JP2019214004A - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents

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貴永 安保
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Abstract

【課題】酸化剤および複数の反応槽を用いた促進酸化処理において、排水中の汚染物質を効率良く除去でき、かつ利用されずに流出する酸化剤量を低減できる水処理方法および水処理装置の提供。【解決手段】被酸化性の汚染物質を含む排水に対して、直列に接続されたn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽にて順次、促進酸化処理を行って前記汚染物質を酸化する酸化工程を有し、前記酸化工程にて、前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽に、Wall/x>Wnを満たす条件で酸化剤を添加する。Wnは、前記n個の反応槽のうち下流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wallは、前記酸化剤の総添加量を示し、xは、前記酸化剤を添加する反応槽の数を示す。【選択図】図1

Description

本発明は、水処理方法および水処理装置に関する。
有機物等の汚染物質を含む排水の処理には、安価な生物処理が広く用いられている。しかし、生物処理は、難生物分解性有機物や生物毒性成分を含む排水の処理には適さない。
そこで、生物処理の前処理または後処理に、フェントン反応、オゾン酸化等の促進酸化処理を行う方法が提案されている。促進酸化処理は、ヒドロキシラジカルを発生させ、その強力な酸化力を利用して有機物等を酸化する処理であり、難生物分解性有機物や生物毒性成分を分解することが可能である。
フェントン反応は、第一鉄イオンに対し過酸化水素を反応させ、ヒドロキシラジカルを発生させる反応である。フェントン反応では、ヒドロキシラジカルとともに第二鉄イオンが生成する。フェントン反応で生成した第二鉄イオンの一部は、過酸化水素の存在下で、一部が第一鉄イオンに還元されること、この還元反応はフェントン反応と比較して非常に遅いことが知られている。これに対し、上記還元反応を促進させる鉄還元触媒を添加し、フェントン反応と上記還元反応を同時に行う手法が知られている。このような例として、鉄還元触媒として活性炭を添加する例が挙げられる(特許文献1〜2)。
フェントン反応では、反応性の高いヒドロキシラジカルが、除去対象成分以外の成分、例えば過酸化水素や鉄イオン、排水中の他のイオン等との反応に使われ、除去対象成分の除去効率が落ちる問題がある。
特許文献1〜2には、排水を連続処理する場合に反応槽を分割できること、分割した各槽に過酸化水素を分割して添加すると過酸化水素の自己分解を抑制できることが記載されている。しかし、特許文献1〜2には、過酸化水素を分割添加する場合の具体的な分割割合について記載されていない。
特許第5215578号公報 特開2009−101262号公報
本発明者らの検討によれば、過酸化水素の分割割合によって除去対象成分の除去効率が変動し、分割しない場合よりも除去効率が劣ることもある。また、過酸化水素の分割割合によっては、添加した過酸化水素が反応槽で利用されずに処理水とともに流出する。過酸化水素以外の酸化剤を用いる場合にも同様の問題がある。
そこで、本発明は、酸化剤および複数の反応槽を用いた促進酸化処理において、排水中の汚染物質を効率良く除去でき、かつ利用されずに流出する酸化剤量を低減できる水処理方法および水処理装置を提供することを目的とする。
本発明は以下の様態を有する。
[1]被酸化性の汚染物質を含む排水に対して、直列に接続されたn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽にて順次、促進酸化処理を行って前記汚染物質を酸化する酸化工程を有し、
前記酸化工程にて、前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽に、下記式(1)を満たす条件で酸化剤を添加する、水処理方法。
ただし、Wは、前記n個の反応槽のうち下流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wallは、前記酸化剤の総添加量を示し、xは、前記酸化剤を添加する反応槽の数を示す。
[2]前記酸化工程にて、前記式(1)を満たし、かつ下記式(2)を満たす条件で前記酸化剤を添加する[1]の水処理方法。
xi−1≧Wxi ・・・(2)
ただし、Wxiは、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端からi番目(iは2以上n以下の任意の整数を示す。)の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wxi−1は、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端から(i−1)番目の反応槽への酸化剤の添加量を示す。
[3]被酸化性の汚染物質を含む排水に対して、直列に接続されたn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽にて順次、促進酸化処理を行って前記汚染物質を酸化する酸化工程を有し、
前記酸化工程にて、前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽に、下記式(3)を満たす条件で酸化剤を添加する、水処理方法。
>Wxi ・・・(3)
ただし、Wは、前記n個の反応槽のうち上流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wxiは、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端からi番目(iは2以上n以下の任意の整数を示す。)の反応槽への酸化剤の添加量を示す。
[4]被酸化性の汚染物質を含む排水に対して、直列に接続されたn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽にて順次、促進酸化処理を行って前記汚染物質を酸化する酸化工程を有し、
前記酸化工程にて、前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽に、下記式(4)を満たす条件で酸化剤を添加する、水処理方法。
x1>Wall/n ・・・(4)
ただし、Wx1は、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wallは、前記酸化剤の総添加量を示す。
[5]前記促進酸化処理が、フェントン反応による促進酸化処理である[1]〜[4]のいずれかの水処理方法。
[6]前記n個の反応槽のうち少なくとも1個の反応槽に鉄還元触媒を添加し、前記フェントン反応により生成した第二鉄イオンを前記鉄還元触媒により第一鉄イオンに還元する[5]の水処理方法。
[7]前記鉄還元触媒が活性炭である[6]の水処理方法。
[8]直列に接続された、排水に含まれる被酸化性の汚染物質の促進酸化処理を行うn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽と、
前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽それぞれに酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、
