JP2019214085A - 作業機械、作業機械の制御装置及び作業機械の制御方法 - Google Patents
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Description
このような作業機械が用いられる場合、操作者は、作業対象物の目視あるいは作業機械の出力音等を基に作業機械の操作を行っている。
なお、作業機械の操作性を向上させるための技術が種々提案されており、例えば、特許文献1には、油圧ショベルの運転スペースにモニターを設置する技術が記載されている。
そのため、作業機械を操作する操作者においては、作業機械で行っている作業の状態を把握することが困難な場合があった。
作業対象物に対する作業を行う作業部と、
前記作業部における作業用可動部材の位置を検出する第1位置検出部と、
前記作業部における前記作業用可動部材を駆動する第1駆動部と、
前記作業部に対する操作を行うための操作部と、
前記操作部における操作用可動部材の位置を検出する第2位置検出部と、
前記操作部における前記操作用可動部材を駆動する第2駆動部と、
前記第1位置検出部によって検出された前記作業用可動部材の位置と、前記第2位置検出部によって検出された前記操作用可動部材の位置とに基づいて、位置及び力の領域への制御エネルギーの変換を行う変換部と、
前記変換部の変換結果に基づいて、位置の領域における演算を行う位置領域演算部と、
前記変換部の変換結果に基づいて、力の領域における演算を行う力領域演算部と、
前記位置領域演算部及び前記力領域演算部の演算結果に基づいて、前記第1駆動部及び前記第2駆動部の入力への変換を行う逆変換部と、
を備えることを特徴とする。
[本発明の基本的概念]
本発明に係る作業機械は、操作者によって操作される操作部(操作レバーやペダル等)と、作業対象物に対して作業を行う作業部(アクチュエータを含むアーム等)との間で、バイラテラル制御に基づく力触覚の伝達を行い、操作者に対して、作業部に入力する外力の状態を伝達する制御(以下、「リアルハプティクス制御」と称する。)を可能とするものである。また、このようなリアルハプティクス制御を行うために、本発明においては、作業部及び操作部における可動部材の位置を取得し、位置に基づいて取得される加速度の次元のパラメータを基に、位置(または速度)及び力の次元の演算を独立して行うことが可能となるよう座標変換を行う。この座標変換において、操作部と作業部とで力触覚の伝達を行う機能に加え、位置(または速度)及び力のスケーリングを行う機能が適宜実装される。
そのため、作業機械の操作を行う操作者は、視覚や聴覚の情報に加え、適切に伝達される力触覚の情報に基づいて、作業機械で行っている作業状態をより容易に把握することが可能となる。
なお、位置と速度とは微積分演算により置換可能なパラメータであるため、位置に関する処理を行う場合、適宜、速度に置換することが可能である。以下、説明を簡単にするため、単に「位置」と表現するが、位置または速度のいずれを用いて処理を行うことも可能である。
図1は、本発明を適用した建設機械1の全体構成を示す模式図である。
建設機械1は、本発明に係る作業機械の一例を示すものであり、例えば、油圧ショベルとして構成される。
図1に示すように、建設機械1は、上部旋回体10と、作業部20と、下部走行体30とを備えている。
下部走行体30は、左右のクローラ31,32を独立して駆動することが可能であり、操作者の操作に応じて、直進や各種ターン等の走行動作を行う。
図2に示すように、キャブ11の操作部11Aには、運転者が着座するための座席111と、座席111の左右両側に設置された一対の十字操作レバー112L,112Rと、座席111の前方に左右に並べて設置された一対の前後操作レバー113L,113Rと、座席111の右前方に設置されたモニタ114等が設けられている。十字操作レバー112L,112Rには、各操作方向における位置(可動部材としての十字操作レバー112L,112Rの位置)を検出する位置センサD4〜D7が備えられている。また、十字操作レバー112L,112Rには、各操作方向における位置及び力(操作反力)を制御するためのアクチュエータとなるモータM1〜M4が備えられている。
