JP2018086614A - 被酸化性物質含有廃水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】過酸化水素、鉄塩及び活性炭で廃水中の難分解性の被酸化性物質廃水を効率よく分解する方法の提供。【解決手段】過酸化水素を、鉄塩、活性炭及び被酸化性物質含有廃水を含む反応液に添加し、被酸化性物質を分解させる工程を含む、被酸化性物質含有廃水の処理方法であって、過酸化水素の添加速度を下記式1の範囲とする、分解方法。(0.05%/分〜10.5%/分)×HF/26・・・式1(HFは、活性炭の過酸化水素分解ファクター)【選択図】図4

Description

本発明は、被酸化性物質を含有する廃水の処理方法に関する。更に詳しくは、難分解性の被酸化性物質を含有する廃水の処理方法に関するものである。
現代社会では、様々な生産活動において様々な化学物質を含んだ廃水が排出される。これらの化学物質のほとんどは環境にとって有害な物質である。従って、これらの有害な化学物質を含んだ廃水は何らかの処理を行って無害とするか、その含有量を極力ゼロに近づけて排出しなければならない。
有害な化学物質を含有した廃水の処理方法としては、活性汚泥法が一般的である。この方法は、微生物の代謝機能を利用してこれらの有害物質を分解する方法であり、ランニングコストとしては微生物の栄養剤のみを要する安価な方法である。しかし、この方法は、広い敷地が必要であることに加え、微生物の代謝機能を利用して化学物質を分解するために、分解できない難分解性化学物質があることが欠点である。
この微生物で分解できない難分解性化学物質を分解する方法として、オゾン、UV、酸素、過酸化水素、マイクロ波等を利用した方法が開発されている。これらの方法はアドバンスドオキシデーションプロセス(AOP法)と呼ばれている。
このAOP法の中で、過酸化水素と第一鉄塩を利用した方法はフェントン法とよばれ、1890年代にフェントン氏によってその現象が初めて発見された。この方法は、第一鉄イオンと過酸化水素が酸性で反応した時に生成するOHラジカルが、難分解性化学物質を分解することを利用した方法である。
しかしながら、この方法では、第一鉄イオンが過酸化水素と反応し第二鉄イオンとなる副反応も同時に起こる。この第二鉄イオンは過酸化水素と反応して再び第一鉄イオンとなるが、この還元反応は副反応と比べると反応速度が遅いため、廃水中の難分解性化学物質の分解反応が進むにつれてこの第二鉄イオンの量も増え、OHラジカルの生成が次第に減少し、ついに反応が停止してしまう。
このフェントン法の反応により生じた第二鉄イオンの第一鉄イオンへの変換を促進し、第一鉄イオンと過酸化水素の反応によるOHラジカルの生成を優先させる触媒として活性炭の利用が提案されている。しかしながら、単に活性炭を添加したフェントン法を実施しても、有機物の分解効率を若干上げるだけで、むしろ活性炭、鉄塩の廃棄物が増加するとの問題があった。
例えば、有機性廃水に活性炭を添加後、35%過酸化水素及び硫酸第一鉄を添加して常温で5時間撹拌し、次いで廃水pHを6.2に調整し、沈殿した水酸化鉄及び活性炭をリサイクルする方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、我々の検討結果によると、この方法は有機性廃水(主成分スチレン、マレイン酸エステル、高級アルコール、pH8.2、COD300ppm)の分解割合が低く、かつ活性炭の劣化が大きく触媒のリサイクルが数回にとどまり、廃棄物の減少効果は小さかった。
また、過酸化水素、第一鉄塩または第二鉄塩及び活性炭を添加して有機物を分解する水処理方法において、添加する第一鉄イオンの量に対する活性炭の量を重量比で1〜20倍とし、かつ添加する第一鉄イオンの量に対する返送する汚泥の量を重量比で50〜1300倍とする方法が報告されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法は過酸化水素を一括添加することによる触媒の劣化が大きい、返送汚泥中の鉄塩が第二鉄イオンとなっているために過酸化水素と第二鉄イオンの反応によるOHラジカルの発生効率が悪い、及び鉄イオンと活性炭をリサイクルするに従い廃水中の有機物の分解効率が低下するとの問題があり、鉄塩と活性炭に由来する廃棄物の減少効果も小さかった。
さらに過酸化水素、硫酸第一鉄及び活性炭で有機物含有廃水を処理する方法が報告されている(例えば、特許文献3参照)。ここで、過酸化水素の添加は撹拌しながらゆっくりと添加するのが好ましく、2〜3時間で添加するのが好ましいとされているが、実施例では多量の過酸化水素が添加されており、活性炭の劣化が大きいことが欠点である。また鉄塩を含んだ活性炭のリサイクル処理については何ら記載されていない。