前記酸化剤が下記式(1)を満たす条件で添加されるように前記酸化剤添加手段を制御する制御部と、
を備える、水処理装置。
all/x>W ・・・(1)
ただし、Wは、前記n個の反応槽のうち下流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wallは、前記酸化剤の総添加量を示し、xは、前記酸化剤を添加する反応槽の数を示す。
[9]前記制御部は、前記酸化剤が前記式(1)を満たし、かつ下記式(2)を満たす条件で添加されるように前記酸化剤添加手段を制御する[8]の水処理装置。
xi−1≧Wxi ・・・(2)
ただし、Wxiは、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端からi番目(iは2以上n以下の任意の整数を示す。)の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wxi−1は、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端から(i−1)番目の反応槽への酸化剤の添加量を示す。
[10]直列に接続された、排水に含まれる被酸化性の汚染物質の促進酸化処理を行うn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽と、
前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽それぞれに酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、
前記酸化剤が下記式(3)を満たす条件で添加されるように前記酸化剤添加手段を制御する制御部と、
を備える、水処理装置。
>Wxi ・・・(3)
ただし、Wは、前記n個の反応槽のうち上流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wxiは、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端からi番目(iは2以上n以下の任意の整数を示す。)の反応槽への酸化剤の添加量を示す。
[11]直列に接続された、排水に含まれる被酸化性の汚染物質の促進酸化処理を行うn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽と、
前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽それぞれに酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、
前記酸化剤が下記式(4)を満たす条件で添加されるように前記酸化剤添加手段を制御する制御部と、
を備える、水処理装置。
x1>Wall/n ・・・(4)
ただし、Wx1は、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wallは、前記酸化剤の総添加量を示す。
[12]前記促進酸化処理が、フェントン反応による促進酸化処理である[8]〜[11]のいずれかの水処理装置。
[13]前記n個の反応槽のうち少なくとも1個の反応槽に鉄還元触媒を添加する触媒添加手段をさらに備える[12]の水処理装置。
[14]前記鉄還元触媒が活性炭である[13]の水処理装置。
本発明によれば、酸化剤および複数の反応槽を用いた促進酸化処理において、排水中の汚染物質を効率良く除去でき、かつ利用されずに流出する酸化剤量を低減できる水処理方法および水処理装置を提供できる。
水処理装置1の概略構成を示す図である。 試験例1における排水処理で対象とするプロセスの模式図である。 フェントン反応に関わる反応式および反応速度を示す図である。 有機物とヒドロキシラジカルとの反応速度を示す図である。 試験例1の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率等は適宜異ならせてある。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
〔水処理装置〕
本実施形態の水処理方法に用いる水処理装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態の水処理装置1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、水処理装置1は、3個の反応槽11a、11b、11cと、不溶化槽21と、調整槽41と、貯留槽61と、を備える。3個の反応槽11a、11b、11cは直列に接続されている。
以下、直列に接続された反応槽のうち上流側末端からi番目の反応槽を第iの反応槽ともいう。3個の反応槽11a、11b、11cをまとめて反応槽11ともいう。
第1の反応槽11aには、第1の流路12および第2の流路13aが接続されている。第2の反応槽11bには、第2の流路13aおよび第3の流路13bが接続されている。第3の反応槽11cには、第3の流路13bおよび第4の流路18が接続されている。第1の流路12は、被酸化性の汚染物質を含む排水を第1の反応槽11aに流入(供給)させるものである。第2の流路13aは、第1の反応槽11aから排出された反応液を第2の反応槽11bに流入させるものである。第3の流路13bは、第2の反応槽11bから排出された反応液を第3の反応槽11cに流入させるものである。第4の流路18は第3の反応槽11cから排出された反応液を不溶化槽21に流入させるものである。
水処理装置1は、3つの反応槽11それぞれに、第1のpH調整手段14と、鉄試薬添加手段15と、過酸化水素添加手段16(酸化剤添加手段)と、触媒添加手段17と、を備える。
水処理装置1は、制御部19を備える。
水処理装置1は、不溶化槽21に、第2のpH調整手段24と、を備える。また、不溶化槽21内には、濃縮手段22が設けられている。
水処理装置1は、不溶化槽21と第1の反応槽11aとの間に、懸濁液返送手段32を備える。
水処理装置1は、調整槽41と貯留槽61との間に、分離手段42を備える。
(排水)
水処理装置1による水処理では、被酸化性の汚染物質を含む排水に対し、フェントン反応による促進酸化処理を行う。被酸化性の汚染物質としては、有機物、または、亜リン酸や次亜リン酸等の無機物が挙げられる。
被酸化性の汚染物質は、本発明の有用性の点から、難生物分解性成分を含むことが好ましい。「難生物分解性成分」とは、生物処理による分解が困難である成分を意味し、具体的には、有機物であれば化学的酸素要求量(以下「COD」と略する。)または有機体炭素(以下「TOC」と略する。)で測定可能、且つ、生物化学的酸素要求量(以下「BOD」と略する。)測定による検出ができない成分であることを意味する。
難生物分解性成分としては、難生物分解性有機物、生物毒性成分等が挙げられる。
難生物分解性有機物としては、1,4−ジオキサン等の有機溶剤、フミン物質等が挙げられる。フミン物質とは、土壌を水酸化ナトリウム等のアルカリで抽出した分画、あるいは土壌を天然水で抽出した抽出液をXAD樹脂(スチレンまたはアクリル単量体とジビニルベンゼンとの共重合体)に吸着させ、さらにその吸着したものから希アルカリ水溶液で溶出される分画のことをいう。
生物毒性成分は、例えば、化学工場排水、メッキ工場排水、薬品工場排水、染色工場排水等の産業排水に含まれる。生物毒性成分としては、例えば亜リン酸、次亜リン酸等が挙げられる。亜リン酸や次亜リン酸は、メッキ工場の工場排水等に含まれる。
排水は、易生物分解性成分を含んでいてもよい。排水が易生物分解性成分を含むと、その分解のためにも酸化剤が利用されてしまう。酸化剤の添加量を低減できる点からは、易生物分解性成分を含まないことが好ましい。
