JP3657894B2 - 油圧ショベルの手動操作 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベルの手動操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から用いられている一般的な油圧ショベルの動力伝達は、すべて油圧駆動である。この油圧ショベルの基本的構造は、図4に示すようにバケット1 、アーム2、ブーム3、本体4、クローラ部5から成り、動力源として、エンジンを用いて、油圧ポンプを駆動し、その圧油をバケット、アーム、ブームの各シリンダや本体の旋回用のモータ、移動用のクローラの走行モータに送り、それらを駆動するようにしている。
【0003】
しかし、操作に関しては最新の油圧ショベル、図5、図6、図2に示すように、右作業機操作レバー18a、左作業機操作レバー18bの操作により、バケット1、アーム2、第1ブーム3a、第2ブーム3bの各シリンダやブームオフセット操作ペダル50により、オフセットブーム3cのオフセットシリンダ3s〔また、右走行レバー19a、左走行レバー19bの操作により走行モータ5a(左右)〕を駆動するバルブ(弁)を個別的に開閉するので、各シリンダの駆動により、バケット、アーム、ブームが独立して作動する。従って、それらのシリンダの作動の複合によりバケット1に必要な動作を行わせるには、その操作に十分な経験を積んだオペレータが必要になる。
【0004】
すなわち、右作業機操作レバー18aの左右方向操作に対して、バケット引き込み、押し出し、また前後方向に対して、ブーム(3a、3b)下げ、上げの関節動作が対応している。また、左作業機操作レバー18bの前後方向に対してアーム押し出し、引き込みの関節動作が対応している。(左右方向に対しては、本体上部体の旋回動作が対応している。)なお、これら両レバー共に、前後及び左右両方向にまたがる領域では、複合操作が可能となる。さらに両レバー同時操作による複合操作も可能である。レバーの操作方向は、関節の作動と対応しており、バケット自体の空間的な動きと直接的な関連性は無く、複合操作によるバケットの挙動を直感することは困難であり、作業現場で直面するバケットを水平や法面などに沿う直線状に駆動することは、経験を積んだオペレータでないと殆ど不可能である。
【0005】
また、操作用レバーにより、オペレータは、機械各部の作動を指令しているだけで、機械各部の情報(先端の力の情報など)を得ていないので、硬い土質や岩盤の有無などの作業現場の状況を把握しにくく、この点でも操作が困難になっている。
【0006】
これに対して、発明者等は先に、油圧ショベルのバケットの操作性を一層向上させることにより、その操作を誰もが容易に行えるようにし、且つバケットに加えられる外界からの反力をオペレータに適切にフィードバックできるようにした手動操作装置を発明し、これを特許第2824167号として、特許を取得した。(以下基本特許と称する。)
【0007】
これは、図7に示すように前記図4に示したようなクローラ部5に対して、旋回する本体4を備えた油圧ショベルにおいて、そのバケット1、アーム2、ブーム3を動作させるため、それらのシリンダの駆動を制御するためのものであって、バケットの挙動前後X軸方向(コントロールレバー操作はオペレータから見て左右方向であるx軸方向移動)、上下Y軸方向(コントロールレバー操作はオペレータから見て上下方向であるy軸方向移動)、及びバケットの回転Φ(コントロールレバー操作は捩じりφ方向)の3自由度を持ち、X、Y平面内バケットの挙動をコントロールする単一のコントロールレバー10及びグリップ11を備え、さらにその指令に基づいて、上記シリンダに圧油を供給するためのバルブ(弁、図示省略)に制御信号を出力する駆動制御装置20を備える。
【0008】
手動操作装置においては、機体から側方に突出する単一のコントロールレバー10の操作により、駆動制御装置20において所要の演算を行って、アーム2、ブーム3、及びバケット1が複合的に駆動され、結果的にバケット1を油圧ショベル本体に対して一定の姿勢を保持しながら前後X軸方向(コントロールレバー操作はx軸方向移動)または上下Y軸方向(コントロールレバー操作はy軸方向移動)平面内で、バケットの直線運動を含む任意の挙動を操作可能である。
【0009】
しかも、コントロールレバーの操作方向をバケットの動きの方向と近似させているため、オペレータがバケットの動きを直感的に把握できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