その他にも、過酸化水素、鉄塩及び活性炭による有機物含有廃水の処理法が報告されている(例えば、特許文献4参照)。この公報の実施例には時間をかけて過酸化水素を添加する方法が公開されているが、これによる活性炭の劣化、並びに鉄塩及び活性炭のリサイクルについては何ら公開されていない。また、過酸化水素処理後の第二鉄イオンの第一鉄イオンへの処理についても何ら公開されていない。
以上のように、過酸化水素、第一鉄塩及び活性炭で有機物を分解する方法、並びに反応触媒である鉄塩と活性炭のリサイクルついては種々報告されているが、反応触媒のリサイクル回数を飛躍的に増大する方法、鉄イオンを第一鉄イオンとしてリサイクルする方法については何ら報告されていない。
特開昭56−48290号公報 特開2008−229415号公報 特開昭63−264194号公報 特開2006−187725号公報
このように、被酸化性物質を含んだ廃水の処理方法として、フェントン法に過酸化水素分解効果を持った活性炭を添加する方法が知られている。しかしこれらの方法は活性炭の添加量が多く、また他の処理方法に比べ、処理コストが高く実用化に至っていない。
本発明の目的は、これらの問題を解決して、過酸化水素、鉄塩及び活性炭で、廃水中の難分解性の被酸化性物質を効率よく分解する、被酸化性物質含有廃水の処理方法を提供することにある。即ち、活性炭を使用して難分解性被酸化性物質を分解する場合、1)過酸化水素が無駄に分解する、2)活性炭が劣化する、3)鉄塩が第二鉄塩となり被酸化性物質の分解効率が低下する、4)鉄塩及び活性炭が劣化してリサイクル回数が上がらない、5)鉄塩及び活性炭の産業廃棄物が増大する等の問題があった。本発明の目的は、これらの課題を解決して、短時間で、低コストで、安全に難分解性被酸化性物質を処理する方法を提供することである。
本発明者、これらの課題の解決について鋭意検討した結果、1)過酸化水素の添加速度の制御、2)活性炭の劣化の抑制、3)反応終了後の鉄塩を第二鉄イオンから第一鉄イオンへ変換する、4)第一鉄イオンを含む排水を適正pHで中和する、5)中和処理後に処理水と、水酸化第一鉄等の第一鉄塩を含む鉄塩及び活性炭とを所定時間以内で分離する、6)中和後の水酸化第一鉄等の第一鉄塩を含む鉄塩と活性炭を適正pHに調整し、再溶解させること、7)処理水と水酸化第一鉄等の第一鉄塩を含む鉄塩、活性炭の分離に膜を利用すること、8)回収した第一鉄塩を含む鉄塩と活性炭を反応工程へリサイクルすること、以上の要素を適正に組み合わせることにより、難分解性被酸化性物質含有廃水を鉄塩及び活性炭の廃棄物量を極力少なくし、短時間で、低コストで、安全に処理する方法を見出し本発明に到達した。即ち、本発明は以下のとおりである。
[1] 過酸化水素を、鉄塩、活性炭及び被酸化性物質含有廃水を含む反応液に添加し、被酸化性物質を分解させる工程を含む、被酸化性物質含有廃水の処理方法であって、
分解工程における過酸化水素の添加速度(対活性炭に対する質量%/分)を下記式1の範囲とすることを特徴とする、処理方法。

(式中、HFは、活性炭の過酸化水素分解ファクターである。)
[2] 過酸化水素の添加終了後、反応液を、その残存過酸化水素濃度が20ppm以下となるまで撹拌し、分解工程で副生した第二鉄塩を第一鉄塩へ変換する工程を含む、[1]記載の処理方法。
[3] 変換工程終了後、反応液をpH7.0〜9.0にpH調整する工程を含む、[2]記載の処理方法。
[4] pH調整工程終了後60分以内に反応液を、第一鉄塩を含む鉄塩及び活性炭と、処理水とに分離する工程を含む、[3]記載の処理方法。
[5] 分離工程が、膜ろ過を使用するろ過であることを特徴とする、[4]記載の処理方法。
[6] 分離工程が、中空糸膜を使用するろ過であることを特徴とする、[4]または[5]記載の処理方法。
[7] 第一鉄塩を含む鉄塩及び活性炭を分離後、第一鉄塩を含む鉄塩及び活性炭を処理水で希釈し、pH1.0〜3.0に調整し、第一鉄塩を含む鉄塩を再溶解させ、この希釈液を反応触媒として再利用することを特徴とする、[4]〜[6]のいずれか記載の処理方法。
[8] 過酸化水素を、鉄塩、活性炭及び被酸化性物質含有廃水を含む反応液に添加し、過酸化水素添加終了後、残存過酸化水素が20ppm以下となるまで撹拌し、次いで反応液をpH7.3〜7.8にpH調整し、次いで60分以内に反応液を中空糸膜でろ過し、得られた第一鉄塩を含む鉄塩及び活性炭を処理水で希釈し、pH2.0〜3.0に調整し、この鉄塩と活性炭を次回の反応に再利用することを特徴とし、かつ分解工程における、過酸化水素の添加速度(対活性炭に対する質量%/分)を下記式1の範囲とすることを特徴とする、被酸化性物質含有廃水の処理方法。