排水は、難生物分解性成分を含む排水を生物処理した生物処理水であってもよい。生物処理水は、易生物分解性成分の含有量が低減されている。
(反応槽)
反応槽11は、排水に含まれる被酸化性の汚染物質の促進酸化処理を行う槽である。
本実施形態では、3つの反応槽11のうち少なくとも2個の反応槽11は、促進酸化処理のための酸化剤である過酸化水素を添加するものである。3つの反応槽11のうち少なくとも1個の反応槽11は、第一鉄イオン(Fe2+)を発生させる鉄試薬を添加するものである。また、3つの反応槽11のうち少なくとも1個の反応槽11では、鉄還元触媒を添加するものである。鉄試薬、酸化剤および鉄還元触媒が添加された反応槽では、鉄試薬と酸化剤によるフェントン反応による促進酸化処理が行われ、排水中に含まれる被酸化性の汚染物質が酸化されるとともに、上記フェントン反応により生成した第二鉄イオンが鉄還元触媒により第一鉄イオンに還元される。
反応槽11内では、過酸化水素に第一鉄イオンが反応して、ヒドロキシラジカルが発生する。排水中に含まれる被酸化性の汚染物質が有機物である場合、発生したヒドロキシラジカルにより有機物が酸化分解される。亜リン酸や次亜リン酸等の無機物の場合、ヒドロキシラジカルによりそれぞれ酸化され、亜リン酸はオルトリン酸に、次亜リン酸は亜リン酸やオルトリン酸となる。
このとき、第一鉄イオンは、過酸化水素の作用により酸化されて第二鉄イオンとなる。また、反応槽11では、第二鉄イオンが、過酸化水素の作用により還元されて第二鉄イオンとなる反応(還元反応)も生じる。この還元反応は一般に、フェントン反応と比較して非常に遅い。しかし、鉄還元触媒を併存させることにより、還元反応を促進でき、フェントン反応と還元反応とを同時に、十分な反応速度で行うことができる。
反応槽11とその他の槽(不溶化槽21、調整槽41、貯留槽61等)とは、酸化剤投入を行った槽以降で、ヒドロキシラジカルを発生させることが可能なpHの範囲に調整されているかどうかによって区別される。
図1に示す水処理装置1において、第1の反応槽11aから第2の反応槽11bに反応液を供給する方法、第2の反応槽11bから第3の反応槽11cに反応液を供給する方法、第3の反応槽11cから不溶化槽21に反応液を供給する方法はそれぞれ特に限定されず、ポンプを用いて反応液を供給してもよいし、オーバーフローを利用して反応液を供給してもよい。
(鉄試薬添加手段)
鉄試薬添加手段15は、反応槽11内に鉄試薬を添加するものである。
鉄試薬としては、水に溶解して第一鉄イオンを発生させるものであれば特に限定されないが、第一鉄塩または第一鉄酸化物が好ましい。なかでも、排水基準で管理する必要がなく、溶解性に優れることから、硫酸鉄または塩化鉄が好ましい。汎用性が高く、腐食性が少ないことから、硫酸鉄がより好ましい。
本実施形態では、鉄還元触媒により第二鉄イオンが還元されて第一鉄イオンが再生するため、鉄試薬として第二鉄化合物を用いることもできる。第二鉄化合物としては、例えば硫酸第二鉄、塩化第二鉄が考えられるが、これらに限定されるものではない。
鉄試薬としては、固体状態のものを反応槽11内に添加してもよいし、鉄試薬の水溶液のように液体状態にしたものを反応槽11内に添加してもよい。
(過酸化水素添加手段)
過酸化水素添加手段16は、反応槽11内に過酸化水素(酸化剤)を添加するものである。
(第1のpH調整手段)
第1のpH調整手段14は、槽内のpHに応じて、反応槽11内に酸またはアルカリを添加し、反応槽11内のpHを調整するものである。
反応槽11内は、鉄試薬を水に溶解させて第一鉄イオンを発生させ、かつ、ヒドロキシラジカルを発生させることが可能なpHの範囲に調整される。本実施形態において、反応槽11内のpHは、1.0以上4.0以下の範囲に調整される。反応槽11内のpHが1.0以上4.0以下であると、水に対する鉄試薬の溶解性を良好に保ちつつ、第二鉄イオンと鉄還元触媒との接触効率を高めることができる。反応槽11内のpHは、2.0以上3.0以下が好ましく、2.5以上3.0以下がより好ましい。
反応槽11には、槽内のpHを測定する測定機器(図示略)を設置することが好ましい。
酸の種類としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、シュウ酸、クエン酸、ギ酸、酢酸等の有機酸が挙げられる。なかでも、硫酸または塩酸が好ましく、フェントン反応で生成するヒドロキシラジカルを捕捉しにくいことから、硫酸がより好ましい。これらの酸は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルカリの種類としては、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。なかでも、汎用性が高く、フェントン反応で生成する物質と反応しないことから、水酸化ナトリウムが好ましい。これらのアルカリは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(触媒添加手段)
触媒添加手段17は、反応槽11内に鉄還元触媒を添加するものである。
鉄還元触媒としては、フェントン反応を実質的に阻害しないとともに、過酸化水素により第二鉄イオンが還元されて第一鉄イオンが再生する反応を促進するものであればよい。鉄還元触媒としては、触媒の物理的強度とコストの観点から、活性炭およびゼオライトからなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましく、触媒効率や廃触媒の処理の観点から、活性炭がより好ましい。
鉄還元触媒の形状としては、粒状、粉体状を用いることができるが、触媒効率の観点から粉体状であることが好ましい。また、鉄還元触媒の粒径としては、触媒を回収しやすいことから、0.05〜100μmが好ましい。
(制御部)
制御部19は、過酸化水素(酸化剤)が、後述する条件1、条件2、または条件3で添加されるように過酸化水素添加手段16を制御するものである。
制御部19は、少なくとも、3個の反応槽11それぞれに過酸化水素を供給する3個の過酸化水素添加手段16と接続している。制御部19は、あらかじめ設定された式に基づいて、過酸化水素の総添加量、過酸化水素を添加する反応槽11(数および位置)、および各反応槽11への過酸化水素の添加量(過酸化水素の分割割合)を決定する。そして、決定した少なくとも2個の反応槽11内に、決定した添加量の過酸化水素を過酸化水素添加手段16により添加する。
(不溶化槽)
不溶化槽21は、第一鉄イオン、およびフェントン反応により生成した第二鉄イオンを反応液から除去するために不溶化させ、第一鉄化合物および第二鉄化合物を生成させるものである。
本実施形態において、第一鉄イオンおよび第二鉄イオンは、酸化鉄、水酸化鉄または塩化鉄等の鉄化合物となって不溶化する。
(第2のpH調整手段)
第2のpH調整手段24は、槽内のpHに応じて、不溶化槽21内にアルカリを添加し、不溶化槽21内のpHを調整するものである。
不溶化槽21内は、第一鉄イオンおよび第二鉄イオンを不溶化させることが可能なpHの範囲に調整される。本実施形態において、不溶化槽21内のpHは、6.0以上10.0以下の範囲に調整される。不溶化槽21内のpHは、7.0以上9.0以下が好ましく、7.5以上8.5以下がより好ましく、7.8以上8.3以下がさらに好ましい。
不溶化槽21には、槽内のpHを測定する測定機器(図示略)を設置することが好ましい。
添加するアルカリの種類としては、第1のpH調整手段14で添加することができるアルカリと同様のものが挙げられる。
