JP2019211642A - 光ファイバケーブル用線状体、繊維強化光ファイバケーブル及び光ファイバセンサ - Google Patents

光ファイバケーブル用線状体、繊維強化光ファイバケーブル及び光ファイバセンサ Download PDF

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【課題】測定対象物や測定方法に応じて様々な形状の繊維強化光ファイバケーブルを製造することが可能な光ファイバケーブル用線状体、及びこの線状体を用いた繊維強化光ファイバケーブル及び光ファイバセンサを提供する。【解決手段】光ファイバ素線1の周囲に、熱硬化性樹脂2bを含浸させた長繊維束2aからなる繊維強化樹脂層2が設けられ、この繊維強化樹脂層2を熱可塑性樹脂層3で被覆した構成で、熱硬化性樹脂2bの硬化度が70%以下であり、曲げ弾性率が15GPa以下である線状体10を、任意形状に成形した後、加熱して熱硬化性樹脂を硬化させて、繊維強化光ファイバケーブルとする。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化光ファイバケーブルの製造に用いられる線状体、この線状体を用いて製造された繊維強化光ファイバケーブル及び光ファイバセンサに関する。
土木・建築分野において構造物や地盤などに生じる歪みを検出する方法の1つとして、測定対象物に光ファイバケーブルを設置し、光ファイバ内を伝搬する光の変調を確認する光ファイバセンシングシステムがある。一般に、この用途に用いられる光ファイバケーブルは、施工時の折れなどを防いで取り扱い性を確保するため、光ファイバ素線を繊維強化樹脂などで被覆することで強度向上が図られている(例えば、特許文献1参照)。また、従来、光ファイバケーブルを螺旋状やU字状に賦形させて使用するセンシング方法も提案されている(特許文献2,3参照)。
特開平11−60286号公報 特開2000−97647号公報 特開2004−251857号公報
しかしながら、特許文献2に記載されているような従来の繊維強化光ファイバケーブルは、その剛性の高さから曲げ半径を小さくすると折れやすく、任意の形状に成形したり、測定対象物に沿わせたりすることが難しく、また、成形できたとしてもその形状を保持することが困難である。一方、特許文献3には、金型を用いて光ファイバをU字状に成形する方法が開示されているが、この方法は、石英製光ファイバのガラス転移点付近まで加熱する必要であるため、耐熱性の高い特殊な金型が必要であり、また長尺物を作製する場合は特殊な加熱炉を必要とするため、汎用性に乏しいという課題がある。
そこで、本発明は、測定対象物や測定方法に応じて様々な形状の繊維強化光ファイバケーブルを製造することが可能な光ファイバケーブル用線状体、及びこの線状体を用いた繊維強化光ファイバケーブル及び光ファイバセンサを提供することを目的とする。
本発明に係る光ファイバケーブル用線状体は、繊維強化光ファイバケーブルの製造に用いられる線状体であり、光ファイバ素線と、前記光ファイバ素線の周囲に設けられ、熱硬化性樹脂を含浸させた長繊維束からなる繊維強化樹脂層と、前記繊維強化樹脂層を被覆する熱可塑性樹脂層とを有し、前記熱硬化性樹脂の硬化度が70%以下であり、曲げ弾性率が15GPa以下である。
本発明の光ファイバケーブル用線状体における前記熱硬化性樹脂は、収縮抑制成分を5〜25質量%含有していてもよい。
本発明に係る繊維強化光ファイバケーブルは、前述した線状体を任意形状に成形し、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させたものである。
また、本発明に係る光ファイバセンサは、前述した繊維強化光ファイバケーブルを用いたものである。
本発明によれば、任意の形状に成形可能で、加熱によりその形状が保持される光ファイバケーブル用線状体を実現することができるため、測定対象物や測定方法に応じて様々な形状の繊維強化光ファイバケーブルを製造することができる。