(HFは、活性炭の過酸化水素分解ファクターである。)
尚、前記式1は、下記を意味する。
本発明により、生物処理では難しかった廃水中の難分解性の有機化合物、特に難分解性の被酸化性物質を効率的に分解することができるとともに、活性炭を使用したフェントン法の問題点であった、処理コスト、廃棄物量について、鉄塩及び活性炭の使用量を大幅に削減でき、かつこれらのリサイクル回数を飛躍的に増大できることによって解決した。
本発明の方法の一実施態様のフロー図を示す。 本発明の方法の一実施態様の装置(活性炭添加フェントン反応設備)を示す。 各被酸化性物質含有量における、過酸化水素の添加速度(%/分)とリサイクル回数の関係を示す。 各活性炭の過酸化水素分解ファクターにおける、過酸化水素の添加速度(%/分)とリサイクル回数の関係を示す。
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明の一実施態様において、分解工程(1)の反応装置としては、バッチ反応の場合、一般的な攪拌機付のタンクが使用される。連続反応の場合はバッチ反応で使用したタンクを連続で何槽かシリーズに連結する方法、または反応槽内を何槽かに区切ったカスケード方式等、本発明の方法を実施できる形態であれば何でもよい。
薬品の添加方法としては、まず反応容器に鉄塩、活性炭及び被酸化性物質含有廃水を所定量添加する。この鉄塩、活性炭及び被酸化性物質含有廃水の添加順序はいずれが先でもよい。鉄塩としては、例えば、硫酸第一鉄(II)、硫酸第二鉄(III)、塩化第一鉄(II)、塩化第二鉄(III)、硝酸第一鉄(II)、硝酸第二鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(II、III)、フッ化鉄(II、III)、水酸化鉄(II、III)、リン酸鉄(II、III)などが挙げられるが、価格、操作性の点から第一鉄塩が好ましく、硫酸第一鉄が特に好ましい。若干反応効率は低下するが、酸化鉄(II)、金属鉄も使用可能である。これらを単独で、又は組み合わせて使用してもよい。鉄塩の使用量には特に制限はなく、必要とされる対象物の処理レベルにより適宜選択されるが、硫酸第一鉄を使用する場合、処理対象物(被酸化性物質含有廃水)に対して0.01〜5質量%である。
本発明で使用する活性炭は、被酸化性物質及び第一鉄イオンと過酸化水素の反応による第二鉄イオンへの変換を抑え、かつ過酸化水素の無駄な分解を抑えられるものであればよく、その由来は特に限定されない。活性炭の原料は、通常、木材、セルロース、のこくず、木炭、ヤシガラ炭、パーム核炭、素灰などの植物質を原料としたもの、泥炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭などの石炭系鉱物質を原料としたもの、石油残渣、硫酸スラッジ、オイルカーボンなどの石油系鉱物質を原料としたもの、発酵生産の廃菌体を原料としたもの、ポリアクリル(PAN)を原料としたものなどが挙げられるが、その中でも、特に瀝青炭、醸造後の廃菌体、菌体を主成分とする廃水処理の汚泥、おから、PANなどの賦活前の炭化物の窒素濃度が1%以上になる有機物を原料とする活性炭が好適に使用される。また、これらの活性炭に処理を加え、過酸化水素に分解能力を付与する、あるいは向上させて使用することもできる。この活性炭の使用量には特に制限はなく、必要とされる対象物の処理レベルにより適宜選択されるが、処理対象物に対して0.01〜5質量%である。
本発明の被酸化性物質含有廃水は、例えば工場や事業所から排出される工業廃水、農業廃水などが挙げられる。これらの被酸化性物質含有廃水中には、ダイオキシン類、各種有機溶剤、含ハロゲン有機溶剤、含硫有機溶媒、含硫化合物、各種界面活性剤、各種アミン類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機アルカリを含む各種窒素化合物や、各種難分解性物質を含む場合がある。
次いで、鉄塩、活性炭及び被酸化性物質含有廃水を含む反応液のpHは、酸性条件であればよいが、好ましくは4〜1の範囲、より好ましくは3.5〜1、更に好ましくは3〜2の範囲である。pH調整には硫酸、塩酸、硝酸等の酸が用いられるが、被酸化性物質の良好な分解率の観点から、硫酸を使用するのが好ましい。
次いで、過酸化水素を添加する。使用する過酸化水素の濃度に特に限定はないが、市販の35%、45%、60%が使用できる。過酸化水素添加量としては要求される排出基準により特に限定されないが、廃水中の被酸化性物質の種類が分かっていればTOD(トータル酸素要求量:被酸化性物質を全て二酸化炭素または水等にするために必要な酸素量)または被酸化性物質の構造が分からない場合はTOC(トータル有機炭素:廃水中の被酸化性物質を二酸化炭素に分解するために必要な酸素量)の量により決定される。廃水中のTODまたはTOCから換算される過酸化水素の0.5〜5倍が使用されるが、好ましくは1〜3倍が使用される。