最近、油圧ショベル系建設機械の適用される現場は、数10mの高所や深穴の掘削等、従来の視覚のみでは、操作困難な領域に迄拡大されている。そのために、レバー操作感が、バケットの挙動と一致すべく、またバケットにかかる外力を操作レバーへフィードバックする制御機構開発の要求は強くなっている。また、危険区域における遠隔操作にしても、1本レバーによる操作の容易性や、身体で感ずることの出来ない反力を手に感ずることを要求することは多い。
【0011】
前記特許第2824167号の油圧ショベルの操作性向上のための手動操作装置は、図8に示すように説明される。コントロールレバー10は、それが, 前後x軸方向移動(x回転軸)、上下y軸方向移動(y回転軸)に傾動可能に支持されると共に、グリップ11を回転φ(φ回転軸捩じり)可能に支持されたもので、それぞれの方向への、操作量を検出するためのポテンショメータあるいはエンコーダ等の回転検出器12a,b,cを付設している。また、それぞれの回転方向に対し、バケット1に加えられる外界からの反力をオペレータへフィードバックする制御のための減速装置付きのモータ13a,b,cを付設している。また、グリップ11上には、モード切換え用の必要数のスイッチ14を設けている。
【0012】
前記特許文献(第2824167号)には、コントロールレバー10をそれ自体の軸方向(図8中b)にも摺動により前記クローラ部5に対する本体4の旋回操作を行うようにすることもできるとあるが、軸方向の摺動に関しては何の具体的な説明はなされていない。
【0013】
それどころか、図8の機構ではコントロールレバー10をそれ自体の軸方向(z軸方向)にも摺動させるべきものが見られず、この動きは実質的には不可能である。
【0014】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、機体から側方に突出する単一のコントロールレバーの操作によりバケットを油圧ショベル本体に対して一定の姿勢を保持しながら前後X軸(コントロールレバー操作はx移動)、上下Y軸(コントロールレバー操作はy移動)または左右Z軸(コントロールレバー操作はz移動)の空間において、直線移動を含む任意の挙動をこのコントロールレバーを操作することによって、容易に得ることができ、コントロールレバーの動きは、人間工学的観点から考案された疑似座標系を採用しており、バケットの動きと直感的に良く一致しているので、油圧ショベルのバケット操作性をより一層向上させることができる手動操作装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、バケット、アーム、ブームを作動させる各シリンダを油圧によって駆動する油圧ショベルのための手動操作装置であって、単一のコントロールレバーとその単一のコントロールレバーの出力に基づいて、前記シリンダに圧油を供給するためのバルブに制御信号を出力する駆動制御装置とを備え、単一のコントロールレバーによって複合的に駆動されるシリンダの内部圧力を圧力検出器で検出し、単一のコントロールレバーにトルクとしてフィードバックすることにより、外力を感知するバイラテラル制御とコントロールレバー側と油圧ショベル側との異なる関節構造間の座標変換を行って方向と速度とのマスタースレーブ制御するものであり、それぞれの方向と速度指定の操作量を検出するためのポテンショメータあるいはエンコーダ等の回転検出器を付設し、また、それぞれの回転方向に対し、バケットに加えられる外界からの反力をオペレータへフィードバックするバイラテラル制御のための減速装置付きのxモータ、yモータ、φモータ、zモータを備え、単一のコントロールレバーによってバケットの挙動は、前後x軸方向のコントロールレバー操作で前後X軸方向に移動し、上下y軸方向のコントロールレバー操作で上下Y軸方向に移動し、φ軸捩じりのコントロールレバー操作でバケットΦ回転方向に移動する3自由度に加えて、左右z軸方向のコントロールレバー操作でバケット左右Z軸方向に移動する自由度を持たせ、バケットX、Y、Z軸方向空間およびΦ回転方向の4自由度のコントロールを可能とするために、xモータが連結するx回転軸に対して並行にzモータが連結するz回転軸を設けたことを要旨とするものである。
【0016】
請求項1記載の本発明によれば、機体から側方に突出する単一のコントロールレバーの操作により、駆動制御装置において所要の演算を行って、アーム、ブーム及びバケットが複合的に駆動され、結果的にバケットを油圧ショベル本体に対して一定の姿勢を保持しながら前後、上下、左右方向の3次元空間において直線移動を含む任意のバケット挙動を可能とする。一本レバーによる油圧ショベルバケットの操作範囲を拡大し操作性を向上させることができる。
【0017】