本発明の第1の実施形態の線状体の横断面図である。 図1に示す線状体10の製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係る線状体について説明する。図1は本実施形態の線状体の構造を示す横断面図である。本実施形態の線状体10は、繊維強化光ファイバケーブルの製造に用いられるものであり、図1に示すように、光ファイバ素線1の周囲に繊維強化樹脂層2と、熱可塑性樹脂層3がこの順に設けられている。
[光ファイバ素線1]
光ファイバ素線1は、石英ガラスなどの光透過率が高い材料からなる光ファイバを、1又は2層の樹脂保護層で被覆した構成となっている。保護層を形成する樹脂としては、一般に、紫外線硬化型ウレタンアクリレートなどの紫外線硬化型樹脂が用いられる。光ファイバ素線1の太さは特に限定されるものではないが、光ファイバの外径が0.125mmの場合、光ファイバ素線1の外径は例えば0.25mmである。
[繊維強化樹脂層2]
繊維強化樹脂層2は、熱硬化性樹脂2bを含浸させた長繊維束2aで形成されている。長繊維束2を構成する繊維としては、ポリオレフィンやポリエステルなどからなる合成繊維(有機繊維)、又は、炭素繊維、ガラス繊維及び金属繊維などの無機繊維を用いることができるが、光ファイバ素線保護の観点から強度や弾性率などを考慮すると、無機繊維が好ましい。
特に、光ファイバがガラス製の場合は、長繊維束2には炭素繊維又はガラス繊維を用いることが好ましい。これにより、光ファイバ素線1への追従性が向上するため、屈曲させたときの折れ発生を防止することができる。
一方、熱硬化性樹脂2bは、加熱により硬化する性質の樹脂であればよく、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和アルキド樹脂及びエポキシ樹脂などを用いることができる。また、熱硬化性樹脂2bは、硬化後の硬さ及び賦形後の形状の熱的安定性から、架橋性物質を含有することが好ましく、不飽和ポリエステル樹脂、不飽和アルキド樹脂又はエポキシアクリレートのうち少なくとも1種と、架橋性モノマーなどの架橋性物質と、ジアシルパーオキサイドなどの重合開始剤とを含むことがより好ましい。
ただし、線状体10を、任意形状に成形して熱硬化させた後で更に熱を加えて変形させるような使い方をする場合は、熱硬化性樹脂2bに架橋性物質を配合しなくてもよく、また、熱硬化後も加熱により軟化する熱可塑性を示す樹脂を用いてもよい。熱硬化後も熱可塑性を示す樹脂としては、例えば重合型熱可塑性エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、繊維強化樹脂層2を構成する熱硬化性樹脂2bは、硬化度が70%以下であり、未硬化又は半硬化の状態となっている。ここで、熱硬化性樹脂2bの硬化度は、例えばフーリエ変換赤外分光光度法(FT−IR)により、硬化前後で変化しない構造に由来するピークを基準とし、硬化後に変化する構造に由来するピークの高さの比により求めることができる。また、内部標準法による測定も可能である。
繊維強化樹脂層2や熱可塑性樹脂層3を形成する過程において、長繊維束2aに含浸されている熱硬化性樹脂2bの硬化が進行することがあるが、硬化度が70%以下であれば線状体10の曲げ特性などへの影響は少なく、良好な成形性(賦形性)が得られる。一方、繊維強化樹脂層2を構成する熱硬化性樹脂2bの硬化度が70%を超えると、剛性が高くなって変形しにくくなるため、線状体10の成形性(賦形性)が低下する。
更に、熱硬化性樹脂2bには、必要に応じて、熱硬化時の収縮を抑制する収縮抑制成分が配合することができる。一般に、収縮抑制成分は、収縮によるボイド、ヒケ、反りなどを防止する目的で添加されるが、本実施形態の線状体10では、収縮抑制成分の添加は必須ではなく、例えば、長繊維束2aと熱硬化性樹脂2bの比率や用いる樹脂の種類などによって、熱硬化性樹脂2bの硬化収縮が製造される光ファイバケーブルに悪影響を及ぼすような場合に添加する。
熱硬化性樹脂2bに配合される収縮抑制成分としては、例えば不飽和樹脂、架橋性モノマーや反応性モノマーなどに溶解するポリマー成分、又は、これらに分散するポリマー粉体、無機性の粉体などが挙げられるが、特に不飽和ポリエステル樹脂(ビニルエステル樹脂)が好適である。これらの収縮抑制成分は、熱硬化性樹脂2bの硬化反応には関与しないため、熱硬化性樹脂2bの硬化収縮を緩和することができる。