過酸化水素の添加量としては、廃水中のCODまたはTOCを所定濃度まで下げるために必要とされる量が添加される。添加方法としては一括で添加せず、所定速度で添加する。一括で添加した場合、過酸化水素の分解触媒である活性炭が劣化し、その被酸化性物質の分解能力が低下してリサイクル使用ができないとの問題がある。また、過酸化水素が活性炭により無駄に酸素に分解して、廃水中の被酸化性物質の分解効率が低下するとの問題がある。これらの問題を解決するための方法について種々検討した結果、活性炭に対してある速度で過酸化水素を添加することにより活性炭の劣化を抑制し、活性炭を飛躍的にリサイクル使用することができることを見出した。即ち、過酸化水素の添加速度(対活性炭に対する質量%/分)は過酸化水素分解活性(HF)との関係で(0.05%/分〜10.5%/分)×HF/26、好ましくは(0.05%/分〜8%/分)×HF/26である。10.5%/分×HF/26を超える速度で過酸化水素を添加すると、被酸化性物質の酸化分解効率が悪く、残存する過酸化水素濃度が高くなる。また、活性炭の劣化が激しく、被酸化性物質の分解効率が急激に低下して活性炭のリサイクル使用がほとんどできないとの問題がある。一方、過酸化水素の添加速度を0.05%/分×HF/26未満とすると、活性炭のリサイクル回数は飛躍的に向上するが、反応時間が非常に長くなる。また、過酸化水素の活性炭による酸素への無駄な分解が優先され被酸化性物質の分解効率が低下するとの問題がある。
本発明における、活性炭の過酸化水素分解活性(HF)の測定法は以下のとおりである:
(1)1Lのトールビーカーに純水800mlを採取する。
(2)25℃の恒温槽に入れ撹拌する。
(3)31質量%過酸化水素10mLを加える。過酸化水素濃度0.4193(w/v)%。
(4)過酸化水素水溶液の温度が25℃±1℃になったら、粉末活性炭(測定試料)150mgを添加する。
(5)30分後に約20mLサンプリングし、0.45μmフィルターでろ過する。
(6)ろ液5mLをメスピペットで採取し、100mL三角フラスコに入れる。
(7)2N硫酸10mLを加え、撹拌しながら0.02M過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。
(8)得られた滴定量(amL)を下記式に挿入し、活性炭(測定試料)の過酸化水素分解活性(HF)を算出する。
次いで、鉄塩の第一鉄塩変換工程(2)について記す。本発明方法の反応中に第一鉄イオンは過酸化水素により第二鉄イオンに酸化される。この第二鉄イオンは過酸化水素と反応してOHラジカルを出さず、これが増えてくると廃水中の被酸化性物質の分解効率が低下するとの問題がある。従って、鉄塩をリサイクルするためにはこの第二鉄塩を第一鉄塩にする必要がある。この工程が第一鉄塩変換工程(2)である。この工程は反応工程(1)で過酸化水素を活性炭に対して所定速度で添加終了し、そのまま残存過酸化水素濃度が20ppm以下まで撹拌させることにより第二鉄塩を第一鉄塩に変換できる。過酸化水素添加終了直後、残存過酸化水素濃度が20ppm以下になっている場合はそのまま終了する。
次いで、中和反応工程(3)について記す。活性炭、第一鉄イオンを含んだ反応液はpH7.0〜9.0、好ましくは7.0〜8.0、より好ましくは7.3〜7.8とし、第一鉄イオンを第一鉄塩、具体的には、水酸化第一鉄とする。pH7.0未満で中和した場合は、鉄塩の不溶化が不十分で反応液中に鉄塩が多く溶存したままとなる。また、pHが9.0を超える場合は、被酸化性物質によっては鉄塩が錯体を形成して再溶解し反応液中に鉄塩が多く溶存したままとなること、活性炭に吸着していたCOD成分が再溶解して反応液中のCOD成分が増大するとの問題がある。中和処理をするためのアルカリ剤としては、NaOH、Ca(OH)、KOH等が使用できる。また、生成した水酸化第一鉄を出来るだけ酸化させないように、攪拌時の空気接触は避けることが好ましい。しかしながら、中和反応工程(3)の「第一鉄塩を含む鉄塩」には、水酸化第一鉄と共に、他の第一鉄塩及び酸化鉄が含まれ得る。