また、十字操作レバー112Lは、左方に倒すことで上部旋回体10の左方向への旋回動作を指示し、右方に倒すことで上部旋回体10の右方向への旋回動作を指示するものである。
なお、バイラテラル制御とは、操作者から操作部11Aを介して作業部20に指令を送ることができ、かつ、この作業部20がこの指令に応答することにより指令の対象である作業対象物等から受ける作業反力を、操作部11Aを介して操作者にフィードバックする制御方式である。
なお、本実施形態において、前後操作レバー113L,113Rの下端には、ペダル115L,115Rがそれぞれ設置されており、操作者はペダル115L,115Rによっても前後操作レバー113L,113Rを前後方向に操作することができる。また、モニタ114には、建設機械1における各種設定や、燃料残量及びエンジン冷却水温等の操作者に必要な情報等が適宜表示される。
次に、建設機械1の機能的構成について説明する。
図3は、建設機械1の機能的構成を示すブロック図である。
なお、図3においては、建設機械1の機能的構成のうち、本発明に関連する主要な機能構成を示している。
例えば、座標変換部203における座標変換は、次式(1)及び(2)のように一般化して表すことができる。
なお、本実施形態においては、十字操作レバー112L,112Rにおけるいずれかの操作方向と、作業部20における可動部材の動作との間でバイラテラル制御を実行するため、これら1組の制御を表す座標変換は、次式(3)及び(4)のように表すことができる。
なお、スケーリング機能とは、基準となる制御に対して、出力される位置、力あるいは時間のスケールを拡大あるいは縮小する機能である。スケーリング機能によって、例えば、操作部11Aの動きの大きさを縮小して作業部20で再現したり、あるいは操作部11Aの動きの速度を低下させて作業部20で再現したりすることができる。
例えば、式(3)及び式(4)においてスケーリングを適用した場合、座標変換は、次式(5)及び(6)のように表すことができる。
次に、建設機械1の動作を説明する。
図4は、建設機械1の制御部が実行する動作制御処理の流れを示すフローチャートである。
動作制御処理は、建設機械1のイグニションオンと共に開始される。
ステップS1において、制御部121は、建設機械1の動作に関する各種設定の入力を受け付ける。例えば、制御部121は、操作部11Aと作業部20とにおけるバイラテラル制御のスケーリングの係数(α、β)の入力を受け付ける。
ステップS2において、制御部121は、位置取得部201,202によって、作業部20における各可動部材の位置に関する情報及び操作部11Aにおける各可動部材の位置に関する情報を取得する。
ステップS4において、制御部121は、力領域演算部204及び位置領域演算部205によって、座標変換部203における座標変換に従って、力及び位置の領域における演算を実行する。
ステップS6において、制御部121は、油圧制御部207によって、作業部20における各油圧シリンダの油圧の指令値を出力する。同様に、制御部121は、モータ制御部208によって、操作部11Aにおける各モータの電流の指令値を出力する。これにより、操作部11Aと作業部20との間におけるバイラテラル制御機能が実現される。
ステップS7において、制御部121は、建設機械1の停止が指示されたか否かの判定を行う。なお、建設機械1が停止されたか否かは、例えば、イグニションオフとされたか否かによって判定することができる。
建設機械1の停止が指示されていない場合、ステップS7においてNOと判定されて、処理はステップS2に移行する。
一方、建設機械1の停止が指示された場合、ステップS7においてYESと判定されて、動作制御処理は終了となる。
即ち、操作者においては、作業部に入力する外力の状態を触覚によって認識することができるため、建設機械1におけるリアルハプティクス制御を実現することができる。
したがって、操作者は、建設機械1で行っている作業の状態をより容易に把握することが可能となる。
したがって、作業者は、作業部20のいずれの可動部材に対する外力であるかを容易に把握できるため、作業部20における作業の状態をより適確に把握することが可能となる。