ここで、熱硬化性樹脂2bに配合される収縮抑制成分の量は、特に限定されるものではないが、硬化収縮の抑制及び機械的物性の確保の観点から、熱硬化性樹脂全質量あたり5〜25質量%であることが好ましい。収縮抑制成分をこの範囲で添加することにより、側圧の増加に伴う光ファイバの伝送損失の増大や、熱硬化性樹脂量の減少に伴う機械的物性の低下を防止することができる。なお、収縮抑制成分を多量に配合すると、熱硬化性樹脂2bの粘度が症状するため、長繊維束への含浸性が低下することがあるため、熱硬化性樹脂中の収縮抑制成分量は、25質量%以下とすることが好ましい。
[熱可塑性樹脂層3]
熱可塑性樹脂層3は、柔軟性を有する熱可塑性樹脂で形成されていればよく、樹脂の種類は特に限定されるものではないが、例えばポリオレフィン系樹脂を用いることができる。また、熱可塑性樹脂層3を形成する樹脂には、耐候性、耐薬品性及び難燃性などの性能が付与されたものを用いることもできる。
[曲げ弾性率:15GPa以下]
線状体10の曲げ弾性率が15GPaを超えると、曲げにくくなるため、成形性(賦形性)が低下する。よって、本実施形態の線状体10は、曲げ弾性率を15GPa以下とする。なお、線状体10の曲げ弾性率は、繊維強化樹脂層2を構成する熱硬化性樹脂2bの硬化度、長繊維束2aの繊維径、或いは熱硬化性樹脂2bと長繊維束2aの比率などによって調整することができる。
[製造方法]
次に、本実施形態の線状体10の製造方法について説明する。図2は本実施形態の線状体10の製造方法を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態の線状体10を製造する際は、先ず、1又は2以上の長繊維束2aに未硬化状態の熱硬化性樹脂2bを含浸させる(ステップS1)。長繊維束2aに未硬化状態の熱硬化性樹脂を含浸させる際は、気泡が含まれないようにすることが好ましい。線状体10の繊維強化樹脂層2に気泡が存在し、含浸が十分でない箇所が存在すると、製造される光ファイバケーブルに曲げ応力がかかったとき、折れなどの不具合が発生する虞がある。
次に、光ファイバ素線1の周囲に熱硬化性樹脂2bを含浸させた長繊維束2aを配置又は熱硬化性樹脂2bを含浸させた長繊維束2aの中心に光ファイバ素線1を配置し、それを絞りノズルなどを通過させることにより所定径に成形すると共に余分な熱硬化性樹脂2bを除去して、光ファイバ素線1の周囲に繊維強化樹脂層2を形成する(ステップS2)。引き続き、繊維強化樹脂層2の周囲に熱可塑性樹脂を押しだし、直ちに水冷する(ステップS3)。これにより、繊維強化樹脂層2が熱可塑性樹脂層3で被覆され、所定外径を有し、熱硬化性樹脂2bの硬化度が70%以下であり、曲げ弾性率が15GPa以下の線状体10が得られる。
以上詳述したように、本実施形態の線状体は、光ファイバ素線の周囲に設けられた繊維強化樹脂層の熱硬化性樹脂が未硬化又は半硬化の状態であるため、強化用長繊維及び光ファイバ素線のいずれも容易に屈曲させることができ、比較的小さな曲げ半径にも追従することができる。また、本実施形態の線状体は、繊維強化樹脂層が熱可塑性樹脂層で被覆されているため、熱硬化性樹脂が未硬化又は半硬化の状態であっても取り扱い性が良好であり、成形時にべたつきなどの問題が生じることがない。
このため、本実施形態の線状体は、任意の形状に賦形(変形して成形)することができ、更に、加熱して熱硬化性樹脂を硬化させることでその形状を保持することが可能である。その結果、本実施形態の線状体を用いることにより、測定対象物や測定方法に応じて様々な形状の繊維強化光ファイバケーブルを製造することが可能となる。加えて、本実施形態の線状体は、繊維強化樹脂層を形成する熱硬化性樹脂に硬化剤や収縮抑制成分を特定量配合することで、製造される光ファイバケーブルに適度な追従性と剛性を付与することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る繊維強化光ファイバケーブルについて説明する。本実施形態の繊維強化光ファイバケーブルは、前述した第1の実施形態の線状体10を用いて製造されたものであり、線状体10を任意形状に変形して成形した後、加熱して熱硬化性樹脂を硬化させることにより得られ、例えば光ファイバセンサに用いられる。なお、本実施形態の繊維強化光ファイバケーブルを製造する際の成形や加熱の方法及び条件は、特に限定されるものではなく、成形は目的とする形状にできる方法及び条件であればよく、加熱も熱硬化性樹脂が十分に硬化する温度まで加熱できる方法及び条件であればよい。