しかも、単一のコントロールレバーの操作方向と移動量がバケットの動きの方向を近似させ、速度を比例させているため、オペレータがバケットの動きを直感的に把握できる。
【0018】
また、機体から側方に突出する単一のコントロールレバーによって複合的に駆動されるシリンダの内部の圧力を圧力検出器で検出し、コントロールレバー側と油圧ショベル側との異なる関節構造間の座標変換を行ってバイラテラル制御するようにしているので、バケットに加えられる外界からの反力が単一のコントロールレバーを通してオペレータにフィードバックされ、しかもその反力が単一のコントロールレバーにおける4自由度の方向に作用するので、コントロールレバーを通してオペレータがバケットに作用する外界の力情報を、その方向を含めて感じ取ることが可能になる。
【0019】
さらに、コントロールレバーの左右z軸方向移動(z回転軸)については、z回転軸をx回転軸に平行に設けることにより、構造的に複雑になることを防止し、x、y、z軸のうち単独軸方向に操作する際に他方向の干渉(つれ廻り)を受けることも無く、また、2あるいは3軸方向の合成方向に操作する場合も容易に可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の油圧ショベルの手動操作装置の1実施形態を示す斜視図、図2は本発明の手動操作装置によるバケットの挙動を示す油圧ショベルの全体斜視図である。本発明装置を搭載した最新の油圧ショベル図2は、前記従来油圧ショベル例図4に示したようにクローラ部5に対して旋回する油圧ショベル本体4を備えたものである。なお、油圧ショベルの腕に相当するアーム、ブームに関しては、従来(基本特許時点)のブームが単純な1本のブーム(図4)であったのに対して、最新の油圧ショベル(図2)においては、第1ブーム3a、第2ブーム3b及びオフセットブーム3cが存在する。第2ブーム3bの操作は、右作業機レバーのノブ上のスイッチを用いて行う。また、オフセットブーム3cは、同シリンダ3sを駆動させることにより、バケットを左右Z軸方向に移動させる。操作は、図5及び図6におけるブームオフセット操作ペダル50による。本発明は、これらの最新の油圧ショベルのバケット挙動及び反力のフィードバックを1本レバー化した。
【0021】
図1中、10は単一のコントロールレバーであり、これは少なくとも、オペレータから見て前後x軸方向移動(x回転軸)、上下y軸方向移動(y回転軸)、レバー捩じりφ方向(φ回転軸)の3自由度に加えて、左右z軸方向移動(z回転軸)の4自由度をもって側方に突出するものとする。
【0022】
さらに、そのコントロールレバー10の出力に基づいて上記シリンダに圧油を供給するためバルブ38(図3参照)に制御信号を出力する駆動制御装置20を備える。
【0023】
図8の14に示すようなスイッチによって、作業モードの変換を行うことによって操作は更に容易なものとなる。本発明におけるモード例を以下に示す。
1)直行モード
バケットの挙動X、Y、Z座標空間において、直線運動を含む任意の挙動をコントロールレバーによる近似的なx、y、z擬似座標系での操作によって容易に得られる。なお、Φに関しては、最初に設定された一定姿勢(本体に対する)が保持される。また、手動による介入は可能である。
2)法面モード
X、Y、Z空間座標における任意の2点を設定することによって、勾配と直線精度が保証される。
3)関節モード
x、y、z軸方向移動及びφ軸方向移動(φ捩り)の各単一方向に対し、各関節(ブーム、アーム、バケット)の動きを対応させている。
【0024】
前記コントロールレバー10はバケット1に加わる外力を感知するための機能を付加したバイラテラル制御のものであり、4自由度の方向に作用するものとするには、グリップ11を有するコントロールレバー10に対してxモータ23のx回転軸21、yモータ2 7のy回転軸25、zモータ36のz回転軸34を組み合わせ、このうち、垂直に立設して回転するx回転軸21にx減速歯車22a,22bを介してxモータ23を連結し、このx回転軸21にブラケット24を設ける。
【0025】
ブラケット24に上下方向に回転するy回転軸25を設け、このy回転軸25にはy減速歯車26を介してyモータ27を連結した。
【0026】
コントロールレバー10のグリップ11からのφ回転軸32は前記ブラケット24に設けた水平方向の矩形枠によるフレーム28に回転可能(φ方向)に支持されたもので、コントロールレバー10に垂直方向の跨ぎ軸29を設け、これを介してφ減速歯車30、φモータ31を連結する。
【0027】