排水中に含まれる被酸化性の汚染物質が亜リン酸や次亜リン酸等の無機物である場合、アルカリとして水酸化カルシウムを添加すると、反応液中の亜リン酸と水酸化カルシウムが反応して沈殿物を形成する。そのため、後述する濃縮手段22において、亜リン酸を含む沈殿物と、処理水とに沈殿分離することができる。また、反応液中のオルトリン酸は、第二鉄イオンと反応して沈殿物を形成する。そのため、後述する濃縮手段22において、オルトリン酸を含む沈殿物と、処理水とに沈殿分離することができる。
(濃縮手段)
濃縮手段22は、第一鉄化合物および第二鉄化合物が懸濁した懸濁液を、鉄化合物および鉄還元触媒を含む汚泥と処理水とに固液分離して、汚泥が濃縮された懸濁液を得るものである。
本実施形態において、濃縮手段22は、第1の膜モジュール23を用いた全量濾過方式を採用している。濾過方式は全量濾過方式に限定されず、クロスフロー濾過方式でもよい。第1の膜モジュール23を用いることにより、懸濁液に汚泥が高濃度で含まれる場合においても、高い分離能で分離することができる。
第1の膜モジュール23には、精密濾過膜または限外濾過膜等の濾過膜を備える。精密濾過膜としては、中空糸膜、平膜、チューブラ膜、モノリス型膜が挙げられる。限外濾過膜としては、中空糸膜、平膜、チューブラ膜が挙げられる。なかでも、容積充填率が高いことから、中空糸膜が好ましく用いられる。
第1の膜モジュール23に中空糸膜、平膜、チューブラ膜を用いる場合、その材質としては、セルロース、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデンジフロライド(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)等が挙げられる。なかでも、中空糸膜の材質としては、耐薬品性やpH変化に強い点から、ポリフッ化ビニリデンジフロライド(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)が好ましい。
第1の膜モジュール23にモノリス型膜を用いる場合、セラミック製の膜を用いることが好ましい。
精密濾過膜または限外濾過膜に形成される微細孔の平均孔径は、0.01μm〜1.0μmが好ましく、0.05μm〜0.45μmがより好ましい。前記微細孔の平均孔径が下限値以上であれば、固液分離に要する圧力を十分小さく抑えられる。一方、前記微細孔の平均孔径が上限値以下であれば、鉄化合物および鉄還元触媒を含む汚泥が処理水中に漏出するのを抑えることができる。
本実施形態において、反応液全量に対する鉄還元触媒の質量濃度を基準としたときの懸濁液全量に対する鉄還元触媒の質量濃度の倍率(以下、これを「濃縮倍率」と称することがある。)が4〜20倍程度となるように濃縮することが好ましい。濃縮倍率が4倍以上であれば、後述する懸濁液返送手段32により反応槽11に懸濁液を返送する際に、反応槽11内のpH調整に用いる酸の使用量が抑えられる。また、濃縮倍率が20倍以下であれば、濃縮手段22を用いた汚泥の濃縮および懸濁液返送手段32を用いた懸濁液の返送が容易になる。
第1の膜モジュール23には、第5の流路31が接続されている。第5の流路31は、第1の膜モジュール23の精密濾過膜または限外濾過膜を透過した処理水を濃縮手段22から排出し、調整槽41に流入させるものである。第5の流路31には、ポンプ31aが設置されている。これにより、上記処理水を不溶化槽21から排出できるようになっている。
第5の流路31には、処理水中の全鉄濃度を測定する測定装置が設けられていることが好ましい。ここで全鉄濃度とは、液中に溶解している二価の鉄イオンと三価の鉄イオンを合わせた濃度をいう。当該測定装置により、処理水中の全鉄濃度が0.04ppmを超えていると判断される場合には、不溶化槽21内のpH、もしくは第1の膜モジュール23での固液分離またはその両方が適切になるように適宜対応する。
濃縮手段22には、第1の膜モジュール23の下方に配置された膜面洗浄用のばっ気手段を備えてもよい。前記ばっ気手段としては、公知のものを採用できる。
濃縮手段22は、第1の膜モジュール23のほかに別の分離手段を併用してもよい。別の分離手段としては、例えば、砂濾過、加圧浮上分離、遠心分離、ベルトプレス、沈殿槽による沈殿等が挙げられる。
(懸濁液返送手段)
懸濁液返送手段32は、不溶化槽21から第1の反応槽11aに、汚泥が濃縮された懸濁液の少なくとも一部を返送するものである。懸濁液返送手段32は、第6の流路33を備える。第6の流路33は、懸濁液の少なくとも一部を不溶化槽21から排出し、第1の反応槽11aに流入(供給)させるものである。
第6の流路33には、ポンプ33aが設置されている。これにより、不溶化槽21内の懸濁液の少なくとも一部を不溶化槽21から第1の反応槽11aに返送することができる。
なお、懸濁液の少なくとも一部を返送する反応槽11は第1の反応槽11aに限定されない。懸濁液の少なくとも一部を第2の反応槽11bに返送してもよく、第3の反応槽11cに返送してもよく、2以上の反応槽11に返送してもよい。
不溶化槽21から懸濁液の少なくとも一部を返送する反応槽11は、第3の反応槽11c、つまり下流側末端の反応槽11以外の反応槽11とすることが好ましい。
懸濁液の少なくとも一部を返送する反応槽11が上流側であるほど、懸濁液中の第二鉄化合物が溶解して第二鉄イオンとなり、さらに第一鉄イオンに還元されてからフェントン反応に使用されるまでの時間をより長くすることができる。したがって、返送した懸濁液中の第二鉄化合物をフェントン反応に効果的に再利用することができる。
(調整槽)
調整槽41は、不溶化槽21から第5の流路31を介して供給される処理水を貯留するものである。
調整槽41には、第7の流路55が接続されている。第7の流路55は、調整槽41に貯留した処理水を排出し、分離手段42に流入させるものである。第7の流路55には、ポンプ55aおよび調整バルブ55bが設置されている。これにより、上記処理水を調整槽41から排出できるようになっている。なお、調整バルブ55bはなくてもよい。
(分離手段)
分離手段42は、濃縮手段22で分離した処理水を、処理水に含まれる被酸化性の汚染物質と、透過水とに膜分離するものである。ここで透過水とは、膜を透過した液体のことをいう。
本実施形態において、分離手段42は、第2の膜モジュール43を用いたクロスフロー濾過方式を採用している。クロスフロー濾過方式を採用することにより、膜表面への被酸化性の汚染物質の堆積を抑制することができ、濾過流束を維持することができる。
第2の膜モジュール43には、ナノ濾過膜または逆浸透膜を備える。
第2の膜モジュール43にナノ濾過膜を用いる場合、その材質としては、ポリエチレン系、芳香族ポリアミド系や架橋ポリアミド系を含むポリアミド系、脂肪族アミン縮合系ポリマー、複素環ポリマー系、ポリビニルアルコール系、酢酸セルロース系ポリマー等が挙げられる。
第2の膜モジュール43に逆浸透膜を用いる場合、その材質としては、ポリアミド、ポリスルホン、セルロースアセテート等が挙げられ、芳香族ポリアミドまたは架橋芳香族ポリアミドを含むポリアミドが好ましい。
第2の膜モジュール43には、第8の流路51が接続されている。第8の流路51は、第2の膜モジュール43のナノ濾過膜または逆浸透膜を透過した透過水を分離手段42から排出し、貯留槽61に流入させるものである。上述したポンプ55aにて第2の膜モジュール43の濾過面側(上流側)に圧力をかけることにより、上記透過水を調整槽41から排出し、分離手段42にて膜分離できるようになっている。流量の調整は、ポンプ55aの出力調整により行うことができる。
(貯留槽)
貯留槽61は、分離手段42から第8の流路51を介して供給される透過水を貯留するものである。