本実施形態の光ファイバケーブルは、繊維強化樹脂層2を構成する熱硬化性樹脂2bが完全に硬化しているため、線状体10のときよりも曲げ弾性率が上昇する。これにより、任意形状に賦形しても、その形状を維持することが可能となる。ここで、本実施形態の光ファイバケーブルの曲げ弾性率は、特に限定されるものではないが、20GPa以上であることが好ましく、より好ましくは40GPa以上である。これにより、優れた形状保持性が得られる。
本実施形態の繊維強化光ファイバケーブルの形状は、特に限定されるものではなく、測定対象物や測定内容などの目的に応じて適宜設定することができる。例えば、タンクや配管など内部にある液状物の温度を計測したい場合は、タンクや配管などの形状に合わせて、その壁面や底面を沿うように賦形すればよい。これにより、タンクや配管内の任意の場所の温度などを計測することが可能となる。また、光ファイバセンサの測定感度を上げるため、光ファイバケーブルの敷設密度を高くしたい場合は、熱硬化樹脂を硬化させる前の線状体の状態で敷設し、賦形後に加熱して硬化させればよい。
このように、本実施形態の繊維強化光ファイバケーブルは、敷設密度も容易に調整することが可能である。更に、本実施形態の繊維強化光ファイバケーブルは、壁面などに沿わせるのではなく、水中や空中に設置するような場合にも適用可能である。具体的には、水中に設置してその歪みを検出することで、水流の状態や流速を測定したり、屋外に設置して風速を検知したりすることもできる。
本実施形態の繊維強化光ファイバケーブルは、前述した第1の実施形態の線状体を用いて製造しているため、特殊な装置を必要とせず、更に、光ファイバ素線に大きな負荷をかけることなく、測定対象物や測定方法に合わせた形状にすることができる。これにより、光ファイバセンサの適用範囲は広がると共に、伝送損失の低下や光ファイバの破損を防止して高精度の測定が可能となる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。本実施例においては、下記の方法で実施例及び比較例の光ファイバケーブルを作製し、その性能を評価した。
<実施例1>
収縮抑制成分量が樹脂全質量あたり5質量%となるようにジャパンコンポジット株式会社製 ポリホープ9966(収縮抑制成分含有率35質量%)を添加した熱硬化性ビニルエステル樹脂(昭和電工株式会社製 RF−313)に、更に希釈剤と硬化剤を配合したものに、ガラス繊維ロービング(日東紡績株式会社製 RS28)から引き出した繊度280texのストランド3本を含浸した。そして、この熱硬化性樹脂が含浸された長繊維束の中心に直径が250μmの光ファイバ素線を配置し、その後、絞りノズルを通過させることにより余剰な熱硬化性樹脂を除去して、直径0.9mmの線状体を得た。
次に、前述した方法で繊維強化樹脂層を形成した線状体の外面上に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE;プライムポリマー社製 ネオゼックス2540R)を押し出した後、直ちに水冷して、外径が1.3mmである実施例1の線状体を作製した。
<実施例2>
熱硬化性樹脂に添加する収縮抑制成分の添加量を16質量%に変更した以外は、前述した実施例1と同様の方法及び条件で、外径が1.3mmである実施例2の線状体を作製した。
<実施例3>
熱硬化性樹脂に収縮抑制成分が含まれていない以外は、前述した実施例1と同様の方法及び条件で、外径が1.3mmである実施例3の線状体を作製した。
<実施例4>