次に分離工程(4)について記す。中和処理後5分〜60分以内、好ましくは5分〜30分以内に反応液を、処理水と、活性炭及び水酸化第一鉄等の第一鉄塩を含む鉄塩とに分離する。ここで「分離」は、反応液を、処理水と、活性炭及び第一鉄塩を含む鉄塩とに完全に分離することのみを意図するものでなく、反応液より処理水の一部を分離すること、又は反応液より活性炭及び第一鉄塩を含む鉄塩の一部を分離することを含む。この工程でも生成した水酸化第一鉄を出来るだけ酸化させないように、必要以上の空気接触は避けることが好ましい。中和処理後5分未満の場合は、十分に水酸化第一鉄が沈殿せず、反応液中に鉄分が多く溶存したままとの問題がある。中和処理後60分を超える場合は、活性炭に吸着しているCOD成分が離脱し、廃水中のCOD成分が増大するとの問題がある。水酸化第一鉄及び活性炭は、砂ろ過、加圧浮上分離、遠心分離、ベルトプレス、沈殿池による沈殿、膜ろ過等の一般的な方法により分離されるが、なかでも、処理の連続性や分離性を考慮すると、膜ろ過による分離が好ましい。本発明の膜ろ過で用いられるろ過膜としては、ろ過機能を有するものであれば特に限定されないが、中空糸膜、平膜、チューブラ膜、モノリス型膜等が挙げられる。なかでも容積充填率が高いことから中空糸膜が好ましい。ろ過膜として中空糸膜を用いる場合、その材質としては、セルロース、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)等が挙げられる。なかでも、中空糸膜の材質としては耐薬品性やpH変化に強いことから、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)が好ましい。ろ過膜としてモノリス型膜を用いる場合は、セラミック製の膜を用いることができる。ろ過膜の形態としては、膜ろ過用のろ過膜を収めた膜モジュールが、例えばハウジング内に膜の一次側と二次側が隔離されるようにろ過膜が固定され、ハウジング内におけるろ過膜の一次側が鉄塩及び活性炭を含む反応液が貯留された貯留タンク等と循環ラインにより連通し、二次側がろ過ポンプと接続されたもの等を用いてもよい。また、膜ろ過用のろ過膜を収めた膜モジュールが、鉄塩及び活性炭を含む反応液が貯留された貯留タンクに直接浸漬された状態で膜ろ過を行える装置でもよい。さらに膜モジュールとしては、ろ過膜の下方に膜面洗浄用の曝気手段を設けたものを用いてもよい。前記曝気手段としては公知のものを採用できる。ろ過膜に形成される微細孔の平均孔としては、0.01〜1.0μmが好ましく、0.05〜0.45μmがより好ましい。前記微細孔の平均孔径が下限値以上であればろ過膜に要する圧力を小さくしやすい。前記微細孔の平均孔径が上限値以下であれば鉄塩及び活性炭の系外への漏出を抑制しやすい。この膜を利用して、反応液は、処理水と、活性炭及び水酸化第一鉄等の第一鉄塩を含む鉄塩とに分離される。この分離された活性炭と第一鉄塩を含む鉄塩は、好ましくは処理水で希釈され、次段の鉄塩再溶解工程に送られる。
次に鉄塩再溶解工程(5)について記す。第一鉄塩を含む鉄塩、及び活性炭含有スラリーをpH1.0〜3.0、好ましくはpH2.0〜3.0にして再溶解させる。pHが1.0未満では酸の使用量が増大すること、pHが3.0を超える場合では活性炭と鉄塩の活性が低下するとの問題点がある。pH調整用の酸としては、塩酸、硫酸、硝酸が使用できるが、好ましくは硫酸が使用される。ここで再溶解された鉄塩、活性炭は、次の廃水処理のための反応に再利用される。
次に本発明の方法を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。尚、%は、特に断りのない限り、質量%である。
分析方法を以下に示した。
過酸化水素の定量:KMnO滴定法(JIS K 1463に準拠)または過酸化水素試験紙(QUANTOFIX(登録商標)Peroxide 25又は1000(MACHEREY-NAGEL社製))を用いた。
TOC(トータル有機炭素):TOC計(島津製作製TOC−VWS)を用いた。
Fe2+とFe3+の分別定量法:全鉄をICPで分析する。次いで第一鉄Fe2+をフェナントロリン吸光光度法により分析し、第一鉄の割合を計算する。
活性炭の過酸化水素分解活性(HF)測定法:
(1)1Lのトールビーカーに純水800mlを採取する。
(2)25℃の恒温槽に入れ撹拌する。
(3)31質量%過酸化水素10mLを加える。過酸化水素濃度0.4193(w/v)%。
(4)過酸化水素水溶液の温度が25℃±1℃になったら、粉末活性炭(測定試料)150mgを添加する。
(5)30分後に約20mLサンプリングし、0.45μmフィルターでろ過する。
(6)ろ液5mLをメスピペットで採取し、100mL三角フラスコに入れる。
(7)2N硫酸10mLを加え、撹拌しながら0.02M過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。
(8)得られた滴定量(amL)を下記式に挿入し、活性炭(測定試料)の過酸化水素分解活性(HF)を算出する。