貯留槽61に貯留された透過水は、直接か、または工業用水等で希釈され、河川等に放流される。
〔水処理方法〕
本実施形態の水処理方法は、酸化工程と、不溶化工程と、濃縮工程と、分離工程と、懸濁液返送工程と、還元工程と、を有する。
図1に示す水処理装置1を用いる水処理方法について説明する。本実施形態の水処理方法では、最初に、被酸化性の汚染物質を含む排水に対し、直列に接続された3個の反応槽にて順次、フェントン反応による促進酸化処理を行って、被酸化性の汚染物質を酸化する(酸化工程)。
酸化工程では、3個の反応槽11のうち少なくとも2個の反応槽11に、下記の条件1、条件2または条件3で酸化剤を添加する。過酸化水素を添加する前に、排水のpHを1.0以上4.0以下に調整する。また、3個の反応槽11のうち少なくとも1個の反応槽11に鉄試薬を添加し、少なくとも1個の反応槽11に鉄還元触媒を添加する。
次いで、不溶化槽21において、酸化工程で得られた反応液のpHを6.0以上10.0以下に調整し、第一鉄イオン、およびフェントン反応により生成した第二鉄イオンを不溶化させ、第一鉄化合物および第二鉄化合物を生成させる(不溶化工程)。
さらに、第一鉄化合物および第二鉄化合物が懸濁した懸濁液を、濃縮手段22により鉄化合物および鉄還元触媒を含む汚泥と処理水とに固液分離して、汚泥が濃縮された懸濁液を得る(濃縮工程)。
次いで、濃縮工程で分離した処理水を調整槽41に貯留する。そして、処理水を調整槽41から分離手段42に流出させ、分離手段42により膜分離する(分離工程)。分離工程において、処理水を、処理水に含まれる被酸化性の汚染物質と、透過水とに分離する。
さらに、貯留槽61において、分離工程で分離した透過水を貯留する。
懸濁液返送手段32において、濃縮工程で濃縮した懸濁液を、不溶化槽21から第1の反応槽11aに返送する(懸濁液返送工程)。第1の反応槽11aに返送された懸濁液中の第二鉄化合物は、反応槽11内で溶解して第二鉄イオンとなる。反応槽11内の第二鉄イオンは、過酸化水素および鉄還元触媒の作用により第一鉄イオンに還元される(還元工程)。
<条件1>
条件1は、下記式(1)を満たす。
all/x>W ・・・(1)
ただし、Wは、n個の反応槽11のうち下流側末端の反応槽11への過酸化水素(酸化剤)の添加量を示し、Wallは、過酸化水素の総添加量を示し、xは、過酸化水素を添加する反応槽11の数を示す。
nは、水処理装置1において直列に接続された反応槽11の数を示し、2以上の整数である。本実施形態ではn=3である。過酸化水素の添加量の単位は質量%とし、Wall=100(質量%)である。以下においても同様である。
all/xは、過酸化水素を添加する反応槽11の1個当たりの過酸化水素の添加量(平均値)を示す。xは、2以上n以下の整数である。
下流側末端の反応槽11、つまり第3の反応槽11cへの過酸化水素の添加量WがWall/x未満であることで、上流側の反応槽11で過酸化水素を十分消費させることができ、反応槽11の下流の不溶化槽21および調整槽41に未反応の過酸化水素が流出することを抑制できる。また、添加した過酸化水素が十分に消費されることで、排水中の汚染物質の除去効率が優れる。
は、{(Wall/x)×1}未満が好ましく、{(Wall/x)×0.5}未満がより好ましく、0が特に好ましい。
が0であるとは、下流側末端の反応槽11に過酸化水素を添加しないことを意味する。したがって、過酸化水素添加手段16から過酸化水素を添加する反応槽11は、下流側末端の反応槽11以外の反応槽11とすることが好ましい。過酸化水素を添加する反応槽11が上流であるほど、フェントン反応にかかる時間をより長くして、過酸化水素をフェントン反応で十分消費させることができる。
本実施形態において過酸化水素は、上記のように、フェントン反応のほかに、フェントン反応により生成した第二鉄イオンの還元反応にも使われる。そのため、少なくとも2個の反応槽11に過酸化水素添加手段16から添加する過酸化水素の総添加量Wallは、全ての反応槽11でフォントン反応に利用される過酸化水素の総量の理論値よりも多くすることが好ましい。
過酸化水素はラジカルスカベンジャー効果により添加した全てがラジカルとなって有機物の分解に使用されるわけではない。そのため、過酸化水素の総添加量Wallは、具体的には、原水中の処理したいCOD、BOD又はTOC成分量に対して化学量論比から考えた必要量の1倍以上が必要であり、原水中の処理したいCOD、BOD、又はTOC成分以外の夾雑物質濃度が高いほど、化学量論比よりも多い過酸化水素の量を添加する必要がある。
条件1は、前記式(1)を満たし、かつ下記式(2)を満たすことが好ましい。
xi−1≧Wxi ・・・(2)
ただし、Wxiは、過酸化水素を添加する反応槽11のうち上流側末端からi番目(iは2以上n以下の任意の整数を示す。)の反応槽11への過酸化水素の添加量を示し、Wxi−1は、過酸化水素を添加する反応槽11のうち上流側末端から(i−1)番目の反応槽11への酸化剤の添加量を示す。
式(2)を満たす、つまり上流側末端から2番目以降の任意の反応槽11への過酸化水素の添加量が、その直前に過酸化水素が添加された反応槽11への過酸化水素の添加量を超えないことで、過酸化水素の流出を抑制する効果、排水中の汚染物質の除去効率がより優れる。
過酸化水素を添加する反応槽11のうち、全ての反応槽11において前記式(2)を満たしてもよく、一部の反応槽11において前記式(2)を満たしてもよい。
条件1は、後述する条件2に示す式(3)をさらに満たしてもよく、条件2に示す式(5)をさらに満たしてもよく、後述する条件3に示す式(4)をさらに満たしてもよい。
<条件2>
条件2は、下記式(3)を満たす。
>Wxi ・・・(3)
ただし、Wは、n個の反応槽11のうち上流側末端の反応槽11への過酸化水素の添加量を示し、Wxiは、過酸化水素を添加する反応槽11のうち上流側末端からi番目(iは2以上n以下の任意の整数を示す。)の反応槽11への過酸化水素の添加量を示す。
式(3)を満たす場合、上流側末端の反応槽11、つまり第1の反応槽11aに必ず過酸化水素が添加される。また、第1の反応槽11aへの過酸化水素の添加量は、下流側のいずれの反応槽11への過酸化水素の添加量よりも多い。式(3)を満たすことで、第1の反応槽11aから下流側末端の反応槽11までの間に過酸化水素を十分消費させることができ、反応槽11の下流の不溶化槽21および調整槽41に未反応の過酸化水素が流出することを抑制できる。また、添加した過酸化水素が十分に消費されることで、排水中の汚染物質の除去効率が優れる。
過酸化水素を添加する反応槽11のうち、全ての反応槽11において前記式(3)を満たしてもよく、一部の反応槽11において前記式(3)を満たしてもよく、全ての反応槽11において前記式(3)を満たすことが好ましい。
条件2は、前記式(3)を満たし、かつ下記式(5)を満たすことが好ましい。
all×0.5≦W≦Wall×0.99 ・・・(5)
式(5)を満たすことは、Wが、過酸化水素の総添加量Wallに対して50〜99質量%であることを示す。Wが前記範囲の下限値以上であると、過酸化水素の流出を抑制する効果がより優れる。Wが前記範囲の上限値以下であると、過酸化水素の自己分解を抑制でき、添加した過酸化水素を汚染物質の除去に十分に利用でき、排水中の汚染物質の除去効率がより優れる。Wは、過酸化水素の総添加量Wallに対して50〜75質量%が好ましい。
条件2は、前記式(1)をさらに満たしてもよく、前記式(2)をさらに満たしてもよく、後述する条件3に示す式(4)をさらに満たしてもよい。
<条件3>
条件3は、下記式(4)を満たす。
x1>Wall/n ・・・(4)
ただし、Wx1は、過酸化水素を添加する反応槽11のうち上流側末端の反応槽11への過酸化水素の添加量を示し、Wallは、過酸化水素の総添加量を示す。
