膨張係数は、被封着物の熱膨張係数に対して5〜25×10−7/℃程度低く設計することが好ましい。これは、封着後に封着部分にかかる応力をコンプレッション(圧縮)側にして封着部分の応力破壊を防止するためである。ビスマス系ガラス粉末の熱膨張係数が、被封着物の熱膨張係数に整合していない場合、ビスマス系ガラス粉末に耐火性フィラー粉末を添加し、被封着物の熱膨張係数に整合させる必要がある。例えば、被封着物が高歪点ガラス(85×10−7/℃)、ソーダ板ガラス(90×10−7/℃)、無アルカリガラス(38×10−7/℃)等の場合、ビスマス系ガラス粉末に耐火性フィラー粉末を添加する必要性が高い。耐火性フィラー粉末を添加する場合、その割合は、ビスマス系ガラス粉末 40〜95体積%、耐火性フィラー粉末 5〜60体積%、好ましくはビスマス系ガラス粉末 50〜92体積%、耐火性フィラー粉末 8〜50体積%、より好ましくはビスマス系ガラス粉末 60〜90体積%、耐火性フィラー粉末 10〜40体積%である。両者の割合をこのように規定した理由は、耐火性フィラー粉末が5体積%より少ないと、被封着物と熱膨張係数が整合し難くなるため、残留応力により被封着物や封着部分が応力破壊しやすくなり、60体積%より多いと、封着材料の流動性が低下し、ガラス基板同士を気密封着し難くなるからである。なお、本発明のビスマス系ガラス粉末は、熱膨張係数が被封着物の熱膨張係数に整合する場合、ビスマス系ガラス粉末を単独で封着材料とすることができる。
耐火性フィラー粉末は、ビスマス系ガラス粉末に添加した場合に耐失透性を低下させない程度に反応性が低いことが要求される。また、耐火性フィラー粉末は、用途によっては熱膨張係数が低く、或いは機械的強度が高いことが要求される。具体的には、耐火性フィラー粉末として、アルミナ、アルミナ−シリカ系セラミックス、ウイレマイト、コーディエライト、ジルコン、ジルコニア、酸化錫、チタン酸アルミニウム、リン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、石英ガラス、β−スポジュメン、ムライト、チタニア、石英ガラス、β−ユークリプタイト、β−石英固溶体、[AB(MO]の基本構造を有する化合物、
A:Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cu、Ni、Mn等
B:Zr、Ti、Sn、Nb、Al、Sc、Y等
M:P、Si、W、Mo等
から選ばれる一種または二種以上が使用可能である。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、ビスマス系ガラスが微粉末であることを考慮すれば、添加する耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50は3μm未満および/または90%粒子径D90は6μm未満が好ましい。また、本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、ビスマス系ガラスと耐火性フィラーを同時に湿式粉砕することも可能である。このようにすれば、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末の混合工程を省略することができ、複合材料の製造コストを低廉化することができる。
本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法において、ビスマス系ガラス粉末またはそれを含む混合粉末とビークルを混合し、ペースト化する工程を有することが好ましい。ビスマス系ガラス粉末またはそれを含む混合粉末は、粉末のまま使用に供してもよいが、ビークルと均一に混練し、ペーストに加工すると取り扱いやすい。ビークルは、主に溶媒と樹脂とからなり、樹脂はペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。作製されたペーストは、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いて塗布される。
樹脂としては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル酸エステル、ニトロセルロースは、熱分解性が良好である。
溶媒としては、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−ターピネオールは、高粘性であり、樹脂等の溶解性も良好である。
本発明のビスマス系ガラス粉末は、上記方法で作製されてなることが好ましい。上記方法で作製されたガラス粉末は、微粉末であり、且つ耐失透性が良好であるため、有機ELディスプレイ等に好適に使用可能である。なお、有機ELディスプレイのガラス基板同士をレーザー光等で封着する場合、レーザー光等の照射時間は非常に短いため、ビスマス系ガラス粉末に水が吸着していると、照射時に吸着水が完全に揮発せず、封着材料が発泡しやすくなる。しかし、本発明のビスマス系ガラス粉末は、吸着水分量が低いため、このような事態を有効に防止することができる。
本発明のビスマス系ガラス粉末は、太陽電池、特にシリコン太陽電池(単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、微結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池を含む)の受光面電極の形成、つまり電極形成材料に用いることが好ましい。電極形成材料に用いるガラス粉末は、(1)ファイアスルー性(電極形成材料が反射防止膜を貫通する度合)が良好であることに加えて、(2)熱的安定性が良好であること、(3)低温で焼結可能であること等が要求される。本発明のビスマス系ガラス粉末は、微粉末でありながら、耐失透性が良好であり、しかもファイアスルー性が良好であるため、上記要求特性を満たすことができる。また、受光面電極の形成に際し、電極形成材料の焼成時間は非常に短い(数分程度)ため、ビスマス系ガラス粉末に水が吸着していると、焼成時に吸着水が完全に揮発せず、電極形成材料が発泡しやすくなる。しかし、本発明のビスマス系ガラス粉末は、吸着水分量が低いため、このような事態を有効に防止することができる。
また、本発明のビスマス系ガラス粉末は、微粉末であり、且つ耐失透性が良好であり、しかもヨウ素電解液に対する耐性が良好であるため、色素増感型太陽電池の封着材料、集電電極の被覆材料、隔壁形成材料等にも好適である。
本発明のビスマス系ガラス粉末は、平均粒子径D50が3μm未満であり、且つ水分量が0.8質量%未満、好ましくは0.4質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満である。ビスマス系ガラス粉末の水分量が0.8質量%より多いと、ガラスが失透しやすくなるとともに、焼成時または照射時にガラスが発泡しやすくなる。なお、本発明のビスマス系ガラス粉末において、好適な特性値、ガラス組成範囲等は、本発明のビスマス系ガラス粉末の製造方法の説明の欄に記載したものと同様であるため、ここではその記載を省略する。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
従来の方法でビスマス系ガラス粉末を湿式粉砕した結果を表1に示す。
表1に示す粒度分布になるように、ビスマス系ガラス粉末をボールミルで乾式で粗粉砕した。次に、ビスマス系ガラス粉末と純水の混合比率が質量%で50:50になるように、ボールミルに純水を投入した後、30時間湿式粉砕した。次に得られたビスマス系ガラス粉末を150℃10時間乾燥した。なお、粉砕メディアとしてφ10mmのジルコニアボールを用いた。
湿式粉砕前後でビスマス系ガラス粉末のガラス組成を誘導結合プラズマ発光分光法で測定した。なお、測定条件は両者同様とした。
O含有量は、乾燥後のビスマス系ガラス粉末の加熱減量を測定した値である。
ビスマス系ガラス粉末の粒度はレーザー回折装置で測定した値である。
軟化点は、マクロ型DTA装置で測定した第四屈曲点の温度(Ts)の値であり、DTAは室温から測定を開始し、昇温速度は10℃/分とした。
結晶化温度は、マクロ型DTA装置で測定したピーク温度であり、DTAは室温から測定を開始し、700℃まで測定した。なお、昇温速度は10℃/分とした。
表1から明らかなように、ビスマス系ガラスを水で湿式粉砕すると、ビスマス系ガラス粉末の軟化点は低下したが、ガラス組成中のB等が流出し、600℃未満の温度域で結晶化温度が認められた。
表2、3は、本発明の実施例(試料No.1〜12)を示している。
平均粒子径D50が8μmになるように、ビスマス系ガラス粉末をボールミルで粗粉砕した。次に、ビスマス系ガラス粉末と表中の有機溶媒の混合比率が質量%で50:50になるように、ボールミルに有機溶媒を投入した後、表中に示した時間で湿式粉砕した。なお、粉砕メディアとしてφ10mmのジルコニアボールを用いた。得られたビスマス系ガラス粉末につき、HO含有量、粒度、軟化点、結晶化温度を測定した。その結果を表2、3に示す。なお、表中に示したビスマス系ガラス粉末のガラス組成はバッチ組成である。
粒度、軟化点、結晶化温度の測定方法は、上記と同様である。軟化点については、湿式粉砕後の軟化点に加えて、湿式粉砕前の軟化点を測定し、その値をカッコ内に示した。同様にして、結晶化温度についても、湿式粉砕後の結晶化温度に加えて、湿式粉砕前の結晶化温度を測定し、その値をカッコ内に示した。
表2、3から明らかなように、試料No.1〜12は、有機溶媒で湿式粉砕したので、700℃未満の温度域で結晶化温度が確認されなかった。
本発明に係るビスマス系ガラス粉末は、有機ELディスプレイの封着に好適であるが、これ以外にも(1)プラズマディスプレイ、各種形式のフィールドエミッションディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの封着、(2)蛍光表示管、圧電振動子パッケージ、ICパッケージ等の電子部品の封着、(3)PDP、VFD等の電極の被覆、(4)磁気ヘッドのコア同士またはコアとスライダーの封着、(5)シリコン太陽電池、色素増感型太陽電池等の太陽電池の電極の形成、封着、隔壁形成、電極の被覆に好適である。
マクロ型DTA装置で測定した時のビスマス系ガラス粉末の軟化点を示す模式図である。