[実施例1〜7]
本検討は図1に示したフローに従い、図2に示した活性炭添加フェントン反応設備で実施した。反応条件は、1,4−ジオキサン500ppm(0.25g/500ml、TOC 272ppm)、過酸化水素分解活性26の活性炭(ダイヤアクアソリューションズ(株)製、オルソン)0.8wt%(活性炭換算0.8g/500ml)、FeSO・7HO 600ppm、反応pH2.7〜2.9、過酸化水素 2当量(ジオキサンのTOD基準)、過酸化水素添加速度をそれぞれ0.1%/分(実施例1)、0.2%/分(実施例2)、0.5%/分(実施例3)、1%/分(実施例4)、2%/分(実施例5)、4%/分(実施例6)、8%/分(実施例7)(対活性炭の質量基準)の条件で実施した。
(1)図2のデュランビンに、上記所定量の1,4−ジオキサン、硫酸第一鉄、活性炭、及び水を所定量添加した後、5質量%硫酸を添加してpH2.8に調整し、反応液とした。過酸化水素添加量は1,4−ジオキサンをTOD換算し、その酸素量を過酸化水素に換算し、その2モル当量の過酸化水素を添加した。4質量%過酸化水素を反応液に各添加速度に従ってトータル45.4ml添加した。
(2)過酸化水素添加終了後、60分間撹拌して残存過酸化水素を濃度が20ppm以下となるまで分解して第二鉄塩を第一鉄塩に変換した。
(3)次いで25%NaOHを添加して反応液のpHを7.5に調整した。
(4)pH調整後、60分以内に反応液を遠沈管に移し、遠心分離器(SRX−200(トミー精工(株)製)、ローター:BH−9、遠心力:16,000G(Max)、10,000rpm-20分間)で遠沈分離し、反応液上清(処理水)と第一鉄塩(水酸化第一鉄)及び活性炭を分離した。
(5)分離した第一鉄塩(水酸化第一鉄)及び活性炭を処理水で希釈後、5質量%硫酸でpH2.1に調整し、第一鉄塩(硫酸第一鉄)を再溶解させた。
(6)再溶解後の硫酸第一鉄及び活性炭を次の分解工程(1)に使用した。
残った処理水はTOCを測定し、1,4−ジオキサンの分解率を求めた。結果を表1に示す。
[実施例8〜11]
1,4−ジオキサン濃度を50ppm(TOC 27ppm)とし、0.4質量%過酸化水素を次の各添加速度に従ってトータル45.4ml添加した。過酸化水素添加速度をそれぞれ0.05%/分(実施例8)、0.5%/分(実施例9)、1%/分(実施例10)、2%/分(実施例11)とした以外、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例12〜14]
1,4−ジオキサン濃度を3000ppm(TOC 1632ppm)とし、24質量%過酸化水素を次の各添加速度に従ってトータル45.4ml添加した。過酸化水素添加速度をそれぞれ3%/分(実施例12)、8%/分(実施例13)、10%/分(実施例14)とした以外、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例1、2]
1,4−ジオキサン濃度を50ppm(TOC 27ppm)とし、0.4質量%過酸化水素を次の各添加速度に従ってトータル45.4ml添加した。過酸化水素添加速度を0.01%/分(比較例1)、12%/分(比較例2)とした以外、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例3、4]
1,4−ジオキサン濃度を500ppm(TOC 27ppm)とし、1質量%過酸化水素をトータル182ml添加(比較例3)、または4質量%過酸化水素をトータル45.4ml添加(比較例4)した。過酸化水素添加速度を0.04%/分(比較例3)、12%/分(比較例4)とした以外、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例5、6]
1、4−ジオキサン濃度を3000ppm(TOC 1632ppm)とし、4質量%過酸化水素をトータル272ml添加(比較例5)、または24質量%過酸化水素をトータル45.4ml添加(比較例6)した。過酸化水素添加速度を0.04%/分(比較例5)、12%/分(比較例6)とした以外、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
尚、表1及び表2の添加量(g/分)は、4質量%過酸化水素(実施例1〜7、15〜26、比較例4、5、7、8)、0.4質量%過酸化水素(実施例8〜11、比較例1、2)、24質量%過酸化水素(実施例12〜14、比較例6)、1質量%過酸化水素(比較例3)の添加速度を表す。TOC分解率(平均)は初回分解率に対して、10%低下までの繰り返しの平均分解率を示す。