all/nは、n個の反応槽11(過酸化水素を添加しない反応槽11も含み得る。)の1個当たりの過酸化水素の添加量(平均値)を示す。過酸化水素を添加する反応槽11のうち上流側末端の反応槽11への過酸化水素の添加量Wx1がWall/n超であることで最初に過酸化水素を添加した反応槽11から下流側末端の反応槽11までの間に過酸化水素を十分消費させることができ、反応槽11の下流の不溶化槽21および調整槽41に未反応の過酸化水素が流出することを抑制できる。また、添加した過酸化水素が十分に消費されることで、排水中の汚染物質の除去効率が優れる。
x1は、{(Wall/n)×1}以上{(Wall/n)×(n−0.5)}以下が好ましい。Wx1が前記範囲の下限値以上であると、過酸化水素の流出を抑制する効果がより優れる。Wx1が前記範囲の上限値以下であると、過酸化水素の自己分解を抑制でき、添加した過酸化水素を汚染物質の除去に十分に利用でき、排水中の汚染物質の除去効率がより優れる。
x1は、Wであることが好ましい。
条件3は、前記式(1)をさらに満たしてもよく、前記式(2)をさらに満たしてもよく、前記式(3)をさらに満たしてもよく、前記式(5)をさらに満たしてもよい。
鉄試薬は、3個の反応槽11の一部に添加してもよく全部に添加してもよい。通常、過酸化水素が添加される反応槽11のうち上流側末端の反応槽11に鉄試薬の全量を添加する。
鉄還元触媒は、3個の反応槽11の一部に添加してもよく全部に添加してもよい。通常、過酸化水素が添加される反応槽11のうち上流側末端の反応槽11に鉄還元触媒の全量を添加する。
反応液全量に対する鉄還元触媒の質量濃度は、好ましくは50000mg/L以下である。鉄還元触媒の質量濃度が50000mg/L以下であることにより、鉄還元触媒による過酸化水素の分解反応が抑制される。また、後述する濃縮装置を用いて鉄イオンを不溶化させた鉄化合物を含む汚泥を濃縮するのが容易になる。さらに、得られた懸濁液を懸濁液返送手段32により反応槽11に返送する際に、反応槽11内のpH調整に用いる酸の使用量が抑えられる。
以上説明した実施形態の水処理装置又は水処理方法によれば、排水中の汚染物質を効率良く除去できる。また、下流側末端の第3の反応槽11cから流出する反応液中の過酸化水素量、つまり利用されずに流出する過酸化水素量を低減できる。また、添加した過酸化水素が十分に利用されるため、排水中の汚染物質の除去効率が優れる。
過酸化水素の流出が抑制されているため、未反応の過酸化水素による処理水中の化学的酸素要求量の上昇を抑制することができる。また、処理水に対してさらに生物処理を行う場合、処理水中の過酸化水素の含有量が多いと、生物処理に悪影響があるため過酸化水素を分解除去する必要があるが、処理水中の過酸化水素の含有量が少ないため、処理水をそのまま生物処理できる。
さらに、本実施形態では、反応槽11で、鉄還元触媒の存在下で、通常のフェントン反応と同時に、第二鉄イオンを還元して第一鉄イオンとする反応を進めることができる。これにより、フェントン反応のみを利用した水処理では廃棄される第二鉄化合物を再利用することができる。そのため、第二鉄化合物の処理にかかる費用を削減できるほか、鉄試薬添加手段15から添加する鉄試薬の量を少なくすることができる。
促進酸化処理に限らず多くの化学反応では、反応を進めるための滞在時間を得る必要がある。滞在時間を得る方法は多岐に渡るが、一般的に、メンテナンス性の面では、大きな反応槽を用いるよりも、複数の反応槽を用いることがよい。特に促進酸化処理では、酸化剤を複数回に分割して添加することにより、一括添加に比べて少ない酸化剤の添加量で目標の処理が達成できると考えられる。
しかし、本発明者らの検討によれば、一括添加に比べて少ない酸化剤の添加量で目標の処理を達成するには、実際には、分割割合に最適な範囲がある。分割割合を所定の範囲内とすること、具体的には、上記の条件1、条件2または条件3で酸化剤を分割添加することにより、一括添加に比べて少ない酸化剤の添加量で目標の処理を達成できる。この理由は以下のように考えられる。
ヒドロキシラジカルは反応性が高く、酸化分解の対象物である汚染物質以外の成分(過酸化水素等の酸化剤等)とも反応してしまうラジカルスカベンジャー効果が発生する。それによってヒドロキシラジカルの原料である酸化剤およびヒドロキシラジカルそのものを不要に消費してしまうことになる。分割添加によって各槽の酸化剤濃度を下げることでラジカルスカベンジャー効果を減らすことができる。一方で、下流側の反応槽11に過酸化水素を多く添加することは、一連の反応槽11における過酸化水素の滞在時間を減らすことになり、利用されずに流出する過酸化水素を増やしてしまう。結果、過酸化水素の添加量に見合った処理効率が得られず、分割添加の利点が損なわれる。
本実施形態では、上記の条件1、条件2または条件3で酸化剤を分割添加することで、各反応槽11の酸化剤濃度を下げ、ラジカルスカベンジャー効果を減らすことができるともに、流出する過酸化水素の量を抑制できる。
なお、本発明の水処理装置および水処理方法は、上述した実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
例えば、水処理装置1において、3個の反応槽11が直列に接続された例を示したが、反応槽11の数nは2以上であればよい。設備コスト、メンテナンス性を考慮すると、nは2〜5が好ましく、3がより好ましい。
直列に接続されたn個の反応槽11のうち、過酸化水素を添加する反応槽11の数xは、2以上であればよい。設備の煩雑さ、コストを考慮すると、xは2〜5が好ましく、2〜3がより好ましい。
水処理装置1の不溶化槽において、処理水中の過酸化水素の分解処理を行ってもよい。
処理水中の過酸化水素の分解処理方法としては、ばっ気処理、亜硫酸ナトリウム等の還元剤を用いた還元処理、金属触媒や活性炭触媒を用いた分解処理等が挙げられ、適宜選択して使用できる。
下流に生物処理槽を設ける場合、生物への短期または長期毒性がない濃度にまで過酸化水素を分解することが好ましい。このような濃度は実験的に確認できる。
水処理装置1において、第1の反応槽11aの上流に生物処理槽を設け、前記生物処理槽にて排水の生物処理を行ってもよい。生物処理された排水は、易生分解性成分の含有量が低減されているため、生物処理の後処理として上記の促進酸化処理を行うと、促進酸化処理に用いる酸化剤の量を低減できる。
水処理装置1において、貯留槽61の下流に生物処理槽を設け、前記生物処理槽にて処理水の生物処理を行ってもよい。排水が生物毒性成分を含む場合、生物処理の前処理として上記の促進酸化処理を行うと、生物毒性成分による生物処理効率の低下を抑制できる。
水処理装置1において、調整槽41および分離手段42を省略して分離工程を行わなくてもよい。その場合、濃縮手段22を通過した処理水を直接貯留槽61に貯留してもよい。
水処理装置1において、不溶化槽21および第2のpH調整手段を省略して不溶化工程を行わなくてもよい。
水処理装置1において、濃縮手段22を省略して濃縮工程を行わなくてもよい。
水処理装置1において、懸濁液返送手段32を省略して懸濁液返送工程を行わなくてもよい。その場合、不溶化槽21内の懸濁液は、定期的に抜き出して、鉄と触媒の濃度を維持するために抜き出した分の鉄試薬または触媒を添加する。
水処理装置1において、触媒添加手段17を省略して還元工程を行わなくてもよい。
上記実施形態において、濃縮手段22を用いた汚泥の濃縮方法は、必ずしも第1の膜モジュール23を利用した方法でなくてよい。例えば、上述した砂濾過、加圧浮上分離、遠心分離、ベルトプレス、沈殿槽による沈殿等を利用してもよい。