Claims (11)

  1. ビスマス系ガラスを有機溶媒で湿式粉砕し、ビスマス系ガラス粉末を作製することを特徴とするビスマス系ガラス粉末の製造方法。
  2. 有機溶媒がアルコール系有機溶媒であることを特徴とする請求項1に記載のビスマス系ガラス粉末の製造方法。
  3. ビスマス系ガラスの平均粒子径D50が3μm未満になるように、湿式粉砕することを特徴とする請求項1または2に記載のビスマス系ガラス粉末の製造方法。
  4. ビスマス系ガラスの90%粒子径D90が6μm未満になるように、湿式粉砕することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビスマス系ガラス粉末の製造方法。
  5. ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、質量%で、Bi 60〜90%、B 2〜18%、ZnO 0〜25%を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビスマス系ガラス粉末の製造方法。
  6. ビスマス系ガラス粉末の軟化点が500℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のビスマス系ガラス粉末の製造方法。
  7. ビスマス系ガラス粉末の結晶化温度が600℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のビスマス系ガラス粉末の製造方法。
  8. 請求項1〜7に記載のいずれかの方法で作製されてなることを特徴とするビスマス系ガラス粉末。
  9. 有機ELディスプレイまたは太陽電池に用いることを特徴とする請求項8に記載のビスマス系ガラス粉末。
  10. 平均粒子径D50が3μm未満であり、且つ水分量が0.8質量%未満であることを特徴とするビスマス系ガラス粉末。
  11. ガラス組成として、質量%で、Bi 60〜90%、B 2〜18%、ZnO 0〜25%を含有することを特徴とする請求項10に記載のビスマス系ガラス粉末。


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