表1に活性炭に対する過酸化水素の添加速度の活性炭リサイクル回数に及ぼす影響について検討した。その結果、過酸化水素添加速度0.05%/分〜10.5%/分の間ではジオキサンの分解率80%台または90%台を維持して、活性炭のリサイクル回数を3回〜100回以上に飛躍的に増大できた。また、図3に過酸化水素の活性炭に対する添加速度(%/分)とリサイクル回数を示した。その結果、リサイクル回数は1,4−ジオキサンの濃度に関係なく過酸化水素の活性炭に対する添加速度に依存することが分かった。
一方、比較例に示したように過酸化水素添加速度0.01%/分、0.04%と非常にゆっくりと添加した場合は、活性炭の劣化は非常に少ないが、過酸化水素が無駄に分解し、1,4−ジオキサンの分解効率が上がらないとの問題点がある。また、過酸化水素添加速度が12%/分の場合は、活性炭の劣化速度が大きく、一回使用で1,4−ジオキサンの分解効率が低下した。
[実施例15〜20、比較例7]
過酸化水素分解活性(HF)13の活性炭1.60g(0.8g×26/13)を使用し、過酸化水素添加速度を活性炭(質量基準)に対して、0.07%/分(実施例15)、0.15%/分(実施例16)、0.35%/分(実施例17)、1.04%/分(実施例18)、3.47%/分(実施例19)、4.80%/分(実施例20)、6.00%/分(比較例7)にした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
[実施例21〜26、比較例8]
過酸化水素分解活性(HF)7の活性炭2.97g(0.8g×26/7)を使用し、過酸化水素添加速度を活性炭(質量基準)に対して、0.03%/分(実施例21)、0.10%/分(実施例22)、0.16%/分(実施例23)、0.47%/分(実施例24)、1.57%/分(実施例25)、2.50%/分(実施例26)、3.00%/分(比較例8)にした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
表1、2、及び図4に示したように、過酸化水素分解ファクター(HF)が異なる3種の活性炭を使用して、1,4−ジオキサンの分解と活性のリサイクルの関係を検討した結果、それぞれの活性炭により1,4−ジオキサンの分解率は異なるが、リサイクル回数は次式の過水添加速度範囲において飛躍的に向上することを見出した。
[実施例27〜30、比較例9〜14]
実施例1の条件で過酸化水素添加終了後、撹拌を0分(比較例9)、10分(比較例10)、20分(比較例11)、30分(比較例12)、40分(比較例13)、50分(比較例14)、60分(実施例27)、75分(実施例28)、90分(実施例29)、120分(実施例30)継続し、硫酸第二鉄を硫酸第一鉄に変換した。攪拌終了後の反応液の残存過酸化水素濃度及び第一鉄の割合を測定した。結果を表3に示す。
表3に示したように、反応終了後、残存過酸化水素を20ppm以下に分解することにより硫酸第二鉄の93%以上を硫酸第一鉄に変換できることが出来た。従って、過酸化水素添加終了後、残存過酸化水素を20ppm以下とすることにより、硫酸第二鉄を硫酸第一鉄に変換し、次いでアルカリで水酸化第一鉄とし、次いで酸で溶解させて硫酸第一鉄としリサイクルさせることができる。
[実施例31〜37、比較例15〜20]
過酸化水素添加後終了後、次いで硫酸第二鉄の硫酸第一鉄への変換工程の終了後、25質量%NaOH溶液により、反応液pHを5.6(比較例15)、6.0(比較例16)、6.5(比較例17)、7.0(実施例31)、7.3(実施例32)、7.5(実施例33)、7.8(実施例34)、8.0(実施例35)、8.8(実施例36)、9.0(実施例37)、9.3(比較例18)、9.7(比較例19)、10.6(比較例20)に調整した以外、実施例1と同様に行った。鉄塩の回収率及び廃水TOC(ppm)を測定した。結果を表4に示す。
表4に示したように第一鉄塩への変換工程後の鉄塩回収のための中和処理工程のpHとしては、特にpH7.3〜7.8において良好な鉄塩回収及びTOC除去効果が得られた。一方、pH6.51以下では硫酸鉄が十分水酸化第一鉄とならず、pH8.02以上では水酸化第一鉄の再溶解があり、pH9.31以上では鉄塩回収及び廃水TOC削減共に良好な効果が得られなかった。
[実施例38〜42、比較例21〜23]
鉄塩回収のための中和工程において、25質量%NaOHにてpH7.52に調整後、5分(実施例38)、15分(実施例39)、30分(実施例40)、45分(実施例41)、60分(実施例42)、75分(比較例21)、90分(比較例22)、120分(比較例23)間放置した後、廃水のTOC(ppm)を測定した以外、実施例33と同様に行った。結果を表5に示す。