したがって、人間(操作者)が行う操作部11Aへの操作と、機械(建設機械1)が行う作業部20の動作との間で、適切な位置及び力の関係を設定して、バイラテラル制御を行うことができる。
そのため、建設機械1における作業対象物の性質等に応じて、より適切な位置及び力のスケーリングを行うことが可能となる。
上述の実施形態においては、操作者が操作部11Aの各レバーを操作することで、バケット23の位置を制御するものとして説明したが、これに限られない。
例えば、操作者が、作業空間内において、バケット23の目標位置及び目標姿勢を指示する操作形態とすることで、作業部30における各可動部材の位置を制御部が自動的に算出し、作業部20を統合的に制御して、目標位置及び目標姿勢にバケット23を制御することも可能である。
この場合、作業部20における各可動部材及び操作部11Aにおける各可動部材との間におけるバイラテラル制御に代えて、作業部20を統合的に制御する際に設定される作業空間の座標において、鉛直方向及び水平方向毎に位置及び力のバイラテラル制御を実行する。
即ち、操作者が、バケット23を鉛直方向に移動させる操作と、作業部20がバケット23を鉛直方向に移動させる動作との間で、バイラテラル制御を行うと共に、バケット23を水平方向に移動させる操作と、作業部20がバケット23を水平方向に移動させる動作との間で、バイラテラル制御を実行する。
これにより、操作者は、より簡単にリアルハプティクス制御に基づく建設機械1の制御を行うことができる。
上述の実施形態において、建設機械1が、既存の操作方式(JIS方式等)に基づく操作部11Aの操作と、上述の実施形態におけるバイラテラル制御を用いた操作方式に基づく操作部11Aの操作とを切り替える機能を備えることとしてもよい。
この場合、建設機械1のイグニションオン時等、予め設定されたタイミングで、操作者がいずれの操作方式とするかを選択することができる。
そして、制御部121は、選択された操作方式に基づいて、操作部11Aに対する各操作を判定し、作業部20の動作を制御する。
これにより、既存の操作方式が適する作業の現場と、上述の実施形態におけるリアルハプティクス制御による操作方式が適する作業の現場とで、より適切な操作方式を選択して建設機械1を操作することが可能となる。
例えば、上述の実施形態において、本発明を建設機械に適用する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。即ち、本発明は、人間が機械の操作を行い、機械によって作業対象物に対する作業を行う技術全般に適用することが可能である。例えば、本発明は、建設機械、農業機械あるいは産業機械等に適用することが可能である。
また、上述の実施形態において、建設機械1に備えられる油圧シリンダとしては、単軸の油圧シリンダ及び両軸の油圧シリンダのいずれも採用することができる。油圧シリンダとして、単軸の油圧シリンダを採用した場合、低コストで建設機械を構成することができる。また、油圧シリンダとして、両軸の油圧シリンダを採用した場合、伸展及び屈曲のいずれの方向においても、油圧の制御系統が対称なものとなるため、より高精度に油圧を制御することができる。
即ち、上述の処理を実行できる機能が制御部121に備えられていればよく、この機能を実現するためにどのような機能構成及びハードウェア構成とするかは上述の例に限定されない。
上述の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにネットワークや記憶媒体からインストールされる。
Claims (8)
- 作業対象物に対する作業を行う作業部と、
前記作業部における作業用可動部材の位置を検出する第1位置検出部と、
前記作業部における前記作業用可動部材を駆動する第1駆動部と、
前記作業部に対する操作を行うための操作部と、
前記操作部における操作用可動部材の位置を検出する第2位置検出部と、
前記操作部における前記操作用可動部材を駆動する第2駆動部と、
前記第1位置検出部によって検出された前記作業用可動部材の位置と、前記第2位置検出部によって検出された前記操作用可動部材の位置とに基づいて、位置及び力の領域への制御エネルギーの変換を行う変換部と、
前記変換部の変換結果に基づいて、位置の領域における演算を行う位置領域演算部と、