濃縮手段22を不溶化槽21内に設ける例を示したが、濃縮手段22を不溶化槽21内に設けなくてもよい。その場合、不溶化槽21と調整槽41との間に別の槽を配置し、この槽内に濃縮手段22を設けてもよい。
濃縮手段22を不溶化槽21内に設けない場合、第1の膜モジュール23の構成は、例えば以下に示す構成であってもよい。
ハウジング内に濾過膜(精密濾過または限外濾過)の一次側と二次側が隔離されるように濾過膜が固定され、ハウジング内における濾過膜の一次側が、鉄化合物および鉄還元触媒を含む汚泥および処理水を含有する懸濁液が貯留された貯留タンクと循環流路により連通し、濾過膜の二次側が吸引ポンプと接続された構成。
促進酸化処理は、酸化剤を用いてヒドロキシラジカルを発生させ、それによって汚染物質を酸化分解する処理であればよく、フェントン反応によるものに限定されない。また、促進酸化処理に用いる酸化剤は、過酸化水素に限定されず、例えばオゾンであってもよい。酸化剤を用いる他の促進酸化処理としては、例えば、オゾンと紫外線(UV)とを組み合わせた処理、オゾンと過酸化水素とを組み合わせた処理、過酸化水素とUVとを組み合わせた処理、エレクトロフェントン法等が挙げられる。これらのなかでも、薬品コストと設備コストの観点で、酸化剤として過酸化水素を用いる処理が好ましく、オゾンやUV等の設備コストの観点で、フェントン反応による処理が特に好ましい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。なお、図1に示す水処理装置と共通する構成については、同様の名称を用いて説明する。以下において、「ppm」は「質量ppm」である。実施例で用いた評価方法を以下に示す。
全有機炭素除去率(以下、「全有機炭素」を「TOC」と称することがある。)は、鉄還元触媒の活性を示す指標の一つであり、TOC除去率が高いほど鉄還元触媒の活性は高いといえる。実施例および比較例のTOC除去率は、原水(排水)中のTOC濃度、および処理水中のTOC濃度から式(S1)に基づいて算出した。
Figure 2019214004
なお、TOC濃度は、JIS K0102「22.有機体炭素(TOC)」に従い、燃焼式全有機炭素分析装置(株式会社三菱化学アナリテック製、型番「TOC−300V」)により測定することができる。
1,4−ジオキサン濃度は、ヘッドスペースGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)法で測定を行った。ヘッドスペースオートサンプラーは、アジレントテクノロジー株式会社、型番「HP7694」、GC/MSはアジレントテクノロジー株式会社、型番「6890/5973N」により測定が可能である。測定には内部標準法を使用し、測定サンプルは内部標準として1,4−ジオキサンd8を1ppmになるよう、また、NaClを3.5g添加し密栓し、1時間振とう機にかけることで調整したものを使用することができる。
過酸化水素濃度は、デジタルパックテスト(共立理化学研究所、DPM−MT)とパックテスト過酸化水素(共立理化学研究所、WAK−H2O2、またはWAK−H2O2(C))により測定する。
(実施例1〜4、比較例1〜4)
排水の処理の数値計算について説明する。対象とするプロセスの模式図を図2に示す。本プロセスでは、直列に接続された3つの反応槽を用いて原水を処理し、透過水とする。第1の反応槽11aへの過酸化水素の添加量をa%、第2の反応槽11bへの過酸化水素の添加量をb%、第3の反応槽11cへの過酸化水素の添加量をc%とした。ここでの「%」は「質量%」であり、a+b+c=100である。
処理対象とする原水は、化学工場の排水であり、前記排水中のTОC濃度は24ppm、1,4−ジオキサン濃度は30ppmである。
図3に、フェントン反応に関わる反応式および反応速度を示す(N.Kang,D.Lee,J.Yoon,Chemosphere 47(2002) 915-924参照)。また、図4に、有機物とヒドロキシラジカルとの反応速度を示す。1,4−ジオキサンとヒドロキシラジカルの反応速度式は文献値(A Maekawa,京都大学博士論文,2015,03-23)より取得した。TOCとヒドロキシラジカルの反応速度は、実験値にフィッティングすることで取得した。鉄還元触媒を併用することで、K=0.01[1/M/s]からK=4.2[1/M/s]となることを実験値へのフィッティングで確認している。
以上の式を図1に示す構成の水処理装置に適用し、aとbとcの比率を表1に示すように変更して、過酸化水素の分割添加の効果を比較した。
過酸化水素溶液の投入量は全体で1.39mL/hr、過酸化水素溶液中の過酸化水素濃度は30000ppm、反応槽11への原水の流入速度は167mL/hr、3個の反応槽11の大きさはそれぞれ330mLとした。実プロセスでは処理水をアルカリで中和したスラッジを第1の反応槽11aに返送することを想定し、計算上、3個の反応槽11の全鉄濃度は900ppmで維持されている。懸濁液の返送量は19mL/hrである。3個の反応槽11内のpHは2.8、不溶化槽21内のpHは8.0を想定している。
過酸化水素の分割添加を行った際の、第3の反応槽11cから排出された反応液中の1,4−ジオキサンおよび過酸化水素それぞれの濃度(以下、「出口濃度」ともいう。)を表1に示す。
また、比較例1、実施例1、実施例2、比較例2および比較例4における1,4−ジオキサンおよび過酸化水素それぞれの出口濃度を図5に示す。図5は、第1の反応槽11aへの過酸化水素の添加量a(質量%)を横軸にとり、各出口濃度(ppm)を縦軸にとったグラフである。
Figure 2019214004
3個の反応槽11のうち第1の反応槽11aおよび第2の反応槽11bに75:25または50:50の割合で過酸化水素を分割添加した実施例1〜2では、1,4−ジオキサンの出口濃度が排水基準の1.5ppm以下になり、かつ過酸化水素の出口濃度が1ppm以下になった。
3個の反応槽11の第1の反応槽11a、第2の反応槽11b及び第3の反応槽11cに50:30:20または50:40:10の割合で過酸化水素水を分割添加した実施例3〜4では、1,4−ジオキサンの出口濃度が排出基準の1.5ppm以下になり、過酸化水素濃度は2ppm以下になった。
第1の反応槽11aに過酸化水素を全量添加した比較例1、第1の反応槽11aおよび第2の反応槽11bに25:75の割合で過酸化水素を分割添加した比較例2では、1,4−ジオキサンの出口濃度が実施例1〜4に比べて高かった。3個の反応槽11に均等に過酸化水素を添加した比較例3では、過酸化水素の出口濃度が2ppmを超えていた。この場合、処理水に対して過酸化水素の除去処理が必要となる。
図5より、過酸化水素を分割添加し、かつ第1の反応槽11aへの添加量を全量の50%以上とした場合に、1,4−ジオキサンの分解効率が良いと推定された。
(実施例5)
5個の反応槽を直列に接続し、各反応槽(上流側から反応槽A、反応槽B、反応槽C、反応槽D、反応槽Eとした。)に上流側から40:30:20:10:0の割合で過酸化水素を添加した以外は実施例1と同じ条件で検討した。
反応槽Eから排出された反応液中の1,4−ジオキサンおよび過酸化水素それぞれの濃度(以下、「出口濃度」ともいう。)を表2に示す。
Figure 2019214004
実施例5では、1,4−ジオキサンの出口濃度が0.37ppm、過酸化水素の出口濃度は0.08ppmになった。
1…水処理装置、11a,11b,11c…反応槽、14…第1のpH調整手段、15…鉄試薬添加手段、16…過酸化水素添加手段(酸化剤添加手段)、17…触媒添加手段、19…制御部、21…不溶化槽、22…濃縮手段、24…第2のpH調整手段、32…懸濁液返送手段、41…調整槽、42…分離手段、61…貯留槽

Claims (14)