さらに、これらは左右z軸方向に回転する台盤33に載置され、この台盤33は垂直方向に立設するz回転軸34で支承するが、z回転軸34にはz減速歯車35を介してzモータ36を連結した。このように、z回転軸34は前後x軸方向(x回転軸方向)のx回転軸21に平行に設け、コントロールレバー10のレバー左右z軸方向移動(z回転軸廻り回転)の動きはx軸方向移動、y軸方向移動と同様疑似直線、円弧をもって伝達される。
【0028】
なお、xモータ23、yモータ27、φモータ31、zモータ36はそれぞれの方向と速度指定の操作量を検出するためのポテンショメータあるいはエンコーダ等の回転検出器(図示せず)を付設したACサーボモータで、またそれぞれの回転方向に対し、バケット1に加えられる外界からの反力をオペレータへフィードバックするバイラテラル制御のための減速装置付きのものである。
【0029】
図3に示すように前記回転検出器の出力に基づき、駆動制御装置20は必要な演算を行って、バケット1の駆動に必要な制御信号を所要のシリンダ37を油圧駆動するための単一または複数のバルブに出力するもので、予め決められた動作態様で指定の位置まで駆動される。
【0030】
この場合に、駆動制御装置20においては、少なくとも、コントロールレバー10の操作によって出力される信号に対応して、バケット1を油圧ショベル本体4に対して一定の姿勢を保持しながら上下Y軸方向(Y軸の上下方向)または前後X軸方向(X軸の前後方向)もしくは左右Z軸方向(Z軸の左右方向)に直線的に平行移動させるような制御を行い、且つコントロールレバー10のグリップ11の捩じり回転方向(φ回転軸方向)の回転操作によって出力される信号に対応して、バケットを回転させるように制御する。
【0031】
すなわち、コントロールレバー10の前後x軸方向移動(x回転軸廻り回転)の動きがバケット1を前後X軸方向(X軸の前後方向)に移動させ、上下y軸方向移動(y回転軸廻り回転)の動きがバケット1を上下Y軸方向(Y軸の上下方向)に移動させ、捩じり回転方向(グリップのφ回転方向)の動きがバケット1を捩じり回転させ、レバー軸左右z軸方向移動(z回転軸方向)の動きがバケット1を左右Z軸方向(Z軸の左右方向)に移動させる。
【0032】
即ち、駆動制御装置20においては、コントロールレバー10の前後x軸方向移動(x回転軸方向移動)の操作があった場合、その方向と移動量に対応し、ブーム及びアームのシリンダをどのように駆動すればバケットをX方向に(直線的に)対応した速度で駆動できるかを演算し、その演算結果に基づいてシリンダへの圧油の供給を制御する各バルブに開口量を制御するための信号を出力する。なお、コントロールレバー10の前後x軸移動方向(x回転軸廻り回転)、上下y軸移動方向(y回転軸廻り回転)の操作ではバケット1を本体4に対して一定の姿勢に保持しながら所要の方向に移動するように制御することは、前記基本特許と同様であるが本発明はレバー軸左右z軸移動方向(z回転軸廻り回転)の操作により油圧ショベル本体4に対して左右にブーム3cのオフセット動作を行うようにした。
【0033】
このようなコントロールレバー10の操作によって前記のごとき、制御を可能にすると、コントロールレバー10の操作方向がバケット1の動きの方向と近似するため、オペレータがバケットの動きを直感的に把握でき、非熟練者でも簡単に所望の操作を行うことができる。
【0034】
また、バケット1の受ける外力を操作レバーであるコントロールレバー10にフィードバックすることにより、感触が視覚を補うことになり、これらの技術の基礎はバイラテラル制御による。本発明で用いるバイラテラル制御は、作業機械に対し効果的な動作指令を与えるため、その作業機械が外界から受ける反力をオペレータへフィードバックする制御である。通常の油圧ショベルでは、バケット1が硬い岩等にぶつかってもオペレータには分からず、操作しにくいが、このバイラテラル制御を行えば、操作指令の一方通行ではなく、オペレータが力を感じ取ることが可能になる。
【0035】
バイラテラル制御は、各関節のシリンダ内の圧力をそれらに設けた圧力検出器により検出し、それらの出力に必要な変換を施した上で前記xモータ23、yモータ27、φモータ31、zモータ36を通じてコントロールレバー10にフィードバックすればよい。すなわち、コントロールレバー10では、動作の指令側と被駆動側の油圧ショベルが異なる関節機構を有していることから、異構造間のバイラテラル制御となり、そのため駆動制御装置において座標変換を行う必要がある。異構造間のバイラテラル制御については、本発明者の一人が特開昭59−63983号公報、特開昭59−69384号公報として提案した手段を用いることができ、本発明はそれらの既提案の発明の好適な具体例である。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の油圧ショベルの手動操作装置は、機体から側方に突出する単一のコントロールレバーの操作によりバケットを油圧ショベル本体に対して一定の姿勢を保持しながら、バケットの挙動X、Y、Z座標空間において直線運動を含む任意の挙動を一本のコントロールレバーによる近似的x、y、z擬似座標系での操作によって方向と速度を指定することにより容易に得られる。なお、バケットの回転角度Φは、随時手動による介入が可能である。コントロールレバーの擬似座標系とバケットの挙動座標空間を近似させたことにより、オペレータによる直接運転操作を容易にさせたばかりでなく、遠隔操作や作業対象物の認識装置の採用による自動化の可能性等を増大させた。これは、マスタースレーブ制御に関する効果である。