前記変換部の変換結果に基づいて、力の領域における演算を行う力領域演算部と、
前記位置領域演算部及び前記力領域演算部の演算結果に基づいて、前記第1駆動部及び前記第2駆動部の入力への変換を行う逆変換部と、
を備えることを特徴とする作業機械。 - 前記作業部は、複数の前記作業用可動部材が関節によって連結された構造を有し、
前記操作部の前記操作用可動部材は、前記作業用可動部材それぞれに対応して設置され、
前記作業用可動部材の可動範囲と、当該作業用可動部材に対応して設置された前記操作用可動部材の可動範囲とが対応付けられていると共に、前記作業用可動部材の可動範囲における特定の位置と、前記操作用可動部材の可動範囲における特定の位置とが対応付けられていることを特徴とする請求項1に記載の作業機械。 - 前記変換部は、前記作業用可動部材と当該作業用可動部材に対応して設置された前記操作用可動部材との組み合わせ毎に、個別に設定された前記変換を行うことを特徴とする請求項2に記載の作業機械。
- 前記変換部は、前記作業用可動部材と前記操作用可動部材との間でバイラテラル制御を実現する前記制御エネルギーの変換を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の作業機械。
- 前記作業用可動部材と前記操作用可動部材との間で、位置及び力のスケーリングを伴うバイラテラル制御が実現されることを特徴とする請求項4に記載の作業機械。
- 前記第1駆動部は、前記作業用可動部材を油圧アクチュエータによって駆動し、
前記第2駆動部は、前記操作用可動部材を電動アクチュエータによって駆動し、
前記逆変換部は、前記位置領域演算部及び前記力領域演算部の演算結果に基づいて、前記第1駆動部及び前記第2駆動部の入力として、前記第1駆動部への油圧指令値及び前記第2駆動部への電流指令値への変換を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の作業機械。 - 作業対象物に対する作業を行う作業部と、前記作業部における作業用可動部材の位置を検出する第1位置検出部と、前記作業部における前記作業用可動部材を駆動する第1駆動部と、前記作業部に対する操作を行うための操作部と、前記操作部における操作用可動部材の位置を検出する第2位置検出部と、前記操作部における前記操作用可動部材を駆動する第2駆動部と、を備える作業機械を制御する作業機械の制御装置であって、
前記第1位置検出部によって検出された前記作業用可動部材の位置と、前記第2位置検出部によって検出された前記操作用可動部材の位置とに基づいて、位置及び力の領域への制御エネルギーの変換を行う変換部と、
前記変換部の変換結果に基づいて、位置の領域における演算を行う位置領域演算部と、
前記変換部の変換結果に基づいて、力の領域における演算を行う力領域演算部と、
前記位置領域演算部及び前記力領域演算部の演算結果に基づいて、前記第1駆動部及び前記第2駆動部の入力への変換を行う逆変換部と、
を備えることを特徴とする作業機械の制御装置。 - 作業対象物に対する作業を行う作業部と、前記作業部における作業用可動部材の位置を検出する第1位置検出部と、前記作業部における前記作業用可動部材を駆動する第1駆動部と、前記作業部に対する操作を行うための操作部と、前記操作部における操作用可動部材の位置を検出する第2位置検出部と、前記操作部における前記操作用可動部材を駆動する第2駆動部と、を備える作業機械を制御するための作業機械の制御方法であって、
前記第1位置検出部によって検出された前記作業用可動部材の位置と、前記第2位置検出部によって検出された前記操作用可動部材の位置とに基づいて、位置及び力の領域への制御エネルギーの変換を行う変換ステップと、
前記変換ステップにおける変換結果に基づいて、位置の領域における演算を行う位置領域演算ステップと、
前記変換ステップにおける変換結果に基づいて、力の領域における演算を行う力領域演算ステップと、
前記位置領域演算ステップ及び前記力領域演算ステップの演算結果に基づいて、前記第1駆動部及び前記第2駆動部の入力への変換を行う逆変換ステップと、
を含むことを特徴とする作業機械の制御方法。
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