  1. 被酸化性の汚染物質を含む排水に対して、直列に接続されたn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽にて順次、促進酸化処理を行って前記汚染物質を酸化する酸化工程を有し、
    前記酸化工程にて、前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽に、下記式(1)を満たす条件で酸化剤を添加する、水処理方法。
    all/x>W ・・・(1)
    ただし、Wは、前記n個の反応槽のうち下流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wallは、前記酸化剤の総添加量を示し、xは、前記酸化剤を添加する反応槽の数を示す。
  2. 前記酸化工程にて、前記式(1)を満たし、かつ下記式(2)を満たす条件で前記酸化剤を添加する請求項1に記載の水処理方法。
    xi−1≧Wxi ・・・(2)
    ただし、Wxiは、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端からi番目(iは2以上n以下の任意の整数を示す。)の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wxi−1は、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端から(i−1)番目の反応槽への酸化剤の添加量を示す。
  3. 被酸化性の汚染物質を含む排水に対して、直列に接続されたn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽にて順次、促進酸化処理を行って前記汚染物質を酸化する酸化工程を有し、
    前記酸化工程にて、前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽に、下記式(3)を満たす条件で酸化剤を添加する、水処理方法。
    >Wxi ・・・(3)
    ただし、Wは、前記n個の反応槽のうち上流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wxiは、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端からi番目(iは2以上n以下の任意の整数を示す。)の反応槽への酸化剤の添加量を示す。
  4. 被酸化性の汚染物質を含む排水に対して、直列に接続されたn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽にて順次、促進酸化処理を行って前記汚染物質を酸化する酸化工程を有し、
    前記酸化工程にて、前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽に、下記式(4)を満たす条件で酸化剤を添加する、水処理方法。
    x1>Wall/n ・・・(4)
    ただし、Wx1は、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wallは、前記酸化剤の総添加量を示す。
  5. 前記促進酸化処理が、フェントン反応による促進酸化処理である請求項1〜4のいずれか一項に記載の水処理方法。
  6. 前記n個の反応槽のうち少なくとも1個の反応槽に鉄還元触媒を添加し、前記フェントン反応により生成した第二鉄イオンを前記鉄還元触媒により第一鉄イオンに還元する請求項5に記載の水処理方法。
  7. 前記鉄還元触媒が活性炭である請求項6に記載の水処理方法。
  8. 直列に接続された、排水に含まれる被酸化性の汚染物質の促進酸化処理を行うn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽と、
    前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽それぞれに酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、
    前記酸化剤が下記式(1)を満たす条件で添加されるように前記酸化剤添加手段を制御する制御部と、
    を備える、水処理装置。
    all/x>W ・・・(1)
    ただし、Wは、前記n個の反応槽のうち下流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wallは、前記酸化剤の総添加量を示し、xは、前記酸化剤を添加する反応槽の数を示す。
  9. 前記制御部は、前記酸化剤が前記式(1)を満たし、かつ下記式(2)を満たす条件で添加されるように前記酸化剤添加手段を制御する請求項8に記載の水処理装置。
    xi−1≧Wxi ・・・(2)
    ただし、Wxiは、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端からi番目(iは2以上n以下の任意の整数を示す。)の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wxi−1は、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端から(i−1)番目の反応槽への酸化剤の添加量を示す。
  10. 直列に接続された、排水に含まれる被酸化性の汚染物質の促進酸化処理を行うn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽と、
    前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽それぞれに酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、
    前記酸化剤が下記式(3)を満たす条件で添加されるように前記酸化剤添加手段を制御する制御部と、
    を備える、水処理装置。
    >Wxi ・・・(3)
    ただし、Wは、前記n個の反応槽のうち上流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wxiは、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端からi番目(iは2以上n以下の任意の整数を示す。)の反応槽への酸化剤の添加量を示す。
  11. 直列に接続された、排水に含まれる被酸化性の汚染物質の促進酸化処理を行うn個(nは2以上の整数を示す。)の反応槽と、
    前記n個の反応槽のうち少なくとも2個の反応槽それぞれに酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、
    前記酸化剤が下記式(4)を満たす条件で添加されるように前記酸化剤添加手段を制御する制御部と、
    を備える、水処理装置。
    x1>Wall/n ・・・(4)
    ただし、Wx1は、前記酸化剤を添加する反応槽のうち上流側末端の反応槽への酸化剤の添加量を示し、Wallは、前記酸化剤の総添加量を示す。
  12. 前記促進酸化処理が、フェントン反応による促進酸化処理である請求項8〜11のいずれか一項に記載の水処理装置。
  13. 前記n個の反応槽のうち少なくとも1個の反応槽に鉄還元触媒を添加する触媒添加手段をさらに備える請求項12に記載の水処理装置。
  14. 前記鉄還元触媒が活性炭である請求項13に記載の水処理装置。
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