表5に示したように、中和工程において中和後の放置時間によって一旦吸着されたTOC成分は、徐々に廃水中に離脱し増大する。また溶存酸素等により水酸化第一鉄が一部水酸化第二鉄への変換するおそれがある。従って、中和処理後60分以内で活性炭及び水酸化第一鉄を分離し、TOCの離脱を防ぎ、水酸化第二鉄への変換を防止することが好ましい。より好ましくは30分以内で分離することである。
[実施例43〜46、比較例24〜28]
中和工程終了後、回収工程で分離された活性炭及び水酸化第一鉄は、次の再溶解工程で活性炭及び硫酸第一鉄に再生される。再溶解工程のpHを1.0(比較例24)、1.5(比較例25)、2.0(実施例43)、2.5(実施例44)、2.9(実施例45)、3.0(実施例46)、3.5(比較例26)、3.7(比較例27)、4.0(比較例28)に調整し、溶解鉄の回収を測定した以外は、実施例40と同様に実施した。結果を表6に示す。
表6に記したように、再溶解pH2.0〜3.0の間で90%以上の鉄が回収された。一方、再溶解pH3.3以上では大幅に鉄の回収率が低下した。
[実施例47、48]
中和処理後、限外ろ過膜(実施例47)、精密ろ過(MF)膜(実施例48)を使用した以外は、実施例45と同様に行った。結果を表7に示す。
表7に示したように、限外ろ過膜及びMF膜により鉄塩と活性炭の回収は可能であった。
[実施例49]
実施例41で回収した水酸化第一鉄と活性炭に、実施例48で回収した処理水の一部を添加し、次いで5%硫酸でpH2.0に調整し再溶解させ、2回目の反応に利用した。2回目の反応条件は実施例2と同様である。結果を表8に示す。
表8に示したように、リサイクルした触媒は、実施例2と同様の活性を示した。
本発明により、生物処理では難しかった廃水中の難分解性の被酸化性物質を効率的に分解することができる。また、本発明の方法は、鉄塩及び活性炭の使用量を大幅に削減でき、かつそれらのリサイクル回数を飛躍的に増大できることから、活性炭を使用したフェントン法の問題点であった、処理コスト及び廃棄物量を大幅に低減することができ、工業的な廃水の処理方法として優れている。
1 スターラー
2 恒温槽
3 電子天秤
4 チューブポンプ
5 デュランビン
6 過酸化水素
7 pH調整用硫酸
8 pH調整用苛性ソーダ
9 pH電極
10 pHコントローラー

Claims (8)

  1. 過酸化水素を、鉄塩、活性炭及び被酸化性物質含有廃水を含む反応液に添加し、被酸化性物質を分解させる工程を含む、被酸化性物質含有廃水の処理方法であって、
    分解工程における過酸化水素の添加速度(対活性炭に対する質量%/分)を下記式1の範囲とすることを特徴とする、処理方法。

    (式中、HFは、活性炭の過酸化水素分解ファクターである。)
  2. 過酸化水素の添加終了後、反応液を、その残存過酸化水素濃度が20ppm以下となるまで撹拌し、分解工程で副生した第二鉄塩を第一鉄塩へ変換する工程を含む、請求項1記載の処理方法。
  3. 変換工程終了後、反応液をpH7.0〜9.0にpH調整する工程を含む、請求項2記載の処理方法。
  4. pH調整工程終了後60分以内に反応液を、第一鉄塩を含む鉄塩及び活性炭と、処理水とに分離する工程を含む、請求項3記載の処理方法。
  5. 分離工程が、膜ろ過を使用するろ過であることを特徴とする、請求項4記載の処理方法。
  6. 分離工程が、中空糸膜を使用するろ過であることを特徴とする、請求項4または5記載の処理方法。
  7. 第一鉄塩を含む鉄塩及び活性炭を分離後、第一鉄塩を含む鉄塩及び活性炭を処理水で希釈し、pH1.0〜3.0に調整し、第一鉄塩を含む鉄塩を再溶解させ、この希釈液を反応触媒として再利用することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか記載の処理方法。
  8. 過酸化水素を、鉄塩、活性炭及び被酸化性物質含有廃水を含む反応液に添加し、過酸化水素添加終了後、残存過酸化水素が20ppm以下となるまで撹拌し、次いで反応液をpH7.3〜7.8にpH調整し、次いで60分以内に反応液を中空糸膜でろ過し、得られた第一鉄塩を含む鉄塩及び活性炭を処理水で希釈し、pH2.0〜3.0に調整し、この第一鉄塩を含む鉄塩と活性炭を次回の反応に再利用することを特徴とし、かつ分解工程における、過酸化水素の添加速度(対活性炭に対する質量%/分)を下記式1の範囲とすることを特徴とする、被酸化性物質含有廃水の処理方法。

    (HFは、活性炭の過酸化水素分解ファクターである。)
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