【0037】
バケットに加えられる外界からの反力を単一のコントロールレバーを通して、オペレータに適切にフィードバックしているので、バケットに作用する外界の力情報を、その方向を含めて感じ取ることが可能になるものである。上記マスタースレーブ制御の発明と併せて、触覚操作型建設機械のためのバイラテラル制御の効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の油圧ショベルの手動操作装置の1実施形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明の手動操作装置によるバケットの挙動を示す油圧ショベルの全体斜視図である。
【図3】 本発明の油圧ショベルの手動操作装置の1実施形態としてバイラテラル・マスタースプレープの概念説明図である。
【図4】 一般的な油圧ショベルの構成を示す側面図である。
【図5】 従来の油圧ショベルにおける操作レバーの構成を示す正面図である。
【図6】 従来の油圧ショベルにおける操作レバーの構成を示す側面図である。
【図7】 従来の油圧ショベルにおける手動操作装置の基本的構成を示す説明図である。
【図8】 従来の油圧ショベルにおける手動操作装置におけるコントロールレバーの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…バケット 2…アーム
3…ブーム 3a…第1ブーム
3b…第2ブーム 3c…オフセットブーム
3s…オフセットシリンダ 4…本体
5…クローラ部 10…コントロールレバー
11…グリップ
12a,12b,12c…回転検出器
13a,13b,13c…モータ 14…スイッチ
15…入力装置 17…安全ロックレバー
18a…右作業機操作レバー 18b…左作業機操作レバー
19a,19b…走行レバー 20…駆動制御装置
21…x回転軸 22a,22b…x減速歯車
23…xモータ 24…ブラケット
25…y回転軸 26…y減速歯車
27…yモータ 28…フレーム
29…跨ぎ軸
30…φ減歯車 31…φモータ
32…φ回転軸 33…台盤
34…z回転軸 35…z減速歯車
36…zモータ 37…シリンダ
38…バルブ 50…ブームオフセット操作ペダル
Claims (1)
- バケット、アーム、ブームを作動させる各シリンダを油圧によって駆動する油圧ショベルのための手動操作装置であって、単一のコントロールレバーとその単一のコントロールレバーの出力に基づいて、前記シリンダに圧油を供給するためのバルブに制御信号を出力する駆動制御装置とを備え、単一のコントロールレバーによって複合的に駆動されるシリンダの内部圧力を圧力検出器で検出し、単一のコントロールレバーにトルクとしてフィードバックすることにより、外力を感知するバイラテラル制御とコントロールレバー側と油圧ショベル側との異なる関節構造間の座標変換を行って方向と速度とのマスタースレーブ制御するものであり、
それぞれの方向と速度指定の操作量を検出するためのポテンショメータあるいはエンコーダ等の回転検出器を付設し、また、それぞれの回転方向に対し、バケットに加えられる外界からの反力をオペレータへフィードバックするバイラテラル制御のための減速装置付きのxモータ、yモータ、φモータ、zモータを備え、
単一のコントロールレバーによってバケットの挙動は、前後x軸方向のコントロールレバー操作で前後X軸方向に移動し、上下y軸方向のコントロールレバー操作で上下Y軸方向に移動し、φ軸捩じりのコントロールレバー操作でバケットΦ回転方向に移動する3自由度に加えて、左右z軸方向のコントロールレバー操作でバケット左右Z軸方向に移動する自由度を持たせ、バケットX、Y、Z軸方向空間およびΦ回転方向の4自由度のコントロールを可能とするために、xモータが連結するx回転軸に対して並行にzモータが連結するz回転軸を設けたことを特徴とする油圧ショベルの手動操作装置。
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