熱硬化性樹脂に添加する収縮抑制成分の添加量を30質量%に変更した以外は、前述した実施例1と同様の方法及び条件で、外径が1.3mmである実施例4の線状体を作製した。
<比較例1>
収縮抑制成分量が樹脂全質量あたり5質量%となるようにジャパンコンポジット株式会社製 ポリホープ9966(収縮抑制成分含有率35質量%)を添加した熱硬化性ビニルエステル樹脂(昭和電工株式会社製 RF−313)に、更に希釈剤と硬化剤を配合したものに、ガラス繊維ロービング(日東紡績株式会社製 RS28)から引き出した繊度280texのストランド3本を含浸した。そして、この熱硬化性樹脂が含浸された長繊維束の中心に直径が250μmの光ファイバ素線を配置し、その後、絞りノズルを通過させることにより余剰な熱硬化性樹脂を除去して、直径0.9mmの線状体を得た。
次に、前述した方法で繊維強化樹脂層を形成した線状体の外面上に、LLDPE(プライムポリマー社製 ネオゼックス2540R)を押し出した後、直ちに水冷し、その後加熱炉を通して熱硬化性樹脂を硬化させ、外径が1.3mmである比較例1の線状体を作製した。
前述した方法で作製した実施例1〜4及び比較例1の各線状体の評価は、以下に示す方法及び条件で行った。
〔硬化度〕
実施例及び比較例の各線状体について、最外層の熱可塑性樹脂層を除去して繊維強化樹脂層部分を取り出し、フーリエ変換赤外分光光度計を用いて反射法による測定を行った。そして、ビニル基に由来するピークの強度から、繊維強化樹脂層を構成する熱硬化性樹脂の硬化度を求めた。
〔曲げ弾性率〕
実施例及び比較例の各線状体の曲げ弾性率は、線状体の径dに対して、支点間距離を20dとし、その中心を加圧冶具で押す三点曲げ試験機を用いて、押し込み速度を5mm/分として測定した。
〔成形性〕
実施例及び比較例の各線状体を、外径26mmの円柱状マンドレルに20mmピッチで螺旋状に1000mm巻き付け、その状態を固定し、100℃のオーブンで72時間硬化させた。その後、マンドレルを外して、ばね状の光ファイバケーブルを製造した。そして、この方法で問題なく成形できかつ硬化後にその形状を保持できたものを○(良)、成形はできたが硬化後に成形した形状を保持できなかったもの又は線状体の反発によりマンドレルの大きさに成形できなかったものを×(不良)とした。
以上の結果を下記表1にまとめて示す。
Figure 2019211642
上記表1に示すように、繊維強化樹脂層の熱硬化性樹脂を硬化させ、その硬化度を70%よりも高くした比較例1の線状体は、弾性率が高く、賦形型に追従し難く、成形後の形状を保持することもできなかった。これに対して、本発明の範囲内で作製した実施例1〜4の線状体は、賦形型への追従性及び成形後の形状保持性共に優れていた。
以上の結果から、本発明によれば、測定対象物や測定方法に応じて様々な形状の繊維強化光ファイバケーブルを製造することが可能な線状体を実現できることが確認された。
1 光ファイバ素線
2 繊維強化樹脂層
2a 長繊維束
2b 熱硬化性樹脂(未硬化又は半硬化)
3 熱可塑性樹脂層
10 線状体

Claims (4)

  1. 繊維強化光ファイバケーブルの製造に用いられる線状体であって、
    光ファイバ素線と、
    前記光ファイバ素線の周囲に設けられ、熱硬化性樹脂を含浸させた長繊維束からなる繊維強化樹脂層と、
    前記繊維強化樹脂層を被覆する熱可塑性樹脂層と
    を有し、
    前記熱硬化性樹脂の硬化度が70%以下であり、
    曲げ弾性率が15GPa以下である光ファイバケーブル用線状体。
  2. 前記熱硬化性樹脂は、収縮抑制成分を5〜25質量%含有する請求項1に記載の光ファイバケーブル用線状体。
  3. 請求項1又は2に記載の線状体を任意形状に成形し、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させた繊維強化光ファイバケーブル。
  4. 請求項3に記載の繊維強化光ファイバケーブルを用いた光ファイバセンサ。
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